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  • 特許-配管構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】配管構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/033 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
F16L55/033
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017064933
(22)【出願日】2017-03-29
(65)【公開番号】P2018168883
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】河原塚 透
(72)【発明者】
【氏名】冨高 隆
(72)【発明者】
【氏名】増田 潔
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-219082(JP,A)
【文献】特開2001-113618(JP,A)
【文献】特開2009-264577(JP,A)
【文献】特開2000-240116(JP,A)
【文献】実開昭63-065098(JP,U)
【文献】特開2004-204861(JP,A)
【文献】特開昭52-109901(JP,A)
【文献】特開平04-194244(JP,A)
【文献】特開昭60-109827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0012812(US,A1)
【文献】実開昭63-037839(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中空部を有するシート材と、
前記中空部に詰め込まれた粒状体と、
前記シート材が巻き付けられた防振支持されない管材と、を備え、振動によって前記粒状体が前記中空部内で移動することで振動エネルギーを減衰させる配管構造であって、
複数の前記中空部は、突条状に形成されていて、前記管材の軸方向と平行あるいは前記管材の軸方向に対して傾斜した状態で前記管材の周方向に対して間隔をあけて、前記シート材の前記管材側の面に突出しているとともに、前記管材に当接していることを特徴とする配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
高い静ひつ性能が要求される建物では、高い遮音性能を確保することを目的として、防振天井構造が採用される場合がある。防振天井構造は、せっこうボードや下地材等で構成される天井と、天井を吊持する吊材と、天井と吊材との間に介設された防振ハンガー等の防振材とを備えたものである。この防振天井構造では、吊材を介して伝搬する振動を防振材によって低減させる。
また、本出願人は、特許文献1に示すように、粒状体と、粒状体を収容する袋状の容器とを備える吸音部材を天井パネルに上載することで、天井パネルの振動を吸収する天井構造を開示している。
【0003】
一方、振動(騒音)の原因が、設備機器等の稼働に伴って発生する場合には、設備機器やこの設備機器に付属する管路などに対して防振対策工を施すことにより、建物躯体に入力する振動を低減している。このようにすれば、天井全体に対して防振対策工を施す場合に比べて、施工の手間や費用を低減することができる。
管路の防振対策工としては、防振ハンガーにより吊持したり、管路と建物躯体との間にクリアランスを確保する等の防振支持構造がある。ところが、熱伸縮する管路や、耐震性を確保することを目的として大きく伸縮する管路等、一部の管路には、防振支持をすることができない場合がある。
【0004】
そのため、特許文献2には、直管部と蛇腹部とを有する管路において、蛇腹部に非伸長チューブを外装させた状態で液状弾性体素材を流し込むことで、蛇腹部の外周に非伸長性チューブを含有する弾性体を形成する振動吸収管が開示されている。この振動吸収管によれば、弾性体によって蛇腹部の耐圧強度を増強させるとともに、可撓性を有した蛇腹部において配管の共振を抑制する。
また、特許文献3には、表面に凹凸部が繰り返し形成された金属製フレキシブル管と当該金属製フレキシブル管に非密着部又は空隙を有した状態で着脱自在に外装される振動減衰器とを備える振動減衰フレキシブル管装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-020167号公報
【文献】特開平10-318479号公報
【文献】特開2010-078146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の振動吸収管は、可撓性を有する蛇腹管によって振動を吸収するものである。そのため、管路の一部を蛇腹管に変更する必要があり、施工に手間がかかる。また、弾性体を形成するためには、蛇腹部の周囲に液状弾性体素材を流しこみ、固化させるため、施工に手間と時間がかかる。
また、特許文献3の振動減衰フレキシブル管装置は、金属製フレキシブル管を対象とするものである。振動を伝達する管路は、金属製フレキシブル管に限られるものではないが、特許文献3の技術は適用可能な管種が限られているため、管種に限定されることなく振動低減効果を発現する配管構造が求められていた。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、振動低減効果を有する管路を形成することが可能な配管構造であって、大掛かりな工事を要することなく、管路を構成する種々の管材に適用可能な配管構造を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の配管構造は、複数の中空部を有するシート材と、前記中空部に詰め込まれた粒状体と、前記シート材が巻き付けられた防振支持されない管材と、を備え、振動によって前記粒状体が前記中空部内で移動することで振動エネルギーを減衰させる配管構造であって、複数の前記中空部は、突条状に形成されていて、前記管材の軸方向と平行あるいは前記管材の軸方向に対して傾斜した状態で前記管材の周方向に対して間隔をあけて、前記シート材の前記管材側の面に突出しているとともに、前記管材に当接していることを特徴としている。なお、粒状体の平均粒径は1~6mmの範囲内であるのが望ましい。
本発明の配管構造によれば、管材に周設された粒状体が振動によりシート材の内部を移動することで振動エネルギーを減衰させるため、優れた振動低減効果を発現する。しかも、本発明の配管構造は、粒状体が詰め込まれたシート材を管材に巻き付けるのみの簡易な構造なため、大掛かりな工事を要しない。
前記シート材に複数の中空部が形成されており、前記粒状体が各中空部に詰め込まれていれば、粒状体の偏りが防止されるため、より安定した振動低減効果を確保することができる。
なお、本発明の配管構造においては、前記粒状体が断熱材料により構成されているか、あるいは、前記シート材の外面を覆う断熱材を備えているのが望ましい。シート材を断熱材で覆う場合は、筒状の断熱材を配設してもよいし、シート材に断熱材を貼り付けてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配管構造によれば、種々の管材に適用可能であり、大掛かりな工事を要することなく振動低減効果を有する管路を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る配管構造を示す斜視図である。
図2】(a)は第一実施形態の配管構造を示す断面図、(b)は同配管構造のシート材の斜視図である。
図3】(a)は第二実施形態の配管構造を示す断面図、(b)は同配管構造のシート材の斜視図、(c)は同配管構造の断熱材である。
図4】(a)は第三実施形態の配管構造を示す断面図、(b)は同配管構造のシート材の斜視図である。
【0010】
<第一実施形態>
第一実施形態では、図1に示すように、管路1の所定の位置に形成された配管構造2について説明する。なお、配管構造2の形成個所は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。また、配管構造2は、管路1の全延長にわたって形成してもよい。管路1は、複数の管材3を延長方向に連結することにより形成されている。
配管構造2は、図2(a)に示すように、管材3と、シート材4と、粒状体5と、断熱材6とを備えている。
管材3は、内面および外面が平滑なポリエチレン管により構成されている。なお、管材3を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、鋼管や塩化ビニル管であってもよい。また、管材3は、表面に凹凸が形成されたいわゆる波型管やフレキシブル管であってもよい。管材3には、シート材4が巻き付けられている。
【0011】
シート材4は、合成樹脂からなり、変形自在である。シート材4は、図2(a)および(b)に示すように、複数の中空部41,41,…を有している。各中空部41には、粒状体5が詰め込まれている。なお、シート材4の構成は限定されるものではない。シート材は、例えば、図示は省略するが、単一の中空部が形成された袋状シートであってもよい。また、袋状シートからなるシート材は、中空部が複数に区画されていてもよい。また、シート材4を構成する材料は、中空部41に詰め込まれた粒状体5の移動を阻害することのない材質であれば、限定されるものではなく、例えばガラス樹脂であってもよい。
【0012】
図2に示すシート材4においては、複数の中空部41,41,…が、管材3にシート材4を巻き付けた際の周方向に対して間隔をあけて形成されている。すなわち、中空部41は、管材3の軸方向と平行になるように形成されている。また、中空部41は、シート材4の一方の面(管材3に巻き付けた際に、管材3と接する面)のみに突出するように形成されており、シート材4の他方の面は平坦である。すなわち、シート材4は、粒状体5が詰め込まれた中空部41と、中空部41同士の間隔とによって、断面視で一方の面が波型となるように構成されている。なお、中空部41は、シート材4の両面に突出するように形成されていてもよい。また、中空部41は、必ずしも管材3の軸方向と平行である必要はなく、管材3の軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0013】
中空部41同士の間隔の大きさは限定されるものではないが、管材3に巻き付けた際に、管材3の外面全周にわたってシート材4が接触することが可能な大きさとする。中空部41同士の間隔が狭すぎると、シート材4を管材3に巻き付けた際に、中空部41同士の接触により十分に折り曲げることができずに、シート材4と管材3との間に隙間ができて、振動低減効果が低下するおそれがある。一方、中空部41同士の間隔が大きすぎると、シート材4と管材3との当接面において、中空部41同士の間に大きな隙間が形成されて、振動低減効果が低下する恐れがある。
シート材4は、中空部41が形成されている面(一方の面)が管材3に当接するように、管材3に巻き付ける。シート材4の固定方法は限定されるものではないが、例えば、粘着テープを巻き付けることにより固定すればよい。
【0014】
本実施形態の粒状体5は、パーライトにより構成されている。なお、粒状体5を構成する材料は限定されるものではなく、パーライトの他、天然ガラス発泡体、砂、木炭、ゼオライトまたはこれらのうちの少なくとも2つを混合した混合体であってもよい。粒状体5の形状寸法は限定されるものではないが、例えば、平均粒径が1~6mmの範囲内のものを使用するとよい。
シート材4の外面(他方の面)は、断熱材6によって被覆されている。本実施形態の断熱材6は、シート状のグラスウールであって、シート材4の他方の面に貼着されている。なお、断熱材6を構成する材料はグラスウールに限定されるものではなく、例えば、発泡樹脂であってもよい。
【0015】
本実施形態の配管構造2によれば、管材3を介して伝達される振動を減衰させるため、優れた振動低減効果を発現する。すなわち、設備機器等の振動が管材3に伝達した際に、振動によって粒状体5が中空部41内で移動することで振動エネルギーを減衰させる。粒状体5は、わずかな振動であっても移動して振動エネルギーを吸収する。そのため、管材3を防振支持しなくても、管路1から躯体に伝搬する振動を低減することができる。よって、熱伸びや耐震上の理由から防振支持することができない管路1に対しても振動を低減させることができる。
ここで、配管の振動は、支持点間の長さで決定する曲げ振動、管路1の長さで決定する気中共鳴、管路1(管材3)の円周方向等の固有モード等が、機器設備(例えばポンプ)の回転数や圧力変動等の周期に励振されて高次の固有モードと一致した場合に大きな振動となる。本実施形態の配管構造2によれば、管路1に制振性能を加えることで、管路1自体の振動を低減することができる。
【0016】
配管構造2は、粒状体5が詰め込まれたシート材4を管材3に巻き付けるのみの簡易な構造なため、大掛かりな工事を要しない。そのため、管路1の防振対策工を簡易かつ安価に構築することができる。また、配管構造2を形成する管路1は、新設であってもよいし、既設であってもよい。
粒状体5は、シート材4に所定の間隔をあけて形成された複数の中空部41に詰め込まれているため、粒状体5が偏ることがない。そのため、安定した振動低減効果を確保することができる。
シート材4の外面が断熱材6によって覆われているため、断熱性も確保している。そのため、振動低減効果とともに保温性に優れた管路1を形成することができる。
【0017】
<第二実施形態>
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、管路1の所定の位置に形成された配管構造2について説明する。配管構造2は、図3(a)に示すように、管材3と、シート材4と、粒状体5と、断熱材6とを備えている。配管構造2は、管路1の所定の位置に形成されている。なお、管路1および管材3の詳細は、第一実施形態泥示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0018】
シート材4は、合成樹脂からなり、変形自在である。シート材4は、図3(a)および(b)に示すように、複数の中空部41,41,…を有している。各中空部41には、粒状体5が詰め込まれている。なお、粒状体5の詳細は、第一実施形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の中空部41は、円錐台状を呈していて、隣接する他の中空部41と間隔をあけて形成されている。また、中空部41は、シート材4の一方の面(管材3に巻き付けた際に、管材3と接する面)のみに突出するように形成されており、シート材4の他方の面は平坦である。すなわち、シート材4は、粒状体5が詰め込まれた中空部41と、中空部41同士の間隔とによって、断面視で一方の面が凹凸面となるように構成されている。なお、中空部41は、シート材4の両面に突出するように(シート材4の両面に凹凸面が)形成されていてもよい。
【0019】
中空部41の大きさおよび中空部41同士の間隔の大きさは限定されるものではないが、管材3に巻き付けた際に、管材3の外面に各中空部41が接触する大きさとする。すなわち、中空部41同士の間隔は、管材3に巻き付けた際に、中空部41同士の接触により十分に折り曲げることができなくなることや、間隔が大きすぎることにより中空部41同士の間に大きな隙間が形成されることがないようにする。
シート材4は、中空部41が形成されている面が管材3に当接するように、管材3に巻き付ける。シート材4の固定方法は限定されるものではないが、例えば、粘着テープを巻き付けることにより固定すればよい。
【0020】
図3(a)に示すように、シート材4の外面(他方の面)には、断熱材6によって被覆されている。本実施形態の断熱材6は、図3(c)に示すように、筒状に成形された発泡樹脂からなる。なお、断熱材6を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、グラスウールであってもよい。本実施形態の断熱材6には、軸方向に沿った切りこみ61が形成されている。断熱材6をシート材4の外面に設置する際には、切り込み61において断熱材6を広げた状態で、シート材4が巻き付けられた管材3に設置すればよい。なお、断熱材6の切り込みは、必要に応じて形成すればよい。断熱材6が切り込みを有していない場合には、断熱材6に管材3(シート材4)を挿通させた状態で、断熱材6を所定の位置に移動させればよい。
第二実施形態の配管構造2によれば、第一実施形態の配管構造2と同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
<第三実施形態>
第三実施形態では、第一実施形態と同様に、管路1の所定の位置に形成された配管構造2について説明する。配管構造2は、図4(a)に示すように、管材3と、シート材4と、粒状体5と、断熱材6とを備えている。配管構造2は、管路1の所定の位置に形成されている。なお、管路1および管材3の詳細は、第一実施形態泥示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0022】
シート材4は、合成樹脂からなり、変形自在である。シート材4は、図4(a)および(b)に示すように、複数の中空部41,41,…を有している。各中空部41には、粒状体5が詰め込まれているとともに、合成樹脂製の振動伝達ピン7が設置されている。なお、シート材4および粒状体5の詳細は、第一実施形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。また、中空部41の形状、配置および数等は限定されるものではない。また、振動伝達ピン7の数および配置は限定されるものではない。例えば、中空部41が突条状である場合には(図2(b)参照)、1つの中空部41に対して複数の振動伝達ピン7を配設してもよい。さらに振動伝達ピン7を構成する材料は合成樹脂に限定されるものではない。
【0023】
振動伝達ピン7は、中空部41に差し込まれる軸部71と、中空部41の上面に配設される板部72とを備えている。軸部71は、棒状部材であって、板部72の裏面の中心部に立設されている。軸部71の長さは、中空部41に差し込まれた際に粒状体5に挿入される大きさであれば限定されるものではないが、中空部41の高さの1/2以上であるのが望ましい。本実施形態の軸部71は、円柱状を呈しているが、軸部71の形状は限定されるものではなく、例えば、角柱状や板状であってもよい。
板部72は、円板である。なお、板部72の形状は、中空部41の形状に応じて適宜決定すればよく、例えば、板部72は矩形であってもよい。
【0024】
本実施形態では、板部72の中心部に1本の軸部71が立設されている。なお、軸部71の数および配置は限定されるものではなく、例えば、複数本の軸部71が、板部72の裏面(中空部41との当接面)に所定の間隔をあけて配設されていてもよい。
振動伝達ピン7は、軸部71を中空部41の上面(図4(b)において上側の面)から差し込むことにより設置される。このとき、軸部71が中空部41内において粒状体5の集合体に挿入されるとともに、板部72の裏面が中空部41の上面に当接する。
【0025】
シート材4は、図4(a)に示すように、中空部41が形成されている面(板部72)が管材3側となるように、管材3に巻き付ける。こうすることで、中空部41に設置された振動伝達ピン7(板部72)が管材3の外面に当接する。シート材4の固定方法は限定されるものではないが、例えば、粘着テープを巻き付けることにより固定すればよい。シート材4の外面(他方の面)は、断熱材6によって被覆する。なお、本実施形態の断熱材6の詳細は、第二実施形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
【0026】
以上、第三実施形態の配管構造2によれば、管材3を介して伝達される振動を減衰させるため、優れた振動低減効果を発現する。すなわち、設備機器等の振動が管材3に伝達した際に、管材3の振動が、振動伝達ピン7を介して粒状体5に伝達されるため、中空部41内で粒状体5が移動することで、振動エネルギーを減衰させる。振動伝達ピン7は、所定の長さ(中空部41の高さの半分以上の長さ)を有しているため、粒状体5に対して振動を確実に伝達させることができる。すなわち、重量によって粒状体5が下側に移動して、粒状体5の上面と中空部41の管材3側の面との間に隙間が形成されている場合であっても、軸部71が粒状体5に当接しているため、管材3の振動が粒状体5に伝達される。
この他の第三実施形態の配管構造2の作用効果は、第一実施形態の配管構造2と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0027】
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記各実施形態では、シート材4の外面を断熱材6で覆う場合について説明したが、断熱材6は、必要に応じて設置すればよく、省略してもよい。
また、粒状体5として、断熱材料からなる粒状物(例えば、合成樹脂製発泡粒状体等)を使用すれば、断熱材6を使用しなくても、管路1の断熱性を確保することができる。
シート材4の中空部41の形状、数および配置等は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。シート材4を管材3の外面に巻き付けた際に、管材3の全周にわたってシート材4(中空部41の表面)が接しているのが望ましいが、振動低減効果を確保することができれば、管材3との当接面において中空部41同士の間に隙間が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 管路
2 配管構造
3 管材
4 シート材
41 中空部
5 粒状体
6 断熱材
7 振動伝達ピン
図1
図2
図3
図4