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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20220609BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20220609BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A47K1/00 J
A47K1/00 Z
A47K1/02 Z
A47B67/02 503A
A47B67/02 503Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018032390
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019146697
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 陽介
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-293409(JP,A)
【文献】特開2009-200053(JP,A)
【文献】特開2017-097993(JP,A)
【文献】特開2017-125386(JP,A)
【文献】特開2006-196684(JP,A)
【文献】特開2006-006370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
A47K 1/02
A47B 67/02
H05B 45/37
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部を有する洗面器と、
前記ボウル部に向けて水を吐水する水栓装置と、
前記水栓装置への水の吐止水をする電磁弁と、
前記水栓装置の上方に設置されるミラーキャビネットと、
前記ミラーキャビネットに設けられ、発光素子から照射される光によって前方を照明する照明装置と、
商用電源に接続するための接続部と、
前記接続部を介して前記商用電源から供給される交流電力を、前記交流電力よりも低い所定の電圧以下の直流電力に変換し、前記直流電力を前記照明装置及び前記電磁弁に供給可能な電源回路と、
を備えたことを特徴とする洗面化粧台。
【請求項2】
前記洗面器の下方に設けられる下部キャビネットをさらに備え、
前記電源回路は、前記下部キャビネット内に収納されていることを特徴とする請求項1記載の洗面化粧台。
【請求項3】
前記電源回路と前記照明装置との間に設けられた中継部をさらに備え、
前記照明装置及び前記電磁弁は、前記中継部を介して前記電源回路と接続され、
前記中継部は、前記電源回路から供給された前記直流電力を前記照明装置に対応した照明用電力に変換す照明用変換回路を有し、
前記中継部は、
前記電源回路から供給された直流電力を、前記電磁弁にそのまま供給することにより前記電磁弁の動作を制御し、
前記照明用電力を前記照明装置に供給することにより前記照明装置の点灯を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗面化粧台。
【請求項4】
前記接続部と前記電源回路との間に設けられたサービスコンセントをさらに備え
前記サービスコンセントは、前記ミラーキャビネットに設けられ、
前記電源回路は、前記ミラーキャビネットに設けられていないことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の洗面化粧台。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
鏡の上部などに設置される照明器具を備えるとともに、除菌装置、電気温水器、あるいは体重計などの別の電気機器を備えた洗面化粧台がある。こうした洗面化粧台において、建築躯体に用意されているコンセントを利用し、コンセントから供給される商用電源の交流電力を、照明装置と別の電気機器とに分岐させて供給する配線構造が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方で、洗面化粧台では、客先のニーズなどにより、電気機器を設置する場合と、設置しない場合とがある。このような場合、電気機器の設置において、商用電源の交流電力の配線経路を現場作業で分岐させ、照明装置と別の電気機器とに供給することが行われている。
【0004】
しかしながら、商用電源から供給される交流電力を現場作業で分岐させようとすると、分岐部に対して延焼防止のため不燃袋で覆う作業や、コードが引っ張られた際に張力が分岐箇所に伝わらないようにする張力止めの機構を設ける作業などが必要となってしまう。つまり、作業工程が複雑になるとともに、施工コストの増加を招いてしまう可能性がある。
【0005】
また、照明装置と別の電気機器とを、それぞれ別に建築躯体のコンセントに接続することも考えられるが、建築躯体には、一口のコンセントしか設けられていない場合も多い。さらには、直結配線で照明装置と接続される場合もある。これらの場合、建築躯体にコンセントの追加などの電源工事が必要となってしまい、同様に作業工程の複雑化やコストの増加などを招いてしまう。
【0006】
このため、洗面化粧台においては、商用電源から供給される交流電力の配線経路への分岐点の追加や、建築躯体への電源工事などを必要とすることなく、電気機器を設置する場合と設置しない場合とに対応できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-75169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、商用電源から供給される交流電力の配線経路への分岐点の追加や、建築躯体への電源工事などを必要とすることなく、電気機器を設置する場合と設置しない場合とに対応することができる洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、ボウル部を有する洗面器と、前記ボウル部に向けて水を吐水する水栓装置と、発光素子から照射される光によって前方を照明する照明装置と、商用電源に接続するための接続部と、前記接続部を介して前記商用電源から供給される交流電力を、前記交流電力よりも低い所定の電圧以下の直流電力に変換し、前記直流電力を前記照明装置及び前記照明装置とは別の電気機器に供給可能な電源回路と、を備えたことを特徴とする洗面化粧台である。
【0010】
この洗面化粧台によれば、電気機器を電源回路に接続するだけで、照明装置及び電気機器に電力を供給することができる。建築躯体に用意されているコンセントが一口又は直結配線であっても、追加の電源工事や商用電源の配線経路を分岐する作業などを不要とすることができる。これにより、施工作業が容易になるとともに、施工にかかる時間及びコストの削減を図ることができる。従って、商用電源から供給される交流電力の配線経路への分岐点の追加や、建築躯体への電源工事などを必要とすることなく、電気機器を設置する場合と設置しない場合とに対応することができる洗面化粧台を提供することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記洗面器の下方に設けられる下部キャビネットをさらに備え、前記電源回路は、前記下部キャビネット内に収納されていることを特徴とする洗面化粧台である。
【0012】
照明装置及び電気機器に直流電力を供給可能な電源回路とした場合、例えば、照明装置のみに直流電力を供給する電源回路などと比べて比較的大きくなる可能性がある。このため、例えば、このような電源回路を照明装置に設けると、照明装置のサイズが大きくなってしまう恐れがある。この洗面化粧台によれば、電源回路を下部キャビネット内に収納することにより、照明装置及び電気機器に直流電力を供給可能な電源回路とした場合にも、照明装置などのサイズをコンパクトに維持することができる。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記電源回路と前記照明装置との間に設けられた中継部をさらに備え、前記照明装置及び前記電気機器は、前記中継部を介して前記電源回路と接続され、前記中継部は、前記電源回路から供給された前記直流電力を前記照明装置に対応した照明用電力に変換し、前記照明用電力を前記照明装置に供給する変換回路を有することを特徴とする洗面化粧台である。
【0014】
この洗面化粧台によれば、電源回路から照明装置に至るまでの配線長が長くなった場合にも、電源回路と照明装置との間に中継部を設け、中継部で照明用電力を生成することにより、配線長に起因する電力の減衰を抑制し、適切な光量で照明装置を点灯させることができる。
【0015】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記接続部と前記電源回路との間に設けられたサービスコンセントをさらに備えたことを特徴とする洗面化粧台である。
【0016】
この洗面化粧台によれば、サービスコンセントをさらに備えることにより、洗面化粧台の利便性をより高めることができる。また、サービスコンセントを接続部と電源回路との間に設け、サービスコンセントを介して電源回路に商用電源の交流電力を供給することにより、サービスコンセントを設ける場合にも、追加の電源工事や商用電源の配線経路を分岐する作業などを不要とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の態様によれば、商用電源から供給される交流電力の配線経路への分岐点の追加や、建築躯体への電源工事などを必要とすることなく、電気機器を設置する場合と設置しない場合とに対応することができる洗面化粧台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る水栓装置を設置した洗面化粧台を模式的に表す斜視図である。
図2図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係る水栓装置を模式的に表す斜視図及び正面図である。
図3】実施形態に係る洗面化粧台を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る水栓装置を設置した洗面化粧台を模式的に表す斜視図である。 図1に表したように、洗面化粧台100は、洗面器102と、水栓装置10と、下部キャビネット106と、ミラーキャビネット108と、照明装置110と、を備える。
【0020】
なお、本願明細書では、水栓装置10と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0021】
洗面器102は、ボウル部122と、バックガード部124と、を有する。ボウル部122は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。ボウル部122は、排水口(不図示)を有する。排水口は、ボウル部122の底部に設けられる。排水口は、排水管に接続され、ボウル部122に吐出された水を排水管に流す。
【0022】
バックガード部124は、ボウル部122の後端から上方に延びる。バックガード部124は、必要に応じて設けられ、省略可能である。洗面器102の形状は、少なくともボウル部122を有する任意の形状でよい。
【0023】
洗面器102は、下部キャビネット106の上に設けられる。下部キャビネット106は、洗面器102の下方に設けられ、洗面器102を支持する。下部キャビネット106は、例えば、本体部106aと、2つの引き出し106b、106cと、を有する。各引き出し106b、106cは、内部に物品を収納可能とする。
【0024】
なお、引き出しの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、下部キャビネット106は、引き出し式のキャビネットに限ることなく、扉式のキャビネットでもよい。また、洗面器102は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、下部キャビネット106は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0025】
水栓装置10は、ボウル部122よりも上方に延びる壁面WSに設けられる。水栓装置10は、例えば、洗面器102のバックガード部124に取り付けられ、ボウル部122の上方に配置される。これにより、水栓装置10は、洗面器102のボウル部122に向けて水を吐水する。本願明細書において、「前方」は、換言すれば、壁面WSの向く方向である。
【0026】
水栓装置10の取付位置は、上記に限ることなく、例えば、洗面器102の後部上方に設けられる取付パネル(バックパネル)などに取り付けてもよいし、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。水栓装置10の取付位置は、ボウル部122内に水を吐出可能な任意の位置でよい。水栓装置10の取付位置は、ボウル部122よりも上方に延びる任意の壁面WSでよい。水栓装置10の取付位置は、洗面器102の形状などに応じて適宜設定すればよい。
【0027】
ミラーキャビネット108は、ボウル部122を有する洗面器102よりも上方に設置される。ミラーキャビネット108は、キャビネット本体130と、3枚の扉131~133と、を有する。キャビネット本体130は、前方を開口させた略直方体の開口箱状であり、内部に物品を収納可能とする。また、各扉131~133の前面には、鏡131a~133aが設けられている。なお、ミラーキャビネット108に設けられる扉及び鏡の数は、3枚に限ることなく、1枚又は2枚でもよいし、4枚以上でもよい。また、ミラーキャビネット108を設ける代わりに、例えば、一面鏡などを洗面器102の上方に設置してもよい。
【0028】
照明装置110は、ミラーキャビネット108の上部に設けられている。照明装置110は、例えば、ミラーキャビネット108において各扉131~133よりも上方に設けられる。照明装置110は、前方に向かって光を照射し、各扉131~133(各鏡131a~133a)、及びボウル部122を照らす。照明装置110は、ミラーキャビネット108の上部に限ることなく、ミラーキャビネット108の下部や側端部、内部に設けてもよい。
【0029】
洗面化粧台100は、接続部140と、サービスコンセント142と、照明スイッチ144と、をさらに備える。接続部140は、商用電源に接続するための配線である。接続部140の一端には、例えば、建築躯体に設けられたコンセントに接続するためのプラグが設けられている。接続部140は、例えば、建築躯体側の配線と直結配線するための配線でもよい。接続部140を建築躯体側のコンセント又は配線と接続することにより、洗面化粧台100に商用電源の交流電力が供給される。例えば、照明装置110は、接続部140を介して商用電源から供給された交流電力に基づいて点灯する。
【0030】
サービスコンセント142は、ヘアドライヤーや電気シェーバーなどを接続して使用できるよう、商用電源から供給された交流電力を使用者側に供給可能とする。照明スイッチ144は、照明装置110の点灯及び消灯の切り替えに用いられる。
【0031】
サービスコンセント142及び照明スイッチ144は、ミラーキャビネット108の前面に設けられている。サービスコンセント142及び照明スイッチ144の取付位置は、これに限ることなく、任意の位置でよい。
【0032】
図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係る水栓装置を模式的に表す斜視図及び正面図である。
図2(a)及び図2(b)に表したように、水栓装置10は、吐水部12と、操作部14と、棚部16と、を備える。
【0033】
吐水部12は、ボウル部122へ水を吐出する。吐水部12は、いわゆるスパウトである。吐水部12には、水を吐出する吐水口12aが設けられている。操作部14は、吐水部12から吐出される水の流量を調整する。また、操作部14は、吐水部12から吐出される水の温度を調整する。
【0034】
操作部14は、操作レバー14aを有する。操作部14は、使用者による操作レバー14aの操作に応じて、吐水部12から吐出される水の流量及び温度を調整する。操作レバー14aは、例えば、前後方向及び左右方向に揺動可能に上端部を操作部14の本体部分に軸支される。例えば、操作レバー14aを前後方向に揺動させることにより、吐水部12から吐出される水の流量が調整され、操作レバー14aを左右方向に揺動させることにより、吐水部12から吐出される水の温度が調整される。操作部14における流量及び温度の調整の態様は、操作レバー14aに限ることなく、流量及び温度を調整可能な任意の態様でよい。
【0035】
吐水部12は、操作部14に設けられた湯水混合部などを介して下部キャビネット106の内部空間などに設けられた給水管及び給湯管に接続される。吐水部12から吐出される水は、例えば、上水(水道水)である。吐水部12から吐出される水の温度調整は、操作部14とは別の調整部で行ってもよい。操作部14は、少なくとも吐水部12から吐出される水の流量を調整できればよい。
【0036】
棚部16は、壁面WSから前方に突出するように設けられる。棚部16は、上面16aと、前面16bと、底面16cと、を有する。上面16aは、例えば、略水平な面である。棚部16は、上面16aの上に洗面用具や眼鏡などの物品を載置可能とする。
【0037】
前面16bは、棚部16の上部に設けられる。この例において、前面16bは、略鉛直面である。換言すれば、前面16bは、前方を向く略垂直な面である。前面16bは、後方に向かって上昇傾斜した傾斜面でもよい。前面16bは、鉛直面又は後方に向かって上昇傾斜した傾斜面であればよい。底面16cは、例えば、前面16bの下端から後方に向かって下降傾斜する傾斜面状である。但し、前面16bは、必要に応じて設けられ、省略可能である。例えば、後方に向かって下降傾斜する底面16cを、上面16aの前端から設けてもよい。
【0038】
吐水部12及び操作部14は、棚部16の下部に設けられる。吐水部12は、棚部16の下方に向けて水を吐出する。操作部14の操作レバー14aは、棚部16から下方に向かって延びる。棚部16は、吐水部12及び操作部14の上方を覆う。
【0039】
吐水部12、操作部14、及び棚部16は、例えば、それぞれ個別に壁面WS(バックガード部124の前面)に取り付けられる。これにより、例えば、メンテナンスの際などに、吐水部12及び操作部14を壁面WSに取り付けた状態のまま、棚部16のみを壁面WSから取り外すことができ、水栓装置10のメンテナンス性を向上させることができる。また、例えば、制御部160(図3参照)などの電子機器を棚部16の内部に収納する場合、上記のような構成とすることで、吐水部12及び操作部14を壁面WSから取り外すことなく、棚部16のみを壁面WS取り外すだけで、制御部160などの電子機器のメンテナスを行うこともできる。但し、吐水部12及び操作部14は、棚部16に取り付け、棚部16を介して壁面WSに取り付けてもよい。
【0040】
吐水部12は、壁面WS又は棚部16に固定された固定式であってもよいし、壁面WS又は棚部16から取り外すことができるプルアウト式であってもよい。プルアウト式の吐水部12は、例えば、可撓性を有するホースに接続されており、吐水部12が壁面WS又は棚部16に取り付けられた状態においては、ホースはバックガード部124の裏側の空間などに収納されている。吐水部12を壁面WS又は棚部16から取り外し、ホースを引き出すことにより、吐水部12をハンドシャワーとして用いることができる。
【0041】
水栓装置10は、機能水吐出部20と、機能水照射部22と、センサ部24と、を有する。機能水吐出部20は、除菌作用を有する機能水をボウル部122に吐出する。機能水吐出部20は、棚部16の下部に設けられ、下方に向けて機能水を吐出する。機能水吐出部20は、例えば、ボウル部122の排水口に向けて機能水を吐出する。
【0042】
水栓装置10では、例えば、機能水吐出部20からボウル部122に機能水を吐出することにより、ボウル部122の排水口や排水口の内部における菌の繁殖を抑えることができる。洗面化粧台100及び水栓装置10では、例えば、排水口及び排水口の内部の除菌を行い、洗面器102を清潔に保つことができる。また、歯ブラシやコップなどに機能水を吐出することにより、これらの除菌を行うこともできる。
【0043】
機能水吐出部20は、例えば、機能水を霧状にしてボウル部122に噴霧する。機能水吐出部20は、例えば、ミストノズルである。機能水吐出部20から噴霧される霧状の機能水の外径(広がりの幅)は、機能水吐出部20の噴霧口の開口径よりも大きい。機能水吐出部20は、例えば、円錐状に機能水を噴霧する。これにより、例えば、ボウル部122の広範囲に機能水を付着させることができ、洗面器102をより適切に除菌することができる。機能水吐出部20からの機能水の吐出の形態は、霧状に限ることなく、液滴状や水流状でもよい。
【0044】
機能水照射部22は、機能水吐出部20と並べて棚部16の下部に設けられている。また、機能水照射部22は、下方に向けて設けられている。機能水照射部22は、機能水吐出部20から機能水を吐出する際に点灯する。機能水照射部22は、機能水吐出部20から吐出されている最中の機能水のうちで機能水吐出部20よりも下方の所定範囲に存在する機能水に光を照射する。これにより、機能水照射部22は、機能水の吐出が行われていることを使用者に報知するとともに、吐出されている機能水を見易くする。機能水照射部22から光を照射することにより、例えば、機能水吐出部20から霧状に噴霧されている機能水を見易くすることができる。
【0045】
機能水照射部22は、例えば、円錐状に光を照射する。機能水照射部22の光の照射範囲は、機能水吐出部20の機能水の吐出範囲(噴霧範囲)よりも広い。換言すれば、機能水照射部22の光の照射角度は、機能水吐出部20の機能水の吐出角度(噴霧角度)よりも広い。これにより、機能水照射部22は、機能水吐出部20から吐出されている最中の機能水のうちで機能水吐出部20よりも下方の所定範囲に存在する機能水の略全体に光を照射する。機能水照射部22は、機能水吐出部20から吐出され、所定位置よりも下方に降下する機能水の略全体に光を照射する。これにより、吐出されている機能水をより見易くすることができる。
【0046】
センサ部24は、棚部16の下方の領域で且つ吐水部12の近傍に存在する手を検知する。センサ部24は、例えば、ボウル部122内又はボウル部122の上方に差し出された使用者の手を検知する。センサ部24は、例えば、ボウル部122と吐水部12との間に差し出された使用者の手を検知する。
【0047】
水栓装置10は、センサ部24による手の検知に応じて、吐水部12から水を吐出させる。また、水栓装置10は、センサ部24による手の検知の停止に応じて、吐水部12からの水の吐出を停止させる。このように、水栓装置10は、操作部14の手動操作に応じて吐水部12から水を吐止水するとともに、センサ部24の検知結果に応じて、吐水部12から自動的に水を吐止水する。水栓装置10は、いわゆる自動水栓の機能を有する。
【0048】
水栓装置10は、機能水操作スイッチ26と、自動吐水切替スイッチ27と、温水準備スイッチ28と、を有する。各スイッチ26~28は、棚部16の前面16bに設けられている。各スイッチ26~28の位置は、前面16bに限ることなく、棚部16の任意の位置でよい。各スイッチ26~28には、例えば、タッチセンサや押しボタンスイッチなどが用いられる。各スイッチ26~28は、スライド式のスイッチやレバーなどでもよく、操作指示の入力が可能な任意の部材でよい。
【0049】
機能水操作スイッチ26は、機能水吐出部20からの機能水の吐止水の切り替えに用いられる。水栓装置10は、使用者による機能水操作スイッチ26の操作に応じて機能水吐出部20から機能水を吐出する。水栓装置10は、例えば、機能水操作スイッチ26の操作に応じて機能水の噴霧を所定時間(例えば、10秒間)行い、所定時間の経過に応じて自動的に機能水の噴霧を停止する。
【0050】
水栓装置10は、例えば、機能水操作スイッチ26の1回目の操作で機能水の噴霧を行い、機能水操作スイッチ26の2回目の操作で機能水の噴霧を停止させてもよい。例えば、所定時間の経過などにより、機能水操作スイッチ26の操作とは無関係に機能水吐出部20から自動的に機能水を噴霧してもよい。以下では、機能水操作スイッチ26の操作に応じて行う機能水の噴霧を「手動吐水」、機能水操作スイッチ26の操作とは無関係に行う機能水の噴霧を「自動吐水」と称す。
【0051】
自動吐水機能のオン・オフは、例えば、機能水操作スイッチ26の操作によって切り替えられる。例えば、自動吐水機能がオフに設定されている状態で機能水操作スイッチ26を長押しする(所定時間押し続ける)ことにより、オンに設定される。そして、自動吐水機能がオンに設定されている状態で機能水操作スイッチ26を長押しすることにより、オフに設定される。
【0052】
また、水栓装置10は、例えば、自動吐水機能を開始する直前に機能水照射部22を点滅させることにより、自動吐水機能が開始されることを使用者に報知する。使用者への報知方法としては、点滅以外に点灯するものや明滅するものであってもよい。吐水が行われているか否かの報知、及び自動吐水開始の報知は、光の照射に限ることなく、例えば、音声などで行ってもよい。これらの報知は、報知が可能な任意の態様でよい。
【0053】
自動吐水切替スイッチ27は、操作部14の手動操作に応じて吐水部12から水を吐止水する手動吐水と、センサ部24の検知結果に応じて吐水部12から自動的に水を吐止水する自動吐水と、の切り替えに用いられる。すなわち、自動吐水切替スイッチ27の操作に応じて、吐水部12の手動吐水と自動吐水とが切り替えられる。
【0054】
温水準備スイッチ28は、吐水部12からの温水の吐水に用いられる。水栓装置10は、温水準備スイッチ28が操作されると、操作部14で設定された所定の温度の温水が吐水部12から吐水されるまで、吐水部12から水又は温水を吐水する。換言すれば、水栓装置10は、温水準備スイッチ28が操作されると、給水源及び給湯源から吐水部12の吐水口12aまでの配管内の水が、温水に置換されるまで、吐水部12から水又は温水を吐水する。
【0055】
これにより、例えば、吐水部12から吐水される水が温水に変わったか否かを、使用者が水に手指を当てて実際に確認する手間を省くことができ、水栓装置10の利便性をより向上させることができる。
【0056】
水栓装置10は、温水準備スイッチ28が操作され、吐水部12からの吐水を開始した後、吐水部12から吐水される水の温度が所定の温度に達したことに応答して、吐水部12からの吐水を停止する。また、水栓装置10は、温水準備スイッチ28が操作され、吐水部12からの吐水を開始した後、所定時間経過しても、吐水部12から吐水される水の温度が所定の温度に達しなかった場合に、吐水部12からの吐水を停止する。これにより、例えば、操作部14や給湯器の操作ミスなどで温度が上昇しなかった場合に、吐水部12から水が出続けてしまうことを抑制することができる。
【0057】
図3は、実施形態に係る洗面化粧台を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、洗面化粧台100は、電源回路150を備える。また、この例において、洗面化粧台100は、機能水吐出部20から吐出する機能水を生成するための機能水生成部152をさらに備える。
【0058】
機能水生成部152は、洗面化粧台100において照明装置110とは別の電気機器の一例である。機能水生成部152は、水栓装置10が機能水の吐出機能を有する場合のみに必要応じて設けられる。洗面化粧台100に設けられる照明装置110とは別の電気機器は、機能水生成部152に限ることなく、例えば、電気温水器や体重計などでもよい。
【0059】
電源回路150は、接続部140を介して商用電源PSから供給される交流電力を、交流電力よりも低い所定の電圧以下の直流電力に変換する。変換後の直流電力の電圧の実効値は、商用電源PSの交流電力の電圧の実効値よりも低い。電源回路150は、変換後の直流電力を照明装置110及び別の電気機器である機能水生成部152に供給可能である。電源回路150は、例えば、商用電源PSの交流100V(実効値)の交流電力を、24Vの直流電力に変換し、この直流電力を照明装置110及び機能水生成部152に供給する。電源回路150は、例えば、定電圧電源である。所定の電圧以下とは、具体的には、安全特別低電圧(SELV)に定められた数値を指し、例えば直流45V以下を指す。
【0060】
照明装置110は、発光素子110aを有する。発光素子110aは、例えば、LEDである。照明装置110は、例えば、直列に接続された複数の発光素子110aを有する。これにより、照明装置110は、電源回路150からの直流電力の供給に応じて発光素子110aから光を照射し、発光素子110aから照射される光によって前方を照明する。
【0061】
洗面化粧台100は、サービスコンセント142、146を備える。サービスコンセント142、146は、接続部140と電源回路150との間に設けられる。電源回路150は、サービスコンセント142、146及び接続部140を介して商用電源PSと電気的に接続される。
【0062】
サービスコンセント142は、前述のように、ミラーキャビネット108の前面に設けられる。一方、サービスコンセント146は、ミラーキャビネット108の内部に設けられる。これにより、洗面化粧台100の利便性をより向上させることができる。サービスコンセント142、146の取付位置は、任意の位置でよい。サービスコンセント142、146は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0063】
洗面化粧台100は、電磁弁154、155、156と、分岐金具157と、漏水検知センサ158と、をさらに備える。また、水栓装置10は、制御部160(中継部)と、温度センサ162と、照明部164と、着脱検知センサ166と、表示操作部168と、をさらに備える。
【0064】
電源回路150、機能水生成部152、電磁弁154、155、156と、分岐金具157と、及び漏水検知センサ158は、下部キャビネット106内に収納されている。制御部160、温度センサ162、照明部164、着脱検知センサ166、及び表示操作部168は、棚部16内に収納されている。これらの各部の配置は、上記に限ることなく、任意の位置でよい。
【0065】
制御部160は、水栓装置10及び洗面化粧台100の各部を制御する。制御部160は、センサ部24、及び各スイッチ26~28と接続されている。制御部160は、センサ部24、及び各スイッチ26~28などからの入力に応じて、水栓装置10及び洗面化粧台100の各部を制御する。
【0066】
各スイッチ26~28は、表示操作部168に設けられている。表示操作部168には、各スイッチ26~28の他に、例えば、各スイッチ26~28の操作に応じて点灯・消灯し、操作状態を使用者などに報知する発光素子などが設けられる。
【0067】
制御部160は、電源回路150と照明装置110との間に設けられている。制御部160は、電源回路150からの直流電力の供給に応じて動作する。照明装置110及び機能水生成部152は、制御部160を介して電源回路150と接続される。制御部160は、機能水生成部152を接続するための接続口180を有する。機能水生成部152は、接続口180を介して制御部160に着脱可能に接続される。すなわち、制御部160は、別の電気機器を着脱可能に接続するための接続口180を有する。これにより、機能水生成部152などの別の電気機器を設置する場合と設置しない場合とを容易に切り替えることができる。
【0068】
制御部160は、照明用変換回路182と、制御用変換回路184と、を有する。照明用変換回路182は、電源回路150から供給された直流電力を照明装置110に対応した照明用電力に変換し、照明用電力を照明装置110に供給する。
【0069】
照明用変換回路182は、例えば、電源回路150から供給された24Vの実質的に一定の電圧の直流電力から、所定の周期でオン・オフを繰り返す24Vのパルス電圧(パルス信号)の照明用電力に変換する。
【0070】
照明用変換回路182は、例えば、照明装置110の発光素子110aに流れる電流を検知し、その検知結果に応じてパルス電圧のデューティ比を変化させることにより、照明装置110の発光素子110aに実質的に一定の電流が流れるようにする。照明用変換回路182は、例えば、定電流変換回路である。
【0071】
また、照明用変換回路182は、例えば、表示操作部168などの操作に応じて、パルス電圧のデューティ比を変化させる。これにより、例えば、ミラーキャビネット108、鏡131a~133a、及び照明装置110などの横幅が異なる複数の機種などに応じて、照明装置110から照射される光の明るさを変化させることができる。例えば、照明装置110などの横幅の長い機種の場合に、照明装置110から照射される光の照度を大きくし、照明装置110などの横幅の短い機種の場合に、照明装置110から照射される光の照度を小さくすることができる。
【0072】
あるいは、表示操作部168などの操作に応じて、照明装置110から照射される光の明るさを、使用者の好みの明るさに変化させることができる。照明装置110において、いわゆる調光を行うことができる。
【0073】
制御部160は、照明スイッチ144と接続されている。制御部160は、照明スイッチ144のオン操作に応じて、照明用変換回路182の照明用電力を照明装置110に供給することにより、照明装置110を点灯させる。そして、制御部160は、照明スイッチ144のオフ操作に応じて、照明用変換回路182の照明用電力の照明装置110への供給を停止することにより、照明装置110を消灯させる。
【0074】
制御用変換回路184は、電源回路150から供給された直流電力を制御用電力に変換し、制御用電力を各部に供給する。制御用変換回路184は、例えば、24Vの直流電力を5Vの直流の制御用電力に変換する。制御用変換回路184は、例えば、降圧型のDC-DCコンバータである。制御用電力の直流電圧値は、電源回路150から供給された直流電力の直流電圧値よりも低い任意の電圧値でよい。
【0075】
制御部160は、例えば、電源回路150から供給された24Vの直流電力を、機能水生成部152、及び電磁弁154、155、156にそのまま供給することにより、これらの動作を制御する。また、制御部160は、照明用変換回路182によって生成されたパルス電圧の照明用電力を照明装置110に供給することにより、照明装置110の点灯を制御する。そして、制御部160は、例えば、制御用変換回路184によって生成された5Vの制御用電力を、機能水照射部22、センサ部24、漏水検知センサ158、温度センサ162、照明部164、着脱検知センサ166、及び表示操作部168に供給することにより、これらの動作を制御する。
【0076】
センサ部24は、制御部160に接続され、検知結果を制御部160に入力する。センサ部24には、例えば、投光部と受光部とを有する赤外線測距センサが用いられる。センサ部24には、例えば、焦電センサや超音波センサなどを用いてもよい。センサ部24は、例えば、赤外線などの電磁波や超音波などの信号波を基に、人体や手などを非接触で検知可能な任意のセンサでよい。
【0077】
制御部160は、センサ部24による手の検知に応じて、吐水部12から水を吐出させる。また、制御部160は、センサ部24による手の検知の停止に応じて、吐水部12からの水の吐出を停止させる。これにより、前述のように、自動吐水の制御が行われる。
【0078】
電磁弁154は、止水栓170を介して給湯管などの給湯源HSに接続されている。電磁弁155は、分岐金具157及び止水栓172を介して給水管などの給水源MSに接続されている。電磁弁154、155は、操作部14に接続されている。また、電磁弁154、155は、制御部160に接続されている。制御部160は、電磁弁154、155の開閉を制御する。電磁弁154、155を開状態とすることにより、給水源MSから供給された水、及び給湯源HSから供給されたお湯が、操作部14に供給される。
【0079】
操作部14は、流量調整弁をさらに有する。操作レバー14aは、流量調整弁に接続され、流量調整弁の開弁量を調整する。流量調整弁は、操作レバー14aで設定された開弁量に基づいて、給水源MSから供給された水、及び給湯源HSから供給されたお湯のそれぞれの流量を調整する。そして、流量調整弁は、流量調整後の水及びお湯を混合して吐水部12に供給する。これにより、吐水部12から吐出される水の流量及び温度が調整される。
【0080】
制御部160は、自動吐水切替スイッチ27によって手動吐水が設定されている場合、電磁弁154、155を開状態とする。これにより、手動吐水の状態では、操作部14の操作に応じて、吐水部12から水が吐水される。
【0081】
一方、制御部160は、自動吐水切替スイッチ27によって自動吐水が設定されている場合、センサ部24の検知結果に応じて電磁弁154、155の開閉を制御する。この際、操作部14の操作レバー14aは、流量調整弁を所定の流量で開いた状態としておく。これにより、自動吐水の状態では、センサ部24の検知結果に応じて、吐水部12から水が吐水される。
【0082】
温度センサ162は、吐水部12と操作部14(流量調整弁)との間の経路上に設けられ、吐水部12から吐水される水の温度を検知する。温度センサ162は、制御部160に接続され、検知結果を制御部160に入力する。
【0083】
制御部160は、温度センサ162の検知結果を基に、前述の温水準備の動作を行う。温水準備の動作を行う場合、使用者は、自動吐水を設定した後に温水準備スイッチ28を操作するか、あるいは、温水準備スイッチ28を操作した後に、操作部14の操作レバー14aを操作して流量調整弁を開状態にする。
【0084】
制御部160は、温水準備スイッチ28の操作に応答して、電磁弁154、155を開状態とし、吐水部12からの吐水を開始した後、温度センサ162の検知結果を基に、吐水部12から吐水される水の温度が所定の温度に達したか否かを判定する。制御部160は、所定の温度に達したと判定した場合に、電磁弁154、155を閉状態とし、吐水部12からの吐水を停止させる。また、制御部160は、所定時間経過しても、所定の温度に達しなかった場合にも、電磁弁154、155を閉状態とし、吐水部12からの吐水を停止させる。
【0085】
電磁弁156は、分岐金具157及び止水栓172を介して給水源MSに接続されている。電磁弁156は、機能水生成部152に接続されている。また、電磁弁156は、制御部160に接続されている。制御部160は、電磁弁156の開閉を制御する。電磁弁156を開状態とすることにより、給水源MSから供給された水が、機能水生成部152に供給される。
【0086】
機能水生成部152は、電磁弁156から供給された水(水道水)から機能水を生成し、生成した機能水を機能水吐出部20に供給する。また、機能水生成部152は、制御部160に接続されている。機能水生成部152における機能水の生成は、制御部160によって制御される。
【0087】
制御部160は、機能水操作スイッチ26からの操作指示の入力に応じて、電磁弁156を開くとともに、機能水生成部152を動作させる。これにより、使用者の機能水操作スイッチ26の操作に応じて、機能水が、機能水吐出部20からボウル部122に吐出される。また、制御部160は、機能水の吐出に応じて機能水照射部22を点灯させ、前述のように、機能水吐出部20から吐出された機能水を照らす。
【0088】
機能水生成部152は、例えば、電解槽を有する。電解槽の内部には、陽極板および陰極板が設けられている。機能水生成部152は、制御部160から送信される信号に基づいて、電解槽の内部を流れる水道水や雑用水を電気分解する。ここで、水道水は、塩化物イオンを含んでいる。塩化物イオンは、水源(例えば、地下水や、ダムの水や、河川などの水)に例えば食塩(NaCl)や塩化カルシウム(CaCl)などとして含まれている。そのため、塩化物イオンを電気分解することにより次亜塩素酸が生成される。その結果、機能水生成部152において電気分解された水(電解水)は、次亜塩素酸を含む液(機能水)に変化する。次亜塩素酸は、例えば、消臭成分あるいは殺菌成分として機能する。次亜塩素酸を含む液は、一般細菌などを減らしたりすることができる。
【0089】
なお、本実施形態の機能水生成部152は、次亜塩素酸を含む液を生成することに限定されるわけではない。機能水生成部152において生成される機能水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部152において生成される機能水は、電解塩素やオゾンなどを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部152において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。また、機能水生成部152は、電解槽と、陽極板と、陰極板と、を有する電解槽ユニットに限定されるわけではない。
【0090】
照明部164は、例えば、棚部16内に設けられている。棚部16は、光透過窓46を有する(図2(b)参照)。光透過窓46は、棚部16の底面16cに設けられている。照明部164は、棚部16内において光透過窓46と対向して配置され、光透過窓46を介して棚部16の外部に光を照射する。光透過窓46は、例えば、照明部164の照射する光(可視光)に対して、光透過性と光拡散性とを有する。
【0091】
光透過窓46は、非光透過性の棚部16内に設けられた照明部164の光を棚部16の外部に出射させるとともに、棚部16の底面16cに設けられた開口を塞ぐ。これにより、照明部164を棚部16内に設けた場合にも、棚部16内への水の侵入を抑制することができる。例えば、水栓装置10の美観の低下を抑制することもできる。光透過窓46には、例えば、半透明(乳白色)の樹脂材料が用いられる。光透過窓46は、換言すれば、光拡散板である。
【0092】
照明部164は、下方に向かって光を照射し、光透過窓46を透過させることにより、棚部16の鉛直下方の領域を照らす。このように、照明部164は、棚部16に設けられ、棚部16から下方に向かって光を照射することにより、棚部16の鉛直下方の領域を照らす。換言すれば、照明部164は、棚部16の直下の領域を照らす。棚部16の鉛直下方の領域は、照明部164によって照らされる。
【0093】
照明部164は、棚部16の鉛直下方の領域を照らすことにより、吐水部12及び吐水部12から吐出された水の周囲を消灯時よりも明るくする。換言すれば、吐水部12は、照明部164の光で照らされる位置に水を吐出する。吐水部12は、照明部164によって照らされる棚部16の下方の領域に水を吐出する。吐水部12は、例えば、ボウル部122のうち、照明部164の光で照らされる位置に水を吐出する。また、センサ部24の検知範囲の少なくとも一部は、棚部16の下方において照明部164による光で照らされる位置に設けられる。これにより、夜間など洗面化粧台100が設置された空間が暗い場合であっても、吐水部12及び吐水部12から吐出された水を視認し易くし、使い勝手を向上させることができる。
【0094】
照明部164及び光透過窓46の数は、1つに限ることなく、2つ以上でもよい。すなわち、水栓装置10は、複数の照明部164及び複数の光透過窓46を有してもよい。また、光透過窓46は、必要に応じて設けられ、省略可能である。例えば、照明部164は、棚部16の外面に取り付けてもよい。照明部164の取付位置は、上記に限ることなく、棚部16の鉛直下方の領域を照明可能な任意の位置でよい。
【0095】
着脱検知センサ166は、吐水部12の壁面WS又は棚部16に対する着脱を検知する。すなわち、着脱検知センサ166は、吐水部12が壁面WS又は棚部16に取り付けられた状態か、吐水部12が壁面WS又は棚部16から取り外された状態か、を検知する。着脱検知センサ166は、制御部160に接続され、検知結果を制御部160に入力する。
【0096】
制御部160は、吐水部12が取り外されたことを着脱検知センサ166が検知すると、センサ部24による自動吐水の機能をオフにする。これにより、吐水部12を壁面WS又は棚部16から取り外して使用する際に、吐水部12を掴んだ手に反応し、意図せず吐水部12から吐水が行われてしまうことを抑制することができる。着脱検知センサ166は、例えば、機械式のスイッチ、光学センサ、あるいは磁気センサなど、吐水部12の着脱を検知可能な任意のスイッチ又はセンサでよい。
【0097】
漏水検知センサ158は、下部キャビネット106内における漏水を検知する。漏水検知センサ158は、制御部160に接続され、検知結果を制御部160に入力する。制御部160は、漏水検知センサ158によって漏水が検知された場合、例えば、表示操作部168などによって漏水の検知を使用者などに報知する。
【0098】
以上、説明したように、本実施形態に係る洗面化粧台100では、機能水生成部152などの別の電気機器を電源回路150に接続するだけで、照明装置110及び別の電気機器に電力を供給することができる。建築躯体に用意されているコンセントが一口又は直結配線であっても、追加の電源工事や商用電源PSの配線経路を分岐する作業などを不要とすることができる。これにより、施工作業が容易になるとともに、施工にかかる時間及びコストの削減を図ることができる。従って、商用電源PSから供給される交流電力の配線経路への分岐点の追加や、建築躯体への電源工事などを必要とすることなく、電気機器を設置する場合と設置しない場合とに対応することができる洗面化粧台100を提供することができる。
【0099】
照明装置110及び別の電気機器に直流電力を供給可能な電源回路150とした場合、例えば、照明装置110のみに直流電力を供給する電源回路などと比べて比較的大きくなる可能性がある。このため、例えば、このような電源回路150を照明装置110に設けると、照明装置110のサイズが大きくなってしまう恐れがある。これに対して、洗面化粧台100では、電源回路150を下部キャビネット106内に収納する。これにより、照明装置110及び別の電気機器に直流電力を供給可能な電源回路150とした場合にも、照明装置110などのサイズをコンパクトに維持することができる。
【0100】
また、洗面化粧台100では、電源回路150から照明装置110に至るまでの配線長が長くなった場合にも、電源回路150と照明装置110との間に制御部160を中継部として設け、制御部160で照明用電力を生成することにより、配線長に起因する電力の減衰を抑制し、適切な光量で照明装置110を点灯させることができる。
【0101】
例えば、上記のようにパルス電圧の照明用電力を照明装置110に供給する場合に、照明用電力を供給する配線の長さが長くなると、パルス電圧に起因する高周波ノイズが、他の機器に悪影響を与えてしまう可能性が生じる。このため、照明用電力に供給する配線に、高価なシールドケーブルを使用する必要が生じ、洗面化粧台100のコストアップを招いてしまう可能性がある。あるいは、制御部160や照明装置110の基板に高周波ノイズを吸収するための部品(例えば、フィルタ回路やフェライトコアなど)を実装する必要が生じ、制御部160や照明装置110のコストアップやサイズアップを招いてしまう可能性がある。
【0102】
これに対して、電源回路150と照明装置110との間に制御部160を設けることにより、電源回路150から照明装置110に照明用電力を直接供給する場合と比べて、照明用電力を供給する配線の長さを比較的短くすることができる。これにより、パルス電圧に起因する高周波ノイズが、他の機器に悪影響を与えてしまうことを抑制することができる。例えば、シールドケーブルを用いたり、高周波ノイズを吸収するための部品を用いたりする必要を無くし、コストアップやサイズアップなどを抑制することができる。
【0103】
なお、上記実施形態では、制御部160を中継部の一例として示しているが、中継部は、制御部160とは別に設けてもよい。中継部は、電源回路150と照明装置110との間に設けられ、少なくとも照明用変換回路182を有する任意の部材でよい。
【0104】
さらに、洗面化粧台100では、サービスコンセント142、146をさらに備えることにより、洗面化粧台100の利便性をより高めることができる。また、サービスコンセント142、146を接続部140と電源回路150との間に設け、サービスコンセント142、146を介して電源回路150に商用電源PSの交流電力を供給することにより、サービスコンセント142、146を設ける場合にも、追加の電源工事や商用電源PSの配線経路を分岐する作業などを不要とすることができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面化粧台100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0106】
10 水栓装置、 12 吐水部、 14 操作部、 16 棚部、 20 機能水吐出部、 22 機能水照射部、 24 センサ部、 26 機能水操作スイッチ、 27 自動吐水切替スイッチ、 28 温水準備スイッチ、 46 光透過窓、 100 洗面化粧台、 102 洗面器、 106 下部キャビネット、 108 ミラーキャビネット、 110 照明装置、 110a 発光素子、 122 ボウル部、 124 バックガード部、 130 キャビネット本体、 131a~133a 鏡、 131~133 扉、 140 接続部、 142 サービスコンセント、 144 照明スイッチ、 146 サービスコンセント、 150 電源回路、 152 機能水生成部、 154 電磁弁、 155 電磁弁、 156 電磁弁、 157 分岐金具、 158 漏水検知センサ、 160 制御部、 162 温度センサ、 164 照明部、 166 着脱検知センサ、 168 表示操作部、 170 止水栓、 172 止水栓、 180 接続口、 182 照明用変換回路、 184 制御用変換回路
図1
図2
図3