(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】圧縮空気噴出装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/40 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
C02F1/40 F
(21)【出願番号】P 2021569151
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 JP2021025908
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2020164408
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504036291
【氏名又は名称】宇都宮工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 秀雄
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0159700(US,A1)
【文献】特開昭58-040167(JP,A)
【文献】特開2011-088048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00-78、3/00-34
E03F 1/00-11/00
F16B 7/00-22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気の供給源に連なるパイプ、そのパイプに設けられた吐出口部材と、を備え、
前記吐出口部材は、カップ状に形成されるとともに、その頂部が前記パイプに接合され、開口部が前記パイプの半径方向外方に向けられており、
前記パイプと前記吐出口部材との接合部に、そのパイプの内側とその吐出口部材の内側とを連通する孔部が設けられてな
り、
前記吐出口部材の前記開口部の先端が下端となるように汚水中に配置されて使用される圧縮空気噴出装置であって、
前記吐出口部材の開口部を形成する周壁の縦断面形状は、その吐出口部材の内側又は外側、もしくはそれら両方が前記開口部の先端に向かうにしたがって傾斜して壁厚が小さくなるように形成されており、
前記吐出口部材の前記周壁は、内面の一部を凹状に形成して壁厚を薄くする凹部を有し、
前記凹部は前記周壁の周方向に間隔をおいて複数形成されており、これら凹部の間に前記周壁の長さ方向に沿うリブが形成されて
おり、
前記吐出口部材は、表面が鏡面を呈するように形成されている
ことを特徴とする圧縮空気噴出装置。
【請求項2】
前記吐出口部材は、前記パイプに接合する接合部は金属製であり、他は合成樹脂製であることを特徴とする請求項
1に記載の圧縮空気噴出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気噴出装置に係り、特に、下水処理場の沈殿池等のような汚水や廃水を処理する場所に好適なものに関する。
【0002】
本願は、2020年9月30日に日本国に出願された特願2020-164408号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0003】
本出願人は、先に、特許文献1(特許第3943551号公報)において、下水処理場の最初沈殿池(第一沈殿池と称される場合もある。)に設置されるスカム除去装置を提案するとともに、特許文献2(特許第5443122号公報)において、そのスカム除去装置に好適な圧縮空気噴出装置(特許文献1では「圧縮空気用噴出装置」、特許文献2では「圧縮空気用噴出手段」としている。)を提案している。
【0004】
上記特許文献1に示されるスカム除去装置は、「週一君」(登緑商標)の愛称が付されて実用化されていて、スカム排出に伴う水の流出量を従来のスカム除去装置に比べて1/20~1/30に減らすことができ、省エネルギーに貢献することができるという特長を有している。すなわち、このスカム除去装置は、スカム排出時、パイプ式スカム排出機構(パイプスキマと称す)の開口の一部を水中に没するようにして、その発生したスカムを開口に流入させて除去する時、開口を形成する壁面のうちのスカムが流れてくる壁面側に設けられ、かつ、その壁面に沿って、圧縮空気を上方に向けて噴出させる圧縮空気噴出装置を設けた構成を採用している。これにより、スカムがパイプスキマの開口に円滑に流入でき、スカム全体の移動が円滑に行え、スカム排出を速やかに行うことができる。
【0005】
上記特許文献2に示される圧縮空気噴出装置は、圧縮空気噴出装置が設けられるパイプスキマが下水の中に位置するという性質上、圧縮空気の噴出孔が汚損を受けて目詰まりを受けやすいので、これを未然に防止するためになされたものである。
【0006】
本発明の理解を容易にするために、特許文献2に示される圧縮空気噴出装置を
図3~
図6を用いてする。なお、
図3及び
図5に対して、
図4及び
図6は、圧縮空気噴出装置部分の拡大図である。
【0007】
圧縮空気噴出装置20の設けられるパイプスキマ30は、最初沈殿池Tの原水(下水)の流れ方向(図示の矢印a参照)の終端側で、その流れと直交する方向に伸びるとともに、一部が水中に没するように設けられている。このパイプスキマ30の上部部分には、軸心方向に沿って開口31が設けられている。このパイプスキマ30は、図示しない駆動装置により軸心を中心にして回転したときに開口31の一部分が水中に没することができるように構成されている。そして、圧縮空気噴出装置20は、原水が流れて来る側のパイプスキマ30の外側で、かつ、開口31の下側に設けられている。
【0008】
この圧縮空気噴出装置20は、わん状体(吐出口部材)21が接合部22を介して金属製のパイプ材Pに垂下するように取り付けられている。すなわち、このわん状体21は、わん状体21の開口部を下向きにしてパイプ材Pに取り付けられている。
【0009】
このパイプ材Pは、パイプスキマ30の長手方向に伸びるとともに、図示しない圧縮空気源にバルブを介して接続されている。そしてこのパイプ材Pは、支持具23を介してパイプスキマ30に固定されている。このわん状体21の内側とパイプ材Pの内側とは、接合部22の軸心を貫通するように設けられる孔部24を介して連通されている(
図4及び
図6参照)。
【0010】
なお、図示の例では明らかでないが、パイプ材Pを原水の流れ方向から見たときは、わん状体21はパイプ材Pの長手方向に沿って互いに所定の間隔を保って複数個設けられている。
【0011】
上記構成からなる圧縮空気噴出装置20において、パイプスキマ30の開口31が水面上に位置していて、圧縮空気噴出装置20から圧縮空気が噴出されていないときは、パイプ材Pに連なる圧縮空気源のバルブ(図示せず)が閉じられているので、わん状体21内に原水が入り込まず、したがって孔部24が原水(汚水)と接触せず、目詰まりを効果的に防止することができる(
図4参照)。
【0012】
他方、パイプスキマ30の開口31の一部が水面下に位置していて、圧縮空気噴出装置20から圧縮空気が噴出されているとき、すなわち、スカムSの排出時は、バルブが開かれて圧縮空気源の圧縮空気がわん状体21の開口部から圧縮空気が排出され、スカムSのパイプスキマ30の開口31への移動が促進される(
図6参照)。なお、この時、スカムSのパイプスキマ30の開口31への移動を促すために、スカムSの上面に対してノズル40から圧力水が噴射される(
図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特許第3943551号公報
【文献】許特第5443122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記特許文献2に係る圧縮空気噴出装置は、圧縮空気の供給源に連なるパイプ材に開口部が下向きとなるようにわん状体を設けているので、パイプ材の内側とわん状体との接合部に設けられる孔部が汚水と接触せず、目詰まりを効果的に防止することができるという特長を有しているが、一本のパイプ材には多数のわん状体が設けられるので、わん状体を一個一個機械加工で製造するとコスト高になる欠点があった。また、わん状体は下水という汚水中に設置されるので、汚れの付着がしにくいだけでなく、付着した汚れが剥離しやすい圧縮空気噴出装置が望まれていた。さらに、圧縮空気の噴出がより均一に行える圧縮空気噴出装置の出現が待たれていた。
【0015】
本発明に係る圧縮空気噴出装置の目的は、安価に製造でき、また、汚れが付着しにくく、付着しても容易に剥離でき、さらに、圧縮空気の噴出がより均一に行える圧縮空気噴出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る圧縮空気噴出装置は、圧縮空気の供給源に連なるパイプと、そのパイプに設けられた吐出口部材と、を備え、前記吐出口部材は、カップ状に形成されるとともに、その頂部が前記パイプに接合され、開口部が前記パイプの半径方向外方に向けられており、前記パイプと前記吐出口部材との接合部に、そのパイプの内側とその吐出口部材の内側とを連通する孔部が設けられてなる圧縮空気噴出装置であって、
前記吐出口部材の開口部を形成する周壁の縦断面形状は、その吐出口部材の内側又は外側、もしくはそれら両方が前記開口部の先端に向かうにしたがって傾斜して壁厚が小さくなるように形成されている。
【0017】
吐出口部材の開口部における周壁の断面形状が、開口部の先端に向かうにしたがって壁厚が小さくなるように傾斜して形成されているので、成型がしやすく安価に製造することができる。
【0018】
本発明の圧縮空気噴出装置において、前記吐出口部材は表面が鏡面を呈するように形成されているとよい。
鏡面であるので、汚れが付着しにくく、付着しても容易に剥離することができる。
【0019】
本発明の圧縮空気噴出装置において、前記吐出口部材の前記周壁は、内面の一部を凹状に形成して壁厚を薄くする凹部を有するとよい。
【0020】
凹部により材料費が少なくて済むので、より安価に製造することができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0021】
この場合、前記凹部は前記周壁の周方向に間隔をおいて複数形成されており、これら凹部の間に前記周壁の長さ方向に沿うリブが形成されているとよい。
【0022】
リブにより周壁の内面付近が相互に区画されることにより、圧縮空気が周方向の一部に偏ることなく、吐出口部材の周方向に均等に排出される。
【0023】
本発明の圧縮空気噴出装置において、前記吐出口部材は前記パイプに接合する接合部は金属製であり、他は合成樹脂製であるとよい。
金属製の接合部により吐出口部材をパイプに強固に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る圧縮空気噴出装置は、成型がしやすく安価に製造することができ、また、鏡面に形成することにより、汚れが付着しにくく、付着しても容易に剥離でき、さらに、圧縮空気の噴出をより均一に行うことができ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る圧縮空気噴出装置の左半分を断面で示した正面図である。
【
図2】圧縮空気噴出装置を下方から見た図であって、
図1は、この
図2のX-X線断面に相当している。
【
図3】従来の圧縮空気噴出装置が設けられているパイプスキマであって、その圧縮空気噴出装置が圧縮空気を噴出していない状態を示す。
【
図4】
図3の圧縮空気噴出装置部分の拡大図である。
【
図5】従来の圧縮空気噴出装置が設けられているパイプスキマであって、その圧縮空気噴出装置が圧縮空気を噴出している状態を示す。
【
図6】
図5の圧縮空気噴出装置部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を添付の図面に基づいて説明する。本発明に係る圧縮空気噴出装置Aは、圧縮空気の供給源に連なるパイプPと、そのパイプPに設けられた複数の吐出口部材1とにより構成されている。吐出口部材1には接合部10が一体に設けられており、この接合部10がパイプPに取り付けられている。なお、
図3~
図6を用いて説明した圧縮空気噴出装置と同じ構成要素には同一符号を用いて説明する。
【0027】
図1は、吐出口部材1がパイプPに垂下して取り付けられている状態を示している。すなわち、吐出口部材1が接合部10を介してパイプPに垂下して取り付けられている状態を示している。
【0028】
このパイプPは、SUS等からなる金属製からなり、上述した
図3及び
図5に示されるように、この圧縮空気噴出装置Aが最初沈殿池のスカム除去装置のパイプスキマに設置されるときは、そのパイプスキマに支持具(
図3、
図5の符号23参照)を介して取り付けられる。また、最初沈殿池のスカム除去装置が、上述した特許文献2の
図7や
図8に示されるような、トラフ式スカム排出機構の場合は、圧縮空気噴出装置Aはトラフに取り付けられる。
【0029】
なお、吐出口部材1が最初沈殿池のスカム除去装置(パイプスキマ)近くの側壁に設置されるときは、パイプPはその側壁に取り付けられる。あるいは、吐出口部材1が最初沈殿池の導水渠のスカムピット近くの側壁に設置されるときは、パイプPはその側壁に取り付けられる。
【0030】
図1においては、パイプPには一個の吐出口部材1しか示されていないが、実装置においては、パイプPの長手方向に沿って互いに所定の間隔を保って同じ方向に向けて多数の吐出口部材1が取り付けられている。
【0031】
このパイプPにはネジ穴P´が設けられている。このネジ穴P´は、後述する接合部10のネジ部11が螺合できるように形成されているとともに、そのネジ穴P´の深さ、すなわちパイプPの肉厚は、接合部10のネジ部11が螺合したときに、その接合部10を強固に固定することができるように決められている。また、このパイプPの内径は、パイプPに垂下して設けられている各吐出口部材1に対して十分な圧縮空気を供給できるように決められている。
【0032】
吐出口部材1は、フッ素樹脂等の合成樹脂からなり、その外形形状は下部に開口部1aを有するカップ状(わん状、釣鐘状等)に形成されている。特に、この吐出口部材1がフッ素樹脂の成型品としたときは、表面が鏡面を呈しているので、下水中に置かれても汚れが付着しにくく、付着しても容易に剥離することができる効果が得られる。なお、吐出口部材1の表面を鏡面仕上げする方法として他の方法を採用することもできる。例えば、吐出口部材1の表面をセラミックスで蒸着処理することなどが考えられる。
【0033】
この吐出口部材1の開口部1aを形成する周壁2は、その頂部2cに連続する筒状部2dが円筒状に形成されており、その軸心Cを通る縦断面において、筒状部2dの外面及び内面は、下方(先端)に向かうにしたがって壁厚が小さくなるように傾斜して形成されている。すなわち、周壁2の外側は、下方に行くにしたがって吐出口部材1の外径を小さくする方向に傾斜する外側切り欠き2aが設けられているとともに、周壁2の内側は、下方に行くにしたがって吐出口部材1の内径を大きくする方向に傾斜する内側切り欠き2bが設けられている。これら外側切り欠き2a及び内側切り欠き2bにより、開口部1a付近の周壁2は、内面及び外面の両方が傾斜面となっている。
【0034】
このように、吐出口部材1の周壁2の縦断面を下方に行くにしたがって小さくすると、合成樹脂の成型が容易になり、製造コストの低減を図ることができる。また、吐出口部材1の周壁2の縦断面を下方に行くにしたがって小さくすると、周壁2の先端肉厚が小さくなり、開口部1aから周壁2の先端を経由する圧縮空気の排出をより均一にすることができる。なお、図示の例では、外側切り欠き2a及び内側切り欠き2bの両方を設けたが、いずれか一方の切り欠きとすることにより、一方のみ傾斜面とすることもできる。この場合でも、上述した効果を得ることができる。
【0035】
この吐出口部材1の周壁2の内面の一部には、吐出口部材1の肉厚を薄くした凹部3が形成されている。凹部3は、特別な切削加工などを必要とせずに、金型にその凹部3に相当する凸部を設けるだけで成型時に容易に形成することができる。吐出口部材1に凹部3を設けると、材料費が少なくて済むので、より安価に製造することができるとともに、軽量化を図ることができる。この場合、凹部3は、吐出口部材1の頂部2cを除く周壁2の筒状部分2dに設けられており、開口部1aの先端まで連続して形成されている。また、凹部3は、吐出口部材1の周方向に間隔をおいて複数形成されており、凹部3の間には、吐出口部材1の長さ方向に沿ってリブ4が先端まで形成される。このリブ4は、隣接する凹部3の間で周壁2の筒状部2dの半径方向内方に突出する細幅の板状に形成されている。
図2に示すように、周壁2の開口部1a側から視たときに、リブ4は軸心Cに向かって配置される。図示例では、このリブ4の下端部に内側切り欠き2bが形成されている。
【0036】
そして、吐出口部材1の周壁2の内周部付近においては、これら複数の凹部3内を圧縮空気が通り、リブ4により相互に区画されることにより、圧縮空気が周方向の一部に偏ることなく、吐出口部材1の周方向に均等に排出される。
【0037】
接合部10は、SUS等の金属製からなり、ネジ部11、工具係合部12、フランジ部13及び孔部14を有している。このうち、ネジ部11、工具係合部12及びフランジ部13は軸心C上に連続して一体的に構成され、孔部14は、この一体物の軸心Cの位置に直径数mmの穴あけ加工によって貫通状態に形成されている。この孔部14によって、吐出口部材1がパイプPに取り付けられたときに、吐出口部材1の内部とパイプPの内部とが連通状態に保たれる。
【0038】
ネジ部11は、パイプPに設けられているネジ穴P´に螺合できるように形成され、工具係合部12は、ネジ部11の下方で、周囲が横断面六角の形状に形成されている。そして、フランジ部13は、工具係合部12の下方で、上下に分かれて2個形成されている。工具係合部12は、吐出口部材1をパイプPのネジ穴P´に螺合するときの工具が装着されるものであり、また、フランジ部13は、吐出口部材1を樹脂成型するときにインサート成形されることにより、吐出口部材1との結合部として利用される。
【0039】
次に、吐出口部材1の製造例を説明すると、先ず、樹脂成型機の金型に接合部10がセットされ、次いで射出成型が行われる。接合部10に予め孔部14が設けられているときは、成型された樹脂で孔が閉止されていないかの確認が行われ、閉止されているときは穴開けが行われる。また、成型後に接合部10の孔部14が開けられるときは、成型品に対して孔部14の加工が行われる。
【0040】
上記構成の圧縮空気噴出装置Aが、下水処理場の最初沈殿池のスカム除去装置に設けられたときの圧縮空気の噴射動作は、背景技術の項で、
図3~
図6を用いて説明したので、重複を避けるために省略する。
【0041】
なお、吐出口部材1が最初沈殿池のスカム除去装置近くの側壁に設置されるとき、あるいは、最初沈殿池の導水渠のスカムピット近くの側壁に設置されるときは、吐出口部材1から放出された気泡によって、側壁に付着したスカムが剥離し、スカムの移動がスムーズになり、スカム除去が効率よく行われる。
【0042】
以上、本発明の一実施の形態について、図面に基いて説明したが、具体的な構成は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計変更等が可能である。
【0043】
また、本発明に係る圧縮空気噴出装置は、下水処理場で使用されるだけでなく、各種工場廃水等の廃水処理施設において、スカムの発生する水槽においても適用可能である。さらに、食品工場や化学工場等において有価物を浮上させて分離するときにも適用可能である。
【0044】
図1及び
図2に示す例では、吐出口部材1の開口部1a付近において、リブ4の端部に切り欠き2bを形成したが、各凹部3の下端においても切り欠きを形成することにより、周壁2の筒状部分2dの壁厚を小さくする傾斜面を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この圧縮空気噴出装置は、下水処理場の沈殿池等のような汚水や廃水を処理する場所に好適に用いることができ、汚れが付着しにくく、付着しても容易に剥離でき、さらに、圧縮空気の噴出がより均一に行える。
【符号の説明】
【0046】
A…圧縮空気噴出装置
1…吐出口部材
1a…開口部
2…周壁
2a…外側切り欠き
2b…内側切り欠き
2c…頂部
2d…筒状部
3…凹部
4…リブ
10…接合部
11…ネジ部
12…工具係合部
13…フランジ部
14…孔部
P…パイプ
P´…ネジ穴
【要約】
圧縮空気の供給源に連なるパイプPに開口部が下向きとなるように設けられた吐出口部材1と、そのパイプPとその吐出口部材1との接合部10に設けられたそのパイプPの内側とその吐出口部材1の内側とを連通する孔部14とからなる圧縮空気用噴出装置Aであって、吐出口部材1の周壁2の縦断面形状は、その吐出口部材の内側又は外側、もしくはそれら両方が開口部1aの先端に向かうにしたがって傾斜して壁厚が小さくなるように形成されている。