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特許7085055寄付支援システム、寄付支援プログラムおよび寄付支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】寄付支援システム、寄付支援プログラムおよび寄付支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220608BHJP
【FI】
G06Q30/02 460
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021193918
(22)【出願日】2021-11-30
【審査請求日】2021-11-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開の事実一覧(公開日、公開先):令和 3年 3月16日、税理士法人エキスパーツリンク;令和 3年 4月 7日、石川県珠州市;令和 3年 6月 1日、みらいに株式会社;令和 3年 8月31日、内閣府;令和 3年 9月24日、株式会社常磐植物科学研究所;令和 3年 9月30日、パーソルイノベーション株式会社;令和 3年10月 5日、株式会社北國銀行;令和 3年10月14日、アステナグループ各社;令和 3年10月14日、SUZU合同会社;令和 3年10月21日、ホクモウ株式会社
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521523338
【氏名又は名称】アステナミネルヴァ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅楽乃
(72)【発明者】
【氏名】仲林 寛晃
(72)【発明者】
【氏名】今井 比以呂
(72)【発明者】
【氏名】堀 雄輔
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0132673(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0191196(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0017482(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援システムであって、
寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成手段と、
寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成手段と、
前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録手段と、
前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得手段と、
前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出手段と、を備え、
前記参加者登録手段は、前記参加者ごとに、前記イベント情報に紐づけられた複数の前記プロジェクトの中から寄付の対象とするプロジェクトの選択を受け付け、前記参加者に対応付けて登録し、
前記寄付算出手段は、前記プロジェクトに対応する前記参加者の前記行動量に基づいて、前記プロジェクトごとの寄付金額を算出する、
寄付支援システム。
【請求項2】
前記プロジェクト作成手段は、前記プロジェクトの寄付受付期間の入力を受け付けて前記プロジェクト情報として登録し、
前記イベント作成手段は、前記プロジェクトにおける前記寄付受付期間の終期が前記イベント期間の終期よりも遅い場合に、当該プロジェクト情報を当該イベント情報に紐づけ可能に構成される、請求項1に記載の寄付支援システム。
【請求項3】
前記イベントに対応付けられた前記プロジェクトごとに、前記参加者の前記行動量の合計と、寄付金額と、を表示処理して複数のプロジェクトについて一覧表示させる表示手段を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の寄付支援システム。
【請求項4】
前記イベント作成手段は、前記イベントにおける寄付金額の最低額及び/又は最高額を受け付けて前記イベント情報として登録し、
前記寄付算出手段は、前記最低額及び/又は最高額に基づいて寄付金額を算出する、請求項1から請求項3の何れかに記載の寄付支援システム。
【請求項5】
参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援プログラムであって、
寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成手段と、
寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成手段と、
前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録手段と、
前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得手段と、
前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出手段と、
としてコンピュータを機能させ
更に、前記参加者登録手段は、前記参加者ごとに、前記イベント情報に紐づけられた複数の前記プロジェクトの中から寄付の対象とするプロジェクトの選択を受け付け、前記参加者に対応付けて登録し、
前記寄付算出手段は、前記プロジェクトに対応する前記参加者の前記行動量に基づいて、前記プロジェクトごとの寄付金額を算出する、
寄付支援プログラム。
【請求項6】
参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援システムが実行する寄付支援方法であって、
寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成ステップと、
寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成ステップと、
前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録ステップと、
前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得ステップと、
前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出ステップと、を含み、
更に、前記参加者登録ステップでは、前記参加者ごとに、前記イベント情報に紐づけられた複数の前記プロジェクトの中から寄付の対象とするプロジェクトの選択を受け付け、前記参加者に対応付けて登録し、
前記寄付算出ステップでは、前記プロジェクトに対応する前記参加者の前記行動量に基づいて、前記プロジェクトごとの寄付金額を算出する、
寄付支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参加者の行動に応じた寄付を支援するための、寄付支援システム、寄付支援プログラムおよび寄付支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な寄付の仕組みが知られている。更に最近では健康への関心も高まっており、ユーザが運動した量に応じて寄付が行われる仕組みも知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、参加者の歩数に応じてマイレージを付与し、マイレージから変換される金銭ポイントにより、参加者が指定した寄付受領者に対して主催者が寄付を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-37571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような寄付の仕組みにおいては、寄付を企画する主催者側にも、コンセプトや目的を反映した寄付企画を実施したいという要望があった。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、参加者が寄付受領者を選択できるのみで、主催者の意図を反映した企画を実現することが難しいという課題があった。
【0006】
上記のような現状に鑑みて、本発明は、参加者の行動に応じた寄付を行うイベントの実施を支援する新規なシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援システムであって、寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成手段と、寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成手段と、前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録手段と、前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得手段と、前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出手段と、を備える。
【0008】
このような構成とすることで、寄付受領者により作成されるプロジェクト単位で寄付先を指定して、イベントを作成することが可能となる。これにより、イベントの主催者は、イベントの趣旨に応じて寄付対象をプロジェクト単位で設定できる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記プロジェクト作成手段は、前記プロジェクトの寄付受付期間の入力を受け付けて前記プロジェクト情報として登録し、前記イベント作成手段は、前記プロジェクトにおける前記寄付受付期間の終期が前記イベント期間の終期よりも遅い場合に、当該プロジェクト情報を当該イベント情報に紐づけ可能に構成される。
【0010】
このような構成とすることで、イベントの終了時点で寄付が可能なプロジェクトのみをイベントに紐づけることができる。これにより、対象のプロジェクトの寄付受付期間が終わってしまい、イベント終了時に寄付ができなくなるという不都合を避け、実際に寄付が可能なプロジェクトを対象とすることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記参加者登録手段は、前記参加者ごとに、前記イベント情報に紐づけられた複数の前記プロジェクトの中から寄付の対象とするプロジェクトの選択を受け付け、前記参加者に対応付けて登録し、前記寄付算出手段は、前記プロジェクトに対応する前記参加者の前記行動量に基づいて、前記プロジェクトごとの寄付金額を算出する。
【0012】
このような構成とすることで、イベントの参加者が、イベントに対応付けられたプロジェクトの中からそれぞれ寄付したいプロジェクトを選択して、プロジェクト単位で寄付金額を算出することができる。これにより、イベントの主催者の意図を反映した選択肢の中で、個々の参加者の希望にも合わせて寄付を実行することが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記イベントに対応付けられた前記プロジェクトごとに、前記参加者の前記行動量の合計と、寄付金額と、を表示処理して複数のプロジェクトについて一覧表示させる表示手段を更に備える。
【0014】
このような構成とすることで、例えばイベントの主催者が寄付先のプロジェクトごとに寄付金額や行動量を確認することができ、参加者に人気のプロジェクトを確認したり、寄付金額を確認し、円滑に寄付を行ったりすることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記イベント作成手段は、前記イベントにおける寄付金額の最低額及び/又は最高額を受け付けて前記イベント情報として登録し、前記寄付算出手段は、前記最低額及び/又は最高額に基づいて寄付金額を算出する。
【0016】
このような構成とすることで、例えば主催者が寄付金額を負担する場合に、事前に予算を想定して企画することが容易になる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明は、参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援プログラムであって、寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成手段と、寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成手段と、前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録手段と、前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得手段と、前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出手段と、としてコンピュータを機能させる。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明は、寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成ステップと、寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成ステップと、前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録ステップと、前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得ステップと、前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出ステップと、をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、参加者の行動に応じた寄付を行うイベントの実施を支援する新規なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態における寄付支援システムの機能ブロック図である。
図2】本発明の実施形態において寄付受領者に表示されるプロジェクト作成画面の表示例である。
図3】本発明の実施形態における寄付受領者に表示されるプロジェクト一覧画面の表示例である。
図4】本発明の実施形態におけるイベントの主催者に表示されるイベント作成画面の表示例である。
図5】本発明の実施形態におけるイベントの主催者に表示されるイベント作成画面の表示例である。
図6】本発明の実施形態におけるイベントの主催者に表示されるダッシュボードの表示例である。
図7】本発明の実施形態におけるイベントの主催者に表示されるイベント一覧画面の表示例である。
図8】本発明の実施形態における寄付受領者に表示される案件一覧画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、寄付の受領者が寄付対象となるプロジェクトを登録し、イベントの主催者がプロジェクトを選択してイベントを作成することにより、寄付を行うためのイベントを支援する技術に関する。イベントとは、参加者の行動に応じた寄付を行うことを目的とするものであり、本実施形態では期間を指定して実施される。本実施形態の寄付支援システムは、イベント中の各参加者の行動量に応じて集計を行うことで、イベント全体での寄付金額を算出し、寄付の実施を支援する。
【0022】
本実施形態では、各イベントに複数のプロジェクトを対応づけ可能に構成され、更にイベントの参加者が、イベントに対応付けられたプロジェクトの中から対象を選択することにより、各参加者がイベントごとにプロジェクト単位で寄付先を選択することができる。ここでプロジェクトとは、寄付の使いみちを示す単位であり、受領者により事前に作成される。本実施形態では、例えば福祉事業や芸術祭等、自治体が実施する事業単位でプロジェクトを作成することを想定する。本実施形態では、プロジェクトごとに寄付の受付開始時期及び終了時期が設定され、受領者である自治体に紐づけられたプロジェクト情報として登録される。
【0023】
受領者とは、寄付を受け取る者を指し、個人、団体等、その形式は問わない。本実施形態では、企業型ふるさと納税の枠組みによる企業から自治体への寄付を一例として示し、受領者として自治体を想定する。また主催者とは、イベントを主催する者を指し、その形式は問わないが、従業員や構成員等を持つ法人等の組織が主に想定される。本実施形態では、企業型ふるさと納税の枠組みによる企業から自治体への寄付を一例として示し、主催者として民間企業を想定する。また参加者とは、イベントに参加する個人である。本実施形態では、主催者である企業の従業員等、主催者に属する者が当該主催者の作成したイベントの参加者となることを想定するが、主催者に関わらず全ユーザが全てのイベントに参加可能であってもよい。
【0024】
また本発明において参加者の「行動」とは、参加者の意図により現実に行われた行動を指す。本実施形態では、行動として特に身体活動を想定し、「行動量」として歩数を取得するが、この他一般に流通する活動量計により測定できる活動量、消費カロリーや運動時間等を行動量として用いてもよい。また身体的な活動の他に、読書や勉強等を参加者の行動として、ページ数や実施時間を「行動量」として用いてもよい。
【0025】
以下、図面を用いて、本発明の寄付支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0026】
例えば、本実施形態では寄付支援システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0027】
図1は、本実施形態の寄付支援システムの機能ブロック図である。本実施形態の寄付支援システムは、サーバとして機能する寄付支援装置1と、受領者により操作される受領者端末2と、イベントの主催者となる企業のメンバーによって操作される主催者端末3と、イベントに参加可能な個人ユーザによって操作される参加者端末4と、がネットワークNWを介して通信可能に構成される。なおここではそれぞれの端末を1つずつ図示するが、受領者端末2、主催者端末3及び参加者端末4はそれぞれ複数存在する。また、寄付支援装置1は単一のコンピュータである必要はなく、複数のコンピュータが連携して寄付支援装置1として機能してもよい。
【0028】
寄付支援装置1としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0029】
受領者端末2、主催者端末3及び参加者端末4としては、それぞれ、演算装置、記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、PC(Personal Computer)等の任意のコンピュータ装置を利用することができる。その他、スマートフォンやタブレット型端末を、受領者端末2、主催者端末3及び参加者端末4として利用してもよい。寄付支援装置1との間で各種情報の入力及び送受信を行うための専用のアプリケーションや、専用のウェブページにアクセスするためのブラウザアプリケーション等が記憶装置に記憶され、演算装置が各種の処理を実行することで、任意のコンピュータ装置が本発明の受領者端末2、主催者端末3及び参加者端末4として機能する。
【0030】
寄付支援装置1は、プロジェクト作成手段11と、イベント作成手段12と、参加者登録手段13と、行動量取得手段14と、寄付算出手段15と、表示手段16と、を備え、データベースDBと有線又は無線で通信可能に接続される。
【0031】
プロジェクト作成手段11は、受領者端末2を介して受領者からプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて、受領者に紐づけてプロジェクト情報をデータベースDBに登録する。具体的には、表示手段16がプロジェクト作成画面を表示処理して受領者端末2に送信し、プロジェクト名、プロジェクト概要の説明文、代表画像、寄付受付の開始日時及び終了日時(寄付受付期間)、及び目標金額の入力をプロジェクト作成手段11が受領者から受け付けて、一意のプロジェクトID及び受領者の受領者IDとともにプロジェクト情報として登録する。図2は、本実施形態において受領者端末2に表示されるプロジェクト作成画面の一例である。
【0032】
このようにしてデータベースDBにプロジェクト情報が登録されると、当該プロジェクト情報に紐づく受領者の受領者端末2において、作成済みのプロジェクトが表示される。図3は、本実施形態において受領者端末2に表示されるプロジェクト一覧画面の一例である。このように、表示手段16は、ログイン中の受領者が紐づけられたプロジェクト情報を抽出して表示処理し、その情報を受領者端末2において一覧表示させる。これにより、受領者は自身が作成したプロジェクトを一覧で確認できる。また本実施形態では、プロジェクト一覧画面における「追加」のボタンを操作することにより、図2のプロジェクト作成画面が表示され、新たなプロジェクトを作成することができる。
【0033】
イベント作成手段12は、主催者端末3を介して主催者からプロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録する。具体的には、表示手段16がイベント作成画面を表示処理して主催者端末3に送信し、イベント作成手段12が、プロジェクトの選択、イベント期間をはじめとする各種の情報を受け付け、一意のイベントIDとともに、主催者の主催者ID及びプロジェクトIDにより主催者及びプロジェクトに対応付けてイベント情報として登録する。
【0034】
以下、イベントの作成について図面を参照して詳細に説明する。図4は、本実施形態において主催者端末3に表示されるイベント作成画面の一例である。本実施形態ではまずW3のように、イベント期間を選択して自治体の検索を行う画面が表示される。本実施形態では、まずイベント作成手段12が入力されたイベント期間及び登録されているプロジェクト情報における寄付受付期間の終了日時に基づき、寄付受付期間の終了日時が、入力されたイベント期間の終了日時よりも前のプロジェクトを1つでも登録している自治体を抽出する。そして表示手段16が、抽出された自治体を表示処理し、W3の自治体一覧のように一覧表示させる。
【0035】
そして主催者が自治体一覧から「この自治体を応援する」を選択すると、W4の画面のように選択可能なプロジェクトの一覧が表示される。ここでは、例えばA県A市を選択した場合の例が示されている。このように、A県A市のプロジェクトのうち、入力したイベント期間において寄付が可能なプロジェクト、即ち、プロジェクト情報における寄付受付期間の終期がイベント期間の終期よりも遅いプロジェクトがイベント作成手段12によって抽出され、表示される。各プロジェクトについて、プロジェクト情報に基づき、プロジェクト名、代表画像、プロジェクト概要の文章と、当該プロジェクトを選択するためのボタンが表示される。
【0036】
本実施形態ではこのように、寄付受付期間の終期がイベント期間の終期よりも遅いプロジェクトだけを対象として抽出して選択を受け付けることにより、寄付受付期間終了後にイベントが終了するような条件のプロジェクトを選択できないように構成される。なお、ここでは対象のプロジェクトの抽出条件を、プロジェクトの寄付受付期間の終期がイベント期間の終期よりも遅いこととしたが、更にプロジェクトの寄付受付期間の始期がイベント期間の終期よりも早いことを条件に加えてもよい。
【0037】
ここで、イベント作成手段12は、イベントの対象とするプロジェクトを複数受け付けることができる。例えば、A県A市のプロジェクトの中から1又は複数、更にB県C市のプロジェクトの中から1又は複数それぞれ選択して、一つのイベントに対応付けることができる。なお、ひとつのイベントに対して、ひとつの自治体のみから1又は複数のプロジェクトを選択させる構成としてもよい。
【0038】
W3、W4の画面を介して主催者が対象としたいプロジェクトを全て選択してW4の「申し込む」のボタンを選択すると、図5の画面が表示され、イベント作成手段12がより詳細なイベント情報の入力を受け付ける。W5の上部には、選択中の自治体及び選択中のプロジェクトが全て表示され、イベント名入力欄、寄付金額設定欄、シミュレーション欄、寄付金欄において入力を受け付ける。
【0039】
寄付金額設定欄においては、参加者の一歩あたりの寄付金額、即ち行動量あたりの寄付金額と、最低寄付金額と、最高寄付金額と、の入力をそれぞれ受け付ける。また開始日時及び終了日時については、図4の画面で入力された日時が変更不可能な態様で表示される。ここで最低寄付金額及び最高寄付金額は、いずれも複数のプロジェクトを含むイベント全体での金額の設定である。このようにイベント単位で寄付金額の上限及び下限を設定できるようにすることで、イベントを行う企業等の主催者の予算化を容易にし、積極的なイベントの開催を促すことができる。
【0040】
またシミュレーション欄においては、参加人数及び一日当たりの平均歩数の入力を受け付け、入力された条件における寄付金額の合計をイベント作成手段12が算出して表示する。ここで入力された情報はイベント情報には直接反映されないが、このように入力画面において参加人数と一日当たりの平均歩数(行動量)による寄付金額のシミュレーションを表示することにより、イベント情報における一歩あたりの寄付金額の入力を支援することができる。
【0041】
また寄付金欄においては、具体的な寄付の方法の設定を行う。ここでは、納付書、郵便振替、銀行振込の何れかの方法の選択を受け付け、さらにその方法の寄付に必要な情報の入力を受け付ける。
【0042】
このようにして、イベント名入力欄、寄付金額設定欄及び寄付金欄において入力された情報を、イベント作成手段12が一意のイベントIDとともにイベント情報としてデータベースDBに登録することにより、イベントの作成が行われる。
【0043】
参加者登録手段13は、参加者端末4を介してユーザからイベントへの参加を希望する旨の入力を受け付け、当該ユーザをイベントの参加者として登録する。本実施形態では、事前に登録されるユーザ情報は、当該ユーザが所属する企業のIDにより企業に紐づけられており、自身の所属する企業のIDが主催者IDとして設定されたイベント情報が、ユーザに対して抽出され参加者端末4に表示される。そしてユーザは、自身の所属する企業が主催するイベントへの参加を表明することができる。
【0044】
参加者登録手段13は、ユーザからイベントへの参加を希望する旨の情報を受け付けると、当該イベント情報に複数のプロジェクト情報が紐づいている場合には、複数のプロジェクトを選択肢としてユーザに提示し、ユーザからの選択を受け付ける。これにより参加者登録手段13は、当該ユーザをイベントの参加者として、イベント情報に紐づけてデータベースDBに登録する。具体的には、選択されたプロジェクトに対応するプロジェクトID及びイベントIDと、ユーザIDと、を紐づけてデータベースDBに登録することにより、ユーザと、イベント及びプロジェクトと、が対応付けられる。
【0045】
行動量取得手段14は、参加者端末4を介して、参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する。本実施形態では、参加者端末4が備える歩数計によりイベント期間中の参加者の歩数を計測し、計測した歩数を行動量として行動量取得手段14が取得し、ユーザIDに対応付けてデータベースDBに格納する。なお、参加者ごとの歩数を区別せず、行動量取得手段14が歩数を取得するごとに、参加者に対応するイベントのプロジェクトにおける総歩数にその都度加算する方式としてもよい。
【0046】
寄付算出手段15は、イベントに紐づけられた参加者の行動量に基づいて、イベント全体の寄付金額を算出する。本実施形態では、参加者全員の合計歩数に、イベント情報において設定された一歩あたりの寄付金額を乗じることで、イベント全体の寄付金額が算出される。また寄付算出手段15は、プロジェクトごとの参加者の合計歩数に、イベント情報において設定された一歩あたりの寄付金額を乗じることで、各イベントにおけるプロジェクトごとの寄付金額も算出する。なお計算の手順は任意であり、イベント全体の寄付金額は、当該イベントにおける各プロジェクトの寄付金額を合計することにより算出されてもよい。
【0047】
このようにして算出された寄付金額は、表示手段16によって表示処理され、主催者端末3に表示される。図6は、主催者端末3において表示されるダッシュボードの表示例である。主催者のダッシュボードには、開催中のイベントについての情報が表示される。なお同じ主催者が同時に複数のイベントを開催することも可能だが、本実施形態では同一の主催者によるイベントは、それぞれ重複しない期間で開催されることを想定し、ダッシュボードにはその時点で開催されている主催イベントのみが抽出されて表示される。
【0048】
W6上部には、イベント情報に基づき、イベント名、開催期間、参加者数、その時点での参加者の総歩数と参加者1人あたりの平均歩数、及び、想定寄付金額がサマリとして表示される。総歩数、平均歩数及び想定寄付金額については、行動量取得手段14及び寄付算出手段15が随時取得及び算出する値をもとに、現時点での数値が表示される。また更に、主催者に属するユーザのうち、イベントに参加した者の割合を示す参加率を算出して表示してもよい。
【0049】
更に、イベントに対応付けられたプロジェクトごとに、プロジェクト情報に基づく情報と、イベント参加者のうち当該プロジェクトを選択した参加者の数である応援者数と、イベント参加者のうち当該プロジェクトを選択した参加者による歩数の合計である歩数合計と、歩数合計及びイベント情報における一歩あたりの寄付金額に基づく想定寄付金額と、が表示される。これにより、主催者はプロジェクトごとに参加者の状況やその時点での寄付金額を確認することができる。
【0050】
また図7は、主催者端末3において表示されるイベント一覧画面の表示例である。このように、主催者が作成したイベントごとの概要についても、一覧で確認することができる。ここでは開催期間に関わらず全てのイベントを表示させることができ、また検索条件を入力することにより絞り込みを行うこともできる。イベント一覧画面においては、イベントごとに、イベント名、寄付先の自治体、プロジェクト、寄付金額、開催状態、開始日時及び終了日時(開催期間)が、イベント情報及び寄付算出手段15の算出結果に基づいて表示される。また更に、イベント情報に基づいて寄付方法についても表示してもよい。
【0051】
寄付金額については、イベント期間が終了するまでは未確定の状態となるため、イベントの終了日時よりも前の時点では「未確定」と表示される。また状態については、イベント期間に基づいて、未開催、開催中、終了、の何れかが表示される。各イベントについて、「詳細」ボタンを選択することにより、図6のダッシュボードと同様の画面により、未開催又は終了したイベントについても詳細を確認することができる。
【0052】
また受領者である自治体側でも、イベントに紐づけられたプロジェクトごとの状態を確認することができる。本実施形態では、イベントとプロジェクトとがそれぞれ多対多で対応するが、自治体側で寄付の予定等を把握するために、自身のプロジェクトについて、プロジェクトとイベントの組み合わせごとに「案件」として扱って案件の一覧表示を行う。図8は、受領者端末2に表示される案件一覧画面の表示例である。
【0053】
例えば図8の例では、「芸術祭」のプロジェクトは、A社のイベントとB社のイベントにおいて選択され、それぞれから寄付を受ける。このような場合に、同じプロジェクトが対象でも、イベントごとに別の案件として扱って表示することで、寄付の予定時期や状況を個別に確認することができる。
【0054】
案件一覧においては、プロジェクト名と、寄付会社(イベントの主催者)と、寄付金額と、寄付のための納付書の郵送状況と、寄付の状況と、イベント情報における開始日時及び終了日時と、が表示される。寄付金額については、上記の通り寄付算出手段15がイベント期間中に随時算出しているが、自治体に対しては金額が確定するまで、即ちイベントが終了するまで「未確定」として具体的には表示しないことが好ましい。
【0055】
そしてイベントの開催期間が終了した場合、寄付算出手段15が最終的な寄付金額をイベント及びプロジェクトについて算出し、当該イベントに対応付けられたプロジェクトを作成した自治体及び、主催者端末3に通知を送信して、プロジェクトごとの寄付金額の確認を促す。これにより、自治体が寄付金額を確認してイベント情報において指定された方法で納付書の送付等の手続を行い、また主催者がイベント詳細画面等において寄付金額を確認して経理処理及び寄付を実行する。
【0056】
ここで寄付算出手段15は、イベントの参加者の総歩数及び一歩あたりの寄付金額により計算される寄付金額が下限値を下回る場合、又は上限値を上回る場合には、イベントにおける全体の寄付金額が下限値又は上限値となるよう、調整を行う。
【0057】
具体的には、下限値を下回る場合、例えば下限値として設定された金額を、プロジェクトごとの総歩数の割合に応じて案分して各プロジェクトの寄付金額とすることが想定される。またこの他、各プロジェクトの寄付金額としては参加者の総歩数及び一歩あたりの寄付金額により算出された金額を用いた上で、その合計と下限値との差額を、使い道を特定しない寄付として寄付金額を算出してもよい。
【0058】
また一歩あたりの寄付金額により計算される寄付金額が上限値を上回る場合には、上限値に達した時点の寄付金額を最終的な寄付金額とする。例えばプロジェクトAとプロジェクトBを対象とするイベントにおいて、寄付金額の上限値が100万円であり、イベント期間の途中でプロジェクトAの寄付金額が40万円、プロジェクトBの寄付金額が60万円に達した場合、イベントの開催期間中であってもそれ以降の歩数に応じた加算は行わず、この時点の寄付金額を最終的な寄付金額とする。なお、イベントの開催期間が終了した時点の歩数に応じた寄付金額の算出を行い、上限値として設定された金額を、プロジェクトごとの総歩数の割合に応じて案分して各プロジェクトの寄付金額としてもよい。
【0059】
このような構成とすることにより、主催者は複数のプロジェクトについてそれぞれ寄付を行うとともに、参加者の運動に対する意欲を高めることができる。ここで更に参加者の意欲を高めるために、当該参加者のイベント期間中の歩数に応じて寄付算出手段15が寄付金額を算出し、歩数とともに参加者端末4において表示することが好ましい。これにより、参加者は自らの歩数とそれによる寄付への貢献度を具体的に知ることができ、より効果的に意欲向上の効果が期待できる。
【0060】
また参加者の意欲向上の観点から、寄付の他にも参加者が個人として利用できる特典を更に付与してもよい。例えば特典として金銭の代わりとして利用できるポイントを歩数に応じて付与し、ポイントを利用した個人型ふるさと納税を行うことができるウェブサイトを提供してもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態の寄付支援システムによれば、寄付を受ける受領者が作成したプロジェクト単位で、イベント主催者の自由な意思を反映した寄付の仕組みを実現することができる。更にイベントに複数のプロジェクトを対応付けてプロジェクトごとの寄付を可能とすることで、より柔軟かつ参加者の意思を反映した寄付が可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 :寄付支援装置
2 :受領者端末
3 :主催者端末
4 :参加者端末
11 :プロジェクト作成手段
12 :イベント作成手段
13 :参加者登録手段
14 :行動量取得手段
15 :寄付算出手段
16 :表示手段
NW :ネットワーク
DB :データベース
【要約】
【課題】
参加者の行動に応じた寄付を行うイベントの実施を支援する新規なシステムを提供すること。
【解決手段】
参加者の行動に応じた寄付を支援するための寄付支援システムであって、寄付を受ける受領者から、寄付対象となるプロジェクトに関する情報の入力を受け付けて前記受領者に紐づけてプロジェクト情報を登録するプロジェクト作成手段と、寄付を行うためのイベントの主催者から、前記プロジェクトの選択及びイベント期間の入力を受け付けて、前記プロジェクト情報に関連付けたイベント情報を登録するイベント作成手段と、前記イベントの参加者を前記イベント情報に紐づけて登録する参加者登録手段と、前記参加者ごとの行動に応じて加算される行動量を取得する行動量取得手段と、前記イベントに紐づけられた前記参加者の前記行動量に基づいて、前記イベント全体の寄付金額を算出する寄付算出手段と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8