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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】血液浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A61M1/14 110
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017111003
(22)【出願日】2017-06-05
(65)【公開番号】P2018201867
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】507365204
【氏名又は名称】旭化成メディカル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000138037
【氏名又は名称】株式会社メテク
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠也
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-501000(JP,A)
【文献】特開平08-308033(JP,A)
【文献】特開2008-235102(JP,A)
【文献】特許第4802534(JP,B2)
【文献】特開2004-312941(JP,A)
【文献】特表2013-500829(JP,A)
【文献】特表2014-521388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
血液浄化処理を行うための複数の要素と、を備え、
前記筐体は、互いに対向する2つの外側垂直板と、前記2つの外側垂直板の間に配置され、前記2つの外側垂直板同士を接続する内側垂直板と、を有し、
前記2つの外側垂直板と前記内側垂直板は、上方から見て略H型になっており、
前記複数の要素の少なくとも一つは、前記内側垂直板又は前記外側垂直板の少なくともいずれかに取り付けられており、
前記内側垂直板の両面には、前記内側垂直板及び前記外側垂直板により囲まれる内部空間が形成され、
前記筐体は、前記各内部空間を開閉自在な扉を有し、
前記複数の要素には、血液浄化器に対し液体を供給及び排出するための定量チャンバが含まれ、
前記定量チャンバは、前記内側垂直板に取り付けられている、血液浄化装置。
【請求項2】
前記扉は、筐体の背面側に設けられた垂直軸周りに回動自在に構成されている、請求項1に記載の血液浄化装置。
【請求項3】
前記筐体の上には、制御部が設けられ、
前記扉は、前記制御部の側面まで延びている、請求項1又は2に記載の血液浄化装置。
【請求項4】
前記2つの外側垂直板の第1の外側垂直板は、筐体の前面に配置され、第2の外側垂直板は、筐体の背面に配置されている、請求項1~3のいずれかに記載の血液浄化装置。
【請求項5】
前記複数の要素には、血液浄化処理で用いられる液体が貯留される液体貯留容器が含まれ、
前記第2の外側垂直板の外面には、前記液体貯留容器を載置可能な載置部が設けられている、請求項4に記載の血液浄化装置。
【請求項6】
前記複数の要素には、中空糸膜モジュールが含まれ、
前記中空糸膜モジュールは、前記第2の外側垂直板の外面に取り付けられている、請求項4又は5に記載の血液浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透析治療や血漿交換治療等の血液浄化処理は、通常血液浄化装置を用いて行われている。例えば透析治療を行う血液浄化装置は、中空糸膜モジュールなどからなる血液浄化器、血液を血液浄化器に送るためのチューブやポンプ、透析液を血液浄化器に送るためのチューブや定量チャンバやバルブ、透析液から不要物を除去するためのフィルタなどの複数の要素から構成されている。これらの要素は、血液浄化装置の筐体に収容されている(特許文献1参照)。
【0003】
従来の血液浄化装置の筐体は、強度を確保するため筐体の四隅に支柱を立て、それらの支柱の内側に水平の仕切り板を配置した構造を有し、仕切り板で仕切られた各段の内部に各要素を収容していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-93166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の血液浄化装置では、ユーザが各段の内部にアクセスするための間口が狭くなるため、ユーザが要素をメンテナンスする際にアクセスしにくく、要素の配置や接続状況を確認しにくいため、メンテナンス性がよくない。
【0006】
本願発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、強度を確保しつつ、メンテナンス性のよい筐体を有する血液浄化装置を実現することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、筐体を、互いに対向する2つの外側垂直板と、その2つの外側垂直板同士を接続する内側垂直板を有するものにすることにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)筐体と、血液浄化処理を行うための複数の要素と、を備え、前記筐体は、互いに対向する2つの外側垂直板と、前記2つの外側垂直板の間に配置され、前記2つの外側垂直板同士を接続する内側垂直板と、を有し、前記複数の要素の少なくとも一つは、前記内側垂直板又は前記外側垂直板の少なくともいずれかに取り付けられている、血液浄化装置。なお、「要素」には、血液浄化処理を行うための各種装置、機器、部材等が含まれる。
(2)前記内側垂直板の両面には、前記内側垂直板及び前記外側垂直板により囲まれる内部空間が形成され、前記筐体は、前記内部空間を開閉自在な扉を有する、(1)に記載の血液浄化装置。
(3)前記扉は、筐体の背面側に設けられた垂直軸周りに回動自在に構成されている、(2)に記載の血液浄化装置。
(4)前記筐体の上には、制御部が設けられ、前記扉は、前記制御部の側面まで延びている、(2)又は(3)に記載の血液浄化装置。
(5)前記2つの外側垂直板の第1の外側垂直板は、筐体の前面に配置され、第2の外側垂直板は、筐体の背面に配置されている、(1)~(4)のいずれかに記載の血液浄化装置。
(6)前記複数の要素には、血液浄化処理で用いられる液体が貯留される液体貯留容器が含まれ、前記第2の外側垂直板の外面には、前記液体貯留容器を載置可能な載置部が設けられている、(5)に記載の血液浄化装置。
(7)前記複数の要素には、中空糸膜モジュールが含まれ、前記中空糸膜モジュールは、前記第2の外側垂直板の外面に取り付けられている、(5)又は(6)に記載の血液浄化装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、強度を確保しつつ、メンテナンス性のよい筐体を有する血液浄化装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】血液浄化装置の一例を示す斜視図である。
図2】要素を外した状態の筐体の一例を示す斜視図である。
図3図2の筐体のY-Y断面図である。
図4】要素を外した状態の筐体の側面扉を示す斜視図である。
図5】要素を取り付けた筐体の一例を示す前面側から見た斜視図である。
図6】要素を取り付けた筐体の一例を示す背面側から見た斜視図である。
図7】血液浄化装置の要素群の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態における血液浄化装置1の構成の概略を示す図である。血液浄化装置1は、例えば筐体10と、側面扉11と、前面扉12と、台車13と、血液浄化処理を行うための各種要素からなる要素群14と、制御部15等を備えている。
【0013】
血液浄化装置1は、縦長の略直方体の全体形状を有し、台車13上に略直方体状の筐体10が設置され、その筐体10上に略直方体状の制御部15が設置されている。前面扉12は、筐体10の前面(図1のX方向側)に設けられ、側面扉11は、筐体10及び制御部15の左右方向の両側面に設けられている。要素群14の各種要素は、筐体10や前面扉12などに取り付けられている。
【0014】
筐体10は、例えば図2に示すように 前後方向に配置された、互いに対向する2つの外側垂直板30、31と、その2つの外側垂直板30、31の間に配置され、2つの外側垂直板30、31同士を接続する内側垂直板32と、底板33と、天板34を有している。
【0015】
外側垂直板30、31は、縦長の略長方形に形成されている。第1の外側垂直板30は、筐体10の前面側(X方向側)に配置され、第2の外側垂直板31は、筐体10の背面側(X方向の反対側)に配置されている。第1の外側垂直板30と第2の外側垂直板31は互いに平行に配置されている。
【0016】
内側垂直板32は、外側垂直板30、31とほぼ同じ高さの縦長の略長方形に形成されている。内側垂直板32は、図3に示すように第1の外側垂直板30の中央部と第2の外側垂直板31の中央部を接続している。内側垂直板32は、第1の外側垂直板30及び第2の外側垂直板31に対し直角に接続されている。かかる構成により、外側垂直板30、31及び内側垂直板32を上方から見ると、略H型になっている。筐体10の内側垂直板32の左右の両面には、内側垂直板32及び外側垂直板30、31により囲まれる内部空間S1、S2が形成されている。なお、各垂直板30、31、32には、要素群14の各要素を取り付けるための固定部材や孔が適宜設けられている。筐体10は、例えば金属製又は樹脂製である。
【0017】
図1及び図4に示すように側面扉11は、制御部15及び筐体10を覆う縦長の略長方形に形成されている。側面扉11は、筐体10及び制御部15の側面の背面側の端部に設けられた垂直軸11a周りに回動できる。側面扉11は、回動により内部空間S1、S2を開閉できる。
【0018】
図1に示すように前面扉12は、筐体10の前面の左右のいずれかの一端に設けられた回動軸周りに回動できる。前面扉12には、ポンプなどの一部の要素を取り付けることができる。
【0019】
制御部15は、コンピュータであり、プログラムを実行することにより要素群14の装置や機器を制御して血液浄化処理を実現することができる。制御部15は、前面に血液浄化処理の各種情報を表示する表示画面40を備えている。表示画面40は、血液浄化処理の各種設定を行うことができる。
【0020】
血液浄化装置1は、図5及び図6に示すような複数の要素からなる要素群14を有し、要素群14の各要素が筐体10や前面扉12等に取り付けられている。
【0021】
血液浄化装置1は、例えば図7に示すような要素群14を備えている。血液浄化装置1は、例えば血液浄化器50と、血液回路51と、透析液回路52等を備えている。
【0022】
血液浄化器50は、例えば円柱状のモジュール内に中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールであり、内部に血液浄化膜60を有している。
【0023】
血液回路51は、軟質のチューブにより構成された流路を有している。血液回路51は、例えば採血部70から血液浄化器50の血液浄化膜60の一次側(中空糸膜の内側領域)に通じる採血流路71と、血液浄化器50の血液浄化膜60の一次側から返血部72に通じる返血流路73を備えている。採血流路71には、血液ポンプ80とドリップチャンバ81が設けられている。返血流路73には、ドリップチャンバ90が設けられている。
【0024】
透析液回路52は、例えば定量チャンバ100と、第1の透析液供給回路101と、第2の透析液供給回路102と、第1の廃液回路103と、第2の廃液回路104と、除水回路105と、洗浄液供給回路106等を備えている。
【0025】
定量チャンバ100は、一定容積の容器110と、容器110内を給液室Aと廃液室Bに隔てる隔壁111を備えている。隔壁111は、例えばゴム製のダイアフラムなどにより構成され、変位自在である。定量チャンバ100は、給液室Aと廃液室Bの内圧の変動により隔壁111が変位して給液室Aと廃液室Bの容積が変動し、一方の容積が大きくなるとその分他方の容積が小さくなる。
【0026】
第1の透析液供給回路101は、外部にある透析用水の供給源(図示せず)から定量チャンバ100の給液室Aに通じる第1の流路120と、透析液の原液を貯留する2つの貯留容器121、122と、貯留容器121と第1の流路120を接続する第2の流路123と、貯留容器122と第1の流路120を接続する第3の流路124を備えている。第1の流路120、第2の流路123及び第3の流路124は、軟質のチューブにより構成されている。第1の流路120には、ヒータ125、ポンプ126及び開閉弁127等が設けられている。第2の流路123及び第3の流路124には、開閉弁128、129等が設けられている。
【0027】
第2の透析液供給回路102は、定量チャンバ100の給液室Aから血液浄化器50の血液浄化膜60の二次側(中空糸膜の外側領域)に通じる第4の流路130を備えている。第4の流路130は、軟質のチューブにより構成されている。第4の流路130には、開閉弁131、液体混合装置132、流量センサ133及び2つのフィルタ134、135等が設けられている。液体混合装置132は、透析液(原液と透析用水)の混合を促進するものである。フィルタ134、135は、例えば中空糸膜モジュールであり、不要物であるエンドトキシンを捕捉するためのものである。
【0028】
第1の廃液回路103は、血液浄化器50の血液浄化膜60の二次側から定量チャンバ100の廃液室Bに通じる第5の流路140を備えている。第5の流路140は、軟質のチューブにより構成されている。第5の流路140には、ポンプ141、開閉弁142等が設けられている。
【0029】
第2の廃液回路104は、定量チャンバ100の廃液室Bから外部の廃液部に通じる第6の流路150を備えている。第6の流路150は、軟質のチューブにより構成されている。第6の流路150には、開閉弁151等が設けられている。
【0030】
除水回路105は、第1の廃液回路103から定量チャンバ100を迂回して第2の廃液回路104に通じる第7の流路160を備えている。第7の流路160は、軟質のチューブにより構成されている。第7の流路160には、ポンプ161等が設けられている。
【0031】
洗浄液供給回路106は、洗浄液の原液を貯留する2つの貯留容器170、171と、貯留容器170、171の原液を第2の流路123及び第3の流路124に送る第8の流路172を有している。第8の流路172は、軟質のチューブにより構成されている。第8の流路172には、開閉弁173、174等が設けられている。
【0032】
透析治療の血液浄化処理時には、血液ポンプ80が作動し、患者の血液が血液回路51の採血流路71を通じて血液浄化器50に供給される。血液は、血液浄化器50の血液浄化膜60の一次側を通り、その後血液回路51の返血流路73を通って患者に戻される。
【0033】
一方、透析液回路52では、血液浄化器50の血液浄化膜60の二次側に対し透析液が給排される。先ず、第1の透析液供給回路101において、ポンプ126が作動し、ヒータ125で温度調整された透析用水と、貯留容器121、122から供給された原液とが混合して透析液が生成され、その透析液が定量チャンバ100の給液室Aに供給される。また、透析液が給液室Aに充填されている間、廃液室Bにあった廃液が第2の廃液回路104を通じて外部に廃液される。
【0034】
給液室Aに透析液が充填されると、ポンプ141により、給液室Aの透析液が第2の透析液供給回路102を通って血液浄化器50の血液浄化膜60の二次側に供給される。血液浄化膜60の二次側を通過した透析液(廃液)は、第1の廃液回路103を通って定量チャンバ100の廃液室Bに供給される。またポンプ161により、第1の廃液回路103の一部の廃液が除水回路105を通って第2の廃液回路104に供給される。こうして、血液浄化器50において、血液浄化膜60の一次側に血液が供給され、血液浄化膜60の二次側に透析液が供給され、血中の所定の不要物が血液浄化膜60を通じて透析液側に排出され、血液が浄化される。
【0035】
また、透析液回路52を洗浄する際には、洗浄液供給回路106において、貯留容器170、171から第8の流路172に原液が供給され、洗浄液が生成され、当該洗浄液が第2の流路123及び第3の流路124、第1の透析液供給回路101に供給される。
【0036】
以上のように血液浄化装置1の要素群14は、例えば血液浄化器50、採血流路71、返血流路73、血液ポンプ80、ドリップチャンバ81、ドリップチャンバ90、定量チャンバ100、第1の流路120、貯留容器121、122、第2の流路123、第3の流路124、ヒータ125、ポンプ126、開閉弁127、開閉弁128、129、第4の流路130、開閉弁131、液体混合装置132、流量センサ133、フィルタ134、135、第5の流路140、ポンプ141、開閉弁142、第6の流路150、開閉弁151、第7の流路160、ポンプ161、貯留容器170、171、第8の流路172、開閉弁173、174などの要素からなる。
【0037】
図5及び図6に示したように要素群14の各要素は、筐体10の外側垂直板30、31及び内側垂直板32に取り付けられている。例えば図6に示すように定量チャンバ100は、内側垂直板32に取り付けられている。フィルタ134、135は、第2の外側垂直板31の外面に取り付けられている。また、第2の外側垂直板31の外面には、載置台190が設けられ、その載置台190に洗浄液の貯留容器170、171が載置されている。
【0038】
また、透析液回路52などの液体を取り扱う要素は、内側垂直板32に取り付けられている。内部空間S1には、第1の透析液供給回路101、第2の廃液回路104などの要素が配置され、内部空間S2には、第2の透析液供給回路102、第1の廃液回路103などの要素が配置されている。
【0039】
要素群14の要素の一部は、前面扉12に取り付けられている。例えば血液ポンプ80は、前面扉12に設けられている。血液浄化器50は、筐体10に設けられたアーム(図示せず)に保持される。
【0040】
本実施の形態によれば、筐体10が、互いに対向する2つの外側垂直板30、31と、それらの2つの外側垂直板30、31を接続する内側垂直板32を有し、要素群14の要素が、内側垂直板32及び外側垂直板30、31に取り付けられているので、ユーザが要素のメンテナンスを行う際には、アクセスしやすい。また、各要素の配置や、チューブなどの要素間の接続状況も確認しやすい。また、3つの垂直板30、31、32がH型に接続されているので、筐体10の強度が高い。よって、強度を確保しつつ、メンテナンス性のよい筐体10を実現できる。
【0041】
筐体10は、内部空間S1、S2を開閉自在な側面扉11を有しているので、側面扉11を開けることによって内部空間S1、S2にアクセスできる。よって、メンテナンス時に内部空間S1、S2にアクセスしやすく、メンテナンス性をさらに向上できる。
【0042】
側面扉11は、筐体10の背面側に設けられた垂直軸11a周りに回動自在に構成されているので、血液浄化装置1の前側から側面扉11を開けて内部空間S1、S2にアクセスできる。よって、ユーザは血液浄化装置1の背面側に回り込むことなく、狭いスペースであっても好適にメンテナンスを行うことができる。
【0043】
側面扉11が制御部15の側面まで延び、当該制御部15の側面に対しても開閉自在であるので、側面扉11を開くことによって制御部15のメンテナンスも行うことができる。
【0044】
第1の外側垂直板30が筐体10の前面に配置され、第2の外側垂直板31が筐体10の背面に配置されているので、筐体10の内部空間S1、S2が左右の両側面に形成されメンテナンスしやすい。
【0045】
第2の外側垂直板31の外面に貯留容器170、171を載置可能な載置台190が設けられているので、貯留容器170、171を装置の周辺に置く必要がなく、邪魔にならない。また貯留容器170、171を筐体10と一緒に移動させることができる。なお、載置台190に載置される液体貯留容器は、他の液体貯留容器、例えば貯留容器121、122等であってもよい。
【0046】
中空糸膜モジュールのフィルタ134、135が、第2の外側垂直板31の外面に取り付けられているので、中空糸膜モジュールの取り換えを行いやすい。なお、第2の外側垂直板31の外面に取り付けられる中空糸膜モジュールは、他の用途の中空糸膜モジュールであってもよい。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば上記実施の形態における血液浄化装置1の全体構成は、これに限られず、他の構成を有するものであってもよい。血液浄化装置1の要素群14の構成(配置、種類、数等)は、上記実施の形態のものに限られない。筐体10への要素群14の各要素の取り付け位置も上記実施の形態のものに限られない。例えば要素群14の要素の一部あるいは全部が外側垂直板又は内側垂直板のいずれかに取り付けられていてもよい。上記実施の形態の血液浄化装置1は、透析治療を行うものであったが、他の血液浄化処理、例えば血漿交換療法、白血球除去療法、持続緩徐式血液濾過療法などを行う血液浄化装置にも本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、強度を確保しつつ、メンテナンス性のよい筐体を有する血液浄化装置を実現する際に有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 血液浄化装置
10 筐体
11 側面扉
14 要素群
30 第1の外側垂直板
31 第2の外側垂直板
32 内側垂直板
50 血液浄化器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7