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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】仮想通貨の送金システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20220609BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018088411
(22)【出願日】2018-05-01
(65)【公開番号】P2019194778
(43)【公開日】2019-11-07
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】518154387
【氏名又は名称】株式会社WHY
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星川 尚久
(72)【発明者】
【氏名】辛川 兼人
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/025384(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/103046(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0171478(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、
前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、
前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、
前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、
前記ユーザ情報記憶手段が、前記エンドユーザの属性情報を前記指定情報に関連付けて記憶しており、
前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて前記送金元である前記エンドユーザが入力した前記属性情報に関する条件に基づいて、前記送金先である前記エンドユーザを抽出することを特徴とする仮想通貨の送金システム。
【請求項2】
エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、
前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、
前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、
前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、
前記取引管理システムが、前記送金元の前記エンドユーザに対して提供する、前記引き換え情報の送信処理を伴うサービスの有効期間を、前記仮想通貨の送金処理における送金額に基づいて設定することを特徴とする仮想通貨の送金システム。
【請求項3】
エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、
前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、
前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、
前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、
前記引き換え情報が、前記送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージ、及び、前記送金先の候補となる前記エンドユーザから前記取引管理システムに送信される前記メッセージに対する回答であり、
前記取引管理システムが、前記取引管理システムに送信された前記メッセージに対する回答に基づいて、前記エンドユーザに対して前記仮想通貨の送金処理を実行するか否かと、前記仮想通貨の送金処理における送金額との少なくともいずれかを設定することを特徴とする仮想通貨の送金システム。
【請求項4】
エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、
前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、
前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、
前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、
前記取引管理システムが、前記エンドユーザ同士を共通のグループに結び付けるグループ情報を保持しており、
前記仮想通貨の送金処理及び前記引き換え情報の送信処理を、前記グループ情報に基づいて、前記共通のグループ内の前記エンドユーザに対して実行することを特徴とする仮想通貨の送金システム。
【請求項5】
エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、
前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、
前記送金実行手段が、前記取引管理システムにおいて入力された送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶情報とに基づいて、前記管理者の仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、
前記管理者コンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記管理者から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記管理者に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送金処理が実行されることを特徴とする仮想通貨の送金システム。
【請求項6】
前記ユーザ情報記憶手段が、前記通信ネットワークを通じて前記エンドユーザとの間で情報通信を行うための通信宛先を前記指定情報と関連付けて記憶しており、
前記引き換え情報の送信処理が、前記通信宛先を使用して実行されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項7】
前記引き換え情報が、文字、画像、音声、位置及び時間の少なくともいずれかを示す情報を含んでいることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項8】
前記ユーザ情報記憶手段が、前記エンドユーザの属性情報を前記指定情報に関連付けて記憶しており、
前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて送金元である前記エンドユーザが入力した前記属性情報に関する条件に基づいて、送金先である前記エンドユーザを抽出することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項9】
前記属性情報が、送金先である前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータから前記引き換え情報として送信された位置情報を含んでいることを特徴とする請求項1又は8に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項10】
前記位置情報が、前記仮想通貨の送金処理後に、送金先である前記エンドユーザの承認が得られた場合に、送金先である前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータから前記取引管理システムに送信されることを特徴とする請求項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項11】
前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて送金元である前記エンドユーザが入力した前記位置情報に関する条件に基づいて、送金先である前記エンドユーザを抽出することを特徴とする請求項9又は10に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項12】
前記取引管理システムが、送金元の前記エンドユーザに対して提供する、前記引き換え情報の送信処理を伴うサービスの有効期間を、前記仮想通貨の送金処理における送金額に基づいて設定することを特徴とする請求項1及び3~5のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項13】
前記引き換え情報が、送金元の前記エンドユーザと送金先の前記エンドユーザとの間で実行されるチャットのメッセージであることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項14】
前記引き換え情報が、送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージ、及び、送金先の候補となる前記エンドユーザから前記取引管理システムに送信される前記メッセージに対する回答であり、
前記取引管理システムが、前記取引管理システムに送信された前記メッセージに対する回答に基づいて、前記エンドユーザに対して前記仮想通貨の送金処理を実行するか否かと、前記仮想通貨の送金処理における送金額との少なくともいずれかを設定することを特徴とする請求項1、2、4及び5のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項15】
送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージが当該エンドユーザに対するアンケートであり、前記メッセージに対する回答が前記アンケートに含まれる複数の選択肢のいずれかを指示する回答であることを特徴とする請求項3又は14に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項16】
前記取引管理システムが、前記エンドユーザ同士を共通のグループに結び付けるグループ情報を保持しており、
前記仮想通貨の送金処理及び前記引き換え情報の送信処理を、前記グループ情報に基づいて、前記共通のグループ内の前記エンドユーザに対して実行することを特徴とする請求項1~3及び5のいずれか1項に記載の仮想通貨の送金システム。
【請求項17】
前記取引管理システムが、前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータにおいて入力された通信宛先と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、前記仮想通貨の送金処理を実行することを特徴とする請求項に記載の仮想通貨の送金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想通貨の送金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、仮想通貨の取引のメリットを活かした仮想通貨の取引システムが提案されている。仮想通貨の送金は、送金元のウォレットから送信先のウォレットへと所望の金額が送金されることによって実行される。仮想通貨の取引には、取引の簡便性や手数料の削減等のメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6265456号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の通り、仮想通貨の取引には利便性等のメリットがある。しかしながら、例えば、不特定の送金先に対して仮想通貨の送金を実施する場合等、仮想通貨の送金に当たって、その送金がどのような意味づけでなされるのかが、送金先のユーザにとって不明瞭である場合が考えられる。
【0005】
本発明の目的は、送金の意味づけが送金先のユーザにとって把握しやすい仮想通貨の送金システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点に係る本発明の仮想通貨の送金システムは、エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、前記ユーザ情報記憶手段が、前記エンドユーザの属性情報を前記指定情報に関連付けて記憶しており、前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて前記送金元である前記エンドユーザが入力した前記属性情報に関する条件に基づいて、前記送金先である前記エンドユーザを抽出する。第2の観点に係る本発明の仮想通貨の送金システムは、エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、前記取引管理システムが、前記送金元の前記エンドユーザに対して提供する、前記引き換え情報の送信処理を伴うサービスの有効期間を、前記仮想通貨の送金処理における送金額に基づいて設定する。第3の観点に係る本発明の仮想通貨の送金システムは、エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、前記引き換え情報が、前記送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージ、及び、前記送金先の候補となる前記エンドユーザから前記取引管理システムに送信される前記メッセージに対する回答であり、前記取引管理システムが、前記取引管理システムに送信された前記メッセージに対する回答に基づいて、前記エンドユーザに対して前記仮想通貨の送金処理を実行するか否かと、前記仮想通貨の送金処理における送金額との少なくともいずれかを設定する。第4の観点に係る本発明の仮想通貨の送金システムは、エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、前記送金実行手段が、前記ユーザコンピュータから送信された送金元及び送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、送金元の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、前記送金元の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記送金元から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記送金元に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送信処理が実行され、前記取引管理システムが、前記エンドユーザ同士を共通のグループに結び付けるグループ情報を保持しており、前記仮想通貨の送金処理及び前記引き換え情報の送信処理を、前記グループ情報に基づいて、前記共通のグループ内の前記エンドユーザに対して実行する。第5の観点に係る本発明の仮想通貨の送金システムは、エンドユーザが使用する1又は複数のユーザコンピュータと管理者が使用する1又は複数の管理者コンピュータとを含む、通信ネットワークを通じて互いに情報通信を実行する複数のコンピュータを備えており、前記1又は複数の管理者コンピュータによって仮想通貨の取引を管理する取引管理システムが構築された仮想通貨の送金システムであって、前記取引管理システムが、エンドユーザを指定するための指定情報と関連付けて、仮想通貨のウォレット情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、仮想通貨の送金処理を実行する送金実行手段とを含んでおり、前記送金実行手段が、前記取引管理システムにおいて入力された送金先の前記指定情報と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶情報とに基づいて、前記管理者の仮想通貨のウォレットから送金先の前記指定情報に対応する仮想通貨のウォレットへと仮想通貨の送金処理を実行する手段であり、前記管理者コンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理が実行される際に前記管理者から前記送金先に対して送信されること、及び、前記送金先の前記ユーザコンピュータにおいて取得された引き換え情報が、前記送金実行手段による前記仮想通貨の送金処理を代価として前記送金先から前記管理者に対して送信されることの少なくともいずれかである前記引き換え情報の送金処理が実行される。
【0007】
本発明の仮想通貨の送金システムによると、仮想通貨の送金に伴って、少なくとも送金先のエンドユーザが送信元か送信先となるように引き換え情報が送信される。この引き換え情報は、例えば、送金された仮想通貨を代価として送金先のエンドユーザから取引管理システムに提供されるエンドユーザの属性に関する情報や、仮想通貨の送金に伴って送金元のエンドユーザから送金先のエンドユーザへと送信される広告情報等が含まれる。このように、仮想通貨の送金に当たって価値のある情報がやり取りされるため、送金先のエンドユーザにとっては、仮想通貨の送金の意味づけを把握しやすい。
【0008】
なお、本発明における指定情報には、エンドユーザを識別するために付与されたユーザIDが用いられてもよいし、エンドユーザの電子メールアドレスや携帯電話の電話番号等が用いられてよい。また、指定情報として、エンドユーザの属性に関する条件である属性条件が用いられてもよい。エンドユーザの属性は、例えば、エンドユーザの性別や年齢、プロフィール、位置情報等に対応する。
【0009】
また、本発明においては、前記ユーザ情報記憶手段が、前記通信ネットワークを通じて当該エンドユーザとの間で情報通信を行うための通信宛先を前記指定情報と関連付けて記憶しており、前記引き換え情報の送信処理が、前記通信宛先を使用して実行されてもよい。これによると、SNS_IDや電子メールアドレス等の通信宛先を使用して引き換え情報の送信を実行できる。
【0010】
また、本発明においては、前記引き換え情報が、文字、画像、音声、位置及び時間の少なくともいずれかを示す情報を含んでいてもよい。これによると、文字や画像等を用いて引き換え情報を価値のある情報として表現できる。
【0011】
また、本発明においては、前記ユーザ情報記憶手段が、前記エンドユーザの属性情報を前記指定情報に関連付けて記憶しており、前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて送金元である前記エンドユーザが入力した前記属性情報に関する条件に基づいて、送金先である前記エンドユーザを抽出してもよい。これによると、送金元のエンドユーザは、自分の好みの属性情報に基づいて送金先のエンドユーザを選択できる。
【0012】
また、本発明においては、前記属性情報が、送金先である前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータから前記引き換え情報として送信された位置情報を含んでいてもよい。これによると、位置情報を引き換え情報として利用したり、送金先のエンドユーザを抽出する条件として利用したりできる。
【0013】
また、本発明においては、前記位置情報が、前記仮想通貨の送金処理後に、送金先である前記エンドユーザの承認が得られた場合に、送金先である前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータから前記取引管理システムに送信されてもよい。これによると、送金先のエンドユーザから承認が得られた場合に位置情報が取引管理システムに送信される。このため、仮想通貨の送金の引き換えに位置情報が送信されるという仮想通貨の送金の意味づけが、送金先のエンドユーザにとってより明瞭になる。
【0014】
また、本発明においては、前記取引管理システムが、前記ユーザコンピュータにおいて送金元である前記エンドユーザが入力した前記位置情報に関する条件に基づいて、送金先である前記エンドユーザを抽出してもよい。これによると、送金元のエンドユーザは、位置情報に関する好みの条件に基づいて送金先のエンドユーザを選択することができる。
【0015】
また、本発明においては、前記取引管理システムが、送金元の前記エンドユーザに対して提供する、前記引き換え情報の送信処理を伴うサービスの有効期間を、前記仮想通貨の送金処理における送金額に基づいて設定してもよい。これによると、サービスの有効期間が送金額に基づいて設定される。したがって、送金元及び送金先のいずれのエンドユーザにおいても、仮想通貨の送金及び引き換え情報の送信を行うためのインセンティブが発生しやすい。
【0016】
また、本発明においては、前記引き換え情報が、送金元の前記エンドユーザと送金先の前記エンドユーザとの間で実行されるチャットのメッセージであってもよい。これによると、送金元のエンドユーザは仮想通貨の送金の引き換えに送金先のエンドユーザとチャットによるメッセージのやり取りを行うことができる。
【0017】
また、本発明においては、前記引き換え情報が、送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージ、及び、送金先の候補となる前記エンドユーザから前記取引管理システムに送信される前記メッセージに対する回答であり、前記取引管理システムが、前記取引管理システムに送信された前記メッセージに対する回答に基づいて、前記エンドユーザに対して前記仮想通貨の送金処理を実行するか否かと、前記仮想通貨の送金処理における送金額との少なくともいずれかを設定してもよい。これによると、メッセージ内容に対する回答に基づいて、仮想通貨の送金処理を実行するか否かを設定したり、送金額を設定したりできる。このため、仮想通貨の送金の意味づけがより明瞭になる。
【0018】
また、本発明においては、送金先の候補となる前記エンドユーザに送信されたメッセージが当該エンドユーザに対するアンケートであり、前記メッセージに対する回答が前記アンケートに含まれる複数の選択肢のいずれかを指示する回答であってもよい。これによると、仮想通貨の送金はアンケートの回答の引き換えとして行われるという意味づけが送金先のエンドユーザにとって明瞭になる。
【0019】
また、本発明においては、前記取引管理システムが、前記エンドユーザ同士を共通のグループに結び付けるグループ情報を保持しており、前記仮想通貨の送金処理及び前記引き換え情報の送信処理を、前記グループ情報に基づいて、前記共通のグループ内の前記エンドユーザに対して実行してもよい。これによると、仮想通貨の送金及び引き換え情報の送信をグループ内で実行できる。
【0020】
また、本発明においては、前記取引管理システムが、前記エンドユーザの前記ユーザコンピュータにおいて入力された通信宛先と、前記ユーザ情報記憶手段の記憶内容とに基づいて、前記仮想通貨の送金処理を実行することが好ましい。これによると、通信宛先を使用した情報送信によって送金処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る送金システムの構成を示すブロック図である。
図2図1のクライアント端末のディスプレイに表示される画像の概念図である。
図3図1の取引管理システム内のデータベースに記憶される各種の情報を示す図である。
図4】個別サービス1について送金システムが実行する処理の流れを示すフロー図である。
図5】個別サービス2について送金システムが実行する処理の流れを示すフロー図である。
図6】個別サービス3について送金システムが実行する処理の流れを示すフロー図である。
図7】個別サービス4について送金システムが実行する処理の流れを示すフロー図である。
図8】個別サービス5について送金システムが実行する処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態である送金システム1について図面を参照しつつ説明する。以下、「ユーザ」とは、送金システム1を使用した仮想通貨の送金サービス(以下、本送金サービスという。)の利用者であるエンドユーザを示す。ユーザに対しては、本送金サービスの利用に先立って、そのユーザを識別するためにユーザIDが発行されている。ユーザIDは、本発明における指定情報の一例である。また、本送金サービスを利用するための仮想通貨のウォレットが各ユーザに対して生成される。
【0023】
送金システム1は、図1に示すように、ブロックチェーン100、メッセージ通信システム200、複数のクライアント端末250(ユーザコンピュータ)及びメインシステム300(取引管理システム)を備えている。ブロックチェーン100、メッセージ通信システム200、複数のクライアント端末250及びメインシステム300は、それぞれ、1又は複数台のコンピュータを含むハードウェアと、送金システム1の各種機能を実現するようにハードウェアを機能させるプログラムを含むソフトウェアとを備えている。各コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、並びに、入出力インタフェース等の各種インタフェース等からなる。また、コンピュータには、ユーザ入力を受け付ける入力装置やディスプレイ等の出力装置、ハードディスク等の記録装置等が外部装置として接続されるか、その内部装置として搭載されている。ソフトウェアは、メモリ装置やハードディスク等の記録装置に記録されたプログラムデータ等からなる。そして、コンピュータ等のハードウェアがソフトウェアに従って演算処理、入出力処理等の各種の情報処理を実行する。ソフトウェアに従ったハードウェアの機能により、ブロックチェーン100、メッセージ通信システム200、複数のクライアント端末250及びメインシステム300の各種の機能が実現される。これらのコンピュータは、インターネットを含む通信ネットワークを通じて互いに通信可能である。
【0024】
ブロックチェーン100は、仮想通貨の取引履歴を記録するシステムであり、インターネットを通じて互いに接続された複数台のコンピュータによって構築されている。取引履歴のデータは、過去の取引内容を示すトランザクションのブロックを連結したブロックチェーンの形態でブロックチェーン100によって管理される。仮想通貨の取引は、送金元であるウォレットから送金先であるウォレットへと仮想通貨が送金されることによってなされる。かかるウォレット間の送金は、ウォレットと関連付けられたウォレットアドレスに基づいてなされる。新たなトランザクションを外部から受信すると、ブロックチェーン100は、そのトランザクションを検証すると共に、新たなトランザクションに対応する新たなブロックをブロックチェーンに追加する。トランザクションは、送金元となるウォレットアドレス、送金先となるウォレットアドレス及び送金額を示す情報を含んでいる。トランザクションの送受信時のセキュリティには、ウォレットの秘密鍵及び公開鍵が用いられる。
【0025】
メッセージ通信システム200はメッセージ通信サービスを提供するシステムである。メッセージ通信サービスは、メッセージ通信システム200において管理された通信宛先間で、文字、画像、音声その他の情報を通信するサービスである。メッセージ通信サービスとしては、例えば、SNS(Social Networking Service)や、SMS(Short Message Service)やMMS(Multimedia Messaging Service)、電子メールサービス等が用いられてよい。これらのサービスが用いられる場合、通信宛先としては、SNSの利用ID(以下、SNS_IDという。)、携帯電話の電話番号、電子メールアドレス等が用いられる。
【0026】
メッセージ通信システム200は、通信ネットワークを通じてクライアント端末250から送信された情報を受信する。クライアント端末250からの情報には、メッセージの送信先となる通信宛先及び送信対象となるメッセージの他、仮想通貨の取引を指示する情報が含まれている場合がある。メッセージ通信システム200は、クライアント端末250から受信した情報内に仮想通貨の取引を指示する情報が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定すると、メッセージ通信システム200は、クライアント端末250から送信された情報をメインシステム300へと送信する。含まれていないと判定すると、メッセージ通信システム200は、クライアント端末250から送信された情報が示す通信宛先へと、当該情報に含まれるメッセージを送信する。また、メッセージ通信システム200は、通信ネットワークを通じてメインシステム300から送信された情報を受信する。メッセージ通信システム200は、メインシステム300から送信された情報が示す通信宛先へと、当該情報に含まれるメッセージを送信する。
【0027】
クライアント端末250はユーザが使用する端末である。クライアント端末250には、メッセージ通信システム200が提供するメッセージ通信サービスを利用するためのアプリケーション(以下、メッセージアプリという。)がインストールされている。メッセージアプリは、入力装置を通じてユーザ入力を受け付ける入力受付手段や、他の通信宛先から受信したメッセージ等を出力装置に出力させるメッセージ出力手段、入力受付手段が受け付けた情報を、メッセージ通信システム200に送信する送信手段等としてクライアント端末250を機能させる。入力受付手段は、ユーザIDや通信宛先とメッセージの入力をユーザから受け付ける。ユーザIDは、メッセージアプリの機能を利用する利用者がログイン時に入力する。送信手段は、入力受付手段が受け付けたメッセージの送信先となる通信宛先及び送信対象となるメッセージをメッセージ通信システム200に送信する。
【0028】
また、本実施形態においては、送金システム1が提供する仮想通貨の送金サービスのユーザインタフェースは、メッセージアプリの機能によって次のように提供される。入力受付手段は、図2に示すように、仮想通貨の送金サービス用の入力画像IMをディスプレイに表示させる。入力画像IMには、ユーザにサービスを選択させるためのメニュー領域M及び文字や数値等の情報を入力させるためのテキスト入力領域Gが含まれている。ユーザは、メニュー領域Mに含まれる各ボタン画像を選択することによって、メッセージの送信に併せて仮想通貨の送金を行うことを選択する。また、メニュー領域Mには、仮想通貨の送金を伴う複数の個別サービス(後述)を選択するためのボタン画像が含まれる。ユーザは、これらのボタン画像からいずれかを選択することで、個別サービスの中から希望するものを選択できる。入力受付手段は、テキスト入力領域Gにおいて、仮想通貨の送金に関する送金条件の入力を受け付ける。入力される送金条件には、送金先のユーザを指定する情報(ユーザID、属性条件(後述)、通信宛先等のいずれか)、送金額、メッセージ等が含まれる。また、入力受付手段は、選択された個別サービスにおける送金条件の他、個別サービスの提供に当たって必要とされる各種情報のユーザ入力を受け付ける。テキスト入力領域Gは、ユーザにこれらの情報を入力させるための入力ボックス画像や、入力する情報の説明を示す文字等を含んでいる。送信手段は、仮想通貨の取引を指示する情報として、メニュー領域Mにおいて選択されたサービスや、テキスト入力領域Gにおいて入力された送金条件を示す情報、個別サービスに必要なその他の情報、メッセージ等をメッセージ通信システム200に送信する。
【0029】
また、クライアント端末250にはGPS(Global Positioning System)が設けられている。クライアント端末250には、GPSを利用してクライアント端末250の位置情報を取得するアプリケーション(以下、GPSアプリという。)がインストールされている。クライアント端末250において、上記メニューの選択によって選択された個別サービスによっては、メッセージ通信システム200に情報が送信される際、GPSアプリの機能によって取得された位置情報も併せてメッセージ通信システム200に送信される。また、特定の個別サービスにおいては、クライアント端末250の位置情報が、メッセージ通信システム200を通じて定期的にメインシステム300に送信される。
【0030】
メインシステム300は、データベース(ユーザ情報記憶手段)を含む各種のサーバ(管理者コンピュータ)から構築されている。データベースには、以下において説明する各種の情報が格納されている。メインシステム300は、メッセージ通信システム200から送信される情報に基づいてデータベース内の情報を更新したり、仮想通貨の取引処理を実行したり、メッセージ通信システム200へとメッセージの送信を指示したりする。これらの処理の具体例については、後述の個別サービスに関して説明する。
【0031】
以下、メインシステム300によって実行される処理の概要について説明する。メインシステム300は、図3に示すように、ユーザ情報、取引履歴情報及びサービス処理情報を保持している。ユーザ情報は、送金システム1のユーザに関するユーザごとの情報である。ユーザ情報は、図3に示すように、ユーザIDと関連付けられてデータベースに格納され、SNS_ID、電子メールアドレス、携帯電話の電話番号、仮想通貨のウォレット情報及びユーザの属性を示す属性情報を含んでいる。SNS_ID、電子メールアドレス及び携帯電話の電話番号は、それぞれ、メッセージ通信システム200によって提供されるメッセージ通信サービスにおいて用いられる通信宛先の一例である。仮想通貨のウォレット情報は、ウォレットの公開鍵及びウォレットアドレス並びにウォレットの残高を示す情報を含んでいる。属性情報は、ユーザの位置情報及びユーザの性別や年齢等を示す情報を含んでいる。位置情報は、上記の通り、特定の個別サービスが選択された際、又は、定期的に、クライアント端末250からメインシステム300にユーザIDとともに送信されてくる。メインシステム300は、当該ユーザIDと関連付けて保持しているユーザ情報に含まれる位置情報を、クライアント端末250から送信されてくる位置情報に基づいて更新する。
【0032】
取引履歴情報は、本送金サービスを用いて過去に実行された全ての仮想通貨の取引を示す情報である。本実施形態における仮想通貨の取引には、システム内取引及びシステム外取引がある。システム内取引は、メインシステム300で管理された内部のウォレット同士で実行される取引である。システム内取引には、ユーザ同士の送金の場合、メインシステム300のシステム管理者(以下、管理者という。)からユーザへの送金の場合、及び、ユーザから管理者への送金の場合がある。システム外取引は、メインシステム300で管理された内部のウォレットとメインシステム300で管理されていない外部のウォレットとの間で実行される取引である。
【0033】
サービス処理情報は、各個別サービスにおいて使用される情報である。サービス処理情報には、例えば、チャットサービスに関するチャット情報(後述の個別サービス4において使用)及びユーザのグループに関するグループ情報(後述の個別サービス6において使用)が含まれる。チャットサービスは、本送金サービスに伴うサービスの一つである。チャット情報は、チャット用のワンタイムIDと関連付けられてデータベースに格納され、チャットサービスの利用者である複数のユーザに関するユーザID、チャットサービスの有効期間及びチャット開始から現時点までのメッセージを示す情報を含んでいる。グループ情報は、グループを示すグループIDに関連付けられてデータベースに格納され、グループに参加しているメンバーであるユーザのユーザIDを含んでいる。
【0034】
メインシステム300は、メッセージ通信システム200から送信された送金条件に基づいて、システム内取引及びシステム外取引を実行する。メインシステム300は、システム内取引及びシステム外取引が実行されるごとに、新規な取引を示す情報を取引履歴情報に追加する。システム内取引において、ユーザ同士の送金は、送金元及び送金先の各ユーザのユーザ情報に含まれるウォレット情報に基づいて実行される。具体的には、メインシステム300は、送金元が残高不足であるか否かを送金前に判定し、残高不足でないと判定した場合には、送金元となるユーザのユーザ情報における残高から送金額に相当する金額を減算するとともに、送金先となるユーザのユーザ情報における残高に送金額に相当する金額を加算する。一方、メインシステム300は、送金元が残高不足と判定した場合には送金を実行しない。なお、送金元が残高不足と判定された場合、送金システム1が送金元のユーザに対してエラーを報知してもよい。システム内取引において、管理者とユーザとの間の送金は、管理者のウォレット情報及び送金先のユーザのユーザ情報に含まれるウォレット情報に基づいて、ユーザ同士の送金と同様に実行される。管理者のウォレット情報は、メインシステム300が管理者に関する情報としてユーザ情報とは別に管理している情報である。送金先となるユーザは、メインシステム300において、入力装置を用いて管理者によって選択される。なお、メインシステム300が、システム内取引において、ユーザからユーザへの仮想通貨の送金処理を実行する機能が、本発明における第1の送金実行手段の機能に対応する。また、メインシステム300が、システム内取引において、管理者とユーザとの間で仮想通貨の送金処理を実行する機能が、本発明における第2の送金実行手段の機能に対応する。
【0035】
システム外取引は、ユーザが入力した外部のウォレットに関するウォレット情報と、そのユーザのユーザ情報とに基づいて実行される。例えば、外部のウォレットから内部のウォレットへの送金を実行する場合、送金元のウォレット情報は、システム外取引の利用者であるユーザによってクライアント端末250において入力される。送金先のウォレット情報は、そのユーザに対応するユーザ情報に基づいて取得される。これらのウォレット情報に基づき、送金元である外部のウォレットから送金先であるユーザのウォレットへの送金が実行される。本実施形態に係るメインシステム300は、システム外取引ごとに、新規のシステム外取引を示すデータを含むトランザクションのデータをブロックチェーン100に送信する。このトランザクションには、前回のシステム外取引から新規のシステム外取引までのすべての取引履歴情報が含まれている。このように、本実施形態に係る送金システム1の仕様としては、メインシステム300がブロックチェーン100とアクセスするのは、システム外取引が実行されるタイミングに限られる。なお、かかる仕様の代わりに、システム内取引及びシステム外取引のいずれに関しても、送金が実行されるごとに新規な取引内容を示すトランザクションのデータがブロックチェーン100に送信される仕様が採用されてもよい。
【0036】
また、メインシステム300は、メッセージ通信システム200から送信されたメッセージ(引き換え情報)を送金先のユーザに送信するようにメッセージ通信システム200に指示する。メッセージの送信先の通信宛先は、メッセージ通信システム200から送信された送金条件に含まれる情報から取得されたり、送金先のユーザのユーザIDに基づいてデータベースから取得されたりする。
【0037】
以上の他、各個別サービスに関してクライアント端末250及びメインシステム300が実行する各種の処理の具体例については後述する。
【0038】
[個別サービス]
次に、クライアント端末250において、メッセージアプリの機能によって各種の個別サービスが選択された際に、送金システム1によって実行される処理について説明する。以下、クライアントAとは、ユーザaが使用するクライアント端末250を示し、クライアントBとは、ユーザbが使用するクライアント端末250を示すものとする。また、以下では、主に、ユーザaが送金元でありユーザbが送金先である場合を想定している。以下の個別サービスにおいて実行される、クライアントA及びBとメインシステム300との間の情報通信は、上記の通り、メッセージ通信システム200を通じて実行される。また、以下の説明において、クライアントA又はクライアントBからメインシステム300に何らかの情報が送信される場合には、ユーザa又はユーザbのユーザIDが併せて送信される。ただし、以下においては、ユーザIDが送信されることは必ずしも明記しない。また、以下の説明において、各個別サービスで使用される情報はメインシステム300のデータベースにサービス処理情報として格納される場合があるが、必ずしも明記しない。また、以下の説明において、ユーザbに対して送信されるメッセージは、文字のみならず、画像、音声その他の情報を含んでいてもよい。この場合、引き換え情報としてのメッセージを価値のある情報として表現できる。
【0039】
(個別サービス1)
個別サービス1においては、図4に示すように、まず、クライアントAが、ユーザaからの送金条件の入力を受け付ける(S1.1)。送金条件には、送金先となるユーザを抽出するための属性に関する条件を示す属性条件、送金総額、送金先となるユーザの人数及び送金に伴うメッセージが含まれる。なお、ユーザbは、属性条件に該当するユーザであるとする。属性条件は、本発明における指定情報の一例である。次に、クライアントAは、入力された送金条件をメインシステム300へと送信する(S1.2)。次に、メインシステム300は、クライアントAから送信された送金条件に含まれる属性条件に該当する属性を有するユーザを抽出する(S1.3)。具体的には、属性条件が示す属性(例えば、属性「性別」に関して“女性”)を検索キーとして、メインシステム300がデータベースにおいてユーザ情報を検索する。そして、検索にヒットした複数のユーザ情報の中から、送金条件の人数に該当する数のユーザ情報がランダムに抽出される。なお、抽出数が送金条件の人数を下回った場合には、抽出されたユーザ情報の全てが送金先として抽出される。次に、メインシステム300は、送金元であるユーザaから、抽出されたユーザへと仮想通貨の送金を実行する(S1.4)。具体的には、メインシステム300は、送金条件に含まれる送金総額を、S1.3において抽出されたユーザ情報の抽出数で割ることで、1人当たりの送金額を算出する。そして、メインシステム300は、システム内取引として、送金元となるユーザaから送金先となるユーザ(ユーザbを含む)へと、1人当たりの送金額の仮想通貨を送金する。
【0040】
次に、メインシステム300は、S1.3において抽出された各ユーザ情報に含まれる通信宛先(例えば、SNS_ID)へと、送金条件に含まれたメッセージを送信する(S1.5)。このメッセージは、本発明における引き換え情報の一例である。クライアントBは、メインシステム300から送信されたメッセージをディスプレイに表示させる(S1.6)。
【0041】
個別サービス1を利用することで、ユーザaは、例えば、自分の好みの属性を有するユーザに対し、仮想通貨を送金すると共に期間限定サービスや買い物情報等を含む広告を示す文字や画像を送信することができる。なお、個別サービス1において、送金人数に応じた手数料に相当する金額の仮想通貨がユーザaのウォレットから管理者のウォレットへと送金されてもよい。また、送金条件としての属性条件は、1種類の属性に関する条件であってもよいし、複数種類の属性に関する条件であってもよい。また、クライアントAにおいて送金条件として属性条件が入力されなくてもよく、その場合にはメインシステム300において送金先となるユーザの人数に対応するユーザがランダムに抽出されてもよい。また、送金元がユーザではなく、管理者であってもよい。具体的には、管理者から特定の属性を有するユーザへと仮想通貨の送金及びメッセージの送信を行えてもよい。このメッセージには、メンテナンスのスケジュール及びお詫びの通知が含まれていてもよい。また、メッセージには、年賀の挨拶とお年玉を送金する旨とが含まれていてもよい。
【0042】
(個別サービス2)
個別サービス2は、各クライアント端末250の位置情報が事前に定期的にメインシステム300に送信されていることが前提となる。この位置情報は、本発明における引き換え情報の一例である。その上で、クライアントAにおいて個別サービス2が選択された場合には、以下の処理が実行される。まず、図5に示すように、クライアントAが、ユーザaからの送金条件の入力を受け付ける(S2.1)。送金条件には、送金先となるユーザを抽出するための送信範囲、送金総額及び送金に伴うメッセージが含まれる。送信範囲は、送金対象となるユーザの位置情報に関する条件に対応し、クライアントAの位置を基準とした範囲である。この場合の位置情報は、本発明における指定情報の一例である。例えば、送信範囲は、クライアントAの位置から所定の距離以下となる範囲であってもよいし、クライアントAの位置から見て特定の方角(例えば、東南東の方角から東南西の方角)に対応する範囲であってもよい。送信範囲は、クライアントAのディスプレイに表示される地図上の特定の範囲を、タッチパネルを通じてユーザaが指定することによって入力されてもよいし、ユーザaがクライアントAをかざした方向に基づいて入力されてもよい。かざした方向は、例えば、クライアントAに搭載された加速度センサに基づいて検出されてもよい。また、クライアントAのディスプレイに地図が表示された状態で、ユーザaがクライアントAを振った態様に基づいて方角が入力されてもよい。また、クライアントAにおいて、あらかじめ位置情報が登録されたビーコンからいずれかを基準のビーコンとして選択すると共に任意の距離を入力することで、基準となるビーコンから任意の距離内が送信範囲として指定されてもよい。さらに、これらの方法による範囲の入力と、数値等の入力による距離の入力との組み合わせによって送信範囲が入力されてもよい。なお、ユーザbは、送信範囲内に存在するユーザであるとする。
【0043】
次に、クライアントAは、入力された送金条件をメインシステム300へと送信する(S2.2)。次に、メインシステム300は、クライアントAから送信された送金条件に含まれる送信範囲に該当するユーザを抽出する(S2.3)。具体的には、ユーザ情報に含まれる位置情報が送信範囲に該当するか否かを条件として、メインシステム300がユーザ情報を検索する。次に、メインシステム300は、S2.3において抽出されたユーザ情報の抽出数をクライアントAに送信する(S2.4)。次に、クライアントAは、メインシステム300から送信された抽出数と、S2.1において入力された送金総額を抽出数で割った1人当たりの送金額とをディスプレイに表示させる(S2.5)。次に、クライアントAは、S2.5において表示された抽出数及び送金額をユーザaが承認するための入力を受け付ける(S2.6)。S2.6においてユーザaが承認しなかった場合、個別サービス2の処理は終了する。次に、クライアントAは、S2.6における承認結果をメインシステム300に送信する(S2.7)。これを受けて、メインシステム300は、S2.3において抽出された全てのユーザ情報に対応するユーザに対し、S1.4と同様にシステム内取引として仮想通貨の送金を実行する(S2.8)。送金先のユーザにはユーザbが含まれる。
【0044】
次に、メインシステム300は、S2.3において抽出された各ユーザ情報に含まれる通信宛先(例えば、SNS_ID)へと、送金条件に含まれたメッセージを送信する(S2.9)。メッセージは、本発明における引き換え情報の一例である。クライアントBは、メインシステム300から送信されたメッセージをディスプレイに表示させる(S2.10)。
【0045】
個別サービス2を利用することで、ユーザaは、例えば、自己の店舗から所定の距離内にいるユーザに対して仮想通貨を送金すると共に、タイムセールのお知らせを送信することができる。
【0046】
(個別サービス3)
個別サービス3においては、図6に示すように、まず、クライアントAが、ユーザaからの送金条件の入力を受け付ける(S3.1)。送金条件には、送金先となるユーザを抽出するための属性に関する条件を示す属性条件、送金総額、送金先となるユーザの人数及び送金に伴うメッセージが含まれる。なお、ユーザbは、属性条件に該当するユーザであるとする。次に、クライアントAは、入力された送金条件をメインシステム300へと送信する(S3.2)。次に、メインシステム300は、S1.3と同様、クライアントAから送信された送金条件に含まれる属性条件に該当する属性を有するユーザを抽出する(S3.3)。次に、S3.3において抽出された全てのユーザ情報に対応するユーザに対し、S1.4と同様に仮想通貨の送金を実行する(S3.4)。送金先のユーザにはユーザbが含まれる。次に、メインシステム300は、S3.3において抽出された各ユーザ情報に含まれる通信宛先(例えば、SNS_ID)へと、送金条件に含まれたメッセージを送信する(S3.5)。メッセージは、本発明における引き換え情報の一例である。クライアントBは、メインシステム300から送信されたメッセージをディスプレイに表示させる(S3.6)。
【0047】
次に、クライアントBは、位置情報の提供を承認するか否かの入力をユーザbから受け付ける(S3.7)。S3.7において、承認しない旨の入力がなされた場合(S3.8、NO)、クライアントBにおける処理は終了する。S3.7において、承認する旨の入力がなされた場合(S3.8、YES)、クライアントBは、位置情報の提供が承認された結果をメインシステム300に送信する(S3.9)。メインシステム300は、このようにしてクライアントBを含むクライアント端末250から送信されてきた承認結果に基づき、承認結果が送信された複数のユーザIDからなるユーザリストを生成する(S3.10)。このユーザリストは、S3.4において実行された送金の金額に比例した一定時間、データベースにおいて保持される。一定時間を経過するとユーザリストがデータベースから消去され、個別サービス3が終了する。
【0048】
次に、クライアントBは、メインシステム300へと定期的にクライアントBの位置情報を送信する(S3.11)。この位置情報は、本発明における引き換え情報の一例である。メインシステム300は、クライアントBを含むクライアント端末250から定期的に送信されてきた位置情報を、属性情報として、クライアント端末250から送信されたユーザIDに関連付けてデータベースに格納する(S3.12)。次に、メインシステム300は、データベースに格納されたユーザリストに含まれるユーザIDに関する位置情報をクライアントAに送信する(S3.13)。クライアントAは、メインシステム300から位置情報を受信すると、その位置情報に関する通知をディスプレイに表示させる(S3.14)。S3.13の位置情報の送信が定期的に実行されると共に、S3.14において定期的に位置情報が表示されてもよい。また、位置情報と併せてその位置情報に対応するユーザの属性情報がメインシステム300からクライアントAに送信されると共に、位置情報と併せてその属性情報がクライアントAのディスプレイに表示されてもよい。また、S3.13において、クライアント端末250の各位置情報に基づき、クライアントAから所定の距離内に近づいたクライアント端末250に関し、クライアントAから所定の距離内に近づいた旨がメインシステム300からクライアントAに送信され、クライアントAにおいてその旨がユーザaに通知されてもよい。個別サービス3においては、送金先のユーザから承認が得られた場合に位置情報がメインシステム300に提供される。このため、仮想通貨の送金の引き換えに位置情報が送信されるという仮想通貨の送金の意味づけが、送金先のユーザにとって明瞭である。また、ユーザリストの有効期限が送金額に応じて設定される。このため、送金元のユーザにとっては仮想通貨の送金額を上げるインセンティブが発生しやすい。また、これにより、送金先のユーザにとっては位置情報の送信を行うインセンティブが発生しやすい。
【0049】
(個別サービス4)
個別サービス4においては、図7に示すように、まず、クライアントAが、ユーザaからの候補条件の入力を受け付ける(S4.1)。候補条件には、送金先候補となるユーザを抽出するための属性に関する条件を示す属性条件が含まれる。なお、ユーザbは、属性条件に該当するユーザであるとする。次に、クライアントAは、入力された候補条件をメインシステム300へと送信する(S4.2)。次に、メインシステム300は、S1.3と同様、クライアントAから送信された候補条件に含まれる属性条件に該当する属性を有するユーザを抽出する(S4.3)。次に、メインシステム300は、抽出されたユーザのユーザIDからなるユーザリストを生成し、クライアントAに送信する(S4.4)。なお、ユーザリストには、性別等の属性情報が各ユーザIDに関連付けられつつ含まれていてもよい。次に、クライアントAは、メインシステム300から送信されたユーザリストをディスプレイに表示させる(S4.5)。次に、クライアントAは、ディスプレイに表示されたユーザリストから送金対象となるユーザを選択する入力をユーザaから受け付ける(S4.6)。次に、クライアントAは、その他の送金条件の入力をユーザaから受け付ける(S4.7)。その他の送金条件には、送金総額及びメッセージが含まれる。次に、クライアントAは、S4.6において入力されたユーザの選択リスト及びS4.7において入力された送金条件をメインシステム300へと送信する(S4.8)。
【0050】
次に、メインシステム300は、クライアントAから送信された選択リストに含まれるユーザ(ユーザbを含む)に対応する通信宛先(例えば、SNS_ID)へと送金情報を送信する(S4.9)。送金情報には、S4.8においてクライアントAから送信された送金総額に基づく1人当たりの送金額及びS4.8においてクライアントAから送信されたメッセージが含まれている。送金総額に対応する1人当たりの送金額とは、S4.4において生成されたユーザリストに含まれるユーザ数で送金総額を割った金額であり、個別サービス4に関して以下同様である。クライアントBは、メインシステム300から送信された1人当たりの送金額及びメッセージをディスプレイに表示させる(S4.10)。次に、クライアントBは、チャットの開始を承認するか否かの入力をユーザbから受け付ける(S4.11)。次に、クライアントBは、S4.11の入力内容をメインシステム300に送信する(S4.12)。
【0051】
次に、メインシステム300は、クライアントBを含むクライアント端末250から送信されたS4.11の入力内容が承認であるか否かを判定する(S4.13)。そして、S4.11の入力内容が不承認であった場合には(S4.13、不承認)、メインシステム300は、S4.8においてクライアントAから送信された送金総額に対応する1人当たりの送金額より小さい金額でクライアントAからクライアントBへと仮想通貨の送金をシステム内取引として実行する(S4.14)。次に、メインシステム300は、クライアントBにおいて不承認が入力された旨をクライアントAに送信する(S4.15)。クライアントAは、S4.15におけるメインシステム300からの送信情報に基づき、クライアントBが不承認であった旨をディスプレイに表示する(S4.16)。一方、S4.13において、S4.11の入力内容が承認であった場合には(S4.13、承認)、メインシステム300は、S4.8においてクライアントAから送信された送金総額に対応する1人当たりの送金額の満額をクライアントAからクライアントBへとシステム内取引として送金する(S4.17)。次に、メインシステム300は、チャット用のワンタイムIDを生成すると共に、チャットの開始の承認を送信してきたユーザIDのリストを含むチャット情報を生成してデータベースに格納する(S4.18)。次に、メインシステム300は、S4.17において生成されたワンタイムIDの有効期限を、S4.14及びS4.17において実行された送金の合計額に比例するように設定し、ワンタイムIDに関連付けてデータベースに格納する(S4.19)。次に、メインシステム300、クライアントA及びクライアントBは、S4.18において生成されたチャット情報に基づいて、ユーザaとユーザリストに含まれるユーザ(ユーザbを含む)との間のチャット処理を実行する(S4.20)。チャット処理においては、クライアントA及びクライアントBとメインシステム300との間で、ワンタイムIDに基づく処理が実行される。
【0052】
チャット処理において、クライアントA及びクライアントBのそれぞれで実行される処理の概要は以下の通りである。(1)メッセージの入力及び入力結果のメインシステム300への送信。(2)メインシステム300への定期的な新規メッセージの問い合わせ。(3)新規メッセージがあれば、ディスプレイへの新規メッセージの表示。(4)メインシステム300からワンタイムIDの有効期限切れの通知があった場合、チャット処理を終了する。
【0053】
チャット処理において、メインシステム300で実行される処理の概要は以下の通りである。(1)クライアントA又はクライアントBから送信されるメッセージのチャット情報への追加。(2)クライアントA又はクライアントBからメッセージの問い合わせがあった場合には、チャット情報に含まれるメッセージのうち、未送信のメッセージを新規メッセージとして問い合わせ元のクライアント端末250に送信。(3)ワンタイムIDの有効期限が切れた場合にはチャット情報の削除。(4)(1)又は(2)において、チャット情報がすでに削除されている場合には、ワンタイムIDが有効期限切れである旨のクライアントA又はクライアントBへの通知。
【0054】
なお、個別サービス4では、送金元のユーザは仮想通貨の送金との引き換えに送金先のユーザとチャットを開始することができるが、チャットの代わりに送金先のユーザから属性情報等の情報提供を受けることができるサービスが送金システム1によって提供されてもよい。
【0055】
(個別サービス5)
個別サービス5においては、図8に示すように、まず、クライアントAが、ユーザaからの送金条件の入力を受け付ける(S5.1)。送金条件には、送金先となるユーザを抽出するための属性に関する条件を示す属性条件、送金総額、送金先となるユーザの人数及び送金に伴うアンケート内容が含まれる。アンケート内容には、アンケートの本文と、その本文に関する複数の選択肢を示す文章とが含まれている。なお、ユーザbは、属性条件に該当するユーザであるとする。次に、クライアントAは、入力された送金条件をメインシステム300へと送信する(S5.2)。次に、メインシステム300は、S1.3と同様、クライアントAから送信された送金条件に含まれる属性条件に該当する属性を有するユーザを抽出する(S5.3)。次に、メインシステム300は、システム内取引として、手数料に相当する金額をユーザaから管理者へと送金する(S5.4)。手数料に相当する金額は、送金条件に含まれる送金先となるユーザの人数に応じて設定される。次に、メインシステム300は、S5.3において抽出された各ユーザ情報に含まれる通信宛先(例えば、SNS_ID)へと、送金条件に含まれたアンケート内容を送信する(S5.5)。送信先にはユーザbの通信宛先が含まれる。
【0056】
次に、クライアントBは、メインシステム300から送信されたアンケート内容をディスプレイに表示させる(S5.6)。次に、クライアントBは、アンケート内容に含まれる複数の選択肢を示す文章から1つの選択肢を選択する入力をユーザbから受け付ける(S5.7)。次に、クライアントBは、S5.7における入力内容をアンケートに対する回答としてメインシステム300に送信する(S5.8)。なお、S5.5においてアンケート内容が送信された通信宛先のユーザによっては、アンケートに回答しない場合もある。メインシステム300は、送金元であるユーザaから、アンケートに回答してきたユーザ(ユーザbを含む)に対し、S5.2においてクライアントAから送信された送金条件に基づき、1人当たりの送金額に相当する仮想通貨の送金を実行する(S5.9)。次に、メインシステム300は、ユーザから回答されてきたアンケートの集計結果を示す結果情報を生成する(S5.10)。なお、結果情報はメインシステム300のデータベースに格納される。次に、メインシステム300は、結果情報をクライアントAに送信する(S5.11)。次に、クライアントAは、メインシステム300から送信された結果情報をディスプレイに表示させる(S5.12)。
【0057】
なお、本個別サービス5は、ユーザaからのアンケートではなく、管理者からのアンケートを複数のユーザに送信し、ユーザからのアンケートを集計するサービスであってもよい。この場合、管理者からユーザに対して仮想通貨が送金されると共に、アンケートの集計結果は管理者に対してディスプレイへの表示等により出力される。個別サービス5においては、アンケートの回答の有無に応じて送金額が設定される。このため、送金先のユーザにとって仮想通貨の送金の意味づけが明瞭である。
【0058】
(個別サービス6)
個別サービス6は、送金先がグループ内のメンバーである他、個別サービス1と同様の処理が実行される。具体的には、S1.1における属性条件の入力の代わりにグループIDが入力される。このグループIDがその他の送金条件と共にクライアントAからメインシステム300に送信される。メインシステム300は、クライアントAから送信された送金条件に基づき、グループIDに関連付けられたユーザIDに対応するウォレット及び通信宛先へと、クライアントAのウォレットからの仮想通貨の送金及びメッセージの送信を実行する。
【0059】
(個別サービス7)
個別サービス7は、送金先が電子メールアドレス又は携帯電話の電話番号によって指定される他、個別サービス1と同様の処理が実行される。具体的には、S1.1における属性条件の入力の代わりに通信宛先、例えば、電子メールアドレス又は携帯電話の電話番号が入力される。この電子メールアドレス又は携帯電話の電話番号がその他の送金条件と共にクライアントAからメインシステム300に送信される。メインシステム300は、クライアントAから送信された送金条件に基づき、電子メールアドレス又は携帯電話の電話番号に関連付けられたユーザIDに対応するウォレット及び通信宛先へと、クライアントAのウォレットからの仮想通貨の送金及びメッセージの送信を実行する。この場合、電子メールアドレス又は携帯電話の電話番号は、本発明における指定情報の一例である。個別サービス7のサービスを利用することで、例えば、メールマガジンの送付と併せて仮想通貨を送金することにより、送金先のユーザにおいてメールマガジンの開封率を向上させることができる。また、買い物情報を含む電子メールをユーザに送信し、その電子メールに対してユーザが返信してきた場合に、買い物情報の送信先(返信してきたユーザ)の電子メールアドレスに関連付けられたウォレットから買い物情報の送信元のユーザのウォレットへと仮想通貨を送金することで、買い物における代金の支払いを実行することができる。
【0060】
以上説明した本実施形態に係る送金システム1によると、仮想通貨の送金に伴って、少なくとも送金先のユーザが送信元か送信先となるように引き換え情報が送信される。この引き換え情報には、個別サービス1のように、仮想通貨の送金に伴って送金元のエンドユーザから送金先のエンドユーザへと送信される広告情報等のメッセージや、個別サービス3のように、送金された仮想通貨を代価として送金先のユーザからメインシステム300に提供されるユーザの位置情報が含まれる。このように、仮想通貨の送金に当たって価値のある情報がやり取りされるため、送金先のユーザにとっては、仮想通貨の送金の意味づけを把握しやすい。
【0061】
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0062】
例えば、上述の実施形態においては、送金システム1は、SNS等のメッセージ通信サービスを提供するメッセージ通信システム200と連携するシステムとして構成されている。しかし、このような構成以外のシステム構成が採用されてもよい。例えば、メッセージ通信サービスと連携せず、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに基づいてメインシステム300とクライアント端末250とが直接通信を行う構成が採用されてもよい。また、本送金サービスが仮想通貨の取引所のシステムに設けられてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態においては、クライアント端末250においてメッセージアプリの機能を利用する利用者がログイン時にユーザIDを入力するものとしている。しかし、クライアント端末250にインストールされたいずれかのアプリによってユーザIDがクライアント端末250のストレージや外部記憶装置に格納されるものとしてもよい。クライアント端末250からメッセージ通信システム200を通じてメインシステム300に仮想通貨の送金が指示される際には、ストレージや外部記憶装置に格納されたユーザIDがメインシステム300に送信される。
【0064】
また、上述の実施形態においては、1つのメッセージ通信システム200と連携した仮想通貨の送金及びメッセージの送信が想定されている。しかし、複数のメッセージ通信システムに跨る送金が可能となるようにメインシステム300が構成されてもよい。この場合、メッセージ通信システムごとに、そのメッセージ通信システムとの通信やメッセージ通信システムから送信される情報を処理するサーバが設けられてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態においては、仮想通貨の送金に伴いメッセージが送金先のユーザに送信される場合が想定されている。しかし、これに加え、ユーザや管理者から、特定の属性を有するユーザへとメッセージのみを送信する機能が送金システム1に設けられていてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態に係る個別サービスにおいては、クライアント端末250において入力された属性条件や通信宛先に基づいて仮想通貨の送金が実行されている。しかし、クライアント端末250において入力されたユーザIDに基づいて仮想通貨の送金が実行されてもよい。この場合、クライアント端末250からメッセージ通信システム200を通じてメインシステム300へと送金元及び送金先の両ユーザのユーザIDが送信される。メインシステム300は、送金元及び送金先の各ユーザのユーザIDに対応するユーザ情報に基づいて仮想通貨の送金処理を実行する。
【符号の説明】
【0067】
100 ブロックチェーン
200 メッセージ通信システム
250 クライアント端末
300 メインシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8