(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2017128407
(22)【出願日】2017-06-30
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
【審査官】藤脇 沙絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-050534(JP,A)
【文献】特開2016-039991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を変動表示し、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部が供給する電力によって駆動する複数の電気的駆動部と、
前記複数の電気的駆動部のうち駆動する電気的駆動部を決定する駆動対象決定部と、
前記駆動対象決定部が決定した電気的駆動部の状態を示す駆動情報を設定する駆動情報設定部と、
駆動する電気的駆動部の数を判定する駆動判定部と、
前記識別情報の変動表示に伴って電気的駆動部を駆動可能な駆動制御部と、
電気的駆動部の駆動を制限する駆動制限部と、を備え、
前記駆動情報設定部は、前記駆動対象決定部が所定の電気的駆動部の駆動を決定したことに基づいて、当該所定の電気的駆動部の駆動開始時期よりも特定時間前の時期に、当該所定の電気的駆動部が駆動状態であることを示す駆動情報を設定し、当該所定の電気的駆動部が駆動を終了すると非駆動状態であることを示す駆動情報を設定するものとされ、
前記駆動判定部は、前記駆動情報設定部が設定した駆動情報に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数を判定し、
前記駆動制限部は、前記駆動判定部の判定に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、特定の電気的駆動部の駆動を制限する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、始動口に遊技球が入球すると識別情報を所定の変動態様に基づいて変動表示し、その識別情報が特定態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を行うものが知られている。この種の遊技機には、表示装置(液晶、7セグ等)や可動部材や発光部(LED等)等の電力供給によって駆動可能な電気的駆動部を備え、識別情報の変動表示に伴って、これら電気的駆動部を駆動して、演出効果を高める遊技機が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数の可動演出部を備えた可動演出ユニットを備え、パチンコ機の電源供給部から供給される電力を駆動力として可動演出部を所定態様で駆動させ、遊技演出を実行する遊技機について記載されている。このような遊技機では、複数の可動演出部を多様な動作態様で動作させ、演出効果を高めることを可能としている。またこの可動演出部の動作に合わせて、発光部(LED)を発光させ、演出効果を更に高めることとしている。
【0005】
このような遊技機では、演出効果が高い一方で、全ての可動演出部が同時に駆動したり、可動演出部と発光部とが同時に駆動したりする場合には、一時的に電力の消費量が多くなる場合がある。このように一時的に消費電力が過大となる期間があると、これらに耐えうる電力供給部とする必要があり、コストが高くなってしまう。また、消費電力が過大になると故障発生の原因となりうる。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気的駆動部の駆動に伴う電力消費が過大となることを防止しつつ、演出効果の高い遊技演出を実行し、遊技興趣を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
識別情報を変動表示し、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部が供給する電力によって駆動する複数の電気的駆動部と、
前記複数の電気的駆動部のうち駆動する電気的駆動部を決定する駆動対象決定部と、
前記駆動対象決定部が決定した電気的駆動部の状態を示す駆動情報を設定する駆動情報設定部と、
駆動する電気的駆動部の数を判定する駆動判定部と、
前記識別情報の変動表示に伴って電気的駆動部を駆動可能な駆動制御部と、
電気的駆動部の駆動を制限する駆動制限部と、を備え、
前記駆動情報設定部は、前記駆動対象決定部が所定の電気的駆動部の駆動を決定したことに基づいて、当該所定の電気的駆動部の駆動開始時期よりも特定時間前の時期に、当該所定の電気的駆動部が駆動状態であることを示す駆動情報を設定し、当該所定の電気的駆動部が駆動を終了すると非駆動状態であることを示す駆動情報を設定するものとされ、
前記駆動判定部は、前記駆動情報設定部が設定した駆動情報に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数を判定し、
前記駆動制限部は、前記駆動判定部の判定に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、特定の電気的駆動部の駆動を制限する
ことを特徴とするものである。
【0008】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示に伴って駆動可能な複数の電気的駆動部と、駆動する電気的駆動部を決定する駆動対象決定部と、駆動対象決定部が駆動を決定した電気的駆動部の状態(駆動状態又は非駆動状態)を示す駆動情報を設定する駆動情報設定部と、を備えている。また、駆動情報設定部は、駆動することを決定した電気的駆動部の駆動開始時期よりも特定時間前の時期に、当該所定の電気的駆動部が駆動状態であることを示す駆動情報を設定し、駆動を終了すると非駆動状態であることを示す駆動情報を設定するものとしている。そして、駆動判定部が駆動情報に基づいて同時期に駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、駆動制限部が特定の電気的駆動部の駆動を制限するものとしている。
【0009】
これにより、電気的駆動部が駆動開始する特定時間前から駆動判定の対象とすることが可能となり、複数の電気的駆動部が同時期に駆動して、これらの消費する駆動電力が過大となり、電子部品や基板等が損傷することを未然に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機によれば、遊技機の電力消費が過大となることを防止しつつ、演出効果の高い遊技演出を実行し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン割り込み処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図35】特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。
【
図37】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図38】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図39】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図40】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図42】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図43】駆動データ出力処理のフローチャートである。
【
図44】駆動データ出力処理のフローチャートである。
【
図48】実施例2の駆動データ出力処理のフローチャートである。
【
図49】実施例2の駆動データ出力処理のフローチャートである。
【
図50】実施例2の駆動データ出力処理のフローチャートである。
【
図51】可動装飾部材と発光部の駆動タイミングチャートを示す図である。
【
図52】可動装飾部材と発光部の駆動タイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下では、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1乃至
図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0014】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。本実施例では枠ランプ66をフルカラーのLEDによって構成している。
【0015】
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
【0016】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
【0017】
また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
【0018】
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(
図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
【0019】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が10R大当りや15R大当りなどの大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が2R第2大当りとなった場合に、小当りになったときと同じ演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
【0020】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出等の各種遊技演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0021】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0022】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態や、特別図柄当否判定の結果や、実行中の遊技演出の演出態様等に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13(13a、13b、13c)が配されている。
【0023】
この装飾部材13等の発光可能な装飾部材を、「発光部」や「電気的駆動部」ともいう。また、センター装飾体10の上部であって、
図3の紙面左側に配される装飾部材13を左装飾部材13a(左発光部)ともいい、紙面中央に配される装飾部材13を中装飾部材13b(中発光部)ともいい、紙面右に配される装飾部材13を右装飾部材13c(右発光部)ともいう。これら左中右装飾部材13a、13b、13cは、特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、所定の発光態様で発光制御可能とされる。また、左中右装飾部材13a、13b、13cは、特別図柄(演出図柄)の変動表示中に、所定の色や発光態様で発光することで、特別図柄(演出図柄)の変動表示の結果が特定態様(特別図柄当否判定の結果が大当り)となる可能性を示す予告演出を実行するものとされる。
【0024】
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14(14a、14b、14c)が設けられている。
図3では、可動装飾部材14(14a、14b、14c)の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出(リーチ演出やスーパーリーチ演出等)の実行に伴って、
図46及び
図47に示すように、可動装飾部材14(14a、14b、14c)が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、可動装飾部材14の大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
【0025】
この可動装飾部材14を、「可動部」や「電気的駆動部」ともいう。また、センター装飾体10の上部であって、
図3の紙面左側に配される可動装飾部材14を左可動装飾部材14a(左可動部)ともいい、紙面中央に配される可動装飾部材13を中可動装飾部材14b(中可動部)ともいい、紙面右に配される可動装飾部材14を右可動装飾部材14c(右可動部)ともいう。これら左中右可動装飾部材14a、14b、14cは、特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、所定の動作態様で動作制御可能とされる。また、左中右可動装飾部材14a、14b、14cは、特別図柄(演出図柄)の変動表示中に、可動装飾部材14を何個動作させるか(1、2、又は3)や、どの可動装飾部材14を動作させるかや、可動装飾部材14をどの動作態様で動作させるか等によって、特別図柄(演出図柄)の変動表示の結果が特定態様(特別図柄当否判定の結果が大当り)となる可能性を示す予告演出を実行するものとされる。
【0026】
また、
図46及び
図47に示すように、可動装飾部材14a、14b、14cの動作態様として、動作しない態様(
図46(a))と、左可動装飾部材14aだけが特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで落下動作する態様(
図46(b))と、左可動装飾部材14a及び右可動装飾部材14cが特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで夫々落下動作する態様(
図47(c))と、左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、及び、右可動装飾部材14cの3個すべての可動装飾部材14が特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで夫々落下動作する態様(
図47(d))と、を有している。また図示は省略するが、右可動装飾部材14cだけが特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで落下動作する態様や、中可動装飾部材14bだけが特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで落下動作する態様や、左可動装飾部材14a及び中可動装飾部材14bが特別図柄(演出図柄)の変動表示中の所定タイミングで夫々落下動作する態様等を有していてもよい。
【0027】
また、これら左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、及び、右可動装飾部材14cの動作態様として、単に1回だけ落下する態様や、落下上昇を繰り返す動作態様や、振動する動作態様や、左右に動作する動作態様や、回転する動作態様や、複数の可動装飾部材が動作する場合にはそれぞれが同時又は異なるタイミングで動作する動作態様を有することが可能である。
【0028】
また、本実施例では、特別図柄(演出図柄)の変動表示中に動作する可動装飾部材14の数が多い予告演出(例えば、3個すべてを動作させる予告演出)の方が、動作する可動装飾部材14の数が少ない予告演出(例えば、1個だけを動作させる予告演出)よりも、大当りとなる可能性が高いことを報知する予告演出とされている。
【0029】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0030】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0031】
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0032】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0033】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0034】
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
【0035】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「3」、第2始動口21の賞球数は「1」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
【0036】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
【0037】
また、
図3および
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
【0038】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
【0039】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様が大当りや小当りを示す特定態様(大当り図柄、小当り図柄)である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技、総じて「当り遊技」ともいう)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0040】
具体的に、
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が10R第1大当り(第1大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、2R第2大当り(第2大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、2R第3大当り(第3大当り)となった場合には、「ikl」の3個のLEDを点灯して残りを消灯する。また小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められているが、第2特別図柄当否判定の結果には、第1特別図柄当否判定の結果に含まれている2R大当り及び小当りが存在せず、第1特別図柄当否判定では存在しない15R大当りが含まれている。特別図柄が停止表示される前には所定の変動表示時間(以下「変動時間」という)にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0042】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0043】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0044】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0045】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0046】
具体的には
図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0047】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
【0048】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0049】
次に
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
【0050】
また、
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0051】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0052】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。
【0053】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0054】
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
【0055】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0056】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0057】
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたCRユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
【0058】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0059】
また
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0060】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0061】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用マイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0062】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
【0063】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0064】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14は複数の装飾LED14cを含んで構成されており(
図5、
図48b参照)、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14の動作には、可動装飾部材14の上下動だけでなく、装飾LED14cの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。
【0065】
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(
図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0066】
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
【0067】
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、
図6に示すように、大当りとして「10R(ラウンド)第1大当り」、「2R第2大当り」、「2R第3大当り」、「15R第4大当り」及び「10R第5大当り」の5種類を設けている。「10R第1大当り」および「10R第5大当り」は、1ラウンド及び2ラウンドにおいて第2大入賞口35を開放し、第3ラウンド~第10ラウンドにおいて第1大入賞口30を開放する大当り遊技に係る大当りである。ラウンド数が10回で、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放時間が1ラウンドにつき25秒の大当りである。「2R第2大当り」及び「2R第3大当り」は、1ラウンド及び2ラウンドにおいて第2大入賞口35を開放する大当り遊技に係る大当りである。ラウンド数が2回で、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回で、開放時間が1ラウンドにつき0.9秒の大当りである。「15R第4大当り」は、1ラウンド及び2ラウンドにおいて第2大入賞口35を開放し、第3ラウンド~第15ラウンドにおいて第1大入賞口30を開放する大当り遊技に係る大当りである。ラウンド数が15回で、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放時間が1ラウンドにつき25秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。「2R第2大当り」及び「2R第3大当り」は、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、遊技球の入球は可能であるものの、10R第1大当り等の他の大当りと比較して大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)への遊技球の入球可能性が低いものとなっている。
【0068】
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第1大当りまたは15R第4大当りとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。また、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の2R第2大当りとなった場合には、当該大当りとなった際の遊技状態が時短状態(且つ高ベース状態)であれば、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。一方、同2R第2大当りとなった場合であって、当該大当りとなった際の遊技状態が非時短状態(且つ低ベース状態)であれば、「高確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」とする。すなわち、2R第2大当りとなった際の遊技状態によって、2R第2大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態が、異なる遊技状態に設定される。
【0069】
また、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第5大当りとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。また、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の2R第3大当りとなった場合には、当該大当りとなった際の遊技状態が時短状態(且つ高ベース状態)であれば、「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。一方、同2R第3大当りとなった場合であって、当該大当りとなった際の遊技状態が非時短状態(且つ低ベース状態)であれば、「低確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」とする。すなわち、2R第2大当りと同様、2R第3大当りとなった際の遊技状態によって、2R第3大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態が、異なる遊技状態に設定される。
【0070】
このことから、10R第1大当り、2R第2大当り及び15R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、2R第3大当り及び10R第5大当りは「非確変大当り(通常大当り、低確率大当り)」として捉えることができる。また、2R第2大当り及び2R第3大当りは、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.9秒で開放(短期間開閉)させる大当りであり、このように開放時間が極短時間で開放するため、第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は、他の大当り(10R第1大当りや15R第4大当りや10R第5大当り)と比べて低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R第2大当りは、所謂「突然確変大当り(突確)」と呼ばれるものであり、「出球無し確変大当り」ともいう。また、このような2R第3大当りは、所謂「突然通常大当り(突通)」と呼ばれるものであり、「出球無し通常大当り」ともいう。また、2R第2大当り及び2R第3大当りに係る大当り遊技の開閉態様を、遊技球の入球が困難な程度の極短時間の開閉(一瞬開閉)としてもよい。
【0071】
一方、小当りは、見かけ上2R第2大当りと2R第3大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、第2大入賞口35を0.9秒間開放させる動作を2回行う。また、開放と開放との間の閉鎖時間も、2R第2大当り遊技及び2R第3大当り遊技に係る閉鎖時間(ラウンド間の閉鎖時間)と同じに設定されている。但し、小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となり、小当り遊技の実行前の遊技状態が高確率状態であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も高確率状態となる。そして遊技者から見れば、前述の2R第2大当りと2R第3大当りと小当りとは、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が、2R第2大当りになったのか、2R第3大当りになったのか、小当りになったのか、を、当り遊技中の大入賞口の開放パターンからは認識するのが困難である。また、後述するように、2R第2大当りと小当りとにおいて、当該当りとなった際の遊技状態が非時短状態(通常状態)であれば、演出図柄の変動表示態様及び停止表示態様を共通にすると共に、2R第2大当り遊技及び小当り遊技中に実行される遊技演出を共通の遊技演出とするため、遊技者は、2R第2大当りとなったか、小当りとなったかを識別することが困難である。
【0072】
そのため、2R第2大当りが実行された場合に、実行された当り遊技が、2R第2大当り遊技であるかどうか、すなわち、当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識する(判別する)のは困難である。また同様に、小当りが実行された場合に、実行された当り遊技が、小当り遊技であるかどうか、すなわち、当り遊技終了後の遊技状態が変化していない(低確率状態のまま)かどうかを認識する(判別する)のは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第2大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。また、当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態であるかもしれないと考えさせ、遊技を終了し難くすることが可能となる。これにより、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
【0073】
また、
図6に示すように、2R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R及び2Rにおいて、第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この大当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間の合計が1.8秒である。また、本実施例のパチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させることは十分に可能である。またこの2R第2大当りは、第2大入賞口35の総開放時間が1.8秒と短いため、他の大当り(10R第1大当りや15R第4大当り等)のように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。また、小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第2大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒と短いため、2R第2大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典が小さい(入球による賞球のみ)。
【0074】
尚、第1特別図柄(特
図1)の当否判定において大当りとなった場合における各大当り(種別)への振分確率は、10R第1大当りが40%、2R第2大当りが20%、2R第3大当りが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、15R第4大当りが60%、10R第5大当りが40%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、第2大入賞口35が一瞬開閉するだけで賞球払い出しの実行可能性の低い2R第2大当り及び2R第3大当りが出現せず、比較的高い確率で15R第4大当りとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている(遊技者に有利な特典が付与される可能性が高い)。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
【0075】
ここで実施例1のパチンコ遊技機1は、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
【0076】
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0~240」までの範囲で値をとる。
【0077】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(
図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
【0078】
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0079】
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
【0080】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
【0081】
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0082】
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0083】
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、10R第1大当り、2R第2大当り(但し、時短状態での当りに限る)及び15R第4大当り(総じて「確変大当り」ともいう)の何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。また、当該大当りが「確変大当り」であった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が再度高確高ベース状態に設定される。尚、本実施例1では、高確高ベース状態は、予め定められた回数(「10,000」回)の特別図柄の変動表示が実行されると、低確低ベース状態に移行するものとされているが、これは特別図柄の変動時間と一日の営業時間とを考慮すると、(一日の営業時間中に10,000回の変動表示を行うことはできず)実質的には、高確高ベース状態は、次回の大当りまで継続するものといえる。また、この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者に認識可能な「確変状態(確変モード)」となる。
【0084】
また、非時短状態において2R第2大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(
図6参照)。つまり、低ベース状態における高確率状態であり、この様な遊技状態を「潜伏確変状態」ともいう。また、2R第3大当り(但し、時短状態での当りに限る)及び10R第5大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の低確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、当該大当り遊技に係る大当りの種別によって、大当り遊技終了後の遊技状態は前述した高確高ベース状態や低確高ベース状態等に設定される。
【0085】
また、非時短状態において2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の低確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、つまり通常状態(低確低ベース状態)となる(
図6参照)。尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」、「高確低ベース状態」の4つの遊技状態を設定可能としている。
【0086】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すべき(右打ちすべきこと)ことを報知する。
【0087】
これに対して、低確低ベース状態や高確低ベース状態等の低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射すべきこと(左打ちすべきこと)を報知する。
【0088】
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0089】
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、大当り遊技や小当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。また、「高確低ベース状態」についても、始動口への入球頻度は低い状態であるものの、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率は通常状態よりも高く設定されており、遊技者にとって有利な状態といえる。従って、「高確低ベース状態」における遊技も同様に、「特別遊技)」としてもよい。
【0090】
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により(多量の)賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
【0091】
また、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる状態であることから、低ベース状態を「左打ち状態」として捉えることができる。一方、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態および第1大入賞口30や第2大入賞口35への遊技球の入球を狙う大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる状態であることから、高ベース状態や大当り遊技状態を「右打ち状態」として捉えることができる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このことから、左打ち状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。また、右打ち状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
【0092】
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較すると、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、高確低ベース状態も「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技も「特別遊技」として捉えることができる。
【0093】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」「第2特図」ということがある。
【0094】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0095】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0096】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0097】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(
図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0098】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0099】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)および電源断監視処理(S208)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S209)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0100】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
【0101】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0102】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309に進むが、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S307)。
【0103】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0104】
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0105】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0106】
[始動入球時処理]
遊技制御用マイコン81は、
図12に示した始動口センサ検知処理(S204)に次いで、
図13に示す始動入球時処理(S205)を行う。始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算している場合、特
図2保留球数が「1」増加したと判定して(S315でYES)、S316に移行し、増加してなければ(S315でNO)、S319に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値等(取得情報)を読み出し(S316)、読み出した取得乱数値等を特
図2始動入球コマンドとしてセットし(S318)、S319の処理に移行する。この特
図2始動入球コマンドには、始動口センサ検知処理において取得した取得情報を含む。
【0107】
すなわち、第2始動口35への入球に基づいて取得した第2特別図柄当否判定用乱数の値、大当り種別判定用乱数の値、及び、変動パターン乱数の値を示す情報を含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成する。また、始動入球コマンドには、始動口への入球に基づいて取得した取得情報(取得乱数値)に加え、現在の保留球数(主制御部80における未消化の取得情報の記憶数)を示す記憶数情報、及び、遊技状態(時短状態又は非時短状態、高確率状態又は低確率状態、高ベース状態又は低ベース状態)を示す遊技状態情報を含むコマンドデータとされる。そしてこの始動入球コマンドを、主制御基板80のRAMに設けられたサブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S318)。すなわち、本実施例1では、始動口への入球時に取得情報の判定処理を行うことなく、当該取得情報(取得情報自体、又は取得情報を示す情報)をサブ制御部90に送信し、後述するように、サブ制御部90で事前判定して所定の事前演出を行うものとしている。
【0108】
次いでS319では、前述の特
図2と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算している場合、特
図1保留球数が「1」増加したと判定して(S319でYES)、S320に移行し、増加してなければ(S319でNO)、そのまま処理を終える。S320では、現在、低ベース状態であるか否かを判定し(S320)、低ベース状態でなければ(S320でNO)、そのまま処理を終え、低ベース状態であれば(S320でYES)、S321以降の処理に進む。ここで、現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば特
図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特
図2保留消化の優先を利用して、特
図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特
図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S320でNO)、S321以降の特
図1の事前判定に係る処理を行わないこととしている。
【0109】
尚、S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値等を特
図1始動入球コマンドとして生成し、この始動入球コマンドを出力バッファにセットし(S323)、処理を終える。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
【0110】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0111】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0112】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0113】
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0114】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
【0115】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0116】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0117】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0118】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0119】
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0120】
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0121】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、
図21に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0122】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示領域7aに待機画面(デモ画面)用の画像(以下、単に「待機画面」という)を表示する待機画面表示処理中であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
【0123】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定で大当りとなる方が、第1特図保留に基づく当否判定で大当りとなるよりも、遊技者にとって利益の大きい大当り(本実施例では15R第4大当り)になりやすくなっている(
図8(B))。
【0124】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0125】
当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、当否判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、当否判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0126】
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、10R用ランプ及び15R用ランプの3個のLEDで構成されている。そして、例えば2R第2大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲10△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、10R第1大当り、10R第3大当り又は10R第5大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△10R▲15R△」の様な表示態様となる。また、15R第4大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△10R△15R▲」の様な表示態様となる。
【0127】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(
図22)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当り(但し、2R第2大当り、2R第3大当りを除く)に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
【0128】
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP6乃至P9の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP10乃至P13の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
【0129】
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当り(但し、2R第2大当り、2R第3大当りを除く)に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP14乃至P16の何れかが選択される。
【0130】
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」か否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2乃至4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP23乃至P26の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
【0131】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
【0132】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0133】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示す特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0134】
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、かつ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0135】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、判定値として、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1601)。S1601に続くS1602~S1605の処理は、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理を行うので、説明を省略する。特
図1当否判定処理では、特
図2当否判定処理と異なり、当否判定の結果が小当りとなりうるため、S1606以降の処理が異なっている。
【0136】
S1605で、当否判定の結果が「大当り」と判定した場合(S1605でYES)、次いで、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1609)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1610)、大当りフラグをONにし(S1611)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、10R第1大当り、2R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第4大当り及び10R第5大当りの何れかが実行される(
図8(B))。
【0137】
一方、S1605で当否判定の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1605でNO)、次いで、小当りか否かを判定する(S1606)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)が、小当り判定値である「101」~「105」の何れかと一致するか否かを判定する(
図8(A))。そしてS1606で、「小当り」でないと判定した場合(S1606でNO)、外れ図柄を決定し(S1612)、処理を終える。つまり、当否判定の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、S1606で、小当り判定の結果が「小当り」であると判定した場合(S1606でYES)、小当り図柄を決定し(S1607)、小当りフラグをONにして(S1608)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
【0138】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)ではまず、S1701で、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。そして、時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1702)、大当りフラグがONであると判定した場合(S1702でYES)、次いで、2R大当り(2R第2大当り又は2R第3大当り)であるかどうかを判定する(S1703)。S1703で、2R大当り(2R第2大当り又は2R第3大当り)であると判定した場合(S1703でYES)、非時短2R大当り(2R第2大当り又は2R第3大当り)用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ2R大当り(2R第2大当り又は2R第3大当り)に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
【0139】
一方、S1703で、2R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、非時短大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当り(但し、2R第2大当り、2R第3大当りを除く)に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。S1702で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1702でNO)、次いで、小当りフラグがONか否かを判定する(S1707)。そして、小当りフラグがONであると判定した場合(S1707でYES)、非時短小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP5が選択される。
【0140】
また、S1707で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S1707でNO)、保留数が1又は2の何れかであるかどうかを判定する(S1708)。S1708で、保留数が1又は2の何れかであると判定した場合(S1708でYES)、非時短第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留数1,2に該当する部分)を参照して、変動パターンを選択する(S1709)。具体的には、変動パターンP6乃至P9の何れかが選択される。一方、S1708で、保留数が1又は2の何れでもない、すなわち保留数が3又は4であると判定した場合(S1708でNO)、非時短第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留数3,4に該当する部分)を参照して、変動パターンを選択する(S1710)。具体的には、変動パターンP10乃至P13の何れかが選択される。
【0141】
またS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、
図29に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1702~S1711と同様の流れで処理(S1712~S1720)を行う。すなわち、大当りであれば
図9の時短状態且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば
図9の時短状態且つ小当りに該当する部分を参照し、外れであれば
図9の時短状態且つ外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
【0142】
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りとなった場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
【0143】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図28に示すその他の処理(S1705)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0144】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0145】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22に示す特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0146】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(
図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0147】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0148】
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0149】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第4大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2007の処理に移行する。
【0150】
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が10R大当り(10R第1大当り、10R第3大当り又は10R第5大当り)か否かを判定する(S2004)。S2004で、10R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「10」をセットし(S2005)、S2007の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が10R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、大当り種別は2R大当り(2R第2大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2006)、S2007の処理に移行する。S2007では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2007)、S2008の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口開放パターンは、大当りの種別に応じて定められている(
図6参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2007でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
【0151】
S2008では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2008)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、10R第1大当り用オープニングコマンド、2R第2大当り用オープニングコマンド、2R第3大当り用オープニングコマンド、15R第4大当り用オープニングコマンド、10R第5大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。このセットされたオープニングコマンドによって、この後、対応するオープニング演出が実行される。そして、S2009で大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2009)、特図動作ステータスを「4」にセットし(S2010)、処理を終える。
【0152】
一方、S2001で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、次いで、小当りフラグがONかどうかを判定する(S2011)。S2011で、小当りフラグがONであると判定した場合(S2011でYES)、小当り用開放カウンタの値に「2」をセットし(S2012)、小当り用大入賞口開放パターンをセットする(S2013)。この小当り用大入賞口開放パターンは、前述した通り、2R第2大当り用の大入賞口開放パターン及び2R第3大当り用の大入賞口開放パターンと共通の開放パターン(開閉パターン)とされている。次いで、S2014でオープニングコマンドをセットし(S2014)、オープニング期間を開始し(S2015)、特図動作ステータスを「5」にセットし(S2016)、処理を終える。一方、S20111で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S2011でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2017)、処理を終える。
【0153】
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0154】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口30の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期か否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
【0155】
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2007でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
【0156】
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。S2112では、大入賞口開放動作中か否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。S2112で大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、開放動作中の大入賞口(第2大入賞口35)に遊技球が入球したかどうかを判定する(S2127)。
【0157】
S2127で、大入賞口に遊技球が入球したと判定した場合(S2127でYES)、大入賞口に遊技球が入球したことを示す入球コマンドをセットし(S2128)、S2113の処理に移行する。一方、S2127で、大入賞口に遊技球が入球していないと判定した場合(S2127でNO)、入球コマンドをセットすることなくS2113の処理に移行する。S2128でセットされた「入球コマンド(大入賞口入球コマンド)」は、S201の出力処理で主制御部80からサブ制御部90に送信される。「入球コマンド(大入賞口入球コマンド)」を受信したサブ制御部90は、当該入球コマンドに基づいて所定の遊技演出を実行する。
【0158】
S2113では、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25sや0.9s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
【0159】
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。尚、S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
【0160】
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
【0161】
そして、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(
図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0162】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が10R第1大当り、2R第2大当り又は15R第4大当りに係るものであるか否か、すなわち、確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットする(S2203)。次いで、終了したのが確変大当りのうち2R第2大当りかどうかを判定し(S2204)、2R第2大当りでない、すなわち、10R第1大当りか15R第4大当りであると判定した場合(S2204でNO)、S2205の処理に移行する。
【0163】
一方、S2204で、終了したのは2R第2大当りであると判定した場合(S2204でYES)、次いで、大当り遊技前は時短状態であったかどうか、すなわち、2R第2大当りとなった際に遊技状態が時短状態であったかどうかを判定する(S2207)。S2207で、大当り遊技前の遊技状態は時短状態であったと判定した場合(S2207でYES)、S2205の処理に移行する。S2205では、時短フラグをONにし(S2205)、次いで、時短カウンタに「10,000」をセットし(S2206)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」に設定される。一方、S2207で、大当り遊技前は時短状態でない、すなわち、2R第2大当りとなった際の遊技状態は非時短状態(低ベース状態)であると判定した場合(S2207でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が、「高確低ベース状態」に設定される。この様に、非時短状態において2R第2大当りとなった場合には、高確率状態且つ非時短状態とし、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しないものとしている。これにより、後述する非時短状態(低確定ベース状態)において小当りとなった場合の小当り遊技後の遊技状態(低確低ベース状態)と、2R第2大当りに係る大当り遊技後の遊技状態(高確高ベース状態)と、を識別困難とすることを可能としている。
【0164】
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や、遊技店の1日の営業時間及び当該営業時間内に実行可能な特別図柄当否判定回数を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで、又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合であって、時短フラグがONに設定される場合は、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)もともに設定される。尚、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回まで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグ及び時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、実際に次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
【0165】
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、次いで、終了したのは2R第3大当りかどうかを判定する(S2208)。S2208で、2R第3大当りでない、すなわち、10R第5大当りであると判定した場合(S2208でNO)、S2209の処理に移行する。S2208で、終了したのが2R第3大当りであると判定した場合(S2208でYES)、次いで、大当り遊技前は時短状態であったか、すなわち、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったかどうかを判定する(S2211)。S2211で、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2211でYES)、S2209の処理に移行する。S2209では、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。
【0166】
これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。また、S2211で、2R大当りとなった際の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)であったと判定した場合(S2211でNO)、時短フラグをONすることなく、処理を終える。すなわち、非時短状態(低ベース状態)において、2R第3大当りとなった場合、当該大当り遊技後の遊技状態は非時短状態(低ベース状態)に設定される。
【0167】
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放動作中かどうかを判定する(S2302)。S2302で、開放動作中でないと判定した場合(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放動作を開始する時期であるかどうかを判定する(S2303)。S2303で、大入賞口の開放動作の開始時期でないと判定した場合(S2303でNO)、処理を終える。一方、S2303で、大入賞口の開放動作の開始時期であると判定した場合(S2303でYES)、S2305の処理に移行する。S2305では、開放開始コマンドをセットし(S2305)、大入賞口の開放動作を開始し(S2306)、処理を終える。これにより、小当りの開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
【0168】
また、S2302で、第2大入賞口35の開放動作中であると判定した場合(S2302でYES)、次いで、開放動作中の第2大入賞口35に遊技球が入球したかどうかを判定する(S2307)。S2307で、第2大入賞口35に遊技球が入球したと判定した場合(S2307でYES)、大入賞口に遊技球が入球したことを示す入球コマンド(大入賞口入球コマンド)をセットし(S2308)、S2309の処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35に遊技球が入球していないと判定した場合(S2307でNO)、入球コマンドをセットすることなく、S2309の処理に移行する。尚、S2308でセットされた入球コマンド(大入賞口入球コマンド)は、S201の出力処理により、主制御部80からサブ制御部90に送信される。「入球コマンド(大入賞口入球コマンド)」を受信したサブ制御部90は、当該入球コマンドに基づいて所定の遊技演出を実行する。
【0169】
S2309では、小当り遊技の終了条件が成立したかどうかを判定する(S2309)。ここで、小当り遊技の終了条件は、(1)小当り遊技の開放動作中における第2大入賞口35への入球個数(2回の開放において入球した遊技球を全て足した数)が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達した場合、又は(2)小当り遊技用の大入賞口開放パターン(
図6参照)を全て終えた場合、に成立する。すなわち、これら条件(1)及び条件(2)のうち何れか先に成立した条件に基づいて小当り遊技を終了する。S2309で、小当り遊技の終了条件が成立していないと判定した場合(S2309でNO)、処理を終える。一方、S2309で、小当り遊技の終了条件が成立したと判定した場合(S2309でYES)、次いで、小当り終了処理を行う(S2310)。小当り終了処理(S2310)では、小当り遊技を終了させる処理として、小当り遊技のエンディングコマンドをセットし、次いで、小当り遊技のエンディング期間を開始し(S2311)、小当り終了フラグをONにし(S2312)、処理を終える。
【0170】
また、S2301において、小当り終了フラグがONであると判定した場合(S2301でYES)、小当り遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2313)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2313でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2313でYES)、小当り終了フラグをOFFにし(S2314)、小当りフラグをOFFにし(S2315)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2316)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(
図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0171】
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、
図34)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
【0172】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで電源断監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では
図36に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、大当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理をする。
【0173】
[サブ制御メイン処理]
次に、演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから
図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0174】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S208)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0175】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0176】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0177】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0178】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2ms周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である(すなわち、本処理は、2msの制御周期で繰り返し実行される制御処理である)。
図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、後述する駆動データ出力処理を行う(S4203)。駆動データ出力処理(S4203)では、駆動する可動装飾部材(可動部)を特定可能な第1乃至第3駆動状態フラグを設定すると共に、対象となる可動装飾部材14(可動部、電気的駆動部)を駆動するための駆動データを出力する。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0179】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である(すなわち、本処理は、10msの制御周期で繰り返し実行される制御処理である)。
図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、後述する駆動制限処理を行う(S4306)。駆動制限処理(S4306)では、本遊技機が備える複数の可動装飾部材14(可動部、電気的駆動部)のうち、同時期(同時)に駆動する可動装飾部材14の個数が、予め定めた個数を超えた場合に、所定の発光部(電気的駆動部)の駆動態様を制限する処理である。制限の制御態様(駆動態様)は、特定の発光部を駆動不能(駆動不能状態)としたり、非制限期間よりも少ない電力で駆動させる駆動態様(省エネ駆動態様)としたりすることが可能である。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を行う(S4305)。
【0180】
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理を行い(S4400)、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(特別図柄当否判定用乱数値、大当り種別判定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。
【0181】
例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる各種情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。そして、詳しくは後述するが、記憶した各種情報に基づいて事前判定を行い、事前判定結果に基づいて当該取得情報に係る変動表示を開始する前に予告演出等の遊技演出を行う。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域(「第2保留記憶手段」ともいう)も「取得情報記憶手段」といえる。
【0182】
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0183】
続いて、S4408では、主制御基板80から当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、当り遊技関連コマンドとは、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行にあたり主制御基板80からサブ制御部90に送信されるコマンドのことであり、具体的には、当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、当り遊技中に大入賞口に遊技球が入球した場合に送信される入球コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド等が該当する。S4408では、これらの当り遊技関連コマンドの何れかを受信したかどうかを判定し、受信していなければ(S4408でNO)、S4410の処理に移行し、受信していれば(S4408でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4409)。
【0184】
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。これらのセットした当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出(開放動作中演出)等の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。最後にS4410の処理を行い、本処理を終える。S4410では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4410)。
【0185】
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。
図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
【0186】
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理(第1変動パターン選択手段)で選択された変動パターンを特定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを特定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを特定する情報には、
図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の当否判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報(大当り種別判定結果)等が含まれている(
図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が第1特別図柄に係るものなのか第2特別図柄に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、これらの変動パターン情報や当否判定結果や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0187】
続いて、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出(変動演出)も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。
【0188】
また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードA~Eの5種類の演出モードを有している。演出モードA,Bは、低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは、低確高ベース状態に制御されているときに実行される。また、演出モードDは高確高ベース状態又は高確低ベース状態に制御されているときに実行される。これら、演出モードA~Dは、何れも、遊技状態を遊技者が認識可能な演出モードであり、演出モードA又はBを実行することで、遊技状態が低確低ベース状態(通常状態、通常モード)であることを示唆し、演出モードCを実行することで、遊技状態が低確高ベース状態(時短状態、時短モード)であることを示唆し、演出モードDを実行することで、遊技状態が、高確高ベース状態又は高確低ベース状態、すなわち高確率状態であることを示唆する。尚、高確高ベース状態と、高確低ベース状態とを示唆する演出モードとして、異なる演出モードを設けてもよい。
【0189】
また、演出モードEは、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態か低確率状態かを報知しない非報知状態とするときに実行される。すなわち、演出モードEは、遊技者に遊技状態を示唆するためのものではなく、遊技者に遊技状態を認識困難とさせるための演出態様である。またこの演出モードEは、2R第2大当り遊技又は小当り遊技の終了後であって、所定のときに実行され、その際の遊技状態は、低確低ベース状態又は高確低ベース状態とされる。従って、演出モードがA~Dのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態がどういった状態であるかを把握したり、予測したりすることが可能となる。また、演出モードEが実行された場合には、高確率状態に期待して遊技を行うこととなる。
【0190】
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
【0191】
次いで、S4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数の値、及び、S4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、変動パターン情報「P1」に対応する変動演出パターンを選択する(S4505)。次いで、S4507乃至S4512の処理で、実行する変動演出パターン(遊技演出パターン)に、可動装飾部材14a、14b、14cを駆動するパターンがあるかどうかを判定する。そして、所定の可動装飾部材14a、14b、14cを駆動する場合には、対応する可動部駆動フラグをONにする。
【0192】
具体的に、S4507では、決定した変動演出パターンに左可動装飾部材14a(左可動部)を駆動するパターンがあるかどうかを判定し(S4507)、左可動装飾部材14a(左可動部)を駆動するパターンがあると判定した場合(S4507でYES)、左可動部駆動フラグをONにし(S4508)、S4509に移行する。ここで、「左可動部駆動フラグ」とは、実行する変動演出パターンに左可動部(左可動装飾部材14a)を駆動するパターンを有している場合にONにされるフラグであり、当該変動演出パターンにおいて左可動部の駆動パターンを全て終了するとOFFにされる。一方、S4507で、左可動装飾部材14a(左可動部)を駆動するパターンがないと判定した場合(S4507でNO)、S4509に移行する。
【0193】
S4509では、決定した変動演出パターンに右可動装飾部材14c(右可動部)を駆動するパターンがあるかどうかを判定し(S4509)、右可動装飾部材14c(右可動部)を駆動するパターンがあると判定した場合(S4509でYES)、右可動部駆動フラグをONにし(S4510)、S4511に移行する。ここで、「右可動部駆動フラグ」とは、実行する変動演出パターンに右可動部(右可動装飾部材14c)を駆動するパターンを有している場合にONにされるフラグであり、当該変動演出パターンにおいて右可動部の駆動パターンを全て終了するとOFFにされる。一方、S4509で、右可動装飾部材14c(右可動部)を駆動するパターンがないと判定した場合(S4509でNO)、S4511に移行する。
【0194】
S4511では、決定した変動演出パターンに中可動装飾部材14b(中可動部)を駆動するパターンがあるかどうかを判定し(S4511)、中可動装飾部材14b(中可動部)を駆動するパターンがあると判定した場合(S4511でYES)、中可動部駆動フラグをONにし(S4511)、S4506に移行する。ここで、「中可動部駆動フラグ」とは、実行する変動演出パターンに中可動部(右可動装飾部材14b)を駆動するパターンを有している場合にONにされるフラグであり、当該変動演出パターンにおいて右可動部の駆動パターンを全て終了するとOFFにされる。一方、S4511で、中可動装飾部材14b(中可動部)を駆動するパターンがないと判定した場合(S4511でNO)、S4506に移行する。
【0195】
次いで、S4506で、選択した変動演出パターンを実行するための、変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4506)、処理を終える。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
【0196】
また、「変動演出パターン」としては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とがある。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
【0197】
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が、例えば15R第4大当り(確変大当り)のときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、10R第5大当り(通常大当り)のときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、本実施例1では、2R大当りのときと、小当りのときとにおいて、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R第2大当り及び小当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目(ばらけ目)や「3★3」等の専用図柄等を停止表示してもよい。2R大当り及び小当りに係る演出図柄の停止態様を同じ態様(共通の表示態様、共通の停止図柄)とすることで、演出図柄からは2R第2大当りと小当りとを識別するのを困難にすることが可能となる。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
【0198】
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、ノーマル変動A、ノーマル変動B、ノーマル変動C、リーチA、リーチB、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、キャラクタ演出A、キャラクタ演出B、キャラクタ演出C等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うかが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出やキャラクタ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(
図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
【0199】
また、変動演出パターンの決定と共に、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出を有している。この予告演出は、実行中の演出図柄遊技演出の結果が大当り態様で停止表示する可能性を、演出図柄が停止表示する前(変動表示中)に示す演出である。本実施例1では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数、カットイン予告決定用乱数を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と
図52の各予告決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定する。また各予告決定用乱数は、変動演出開始処理(S4402)における演出決定用乱数取得処理(S4501)により所定の値が取得される。
【0200】
[駆動データ出力処理]
次に、
図43及び
図44に基づいて駆動データ出力処理(S4203)について説明する。駆動データ出力処理では、これから実行される特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、左可動部、右可動部、及び、中可動部の駆動(動作)が予定されているかどうか、すなわち、左可動部駆動フラグ、右可動部駆動フラグ、及び、中可動部駆動フラグにONに設定されているフラグがあるかどうかを判定する。そして、所定タイミングで可動部の状態(駆動又は非駆動)を示す駆動状態フラグを設定すると共に、駆動を開始する可動部に対応する駆動データを出力する制御処理が実行される。
【0201】
具体的に、S4701では、左可動部駆動フラグがONかどうか、すなわち、前述した変動演出開始処理で設定した変動演出パターンに左可動部を駆動するパターンが含まれるかを判定し(S4701)、左可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S4701でYES)、次いで、左可動部(左可動装飾部材14a)の駆動開始時期(動作パターンの開始時期)かどうかを判定する(S4702)。S4702で、駆動開始時期であると判定した場合(S4702でYES)、第1駆動状態フラグをONに設定し(S4703)、左可動部を駆動するための駆動データ出力コマンドをセットし(S4704)、S4709の処理に移行する。ここで「第1駆動状態フラグ」とは、左可動部(左可動装飾部材14a)が実際に駆動状態にある(駆動パターンを実行中)かどうかを示すフラグであり、駆動状態(駆動中)はONに設定され、非駆動状態(非駆動中)はOFFに設定される。この第1駆動状態フラグの状態を判定することで、左可動部(左可動装飾部材14a)が駆動中かどうかを把握することが可能となる。
【0202】
一方、S4702で、左可動部の駆動開始時期ではないと判定した場合(S4702でNO)、次いで、左可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)かどうかを判定する(S4705)。S4705で、左可動部を駆動中であると判定した場合(S4705でYES)、次いで、左可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)かどうかを判定する(S4706)。S4706で、左可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)であると判定した場合(S4706でYES)、左可動部駆動フラグをOFFにし(S4707)、第1駆動状態フラグをOFFにし(S4708)、S4709の処理に移行する。ここで、「駆動パターンの実行中」とは動作、非動作(動作停止)を含む、一連の動作パターンの実行を開始した後であって、当該一連の動作パターンの実行途中であることを意味する。
【0203】
一方、S4701で、左可動部駆動フラグがONでない(OFFである)、すなわち、左可動部の駆動が予定されていない、と判定された場合(S4701でNO)、S4709の処理に移行する。また、S4705で、左可動部の駆動は予定されているが未だ駆動中でない(駆動パターンを開始していない)と判定した場合(S4705でNO)、S4709の処理に移行する。また、S4706で、左可動部を駆動中(駆動パターンの実行中)であるが終了時期でないと判定した場合(S4706でNO)、S4709の処理に移行する。
【0204】
また、S4709では、右可動部駆動フラグがONかどうか、すなわち、前述した変動演出開始処理で設定した変動演出パターンに右可動部を駆動するパターンが含まれるかを判定し(S4709)、右可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S4709でYES)、次いで、右可動部(右可動装飾部材14c)の駆動開始時期(動作パターンの開始時期)かどうかを判定する(S4710)。S4710で、駆動開始時期であると判定した場合(S4710でYES)、第2駆動状態フラグをONに設定し(S4711)、右可動部を駆動するための駆動データ出力コマンドをセットし(S4712)、S4717の処理に移行する。ここで「第2駆動状態フラグ」とは、右可動部(右可動装飾部材14c)が実際に駆動状態にある(駆動パターンを実行中)かどうかを示すフラグであり、駆動状態(駆動中)はONに設定され、非駆動状態(非駆動中)はOFFに設定される。この第2駆動状態フラグの状態を判定することで、右可動部(右可動装飾部材14c)が駆動中かどうかを把握することが可能となる。
【0205】
一方、S4710で、右可動部の駆動開始時期ではないと判定した場合(S4710でNO)、次いで、右可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)かどうかを判定する(S4713)。S4713で、右可動部を駆動中であると判定した場合(S4713でYES)、次いで、右可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)かどうかを判定する(S4714)。S4714で、右可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)であると判定した場合(S4714でYES)、右可動部駆動フラグをOFFにし(S4715)、第2駆動状態フラグをOFFにし(S4716)、S4717の処理に移行する。
【0206】
一方、S4709で、右可動部駆動フラグがONでない(OFFである)、すなわち、右可動部の駆動が予定されていない、と判定された場合(S4709でNO)、S4717の処理に移行する。また、S4713で、右可動部の駆動は予定されているが未だ駆動中でない(駆動パターンを開始していない)と判定した場合(S4713でNO)、S4717の処理に移行する。また、S4714で、右可動部を駆動中(駆動パターンの実行中)であるが終了時期でないと判定した場合(S4714でNO)、S4717の処理に移行する。
【0207】
また、S4717では、中可動部駆動フラグがONかどうか、すなわち、前述した変動演出開始処理で設定した変動演出パターンに中可動部を駆動するパターンが含まれるかを判定し(S4717)、中可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S4717でYES)、次いで、中可動部(中可動装飾部材14b)の駆動開始時期(動作パターンの開始時期)かどうかを判定する(S4718)。S4718で、駆動開始時期であると判定した場合(S4718でYES)、第3駆動状態フラグをONに設定し(S4719)、中可動部を駆動するための駆動データ出力コマンドをセットし(S4720)、処理を終える。ここで「第3駆動状態フラグ」とは、中可動部(中可動装飾部材14b)が実際に駆動状態にある(駆動パターンを実行中)かどうかを示すフラグであり、駆動状態(駆動中)はONに設定され、非駆動状態(非駆動中)はOFFに設定される。この第3駆動状態フラグの状態を判定することで、中可動部(中可動装飾部材14c)が駆動中かどうかを把握することが可能となる。また、第1駆動状態フラグ、第2駆動状態フラグ、及び、第3駆動状態フラグの状態を判定することで、同時期に何個の可動部が駆動状態にあるかを把握することが可能となる。
【0208】
一方、S4718で、中可動部の駆動開始時期ではないと判定した場合(S4718でNO)、次いで、中可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)かどうかを判定する(S4721)。S4721で、中可動部を駆動中であると判定した場合(S4721でYES)、次いで、中可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)かどうかを判定する(S4722)。S4722で、中可動部の駆動終了時期(駆動パターンの終了時期)であると判定した場合(S4722でYES)、中可動部駆動フラグをOFFにし(S4723)、第3駆動状態フラグをOFFにし(S4724)、処理を終える。
【0209】
一方、S4717で、中可動部駆動フラグがONでない(OFFである)、すなわち、中可動部の駆動が予定されていない、と判定された場合(S4717でNO)、処理を終える。また、S4721で、中可動部の駆動は予定されているが未だ駆動中でない(駆動パターンを開始していない)と判定した場合(S4721でNO)、処理を終える。また、S4722で、中可動部を駆動中(駆動パターンの実行中)であるが終了時期でないと判定した場合(S4722でNO)、処理を終える。以上の処理によって、左中右可動部を駆動するための駆動データを駆動開始タイミングにあわせて出力すると共に、これら左中右可動部のうち駆動中の可動部(左中右可動部が
図46及び
図47等の何れの状態にあるか)を特定可能な駆動状態フラグを設定する。
【0210】
[駆動制御処理]
次に、
図45を、所定の電気的駆動部の駆動を制限する駆動制御処理(S4306)について説明する。本実施例の遊技機は、
図46及び
図47等に示すように、3個(複数)の可動装飾部材14a、14b、14cを備えており、これら3個の可動装飾部材14が、実行される変動演出パターンに応じて、所定の動作態様で動作する。また、大当りの可能性が高いことを示す変動演出パターン(スーパーリーチ演出、キャラクタ演出等の遊技演出)が実行される場合には、当該変動演出パターンの実行中に、3個の可動装飾部材が全て動作する場合もある。このように、3個の可動装飾部材14全てが同時期に動作した場合には、これら3個の可動装飾部材を独立して駆動させるための、3個以上の駆動モータ(電気的駆動原)に同時期に電力を供給する必要が生じ、電力の消費量が多くなる。また、本実施例の遊技機は、電力を必要とする部材として、これら可動装飾部材14の他にも、遊技演出を効果的に演出するための、発光部(枠ランプ66、盤面ランプ5)や、演出図柄等を表示する画像表示装置7や、遊技球を発射するための発射装置や、賞球等を払い出すための払出モータや、これらを制御するための制御基板等、様々な電気部品(電力消費部品、電気的駆動部)を備えている。
【0211】
これらの多数(全て)に同時期に電力が供給されると、必要とする電力量が過大となり、遊技機が備える電力供給部(電源基板)が供給可能な電力許容量を超過してしまう虞がある。この対策として、電力許容量を大きくすると、装置の大型化やコストアップが問題となる。また、電力消費部品を少なくしたり、各部品の電力消費量を小さくしたりすると、効果的な演出を行えない場合がある。これらを解決するため、本実施例の遊技機では、駆動する可動装飾部材14(電気的駆動部)の数が、予め定めた特定数(本実施例では、3個全てとする)以上となった場合、所定の発光部(本実施例では、左装飾部材13a及び右装飾部材13c)の駆動を制限する制限期間に設定することで、遊技機の電力消費量が過大となることを防止し、基板等の電気部品が故障することを防止している。
【0212】
これにより、通常時(非制限期間)は、当否判定の結果(特別図柄当否判定、普通図柄当否判定)や、実行される変動演出パターンに応じて、所定の電気的駆動部が所定のタイミングで動作可能とされ、特定数以上の可動装飾部材14(電気的駆動部)が同時期に駆動する場合に限って、特定の発光部(左装飾部材13a及び右装飾部材13c)の駆動(発光)が制限されるものとする。またこれにより、電気的駆動部(発光部)の駆動制限を特定期間に限定することで、電気的駆動部を多数駆動可能とし、演出効果を高めるものとしている。
【0213】
具体的に、駆動制限処理(S4306)ではまず、駆動制限フラグがONかどうか、すなわち、駆動制限期間(制限期間)中であるかどうかを判定する(S4801)。S4801で、駆動制限フラグがONである、すなわち、駆動制限期間中であると判定した場合(S4801でYES)、次いで、駆動状態の可動部が特定数以上(3個以上)あるか判定する(S4802)。駆動状態(駆動中)の可動部の数は、前述した第1駆動状態フラグ、第2駆動状態フラグ、及び、第3駆動状態フラグの状態(ONとなっているフラグの数)を判定することで、把握することが可能である。S4802で、駆動状態(駆動状態フラグがON)の可動部が特定数以上である、すなわち、
図47(d)に示すように、左中右の可動装飾部材14a、14b、14cの全て(3個)が同時期に駆動中であると判定した場合(S4802でYES)、駆動制限フラグをONにしたまま(駆動制限期間のまま)、処理を終える。
【0214】
ここで、本実施例では、
図46及び
図47に示すように、表示画面7aの上方に、左装飾部材13a、中装飾部材13b及び右装飾部材13cが設けられている。これら、左装飾部材13a、中装飾部材13b及び右装飾部材13cは夫々内部にLED基板が設けられており、実装されるLEDが所定態様で発光可能とされている。そして、駆動制限フラグがONとされる駆動制限期間中においては、
図47(d)に示す左装飾部材13a及び右装飾部材13cの駆動を禁止し(発光不能)、中装飾部材13bは駆動(発光)を可能としている。すなわち、駆動制限期間においては、駆動可能(発光可能)な装飾部材13a、13cと、駆動不能(発光不能)の装飾部材13bと、を有している。これにより、駆動を制限する装飾部材(電気的駆動部、発光部)を極力少なくし、演出効果が低減することを極力防止している。
【0215】
また、本実施例では、駆動制限期間においても、駆動数を判定する対象(駆動数判定対象)の可動装飾部材14を、駆動制限の対象(駆動制限対象)としていない。これは、所定の初期位置から所定の動作態様で動作する可動装飾部材14は、他の装飾部材13(発光部)と比較して、視覚的効果(演出効果)が高く、これを駆動制限することは演出効果の大きな低減に繋がるからである。
【0216】
一方、S4802で、駆動状態(駆動状態フラグがON)の可動部が特定数以上ないと判定した場合(S4802でNO)、駆動制限フラグをOFFにし(S4803)、処理を終える。これにより、実行中の駆動制限期間を終了し、非制限期間(通常期間)とする。またこれにより、全ての装飾部材が駆動可能となる。また、S4801で、駆動制限フラグがONでない、すなわち、現在は非制限期間中であると判定した場合(S4801でNO)、次いで、同時期に駆動状態の可動部の数が特定数以上であるかどうかを判定する(S4804)。S4804で、同時期に駆動中の可動部の数は特定数以上でないと判定した場合(S4804でNO)、非制限期間のまま処理を終える。
【0217】
一方、S4804で、同時期に駆動中の可動部の数が特定数以上であると判定した場合(S4804でYES)、駆動制限フラグをONにし(S4805)、処理を終える。これにより、非制限期間から駆動制限期間に切り替わり、前述したように、左装飾部材13a及び右装飾部材13cの駆動が制限され、実行される変動演出パターンにおいて、左装飾部材13a及び右装飾部材13cが駆動されない。尚、中装飾部材13bは、駆動を制限されないため、実行される変動演出パターンにおいて中装飾部材13bを所定の発光態様で発光制御し、大当りとなる可能性を報知することが可能である。
【0218】
以上説明した通り、本実施例1では、駆動状態の可動装飾部材14(電気的駆動部)の数を逐次判定し、同時期の駆動数が特定数以上になった場合にだけ、特定の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の駆動を制限する。これにより、極力多数(多種類)の電気的駆動部(装飾部材、可動装飾部材)を駆動可能とすると共に、同時期に多数の電気的駆動部が駆動してしまった場合にだけ、すなわち、極力短期間だけ電気的駆動部の駆動を制限する駆動制限期間を設定することを可能とした。またこれにより、遊技演出を多様化し、演出効果を高めることが可能となる。
【実施例2】
【0219】
前述した実施例1の遊技機は、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が動作(動作パターン)を開始することを契機に、対応する第1乃至第3駆動状態フラグを設定し、ONに設定されている第1乃至第3駆動状態フラグの数を判定することで、駆動状態の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上となるかどうかを判定した。このような制御態様とすると、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が実際に特定数以上駆動してから、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の駆動を制限することとなる。これによると、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上駆動していると判定した際に、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)が駆動中であった場合、それらの駆動制限処理が完了するまで、一時的に(短期間ではあるが)、許容電力量をオーバーしてしまう虞がある。
【0220】
実施例2では、このような事態の発生を防止するため、駆動が決定された電気的駆動部(可動装飾部材14)が実際に駆動を開始する前に、待ち時間(Weit時間、待機時間、待機期間等ともいう)を設定し、当該待ち時間経過後に電気的駆動部の動作を開始する。そして、この待ち時間を開始した電気的駆動部(可動装飾部材14)についても駆動状態を示す情報(駆動状態フラグ)を設定するものとした。これにより、実際に駆動中の電気的駆動部及び駆動待機中の電気的駆動部の両方を判定対象として、これらが特定数以上であると判定すると、駆動制限期間を実行するものとした。またこれにより、実際に特定数の電気的駆動部が駆動する際には、既に駆動制限対象の電気的駆動部の制限期間(制限処理)を開始しており、一時的にでも、電力消費量が過大となる虞はない(
図51を参照)。
【0221】
[駆動データ出力処理]
具体的に、実施例2の駆動データ出力処理(S4203)を
図48乃至
図50を用いて説明する。実施例2の駆動データ出力処理(S4203)ではまず、左可動部駆動フラグがONかどうかを判定する(S5001)。これは、これから実行する又は実行中の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、左可動部を動作させる演出パターンがあるかどうかを判定する処理である。S5001で、左可動部駆動フラグがONでない、すなわち、OFFであると判定した場合(S5001でNO)、左可動部を動作させる演出パターンはないものとして、S5012の処理に移行する。
【0222】
一方、S5001で、左可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S5001でYES)、次いで、駆動開始時期(駆動パターン開始時期)の20ms(特定時間)前の時期かどうかを判定する(S5002)。ここで、左可動部駆動フラグがONである場合とは、これから実行する又は実行中の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、左可動部を動作させる演出パターンが予定されている(又は、既に当該パターンの実行中である)ことを意味する。S5002で、左可動部の駆動開始時期の20ms前であると判定した場合(S5002でYES)、第1ウェイト時間カウンタ(第1ウェイト時間計測カウンタ)の値として、20msをセットし(S5003)、第1駆動状態フラグをONにし(S5004)、S5012の処理に移行する。
【0223】
ここで、「第1ウェイト時間カウンタ」とは、左可動部(左可動装飾部材14a)が駆動を開始する前の20ms(特定時間)を計測するためのカウンタ(計測部)である。左可動部(中可動部、右可動部も同様)の駆動(駆動パターン)を開始する際には、この20msの待機時間を計測してから、実際の駆動を開始する。また、左可動部が駆動状態にあることを示す「第1駆動状態フラグ」は、この待機時間の開始に基づいて(を契機として)、ONに設定されるため、左可動部が実際に駆動を開始する20ms前に、駆動状態にあると判定可能となる。
【0224】
また、S5002で、左可動部の駆動開始時期の20ms前の時期でないと判定した場合(S5002でNO)、次いで、第1ウェイト時間を計測中であるかどうかを判定する(S5005)。S5005で、第1ウェイト時間を計測中である、すなわち、待機時間中であると判定した場合(S5005でYES)、次いで、第1ウェイト時間カウンタの値が0になったか、すなわち、20msの待機時間が終了したかを判定する(S5006)。S5006で、第1ウェイト時間カウンタの値が0でないと判定した場合(S5006でNO)、待機時間を継続し、S5012の処理に移行する。また、S5006で、第1ウェイト時間カウンタの値が0であると判定した場合(S5006でYES)、左可動部(左可動装飾部材14a)の駆動(駆動パターン)を開始するための駆動データコマンドをセットし(S5007)、S5012の処理に移行する。これにより、左可動部の動作待機時間を終了し、駆動を開始する(電力消費状態となる)。
【0225】
一方、S5005で、第1ウェイト時間の計測中でない、すなわち、待機時間中でないと判定した場合(S5005でNO)、次いで、左可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)であるかどうかを判定し(S5008)、左可動部は駆動中でないと判定した場合(S5008でNO)、S5012の処理に移行する。これは、左可動部の駆動は予定されているが、未だ、駆動開始前で、且つ、待機時間の開始前であることを示す。また、S5008で、左可動部が駆動中であると判定すると(S5008でYES)、次いで、左可動部の駆動終了時期であるかどうかを判定する(S5009)。S5009で、左可動部の駆動終了時期でないと判定した場合(S5009でNO)、S5012の処理に移行する。
【0226】
一方、S5009で、左可動部の駆動終了時期(駆動パターン終了時期)であると判定した場合(S5009でYES)、左可動部駆動フラグをOFFにし(S5010)、第1駆動状態フラグをOFFにし(S5011)、S5012の処理に移行する。このように、「第1駆動状態フラグ」は、左可動部(左可動装飾部材14a)に係る待機時間の開始に基づいて、ONに設定され、左可動部の駆動(駆動パターン)を終了することに基づいてOFFに設定される。
【0227】
次に、S5012では、右可動部駆動フラグがONかどうかを判定する(S5012)。これは、これから実行する又は実行中の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、右可動部を動作させる演出パターンがあるかどうかを判定する処理である。S5012で、右可動部駆動フラグがONでないと判定した場合(S5012でNO)、右可動部を動作させる演出パターンはないものとして、S5023の処理に移行する。一方、S5012で、右可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S5012でYES)、次いで、駆動開始時期(駆動パターン開始時期)の20ms(特定時間)前の時期かどうかを判定する(S5013)。S5013で、右可動部の駆動開始時期の20ms前であると判定した場合(S5013でYES)、第2ウェイト時間カウンタの値として、20msをセットし(S5014)、第2駆動状態フラグをONにし(S5015)、S5023の処理に移行する。
【0228】
ここで、「第2ウェイト時間カウンタ」とは、右可動部(右可動装飾部材14c)が駆動を開始する前の20ms(特定時間)を計測するためのカウンタ(計測部)である。また、右可動部が駆動状態にあることを示す「第2駆動状態フラグ」は、この待機時間の開始に基づいて(を契機として)、ONに設定されるため、右可動部が実際に駆動を開始する20ms前に、駆動状態にあると判定可能となる。
【0229】
また、S5013で、右可動部の駆動開始時期の20ms前の時期でないと判定した場合(S5013でNO)、次いで、第2ウェイト時間を計測中であるかどうかを判定する(S5016)。S5016で、第2ウェイト時間を計測中である、すなわち、待機時間中であると判定した場合(S5016でYES)、次いで、第2ウェイト時間カウンタの値が0になったか、すなわち、20msの待機時間が終了したかを判定する(S5017)。S5017で、第2ウェイト時間カウンタの値が0でないと判定した場合(S5017でNO)、待機時間を継続し、S5023の処理に移行する。また、S5017で、第2ウェイト時間カウンタの値が0であると判定した場合(S5017でYES)、右可動部(右可動装飾部材14c)の駆動(駆動パターン)を開始するための駆動データコマンドをセットし(S5018)、S5023の処理に移行する。これにより、右可動部の動作待機時間を終了し、駆動を開始する(電力消費状態となる)。
【0230】
一方、S5016で、第2ウェイト時間の計測中でない、すなわち、待機時間中でないと判定した場合(S5016でNO)、次いで、右可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)であるかどうかを判定し(S5019)、右可動部は駆動中でないと判定した場合(S5019でNO)、S5023の処理に移行する。これは、右可動部の駆動は予定されているが、未だ、駆動開始前で、且つ、待機時間の開始前であることを示す。また、S5019で、右可動部が駆動中であると判定すると(S5019でYES)、次いで、右可動部の駆動終了時期であるかどうかを判定する(S5020)。S5020で、右可動部の駆動終了時期でないと判定した場合(S5020でNO)、S5023の処理に移行する。一方、S5020で、右可動部の駆動終了時期(駆動パターン終了時期)であると判定した場合(S5020でYES)、右可動部駆動フラグをOFFにし(S5021)、第2駆動状態フラグをOFFにし(S5022)、S5023の処理に移行する。このように、「第2駆動状態フラグ」は、右可動部(右可動装飾部材14c)に係る待機時間の開始に基づいて、ONに設定され、右可動部の駆動(駆動パターン)を終了することに基づいてOFFに設定される。
【0231】
次に、S5023では、中可動部駆動フラグがONかどうかを判定する(S5023)。これは、これから実行する又は実行中の特別図柄(演出図柄)の変動表示に伴って、中可動部を動作させる演出パターンがあるかどうかを判定する処理である。S5023で、中可動部駆動フラグがONでないと判定した場合(S5023でNO)、中可動部を動作させる演出パターンはないものとして、処理を終える。一方、S5023で、中可動部駆動フラグがONであると判定した場合(S5023でYES)、次いで、駆動開始時期(駆動パターン開始時期)の20ms(特定時間)前の時期かどうかを判定する(S5024)。S5024で、中可動部の駆動開始時期の20ms前であると判定した場合(S5024でYES)、第3ウェイト時間カウンタの値として、20msをセットし(S5025)、第3駆動状態フラグをONにし(S5026)、処理を終える。
【0232】
ここで、「第3ウェイト時間カウンタ」とは、中可動部(中可動装飾部材14b)が駆動を開始する前の20ms(特定時間)を計測するためのカウンタ(計測部)である。また、中可動部が駆動状態にあることを示す「第3駆動状態フラグ」は、この待機時間の開始に基づいて(を契機として)、ONに設定されるため、中可動部が実際に駆動を開始する20ms前に、駆動状態にあると判定可能となる。
【0233】
また、S5024で、中可動部の駆動開始時期の20ms前の時期でないと判定した場合(S5024でNO)、次いで、第3ウェイト時間を計測中であるかどうかを判定する(S5027)。S5027で、第3ウェイト時間を計測中である、すなわち、待機時間中であると判定した場合(S5027でYES)、次いで、第3ウェイト時間カウンタの値が0になったか、すなわち、20msの待機時間が終了したかを判定する(S5028)。S5028で、第3ウェイト時間カウンタの値が0でないと判定した場合(S5028でNO)、待機時間を継続し、処理を終える。また、S5028で、第3ウェイト時間カウンタの値が0であると判定した場合(S5028でYES)、中可動部(中可動装飾部材14b)の駆動(駆動パターン)を開始するための駆動データコマンドをセットし(S5029)、処理を終える。これにより、中可動部の動作待機時間を終了し、駆動を開始する(電力消費状態となる)。
【0234】
一方、S5027で、第3ウェイト時間の計測中でない、すなわち、待機時間中でないと判定した場合(S5027でNO)、次いで、中可動部の駆動中(駆動パターンを実行中)であるかどうかを判定し(S5030)、中可動部は駆動中でないと判定した場合(S5030でNO)、処理を終える。これは、中可動部の駆動は予定されているが、未だ、駆動開始前で、且つ、待機時間の開始前であることを示す。また、S5030で、中可動部が駆動中であると判定すると(S5030でYES)、次いで、中可動部の駆動終了時期であるかどうかを判定する(S5031)。S5031で、中可動部の駆動終了時期でないと判定した場合(S5031でNO)、処理を終える。一方、S5031で、中可動部の駆動終了時期(駆動パターン終了時期)であると判定した場合(S5031でYES)、中可動部駆動フラグをOFFにし(S5032)、第3駆動状態フラグをOFFにし(S5033)、処理を終える。このように、「第3駆動状態フラグ」は、中可動部(中可動装飾部材14b)に係る待機時間の開始に基づいて、ONに設定され、中可動部の駆動(駆動パターン)を終了することに基づいてOFFに設定される。
【0235】
尚、第1乃至第3駆動状態フラグの状態に基づいて、駆動制限期間(駆動制限フラグ)を設定する駆動制限処理等については、実施例1と同様の制御処理であるため、詳細な説明を省略する。また、この駆動制限処理(S4306)において、第1駆動状態フラグ、第2駆動状態フラグ、及び、第3駆動状態フラグの状態を判定して、駆動制限期間を設定する(駆動制限フラグを設定する)ことで、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材)が実際に駆動を開始する前の待機時間の間に、駆動制限対象の電気的駆動部を駆動制限することが可能となる。
【0236】
具体的に、
図51(1)及び
図51(2)のタイミングチャートに示すように制御される。
図51(1)パターン1の(a)は、実施例1の制御態様を示す。ここでは、左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、右可動装飾部材14cがt1の時点で同時にONとなり、このt1の時点で、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が特定数以上になったものと判定される。そして、この判定に基づいて、制限対象の電気的駆動部である左右発光部(左装飾部材13a及び右装飾部材13c)が点灯不可状態(駆動制限状態)に制御される。
【0237】
これに対して、
図51(1)パターン1の(b)は、実施例2の制御態様を示す。ここでは、左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、右可動装飾部材14cがt2の時点で同時に待機時間となり、この時点でこれらの可動装飾部材が駆動状態であることを示す駆動状態フラグがONとなる。そして、このt2の時点で、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が特定数以上になったものと判定される。そして、この判定に基づいて、待機時間の間に、制限対象の電気的駆動部である左右発光部(左装飾部材13a及び右装飾部材13c)が点灯不可状態(駆動制限状態)に制御される。また、左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、右可動装飾部材14cは、待機時間を終了するt3の時点から駆動(動作)を開始する。
【0238】
また、
図51(2)パターン2の(a)は、実施例1の制御態様を示す。ここでは、左可動装飾部材14a、右可動装飾部材14cがt4の時点で同時にONとなり、その後、t5の時点で中可動装飾部材14bもONとなり、同時期に、左可動装飾部材14a、中可動装飾部材14b、右可動装飾部材14cがONとなる場面を示している。そして、このt5の時点で、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が特定数以上になったものと判定され、この判定に基づいて、制限対象の電気的駆動部である左右発光部(左装飾部材13a及び右装飾部材13c)が点灯不可状態(駆動制限状態)に制御される。
【0239】
これに対して、
図51(2)パターン2の(b)は、実施例2の制御態様を示す。ここでは、左可動装飾部材14a、右可動装飾部材14cがt6の時点で同時に待機時間となり、左可動装飾部材14a及び右可動装飾部材14cに係る2個の駆動状態フラグがONとなる。そして、待機時間を終了するt7の時点で左可動装飾部材14a及び右可動装飾部材14cが駆動(動作)を開始する。また、左可動装飾部材14a及び右可動装飾部材14cが動作を開始した後の、t8の時点で、中可動装飾部材14bが待機時間となり、中可動装飾部材14bに係る駆動状態フラグがONとなる。
【0240】
そして、このt8の時点で、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が特定数以上になったものと判定され、この判定に基づいて、t9の時点までに、制限対象の電気的駆動部である左右発光部(左装飾部材13a及び右装飾部材13c)が点灯不可状態(駆動制限状態)に制御される。そして、中可動装飾部材14bは、待機時間を終了するt9の時点から駆動(動作)を開始する。すなわち、特定数以上(3個全て)の電気的駆動部が実際に同時期にONとなる(駆動する)のは、t9の時点とされる。
【0241】
このように、実施例2の制御パターンでは、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が特定数以上になったものと判定した場合でも、実際には、特定数未満の電気的駆動部が駆動している間に、駆動制限処理を実行し、駆動制限期間を設定する。そのため、特定数以上と判定する判定時期と、駆動制限処理の制御時期との関係で、消費電力が一時的に過大となってしまうことを極力防止することが可能となる。
【0242】
[待機時間]
また、本実施例2では、待機時間を「20ms」に設定しているが、このような期間に限らず、所定時間の待機時間を設定すればよい(20msより長くてもよいし、短くてもよい)。また好適には、待機時間は、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)の制御周期(本実施例では、2ms)よりも長いことが好ましい。また好適には、待機時間は、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期(本実施例では、10ms)よりも長いことが好ましい。更に好適には、待機時間は、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)の制御周期、及び、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期、の何れよりも長いことが好ましい。これにより、特定数以上の電気的駆動部(可動装飾部材14)が実際に駆動を開始するより前に、制限対象の電気的駆動部の駆動制限処理を確実に実行することが可能となる。またこれにより、消費電力が過大となることをより確実に防止することが可能となる。
【0243】
また、本実施例2で、待機時間を「20ms」に設定しているのは、
図52に示す理由による。具体的に、
図52(1)は実施例1の遊技機の構成を示すものである。これは、2msの制御周期で制御される可動装飾部材14の駆動態様が、3msの時点(s1)で特定数以上となった場面を示している。また、駆動制限対象の電気的駆動部である装飾部材13a、13cは、10msの制御周期で制御されており、1msの時点から既に所定の駆動制御を開始しているため、駆動制限処理をするためには(次の制御をするためには)、次の制御周期の開始を待つ必要がある。それが、11msの時点(s2)であることを示している。そして、s2の時点で、駆動制限処理(装飾部材13a、13cを点灯付加とする制御)を開始し、以後、可動装飾部材14の駆動数が特定数未満となるまで、駆動制限期間に設定される。本タイミングチャートに示す通り、s1~s2までの期間(8msの時間)は、可動装飾部材14が特定数以上(3個全て)駆動を開始しているにもかかわらず、駆動制限対象の装飾部材13a、13cは、点灯可能な状態とされている。従って、これらの点灯態様(駆動態様)によっては、短期間ではあるが、消費電力が過大となってしまう虞がある。
【0244】
そこで、実施例2の遊技機では、
図52(2)及び(3)のように、実際に駆動を開始する前に待機時間を設定することで、このような(
図52(1)に示すような)事態の発生を極力防止するものとしている。具体的に
図52(2)のパターンでは、待機時間を、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)の制御周期(2ms)、及び、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期(10ms)以上の10msとしている。尚、本例では、長い方の制御周期と同じ時間としたが、何れよりも長い時間(すなわち、11ms以上としてもよい)としてもよい。
【0245】
このような態様によれば、可動装飾部材14の駆動数を判定するための駆動状態フラグは、対応する可動装飾部材14が駆動を開始する前に設定される待機時間の開始に伴ってONにされる。そして、本例では、3msの時点(s3)で、特定数以上の駆動状態フラグがONになったと判定した場面を示す。前述した(1)と同様に、駆動制限対象の装飾部材13a、13cは、10msの制御周期で制御されている。そして、1msの時点から所定の駆動制御を開始し、駆動制限処理が可能となるのは、次の制御周期の開始時点である11msの時点(s4)である。一方、実際に特定数以上の可動装飾部材14が駆動を開始する時期は、s5の時点であるため、その時点までに(2msの待機時間を残して)、装飾部材13a、13cの駆動制限処理を開始し、駆動制限期間の設定が完了している。
【0246】
このように、待機時間の長さを、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期の長さ以上(10ms以上)とすることで、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上駆動を開始する前に(待機時間が経過するまでに)、確実に、駆動制限期間に設定することが可能となる。
【0247】
しかしながら、待機時間を、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期の長さ(10ms)と同じ時間や、若干長い時間(12ms)に設定すると、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上駆動を開始する前に駆動制限期間に設定することは可能となるものの、次のような問題が発生しうる。具体的に、電気的駆動部(装飾部材13a、13c等の発光部)に電力を供給中に、駆動制限処理を実行したとしても、瞬間的に消費電力が「0」になるのではなく、暫くの時間(例えば2~5ms等)電力が消費され、徐々に「0」になっていく。従って、駆動制限期間の開始時から短時間は、駆動制限期間であっても駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)が電力消費している場合がある。
【0248】
従って、
図52(2)のパターンのように、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期の長さ(10ms)と同じ時間や、若干長い時間(12ms)に設定したのでは、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上駆動を開始した直後の時間において、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)も電力を消費しており、当該機関において、消費電力が過大となるおそれがある。
【0249】
そこで、本実施例2では、
図52(3)に示すように、待機時間を、単に、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)の制御周期の長さ(10ms)以上とするのではなく、所定時間以上長くするものとしている。より具体的には、所定時間として10msを設定している。また、所定時間の長さはこのような時間に限らないが、好適には、待機時間は、駆動制限対象の電気的駆動部の制御周期の長さより5ms以上長い方が好ましい。また、本実施例2では、待機時間を、駆動制限対象の電気的駆動部の制御周期の長さ(10ms)の2倍以上(20ms)としている。これにより、待機時間を駆動制限対象の電気的駆動部の制御周期2回分以上(s6~s8の期間)とし、且つ、当該制御周期より5ms以上長くしている。またこれにより、駆動数判定対象の電気的駆動部(可動装飾部材14)が特定数以上駆動を開始するまでに(s8の時点)、確実に、駆動制限期間を設定すると共に、駆動制限対象の電気的駆動部が電力消費する期間を確実に終えることを可能としている。
【0250】
以上説明したとおり、駆動数判定対象の電気的駆動部が駆動を開始する前に、待機時間を設定すると共に、当該待機時間を、駆動制限対象の電気的駆動部の制御周期よりも所定時間以上長い適切な時間に設定することで、電力消費量が過大なる期間の発生を、より確実に防止することが可能となる。
【0251】
[他の態様]
前述した実施例1では、駆動制限対象の電気的駆動部(装飾部材13a、13c)を、駆動制限期間において駆動不能(点灯不可)とした。駆動制限期間における駆動態様は、このような態様に限らない。例えば、対象となる電気的駆動部に供給する単位時間当りの電力量を、非駆動制限期間よりも少なくする態様とし、駆動可能としてもよい。また、駆動時間を短時間とする態様で駆動可能としてもよい。すなわち、省力で駆動する態様とすることも可能である。また、非駆動制限期間では、駆動時はON時間が長時間連続する駆動信号によって駆動制御し、駆動制限期間では、駆動時は、ON及びOFFを繰り返すパルス信号で駆動してもよい。これにより、全体として、ONの時間(電力供給時間)を減らし、非駆動制限時間よりも電力供給量を減らすことが可能となる。これによると、例えば、LED等の発光部では、発光の輝度が多少低下するものの、発光による遊技演出を維持できるため、演出効果を高めることが可能となる。
【0252】
また、実施例1では、個数判定対象の電気的駆動部を可動部(可動装飾部材)とし、駆動制限対象の電気的駆動部を発光部(装飾部材)とした。このような態様に変えて、個数判定対象の電気的駆動部、及び、駆動制限対象の電気的駆動部を何れも可動部材としてもよいし、何れも発光部としてもよい。また、個数判定対象の電気的駆動部を発光部とし、駆動制限対象の電気的駆動部を可動部材としてもよい。また、個数判定対象の電気的駆動部(第1電気的駆動部)と、駆動制限対象の電気的駆動部(第2電気的駆動部)に加え、他の電気的駆動部(例えば、第3電気的駆動部や第4電気的駆動部)を設け、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が所定数を超えるごとに、順に制限対象となる電気的駆動部を増加してもよい。例えば、第1電気的駆動部の駆動数が3個以上で第2電気的駆動部を駆動制限し、第1電気的駆動部の駆動数が5個以上で第2電気的駆動部及び第3電気的駆動部を駆動制限し、第1電気的駆動部の駆動数が7個以上で第2電気的駆動部、第3電気的駆動部及び第4電気的駆動部を駆動制限することが可能である。
【0253】
また、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が所定数を超えるごとに、駆動制限の制御態様を変えてもよい。例えば、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が3個以上で駆動時間を短時間にする駆動制限を行い、個数判定対象の電気的駆動部の駆動数が5個以上で駆動不能とする駆動制限を行うことが可能である。また、遊技機が備える電気的駆動部のうち、発射装置や払出モータや主制御基板等の遊技に必須の電気的駆動部は、駆動制限を行わないものとしている。
【0254】
また、前述した実施例では、高確率状態を発生させるにあたり、確変カウンタに「10000」をセットして、特別図柄当否判定の実行回数が10,000回になるまで、換言すると、実質的に次回の大当りが発生するまで、高確率状態が保証される仕様(所謂「V確ループ機」)としていたが、確変カウンタにセットする値は、遊技機の仕様(スペック)に応じて適宜設定することが可能である。例えば、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて確変カウンタにセットする値を「150」とし、高確率状態での特別図柄当否判定の実行回数が「150」になると、次回以降の特別図柄当否判定が低確率状態で行われることとなる仕様、すなわち、次回大当り発生まで高確率状態が保証されるとは限らない仕様の遊技機(所謂「ST機」)に本発明を適用することも可能である。あるいは、確変カウンタの他に、例えば、高確率状態での大当りの発生回数を計数するカウンタ(大当りカウンタ)を設け、大当り発生回数(大当りカウンタのカウント値)が所定回数(例えば「5」)になると、その所定回数目(例えば「5回目」)の大当りに係る大当り遊技の終了後は必ず(強制的に)低確率状態になる仕様の遊技機(所謂「確変セット機」)に本発明を適用することも可能である。
【0255】
また、前述した実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
【0256】
前述した遊技機において、遊技球が入球可能な始動口と、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口と、のうち少なくとも一方を設け、始動口又は可変式始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を設けてもよい。また、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、可変式始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとしてもよい。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
【0257】
また、前述した実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過するか否かによって確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域をすると、大当りとなって大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。また、本発明は、パチンコ遊技機だけでなく、遊技媒体としての遊技コインを投入した後、所定の遊技開始操作に基づいて複数の回胴(リール)を回転させ、前記複数の回胴の回転を所定の回転停止操作に基づいて停止させ、停止された前記複数の回胴により示される図柄の表示態様に基づいて所定の特典が付与可能な回胴式遊技機(スロットマシン)にも本発明を適用することが可能である。
【0258】
[その他]
(1)また、参考発明1の遊技機は、
識別情報を変動表示し、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部が供給する電力によって駆動する複数の電気的駆動部と、
駆動する電気的駆動部の数を判定する駆動判定部と、
前記識別情報の変動表示に伴って電気的駆動部を駆動可能な駆動制御部と、
電気的駆動部の駆動を制限する駆動制限部と、を備え、
前記駆動制限部は、前記駆動判定部の判定に基づいて、駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、所定の電気的駆動部の駆動を制限することを特徴とするものである。
【0259】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示に伴って駆動可能な複数の電気的駆動部を備えている。そして、駆動判定部が駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、駆動制限部が所定の電気的駆動部の駆動を制限するものとしている。これにより、複数の電気的駆動部が同時期に駆動して、これらの消費する駆動電力が過大となり、電子部品や基板等が損傷することを未然に防止することが可能となる。
【0260】
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
電気的駆動部として、第1電気的駆動部と、第2電気的駆動部とを有し、
前記第1電気的駆動部は、複数の電気的駆動部で構成され、
前記駆動判定部は、駆動する前記第1電気的駆動部の数を判定するものとされ、
前記駆動制限部は、前記駆動判定部の判定に基づいて、駆動する前記第1電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、前記第2電気的駆動部の駆動を制限することを特徴とするものである。
【0261】
このような遊技機によれば、電気的駆動部として第1電気的駆動部と第2電気的駆動部とを有し、駆動判定部は駆動する第1電気的駆動部の数を判定し、駆動する第1電気的駆動部の数が特定数以上となった場合に、駆動制限部は第2電気的駆動部の駆動を制限するものとしている。これにより、駆動判定部が判定する対象の電気的駆動部と、駆動制限部が制限する電気的駆動部とを分け、駆動制限の制御を容易化したり、演出効果の高い電気的駆動部(例えば、可動部材等)を駆動制限の対象外としたりすることが可能となる。すなわち、駆動制限の対象となる電気的駆動部と駆動制限の対象とならない電気的駆動部を設けている。
【0262】
また、参考発明3の遊技機は、参考発明2の遊技機において、
前記第1電気的駆動部の制御周期は、前記第2電気的駆動部の制御周期より短いことを特徴とするものである。
【0263】
このような遊技機によれば、第1電気的駆動部を制御する制御周期は、第2電気的駆動部の制御周期よりも短いものとしている。これにより、駆動制限するかどうか(すなわち、消費電力が過大となるかどうか)を判定するための電気的駆動部(第1電気的駆動部)の制御周期を、駆動の制限対象となる電気的駆動部(第2電気的駆動部)の制御周期より短くし、電力消費量が過大となるケースをより迅速に判定し、対応することが可能となる。
【0264】
また、参考発明4の遊技機は、参考発明1乃至参考発明3の遊技機において、
電気的駆動部として、第3電気的駆動部を備え、
前記第3電気的駆動部は、前記駆動判定部による判定対象でなく、且つ、前記駆動制限部による制限対象でなく、
前記駆動制御部は、前記識別情報の変動表示に伴って前記第3電気的駆動部を駆動可能であることを特徴とするものである。
【0265】
このような遊技機によれば、電気的駆動部として、第3電気的駆動部を備え、第3電気的駆動部は、駆動判定部による判定対象、及び、駆動制限部による制限対象の何れでもないものとしている。これにより、判定や制限とは独立して駆動可能な電気的駆動部を備えることで、電気的駆動部の駆動による演出効果が低減することを極力防止することが可能となる。
【0266】
また、参考発明5の遊技機は、参考発明2乃至参考発明4の遊技機において、
前記第1電気的駆動部は、前記識別情報の変動表示に伴って、所定の動作態様で動作可能な可動部を含んで構成されることを特徴とするものである。
【0267】
このような遊技機によれば、第1電気的駆動部は、識別情報の変動表示に伴って動作する可動部を含んで構成されるものとする。これにより、消費電力量が比較的大きい可動部の駆動数が特定数以上になると、所定の電気的駆動部の駆動を制限し、消費電力量が過大となることを未然に防止することが可能となる。
【0268】
また、参考発明6の遊技機は、参考発明2乃至参考発明5の遊技機において、
前記第2電気的駆動部は、前記識別情報の変動表示に伴って、所定の点灯態様で発光可能な発光部を含んで構成されることを特徴とするものである。
【0269】
このような遊技機によれば、第2電気的駆動部は、識別情報の変動表示に伴って発光する発光部を含んで構成されるものとする。これにより、制限対象を所定の発光部とし、演出効果が低減することを極力防止することが可能となる。特に、演出効果の高い可動部を備える場合には、当該可動部を制限対象とせず、発光部を制限対象として演出効果の低減を極力抑制するものとする。
【0270】
また、参考発明7の遊技機は、参考発明1乃至参考発明6の遊技機において、
前記駆動制御部は、電気的駆動部の駆動が制限される制限期間において、制限対象の電気的駆動部の駆動時間を、非制限期間よりも短くする駆動態様で制御することを特徴とするものである。
【0271】
このような遊技機によれば、駆動制限部が所定の電気的駆動部の駆動制限を実行する制限期間において、制限対象の電気的駆動部を、駆動制限が実行されていない非制限時間での駆動よりも、短い駆動時間で制御するものとしている。これにより、制限対象の電気的駆動部を非駆動状態とするのでなく、駆動時間を短くする駆動態様で駆動させ、制限期間において演出効果が低減するのを極力防止することを可能とする。例えば、制限対象の電気的駆動部が発光部である場合には、制限期間は非制限期間よりも発光時間を短くし、発光部の輝度は低下するが、発光部の駆動は実行することが可能である。
【0272】
(2)また、特許文献1(特開2014-188228号公報)では、複数の可動演出部を備えた可動演出ユニットを備え、パチンコ機の電源供給部から供給される電力を駆動力として可動演出部を所定態様で駆動させ、遊技演出を実行する遊技機について記載されている。このような遊技機では、複数の可動演出部を多様な動作態様で動作させ、演出効果を高めることを可能としている。またこの可動演出部の動作に合わせて、発光部(LED)を発光させ、演出効果を更に高めることとしている。
【0273】
このような遊技機では、演出効果が高い一方で、全ての可動演出部が同時に駆動したり、可動演出部と発光部とが同時に駆動したりする場合には、一時的に電力の消費量が多くなる場合がある。このように一時的に消費電力が過大となる期間があると、これらに耐えうる電力供給部とする必要があり、コストが高くなってしまう。また、消費電力が過大になると故障発生の原因となりうる。
【0274】
また、駆動する電気的駆動部の数を判定して所定の電気的駆動部の駆動を制限する場合には、駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定してから、対象となる電気的駆動部の駆動を制限したのでは、一時的に(短期間ではあるが)、許容電力量をオーバーしてしまう虞がある。そこで、駆動が決定された電気的駆動部が実際に駆動開始する前に、待ち期間を設定し、当該待ち期間経過後に電気的駆動部の動作を開始する。また、駆動する電気的駆動部の数を判定する判定手段は、待ち期間を含めて駆動する電気的駆動部の数を判定する。すなわち、所定の電気的駆動部についての待ち期間が実行されると、当該電気的駆動部は駆動したものとして判定する。
【0275】
本参考発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気的駆動部の駆動に伴う電力消費が過大となることを防止しつつ、演出効果の高い遊技演出を実行し、遊技興趣を向上させることにある。
【0276】
(2)参考発明2-1の遊技機は、
識別情報を変動表示し、前記識別情報の変動表示の結果が特定結果になると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部が供給する電力によって駆動する複数の電気的駆動部と、
前記複数の電気的駆動部のうち駆動する電気的駆動部を決定する駆動対象決定部と、
前記駆動対象決定部が決定した電気的駆動部の状態を示す駆動情報を設定する駆動情報設定部と、(駆動部夫々に対応するフラグでもよいし、駆動数を示すカウンタでもよい)
駆動する電気的駆動部の数を判定する駆動判定部と、
前記識別情報の変動表示に伴って電気的駆動部を駆動可能な駆動制御部と、
電気的駆動部の駆動を制限する駆動制限部と、を備え、
前記駆動情報設定部は、前記駆動対象決定部が所定の電気的駆動部の駆動を決定したことに基づいて、当該所定の電気的駆動部の駆動開始時期よりも特定時間前の時期に、当該所定の電気的駆動部が駆動状態であることを示す駆動情報を設定し、当該所定の電気的駆動部が駆動を終了すると非駆動状態であることを示す駆動情報を設定するものとされ、
前記駆動判定部は、前記駆動情報設定部が設定した駆動情報に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数を判定し、
前記駆動制限部は、前記駆動判定部の判定に基づいて、同時期に駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、特定の電気的駆動部の駆動を制限する
ことを特徴とするものである。
【0277】
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示に伴って駆動可能な複数の電気的駆動部と、駆動する電気的駆動部を決定する駆動対象決定部と、駆動対象決定部が駆動を決定した電気的駆動部の状態(駆動状態又は非駆動状態)を示す駆動情報を設定する駆動情報設定部と、を備えている。また、駆動情報設定部は、駆動することを決定した電気的駆動部の駆動開始時期よりも特定時間前の時期に、当該所定の電気的駆動部が駆動状態であることを示す駆動情報を設定し、駆動を終了すると非駆動状態であることを示す駆動情報を設定するものとしている。そして、駆動判定部が駆動情報に基づいて同時期に駆動する電気的駆動部の数が特定数以上であると判定すると、駆動制限部が特定の電気的駆動部の駆動を制限するものとしている。
【0278】
これにより、電気的駆動部が駆動開始する特定時間前から駆動判定の対象とすることが可能となり、複数の電気的駆動部が同時期に駆動して、これらの消費する駆動電力が過大となり、電子部品や基板等が損傷することを未然に防止することが可能となる。
【0279】
また、参考発明2-2の遊技機は、参考発明2-1の遊技機において、
電気的駆動部として、第1電気的駆動部と、第2電気的駆動部と、を有し、
前記駆動判定部は前記第1電気的駆動部の数を判定し、前記駆動制限部は前記第2電気的駆動部の駆動を制限するものとされ、
前記特定時間は、前記第1電気的駆動部の制御周期より長く、且つ、前記第2電気的駆動部の制御周期より長いことを特徴とするものである。
【0280】
このような遊技機によれば、電気的駆動部として第1電気的駆動部と第2電気的駆動部とを備え、駆動判定部は駆動する第1電気的駆動部の数を判定し、駆動制限部は駆動する第1電気的駆動部の数が特定数以上になると、第2電気的駆動部の駆動を制限する。また、特定時間は、第1電気的駆動部を制御する制御周期、及び、第2電気的駆動部を制御する制御周期の何れよりも長い時間としている。
【0281】
これにより、第1電気的駆動部の駆動数が特定数以上であると判定した場合に、その判定の契機となった第1電気的駆動部が駆動を開始する前に、第2電気的駆動部の駆動を制限することが可能となる。またこれにより、消費する駆動電力が過大となり、電子部品や基板等が損傷することを未然に防止することが可能となる。尚、特定時間は、第1電気的駆動部の制御周期及び第2電気的駆動部の制御周期の長い方の制御周期よりも、所定時間長く設定されている。この所定時間は、第2電気的駆動部の駆動をOFF(非駆動状態)したとしても、暫くの間電力が消費されるため、この第2電気的駆動部の消費電力が0となるのに十分な時間に設定されている。
【0282】
また、参考発明2-3の遊技機は、参考発明2-1又は参考発明2-2の遊技機において、
前記第1電気的駆動部の制御周期は、前記第2電気的駆動部の制御周期よりも短いことを特徴とするものである。
【0283】
このような遊技機によれば、第1電気的駆動部を制御する制御周期は、第2電気的駆動部の制御周期よりも短いものとしている。これにより、駆動制限するかどうか(すなわち、消費電力が過大となるかどうか)を判定するための電気的駆動部(第1電気的駆動部)の制御周期を、駆動の制限対象となる電気的駆動部(第2電気的駆動部)の制御周期より短くし、電力消費量が過大となるケースをより迅速に判定し、対応することが可能となる。
【0284】
また、参考発明2-4の遊技機は、参考発明2-1乃至参考発明2-3の遊技機において、
電気的駆動部として、第3電気的駆動部を備え、
前記第3電気的駆動部は、前記駆動判定部による判定対象でなく、且つ、前記駆動制限部による制限対象でなく、
前記駆動制御部は、前記識別情報の変動表示に伴って前記第3電気的駆動部を駆動可能であることを特徴とするものである。
【0285】
このような遊技機によれば、電気的駆動部として、第3電気的駆動部を備え、第3電気的駆動部は、駆動判定部による判定対象、及び、駆動制限部による制限対象の何れでもないものとしている。これにより、判定や制限とは独立して駆動可能な電気的駆動部を備えることで、電気的駆動部の駆動による演出効果が低減することを極力防止することが可能となる。また、駆動制限部によって駆動を制限される電気的駆動部と駆動を制限されない電気的駆動部とを設け、第1電気的駆動部及び第3電気的駆動部を、駆動を制限されないものとすることが可能である。
【0286】
また、参考発明2-5の遊技機は、参考発明2-2乃至参考発明2-4の遊技機において、
前記第1電気的駆動部は、前記識別情報の変動表示に伴って、所定の動作態様で動作可能な可動部を含んで構成されることを特徴とするものである。
【0287】
このような遊技機によれば、第1電気的駆動部は、識別情報の変動表示に伴って動作する可動部を含んで構成されるものとする。これにより、消費電力量が比較的大きい可動部の駆動数が特定数以上になると、所定の電気的駆動部の駆動を制限し、消費電力量が過大となることを未然に防止することが可能となる。
【0288】
また、参考発明2-6の遊技機は、参考発明2-2乃至参考発明2-5の遊技機において、
前記第2電気的駆動部は、前記識別情報の変動表示に伴って、所定の点灯態様で発光可能な発光部を含んで構成されることを特徴とするものである。
【0289】
このような遊技機によれば、第2電気的駆動部は、識別情報の変動表示に伴って発光する発光部を含んで構成されるものとする。これにより、制限対象を所定の発光部とし、演出効果が低減することを極力防止することが可能となる。特に、演出効果の高い可動部を備える場合には、当該可動部を制限対象とせず、発光部を制限対象として演出効果の低減を極力抑制するものとする。
【0290】
また、参考発明2-7の遊技機は、参考発明2-1乃至参考発明2-6の遊技機において、
前記駆動制御部は、電気的駆動部の駆動が制限される制限期間において、制限対象の電気的駆動部の駆動時間を、非制限期間よりも短くする駆動態様で制御することを特徴とするものである。
【0291】
このような遊技機によれば、駆動制限部が所定の電気的駆動部の駆動制限を実行する制限期間において、制限対象の電気的駆動部を、駆動制限が実行されていない非制限時間での駆動よりも、短い駆動時間で制御するものとしている。これにより、制限対象の電気的駆動部を非駆動状態とするのでなく、駆動時間を短くする駆動態様で駆動させ、制限期間において演出効果が低減するのを極力防止することを可能とする。例えば、制限対象の電気的駆動部が発光部である場合には、制限期間は非制限期間よりも発光時間を短くし、発光部の輝度は低下するが、発光部の駆動は実行することが可能である。
【符号の説明】
【0292】
1 パチンコ遊技機、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、81 遊技制御用マイコン、90 サブ制御基板(サブ制御部)、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板(画像制御部)、101 画像制御用マイコン、102 演出表示器、