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特許7085375テンプレートである1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの存在下でのIZM-2ゼオライトの合成方法
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  • 特許-テンプレートである1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの存在下でのIZM-2ゼオライトの合成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】テンプレートである1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの存在下でのIZM-2ゼオライトの合成方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20220609BHJP
   B01J 20/18 20060101ALI20220609BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
C01B39/48
B01J20/18 A
B01J20/30
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018050324
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2018162207
(43)【公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】1752472
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】ラケル マルティネス フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ バツ
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-531801(JP,A)
【文献】特表2011-530397(JP,A)
【文献】特表2015-521983(JP,A)
【文献】特表2011-504453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0190562(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20-39/54
B01J 21/00-38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IZM-2ゼオライトの調製方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 水性媒体中で、構造型FAUを有する少なくとも1種のゼオライトと、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源と、少なくとも1種の窒素含有の有機化合物Rと、少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源とを混合する工程であって、モル比SiO2(FAU)/Al3(FAU)は、30以上であり、モル比XO/SiO2(FAU)は、0~4の範囲内になるようになされ、Rは、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドであり、該混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):30~600、
O/(XO+SiO2(FAU)):1~100、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.6、
/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.75
を有し、ここで、Xは、以下の元素:ケイ素、ゲルマニウム、およびチタンによって形成される群から選択される1種以上の4価元素であり、SiO2(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるSiOの量であり、Al3(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるAlの量であり、
は、水溶液中のフッ素塩BFおよびフッ化水素酸HFから選択され、ここで、Bは、カチオンNH 、Na、KおよびLiから選択されるカチオンである、工程
ii) 工程i)から得られた前記混合物を、120℃~200℃の範囲内の温度で、1日~12日の範囲内の期間にわたって、前記IZM-2ゼオライトが形成されるまで水熱処理する工程
を含む、方法。
【請求項2】
構造型FAUを有する前記ゼオライトは、Yゼオライトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種のアニオンの供給源 は、水溶液中のNHFである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
Xはケイ素である、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
酸化物XOの追加供給源は、混合工程i)において、モル比XO/SiO2(FAU)が0~3の範囲内になるように加えられる、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
工程i)において得られた反応混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):30~600、
O/(XO+SiO2(FAU)):10~70、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.05~0.45、
/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.65
を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
工程i)において得られた反応混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):80~450、
O/(XO+SiO2(FAU)):15~55、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.085~0.4、
/(XO+SiO2(FAU)):0.02~0.55
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程i)の混合物は、少なくとも1種のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属Mの少なくとも1種の供給源も含有し、該金属Mは、価数nを有し、nは1以上の整数であり、該金属Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびマグネシウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
工程ii)の水熱処理を、120℃~195℃の範囲内の温度で行う、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
工程ii)の水熱処理を、2日~11日の範囲内の期間にわたって行う、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IZM-2ミクロ細孔性固体またはIZM-2ゼオライトと称されるミクロ細孔性結晶性固体の調製のための新規な方法に関する。この新規な方法は、水熱条件下に構造型FAUを有するゼオライトを転化/変換させることによってIZM-2ゼオライトの合成を行うことからなる。特に、前記の新規な方法は、ケイ素およびアルミニウムの供給源として用いられる構造型FAUを有するゼオライトと、特定の有機分子またはテンプレートであって、2つの四級アンモニウム基を含むもの、すなわち、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドとから出発して、フッ素化された媒体中でIZM-2ゼオライトの合成を行うことからなる。本発明の方法を用いて得られた前記IZM-2ミクロ細孔性固体は、有利には、触媒、吸着剤または分離剤としての適用のものである。
【背景技術】
【0002】
ミクロ細孔性結晶性材料、例えば、ゼオライトまたはシリコアルミノリン酸塩は、石油産業において、触媒、触媒担体、吸着剤または分離剤として広く用いられている固体である。多くのミクロ細孔性結晶性構造が発見されたが、精製および石油化学製品の産業は、複数種の適用、例えば、ガスの精製または分離、または炭素質その他の種の転化のための特定の特性を有する新規なゼオライト性構造を一定して探し出している。
【0003】
IZM-2ゼオライトは、未知の構造を有する固体である。IZM-2ミクロ細孔性材料のトポロジーを見つけることを目的としてモデル反応が採用された(メタキシレンの異性化および不均化、n-デカンの異性化-水素化分解)(非特許文献1)。これらの反応で得られた結果により、IZM-2材料の構造は、2タイプの細孔サイズ(10-MRおよび12-MR)によって構成されているとして考えられるべきであることが指し示される。
【0004】
IZM-2ゼオライトは、そのアルミノケイ酸塩の形態(Fecantらの特許文献1)およびその高純度ケイ酸性の形態(非特許文献2)で合成され、テンプレートとして四級アンモニウムイオンである1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンがそのヒドロキシドおよびブロミドの形態で用いられた。我々が知っている限り、IZM-2ゼオライトは、無機化剤としてヒドロキシドアニオンを用いて製造された。
【0005】
一般に、ゼオライトは、シリカおよびアルミニウムの非晶質供給源と、無機化剤と、テンプレートとを含有する水性ゲルの水熱処理によって調製される(非特許文献3)。最近、ゼオライトの合成のための新規な操作様式が記載された。これは、試薬の供給源として、合成プロセスの間にゼオライト構造が別のゼオライトに変換されることになる少なくとも1種のゼオライト構造を用いる水熱合成によって生じさせられ得ることを意味する。非特許文献4により、構造型FAUを有するゼオライトから出発し、それぞれTEAOH(tetraethyl ammonium hydroxide:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、TMAOH(tetramethyl ammonium hydroxide:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、BTMAOH(benzyl trimethyl ammonium hydroxide:ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)、Choline(choline hydroxide:コリンヒドロキシド)をそれぞれ有機分子として用いて、構造型BEA、RUT、CHA、LEVを有するゼオライトの合成を行うことが提案されている;非特許文献5には、構造型FAUを有するゼオライトから出発して、HMI(hexamethyleneimine:ヘキサメチレンイミン)を有機分子として用いて構造型MWWを有するゼオライトの合成を行うことが提案されている;非特許文献6には、構造型FAUを有するゼオライトから、さらには構造型BEAを有するゼオライトから出発して、TPABr(tetrapropylammonium bromide:テトラプロピルアンモニウムブロミド)を有機分子として用いて構造型MFIを有するゼオライトの合成を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8361435号明細書
【非特許文献】
【0007】
【文献】Fecantら著、「J. Catal.」,2013年、第20巻、p20-29
【文献】Liら著、「Microporous Mesoporous Mater.」、2017年、第237巻、p222-227
【文献】Cundyら著、「Microporous Mesoporous Mater.」、2005年、第82巻、1号
【文献】Sanoら著、「J. Jpn. Pet. Inst.」、2013年、第56巻、p183-197
【文献】Shiら著、「Microporous Mesoporous Mater.」、2014年、第200巻、p269-278
【文献】Goelら著、「Chem. Mater.」、2015年、第27巻、p2056-2066
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
IZM-2に関して、その調製のための知られている唯一の方法は、ケイ素およびアルミニウムの非晶質供給源と、アルカリ土類金属(NaO)と、テンプレート剤(1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサン)とを含有する水性ゲルの水熱処理を行うことからなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、IZM-2ゼオライトの調製のための新規な方法であって、水熱条件下、有機性の窒素含有化合物または特定のテンプレート、すなわち、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンがそのヒドロキシドの形態で存在する中で、および最初の時点で、少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源が存在する中で構造型FAUを有するゼオライトを前記ゼオライトの合成において転化/変換させることによる方法に関する。
【0010】
特に、本出願人は、窒素含有有機化合物またはテンプレートであるジヒドロキシド形態の1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンを、ケイ素およびアルミニウムの供給源として用いられる構造型FAUを有するモル比SiO2(FAU)/Al3(FAU):30以上であるゼオライトとを混合し、これに、少なくとも1種の4価元素XOの少なくとも1種の供給源および少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源を補給的に追加するかまたは追加しないとすると、IZM-2ゼオライトのための前駆体ゲルであって、4価元素の全量/Alのモル比:10~800を有するものが生じるに至ること、次いで、高純度のIZM-2ゼオライトが生じるに至ることを発見した。4価元素の全量は、FAUゼオライトに由来するSiO含有率と、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源の追加が行われた場合における酸化物XOの追加供給源に由来するXO含有率との合計を示す。任意の他の結晶性または非晶質の相は、一般的にはおよび大いに好ましくは、調製方法から得られたIZM-2ゼオライトを構成する結晶性固体を欠いている。
【0011】
(発明の説明)
それ故に、本発明は、IZM-2ゼオライトの調製方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 水性媒体中で、構造型FAUを有する少なくとも1種のゼオライトと、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源と、少なくとも1種の窒素含有の有機化合物Rと、少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源とを混合する工程であって、モル比SiO2(FAU)/Al3(FAU)は30以上であり、モル比XO/SiO2(FAU)は,0~4の範囲内になるようになされ、Rは、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドであり、該混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):10~800、好ましくは30~600、
O/(XO+SiO2(FAU)):1~100、好ましくは10~70、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.6、好ましくは0.05~0.45、
BF/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.75、好ましくは0.01~0.65
を有し、ここで、Xは、以下の元素:ケイ素、ゲルマニウム、およびチタンによって形成される群から選択される1種以上の4価元素、好ましくはケイ素であり、SiO2(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるSiOの量であり、Al3(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるAlの量であり、BFは、水溶液中のフッ素塩およびフッ化水素酸から選択され、ここで、Bは、カチオンNH 、Na、KおよびLiから選択されるカチオンである、工程、
ii) 工程i)から得られた前記混合物を、120℃~200℃の範囲内の温度で、1日~12日の範囲内の期間にわたって、前記IZM-2ゼオライトが形成されるまで水熱処理する工程
を含む方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
それ故に、本発明の一つの利点は、構造型FAUを有するゼオライトから出発してフッ素化媒体中でIZM-2ゼオライトを高純度で形成することを可能にする新規な調製方法であって、特定の有機テンプレート、すなわち、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの存在下に行われる、方法の提供にある。
【0013】
本発明の別の利点は、IZM-2ゼオライトの前駆体ゲルであって、SiO/Alモル比が、構造型FAUを有する出発ゼオライトのモル比SiO2(FAU)/Al3(FAU)以上であるものの新規な調製方法の提供にある。本発明による調製方法は、それ故に、反応混合物に、少なくとも1種の4価元素XOの少なくとも1種の供給源を追加提供するかしないかに応じて、得られるIZM-2前駆体ゲルのSiO/Al比を調節するために用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、構造型FAUを有するゼオライトを水熱転化/変換させることによるIZM-2ゼオライトの調製方法であって、少なくとも以下の工程:
i) 水性媒体中で、構造型FAUを有する少なくとも1種のゼオライトと、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源と、少なくとも1種の窒素含有有機化合物Rと、少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源とを混合する工程であって、モル比SiO2(FAU)/Al3(FAU)は30以上であり、モル比XO/SiO2(FAU)は、0~4の範囲内になるようになされ、Rは、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドであり、該混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):10~800、好ましくは30~600、
O/(XO+SiO2(FAU)):1~100、好ましくは10~70、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.6、好ましくは0.05~0.45、
BF/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.75、好ましくは0.01~0.65
を有し、ここで、Xは、以下の元素:ケイ素、ゲルマニウム、およびチタンによって形成される群から選択される1種以上の4価元素、好ましくはケイ素であり、SiO2(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるSiOの量であり、Al3(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されるAlの量であり、BFは、水溶液中のフッ素塩およびフッ化水素酸から選択され、ここで、Bは、カチオンNH 、Na、KおよびLiから選択されるカチオンである、工程、
ii) 工程i)から得られた前記混合物を、120℃~200℃の範囲内の温度で、1日~12日の範囲内の期間にわたって、前記IZM-2ゼオライトが形成されるまで水熱処理する工程
を含む、方法に関する。
【0015】
本発明によると、構造型FAUを有するゼオライトであって、モル比SiO2(FAU)/Al3(FAU)が30以上、好ましくは30~100の範囲内、より好ましくは30~80の範囲内であるものは、元素ケイ素およびアルミニウムの供給源として混合物に組み入れられ、工程i)が行われる。好ましくは、構造型FAUを有する前記ゼオライトはYゼオライトである。
【0016】
本発明によると、元素アルミニウムの供給源は、本発明による調製方法の前記工程i)を行うための混合物に、元素ケイ素およびアルミニウムの供給源として用いられる構造型FAUを有するゼオライトによって供給される。
【0017】
本発明によると、Rは、窒素含有有機化合物Rであり、Rは、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドであり、前記化合物は、有機テンプレートとして、混合物に組み入れられて、工程i)が行われる。本発明による固体結晶IZM-2の合成のための有機テンプレート種中に存在する四級アンモニウムカチオンと会合するアニオンは、ヒドロキシドアニオンである。
【0018】
本発明によると、BFと称される、少なくとも1種のフルオリドアニオンの少なくとも1種の供給源は、工程i)からの前記反応混合物に加えられ、BFは、水溶液中のフッ素塩であって、Bが、カチオンNH 、Na、KおよびLiから選択されるカチオンであるもの、およびこれらの塩の少なくとも2種の混合物およびフッ化水素酸から選択される。好ましくは、少なくとも1種のフルオリドアニオンの供給源は、水溶液中のNHFである。
【0019】
本発明によると、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源であって、Xは、以下の元素:ケイ素、ゲルマニウム、チタンによって形成される群から選択される1種以上の4価元素であり、好ましくはケイ素である、ものは、工程i)の混合物において、モル比XO/SiO2(FAU)が0~4の範囲内、好ましくは0~3の範囲内になるように採用され、前記比におけるSiO含有率は、FAUゼオライトによって供給される。
【0020】
酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源を追加するかしないかは、それ故に、混合工程i)から得られたIZM-2前駆体ゲルのSiO/Al比がX=Siである場合に調節され得ることを意味する。
【0021】
前記4価元素の1種または複数種の供給源は、元素Xを含みかつ当該元素を水溶液中に活性な形態で放出することができるあらゆる化合物であってよい。Xがチタンである場合、有利には、Ti(EtO)がチタンの供給源として用いられる。Xがケイ素である好ましい場合、ケイ素の供給源は、ゼオライトの合成のために日常的に用いられる前記供給源のいずれか1種であってよく、例えば、粉末シリカ、ケイ酸、コロイドシリカ、溶解シリカまたはテトラエトキシシラン(tetraethoxysilane:TEOS)である。用いられてよい粉末シリカは、沈殿シリカ、特に、アルカリ金属ケイ酸塩の溶液からの沈殿によって得られたもの、ヒュームドシリカ、例えば「CAB-O-SIL」およびシリカゲルを含む。異なる粒子サイズを有するコロイドシリカ、例えば、10~15nmの範囲内または40~50nmの範囲内の平均等価径を有するもの、例えば、「LUDOX」等の登録商標下に市販されているものを用いることが可能である。より好ましくは、ケイ素の供給源は、LUDOX HS-40である。
【0022】
本発明によると、工程i)から得られた反応混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):10~800、好ましくは30~600、より好ましくは80~450、
O/(XO+SiO2(FAU)):1~100、好ましくは10~70、より好ましくは15~55、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.6、好ましくは0.05~0.45、より好ましくは0.085~0.4、
BF/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.75、好ましくは0.01~0.65、より好ましくは0.02~0.55
を有し、ここで、RおよびBFは、上記に定義された通りであり、Xは、以下の元素:ケイ素、ゲルマニウム、およびチタンによって形成される群から選択される1種以上の4価元素であり、好ましくはケイ素であり、XOは、酸化物XOの少なくとも1種の追加供給源の量であり、SiO2(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されたSiOの量であり、Al3(FAU)は、FAUゼオライトによって供給されたAlの量である。
【0023】
好ましい実施形態において、工程i)の混合物は、少なくとも1種のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属Mの少なくとも1種の供給源であって、価数nを有し、nは、1以上の整数である、ものを含有してもよく、好ましくは、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される。好ましくは、少なくとも1種のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の供給源は、水酸化ナトリウムである。
【0024】
工程i)の混合物が少なくとも1種のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の少なくとも1種の供給源も含有している好ましい実施形態において、反応混合物は、以下のモル組成:
(XO+SiO2(FAU))/Al3(FAU):10~800、好ましくは80~400、
O/(XO+SiO2(FAU)):1~100、好ましくは10~70、
R/(XO+SiO2(FAU)):0.01~0.6、好ましくは0.05~0.45、
BF/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.75、好ましくは0.01~0.65、
2/nO/(XO+SiO2(FAU)):0.005~0.35、好ましくは0.01~0.3
を有し、ここで、X、M、BF、Al3(FAU)、SiO2(FAU)およびXOは、上記に与えられた定義を有している。
【0025】
本発明による方法の工程i)は、前駆体ゲルと称される、IZM-2ゼオライトの水性反応混合物を、水溶液中の1種以上のフルオリド塩および/またはフッ化水素酸の少なくとも1種の供給源の存在下に調製することからなり、水性反応混合物は、構造型FAUを有する少なくとも1種のゼオライトと、場合による酸化物XOの供給源と、少なくとも1種の窒素含有有機化合物Rとを含み、Rは、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドである。前記試薬の量は、このゲルに、IZM-2ゼオライトに結晶化することをそれに許容することができる組成を与えるように調節される。
【0026】
本発明の方法の前記工程i)の間にIZM-2ゼオライトの種を反応混合物に加えて、IZM-2ゼオライトの結晶の形成のために必要な時間および/または全体的な結晶化期間を短縮することが有利であってよい。前記種はまた、不純物を減じて前記IZM-2ゼオライトの形成を促進する。このような種は、結晶性固体、特に、IZM-2ゼオライトの結晶を含む。結晶性の種は、一般的に、反応混合物において用いられた前記4価元素(1種または複数種)の少なくとも1種の酸化物の供給源の質量の0.01%~10%の範囲内の比率で加えられる。
【0027】
本発明による方法の工程ii)によると、工程i)から得られたゲルは、水熱処理を経る。これは、好ましくは、120℃~200℃の範囲内の温度で、1日~12日の範囲内の期間にわたって、IZM-2ゼオライトが形成されるまで行われる。ゲルは、有利には、水熱条件下、自原的反応圧力下に、場合によっては、ガス、例えば、窒素を加えることにより、120℃~195℃の範囲内、好ましくは150℃~195℃の範囲内の温度で、IZM-2ゼオライトの結晶が形成されるまで用いられる。本発明によると、結晶化を得るのに必要な時間は、1日~12日の間、好ましくは2日~11日の間、より好ましくは3日~10日の間で変動する。反応は、一般的に、撹拌しながらまたは撹拌なしで、好ましくは撹拌しながら行われる。
【0028】
反応の終わりに、本発明による調製方法の前記工程ii)を行った結果として前記IZM-2ゼオライトが形成される場合、形成されたIZM-2ゼオライトの固体相は、好ましくは、ろ過され、洗浄され、次いで、乾燥させられる。乾燥処理は、一般的に、20℃~150℃の範囲内、好ましくは60℃~100℃の範囲内の温度で、5~24時間の範囲内の期間にわたって行われる。乾燥済みゼオライトは、次いで、有利には、焼成されてよい。焼成されたIZM-2ゼオライトは、一般的には、X線回折によって分析され、この技術は、本発明の方法によって得られた前記ゼオライトの純度を決定するためにも用いられる。大いに有利には、本発明の方法により、任意の他の結晶質または非晶質の相の非存在下にIZM-2ゼオライトが形成されるに至る。前記ゼオライトは、乾燥工程の後に、その後の工程、例えば、焼成およびイオン交換の用意ができている。これらの工程のために、当業者に知られている従来の方法のいずれかが採用されてよい。
【0029】
本発明の方法により得られたIZM-2ゼオライトを焼成するための工程は、好ましくは、500℃~700℃の範囲内の温度で、5~20時間の範囲内の期間にわたって行われる。焼成工程から得られたIZM-2ゼオライトは、あらゆる有機種、特に、有機テンプレートRを含んでいない。
【0030】
前記焼成工程の終わりに、本発明による方法により得られた固体が実際にIZM-2ゼオライトであることを確認するためにX線回折が用いられ得る。得られた固体は、表1に記録されたピークを少なくとも含むX線回折スペクトルを有する。
【0031】
この回折スペクトルは、従来の粉末技術を採用する回折計を用いた放射線結晶学的分析により、銅のKα1ピーク(λ=1.5406Å)を用いて得られる。角2θによって示された回折ピークの位置から、サンプルの特徴的な面間隔dhklは、ブラッグの関係式を用いて計算される。dhklの測定誤差Δ(dhkl)は、ブラッグの関係式によって、2θの測定における絶対誤差Δ(2θ)の関数として計算される。±0.02°の絶対誤差Δ(2θ)は、慣例上許容される。dhklの各値における相対強度Irelは、対応する回折ピークの高さから測定される。本発明によるIZM-2結晶性固体のX線回折図は、表1に与えられたdhklの値においてピークを少なくとも含む。dhkl列において、面間隔の平均値は、オングストローム(Å)で示される。これらの値のそれぞれは、±0.6Å~±0.01Åの範囲内の誤差測定Δ(dhkl)により補足されなければならない。
【0032】
【表1】
【0033】
表中、Vs=非常に強い;S=強い;M=中程度;Mw=中程度に弱い;W=弱い;Vw=非常に弱い。相対強度Irelは、強度の相対スケールに対して与えられ、ここで、100の値は、X線回折図の最も強いピークに帰される:Vw<15;15≦W<30;30≦Mw<50;50≦M<65;65≦S<85;Vs≧85。
【0034】
本発明による方法によって得られたIZM-2ゼオライトの水素型を得ることも有利である。前記水素型は、酸、特に強鉱酸、例えば、塩酸、硫酸または硝酸とのイオン交換または化合物、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムとのイオン交換を行うことによって得られてよい。イオン交換は、前記IZM-2ゼオライトを懸濁液に、イオン交換溶液を1以上のバッチで取り入れることにより行われてよい。前記ゼオライトは、イオン交換の前またはその後に、または、2回のイオン交換工程の間に焼成されてよい。好ましくは、ゼオライトは、イオン交換の前に焼成されて、ゼオライトの細孔に含まれる任意の有機物質が除去され、その結果、イオン交換は促進される。
【0035】
イオン交換の後、本発明の方法によって得られたIZM-2ゼオライトは、精製および石油化学の分野における触媒反応のための酸固体として用いられてよい。それは、汚染を制御するための吸着剤としてまたは分離のためのモレキュラーシーブとして用いられてもよい。
【0036】
例として、触媒としてそれが用いられる場合、本発明の方法により調製されたゼオライトは、焼成され、交換され、好ましくは、水素型であり、無機マトリクスおよび金属相と関連付けられてよく、無機マトリクスは、不活性であっても触媒的に活性であってもよい。無機マトリクスは、触媒のための種々の既知の形態(押出物、ペレット、ビーズ、粉末)でゼオライトの小粒子を一緒に維持するためのバインダとして単純に存在してよいか、または実際に、それは、そうしなければあまりに速い速度で起こってしまい、あまりにも多量のコーク形成の結果として触媒の閉塞につながるであろう方法において転化度を課すための希釈剤として加えられてよい。典型的な無機マトリクスは、特に、触媒のための担体材料、例えば、シリカ、種々の形態のアルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタンの酸化物、ホウ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムのリン酸塩、カオリン粘土、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト、フラー土、合成多孔性材料、例えば、SiO-Al、SiO-ZrO、SiO-ThO、SiO-BeO、SiO-TiO、またはこれらの化合物の任意の組合せである。無機マトリクスは、異なる化合物の混合物、特に、不活性相と活性相の混合物であってよい。
【0037】
本発明の方法により調製されたゼオライトは、少なくとも1種の他のゼオライトと関連付けられ、主要な活性相または添加剤として作用してもよい。
【0038】
金属相は、ゼオライトのみ、無機マトリクスのみ、または、無機マトリクス-ゼオライトのアセンブリの上に、以下の元素:Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、Irおよび元素周期律分類からの任意の他の元素から選択されるカチオンまたは酸化物とのイオン交換またはこれらのカチオンまたは酸化物の含浸によって導入される。金属は、全て同じ方法か、または、異なる技術を用いてのいずれかで、調製のあらゆるポイントにおいて、形付けの前またはその後に、あらゆる順序で導入されてよい。さらに、中間処理、例えば、焼成および/または還元が、種々の金属の沈着の間に適用されてよい。
【0039】
本発明の方法により調製されたIZM-2ゼオライトを含む触媒組成物は、一般に、炭化水素の変換および有機化合物、例えばエーテルの合成のための反応のための主要な方法を行うのに適している。
【0040】
当業者に知られている形付けのためのあらゆる方法が、IZM-2ゼオライトを含む触媒に適している。例として、ペレット化または押出、またはビーズ状物への形付けを用いることが可能であってよい。本発明の方法により調製されたゼオライトを含有する触媒を形付けすることおよび少なくとも一部において酸型にあることは、一般的には、それらの使用を視野に入れて触媒が好ましくは押出物状またはビーズ状の形態にあるようにされる。
【0041】
本発明は、ここから、以下の実施例において例証されることになるが、これらは、あらゆる場合において、本質的に制限するものではない。
【0042】
(実施例1:1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジブロミドから出発する1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシド(R(OH)2テンプレート)の調製)
1,6-ジブロモヘキサン(0.20モル、99%、Alfa Aesar)50gが、N-メチルピペリジン(0.51モル、99%、Alfa Aesar)50gおよびエタノール200mLを含有する1Lフラスコに加えられた。反応媒体は、還流下に5時間にわたって撹拌・加熱された。混合物は、次いで、周囲温度に冷却され、ろ過された。混合物は、低温ジエチルエーテル300mLに注がれ、次いで、生じた沈殿物がろ過され、ジエチルエーテル100mLにより洗浄された。得られた固体は、エタノール/エーテル混合物から再結晶にかけられた。得られた固体は、真空下に12時間にわたって乾燥させられた。白色固体71gが得られた(すなわち、収率80%)。
【0043】
生成物は、予想されたH NMRスペクトルを有していた。H NMR(DO,ppm/TMS):1.27(4H,m);1.48(4H,m);1.61(4H,m);1.70(8H,m);2.85(6H,s);3.16(12H,m)。
【0044】
AgO(0.08モル、99%、Aldrich)18.9gが、実施例1により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ジブロミドテンプレート30g(0.07モル)および脱イオン水100mLを含有するTeflonビーカー250mLに加えられた。反応媒体は、遮光下に12時間にわたって撹拌された。混合物は次いでろ過された。得られたろ液は、1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液からなっていた。この種は、較正のためにギ酸を用いるプロトンNMRによってアッセイされた。
【0045】
(実施例2:本発明によるIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)51mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)1621.3mgと混合され、10分にわたって混合物の撹拌が維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種5mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)342.6mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液575mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.0033Al:0.33R(OH):0.5NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は、300であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において、焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0046】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0047】
(実施例3:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)51mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)1228.2mgおよび脱イオン水630mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種5mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)342.6mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液58mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.0033Al:0.25R(OH):0.05NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は、300であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは、閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において、焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0048】
焼成済み固体生成物は、X線解析により分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0049】
(実施例4:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)51mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)412mgおよび脱イオン水513mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種5mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)109mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液29mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.0066Al:0.17R(OH):0.05NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は150であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において、焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0050】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。焼成済み固体IZM-2についての回折スペクトルは、図1に与えられる。
【0051】
(実施例5:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)51mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)412mgおよび脱イオン水453mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライトの種5mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)109mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液96mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.0066Al:0.17R(OH):0.17NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は150であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0052】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0053】
(実施例6:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)485.1mgおよび脱イオン水649mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)55mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液34mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は、以下の通りであった:1SiO:0.01Al:0.17R(OH):0.05NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は100であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において、焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0054】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0055】
(実施例7:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)954.6mgおよび脱イオン水1mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)55mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液339mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.01Al:0.33R(OH):0.5NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は100であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0056】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0057】
(実施例8:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)723.2mgおよび脱イオン水388mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)55mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液113mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.01Al:0.25R(OH):0.17NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は100であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0058】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0059】
(実施例9:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)436.7mgおよび脱イオン水597mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)27.5mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液30mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.011Al:0.17R(OH):0.05NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は90であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0060】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0061】
(実施例10:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)436.7mgおよび脱イオン水533mgと混合された。得られた混合物の撹拌が、10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)27.5mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液102mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.011Al:0.17R(OH):0.17NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は90であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において、焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0062】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0063】
(実施例11:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)859.3mgおよび脱イオン水14mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)27.5mgが、合成混合物に組み入れられ、15分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液305mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.011Al:0.33R(OH):0.5NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は90であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0064】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0065】
(実施例12:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)388.2mgおよび脱イオン水488mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液90mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.013Al:0.17R(OH):0.17NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は80であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0066】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0067】
(実施例13:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)90mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)763.9mgおよび脱イオン水27mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種9mgが、合成混合物に加えられ、5分にわたって撹拌が維持された。10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液271mgが、合成混合物に組み入れられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.013Al:0.33R(OH):0.5NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は80であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、8日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0068】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【0069】
(実施例14:本発明に合致するIZM-2固体の調製)
構造型FAUを有するゼオライト(CBV780、SiO/Al=80、Zeolyst)54mgが、実施例2により調製された1,6-ビス(メチルピペリジニウム)ヘキサンジヒドロキシドの水溶液(20.04重量%)650.3mgおよび脱イオン水896mgと混合された。得られた混合物の撹拌が10分にわたって維持された。20重量%の水酸化ナトリウム(98重量%、Aldrich)を含有する水溶液82mgが加えられた。結晶性固体IZM-2の形成を促進するために、IZM-2ゼオライト種5mgが、合成混合物に加えられ、15分にわたって撹拌が維持された。コロイドシリカ(Ludox HS40、40重量%、Aldrich)362.7mgが、合成混合物に組み入れられた。最後に、10重量%のアンモニウムフルオリド(≧99.9重量%、Aldrich)を含有する水溶液305mgが加えられ、ゲルについての所望の濃度が得られるまで溶媒を蒸発させるのに必要な時間にわたって混合物の撹拌が維持された。すなわち、混合物のモル組成は以下の通りであった:1SiO:0.0033Al:0.125R(OH):0.0625NaO:0.25NHF:33.33HO。すなわち、SiO/Al比は300であった。混合物は、次いで、均質化の後にオートクレーブに移された。オートクレーブは閉じられ、次いで、6日にわたって170℃で撹拌しながら加熱された。得られた結晶性生成物は、ろ過され、水により洗浄され、次いで、100℃で終夜乾燥させられた。固体は、次いで、マッフル炉に導入され、この炉において焼成工程が行われた:焼成サイクルは、200℃への温度上昇、2時間にわたって維持される200℃での一定温度段階、550℃への温度上昇、その後の8時間にわたって維持される550℃での一定温度段階、その後の周囲温度への回復を含んでいた。
【0070】
焼成済み固体生成物は、X線回折によって分析され、固体IZM-2によって構成されているとして確認された。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】焼成済み固体IZM-2についての回折スペクトルを示す。
図1