(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】多層ハブを有するイントロデューサシース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A61M25/06 554
A61M25/06 556
(21)【出願番号】P 2018544150
(86)(22)【出願日】2017-02-22
(86)【国際出願番号】 US2017018791
(87)【国際公開番号】W WO2017147103
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2020-02-21
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー ジョン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0192463(US,A1)
【文献】特開平03-292963(JP,A)
【文献】特開2001-340469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管への挿入のためにサイズ設定されている、縦軸を有する細長いシースと;
該シースの近位部分に結合されたハブと
を含み、該ハブが、
該細長いシースの該近位部分を部分的に取り囲み、かつ第一のノッチを有する第一のハブ部分と;
該第一のハブ部分を部分的に取り囲む第二のハブ部分と
を含み、該第二のハブ部分が、
2つのウィングと;
該第一のノッチの上に設けられた開口と
を含み、該第一のハブ部分が第一の材料を含み、該第二のハブ部分が第二の材料を含み、該第一の材料が該第二の材料とは異なる、
イントロデューサアセンブリ。
【請求項2】
第一の材料が第一の極限強さを有し、第二の材料が第二の極限強さを有し、該第二の極限強さが該第一の極限強さよりも大きい、請求項1記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項3】
第一の材料が第一の剛性を有し、第二の材料が第二の剛性を有し、該第二の剛性が該第一の剛性よりも大きい、請求項1記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項4】
第一のノッチが、細長いシースの縦軸に対して平行に配向されている、請求項1~3のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項5】
ハブが、細長いシースの縦軸の方向に沿って第一のノッチで破断するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項6】
細長いシースが、該細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項7】
細長いシースが、該細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みに沿って裂けるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項8】
第一のハブ部分がリッジを含む、請求項1~7のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項9】
第一のハブ部分と細長いシースとが、血液が第一のハブ部分と第二のハブ部分との間の界面を通り抜けることを防止する結合を形成する、請求項1~8のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項10】
各ウィングが広い面および狭い面を含み、該広い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である、請求項1~9のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項11】
各ウィングが広い面および狭い面を含み、該狭い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である、請求項1~10のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項12】
第一のハブ部分が第二のノッチを含む、請求項1~11のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項13】
第一のハブ部分が、第一のノッチの縁を画定する第一のリッジおよび第二のリッジを含む、請求項1~12のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項14】
第一の材料が45ショアDの硬さを有する、請求項1~13のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項15】
第二の材料が68~72ショアDの範囲の硬さを有する、請求項1~14のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項16】
ハブが9Frの最小直径を有する、請求項1~15のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項17】
ハブが26Frの最小直径を有する、請求項1~15のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項18】
第一のハブ部分が第一のノッチにおいて0.1mmの最小厚さを有する、請求項1~17のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項19】
第一のハブ部分が第一のノッチにおいて0.3mmの最大厚さを有する、請求項1~18のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項20】
第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さが、該ノッチの近位端において第一の厚さを有し、該ノッチの遠位端において第二の厚さを有する、請求項1~19のいずれか一項記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項21】
第一のノッチに
おいて第一のハブ部分の第一の厚さ
が最大である、請求項20記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項22】
第一のノッチにおける第一のハブ部分の第一の厚さが、該第一のハブ部分の近位端部分において0.01インチ~0.012インチである、請求項21記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項23】
第一のノッチにおける第一のハブ部分の第二の厚さが、該第一のハブ部分の遠位端部分において0.004インチ~0.006インチである、請求項21記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項24】
第一のハブ部分が、細長いシースの近位部分を包囲している、請求項1~20記載のイントロデューサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、内容が参照により全体として本明細書に組み入れられる、2016年2月22日に出願された米国特許仮出願第62/298,171号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
心臓病患者は、生来の心臓ポンプ機能を補助する、または連続的なポンプ動作によって生来の心臓ポンプ機能に取って代わるように構成された、一般に心臓ポンプとも呼ばれる経皮機械的循環支援装置による処置を受けることがある。このような心臓ポンプアセンブリは、心臓処置中、脈管系に通して、たとえば血管に通して外科的または経皮的に導入することができる。一つの一般的な手法において、ポンプアセンブリは、イントロデューサシースを使用して大腿動脈に通すカテーテル挿入処置によって挿入される。
【0003】
イントロデューサシースは、心臓ポンプアセンブリならびに広い範囲の診断用および治療介入用のカテーテルベースの装置の導入のための信頼しうるアクセスポイントを提供することができる。イントロデューサシースを動脈または静脈に挿入することができ、ポンプをそのイントロデューサシースに通して患者の中へと進めることができる。そして、破断壁に沿ってイントロデューサシースを2つの半分に切り離し、剥ぎ取ることができ、ポンプ、カテーテルおよび/またはガイドワイヤを所定の位置に残す。これは、体内に導入された、かつ体内に配置されたままであるべきであるポンプ、カテーテル、ガイドワイヤおよび/または他の装置の位置を乱すことなく、医師が、イントロデューサシースの分離/取り外しを要する臨床処置を実行することを可能にする。
【0004】
経皮心臓ポンプがより大きく、より精巧になるとともに、体へのポンプの導入のためのイントロデューサシースもまた、必然的により大きくなった。より大きなイントロデューサシース・ハブアセンブリは、イントロデューサシースのハブを割るために、より大きな破断力を必要とする(たとえば、破断壁の厚さがより大きいため)。破断力の増大は、ハブの破断を困難かつより不確実にする可能性がある。さらに、破断力の増大はハブの唐突な破断を招くおそれがあり、それが、不必要に、ポンプをゆさぶる、移動させる、もしくは損傷する、及び/又は場合によっては、処置を施す医師に対して不快感または怪我を生じさせる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書に開示されるものは、心臓ポンプの経皮挿入のための、多層ハブを有するイントロデューサシースである。ハブは、剥ぎ取り型イントロデューサを割るために必要な破断力を減らすために、異なる材料で形成された2つ以上のハブ部分を含むことができる。ハブは、第一のハブ部分と、第一のハブ部分を部分的に包囲する第二のハブ部分とを含む。第一のハブ部分は1つまたは複数のノッチを含み、これらのノッチに沿ってハブが割れるように構成されている。第二のハブ部分は、破断力を加えるためのてこ作用として使用される、ハブの各側に配置されたウィングまたはタブを含む。第一のハブ部分は、低い極限強さを有する軟質の材料で形成され得、一方で、第二のハブ部分は、第一のハブ部分の極限強さよりも高い極限強さを有する相対的に剛性の材料で形成され得る。そのような構成において、軟質の第一のハブ部分は、ハブが第一の材料中のノッチに沿って容易に割れることを可能にし、一方で、剛性の第二のハブ部分は、破断中に改善されたてこ作用を提供する剛性のウィングを有する。剛性のウィングは、力が加えられたとき過度に曲がる、またはたわむことがなく、しかしその代わり、加えられた荷重をノッチに伝達し、それによってイントロデューサの分割を容易にする。より剛性のウィングはまた、イントロデューサハブの分割中に力がウィングに加えられるとき貯蔵される弾性エネルギーの量を減らす。これは、ハブが割れるときの弾性エネルギーの突然の解放を減らし、それにより、ポンプを移動させる、もしくは損傷する、または患者もしくは医師に対して不快感もしくは怪我を生じさせる危険を減らす。したがって、材料特性が異なる2つのハブ部分を使用することにより、本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、剥ぎ取り型イントロデューサシースの分割を容易にすることができる。低い破断力を維持することにより、多層ハブは、他のやり方ならば割ることができないであろう、より大口径のイントロデューサシースの使用を可能にする。
【0006】
第二のハブ部分は第一のハブ部分上にオーバーモールドされ得る。オーバーモールドは、第一のハブ部分と第二のハブ部分との間に止血性結合を形成し得る。2つの部分の間の結合を強化するために、第一のハブ部分はまた、リッジまたは溝を含み得、これらのリッジまたは溝の上に第二のハブ部分が成形される。これが、結合を破断することなく第二のハブ部分が第一のハブ部分に伝達することができるトルクの量を増すことができる。加えて、第二のハブ部分は、第一のハブ部分の1つまたは複数のノッチの上に開口を含み得る。この開口は、第一のハブ部分が1つまたは複数のノッチの領域中で容易に割れることを可能にし、それにより、ハブの低い破断力を保存する。
【0007】
1つの局面において、イントロデューサアセンブリは細長いシースおよびハブを含む。細長いシースは、患者の血管への挿入のためにサイズ設定されており、縦軸を含む。ハブは、シースの近位部分に結合され、かつ第一のハブ部分および第二のハブ部分を含む。第一のハブ部分は第一のノッチを含む。第二のハブ部分は、第一のハブ部分を部分的に包囲し、かつ2つのウィングと、第一のノッチの上に設けられた開口とを含む。第一のハブ部分は第一の材料を含み、第二のハブ部分は第二の材料を含み、第一の材料は第二の材料と異なる。いくつかの実施形態において、第一の材料は第一の極限強さを有し、第二の材料は第二の極限強さを有する。特定の実施形態において、第二の極限強さは第一の極限強さよりも大きい。いくつかの実施形態において、第一の材料は第一の剛性を有し、第二の材料は第二の剛性を有し、第二の剛性は第一の剛性よりも大きい。
【0008】
いくつかの実施形態において、第一のノッチは、細長いシースの縦軸に対して平行に配向されている。特定の実施形態において、ハブは、細長いシースの縦軸の方向に沿って第一のノッチで破断するように構成されている。いくつかの実施形態において、細長いシースは、細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みを有する。細長いシースは、細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みに沿って裂けるように構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、第一のハブ部分はリッジを含む。いくつかの実施形態においては、第一のハブ部分と細長いシースとが止血性結合を形成する。特定の実施形態において、ウィングは広い面および狭い面を含み、広い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である。いくつかの実施形態において、ウィングの狭い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分は第二のノッチをさらに含む。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分は、第一のノッチの縁を画定する第一のリッジおよび第二のリッジを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、第一の材料は約45ショアDの硬さを有する。特定の実施形態において、第二の材料は約68~72ショアDの硬さを有する。いくつかの実施形態において、イントロデューサハブは約9Frの最小直径を有する。他の実施形態において、イントロデューサハブは約26Frの最小直径を有する。特定の実施形態において、第一のハブ部分は、第一のノッチにおいて約0.1mmの最小厚さを有する。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分は、第一のノッチにおいて約0.3mmの最大厚さを有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さはノッチの長さに沿って可変性である。いくつかの実施形態において、第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さは第一のノッチの近位端部分において最大である。いくつかの実施形態において、第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さは第一のハブの近位端において約0.01インチ~0.012インチである。いくつかの実施形態において、第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さは第一のハブの遠位端部分において約0.004インチ~0.006インチである。
[本発明1001]
患者の血管への挿入のためにサイズ設定されている、縦軸を有する細長いシースと;
該シースの近位部分に結合されたハブと
を含み、該ハブが、
第一のノッチを有する第一のハブ部分と;
該第一のハブ部分を部分的に包囲する第二のハブ部分と
を含み、該第二のハブ部分が、
2つのウィングと;
該第一のノッチの上に設けられた開口と
を含み、該第一のハブ部分が第一の材料を含み、該第二のハブ部分が第二の材料を含み、該第一の材料が該第二の材料とは異なる、
イントロデューサアセンブリ。
[本発明1002]
第一の材料が第一の極限強さを有し、第二の材料が第二の極限強さを有し、該第二の極限強さが該第一の極限強さよりも大きい、本発明1001のイントロデューサアセンブリ。
[本発明1003]
第一の材料が第一の剛性を有し、第二の材料が第二の剛性を有し、該第二の剛性が該第一の剛性よりも大きい、本発明1001のイントロデューサアセンブリ。
[本発明1004]
第一のノッチが、細長いシースの縦軸に対して平行に配向されている、本発明1001~1003のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1005]
ハブが、細長いシースの縦軸の方向に沿って第一のノッチで破断するように構成されている、本発明1001~1004のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1006]
細長いシースが、該細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みを含む、本発明1001~1005のいずれかのイントロデューサハブ。
[本発明1007]
細長いシースが、該細長いシースの縦軸に対して平行な縦方向の切り込みに沿って裂けるように構成されている、本発明1001~1006のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1008]
第一のハブ部分がリッジを含む、本発明1001~1007のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1009]
第一のハブ部分と細長いシースとが止血性結合を形成する、本発明1001~1008のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1010]
各ウィングが広い面および狭い面を含み、該広い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である、本発明1001~1009のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1011]
各ウィングが広い面および狭い面を含み、該狭い面が細長いシースの縦軸に対して垂直である、本発明1001~1010のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1012]
第一のハブ部分が第二のノッチを含む、本発明1001~1011のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1013]
第一のハブ部分が、第一のノッチの縁を画定する第一のリッジおよび第二のリッジを含む、本発明1001~1012のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1014]
第一の材料が約45ショアDの硬さを有する、本発明1001~1013のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1015]
第二の材料が約68~72ショアDの範囲の硬さを有する、本発明1001~1014のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1016]
ハブが約9Frの最小直径を有する、本発明1001~1015のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1017]
ハブが約26Frの最小直径を有する、本発明1001~1016のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1018]
第一のハブ部分が第一のノッチにおいて0.1mmの最小厚さを有する、本発明1001~1017のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1019]
第一のハブ部分が第一のノッチにおいて0.3mmの最大厚さを有する、本発明1001~1018のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1020]
第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さが、該ノッチの長さに沿って可変性である、本発明1001~1019のいずれかのイントロデューサアセンブリ。
[本発明1021]
第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さが、該第一のハブ部分の近位端部分において最大である、本発明1020のイントロデューサアセンブリ。
[本発明1022]
第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さが、該第一のハブ部分の近位端部分において約0.01インチ~0.012インチである、本発明1021のイントロデューサアセンブリ。
[本発明1023]
第一のノッチにおける第一のハブ部分の厚さが、該第一のハブ部分の遠位端部分において約0.004インチ~0.006インチである、本発明1021のイントロデューサアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考察することによって明らかになる。図中、全体を通して類似の参照番号が類似の部品を指す。
【0013】
【
図1】例示的なイントロデューサハブアセンブリの平面図を示す。
【
図2】例示的なイントロデューサハブアセンブリの斜視図を示す。
【
図3】イントロデューサハブアセンブリの例示的な第一のハブ部分の斜視図を示す。
【
図4】第一および第二のハブ部分を含むイントロデューサハブアセンブリの斜視図を示す。
【
図5】
図2のイントロデューサハブアセンブリのノッチの斜視図を示す。
【
図6】複数の材料層を有する例示的なイントロデューサハブアセンブリの端面図を示す。
【
図7】イントロデューサハブの中央縦軸に対して横向きに配置されたウィングを有する例示的なイントロデューサハブアセンブリの斜視図を示す。
【
図8】患者の血管に挿入されたイントロデューサハブアセンブリを、その中を通って延びる経皮ポンプとともに示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本明細書に記載されるシステム、方法および装置の全体的理解を提供するために、特定の例示的態様を説明する。本明細書に記載される態様および特徴は、心臓ポンプの経皮挿入のためのイントロデューサシースとの関連における使用に関して具体的に記載されるが、以下に概説されるすべての構成部品および他の特徴が、任意の適当なやり方で互いに組み合わされ、他のタイプのイントロデューサシース、他のタイプの心臓補助装置に、または任意の適当なカテーテル、ガイドワイヤ、外科ツールもしくは医療装置の送り出しのために適合され、適用されてもよいことが理解されよう。
【0015】
本明細書に記載される装置は、イントロデューサと、イントロデューサのためのハブアセンブリとを含む(イントロデューサは、たとえば、心臓ポンプの経皮挿入のために使用されることができる)。ハブは、第一のハブ部分と、第一のハブ部分を部分的に包囲する第二のハブ部分とを有することができる。第一のハブ部分はノッチを含むことができ、このノッチに沿ってハブが破断する、または割れるように構成されることができる。第二のハブ部分は、ハブの両側に配置された、破断力を加えるためのてこ作用として使用され得るウィングまたはタブを含むことができる。第一のハブ部分は、低い極限強さを有する軟質の材料で形成されることができ、一方で、第二のハブ部分は、第一のハブ部分の極限強さよりも高い極限強さを有する相対的に剛性の材料で形成されることができる。そのような構成において、軟質の第一のハブ部分は、ハブが第一の材料中のノッチに沿って容易に破断する、または割れることを許すことができ、一方で、剛性の第二のハブ部分のウィングは、破断中に改善されたてこ作用を提供する。ウィングの剛性は、ウィングが、圧力を加えられても過度に曲がる、またはたわむことがなく、その代わり、加えられた荷重をノッチに伝達し、それによってイントロデューサの分割を容易にするように選択される。より剛性のウィングはまた、イントロデューサハブの分割中に力がウィングに加えられるとき貯蔵される弾性エネルギーの量を減らすことができる。これは、ハブが割れるときの弾性エネルギーの突然の解放を減らし、それにより、ポンプを移動させる、もしくは損傷する、および/または患者もしくは医師を傷つける危険を減らす。したがって、材料特性が異なる2つのハブ部分を使用することにより、本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、イントロデューサシースの分割を容易にすることができる。低い破断力を維持することにより、多層ハブは、他のやり方ならば割ることができないであろう、より大きな寸法および/またはより大きな口径を有するイントロデューサシースの使用を可能にする。
【0016】
ハブアセンブリは、様々な方法で製造することができ、様々な特徴の組み合わせを含むことができる。たとえば、第二のハブ部分は第一のハブ部分上にオーバーモールドされることができる。オーバーモールドは、血液が第一のハブ部分と第二のハブ部分との間の界面を通り抜けることを防止する、第一のハブ部分と第二のハブ部分との間の結合を形成することができる。特に、オーバーモールドによって形成される結合は、化学結合および/または分子結合であり得る。第一のハブ部分が、第二のハブ部分が形成されるポリマーと類似するポリマーで形成される場合、2つの材料のポリマー鎖が、第一のハブ部分と第二のハブ部分との間の界面で架橋し得る。
【0017】
または、第一および第二のハブを、別々に成形したのち、当技術分野において公知の任意の技術を使用して、たとえば化学接着剤を使用して、一緒に結合することもできる。いずれの場合でも、第一のハブ部分はまた、ポリマー架橋のための表面積を増すことによって第一のハブ部分と第二のハブ部分との間の結合を強化するための、および/または第一のハブ部分と第二のハブ部分との間に機械的連結を提供するための、リッジまたは溝を含み得る。これは、結合を破断することなく第二のハブ部分が第一のハブ部分に伝達することができる力の量を増すことができる。もう1つの例として、第二のハブ部分は、第一のハブ部分中の1つまたは複数のノッチの上に開口を含み得る。この開口が、第一のハブ部分がノッチの領域中で容易に割れることを可能にし、したがって、ハブの低い破断力を保存する。したがって、低い破断力を維持することにより、本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、イントロデューサハブをより大きくしてより大きな心臓ポンプを受け入れることを可能にしながらも、妥当な量の力の適用によって分解させることを可能にする。
【0018】
図1は、細長いシース2およびハブ10を含むイントロデューサハブアセンブリ50の平面図を示す。細長いシース2は、患者の血管への挿入のためにサイズ設定されており、縦軸8を含む。ハブ10は、第一のノッチ14を有する第一のハブ部分12と、開口20ならびに2つのウィング18aおよび18bを有する第二のハブ部分16とを含む。開口20は第一のノッチ14の上に設けられている。第一のハブ部分12の第一のノッチ14は、いくつかの実施形態において、細長いシース2の縦軸8と整合している、またはそれに対して少なくとも部分的に平行である。第二のハブ部分16は第一のハブ部分12を部分的に覆う。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分16は第一のハブ部分12上にオーバーモールドされている。第二のハブ部分16は、第一のノッチ14を露呈させる開口20を第一のノッチ14の上に含む。
【0019】
第一のハブ部分12に形成された第一のノッチ14は破断壁を提供し、この破断壁において、ウィング18aおよび18bに力を加えることによってハブ10に亀裂を発生させ得る。第一のノッチ14は、相対的に低い極限強さ破断力を有する第一の材料で形成され得る。さらに、第一のノッチ14は、第一のノッチ14の下部における第一の材料の厚さが適度に低い力で第一のノッチ14におけるハブ10の破断を許すように形成され得る。加えて、ノッチ14の形状が、ノッチ14に沿ってハブ10の分割を容易にするように応力を集中させ得る。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分12は、第一のノッチ14において0.1mmの最小厚さを有する。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分12は、第一のノッチ14において0.3mmの最大厚さを有する。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のノッチ14において0.075mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mmまたは任意の他の適当な厚さを有する。
【0020】
第一のハブ層12を部分的に包囲する第二のハブ層16は、ウィング18aおよび18bがより剛性の材料から形成されることを可能にする。剛性のウィング18aおよび18bは、ヘルスケア従事者が、第一のノッチ14においてハブ10を破断するための力、たとえば手の力を加えることを可能にする。ハブを破断したのち、ウィング18aおよび18bを引き離し、使用して、イントロデューサハブアセンブリ50を、患者および血管中を延びる任意の装置またはガイドワイヤから剥ぎ取ることができる。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分16は第一のハブアセンブリ12上にオーバーモールドされることができる。
【0021】
使用中、イントロデューサハブアセンブリ50は、患者の血管への心臓ポンプまたは他の医療物品の挿入を容易にする。イントロデューサハブアセンブリ50は剥ぎ取り型イントロデューサとして設計されている。細長いシース2を患者の血管に挿入し、心臓ポンプを、ハブ10および細長いシース2に通して患者の中へと進める。イントロデューサハブアセンブリ50の取り外し中には、ウィング18aおよび18bをつかむことができ、第一の力をユーザ、たとえばヘルスケア従事者がユーザの方向に加えて、第一のノッチ14に沿ってハブ10を破断させる。次いで、第二の力を、第一の力とは反対の方向に加えて、第二のノッチ(図示せず)に沿ってハブ10を破断させ得る。次いで、ハブ10および細長いシース2を含むイントロデューサハブアセンブリ50を剥ぎ取って、心臓ポンプまたは他の医療物品を患者の血管内に乱すことなく残す。
【0022】
図2は、例示的なイントロデューサハブアセンブリ100の斜視図を示す。イントロデューサハブアセンブリ100は細長いシース102およびハブ110を含む。ハブ110は第一のハブ部分112および第二のハブ部分116を含む。第一のハブ部分112は、第一のノッチ114、近位端部分115および遠位端部分117を含む。第二のハブ部分116は、第一のノッチ114の上の開口120ならびに2つのウィング118aおよび118bを含む。細長いシース102は、縦軸108と、心臓ポンプまたは医療装置を細長いシース102に通し、患者の血管に挿入することを可能にするようにサイズ設定されている内径104とを含む。細長いシースの内径104は、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mmまたは任意の他の適当な直径であり得る。いくつかの実施形態において、細長いイントロデューサボディ105の内径は、9フレンチ(3mm)、10フレンチ(3.33mm)、11フレンチ(3.67mm)、12フレンチ(4mm)、13フレンチ(4.33mm)、14フレンチ(4.67mm)、15フレンチ(5mm)、16フレンチ(5.33mm)、17フレンチ(5.67mm)、18フレンチ(6mm)、19フレンチ(6.33mm)、20フレンチ(6.67mm)、21フレンチ(7mm)、22フレンチ(7.33mm)、24フレンチ(8mm)、26フレンチ(8.67mm)または任意の他の適当な直径である装置と適合性である。第一のハブ部分112は、細長いシース102の外面106にもっとも近い位置にある。第一のハブ部分112は、細長いシース102の縦軸108に対して平行になるように配向されている第一のノッチ114を含む。第一のハブ部分112はまた、細長いシース106の表面から上に延びて第一のノッチ114を画定する第一のリッジ128aおよび第二のリッジ128bを含む。第二のハブ部分116は、第一のノッチ114の上の開口120を除き、第一のハブ部分112を部分的に包囲する。いくつかの実施形態において、開口102はまた、第一のノッチ114を画定する第一のハブ部分112の第一のリッジ128aおよび第二のリッジ128bの上にもある。第二のハブ部分116は、ハブ110の各側で外方に延びる2つのウィング118aおよび118bを含む。2つのウィング118aおよび118bそれぞれは、広い面124aおよび124bならびに狭い面125aおよび125bを含むように構成されている。2つのウィング118aおよび118bは多様な方向に配向され得る。いくつかの実施形態において、ウィング118aおよび118bの広い面124aおよび124bは、細長いシース102の縦軸108に対して垂直に配置され得る。他の実施形態において、ウィング118aおよび118bの狭い面125aおよび125bは、細長いシース102の縦軸108に対して垂直に配置されてもよい。
【0023】
心臓ポンプまたは医療装置を患者に挿入したのち、イントロデューサハブアセンブリ100を、ハブ110においては第一のノッチ114の長さに沿って、また、細長いシース102においては縦方向の切り込み122の長さに沿って、分離させることができる。ウィング118aおよび118bは、取り外しのためにヘルスケア従事者によって把持されるように設計されている。ヘルスケア従事者は、イントロデューサアセンブリ100を分ける(たとえば「剥ぎ取る」)ために第一および第二のウィング118aおよび118bに力を加える。これは、第一のノッチ114および縦方向の切り込み120においてハブ110を分離させて、ハブ110および細長いシース102を半分に破断する。いくつかの実施形態において、ウィング118aおよび118bは、細長いシース102に向けて下向きの動きで押されて第一のノッチ114でハブ110を破断するように設計されている。そのような実施形態において、ウィング118aおよび118bの広い面124aおよび124bは、細長いシース102の縦軸108に対して垂直に配向され得る。他の実施形態においては、ウィング118aおよび118bの狭い面125aおよび125bが、細長いシース102の縦軸108に対して垂直に配向されてもよく、2つのウィング118aおよび118bを互いに向けて押しやることが第一のノッチ114の破断を容易にするように設計されてもよい。ハブ110が第一のノッチ114で破断した場合、ウィング118aおよび118bそれぞれを互いから剥ぎ取ってハブ110を取り外し得る。細長いシース102はまた、ハブ110中の第一のノッチ114と並ぶ、縦軸108に対して平行な縦方向の切り込み122を含み得る。細長いシース102は、ウィング118aおよび118bを互いから引き離すことによってハブ110が破断され、剥ぎ取られるときに剥ぎ取られるために、縦方向の切り込み122に沿って裂けるように構成され得る。第一のハブ部分112は、第一のノッチ114とは反対側に第二のノッチ(たとえば
図4の126)を含み得る。そのような場合、第二のノッチもまた、ウィング118aおよび118bを互いから引き離すことによって破断される。細長いシース102は、ハブ110が破断され、裂かれ得るところの第二の縦方向の切り込み(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0024】
第一のハブ部分112および第二のハブ部分116は、異なる材料特性を有する材料で構成され得る。第一のハブ部分112は、第二のハブ部分116とは異なる表面特性、デュロメータ、極限または引張り強さ、弾性率または他の材料特性を有し得る。第二のハブ部分116は、第一のハブ部分112よりも硬い、剛性、強靱または硬質であり得る。第二のハブ部分116とは異なる第一のハブ部分112の材料特性が、ハブ110が、より大きなポンプおよび医療装置を受け入れるためにサイズを増しながらも、医療担当者の手で効率的に破断されることを可能にする。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分16を形成する材料は、第一のハブ部分12を形成する材料の極限強さよりも大きい極限強さを有する。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分16を形成する材料は、第一のハブ部分12を形成する材料の剛性よりも大きい剛性を有する。特定の実施形態において、第一のハブ部分12を形成する第一の材料は45ショアDの硬さを有する。いくつかの実施形態において、第一の材料は、30ショアD、35ショアD、40ショアD、45ショアD、50ショアDまたは任意の他の適当な硬さを有し得る。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分16を形成する第二の材料は、60ショアD、65ショアD、68ショアD、70ショアD、72ショアD、75ショアDまたは任意の他の適当な硬さを有する。
【0025】
図3は、
図2のイントロデューサハブアセンブリ100の第一のハブ部分112の斜視図を示す。第一のハブ部分112は、細長いシース102の近位端で細長いシース102に取り付けられ、第一のリッジ128aおよび第二のリッジ128bならびにリッジ130によって画定された第一のノッチ114を含む。第一のノッチ114は、細長いシース102の縦軸108に対して平行な、細長いシース102上の縦方向の切り込み122と整合し得る。第一のハブ部分112は、第一のノッチ114における第一のハブ部分112の最小厚さ132で第一のノッチ114を画定し得る。第一のノッチ114は、第一のリッジ128aおよび第二のリッジ128bによってさらに画定され得る。リッジ130は、第一のハブ部分112上で1つの方向または多くの方向に配向されたリブ付きの形体または溝として構成され得る。リッジ130は、第一のハブ部分112がオーバーモールドされた層と一緒により確実にインターフェースすることを可能にして、イントロデューサハブアセンブリ100の破断中に構造の剛性を促進する。リッジ130は、第一のハブ部分112と第二のハブ部分(たとえば
図2の116)との間に機械的連結を提供して、ウィング(たとえば
図2の118aおよび118b)に加えられたトルクを第一のハブ部分112に伝達する。したがって、ウィング(たとえば
図2の118aおよび118b)に加えられた力は第一のノッチ114の破断壁に伝達される。第一のハブ部分112は、特に、第一のハブ部分112と細長いシース102とがいずれも同じ材料で構成されている場合、細長いシース102と一緒に止血性結合を形成し得る。
【0026】
図4は、特定の態様のイントロデューサハブアセンブリ100の斜視図を示す。イントロデューサハブアセンブリ100は、細長いシース102と、第一のノッチ114および第二のノッチ126を有する第一のハブ部分112と、2つのウィング118aおよび118bを有する第二のハブ部分116とを含む。第一のハブ部分112は近位端部分115および遠位端部分117を有する。第一のハブ部分112は遠位端部分117において細長いシース102に接続されている。第二のハブ部分116は第一のハブ部分112を部分的に覆う。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分112は、第一のノッチ114の上の開口120を除き、第一のハブ部分116をほぼ完全に覆う。いくつかの実施形態において、第二のハブ部分は第一のハブ部分112のより小さな部分を覆ってもよい。上記のように、第一および第二のハブ部分は、様々な技術を使用して形成することができる(たとえば、第二のハブ部分116を第一のハブ部分112上にオーバモールドする、または第一および第二のハブ部分112、116を別々に成形したのち、接着剤を使用してそれらを一緒に固着する)。
【0027】
第一のノッチ114は、細長いシース102の縦軸108に対して平行に配向され、細長いシース102の縦方向の切り込み122と並んで、第一のノッチ114でハブ110が破断し、縦方向の切り込み122に沿って細長いシース102が裂けるとき、ハブアセンブリ100が剥ぎ取り型イントロデューサとして機能し得るようにしている。ハブ110は、第一のノッチ114からハブ110の反対側に示される第一のハブ部分112中に第二のノッチ126を有する。第二のノッチ126は、ハブアセンブリ100の取り外しのためのハブ110の破断をさらに容易にする。第二のノッチ126は、第一のノッチ114と同様な方法で画定され得、また、細長いシース102の縦軸108に対して平行になるように配向され得る。縦方向シース102は、第二のノッチ126と整合し、かつ縦方向の切り込み122とは反対側にある第二の縦方向の切り込み(図示せず)を含み得る。
【0028】
イントロデューサアセンブリ100の取り外し中、力をウィング118aおよび118bに加えて、ウィング118aおよび118bの広い面124aおよび124bを互いに向けて押す。力が材料を通して伝達され、第一のノッチ114に向けて加えられるとき、ハブ中、第一のノッチ114においては圧縮力が生じ、第二のノッチ126においては引張りが生じて、両方で第一のノッチ114が破断するようになる。ウィングへの反対方向への力の適用が第二のノッチ126を破断させる。第一のハブ部分112の第一のノッチ114ならびに第一のノッチ114および第二のノッチ126における第一のハブ部分112の最小厚さ132が、ハブ110が第一のノッチ114および第二のノッチ126において容易に破断することを可能にする。第一のノッチ114および第二のノッチ126におけるハブ110の破断をさらに容易にするために、第一のハブ部分は、低い極限強さを有する材料を含み得る。第二のハブ部分116は、第一のハブ部分112の材料よりも高い極限強さを有する材料を含み得る。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112および第二のハブ部分116は、ポリエーテルブロックアミド(たとえば、Arkema Group製のPEBAX(登録商標))または類似の材料で構成され得る。第二のハブ部分116は、たわむことなくハブ110を破断するために必要な力に耐えることができるウイング118aおよび118bを含み、ハブの破断を容易にする。さらに、第二のハブ部分116は、ハブ110に剛性を提供するために、第一のハブ部分112を覆うところで、増大した厚さ134を有し得る。
【0029】
図5は、
図1および2のイントロデューサハブアセンブリ100中の第一のノッチ114の斜視図を示す。第一のノッチ114は、第一のノッチ114において最小厚さ132を有する第一のハブ部分112中に形成されている。第一のノッチ114は、近位端部分115から遠位端部分117まで第一のハブ部分112の長さに延びる。第一のノッチ114は、第一のハブ部分112に形成された第一および第二のリッジ128aおよび128bによってさらに画定されている。第二のハブ部分116は第一のハブ部分112を部分的に覆い、かつ第一のノッチ114の上に開口120を含む。第二のハブ部分116は、対応する厚さ134を有し得る。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のノッチ114において0.1mmの最小厚さ132を有する。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のノッチ114において0.3mmの最大厚さを有する。特定の実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のノッチ114において0.075mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mmまたは任意の他の適当な厚さの、厚さ132を有する。
【0030】
いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のノッチ114において第一のノッチ114の長さに沿って可変厚さ132を有する。特定の実施形態において、第一のハブ部分112は、第一のハブ部分112の遠位端部分117よりも近位端部分115においてより大きな厚さ132を有する。ハブ110と細長いシース102との間の接続部にもっとも近い、ノッチ114の遠位端部分117は、破断中に最大応力集中を有することができ、したがって、所期の破断開始点となり得る。したがって、遠位端部分117におけるノッチ114の相対的に薄い破断壁が、破断を開始させるために必要な力を減らす。
【0031】
いくつかの実施形態においては、近位端部分115において止血弁(図示せず)がハブ110に含まれる。弁が配置される近位端部分115は、弁の圧縮からハブ110中に誘発されるフープ応力を支えるのに十分な強さを有しなければならない。これは、カテーテルのような物品がハブに挿入されてフープ応力を増す場合、特に重要である。いくつかの実施形態において、近位端部分115におけるノッチ114の厚さ132は、遠位端部分117におけるノッチ114の厚さよりも大きい。近位端部分115における増大したノッチ厚さはフープ応力増大区域でハブ110を補強する。いくつかの実施形態において、遠位端部分117におけるノッチ114の厚さは約0.004"~0.006"である。いくつかの実施形態において、遠位端部分117におけるノッチ114の厚さは、0.003"、0.0035"、0.004"、0.0045"、0.005"、0.0055"、0.006"、0.0065"または任意の他の適当な厚さである。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112の近位端部分115におけるノッチ114の厚さは約0.010"~0.012"である。いくつかの実施形態において、第一のハブ部分112の近位端部分115におけるノッチ114の厚さは、0.0095"、0.010"、0.0105"、0.011"、0.0115"、0.012"、0.0125"または任意の他の適当な厚さである。いくつかの実施形態において、厚さの変化は滑らかな移行として起こり得る。いくつかの実施形態において、厚さの変化は一連の段階的な厚さ増によって起こり得る。
【0032】
第一のハブ部分112を形成するための、より軟質の材料の使用が、ノッチ114の厚さの、その長さに沿う変化を可能にする。理由は、ノッチ114の厚さが、上端では最大許容破断力によって強制され、下端では製造許容差によって強制されるからである。ノッチ114が厚すぎる場合、それを破断することはできない。しかし、薄すぎる場合、従来の方法(たとえば射出成形法)によって容易に製造することはできない。第一のハブ部分112のためのより軟質の材料の使用は、より大きなノッチ厚さで十分に低い破断力を可能にするため、ノッチ厚さの上限を増す。このノッチの厚さの上限のこの増大は、ノッチ厚さが変化することができる範囲を与え、それにより、ノッチの長さに沿ってノッチの厚さの変化を可能にする。したがって、第二のハブ部分116と比較して異なる材料を第一のハブ部分112に使用することは、ノッチの厚さをノッチの長さに沿って変化させることを可能にする。
【0033】
図6は、特定の態様のイントロデューサハブアセンブリ100の細長いシース102の縦軸108に沿う斜視図を示す。イントロデューサハブアセンブリ100は、心臓ポンプまたは医療装置にフィットし、かつ患者の血管に挿入されるようにサイズ設定された細長いシース102を含む。細長いシース102は、第一のハブ部分112の厚さが最小厚さ132になり得る点である第一のノッチ114を含む第一のハブ部分112によって包囲されている。第二のハブ部分116が第一のハブ部分112を包囲し、かつ第一のノッチ114の上に開口120を含む。いくつかの実施形態において、第一のノッチ114は、第一のハブ部分112のリッジまたは延長部(
図5に128aおよび128bとして示す)によってさらに画定され得る。いくつかの実施形態において、第一のノッチ114のベースは第一のハブ部分112によって画定され得、第二のハブ部分116は、第一のノッチ114の上部をさらに画定し得る。第二のハブ部分116はまた、第一のウィング118aおよび第二のウィング118bを含む。
【0034】
図7は、横方向きのウィング218aおよび218bを有するイントロデューサハブアセンブリ200の代替態様の斜視図を示す。イントロデューサハブアセンブリ200は、患者の血管への心臓ポンプの通過を許すようにサイズ設定された内径204および縦軸208を有する細長いシース202と、第一のノッチ214を有する第一のハブ部分212と、第一のノッチ214の上の開口220ならびに第一および第二のウィング218aおよび218bを有する第二のハブ部分216とを含む。
【0035】
第一のウィング218aおよび第二のウィング218bは、ウィング218aおよび218bの広い面224aおよび224bが細長いシース202の縦軸208に対して垂直になるように配向されている。この態様において、イントロデューサハブアセンブリ200は、
図1の態様の場合とは異なる技術を使用して破断され、患者から切り離される。より具体的には、第一のノッチ214においてハブ210を破断するために、ウィング218aおよび218bの広い面224aおよび224bを細長いシース202に向けて押しやる。ハブ210は、第一のノッチ214および第一のノッチ214とは反対側にある第二のノッチ(図示せず)に沿って破断する。加えて、細長いシース202は、縦方向の切り込み222および縦方向の切り込み222とは反対側にある第二の縦方向の切り込み(図示せず)において裂ける。すると、イントロデューサハブアセンブリ200は半分に破断し、それを取り外して、装置、カテーテルまたはガイドワイヤを患者の血管中の所定の位置に残すことができる。
【0036】
図8は、患者の血管140に挿入された
図2、4および6のイントロデューサハブアセンブリ100を、その中を部分的に通って延びる経皮ポンプ142とともに示す。経皮ポンプ142は、ポンプヘッド144およびカテーテルボディ146のような様々な特徴を含むことができる。経皮ポンプ142は、血管内心臓ポンプ、フレキシブルシャフトおよび患者の体の外に配置されたモータによって駆動される心臓ポンプ、埋め込み可能なモータを含む心臓ポンプ、拡張可能なポンプロータを有する心臓ポンプまたは任意の他の適当なポンプであり得る。イントロデューサハブアセンブリ100が、矢印148によって示される方向に血管開口150に通して血管140の中へと進められ、その後、経皮ポンプ142がイントロデューサハブアセンブリ100に通して血管140に挿入される。血管140は大腿動脈であり得、血管開口150は動脈切開部であり得る。
【0037】
経皮ポンプ142がイントロデューサハブアセンブリ100に通して進められたのち、イントロデューサハブアセンブリ100は取り外され、いくつかの実施形態においては、長期的使用に適切な装置によって置き換えられ得る。イントロデューサハブアセンブリを取り外すために、ヘルスケア従事者は、第一および第二のウイング118aおよび118bをつかみ、細長いシース102に向かう方向の力または第一のウィング118aを第二のウィング118bに向けて押しやる、細長いシース102に対して半径方向の力(細長いシース102に対する第一および第二のウイング118aおよび118bの向きに依存する)のいずれかをウィング118aおよび118bに加え得る。図示されるウイング118aおよび118bの向きにおいて、ヘルスケア従事者は、半径方向(細長いシース102に対して半径方向)の力をウィング118aおよび118bに加えて、それらを互いに向けて動かす。第一および第二のウイング118aおよび118bは、第二のハブ部分116の剛性材料で形成され、かつ力を加えられてもたわまない。加えられた力は、ウィング118aおよび118bから第一のノッチ114および第二のノッチ126(図示せず)に伝達される。第一のノッチ114および第二のノッチ126における第一のハブ部分112の最小厚さ132が、ハブ110が第一のノッチ114および第二のノッチ126で破断することを可能にする。いくつかの実施形態において、ヘルスケア従事者は、第二のノッチ126を破断するために、第二の半径方向の力を反対方向に加える。細長いシース102上の縦方向の切り込み122が、シースが縦軸208に沿って分離することを可能にし、ハブ110および細長いシース102は2つのピースへと剥ぎ取られて、経皮ポンプ142を血管140中の所定の位置に残し得る。
【0038】
前記は本開示の原理を単に例示したものであり、装置は、限定のためではなく例示のために提示された前記態様以外によっても実施することができる。本明細書に開示された装置は、心臓ポンプの経皮挿入における使用に関して示されているが、止血を要する他の用途における装置にも適用され得ることが理解されよう。
【0039】
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載された1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現されてもよい。上記様々な特徴は、それらの任意の構成部分を含め、他のシステムとして組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【0040】
変更、置換および変形の例は当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された情報の範囲を逸脱することなく実施することもできる。本明細書の中で引用されたすべての参考文献は、参照により全体として組み入れられ、本出願の一部を構成する。