(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】フラックスフリーはんだボール実装機構
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220608BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20220608BHJP
B23K 3/06 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H01L21/92 604H
H05K3/34 505A
B23K3/06 H
(21)【出願番号】P 2020505168
(86)(22)【出願日】2018-08-07
(86)【国際出願番号】 US2018045473
(87)【国際公開番号】W WO2019032485
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-03-04
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520032262
【氏名又は名称】ボストン プロセス テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジエン
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/086508(WO,A1)
【文献】特開平09-232742(JP,A)
【文献】特開2000-216199(JP,A)
【文献】特開2010-258133(JP,A)
【文献】特開2009-071332(JP,A)
【文献】特開2010-129929(JP,A)
【文献】国際公開第2016/174966(WO,A1)
【文献】特開2008-227118(JP,A)
【文献】特開2008-288555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60- 21/607
H05K 3/32- 3/34
B23K 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ上に配置されたパッドのアレイの上への複数のはんだボールのフラックスフリーアセンブリを可能にして、ウェハ製品を構成し、エレクトロニクス産業での前記ウェハ製品の使用を可能にするプロセスであって、
前記ウェハ上にフラックスフリー結合剤を堆積させることと、
圧縮乾燥空気のカーテンを前記フラックスフリー結合剤が堆積させた前記ウェハの表面の全体にわたって掃引させるように、前記ウェハ上の前記フラックスフリー結合剤上に前記圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けて、前記ウェハ上の前記フラックスフリー結合剤の深さを制御することと、
前記ウェハ上に、孔付きステンシルを配置することと、
パッド付きウェハを、前記孔付きステンシルに整列させることと、
前記整列されたパッド付きウェハと前記孔付きステンシルとが整列されていることを、コンピュータ化光学ビジョンシステムを通して検証することと、
ボール実装ヘッドから前記孔付きステンシル上に多数のはんだボールを落下させることによって、落下させた前記はんだボールを前記ウェハ上に配置された前記孔付きステンシルの孔のアレイを通して、前記ウェハ上の前記フラックスフリー結合剤の上に、はんだボールのアレイを堆積させることと、
前記ボール実装ヘッドの底側に取り付けられたループ状ワイヤのアレイを、前記孔付きステンシル上の前記はんだボールのアレイの中に降下させることと、
前記孔付きステンシル上の前記はんだボールのアレイ内で前記ループ状ワイヤのアレイを振動させて、前記孔付きステンシルの前記孔を通したボール載置をさらに生じさせることと、
前記孔付きステンシル上の前記はんだボールのアレイの上に圧縮乾燥空気を吹き付けて、前記孔付きステンシル上に残存しているいかなる外れた過剰なはんだボールも変位させることと、
前記吹き付けられた圧縮乾燥空気によって変位されたいかなる外れた過剰なはんだボールも吸引及び収集することと、を含むプロセス。
【請求項2】
前記ウェハをスリーゾーン真空チャック上に支持して、その上に前記ウェハをしっかりと保持するステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
垂直変位可能な支持ピンのアレイを、前記スリーゾーン真空チャック内部に配置して、空気圧ピン制御プロセスによって制御された様態で、前記ウェハを、前記真空チャックの上に降下させることを可能にするステップを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
ウェハ処理加工収容チャンバ内でのウェハ上の複数のはんだボールのフラックスフリー加工のためのシステムであって、
ウェハが前記加工収容チャンバ内で加工されているとき、複数のはんだボールを包含する前記ウェハの支持を維持するための
移動可能な真空支持チャックと、
前記加工収容チャンバ内部の前記ウェハの上方に、結合剤堆積関係にあるように配置された、
移動可能なフラックスフリー結合剤アプリケータと、
流体カーテンを前記フラックスフリー結合剤が堆積させた前記ウェハの表面の全体にわたって掃引させるように、前記加工収容チャンバ内部の前記ウェハに適用されるいかなるフラックスフリー結合剤に対しても結合剤適用最小化処理関係にあるように配置された、
移動可能な流体カーテンディスペンサであって、前記流体カーテンが、圧縮空気である、流体カーテンディスペンサと、を備えるシステム。
【請求項5】
前記
移動可能な流体カーテンディスペンサが、処理されている前記ウェハの上に移動可能に配置された空気噴出ノズルのアレイを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記空気噴出ノズル及び前記
移動可能なフラックスフリー結合剤アプリケータの両方が、共通のガントリフレーム機構上に支持される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウェハ上に適切に配置されていないいかなる過剰はんだボールも収集するために、処理中の前記ウェハに隣接して配置された、真空を利用する過剰はんだボール収集容器を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記過剰はんだボール収集容器による、過剰はんだボールの除去に続いて、はんだボール載置精度のために処理された前記ウェハを検査及び分析するための、前記加工収容チャンバ内に挿入可能なカメラ機構を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ウェハ処理加工収容チャンバ内で、ウェハ上の複数のはんだボールを処理するための方法であって、
パッド搭載済みウェハを、ロボットアームによって、前記ウェハ処理加工収容チャンバ内に引き上げることと、
前記ウェハ処理加工収容チャンバ内部に配置された
移動可能な真空チャックから延在する複数の垂直移動可能な支持ピンによって、前記ウェハ処理加工収容チャンバ内部の前記パッド搭載済みウェハを支持することと、
前記パッド搭載済みウェハを、前記垂直移動可能な支持ピンの最上端に各々配置された複数の真空カップの上に、それを通した真空によって固着することと、
前記移動可能な支持ピンを、前記
移動可能な真空チャックの中に引き込むことと、
前記パッド搭載済みウェハの底側に前記パッド搭載済みウェハを固着させるために、前記
移動可能な真空チャック内で、複数の真空チャネルからのさらなる真空を適用することと、
前記
移動可能な真空チャック上に支持された前記パッド搭載済みウェハの上側面全体に、フラックスフリー結合剤を堆積させることと、
圧縮乾燥空気のカーテンを前記フラックスフリー結合剤が堆積させた前記ウェハの表面の全体にわたって掃引させるように、前記パッド搭載済みウェハの前記結合剤付き上側面全体に、前記圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けることと、
前記パッド搭載済みウェハの上に、孔付きステンシルを配置することと、
前記パッド搭載済みウェハを、前記孔付きステンシルの下方に移動させることと、
複数のはんだボールを、前記パッド搭載済みウェハの上方に支持されたボール実装ヘッドから、前記パッド搭載済みウェハの上に落下させることと、
前記ウェハ上に前記はんだボールを強化し、前記ウェハ上の過剰なはんだボールを除去するために、圧縮乾燥空気のカーテンを前記ボール実装ヘッドが付いた前記ウェハの表面の全体にわたって掃引させるように、前記ウェハ上の前記はんだボールの上に圧縮乾燥空気のカーテンをさらに吹き付けることと、
前記パッド搭載済みウェハから、前記孔付きステンシル内に整列されていない過剰なはんだボールを吸引及び収集することと、
さらなる処理チャンバ内での加工のために、前記パッド搭載済みウェハ処理収容チャンバから前記パッド搭載済みウェハを取り出すことと、を含む方法。
【請求項10】
振動掃引機構を、前記ウェハ処理収容チャンバ内部の前記パッド搭載済みウェハの上方の位置に下げるステップと、
前記孔付きステンシル内の孔内部でのはんだボールの載置を確実にするために、前記掃引機構を、その上にはんだボールを有する前記パッド搭載済みウェハの上方で振動させるステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パッド搭載済みウェハから過剰なはんだボールの収集を可能にするために、前記孔付きステンシルの縁に沿って真空を適用するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ウェハチップ処理適用チャンバ内における、パッド搭載済みウェハチップ上のはんだボールのフラックスフリーアセンブリのためのプロセスであって、
前記ウェハチップの上側面に、はんだボールアレイ取り付けパッドを適用するステップと、
前記ウェハチップを、ロボット制御でウェハチップ処理適用チャンバの中に移動させるステップと、
前記ウェハチップを、
移動可能な真空チャックから垂直方向上方に延在する空気圧制御支持ピンの配列の上まで下げるステップと、
前記ウェハチップを、介在する複数の真空チャネルによって、前記
移動可能な真空チャックの上に固着させるステップと、
結合剤噴霧ノズル及び圧縮空気送出ノズル機構によって支持されたガントリフレームを、前記ウェハチップ処理適用チャンバの中に導入するステップと、
結合剤流体を、前記結合剤噴霧ノズルから、その下方の前記ウェハチップの上側面全体に噴霧するステップと、
過剰な結合剤流体を除去するために、圧縮乾燥空気のカーテンを結合剤が付いた前記ウェハチップの上側面全体にわたって掃引させるように、前記圧縮乾燥空気のカーテンを、前記圧縮空気送出ノズルから、前記ウェハチップの前記上側面の上に噴霧するステップと、
前記ウェハチップを、前記
移動可能な真空チャック上に粗く整列させるステップと、
孔付きステンシルを、前記ウェハチップ処理適用チャンバの中に、前記ウェハチップ上方に導入するステップと、
前記ウェハチップに対する前記孔付きステンシルの整列を、前記ウェハチップ処理適用チャンバ内部のガントリフレーム上に支持された検証カメラによって検証するステップと、
X、Y、及びZ方向に変位可能なボール実装ヘッドを、前記ウェハチップ処理適用チャンバの中に導入するステップと、
複数のはんだボールを、前記ウェハチップ上方の前記孔付きステンシルの上に落下させることと、
ループ状ワイヤの機構を、前記複数のはんだボールの上で振動させ、それによって、前記はんだボールを、前記ウェハチップの表面上の前記孔付きステンシルの前記孔の中に誘導するステップと、を含むプロセス。
【請求項13】
過剰な結合剤を前記ウェハから除去するために、前記結合剤全体に圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けるステップを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
はんだボールを、前記ウェハ上の最小化された結合剤上に整列させるステップを含む、請求項12に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、はんだボールが取り付けられたウェハ、基板、PCB又はパネル基板チップの製造のための機構に関し、より具体的には、はんだボール実装機構におけるフラックスフリー結合剤によるウェハの載置加工のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] はんだボール実装機は、通常、ウェハがロボットアームによってピックアップされてフラックスステーションに配置されるプロセスフローを有する。マスクは、そのステーションの整列マークを介して、ウェハ上のバンプパッドに対し整列させられる。フラックスは、テンプレート又はマスクを通して適用される。フラックスは不透明であるため、ボール実装整列マークは、フラックスがボール実装整列マークをコーティングすることを防止するために、フラックス整列テンプレートで覆われている。マスクは、はんだボール実装ステーションにおいて、光学ビジョン機構を使用して、ボール実装整列マークによって、ウェハに対し整列させられる。ウェハは、検査後、加工チャンバの中に配置される。汚染は一般的である。このように、フラックスは不透明であるため、テンプレート及びマスクのセットがいくつか必要とされる。多数の整列メカニズムのセットが必要である。
【0003】
[0003] 本発明の目的は、従来技術の汚染、材料の無駄、及び過度な時間という不利点を克服することである。
【0004】
[0004] 本発明のさらなる目的は、従来技術のシステムの加工ステップ及び費用を削減することである。
【0005】
[0005] 本発明のさらなる目的は、はんだボールを確実に適切な場所に堆積するために光学系を利用し、また、あらゆるはんだボールの誤配置を識別して突き止めるために光学系を利用するウェハ加工チャンバを提供することである。
【0006】
[0006] 本発明のさらなる目的は、ウェハ配置時にあらゆる結合剤の過供給を取り除いて回収するための掃引メカニズムを提供することである。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明は、エレクトロニクス産業での使用のために、ウェハへの複数のはんだボールのフラックスフリーな取り付けを可能にするように加工するように構成された初期アセンブリモジュールを含み、プロセスは、ウェハ上にフラックスフリー結合剤を堆積させることと、ウェハ上のフラックスフリー結合剤の上に圧縮乾燥空気を吹き付けて、ウェハ上のフラックスフリー結合剤の深さを制御することと、ウェハ上に配置されたステンシルの孔のアレイを通して、はんだボールのアレイを、ウェハ上のフラックスフリー結合剤の上に堆積させることと、ボール実装ヘッドの底側に取り付けられたループ状ワイヤのアレイを、ウェハの上方のステンシル上のはんだボールのアレイの中に降下させることと、ウェハの上方のステンシル上のはんだボールのアレイ内のループ状ワイヤのアレイを振動させることと、ウェハの上方のステンシル上のはんだボールのアレイ全体に圧縮乾燥空気を吹き付けて、ステンシル上のいかなる外れた過剰なはんだボールも変位させることと、吹き付けられた圧縮乾燥空気によって変位されたいかなる外れた過剰なはんだボールも吸引及び収集することと、を含む。本プロセスは、ボール実装ヘッドからステンシル上に多数のはんだボールを落下させることによって、ウェハの上方のステンシル上にはんだボールのアレイを堆積させることと、ウェハをスリーゾーン真空チャック上に支持して、その上にウェハをしっかりと保持することと、垂直変位可能な支持ピンのアレイを、スリーゾーン真空チャック内部に配置して、空気圧ピン制御プロセスによって制御された様態で、ウェハを、真空チャックの上に降下させることを可能にすることと、を含む。初期アセンブリモジュールの後に、例えば、さらなるウェハ/パッド処理モジュールでの熱処理のようなさらなる処理が続く。
【0008】
[0008] 本発明はさらに、ウェハ処理加工収容チャンバ内でのウェハ上の複数のはんだボールのフラックスフリー加工のためのシステムを備え、システムは、ウェハが加工収容チャンバ内で加工されているとき、複数のはんだボールを包含するウェハの支持を維持するための屈伸可能な真空支持チャックと、加工収容チャンバ内部のウェハの上方に、結合剤堆積関係に配置された、屈伸可能なフラックスフリー結合剤アプリケータと、ウェハ上に流体カーテンを適用するために、加工収容チャンバ内部のウェハに適用されたあらゆるフラックスフリー結合剤に対して結合剤適用最小化処理関係に配置された、屈伸可能な流体カーテンディスペンサであって、流体カーテンが、圧縮空気である、流体カーテンディスペンサと、を備える。本明細書で使用される用語「ウェハ(wafer)」は、エレクトロニクス産業で使用されるように、ウェハチップ、基板、又はパネルとも呼ばれる場合がある。
【0009】
[0009] 屈伸可能な流体カーテンディスペンサは、好ましくは、処理されているウェハの上に移動可能に配置された空気噴出ノズルのアレイを備える。空気噴出ノズル及び屈伸可能なフラックスフリー結合剤アプリケータの両方が、好ましくは、共通のガントリフレーム機構上に支持される。本システムは、ステンシルの孔を通した移送を介して、ウェハ上に適切に配置されていないいかなる過剰はんだボールも収集するように、処理中のウェハに隣接して配置された、真空を利用する過剰はんだボール収集容器を含む。本システムはさらに、過剰はんだボール収集容器による、過剰はんだボールの除去に続いて、はんだボール載置精度のために処理されたウェハを検査及び分析するための、加工収容チャンバ又はモジュール内に挿入可能なカメラ機構を含む。
【0010】
[0010] 本発明はさらに、ウェハ加工チャンバ内での加工中の、ウェハへのはんだボール取り付けのための光学制御システムを備え、システムは、ウェハ加工チャンバの上端でのオーバヘッドセンサの配置を支持するオーバヘッドフレーム部材と、下方に屈伸可能なはんだボール及びウェハ真空支持チャックと、チャックと、オーバヘッドセンサの配置との間に配置された屈伸可能なステンシルマスクであって、オーバヘッドセンサが、そのボール整列加工中に屈伸可能なステンシルマスクを通したウェハ上のはんだボールの整列を監視する、ステンシルマスクと、を備える。オーバヘッドセンサは、オーバヘッドガントリフレーム機構上に装着され、オーバヘッドセンサが、X方向及びY方向に移動可能であるオーバヘッドセンサの各々は、レンズアセンブリと、光センサと、人工光源と、を備える、カメラを備えるウェハ真空支持チャックは、ウェハに焦点が合うように、最初に垂直な距離でカメラの下方に位置付けられ、カメラは、制御コンピュータへの送信のために、ウェハの複数の画像を撮影する本発明はさらに、上方に配置された屈伸可能なステンシルマスクに対して、整列されていないパッドをすべて再配向させるためのパッド整列機構を含む。
【0011】
[0011] 本発明はさらに、ウェハ処理加工収容チャンバ内で、ウェハ上の複数のはんだボールを処理するための方法を含み、パッド搭載済みウェハを、ロボットアームによって、ウェハ処理加工収容チャンバ又はモジュール内に引き上げることと、ウェハ処理加工収容チャンバ内部に配置された屈伸可能な真空チャックから延在する複数の垂直移動可能な支持ピンによって、ウェハ処理加工収容チャンバ内部のパッド搭載済みウェハを支持することと、パッド搭載済みウェハを、垂直移動可能な支持ピンの最上端に配置された複数の真空カップの上に、それを通した真空によって固着することと、移動可能な支持ピンを、屈伸可能な真空チャックの中に引き込むことと、パッド搭載済みウェハの底側にパッド搭載済みウェハを固着させるために、屈伸可能な真空チャック内で、複数の真空チャネルからのさらなる真空を適用することと、屈伸可能な真空チャック上に支持されたパッド搭載済みウェハの上側面全体に、フラックスフリー結合剤を堆積させることと、パッド搭載済みウェハの上側面に付けられた結合剤全体に、圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けることと、パッド搭載済みウェハの表面の上方に、孔付きステンシルを配置することと、複数のはんだボールを、パッド搭載済みウェハの上方に支持されたボール実装ヘッドから、パッド搭載済みウェハの上に落下させることと、ウェハ上の過剰なはんだボールを除去するために、ウェハ上のはんだボールの上に圧縮乾燥空気をさらに吹き付けることと、孔付きステンシル内に整列されておらず、孔の中に受け入れられていないパッド搭載済みウェハから、過剰なはんだボールを吸引及び収集することと、さらなる処理チャンバ内での加工のために、パッド搭載済みウェハ処理収容チャンバからパッド搭載済みウェハを除去することと、を含む。本方法は、振動掃引機構を、ウェハ処理収容チャンバ内部のパッド搭載済みウェハ及び孔付きステンシルの上方の位置に下げるステップと、孔付きステンシル内の孔内部でのはんだボールの載置を保証するために、掃引機構を、パッド搭載済みウェハの上でそのはんだボールとともに振動させるステップと、パッド搭載済みウェハからの過剰なはんだボールの収集を可能にするために、ステンシルの縁に沿って真空を適用するステップと、を含む。
【0012】
[0012] 本発明はさらに、ウェハチップ処理適用チャンバ内における、パッド搭載済みウェハチップ又は基板又はパネル上のはんだボールのアセンブリのためのプロセスを含み、プロセスは、ウェハチップを、ロボット制御でウェハチップ処理適用チャンバの中に移動させるステップと、ウェハチップを、屈伸可能な真空チャックから垂直方向上方に延在する空気圧制御支持ピンの機構の上まで下げるステップと、ウェハチップを、介在する複数の真空チャネルによって、屈伸可能な真空チャックの上に固着させるステップと、結合剤噴霧ノズル及び圧縮空気送出ノズル機構によって支持されたガントリフレームを、ウェハチップ処理適用チャンバの中に導入するステップと、結合剤流体を、結合剤噴霧ノズルから、その下方のウェハチップの上側面全体に噴霧するステップと、過剰な結合剤流体を除去するために、圧縮乾燥空気のカーテンを、圧縮空気送出ノズルから、ウェハチップの上側面の上に噴霧するステップと、ウェハチップを、屈伸可能な真空チャック上に粗く整列させるステップと、孔付きステンシルを、ウェハチップ上方のウェハチップ処理適用チャンバの中に導入するステップと、ウェハチップ処理適用チャンバ内のガントリフレーム上に支持されたカメラのアレイによって、ステンシルに対してウェハを精密に整列させるステップと、ウェハチップに対するステンシルの配列を、ウェハチップ処理適用チャンバ内部のガントリフレーム上に支持された検証カメラによって検証するステップと、X、Y及びZ方向に変位可能なボール実装ヘッドを、ウェハチップ処理適用チャンバの中に導入するステップと、複数のはんだボールを、ウェハチップ上方の孔付きステンシルの上に落下させるステップと、ループ状ワイヤの機構を、複数のはんだボールの上で振動させて、はんだボールを、ウェハチップの表面上の孔付きステンシルの孔の中に誘導するステップと、孔付きステンシル全体にわたって圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けて、過剰なはんだボールをステンシルの縁に移動させるステップと、過剰なはんだボールを吸引して、後の使用のために保管するステップと、を含む。本プロセスは、過剰な結合剤をウェハから除去するために、結合剤全体に圧縮乾燥空気のカーテンを吹き付けるステップと、ウェハ上の最小化された結合剤上にはんだボールを整列させるステップと、を含む。
【0013】
[0013] 本発明はさらに、半導体産業で使用するためのウェハチップアセンブリ機構を含み、ウェハチップアセンブリの一部が、生産モジュールにおける整列プロセスであって、パッド付きチップを、屈伸可能なチャック上に支持するステップと、屈伸可能なチャックと、パッド付きチップとを、孔付きステンシルの下方に移動させるステップと、孔付きステンシルを、ベースプレート上の固定位置に保持することであって、孔が、固有の孔パターンを画定する、保持するステップと、一対の撮像カメラを、モジュール内部及びステンシルの上方に支持するステップと、孔付きステンシルの固有の孔パターンの孔のうちの少なくともいくつかのうちの少なくとも2つの画像を捕捉するステップと、保存及び分析のために、固有の孔パターンの画像を、制御コンピュータに送信するステップと、を含むプロセスを含む。ウェハチップアセンブリプロセスは、画像から、孔のサブセットを、複合的特徴として識別することと、グローバル座標系の観点から、制御コンピュータによって、ステンシル上の複合的特徴の精密な位置を記憶することであって、座標系が、ベースプレート静止素子に対して固定される、記憶することと、一対の整列カメラを、整列ウィンドウの上に位置付けることと、パッド付きウェハの画像を、整列カメラの各々によって捕捉することと、整列カメラによって捕捉された画像を、制御コンピュータによって分析することと、撮像カメラと、整列カメラと、によって捕捉された画像を比較し、ステンシル内の孔と、屈伸可能なチャック上のパッド付きウェハとの間の相対的な向きを判定することと、パッド付きウェハを支持する屈伸可能なチャックを、孔付きステンシルの下方に正しく位置付けるように移動させ、はんだボールの配備を待機することと、を含んでもよい。
【0014】
[0014] 本発明の目的及び利点は、以下の図面と併せて見るとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の構造及び原理を利用した加工のステップを表す。
【
図2A】支持チャックの上へのウェハのローディング及びその固定を行うロボットプロセスを側面図で示す。
【
図2B】支持チャックの上へのウェハのローディング及びその固定を行うロボットプロセスを側面図で示す。
【
図2C】支持チャックの上へのウェハのローディング及びその固定を行うロボットプロセスを側面図で示す。
【
図3A】ガントリ制御結合剤噴霧機構と、それを備えた過剰な結合剤除去機構とを有する適用チャンバ内の搭載済み支持チャックの側面図を示す。
【
図3B】
図3Aに表されている側面図を示し、ガントリ制御結合剤噴霧機構が、結合剤を、チャックの上部に載置されたウェハの上面に適用している。
【
図3C】
図3Bに示されている側面図を示し、ガントリ制御された過剰結合剤除去機構が、適用された過剰な結合剤を除去し、その過剰な結合剤を、適用チャンバから排出するように機能する。
【
図4A】複数の整列制御カメラの、適切な回路を介した動作及び制御によって、回転制御された真空チャック上に適切に整列されたパッド搭載済みウェハの側面図を示す。
【
図4B】
図4Aに示されるチャックで支持されたウェハの平面図を示し、整列制御カメラは、それ自体が、オーバヘッドビーム/ガントリ機構のサーボモータによって制御されている。
【
図5】オーバヘッド検証制御カメラ機構によって観察及び制御されている、その上方に開孔整列ステンシルを有し、その上に真空保持されたウェハを有するチャックの側面図である。
【
図6A】その上に配置された複数のパッドを有するウェハを平面図で示す。
【
図6B】直下に配置されたウェハと整列された開孔整列ステンシルを図示する。
【
図7】ステンシル上方に支持された移動可能なガントリに装着された整列カメラの機構を平面図で示し、ステンシルはベースプレート上の固定位置に保持されている。
【
図8】ウェハの上方のある位置で支持及びロックされた整列カメラの機構を、
図7と同様の平面図で示す。
【
図9】、各々が、制御コンピュータによるさらなる処理と、そのチャック上の、ステンシルの下でのウェハの後続の整列のためである、整列カメラによって撮影されたウェハ画像と、整列カメラによって撮影されたステンシル画像とを平面図で表す。
【
図10】整列カメラ機構で撮影したときの複数のステンシル孔の画像を表す。
【
図11】ステンシルの下に整列される支持チャックの移動を容易にするための、ステンシル画像番号1とウェハ画像番号1と、ステンシル画像番号2とウェハ画像番号2との比較を表す。
【
図12A】ステンシルの孔及びウェハ上のパッドの誤整列された特徴の複合を示し、
図12Bでは、ここでは適切に位置づけられたチャック上に支持されているパッド付きウェハが、ここでは適切に整列された関係を表している。
【
図13A】ウェハ-ステンシル整列の検証画像を表し、ここでは、ウェハ上のパッドと、その上方のステンシル孔との間の適切な整列を示す。
【
図13B】検証カメラによって撮影されたときの、ウェハ-ステンシル整列の検証画像を表し、ステンシル孔のアレイの下のパッド付きウェハの誤整列の例を示す。
【
図14】ボールマウンティングプロセスを表し、真空チャックが、その上のパッド及び結合剤とともに、整列されたステンシルの下側と接触係合するように引き上げられ、複数のはんだボールが、上方に配置されたボール実装ヘッドによって、ウェハ上のパッド上の適切な位置に入れられる。
【
図15】全体にわたって掃引する過剰はんだボール除去機構による過剰なはんだボールの除去と、ステンシルの上側面からの過剰なはんだボールの同時回収とを図示する。
【
図16】搭載されたウェハ、その複数のパッド、及びその上に配置された装着済みはんだボールの光学検査を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0036] ここで図面を詳細に参照し、特に
図1を参照すると、短縮されたアセンブリ手順を有するフラックスレスはんだボール実装アセンブリ加工モジュールに関連する本発明の概略図が示され、この手順は、続いて、関連出願に記載されているように、垂直方向に構成された熱処理機構を必要とする。
図1に概して述べられているプロセスは、さらに具体的には以下のように説明される。FOUP(front operating unified pod container)は、パッド搭載済みウェハを処理チャンバに搭載するロボット機構を有し、液体結合剤は、ウェハの上側面に適用され、過剰な結合剤は、圧縮乾燥空気のカーテンにより、チップ上に薄膜のみを残してチップから一掃され、ウェハは、プリアライナロボットアームで粗調整されて真空支持チャック上に搭載され、光学機械システムは、ウェハを1つの整列及び固定されたステンシルに対して精密に整列し、はんだボールは、ステンシルの孔を通して、ウェハ上の結合剤でコーティングされたパッドに適用され、過剰なボールは、圧縮乾燥空気のさらなる掃引適用によって除去され、当該過剰なボールは、隣接する真空吸引システムによって回収され、次いで、ウェハが光学的に検査され、ボールの載置を確認するか、又は必要であれば修正する。次いで、適切に搭載されたウェハは、さらなるモジュールでの後続の処理のために、ロボットアームによって引き出される。
【0017】
[0037] 上記のプロセスは、
図2Aに示される側面図から始まる以下の図でより具体的に説明され、ロボットアーム10は、温度及び湿度制御された適用チャンバ14の中に、ウェハ12を送り込むように示されている。ウェハ12には、複数のはんだボール受けパッド16が事前搭載されている。3つの独立ゾーン真空チャック18もまた、適用チャンバ(モジュール)14内に配置されている。複数の支持ピン20は、支持チャック18の上側面から延在する。支持ピン20は、垂直変位可能であり、
図2A及び
図2Bにおいて見られ得るように、その最上部又は遠位端に配置された真空カップ22を有する。ロボットアーム10は、
図2Bに表されるように、支持ピン20の上端上にウェハ12を堆積させる。ウェハ12を担持する支持ピン20は、好ましくは、真空チャック18内に空気圧で完全に引き込まれ、
図2Cに表されるように、凹型ピン20になる。いったんウェハ12が、チャック18に接触すると、チャック18内に配置された複数の真空チャネル24が作動して、ウェハ12を適所にしっかりと保持する。真空チャネル24は、チャック18の表面にわたる3つのゾーンにグループ化され、各々のゾーンが適切なコンピュータ制御回路25によって互いに独立して制御され得る。
【0018】
[0038]
図1に列挙されたプロセスの次のステップは、最初に
図3Aに表され、そこで側面図において、下端を有する適用チャンバ14を示し、真空支持チャック18はそこに存在するかしないかに関わらない。ガントリフレーム30は、パッド16が事前搭載されているウェハ12上方のチャンバ14の中に、かつその内部に延在し、ガントリフレーム30は、コンピュータ制御されたサーボモータによってチャンバを横切って(横方向又は縦方向、もしくはその両方に)制御可能に移動可能である。結合剤噴霧ノズル32のアレイは、ガントリフレーム30の下端に配置され、ガントリフレーム30内の導管を介して、そこを通って、その下のウェハ12の上に、液体結合剤「b」を噴霧することを可能にしている。また、「エアナイフ」34もまた、ガントリフレーム30の下端に配置され、必要に応じて、コンピュータ制御された圧縮乾燥空気のカーテンを、その下のウェハ12の幅全体にわたって、ガントリフレーム30のコンピュータ制御された移動により同様に適用する。ガントリフレーム30の作動により、ウェハ12全体をノズル32及びエアナイフ34にスキャンさせる。
【0019】
[0039]
図3Bは、結合剤「b」を示し、ガントリフレーム30がその直下にあるウェハ12をわずかに横切る際に、ウェハ12及びパッド16の両方を意味するパッド搭載済みウェハ12上に噴霧される。注目すべきは、結合剤「b」が、
図3Bの右側に見られるように、ウェハ12上と、場合によってはパッド16上とに過度に堆積しているように示されていることである。
図3Cは、直下にある結合剤でコーティングされたウェハ12の上方のガントリフレーム30の横断を表す。
【0020】
[0040] エアナイフ34を描画する
図3Cのガントリフレーム30は、好ましくはノズル92のアレイを備え(以下でさらに説明される)、湿度及び温度制御された圧縮乾燥空気のカーテンを、真空チャック18上に支持された結合剤付きウェハ12の表面全体にわたって掃引させる。圧縮乾燥空気は、ウェハ12の水平面に対して直角に、又は角度を付けて吹き付けられ得る。圧縮乾燥空気吹き付けカーテン又はストリームの機械的作用及び/又は蒸発作用は、適用チャンバ14の左側に示されるように、過剰な結合剤をウェハ12から、チャンバ内部の下部排出ポート36を介して収集容器(図示せず)の中に追いやる。ウェハ12の右側の、ウェハ12上に示された結合剤38の薄膜が、
図3Cに表される。結合剤薄膜38の厚さは、圧縮乾燥空気の流量、ガントリフレーム30のスキャン速度、エアナイフ34の位置又はそれらのノズル形状を調整することにより制御され得る。
【0021】
[0041] 真空支持チャック18によって保持されたウェハ12の整列プロセスの側面図、ウェハ12及びその各パッド16がすべて
図4Aに表されており、パッド16は、結合剤「b」の薄膜を受容している。整列カメラ機構40は、適用チャンバ14内のガントリフレーム機構42上に配置され、カメラ機構40は、サーボモータ53及び54によって、そのガントリフレーム機構42上のX方向及びY方向に移動可能に制御されている。各整列カメラ40は、レンズアセンブリ、光センサ、又は、及び人工光源で構成されている。
図4Aに示されている真空支持チャック18もまた支持され、多軸ステージ56によってX、Y、及びZ方向に作動し得、制御コンピュータ52による相互作用を介してシータ方向(z軸の周り)に回転され得る。チャック18は、
図4Bに示されるように、ウェハ12に焦点が合うように、最初に垂直方向のある距離でカメラ40の下方に位置付けられる。カメラは、ベースプレート57の開口部55である整列ウィンドウを通して、ウェハ12を観察する。整列ビーム「I」は、直下のパッド16のアレイの上に下向きに向けられた一対の整列カメラ40のうちの一方から発する
図4Aのカメラの「視野」を表す。また、別個に支持及び制御された検証カメラ62が
図4Aに示されており、以下でさらに説明される。
【0022】
[0042]
図4Bは、横ビーム44にガントリフレーム42の一部として装着された一対の整列カメラ40を示し、その横ビーム44上でX方向に独立して移動するようにコンピュータ制御されている。ビーム44自体は、Y方向に作動するが、X方向に平行である。各カメラ40は、好ましくは、コンポーネント整列の本プロセスのためのレンズアセンブリ、光センサ、及び人工光源で構成され、真空チャック18は、ウェハ12の表面に焦点が合うように、最初に垂直方向のある距離でカメラ40の下方に位置付けられる。次いで、各カメラ40は、ウェハ12上の異なる位置の画像を捕捉し、これらの画像を、適切な回路52を介して制御コンピュータ50に送るようにプログラムされる。この視覚情報は、制御コンピュータ50によって処理され、真空チャック18上のウェハ12の精密な位置を示す。ウェハ12の精密な位置が判断されると、ステージ56は、回路52を介して、チャック18を指示されたように作動させて、
図4Aに表されるように、ウェハ12を適切なX、Y、及びシータの配向に整列させ、これにより、後述の
図5、
図6A、及び
図6Bに表されるように、ボールステンシル60上の対応する孔72の真下に、ウェハ12のパッド16を整列させるために、単一の付加的な平行移動ステップのみが必要とされる。
【0023】
[0043] 上記で言及された孔付き又は開孔ボールステンシル60は、
図5の側面図に示され、チャンバ14内の真空支持チャック18の上方に配置されている。真空支持チャック18は、その下のステージ56によって移動可能に制御されて示される。下向きの検証カメラ62は、ボールステンシル60の上方に装着されて示されている。検証カメラ62は、空気圧支持機構63により、適切なコンピュータ制御により、「Z」方向に垂直方向に移動可能であり得る。ウェハ12はまず、整列カメラ機構40の下方の位置からボールステンシル60及び検証カメラ62の直下の位置まで「Y」方向に平行移動する。次いで、チャック18のウェハ12は、ボールのステンシル60の底部に接触するか、ほぼ接触するように「Z」方向に平行移動する。いったんウェハ12がボールステンシル60まで引き上げられ、検証カメラ62がその下側位置にあると、ボールステンシル60及びウェハ12は、検証カメラ62の焦点面内にある。コンピュータ制御検証カメラ62は、ウェハ12上の単一の場所の画像を撮影するように指示される。制御コンピュータ50は、この情報を用いて、ウェハ12とボールステンシル60との間の最終的な整列を確認する。いったん確認されると、検証カメラ62は、以下の
図6A及び
図6Bに示され、説明されるように、制御リフト空気圧駆動部63によって持ち上げられ、ボール実装ヘッド70の邪魔にならないようにされる。
【0024】
[0044] これらのパッド16のそれぞれは、最終的にはボールステンシル60の孔72のうちの1つの下の、X方向及びY方向の中央に配置されることになる。ウェハ12、そのパッド16及び開孔ステンシル60の配置が、
図6Aに平面図で示される。左側の図である
図6Bは、その上に同様に整然と整列された複数のパッド16を有するウェハ12自体を示す。右側の
図6Aは、複数のパッド16を有するウェハ12自体を示す。
図6Bに表されたステンシル60は、その上に同様に整然と整列された孔72のアレイを有する。ウェハ12が適切に整列されると、これらのパッド16の各々は、最終的にはボールステンシル60の孔72のうちの1つの下の、X方向及びY方向の中央に配置されることになる。次いで、検証カメラ62は、制御コンピュータによって、これらの整列されたパッド16及び孔72のサブセットの写真を撮影するように指示される。カメラの視野内のパッド16及び孔72のすべてが制御コンピュータ50によって適切に整列されていると判断されると、次いで、ウェハ16全体が適切に整列されたものと想定される。
【0025】
[0045]
図7は、整列プロセスを示し、ツールのセットアップ中、加工が開始される前に、ガントリフレーム42が2つの整列カメラ40をステンシル60の上方に位置付ける。ステンシル60は、ベースプレート57上の固定位置に保持され、セットアップ及び加工の間にわたって固定されたままにされる。ステンシル60は、加工される特定のウェハ12に対応する複数の孔72と、固有の孔パターンと、を包含する。各カメラ40(両方)がステンシル60の上方にある間、各々がステンシル60の一部の画像を捕捉し、この画像は、孔72のパターン全体の一セクションである。これらの画像セクションは、
図9において、ステンシル画像#1(92)及びステンシル画像#2(94)として識別される。これらの画像セクション92及び94は、保存及び解析のために制御コンピュータ50に送信される。各画像は、
図10に示されるように、多数のステンシル孔72を捕捉する。実際には、孔72の数は、数百個であってもよい。いったん制御コンピュータ50が画像を受信すると、制御コンピュータ及びソフトウェアは、画像92又は94内の、「複合的特徴」と呼ばれる固有のパターンを形成する孔96のサブセットを識別する。この複合的特徴が識別された後、ビジョンソフトウェアは、複合的特徴の精密な位置及び配向を判断する。その結果、トレーニング中に、ソフトウェアは、グローバル座標系の観点から、ステンシル60上の2つの複合的特徴の精密な位置を識別及び記憶する。この「グローバル座標」は、ベースプレート57などのツールの静止素子に対して固定される。
【0026】
[0046] 次いで、ガントリフレーム44は、
図8に示されるように、整列カメラ40及び40を、整列ウィンドウ55の上方に位置付ける。次いで、カメラ位置が適所にロックされ、ウェハ12のすべての加工及び生産の間、固定されたままにされる。ウェハ12は、加工されると、
図4Aに表されるように、支持チャック18の上に搭載され、整列カメラ40及び40の下に位置付けられる。ウェハ12は、複数のパッド16を包含する。各カメラ40及び40は、ウェハ12の一部の画像である、パッドパターン全体の一セクションの画像を捕捉する。
図9で識別されたこれらの画像セクションは、ウェハ画像#1(93)及びウェハ画像#2(95)である。次いで、これらの画像は、解析のために制御コンピュータ50に送信される。各画像93及び95は、
図10に示されるのと同じくらい多くのパッド16を捕捉し得る。いったん制御コンピュータ50が画像93及び/又は95を受信すると、ビジョンソフトウェアは、画像93及び/又は95内のパッド96のサブセットを識別し、これらは、ステンシル60上のもののような固有のパターンである「複合的特徴」を形成する。複合的特徴が識別された後、ここで、ビジョンソフトウェアは、ステンシル画像#1(92)をウェハ画像#1(93)と、ステンシル画像#2(94)をウェハ画像#2(95)と比較し、この比較は、
図11に表される。ソフトウェアは、
図12Bに示されるように、ウェハ及びステンシルの各対の複合的特徴のそのような最終的な位置と配向とを、支持チャック18が一致させる必要があるX、Y、Z、及びシータの動きを計算し、次いで、制御コンピュータ50は、適切な回路52を介して、支持チャック18に、これらの計算された動きを実行するように命令する。このように、ウェハ12が整列され、ステンシル60の底部の近くに向かって上向きに動かされるか、又は底部と接触させられる。
【0027】
[0047] 支持チャック18がその動きを終了し、ウェハ12がステンシル60の下の位置にきた後、ウェハ-ステンシルの整列を確認する必要がある。これを行うために、検証カメラ62は、ステンシル60及びウェハ12の単一の画像を捕捉する。この画像は、「検証画像」、及び
図9に表されるように、97と標示される。整列カメラ40及び40と同様に、検証カメラ62は、全体的な孔-パッドパターンのサブセットを捕捉する。検証カメラ62は、この画像を制御コンピュータ50に送信し、ここでビジョンソフトウェアが、その画像内の孔72及びパッド16を識別する。ビジョンソフトウェアは、各パッド16及び各孔72の中心を算出し、それらを比較する。パッド16の中心と孔72の中心との相対位置に基づいて、ソフトウェアプログラムは、ウェハ12及びステンシル60の最終的な整列が、
図13Aに示された検証画像のように良好であるかどうか、又は
図13Bに示された検証画像と同程度に不良であるかどうかを判断する。ウェハ12及びステンシル16が完全に整列されると、各パッド16の中心は、
図13Aに示される検証画像によって示されるように、孔72の中心と一致する。
【0028】
[0048]
図14には、ボールマウンティングプロセスが表され、ウェハ12が、
図14及び
図15に表されているように、ステンシル60の底まで引き上げられている。ボール実装ヘッド70は、ロボット制御で、適用チャンバ14の中にその側部を通して導入され、ステンシル60の孔72の近傍に制御可能に引き下げられ、ボール実装ヘッド70は、「粗い」「Y」方向空気圧制御機構78及び「Z」方向空気圧制御機構80によってコンピュータ制御される。「微細な」「Y」方向空気圧制御機構74は、
図14に表され、以下においてさらに述べられる。粗い「Y」方向空気圧制御機構78は、ボール実装ヘッド70を検証カメラ62を避けるように移動させる。1つの好ましい実施形態におけるボール実装ヘッド70は、1つの好ましい実施形態では、細いコイル又はワイヤのループ83からなり、ボール実装ヘッド70の下側に取り付けられた、横方向に延在する掃引部材82のアレイである。別の好ましい実施形態では、薄い柔軟なブラシ(図面を明確にするために図示せず)が、ボール実装ヘッド70の下側のコイル又はワイヤのループ83に置き換えられる。これらの掃引部材82、又はより具体的には、ボール実装ヘッド70の下にあるワイヤのループ83は、ステンシル60に辛うじて接触するか、又はかすかに接触する。ボール実装ヘッド70内のリザーバ84は、大量のはんだボール86を解放し、これがひいては、ステンシル60の上側面全体に分配されるようにプログラムされている。波発生器88は、制御コンピュータ50によって適切な回路52を通して作動し、掃引部材82、好ましくはワイヤのループ83の振動を開始させ、ステンシル60の表面上のはんだボール86とブラシ接触させる。ワイヤ83(又は掃引部材82のブラシ)のブラッシング振動は、はんだボール86に接触し、ワイヤ83の振動は、結果としてはんだボール86を移動させる。はんだボールがステンシル60の上を移動すると、はんだボールは、ステンシルの孔72を通って落下し、その下に適切に配列された結合剤「b」でコーティングされたウェハパッド16に付着する。はんだボール86の分配及びステンシル60の孔72の充填は、ワイヤを異なる次元で前後に振動させることで、例えば、ボール実装ヘッド70に装着された微細「Y」空気圧制御駆動部74を、ボール実装ヘッド70上に装着された、これも
図14に表された、他の別個の駆動部78及び80と組み合わせて使用する、わずか数ミリメートルの振動によって、さらに促進される。はんだボール86がステンシル60の表面の孔72に分配された後、ボール実装ヘッド70は、制御可能に上方に動かされ、以下の
図15に詳細に説明されている圧縮乾燥空気掃引を避けるようにされる。
【0029】
[0049] 先に述べられたはんだボールの掃引及び回収が、
図15に再度示される。いったんはんだボール86がステンシル60の孔72を通って充填され、ウェハ12上に載置された結合剤付きパッド16の上に貼り付けられると、エアナイフ34が作動してはんだボール付きステンシル60の表面を掃引し、それによって、エアナイフ34が空気圧駆動アーム94によって運ばれるときに移動させられるとき、ノズル92から圧縮乾燥空気のカーテンを生じさせる。ウェハ12上のパッド16の結合剤「b」に適切に固着されていない過剰なはんだボール86は、圧縮乾燥空気のカーテンがはんだボール付きステンシル60全体にわたって掃引する前に一掃され、緩んだはんだボール86を、圧縮乾燥空気掃引プロセスの下流端にある真空及び収集容器90に向かわせる。このように、ステンシル60の受け孔72に落ちなかったはんだボール86は、エアナイフ34(圧縮乾燥空気ノズル機構92)の前にその収集容器90による捕捉に掃引される。それらのはんだボール86は、付加的なウェハのさらなる加工で再使用され得る。
【0030】
[0050] 最終的にアセンブルされたウェハ12の光学検査が、
図16に表される。適切なパッド16のアレイと複数のはんだボール86と有するウェハ12は、真空支持チャック18によって支えられる。(ラインスキャン)カメラ98は、整列スキャンのために使用され、レンズアセンブリと、人工光源内の光センサとを備え、下向きに配列され、一方で、その下にある真空支持チャック18は、アセンブルされたウェハ12の動きを、ラインスキャンカメラ98の視野を通して支持し、ウェハ12全体の合成画像を作成する。この画像は、制御コンピュータ50によって処理され、ウェハ12上の各はんだボール86の整列を確認して、対処される必要があり得る欠落しているか又は余分なはんだボール86があるかどうかが判断される。本発明のさらなる実施形態は、整列及び最終検査の両方を提供するための、一組の光学系(カメラ)による、本明細書で上述された多数のカメラを含む。