(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ユーザ挙動データの処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9536 20190101AFI20220609BHJP
【FI】
G06F16/9536
(21)【出願番号】P 2018538558
(86)(22)【出願日】2017-01-16
(86)【国際出願番号】 CN2017071241
(87)【国際公開番号】W WO2017128973
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2019-12-27
(31)【優先権主張番号】201610048385.8
(32)【優先日】2016-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511050697
【氏名又は名称】アリババ グループ ホウルディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クイ,チン
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-065633(JP,A)
【文献】特開2012-037962(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0075997(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ挙動デー
タを処理するための方法であって、
コンピュータが、ユーザの挙動データを取得することと、
前記コンピュータが、前記挙動データが生成された時間
と現在時間
との差に従って、前記挙動データに対応する
、予め設定された時間期間に基づく周期係数を決定することと、
前記コンピュータが、前記周期係数に従って前記挙動データを調整することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、
前記コンピュータが、前記挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、前記挙動データに対応する、時間減衰を示す適時係数を決定すること
をさらに含み、
前記コンピュータが、前記周期係数に従って前記挙動データを調整することは、
前記コンピュータが、前記適時係数及び前記周期係数に従って前記挙動データを調整すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、前記適時係数及び前記周期係
数に従って前記挙動データを調整することは、
前記コンピュータが、前記適時係数と前記挙動データとの積を第1の挙動データとして取得することと、
前記コンピュータが、前記周期係数、前記挙動データ、及び前記第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成することと
を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、前記適時係数を決定することは、
前記コンピュータが、前記挙動データが生成された
日付と現在の日付との時間差を決定することと、
前記コンピュータが、前記時間差及び時間減衰関数に従って前記適時係数を決定することと
を含む、請求項2に記載のユーザ挙動データの処理方法。
【請求項5】
前記時間減衰関数は、指数関数及びべき関数のうちの少なくとも1つである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記挙動データが生成された前記時間及び前記現在時間
が、N日を有する予め設定された時間期間におけるi番目の日及びj番目の日であ
る場合、前記コンピュータが、前記周期係数を決定することは、
前記コンピュータが、前記挙動データが生成された前記i番目の日と、前記j番目の日との日数差を計算することと、
前記コンピュータが、前記日数差に従って前記周期係数を生成することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記周期係数は、以下の公式:
【数1】
を使用することにより生成される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、前記周期係数、前記挙動データ、及び前記第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成することは、
前記コンピュータが、前記周期係数及び前記挙動データに従って第3の挙動データを生成することと、
前記コンピュータが、前記第1の挙動データ及び前記第3の挙動データに従って前記第2の挙動データを生成することと
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の挙動データは、前記第3の挙動データに加算又は乗算されて、前記第2の挙動データを生成する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ挙動データの処理するための装置であって、
一組の命令を格納するメモリと、
プロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記一組の命令を実行して前記装置に、
ユーザの挙動データを取得することと、
前記挙動データが生成された時間
と現在時間
との差に従って、前記挙動データに対応する
、予め設定された時間期間に基づく周期係数を決定することと、
前記周期係数に従って前記挙動データを調整することと
を行わせるように構成される、装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記一組の命令を実行して前記装置に、
前記挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、前記挙動データに対応する、時間減衰を示す適時係数を決定すること
を行わせるようにさらに構成され、
前記周期係数に従って前記挙動データを調整することは、
前記適時係数及び前記周期係数に従って前記挙動データを調整すること
を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記適時係数及び前記周期係
数に従って前記挙動データを調整することは、
前記適時係数と前記挙動データとの積を第1の挙動データとして取得することと、
前記周期係数、前記挙動データ、及び前記第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成することと
を含む、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記適時係数を決定することは、
前記挙動データが生成された
日付と現在の日付との時間差を決定することと、
前記時間差及び時間減衰関数に従って前記適時係数を決定することと
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記挙動データが生成された前記時間及び前記現在時間
が、N日を有する予め設定された時間期間におけるi番目の日及びj番目の日であ
る場合、前記周期係数を決定することは、
前記挙動データが生成された前記i番目の日と、前記j番目の日との日数差を計算することと、
前記日数差に従って前記周期係数を生成することと
を含む、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
一組の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記一組の命令は、コンピュータにユーザ挙動デー
タを処理するための方法を実行させるように、前記コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であり、前記方法は、
ユーザの挙動データを取得することと、
前記挙動データが生成された時間
と現在時間
との差に従って、前記挙動データに対応する
、予め設定された時間期間に基づく周期係数を決定することと、
前記周期係数に従って前記挙動データを調整することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記方法が、
前記挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、前記挙動データに対応する、時間減衰を示す適時係数を決定すること
をさらに含み、
前記周期係数に従って前記挙動データを調整することは、
前記適時係数及び前記周期係数に従って前記挙動データを調整すること
を含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記適時係数及び前記周期係
数に従って前記挙動データを調整することは、
前記適時係数と前記挙動データとの積を第1の挙動データとして取得することと、
前記周期係数、前記挙動データ、及び前記第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成することと
を含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記適時係数を決定することは、
前記挙動データが生成された
日付と現在の日付との時間差を決定することと、
前記時間差及び時間減衰関数に従って前記適時係数を決定することと
を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記時間減衰関数は、指数関数及びべき関数のうちの少なくとも1つである、
請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記挙動データが生成された前記時間及び前記現在時間
が、N日を有する予め設定された時間期間におけるi番目の日及びj番目の日であ
る場合、前記周期係数を決定することは、
前記挙動データが生成された前記i番目の日と、前記j番目の日との日数差を計算することと、
前記日数差に従って前記周期係数を生成することと
を含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記周期係数は、以下の公式:
【数2】
を使用することにより生成される、
請求項20に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記周期係数、前記挙動データ、及び前記第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成することは、
前記周期係数及び前記挙動データに従って第3の挙動データを生成することと、
前記第1の挙動データ及び前記第3の挙動データに従って前記第2の挙動データを生成することと
を含む、
請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記第1の挙動データは、前記第3の挙動データに加算又は乗算されて、前記第2の挙動データを生成する、
請求項22に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本願は、インターネット技術の技術分野に関し、特に、ユーザ挙動データの処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
サーチエンジンは一般に、機械学習方法を用いて過去のログデータを学習することにより複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、通常、最新の2週間、1ヶ月、又はより長い時間の過去データに従ってユーザに好ましいサーチ結果を予測して、より理想的なサーチ結果を取得し得る。
【0003】
しかし、現在の問題は、サーチエンジンが一般に、過去ログデータに従ってサーチ結果のランク結果を最適化する際、全ての過去データを等しく扱うことである。例えば、挙動ログに従ってユーザの好みを予測する場合、サーチエンジンは、10日前の挙動ログ内の過去データの重要性と1日前の過去データの重要性とを区別しない。サーチエンジンは、同じ重要性に従って、機械学習方法を用いて全ての過去データを使用してユーザの好みを予測する。したがって、サーチエンジンは、ユーザの関心の変化を効率的に捕捉することができず、ユーザの要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
本願の目的は、少なくともある程度、上記技術的問題の1つを解消することである。
【0005】
したがって、本願の第1の目的は、ユーザ挙動データの処理方法を提供することである。本処理方法は、ユーザ挙動データの適時性を改善することができ、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得し、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善することができる。
【0006】
本願の第2の目的は、ユーザ挙動データの処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願の第1の態様の実施形態により提案されるユーザ挙動データの処理方法は以下のステップを含む:ユーザの挙動データを取得し、挙動データが生成された時間を取得するステップ、挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、挙動データに対応する適時係数及び/又は周期係数を計算するステップ、並びに適時係数及び/又は周期係数に従って挙動データを調整するステップ。
【0008】
本願の実施形態における処理方法は、ユーザ挙動データに時間減衰及び周期類似性に従って異なる重要性を与え、異なる重要性を有する挙動データを使用することにより機械学習方法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、したがって、ユーザ挙動データの適時性を改善し、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得し、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0009】
上記目的を達成するために、本願の第2の態様の実施形態により提案されるユーザ挙動データの処理装置は、ユーザの挙動データを取得し、挙動データが生成された時間を取得するように構成された取得モジュールと、挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、挙動データに対応する適時係数及び/又は周期係数を計算するように構成された計算モジュールと、適時係数及び/又は周期係数に従って挙動データを調整するように構成された処理モジュールとを含む。
【0010】
本願の実施形態における処理装置は、ユーザ挙動データに時間減衰及び周期類似性に従って異なる重要性を与え、異なる重要性を有する挙動データを使用することにより機械学習方法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、したがって、ユーザ挙動データの適時性を改善し、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得し、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0011】
本願の追加の態様及び利点は、部分的には以下の説明において提供され、部分的には以下の説明から明白になり、本願の実施を通して知られることになる。
【0012】
図面の簡単な説明
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の添付図面を参照した実施形態の説明から明らかになり、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の特定の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の別の特定の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施形態によるユーザ挙動データの処理装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本願の実施形態について以下に詳細に説明する。実施形態の例は添付図面に示され、添付図面では、同一又は同様の参照番号は、文章全体を通して同一若しくは同様の要素又は同一若しくは同様の機能を有する要素を表す。添付図面を通して以下に説明される実施形態は、例示であり、本願の説明を目的とし、本願への限定として解釈することはできない。
【0015】
本願の実施形態におけるユーザ挙動データの処理方法及び装置について添付図面を参照して以下に説明する。
【0016】
図1は、本願の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
【0017】
図1に示されるように、処理方法は以下のステップを含む。
【0018】
S110:ユーザの挙動データが取得され、挙動データが生成された時間が取得される。
【0019】
例えば、挙動データのフォーマットは一般に、以下の表に示され、表中、特徴は挙動データ内の特徴を表し、ラベルはユーザのクリック挙動を表し(^を使用することにより2つの部分に分けられ、1である最初の部分は、ユーザがクリックすることを表し、1である2番目の部分は、ユーザがクリックしないことを示す)、日付は、クリック挙動が生成された時間を表す。
【0020】
【0021】
S120:挙動データに対応する適時係数及び/又は周期係数が、挙動データが生成された時間及び現在時間に従って計算される。
【0022】
例えば、ユーザAは、前月内の複数の時間で携帯電話ページにアクセスする。しかし、先週、ユーザが閲覧した携帯電話ページの影響度は、1ヶ月前にユーザが閲覧した携帯電話ページの影響度と異なる。明らかなことに、より最近のユーザ挙動ほど大きな影響度を有し、ユーザのサーチ要件をよりよく満たすことができる。したがって、過去データに、過去データが学習に使用されたときの時系列に基づいて異なる重要性を与え得る。
【0023】
別の例では、幾つかのユーザ挙動は周期的である。例えば、オフィスワーカーであるユーザBは、週末しか料理する時間がないため、往々にして週末に食品をオンラインで購入する。月曜日は最近の週末に非常に近いが、月曜日のユーザBの挙動はそれでも、週末の挙動とかなり異なる。したがって、過去データが学習に使用されるとき、周期性の影響を考慮する必要があり、過去データには、特定の次元での過去データと現在の周期性との類似性に従って異なる重要性が与えられる。
【0024】
特に、挙動データが生成された時間と現在時間との時間差が計算され、適時係数Zが特定の関数に従って計算される。周期係数Cが、挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、特定の関数により計算される。
【0025】
本発明の実施形態では、適時係数Z及び周期係数Cが計算される前、挙動データはまず、データ分割装置に入力されて、挙動データを複数の小さな挙動データブロックに分割することができる。データ分割装置は、挙動データのサイズ及び挙動データ処理で各計算機により処理することができるデータ量に従って、挙動データブロックの数を決定する。データ分割装置は、分散環境で挙動データを分割し、したがって、分割動作は、複数の計算機のリソースを完全に使用することにより加速することができる。挙動データを分割した後、データ分割装置は、小さな各挙動データブロックを各計算機に分配する。複数の計算機は、挙動データブロックを同時に並行して処理することができ、任意の2つの計算機により取得された挙動データブロックは互いに重複しない。
【0026】
S130:挙動データは、適時係数及び/又は周期係数に従って調整される。
【0027】
特に、新しいクリック挙動ラベル1が、適時係数Z及びユーザのクリック挙動ラベルに従って計算され、すなわち、ラベル1=Z×ラベルである。次に、新しいクリック挙動ラベル2が、周期係数C及び新しいクリック挙動ラベル1に従って計算される。換言すれば、適時性及び周期性の影響がまず、ユーザ挙動データに適用され、次に、複数のサーチ結果のランク結果が、取得された調整済み挙動データを使用することにより機械学習法を用いて最適化される。
【0028】
ユーザ挙動データは適時係数Zのみに従って調整することができ、周期係数Cのみに従って調整することができ、又は適時係数Z及び周期係数Cの両方に従って調整することができ、すなわち、ユーザ挙動データは、まず適時係数Zに従って調整され、次に周期係数Cに従って調整することができることを理解されたい。
【0029】
本願の実施形態におけるユーザ挙動データの処理方法は、ユーザ挙動データに時間減衰及び周期類似性に従って異なる重要性を与え、異なる重要性を有する挙動データを使用することにより機械学習法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、したがって、ユーザ挙動データの適時性を改善し、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得し、ユーザの需要によりよくあったサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0030】
本願をより明確に当業者が理解することができるよう本願のユーザ挙動データの処理方法をより具体的に説明するために、適時係数Z及び周期係数Cの両方に従ってユーザ挙動データを調整する具体例を以下に示す。
【0031】
図2は、本発明の特定の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
図3は、本発明の別の特定の実施形態によるユーザ挙動データの処理方法のフローチャートである。
図2及び
図3に示されるように、ユーザ挙動データの処理方法は以下のステップを含む。
【0032】
S210:挙動データが生成された日付と現在の日付との時間差が計算される。挙動データが生成された時間及び現在時間は、日付である。
【0033】
S220:適時係数が、時間差及び時間減衰関数に従って計算される。時間減衰関数は指数関数又はべき関数である。
【0034】
S230:適時係数と挙動データとの積が、第1の挙動データとして使用される。
【0035】
S240:挙動データが生成されたi番目の日と現在のj番目の日との日数差が計算される。挙動データが生成された時間及び現在時間は、予め設定される時間期間におけるi番目の日及びj番目の日であり、予め設定される時間期間はN日を有し、i及びjはN以下の正の整数である。
【0036】
S250:周期係数が日数差に従って生成される。周期係数は以下の公式:
【数1】
を使用することにより生成され、式中、diは、挙動データが生成されたi番目の日であり、djは現在のj番目の日である。
【0037】
S260:第2の挙動データが、周期係数、挙動データ、及び第1の挙動データに従って生成される。
【0038】
本発明の実施形態では、
図3に示されるように、周期係数、挙動データ、及び第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成するステップは特に、以下のステップを含む。
【0039】
S261:第3の挙動データが、周期係数及び挙動データに従って生成される。
【0040】
S262:第2の挙動データが、第1の挙動データ及び第3の挙動データに従って生成され、第1の挙動データは、第3の挙動データに加算又は乗算されて、第2の挙動データを生成する。
【0041】
特に、まず、ユーザ挙動データ内のユーザクリック挙動ラベル、及びクリック挙動が生成された時間日付を入力とし、ユーザ挙動データには、時間減衰ルールに従って重みが与えられる。ユーザ挙動データが分割された後、ユーザクリック挙動ラベル、及びクリック挙動が生成された時間日付を入力するだけでよく、したがって、各計算機により処理されるデータ量を大幅に低減することができることを理解されたい。t0が現在の日付であり、tが、挙動データが生成された日付であると仮定する:したがって、t0-tを使用して、ユーザ挙動データから現在の日付までの距離を測定することができる。時間減衰関数f(x)が減少関数である場合、すなわち、f(x)が[0,+∞]における減少関数である場合、f(t0-t)は、時間減衰に従って挙動データを加重する方法を形成する。例えば、1日前の挙動データの重みはf(1)であり、3日前の挙動データの重みはf(3)であり、以下同様である。f(x)は減少関数であるため、f(1)>f(3)であり、したがって、現在時間から離れた挙動データほど小さな重みを有する。時間減数関数f(x)は、指数関数f(x)=ax、0<a<1であってもよく、又はべき関数f(x)=x-a、a>0等であってもよい。
【0042】
重みが時間減衰ルールに従ってユーザ挙動データに与えられる場合、現在時間及び挙動データが生成された時間が、単位として日、すなわち、現在の日付、及び挙動データが生成された日付を使用してもよく、単位として時、分等を使用してもよいことを理解されたい。この実施形態では、単位として日のみを使用することにより説明がなされ、時又は分を単位として使用することにより挙動データを計算する方法は、日を単位として使用することにより挙動データを計算する方法と同じであり、ここでは冗長を回避するために繰り返さない。
【0043】
さらに、挙動データが生成された日付と現在の日付との差が計算されて、時間差を取得する。すなわち、挙動データ内の日付が現在の日付から減算されて、時間差を取得する。次に、指数関数又はべき関数を選択して、適時係数Zを計算し、例えば、適時係数Zは指数関数f(x)=0.98xであり、適時性処理後のユーザクリック挙動ラベル1が計算され、ここで、ラベル1は、ユーザクリック挙動ラベルを適時係数Zで乗算したものに等しく、すなわち、ラベル1=Z×ラベルである。
【0044】
次に、ユーザの適時性処理後のユーザクリック挙動ラベル
1、ユーザクリック挙動ラベル、及びクリック挙動が生成された時間日付が入力され、公式
【数2】
を使用することにより、時間差に従って周期係数Cが取得される。例えば、挙動データが生成された日付が、1週間のうちのd
i番目の日であると仮定する。1週間の7日を例としてとることにより、月曜日から日曜日が番号1~7を用いて記録され、したがって、現在のd
j番目の日での挙動データの重みは、
【数3】
であるべきであり、式中、Nは7に等しい。
【0045】
周期情報が、単に1週間の曜日を使用することにより説明され、同様の方法を使用することにより、任意の他の周期単位、例えば、1日の24時間、二十四節気の変化、並びに温度の上昇及び下降等の周期情報が測定可能なことを理解されたい。
【0046】
さらに、ラベル
2が、選択された重畳関係に従って計算される。重畳関係は、加算、乗算等で得る。重畳関係が加算である場合、
【数4】
であり、重畳関係が乗算である場合、
【数5】
であり、複数のサーチ結果のランク結果は、取得された調整済み挙動データレベル
2を使用することにより機械学習法を用いて最適化される。
【0047】
本願の実施形態におけるユーザ挙動データの処理方法はまず、挙動データに対して適時性処理を実行し、次に、適時性処理を受けた挙動データに対して周期性処理を実行し、周期性処理後の挙動データを使用することにより機械学習法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、ユーザの好みを捕捉する。したがって、ユーザ挙動データの適時性は改善され、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得することができ、したがって、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0048】
上記実施形態を実施するために、本願は、ユーザ挙動データの処理装置を更に提供する。
【0049】
図4は、本願の実施形態によるユーザ挙動データの処理装置の概略構造図である。
【0050】
図4に示されるように、処理装置は、取得モジュール100、計算モジュール200、及び処理モジュール300を含む。
【0051】
取得モジュール100は、ユーザの挙動データを取得し、挙動データが生成された時間を取得するように構成される。
【0052】
計算モジュール200は、挙動データが生成された時間及び現在時間に従って、挙動データに対応する適時係数及び/又は周期係数を計算するように構成される。
【0053】
処理モジュール300は、適時係数及び/又は周期係数に従って挙動データを調整するように構成される。
【0054】
ユーザ挙動データの上記処理方法の説明及び記載が、この実施形態でのユーザ挙動データの処理装置にも該当し、同様の実施原理を有し、ここで繰り返さないことに留意されたい。
【0055】
本願の実施形態におけるユーザ挙動データの処理装置は、ユーザ挙動データに時間減衰及び周期類似性に従って異なる重要性を与え、異なる重要性を有する挙動データを使用することにより機械学習方法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、したがって、ユーザ挙動データの適時性を改善し、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得し、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0056】
本願をより明確に当業者が理解することができるよう本願によるユーザ挙動データの処理装置をより具体的に説明するために、適時係数Z及び周期係数Cの両方に従ってユーザ挙動データを調整する具体例を以下に示す。
【0057】
本願の実施形態では、挙動データが生成された時間及び現在時間は、日付である。計算モジュール200は、挙動データが生成された日付と現在の日付との時間差を計算し、時間差及び時間減衰関数に従って適時係数を計算するように構成される。時間減衰関数は、指数関数又はべき関数である。
【0058】
本願の別の実施形態では、挙動データが生成された時間及び前記現在時間は、予め設定された時間期間におけるi番目の日及びj番目の日であり、前記予め設定された時間期間はN日を有し、i及びjはN以下の正の整数である。計算モジュール200は、前記挙動データが生成された前記i番目の日と前記現在のj番目の日との日数差を計算し、前記日数差に従って前記周期係数を生成するように更に構成される。周期係数は、以下の公式:
【数6】
を使用することにより生成され、式中、diは、前記挙動データが生成された前記i番目の日であり、djは前記現在のj番目の日である。
【0059】
本願の別の実施形態では、処理モジュール300は、適時係数及び周期係数に従って挙動データを調整し、適時係数と挙動データとの積を第1の挙動データとして使用し、周期係数、挙動データ、及び第1の挙動データに従って第2の挙動データを生成するように構成される。
【0060】
本願の別の実施形態では、処理モジュール300は、周期係数及び挙動データに従って第3の挙動データを生成し、第1の挙動データ及び第3の挙動データに従って第2の挙動データを生成するように更に構成される。第1の挙動データは、第3の挙動データで加算又は乗算されて、第2の挙動データを生成する。
【0061】
ユーザ挙動データの上記処理方法の説明及び記載が、この実施形態でのユーザ挙動データの処理装置にも該当し、同様の実施原理を有し、ここで繰り返さないことに留意されたい。
【0062】
本願の実施形態におけるユーザ挙動データの処理装置はまず、挙動データに対して適時性処理を実行し、次に、適時性処理を受けた挙動データに対して周期性処理を実行し、周期性処理後の挙動データを使用することにより機械学習法を用いた複数のサーチ結果のランク結果を最適化し、ユーザの好みを捕捉する。したがって、ユーザ挙動データの適時性は改善され、ユーザの好み及び関心をより効率的に取得することができ、したがって、ユーザの需要をよりよく満たすサーチ結果をユーザに提供し、ユーザ経験を改善する。
【0063】
本願の説明では、「第1」及び「第2」という用語が単に説明を目的として使用され、相対的な重要性を指示若しくは暗示するものとして、又は示された技術特徴の数を暗黙的に示すものとして理解することができないことを理解されたい。したがって、「第1」及び「第2」により限定された特徴は、明示的又は暗黙的に少なくとも1つの特徴を含み得る。本願の説明では、「複数の」は、別段のことが指定される場合を除き、少なくとも2つ、例えば、2つ又は3つを意味する。
【0064】
本明細書全体を通しての「実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」、又は「幾つかの例」への言及は、そのような実施形態又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書全体を通してのこれらの用語の表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適宜組み合わせ得る。さらに、相互矛盾がない場合、本明細書に記載される異なる実施形態又は例での異なる実施形態又は例の特徴との組み込み及び組み合わせを当業者は実行することができる。
【0065】
フローチャート又は本明細書において任意の他の方法で説明される任意のプロセス又は方法は、特定の論理機能又はプロセスステップを実現する実行可能命令コードの1つ又は複数のモジュール、セグメント、又は部分を含むものと理解し得る。さらに、本願の好ましい実施形態は、他の実施形態を含み、他の実施形態では、機能は、関わる機能に基づいて、略同時又は逆順を含め、記載又は考察された順序とは異なる順序で実行し得る。これは、本発明の実施形態が属する分野の当業者により理解されるはずである。
【0066】
本願の各部分が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせにより実現し得ることを理解されたい。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶されたソフトウェア又はファームウェアにより実施され、適切な命令実行システムにより実行し得る。例えば、別の実施形態でのようにハードウェアにより実施される場合、ステップ又は方法は、当分野で既知の以下の技法の1つ又は組合せにより実施し得る:データ信号の論理関数を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な結合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等。
【0067】
上記実施形態の方法のステップの全て又は一部が、関連するハードウェアにプログラムを用いて命令することにより達成し得ることを当業者は理解するものとする。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶し得、実行されると、方法実施形態のステップの1つ又は組合せを含む。
【0068】
加えて、本願の実施形態の各機能モジュールは、処理モジュールに統合してもよく、これらのモジュールは別個の物理的な存在であってもよく、又は2つ以上のモジュールが処理モジュールに統合される。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態又はソフトウェア関数モジュールの形態で実施し得る。統合されたモジュールは、ソフトウェア関数モジュールの形態で実施され、スタンドアロン製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶し得る。
【0069】
上述した記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、CD等であり得る。本願の実施形態を上で示し説明したが、上記実施形態が例示であり、本願の限定として解釈することができないことが理解されるであろう。当業者は、本願の範囲内で、実施形態に変更、修正、置換、及び代替を行うことができる。