IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-刈取作業方法 図1
  • 特許-刈取作業方法 図2
  • 特許-刈取作業方法 図3
  • 特許-刈取作業方法 図4
  • 特許-刈取作業方法 図5
  • 特許-刈取作業方法 図6
  • 特許-刈取作業方法 図7
  • 特許-刈取作業方法 図8
  • 特許-刈取作業方法 図9
  • 特許-刈取作業方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】刈取作業方法
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20220609BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A01B69/00 303F
A01D41/12 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020143790
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022039016
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2020-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神▲崎▼ 健豪
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-216744(JP,A)
【文献】特開2020-022429(JP,A)
【文献】特開2015-170223(JP,A)
【文献】特開2001-069835(JP,A)
【文献】特開2001-069836(JP,A)
【文献】特開2017-195804(JP,A)
【文献】特開2019-110782(JP,A)
【文献】特開2019-110790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00-69/08
A01D 41/12-41/127
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に植立された穀稈の刈取りを行う刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後方左側に穀稈の脱穀を行う脱穀装置(4)と、前記刈取装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)と、該操縦部(5)の後側に脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインを使用して圃場に植立する穀稈を刈取る刈取作業方法であって、
前記操縦部(5)に搭乗した操縦者がコンバインを操縦して、前記圃場における外周部に沿う手動刈取経路(51)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて外周部に植立する穀稈の刈取作業を行った後に、前記コンバインを自動走行させて、前記圃場における内周部に予め設定された自動刈取経路(52)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて内周部に植立する穀稈の刈取作業を行い、
該自動刈取経路(52)を、前記グレンタンク(7)内に貯留された穀粒を外部に排出する排出位置(50)が対向する第1自動刈取経路(52A)と、該第1自動刈取経路(52A)の終点位置から反時計方向に延在する第2自動刈取経路(52B)と、該第2自動刈取経路(52B)の終点位置から反時計方向に延在する第3自動刈取経路(52C)と、該第3自動刈取経路(52C)の終点位置から反時計方向に延在する第4自動刈取経路(52D)で形成し、
前記コンバインのコントローラ(20)は、前記第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置において、前記グレンタンク(7)の空き容量と第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量を比較して、
前記グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも多いと判断した場合には、前記コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から各終点位置に向かって前進させ、
前記グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも少ない判断し、前記グレンタンク(7)に第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される全ての穀粒を貯留できない場合には、前記空き容量が無くなり前記グレンタンク(7)が満杯になる第1~4自動刈取経路(52A~52D)上の第1~4離間位置(53A~53D)を設定して、前記コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から第1~4離間位置(53A~53D)まで前進させた後に、前記コンバインを第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させてグレンタンク(7)内の穀粒を排出させて、前記コンバインを排出位置(50)から第1~4離間位置(53A~53D)に移動させることを特徴とする刈取作業方法。
【請求項2】
前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させる請求項1記載の刈取作業方法。
【請求項3】
前記コンバインが第1,2自動刈取経路(52A,52B)を走行中の場合には、前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1,2離間位置(53A,53B)から排出位置(50)に時計方向に移動させ、
前記コンバインが第3,4自動刈取経路(52C,52D)を走行中の場合には、前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第3,4離間位置(53C,53D)から排出位置(50)に反時計方向に移動させる請求項2記載の刈取作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操縦者がコンバインを操作して圃場の外周部の穀稈の刈取りを行った後、コンバインが自動走行して圃場の内周部の穀稈の刈取りを行う刈取作業方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の穀稈の刈取作業方法では、圃場内に搬入されたコンバインが、測位衛星の信号に基づいて設定された刈取経路を走行しながら穀稈の刈取作業を行う方法が知られている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018―108034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の穀稈の刈取作業方法では、コントローラが、刈取経路を周回する始点位置毎に、次の刈取経路を周回して収穫される穀粒がグレンタンクに貯留可能か否か判断して、収穫される穀粒がグレンタンクに貯留できない場合には、刈取経路から離脱して排出位置に移動して車両に穀粒を排出して再び刈始点位置に復帰するので、刈取作業を効率的に行うことができないという恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、グレンタンクが所定量になるまで刈取作業を行い刈取作業の効率が高い刈取作業方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、圃場に植立された穀稈の刈取りを行う刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後方左側に穀稈の脱穀を行う脱穀装置(4)と、前記刈取装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)と、該操縦部(5)の後側に脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインを使用して圃場に植立する穀稈を刈取る刈取作業方法であって、
前記操縦部(5)に搭乗した操縦者がコンバインを操縦して、前記圃場における外周部に沿う手動刈取経路(51)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて外周部に植立する穀稈の刈取作業を行った後に、前記コンバインを自動走行させて、前記圃場における内周部に予め設定された自動刈取経路(52)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて内周部に植立する穀稈の刈取作業を行い、該自動刈取経路(52)を、前記グレンタンク(7)内に貯留された穀粒を外部に排出する排出位置(50)が対向する第1自動刈取経路(52A)と、該第1自動刈取経路(52A)の終点位置から反時計方向に延在する第2自動刈取経路(52B)と、該第2自動刈取経路(52B)の終点位置から反時計方向に延在する第3自動刈取経路(52C)と、該第3自動刈取経路(52C)の終点位置から反時計方向に延在する第4自動刈取経路(52D)で形成し、前記コンバインのコントローラ(20)は、前記第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置において、前記グレンタンク(7)の空き容量と第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量を比較して、前記グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも多いと判断した場合には、前記コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から各終点位置に向かって前進させ、前記グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも少ない判断し、前記グレンタンク(7)に第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される全ての穀粒を貯留できない場合には、前記空き容量が無くなり前記グレンタンク(7)が満杯になる第1~4自動刈取経路(52A~52D)上の第1~4離間位置(53A~53D)を設定して、前記コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から第1~4離間位置(53A~53D)まで前進させた後に、前記コンバインを第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させてグレンタンク(7)内の穀粒を排出させて、前記コンバインを排出位置(50)から第1~4離間位置(53A~53D)に移動させることを特徴とする刈取作業方法である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させる請求項1記載の刈取作業方法である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記コンバインが第1,2自動刈取経路(52A,52B)を走行中の場合には、前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1,2離間位置(53A,53B)から排出位置(50)に時計方向に移動させ、前記コンバインが第3,4自動刈取経路(52C,52D)を走行中の場合には、前記コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第3,4離間位置(53C,53D)から排出位置(50)に反時計方向に移動させる請求項2記載の刈取作業方法である。
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、操縦部(5)に搭乗した操縦者がコンバインを操縦して、圃場における外周部に沿う手動刈取経路(51)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて外周部に植立する穀稈の刈取作業を行った後に、コンバインを自動走行させて、圃場における内周部に予め設定された自動刈取経路(52)に沿ってコンバインを反時計方向に周回させて内周部に植立する穀稈の刈取作業を行い、自動刈取経路(52)を、グレンタンク(7)内に貯留された穀粒を外部に排出する排出位置(50)が対向する第1自動刈取経路(52A)と、第1自動刈取経路(52A)の終点位置から反時計方向に延在する第2自動刈取経路(52B)と、第2自動刈取経路(52B)の終点位置から反時計方向に延在する第3自動刈取経路(52C)と、第3自動刈取経路(52C)の終点位置から反時計方向に延在する第4自動刈取経路(52D)で形成し、コンバインのコントローラ(20)は、第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置において、グレンタンク(7)の空き容量と第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量を比較して、グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも多いと判断した場合には、コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から各終点位置に向かって前進させ、グレンタンク(7)の空き容量が第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される穀粒の収穫量よりも少ない判断し、グレンタンク(7)に第1~4自動刈取経路(52A~52D)を走行して収穫される全ての穀粒を貯留できないた場合には、空き容量が無くなりグレンタンク(7)が満杯になる第1~4自動刈取経路(52A~52D)上の第1~4離間位置(53A~53D)を設定して、コンバインを第1~4自動刈取経路(52A~52D)の各始点位置から第1~4離間位置(53A~53D)まで前進させた後に、コンバインを第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させてグレンタンク(7)内の穀粒を排出させて、コンバインを排出位置(50)から第1~4離間位置(53A~53D)に移動させるので、グレンタンク(7)が穀粒で満杯になるまで第1~4自動刈取経路(52A~52D)上で刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる。また、グレンタンク(7)が穀粒で満杯になった場合には、コンバインを排出位置(50)に速やかに移動して穀粒を外部に排出して、第1~4自動刈取経路(52A~52D)上の第1~4離間位置(53A~53D)に速やかに復帰させることができる。さらに、コンバインと畦との衝突を抑制しながら圃場における外周部に植立する穀稈の刈取作業を行うことができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に移動させるので、コンバインを第1~4離間位置(53A~53D)から排出位置(50)に畦との衝突を抑制しながら移動させることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明による効果に加えて、コンバインが第1,2自動刈取経路(52A,52B)を走行中の場合には、コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第1,2離間位置(53A,53B)から排出位置(50)に時計方向に移動させ、コンバインが第3,4自動刈取経路(52C,52D)を走行中の場合には、コンバインを手動刈取経路(51)に沿って第3,4離間位置(53C,53D)から排出位置(50)に反時計方向に移動させるので、グレンタンク(7)が穀粒で満杯になったコンバインを排出位置(50)により速やかに移動してグレンタンク(7)内の穀粒を外部に排出することができる。
【0014】
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】コンバインの左側面図である。
図2】コンバインの平面図である。
図3】コンバインの測位ユニットの接続図である。
図4】コンバインのコントローラの接続図である。
図5】コンバインの第1自動刈取経路上の刈取作業の説明図である。
図6】コンバインの第2自動刈取経路上の刈取作業の説明図である。
図7】コンバインの第3自動刈取経路上の刈取作業の説明図である。
図8】コンバインの第4自動刈取経路上の刈取作業の説明図である。
図9】コンバインの第1自動刈取経路の始点位置での排出作業の説明図である。
図10】コンバインの刈取作業方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後方左側に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0018】
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部と前後方向に延在する横排出からなる排出オーガ8が設けられている。
【0019】
図3に示すように、RTK-GPS測位方式である測位ユニット10は、測位衛星11と、既知の位置に設けられた基地局12と、コンバインに設けられた移動局16で構成されている。これにより、測位衛星11から移動局16に送信されてくる位置情報と基地局12から移動局16に送信されてくる補正用の位置情報から移動局16の位置、すなわちコンバインの位置を正確に得ることができる。
【0020】
基地局12は、固定用通信機13と、測位衛星11からの位置情報を受信する固定用GPSアンテナ14と、移動局16に補正用の位置情報を送信する固定用データ送信アンテナ15で構成されている。
【0021】
移動局16は、移動用通信機17と、測位衛星11からの位置情報を受信する移動用GPSアンテナ18と、基地局12からの補正用の位置情報を受信する移動用データ送信アンテナ19で構成されている。
【0022】
図4に示すように、コンバインのコントローラ20は、CPU等からなる処理部21と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部22と、外部とのデータ通信用の通信部23から形成されている。
【0023】
処理部21は、グレンタンク7の穀粒を貯留可能な空き容量と、予め設定された自動刈取経路52の走行距離に基づいて算出される収穫量を比較して、自動刈取経路52上を前進させるか、自動刈取経路52にコンバインを離脱させる離脱位置を53を設定するか判断する。
【0024】
記憶部22には、グレンタンク7の空き容量、単位移動距離当たりの収穫量、圃場の位置、圃場の形状、搬出入位置、刈取経路、離脱位置等の情報が保存され、定期的の更新されている。
【0025】
コントローラ20の入力側には、コンバインの位置情報である移動局16の移動用通信機17と、グレンタンク7に貯留された穀粒の重量を測定する重量センサ30と、グレンタンク7に貯留された穀粒がグレンタンク7の貯留容量の略80%に達したことを測定する満杯センサ31が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。なお、グレンタンク7の空き容量は、グレンタンク7の容量から重量センサ30の測定値に基づいて算出された穀粒の貯留容量を減算して求めることができる。
【0026】
コントローラ20の出力側には、自動刈取経路52に沿ってコンバインを前進させる走行スイッチ40と、自動刈取経路52上からコンバインを離脱させる離脱スイッチ41と、手動刈取経路51に沿ってコンバインを後進させる後進スイッチ42と、手動刈取経路51に沿ってコンバインを前進させる前進スイッチ43と、手動刈取経路51に沿ってコンバインを離脱位置に復帰させる復帰スイッチ44と、排出オーガ8を駆動するオーガスイッチ45が所定の出るインターフェース回路を介して接続されている。
【0027】
<刈取作業>
図5に示すように、コンバインは、圃場の搬出入口(請求項の「排出位置」)50から圃場に搬入される。圃場に搬入されたコンバインは、操縦部5に搭乗した操縦者によって操作されて、圃場の外周部、すなわち圃場における畦に近傍する部位に沿って、反時計回りに周回走行して圃場の外周部に植立する穀稈の刈取作業を行う。これにより、コンバインと畦との衝突を抑制して、圃場の外周部に植立する穀稈の刈取作業を行うことができる。なお、周回走行した手動刈取経路51は、コントローラ20の記憶部22に保存される。
【0028】
圃場の外周部の穀稈の刈取作業が終了した後は、コンバインは自動走行に切り換えられ、予めコントローラ20の記憶部22に保存されていた自動刈取経路52に沿って自動走行を行う。これにより、圃場の内周部に植立する穀稈を自動で刈取ることができ、刈取作業の負担を大幅に軽減することができる。
【0029】
本明細書においては、説明を明確にするために、自動刈取経路52において、コンバインが搬出入口50から上側に向かってに移動する経路を第1自動刈取経路52Aといい、コンバインが第1自動刈取経路52Aの上端部から左側に向かって移動する経路を第2自動刈取経路52Bといい、コンバインが第2自動刈取経路52Bの左端部から下側に向かって移動する経路を第3自動刈取経路52Cといい、コンバインが第3自動刈取経路52Cの下端部から右側に向かって移動する経路を第4自動刈取経路52Dという。なお、図5等には、コンバインが操縦者によって操作された手動刈取経路51を破線で、コンバインが自動走行した自動刈取経路52は実線で示している。また、圃場の搬出入口50の外側には、コンバインから搬出された穀粒を搬送する車両60が待機している。
【0030】
操縦者に操作されてコンバインが周回走行した移動距離は、移動用通信機17の入力値によって算出することができ、収穫された穀粒の収穫量は、重量センサ30の入力値によって算出することができる。また、算出された収穫量を移動距離で除算することにより単位収穫量を算出することができる。なお、算出された単位収穫量は、コントローラ20の記憶部22に保存される。これにより、今年の圃場から得られる単位収穫量を正確に算出することができる。
【0031】
(第1刈取経路の刈取作業)
コンバインのコントローラ20の処理部21は、第1自動刈取経路52Aの始点位置で、グレンタンク7の空き容量と第1自動刈取経路52Aを自動走行して刈取作業を行った場合に収穫される穀粒の収穫量を比較する。
【0032】
グレンタンク7に第1自動刈取経路52Aで収穫される全ての穀粒を貯留できると判断した場合には、図5(a)に示すように、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置から終点位置まで前進させる。
【0033】
一方、グレンタンク7に第1自動刈取経路52Aで収穫される全て穀粒を貯留できないと判断した場合には、図5(b)に示すように、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置からグレンタンク7が収穫される穀粒で満杯になる第1離脱位置53Aまで前進させる。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第1自動刈取経路52Aでの刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる
【0034】
次に、第1離脱位置53Aまで前進してきたコンバインを第1自動刈取経路52Aから離脱させて、手動刈取経路51に沿って後進させて搬出入口50に移動させた後に、排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内の穀粒を車両60の荷台に排出する。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。なお、図5(b)においては、コンバインを第1離脱位置53Aから搬出入口50に後進させる距離が、コンバインを第1離脱位置53Aから搬出入口50に前進させる距離よりも短いことから後進させているが、コンバインを前進させることもできる。なお、コンバインが第1自動刈取経路52Aから前進して離脱する場合、第1離脱位置53A付近で圃場外周方向に斜めに進行させ、緩やかに刈取経路から離脱することが好ましい。後述する各刈取作業方法においても同様である。
【0035】
グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインは、手動刈取経路51に沿って前進させて第1離脱位置53Aに移動させる。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第1離脱位置53Aに移動させて刈取作業を再開することができる。
【0036】
(第2刈取経路の刈取作業)
コンバインのコントローラ20の処理部21は、第2自動刈取経路52Bの始点位置で、グレンタンク7の空き容量と第2自動刈取経路52Bを自動走行して刈取作業を行った場合に収穫される穀粒の収穫量を比較する。
【0037】
グレンタンク7に第2自動刈取経路52Bで収穫される全ての穀粒を貯留できると判断した場合には、図6(a)に示すように、コンバインを第2自動刈取経路52Bの始点位置から終点位置まで前進させる。なお、第2自動刈取経路52Bの始点位置と終点位置が極めて離間しているときは、第2自動刈取経路52Bの始点位置と終点位置の間で中割作業を行うこともできる。
【0038】
一方、グレンタンク7に第2自動刈取経路52Bで収穫される全て穀粒を貯留できないと判断した場合には、図6(b)に示すように、コンバインを第2自動刈取経路52Bの始点位置からグレンタンク7が収穫される穀粒で満杯になる第2離脱位置53Bまで前進させる。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第2自動刈取経路52Bでの刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる
【0039】
次に、第2離脱位置53Bまで前進してきたコンバインを第2自動刈取経路52Bから離脱させて、手動刈取経路51に沿って後進させて搬出入口50に移動させた後に、排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内の穀粒を車両60の荷台に排出する。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。なお、図6(b)においては、コンバインを第2離脱位置53Bから搬出入口50に後進させる距離が、コンバインを第2離脱位置53Bから搬出入口50に前進させる距離よりも短いことから後進させているが、コンバインを前進させることもできる。
【0040】
グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインは、手動刈取経路51に沿って前進させて第2離脱位置53Bに移動させる。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第2離脱位置53Bに移動させて刈取作業を再開することができる。
【0041】
(第3刈取経路の刈取作業)
コンバインのコントローラ20の処理部21は、第3自動刈取経路52Cの始点位置で、グレンタンク7の空き容量と第3自動刈取経路52Cを自動走行して刈取作業を行った場合に収穫される穀粒の収穫量を比較する。
【0042】
グレンタンク7に第3自動刈取経路52Cで収穫される全ての穀粒を貯留できると判断した場合には、図7(a)に示すように、コンバインを第3自動刈取経路52Cの始点位置から終点位置まで前進させる。
【0043】
一方、グレンタンク7に第3自動刈取経路52Cで収穫される全て穀粒を貯留できないと判断した場合には、図7(b)に示すように、コンバインを第3自動刈取経路52Cの始点位置からグレンタンク7が収穫される穀粒で満杯になる第3離脱位置53Cまで前進させる。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第3自動刈取経路52Cでの刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる
【0044】
次に、第3離脱位置53Cまで前進してきたコンバインを第3自動刈取経路52Cから離脱させて、手動刈取経路51に沿って前進させて搬出入口50に移動させた後に、排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内の穀粒を車両60の荷台に排出する。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。
【0045】
グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインは、手動刈取経路51に沿って前進させて第3離脱位置53Cに移動させる。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第3離脱位置53Cに移動させて刈取作業を再開することができる。
【0046】
(第4刈取経路の刈取作業)
コンバインのコントローラ20の処理部21は、第4自動刈取経路52Dの始点位置で、グレンタンク7の空き容量と第4自動刈取経路52Dを自動走行して刈取作業を行った場合に収穫される穀粒の収穫量を比較する。
【0047】
グレンタンク7に第4自動刈取経路52Dで収穫される全ての穀粒を貯留できると判断した場合には、図8(a)に示すように、コンバインを第4自動刈取経路52Dの始点位置から終点位置まで前進させる。なお、第4自動刈取経路52Dの始点位置と終点位置が極めて離間しているときは、第4自動刈取経路52Dの始点位置と終点位置の間で中割作業を行うこともできる。
【0048】
一方、グレンタンク7に第4自動刈取経路52Dで収穫される全て穀粒を貯留できないと判断した場合には、図8(b)に示すように、コンバインを第4自動刈取経路52Dの始点位置からグレンタンク7が収穫される穀粒で満杯になる第4離脱位置53Dまで前進させる。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第4自動刈取経路52Dでの刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる。
【0049】
次に、第4離脱位置53Dまで前進してきたコンバインを第4自動刈取経路52Dから離脱させて、手動刈取経路51に沿って前進させて搬出入口50に移動させた後に、排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内の穀粒を車両60の荷台に排出する。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。
【0050】
グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインは、手動刈取経路51に沿って前進させて第4離脱位置53Dに移動させる。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第4離脱位置53Dに移動させて刈取作業を再開することができる。
【0051】
(排出作業)
コンバインのコントローラ20の処理部21は、第1自動刈取経路52Aの始点位置で、満杯センサ31の入力値を判断する。
【0052】
満杯センサ31の入力値がOFF、すなわちグレンタンク7に大きな空き容量があると判断した場合には、図9(a)に示すように、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置から前進させる。
【0053】
一方、満杯センサ31の入力値がON、すなわちグレンタンク7に大きな空き容量がないと判断した場合には、図9(b)に示すように、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置から離脱させて、手動刈取経路51に沿って前進させて搬出入口50に移動させた後に、排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内の穀粒を車両60の荷台に排出する。これにより、自動刈取経路52上でグレンタンク7が穀粒で満杯になることを抑制して刈取作業をより効率良く行うことができる。
【0054】
グレンタンクの穀粒の排出が終わったコンバインは、手動刈取経路51に沿って後進させて第1自動刈取経路52Aの始点位置に移動させる。これにより、グレンタンクの穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第1自動刈取経路52Aの始点位置に移動させて刈取作業を再開することができる。
【0055】
<コンバインの刈取作業方法>
図10に示すように、ステップS1で、コントローラ20は、コンバインの位置を判断する。コンバインが第1自動刈取経路52A及び第2自動刈取経路52Bに位置する場合にはステップS2に進み、コンバインが第3自動刈取経路52C及び第4自動刈取経路52Dに位置する場合にはステップS12に進み、コンバインが第1自動刈取経路52Aの始点位置に位置する場合にはステップS22に進む。なお、コンバインの位置は、移動局16の移動用通信機17の入力値から算出することができる。
【0056】
ステップS2で、コントローラ20は、グレンタンク7の空き容量と第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bを走行して収穫される穀粒の収穫量を比較し、グレンタンク7の空き容量が穀粒の収穫量よりも多いと判断した場合にはステップS3に進み、グレンタンク7の空き容量が穀粒の収穫量よりも少ないと判断した場合には、ステップS4に進む。なお、グレンタンク7の空き容量は、重量センサ30の入力値から算出でき、収穫量は予め設定されている第1自動刈取経路52Aの経路長さと単位収穫量から算出することができる。
【0057】
ステップS3で、コントローラ20は、コンバインを第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bの終点位置に向けて前進させて、ステップS1に戻る。なお、コンバインを第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bの終点位置に向けて前進させる場合には、走行スイッチ40が入力される。
【0058】
ステップS4で、コントローラ20は、グレンタンク7が満杯になる第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bの位置を算出して、第1離脱位置53A又は第2離脱位置53Bを設定し、ステップS5に進む。なお、第1離脱位置53A又は第2離脱位置53Bは、コントローラ20の記憶部22に保存される。
【0059】
ステップS5で、コントローラ20は、コンバインを第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに向けて前進させて、ステップS6に進む。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bを前進して刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる。
【0060】
ステップS6で、コントローラ20は、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達しているか否か判断し、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達していないと判断した場合にはステップS5に戻り、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達したと判断した場合にはステップS7に進む。
【0061】
ステップS7で、コントローラ20は、コンバインを第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bから圃場の刈取穀稈側に離脱させ、手動刈取経路51に沿って後進させてステップS8に進む。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。なお、コンバインを第1自動刈取経路52A又は第2自動刈取経路52Bから圃場の刈取穀稈側に離脱させる場合には、離脱スイッチ41が入力され、コンバインを手動刈取経路51に沿って後進させる場合には、後進スイッチ42が入力される。
【0062】
ステップS8で、コントローラ20は、コンバインが搬出入口50に到達したか否か判断し、コンバインが搬出入口50に到達していないと判断した場合にはステップS7に戻り、コンバインが搬出入口50に到達したと判断した場合にはステップS9に進む。
【0063】
ステップS9で、コントローラ20は、コンバインの排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内に貯留された穀粒を搬出入口50に待機した車両60の荷台に排出してステップS10に進む。なお、コンバインの排出オーガ8を駆動する場合には、オーガスイッチ45が入力される。
【0064】
ステップS10で、コントローラ20は、コンバインを手動刈取経路51に沿って前進させて第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに移動させてステップS11に進む。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに移動させて刈取作業を再開することができる。なお、コンバインを手動刈取経路51に沿って前進させる場合には復帰スイッチ44が入力される。
【0065】
ステップS11で、コントローラ20は、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達したか否か判断し、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達していない場合にはステップS10に戻り、コンバインが第1自動刈取経路52Aの第1離脱位置53A又は第2自動刈取経路52Bの第2離脱位置53Bに到達している場合にはステップS1に戻る。
【0066】
ステップS12で、コントローラ20は、グレンタンク7の空き容量と第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dを走行して収穫される穀粒の収穫量を比較し、グレンタンク7の空き容量が穀粒の収穫量よりも多いと判断した場合にはステップS13に進み、グレンタンク7の空き容量が穀粒の収穫量よりも少ないと判断した場合には、ステップS14に進む。
【0067】
ステップS13で、コントローラ20は、コンバインを第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dの終点位置に向けて前進させて、ステップS1に戻る。なお、コンバインを第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dの終点位置に向けて前進させる場合には、走行スイッチ40が入力される。
【0068】
ステップS14で、コントローラ20は、グレンタンク7が満杯になる第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dの位置を算出して、第3離脱位置53C又は第4離脱位置53Dを設定し、ステップS15に進む。なお、第3離脱位置53C又は第4離脱位置53Dは、コントローラ20の記憶部22に保存される。
【0069】
ステップS15で、コントローラ20は、コンバインを第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに向けて前進させて、ステップS16に進む。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になるまで第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dを前進して刈取作業を行うことができ刈取作業の効率を高めることができる。
【0070】
ステップS16で、コントローラ20は、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達しているか否か判断し、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達していないと判断した場合にはステップS15に戻り、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達したと判断した場合にはステップS17に進む。
【0071】
ステップS17で、コントローラ20は、コンバインを第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dから圃場の刈取穀稈側に離脱させ、手動刈取経路51に沿って前進させてステップS18に進む。これにより、グレンタンク7が穀粒で満杯になったコンバインを速やかに搬出入口50に移動して、グレンタンク7内の穀粒を車両60に排出することができる。なお、コンバインを第3自動刈取経路52C又は第4自動刈取経路52Dから圃場の刈取穀稈側に離脱させる場合には、離脱スイッチ41が入力され、コンバインを手動刈取経路51に沿って、前進させる場合には、前進スイッチ43が入力される。
【0072】
ステップS18で、コントローラ20は、コンバインが搬出入口50に到達したか否か判断し、コンバインが搬出入口50に到達していないと判断した場合にはステップS17に戻り、コンバインが搬出入口50に到達したと判断した場合にはステップS19に進む。
【0073】
ステップS19で、コントローラ20は、コンバインの排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内に貯留された穀粒を搬出入口50に待機した車両60の荷台に排出してステップS20に進む。なお、コンバインの排出オーガ8を駆動する場合には、オーガスイッチ45が入力される。
【0074】
ステップS20で、コントローラ20は、コンバインを手動刈取経路51に沿って前進させて第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに移動させてステップS21に進む。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに移動させて刈取作業を再開することができる。なお、コンバインを手動刈取経路51に沿って前進させる場合には復帰スイッチ44が入力される。
【0075】
ステップS21で、コントローラ20は、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達したか否か判断し、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達していない場合にはステップS20に戻り、コンバインが第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに到達している場合にはステップS1に戻る。
【0076】
ステップS22で、コントローラ20は、グレンタンク7の空き容量が所定容量よりも多いか否か判断し、グレンタンク7の空き容量が所定容量よりも多い場合にはステップS1に戻り、グレンタンク7の空き容量が所定容量よりも多くない場合にはステップS23に進む。
【0077】
ステップS23で、コントローラ20は、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置から圃場の刈取穀稈側に離脱させ、手動刈取経路51に沿って前進させてステップS24に進む。これにより、グレンタンク7が自動刈取経路52の走行中に穀粒で満杯になることを抑制して刈取作業をより効率良く行うことができる。なお、コンバインを第1自動刈取経路52Aの始点位置から圃場の刈取穀稈側に離脱させる場合には、離脱スイッチ41が入力され、コンバインを手動刈取経路51に沿って、前進させる場合には、前進スイッチ43が入力される。
【0078】
ステップS24で、コントローラ20は、コンバインが搬出入口50に到達したか否か判断し、コンバインが搬出入口50に到達していないと判断した場合にはステップS23に戻り、コンバインが搬出入口50に到達したと判断した場合にはステップS25に進む。
【0079】
ステップS25で、コントローラ20は、コンバインの排出オーガ8を駆動してグレンタンク7内に貯留された穀粒を搬出入口50に待機した車両60の荷台に排出してステップS26に進む。なお、コンバインの排出オーガ8を駆動する場合には、オーガスイッチ45が入力される。
【0080】
ステップS26で、コントローラ20は、コンバインを手動刈取経路51に沿って後進させて第1自動刈取経路52Aの始点位置に移動させてステップS27に進む。これにより、グレンタンク7の穀粒の排出が終わったコンバインを速やかに第3自動刈取経路52Cの第3離脱位置53C又は第4自動刈取経路52Dの第4離脱位置53Dに移動させて刈取作業を再開することができる。なお、コンバインを手動刈取経路51に沿って後進させる場合には復帰スイッチ44が入力される。
【0081】
ステップS27で、コントローラ20は、コンバインが第1自動刈取経路52Aの始点位置に到達したか否か判断し、コンバインが第1自動刈取経路52Aの始点位置に到達していない場合にはステップS26に戻り、コンバインが第1自動刈取経路52Aの始点位置に到達している場合にはステップS1に戻る。
【符号の説明】
【0082】
3 刈取装置
4 脱穀装置
5 操縦部
7 グレンタンク
20 コントローラ
50 搬出入口(排出位置)
51 手動刈取経路
52 自動刈取経路
52A 第1自動刈取経路
52B 第2自動刈取経路
52C 第3自動刈取経路
52D 第4自動刈取経路
53A 第1離脱位置
53B 第2離脱位置
53C 第3離脱位置
53D 第4離脱位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10