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特許7085023伸長性基材及び非伸長性基材上の可撓性かつ耐久性プリント回路
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  • 特許-伸長性基材及び非伸長性基材上の可撓性かつ耐久性プリント回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】伸長性基材及び非伸長性基材上の可撓性かつ耐久性プリント回路
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/025 20190101AFI20220608BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20220608BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B32B7/025
B32B5/18
H05K1/03 670Z
H05K1/03 610H
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020562701
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019031232
(87)【国際公開番号】W WO2019217503
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】62/668,453
(32)【優先日】2018-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マーク ディー.エドマンドソン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ディー.ガスラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ジェイ.スカイフ
(72)【発明者】
【氏名】スコット ジェイ.ゼロ
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/097249(WO,A1)
【文献】特開昭59-64640(JP,A)
【文献】特開昭59-187845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B5/18
B32B7/025
H05K1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質合成ポリマー膜と少なくとも1つの導電性トレースとを含むプリント回路と、
前記プリント回路に結合された基材と、
を含み、
前記導電性トレースは前記多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して吸収されている、
高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品。
【請求項2】
前記多孔質合成ポリマー膜は微孔質合成ポリマー膜である、請求項1記載の導電性物品。
【請求項3】
前記基材は伸長性基材又は非伸長性基材である、請求項1又は請求項2記載の導電性物品。
【請求項4】
前記伸長性基材は、伸長性テキスタイル、伸長性布帛、伸長性不織布材料及び伸長性膜から選ばれる少なくとも1つの部材を含む、請求項記載の導電性物品。
【請求項5】
前記伸長性基材は伸長性テキスタイル又は伸長性布帛である、請求項~4のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項6】
前記伸長性基材は、伸長性ラミネート又は伸長性繊維を含む、請求項~5のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項7】
前記多孔質合成ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリ(p-キシリレン)(ePPX)、多孔質超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、多孔質エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)及び多孔質ポリ乳酸(ePLLA)から選ばれる、請求項1~6のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項8】
前記合成ポリマー膜は延伸フルオロポリマー膜である、請求項1~7のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項9】
前記合成ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項1~8のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項10】
前記導電性トレースは前記多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して細孔を充填する、請求項1~9のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項11】
前記導電性トレースは導電性金属ナノ粒子、導電性材料のナノ粒子、導電性ナノチューブ、導電性金属フレーク、導電性ポリマー及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~10のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項12】
前記導電性トレースは銀、白金、金、銅及びそれらの組み合わせの粒子を含む、請求項1~11のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項13】
前記導電性トレースは導電性粒子の連続ネットワークを含む、請求項1~12のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項14】
前記導電性トレースは導電性パターンの形態を有する、請求項1~13のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項15】
前記導電性物品は、洗浄試験耐久性試験方法によって決定して、少なくとも10回の洗浄サイクルの洗浄耐久性を有する、請求項1~14のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項16】
前記導電性物品はKawabata試験方法によって決定して、0.1グラム力-cm/cm未満の撓み度を有する、請求項1~15のいずれか1項記載の導電性物品。
【請求項17】
第一の多孔質合成ポリマー膜と前記第一の多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して吸収されている第一の導電性トレースとを含む第一のプリント回路と、
第二の多孔質合成ポリマー膜と前記第二の多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して吸収されている第二の導電性トレースとを含む第二のプリント回路と、
第一の面で前記第一のプリント回路に結合され、そして第二の面で前記第二のプリント回路に結合された基材と、
を含む、高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品。
【請求項18】
延伸ポリテトラフルオロエチレン膜と前記延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の細孔内に配置されている少なくとも1つの導電性トレースとを含むプリント回路と、
前記プリント回路に結合された非伸長性テキスタイルと、
を含む、高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品であって、
前記導電性トレースは前記延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の厚さを通して吸収されており
前記導電性物品は、Kawabata試験によって決定して、0.1グラム力-cm/cm未満の撓み度を有し、
前記導電性物品は、洗浄試験耐久性によって決定して、少なくとも10回の洗浄サイクルの洗浄耐久性を有し、そして
前記導電性物品は、水蒸気透過速度(MVTR)測定によって決定して、少なくとも21,000g/m/24時間の水蒸気透過速度を有する、導電性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般に、プリント回路、より具体的には、伸長性基材又は非伸長性基材に結合され、導電性物品を形成する可撓性かつ耐久性プリント回路に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
従来、フレキシブル回路はMylar又はKapton(登録商標)などの剛性材料上に構築される。これらの材料は、従来の銅及びガラス繊維回路基板と比較して可撓性であると考えられているが、テキスタイル又は皮膚に匹敵する可撓性を示さない。衣服及び/又は他の皮膚に装着されるデバイスへのフレキシブル回路の組み込みはこの剛性によって制限される。確かに、多くの既存の回路材料は、特に使用中及び洗浄又は他のクリーニング法の間に曲げるときに、テキスタイルに一体化され、耐久的に信頼できるままに維持されるには硬すぎる。
【0003】
この点に関して、薄くて伸長性のある多くの導電性インクが開発されてきた。これらのインクは、従来、テキスタイルに直接印刷され、テキスタイルの可撓性、伸長性及び手触りを維持することができる。しかしながら、それらは有意な耐久性及び電気的接続の問題に悩まされている。例えば、テキスタイルが伸長されると、テキスタイル繊維束は相互に対して有意に移動する。導電性インクは、テキスタイル繊維束の間のギャップを橋掛けるために必要な伸びに耐えることができず、その結果、断線及び開回路が発生する。
【0004】
同伸長性導電性インクはウレタンフィルム上に印刷され、次いで、伸長性テキスタイルに熱接着されている。これにより、テキスタイル上に直接印刷するよりも耐久性の高い回路が得られるが、結果として得られるラミネートは、元のテキスタイルよりも有意に伸長性が低くなる。他の既存の技術において、導電性インクは、絶縁性インクの間に挟まれ、次いで、テキスタイルに熱的にラミネートされてきた。しかしながら、絶縁性インクの薄いコーティングは、導電性インクを効果的に支持することができない。絶縁性インクの厚さを増加させると耐久性が向上するが、テキスタイルの伸長性が大幅に犠牲になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレキシブル電気回路の進歩にもかかわらず、衣服から医療診断及び治療デバイスに至るまでのさまざまな用途、ならびに他の多くの適切な最終用途のための耐久性でかつ効果的な可撓性のある電気回路システムの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
要旨
本開示は、基材に結合されたプリント回路を含む、高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品に関する。プリント回路は、多孔質合成ポリマー膜、及び、少なくとも1つの導電性トレースを含み、そして基材に連続的に又は不連続に結合されていることができる。基材は伸長性又は非伸長性基材、例えば、伸長性テキスタイル、伸長性布帛、伸長性ラミネート、伸長性繊維、伸長性不織布材料又は伸長性膜であることができる。例示の実施形態において、伸長性基材は伸長性テキスタイル又は伸長性布帛である。導電性トレースは、多孔質合成ポリマー膜の細孔中に、そして厚さを通して吸収されるか、又はさもなければ導入されうる。導電性トレースは、導電性粒子の連続ネットワークを含み、導電性パターン又は回路の形態を有することができる。例示的な実施形態において、非導電性領域は、導電性トレースに沿って横に配置されている。幾つかの実施形態において、絶縁性オーバーコートを導電性トレース上に適用して、導電性トレースを外部要素から保護するのを助けることができる。少なくとも1つの実施形態において、多孔質合成ポリマー膜は延伸フルオロポリマー膜、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である。導電性物品は、洗浄試験耐久性試験方法で決定して、少なくとも10回の洗浄サイクルの洗浄耐久性を有する。また、導電性物品は、有利には可撓性であり、Kawabata試験方法で決定して、0.1グラム力-cm/cm未満の撓み度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0008】
図1図1は、少なくとも1つの実施形態による、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜(膜1)の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像である。
【0009】
図2図2は、少なくとも1つの実施形態による、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜(膜2)のSEMである。
【0010】
図3図3は、少なくとも1つの実施形態による、例5で利用された多孔質ポリエチレン膜のSEMである。
【0011】
図4図4は、少なくとも1つの実施形態による、実施例で使用された例示的な導電性トレースの配置及びサイズの図解である。
【0012】
図5図5は、少なくとも1つの実施形態による、例1で試験された幾つかの材料の歪み対負荷及び歪み対抵抗の図解である。
【0013】
図6A図6Aは、少なくとも1つの実施形態による、接着剤ドットの形態のグラビアパターンで適用された接着剤を有する基材の概略図である。
【0014】
図6B図6Bは、少なくとも1つの実施形態による、吸収された導電性トレースに隣接して配置された非導電性領域を備えた導電性物品の概略図である。
【0015】
図6C図6Cは、少なくとも1つの実施形態による、基材の各側にプリント回路を含む導電性物品の概略図である。
【0016】
図7図7は、少なくとも1つの実施形態による、導電性トレースを中に吸収した延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の一部の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0017】
図8A図8Aは、少なくとも1つの実施形態による、レーザマイクロメータを使用する場合の合成ポリマー膜の厚さを測定するための、レーザマイクロメータ源とレーザマイクロメーターレシーバとの間に位置合わせされた金属シリンダの概略図である。
【0018】
図8B図8Bは、少なくとも1つの実施形態による、レーザマイクロメータを使用する場合の合成ポリマー膜の厚さを測定するときの、オーバーラップがなく、しわがない、図8Aに示された金属シリンダの表面上に覆われた膜の単層の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の描図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されている場合があり、その点で、描図は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。「導電性トレース」、「伝導性トレース」及び「トレース」という用語は、本明細書で互換的に使用されうることが理解されるべきである。 「膜」及び「フィルム」という用語は、本明細書で互換的に使用されうる。本明細書で使用されるときに、「合成ポリマー膜」という用語は、多孔質合成ポリマー膜又は微孔質合成ポリマー膜のいずれかを含むことが意図される。
【0020】
本発明は、プリント回路及び伸長性基材又は非伸長性基材を含む、可撓性導電性物品に関する。プリント回路は導電性トレースを含む。導電性トレースは、多孔質合成ポリマー膜の細孔中に、そして、厚さを通して吸収され又はさもなければ取り込まれることができる。幾つかの実施形態において、合成ポリマー膜は微孔性である。プリント回路は、伸長性基材又は非伸長性基材に不連続に結合されうる。代替の実施形態において、プリント回路は基材に連続的に結合されている。プリント回路は、スマートアパレル又はその他のウェアラブル技術などの衣服に一体化することができる。
【0021】
上記のように、導電性物品は、少なくとも1つの導電性トレース及び多孔質合成ポリマー膜を含むプリント回路を含む。本明細書で使用されるときに、「導電性トレース」という用語は、それを通して電子を伝導することができる連続線又は連続経路を記載することが意図される。例示的な実施形態において、非導電性領域は、導電性トレースに沿って横に配置されている。幾つかの実施形態において、導電性インクを使用して、導電性トレースを合成ポリマー膜の中に堆積させることができる。「導電性インク」という用語は、本明細書で使用されるときに、キャリア液体(例えば、溶媒)中に導電性粒子を組み込んだ材料を指す。幾つかの実施形態において、導電性粒子は、銀、金、銅又は白金粒子を含む。適切な導電性インクの非限定的な例としては、2108-IPA(Nanogap Inc.,Richmond, CA)、UTDAgPA(UT Dots, Inc., Champaign, IL)及びUTDAg60X(UT Dots, Inc., Champaign, IL)が挙げられる。
【0022】
導電性トレースを形成する他の導電性材料の非限定的な例としては、導電性金属粒子又はナノ粒子(例えば、銀、金、銅及び白金)、他の導電性材料の粒子又はナノ粒子(例えば、グラファイト又はカーボンブラック)、導電性ナノチューブ、導電性金属フレーク、導電性ポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用されるときに、「ナノ粒子」という用語は、導電性粒子の少なくとも1つの次元において1.0nm~100nmのサイズを有する粒子を記載することが意図される。
【0023】
導電性トレースは、電流が流れることができる回路を形成するために使用できる導電性パターンの形態であることができる。パターンは、例えば、図4に例示される平行線などのオープンパスを作成することができる。幾つかの実施形態において、電子部品(例えば、表面実装電子部品)は、導電性トレースパターンに電気的に結合(例えば、接着)されて、回路を作成することができる。幾つかの実施形態において、電子部品(例えば、プロセッサ、バッテリ及び/又はトランスミッタなどを含む電子モジュール)は、導電性トレースに電気的に結合(例えば、接着)され、回路を形成することができる。導電性トレースは、抵抗器、コンデンサ、発光ダイオード(LED)、集積回路、センサ、電源、及び、データ送信機及び受信機と結合するように構成できる。さらに、導電性トレースを使用して、例えば、ユーザの心拍速度又は血液中の酸素飽和度などの情報を、ユーザ又はユーザの医師に送信することができる。
【0024】
上記のように、導電性トレースは、合成ポリマー膜内に配置される。適切な多孔質合成ポリマー膜の非限定的な例としては、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリエステルスルホン(PES)、米国特許公開第2016/0032069号明細書に教示されるような延伸ポリ(p-キシリレン)(ePPX)、Sbrigliaの米国特許第9,926,416号明細書に教示されるような多孔質延伸超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、米国特許第9,932,429号明細書に教示されるような多孔質延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、Sbrigliaらの米国特許第7,932,184号明細書に教示されるような多孔質延伸ポリ乳酸(ePLLA)、Sbrigliaの米国特許第9,441,088号明細書に教示されるような多孔質延伸ポリフッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレン[VDF-コ-(TFE又はTrFE)]ポリマーならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの実施形態において、合成ポリマー膜は、ノード及びフィブリル微細構造を有する微孔質フルオロポリマー膜などの微孔質合成ポリマー膜であり、ここで、ノードはフィブリルによって相互接続され、細孔は膜全体にわたるノードとフィブリルとの間に位置するボイド又は空間である。例示的なノード及びフィブリルの微細構造は、Goreの米国特許第3,953,566号明細書に記載されている。
【0025】
本明細書に記載の微孔性膜は、それらが約4.0m/cmを超える、約10m/cmを超える、約50m/cmを超える、約75m/cmを超える、最大100m/cmである比表面積を有するという点で、他の膜又は構造と区別されうる。幾つかの実施形態において、比表面積は約4.0m/cm~100m/cmである。本明細書において、比表面積は、エンベロープ体積ではなく、骨格体積に基づいて規定される。さらに、微孔質合成ポリマー膜におけるフィブリルの大部分は、約1.0μm未満、又は約0.1μm~約1.0μm、約0.3μm~約1.0μm、約0.5μm~約1.0μm又は約0.7μm~約1.0μmの直径を有する。さらに、微孔性膜は薄く、厚さは約100μm未満、約75μm未満、約50μm未満、約35μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約10μm未満、約5μm未満又は約3μm未満である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、合成ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜である。Goreの米国特許第3,953,566号明細書、Bowenらの米国特許公開第2004/0173978号明細書、Bacinoらの米国特許第7,306,729号明細書、Bacinoの米国特許第5,476,589号明細書又はBrancaらの米国特許第5,183,545号明細書に記載されている方法に従って調製された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜も本明細書で使用することができる。
【0026】
導電性材料(例えば、導電性インク)は、多孔質合成ポリマー膜に適用されることができ、その結果、それは多孔質合成ポリマー膜中に吸収され又はさもなければその中に取り込まれて、導電性材料を配置し、このようにして、合成ポリマー膜内に導電性トレースを配置して、プリント回路を形成する。「吸収される」は、本明細書中に使用されるときに、液体キャリア(例えば、導電性インク)を介した多孔質又は微孔質合成ポリマー膜の既存の細孔又は空隙への導電性トレースの包含及び/又は堆積を記載することが意図され、特に充填膜を除外し、そこでは、導電性トレースは合成ポリマー膜の一体部分であり、細孔又は空隙内に幾らかの導電性トレースが露出していることがある。多孔質膜内の既存の細孔又は空隙を充填する任意の既知の方法を本明細書で利用できることに留意されたい。幾つかの実施形態において、導電性トレースは、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜の厚さを通して細孔を占め又は充填する。そのようにして、導電性トレースは、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜の細孔体積の大部分を占めることができる。例示的な実施形態において、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜の細孔は、電子が通過するための導電性トレースを作成するのに十分な量の導電性材料で充填される。導電性トレースを形成する導電性材料は、既知の堆積及び吸収方法、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷及びフレキソグラフィック印刷によって多孔質合成ポリマー膜に適用されて、導電性トレースを形成することができる。中に導電性トレースを有する合成ポリマー膜は、本明細書において、プリント回路と呼ばれる。
【0027】
本明細書で論じられるように、導電性トレースは、合成ポリマー膜中に吸収されるか、又はさもなければ取り込まれて、プリント回路を形成する。少なくとも1つの実施形態において、所望のパターンを有するステンシルは多孔質合成ポリマー膜に適用される。当業者に知られている合成ポリマー膜上にパターンを形成する他の形態は、本開示の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。例示的な実施形態において、多孔質合成ポリマー膜は平坦であり、導電性材料が適用されたときにしわを含まない。導電性材料(例えば、導電性インク)はステンシル上に過剰に適用される(例えば、過剰な導電性材料が適用される)ことができ、その結果、ステンシルが除去されると、導電性材料は所望のパターンで多孔質合成ポリマー膜の細孔中に吸収されて、導電性ポリマー膜内に導電性材料、したがって導電性トレースを配置し、プリント回路を形成する。ステンシルの表面上に存在する過剰な導電性材料は、ステンシルを取り外す前に取り除くことができる。しかしながら、吸収プロセスの結果として、無視できる量の導電性材料は合成ポリマー膜の表面又は表面の一部に残る可能性があることを理解されたい。当該技術分野で知られている多孔質合成ポリマー膜の細孔中に導電性材料を取り込むか又は吸収する他の方法もまた、本開示の範囲内であると考えられる。
【0028】
導電性物品を形成する際に、プリント回路(例えば、合成ポリマー膜及び導電性トレース)を適用する前に、不連続接着剤を基材に適用することができる。プリント回路は、接着剤によって基材に不連続に取り付けられることができる。接着剤は、熱可塑性接着剤又は熱硬化型接着剤であることができる。幾つかの実施形態において、図6Aに示されるように、接着剤は、接着剤ドット620の形態のグラビアパターンで基材610に適用されうる。基材上の接着剤のパターンは、基材が1つ以上の方向に曲がることができる(例えば、可撓性を維持する)限り、限定されないことを理解されたい。したがって、グリッド又は平行線などの他の接着剤パターンは、基材の可撓性が維持される限り、本開示の範囲内であると考えられる。上記のように、基材は伸長性又は非伸長性であることができる。本明細書で使用されるときに、「伸長性」という用語は、1つ以上の方向に引張ることができるが、それが解放されると、材料は元の形状に戻るか又は実質的に戻る材料(例えば、テキスタイル又は布帛)を示すことが意図される。伸長性基材は、伸長性基材の弾力性に応じて、元の緩和された長さの1.25倍、1.5倍、1.7倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍(それ以上)まで伸長されうる。幾つかの実施形態において、伸長性基材は、基材の弾性限界に達するまで伸長される。使用できる伸長性基材の例としては、限定するわけではないが、伸長性テキスタイル又は布帛、伸長性ラミネート(例えば、KelseyのWO2018/067529A1)、伸長性繊維、伸長性不織布材料又は伸長性膜が挙げられる。例示的な実施形態において、プリント回路は、伸長性テキスタイル又は伸長性布帛に結合される。
【0029】
基材610がその上に接着剤ドット620などの接着剤を含むと、合成ポリマー膜660及び導電性トレース670を含むプリント回路650は基材610上に配置され、図6Bに示されるように、接着剤ドット620を介して基材610に取り付けられ、導電性物品600を形成する。非導電性領域640は、吸収された導電性トレース670に隣接して配置されている。幾つかの実施形態において、図6Cに示されるように、導電性トレース670及び合成ポリマー膜660を含むプリント回路650は基材610の片側に配置され、そして導電性トレース671及び合成ポリマー膜661を含む別のプリント回路651は基材の反対側に配置されている。非導電性領域640は、吸収された導電性トレース670,671に隣接して配置される。合成ポリマー膜670,671は、互いに同じであっても又は異なっていてもよいことに留意されたい。また、導電性トレース670,671は、互いに同じであっても又は異なっていてもよい。図7は、導電性トレース420を中に吸収した、SEM載置テープ430上に配置された例示的な延伸ポリテトラフルオロエチレン膜410の一部の走査型電子顕微鏡写真(SEM)400である。
【0030】
どの図にも描かれていないが、吸収プロセスの結果として、多孔質合成ポリマー膜の表面上に幾らかの導電性トレースが存在しうることを理解されたい。導電性トレースが液体キャリア(例えば、導電性インク)により適用される実施形態において、熱をプリント回路に適用して、液体キャリアを除去することができる。適用される温度は、合成ポリマー膜内の導電性トレース(例えば、金属粒子)を少なくとも部分的に融着して、導電性粒子の連続ネットワークを形成するのに十分であることができる。他の実施形態において、熱を使用して、導電性粒子からリガンド又は他の処理助剤を除去することができる。
【0031】
幾つかの実施形態において、絶縁性オーバーコートを導電性トレース上に適用して、導電性トレースを、外部要素から保護するのを助けることができ、外部要素としては、限定するわけではないが、摩耗が挙げられる。導電性トレースを絶縁するために使用される材料の非限定的な例としては、ウレタン(溶液として送達される)、アクリル(液体として送達される)、シリコーン、スチレンイソプレンブタジエンブロックコポリマー、バイトン(商標)FKM(合成ゴム及びフルオロポリマーエラストマー)、ポリオレフィン又はフルオロポリマーが挙げられる。
【0032】
有利なことに、本明細書に記載の導電性物品は非常に可撓性が高く、以下に示すKawabata試験によって証明して、0.1グラム力-cm/cm未満の撓み度を有する。幾つかの実施形態において、導電性物品は、0.009グラム力-cm/cm未満、0.008グラム力-cm/cm未満、0.007グラム力-cm/cm未満、0.006グラム力-cm/cm未満、0.005グラム力-cm/cm未満又は0.004グラム力-cm/cm未満の撓み度を有する。さらに、吸収した多孔質合成ポリマー膜は耐久性が高く、本明細書に記載の洗浄試験耐久性試験方法によって証明して、複数回の洗浄に耐えることができる。また、導電性物品はまた、通気性が高く、本明細書に記載の水蒸気透過速度(MVTR)試験方法によって証明して、少なくとも2000のMVTRを有する。
【0033】
試験方法
特定の方法及び装置を以下に記載するが、当業者によって適切であると決定される他の方法又は装置を代替的に利用できることを理解されたい。
【0034】
抵抗測定vs.伸長性
【0035】
図4に示されるパターンでプリント回路を上に含む座屈したテキスタイルを、図4に示される単一の印刷された導電線401が15mm幅のストリップ内で中央にあるように、トリミングした。ストリップを、INSTRON(登録商標)モデル5965のグリップに取り付け、印刷された導電線の両端とグリップの間に5mmのギャップができるように、ラミネートをグリップした。力ゲージが-0.1ニュートン~0.1ニュートンの間に記録されるまで、グリップを離れるように動かした。ゲージの長さをゼロにし、Keithly(登録商標)580マイクロオーム計(Tektronix,Inc.,Beaverton,OR,USA)のマッチングソースとセンスリードを印刷線401の両端にそれぞれ接続した。サンプルを50%まで歪ませ、次に60mm/分で0%に戻した。抵抗は、試験サイクルの伸長段階と圧縮段階の両方で10%の歪み増分で測定した。
【0036】
ATEQ空気流
【0037】
ATEQ空気流は、膜サンプルを通過する空気の層流体積流速を測定するための試験方法である。各膜について、流路を横切って2.99cmの領域をシールするように、サンプルを2つのプレート間にクランプした。ATEQ(登録商標)(ATEQ Corp.,Livonia, MI)Premier D Compact Flow Testerを使用して、膜を通して1.2kPa(12mbar)の空気差圧で装填することにより各膜サンプルを通過する空気流速度(L/hr)を測定した。
【0038】
ガーリー空気流
【0039】
ガーリー空気流試験は、100cmの空気が0.177psi(約1.22kPa)の水圧で1in(約6.45cm)のサンプルを通して流れる時間を秒単位で測定する。サンプルを、GURLEY(商標)密度計及び滑らかさテスターモデル4340(Gurley Precision Instruments, Troy, NY)で測定した。報告される値は、3つの測定値の平均であり、秒単位である。
【0040】
厚さ
【0041】
厚さは、レーザマイクロメータ(Keyenceモデル番号LS- 7010、Mechelen, Belgium)を使用して測定した。図8A及びBに示されるように、金属シリンダ801を、レーザマイクロメータ光源802とレーザマイクロメータ受信機803との間に位置合わせした。シリンダ801の上部の影805は、図8Aに示されるように受信機803に投影されている。次に、影の位置はレーザマイクロメータの「ゼロ」読み取り値としてリセットされた。図8Bに示されるように、膜804の単層を、重なりもなく、しわもなく、金属シリンダ801の表面上に覆い、影806を受信機803上に投影する。次に、レーザマイクロメータは、影805及び806の位置の変化をサンプルの厚さとして示した。各厚さを各サンプルにつき3回測定し、平均した。
【0042】
面積あたりの質量(質量/面積)
【0043】
サンプルの面積あたりの質量は、ASTM D3776(布帛の単位面積あたりの質量(重量)の標準試験方法)試験方法(選択肢C)に従って、Mettler-Toledoスケール、モデル1060を使用して測定した。試験片を計量する前に秤を再校正し、結果を1平方メートルあたりのグラム数(g/m)で報告した。
【0044】
洗浄試験耐久性
【0045】
洗浄試験は、Kenmore洗濯機(80シリーズ)で行った。荷重は1814.4±113.4グラムであった。水位は18±1ガロン(約68.1±3.79L)であった。洗濯機の設定は12分のコットンスターディ(Cotton Sturdy)であった。洗浄温度は120±5°F(約48.9±2.78℃)であった。洗濯洗剤はオリジナルタイドパウダー(3700085006)であった。石鹸の量は11.0±0.1グラムであった。乾燥はKenmore600ドライヤで行った。ドライヤの設定はコットンスターディであった。自動湿分検知機能はノーマルドライに設定され、サンプルが乾燥したときに乾燥サイクルを終了した。1つの完全な洗濯耐久性サイクルは、1つの洗濯サイクル及び1つの乾燥サイクルからなる。各導電性トレースの抵抗は、0、1、3、6、10、15及び20サイクル後に、以下の方法で測定した。KEITHLEY(登録商標)2750マルチメータシステム(Tektronix, Inc., Beaverton, OR, USA)を使用してDC抵抗の2点プローブ測定を行った。合成ポリマー膜は、大きなしわを取り除くために平らに置かれたが、基材(すなわち、布帛)は緩和状態のままであった(すなわち、伸長されていなかった)。正及び負のプローブを各トレースの両端に手で配置し、抵抗の値を記録した。試験されたトレースの数は5であった。洗浄試験耐久性は、トレースの50%が1メガオーム(MΩ)の抵抗を超える前の洗浄サイクルの数として報告した。
【0046】
水蒸気透過速度(MVTR)測定
【0047】
35重量部の酢酸カリウム及び15重量部の蒸留水からなる約70mLの溶液を、口の内径が6.5cmである133mLポリプロピレンカップに入れた。Crosbyの米国特許第4,862,730号明細書に記載されている方法で試験して、最小MVTRが約85,000g/m/24時間である延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を、ラバーバンドを使用してカップの縁に取り付けて、酢酸カリウム溶液を含む、ぴんと張った漏れのない微孔質バリアを形成した。
【0048】
同様の延伸PTFE膜をウォーターバスの表面に取り付けた。ウォーターバスアセンブリを、温度制御された部屋及び水循環浴を利用して、23±0.2℃に制御した。
【0049】
試験手順を行う前に、試験するサンプルを23℃の温度及び50%の相対湿度で条件調節した。導電性トレースがウォーターバスの表面に取り付けられた延伸ポリテトラフルオロエチレン膜とは反対側を向くようにサンプルを配置し、カップアセンブリの導入前に少なくとも15分間平衡化させた。カップアセンブリの重量を1/1000g単位で測定し、逆さまにして試験サンプルの中央に配置した。
【0050】
ウォーターバス中の水と飽和塩溶液との間の駆動力によって水輸送を提供し、その方向への拡散によって水流束を提供した。サンプルを15分間試験し、次いで、カップアセンブリを取り外し、1/1000g以内で再度計量した。
【0051】
サンプルのMVTRを、カップアセンブリの重量増加から計算し、24時間あたりのサンプル表面積1平方メートルあたりの水のグラム数で表した。
【0052】
マトリックス引張強度の決定
【0053】
ASTM D412-ドッグボーンFを使用して、合成ポリマー膜を長手方向及び横断方向のそれぞれに切断した。「機械方向」は押出方向であり、「横断方向」はこれに垂直である。膜が切断される領域にシワがないように、膜を切断テーブル上に置いた。次に、ダイを膜の上に(一般に膜の中央200mm)、その長手軸が試験される方向と平行になるように配置した。ダイの位置を合わせたら、圧力をかけて合成ポリマー膜を切断した。圧力を取り除いたときに、ドッグボーンサンプルを検査して、引張試験に影響を与える可能性のある縁欠陥がないことを確認した。このようにして、機械方向に少なくとも3つのサンプル、横断方向に3つのサンプルを調製した。ドッグボーンサンプルを調製したら、メトラートレドスケール、モデルAG204を使用して、それらの質量を測定して決定した。
【0054】
引張破壊荷重は、サンプルの両端が1つのゴム被覆プレートと1つの鋸歯状プレートの間に保持されるように、ゴム被覆フェースプレート及び鋸歯状フェースプレートを備えたINSTRON(登録商標)5500R(Illinois Tooll Works Inc., Norwood, MA)引張試験機を用いて測定した。グリッププレートにかかった圧力は約552kPaであった。グリップ間のゲージ長は58.9mmであり、クロスヘッド速度(プル速度)は508mm/分に設定した。500N荷重セルを使用してこれらの測定を行い、50ポイント/秒の速度でデータを収集した。同等の結果を保証するために、実験室の温度は20~22.2℃であった。サンプルがグリップ界面で破壊した場合に、データを破棄した。機械方向における少なくとも3つのサンプル及び横断方向における3つのサンプルをうまく引張り(グリップから滑り落ちず、又は、グリップで破壊せずに)、サンプルを特性化した。
【0055】
以下の式を使用して、マトリックスの引張強度を計算した。
MTS=((Fmax/w)*p)/質量:面積
(上式中、MTS=MPa単位のマトリックス引張強度であり、
max=試験中に測定された最大荷重(ニュートン)であり、
w=ゲージ長内のドッグボーンサンプルの幅(メートル)であり、
p=PTFEの密度(2.2x106g/m)又はポリエチレンの密度(0.94g/m)であり、そして
質量:面積=サンプルの面積あたりの質量(g/m)である)。
【0056】
Kawabata撓み度測定
【0057】
ラミネート化サンプルの低力曲げ挙動は、Kawabata純曲げ試験機(KES-FB2-Auto-A;カトーテック株式会社、京都、日本)を使用して測定した。ラミネート化サンプルを、印刷されたパターンがほぼ中央に配置され、印刷線が7cmの幅に垂直になるように7cmの幅に切断した。印刷線がグリップ間のギャップにまたがるように、サンプルを曲げ試験機のグリップ内に配置した。機械感度を10に設定した。機械は、加えられた荷重を記録しながら、グリップを自動的に締め、ラミネート化サンプルを両方向に2.5cm-1の曲率まで曲げた。報告されたB-平均値は、ラミネート化サンプルが0.5~1.5cm-1及び-0.5~-1.5cm-1で曲げられたときのラミネート化サンプルの曲げ剛性の平均である。曲げ剛性はグラム力cm/cmで報告される。
【0058】
バブルポイント
【0059】
バブルポイント圧力は、キャピラリーフローポロメーター(Quantachrome Instruments, Boynton Beach, Floridaのモデル3Gzh)を使用して、ASTM F316-03の一般教示に従って測定した。サンプル膜をサンプルチャンバに入れ、表面張力が20.1ダイン/cmであるシルウィックシリコーン液(Porous Materials Inc.から入手可能)で湿らせた。サンプルチャンバの下部クランプは、直径2.54cm、厚さ0.159cmの多孔質金属ディスクインサート(Quantachrome部品番号75461ステンレス鋼フィルタ)を有し、サンプルを支持するために使用した。3GWinソフトウェアバージョン2.1を使用して、以下のパラメータをすぐ下の表に指定されているように設定した。バブルポイント圧力について示されている値は、2つの測定値の平均である。バブルポイント圧力を以下の式を使用して細孔サイズに変換した。
DBP=4γlvcosθ/PBP
(上式中、DBPは細孔サイズであり、γlvは液体の表面張力であり、θは材料表面上での流体の接触角であり、PBPはバブルポイント圧力である)。当業者は、バブルポイント測定に使用される流体がサンプルの表面を濡らさなければならないことを理解している。


【表1-1】
【表1-2】
【0060】
ePTFE膜
ePTFE膜1- ePTFE膜の調製
【0061】
ePTFE膜をBowenらの米国特許公開第2004/0173978号明細書に記載されている一般教示に従って製造した。ePTFE膜は面積あたりの質量が4.6g/mであり、多孔度が87%であり、非接触厚が15.5μmであり、ガーレー数が4.5秒であり、ATEQ空気流が12mbarで17リットル/cm/時間であり、機械方向のマトリックス引張強度が258MPaであり、横断方向のマトリックス引張強度が329MPaであり、比表面積が14.520m/gであり、そして体積あたりの表面積が31.944m/cmであった。ePTFE膜の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を図1に示す。
【0062】
ePTFE膜2-ePTFE膜の調製
【0063】
ePTFE膜を、Goreの米国特許第3,953,566号明細書に記載されている一般教示に従って製造した。ePTFE膜は面積あたりの質量が16.6g/mであり、多孔度が80%であり、非接触厚が37.6μmであり、バブルポイントが156kPaであり、機械方向でのマトリックスの引張強度が42.4MPaであり、横断方向でのマトリックス引張強度が116.4MPaであり、比表面積が7.891m/gであり、体積あたりの表面積が17.75m/cmであった。ePTFE膜のSEM画像を図2に示す。
【0064】

本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態の両方に関して上記で記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な修正及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るという条件で、本発明の修正及び変形を網羅することが意図される。
【0065】
例1
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(膜1)を吸収のための基材として使用した。ePTFE膜は、直径6インチ(約15.24cm)のアルミニウムフープの上に置き、ステンレス鋼バネを周囲に配置してフープに固定し、手で基材に張力をかけてしわを取り除くことで拘束された。ステンシルの接着中にePTFE膜を支持するために、ePTFE膜を拘束するフープを、フープ内に適合するように機械加工されたきれいなDelrin(登録商標)ディスク(DowDuPont, Wilmington, DEから入手可能なアセタールホモポリマー樹脂)の上に配置した(ディスクはePTFE基材の「底」に接触したきれいな表面を提供した)。
【0066】
ステンシルを調製するために、テープ片(Scapa Type 536、ポリエステルフィルム、アクリル接着剤でシングルコーティング、Scapa North America, Winsor, CT)を剥離紙に転写した。レーザカッタ(PLS6.75レーザカッタ、Universal Laser, Scottsdale, AZ)を使用して、テープに孔を開けて、図4に示されるパターンを形成した。図4に提供される寸法はミリメートル(mm)で、適用されるパターンのサイズを示す。両端矢印402は、伸長性テキスタイルとフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。次に、テープステンシルを剥離紙から取り除き、ePTFE膜の露出した「上面」の表面に手で押し付けて、ステンシルをePTFE膜にしっかりと接着させた。次に、フープに拘束されたままのステンシル及びePTFE膜を、Delrin(登録商標)ディスクから取り外し、実験室のドラフト内に置いて吸収させた。
【0067】
導電性インクの吸収
【0068】
過剰の導電性インク(2108-IPA;安定して分散した銀ナノ粒子を含むインク配合物、Nanogap Inc., Richmond, CAから入手可能)を、ステンシルの孔を通してePTFE膜の上面にピペットで移した。このプロセスが完了したら、上面を単層セルロースワイプ(Delicate Task Wiper;KIMWIPES(登録商標); Kimberly-Clark, Roswell, GA)で徹底的に拭き、余分なインクをすべて除去した。次いで、テープステンシルをすぐに取り外した。ステンシルの除去はまた、ステンシルに付着した基材の上面の一部を除去したが、除去された量は無視できると考えられた。次に、フープに拘束されたままの吸収されたePTFE膜を、フード内で少なくとも10分間空気乾燥させ、次いで、熱風対流炉内で200℃で60分間熱処理した。
【0069】
接着剤ドットを伸長性テキスタイルに結合
【0070】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。ナイロン/ポリエステル/エラスタンブレンドの綾織りの経糸方向ストレッチテキスタイル(TD36B, Formosa Chemicals and Fiber Corporation, Taipei, Taiwan)を緩和した長さの約2倍に経糸方向に伸長させ、矩形フレームに拘束した。112mmx152mmのポリウレタン接着剤印刷剥離紙のシートをテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスで135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を取り除き、ポリウレタン接着剤ドットを伸長性テキスタイルに結合したままにした。
【0071】
構造化(「座屈」)ラミネートの調製
【0072】
導電性トレースが吸収されたePTFE膜(すなわち、プリント回路)を、プリントパターンがほぼ中央に配置された状態で128mmx78mmにトリミングした。次に、プリント回路を、テキスタイルに結合された接着剤ドットの上で中心に置き、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向と整列させた。次に、プリント回路をTシャツプレスで135℃にて約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放し、緩和状態に戻させ、それによってプリント回路をテキスタイルとともに圧縮及び座屈させた(導電性物品)。
【0073】
抵抗測定v.伸長性
【0074】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法で記載したように行った。この抵抗試験の結果を図5及び表1に示す。不連続曲線501は、ラミネート化されていないテキスタイルの荷重-歪み関係を示し、一方、連続曲線502は、各サンプルが50%歪みに伸長されそして0%歪みに戻ったときの可撓性物品の荷重-歪み関係を示す。両方とも一次y-軸で読み取られる。円形マーカ503は、歪みに対するラミネート化サンプルの導電性トレースのオーム単位の抵抗を示し、二次y軸で読み取られる。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、プリント回路の抵抗は実質的に変化しないままであることが決定された。
【0075】
洗浄試験
【0076】
洗浄試験耐久性は、上記の試験方法に記載されているように行われた。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、プリント回路が少なくとも20回の洗浄サイクルに耐えたことが決定された。
【0077】
MTVR
【0078】
水蒸気透過速度は、上記の試験方法に記載されているように測定された。MVTRは15680g/m/24時間と測定された(表1)。
【0079】
Kawabata試験
【0080】
Kawabata曲げ試験は、上記の試験方法に記載されているように行われた。Kawabata曲げ試験値は0.0418グラム力-cm/cmと測定された。
【0081】
例2
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(膜1)を印刷のための基材として使用した。ePTFE膜を、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位で、適用されるパターンのサイズを示す。両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)と、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6mil(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン及び12.7μmのエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクを対流炉で120℃で20分間乾燥した。プリント回路は、ePTFE膜のほぼ中央にプリントパターンを配置して基材を128mmx78mmにトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0082】
ポリウレタン接着剤ドットを伸長性テキスタイルに結合するプロセスは例1に記載のプロセスに従った。伸長性テキスタイルは例1で使用されたものと同じであった。
【0083】
構造化(「座屈」)ePTFEラミネートの調製は、例1で記載したプロセスに従って、プリント回路を伸長性テキスタイルに接着した(例えば、導電性物品)。
【0084】
抵抗測定v.伸長性
【0085】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は実質的に変化しないままであった。
【0086】
洗浄試験
【0087】
洗浄試験耐久性は、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、プリント回路は3回の洗浄サイクルに耐えたことが決定された(表1)。
【0088】
MTVR
【0089】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度は、上記の試験方法で記載したように測定した。 MVTRは16085g/m/24時間と測定された(表1)。
【0090】
Kawabata試験
【0091】
Kawabata曲げ試験は、上記の試験方法で記載したように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0364グラム力-cm/cmと測定された。
【0092】
例3
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(膜2)を印刷のための基材として使用した。ePTFE膜を、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位であり、参照のために示され、適用されるパターンのサイズを示す。両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)、 200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6ミル(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン、及び、12.7μmエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクを対流炉にて120℃で20分間乾燥させた。印刷されたePTFE膜は、ePTFE膜のほぼ中央に印刷されたパターンで基材を128mmx78mmにトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0093】
接着剤ドットを伸長性テキスタイルに結合するプロセスは、例1で記載したプロセスに従った。テキスタイルは、例1で使用したものと同じであった。
【0094】
構造化(「座屈」)ePTFEラミネートの調製は、例1で記載したプロセスに従って、フレキシブル回路を伸長性テキスタイルに接着した。
【0095】
抵抗測定v.伸長性
【0096】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法で記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで延長したときに、回路の抵抗は実質的に変化しないままであった。
【0097】
洗浄試験
【0098】
洗浄試験耐久性は、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、プリント回路が3回の洗浄サイクルに耐えたものと決定された(表1)。
【0099】
MTVR
【0100】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは14263g/m/24時間と測定された(表1)。
【0101】
Kawabata試験
【0102】
Kawabata曲げ試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0348グラム力-cm/cmと測定された。
【0103】
例4
市販の25μm厚の熱可塑性ポリウレタンフィルム(TPU)であるDUREFLEX(登録商標)PT1710S(Covestro LLC, Whately, MA)を得た。TPUフィルムを、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位であり、参照のために示され、適用されるパターンのサイズを示す。両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。
【0104】
スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)と、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6ミル(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン、及び12.7μmエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクは対流炉にて120℃で20分間乾燥した。印刷された基材を、UTPフィルムのほぼ中央に印刷されたパターンで128mmx78 mmにトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0105】
接着剤ドットを伸長性テキスタイルに接着するプロセスは、例1で記載したプロセスに従った。テキスタイルは例1と同じであった。
【0106】
構造化(「座屈」)ラミネートの調製は、例1で記載したプロセスに従って、フレキシブル回路を伸長性テキスタイルに接着した。
【0107】
抵抗測定v.伸長性
【0108】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は実質的に変化しないままであった。
【0109】
洗浄試験
【0110】
洗浄試験耐久性は、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、プリント回路が1回の洗浄サイクルに耐えたものと決定された(表1)。
【0111】
MTVR
【0112】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度は、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは2459g/m/24時間と測定された(表1)。
【0113】
Kawabata試験
【0114】
Kawabata曲げ試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0527グラム力-cm/cmとして測定された。
【0115】
例5
厚さ12μmの多孔質ポリエチレンリチウムイオン電池セパレータ(T3、Pair Materials Co. Ltd, Dongguan, China)を得た。ポリエチレン膜は、面積あたりの質量が7.0g/mであり、多孔度が40%であり、厚さが12.4μmであり、バブルポイントが1543kPaであり、機械方向でのマトリックス引張強度が314MPaであり、横断方向でのマトリックス引張強度が233MPaであり、比表面積が34.1m/gであり、体積あたりの表面積が32.1m/cmである。ポリエチレン膜のSEM画像を図3に示す。
【0116】
ポリエチレンフィルムを、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位であり、参照のために示され、適用されるパターンのサイズを示す。図4の両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78.74ワイヤ/cm)、1.6mil(約40.64μm)のワイヤ直径を有するステンレススチールスクリーン、及び、12.7μmエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクは対流炉にて120℃で20分間乾燥した。印刷されたポリエチレンフィルムは、ポリエチレンフィルムのほぼ中心にある印刷パターン(プリント回路)で128mm×78mmにポリエチレンフィルムをトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0117】
接着剤ドットを伸長性テキスタイルに接着するプロセスは、例1で記載したプロセスに従った。テキスタイルは例1で使用したものと同じであった。
【0118】
構造化(「座屈」)ラミネートの調製は、例1に記載したプロセスに従って、フレキシブル回路を伸長性テキスタイルに接着した。
【0119】
抵抗測定v.伸長性
【0120】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は実質的に変化しないままであった。
【0121】
洗浄試験
【0122】
洗浄試験の耐久性は、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、プリント回路は3回の洗浄サイクルに耐えることが決定された(表1)。
【0123】
MTVR
【0124】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは9721g/m/24時間と測定された(表1)。
【0125】
Kawabata試験
【0126】
Kawabata曲げ試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0970グラム力-cm/cmと測定された。
【0127】
例6
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜(膜1)を基材として使用した。吸収のためのePTFE膜を調製するために、ePTFE膜を直径6インチのアルミニウムフープの上に置き、ステンレス鋼のバネを周囲に配置してフープに固定し、ePTFE膜に張力をかけてしわを取り除くことで拘束した。ステンシルの接着中にePTFE膜を支持するために、ePTFE膜を拘束するフープを、フープ内に収まるように機械加工された、きれいなDelrin(登録商標)(DowDuPont, Wilmington, DEから入手可能なアセタールホモポリマー樹脂)ディスク上に配置し、それはePTFE膜の「底」に接触したきれいな表面を提供した。ステンシルを調製するために、一片のテープ(Scapa Type 536;アクリル接着剤でシングルコーティングされたポリエステルフィルム; Scapa North America, Windsor, CT)を剥離紙に移し、レーザカッタ(PLS6.75レーザカッタ、Universal Laser,Scottsdale, AZ)を使用して、図4に示すパターンでテープステンシルに孔を開けた。図4に示される寸法はmm単位であり、パターンのサイズを指示するように示されている。
【0128】
次に、テープステンシルを剥離紙から除去し、ePTFE膜の露出した「上面」の表面に手で押し付けて、ePTFE膜にしっかりと接着させた。次に、フープに拘束されたままのステンシルとePTFE膜を、Delrin(登録商標)ディスクから取り外し、実験室のドラフト内に置いて吸収させた。過剰の導電性インク(Nanogap, Inc.から入手可能な2108-IPA)を、テープステンシルの孔を通してePTFE膜の上面にピペットで移した。このプロセスが完了したら、ステンシル/ePTFE膜の上面をキムワイプ(Kimberly Clark, デリケートタスクワイパー、1プライ)で完全に拭き、余分なインクをすべて取り除いた。その後、テープステンシルをすぐに取り外した。ステンシルを除去すると、ステンシルに付着していたePTFE膜の上面の一部も除去されたが、その量は無視できると考えられた。次に、フープに拘束されたままの吸収されたePTFE膜(プリント回路)をフード内で少なくとも10分間空気乾燥させ、次いで、熱風対流炉内で200℃で60分間熱処理した。
【0129】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。ナイロン/ポリエステル/エラスタンブレンドの綾織りである経糸方向伸長性テキスタイル(TD36B、Formosa Chemicals and Fiber Corporation, Taipei, Taiwan)を、布帛が非伸長(緩和)状態の矩形のフレームに拘束した。112mmx152mmの接着剤の印刷された剥離紙をテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスで剥離紙とテキスタイルを135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を除去し、接着剤ドットをテキスタイルに結合させたままにした。プリント回路をテキスタイルに接着するために、プリント回路を最初に、プリントパターンをテキスタイルに結合された接着剤ドットのほぼ中心として、128mm×78mmにトリミングし、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向に整列させた。次に、プリント回路を含むテキスタイルをTシャツプレスで135℃で約5秒間プレスすることにより、プリント回路をテキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放した。
【0130】
抵抗測定v.伸長性
【0131】
抵抗測定v.伸長性試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路が50%の歪みまで伸長したときに、プリント回路の抵抗は有意に増加した。
【0132】
洗浄試験
【0133】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、サンプルは6回の洗浄サイクルに耐えたと決定された(表1)。
【0134】
MTVR
【0135】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは17127g/m/24時間と測定された(表1)。
【0136】
Kawabata試験
【0137】
Kawabata曲げ試験を、上記の試験方法で記載したように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0669グラム力-cm/cmと測定された。
【0138】
例7
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜(膜1)を基材として使用した。ePTFE膜を、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位であり、参照のために示され、適用されるパターンのサイズを示す。スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6mil(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン、及び12.7μmのエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクを対流炉にて120℃で20分間乾燥した。印刷されたePTFE膜は、印刷されたパターンをePTFE膜のほぼ中央にしてePTFE膜を128mmx78mmにトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0139】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。ナイロン/ポリエステル/エラスタンブレンドの綾織りである経糸方向伸長性テキスタイル(TD36B、Formosa Chemicals and Fiber Corporation, Taipei, Taiwan)を、布帛が非伸長(緩和)状態で矩形のフレームに拘束した。112mmx152mmの接着剤の印刷された剥離紙をテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスで剥離紙とテキスタイルを135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を取り除き、接着剤ドットをテキスタイルに接着させたままにした。プリント回路をテキスタイルに接着するために、プリント回路を最初に、プリントパターンをテキスタイルに接着された接着ドットのほぼ中心にして128mm×78mmにトリミングし、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向に整列させた。次に、プリント回路を含むテキスタイルをTシャツプレスにて135℃で約5秒間プレスすることにより、プリント回路をテキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放した。
【0140】
抵抗測定v.伸長性
【0141】
抵抗測定v.伸長性試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は有意に増加した。
【0142】
洗浄試験
【0143】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、サンプルは1回の洗浄サイクルに耐えたものと決定した(表1)。
【0144】
MTVR
【0145】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは16259g/m/24時間と測定された(表1)。
【0146】
Kawabata試験
【0147】
Kawabata曲げ試験を、上記の試験方法に記載されているように、フレキシブル回路で行った。Kawabata曲げ試験値は0.0544グラム力-cm/cmと測定された。
【0148】
例8
25μm厚の熱可塑性ポリウレタンフィルム(TPU)、DUREFLEX(登録商標)PT1710S(Covestro LLC, Whately, MA)を得た。TPUフィルムを、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示されるパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示される寸法はmm単位であり、適用されるパターンのサイズを示す。両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。
【0149】
スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6ミル(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン、及び12.7μmエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクを対流炉にて120℃で20分間乾燥した。印刷されたTPUフィルムを、印刷されたパターンがほぼ中央にくるように基材を128mmx78 mmにトリミングすることにより、刺繍フープから除去した。
【0150】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。ナイロン/ポリエステル/エラスタンブレンドの綾織りである経糸方向伸長性テキスタイル(TD36B, Formosa Chemicals and Fiber Corporation, Taipei, Taiwan)を、布帛が非伸長(緩和)状態で矩形のフレームに拘束した。112mmx152mmの接着剤の印刷された剥離紙をテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスで剥離紙とテキスタイルを135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を取り除き、接着剤ドットをテキスタイルに接着させたままにした。プリント回路をテキスタイルに接着するために、プリント回路を最初に、プリントパターンをテキスタイルに結合された接着剤ドットのほぼ中心として128mm×78mmにトリミングし、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向に整列させた。次に、プリント回路を含むテキスタイルをTシャツプレスにて135℃で約5秒間プレスすることにより、プリント回路をテキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放した。
【0151】
抵抗測定v.伸長性
【0152】
抵抗測定v.伸長性試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。ラミネートを50%の歪みまで伸長したときに、プリント回路の抵抗は有意に増加した。
【0153】
洗浄試験
【0154】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。プリント回路は、トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、1回の洗浄サイクルに耐えた(表1)。
【0155】
MTVR
【0156】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度は、上記の試験方法に記載されているように測定した。 MVTRは1852g/m/24時間と測定された(表1)。
【0157】
Kawabata試験
【0158】
フレキシブル回路のKawabata曲げ試験は、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0710グラム力-cm/cmと測定された。
【0159】
例9
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(膜1)を基材として使用した。ePTFE膜を、上記の「吸収された基材の調製」というタイトルのセクションの試験方法に記載されているように、吸収のために調製した。ePTFE膜を、図4に示されるパターンで吸収させ、プリント回路を形成した。
【0160】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。91g/mの非伸長ナイロン織布材料(スタイル131859、(MI 270)、Milliken and Company, Spartanburg, SC)を、しわを取り除くのにちょうど十分な張力で矩形フレームに拘束した。112mmx152mmの接着剤の印刷された剥離紙のシートをテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスでテキスタイル及び剥離紙を135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を取り除き、接着剤ドットをテキスタイルに接着させたままにした。プリント回路をテキスタイルに接着するために、ePTFE膜を最初に、プリントパターンをほぼ中央として128mmx78mmにトリミングした。プリント回路は、テキスタイルに接着された接着剤ドットの上に中心が置かれ、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向に整列させた。次に、プリント回路をTシャツプレスで135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放した。
【0161】
抵抗測定v.伸長性
【0162】
抵抗測定v.伸長性試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は有意に増加した。
【0163】
洗浄試験
【0164】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、サンプルは10回の洗浄サイクルに耐えたものと決定された(表1)。
【0165】
MTVR
【0166】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。MVTRは21119g/m/24時間と測定された(表1)。
【0167】
Kawabata試験
【0168】
フレキシブル回路のKawabata曲げ試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0607グラム力-cm/cmと測定された。
【0169】
例10
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(膜1)を基材として使用した。ePTFE膜を、直径356mmの刺繍フープに拘束し、しわを取り除くために張力をかけ、図4に示すパターンで導電性インクを使用してスクリーン印刷した。図4に示す寸法はmm単位であり、適用されたパターンのサイズを示す。両端矢印402は、基材とフレキシブル回路との位置合わせを例示するために示されている。スクリーン印刷は、モデルMSP-088スクリーンプリンタ(HMI Manufacturing, Lebanon, NJ)、200TPI(スレッド/ワイヤ/インチ、約78,74ワイヤ/cm)、1.6ミル(約40.64μm)のワイヤ直径を備えたステンレススチールスクリーン、及び12.7μmエマルジョンを使用して行った。使用した導電性インクはCI1036(高導電性銀インク、全固形分66%、Engineered Conductive Materials, Delaware, OH)であった。インクを対流炉にて120℃で20分間乾燥した。プリント基材は、ePTFE膜のほぼ中央に印刷されたパターンで基材を128mmx78mmにトリミングすることにより、刺繍フープから取り外した。
【0170】
UTポリウレタン熱可塑性接着剤(Protechnic, Cernay France)を、18Q236グラビアパターンを使用して剥離紙上に印刷した。91g/mの非伸長ナイロン織布材料(スタイル131859、(MI 270)、Milliken and Company, Spartanburg, SC)を、しわを取り除くのにちょうど十分な張力で矩形フレームに拘束した。112mmx152mmの接着剤の印刷された剥離紙のシートをテキスタイル上に配置し、Tシャツプレスでテキスタイル及び剥離紙を135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却したら、剥離紙を取り除き、接着剤ドットをテキスタイルに接着させたままにした。プリント回路をテキスタイルに接着するために、ePTFE膜を最初に、プリントパターンをほぼ中央として128mmx78mmにトリミングした。プリント回路は、テキスタイルに接着された接着ドットの上に中心が置かれ、図4の矢印402をテキスタイルの経糸方向で整列させた。次に、プリント回路をTシャツプレスにて135℃で約5秒間プレスすることにより、テキスタイルに熱ラミネートした。冷却後に、テキスタイルをフレームから解放した。
【0171】
抵抗測定v.伸長性
【0172】
抵抗測定v.伸長性試験を上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は有意に増加した。
【0173】
洗浄試験
【0174】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、サンプルは1回の洗浄サイクルに耐えた(表1)。
【0175】
MTVR
【0176】
水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように行った。MVTRは19239g/m/24時間と測定された(表1)。
【0177】
Kawabata試験
【0178】
Kawabata曲げ試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。Kawabata曲げ試験値は0.0715グラム力-cm/cmと測定された。
【0179】
例11
基材が91g/mの非伸長ナイロン織布材料(スタイル131859、(MI 270)、Milliken and Company, Spartanburg, SC)であったことを除いて、例8の材料及びプロセスに従ってフレキシブル回路を調製した。
【0180】
抵抗測定v.伸長性
【0181】
抵抗測定v.伸長性試験を、上記の試験方法に記載されているように行った。フレキシブル回路を50%の歪みまで伸長したときに、回路の抵抗は有意に増加した。
【0182】
洗浄試験
【0183】
洗浄試験耐久性を、上記の試験方法に記載されているように行った。トレースの50%が1メガオーム(MΩ)を超える前に、サンプルは1回の洗浄サイクルに耐えるものと決定された(表1)。
【0184】
MTVR
【0185】
フレキシブル回路の水蒸気透過速度を、上記の試験方法に記載されているように測定した。 MVTRは1562g/m/24時間と測定された(表1)。
【0186】
Kawabata試験
【0187】
フレキシブル回路のKawabata曲げ試験を上記の試験方法に記載されているように行なった。Kawabata曲げ試験値は0.0807グラム力-cm/cmと測定された。
【表2】
態様)
(態様1)
多孔質合成ポリマー膜と少なくとも1つの導電性トレースとを含むプリント回路と、
前記プリント回路に結合された基材と、
を含み、
前記導電性トレースは前記多孔質合成ポリマー膜内に配置されている、
高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品。
(態様2)
前記多孔質合成ポリマー膜は微孔質合成ポリマー膜である、態様1記載の導電性物品。
(態様3)
前記基材は伸長性基材又は非伸長性基材である、態様1又は態様2記載の導電性物品。
(態様4)
前記伸長性基材は、伸長性テキスタイル、伸長性布帛、伸長性不織布材料及び伸長性膜から選ばれる少なくとも1つの部材を含む、態様1~3のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様5)
前記伸長性基材は伸長性テキスタイル又は伸長性布帛である、態様1~4のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様6)
前記伸長性基材は、伸長性ラミネート又は伸長性繊維を含む、態様1~5のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様7)
前記多孔質合成ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリ(p-キシリレン)(ePPX)、多孔質超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、多孔質エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)及び多孔質ポリ乳酸(ePLLA)から選ばれる、態様1~6のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様8)
前記合成ポリマー膜は延伸フルオロポリマー膜である、態様1~7のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様9)
前記合成ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様1~8のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様10)
前記導電性トレースは前記多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して細孔を充填する、態様1~9のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様11)
前記導電性トレースは導電性金属ナノ粒子、導電性材料のナノ粒子、導電性ナノチューブ、導電性金属フレーク、導電性ポリマー及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様1~10のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様12)
前記導電性トレースは銀、白金、金、銅及びそれらの組み合わせの粒子を含む、態様1~11のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様13)
前記導電性トレースは導電性粒子の連続ネットワークを含む、態様1~12のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様14)
前記導電性トレースは導電性パターンの形態を有する、態様1~13のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様15)
前記導電性物品は、洗浄試験耐久性試験方法によって決定して、少なくとも10回の洗浄サイクルの洗浄耐久性を有する、態様1~14のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様16)
前記導電性物品はKawabata試験方法によって決定して、0.1グラム力-cm /cm未満の撓み度を有する、態様1~15のいずれか1項記載の導電性物品。
(態様17)
第一の多孔質合成ポリマー膜と前記第一の多孔質合成ポリマー膜内に配置されている第一の導電性トレースとを含む第一のプリント回路と、
第二の多孔質合成ポリマー膜と前記第二の多孔質合成ポリマー膜内に配置されている第二の導電性トレースとを含む第二のプリント回路と、
第一の面で前記第一のプリント回路に結合され、そして第二の面で前記第二のプリント回路に結合された基材と、
を含む、高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品。
(態様18)
延伸ポリテトラフルオロエチレン膜と前記延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の細孔内に配置されている少なくとも1つの導電性トレースとを含むプリント回路と、
前記プリント回路に結合された非伸長性テキスタイルと、
を含む、高い可撓性及び耐久性を有する導電性物品であって、
前記導電性トレースは前記延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の厚さを通して細孔を充填し、
前記導電性物品は、Kawabata試験によって決定して、0.1グラム力-cm /cm未満の撓み度を有し、
前記導電性物品は、洗浄試験耐久性によって決定して、少なくとも10回の洗浄サイクルの洗浄耐久性を有し、そして
前記導電性物品は、水蒸気透過速度(MVTR)測定によって決定して、少なくとも21,000g/m /24時間の水蒸気透過速度を有する、導電性物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B