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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】配管・配線保護カバー
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20220609BHJP
   F16L 27/12 20060101ALI20220609BHJP
   F16L 43/00 20060101ALI20220609BHJP
   H02G 9/04 20060101ALI20220609BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
F16L57/00 A
F16L27/12 K
F16L43/00
H02G9/04
H02G1/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019168234
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021046872
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松村 良太
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-112180(JP,U)
【文献】特開2018-033278(JP,A)
【文献】登録実用新案第3182923(JP,U)
【文献】実開昭59-044127(JP,U)
【文献】特開2011-214590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 57/00
F16L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定曲率の円弧をえがく軸心を有する管状の第1部材と、
前記第1部材と同一曲率の円弧をえがく軸心を有し、一部が前記第1部材の外方に設けられた管状であって、前記第1部材の一端に対して接続される第2部材と、を備え、
前記第1部材は、一端側に前記第2部材に対して接続される第1接続端部を備え、他端側に第1開口端部を備え、前記第1接続端部及び前記第1開口端部は一体として構成され、
前記第2部材は、他端側に前記第1部材に対して接続される第2接続端部を備え、一端側に第2開口端部を備え、前記第2接続端部及び前記第2開口端部は一体として構成され、
前記第2部材は前記第1部材に対し、前記円弧をえがく軸心に沿って前記第1部材の外方を移動可能で、かつ前記第1部材の周方向に移動可能である、配管・配線保護カバー。
【請求項2】
建物に沿って配置される配管又は配線の屈曲部分を覆う屈曲部カバーとして構成される請求項1に記載の配管・配線保護カバー。
【請求項3】
前記第1開口端部及び前記第2開口端部は、それぞれ直管状カバーを接続されるように構成されている請求項1又は2に記載の配管・配線保護カバー。
【請求項4】
前記第2部材が前記第1部材に対し、前記円弧をえがく軸心に沿って移動することにより、全体の角度を無段階で変更できる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配管・配線保護カバー。
【請求項5】
前記第1部材および前記第2部材の、前記軸心に直交する断面形状は、少なくとも両者が接続される各端部において円形である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配管・配線保護カバー。
【請求項6】
前記第1部材の端部に鍔部が形成され、前記第2部材の端部に、前記鍔部に当接する内向突起が形成された、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配管・配線保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋外に設置される配管または配線のうち屈曲部分を覆うための、配管・配線保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
配管または配線のうち屈曲部分を覆うための、配管・配線保護カバーの一例として、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載のカバーは、部品の共通化を目的としており、同一形状の4以上の偶数個の単位体を係合させることで構成される。
【0003】
ところで、例えば建物の壁面に存在する障害物を避けることや、建物の壁面からカバーを浮かせる距離を途中で変更するため、カバーの軸線をオフセット、つまり、平行な二つの直線状の軸線間を斜めにつなぐようにしてカバーを配置したいことがある。
【0004】
しかしこの場合、特許文献1に記載のカバーでは、オフセットする直線状の軸線の一方側と他方側のそれぞれに、前記単位体が4個必要である。しかも、特許文献1の図1または図2に示されるように、複数の単位体の組を結ぶ直管状のカバーが更に必要となる。
【0005】
このように、特許文献1に記載の構成では、構成点数が多くなることから、その分、カバーの設置現場での工数が多くなってしまうという問題があった。また、特許文献1に記載の構成では、部品を共通化することに重きがおかれているため、カバーの屈曲角度が固定されており、実現できる曲げ状態のバリエーションが少なかった。また、カバーの屈曲角度が固定されていると、オフセットに係る平行な二つの直線状の軸線間の距離を短くすることが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6529893号公報(図1図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、少ない構成点数で、しかも、多様な曲げ状態を実現できる配管・配線保護カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一定曲率の円弧をえがく軸心を有する管状の第1部材と、前記第1部材と同一曲率の円弧をえがく軸心を有し、一部が前記第1部材の外方に設けられた管状であって、前記第1部材の一端に対して接続される第2部材と、を備え、前記第2部材は前記第1部材に対し、前記円弧をえがく軸心に沿って前記第1部材の外方を移動可能で、かつ前記第1部材の周方向に移動可能である、配管・配線保護カバーである。
【0009】
この構成によれば、第2部材が第1部材に対し、一定曲率の円弧をえがく軸心に沿って移動可能であることから、第2部材の第1部材への覆い具合を調整できる。このため、覆い具合に応じた屈曲形状とできる。そして、第2部材が第1部材に対し、第1部材の周方向に移動可能であることから、周方向への捻り具合を調整できる。このため、捻り具合に応じた角度で配管・配線保護カバーの一端と他端で開口方向を設定できる。
【0010】
また、前記第2部材が前記第1部材に対し、前記円弧をえがく軸心に沿って移動することにより、全体の角度を無段階で変更できるものとできる。
【0011】
この構成によれば、例えば90度や45度などの決まった角度以外の任意の屈曲角度とできる。
【0012】
また、前記第1部材および前記第2部材の、前記軸心に直交する断面形状は、少なくとも両者が接続される各端部において円形であるものとできる。
【0013】
この構成によれば、第2部材を第1部材に対し、第1部材の周方向に移動させる際に、第2部材を第1部材から一旦取り外さず、ただ回転させるだけでいい。このため、施工現場での手間を削減できる。
【0014】
また、前記第1部材および前記第2部材のうち一方の端部に鍔部が形成され、他方の端部に、前記鍔部に当接する内向突起が形成されたものとできる。
【0015】
この構成によれば、鍔部と内向突起とが当接することで、第2部材が第1部材から不意に分離してしまうことを防止できるため、施工現場での使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、第2部材の第1部材への覆い具合に応じた屈曲形状とできる。そして、周方向への捻り具合に応じた角度で配管・配線保護カバーの一端と他端で開口方向を設定できる。よって、少ない構成点数(第1部材および第2部材)で、しかも、多様な曲げ状態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る配管・配線保護カバーを示す斜視図である。
図2】前記配管・配線保護カバーを示し、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
図3】前記配管・配線保護カバーを示し、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。
図4】前記配管・配線保護カバーを示し、(a)は右側面図であり、(b)は左側面図である。
図5】前記配管・配線保護カバーを示し、(a)は図2(a)におけるV(a)-V(a)拡大端面図であり、(b)はV(b)-V(b)拡大端面図である。
図6】前記配管・配線保護カバーを示す、図3(a)におけるVI-VI拡大断面図である。
図7】前記配管・配線保護カバーを、図1に示す状態から第2部材を周方向に180度回転させた状態を示す斜視図である。
図8】前記配管・配線保護カバーを、図2に示す状態から第2部材を軸線方向に移動させ、最大に縮めた状態を示す正面図である。
図9】前記配管・配線保護カバーを、図2に示す状態から第2部材を軸線方向に移動させ、やや縮めた状態を示す正面図である。
図10】(a)~(c)は、施工の形態の一例として90度屈曲の部分に適用した例を、施工順に示す斜視図である。
図11】他の実施形態に係る配管・配線保護カバーを示す正面図である。
図12】他の実施形態に係る配管・配線保護カバーを示す正面図である。
図13】他の実施形態に係る配管・配線保護カバーを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。なお、以下では、理解を容易にするため、第1部材2を固定側の部材として、第2部材3を移動側の部材として説明する。また、方向の説明は図示方向を基準とする。
【0019】
本実施形態の配管・配線保護カバー(以下、屈曲部カバー)1は、例えば、屋外において建物の壁面に沿って設置される冷媒配管P(図10(a)参照)や電気配線のうち屈曲部分を、風雨などの外部環境から保護すべく、内部空間に収納することで覆うために用いられる。この屈曲部カバー1は、硬質樹脂(硬質塩化ビニル樹脂など)製である第1部材2と第2部材3とが1組とされ構成されている。
【0020】
第1部材2は、図1に示すうち下方部分であって、一定曲率の円弧をえがく軸心2R(図6に一点鎖線で示す)を有する管状の部材である。第1部材2は前記円弧をえがく軸心2Rに沿う曲管部21と、直線状の軸心に沿う直管部22とを有する。外径寸法および内径寸法は、曲管部21よりも直管部22の方が大きい。このため、曲管部21と直管部22との境界に、外観に現れる段差部23が形成されている。この段差部23には、図8に示すように第2部材3が当接する。この当接の際、外観上違和感がないように、第1部材2の直管部22の外径寸法(軸心に直交する方向の寸法、以下の外径寸法、内径寸法も同じ)と、第2部材3の曲管部31の外径寸法は同一とされている。曲管部21の湾曲角度は45度である。なお、直管部22の軸心方向の長さ(または、第1部材2全体に対する長さの比率)は図示したものに限定されない。また、本実施形態の直管部22に相当する部分を直管状以外の別形状とすることもできる。
【0021】
第1部材2では、接続端部211、開口端部221の両端部が開口している。第1部材2の一端である接続端部211には第2部材3が接続される。接続端部211は曲管部21に位置している。第1部材2の他端である開口端部221には、他の配管・配線保護カバー4(例えば図10(a)~(c)に示す直管状カバー)が接続される。開口端部221は直管部22に位置している。この接続は、開口端部221から直管部22に他の配管・配線保護カバー4が差し込まれることでなされる。直管部22の内面には係止リブ222が突出しており、差し込まれた他の配管・配線保護カバー4をその状態で係止できる。図10(c)に示すように、他の配管・配線保護カバー4は、例えば建物の壁面から支持金具6を介して支持されることができる。
【0022】
第1部材2の、軸心に直交する断面形状は、少なくとも接続端部211において円形である。なお、本実施形態では、軸心に沿う方向の全長において断面形状が円形とされている。
【0023】
第1部材2は、図1などに示すように、正面側と背面側でそれぞれ半筒状とされた2部材が組み合わされている。この2部材はボルトなどのねじ(図示しない)により結合されて一体とされている。このため、前記半筒状の部分には、正面-背面側に貫通する貫通穴24が設けられており、この貫通穴24に結合用のねじが通される。また、前記半筒状の2部材の組み合わせは、嵌合部25により凹凸嵌合がなされている。これにより2部材は頑丈に組み合わせられる。
【0024】
第1部材2の接続端部211には、径外方向に突出した鍔部212が形成されている。本実施形態の鍔部212は、周方向に連続的に形成されている。しかしこれに限定されず、断続的に形成されていてもよい。
【0025】
次に、第2部材3は、図1に示すうち上方部分であって、一定曲率の円弧をえがく軸心3Rを有する管状の部材である。円弧の曲率は、第1部材2における円弧の曲率と同一である。第2部材3も第1部材2と同じく、前記円弧をえがく軸心3Rに沿う曲管部31と、直線状の軸心に沿う直管部32とを有する。外径寸法および内径寸法は、曲管部31と直管部32とで同じである。また、第2部材3における直管部32の外径寸法および内径寸法は、第1部材2における直管部22および曲管部21の外径寸法および内径寸法に等しい。また、曲管部31の外径寸法および内径寸法は、第1部材2における曲管部21の外径寸法および内径寸法よりも大きい。曲管部31の湾曲角度は45度であって、第1部材2における曲管部21の湾曲角度と等しい。なお、直管部32の軸心方向の長さ(または、第2部材3全体に対する長さの比率)は図示したものに限定されない。また、本実施形態の直管部32に相当する部分を直管状以外の別形状とすることもできる。
【0026】
第2部材3では、接続端部311、開口端部321の両端部が開口している。接続端部311には第1部材2が接続される。接続端部311は曲管部31に位置している。開口端部321には他の配管・配線保護カバー5(例えば図10(a)~(c)参照)が接続される。開口端部321は直管部32に位置している。この接続は、開口端部321から直管部32に他の配管・配線保護カバー5が差し込まれることでなされる。直管部32の内面には係止リブ322が突出しており、差し込まれた他の配管・配線保護カバー5をその状態で係止できる。図10(c)に示すように、他の配管・配線保護カバー5の、建物の壁面に対向する端部には、化粧板7を設けることもできる。
【0027】
第2部材3の、軸心に直交する断面形状は、少なくとも接続端部311において円形である。なお、本実施形態では、軸心に沿う方向の全長において断面形状が円形とされている。
【0028】
第2部材3は、図1などに示すように、正面側と背面側でそれぞれ半筒状とされた2部材が組み合わされている。この2部材はボルトなどのねじ(図示しない)により結合されて一体とされている。このため、前記半筒状の部分には、正面-背面側に貫通する貫通穴33が設けられており、この貫通穴33に結合用のねじが通される。また、前記半筒状の2部材の組み合わせは、嵌合部34により凹凸嵌合がなされている。これにより2部材は頑丈に組み合わせられる。
【0029】
第2部材3の接続端部311には、径内方向に突出した内向突起312が形成されている。本実施形態の内向突起312は、周方向に連続的に形成されている。しかしこれに限定されず、断続的に形成されていてもよい。図6に示すように、第1部材2から第2部材3が引き出された状態では、第1部材2に形成された鍔部212と、第2部材3に形成された内向突起312とが当接する。このため、第2部材3が第1部材2から不意に分離してしまうことを防止できるので、例えば各部材2,3の落下事故を防止でき、施工現場での使い勝手が良い。
【0030】
第2部材3は、図6に示すように、屈曲部カバー1の一部である曲管部31が第1部材2の外方に設けられている。この第2部材3は第1部材2に対し、第1部材2と第2部材3とで同一曲率の円弧をえがく軸心2R,3Rに沿って、第1部材2の外方を移動(スライド移動)可能である。さらに第2部材3は、第1部材2の周方向(軸心まわりの方向)に移動可能である。
【0031】
前述のように、第1部材2および第2部材3の、軸心に直交する断面形状は、少なくとも接続端部211,311において円形である。このため、第2部材3を第1部材2に対し、第1部材2の周方向に移動させる際に、第2部材3を第1部材2から一旦取り外さず、ただ回転させるだけで、例えば図7に示すように捻ることができる。このため、施工現場での手間を削減できる。また、第2部材3を第1部材2から一旦取り外すことで、高所作業の際、第1部材2または第2部材3を落下させて破損させてしまうリスクも低減できる。
【0032】
第2部材3が第1部材2に対し、円弧をえがく軸心2R,3Rに沿って移動することにより、第1部材2に対し第2部材3を、図1などに示すように引き出したり、図8に示すように押し込んだりすることができる。このため、図2(a)(b)、図8図9に示す各状態のように、屈曲部カバー1における全体の角度を無段階で変更できる。言い換えると、第1部材2の開口端部221(第2部材3が接続された側とは反対の端部)と、第2部材3の開口端部321(第1部材2が接続された側とは反対の端部)との間の角度が可変である。
【0033】
第2部材3の第1部材2に対する移動は、第1部材2に対して第2部材3が入り込むように移動する。このため無段階に移動できる。従って、本実施形態の屈曲部カバー1では、従来用いられていたカバーのような、例えば90度や45度などの決まった角度以外の任意の屈曲角度とできる。このため、施工現場の状況に柔軟に対応させることができる。
【0034】
以上のように構成された、本実施形態の屈曲部カバー1では、第2部材3が第1部材2に対し、円弧をえがく軸心2R,3Rに沿って移動可能であることから、第2部材3の第1部材2への覆い具合を調整できる。このため、覆い具合に応じた屈曲形状とできる。そして、第2部材3が第1部材2に対し、第1部材2の周方向に移動可能であることから、周方向への捻り具合を調整できる。このため、捻り具合に応じた角度で屈曲部カバー1の一端と他端で接続端部211,311の開口方向を設定できる。
【0035】
具体的には、図1図2(a)(b)に示すような、正面視で90度の状態、図8に示すような、正面視で45度の状態、図9に示すような中間的な状態の各状態に係る屈曲形状とできる。これにより、種々の屈曲に適応できる。そして、第1部材2に対して第2部材3を180度捻り、図7に示す状態とできる。これにより、オフセット施工に適応できる。本実施形態では、特にオフセット施工の際、従来のように直管状のカバーを挟む必要がない。このため、オフセットに係る平行な二つの直線状の軸線間の距離を短くすることが可能である。
【0036】
なお、本実施形態の屈曲部カバー1では、第2部材3を、円弧をえがく軸心2R,3Rに沿って移動させる屈曲と、第2部材3の周方向への捻りを同時に行うこともできる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0038】
例えば、前記実施形態では、第1部材2を固定側とし、第2部材3を移動側として説明した。しかし、固定側と移動側の関係はこれに限定されず、第1部材2が移動側で、第2部材3が固定側であってもよい。また、第1部材2、第2部材3の両方を同時に移動させることもできる。
【0039】
また、第1部材2および第2部材3の、接続端部211,311における断面形状は、前記実施形態のような円形に限定されず、多角形であってもよい。また、長円形や楕円形であってもよい。ただし、多角形である場合、例えば長方形では0度と180度の2方向しか選択できず、選択の余地が限られるので、正多角形の方が角度選択の可能性を大きくできて好ましい。
【0040】
第2部材3が第1部材2の周方向に移動可能であることに関し、前記実施形態では、接続端部211,311における断面形状が円形であったため、第2部材3を第1部材2から一旦取り外さず、ただ回転させるだけで移動できた。しかし、接続端部211,311における断面形状が多角形である場合は、第2部材3を第1部材2から一旦取り外して差し込み直すことで、第2部材3を第1部材2の周方向に移動させる。
【0041】
また、前記実施形態では、第1部材2における曲管部21の湾曲角度と、第2部材3における曲管部31の湾曲角度がいずれも45度であった。しかし、各湾曲角度の関係は適宜変更でき、例えば、図11に示すように、第1部材2における曲管部21の湾曲角度を22.5度とし、第2部材3における曲管部31の湾曲角度を45度とできる。また、図12に示すように、第1部材2における曲管部21の湾曲角度と、第2部材3における曲管部31の湾曲角度をいずれも30度とできる。また、図13に示すように、第1部材2における曲管部21の湾曲角度を20度とし、第2部材3における曲管部31の湾曲角度を10度とできる。ちなみに、図11図13は、第1部材2に対し第2部材3を最大限引き出した状態を示している。また、これら他の実施形態については、図11図13に正面図を代表して示した。六面図の正面図以外の他方向の図示形態は、これら他の実施形態についても、前記実施形態に係る六面図と同様に示される。また、これら他の実施形態について、第2部材3を周方向に180度回転させた状態は、前記実施形態の図7と同様に示される。また、これら他の実施形態について、第2部材3を軸線方向に移動させた状態は、前記実施形態の図8図9と同様に示される。
【符号の説明】
【0042】
1 配管・配線保護カバー、屈曲部カバー
2 第1部材
3 第2部材
2R 円弧をえがく軸心(第1部材)
3R 円弧をえがく軸心(第2部材)
21 曲管部
211 接続端部
212 鍔部
22 直管部
221 開口端部
31 曲管部
311 接続端部
312 内向突起
32 直管部
321 開口端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13