(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】一体型骨伝導トランスデューサ付き呼吸マスク
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20220609BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
H04R1/00 318D
A62B18/08 A
H04R1/00 317
(21)【出願番号】P 2019508919
(86)(22)【出願日】2017-08-16
(86)【国際出願番号】 US2017047112
(87)【国際公開番号】W WO2018035207
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-08-17
(32)【優先日】2016-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518120946
【氏名又は名称】スコット テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SCOTT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ダーリン カイル
(72)【発明者】
【氏名】バッサーニ, エリック ジェームズ
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第90/004908(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090257(US,A1)
【文献】特表2012-510218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
A62B 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド(36)及び少なくとも1つの骨伝導要素(12)を含む骨伝導装置(10)
であって、前記バンド(36)が中央部分及び少なくとも第1の端部(74)を有し、前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)が前記少なくとも第1の端部(74)に結合されている、骨伝導装置(10)と、
前記骨伝導装置(10)が結合されたウェアラブル装置(16)であって、
顔係合シール(32)及び前記顔係合シール(32)に近接する面体シール(24)を有し、前記面体シール(24)と前記顔係合シール(32)との間に前記バンド(36)の前記中央部分を配置することによって、複数の支持軸に沿って前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)を
少なくとも部分的に安定させるウェアラブル装置(16)と、
を備える、骨伝導通信システム(5)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)は、前記ウェアラブル装置(16)の第1の位置に結合された第1の骨伝導要素(12a)と、前記ウェアラブル装置(16)の第2の位置に結合された第2の骨伝導要素(12b)とを含
み、
前記第1の位置が前記第1の端部(74)である、請求項1に記載の骨伝導通信システム(5)。
【請求項3】
前記ウェアラブル装置(16)は呼吸マスクである、請求項2に記載の骨伝導通信システム(5)。
【請求項4】
前記ウェアラブル装置(16)は、面体(20)と、前記面体(20)に結合された通信コントローラハウジング(22)とをさらに含み、前記通信コントローラハウジング(22)は通信コントローラ(62)を含み、前記通信コントローラ(62)は、
プロセッサ(140)及びメモリ(142)を有する処理回路(138)と、
通信ユニット(144)を有する通信コントローラトランシーバ(126)と、
を備え、
前記通信コントローラ(62)は前記骨伝導装置(10)と電気的に通信する、請求項
1に記載の骨伝導通信システム(5)。
【請求項5】
ウェアラブル装置(16)、第1の骨伝導要素(12a)、第2の骨伝導要素(12b)、及びバンド(36)を備える骨伝導通信システム(5)であって、
前記ウェアラブル装置(16)は、
顔係合シール(32)、前記顔係合シール(32)に近接する面体シール(24)、前記ウェアラブル装置(16)の第1の側に
ある第1のストラップ結合要素(40a
)、及び、前記ウェアラブル装置(16)の第2の側に
ある第2のストラップ結合要素(40b)を有し、
前記第1の骨伝導要素(12a)は、
第1の骨伝導トランスデューサ(98)と、
プロセッサ(130)およびメモリ(132)を有し、前記第1の骨伝導トランスデューサ(98)と電気的に通信する第1の処理回路(128)と、
通信ユニット(122)を有し、前記第1の骨伝導トランスデューサ(98)が第1の処理回路(128)と通信する第1のトランシーバ(120)と、
前記第1のトランシーバ(120)及び前記第1の骨伝導トランスデューサ(98)と通信する第1の増幅器(134)と、
前記第1の増幅器(134)、前記第1のトランシーバ(120)、及び前記第1の処理回路(128)と通信する第1の電源(136)と、
を含み、
前記第2の骨伝導要素(12b)は、
第2の骨伝導トランスデューサ(98)と、
プロセッサ(130)及びメモリ(132)を有し、前記第2の骨伝導トランスデューサ(98)と通信する第2の処理回路(128)と、
通信ユニット(122)を有し、前記第2の処理回路(128)と通信する第2のトランシーバ(120)と、
前記第2のトランシーバ(120)及び前記第2の骨伝導トランスデューサ(98)と通信する第2の増幅器(134)と、
前記第2の増幅器(134)、前記第2のトランシーバ(120)、及び前記第2の処理回路(128)と通信する第2の電源(136)と、
を含み、
前記バンド(36)は、
中央部分、第1の端部(74)及び前記第1の端部(74)とは反対側にある第2の端部(76)を有し、
前記第1の骨伝導要素(12a)が前記第1の端部(74)に位置し、前記第2の骨伝導要素(12b)が前記第2の端部(76)に位置し、前記バンド(36)は、前記第1の骨伝導要素(12a)が前記第1のストラップ結合要素(40a)に結合されるように、かつ前記第2の骨伝導要素(12b)が前記第2のストラップ結合要素(40b)に結合されるように前記ウェアラブル装置(16)に結合されており、
前記ウェアラブル装置(16)が、前記面体シール(24)と前記顔係合シール(32)との間に前記バンド(36)の前記中央部分を配置することによって、前記第1の骨伝導要素(12a)及び前記第2の骨伝導要素(12b)
をそれぞれ複数の支持軸に沿って
少なくとも部分的に安定化さ
せる、骨伝導通信システム(5)。
【請求項6】
ウェアラブル装置(16)であって、
面体(20)と、
プロセッサ(140)及びメモリ(142)を備える処理回路(138)を有する通信コントローラ(62)と、
前記面体(20)に結合されており、少なくとも1つのストラップ結合要素(40)を含む顔係合シール(32)と、
前記顔係合シール(32)に近接する面体シール(24)と、を含むウェアラブル装置(16)と、
バンド(36)及び少なくとも1つの骨伝導要素(12)を含む骨伝導装置(10)であって、前記バンド(36)が中央部分及び少なくとも第1の端部(74)を有し、前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)が前記少なくとも第1の端部(74)に結合されており、前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)が少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ(98)
を含み、前記少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ(98)が前記少なくとも1つのストラップ結合要素(40)内にあり、
前記ウェアラブル装置(16)が、前記面体シール(24)と前記顔係合シール(32)との間に前記バンド(36)の前記中央部分を配置することによって、前記少なくとも1つの骨伝導要素(12)及び前記少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ(98)を複数の支持軸に沿って
少なくとも部分的に安定化さ
せ、
前記少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ(98)が、前記通信コントローラ(62)と電気的に通信するように構成された
、骨伝導装置(10)と、
を備える骨伝導通信システム(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に着用者の頭部に対して安定化された少なくとも1つの骨伝導要素を含む骨伝導通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
骨伝導技術に基づく装置は次第に普及している。これらの装置は、外耳及び中耳を通る空気伝導を介して音を伝達するのではなく、着用者の頭蓋骨を介してトランスデューサから内耳へ音を伝達する。この方法により伝達される音は、着用者以外の人にはほとんど聞こえず、騒音の多い状況でも聞き取りやすい。また、骨伝導トランスデューサは、着用者に違和感や不都合を与えることなく、他のヘッドギア下に嵌合されように高さを低くすることができる。
【0003】
これら及びその他の特徴は、第一対応者による使用にとって骨伝導装置を特に有用にする。例えば、環境雑音が多い状況、及び/またはオーディオ装置が緊急時に装着し易くなければならず、また呼吸マスクなどの従来の個人保護装置(PPE)の上又は下に装着しなければない状況では、消防士が骨伝導装置を使用する場合がある。
【0004】
既知の骨伝導システムは、トランスデューサが所望の場所に留まらずに滑ってしまい有効性を阻む。このような滑りとずれは、着用者がシステムを容易に再調整することができる娯楽環境では許容可能な場合もあるが、このような再調整は、着用者が第一対応者である場合のような緊急事態では容易に実現できないおそれがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、使用時に着用者の頭部に対して安定化された少なくとも1つの骨伝導要素を含む骨伝導通信システムを有用に提供する。一実施形態では、骨伝導通信システムは、少なくとも1つの骨伝導要素を含む骨伝導装置とウェアラブル装置とを含み、骨伝導装置はウェアラブル装置に結合されており、ウェアラブル装置は複数の支持軸で少なくとも1つの骨伝導要素を安定させている。本実施形態の一態様では、少なくとも1つの骨伝導要素は、ウェアラブル装置上の第1の位置に結合された第1の骨伝導要素と、ウェアラブル装置上の第2の位置に結合された第2の骨伝導要素とを含む。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は呼吸マスクである。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は複数のストラップ結合要素である。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は、顔係合シールを含み、顔係合シールは、複数のストラップ結合要素を含む。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は、第1のストラップ結合要素及び第2のストラップ結合要素を含み、第1の骨伝導要素は第1のストラップ結合要素に結合されており、第2の骨伝導要素は第2ストラップ結合要素に結合されている。本実施形態の一態様では、第1の骨伝導要素は、第1の表面及び第2の表面を備える第1のハウジングを有し、第2の骨伝導要素は、第1の表面及び第2の表面を備える第2のハウジングを有し、第1及び第2の骨伝導要素ハウジングのそれぞれの第2の表面は、第1及び第2の骨伝導要素ハウジングのそれぞれの第2の表面から突出するストラップ係合要素を有する。本実施形態の一態様では、第1及び第2のストラップ結合要素はそれぞれ、第1の表面、第2の表面、及び開口を有する。第1のストラップ結合要素の第1の表面は、第1の骨伝導要素のストラップ結合要素が第1のストラップ結合要素の開口を通って延びるように第1の骨伝導要素ハウジングの第2の表面と接しており、第2のストラップ結合要素の第1の表面は、第2の骨伝導要素のストラップ結合要素が第2のストラップ結合要素の開口を通って延びるように第2の骨伝導要素ハウジングの第2の表面と接している。本実施形態の一態様では、骨伝導通信システムは、第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部とを有するバンドを更に含み、第1の骨伝導要素はバンドの第1の端部に結合されており、第2の骨伝導要素はバンドの第2の端部に結合されている。本実施形態の態様において、ウェアラブル装置は更に面体及び顔係合シールに近接する面体シールを更に含み、バンドは面体シールと顔係合シールとの間に配置されている。本実施形態の一態様において、ウェアラブル装置は、第1のストラップ結合要素及び第2のストラップ結合要素を更に含み、第1の骨伝導要素の少なくとも一部が第1のストラップ結合要素内に位置し、第2の骨伝導要素の少なくとも一部が第2のストラップ結合要素内に位置する。本実施形態の一態様では、第1のストラップ結合要素は第1のポケットを画定し、第2のストラップ結合要素は第2のポケットを画定し、第1の骨伝導要素の少なくとも一部分は第1のポケット内に位置し、第2の骨伝導要素の少なくとも一部は第2のポケット内に位置する。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は、面体と、面体に結合されており、通信コントローラを含み、この通信コントローラがプロセッサ及びメモリを備える処理回路を有する通信コントローラハウジングと、通信ユニットを有する通信コントローラトランシーバと、を更に含み、前記通信コントローラは、骨伝導装置と電気的に通信する。本実施形態の一態様において、第1及び第2の骨伝導要素の少なくとも1つは、メモリ及びプロセッサを有する処理回路と、増幅器と、トランシーバを有する通信ユニットとを更に含み、前記第1及び第2の骨伝導要素の少なくとも1つは通信コントローラと通信する。本実施形態の一態様において、通信ユニットは無線通信ユニットである。
【0006】
一実施形態において、骨伝導通信システムはウェアラブル装置を含み、ウェアラブル装置は、このウェアラブル装置の第1の側に第1のストラップ結合要素と、このウェアラブル装置の第2の側に第2のストラップ結合要素とを有する。骨伝導通信システムは、第1の骨伝導要素も含む。第1の骨伝導要素は、第1の骨伝導トランスデューサと、メモリ及びプロセッサを有する第1の処理回路とを含む。第1の処理回路は第1の骨伝導トランスデューサと電気的に通信する。第1の骨伝導要素は、第1の骨伝導トランスデューサが第1の処理回路と通信する通信ユニットを有する第1のトランシーバと、この第1のトランシーバ及び上記第1の骨伝導トランスデューサと通信する第1の増幅器と、第1の増幅器、第1のトランシーバ、及び第1の処理回路と通信する第1の電源と、を更に含む。骨伝導通信システムは、第2の骨伝導トランスデューサを含む第2の骨伝導要素と、メモリ及びプロセッサを有する第2の処理回路とを含み、この第2の処理回路は第2の骨伝導トランスデューサと通信する。第2の骨伝導要素は、第2のトランシーバが第2の処理回路と通信する通信ユニットを有する第2のトランシーバと、第2のトランシーバ及び第2の骨伝導トランスデューサと通信する第2の増幅器と、第2の増幅器、第2のトランシーバ、及び第2の処理回路と通信する第2の電源と、を更に含む。骨伝導通信システムは、第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部とを有するバンドを更に含み、第1の骨伝導要素が第1の端部にあり、第2の骨伝導要素が第2の端部にある。バンドは、第1のストラップ結合要素に第1の骨伝導要素が結合され、第2の骨伝導要素が第2のストラップ結合要素に結合されるように、ウェアラブル装置に結合されている。第1及び第2の骨伝導要素のそれぞれは、複数の支持軸に沿ってバンド及びウェアラブル装置によって安定化される。本実施形態の一態様では、第1の骨伝導要素はウェアラブル装置上の第1の位置に連結され、第2の骨伝導要素はウェアラブル装置上の第2の位置に連結される。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置はヘルメットに結合される。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は面体及び通信コントローラを含み、通信コントローラとバンドは面体に結合されている。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は、面体と、面体に結合された通信コントローラと、面体に結合された第1のシールと、第一のシールに近接して面体に結合された顔係合シールと、第1のシールと顔係合シールとの間に位置するバンドとを含む。
【0007】
一実施形態では、骨伝導通信システムは、面体と、プロセッサ及びメモリを備える処理回路を有する通信コントローラと、面体に結合されており、ストラップ結合要素を含む顔係合シールと、ストラップ結合要素内の少なくとも1つの骨伝導トランスデューサと、を含むウェアラブル装置を備え、前記少なくとも1つの骨伝導トランスデューサは、複数軸に沿ってストラップ結合要素によって安定化され、通信コントローラと電気的に通信するように構成されている。本実施形態の一態様では、骨伝導通信システムは、着用者の頭部に装着されるように構成されたヘルメットを更に含み、ウェアラブル装置の少なくとも一部は、ヘルメットと着用者の頭部との間に配置されるように構成されている。本実施形態の一態様では、少なくとも1つの骨伝導トランスデューサは、第1の骨伝導トランスデューサ及び第2の骨伝導トランスデューサを含み、第1及び第2の骨伝導トランスデューサのうちの少なくとも一方はトランシーバに電気的に接続され、トランシーバは通信コントローラと無線通信する。本実施形態の一態様では、ストラップ結合要素は、ポケットを画定し、少なくとも1つの骨伝導トランスデューサは、ストラップ結合要素ポケット内に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面とあわせて考察すると、以下の詳細な説明を参照することによって、本発明のより完全な理解、並びにそれに付随する利点及び特徴がより容易に理解されるであろう。
【
図1】骨伝導システムの第1の実施形態の展開図であり、骨伝導装置は、骨伝導要素と通信コントローラとの間の無線接続を含む。
【
図2】骨伝導システムの第1の実施形態の後面斜視図である。
【
図3】骨伝導システムの第1の実施形態の後面図である。
【
図4】骨伝導システムの第2の実施形態の後面斜視図であり、骨伝導装置は、骨伝導要素と通信コントローラとの間の無線接続を含む。
【
図5】骨伝導システムの第2の実施形態の後面斜視図である。
【
図6】骨伝導システムの第3の実施形態の後面斜視図であり、骨伝導装置は、骨伝導要素と通信コントローラとの間の無線接続を含む。
【
図7】骨伝導装置の第3の実施形態の後面図である。
【
図8】骨伝導システムの第4の実施形態の後面斜視図であり、骨伝導装置は、骨伝導要素と通信コントローラとの間の有線接続を含む。
【
図9】骨伝導装置の第4の実施形態の後面図である。
【
図10】骨伝導装置と通信コントローラとの無線接続を提供する電子部品のブロック図である。
【
図11】骨伝導装置と通信コントローラとの有線接続を提供する電子部品のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、使用時に着用者の頭部に対して安定化された少なくとも1つの骨伝導要素を含む骨伝導通信システムを有用に提供する。例えば、骨伝導システムは、呼吸マスクのようなウェアラブル装置の上または内部に組み立てられた少なくとも1つの骨伝導要素を含む。ウェアラブル装置は、複数の支持軸(例えば、x軸、y軸及びz軸の少なくとも2つ)に沿って少なくとも1つの骨伝導要素を安定化させる。一実施形態では、ウェアラブル装置は、3つの全支持軸(x、y、z軸)に沿って少なくとも1つの骨伝導要素を安定化させる。一実施形態では、骨伝導装置は、少なくとも1つの骨伝導要素に結合されたバンドを含み、バンドは、ウェアラブル装置の2つのシール間などでウェアラブル装置に結合されている。あるいは、ウェアラブル装置は、少なくとも1つの骨伝導要素のそれぞれに対してポケットを含む、又はハウジングを画定する。更に、ウェアラブル装置は、少なくとも1つの骨伝導要素に直接結合されたストラップを含む。このようにして、少なくとも1つの骨伝導要素は、固定されたバンド及び/又はストラップの装着によって装着者の頭部に対して安定化される。
【0010】
本開示による例示的な実施形態を詳細に説明する前に、構成要素は、必要に応じて、本明細書の説明の利得を有する当業者に容易に明らかであろう詳細な説明により本開示を不明瞭にしないように本開示の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示している図面において従来の記号によって表されていることに留意されたい。
【0011】
本明細書で使用される場合、「第1の」、「第2の」、「上部」、及び「下部」などの関係を示す用語は、1つの実体又は要素を別の実体又は要素と単に区別するために、そのような実体同士若しくは要素同士の間の物理的若しくは論理的関係、又は順序を必ずしも必要とする又は意味することなく、使用される。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本明細書で説明する概念の限定を意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうでないことが明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。更に、用語「備える」、「備えている」、「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示し、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/若しくはそれらのグループの存在又は追加を除外しないと理解されよう。
【0012】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されているすべての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、本開示が属する当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。更に、本明細書で使用される用語は、本明細書の文脈及び関連技術におけるそれらの意味と矛盾しない意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書で特にそう定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されないと理解されよう。
【0013】
次に、図面を参照すると、図面では、同様な参照呼称は同様な要素を示しており、本発明の原理にしたがって構築された骨伝導システムの一実施形態が示され、全体が「5」で示されている。
図1~8に示す骨伝導通信システム5は、第1の骨伝導要素及び第2の骨伝導要素を含む骨伝導装置を主に含む。本明細書に記載及び図示される実施形態は2つの骨伝導要素を示しているが、実施例は2つの骨伝導要素に限定されないと理解される。単一の骨伝導要素、例えば、トランスデューサ及びハウジングを実装してもよいと理解される。同様に、3つ以上の骨伝導要素が、装着者の頭部の異なる位置に実装され位置決めされてもよい。
【0014】
図1は、骨伝導通信システム5の第1の実施形態の展開図である。非限定的例として、骨伝導装置10は、ウェアラブル装置16に結合された少なくとも1つの骨伝導要素12を含む。例えば、骨伝導装置10は、第1の骨伝導要素12aと第2の骨伝導要素12bとを備える。ウェアラブル装置16は、緊急事態において第一応答者が着用できるような呼吸用マスクとすることができ、面体20、通信コントローラハウジング22、上側面体(または第1の)シール24及び下側面体(または第2の)シール26などの1つ以上の面体シール、ノーズカップ30、第1の顔係合シール32、及び1つ以上のフィルタ、呼吸マスク、及び/又はその他のマスクを含む。
図1~3に示す第1の実施形態では、骨伝導装置10は、バンド36に結合された少なくとも1つの骨伝導要素12を含み、少なくとも1つの骨伝導要素12及びバンド36は、バンド36が顔係合シール32と上側面体シール24との間で固定され、少なくとも1つの骨伝導要素12が1つ以上のストラップ結合要素40によって着用者の顔面に対して保持されるように、ウェアラブル装置16に結合されている。しかしながら、ウェアラブル装置16は、
図1に示す部品よりも多くの部品を含んでいてもよいと理解される。例えば、一実施形態では、ウェアラブル装置16は、顔係合シール32、又は任意で上側面体シール24、下側面体シール26、及び/又はノーズカップ30を含まず、骨伝導通信システム5を着用者の頭部に装着するための1つ以上のストラップ又はハーネスを含む(例えば、ウェアラブル装置16がルーズフィットするヘッドトップマスクである実施形態)。この構成において、バンド36は、骨伝導通信システム5の面体20及び/又は他のコンポーネントに直接結合することができる。
【0015】
ウェアラブル装置16は、第一対応者などの着用者が、火災、煙、ガス、蒸気、エアロゾル、生物剤及び/又は同様のものなどの有害物質に曝される環境で着用されるように構成されている。したがって、マスクは、着用者の顔の全部または一部に適合するようにサイズが設定された面体20を含む。例えば、この面体20は、使用者の目、鼻及び口を覆うようにサイズが設定されている。あるいは、面体20は、使用者の鼻と口だけを覆うようにサイズが設定される。面体20は、呼吸マスク面体に一般的に使用される透明又は半透明の材料から作製される。面体20は内部を画定し、内面と内面の反対側の外面とをさらに含む。任意に、面体20は、マスク着用時に着用者に近い側の近位端46と、マスク着用時に着用者から遠い側の遠位端48とを含む。ウェアラブル装置16は、空気レギュレータ(図示せず)の少なくとも一部を収容するようなサイズと構成の開口50を更に含む。開口50は、面体、通信コントローラハウジング、及び/又はマスクの他の部品によって画定することができる。非限定的な例として、レギュレータは、空気清浄調節器(APR)、送気/自給呼吸装置(SCBA)、電動ファン付き空気清浄調節器(PAPR)、又は化学、生物学的、放射線、及び核防御(CBRN防御)用のレギュレータ及び/又はフィルタであってよい。さらに、骨伝導通信システム5は、図示しないが、他のタイプの個人用保護装置と共に使用するように構成してもよい。一実施形態では、ウェアラブル装置16は、第一応答者のキャップ又はヘルメットに着用されるようなサイズと構成を有する。一実施形態では、ウェアラブル装置16は、ヘルメット及び/又はキャップなどの個人用保護装置に結合される、又は結合されるように構成される。実施形態は、面シールを有する呼吸マスクに限定されない。面シールを含まず、ヘッドハーネス部品を使用する呼吸マスクなどの他の実施形態を使用することも考えられる。
【0016】
1つ以上の面体シール24、26、ノーズカップ30、及び顔係合シール32は、ゴム(例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム及び/又はラテックスフリーポリイソプレン)及び/又はシリコーンなどの柔軟な低刺激性材料から成る。このノーズカップ30は、面体20の内部に配置されており、マスク着用時に着用者の顔面に接触する。この面体シール24、26は、フェースプレートの縁部と顔係合シールとの間に円滑なインタフェースを提供する。顔係合シール32は、着用者の顔の周りに滑らかで流体密なシールを提供する。また、顔係合シール32は、複数のストラップ結合要素40を含む。マスクは、顔係合シール32のストラップ結合要素40(例えば、第1ストラップ結合要素40a及び第2ストラップ結合要素40b)に結合された複数のストラップ54を更に含む。あるいは、ストラップ54は、顔係合シール32以外のウェアラブル装置16の部品に結合してもよい。一実施形態では、ストラップ54は、ヘルメット及び/又はキャップなどの個人用保護装置の1つ以上のアイテムに結合されるように構成される。ストラップ54は、ナイロン、繊維ポリエステル、ゴム、及び/又はLRVLAR(登録商標)(デラウェア州、E.I.du Pont de Nemours and Company)などの材料で作製することができる。
【0017】
通信コントローラハウジング22は、面体20の一部、例えば、面体20の遠位端48に装着される。任意に、通信コントローラハウジング22は、通信コントローラハウジング22を面体20に連結する連結板56を更に含む。通信コントローラハウジング22、連結板56、面体20は共に、レギュレータと結合してノーズカップ30と流体連通するドッキングポート58を提供することができる。しかしながら、通信コントローラハウジング22は、マスク上のどの位置にあってもよいことが分かる。通信コントローラハウジング22は、
図10及び
図11を参照してより詳細に説明するコントローラを含む。
【0018】
図1~3を参照すると、骨伝導通信システム5の第1の実施形態は、バンド36に結合された少なくとも1つの骨伝導要素12を含む骨伝導装置を含む。上述するように、2つの骨伝導要素12a、12bが図面に示されているが、マスクは任意の数の骨伝導要素を含んでいてもよいことが分かる。例えば、骨伝導デバイス10は、バンド36によって結合された第1の骨伝導要素12a及び第2の骨伝導要素12bを含むことができる。しかしながら、任意の数の骨伝導要素は、集合的に「骨伝導要素12」と称することができる。各骨伝導要素12は、ストラップ係合要素66を有し、トランスデューサを収容する骨伝導要素ハウジング64を含み、トランスデューサは、振動して着用者の顔及び/又は頭骨に対応する機械的振動を付与するように配置されており、トランスデューサの振動に対応する音波を着用者に聞かせることができる。例えば、骨伝導装置10は、第1のストラップ係合要素66aを有するハウジング64aを含む第1の骨伝導要素12aと、第2のストラップ係合要素66bを有するハウジング64bを含む第2の骨伝導要素12bとを含む。バンド36は、マスクの液密封止を維持しつつ、上側面体シール24と顔係合シール32の上部との間に収まるようなサイズと構成を有する。例えば、バンド36は、上側面体シール24と顔係合シール32の上部の湾曲に一致するように湾曲させてもよい。あるいは、バンド36は湾曲させる代わりに、バンドをシール24、32間の空間に適合させるのに十分な可撓性を有するシリコーンなどの材料で作製することができる。バンド36は、第1の端部74と、第1の端部74の反対側の第2の端部76とを含み、第1の端部74及び第2の端部の少なくとも一方は骨伝導要素に結合されている。例えば、骨伝導装置10は、第1の骨伝導要素ハウジング64aに結合された第1の端部74と、第2の骨伝導要素ハウジング64bに結合された第1の端部74の反対側の第2の端部76とを有するバンド36を含むことができる。あるいは、バンド36及び骨伝導要素ハウジング64は、製造中に単独部品に一体化させることができる。例えば、バンド36及び骨伝導要素64は、単独片として成形してもよい。骨伝導要素ハウジング64とバンド36は、プラスチックなどの剛性又は半剛性材料から作製されている。任意で、バンド36は、骨伝導要素ハウジング64よりも剛性が低いものであってもよいし、骨伝導要素ハウジング64よりもデュロメータ硬度が低いものであってもよい。また、1つ以上のワイヤ、骨伝導要素部品、及び/又は通信部品は、バンド36内に収容し、骨伝導要素12と連通してもよい。
【0019】
各骨伝導要素ハウジングの外面は隣接するストラップ結合要素の内面に接触しているため、骨伝導ハウジングの内面は、マスク着用時の着用者の顔面の両側に接触している。非限定的例として、第1の骨伝導要素ハウジング64aの外(又は第2の)面80は、第1のストラップ結合要素40の内(又は第1の)面82と接触しており、第1の骨伝導要素ハウジング64aの内(又は第1の)面84は着用者の右こめかみに接触している。同様に、第2の骨伝導要素ハウジング64bの外(又は第2の)表面88は第2のストラップ結合要素42の内(又は第1の)面90に接触しており、第2の骨伝導要素ハウジング64bの内(又は第1の)面90は着用者の左こめかみに接触している。各骨伝導要素ハウジング64は、ハウジング内の骨伝導トランスデューサ98に隣接するトランスデューサ領域96を含む。
【0020】
更に、各骨伝導要素ハウジング64の外面80、88は、骨伝導要素ハウジング64の外(又は第2の)面80、88からある距離だけ延在する突出ストラップ係合要素66を含む。各ストラップ結合要素40は、対応するストラップ係合要素66が、ストラップ結合要素開口100(
図2に示す)を一定の距離だけ越えて外方に延在するような寸法及び構成の開口100を含む。各ストラップ54は、現在知られているようにストラップ係合要素66に嵌合固定可能なキーホール状開口104を有するキーホールブラケット102を含む。例えば、各ストラップ係合要素66は、ヘッド部106とネック部108とを含んでいてもよく、ネック部108はいくつかの実施形態において、ヘッド部106よりも小さい幅又は直径を有する。キーホール状開口104は、ストラップ係合要素66のヘッド部106に嵌合するサイズの幅広部と、ネック部108に嵌合するサイズの幅狭部とを有してもよい。よって、例えばストラップ54を締め付けるときのように、幅狭部がネック部108に嵌合するまでキーホールブラケット102をスライドさせることによって、ネック部108はブラケット102をストラップ係合要素66にロックし、したがってストラップ54をウェアラブル装置16に固定する。しかしながら、任意の適切な結合手段を使用してもよいことが分かる。このように、ストラップ54は、第1及び第2の骨伝導要素ハウジング64a、64bに結合されることによって、顔係合シール32、ひいてはウェアラブル装置16に固定することができる。あるいは、ストラップ54は、顔係合シール32及び/又はウェアラブル装置16の他の部分に直接固定することができる。
【0021】
したがって、使用中、ウェアラブル装置16は、いくつかの支持軸に沿って各骨伝導要素12を安定させる。骨伝導要素12は、x軸に沿って着用者の右側から左側まで延在するx軸、着用者の顎から着用者の頭頂部まで延在するy軸、及び着用者の頭部後方から頭部前方まで延在するz軸に沿って安定化される。例えば、バンド36と、上側面体シール24と顔係合シール32との間の位置により、骨伝導要素12が着用者の顔面から着用者の顎に向かって落下するのが防止され(すなわち、y軸に沿って骨伝導要素を安定させる)、骨伝導要素12が着用者の顔面に対して側方に移動するのが防止され(すなわち、x軸に沿って骨伝導要素を安定させる)、及び骨伝導要素12が着用者の顔面の前方に向かって移動するのが防止される(すなわち、z軸に沿って骨伝導要素を安定させる)。更に、ストラップ係合要素66の延長及び/又はストラップ54によって着用者の顔面に対して骨伝導要素ハウジング64に作用する圧力も、同様に、骨伝導要素12をx軸、y軸及びz軸に沿って安定させる。すなわち、ストラップ54は、装着者の頭部にウェアラブル装置を保持するだけでなく、骨伝導要素ハウジング(64)を装着者の頭部に対して確実に留めることができる。
【0022】
各骨伝導要素12は骨伝導トランスデューサ98を含む。従来のオーディオスピーカと異なり、骨伝導トランスデューサ98はムービングコーンを含まず、1つの非限定的例において、その代わりにコイルにより巻回した金属ロッドを含んでもよい。しかしながら、トランスデューサは、電気信号を機械振動に変換することができる任意の構成をとることができると理解され、機械振動は電源からロッド及びコイルを通して送られる。
【0023】
図1~3に示すように、骨伝導要素12は、
図10を参照してその構造がより詳細に示され記載される通信コントローラ62と無線通信する。骨伝導要素12が通信コントローラ62と無線通信する場合であっても、通信コントローラ62は、1つ以上のシステム部品及び/又は周辺装置の有線接続用の物理的インタフェースを任意で含んでいてもよい。一実施形態では、1つ以上の骨伝導要素12は、他人への伝送用に着用者の音声を傍受するマイクロホンの役目を果たす。この場合、骨伝導要素12は、双方向に動作して装着者の音声を補足し、捕捉した音声をウェアラブル装置16に送信し、装着者がウェアラブル装置16から受信した音声を聴取できるように振動する。
【0024】
図4及び5は、骨伝導システムの第2の実施形態を示す。
図4及び5に示す骨伝導システム5の第2の実施形態は、
図11を参照してより詳細に示され記載されるように、骨伝導要素12が通信コントローラ62と有線通信することを除けば、
図1~3に示す骨伝導システム5の第1の実施形態に類似する。この構成において、骨伝導装置は、1つ以上の骨伝導要素12内のインタフェース110と通信コントローラハウジングインタフェース112との間に脱着可能に接続されるコネクタ109を含む。インタフェース110、112及びコネクタ109は、骨伝導デバイスと通信コントローラとの間の電気信号の伝送に適した、USB接続、ポゴピン接続などの既知のインタフェース構成を用いて取り外し可能に接続可能である。
【0025】
図6及び7は骨伝導通信システム5の第3の実施形態を示す。骨伝導装置10は、ウェアラブル装置16の一部分に直接結合された少なくとも1つの骨伝導要素12を含む。2つの骨伝導要素12a、12bが図面に示されているが、マスクは任意の数の骨伝導要素を含むことができると分かる。非限定的例として、骨伝導装置10は、第1の骨伝導要素12a及び第2の骨伝導要素12bを含んでもよい。各骨伝導要素12a、12bはハウジング64a、64bを含む、又はストラップ結合要素40は対応する骨伝導要素12a、12bの部品を含有するハウジングを画定する。この場合、各骨伝導要素12a、12bは、対応ストラップ結合要素40a、40bに一体化される対応ポケット114に嵌合する。例えば、骨伝導装置10は、第1のストラップ結合要素40内の第1のポケット114aに嵌合する第1の骨伝導要素ハウジング64aと、第2のストラップ結合要素42内の第2のポケット114bに嵌合する第2の骨伝導要素ハウジング64bとを含んでもよい。ポケット114は
図6及び7において点線で示され、骨伝導要素12がポケット114内に位置することが分かる。すなわち、骨伝導トランスデューサ98などの骨伝導要素12の部品は、ストラップ結合要素40内にあるので視認されない。各ストラップ結合要素は、ストラップ結合要素40が着用者の顔面に対してその形状及び構成を維持するのを助ける補強要素116を任意に含む。また、図示しないが、
図1~5に示し記載するように、各骨伝導要素ハウジング64はストラップ係合要素66を含んでもよい。あるいは、各骨伝導要素ハウジング64は、ストラップ係合要素66を含まず、顔係合シール32は、各ストラップ結合要素のそれぞれにストラップ係合要素を含んでもよい。あるいは、ストラップ54は、面体又は他のマスク部品に直接装着してもよい。
【0026】
更に、
図6及び7に示す骨伝導通信システム5は、
図6及び7に示す骨伝導通信システム5がバンド36を含まないことを除き、
図1~3に示す骨伝導通信システム5と同様である。しかしながら、ストラップ結合要素40に対する骨伝導要素12の構成は、上述したようにx軸、y軸、及びz軸に沿って骨伝導要素12を安定させる。例えば、ストラップ54によって着用者の顔面に対して第1及び第2の骨伝導要素ハウジング64a、64bに作用する圧力が、骨伝導装置をx軸、y軸及びz軸に沿って安定させる。ウェアラブル装置16の他の特徴はすべて、
図1~3に示され記載される。
【0027】
使用中、ウェアラブル装置16は、いくつかの支持軸に沿って骨伝導要素12を安定させる。骨伝導要素12は、x軸に沿って着用者の右側から左側まで延在するx軸、着用者の顎から着用者の頭頂部まで延在するy軸、及び着用者の頭部後方から頭部前方まで延在するz軸に沿って安定化される。例えば、第1の骨伝導ハウジング64a及び第2の骨伝導ハウジング64bのストラップ係合要素66a、66bの延長及び/又はストラップ54によって着用者の顔面に対して第1の骨伝導ハウジング64a及び第2の骨伝導ハウジング64bに作用する圧力は、x軸、y軸及びz軸に沿って骨伝導要素を安定させる。
【0028】
図1~3に示す実施形態と同様、
図6及び7に示す骨伝導装置10の第3の実施形態は、通信コントローラ62と無線通信する骨伝導要素12を含み、この構成は
図10を参照してより詳細に図示し記載する。骨伝導要素12が通信コントローラ62と無線通信する場合であっても、通信コントローラ62は、1つ以上のシステム部品及び/又は周辺装置の有線接続用の物理的インタフェース112を任意で含んでいてもよい。
【0029】
次に、
図8及び
図9は、骨伝導装置の第4の実施形態を示す。
図8及び9に示す骨伝導装置10の第4の実施形態は、
図11を参照してより詳細に示され記載されるように、骨伝導要素12が通信コントローラ62と有線通信することを除けば、
図6及び7に示す骨伝導装置10の第3の実施形態に類似する。この構成において、骨伝導装置10は、1つ以上の骨伝導要素12内のインタフェース110と通信コントローラハウジングインタフェース112との間に脱着可能に接続されるコネクタ109を含む。インタフェース110、112及びコネクタ109は、骨伝導デバイスと通信コントローラとの間の電気信号の伝送に適した、USB接続、ポゴピン接続などの既知のインタフェース構成を用いて取り外し可能に接続可能である。
【0030】
図10は、骨伝導要素12とウェアラブル装置16における通信コントローラ62との間の無線接続を示す概略図である。
図10の実施形態は、ウェアラブル装置16と骨伝導要素12との間の双方向通信をサポートすることができる。各骨伝導要素12は骨伝導トランスデューサ98を含む。
【0031】
一実施形態において、各骨伝導要素12は、無線通信ユニット122を有するトランシーバ120を更に含む。トランシーバ120は信号を送受信し、骨伝導要素トランシーバ120内の無線通信ユニット122を介して通信コントローラ62内の無線通信ユニット144と全二重又は半二重モードで動作するように構成される。例えば、トランシーバ120は、BLUETOOTH、赤外線、Zigbee、近距離通信(NFC)、Wifiなどの無線通信技術を介して、通信コントローラ62内の通信コントローラトランシーバ126と信号の送受信を行う。実施例はこれらの技術のみに限定されず、近距離通信に適した無線通信技術を利用できると理解される。
【0032】
一実施形態では、各骨伝導要素12は、プロセッサ130及びメモリ132を有する処理回路128を更に含む。メモリ132はプロセッサ130と電気的に通信し、プロセッサ130によって実行されるとき、着用者が話すときに発生する可能性がある骨伝導トランスデューサ98から受ける機械的振動に対応する電気信号を受信するようにプロセッサ130を構成する命令を有する。一実施形態では、各骨伝導要素12は、処理回路128、トランシーバ120、及び増幅器134と通信する増幅器134及び電源136を更に含む。電源は、電池、誘導性電源、又は骨伝導要素12の電子部品に電力を供給可能な他の装置であってよい。
【0033】
一実施形態では、増幅器134は、トランシーバ120が受信した信号を増幅して、すなわち、骨伝導トランスデューサ98を駆動して、骨伝導を介して着用者の音声を聞くことができるように信号に応じてトランスデューサを振動させる。すなわち、増幅された信号は機械的振動に変換され、この機械的振動は装着者の頭蓋骨を通って内耳に伝達される。処理回路128、増幅器124、及び送受信器120は別の要素として示されているが、これらの要素のうちの1つ以上は単独の物理的パッケージに実装できることが分かる。
【0034】
従来のプロセッサ及びメモリに加えて、処理回路128は、例えば、1つ以上のプロセッサ、及び/又はプロセッサコア、及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)などを処理及び/又は制御するための集積回路を含んでもよい。
【0035】
処理回路128は、メモリ132を備えていてもよく、及び/又はメモリに接続してもよく、及び/又はメモリにアクセスする(例えば、書き込み及び/又は読み取り)ために構成されていてよく、メモリは、例えば、キャッシュメモリ、及び/又はバッファメモリ、及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)、及び/又はROM(読み取り専用メモリ)、及び/又は光メモリ、及び/又はEPROM(消去可能プログラム可能ROM)などの任意の種類の揮発性及び/又は不揮発性メモリを備えていてもよい。このようなメモリ132は、制御回路によって実行可能なコード及び/又は他のデータ、例えば、通信、ノードの構成及び/又はアドレスに関するデータを格納するように構成することができる。処理回路128は、本明細書に記載されるいずれかの方法を制御する、及び/又は上記方法を例えばプロセッサ130によって実行させるように構成することができる。対応する命令は、メモリ132に格納してもよく、このメモリ132は、読み取り可能、及び/又は処理回路128に接続されて読み取り可能であってもよい。換言すれば、処理回路128は、コントローラを含んでもよく、このコントローラは、マイクロプロセッサ、及び/又はマイクロコントローラ、及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)デバイス、及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)デバイスを含んでもよい。処理回路128は、メモリを含み、又はメモリに接続されていてもよく、又はメモリに接続可能であってもよく、このメモリは、コントローラ及び/又は処理回路128によって読み取り及び/又は書き込みのためにアクセス可能であるように構成されていてもよいと見なすことができる。
【0036】
上述の実施形態では、処理回路128、増幅器134、トランシーバ120、及び電源136が各骨伝導要素12に含まれているが、1つの骨伝導要素12のみが上記の要素を備える必要があると考えられる。例えば、一実施形態では、電気部品は単一の骨伝導要素12のみに含まれ、他の骨伝導要素12は電子回路を含む骨伝導要素12に配線可能である。別の実施形態では、処理回路128、増幅器134、トランシーバ120及び電源136は、骨伝導ユニットとは別体の筐体内に含まれ、骨伝導トランスデューサ98を駆動するのに十分なワイヤ又は他の信号担持媒体によって骨伝導要素12に電気的に結合される。
【0037】
骨伝導ユニットがウェアラブル装置16内の通信コントローラ62から信号を受信するだけである場合、すなわち一方向動作のみである場合には、処理回路128は任意であり、省略可能である。
【0038】
一実施形態では、通信コントローラハウジング22は、プロセッサ140及びメモリ142を有する処理回路138を含む通信コントローラ62を含む。メモリ142は、プロセッサ140と通信し、プロセッサ140によって実行されたときに通信コントローラ62と骨伝導要素12のような他のデバイスとの間の通信を提供するようにプロセッサ140を構成する命令を記憶する。通信コントローラ62は、無線通信ユニット144を有する通信コントローラトランシーバ126も含む。通信コントローラトランシーバ126は、信号を無線で送受信し、半二重モード又は全二重モードで動作可能である。一実施形態では、通信制御器トランシーバ126は、無線通信ユニット144を介して骨伝導要素トランシーバ120と信号の送受信を行う。一実施形態では、通信コントローラトランシーバ126は、ウェアラブル装置16内のマイクロホンから音声信号を無線受信し、中央指令局又は第三者に送信する。
【0039】
例えば、通信コントローラトランシーバ126は、BLUETOOTH、赤外線、Zigbee、近接場通信(NFC)、Wifiなどの無線通信技術を介して、伝導要素トランシーバ120内のトランシーバ120と信号を送受信する。更に、通信コントローラ62は、処理回路138と通信する電源146と通信コントローラトランシーバ126とを含む。一実施形態では、電源はバッテリであり、通信コントローラ62内の電子部品を駆動するために電力を供給する任意の適切な構成が使用可能であることが分かる。
【0040】
任意で、双方向通信のために、通信コントローラトランシーバ126は、無線通信ユニット122から音声信号を受信して、第3のトランシーバにこれらの信号を無線送信する、及び/又は更に送信することなく音声信号を記録することができる。
【0041】
従来のプロセッサ及びメモリに加えて、処理回路138は、例えば、1つ以上のプロセッサ、及び/又はプロセッサコア、及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)などを処理及び/又は制御するための集積回路を含んでもよい。
【0042】
処理回路138は、メモリ142を含んでもよく、及び/又はメモリに接続してもよく、及び/又はメモリにアクセスする(例えば、書き込み及び/又は読み取り)ために構成されていてよく、メモリは、例えば、キャッシュメモリ、及び/又はバッファメモリ、及び/又はRAM(ランダムアクセスメモリ)、及び/又はROM(読み取り専用メモリ)、及び/又は光メモリ、及び/又はEPROM(消去可能プログラム可能ROM)などの任意の種類の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでいてもよい。このようなメモリ142は、制御回路によって実行可能なコード及び/又は他のデータ、例えば、通信、ノードの構成及び/又はアドレスに関するデータを格納するように構成することができる。処理回路138は、本明細書に記載されるいずれかの方法を制御する、及び/又は上記方法を例えばプロセッサ140によって実行させるように構成することができる。対応する命令は、メモリ142に格納してもよく、このメモリ142は、読み取り可能、及び/又は処理回路138に接続されて読み取り可能であってもよい。換言すれば、処理回路128は、コントローラを含んでもよく、このコントローラは、マイクロプロセッサ、及び/又はマイクロコントローラ、及び/又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)デバイス、及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)デバイスを含んでもよい。処理回路128は、メモリを含み、又はメモリに接続されていてもよく、又はメモリに接続可能であってもよく、このメモリは、コントローラ及び/又は処理回路138によって読み取り及び/又は書き込みのためにアクセス可能であるように構成されていてもよいと見なすことができる。
【0043】
図11は、ウェアラブル装置16と骨伝導要素12との間の一方向通信用の骨伝導要素12と通信コントローラ62との有線接続を示す概略図である。各骨伝導要素12は骨伝導トランスデューサ98を含む。骨伝導要素ハウジング64は、骨伝導要素12と通信コントローラ62との間の有線接続用のインタフェース110を更に含む。一実施形態において、インタフェース110は、骨伝導要素12とウェアラブル装置16との間で有線接続を確立することができる物理的インタフェースである。
【0044】
通信コントローラハウジング22は、プロセッサ140及びモリ142を有する処理回路138を含む通信コントローラ62を含み、その機能は上述したとおりである。一実施形態では、通信コントローラトランシーバ126は、ウェアラブル装置16内のマイクロホンから音声信号を無線で受信することができる。通信コントローラ62は、処理回路138及び通信コントローラトランシーバ126と通信する増幅器148を更に含むことができる。本実施形態では、増幅器148は、通信コントローラトランシーバ126によって受信された音声信号を骨伝導トランスデューサ98を駆動するのに十分なレベルまで増幅する。伝導コントローラハウジング22は、骨伝導要素12と通信コントローラ62との間の有線接続用のインタフェース112を更に含む。
【0045】
使用時、各骨伝導要素トランシーバ120は、通信コントローラ収容インタフェース112と骨伝導要素ハウジングインタフェース110との間の有線接続を介して、通信コントローラトランシーバ126からの信号を受信する。通信コントローラ62から送信された信号は、骨伝導トランスデューサ98に伝送される前に、処理回路138によって任意に処理された後、増幅器148によって増幅される。骨伝導トランスデューサ98では、信号が機械的振動に変換された後、着用者の頭蓋骨を通じて内耳まで通過する。
図11に基づく双方向通信(図示せず)をサポートする実施形態の場合、通信コントローラ62から骨伝導要素12へ十分な信号レベルを提供して骨伝導トランスデューサ98を駆動し、処理回路62による処理のため、骨伝導トランスデューサ98によって捕捉された低信号レベルを通信コントローラ138まで送信するように双方向通信を可能にする回路が追加されると理解される。
【0046】
ここで、「トランシーバ」という用語が使用されるが、この用語は便宜上使用され、送信機と受信機の両方を含む単一の通信要素、例えば集積回路への実装を限定するものと解釈されるべきではない。物理的に分離された送信機及び受信機を使用することができることが分かる。
【0047】
本発明は、使用時に着用者の頭部に対して安定化された少なくとも1つの骨伝導要素を含む骨伝導通信用の方法及びシステムを有用に提供する。一実施形態では、骨伝導通信システム5は、少なくとも1つの骨伝導要素12を含む骨伝導装置10とウェアラブル装置16とを含み、骨伝導要素12はウェアラブル装置16に結合されており、ウェアラブル装置16は複数の支持軸に沿って少なくとも1つの骨伝導要素12を安定させる。本実施形態の一態様では、少なくとも1つの骨伝導要素12は、ウェアラブル装置16上の第1の位置に結合された第1の骨伝導要素12aと、ウェアラブル装置16上の第2の位置に結合された第2の骨伝導要素12bとを含む。本実施形態では、ウェアラブル装置16は呼吸マスクである。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置は複数のストラップ結合要素を含む。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は、顔係合シール32を含み、顔係合シール32は、複数のストラップ結合要素40を含む。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は、第1のストラップ結合要素40a及び第2のストラップ結合要素40bを含み、第1の骨伝導要素12aは第1のストラップ結合要素40aに結合され、第2の骨伝導要素12bは第2のストラップ結合要素40bに結合される。本実施形態の一態様では、第1の骨伝導要素12aは、第1の表面84及び第2の表面80を有する第1のハウジング64aを有し、第2の骨伝導要素12bは、第1の表面92及び第2の表面88を有する第2のハウジング64bを有し、第1及び第2の骨伝導要素ハウジング64a、64bのそれぞれの第2の表面80、88は、第1の骨伝導要素ハウジング64a及び第2の骨伝導要素ハウジング64bのそれぞれの第2の表面80、88から突出するストラップ係合要素66a、66bを有する。本実施形態の一態様では、第1のストラップ結合要素40a及び第2のストラップ結合要素40bはそれぞれ、第1の表面82、90、第2の表面、及び開口100を有する。第1のストラップ結合要素40aの第1の表面82は、第1の骨伝導要素ハウジング64aのストラップ結合要素66aが第1のストラップ結合要素40aの開口100を通って延びるように第1の骨伝導要素ハウジング64aの第2の表面80と接しており、第2のストラップ結合要素40bの第1の表面90は、第2の骨伝導要素ハウジング64bのストラップ結合要素66bが第2のストラップ結合要素40bの開口100を通って延びるように第2の骨伝導要素ハウジング64bの第2の表面88と接している。
【0048】
本実施形態の一態様では、骨伝導通信システム5は、第1の端部74と、第1の端部74の反対側の第2の端部76とを有するバンド36を更に含み、第1の骨伝導要素12aはバンド36の第1の端部74に結合され、第2の骨伝導要素12bはバンド36の第2の端部76に結合される。本実施形態の態様において、ウェアラブル装置16は、面体20及び面係合シール32に近接する面体シール24を更に含み、バンド36は面体シール24と面係合シール32との間に位置する。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は、第1のストラップ結合要素40a及び第2のストラップ結合要素40bを更に含み、第1のストラップ結合要素12a内に第1の骨伝導要素40aの少なくとも一部が位置し、第2の骨伝導要素12bの少なくとも一部が第2のストラップ結合要素40b内に位置する。本実施形態の一態様では、第1のストラップ結合要素40aは第のポケット114aを画定し、第2のストラップ結合要素40bは第2のポケット114bを画定し、第1の骨伝導要素12aの少なくとも一部は第1のポケット114a内に位置し、第2の骨伝導要素12bの少なくとも一部は第2のポケット114b内に位置する。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は、面体20と、面体20に結合された通信コントローラハウジング22とを含み、通信コントローラハウジング22は、通信コントローラ62を含み、通信コントローラ62は、プロセッサ130及びメモリ132を有する処理回路128と、有する通信コントローラハウジング22と、通信ユニット144を有する通信コントローラトランシーバ126とを含み、通信コントローラ62は、骨伝導装置10と電気的に通信する。本実施形態の一態様では、第1の骨伝導要素12aと第2の骨伝導要素12bは、プロセッサ130及びメモリ132を有する処理回路128と、増幅器134と、通信ユニット122を有するトランシーバ120とを更に含み、第1の骨伝導要素12aと第2の骨伝導要素12bの少なくとも一方は、通信コントローラ62と通信する。本実施形態の一態様では、通信ユニット122は無線通信ユニットである。
【0049】
一実施形態では、骨伝導通信システム5は、第1の側に第1のストラップ結合要素40と第2の側に第2のストラップ結合要素40bを有するウェアラブル装置16と、第1の骨伝導要素12aであって、第1の骨伝導トランスデューサ98と、プロセッサ130及びメモリ132を有し、第1の骨伝導トランスデューサ98と電気的に通信する第1の処理回路128と、通信ユニット122を有し、第1の処理回路128と通信する第1のトランシーバ120と、第1のトランシーバ120及び第1の骨伝導トランスデューサ98と通信すると通信する1の増幅器134と、第1の増幅器134、第1のトランシーバ120、及び第1の処理回路128と通信する第1の電源136とを含む第1の骨伝導要素12aと、第2の骨伝導要素12bであって、第2の骨伝導トランスデューサ98と、プロセッサ130及びメモリ132を有し、第2の骨伝導トランスデューサ98と通信する第2の処理回路128と、通信ユニット122を有し、第2の処理回路128と通信する第2のトランシーバ120と、第2のトランシーバ120及び第2のトランスデューサ98と通信する第2の増幅器134と、第2の増幅器134、第2のトランシーバ120、及び第2の処理回路128と通信する第2の電源136とを含む第2の骨伝導要素12bと、第1の端部74と第1の端部74と反対側の第2の端部76とを有するバンド36と、を含み、第1の骨伝導要素12が第1の端部74に位置し、第2の骨伝導要素12bが第2の端部76に位置し、バンド36が、第1の骨伝導要素12が第1のストラップ結合要素40に結合され、第2の骨伝導要素12bが第2のストラップ結合要素40bに結合されるようにウェアラブル装置16に結合され、第1の骨伝導要素12a及び第2の骨伝導要素12bがそれぞれ、複数の支持軸に沿ってバンド36及びウェアラブル装置16によって安定化される。本実施形態の一態様において、第1の骨伝導要素12aはウェアラブル装置16上の第1の位置に結合され、第2の骨伝導要素12bはウェアラブル装置16上の第2の位置に結合される。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16はヘルメットに結合される。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は面体20及び通信コントローラを含み、通信コントローラ及びバンド36は面体20に結合される。本実施形態の一態様では、ウェアラブル装置16は、面体20と、面体20に結合された通信コントローラ62と、面体20に結合された第1のシール24と、第1のシール24に近接して面体20に結合された顔係合シール32と、第1のシール24と顔係合シール32との間に位置するバンド36とを含む。
【0050】
一実施形態では、骨伝導通信システム5は、面体20と、プロセッサ140及びメモリ142を有する処理回路138を有する通信コントローラ62と、面体20に結合され、少なくとも1つのストラップ結合要素40を含む顔係合シール32と、ストラップ結合要素40内の少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ98と、を含むウェアラブル装置16を備え、少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ98が複数軸に沿って少なくとも1つのストラップ結合要素40によって安定化され、少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ98が通信コントローラ62と電気的に通信するように構成される。本実施形態の一態様では、骨伝導通信システム5は、着用者の頭部に装着されるように構成されたヘルメットを更に含み、ウェアラブル装置16の少なくとも一部は、ヘルメットと着用者の頭部との間に位置するように構成される。本実施形態の一態様では、少なくとも1つの骨伝導トランスデューサ98は、第1の骨伝導トランスデューサ98及び第2の骨伝導トランスデューサ98を含み、第1及び第2の骨伝導トランスデューサ98のうちの少なくとも一方はトランシーバ120に電気的に結合され、トランシーバ120は通信コントローラ62と無線通信する。本実施形態の一態様では、少なくとも1つのストラップ結合要素40aは、第1のポケット114aを画定する第1のストラップ結合要素40aと、第2のポケット114bを画定する第2のストラップ結合要素40bとを含み、第1の骨伝導トランスデューサ98は第1のポケット114a内に位置し、第2の骨伝導トランスデューサ98は第2のポケット114b内に位置する。
【0051】
骨伝導装置と通信コントローラの別の構成も考えられる。例えば、複数の骨伝導要素の各々はトランスデューサを含むことができるが、複数の骨伝導要素のうちの1つ又は全部よりも少ない数が他の部品を含むことができる。このように、記骨伝導要素は、処理回路、増幅器、電源、及びトランシーバを共有することができる。加えて、トランスデューサ以外の骨伝導デバイス要素は、上記のように、骨伝導要素と有線又は無線で通信し、通信コントローラと有線又は無線で通信する別個のハウジングに含まれてもよい。
【0052】
上記の説明は、例示的であり、限定を意図するものではないと理解されたい。例えば、上述した実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況又は材料に適応するために、本発明の教示に対して、その範囲を逸脱することなく、多くの改良を加えることができる。本明細書に記載の様々な構成要素の寸法、材料の種類、様々な構成要素の向き、並びに数及び位置は、特定の実施形態のパラメータを定めることを意図しており、決して限定するものではなく、単なる例示的な実施形態に過ぎない。上記の説明を精査すると、当業者には、実施形態の範囲内の多くの他の実施形態及び改良が明らかになるであろう。添付の実施形態において、「含んでいる」及び「そこにおいて」という用語は、それぞれの用語「備えている」及び「そこで」の分かりやすい英語の同義語として使用される。更に、以下の実施形態において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は、単に表示として使用され、それらの対象に数値的要件を課すことを意図していない。
【0053】
本明細書では、上記の説明及び図面とあわせて、様々な実施形態が開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及びサブコンビネーションを、文字どおりに記述し図示することは、過度の繰り返し及び難読化になると理解されよう。したがって、すべての実施形態を任意のやり方及び/又は組み合わせで組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載された実施形態及びそれらを作成し使用する方法及びプロセスのすべての組み合わせ並びにサブコンビネーションの完全な記載説明を構築すると解釈され、それらの組み合わせ又はサブコンビネーションに対する特許請求の範囲を支援するものである。
【0054】
本発明は、本明細書で具体的に図示し上述したものに限定されないことが当業者には理解されるであろう。更に、上記に反対の記載がない限り、添付図面のすべてが一定の縮尺ではないことに留意されたい。上記の教示を考慮して、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な改良及び変形が可能である。