(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 308G
(21)【出願番号】P 2017188986
(22)【出願日】2017-09-28
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 絵里
(72)【発明者】
【氏名】兼子 潔人
(72)【発明者】
【氏名】中園 武
(72)【発明者】
【氏名】小川 慎也
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035320(JP,A)
【文献】特開2016-209162(JP,A)
【文献】特開2015-029826(JP,A)
【文献】特開2004-008477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位可能な可動体と、
複数の発光素子からなる光源と、
前記可動体の変位を制御可能な変位制御手段と、
前記光源の発光を制御可能な発光制御手段と、
モータと、前記モータの回転軸とともに回転可能な軸部と、前記軸部に設けられた回転部材とを含む可動体変位機構と、を備え、
前記可動体には、前記光源を配置した光源ベース部、および、前記光源からの光を遊技者側に透過可能な構成部が配置されており、
前記光源は、
前記可動体が変位しているときには、所定の発光態様で発光可能であり、
前記光源ベース部にて前記光源の前記複数の発光素子が、所定の点を中心とした、第1仮想直線、第2仮想直線、および、第3仮想直線を含んだ互いに異なる複数の仮想直線上に配置されており、
前記回転部材は、
その重心が前記回転軸からずれており、前記回転軸を中心に第1回転方向に旋回するものであり、
前記可動体変位機構は、
前記モータの回転駆動に伴って旋回する前記回転部材の移動によって、前記回転軸に垂直な平面視において前記可動体を変位させ、
前記発光制御手段は、
前記所定の発光態様として、
前記回転軸に垂直な平面視において前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に光が流れるよう、前記第1仮想直線上に配置された複数の発光素
子、前記第2仮想直線上に配置された複数の発光素
子、および、前記第3仮想直線上に配置された複数の発光素子
を順次切り替えて発光
させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項
1に記載の遊技機であって、
前記構成部は、前記複数の発光素子からの光をそれぞれ遊技者側に透過可能なものであることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技に伴う演出として遊技者が直接触る操作部を振動させることが可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機では、操作部(可動体)を直接触ることが可能な遊技者しか操作部の振動に気付くことができない。よって、操作部が振動している遊技機以外の遊技者等が、傍からその振動に気付くことは困難である。また、その遊技機の遊技者でも、操作部を触っていない場合には操作部の振動に気付きづらい。よって、遊技興趣を向上させるために、変位可能な可動体についてさらなる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
変位可能な可動体と、
複数の発光素子からなる光源と、
前記可動体の変位を制御可能な変位制御手段と、
前記光源の発光を制御可能な発光制御手段と、
モータと、前記モータの回転軸とともに回転可能な軸部と、前記軸部に設けられた回転部材とを含む可動体変位機構と、を備え、
前記可動体には、前記光源を配置した光源ベース部、および、前記光源からの光を遊技者側に透過可能な構成部が配置されており、
前記光源は、
前記可動体が変位しているときには、所定の発光態様で発光可能であり、
前記光源ベース部にて前記光源の前記複数の発光素子が、所定の点を中心とした、第1仮想直線、第2仮想直線、および、第3仮想直線を含んだ互いに異なる複数の仮想直線上に配置されており、
前記回転部材は、
その重心が前記回転軸からずれており、前記回転軸を中心に第1回転方向に旋回するものであり、
前記可動体変位機構は、
前記モータの回転駆動に伴って旋回する前記回転部材の移動によって、前記回転軸に垂直な平面視において前記可動体を変位させ、
前記発光制御手段は、
前記所定の発光態様として、前記回転軸に垂直な平面視において前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に光が流れるよう、前記第1仮想直線上に配置された複数の発光素子、前記第2仮想直線上に配置された複数の発光素子、および、前記第3仮想直線上に配置された複数の発光素子を順次切り替えて発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、変位可能な可動体を用いて遊技興趣を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の本形態に係る遊技機の斜視図である。
【
図2】同遊技機が備える遊技盤ユニットの正面図である。
【
図13】第2振動機構を示す説明図(断面図)である。
【
図14】第1振動機構を示す説明図(断面図)である。
【
図15】第1振動機構の回転部材を示す説明図(上面図)である。
【
図16】可動部(ベース部)の変位を示す説明図(上面図)である。
【
図17】装飾部の発光態様を示す説明図(上面図)である。
【
図18】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図19】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図20】(A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。
【
図21】(A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。
【
図22】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。
【
図25】(A)は大当たり遊技制御テーブル、(B)は遊技状態設定テーブルである。
【
図26】リーチ無しハズレの特図変動演出の例示を表す図である。
【
図27】特図変動演出が開始してからリーチになるまでの様子を表す図である。
【
図29】Lリーチ又はSPリーチの例示を表す図である。
【
図30】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図31】サブ側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図32】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の本形態であるパチンコ遊技機PY1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から見た(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
【0009】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。後述するように、遊技機枠2の内部には、遊技を行うための遊技盤ユニットYUが収納されている。遊技機枠2は、遊技店に固定される外枠22と、外枠22に取り付けられ、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠21と、内枠21にヒンジHGを介して回転自在に支持される前枠23mとを備える。前枠23mは内枠21に対して開閉が可能である。前枠23mの大体中央部には、透明のガラス板(透明板)23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、後述する遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1とガラス板23tとが対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、ガラス板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、ガラス板23tの代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0010】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部には、前方に向けて大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の上面の奥側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
【0011】
また、前枠23mの前面上部には上側装飾ユニット31が設けられている。さらに、前枠23mの前面左部には、上皿34の左端から上側装飾ユニット31にかけて左側装飾ユニット33が設けられている。加えて、前枠23mの前面右部には、上皿34の右端から上側装飾ユニット31にかけて右側装飾ユニット32が設けられている。
【0012】
右側装飾ユニット32の上部には、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。なお、
図1において図示されていないが、左側装飾ユニット33の上部にも、右側装飾ユニット32と左右対称となる位置に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。
【0013】
また、上皿34の上面の供給球貯留穴34Aより前方側には、下方に押下操作可能な半球型ボタン40を含む半球型ボタンユニット200が設けられている。また、右側装飾ユニット32の下部には、押下操作可能な剣型ボタン41が設けられている。半球型ボタンユニット200については、後ほど詳述する。
【0014】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUとを有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
【0015】
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側には、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。さらに、外側壁部1Cは、略リング状に形成された第1外側壁部1C1と、第1外側壁部1C1の左側部分と内側壁部1Bとの間で、第1外側壁部1C1および内側壁部1Bに沿って形成された湾曲状の第2外側壁部1C2と、を備える。
【0016】
そして、遊技盤1の前面において、内側壁部1B、第1外側壁部1C1および第2外側壁部1C2などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1B、第1外側壁部1C1および第2外側壁部1C2によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、第1外側壁部1C1と第2外側壁部1C2とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
【0017】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
【0018】
遊技領域6における内側壁部1Bの中央直下には、上方が開放された第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dが設けられている。
【0019】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への進入(第1始動口11への入球)は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関連情報の取得と判定:以下、「特
図1抽選」という)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ進入すると、所定個数(本形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0020】
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動口12が形成された第2始動入賞装置(いわゆる「電チュー」)12Dが設けられている。
【0021】
電チュー12Dは、開閉可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。電チュー開閉部材12kは正面視略正方形の平板からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。電チュー開閉部材12kが回転すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への進入(第2始動口12への入球)が可能となる。
【0022】
第2始動口12への遊技球の進入は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(以下、「特
図2抽選」という)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ進入すると、所定個数(本形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0023】
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの左側には、2つの一般入賞口10が所定間隔をおいて設けられている。遊技球が一般入賞口10へ進入すると、所定個数(本形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0024】
また、遊技領域6における電チュー12Dの右斜め上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決定する普通図柄(以下、「普図」ともいう)の抽選(以下、「普図抽選」ともいう)および普通図柄の可変表示(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)の契機となっている。
【0025】
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の直下には、大入賞口14が形成された大入賞装置14Dが設けられている。
【0026】
大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備える。AT開閉部材14kの作動により大入賞口14が開閉する。AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14が閉鎖している。AT開閉部材14kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への進入が可能となる。遊技球が大入賞口14へ進入すると、所定個数(本形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ進入することはできない。
【0028】
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14および一般入賞口10への遊技球の進入(入球)や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10およびゲート13への「入賞」と総称する。
【0029】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Lと、右側の右遊技領域6Rとに分けることができる。遊技球が左遊技領域6Lを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Rを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、不図示の多数の遊技用くぎなどによっても構成されている。
【0030】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10とが設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、又は、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14とが設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12又は大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0031】
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
【0032】
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50および盤可動装置55が搭載されている。
【0033】
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
【0034】
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤1と画像表示装置50との間で隠れている。盤可動体55kは、待機状態において、その下端が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置し、下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている。そして、盤可動体55kは、初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作動位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
【0035】
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。
図3に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、および、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数を表示する特
図1保留表示器83a、および、後述する特
図2保留数を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0036】
特
図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して「特図」といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
【0037】
特図表示器81は、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図表示器81の点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0038】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0039】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11、又は、第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11、又は、第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
【0040】
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特
図1抽選および特
図1の可変表示を実行する権利を表す「特
図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特
図2抽選および特
図2の可変表示を実行する権利を表す「特
図2保留」と、がある。そして、特
図1保留の数、すなわち留保されている特
図1抽選および特
図1の可変表示を実行する権利の数を特
図1保留表示器83aが表示する。一方、特
図2保留の数、すなわち留保されている特
図2抽選および特
図2の可変表示を実行する権利の数を特
図2保留表示器83bが表示する。
【0041】
特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bは、それぞれ4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。なお、以下において、特
図1保留の数を「特
図1保留数(U1)」といい、特
図2保留数の数を「特
図2保留数(U2)」という。また、「特
図1保留数」や「特
図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特
図1保留表示器83a」と「特
図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
【0042】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示したあと停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12(電チュー12D)の開放を伴う補助遊技が行われる。
【0043】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
【0044】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、本形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0045】
2.半球型ボタンユニット200の構成
次に、
図4~
図17に基づいて、半球型ボタンユニット200の構成を説明する。
図4および
図5に示すように、半球型ボタンユニット200には、カバー部210と、可動部220と、支持部250と、基板部280と、センサスイッチ部290と、モータ保持部300と、底部310とがある。
【0046】
カバー部210は、透明な樹脂部材からなる。このカバー部210は、
図5に示すように、半球状のドーム部211と、ドーム部211の円周端から延出する円筒状の円筒部212と、円筒部212から、ドーム部211側とは反対方向にそれぞれ延出する2組の脚部(1対の第1脚部213、および、1対の第2脚部215)とを有している。第1脚部213は、円筒部212の径方向に対向配置されている。第1脚部213の先端部付近には、モータ保持部300と係合するための係合孔214が設けられている。また、第2脚部215は、第1脚部213と同じく、円筒部212の径方向に対向配置されている。なお、第2脚部215は、第1脚部213から円筒部212の周方向に90度ずれて設けられている。第2脚部215の先端には凹部216が設けられている。
【0047】
可動部220は、
図6に示すように、円盤形状のベース部221と、ベース部221の一方の表面を覆う円盤形状の装飾部(可動体に相当)225とを有している。なお、
図6に示すように、ベース部221および装飾部225の間には隙間が形成されている。本形態では、
図5に示すように、ベース部221および装飾部225の間に、後述の光源部260および導光板275を配置させる。すなわち、ベース部221および装飾部225の間に形成された隙間は、それら光源部260および導光板275を配置させるためのものである。
【0048】
図7に示すように、ベース部221の中央には、装飾部225側とは反対方向に突出した、有底円筒形状の突出部222が設けられている。この突出部222の内側には、第1モータ321の回転駆動に伴って回転可能な回転部材327が配置可能となっている。第1モータ321および回転部材327については、後ほど説明する。
【0049】
また、ベース部221には、3つの円形孔223が形成されている。これら円形孔223は、ベース部221の中心に対して周方向にほぼ等間隔に配置されている。各円形孔223には、支持部250から突出する円形突部255がそれぞれ挿通される(
図5参照)。
【0050】
装飾部225は、無色透明な材質からなる第1樹脂部材と、表面がめっき処理された第2樹脂部材とを組み合わせてできている。第1樹脂部材は、透光可能な部材であるのに対し、第2樹脂部材は、透光不能な部材である。
【0051】
装飾部225には、第1表面部(露出表面部に相当)226と第2表面部245とがある(
図6および
図7参照)。第2表面部245は、可動部220において、ベース部221と対向する部位である(
図7参照)。第2表面部245には、この第2表面部245からベース部221側に延出する3つの棒状の延出部246がある。これら3つの延出部246の先端にベース部221が固定されている。よって、可動部220では、その延出部246の長さの分、ベース部221と装飾部225との間に隙間が形成されている(
図6および
図7参照)。
【0052】
装飾部225の第1表面部226は、半球型ボタンユニット200において、無色透明なカバー部210(ドーム部211)を介して遊技者が視認可能な部位である(
図5参照)。この第1表面部226は、
図8に示すように、上記第1樹脂部材からなる透光部(第1構成部,構成部に相当)227、および、上記第2樹脂部材からなる非透光部(第2構成部に相当)240を備えている。なお、便宜上、
図8では非透光部240にハッチングを付している。
【0053】
非透光部240は、第1表面部226の上面視において、中央に位置する正五角形の枠状の第1非透光部241と、第1表面部226の上面視において、周縁に複数(本形態では5つ)配置された略五角形の枠状の第2非透光部242と、第1非透光部241および第2非透光部242を連結する棒状の第3非透光部243とを有している。第2非透光部242が周縁部、第1非透光部241および第3非透光部243が延伸部にそれぞれ相当する。
【0054】
5つの第2非透光部242は、第1表面部226の周方向に見て等間隔に配置されている。第1表面部226において、非透光部240は、透光部227よりも透光し難いため、非透光部240の方が透光部227よりもその実体を遊技者が目で判り易い。従って、例えば、第1表面部の周縁に非透光部がないような構成と比べて、第1表面部226の周縁(輪郭)、すなわち第1表面部226の大きさを遊技者が認識し易くなっている。
【0055】
また、第2非透光部242について、5つよりも少ない数(1つおよび4つのうちのいずれかの数)の非透光部を第1表面部226の周縁に配置した構成よりも、第1表面部226の周縁(輪郭)を遊技者がより確実に認識可能である。しかも、第2非透光部242が周縁に等間隔に配置されているので、第1表面部226の全体的な広がり(大きさ)を遊技者が認識可能となっている。
【0056】
また、本形態では、
図8に示すように、第2非透光部242をなす枠が、第1非透光部241の枠や第3非透光部243よりも太くなっている。これにより、装飾部225の第1表面部226の周縁に非透光部240(第2非透光部242)が存在していることを遊技者に強調でき、遊技者が第1表面部226の大きさ(輪郭)を把握し易くなっている。
【0057】
透光部227は、第1表面部226の上面視における中央に位置する五角形状の中央透光部228と、第2非透光部242の内側(枠内)に配された五角形状の第1透光部229、第2透光部230、第3透光部231、第4透光部232および第5透光部233とを有している。また、第1非透光部241、隣り合う2つの第2非透光部242、および、それら2つの第2非透光部242から第1非透光部241にそれぞれ延びる2つの第3非透光部243に囲まれた部位のうち、中央透光部228を挟んで第1透光部229の反対側に位置する第6透光部234を有している。また、そのような部位のうち、中央透光部228を挟んで第2透光部230の反対側に位置する第7透光部235と、中央透光部228を挟んで第3透光部231の反対側に位置する第8透光部236と、中央透光部228を挟んで第4透光部232の反対側に位置する第9透光部237と、中央透光部228を挟んで第5透光部233の反対側に位置する第10透光部238とを有している。なお、中央透光部228は、第1非透光部241の内側(枠内)に配置されている。
【0058】
本形態の装飾部225は、第2表面部245および装飾部225の内部(第1表面部および第2表面部の間の部位)についても第1樹脂部材からなる。よって、装飾部225の第2表面部245から光の入射があった場合には、その光は、装飾部225の内部を通って第1表面部226に達する。そして、第1表面部226の各種透光部(中央透光部228、第1透光部229~第10透光部238)を通じて、装飾部225の外部に光が出射されることになる。
【0059】
なお、本形態では、第6透光部234~第10透光部238は、第2表面部245側に細溝状のカット部(乱反射部に相当)CTを複数設けている(
図8参照)。これにより、各LEDからの光を乱反射させることが可能であり、第1表面部226において第6透光部234~第10透光部238を輝かせることが可能となっている。従って、各LEDの発光駆動時には、第6透光部234~第10透光部238に遊技者の注目を集めることが可能となっている。
【0060】
支持部(所定の部位に相当)250は、
図9に示すように、円形状をなした支持本体部251と、支持本体部251に固定された略円板状の光源部(光源ベース部に相当)260と、導光板275とを備えている。支持本体部251は、カバー部210の円筒部212より大径の円形状をなしている。また、支持本体部251の周縁付近には、カバー部210の第1脚部213に対応した第1脚部挿通孔253と、第2脚部215に対応した第2脚部挿通孔254とがある(
図10参照)。また、支持本体部251の中央には、略円形の中央孔252が形成されている。また、支持本体部251の表面から突出する棒状の円形突部255が設けられている。これらの円形突部255の先端には、光源部260および導光板275が固定される。
図5、
図6、
図9に示すように、支持部250は、可動部220の装飾部225とは、別の構成体である。よって本形態では、光源部260は、装飾部225を除いた所定の部位に配置されている。
【0061】
支持本体部251の裏面には、第1モータ321を固定するための固定治具322が取り付けられている(
図10参照)。この固定治具322は、板状の固定部323と、この固定部323から支持部250の支持本体部251側に突出する複数の取付片325とで構成されている(
図5および
図10参照)。固定部323の中央には、円形の中央孔324が形成されている(
図5参照)。そして、取付片325が支持本体部251の裏面に固定されることで、固定部323が支持本体部251と平行に配置されるとともに、固定部323と支持本体部251との間の距離が一定に保たれる(
図10参照)。
【0062】
固定部323の下面には、回転軸AX1側の面が重ねられた状態で第1モータ321が固定されている。そして、固定部323の中央孔324には第1モータ321の回転軸AX1が貫通する。かくして、本形態では、固定治具322によって支持本体部251と第1モータ321との間の距離が一定に保たれている。
【0063】
光源部260は、
図11に示すように略円板形状であり、表面に複数のLED(光源,発光素子に相当)を配置している。すなわち、光源部260の中心にあたる位置に中心LED261を配置している。そして、中心LED261以外のLEDについては、中心LED261から放射状に配置している。
【0064】
具体的には、光源部260の径方向に延びる、互いに異なる5本の仮想直線上にLEDを配置している。詳細には、
図11に示す第1仮想直線VL1(
図11中、上下方向に延びる破線)上に、中心LED261に加えて、第1単独LED262および第1連携LED263を配置している。また、中心LED261を中心に第1仮想直線VL1を反時計回りに36度回転移動させてなる第2仮想直線VL2(一点鎖線)上に、第2単独LED264および第2連携LED265を配置している。また、第2仮想直線VL2を反時計回りに36度回転移動させてなる第3仮想直線VL3(二点鎖線)上に、第3単独LED266および第3連携LED267を配置している。また、第3仮想直線VL3を反時計回りに36度回転移動させてなる第4仮想直線VL4(三点鎖線)上に、第4単独LED268および第4連携LED269を配置している。また、第4仮想直線VL4を反時計回りに36度回転移動させてなる第5仮想直線VL5(四点鎖線)上に、第5単独LED270および第5連携LED271を配置している。第1連携LED263、第2連携LED265、第3連携LED267、第4連携LED269および第5連携LED271は、それぞれ複数(本形態では4つ)のLEDからなり、その複数のLED(連携LED)同士が同じ態様で発光駆動する。
【0065】
なお、本形態では、可動部220の装飾部225が変位しているときには、同じ仮想直線上にあるLEDを同じ態様で発光させる。具体的に例えば、装飾部225が変位している場合には、第1仮想直線VL1上に配置されている第1連携LED263の4つのLEDに加えて、中心LED261および第1単独LED262も同じ態様で発光させる。これら第1仮想直線VL1上に配置されている複数のLEDを「第1LED群LD1」ともいう。
【0066】
同じように、上記第2仮想直線VL2上に配置されている複数のLED(中心LED261、第2単独LED264および第2連携LED265)を「第2LED群LD2」ともいう。また、上記第3仮想直線VL3上に配置されている複数のLED(中心LED261、第3単独LED266および第3連携LED267)を「第3LED群LD3」ともいう。また、上記第4仮想直線VL4上に配置されている複数のLED(中心LED261、第4単独LED268および第4連携LED269)を「第4LED群LD4」ともいう。また、上記第5仮想直線VL5上に配置されている複数のLED(中心LED261、第5単独LED270および第5連携LED271)を「第5LED群LD5」ともいう。
【0067】
また、第5仮想直線VL5を反時計回りに36度回転移動させると上記第1仮想直線VL1に重なることになる。つまり、5本の仮想直線のうちの隣り合う仮想直線同士は所定の角度(36度)をなしており、5つの仮想直線は、中心LED261を中心とする回転方向に見て等間隔に並ぶ。よって、中心LED261を中心にして放射状に並ぶ、第1LED群LD1、第2LED群LD2、第3LED群LD3、第4LED群LD4および第5LED群LD5もまた、中心LED261を中心とする回転方向に見て等間隔に並んでいる。
【0068】
導光板275は、光源部260の各LED261~271から出射された光のうち、光源部260の表面に垂直な方向に進む光だけを可動部220の装飾部225に導光させるためのものである。導光板275は、
図12に示すような略円板形状である。
【0069】
この導光板275の表面には、光を透過可能な透過部276、および、光を透過不能な非透過部277がそれぞれ露出している(
図12参照)。透過部276には、上記中心LED261からの光を透過するための第1透過部276Aと、単独LED262,264,266,268,270からの光を透過するための第2透過部276Bと、連携LED263,265,267,269,271からの光を透過するための第3透過部276Cおよび第4透過部276Dとがある。
【0070】
非透過部277には、第1透過部276Aおよび第3透過部276Cを隔てる第1非透過部277Aと、第2透過部276B、第3透過部276Cおよび第4透過部276Dをそれぞれ隔てる第2非透過部277Bとがある。
【0071】
図5に戻って、基板部280は、上記光源部260の複数の各LED261~271の発光を制御するためのものである。なお本形態では、上述したカバー部210の押圧操作検出用のフォトセンサ40aが実装されている。
【0072】
センサスイッチ部290は、基板部280に実装されたフォトセンサ40aを遮光するためのものである(
図5参照)。すなわち、このセンサスイッチ部290には、フォトセンサ40aを遮光可能な遮光部291が形成されている。また、センサスイッチ部290は、長手方向の長さがカバー部210の円筒部212の直径と略同じ長さの長方形状をなしている。そして、その長手方向両端には、カバー部210側に突出する凸部292がそれぞれ設けられている(
図5参照)。この凸部292には、支持部250の第2脚部挿通孔254に挿通された第2脚部215の凹部216が係合する。
【0073】
モータ保持部300は、長手方向の長さがカバー部210の円筒部212の直径と略同じ長さの長方形状をなしている(
図5参照)。モータ保持部300の長手方向両端には、カバー部210側に延出する壁部301がそれぞれ設けられている。この壁部301には、円筒部212の径方向に突出する係合部302が設けられている。また、モータ保持部300の中央には、略円形の中央孔303が形成されている。なお、壁部301の係合部302には、支持部250の第1脚部挿通孔253に挿通された第1脚部213の係合孔214が係合する。
【0074】
モータ保持部300には、第2モータ331が取り付けられている(
図5参照)。具体的に、モータ保持部300の長手方向の一方端側に、モータ収容部305が設けられており、そのモータ収容部305内に第2モータ331が収容されている。なお、第2モータ331の回転軸AX2には、重心が回転軸AX2からずれた偏心錘332が取り付けられている。
【0075】
底部310は、支持部250と略同じ大きさの円形状をなして、支持部250の底部に固定され、カバー部210の第1脚部213と、第2モータ331を含むモータ保持部300と、第1モータ321とを収容する。また、底部310とモータ保持部300との間には、第1付勢バネ314および第2付勢バネ315が設けられている。第1付勢バネ314は、底部310および支持部250に対して上側に、モータ保持部300を付勢するためのものである。また、第2付勢バネ315は、底部310および支持部250に対して上側に、センサスイッチ部290を付勢するためのものである。
【0076】
付勢バネ314,315によってモータ保持部300、センサスイッチ部290およびカバー部210が、底部310および支持部250に対して上側に付勢される。上述したカバー部210のフォトセンサ40aは、第2付勢バネ315に抗してセンサスイッチ部290が下方位置へ配置されたことを検出するようになっている。
【0077】
半球型ボタンユニット200では、カバー部210のドーム部211および円筒部212が、可動部220を配置している支持部250の上部を覆う構造になっている。上述したようにカバー部210は、透明な樹脂部材からなるので、カバー部210(ドーム部211)の内側にある可動部220を遊技者が視認可能になっている。
【0078】
また、カバー部210とモータ保持部300とが半球型ボタン40をなしている。カバー部210が支持部250に対して相対的に上下動可能となっている。そして、カバー部210が押圧操作されると、それに伴ってモータ保持部300およびセンサスイッチ部290が下方に移動することになる。センサスイッチ部290には、1対の遮光部291があるため、カバー部210とともにセンサスイッチ部290が下方に移動した場合には、基板部280に配置されたフォトセンサ40aにより押圧操作が検出されることになっている。
【0079】
次に、第1振動機構320および第2振動機構330の各動作について
図13~
図16を用いて説明する。まず、第2振動機構330について説明する。第2振動条件が成立して第2モータ331が作動すると、
図13に示すように、回転軸AX2を中心として第2モータ331の上記偏心錘332が回転する。すると、その偏心錘332の遠心力によって第2モータ331が振動し、モータ保持部300のモータ収容部305と衝突する。そして、第2モータ331の振動が、モータ収容部305を介してモータ保持部300に伝達され、第1脚部213を介してモータ保持部300と係合するカバー部210にも伝達する。これにより、カバー部210が振動する。
【0080】
なお、カバー部210は、第1脚部213が支持部250の第1脚部挿通孔253に挿通されている。そのため、カバー部210は、水平方向(すなわち、支持部250の支持本体部251が広がる方向)の移動が第1脚部挿通孔253の大きさに制限される一方、第1付勢バネ314の伸縮により上下方向の移動は許容される。従って、カバー部210の振動は、水平方向の振動よりも上下方向の振動が大きい、いわゆる縦揺れ型の振動となっている。
【0081】
次に、可動部220の振動機構にあたる第1振動機構について
図14~
図16を用いて説明する。
図14には、可動部220と、可動部220を振動させる第1振動機構(可動体変位機構に相当)320とが示されている。同図に示すように、第1振動機構320は、第1モータ321と、固定治具322と、コイルバネ(軸部に相当)326と、回転部材327と、支持部250とを備えている。
【0082】
可動部220は、円盤状のベース部221を装飾部225で覆った構成になっている。ベース部221は、支持部250に上方から重ねられ、ベース部221の突出部222が、支持部250の中央孔252に遊嵌されている。
【0083】
ここで、ベース部221の円形孔223は、円形突部255よりも大径になっていて、円形孔223に挿通される円形突部255は、円形孔223内を移動可能となっている。つまり、ベース部221は、円形孔223の内周面と円形突部255との当接によって移動が制限されている。
図16には、水平面内の一方向に移動して円形突部255により移動が制限されたときのベース部221が点線で示され、ベース部221の移動が許容される範囲Qが2点鎖線で示されている。なお、本実施形態では、複数の円形孔223および円形突部255はそれぞれ同じ大きさになっているので、一の円形突部255が円形孔223の内周面に当接すると、残りの円形突部255も円形孔223の内周面に当接する。これにより、ベース部221と円形突部255との当接箇所を、ベース部221の周方向に分散させることが可能となる。また、本実施形態では、円形突部255が円形孔223の内周面に摺接することで、ベース部221をスムーズに移動させることが可能となっている。
【0084】
回転部材327は、ベース部221の中央、すなわち、突出部222に取り付けられ、ベース部221に対して相対回転可能となっている。具体的には、回転部材327は、ベース部221と直交する方向に延びてベース部221を貫通する回転シャフト328と、偏心錘329とを備えている。そして、回転シャフト328が突出部222の中心にベアリング(図示せず)を介して取り付けられることで、回転部材327はベース部221に対して相対回転可能となっている。
【0085】
偏心錘329は、回転シャフト328の上端に固定されており、回転シャフト328と一体に回転する(
図14参照)。偏心錘329は、
図15に示すように、平面視、扇形状になっている。ベース部221の上面には、偏心錘329の回転を許容する円形凹部224が形成されており、偏心錘329は、円形凹部224内を回転する。
【0086】
コイルバネ326は、第1モータ321の回転軸AX1と同軸に配置されている。そして、コイルバネ326の一端が回転軸AX1に固定されている。また、コイルバネ326の他端が、回転部材327の回転シャフト328に固定されている。
【0087】
本形態では、
図14に示すように、コイルバネ326の自然長は、コイルバネ326の他端部に回転部材327を介して固定されたベース部221(可動部220)が支持部250から浮き上がる長さになっている。すなわち、上述の固定治具322は、支持部250と第1モータ321との間隔を、コイルバネ326が自然長のときにベース部221(可動部220)が支持部250から浮き上がる長さとなるように保っている。
【0088】
次に、第1振動機構320の動作について説明する。第1振動条件が成立して第1モータ321が作動すると、回転軸AX1を中心としてコイルバネ326の他端と回転部材327が旋回する。すると、ベース部221(円形凹部224)が偏心錘329に押されて、可動部220も旋回しようとする。
【0089】
ここで、回転部材327には、回転軸AX1から偏心した偏心錘329が備えられているので、回転部材327の旋回半径が大きくなり、ベース部221が支持部250の円形突部255と衝突する。従って、ベース部221は、
図16に示した範囲Q内を、支持部250の円形突部255との衝突を繰り返しながら、水平方向(すなわち、回転軸AX1に垂直な方向)に振動する(揺れ動く)。
【0090】
また、本形態では、コイルバネ326が第1モータ321の回転軸AX1と同軸に配置され、可動部220の水平方向に弾性曲げ変形可能となっているので、ベース部221は、旋回する回転部材327の遠心力と、衝突した円形突部255から受ける抗力と、コイルバネ326の復元力の影響を受けて移動することになり、ベース部221を回転軸AX1に垂直な方向、すなわち、回転軸AX1に垂直な平面内でランダムに振動させることが可能になっている。
【0091】
このように、可動部220のベース部221は、
図16に示した範囲Q内を、水平方向にランダム振動する。また、コイルバネ326の伸縮により、可動部220は、上下方向の振動も許容される。従って、可動部220は、上下方向と水平方向の両方の振動が許容される。
【0092】
以上、説明したように、可動部220の振動パターンは、上述した縦揺れ型のカバー部210の振動とは異なる振動パターンとなる。このように、本パチンコ遊技機PY1では、カバー部210と可動部220の振動パターンが異なっているので、2つの部材の振動の区別を容易にすることが可能となっている。
【0093】
また、カバー部210は、上下方向、すなわち、カバー部210が遊技者の手前方向(奥行き方向)に近い方向に振動するので、カバー部210の振動は、遊技者に視認困難となっている。これに対し、可動部220は、回転軸AX1に垂直な方向に振動するので、可動部220の振動は、カバー部210の振動よりも遊技者に視認され易くなっている。これにより、可動部220の振動状態を、可動部220を覆うカバー部210の振動状態よりも視覚的に際立たせることが可能となる。
【0094】
次に、可動部220の変位に伴う、光源部260の複数のLEDの発光態様について説明する。
【0095】
なお、半球型ボタンユニット200において、光源部260の各LEDからの光が、可動部220の装飾部225における各種透光部227を透過する。具体的には、中心LED261からの光が、装飾部225をなす中央透光部228を透過する。また、第1単独LED262からの光が装飾部225をなす第1透光部229、第2単独LED264からの光が第2透光部230、第3単独LED266からの光が第3透光部231、第4単独LED268からの光が第4透光部232、そして、第5単独LED270からの光が第5透光部233をそれぞれ透過する。
【0096】
また、第1連携LED263のうち、中心LED261を挟んで第1単独LED262の反対側に位置するLEDからの光が第6透光部234、第2連携LED265のうち中心LED261を挟んで第2単独LED264の反対側に位置するLEDからの光が第7透光部235をそれぞれ透過する。また、第3連携LED267のうち中心LED261を挟んで第3単独LED266の反対側に位置するLEDからの光が第8透光部236、第4連携LED269のうち中心LED261を挟んで第4単独LED268の反対側に位置するLEDからの光が第9透光部237、第5連携LED261のうち中心LED261を挟んで第5単独LED270の反対側に位置するLEDからの光が第10透光部238をそれぞれ透過する。
【0097】
また、第1連携LED263のうち中心LED261よりも第1単独LED262側に位置するLEDからの光が、第7透光部235および第10透光部238の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。また、第2連携LED265のうち中心LED261よりも第2単独LED264側に位置するLEDからの光が、第6透光部234および第8透光部236の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。また、第3連携LED267のうち中心LED261よりも第3単独LED266側に位置するLEDからの光が、第7透光部235および第9透光部237の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。また、第4連携LED269のうち中心LED261よりも第4単独LED268側に位置するLEDからの光が、第8透光部236および第10透光部238の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。また、第5連携LED261のうち中心LED261よりも第5単独LED270側に位置するLEDからの光が、第6透光部234および第9透光部237の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。
【0098】
以上により、
図11に示す第1LED群LD1からの光によって、
図17(A)に示すように、第1透光部229と、第7透光部235および第10透光部238の部位のうちこれらの間の第3非透光部243付近の部位と、中央透光部228と、第6透光部234とを輝かせることが可能である。また、
図11に示す第2LED群LD2からの光によって、
図17(B)に示すように、第2透光部230と、第6透光部234および第8透光部236の部位のうちこれらの間の第3非透光部243付近の部位と、中央透光部228と、第7透光部235とを輝かせることが可能である。また、
図11に示す第3LED群LD3からの光によって、
図17(C)に示すように、第3透光部231と、第7透光部235および第9透光部237の部位のうちこれらの間の第3非透光部243付近の部位と、中央透光部228と、第8透光部236とを輝かせることが可能である。また、
図11に示す第4LED群LD4からの光によって、
図17(D)に示すように、第4透光部232と、第8透光部236および第10透光部238の部位のうちこれらの間の第3非透光部243付近の部位と、中央透光部228と、第9透光部237とを輝かせることが可能である。また、
図11に示す第5LED群LD5からの光によって、
図17(E)に示すように、第5透光部233と、第6透光部234および第9透光部237の部位のうちこれらの間の第3非透光部243付近の部位と、中央透光部228と、第10透光部238とを輝かせることが可能である。
【0099】
つまり、第1LED群LD1、第2LED群LD2、第3LED群LD3、第4LED群LD4、又は、第5LED群LD5を発光させた場合にはいずれも、装飾部225の第1表面部226の上面視において、装飾部225の直径を示す直線状に光を出射させることが可能となっている。
【0100】
また、光源部260の各LED261~271は、可動部220の装飾部225が変位しているときには、以下のような発光態様で発光する。すなわち、上記第1LED群LD1を点灯させてその他のLEDを消灯させる
図17(A)に示す第1段階態様、上記第2LED群LD2を点灯させてその他のLEDを消灯させる
図17(B)に示す第2段階態様、上記第3LED群LD3を点灯させてその他のLEDを消灯させる
図17(C)に示す第3段階態様、上記第4LED群LD4を点灯させてその他のLEDを消灯させる
図17(D)に示す第4段階態様、および、上記第5LED群LD5を点灯させてその他のLEDを消灯させる
図17(E)に示す第5段階態様をこの順で繰り返す発光態様で発光する。
【0101】
よって、そのような発光態様で光源部260の各LED261~271を発光させた場合には、装飾部225の第1表面部226の上面視において、上記直線状をなす光を、中央透光部228を中心に反時計回りに順次(5段階で)変化させることが可能となっている。つまり、そのような場合には、直線状をなす光が装飾部225の第1表面部226上を反時計回りに流れて回転しているように遊技者に見せることが可能となっている。
【0102】
なお、上述したように、第1振動機構320は、第1モータ321の回転駆動に伴って旋回する回転部材327(偏心錘329)の移動に基づき、第1モータ321の回転軸AX1に垂直な平面視において可動部220の装飾部225を変位させている。そのため、
図15に示す回転部材327の偏心錘329の旋回移動とともに、装飾部225が、上記平面視で同じ回転方向、すなわち、第1モータ321と同じ時計回りに旋回移動し易いと考えられる。
【0103】
従って、装飾部225の変位時に、
図17(A)、
図17(B)、
図17(C)、
図17(D)および
図17(E)の順で繰り返される発光態様、つまり、装飾部225の第1表面部226上を反時計回りに光が流れるような発光態様で各LED261~271を発光駆動させた場合には、遊技者が視覚で感じる装飾部225の旋回(変位)速度を相対的に上げることが可能となっている。そのため、装飾部225の変位を確実に強調することが可能となっている。
【0104】
また、本形態では、上述したように、円形突部255を通じて、光源部260が支持部250に固定されている。一方、可動部220は支持部250に対して変位可能である。すなわち、光源部260は、可動部220の装飾部225の変位の有無によらず、その装飾部225を除いた所定の位置に配置されている。つまり、光源部260は、装飾部225が変位しても、その装飾部225の変位に伴って変位しない。よって、装飾部225が変位するときには、光源部260に対して相対的に変位することになる。つまり、変位している装飾部225と光源部260との間で、相対的な位置関係を変化させることが可能となっている。
【0105】
なお、可動部220の装飾部225は、変位時には、第1振動機構320によって、回転軸AX1に垂直な方向に変位するため、変位(振動)している装飾部225を通じて見える、各LEDからの光の見え方に変化を与えることが可能となっている。
【0106】
具体的に例えば、
図17(A)に示す第1段階態様で各LED(中心LED261,第1単独LED262,第1連携LED263)を発光駆動する場合に、第1連携LED263のうち中心LED261よりも第1単独LED262側に位置するLED(便宜上、当該LEDという)からの光が、第7透光部235および第10透光部238の部位のうち、これらの間にある第3非透光部243付近の部位を透過する。このとき、装飾部225は変位(振動)しているので、第1連携LED263の当該LEDからの光が、第7透光部235から見える場合もあれば、第10透光部238から見える場合もある。あるいは、それらの間の第3非透光部243に遮られる場合もある。すなわち、装飾部225の変位時には、装飾部225における当該LEDからの光の見え方を変化させることが可能となっている。
【0107】
なお、
図17(B)~
図17(E)に示す各種態様でも同じように、装飾部225の変位持に、当該LEDからの光の見え方を変化させることが可能となっており、可動部220の装飾部225の変位を目立たせて、遊技者の視線を引きつけることが可能である。
【0108】
但し、上述したように、第2非透光部242をなす枠が、第1非透光部241の枠や第3非透光部243よりも太くなっている。そのため、第1透光部229~第5透光部233を透過させる単独LED262,264,266,268,270からの光が、装飾部225の変位(振動)時に、第1透光部229~第5透光部233以外の透光部を通じて遊技者側に出射されるのを防いでいる。よって、単独LED262,264,266,268,270からの光については、装飾部225の変位にかかわらず、それぞれ対応した所定の透光部(第1透光部229~第5透光部233)を透過させる構成になっており、単独LED262,264,266,268,270を用いて、狙った通りの発光演出を実行可能である。
【0109】
3.遊技機の電気的構成
次に、
図18~
図19に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(主制御基板,メイン制御基板)100、遊技制御基板100による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板(サブ制御基板)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を備えている。遊技制御基板100、演出制御基板120および払出制御基板170等は、ユニット化されて盤用演出ユニットEUの背面側に設置されている。
【0110】
なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出、保留連演出など)、客待ち演出、半球型ボタン40や剣型ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
【0111】
また、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。一方、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、役物ランプ制御回路162および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、および、盤可動装置55等)を用いた遊技演出、客待ち演出および操作促進演出などを制御可能であればよい。
【0112】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120および払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
【0113】
図18に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0114】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0115】
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11、又は、第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特
図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特
図2関連判定情報」という。また、特
図1関連情報と特
図2関連情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
【0116】
そして、特
図1関連判定情報は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105Aに記憶される。一方、特
図2関連判定情報は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105Bに記憶される。特
図1保留記憶部105Aに記憶可能な特
図1関連判定情報の数、すなわち、特
図1保留数の上限数は「4」に設定されている。また、特
図2保留記憶部105Bに記憶可能な特
図1関連判定情報の数、すなわち、特
図2保留数の上限数は「4」に設定されている。なお、特
図1保留数の上限数および特
図2保留数の上限数は適宜に設定してもよい。また、特
図1保留数の上限数および特
図2保留数の上限数を設けなくてもよい。
【0117】
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
【0118】
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13aおよび大入賞口センサ14aが含まれている。
【0119】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
【0120】
また、遊技制御基板100に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド12sおよびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
【0121】
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82および特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0122】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、貸球払出装置74および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72kが含まれる。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
【0123】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、貸球払出装置74の貸球モータ74mを駆動して貸球の払い出しを行ったり、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったりする。払い出される貸球は、その計数のための貸球センサ74aにより検知される。また、払い出される賞球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知される。
【0124】
また、ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。また、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド(発射モータ)72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0125】
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0126】
図19に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0127】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、演出用ROM123には、各種判定テーブルが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0128】
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0129】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、および、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、および、VDP(Video Display Processor)144を備えている。なお、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0130】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0131】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0132】
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0133】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0134】
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
【0135】
具体的に、演出制御基板120には、フォトセンサ40aおよび剣型ボタン検出スイッチ41aが接続されている。半球型ボタン検出スイッチ40aは、半球型ボタンユニット200の半球型ボタン40が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ41aは、剣型ボタン41が押下操作されたことを検出する。ボタン検出スイッチ40a、41aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
【0136】
また、演出制御基板120には、盤可動体ソレノイド55Sが接続されている。盤可動体ソレノイド55Sは、盤可動体55kを駆動して、盤可動体55kを下降および上昇させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、役物ランプ制御回路162を介して、盤可動体55kの動作を制御する。
【0137】
また、演出制御基板120には、半球型ボタンユニット200の第1モータ321および第2モータ331が接続されている。半球型ボタンユニット200の第1モータ321は、上述したように、可動部220を視認可能に変位させることが可能である。すなわち、可動部220の上面視において、可動部220の装飾部225を水平方向に揺れ動かすことが可能である。演出制御用マイコン121は、役物ランプ制御回路162を介して、可動部220の変位動作を制御する。
【0138】
半球型ボタンユニット200の第2モータ331は、上述したように、半球型ボタンユニット200の半球型ボタン40(カバー部210)を変位させることが可能である。すなわち、半球型ボタン40(カバー部210)を振動させることが可能である。演出制御用マイコン121は、役物ランプ制御回路162を介して、カバー部210の変位動作を制御する。
【0139】
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、役物ランプ制御回路162を介して枠ランプ53等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0140】
また、演出制御用マイコン121は、半球型ボタンユニット200の光源部260における上記各種LEDの発光態様を決める発光パターンデータ(ランプデータ)を作成し、発光パターンデータに従って光源部260の各種LEDの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0141】
なお、役物ランプ制御回路162を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、半球型ボタンユニット200の光源部260の各種LED、枠ランプ53等の点灯制御、および、半球型ボタンユニット200の可動部220、カバー部210、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0142】
4.遊技制御基板100による遊技の説明
次に、遊技制御基板100により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。遊技制御基板100は、発射された遊技球がゲート13に入賞すると、普図の可変表示、又は、補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。遊技制御基板100は、普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示、又は、補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13に入賞することを「普図変動始動条件の成立」という。
【0143】
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関連判定情報を取得する。取得する普図関連判定情報には、
図20(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0~65535である。
【0144】
次に、普図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、
図21(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
【0145】
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、
図21(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0146】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
【0147】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、遊技制御基板100は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、遊技制御基板100は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器82で行われる。
【0148】
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、補助遊技が実行される。
【0149】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および、各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。遊技制御基板100は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図21(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。すなわち、補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。よって、遊技制御基板100は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
【0150】
非時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが1回開放する。このときの開放時間は0.2秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう
【0151】
時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが2回開放する。1回目の開放時間は2.5秒である。そして、1回目の開放が終了し、一旦電チュー12Dが閉鎖してから1.0秒のインターバル時間を挟んで2回目の開放が行われる。2回目の開放時間は2.5秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
【0152】
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、「大当たり図柄」および「ハズレ図柄」がある。すなわち、特
図1抽選の結果には「大当たり」および「ハズレ」がある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0153】
同様に、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、「大当たり図柄」および「ハズレ図柄」がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、「大当たり」および「ハズレ」がある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0154】
なお、以下において、特
図1保留数(U1)が4未満であるときに遊技球が第1始動口11に入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特
図2保留数(U2)が4未満であるときに遊技球が第2始動口12に入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0155】
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関連判定情報を取得し、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、
図20(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
【0156】
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0~65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0~9である。リーチ乱数の範囲は、0~99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0~99である。なお、各種乱数の範囲は、これらに限られず適宜に設定することができる。
【0157】
次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、
図21(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、後述する通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0158】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たりおよびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。遊技制御基板100は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、又は、ハズレの何れであるかを判定する。
図21(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
【0159】
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図21(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典(通常よりも遊技者に有利になる有利遊技状態の内容)などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
【0160】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0161】
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。
【0162】
第1始動口11に入賞した場合の(特
図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口12に入賞した場合の(特
図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eの2種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
【0163】
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は
図21(A)および
図21(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、
図21(B)に示す5種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていてもよい。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていてもよい。
【0164】
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図21(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
【0165】
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤可動装置55、半球型ボタンユニット200の半球型ボタン40、可動部220の装飾部225および剣型ボタン41などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出では、画像表示装置50の表示部50aにおいて、当該特図の可変表示に同期、又は、略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄の可変表示が行われているときには、表示部50aで行われる特図変動演出として、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄とは異なる演出画像(静止画や動画)の表示が行われる。
【0166】
演出図柄は、例えば、表示部50aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(
図26等を参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3、又は、演出図柄EZ1~EZ3」という場合もある。
【0167】
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。本形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」~「8」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部50aの上から下にスクロールする。このとき、表示部50aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
【0168】
なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
【0169】
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部50a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図表示器81にて停止表示される特図、すなわち特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特
図1表示器81aや特
図2表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50の表示部50aにて把握する。
【0170】
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(
図27(D)や
図28(A)参照)。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部50a内の所定位置で仮停止している。
【0171】
仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部50a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定してもよい。
【0172】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
【0173】
非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
【0174】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図22(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。
【0175】
リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0176】
次に、特別図柄変動パターン判定について説明する。特別図柄変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、
図23~
図24に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。
【0177】
特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
【0178】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、特
図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図23)と、特
図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図24)とに大別される。
【0179】
そして、特別図柄の種別に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)とがある。
【0180】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用およびリーチ無しハズレ用がある。
【0181】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルとがある。また、リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルとがある。
【0182】
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器81で行われる。
【0183】
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、通常の通常特図変動演出と、通常特図変動演出よりも演出時間が長く、通常特図変動演出よりも大当たり期待度が高い特別特図変動演出とがある。
【0184】
また、特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、
図23~
図24に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
【0185】
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、発展演出、ロングリーチ(Lリーチ)、およびスペシャルリーチ(SPリーチ)がある。
【0186】
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
【0187】
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、又は、SPリーチに発展する(切り替わる)。
【0188】
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、例えば表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、例えば所定のキャラクタが敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部50aで流れる)。
【0189】
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部50aで流れる)。
【0190】
なお、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難、又は、視認不可能な状態も含むものとする。
【0191】
また、
図23~
図24の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。
【0192】
例えば、ハズレに係る特図変動パターン全般のことを「ハズレ変動」ともいい、大当たりに係る特図変動パターン全般のことを「大当たり変動」ともいう。また、リーチ有りハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」ともいい、リーチ無しハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ無しハズレ変動」ともいう。また、大当たりおよびハズレに関係なくSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」ともいう。さらに、大当たりおよびハズレに関係なくLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」ともいう。
【0193】
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動~通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
【0194】
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。
【0195】
そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
【0196】
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。
【0197】
各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
【0198】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、および、エンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
【0199】
そして、これらの各要素は、大当たり遊技制御テーブルに格納されている。
図25(A)に示すように、大当たり遊技制御テーブルは、大当たり図柄の種別に対応付けられている。遊技制御基板100は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。すなわち、遊技制御基板100は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
【0200】
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから8Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
【0201】
大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
【0202】
大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
【0203】
そして、遊技制御基板100は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。
【0204】
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口12の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者には、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者には、非時短状態と時短状態とがある。
【0205】
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態である。一方、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。
【0206】
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。前述のように、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いように設定された特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる。その結果、時短状態では、非時短状態に比べて特図保留の消化のペースが速くなり、始動口11,12への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0207】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易い遊技状態でもある。本形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。
【0208】
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するからである。
【0209】
加えて、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/66536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/66536の確率で当たりと判定されるからである。
【0210】
以上のことから、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなるので、第2始動口12への入賞がし易くなる。よって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。
【0211】
なお、時短状態では、非時短状態に比べて、当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる普図に係る遊技についての3つの点で、遊技者に有利に設定されるが、この遊技者に有利に設定される点はこれらの中の任意の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞がし易くなればよい。
【0212】
また、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
【0213】
ここで、大当たり遊技後の遊技状態についての説明に戻す。前述の通り、新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。具体的には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに対応付けられた新たな遊技状態は、高確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄A、大当たり図柄B、又は、大当たり図柄Dが停止表示すると、大当たり遊技の後は、高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。一方、大当たり図柄Cおよび大当たり図柄Eに対応付けられた新たな遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄C、又は、大当たり図柄Eが停止表示すると、大当たり遊技の後は、通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。
【0214】
このように、大当たり当選に伴って、大当たり遊技後は新たな遊技状態にて遊技が進行するが、通常遊技状態に比べて遊技者に有利になる新たな遊技状態の期間は規定されている。具体的には、遊技者に有利な新たな遊技状態が設定されて、大当たりに当選することなく特図の可変表示が所定の規定回数、実行されると、遊技者に有利な遊技状態が終了する。この規定回数は、大当たり図柄の種別と、遊技状態の種別とに関連付けられている。
【0215】
大当たり図柄A、大当たり図柄Bおよび大当たり図柄Dで高確率状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄A、大当たり図柄Bおよび大当たり図柄Dで時短状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。さらに、大当たり図柄Cおよび大当たり図柄Eで時短状態が設定される場合の規定回数は100回に設定されている。
【0216】
そして、高確率状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、高確率状態が終了して通常確率状態に移行する。また、時短状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、時短状態が終了して非時短状態に移行する。
【0217】
なお、以下において、高確率状態に対する規定回数を「高確率規定回数」という。また、時短状態に対する規定回数を「時短規定回数」という。また、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後に通常確率状態で遊技が進行するが、この遊技状態についての規定回数は設定されていない。
【0218】
このように、大当たり図柄に応じて新たな遊技状態および規定回数が対応付けられている。遊技制御基板100は、
図25(B)に示す遊技状態設定テーブルに基づいて、大当たり遊技後の新たな遊技状態、並びに高確率規定回数、および時短規定回数を設定する。
【0219】
以上のように、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技が実行され、大当たり図柄の種別に応じた遊技状態および規定回数が設定される。大当たり遊技の種別、遊技状態の種別および規定回数は、遊技者の遊技利益となるので、大当たり図柄の種別は、遊技者に付与する遊技利益を表しているということができる。ここで、特
図1抽選に係る大当たり図柄A、大当たり図柄Bおよび大当たり図柄Cに係る遊技利益と、特
図2抽選に係る大当たり図柄Dおよび大当たり図柄Eに係る遊技利益とを比べると、大当たり遊技に係る出玉性能の点から特
図2抽選の方が遊技者に有利といえる。
【0220】
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行させる大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
【0221】
5.演出制御基板120による演出の説明
前述のように、遊技制御基板100は、遊技球が始動口20,22に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、演出制御基板120は、これらの遊技制御基板100が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、演出制御基板120により行われる種々の演出のうち、特図可変表示に応じた特図変動演出について
図26~
図29を用いて説明する。
【0222】
演出制御基板120は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(いわゆる「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0223】
次に、特図変動演出の具体例について説明する。例えば、
図26(A)に示すように、表示部50aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、
図26(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(いわゆる「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に
図26(C)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に
図26(D)に示すように、右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、
図26(E)に示すように、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、
図26(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。
【0224】
なお、
図26の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
【0225】
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、
図27(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、
図27(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば
図27(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に、
図16(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生、又は、成立する)。
【0226】
なお、
図27の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も表示部50aの上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
【0227】
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。
図27(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、
図28(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、
図28(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
【0228】
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、
図28(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(
図28(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、
図28(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
【0229】
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、
図28(C-2)に示すように、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、LリーチやSPリーチへと発展する。
【0230】
NリーチからLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(
図29(A-1)参照)。また、通常用背景画像G100からLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像)G101に切り替わる(
図29(A-1)参照)。本形態のLリーチ用背景画像G101は、街中で主人公キャラと敵キャラとがバトルする2DCGによる映像(シーン)で構成されている。
【0231】
一方、NリーチからSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(
図29(A-2)参照)。また、通常用背景画像G100からSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像)G102に切り替わる(
図29(A-2)参照)。本形態のSPリーチ用背景画像G102は、敵のアジトで主人公キャラと敵キャラとがバトルする3DCGによる映像(シーン)で構成されている。
【0232】
そして、LリーチであってもSPリーチであっても、ハズレであると、最終的には
図29(B-1)に示すように、Lリーチ用背景画像G101、又は、SPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、LリーチであってもSPリーチであっても、最終的には
図29(B-2)に示すように、Lリーチ用背景画像G101、又は、SPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
【0233】
6.パチンコ遊技機PY1の動作
次に、
図30に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、
図31~
図32に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0234】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、
図30に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
【0235】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(
図18参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM104の所定の記憶領域にセットする。
【0236】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(
図20(B)参照)を取得する。また、第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(
図20(B)参照)を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図20(A)参照)を取得する。
【0237】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM104の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図25(A)参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM104の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0238】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図25(A)参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0239】
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理(S106)を行う。
【0240】
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は
図31~
図32に示す処理を行う。演出制御用マイコン121の動作について、以下に説明する。
【0241】
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、
図31に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
【0242】
[受信コマンド解析処理]
図32に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン121はまず、遊技制御用マイコン101から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
【0243】
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM124の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、枠ランプ53を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体55kを動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、さらに、半球型ボタンユニット200の半球型ボタン40を振動させる演出の実行の有無やそのタイミング、半球型ボタンユニット200の可動部220を動作させる演出の実行の有無やそのタイミング、および、可動部220の動作に伴う、半球型ボタンユニット200の各種LEDを発光駆動させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
【0244】
次に演出制御用マイコン121は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM124の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
【0245】
なお、開始させる変動演出に半球型ボタンユニット200の半球型ボタン40を振動させる演出がある場合には、サブ側タイマ割り込み処理(
図31)のステップS1004の可動体処理にて、第2モータ331を回転駆動させて、半球型ボタン40を振動させる。また、決定された演出に半球型ボタンユニット200の可動部220を動作させる演出がある場合には、サブ側タイマ割り込み処理(
図31)のステップS1004の可動体処理にて、第1モータ321を回転駆動させて、可動部220を視認可能に動作せせる。また、決定された演出に半球型ボタンユニット200の各種LEDを発光駆動させる演出がある場合には、サブ側タイマ割り込み処理(
図31)のステップS1005のランプ処理にて、光源部260の各LED261~271を発光駆動させる。
【0246】
ステップS1104では演出制御用マイコン121は、その後、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0247】
図31に戻り、演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板140に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板140は、画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、ステップS1103でセットされた変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板140は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
【0248】
続いて演出制御用マイコン121は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ52から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ52からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御回路161に出力したりする。次に演出制御用マイコン121は、可動体処理(S1004)およびランプ処理(S1005)を行う。
【0249】
可動体処理(S1004)では、例えば、RAM124にセットされた変動演出開始コマンドに基づいて、半球型ボタン40を振動動作させたり、可動部220の装飾部225を振動動作させたりする処理を行う。
【0250】
ランプ処理(S1005)では、例えば、RAM124にセットされた変動演出開始コマンドに基づいて、光源部260の各LED261~271を発光駆動させる処理を行う。
【0251】
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本第1形態のパチンコ遊技機PY1では、可動部220の装飾部225における非透光部240は、透光部227よりも透光し難いため、非透光部240の方が透光部227よりもその実体を遊技者が目で判り易い。よって、装飾部225の変位に伴って非透光部240が動く場合には、透光部227が動く場合よりもその動きを遊技者が目で追い易い。そのような非透光部240が視認可能に配置されているので、装飾部225の変位時に、非透光部240を通じて装飾部225が変位していることを遊技者が把握し易い。
【0252】
また、本形態では、透光部227は無色透明の材質からなるので、可動部220の装飾部225が変位しているときでも変位していないときでも、透光部227からでは装飾部225を把握し難い。これに対し、可動部220の装飾部225には非透光部240があるため、変位している装飾部225を遊技者に確実に把握させることが可能となっている。
【0253】
特に本形態のような、装飾部225がカバー部210に覆われていて、装飾部225自体を一目で視認し難い構成であっても、実体が把握し易い非透光部240が装飾部225にあるため、カバー部210を介して、可動部220の装飾部225を遊技者が把握可能となっている。
【0254】
また、本形態では、非透光部240は、可動部220の装飾部225の周縁に配置されている複数の第2非透光部242を含んでいるので、装飾部225の大きさを遊技者に視識させることが可能となっている。
【0255】
また、本形態では、可動部220の装飾部225の周縁よりも内側にわたって伸びている第1非透光部241,第3非透光部243を含んでいるので、装飾部225の広がりを遊技者に視識させることが可能となっている。
【0256】
特に本形態では、非透光部240には、上述の第1非透光部241、第2非透光部242および第3非透光部243があるため、装飾部225の大きさに加えて、その装飾部225の第1表面部226の広さも遊技者に視認させることが可能となっている。
【0257】
しかも、非透光部240は、第3非透光部243を介して、装飾部225の第1表面部226の中央付近にある第1非透光部241、および、周縁にある各第2非透光部242を繋いだ形態になっている。つまり、非透光部240が第1表面部226を横断するような形態になっている。よって、装飾部225の広がりを遊技者に確実に視識させることが可能となっている。
【0258】
また、本形態では、光源部260に配した各LED261~271からの光を用いて、変位している可動部220の装飾部225を発光可能となっている。よって、そのような可動部220の装飾部225を特図の変動演出に用いることで、その演出の興趣を向上可能となっている。
【0259】
また、本形態では、変位している可動部220の装飾部225と光源部260との相対的な位置関係を変化させることが可能であり、装飾部225の変位に伴って、透光部227を通じて見える各LED261~271からの光の見え方を変化させることが可能となっている。
【0260】
また、本形態では、第6透光部234~第10透光部238は、第2表面部245側に細溝状のカット部CTを複数設けている。よって、各LEDからの光が、上記第6透光部234~第10透光部238に到達した場合には、乱反射が生じることになる。よって、第6透光部234~第10透光部238を輝かせて、第6透光部234~第10透光部238を目立たせることが可能となっている。
【0261】
また、本形態では、可動部220(装飾部225)の変位とは複数の位置に揺れ動くことであるため、そのように変位しているときの可動部220の装飾部225を、変位していないときのものよりも遊技者に大きく見せかけることが可能となっている。
【0262】
また、本形態では、可動部220の装飾部225が視認可能に変位しているときに、所定の発光態様で各LED261~271が発光し得る。所定の発光態様とは、第1仮想直線VL1上に配置された第1LED群LD1のみの点灯、前記第2仮想直線VL2上に配置された第2LED群LD2のみの点灯、第3仮想直線VL3上に配置された第3LED群LD3のみの点灯、前記第4仮想直線VL4上に配置された第4LED群LD4のみの点灯、および、前記第5仮想直線VL5上に配置された第5LED群LD5のみの点灯に順次切り替える発光態様である。よって、各LED261~271を発光させない場合よりも、装飾部225への遊技者の注意を引くことが可能であり、装飾部225の変位を遊技者に気付かせることが可能である。
【0263】
また、本形態では、上述したように、可動部220の装飾部225の変位を強調する発光態様で各LED261~271が発光し得る。よって、装飾部225の変位を遊技者に確実に気付かせることが可能となっている。
【0264】
また、本形態では、可動部220の装飾部225の変位に伴って、装飾部225が変位する方向に広がっている第1表面部226を遊技者により大きく見せることが可能であり、装飾部225の変位を遊技者に気付かせ易い。
【0265】
また、本形態では、透光部227は無色透明の材質からなるので、装飾部225の変位動作にかかわらず、透光部227に基づいて装飾部225の実体を遊技者に把握させ難い。これに対し、装飾部225には、第1非透光部241、第2非透光部242および第3非透光部243を含んだ非透光部240があるので、変位動作している装飾部225を遊技者に確実に把握させることが可能となっている。
【0266】
また、本形態では、所定の発行態様とは、第1表面部226において第1モータ321の回転駆動の回転方向(時計回り)とは反対の回転方向(反時計回り)に光が流れるような発光態様である。第1振動機構320は、第1モータ321の回転駆動に伴って旋回する回転部材327の移動に基づき、回転軸AX1に垂直な平面視において可動部220の装飾部225を変位させる。そのため、回転部材327の旋回移動とともに、可動部220の装飾部225が、上記平面視で同じ回転方向(時計回り)に旋回移動し易いと考えられる。よって、装飾部225の変位時に上記所定の発光態様で各LED261~271を発光駆動させた場合には、遊技者が視覚で感じる装飾部225の旋回(変位)速度を相対的に上げることが可能となっている。従って、装飾部225の変位を確実に強調することが可能となっている。
【0267】
また、本形態では、光源部260にて異なる複数(5つ)の仮想直線VL1~VL5上に配置した各LED261~271を用いて、第1モータ321の回転駆動の回転方向(時計回り)とは反対の回転方向(反時計回り)に光を推移させることが可能となっている。よって、上記所定の発光態様で各LED261~271を発光させることが可能であり、その発光態様で各LED261~271を発光駆動させた場合には、遊技者が視覚で感じる装飾部225の旋回(変位)速度を相対的に上げることが可能となっている。
【0268】
また、本形態では、可動部220の装飾部225が変位動作しているときには、その装飾部225の変位を強調する発光態様で各LED261~271が発光し得る。そのため、各LED261~271を発光させない場合よりも、装飾部225への遊技者の注意を引くことが可能であり、装飾部225の変位を遊技者に気付かせることが可能となっている。
【0269】
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0270】
上記第1形態では、透光部227(第1構成部)を無色透明の材質からなるものとした。しかしながら、無色透明ではなく、透光可能な有色透明な材質からなるものでもよい。その場合、非透光部240(第2構成部)は、第1構成部よりも透光し難い材質からなるものが好ましい。
【0271】
また、上記第1形態では、装飾部225(可動体)の周縁の一部に第2非透光部242(周縁部)を配置した。しかしながら、可動体の周縁全体に周縁部(第2構成部)を配置してもよい。このような構成によれば、可動体の周縁の一部に周縁部を配置する構成よりも、可動体の大きさ(輪郭)を遊技者が確実に把握することが可能である。
【0272】
また、上記第1形態では、第3非透光部243(延伸部)と第2非透光部242(周縁部)とを繋いだ形態とした。しかしながら、延伸部と周縁部とを離間させた形態でもよい。また、第1非透光部241と第3非透光部243と繋いだ形態としたが、これらを離間させた形態でもよい。
【0273】
また、上記第1形態では、第2構成部に延伸部(第1非透光部241,第3非透光部243)、および、周縁部(第2非透光部242)の両方を含んだ装飾部225(可動体)とした。しかしながら、第2構成部に延伸部だけがある可動体や、第2構成部に周縁部だけがある可動体でもよい。
【0274】
また、上記第1形態では、装飾部225(可動体)が変位しているときに、光源部260の各LED261~271(光源,発光素子)を発光駆動させる構成としたが、可動体が変位していないときに、光源(発光素子)を発光駆動させる構成でもよい。また、可動体が変位しているときも、変位していないときも、光源を発光駆動させる構成の場合には、可動体が変位しているときと、変位していないときとの間で、光源の発光態様を異ならせてもよい。また、可動体が変位しているときと、変位していないときとの間で、光源の発光態様を同じにしてもよい。
【0275】
また、上記第1形態では、光が反時計回りに流れる発光態様で各LED261~271(光源,発光素子)を発光駆動させた。しかしながら、そのような発光態様以外のもので光源(発光素子)を発光駆動させてもよい。具体的に例えば、光源全部を点灯・点滅させる発光態様や、光源の一部を点灯・点滅させる発光態様や、光源を2つ以上のグループに分けて、交代で点灯させる発光態様が挙げられる。
【0276】
また、上記第1形態では、光源部260を支持部250に固定して、可動部220の装飾部225の変位の有無によらず、可動部220を除いた所定の位置に光源部260を配置した。しかしながら、光源部260を可動部220の所定の位置に配置してもよい。すなわち、可動部220の変位に伴って、可動部220とともに光源部260も同じく変位する構成でもよい。
【0277】
また、上記第1形態では、可動部220の装飾部225の変位を振動としたが、例えば、一方の位置から他方の位置への変位や回転による変位や旋回による変位など、振動以外の変位でもよい。
【0278】
また、上記第1形態では、可動部220の装飾部225を、上記第1振動機構320によって変位動作させるものとした。しかしながら、第1振動機構320に限らず、それ以外の機構によって変位動作させてもよい。
【0279】
また、上記第1形態では、5つの仮想直線VL1~VL5上にそれぞれ光源(発光素子)を配置した。しかしながら、5つを除いた、2つ以上の仮想直線上に光源を配置する構成でもよい。なお、5つを除いた、3つ以上の仮想直線上に光源を配置する構成とした方が、光が推移する回転方向を遊技者が把握し易いため、より好ましい。
【0280】
また、上記第1形態では、光源(発光素子)を発光させる態様として、光源部260の直径をなす仮想直線上に並んだ複数の光源を同時に発光させる態様とした。しかしながら、例えば、中心LED261を中心に、光源部260の半径をなす仮想直線上に並んだ複数の光源を同時に発光させる態様でもよい。この態様の場合には、装飾部225の中央透光部228を中心に、装飾部225の第1表面部226の半径をなして光が回転しているように遊技者に示すことが可能である。よって、そのような態様の場合でも、第1形態と同じく、第1モータ321の回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に光を推移させることが可能である。
【0281】
また、例えば、各単独LED262,264,266,268,270を順次発光させる態様でもよい。すなわち、第1単独LED262のみ点灯→第2単独LED264のみ点灯→第3単独LED266のみ点灯→第4単独LED268のみ点灯→第5単独LED270のみ点灯を繰り返す発光態様でもよい。この態様の場合でも、第1形態と同じく、第1モータ321の回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に光を推移させることが可能である。また、各単独LED262,264,266,268,270に代えて、各連携LED263,265,267,269,271でもよい。
【0282】
また、上記第1形態では、非透光部240(第2構成部)を透光部227(第1構成部)とは別体とし、装飾部225(可動体)を透光部227に非透光部240を組み合わせた形態とした。しかしながら、可動体の露出表面部において、第1構成部の表面にシール、塗料等の透光し難い部材を付着させて、その部位を第2構成部としてもよい。
【0283】
また、上記第1形態では、上皿34の上面に配置した、半球型ボタンユニット200の装飾部225を可動体とした。しかしながら、装飾部225に代えて、例えば遊技盤1に設けた可動体(例えば、盤可動装置55の盤可動体55k)でもよい。また例えば、遊技機枠2に設けた可動体でもよい。
【0284】
また、上記第1形態では、乱反射部を細溝状のカット部CTとした。しかしながら、そのような細溝状のカット部に限らず、リブ形状の部位や、多面形状の部位でもよい。
【0285】
また、上記第1形態では、いわゆる「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機PY1を遊技機として示した。しかしながら遊技機を、いわゆる「第3種」,「権利物」といわれるパチンコ遊技機や、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持ついわゆる「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
【0286】
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0287】
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
変位可能な可動体(装飾部225)を備え、
前記可動体には、透光可能な第1構成部(透光部227)と、前記第1構成部よりも透光し難い第2構成部(非透光部240)とがあり、
前記第2構成部は、視認可能に配置されていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0288】
この構成の遊技機によれば、第2構成部は第1構成部よりも透光し難いため、第2構成部の方が第1構成部よりもその実体を遊技者が目で判り易い。よって、第2構成部が動く場合には第1構成部が動く場合よりもその動きを遊技者が目で追い易い。そのような第2構成部が視認可能に配置されているので、可動体の変位時に、第2構成部を通じて可動体が変位していることを遊技者が把握し易い。
【0289】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記第1構成部は、無色透明の材質からなることを特徴とする遊技機である。
【0290】
上記構成の遊技機によれば、第1構成部は無色透明の材質からなるので、可動体が変位しているときでも変位していないときでも第1構成部から可動体を把握し難い。これに対し、可動体には第2構成部があるため、変位している可動体を遊技者に確実に把握させることが可能である。
【0291】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記第2構成部は、
前記可動体の周縁の少なくとも一部に配置されている周縁部(第2非透光部242)を含んでいることを特徴とする遊技機である。
【0292】
上記構成の遊技機によれば、第2構成部は可動体の周縁の少なくとも一部に配置されている周縁部を含んでいるので、可動体の大きさを遊技者に視識させることが可能である。
【0293】
手段A4に係る発明は、
手段A1、手段A2および手段A3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2構成部は、
前記可動体の周縁よりも内側にわたって伸びている延伸部(第1非透光部241や第3非透光部243)を含んでいることを特徴とする遊技機である。
【0294】
上記構成の遊技機によれば、可動体の周縁よりも内側にわたって伸びている延伸部を含んでいるので、可動体の広がりを遊技者に視識させることが可能である。
【0295】
手段A5に係る発明は、
手段A1、手段A2、手段A3および手段A4のいずれかに記載の遊技機であって、
発光する光が前記第1構成部を通じて遊技者側に達するよう設けられた光源(LED261~271)を備え、
前記光源は、
前記可動体の変位時に所定の発光態様で発光可能であることを特徴とする遊技機である。
【0296】
上記構成の遊技機によれば、光源からの光を用いて、変位している可動体を発光可能である。よって、そのような可動体を演出に用いた場合には、その演出の興趣を向上可能である。
【0297】
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機であって、
前記光源を保持する光源ベース部(光源部260)を備え、
前記光源ベース部は、
前記可動体の変位の有無によらず、前記可動体を除いた所定の部位(支持部250)に配置されていることを特徴とする遊技機である。
【0298】
上記構成の遊技機によれば、変位している可動体と光源ベース部との相対的な位置関係を変化させることが可能であり、可動体の変位に伴って、第1構成部を通じて見える光源からの光の見え方を変化させることが可能である。
【0299】
手段A7に係る発明は、
手段A5又は手段A6に記載の遊技機であって、
前記第1構成部には、前記光源からの光を乱反射させ得る乱反射部(カット部CT)が形成されていることを特徴とする遊技機である。
【0300】
上記構成の遊技機によれば、第1構成部を輝かせて、第1構成部を目立たせることが可能である。
【0301】
手段A8に係る発明は、
手段A1、手段A2、手段A3、手段A4、手段A5、手段A6および手段A7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体の変位とは、複数の位置に揺れ動くことであることを特徴とする遊技機である。
【0302】
上記構成の遊技機によれば、可動体の変位とは複数の位置に揺れ動くことであるため、そのように変位しているときの可動体を、変位していないときのものよりも遊技者に大きく見せかけることが可能である。
【0303】
手段A9に係る発明は、
無色透明な材質からなる第1構成部と、前記第1構成部よりも透光し難い第2構成部とを有する可動体を備え、
前記第2構成部は、
前記可動体の周縁の少なくとも一部に配置されている周縁部、および、前記可動体の周縁よりも内側にわたって伸びている延伸部の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする遊技機である。
【0304】
第1構成部は無色透明の材質からなるので、可動体の動作にかかわらず第1構成部に基づいて可動体の実体を遊技者に把握させ難い。これに対し、可動体には、周縁部および延伸部の少なくともいずれかを含んだ第2構成部があるので、変位動作している可動体を遊技者に確実に把握させることが可能である。
【0305】
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
変位可能な可動体(装飾部225)と、
光源(LED261~271)と、を備え、
前記可動体には、前記光源からの光を遊技者側に透過可能な構成部(透光部227)が配置されており、
前記光源は、
前記可動体が変位しているときには、所定の発光態様で発光可能であることを特徴とする遊技機である。
【0306】
この構成の遊技機によれば、可動体が視認可能に変位しているときに所定の発光態様で光源が発光し得る。よって、光源を発光させない場合よりも、可動体への遊技者の注意を引くことが可能であり、可動体の変位を遊技者に気付かせることが可能である。
【0307】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記所定の発光態様とは、前記可動体の変位を強調する発光態様であることを特徴とする遊技機である。
【0308】
上記構成の遊技機によれば、可動体の変位を遊技者に確実に気付かせることが可能である。
【0309】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
モータ(第1モータ321)と、前記モータの回転軸(AX1)とともに回転可能な軸部(コイルバネ326)と、前記軸部に設けられた回転部材(327)とを含む可動体変位機構(第1振動機構320)を備え、
前記回転部材は、
前記回転軸に垂直な垂直方向の重心が前記回転軸からずれており、
前記可動体変位機構は、
前記モータの回転駆動に伴って旋回する前記回転部材の移動に基づき、前記回転軸に垂直な平面視において前記可動体を変位させるものであり、
前記可動体は、
前記構成部を含む、遊技者側に露出する露出表面部(第1表面部226)を備え、
前記露出表面部は、
前記回転軸に垂直な平面視において所定の面積を有している形態であることを特徴とする遊技機である。
【0310】
上記構成の遊技機によれば、可動体の変位に伴って、可動体が変位する方向に広がっている露出表面部を遊技者により大きく見せることが可能であり、可動体の変位を遊技者に気付かせ易い。
【0311】
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記光源は、複数の発光素子(LED261~271)からなり、
前記構成部は、前記複数の発光素子からの光をそれぞれ遊技者側に透過可能なものであり、
前記所定の発光態様とは、前記露出表面部において前記モータの回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に光が流れるような発光態様であることを特徴とする遊技機である。
【0312】
上記構成の遊技機によれば、所定の発行態様とは、露出表面部においてモータの回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に光が流れるような発光態様である。可動体変位機構は、モータの回転駆動に伴って旋回する回転部材の移動に基づき、回転軸に垂直な平面視において可動体を変位させるので、回転部材の旋回移動とともに、可動体が、上記平面視で同じ回転方向に旋回移動し易いと考えられる。よって、可動体の変位時に上記所定の発光態様で光源を発光駆動させた場合には、遊技者が視覚で感じる可動体の旋回(変位)速度を相対的に上げることが可能である。従って、可動体の変位を確実に強調することが可能である。
【0313】
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機であって、
前記複数の発光素子を配置する光源ベース部(光源部260)を備え、
前記光源ベース部は、
前記複数の発光素子から前記可動体の前記構成部に向かう光には前記回転軸に平行な方向に進むものがある状態で設けられており、
前記構成部は、
前記複数の発光素子からの光を前記回転軸に平行な方向に透過させるものであり、
前記複数の発光素子は、
前記光源ベース部において、前記回転軸の延長線と交差する点を中心とした、第1仮想直線(VL1)、第2仮想直線(VL2)、および、第3仮想直線(VL3)を含んだ互いに異なる複数の仮想直線上に配置されており、
前記モータの回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に見て、前記第3仮想直線よりも前記第2仮想直線の方が前記第1仮想直線に近い位置にあり、
前記所定の発光態様とは、前記第1仮想直線上に配置された発光素子のみの点灯、前記第2仮想直線上に配置された発光素子のみの点灯、および、前記第3仮想直線上に配置された発光素子のみの点灯に順次切り替える発光態様であることを特徴とする遊技機である。
【0314】
上記構成の遊技機によれば、光源ベース部にて異なる複数の仮想直線上に配置した複数の発光素子を用いて、モータの回転駆動の回転方向とは反対の回転方向に光を推移させることが可能である。よって、上記所定の発光態様で光源(複数の発光素子)を発光させることが可能であり、その発光態様で光源を発光駆動させた場合には、遊技者が視覚で感じる可動体の旋回(変位)速度を相対的に上げることが可能である。
【0315】
手段B6に係る発明は、
演出の実行を制御可能な演出制御手段と、
変位可能な可動体と、
光源と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出として、前記可動体の変位、および、前記光源の発光を制御可能であり、
前記可動体には、前記光源からの光を遊技者側に透過可能な構成部が配置されており、
前記光源は、
前記可動体が動作しているときには、前記可動体の変位を強調する発光態様で発光可能であることを特徴とする遊技機である。
【0316】
上記構成の遊技機によれば、演出制御手段によって可動体が動作しているときには、その可動体の変位を強調する発光態様で光源が発光し得る。そのため、光源を発光させない場合よりも、可動体への遊技者の注意を引くことが可能であり、可動体の変位を遊技者に気付かせることが可能である。
【符号の説明】
【0317】
225…装飾部(可動体)
226…第1表面部(露出表面部)
227…透光部(第1構成部,構成部)
240…非透光部(第2構成部)
241…第1非透光部(延伸部)
242…第2非透光部(周縁部)
243…第3非透光部(延伸部)
250…支持部(所定の部位)
260…光源ベース部(光源部)
261…中心LED(光源)
262…第1単独LED(光源,発光素子)
263…第1連携LED(光源,発光素子)
264…第2単独LED(光源,発光素子)
265…第2連携LED(光源,発光素子)
266…第3単独LED(光源,発光素子)
267…第3連携LED(光源,発光素子)
268…第4単独LED(光源,発光素子)
269…第4連携LED(光源,発光素子)
270…第5単独LED(光源,発光素子)
271…第5連携LED(光源,発光素子)
320…第1振動機構(可動体変位機構)
321…第1モータ(モータ)
326…コイルバネ(軸部)
327…回転部材
AX1…回転軸
CT…カット部(乱反射部)
PY1…パチンコ遊技機
VL1…第1仮想直線
VL2…第2仮想直線
VL3…第3仮想直線
VL4…第4仮想直線
VL5…第5仮想直線