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特許7085564出発材料、その使用、およびその出発材料を用いた付加製造法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】出発材料、その使用、およびその出発材料を用いた付加製造法
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/00 20220101AFI20220609BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20220609BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20220609BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220609BHJP
   C22C 21/00 20060101ALI20220609BHJP
   C22C 21/02 20060101ALI20220609BHJP
   C22C 21/06 20060101ALI20220609BHJP
   C22C 21/10 20060101ALI20220609BHJP
   C22C 1/04 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B22F1/00 N
B22F10/28
B33Y70/00
B33Y10/00
C22C21/00
C22C21/02
C22C21/06
C22C21/10
C22C1/04 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019553034
(86)(22)【出願日】2018-04-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2018058806
(87)【国際公開番号】W WO2018185259
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】17165133.4
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519088351
【氏名又は名称】アーエムアーゲー キャスティング ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】コーフマン,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】フラグナー,ウェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ズッパン,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】スピーリングス,アドリアーン,ベルナルデュス
(72)【発明者】
【氏名】ウゴウィッツァー,ペータ,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フンメル,マルク
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-209839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0027480(US,A1)
【文献】特開平03-177530(JP,A)
【文献】国際公開第02/077308(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00
B22F 10/28
B33Y 70/00
B33Y 10/00
C22C 21/00
C22C 21/02
C22C 21/06
C22C 21/10
C22C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造法のための粉末状またはワイヤー状のAl-Mg系またはAl-Mg-Si系またはAl-Zn系またはAl-Si系の出発材料であって、
0.5~1.5重量%の鉄(Fe)、
最大0.9重量%のマンガン(Mn)、
任意選択でケイ素(Si)、任意選択でマグネシウム(Mg)、任意選択で銅(Cu)、任意選択で亜鉛(Zn)を含む出発材料において、
マンガン(Mn)および鉄(Fe)の含有量が、順序関係数1を、数2として満たし、
【数1】
【数2】
かつ、任意選択で
0.1~2重量%のスカンジウム(Sc)および/またはエルビウム(Er)、
0.1~3重量%のリチウム(Li)、
0~2重量%のニッケル(Ni)、
0~1重量%の銀(Ag)、ベリリウム(Be)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコン(Zr)、タンタル(Ta)、イットリウム(Y)を単独または組み合わせで、
ならびに残留物としてアルミニウム(Al)および製造上不可避の不純物を含む出発材料、であって、
前記出発材料が、
0.05~12重量%のSi、
0.1~8重量%のZn、
0.1~7重量%のMg、および
0.05~2.5重量%のCu
を含むことを特徴とする、出発材料。
【請求項2】
前記出発材料が、
少なくとも0.6重量%のFe、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の出発材料。
【請求項3】
前記出発材料が、
FeおよびMnの含有量が合計して0.7~2.1重量%
を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の出発材料。
【請求項4】
前記出発材料が、
2~7重量%のMg
を有するAl-Mg系
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の出発材料。
【請求項5】
前記出発材料が、
3~5重量%のMg、ならびに
0.2~2重量%のScおよび/またはEr、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の出発材料。
【請求項6】
前記出発材料が、
0.3~2重量%のMg、および
0.05~1.5重量%のSi
を有するAl-Mg-Si系
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の出発材料。
【請求項7】
前記出発材料が、
0.3~1.2重量%のMg、および
0.5~1.2重量%のSi
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の出発材料。
【請求項8】
前記出発材料が、
1~8重量%のZn、
1.0~3重量%のMg、および
0.05~1.5重量%のSi
を有するAl-Zn系
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の出発材料。
【請求項9】
前記出発材料が、
4.5~8重量%のZn
を含むことを特徴とする、請求項8に記載の出発材料。
【請求項10】
前記出発材料が、
5~11重量%のSi、
を有するAl-Si系
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の出発材料。
【請求項11】
付加製造法における、請求項1~10のいずれか一項に従った出発材料の使用。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に従った出発材料を用いた付加製造法。
【請求項13】
前記出発材料からなる成形体または部品を、レーザ光線を用いたその局所溶融によって1層ずつ作製することを特徴とする、請求項12に記載の付加製造法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造法、および付加製造法のための粉末状またはワイヤー状のAl-Mg系またはAl-Mg-Si系またはAl-Zn系またはAl-Si系の出発材料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末床による付加製造法を用いて、直接作製によって製造する成形体、例えば部品の機械的強度を向上させるために、先行技術(特許文献1)では、この付加製造法のための出発材料として、Al-Mg系またはAl-Mg-Sc系(AlMg4,6Sc1,4)を用いた粉末またはワイヤーを使用することが知られている。スカンジウムの結晶粒微細化効果(そうした結晶粒微細化は部品の高温割れ、または熱割れも防止できる)は既知であるが、そのような粉末では、部品の凝固高温割れを低度に抑えることことができず、レーザー溶接においてもその問題は知られている。そのため、既知の粉末床による付加製造法はプロセスの不確実性が高く、現在、適切な合金を選択し、プロセスウィンドウを狭めることによってしかこれを軽減できない。すなわちこうした状況が、付加製造法の適用範囲を制限している。
【0003】
この他の、例えばAl-Mg-Si系またはAl-Zn系またはAl-Si系の出発材料についても同様のことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102007018123号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため本発明は、成形体または部品で実現可能な機械的特性において有利であるだけでなく、高温割れの危険を軽減できる、とりわけ粉末床による付加製造法のための粉末状またはワイヤー状のAl-Mg系またはAl-Mg-Si系またはAl-Zn系またはAl-Si系の出発材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、出発材料に関し、請求項1の特徴に従って、上記の課題を解決する。
【0007】
例えば硬度といった機械的特性の高さと、高温割れ傾向の低さは、Al-Mg系またはAl-Mg-Si系またはAl-Zn系またはAl-Si系の出発材料において、最大0.9重量%であるマンガン(Mn)の含有量、および少なくとも0.5重量%である鉄の含有量が、順序関係(数1)を、(数2)として満たす場合に確保することができる。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】
本発明に従って、合金の組成にこの限度を設けることにより、とりわけ粉末床による付加製造時の組織形成の際に、出発材料のAlマトリックス相からFe/Mn含有相を確実に析出し、それにより、より微細な組織形成を実現できる。鉄および/またはマンガンの含有量が比較的高いにもかかわらず、これは驚きである。通常の専門的意見によれば、含有量がこれほど高いと、粗い金属間析出相が形成され、それにより成形体または部品の機械的特性に悪影響が及ぶ。
【0011】
さらに、とりわけ粉末床による付加製造法において、順序関係を遵守し、本質的に速い冷却速度を考慮することで、合金元素の鉄および/またはマンガンが、組織に特に高い再結晶抑制効果を及ぼし得ることが確認できた。これにより、凝固高温割れの危険、および成形体または部品の孔形成の危険も大幅に軽減できる。
【0012】
加えて、Feおよび/またはMnは、成形体または部品の強度向上をもたらし、それとともに機械的特性をさらに改善することができる。
【0013】
そのため、先行技術と異なり、本発明による出発材料は付加製造法においてとりわけ高いプロセス確実性を保証することができ、またそれにより、本方法を多様に応用することができる。
【0014】
順序関係は、必要に応じて、任意選択の合金元素であるケイ素(Si)および/またはマグネシウム(Mg)および/または銅(Cu)および/または亜鉛(Zn)を補うことができる。加えて、合金は、任意選択で0.1~2重量%のスカンジウム(Sc)および/またはエルビウム(Er)、任意選択で0.1~3重量%のリチウム(Li)、任意選択で0~2重量%のニッケル(Ni)、および任意選択で0~1重量%の銀(Ag)、ベリリウム(Be)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコン(Zr)、タンタル(Ta)、イットリウム(Y)を、単独または組み合わせで含むことができる。
【0015】
出発材料は、残留物としてアルミニウム(Al)および製造上不可避の不純物を含む。一般に出発材料は、それぞれ最大0.05重量%、合計で多くとも0.15重量%の不純物を含むことができる。
【0016】
出発材料が少なくとも0.6重量%のFeを含む場合、成形体または部品の機械的特性をさらに向上させることができる。0.8~1.8重量%のFeおよびMnを含む出発材料を用い、順序関係を遵守することで、組織をさらに微細化できる。0.8~1.2重量%のFeを含む出発材料を用い、順序関係を遵守することでも、組織をさらに微細化できる。これにより、成形体または部品の機械的特性が改善し、孔と高温割れが少ない組織にすることができる。Feの上限をとりわけ最大1.5重量%、好ましくは最大1.2重量%とすることで、金属間相の総量を制限し、成形体または部品において比較的高い延性が保証できる。これに関して、出発材料が1重量%のFeを含む場合、最適な条件が実現できる。
【0017】
組成中の合金元素FeおよびMnの合計を0.7~2.1重量%に制限することによって、粒組織をさらに微細にでき、これにより機械的特性をさらに向上させることができる。機械的特性は、FeおよびMnの限度範囲を0.8~1.6重量%Feとさらに狭くすることにより、とりわけ向上させることができる。
【0018】
出発材料が、0.05~12重量%のSi、0.1~8重量%のZn、0.1~7重量%のMg、および0.05~2.5重量%のCuを含むことによって、組織の孔と高温割れの少なさを、さらに最適化することができる。
【0019】
出発材料は、耐久強度、クリープ、および降伏点といった機械的特性に関して抜群の耐食性と温度安定性を備えた部品を付加製造法によって製造できるよう、Al-Mg系を含むことができる。これについては、Mgの含有量が2~7重量%であることが望ましい。
【0020】
出発材料が3~5重量%のMgのみを含む場合、例えば溶融過程で発生する煙粒子を抑制することができ、それにより粒組織への悪影響の危険が軽減される。そのため本発明による出発材料は、付加製造法の再現性を向上させることもできる。0.2~2重量%のスカンジウム(Sc)および/またはエルビウム(Er)を用いて、耐高温割れ性をさらに向上させることができる。このとき、組成の他の限度と関連して、0.5~1.5重量%のScおよび/またはErが特に傑出し得る。
【0021】
出発材料は、合金元素としてMgもSiも有するAl-Mg-Si系を含むことができる。これに関して、機械的特性を向上させ、高温割れ感受性を低減するために、出発材料は0.3~2重量%のMgおよび0.05~1.5重量%のSiを保持することができる。
【0022】
出発材料が0.3~1.2重量%のMgおよび0.5~1.2重量%のSiを含む場合、前述の特性をさらに向上させることができる。加えて、Mg含有量を比較的少なくすることによって、溶融過程で発生する不利な煙粒子をさらに抑制することができる。
【0023】
高強度の成形体または部品を形成するために、出発材料は、1~8重量%のZn、1.0~3重量%のMg、および0.05~1.5重量%のSiを有するAl-Zn系を含むことができる。Fe/Mnに関して、本発明による組成の限度は、割れ形成をとりわけ良好に防止するため、そのような出発材料から製造した成形体または部品も、特に引張強さが傑出し得る。成形体または部品の引張強さを確実に高くできるよう、出発材料が4.5~8重量%のZnを含む場合、引張強さを特に向上させることができる。
【0024】
出発材料は、成形部品または部品の残留応力および割れ傾向を軽減するために、Al-Si系のほかに5~11重量%のSiを含むことができる。これに関して、出発材料は、好ましくは7~10重量%のSiを含む。
【0025】
本発明による出発材料は、とりわけ付加製造法に、具体的には選択的レーザ溶融の際に適し得る。
【0026】
さらに本発明は、付加製造法の再現性を向上することを課題とする。
【0027】
本発明は、請求項13の特徴により上記の課題を解決する。
【0028】
付加製造法において本発明による出発材料を使用することにより、成形体または部品の凝固高温割れ、および孔形成の危険も大幅に軽減でき、これにより付加製造法の高い再現性をもたらすことができる。
【0029】
上記は、レーザ光線を用いた局所溶融によって出発材料から成形体または部品を1層ずつ作製する場合にとりわけ有効である。
【0030】
これは、例えば選択的レーザ溶融といった、例えば粉末床による付加製造法に当てはまり得る。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実現される効果を証明するために、表1に示すさまざまな粉末出発材料から、粉末床による付加製造法としてSLM(選択的レーザ溶融)を用いて、具体的には立法型で成形体を製造した。
【0032】
【表1】
【0033】
粉末出発材料1~9は、表1に挙げた合金元素のほかに、残留物としてAlおよび製造上不可避の不純物を、それぞれ最大0.05重量%、合計で多くとも0.15重量%含む。表1に挙げた、含有量が記載されていない合金元素についても、それぞれ最大0.05重量%の上限が適用される。
【0034】
請求項1に表す順序関係に従って、粉末出発材料1~9について、パラメーターA、TLfcc、およびMnの最低含有量を次のように算定する。
【0035】
【表2】
【0036】
Al-Mg系の出発材料:
表2から、Al-Mg系の出発材料1、2、および3では、0.55重量%のMnを含む粉末出発材料3のみが、表2に従って求められるMn含有量よりそのMn含有量が高いため、請求項1の順序関係を満たしていることがわかる。
【0037】
個々の出発材料1、2、および3を、選択的レーザ溶融で、それぞれ200J/mmのエネルギー密度(ED)で完全に溶融させた。このためにNd:YAGレーザを、レーザ出力200~400W、ビーム径1mm未満、走査速度(スキャン速度)250mm/s、粉末層厚(Δz)30μmで用いた。表1の粉末出発材料1、2、または3(粒径約30~45μm)をそれぞれ局所溶融し、1層ずつ成形体を作製した。各層について、135μmの走査線間隔(Δys)を選択した。
【0038】
Al-Si系の出発材料:
表2に示したAl-Si系の出発材料4および5では、0.3重量%のMnを含む粉末出発材料5のみが、表2に従って求められるMn含有量よりそのMn含有量が高いため、請求項1の順序関係を満たしている。
【0039】
個々の出発材料4および5を、選択的レーザ溶融で、それぞれレーザ出力200Wおよび走査速度(スキャン速度)500mm/sでYb:YAGレーザを用いて作製した。成形体4および5は、それぞれ表1の粉末出発材料(粒径約20~45μm)を局所溶融し、1層ずつ作製した。
【0040】
Al-Mg-Si系の出発材料:
表2から、Al-Mg-Si系の出発材料6および7では、0.65重量%のMnを含む粉末出発材料7のみが、表2に従って求められるMn含有量よりそのMn含有量が高いため、請求項1の順序関係を満たしていることがわかる。
【0041】
個々の出発材料6および7を、選択的レーザ溶融で、それぞれレーザ出力200Wおよび走査速度(スキャン速度)500mm/sでYb:YAGレーザを用いて作製した。成形体6および7は、それぞれ表1の粉末出発材料(粒径約20~45μm)を局所溶融し、1層ずつ作製した。
【0042】
Al-Zn系の出発材料:
表2から、Al-Zn系の出発材料8および9では、0.3重量%のMnを含む粉末出発材料9のみが、表2に従って求められるMn含有量よりそのMn含有量が高いため、請求項1の順序関係を満たしていることがわかる。
【0043】
個々の出発材料8および9を、選択的レーザ溶融で、それぞれレーザ出力200Wおよび走査速度(スキャン速度)500mm/sでYb:YAGレーザを用いて作製した。成形体8および9は、それぞれ表1の粉末出発材料(粒径約20~45μm)を局所溶融し、1層ずつ作製した。
【0044】
従って、粉末出発材料3、5、7、および9が本発明による実施形態となる。
【0045】
それにより成形体で実現した特性を次の表3に示す。



【0046】
【表3】
【0047】
表3から、粉末出発材料1および2からなる成形体は、本発明による粉末出発材料3からなる成形体と比較して硬度が明らかに低く、これは引張強さRmの低さと破断伸びAの小ささにも反映されている。加えて、粉末出発材料3からなる成形体は、選択的レーザ溶融法によって割れを起こさず製造できることが実証できた。さらに、これらの成形体は低い多孔性を示した。
【0048】
成形体の多孔性は、アルキメデスの原理(静力学平衡)に従って確認した。
【0049】
粉末出発材料4および5または粉末出発材料6および7または粉末出発材料8および9からなる成形体に関しても、同様の結果が観察できる。またこれについても、粉末出発材料5または8または9からなる成形体で、張強さRm、破断伸びA、高温割れのなさ、および多孔性に関して、同様に特性値の向上が示される。
【0050】
さらに、用いられる粉末の光線吸収特性にかかわらず、CO2レーザ、ダイオードレーザなども、付加製造法に適したレーザである。全体として、具体例は例示として理解されたい。