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特許7085016回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20220608BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H02K3/04 J
H01R4/58 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020555953
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019041846
(87)【国際公開番号】W WO2020095711
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2018209986
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599161580
【氏名又は名称】株式会社デンソートリム
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(74)【代理人】
【識別番号】100170689
【弁理士】
【氏名又は名称】金 順姫
(72)【発明者】
【氏名】水谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 祐宇
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/154466(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/105596(WO,A1)
【文献】実公昭51-11032(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/00- 3/28
H01R 4/58- 4/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の電極の端子(65)の厚さ方向の両側に凸形状(266、366、466)をもち、前記凸形状は、頂上としての稜線面と、前記稜線面から連続的に幅方向の両側に広がる肩面とを備える多面形状によって提供されている回転電機用端子。
【請求項2】
前記端子は、アルミニウム系金属の線と接合されるアルミニウム系金属線接合用端子である請求項1に記載の回転電機用端子。
【請求項3】
前記肩面は、平面である請求項1または請求項2に記載の回転電機用端子。
【請求項4】
前記稜線面の幅は、前記肩面の幅より小さい請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転電機用端子。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転電機用端子と、
前記端子(65)の前記厚さ方向における一方面の前記凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端(33a)、および、前記端子(65)の前記厚さ方向における他方面の前記凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端(33a)を含む複数のコイル端とを備える回転電機。
【請求項6】
電極の端子(65)の両側、頂上としての稜線面と、前記稜線面から連続的に幅方向の両側に広がる肩面とを備える多面形状によって提供されている凸形状(266、366、466)を形成し、
両側の前記凸形状のそれぞれの上に複数の導体線(33a)を分散的に配置し、
前記端子の両側から前記導体線を前記端子に押し付け、前記電極と2つの前記導体線とを接合する回転電機の製造方法。
【請求項7】
前記凸形状を形成する段階は、前記電極の厚さ方向におけるプレス加工により前記電極の材料を流動させて実行される請求項6に記載の回転電機の製造方法。
【請求項8】
複数の前記導体線は、アルミニウム系金属であって、前記端子の両側から前記導体線を前記端子に押し付ける段階において、酸化皮膜をもつ前記導体線から新生面が連続的に次々と露出する請求項6または請求項7に記載の回転電機の製造方法。
【請求項9】
前記肩面は、平面である請求項6から請求項8のいずれかに記載の回転電機の製造方法。
【請求項10】
前記稜線面の幅は、前記肩面の幅より小さい請求項6から請求項9のいずれかに記載の回転電機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2018年11月7日に日本に出願された特許出願第2018-209986号を基礎としており、基礎の出願の内容を、全体的に、参照により援用している。
【技術分野】
【0002】
この明細書における開示は、回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法を開示する。特許文献2は、貫通型の端子を開示する。従来技術として列挙された先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6396631号公報
【文献】特許第6165702号公報
【発明の概要】
【0005】
電気的に確実な接続を提供する回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法が求められている。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法にはさらなる改良が求められている。
【0006】
開示されるひとつの目的は、電気的な接続が確実な回転電機用端子、回転電機、および回転電機の製造方法を提供することである。
【0007】
開示される実施形態のひとつは、板状の電極の端子(65)の厚さ方向の両側に凸形状(266、366、466)をもち、凸形状は、頂上としての稜線面と、稜線面から連続的に幅方向の両側に広がる肩面とを備える多面形状によって提供されている回転電機用端子を提供する。
【0008】
開示される実施形態のひとつは、上記回転電機用端子と、端子(65)の厚さ方向における一方面の凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端(33a)、および、端子(65)の厚さ方向における他方面の凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端(33a)を含む複数のコイル端とを備える回転電機を提供する。
【0009】
開示される実施形態のひとつは、電極の端子(65)の両側、頂上としての稜線面と、稜線面から連続的に幅方向の両側に広がる肩面とを備える多面形状によって提供されている凸形状(266、366、466)を形成し、両側の凸形状のそれぞれの上に複数の導体線(33a)を分散的に配置し、端子の両側から導体線を端子に押し付け、電極と2つの導体線とを接合する回転電機の製造方法を提供する。
【0010】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る回転電機の断面図である。
図2】回転電機の回路図である。
図3】電極の平面図である。
図4】電極の側面図である。
図5図3の矢印Vにおける端子の平面図である。
図6】端子とコイル端との接続状態を示す平面図である。
図7】製造方法を示す工程図である。
図8】第2実施形態の電極の平面図である。
図9】電極の側面図である。
図10図8の矢印Xにおける端子の平面図である。
図11】第3実施形態の端子の平面図である。
図12】第4実施形態の端子の平面図である。
図13】第5実施形態の電極の平面図である。
図14】端子とコイル端との接続状態を示す平面図である。
図15】第6実施形態の電極の平面図である。
図16】第7実施形態の電極の平面図である。
図17】第8実施形態の電極の平面図である。
図18】電極の側面図である。
図19図17の矢印XIXにおける端子の平面図である。
図20】端子とコイル端との関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0013】
第1実施形態
図1は、内燃機関のための電力システム10を示す。電力システム10は、内燃機関用回転電機11(以下、単に回転電機という)を含む。図1には、回転電機11の断面が図示されている。回転電機11は、内燃機関12に組み付けられている。内燃機関12は、ボディ13と、ボディ13に回転可能に支持された回転軸14とを有する。回転軸14は、内燃機関12と連動して回転する。回転電機11は、ボディ13と回転軸14とに組み付けられている。ボディ13は、内燃機関12のクランクケース、ミッションケースなどの構造体である。回転軸14は、内燃機関12のクランク軸、またはクランク軸と連動する回転軸である。回転軸14は、内燃機関12が運転されることによって回転し、回転電機11を発電機として機能させるように駆動する。回転軸14は、回転電機11が電動機として機能するときに、回転電機11によって回転駆動される。
【0014】
電力システム10は、回転電機11を発電機、および/または電動機として機能させるための電気回路(CNT)15を有する。電気回路15は、インバータ回路および制御装置を備える。回転電機11と電気回路15とは、電力線16によって接続されている。電力線16は、回転電機11が発電機として利用されるときに、発電電力を電気回路15に出力する。電力線16は、回転電機11が電動機として利用されるときに、電気回路15から電力を供給する。回転電機11と電気回路15とは、信号線17によって接続されている。信号線17は、回転電機11の基準位置信号、および/または回転電機11の回転位置信号を電気回路15に出力する。制御装置は、信号線17によって得られる信号を利用して、回転電機11を電動機として機能させるように、制御を実行する。
【0015】
回転電機11は、電気回路15を介して、電気的な負荷(LD)18と電気的に接続されている。負荷18は、電気回路と、バッテリとを含む。回転電機11の用途の一例は、乗り物用の内燃機関12によって駆動される発電機である。回転電機11は、例えば、鞍乗り型車両に利用することができる。回転電機11の用途の一例は、車両用の内燃機関12を支援する電動機である。乗り物の語は、広義に解釈されるべきであって、移動体としての車両、船舶、または航空機を含む。乗り物の語は、非移動体としてのアミューズメント機器、または、操縦シミュレーション機器を含む。
【0016】
回転電機11は、ロータ21と、ステータ31とを有する。ロータ21は、界磁子である。ステータ31は、電機子である。ロータ21は、全体がカップ状である。ロータ21は、その開口端をボディ13に向けて位置付けられている。ロータ21は、ステータ31の端面と径方向外側とに渡って延びる部材である。ロータ21は、回転軸14の端部に固定されている。ロータ21と回転軸14とは、キー嵌合などの回転方向の位置決め機構を介して連結されている。ロータ21は、固定ボルトによって回転軸14に締め付けられることによって固定されている。ロータ21は、回転軸14とともに回転する。ロータ21は、複数の磁極に対向して回転可能に支持されている。
【0017】
ロータ21は、カップ状のロータコア22を有する。ロータコア22は、内燃機関12の回転軸14に連結されている。ロータコア22は、後述する永久磁石23のためのヨークを提供する。ロータコア22は、磁性金属製である。
【0018】
ロータ21は、ロータコア22の内面に配置された永久磁石23を有する。ロータ21は、永久磁石23によって界磁を提供する。永久磁石23は、ロータコア22の筒の内側に固定されている。永久磁石23は、複数のセグメントを有する。それぞれのセグメントは、部分円筒状である。永久磁石23は、その内側に、複数のN極と複数のS極とを提供する。永久磁石23は、少なくとも界磁を提供する。永久磁石23は、12個のセグメントによって、6対のN極とS極、すなわち12極の界磁を提供する。磁極の数は、他の数でもよい。
【0019】
ステータ31は、環状の部材である。ステータ31は、ロータ21とボディ13との間に配置されている。ステータ31は、ロータ21の内面とギャップを介して対向する外周面を有する。外周面には、複数の磁極が配置されている。磁極は、ティースとも呼ばれる。ステータ31は、例えば、18個の磁極を有する。磁極の数は、他の数でもよい。これら磁極は、ロータ21の界磁と対向して配置されている。ステータ31は、電機子巻線を有する。ステータ31は、多相の電機子巻線を有する。ステータ31は、ボディ13に固定されている。ステータ31は、複数の磁極と、複数の三相巻線とを有する三相多極ステータである。
【0020】
ステータ31は、ステータコア32を有する。ステータコア32は、内燃機関12のボディ13に固定されることによってロータ21の内側に配置される。ステータコア32は、永久磁石23の内面と対向する複数の磁極を径方向外側に形成する。ステータコア32は、複数の磁極を接続する環状部を有している。ステータコア32は、環状部においてボディ13に固定されている。ステータコア32は、複数の磁極を形成するように所定の形状に成形された電磁鋼板を積層することにより形成されている。
【0021】
ステータ31は、ステータコア32に巻回されたステータコイル33を有する。ステータコイル33は、電機子巻線を提供する。ステータコア32とステータコイル33との間には絶縁材料製のインシュレータが配置されている。インシュレータは、ボビンとも呼ばれる。インシュレータの一部は、磁極に隣接して位置づけられることによって、ボビンのフランジ部を提供する。インシュレータの一部は、磁極の軸方向における両側に配置されている。インシュレータは、ステータコア32の環状部にも露出している。
【0022】
ステータ31は、中性点接続を提供するための複数の部品を含む中性点51を有する。ステータコイル33から延び出している中性点用の複数のコイル端33aは、中性点51に到達するように配置されている。ステータ31は、電力線16との接続を提供するための複数の部品を含む出力端61を有する。ステータコイル33から延び出している出力端用の複数のコイル端33aは、出力端61に到達するように配置されている。
【0023】
図2において、ステータコイル33は、多相巻線である。ステータコイル33は、三相巻線である。ステータコイル33は、複数の相コイル33u、33v、33wを有する。それぞれの相コイルが、並列接続された複数のコイルを有していてもよい。複数の相コイル33u、33v、33wのひとつは、両端にコイル端33a、33aを有する。
【0024】
ステータコイル33は、絶縁被覆によって被覆された複線導体によって形成されている。複数の相コイル33u、33v、33wのひとつは、2本の導体の並列回路によって提供されている。例えば、ひとつの相コイル33uは、並列接続される2本の導体を有する。複数の相コイル33u、33v、33wのひとつは、2本、4本、6本等の偶数本の導体線の並列回路によって提供することができる。ステータコイル33を形成する導体線は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。アルミニウム系金属の導体線は、酸化皮膜によって絶縁被覆を提供する場合がある。ステータコイル33は、並列の複数の導体線によって提供されてもよい。また、導体線は、銅製または銅合金製でもよい。絶縁被覆は、樹脂皮膜によって提供される場合がある。
【0025】
ステータコイル33は、スター結線されている。ステータコイル33は、中性点51と、出力端61とを有する。中性点51は、中性点電極52を有する。中性点電極52は、複数の端子65を有する。これら端子65のそれぞれは、2つのコイル端33aと接続されている。
【0026】
出力端61は、3つの出力端電極62、63、64を有する。出力端電極62、63、64のそれぞれは、2つのコイル端33aと接続されている。ひとつの出力端電極は、ひとつの端子65を有する。図中には、出力端電極62の端子65が例示されている。ひとつの端子65に、2つのコイル端33aが接続されている。出力端61は、複数の出力端電極によって提供することができる。出力端61は、2つ、3つ、6つなどの出力端電極によって提供することができる。
【0027】
中性点電極52の基本的構成は、特許文献1を参照により援用することができる。中性点電極52は、インシュレータに支持されている。中性点電極52は、ステータ31の一方の端面に複数の端子65を位置づけるように配置されている。複数の端子65は、複数のコイル端33aと接合された後に、保護用の樹脂材料によって覆われている。
【0028】
出力端電極62、63、64の基本的構成は、特許文献2を参照により援用することができる。出力端電極62、63、64は、インシュレータに支持されている。出力端電極62、63、64は、ステータ31を貫通するように配置されている。出力端電極62、63、64は、ステータ31の一方の端面に端子65を位置づけるように配置されている。出力端電極62、63、64は、ステータ31の他方の端面において電力線16と接続されている。複数の出力端電極62、63、64の複数の端子65は、複数のコイル端33aと接合された後に、保護用の樹脂材料によって覆われる。複数の端子65は、以下に説明されている。以下の説明では、出力端電極62、63、64が例示されている。中性点電極52も、同様の端子65を有する。中性点電極52および/または出力端電極62、63、64は、回転電機用電極を提供する。端子65は、ターミナルとも呼ばれる。
【0029】
図3図4図5は、電極62、63、64および端子65を示す。電極62、63、64は、板状である。図4の上下方向は、電極62、63、64の板厚方向を示している。すべての電極52、62、63、64は、板状の母材から所要の形状に切り抜かれている。この明細書において、高さ、厚さ、および、幅の語は、図5に図示される高さ方向HD、厚さ方向TD、および幅方向WDを指している。この実施形態では、電極52、62、63、64の板厚方向と、端子65の厚さ方向TDとは、一致している。なお、電極52、62、63、64の板厚方向と、端子65の厚さ方向TDとは、一致しない場合がある。
【0030】
回転電機用端子および回転電機の製造方法は、以下の段階を含む。電極52、62、63、64の端子65の互いに対向する両側に凸形状を形成する。凸形状は、電極を母材としての板材から所定の形状に形成した後に、端子となるべき部位をプレス加工して形成される。言い換えると、凸形状を形成する段階は、板厚方向におけるプレス加工により電極の材料を流動させて実行される。こうして形成された凸形状は、電極を母材から切り出しただけでは得難い接合用の形状を提供する。なお、凸形状は、電極を母材から切り出すと同時に形成されてもよい。電極の両側の凸形状のそれぞれの上に、複数の導体線を分散的に配置する。端子の両側から導体線を端子に押し付ける。電極と複数の導体線とを接合する。
【0031】
端子65は、紡錘形である。プレス加工による材料の流動によって、端子65は、四辺形の形状から、紡錘形の形状に変形する。紡錘形の端子65は、板厚方向の両側において、コイル端33aとの溶接に適した凸形状66を提供する。凸形状66は、曲面形状である。凸形状66は、端子65の板厚Tよりも大きい直径を有する円柱の一部表面である。凸形状66は、山に例えることができる。この場合、凸形状66は、頂上を通る稜線を規定する稜線面67を有する。稜線面67は、頂上としての面である。稜線面67は、端子65の軸方向に延在している。
【0032】
凸形状66は、稜線面67と、肩面68aと、肩面68bとによって区画形成されている。凸形状66は、稜線面67から連続的に幅方向の両側に広がる両方の肩面68a、68bを有する。両方の肩面68a、68bは、稜線面67から徐々に下がるように位置づけられた一対の面である。両方の肩面68a、68bは、一対の凹曲面、一対の凸曲面、または一対の平面によって提供することができる。この実施形態の両方の肩面68a、68bは、凸状の曲面である。
【0033】
稜線面67は、端子65とコイル端33aとが互いに押し付けられた場合に、最初に、コイル端33aの一部に応力が集中することを可能とする。稜線面67は、コイル端33aの表面における変形の開始点または開始面の形成に貢献する。両方の肩面68a、68bは、端子65とコイル端33aとが互いに押し付けられた場合に、コイル端33aが徐々に変形することを促す。コイル端33aの変形は、押し付けの間中、連続的に継続することが望ましい。
【0034】
図6は、端子65に接続された2つのコイル端33aを示している。2つのコイル端33aは、端子65を挟むように位置づけられている。製造方法では、2つの溶接電極80の間において、コイル端33a、端子65、コイル端33aが挟まれ、加圧される。製造方法では、加圧状態の下で2つの溶接電極80に溶接電流が供給される。この結果、端子65とコイル端33aとが接合される。
【0035】
端子65とコイル端33aとの接合範囲は、接合幅WJにわたっている。稜線面67と肩面68aと肩面68bとを含む凸形状66は、幅WPにわたって広がっている。接合幅WJは、幅WPより小さい。幅WJは、幅WPの中央範囲を占めている。肩面68aと肩面68bとの両方は、接合幅WJより外側にさらに広く広がっている。両方の肩面68a、68bは、端子65とコイル端33aとの間における広い接合面を形成するために貢献する。この結果、接合幅WJが安定的に形成される。ひとつの端子65に接合された2つのコイル端33a、33aは、互いに離れている。
【0036】
この結果、回転電機1は、端子65の厚さ方向の両側に凸形状66を有する回転電機用端子と、この端子65の両側に接合された複数のコイル端33aとを備える。複数のコイル端33aは、端子65の厚さ方向における一方面の凸形状66の上に接合された少なくともひとつのコイル端33aを含む。さらに、複数のコイル端33aは、端子65の厚さ方向における他方面の凸形状66の上に接合された少なくともひとつのコイル端33aを含む。
【0037】
図7は、回転電機用端子および回転電機のための製造方法180を示す流れ図である。製造方法180は、電極を準備するステップ181を含む。電極52、62、63、64は、板状の母材から所要の形状に切り抜かれることによって形成されている。ステップ181は、準備工程を提供する。
【0038】
製造方法180は、電極において端子を加工するステップ182を含む。この段階では、電極52、62、63、64の端子65の互いに対向する両側に凸形状を形成する。凸形状は、電極を母材としての板材から所定の形状に形成した後に、端子となるべき部位をプレス加工して形成される。言い換えると、凸形状を形成する段階は、板厚方向におけるプレス加工により電極の材料を流動させて実行される。こうして形成された凸形状は、電極を母材から切り出しただけでは得難い接合用の形状を提供する。ステップ182は、加工工程を提供する。
【0039】
この実施形態に代えて、準備工程と加工工程とは、ひとつのプレス工程により提供することができる。この場合、凸形状は、電極を母材から切り出すと同時に形成される。この実施形態に代えて、準備工程と加工工程とは、加工工程の後に、準備工程が実行される逆の順序でも提供することができる。
【0040】
製造方法180は、回転電機に電極を配置するステップ183を含む。この段階では、ステータ31に電極が配置される。製造方法180は、端子65の両側にコイル端を配置するステップ184を含む。ここでは、端子65の両側の凸形状のそれぞれの上に、複数の導体線(コイル端33a)を分散的に配置する。コイル端33aと稜線面67とは、互いに交差するように位置づけられる。コイル端33aと稜線面67とは、コイル端33aの軸方向と稜線面67の延在方向とが交差するように位置づけられる。
【0041】
製造方法180は、端子65とコイル端33aとを接合するステップ185を含む。ステップ185では、溶接電極80によって、端子65の両側から導体線(コイル端33a)を端子65に押し付ける。ステップ185では、ひとつの端子65に複数の導体線(コイル端33a)を接合する。ステップ185では、端子65と複数のコイル端33aとは、電気抵抗溶接によって接合される。ひとつの端子65に複数のコイル端33a、33aが接合される場合、複数のコイル端33a、33aが同時に接合される。複数のコイル端33a、33aには同じ量の電流が流れる。電気抵抗溶接の工程において、接触部における電気抵抗値は、発熱量に影響を与える。よって、接触部における電気抵抗値に影響する凸形状66の形状は、非常に重要である。製造方法180は、接合部を保護するステップ186を含む。接合部は、例えば、保護樹脂によって保護される。
【0042】
接合の動作説明
接合は以下の機構で行われ接触部の発熱に関係する接触抵抗が重要である。接触状態が安定しない場合、爆飛(接触抵抗が高いため過大に発熱し通電部が爆発する現象)の懸念が増すため通電電流を下げざるを得ず、結果強度が低下する。これに対してこの実施形態では、(1)~(3)の作用が確実な接合を可能とする。(1)コイル端33aの絶縁皮膜を剥離後、端子65に2本のコイル端33aを接触させ溶接電極80で挟み込む。(2)溶接電極80間に通電し、接触面の抵抗、コイル端33a、端子65の抵抗により発熱させる。(3)溶接電極80による押し付けと発熱とにより、コイル端33aが連続的に徐々につぶれ、コイル端33aから新生面が連続的に次々と露出する。(4)この結果、広い面積にわたって、確実な接合が実現される。
【0043】
製品の使用環境と防蝕構造
この製品は、2輪車に搭載される。モータサイクルタイプの車両ではエンジン内に密閉される。このため腐食環境にならず防蝕構造は必要ない。一方主に搭載されるスクータにおいては、ロータにファンが組み合わされ、水冷の場合ラジエターのファンとして、空冷の場合は空冷用のファンとして使われる。この構造の為、スクータにおいては、本製品周辺に雨水を含む外気が侵入し、腐食環境となる。アルミニウム系金属の導体線と端子(鉄or真鍮、銅合金)の接合部は異種金属の接触部である為、腐食が懸念され、対策として、接合部にはエポキシ等の保護剤を塗布している。
【0044】
特許文献1は、円形のアルミニウム系金属の導体線に対し、平板をあてる構造の為、接触面の当りが安定しない。アルミニウム系金属の導体線側には被膜剥離時の凹凸があり、ある程度の圧力で接触させないと安定した接合が得られない。また、接合強度を上げるため、端子の幅を広げようとすると、電極に加えることができる荷重に制限があるために、圧力が低くなり、接触面の当りが安定しなくなり、接合強度が下がる問題がある。また、溶接電極の強度にも限界がある。例えば、製造方法において溶接電極を所定の位置に位置づけるためのスペースが制限されるから、溶接電極を大型化することができない。また、溶接電極は、電流を供給するために銅等の高電導材料を使う必要がありから、利用可能な大きさにおいて得られる強度に限界がある。
【0045】
特許文献2は、従来のプロジェクション形状では片面にしか接合できないが、片面に2本接合すると高さが高くなり、結果、回転電機および内燃機関の幅が増加する。また、接合部は、保護剤の量が増加する。
【0046】
この実施形態によると、下記の効果を期待できる。(1)電極荷重を上げることなく安定した接触面の当りを得ること。(2)接合強度を上げる為、端子幅を上げても安定した接触面の当りを得ること。(3)上記(1)、(2)の課題を満たし、かつ、端子高さを従来同様に抑え保護剤の使用量が増加しないこと。
【0047】
この実施形態によると、板厚方向両側に凸形状を持つ回転電機用端子が提供される。凸形状は、曲面形状で提供される。曲面形状は、端子65の全幅WPにわたって滑らかな曲面を提供している。曲面形状は、端子65の板厚Tよりも大きい直径を有する円柱の一部表面である。回転電機用端子は、板状のターミナル電極に設けられる。ターミナル電極は、アルミニウム系金属の導体線接合用のターミナル電極である。
【0048】
この実施形態によると、特に二輪車のような振動環境・腐食環境に搭載される回転電機に好適な回転電機用端子および回転電機の製造方法が提供される。2本のコイル端33aを、端子65における同じ高さに、高い接合強度で接合することができる。高い接合強度は、コイル端33aと端子65との間に安定した接触面を提供することにより実現される。端子高さを抑え、1本のコイル端を接合するのと同等の保護樹脂の使用量とすることができる。
【0049】
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、凸形状66は、曲面形状である。これに代えて、この実施形態では、凸形状266は、幅が狭い稜線面をもつ。凸形状266は、多面形状によって提供されている。
【0050】
図8図9図10に図示されるように、端子65の凸形状266は、稜線面267をもつ多面形状によって提供されている。稜線面267は、プレス加工によって形成可能な鋭さを有している。稜線面267は、端子65の板厚Tと等しい直径か、板厚Tよりも大きい直径を有する円柱の一部表面である。端子65は、稜線面267の幅方向の両側に、肩面268aと肩面268bとを有する。両方の肩面268a、268bは、稜線面267の縁から真っ直ぐに延びる平面である。この実施形態の両方の肩面68a、68bは、平面である。端子65は、断面において多角形、多面体、ひし形、平行四辺形とも呼ぶことができる。稜線面267の幅は、少なくとも肩面268aの幅より小さい。稜線面267の幅は、少なくとも肩面268bの幅より小さい。稜線面267の幅は、両方の肩面268a、268bの幅より小さい。両方の肩面268a、268bそれぞれの幅は、稜線面267の幅より大きい。
【0051】
図7の製造方法180は、この実施形態および後続の実施形態においても利用されている。比較的鋭い稜線面267は、コイル端33aの表面においてコイル端33aの中に切り込むようにコイル端33aを変形させる。両方の肩面268a、268bは、2つのコイル端33a、33aが、端子65に向けて押し付けられる間中、接合面が徐々に拡大することを許容する。この結果、広い面積の接合面が安定的に形成される。
【0052】
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、凸形状66、266は、曲面形状または多面形状である。これに代えて、この実施形態では、凸形状466は、段差をもつ多面形状によって提供されている。
【0053】
図11に図示されるように、端子65の凸形状366は、稜線面367をもつ角型突起によって提供されている。端子65は、稜線面367の幅方向の両側に、肩面368aと肩面368bとを有する。両方の肩面368a、368bは、角型凹面によって提供されている。端子65は、複数の平面によって多角形を形成している。両方の肩面368a、368bは、2つのコイル端33a、33aが、端子65に向けて押し付けられる間中、コイル端33aの進行性の変形を許容する。この結果、この実施形態でも、広い面積の接合面が安定的に形成される。
【0054】
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、凸形状366は、角型突起によって提供されている。これに代えて、この実施形態では、凸形状466は、曲面468a、468bをもつ曲面突起によって提供されている。
【0055】
図12に図示されるように、端子65の凸形状466は、稜線面467をもつ曲面突起によって提供されている。端子65は、稜線面467の幅方向の両側に、肩面468aと肩面468bとを有する。両方の肩面468a、468bは、凹曲面によって提供されている。両方の肩面468a、468bは、2つのコイル端33a、33aが、端子65に向けて押し付けられる間中、コイル端33aの進行性の変形を許容する。稜線面467と、両方の肩面468a、468bとの間の境界には、鋭い角部が形成されている。角部は、コイル端33aの変形を促す。端子65は、2つの凹曲面の間に稜線面467を有している。
【0056】
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、凸形状66、266、366、466が提供されている。これに代えて、この実施形態では、端子65は、凸形状566と、縁板571、672とを有している。
【0057】
図13において、端子65は、厚さ方向の両側に凸形状566を有する。凸形状566は、稜線面567と、肩面568aと、肩面568bとによって区画形成されている。凸形状566は、端子65の板厚T以上の直径を有する円柱の一部表面である。端子65は、凸形状566の幅方向における両側に縁板571、572を有する。縁板571、572は、凸形状566から幅方向に突出する板状部分である。縁板571、572は、所定の厚さをもつ平板状である。縁板571、572における厚さは、端子65の稜線面567における厚さTより小さい。凸形状566と縁板571、572との間には、境界凹部573、574が形成されている。
【0058】
図14において、2つのコイル端33a、33aは、稜線面567から両方の肩面568a、568bにわたって接合されている。2つのコイル端33a、33aは、理解を助けるために斜視図として図示されている。2つのコイル端33a、33aは、縁板571、572には到達していない。縁板571、572は、コイル端33aの過度の変形を阻止するストッパ面として機能する場合がある。この実施形態でも、広い面積の接合面が安定的に形成される。
【0059】
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、凸形状66、266、366、466、566が提供されている。これに代えて、この実施形態では、端子65は、凸形状566と、縁板671、672とを有している。
【0060】
図15において、端子65は、厚さ方向の両側に凸形状566を有する。凸形状566は、稜線面567と、肩面568aと、肩面568bとによって区画形成されている。端子65は、凸形状566の幅方向における両側に縁板671、672を有する。縁板671、672は、凸形状566から幅方向に突出する板状部分である。縁板671、672は、幅方向の外側印向けて厚さが徐々に減少する台形断面をもつ板状である。縁板671、672は、凸形状566より外側において、徐々に下がる斜面を提供する。斜面は、稜線面567から徐々に遠ざかるように傾斜している。縁板671、672における厚さは、端子65の稜線面567における厚さTより小さい。凸形状566と縁板671、672との間には、境界凹部673、674が形成されている。この実施形態でも、広い面積の接合面が安定的に形成される。
【0061】
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、中性点電極52および/または出力端電極62、63、64の板厚方向と、端子65の厚さ方向TDとは、一致している。これに代えて、中性点電極52および/または出力端電極62、63、64の板厚方向と、端子65の厚さ方向TDとは、不一致であってもよい。
【0062】
図16において、電極750は、中性点電極52および/または出力端電極62、63、64である。図16は、図10に相当する。電極750は、第2実施形態と同じ凸形状266をもつ端子65を備える。電極750の板厚方向TEと、端子65の厚さ方向TDにおける厚さTとは、不一致である。板厚方向TEと、厚さTとは、矢印Xにおける投影面において、互いに交差している。交差角は、実質的に90度である。
【0063】
第8実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態は、比較例でもある。上記実施形態では、凸形状66、266、366、466、566が提供されている。これに代えて、この実施形態では、端子65は、依然として母材としての広い平面部分を有している。
【0064】
図17図18図19に図示されるように、端子65は、凸形状をもたない。端子65は、その板厚方向の両側に広い平面869を有している。平面869は、溶接電極80から受ける力によってコイル端33aを変形させるには広すぎる平面である。端子65は、平面869の幅方向の両側に、肩面869aと肩面869bとを有する。しかし、肩面869aまたは肩面869bより広い平面869は、過剰な押付力を要求する。
【0065】
図20は、端子65と2つのコイル端33aとの位置関係を示している。2つのコイル端33aは、端子65の高さ方向に関して同じ高さに位置づけられている。製造方法において、2つの溶接電極80は、端子65の両側から2つのコイル端33aを端子65に向けて押し付ける。言い換えると、板厚方向に関して、2つの溶接電極80は、2つのコイル端33aを端子65に向けて押し付ける。同じ高さ位置に位置付けられた2つのコイル端33aは、それらの間に端子65を位置づけることで、端子65に向けて強い力を作用させることを可能とする。2つの溶接電極80は、2つのコイル端33aを押し付けるために過度の押付力を要する。
【0066】
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0067】
上記実施形態では、回転電機は、端子65の厚さ方向における一方の凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端33a、および、端子65の厚さ方向における他方の凸形状の上に接合された少なくともひとつのコイル端33aを含む複数のコイル端33aを備える。この場合、端子65の一方面は、1または2以上のコイル端33aを備えることができる。端子65の他方面は、1または2以上のコイル端33aを備えることができる。端子65は、例えば、一方面において2以上のコイル端33aと接合され、他方面において2以上のコイル端33aと接合されてもよい。また、端子65は、例えば、一方面において奇数のコイル端33aと接合され、他方面において偶数のコイル端33aと接合されてもよい。いずれの場合も、ひとつの端子65は、両面において複数のコイル端33aと接合されている。
【0068】
上記実施形態では、ステータコイル33は、スター結線によって提供されている。これに代えて、ステータコイル33は、デルタ結線によって提供されてもよい。この場合、出力端電極62、63、64だけでステータコイル33が結線される。例えば、ひとつの端子65の両面に、2本、4本、6本、8本、10本などの導体線(コイル端33a)が接合される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20