(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】保険金支払支援システム、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20220609BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20220609BHJP
【FI】
G06Q40/08
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2019147024
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2021-04-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500577518
【氏名又は名称】株式会社アジャスト
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】横溝 宏昌
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163265(WO,A1)
【文献】特開2007-172187(JP,A)
【文献】特開2000-322494(JP,A)
【文献】特開2010-176627(JP,A)
【文献】特開2003-228559(JP,A)
【文献】生命保険ニュース 生命保険協会創立110周年記念報告書・提言書-次の10年、そしてその先の未来を見据えて- ,一般社団法人生命保険協会,2019年04月19日,p.35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療明細書に基づいて保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援システムであって、
予め作成された診療明細辞書マスタ、適応病名マスタ、病名抽出ルールマスタ、病名導出ルールマスタ、約款・特約マスタ、手術・処置マスタ、組合せマスタ、確度マスタを含む情報が格納されている記録手段と、
診療行為と厚生労働省
が提供する診療行為コードとの関係について前記診療明細辞書マスタを参照して、前記診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、前記診療行為コードを付与し、診療行為データを作成する診療行為データ作成手段と、
前記診療行為データから、
病名診断を目的とした行為と治療を目的とした行為とに振り分け、病名診断を目的とした行為に対して前記組合せマスタと突合し、傷病名を特定することができる組合せを抽出し、治療を目的とした行為に対して、前記確度マスタと突合し、傷病名の特定確度別に振り分け、かつ確度未設定のデータを除外し、診療行為と、適応病名及び適応病名の確度との関係について前記適応病名マスタ及び前記病名抽出ルールマスタを参照して、対応する適応病名及び適応病名の確度の情報を付与し、適応病名データを作成する適応病名データ作成手段と、
前記適応病名データから、予め作成された病名導出ルールに基づいて、前記適応病名データのうち少なくとも確度の高い病名を導出する病名導出手段と、
前記病名導出手段により導出された病名を基に、前記保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第1の支払い判断手段と
、
前記診療行為データから手術・処置に関する情報を抽出し、厚生労働省
が提供する診療行為を区分するコードを付与し、手術・処置データを作成する手術・処置データ作成手段と、
前記手術・処置データを基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第2の支払い判断手段とを備えていることを特徴とする保険金支払支援システム。
【請求項2】
前記診療行為データ作成手段が、医薬品名と厚生労働省
が提供する医薬品コードとの関係
、検査、手術を含む診療行為名と厚生労働省が提供する診療行為コードとの関係について前記診療明細辞書マスタを参照して、前記診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、前記医薬品コード
、前記診療行為コードを付与し、診療行為データを作成する手段であることを特徴とする請求項1に記載の保険金支払支援システム。
【請求項3】
前記第1の支払い判断手段及び前記第2の支払い判断手段により判断した保険金支払いの可否結果情報を認定結果データとして作成する認定結果データ作成手段
と、
前記認定結果データを契約者端末へ知らせる手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の保険金支払支援システム。
【請求項4】
前記診療明細書において記載されている診療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の保険金支払支援システム。
【請求項5】
前記データ化手段が、前記診療行為内容の文字列をOCRによってテキストデータ化する手段であることを特徴とする請求項4に記載の保険金支払支援システム。
【請求項6】
前記テキストデータに対し
て医薬品コード
又は診療行為コードを付与する際に、診療明細辞書マスタと一致せず、コードが付与できない前記テキストデータを前記診療明細辞書マスタに追加し補正する辞書更新手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の保険金支払支援システム。
【請求項7】
診療明細書に基づいて保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援プログラムであって、
コンピュータを、
診療明細辞書マスタ、適応病名マスタ、病名抽出ルールマスタ、病名導出ルールマスタ、約款・特約マスタ、手術・処置マスタ、組合せマスタ、確度マスタを含む情報が格納されている記録手段と、
診療行為と厚生労働省
が提供する診療行為コードとの関係について前記診療明細辞書マスタを参照して、前記診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、前記診療行為コードを付与し、診療行為データを作成する診療行為データ作成手段と、
前記診療行為データから、
病名診断を目的とした行為と治療を目的とした行為とに振り分け、病名診断を目的とした行為に対して前記組合せマスタと突合し、傷病名を特定することができる組合せを抽出し、治療を目的とした行為に対して、前記確度マスタと突合し、傷病名の特定確度別に振り分け、かつ確度未設定のデータを除外し、診療行為と、適応病名及び適応病名の確度との関係について前記適応病名マスタ及び前記病名抽出ルールマスタを参照して、対応する適応病名及び適応病名の確度の情報を付与し、適応病名データを作成する適応病名データ作成手段と、
前記適応病名データから、予め作成された病名導出ルールに基づいて、前記適応病名データのうち少なくとも確度の高い病名を導出する病名導出手段と、
前記病名導出手段により導出された病名を基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第1の支払い判断手段と、
前記診療行為データから手術・処置に関する情報を抽出し、厚生労働省
が提供する診療行為を区分するコードを付与し、手術・処置データを作成する手術・処置データ作成手段と、
前記手術・処置データを基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第2の支払い判断手段として機能させることを特徴とする保険金支払支援プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記診療行為データ作成手段が、医薬品名と厚生労働省
が提供する医薬品コードとの関係
、検査、手術を含む診療行為名と厚生労働省が提供する診療行為コードとの関係について前記診療明細辞書マスタを参照して、前記診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、前記医薬品コード
、前記診療行為コードを付与し、診療行為データを作成する手段であるとして機能させることを特徴とする請求項7に記載の保険金支払支援プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記第1の支払い判断手段及び前記第2の支払い判断手段により判断した保険金支払いの可否結果情報を認定結果データとして作成する認定結果データ作成手段
と、
前記認定結果データを契約者端末へ知らせる手段として機能させることを特徴とする請求項7又は8に記載の保険金支払支援プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、前記診療明細書において記載されている診療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段として機能させることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の保険金支払支援プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、前記データ化手段が、前記診療行為内容の文字列をOCRによってテキストデータ化する手段であるとして機能させることを特徴とする請求項10に記載の保険金支払支援プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記テキストデータに対し
て医薬品コード
又は診療行為コードを付与する際に、診療明細辞書マスタと一致せず、コードが付与できない前記テキストデータを前記診療明細辞書マスタに追加し補正する辞書更新手段として機能させることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の保険金支払支援プログラム。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1項に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や調剤薬局の窓口で発行が義務付けられる、検査や治療、投薬等の具体的な内容と医療費が記載された診療明細書(原則無料)に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援システム、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療保険や傷害保険などの保険は、病気やケガになった際の経済的なリスクに備える保障(特約)が用意されている。保険会社では、認定(保険金支払判断)担当者が診断書などの(紙)情報に記載されている内容と、保険会社で予め用意されている約款を総合的に検討し、支払い可否判断を行っている。具体的には、契約者(患者)が「保険金請求書」等により申告する傷病名や手術名等に対して、医師が発行する診断書等により傷病名や手術名等を確認して、契約時の約款に照らし合わせて、保険金を支払うようになっている。
【0003】
保険会社では、傷病名や手術名等に応じた保険金を支払うために、その傷病名や手術名等に関するエビデンスとして、契約者(患者)に診断書の提出を求める場合が多い。しかし、診断書は医療機関で発行されるものであり、契約者(患者)が医療機関に作成を依頼した後、医師(医療従事者)が作成することになり、依頼を受け付けてから発行までに一定の時間が必要となる。また、診断書を受領するために、契約者(患者)が再度医療機関へ出向くことが必要となり、診断書の作成依頼から診断書の受領までに時間がかかるという問題点があった。
【0004】
従来、保険給付金請求者(契約者等)の負担を低減するために、保険給付金の申請を請求者にとって簡単なものとする給付金支払いシステムが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の給付金支払いシステムにおいては、請求者(契約者)の氏名、住所と傷病名と手術日と入院又は通院期間などの給付金支払いに必要な給付金証明依頼情報を医療機関に依頼し、医療機関では、給付金証明依頼情報を受け取り、医療情報データベースを参照して証明に必要な事項の入力を行う。保険会社は、証明に必要な事項の入力と主治医の承認が行われた給付金証明情報を受け取り、給付内容を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の給付金支払いシステムは、請求者(契約者等)が診断書の作成依頼及び受領のために医療機関へ出向くという負担を低減することができるが、医療機関に作成を依頼した後、医師(医療従事者)が診断書等の証明情報(書類)を作成するために、時間がかかるという問題点が依然存在する。
【0007】
また、診断書の作成は、医師(医療従事者)にとって診断や治療等の診療行為以外の業務となり、診療の合間を縫って行うことになる。「働き方改革」の面からも診断書作成業務の軽減が必要となる。
【0008】
また、診断書の作成料を契約者が支払うが、診断書を保険会社へ提出しても、認定結果として保険金支払いの対象外となることがあり、請求手続きは時間的にも経済的にも不利益を被ることがある。
【0009】
さらに、保険会社における認定業務については、保険会社の認定担当者により人的な判断が行われている。そのため、認定担当者の実務経験年数や知識量により、診断書記載内容の解釈違いから、同一の病因や病態にもかかわらず、異なった認定が行われる可能性が生じているという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、本発明の目的は、受診時医療機関で作成された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援システム、プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、保険金支払支援システムは、病院や調剤薬局の窓口で発行が義務付けられる、検査や治療、投薬等の具体的な内容と医療費が記載された診療明細書に基づいて、保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援システムであって、予め作成された診療明細辞書マスタを参照して、診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、厚生労働省の定めた診療行為コード又は医薬品コードを付与し、診療行為データを作成する診療行為データ作成手段と、診療行為データから、予め作成された適応病名マスタ及び病名抽出ルールマスタを参照し、対応する適応病名、病名コード及びその確度の情報を付与し、適応病名データを作成する適応病名データ作成手段と、適応病名データから、予め作成された病名導出ルールに基づいて、適応病名データのうち少なくとも確度の高い病名を導出する病名導出手段と、病名導出手段により導出された病名を基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第1の支払い判断手段とを備えている。
【0012】
受診時医療機関にて無料で作成された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断することにより、契約者は診断書なしで保険金の請求が可能となり、診断書の作成料を節約することができる。また、診断書が不要のため、医療機関(医師等)の診断書作成業務及び時間を削減することができる。さらに、保険会社の認定担当者により人的な判断が不要であり、事務処理負担を軽減すると共に、より正確な判断結果を得ることが可能となり、契約者への適正かつ早期の支払いを実現することができる。
【0013】
本明細書において、診療明細書とは、受診した際に(即ち、患者が治療費を支払う際に)医療機関が無料で患者に発行する、診療内容や検査、処置、処方薬剤等を記した書類である。
【0014】
また、診療行為データから手術・処置に関する情報を抽出し、厚生労働省の定めた診療行為を区分するコード(Kコード等)を付与し、手術・処置データを作成する手術・処置データ作成手段と、手術・処置データを基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第2の支払い判断手段とをさらに備えていることが好ましい。これにより、診療明細書に手術・処置に関する内容がある場合、それに関連する保険の特約があった場合、保険金の支払いの対象となるか否かを判断することができる。
【0015】
また、第1の支払い判断手段及び前記第2の支払い判断手段により判断した保険金支払いの可否結果情報を認定結果データとして作成する認定結果データ作成手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、通信ネットワークを介して認定結果を契約者に通知することが可能となる。
【0016】
また、診療明細書において記載されている診療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、紙の診療明細書から簡単にテキストデータを形成することができる。
【0017】
さらに、テキストデータに対して診療行為コード又は医薬品コードを付与する際に、診療明細辞書マスタと一致せず、コードが付与できないテキストデータを診療明細辞書マスタに追加し補正する辞書更新手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、診療明細辞書マスタを常に更新し、マッチング率を向上することができる。
【0018】
本発明によれば、保険金支払支援プログラムは、病院や調剤薬局の窓口で発行が義務付けられる、検査や治療、投薬等の具体的な内容と医療費が記載された診療明細書に基づいて、保険金の支払い可否を判断する保険金支払支援プログラムであって、コンピュータを、予め作成された診療明細辞書マスタを参照して、診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータに対して、厚生労働省の定めた診療行為コード又は医薬品コードを付与し、診療行為データを作成する診療行為データ作成手段と、診療行為データから、予め作成された適応病名マスタ及び病名抽出ルールマスタを参照し、対応する適応病名、病名コード及びその確度の情報を付与し、適応病名データを作成する適応病名データ作成手段と、適応病名データから、予め作成された病名導出ルールに基づいて、適応病名データのうち少なくとも確度の高い病名を導出する病名導出手段と、病名導出手段により導出された病名を基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第1の支払い判断手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
また、コンピュータを、診療行為データから手術・処置に関する情報を抽出し、厚生労働省の定めた診療行為を区分するコード(Kコード等)を付与し、手術・処置データを作成する手術・処置データ作成手段と、手術・処置データを基に、保険の約款・特約マスタを参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断する第2の支払い判断手段としても機能させることが好ましい。
【0020】
また、コンピュータを、第1の支払い判断手段及び第2の支払い判断手段により判断した保険金支払いの可否結果情報を認定結果データとして作成する認定結果データ作成手段として機能させることが好ましい。
【0021】
また、コンピュータを、診療明細書において記載されている診療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段として機能させることが好ましい。
【0022】
さらに、コンピュータを、テキストデータに対して診療行為コード又は医薬品コードを付与する際に、診療明細辞書マスタと一致せず、コードが付与できないテキストデータを診療明細辞書マスタに追加し補正する辞書更新手段として機能させることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、記録媒体は、保険金支払支援プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、受診時医療機関にて無料で作成された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断することにより、契約者は診断書なしで保険金の請求が可能となり、診断書の作成料を節約することができる。また、診断書が不要のため、医療機関(医師等)の診断書作成業務及び時間を削減することができる。さらに、保険会社の認定担当者により人的な判断が不要であり、事務処理負担を軽減すると共に、より正確な判断結果を得ることが可能となり、契約者への適正かつ早期の支払いを実現することができる。
【0025】
また、保険金を請求する際に、診断書の作成依頼や診断書の受領までの時間が不要となる。医師(医療従事者)にとって、診断書を作成する時間が軽減されることになり、「働き方改革」の面からも有益となる。また、保険金を支払う保険会社にとっても、診断書の取り付け業務が軽減されることで、契約者からの保険金請求から、保険金の支払いまでの期間が短縮される。保険金請求から支払いまでの時間が短縮されることで、契約者へのサービスが向上する。
【0026】
また、認定業務については、担当者の実務経験年数や知識量により、解釈違いから生じる可能性のある、同一の病因や病態(検査や診察、治療)にたいして、認定内容の均質性が向上する。そのため、保険金の支払い可否判断や保障額等についての業務が効率化され、再鑑業務が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態における保険金支払支援システムの応用例を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示した保険金支払支援システムの構成を概略的に示す図である。
【
図3】保険金支払支援システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】保険金支払支援システムにおいて診療明細書に記載されている治療行為内容のテキストデータを作成する例を概略的に示す図である。
【
図5】保険金支払支援システムにおいて診療行為データを作成する例を概略的に示す図である。
【
図6】保険金支払支援システムにおいて適応病名を抽出する例を概略的に示す図である。
【
図7】保険金支払支援システムにおいて適応病名を抽出する方法の一例を概略的に示す図である。
【
図8】保険金支払支援システムにおいて病名導出及び保険金支払い該当判断例を概略的に示す図である。
【
図9】保険金支払支援システムにおいて病名を導出する方法の一例を概略的に示す図である。
【
図10】保険金支払支援システムにおいて手術・処置情報にコード付与及び手術保険金支払い該当判断例を概略的に示す図である。
【
図11】保険金支払支援システムにおいて認定結果データの生成及び表示例を概略的に示す図である。
【
図12】保険金支払支援システムにおいて認定結果データのサブ画面の表示例を示す図であり、(A)導出名全リスト、(B)診療明細アンマッチ情報である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る保険金支払支援システムシステム、プログラム及び記録媒体の実施形態を、図を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明の保険金支払支援システム100の応用例を示しており、
図2は保険金支払支援システム100の構成を概略的に示している。
【0030】
図1に示すように、保険金支払支援システム100は、契約者(利用者又は患者)端末101と、保険会社(保険機関)端末102と、診療行為マスタ103と、医薬品マスタ104とを通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。診療行為マスタ103及び医薬品マスタ104は、社会保険診療報酬支払基金が管理するデータベースである。診療行為マスタ103は、診療行為コード、区分、診療行為名称等の情報が含まれている。医薬品マスタ104は、医薬品コード、医薬品名称等の情報が含まれている。
【0031】
また、
図2に示すように、保険金支払支援システム100は、受信手段10と、入力手段20と、記録手段30と、処理手段40と、制御手段50と、表示手段60と、送信手段70と、出力手段80とを備えるコンピュータから構成され、契約者が提出した医療機関から発行された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断するように構成されている。
【0032】
受信手段10は、契約者端末101から保険会社端末102を経由して送信された診療明細書等の必要な情報を、インターネット等の通信ネットワークNを介して受信するように構成されている。この受信手段10により取得した情報は、記録手段30に記憶される。
【0033】
入力手段20は、キーボード又はタッチパネル等からなり、処理動作開始指令、必要な訂正情報等を入力するためのものである。本実施の形態において、保険会社端末102は入力手段としても機能する。なお、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CDROM(コンパクトディスク)、MO(光磁気ディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの媒体の読み取り装置を入力手段として格納した情報を読み取り、入力するように利用してもよい。
【0034】
記録手段30は、ハードディスク(HDD)、並びにRAM及びROMのメモリから主として構成される。記録手段30には、制御用プログラム以外に、診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し保険金の支払い可否の判断を行うためのプログラム30a、診療明細辞書マスタ31、適応病名マスタ32、病名抽出ルールマスタ33、病名導出ルールマスタ34、約款・特約マスタ35、手術・処置マスタ36、組合せマスタ37、確度マスタ38等の情報が格納されている。また、作成した診療明細書テキストデータ39a、契約者データ39b、事案データ39c、処理過程で形成された診療行為データ39d、適応病名データ39e、病名導出データ39f、傷病該当データ39g、手術・処置データ39h、手術・処置該当データ39i、認定結果データ39j等の情報を記憶されている。なお、記録手段30には、診療明細辞書マスタ31を更新するための補正用マスタ(図示せず)も記憶されている。
【0035】
プログラム30aは、コンピュータを、記録手段30と、データ処理手段40として機能させるものである。診療明細辞書マスタ31及び適応病名マスタ32は、社会保険診療報酬支払基金の診療行為マスタ103及び医薬品マスタ104を基に予め構成されたものである。診療行為マスタ103において、標準の治療行為名に対応するコードを有している。医薬品マスタ104において、医薬品に対応するコードを有している。病名抽出ルールマスタ33は、予め決められた病名抽出の基準・方法から構成された。病名導出ルールマスタ34は、予め決められた病名導出の基準・方法から構成された。約款・特約マスタ35は、保険会社が作成され、保険約款コード、保険種目名称、保険商品名称、保障内容等の項目からなるマスターテーブルである。手術・処置マスタ36は、手術名に対応する厚生労働省の定めた診療行為を区分するコード(Kコード等)を有している。組合せマスタ37は、「病名診断を目的とした行為」と「治療を目的とした行為」(診療行為)と合わせることで傷病名を特定することができる組合せに関するデータベースである。確度マスタ38は、「治療を目的とした行為」(診療行為)に関する傷病名の確度に関するデータベースである。
【0036】
処理手段40は、治療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段41と、診療行為データ作成手段42と、適応病名データ作成手段43と、病名導出手段44と、第1の支払い判断手段45と、手術・処置データ作成手段46と、第2の支払い判断手段47と、認定結果データ作成手段48と、辞書更新手段49とを備えている。
【0037】
データ化手段41は、診療明細書において診療区分ごとに記載されている治療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するように構成されている。診療行為データ作成手段42は、予め作成された診療明細辞書マスタ31を参照して、診療明細書に記載されている診療行為内容のテキストデータ(診療明細テキストデータ39a)に対して、厚生労働省の定めた診療行為コード又は医薬品コードを付与し、診療行為データ39dを作成するように構成されている。適応病名データ作成手段43は、診療行為データ39dから、予め作成された適応病名マスタ32を参照し、対応する適応病名(傷病名)、病名コード及びその確度の情報を付与し、適応病名データ39eを作成するように構成されている。病名導出手段44は、適応病名データ39eから、予め作成された病名導出ルールに基づいて、適応病名データ39eのうち少なくとも確度の高い病名を導出し、病名導出データ39fを作成するように構成されている。第1の支払い判断手段45は、病名導出手段44により導出された傷病名等を基に、保険の約款・特約マスタ35を参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断するように構成されている。手術・処置データ作成手段46は、診療行為データ39dから手術・処置に関する情報を抽出し、厚生労働省の定めた診療行為を区分するコード(Kコード等)を付与し、手術・処置データ39hを作成するように構成されている。第2の支払い判断手段47は、手術・処置データ39hを基に、保険の約款・特約マスタ35を参照し、保険金支払いの対象となるか否かを判断するように構成されている。認定結果データ作成手段48は、第1の支払い判断手段45及び第2の支払い判断手段47により判断した保険金支払いの可否結果情報を認定結果データ39jとして作成するように構成されている。辞書更新手段49は、診療明細書のテキストデータに対して診療行為コード又は医薬品コードを付与する際に、診療明細辞書マスタ31と一致せず、コードが付与できないテキストデータを診療明細辞書マスタ31に追加し補正するように構成されている。
【0038】
制御手段50は、CPU(Central Processing Unit)を備え、保険金支払支援システム100の全体動作を制御するためのものである。
【0039】
表示手段60は、CRT(Cathode-Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)等からなり、診療明細書、データ、文字又は画像から構成されたメッセージ、認定結果データ39j等を表示するように構成されている。出力手段80は、作成した認定結果データ39jを表示手段60、記録手段30、若しくは送信手段70、又はプリンタに出力し、紙等に印刷するように構成されている。
【0040】
図1において、通信ネットワークNは、インターネット、又はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等、種々のネットワークによって実現可能である。また、通信回線はSSLやVPN等技術により暗号化されるので、漏洩・傍受の可能性が極めて低い。
【0041】
契約者端末101において、保険金請求を行うために、契約者情報(氏名、電話番号等の契約者識別情報)を入力し、保険会社端末102に送信する。また、契約者端末101から診療明細書の画像データを、通信ネットワークNを介して保険会社担当者端末102に送信する。
【0042】
保険会社端末102において、契約者端末101から送られた契約者情報及び診療明細書に基づいて、事案情報を入力し、そして診療明細書の画像データをテキストデータに変換し、テキストデータを作成する。なお、診療明細書の画像データをテキストデータに変換する作業、又は診療明細書の内容を基に、テキストデータを入力する作業は、保険金支払支援システム100において行うようにしても良い。
【0043】
保険金支払支援システム100において、保険会社端末102からの認定処理指示を受け、処理作業を開始させる。
【0044】
以下、保険金支払支援システム100を用いて診療明細書の情報に基づいて、保険金支払いの可否を判断する処理手順について、
図3~
図12を参照して説明する。
図3は保険金支払支援システム100の処理過程の一例を示している。
【0045】
図3に示すように、保険金支払支援システム100の処理は、まず、保険会社端末102からログインし、そして、契約者端末から送信された保険金請求情報を基に、事案情報の登録・変更を行う(ステップS10)。次いで、診療明細書の画像データをテキストデータに変換し、テキストデータを作成する(ステップS20)。
図4は診療明細書の画像データ及び作成された診療明細テキストデータ39aの例を示している。
【0046】
次いで、診療明細テキストデータ39aに対して、診療明細辞書マスタ31を参照し、診療行為マスタ103及び医薬品マスタ104に準拠した診療行為コード、薬剤コード(医薬品コード)を付与し、診療行為データ39dを作成し保存する(ステップS30)。ここで、コードを付与できなかった診療行為アンマッチデータに対してステップS31で辞書更新処理を行い、新しいテキストデータを診療明細辞書マスタ31に追加する。
図5は診療明細テキストデータ39aに対して、診療行為コード、薬剤コードを付与し、作成された診療行為データ39dの例を示している。また、
図5において、診療行為アンマッチデータの例も示している。これら診療行為アンマッチデータに対して補正用マスタを参照し、診療行為マスタ103及び医薬品マスタ104に準拠した標準診療行為名にして診療明細辞書マスタ31に追加する。
【0047】
次いで、診療行為データ39dを基に、適応病名マスタ32及び病名抽出ルールマスタ33を参照して、適応病名(傷病名)を抽出し、適応病名及び病名コードを付与し適応病名データ39eを作成する(ステップS40)。
図6は診療行為データ39dから作成された適応病名データ39eの例を示している。
図6に示すように、適応病名データ39eには、診療明細、診療行為(医薬品)コード、病名コード、傷病名(適応病名名称)、ICD10コード及び確度の情報が含まれている。
【0048】
このステップS40において、
図7に示すように、まず、ステップS41で、医薬品データを含む診療行為データ39dを、診療区分に振り分け、さらに、「検査」「画像診断」のように「病名診断を目的とした行為」と、「手術」、「医薬品」「処置」及び「その他」等の「治療を目的とした行為」とに振り分ける。次いで、ステップS42で、「病名診断を目的とした行為」に対して、予め準備した組合せマスタ37と突合し、「治療を目的とした行為」と合わせることで傷病名を特定することができる組合せを抽出する。次いで、ステップS43で、「治療を目的とした行為」に対して、確度マスタ38と突合し、傷病名の特定確度別に振り分ける。また、確度未設定のデータを除外する。次いで、ステップS44で、ステップS42で組合せ対象となったデータと、ステップS43で確度が設定されたデータについて、適応病名マスタ32と突合し、適応病名コード及び名称、ICD10コードを抽出し適応病名抽出データとして保存する。
【0049】
次いで、適応病名データ39eから、病名導出ルールマスタ34を参照し、病名を導出し、病名導出データ39fを作成する(ステップS50)。ここで、医師が診断を行う際に行われた検査情報と診断後の治療内容(処置や投薬等)に対して、確度を考慮しながら総合的に判断し、病名を導出する。病名を導出する際、厚生労働省の定めた病名コードや、国際疾病分類コード(IDC-10等)を付与し、病名導出データ39fを抽出する。また、得られた病名導出データ39fを保存する。
【0050】
次いで、病名導出データ39fに基づいて、約款・特約マスタ35を参照し、導出した病名が保険金支払いの対象となるか否かを判断し、その結果を傷病該当データ39gとして作成し保存する(ステップS60)。
【0051】
図8は病名導出データ39f及び傷病該当データ39gの例を示している。
図8に示すように、病名導出データ39fには、病名コード、傷病名及びICD10コード等の情報が含まれている。傷病該当データ39gには、保険商品名、約款・特約ICD10コード、約款対象病名及び支払い該当の判断(例えば、「×」又は「〇」)等の情報が含まれている。
【0052】
上記のステップS50において、
図9に示すように、適応病名データ39eに対して、病名導出ルールマスタ34を参照し、病名導出データ39fを作成する際に、図中の「組合せ対象」、「確定」からなるグループのデータがある場合は、対象の傷病名のみを導出結果とする。図中の「確度:高」、「確度:中」、「確度:低」からなるグループのデータがある場合は、確度別に、抽出件数順、回数順にソートする。予め指定する件数分を導出結果とする。ここで、保険会社の約款・特約情報により予め設定された導出ルールに基づいて、抽出された傷病名のファイリングを実施する。
【0053】
次いで、診療明細書のテキストデータ39aに手術・処置に関する内容があるか否かを判断する(ステップS70)。ここで、診療明細書のテキストデータ39aに手術・処置に関する内容があると判断された場合(Yesの場合)は、ステップS80へ進む。一方、手術・処置に関する内容がないと判断された場合(Noの場合)は、ステップS100へ進む。
【0054】
次いで、ステップS80で、診療行為データ39dを基に、手術・処置マスタ36を参照し、手術・処置情報を抽出してコードを付与し、手術・処置データ39hを作成する。
【0055】
次いで、手術・処置データ39hに基づいて、約款・特約マスタ35を参照し、抽出した手術・処置内容が保険金支払いの対象となるか否かを判断し、その結果を手術・処置該当データ39iとして作成し保存する(ステップS90)。
【0056】
次いで、ステップS60及びS90で得られた傷病該当データ39g及び手術・処置該当データ39iを基に、認定結果データ39jを生成し保存する(ステップS100)。
図11は傷病該当データ39g及び手術・処置該当データ39iを基に、認定結果データ39jを生成し保存するイメージを示している。なお、ステップS70で、診療明細書のテキストデータ39aに手術・処置に関する内容がないと判断された場合(Noの場合)、ステップS60で得られた傷病該当データ39gのみを基に、認定結果データ39jを生成し保存する。
【0057】
次いで、ステップS110で、認定結果データ39jを表示する。認定結果データ39jの表示は、例えば、保険会社端末102に表示する。又は、保険会社端末102から査定結果を契約者端末101に送信し表示するようにしても良い。
図11は認定結果表示画面(メイン画面)の一例を示している。
図11に示すように、認定結果表示画面には、契約者(患者)名、医療機関名等を含む「事案情報」、「導出病名リスト」、「手術・処置リスト」及び「認定結果情報」等の情報が表示されている。
図12は
図11に示すメイン画面から表示されるサブ画面を示しており、同図(A)は導出病名全リストの画面であり、(B)は診療明細アンマッチ情報の画面である。
【0058】
本実施形態において、認定結果データ39jの表示以外に、認定結果データ39jのPDFファイルを生成し、通信ネットワークNを介してダウンロードすることができる。
【0059】
このように、本実施形態における保険金支払支援システム100は、受信手段10と、入力手段20と、記録手段30と、処理手段40と、制御手段50と、表示手段60と、送信手段70と、出力手段80とを備えるコンピュータから構成され、医療機関が発行された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断するように構成されている。受診時医療機関にて無料で作成された診療明細書に基づいて、該当する傷病名を導出し、保険金の支払い可否を判断する。
【0060】
これにより、契約者は診断書なしで保険金の請求が可能となり、診断書の作成料を節約することができる。また、診断書が不要のため、医療機関(医師等)の診断書作成業務及び時間を削減することができる。さらに、保険会社の認定担当者により人的な判断が不要であり、事務処理負担を軽減すると共に、より正確な判断結果を得ることが可能となり、契約者への適正かつ早期の支払いを実現することができる。
【0061】
また、保険金を請求する際に、診断書の作成依頼や診断書の受領までの時間が不要となる。医師(医療従事者)にとって、診断書を作成する時間が軽減されることになり、「働き方改革」の面からも有益となる。また、保険金を支払う保険会社にとっても、診断書の取り付け業務が軽減されることで、契約者からの保険金請求から、保険金の支払いまでの期間が短縮される。保険金請求から支払いまでの時間が短縮されることで、契約者へのサービスが向上する。
【0062】
また、認定業務については、担当者の実務経験年数や知識量により、解釈違いから生じる可能性のある、同一の病因や病態(検査や診察、治療)にたいして、認定内容の均質性が向上する。そのため、保険金の支払い可否判断や保障額等についての業務が効率化され、再鑑業務が軽減する。
【0063】
また、契約者が通信ネットワークNを介して診療明細書で保険金のオンライン請求が可能となる。
【0064】
本発明の他の実施形態としての保険金支払支援システム100用のプログラムは、コンピュータを上述した処理機能を実現させるものである。また、本発明の他の実施形態としての記録媒体は、上記プログラムを記記録したコンピュータが読み取ることができる記録媒体である。
【0065】
即ち、本発明の記録媒体は、上記プログラムを記録したハードディスク(HDD)、フラッシュメモリ、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CDROM(コンパクトディスク)、MO(光磁気ディスク)、又はDVD(デジタルビデオディスク)などの媒体である。
【0066】
なお、上述した実施形態において、保険金支払支援システム100と保険会社端末102が別に設置されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。保険金支払支援システム100と保険会社端末102とが一緒に設置されても良い。例えば、保険金支払支援システム100を保険会社に設置するようにしても良い。また、契約者端末101を設けずに、契約者(利用者)が診療明細書等情報を保険会社に郵送等にて提出するようにしても良い。
【0067】
また、上述した実施形態において、保険金支払支援システム100は、診療明細書に記載されている治療行為内容の文字列をテキストデータとしてデータ化するデータ化手段41を備える例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保険会社端末102からテキストデータを入力して保険金支払支援システム100に送信するようにしても良い。
【0068】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、医療機関で作成された診療明細書に基づいて、保険金の支払い可否の判断を行う目的に利用できる。
【符号の説明】
【0070】
10 受信手段
20 入力手段
30 記録手段
30a プログラム
31 診療明細辞書マスタ
32 適応病名マスタ
33 病名抽出ルールマスタ
34 病名導出ルールマスタ
35 約款・特約マスタ
36 手術・処置マスタ
37 組合せマスタ
38 確度マスタ
39a 診療明細書テキストデータ
39b 契約者(利用者)データ
39c 事案データ
39d 診療行為データ
39e 適応病名データ
39f 病名導出データ
39g 傷病該当データ
39h 手術・処置データ
39i 手術・処置該当データ
39j 認定結果データ
40 処理手段
41 データ化手段
42 診療行為データ作成手段
43 適応病名データ作成手段
44 病名導出手段
45 第1の支払い判断手段
46 手術・処置データ作成手段
47 第2の支払い判断手段
48 認定結果データ作成手段
49 辞書更新手段
50 制御手段
60 表示手段
70 送信手段
80 出力手段
100 保険金支払支援システム
101 契約者端末
102 保険会社端末
103 診療行為マスタ
104 医薬品マスタ
N 通信ネットワーク