IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナイキ イノベイト シーブイの特許一覧

特許7085574アスレチック活動を分析するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】アスレチック活動を分析するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/00 20060101AFI20220609BHJP
   A41D 13/00 20060101ALN20220609BHJP
【FI】
A43B13/00 Z
A41D13/00 115
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020016428
(22)【出願日】2020-02-03
(62)【分割の表示】P 2017207367の分割
【原出願日】2014-01-31
(65)【公開番号】P2020096870
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-02-25
(31)【優先権主張番号】13/757,417
(32)【優先日】2013-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギエドウォン,アンナ,エー
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン,リー
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0127148(KR,A)
【文献】特表2005-510694(JP,A)
【文献】国際公開第2013/010171(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 7/00-7/38、13/00
A41D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスレチック活動を分析するためのシステムであって、
履物物品と係合され、前記履物物品の様々な位置に配置された複数の力センサを含むセンサシステムを含み、前記力センサはユーザの足によって加えられた力を検出するように構成されており、前記センサシステムは前記センサから入力された力に基づきデータを収集し前記データを送信するように構成された履物物品と、
前記センサシステムと通信する電子装置と、を備えており、
前記電子装置は、
前記センサシステムから前記データを受信するステップと、
前記データを所望のフットストライクパターンに対応するフットストライクテンプレートと比較して、前記フットストライクテンプレートからの逸脱が存在するかどうかを判定するステップと、
前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の定量的な程度を判定するステップと、
前記複数の力センサの各々によって個々に検出された力のレベルのリアルタイム視覚的描写と、前記力のレベルが描写されている複数の力センサの各々の位置の指示と、を含む図形表示を前記データに基づいて生成するステップであって、前記図形表示は、前記センサによって検出された力の前記レベルが前記フットストライクテンプレートによって描かれた力のレベルよりも高いまたは低いかどうかを含む、前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の前記定量的な程度の、前記ユーザへの指示を更に含むステップと、を実行するように構成されたプロセッサを含む、
アスレチック活動を分析するためのシステム。
【請求項2】
前記逸脱は、前記逸脱の前記程度が所定のしきい値を超えたと判定された場合に存在すると判定される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記指示は、前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写とともに前記図形表示上の前記フットストライクテンプレートの視覚的描写を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記指示は、可視指示、可聴指示及び触覚指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子装置は信号を第2電子装置に送信するステップを実行するように構成され、前記信号は前記第2電子装置に前記指示を生成させるように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写は棒グラフ構成で提示される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写は更に、ある期間にわたる前記力のレベルの変化を表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の力センサは、前記履物物品の指骨領域、つま先領域及びヒール領域の各々に少なくとも1つのセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサシステムは、前記履物物品内に収容された電子モジュールと、前記センサを前記電子モジュールと接続する複数のセンサリードとを更に含み、前記電子モジュールは前記力センサから前記データを収集し前記データを前記電子装置に送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
アスレチック活動を分析するためのコンピュータ援用方法であって、
電子装置のプロセッサにおいて、履物物品と接続されたセンサシステムから力データを受信するステップであって、前記センサシステムは、前記履物物品と係合され、前記履物物品の様々な位置に配置された複数の力センサを備えており、前記センサはユーザの足によって加えられた力を検出するように構成されており、前記力データは前記センサから入力された力に基づいているステップと、
前記データを所望のフットストライクパターンに対応するフットストライクテンプレートと、前記電子装置の前記プロセッサを用いて比較して、前記フットストライクテンプレートからの逸脱が存在するかどうかを判定するステップと、
前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の定量的な程度を判定するステップと、
前記複数の力センサの各々によって個々に検出された力のレベルのリアルタイム視覚的描写と、前記力のレベルが描写されている複数の力センサの各々の位置の表示と、を含む図形表示を前記力データに基づいて生成するステップであって、前記図形表示は、前記センサによって検出された力の前記レベルが前記フットストライクテンプレートによって描かれた力のレベルよりも高いまたは低いかどうかを含む、前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の前記定量的な程度の、前記ユーザへの指示を更に含むステップとを含む、アスレチック活動を分析するためのコンピュータ援用方法。
【請求項11】
前記逸脱は、前記逸脱の前記程度が所定のしきい値を超えたと判定された場合に存在すると判定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記指示は、前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写とともに前記図形表示上の前記フットストライクテンプレートの視覚的描写を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記指示は、可視指示、可聴指示及び触覚指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は信号を第2電子装置に送信するステップを更に含み、前記信号は前記第2電子装置に前記指示を生成させるように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写は棒グラフ構成で提示される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写は更に、ある期間にわたる前記力のレベルの変化を表す、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の力センサは、前記履物物品の指骨領域、つま先領域及びヒール領域の各々に少なくとも1つのセンサを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
請求項1017のいずれか一項に記載の方法を電子装置に実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
アスレチック活動を分析するためのシステムであって、
履物物品と係合され、前記履物物品の様々な位置に配置された複数の力センサを含むセンサシステムを含み、前記力センサはユーザの足によって加えられた力を検出するように構成されており、前記センサシステムは前記センサから入力された力に基づきデータを収集し前記データを送信するように構成された履物物品と、
前記センサシステムと通信する電子装置と、を備えており、
前記電子装置は、
前記センサシステムから前記データを受信するステップと、
前記データを所望のフットストライクパターンに対応するフットストライクテンプレートと比較して、前記フットストライクテンプレートからの逸脱が存在するかどうかを判定するステップと、
前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の定量的な程度を判定するステップと、
前記複数の力センサの各々によって検出された力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって個々に検出された前記力のレベルの変化の視覚的描写と、前記力のレベルが描写されている複数の力センサの各々の位置の表示と、を含む図形表示を前記データに基づいて生成するステップであって、前記図形表示は、前記センサによって検出された力の前記レベルが前記フットストライクテンプレートによって描かれた力のレベルよりも高いまたは低いかどうかを含む、前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の前記定量的な程度の、前記ユーザへの指示を更に含むステップと、
を実行するように構成されたプロセッサを含む、アスレチック活動を分析するためのシステム。
【請求項20】
前記逸脱は、前記逸脱の前記程度が所定のしきい値を超えたと判定された場合に存在すると判定される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記指示は、前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写とともに前記図形表示上の前記フットストライクテンプレートの視覚的描写を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記指示は、可視指示、可聴指示及び触覚指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子装置は信号を第2電子装置に送信するステップを実行するように構成され、前記信号は前記第2電子装置に前記指示を生成させるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数の力センサは、前記履物物品の指骨領域、つま先領域及びヒール領域の各々に少なくとも1つのセンサを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記センサシステムは、前記履物物品内に収容された電子モジュールと、前記センサを前記電子モジュールと接続する複数のセンサリードとを更に含み、前記電子モジュールは前記力センサから前記データを収集し前記データを前記電子装置に送信するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、前記複数の力センサの全部について同時に表される、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、線グラフとして表される、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、リアルタイム描写である、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
アスレチック活動を分析するためのコンピュータ援用方法であって、
電子装置のプロセッサにおいて、履物物品と接続されたセンサシステムから力データを受信するステップであって、前記センサシステムは、前記履物物品と係合され、前記履物物品の様々な位置に配置された複数の力センサを備えており、前記センサはユーザの足によって加えられた力を検出するように構成されており、前記力データは前記センサから入力された力に基づいているステップと、
前記データを所望のフットストライクパターンに対応するフットストライクテンプレートと、前記電子装置の前記プロセッサを用いて比較して、前記フットストライクテンプレートからの逸脱が存在するかどうかを判定するステップと、
前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の定量的な程度を判定するステップと、
前記複数の力センサの各々によって検出された力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって個々に検出された前記力のレベルの変化の視覚的描写と、前記力のレベルが描写されている複数の力センサの各々の位置の表示と、を含む図形表示を前記力データに基づいて生成するステップであって、前記図形表示は、前記センサによって検出された力の前記レベルが前記フットストライクテンプレートによって描かれた力のレベルよりも高いまたは低いかどうかを含む、前記フットストライクテンプレートからの前記逸脱の前記定量的な程度の、前記ユーザへの指示を更に含むステップと、
を含む、アスレチック活動を分析するためのコンピュータ援用方法。
【請求項30】
前記逸脱は、前記逸脱の前記程度が所定のしきい値を超えたと判定された場合に存在すると判定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記指示は、前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの前記リアルタイム視覚的描写とともに前記図形表示上の前記フットストライクテンプレートの視覚的描写を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記指示は、可視指示、可聴指示及び触覚指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は信号を第2電子装置に送信するステップを更に含み、前記信号は前記第2電子装置に前記指示を生成させるように構成されている、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の力センサは、前記履物物品の指骨領域、つま先領域及びヒール領域の各々に少なくとも1つのセンサを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、前記複数の力センサの全部について同時に表される、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、線グラフとして表される、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベル及びある期間にわたる前記複数の力センサの各々によって検出された前記力のレベルの変化の前記視覚的描写は、リアルタイム描写である、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
請求項2937のいずれか一項に記載の前記方法を電子装置に実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、アスレチック活動を分析するためのシステム、装置及び方法、並びにより詳細には、アスレチック活動の分析に基づいてユーザに指導フィードバックを提供するためのシステム、装置及び方法に関し、このシステム、装置及び方法は、履物物品や他の衣料物品に組み込まれたセンサシステムからのデータ入力を利用しうる。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月1日に出願された米国特許出願第13/757,417号に対する優先権と特典を主張し、本出願は、参照により本明細書に組み込まれその一部とされる。
【背景技術】
【0003】
アスレチック活動から収集されたデータを利用するアスレチック活動を分析するためのシステムが知られている。そのようなデータは、パフォーマンスメトリックの指示によるものを含む、幾つかの異なる形態と形式で分析されユーザに提示されうる。しかしながら、そのようなアスレチック活動データ及びメトリックの使用は、必要以上に限定されることがある。一例として、そのようなデータとパフォーマンスメトリックは、積極的な実時間フィードバック及び/又は先取りフィードバックをユーザに提供する際に制限されることが多い。したがって、アスレチック活動を分析する特定のシステムは、幾つかの有利な特徴を提供するが、幾つかの制限を有する。本明細書で開示されるシステム、装置及び方法は、先行技術の幾つかのそのような制限や他の欠点を克服し、これまで利用できなかった新しい機能を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一般に、履物物品と共に使用されるアスレチック活動を分析するためのシステムに関し、このシステムは、履物物品と係合され、ユーザの足によって加えられた力を検出するように構成された複数の力センサを含むセンサシステムと、履物物品内に収容された電子モジュールと、センサを電子モジュールに接続する複数のセンサリードとを含み、電子モジュールが、センサからの力入力に基づいてデータを収集しデータを送信するように構成される。システムは、また、電子モジュールと通信する電子装置を含む。電子装置は、電子モジュールからデータを受信し、そのデータを所望のフットストライクパターンに対応するフットストライクテンプレートと比較してフットストライクテンプレートからの逸脱が存在するかどうか判定し、所望のフットストライクパターンからの逸脱が存在すると判定されたときにユーザに指示を生成するように構成されたプロセッサを含む。この指示は、更に、フットストライクテンプレートからの逸脱の程度を含みうる。指示は、可視、可聴、触覚及び/又は他のタイプの指示でよい。
【0005】
一態様によれば、逸脱は、逸脱の程度が所定のしきい値を超えたと判定された場合に存在することが決定される。
【0006】
別の態様によれば、指示を生成する段階(ステップ)は、信号を第2電子装置に送信する段階を含み、信号は、第2電子装置に指示を生成させるように構成される。
【0007】
更に他の態様によれば、データをフットストライクテンプレートと比較する段階は、データの分析に基づいてフットストライクパターンを検出し、フットストライクパターンをフットストライクテンプレートと比較する段階を含む。一実施形態では、複数のセンサが、履物物品上の様々な位置に配置され、フットストライクパターンが、センサによって検出された力の順序及び/又はセンサによって検出された力のレベルに基づいて検出される。
【0008】
更に別の態様によれば、システムは、更に、ユーザの位置を検出ように構成されたGPSモジュールを含み、GPSモジュールは、電子装置と通信する。GPSモジュールは、電子モジュール内に配置されてもよく、電子装置内に配置されてもよく、他の場所に配置されてもよい。電子装置は、更に、GPSモジュールとの通信に基づいて、ユーザの位置の指示をユーザに生成するように構成される。一実施形態では、GPSモジュールが、電子モジュール内に配置された場合、電子装置は、更に、電子モジュールからユーザの位置に関する位置データを受信し、その位置データに基づいてユーザの位置の指示をユーザに生成するように構成される。別の実施形態では、電子装置は、ユーザの位置と関連した環境情報を受け取り、環境情報は、外部サーバや他の装置との通信によって得られ、その環境情報を、ビデオ及び/又はオーディオディスプレイなどによって、ユーザに伝えるように構成されてもよい。そのような環境情報は、環境情報に基づいてユーザに推奨移動経路を呈示するために使用されてもよい。更に他の実施形態では、電子装置は、ユーザの位置と関連した地形情報を受け取り、地形情報に基づいてフットストライクテンプレートを変更するように構成されてもよい。そのような地形情報は、外部サーバや他の装置との通信によって得られてもよい。
【0009】
更に他の態様によれば、電子装置は、指定された時間長さや指定された走行距離などの指定された使用量の後でフットストライクテンプレートを変更してもよい。
【0010】
本発明の追加の態様は、履物物品と係合されるように構成され、ユーザの足によって加えられた力を検出するように構成された複数の力センサを含むセンサシステム、及びセンサシステムと通信する電子装置と関連して使用されうるアスレチック活動を分析するためのシステムに関する。電子装置は、センサシステムによって生成されたデータを受信し、そのデータを分析して所望のフットストライクパターンからの逸脱が存在するかどうかを判定し、所望のフットストライクパターンからの逸脱が存在することが分かったときにユーザに指示を生成するように構成され、この指示は、可視指示、可聴指示及び触覚指示の少なくとも1つを含む。以上述べた様々な態様のいずれもがこのシステムと関連して使用されうる。
【0011】
本発明の更に他の態様は、衣料物品と係合され、ユーザが生体力学的運動をしている間にユーザの生体力学的パラメータを検出するように構成された複数のセンサを含むセンサシステムを含む、衣料物品と関連して使用されうるアスレチック活動を分析するためのシステムに関する。システムは、また、センサシステムと通信する電子装置を含んでもよい。電子装置は、センサシステムによって生成されたデータを受信し、そのデータを分析してユーザの生体力学的運動に所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在するかどうかを判定し、所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在すると分かったときにユーザに指示を生成するように構成される。データ分析は、データを、所望の生体力学的運動パターンに対応する生体力学的運動テンプレートと比較して、生体力学的運動テンプレートからの逸脱が存在するかどうか判定する段階を含んでもよい。更に、指示は、生体力学的運動テンプレートからの逸脱の程度の指示を含んでもよい。前述したようなフットストライク運動は、このシステムによって分析されうる1つのそのような生体力学的運動パターンである。前述の様々な態様はいずれも、このシステムと接続して使用することができ、システムが、様々なセンサシステム及び様々な衣料物品と共に使用されるように修正されうることを理解されたい。
【0012】
本発明の更に他の態様は、衣料物品と係合され、ユーザが生体力学的運動をしている間にユーザの生体力学的パラメータを検出するように構成された複数のセンサを含むセンサシステムを含む、衣料物品と接続して使用されうるアスレチック活動を分析するためのシステムに関する。システムは、更に、ユーザの位置を検出するように構成されたGPSモジュールと、センサシステムと通信する電子装置とを含み、GPSモジュールは、電子装置と通信する。電子装置は、センサシステムによって生成されたデータを受信し、そのデータを所望の生体力学的運動パターンに対応する生体力学的運動テンプレートと比較して、生体力学的運動テンプレートからの逸脱が存在するかどうか判定し、所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在すると決定されたときにユーザへの指示を生成するように構成される。電子装置は、また、GPSモジュールからユーザの位置を受信し、ユーザの位置と関連した地形情報を受信し、地形情報に基づいて生体力学的運動テンプレートを変更するように構成される。
【0013】
本発明の他の態様は、電子装置、電子モジュール又は前述の他の装置によって実行される機能を含む、前述のようなシステムの機能の幾つか又は全てを実行することを含む方法に関する。そのような方法は、コンピュータで支援されてもよい。本発明の態様は、同様に、電子装置(又は、そのような装置のプロセッサ)に、前述のようなシステムの機能の幾つか又は全てを実行させるように構成されたコンピュータ実行命令を含む有形及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体に関連してもよい。
【0014】
本発明の更に他の目的、特徴及び利点は、添付図面と関連して行われる以下の明細から明らかになる。
【0015】
本発明をより完全に理解できるように、次に添付図面と関連して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】靴の側面図である。
図2図1の靴の反対側の図である。
図3】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を実現する靴(靴甲革が除去され、足接触部材が脇に折り曲げられた)の底の上斜視図である。
図4図3の靴底とセンサシステムの上斜視図であり、靴の足接触部材が取り外され電子モジュールが取り外されている。
図5】センサシステムと共に使用でき、外部電子装置と通信する電子モジュールの一実施形態の概略図である。
図6】ユーザの右足用の履物物品の靴底構造内に位置決めされるように適応された、図3のセンサシステムのインサートの上面図である。
図7図6のインサートと、ユーザの左足用の履物物品の靴底構造内で使用するように適応された類似のセンサシステムの上面図である。
図8図6のインサートの分解斜視図であり、4つの異なる層を示す。
図9図3のセンサシステムの構成要素によって構成された回路の一実施形態を示す回路図である。
図10】外部装置とメッシュ通信モードのセンサシステムをそれぞれ含む1足の靴の概略図である。
図11】外部装置と「ディジーチェーン」通信モードのセンサシステムをそれぞれ含む1足の靴の概略図である。
図12】外部装置と独立通信モードのセンサシステムをそれぞれ含む1足の靴の概略図である。
図13】本発明の態様によるセンサの一実施形態の圧力と抵抗の関係を示すグラフである。
図14A】インサート部材に取り付けられた、電子モジュールに接続するためのポートとハウジングの一実施形態の斜視図である。
図14B図14Aのポートとハウジングの断面図である。
図15】本発明の態様によるモジュールの斜視図である。
図16図15のモジュールの側面図である。
図17】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を実現する、靴の形の衣料物品の正面図である。
図18】本発明の態様と関連して使用するように構成されたセンサシステムの一実施形態を実現する、パンツの形の衣料物品の正面図である。
図19図18のパンツの反対側の図である。
図20】外部電子装置と通信する電子モジュールと共にセンサシステムを有する履物物品の一実施形態の概略図である。
図21】外部電子装置と通信するセンサシステムを有する履物物品の別の実施形態の概略図である。
図22】センサシステムの別の実施形態を含む履物物品用の中敷の斜視図である。
図23A図22の線23-23に沿って得られた図22のセンサシステムのセンサの拡大断面図である。
図23B】履物物品の中敷に接続されたセンサシステムの別の実施形態のセンサの拡大断面図である。
図24】生体力学的運動用のテンプレートを利用してアスレチック活動を分析する方法の一実施形態を示す流れ図である。
図25】履物物品上の様々な位置に配置された4つのセンサを使用してフットストライクに関して測定された最大圧力を示す棒グラフであり、破線は、フットストライクテンプレートの一実施形態を示す。
図26】履物物品上の様々な位置に配置された4つのセンサを使用してフットストライクに関してある期間にわたって測定された圧力を示すグラフであり、破線は、フットストライクテンプレートの別の実施形態を示す。
図27】履物物品上の様々な位置に配置された4つのセンサを使用してフットストライクに関してある期間にわたって測定された圧力を示すグラフであり、均一長さの破線は、図25のフットストライクテンプレートを示し、不均一長さの破線は、中間フットストライクテンプレートの一実施形態を示す。
図28】履物物品上の様々な位置に配置された4つのセンサを使用してフットストライクのある期間にわたるバイナリ形センサの活動化を示すグラフであり、破線は、フットストライクテンプレートの別の実施形態を示す。
図29】フットストライクの力又は衝撃を示す図形表示による電子装置の前面図である。
図30】アスレチック活動の分析と関連して使用できる生体力学的運動用テンプレートを変更する方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、様々な形態の実施形態が可能であり、図面に示され、本明細書に発明の詳細で好ましい実施形態で示されるが、本開示が、本発明の原理の例示として見なされ、本発明の広義の態様を、図示され記載された実施形態に限定するものではないことを理解されよう。
【0018】
一般に、アスレチック活動及びそのようなアスレチック活動における生体力学的運動を分析するためのシステムと方法が提供され、そのようなシステムと方法は、少なくとも1つの生体力学的パラメータを検出するためのセンサシステムと共に使用されてもよい。システム及び方法は、また、そのような分析に基づいたユーザに指導フィードバックを提供できる。ユーザに提供されるフィードバックは、ユーザの生体力学的運動が、所望の生体力学的運動パターンから逸脱しているという指示を含むことができ、システム及び方法は、センサシステムによって検出された生体力学的パラメータと比較するため生体力学的運動テンプレートを利用してそのような逸脱を決定してもよい。そのようなシステム及び方法の様々な実施形態及び特徴を以下に述べる。
【0019】
一実施形態では、このシステムは、ランニング、ウォーキング又は他の方法で足によって移動している間に、指導及び/又は他のフィードバックをユーザに提供して、ユーザが特定のフットストライクパターンを構築するのを支援するために使用されうる。そのようなシステムは、例として図1図2に示され全体が参照数字100で示された靴などの履物物品と関連して使用されてもよい。履物100は、例えば、様々なタイプの運動靴を含む様々な形態をとりうる。1つの例示的な実施形態では、靴100は、一般に、汎用通信ポート14に動作可能に接続された力及び/又は圧力センサシステム12を含む。後でより詳しく述べるように、センサシステム12は、靴100の着用者に関する運動データを収集する。汎用通信ポート14に接続することによって、複数の異なるユーザが、後で更に詳しく述べるような種々様々な用途のために運動データを利用できる。
【0020】
履物物品100は、図1図2に、上側120と靴底構造130を含むように示される。以下の説明における参考のため、靴100は、3つの概略領域、即ち、図1に示されたような、フォアフット領域111、ミッドフット領域112及びヒール領域113に分けられる。領域111~113は、靴100の正確な領域を区別するものではない。より正確に言うと、領域111~113は、以下の検討において基準枠を提供する靴100の概略領域を表わすものである。領域111~113は、一般に、靴100に適用され、領域111~113の参照は、甲革120、靴底構造130、又は甲革120若しくは靴底構造130内及び/又はその一部として形成された個別の構成要素に適用されうる。
【0021】
図1図2に更に示されたように、甲革120は、靴底構造130に固定され、足を収容するための空所又は小室を規定する。参照のため、甲革120は、外側121、その反対の内側122、及びつま皮又は甲領域123を含む。外側121は、足の外側(即ち、外面)に沿って延在するように位置決めされ、一般に、領域111~113のそれぞれを通る。同様に、内側122は、足の反対の内側(即ち、内面)に沿って延在するように位置決めされ、一般に、領域111~113のそれぞれを通る。つま皮領域123は、外側121と内側122の間で、足の上側面又は甲領域に対応するように位置決めされる。つま皮領域123は、この示された例では、足に対する甲革120の寸法を修正するために従来方法で利用される紐125や他の所望のクロージャ機構を有するスロート124を有し、それにより靴100のフィット性が調整される。甲革120は、また、足が甲革120内の空所に入るようにする足首開口126を有する。甲革120の構成には、靴甲革に従来利用されてきた材料を含む様々な材料が使用されうる。したがって、甲革120は、例えば、革、合成皮革、天然若しくは合成織物、高分子シート、ポリマー発泡、メッシュ織物、フェルト、不織布高分子又はゴム材料の1つ又は複数の部分から形成されてもよい。甲革120は、これらの材料の1つ又は複数から形成されてもよく、その材料又は一部分は、例えば、当該技術分野で従来知られており使用されている方法で、縫い合わされるか接着される。
【0022】
甲革120は、また、かかと要素(図示せず)とつま先要素(図示せず)を有してもよい。かかと要素は、存在するとき、靴100の快適さを高めるために、ヒール領域113で甲革120の内側面に沿って上方に延在してもよい。つま先要素は、存在するとき、耐摩耗性を提供し、着用者のつま先を保護し、足の位置決めを支援するために、フォアフット領域111で甲革120の外側面に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、かかと要素とつま先要素の一方又は両方がなくてもよく、例えば、かかと要素が、甲革120の外側面上に位置決めされてもよい。前述の甲革120の構成は、靴100に適しているが、甲革120は、本発明から逸脱しない任意の所望の従来又は非従来的な甲革構造の構成を呈してもよい。
【0023】
図3に示されたように、靴底構造130は、甲革120の下側面に固定され、全体的に従来形状を有してもよい。靴底構造130は、組合せ構造、例えば中敷131、本底132、及び足接触部材133を含む構造を有してもよい。足接触部材133は、典型的には、靴100の快適さを高めるために、甲革120の空所内で足の下側面に隣接して(又は、甲革120と中敷131の間に)配置されることがある薄い圧縮可能な部材である。様々な実施形態では、足接触部材133は、ソックライナー、ストローベル、内底部材、ブーティ要素、靴下などでよい。図3図4に示した実施形態では、足接触部材133は、内底部材又はソックライナーである。用語「足接触部材」は、本明細書で使用されるとき、別の要素が直接接触を妨げることがあるので、必ずしもユーザの足と直接接触することを意味しない。より正確に言うと、足接触部材は、履物物品の足収容室の内側面の一部分を構成する。例えば、ユーザは、直接接触を妨げる靴下を着用していることがある。別の例として、センサシステム12は、外部ブーティ要素や靴カバーなどの靴や他の履物物品の上を滑るように設計された履物物品に組み込まれてもよい。そのような物品では、靴底構造の上側部分は、ユーザの足と直接接触していない場合でも、足接触部材と見なされることがある。幾つかの機構では、内底又はソックライナーはないこともあり、他の実施形態では、履物100は、内底又はソックライナーの上に位置決めされた足接触部材を有することがある。
【0024】
中敷部材131は、衝撃減衰部材でもよく、又はそれを含んでもよく、幾つかの実施形態では複数の部材又は要素を含んでもよい。例えば、中敷部材131は、ウォーキング、ランニング、ジャンピング又は他の活動中に圧縮されて地面や他の接触面反力を減衰するポリウレタン、エチルビニルアセテート又は他の材料(phylonやphyliteなど)部材などのポリマー発泡材料から形成されてもよい。本発明による幾つかの例示的な構造において、ポリマー発泡材料は、履物100の快適さ、動作制御、安定性、及び/又は地面や他の接触面反力減衰特性を高める液体充填ブラダーや減速材などの様々な要素を封入又は包含してもよい。更に別の例示的な構造では、中敷131は、圧縮されて地面や他の接触面反力を減衰する追加の要素を含んでもよい。例えば、中敷131は、力の緩衝と吸収を支援するためにカラム型要素を含んでもよい。
【0025】
本底132は、この示された例示的な履物構造100では中敷131の下面に固定され、歩行や他の活動中に地面や他の表面と接触する耐摩耗性材料(ゴムや、ポリウレタンなどの柔軟合成材料)から形成される。本底132を形成する材料は、引っ張りと滑りに対する高い耐性を与えるのに適切な材料で製造されかつ/又はそのためにテクスチャ化されてもよい。図1図2に示された本底132は、本底132の片面又は両面に複数の切り込み又は溝136を有するように示されているが、本発明と関連して、様々なタイプの溝、輪郭及び他の構造を有する他の多くのタイプの本底132が使用されうる。本発明の実施形態は、他のタイプ及び構成の靴、並びに他のタイプの履物及び靴底構造と関連して使用されうることを理解されたい。
【0026】
図1図4は、本発明によるセンサシステム12を実装する履物100の例示的な実施形態を示し、図3図8は、センサシステム12の例示的な実施形態を示す。センサシステム12は、米国特許出願第13/401,918号に記載されたセンサシステムの特徴又は実施形態のいずれを含むこともでき、この特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。センサシステム12は、力及び/又は圧力センサ組立体13が接続されたインサート部材37を含む。インサート部材37の使用が一実施形態であり、様々なタイプのセンサシステム12を含む履物物品が、本明細書に記載されたアスレチック分析システム400及び方法500と関連して利用されうることを理解されたい。また、インサート37が、任意の数の様々な構成、形状及び構造を有することができ、また様々な数及び/又は構成のセンサ16並びに様々なインサート構造又は周辺形状を含むことを理解されたい。
【0027】
インサート部材37は、履物100の靴底構造130に接して位置決めされるように構成され、一実施形態では、インサート部材37は、足接触部材133の下でかつ中敷部材131の上部に、ほぼ対面関係で位置決めされるように構成される。センサ組立体13は、複数のセンサ16と、(例えば、導体によって電気的に接続された)センサ組立体13と通信する通信又は出口ポート14とを含む。ポート14は、センサ16から受け取ったデータを、後述するように電子モジュール(電子制御ユニットとも呼ばれる)22などに伝達するように構成される。ポート14及び/又はモジュール22は、やはり後述するように、外部装置と通信するように構成されてもよい。図3図8に示された実施形態では、システム12は、4つのセンサ16を有し、即ち、靴の足の親指(第1指骨又は母指)領域にある第1のセンサ16aと、靴のフォアフット領域にある2つのセンサ16b~c(第1中足骨頭領域にある第2のセンサ16bと第5の中足骨頭領域にある第3のセンサ16cを含む)と、かかとにある第4のセンサ16dとを有する。足のこれらの領域は、典型的には、運動中に最大程度の圧力を受ける。各センサ16は、ユーザの足によってセンサ16に加えられた圧力を検出するように構成される。センサは、センサリード18を介してポート14と通信し、センサリード18は、リード及び/又は別の導電体、又は適切な通信媒体でよい。例えば、図3図8の実施形態では、センサリード18は、インサート部材37上に印刷された、銀系インクや他の金属インク(銅の及び/又はすずを主成分とするインクなど)のような導電性媒体でよい。あるいは、リード18は、一実施形態ではシンワイヤとして提供されてもよい。他の実施形態では、リード18は、足接触部材133、中敷部材131、又は靴底構造130の別の部材に接続されてもよい。
【0028】
センサシステム12の他の実施形態は、様々な数又は構成のセンサ16を含んでもよく、一般に、少なくとも1つのセンサ16を含んでもよい。例えば、一実施形態では、システム12は、きわめて多くのセンサを含み、別の実施形態では、システム12は、2つのセンサ(かかと内に1つと靴100のフォアフット内に1つ)を含む。別の例として、システム12は、例えば切断/剪断力、キック力などを測定するために、靴100上の他の位置に(例えば、一実施形態(図示せず)では甲革に接続された)1つ以上のセンサを含んでもよい。更に、センサ16は、Bluetooth(登録商標)や近距離無線通信を含む任意の既知のタイプの有線又は無線通信を含む、様々な方式でポート14と通信してもよい。1足の靴は、1足の各靴にセンサシステム12を備えてもよく、また、対になったセンサシステムが、相乗的に動作してもよく、互いと独立に動作してもよく、また各靴内のセンサシステムが、互いに通信してもしなくてもよいことを理解されたい。センサシステム12の通信は、後でより詳しく説明される。センサシステム12が、データ(例えば、ユーザの足と地面や他の接触面との相互作用からの圧力データ)の収集と記憶を制御するコンピュータプログラム/アルゴリズムを備えてもよく、そのようなプログラム/アルゴリズムが、センサ16、モジュール22及び/又は外部装置110内に収容されかつ/又はそれらによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0029】
センサシステム12は、靴100の底部130内に幾つかの構成で位置決めされうる。図3図4に示された例では、ポート14、センサ16及びリード18が、例えば中敷131と足接触部材133との間にインサート部材37を位置決めすることによって、中敷131と足接触部材133との間に位置決めされてもよい。インサート部材37は、一実施形態では中敷と足接触部材133の一方又は両方に接続されてもよい。中敷131及び/又は足接触部材133には、後述するような電子モジュール22を収容するための空洞又はくぼみ135が配置されてもよく、ポート14は、一実施形態ではくぼみ135内からアクセス可能でもよい。くぼみ135は、更に、モジュール22のためのハウジング24を収容してもよく、ハウジング24は、例えば、ポート14に物理空間を提供しかつ/又はポート14とモジュール22間で相互接続するためのハードウェアを提供することによって、ポート14に接続するように構成されてもよい。図3図4に示した実施形態では、くぼみ135は、中敷131の上側主面内に空洞によって形成される。図3図4に示されたように、靴底構造130は、ハウジング24を収容するために形成された穴を有する圧縮性靴底部材138を含んでもよく、この穴は、くぼみ135へのアクセスを提供しかつ/又はくぼみ135の一部分と見なされてもよい。インサート37は、ハウジング24をくぼみ135内に配置するために圧縮性靴底部材138の上に配置されてもよい。圧縮性靴底部材138は、一実施形態では中敷131と対面してもよく、中敷131と直接接触してもよい。圧縮性靴底部材138が、圧縮性靴底部材138と中敷131との間に1つ以上の付加構造物(ストローベル部材など)が位置決めされた状態で、中敷131と対面してもよいことを理解されたい。図3図4の実施形態では、圧縮性靴底部材138は、足接触部材133と中敷131の間に配置された発泡部材138(例えば、EVA部材)の形であり、この実施形態では下側の内底/ソックライナーと考えられてもよい。発泡部材138は、一実施形態では中敷131のストローベル(図示せず)に接合されてもよく(例えば、接着剤を使用して)、ストローベルを覆って縫ってもよく、これにより、縫い目によるインサート37の摩耗が防止されうる。
【0030】
図3図4に示された実施形態では、ハウジング24は、側壁25と底壁26を含む複数の壁を有し、また側壁25の上部から外方に延在し、インサート37に接続するように構成されたフランジ又はリップ28を有する。一実施形態では、フランジ28は、穴27の前方端にあるインサート37の穴28B(図6)を通って接続するペグ(図示せず)によって、タブ29と繋がってハウジング24を形成する別個の部材である。ペグは、超音波溶接や他の技術によって接続されてもよく、一実施形態では容器に収容されてもよい。代替実施形態では、履物物品100は、タブ29が靴底構造130内に形成された状態で製造されてもよく、フランジ28は、必要に応じて、ポートの他の部分も組み立てられた後で、スナップ接続などによって接続されてもよい。ハウジング24は、ハウジング24内にモジュール22を保持する保持構造を有してもよく、そのような保持構造は、タブ/フランジ及びスロット配列、相補形タブ、ロック部材、摩擦嵌め部材などのモジュール22上の保持構造と相補的でもよい。ハウジング24は、また、フランジ28及び/又はタブ29内に配置された指状凹部29Aを有してもよく、指状凹部29Aは、モジュール22をハウジング24から除去するためにユーザの指がモジュール22と係合する場所を提供する。フランジ28は、インサート37の上部と係合する広い基部を提供し、この基部は、フランジ28がインサート37上及び/又は足接触部材133上に加える力を拡散し、これにより、そのような構成要素の激しい振れ及び/又は損傷が生じる可能性を減少する。また、フランジ28の丸い角部は、インサート37及び/又は足接触部材133に対する損傷を防ぐのに役立つ。フランジ28が、他の実施形態では異なる形状及び/又は輪郭を有してもよく、様々な形状及び/又は輪郭によって類似の機能を提供してもよいことを理解されたい。
【0031】
足接触部材133は、発泡部材138の上に配置されてインサート37を覆うように構成され、また図3に示されたように、その下側主面にハウジング24用の空間を提供する凹み134を有してもよい。足接触部材133は、発泡部材138に接着されてもよく、一実施形態では、図3に示されたように、足接触部材133を引き上げてモジュール22にアクセスできるようにフォアフット領域でのみ接着されてもよい。更に、足接触部材133は、インサート37及び/又は発泡部材138(シリコーン材料など)に対する滑りを防ぐために、下側の少なくとも一部分に配置された粘着性又は高摩擦材料(図示せず)を含んでもよい。例えば、足接触部材133が、フォアフット領域内で接着され、ヒール領域で自由な一実施形態では(例えば図3)、足接触部材133は、ヒール領域に配置された粘着性材料を有してもよい。また、粘着性材料は、センサシステム内に汚れが侵入するのを防ぐために高い密閉性を提供してもよい。別の実施形態では、足接触部材133は、ポート14の上に配置されるように構成され、足接触部材133を介したモジュール22の挿入及び/又は除去を可能にするようにサイズが決められた扉又はハッチ(図示せず)を有してもよく、この扉又はハッチは、ヒンジ上の揺れやプラグ状要素の除去などの様々な手法で開けられてもよい。一実施形態では、足接触部材133は、また、後述するように図形しるし(図示せず)を有してもよい。
【0032】
一実施形態では、図3図4に示されたように、発泡部材138は、また、インサート37を収容するためにインサート37と同じ周辺形状を有する凹部139を有してもよく、インサート部材37の最下層69(図8)は、凹部139内にインサート37を保持するために粘着性裏張りを有してもよい。一実施形態では、この目的のために、瞬間接着アクリル接着剤などの比較的強力な接着剤が利用されてもよい。インサート37は、ハウジング24を収容しそのための場所を提供する穴又はスペース27を有し、この実施形態では発泡部材138は、ハウジング24が、ストローベル及び/又は中敷131に完全に通りかつ/又はその少なくとも一部分を通ることを可能にする。図3図4に示された実施形態では、足接触部材133は、典型的な足接触部材133(例えば、ソックライナー)より小さい厚さを有してもよく、発泡部材138の厚さは、同等な緩衝を提供する足接触部材133の厚さの減少と実質的に等しい。一実施形態では、足接触部材133は、約2~3mmの厚さを有するソックライナーでよく、発泡部材138の厚さは、約2mmでよく、凹部139は、約1mmの深さを有する。発泡部材138は、一実施形態では、発泡部材138を履物物品100に接続する前に、インサート部材37に接着接続されてもよい。この構成によって、発泡部材を履物100のストローベルは他の部分に取り付ける前に、発泡部材138とインサート37の間の接着剤が平らな状態で硬化でき、これにより、典型的には発泡部材138が曲がるか湾曲し、他の状況では剥離が起こることがある。この構成では、インサート37が付着して取り付けられた発泡部材138は、一実施形態では履物物品100に挿入するために単一製品として提供されてもよい。図3図4におけるポート14の位置決めは、ユーザの足との最小接触、刺激、又は他の干渉を提供するだけでなく、足接触部材133を持ち上げるだけで容易なアクセシビリティを提供する。
【0033】
図3図4の実施形態では、ハウジング24は、インサート37と発泡部材138を完全に貫通し、くぼみ135も、ハウジング24を収容するために、ストローベルを完全に貫通して履物100の中敷131内に部分的に延在してもよい。別の実施形態では、くぼみ135は、異なるように構成されてもよく、一実施形態では完全にストローベルの下に位置決めされてもよく、ストローベルは、くぼみ135内のモジュール22にアクセスできるようにする窓を備える。くぼみ135は、ストローベル及び/又は中敷131からの材料の切削又は除去、くぼみが収容されたストローベル及び/又は中敷131の形成、又は他の技術若しくはこれらの技術の組み合わせを含む様々な技術を使用して形成されうる。ハウジング24は、くぼみ135の壁とぴったり適合してもよく、これは、ハウジング24とくぼみ135の隙間が材料破壊の原因になるので、有利なことがある。破片135を除去するプロセスは、適切なコンピュータ制御機器を使用して自動化されてもよい。
【0034】
更に他の実施形態では、くぼみ135は、靴底構造130のどこか他の場所に配置されてもよい。例えば、くぼみ135は、足接触部材133の上側主面に配置されてもよく、インサート37は、足接触部材133の上部に配置されてもよい。別の例では、くぼみ135は、足接触部材133の下側主面に配置されてもよく、インサート37は、足接触部材133と中敷131の間に配置されてもよい。更に他の例として、くぼみ135は、本底132内に配置されてもよく、底部130の側面、底又はかかとの開口などを介して靴100の外側からアクセス可能でもよい。図3図4に示された構成では、ポート14は、後述するように、電子モジュール22の接続又は切断のために容易にアクセス可能である。別の実施形態では、足接触部材133は、底面に接続されたインサート37を有してもよく、ポート14とくぼみ135は、靴底構造130内に形成されてもよい。インタフェース20は、他の実施形態に関して示されたものと同じようにハウジング24の側面に位置決めされているが、インタフェース20は、例えばモジュール22の上部を介した係合など、他の場所に位置決めされてもよいことを理解されたい。モジュール22は、そのような変更に対応するように変更されてもよい。更に他の実施形態では、ハウジング24、インサート37、モジュール22及び/又はインタフェースの他の構成及び配列が利用されてもよい。
【0035】
他の実施形態では、センサシステム12は、違うように位置決めされてもよい。例えば、一実施形態では、インサート37は、本底132、中敷131又は足接触部材133内に位置決めされてもよい。1つの例示的な実施形態では、インサート37は、靴下、ソックライナー、内部履物ブーティ又は他の類似物などの内底部材の上に位置決めされた足接触部材133内に位置決めされてもよく、足接触部材133と内底部材との間に位置決めされてもよい。更に他の構成が可能である。前述したように、センサシステム12が、1足の各靴に含まれてもよいことを理解されたい。
【0036】
図3図8に示された実施形態におけるインサート部材37は、少なくとも第1層66と第2層68を含む多層から形成されている。第1及び第2層66と68は、Mylar[商標]や他のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム又は別の高分子フィルム(ポリアミドなど)などの可撓性フィルム材料から形成されてもよい。一実施形態では、第1及び第2層66と68はそれぞれ、0.05~0.2mmの厚さ(125μmの厚さなど)のPETフィルムでよい。更に、一実施形態では、第1及び第2層66,68はそれぞれ、2mm以下の最小曲げ半径を有する。インサート37は、更に、第1及び第2層66,68の間に位置決めされたスペーサ層67及び/又は第2層68の下でインサート37の下面に位置決めされた最下層69を含んでもよく、これらの層は、図3図8に示された実施形態に含まれる。インサート37の層66,67,68,69は、互いに対面して積み重ねられ、一実施形態では、層66,67,68,69は全て、類似又は同一の周囲形状を有し、互いに重ね合わせられる(図9)。一実施形態では、スペーサ層67と最下層69はそれぞれ、89~111μmの厚さ(100μmの厚さなど)を有する。インサート部材37の全厚さは、一実施形態では約450μmでよく、あるいは別の実施形態では428~472μm、更に他の実施形態では278~622μmでよい。インサート37は、また、厚さ100~225μmの追加の接着剤を含んでもよく、更に、他の実施形態では追加のPET層などの1つ以上の選択的補強層を含んでもよい。更に、一実施形態では、前述のような4層インサート全体は、5mm以下の最小曲げ半径を有する。別の実施形態では、第1及び第2層66,68は、例えば第2層68を最上層とし第2層68の下に第1層66を配置することによってなど、逆にされてもよいことを理解されたい。図3図8の実施形態では、第1及び第2層66,68には、後で詳述される種々の回路や他の構成要素(センサ16、リード18、抵抗器53,54、経路50、誘電性パッチ80、及び他の構成要素を含む)が印刷されてもよい。構成要素は、図3図8の実施形態では、第1層66の下側と第2層68の上側に印刷されるが、他の実施形態では、少なくとも幾つかの構成要素が、第1及び第2層66,68の反対側に印刷されてもよい。第1層66及び/又は第2層68上に配置された構成要素が、他の層66,68に移動/転置されてもよいことを理解されたい。
【0037】
層66,67,68,69は、一実施形態では、接着剤や他の接合材料によって接続されうる。スペーサ層67は、第1及び第2層66,68に接続するために、一実施形態では片面又は両方に接着剤を有してもよい。同様に、最下層69は、履物物品100だけでなく第2層68にも接続するために、片面又は両面に接着剤を有してもよい。第1又は第2層66,68は、追加又は代替として、この目的のための接着面を有しうる。他の実施形態では、層66,67,68,69を接続するために、ヒートシーリング、スポット溶接又は他の既知の技術などの様々な他の技術を使用できる。
【0038】
図3図8に示された実施形態では、センサ16は、底部130上の圧力及び/又は力を測定するための力及び/又は圧力センサである。センサ16は、センサ16上の圧力が増大するほど減少する抵抗を有し、したがって、ポート14の抵抗の測定を行なってセンサ16上の圧力を検出できる。図3図8に示された実施形態のセンサ16は、形状が楕円又は小判型(obround)であり、これにより、幾つかの様々な靴サイズに単一のセンササイズを利用可能である。この実施形態のセンサ16はそれぞれ、第1層66上に位置決めされた第1の接点40と、第2層68上に位置決めされた第2の接点42とを含む、2つの接点40,42を有する。本明細書において第1層66を示す図は上面図であり、また電子構造(接点40、リード18などを含む)が、第1層66の下側に位置決めされ、特に断らない限り、透明又は半透明の第1層66を通して見えることを理解されたい。接点40,42は、互いに対向して位置決めされ、互いに対して重ね合わされ、それにより、ユーザの足などによるインサート部材37上の圧力によって、接点40,42間の係合が高まる。センサ16の抵抗は、接点40,42間の係合が増大するほど減少し、モジュール22は、センサ16の抵抗の変化に基づいて圧力を検出するように構成される。一実施形態では、接点40,42は、図3図8の実施形態のように、第1及び第2層66,68上に印刷された導電性パッチによって形成されてもよく、2つの接点40,42が形成される材料は、同じでもよく異なってもよい。更に、一実施形態では、リード18は、センサ接点40,42の材料より高い導電率と低い固有抵抗を有する材料から形成される。例えば、パッチは、カーボンブラック又は別の導電性炭素材料から形成されてもよい。更に、一実施形態では、2つの接点40,42は、同じ材料又は類似の硬さを有する2つの材料から形成されてもよく、これにより、互いに接する材料の硬さの違いによる摩滅と摩耗が減少する。この実施形態では、第1の接点40が、第1層66の下側に印刷され、第2の接点42が、第2層68の上側に印刷されて、接点40,42の間の係合が可能になる。図3図8に示された実施形態は、スペーサ層67を含み、スペーサ層67は、スペーサ層67を介して接点40,42の係合を可能にするために各センサ16に位置決めされた穴43を有し、同時に第1及び第2層66,68の他の部分を互いに絶縁する。一実施形態では、各穴43は、センサ16のうちの1つと位置合わせされ、それぞれのセンサ16の接点40,42間の少なくとも部分的係合を可能にする。図3図8に示された実施形態では、穴43は、センサ接点40,42以外の領域では小さく、接点40,42の中央部分が互いに係合することを可能にし、同時に接点40,42の中心部分と配線リード18Aを互いに絶縁する(例えば図8を参照)。別の実施形態では、穴43は、接点40,42の間のその面全体にわたる係合を可能にするようにサイズ決めされてもよい。他の実施形態では、類似の機能を保ちながら、センサ16及び接点40,42のサイズ、寸法、輪郭及び構造が変更されてもよいことを理解されたい。また、様々な靴サイズのための様々なサイズのインサート37に、同じサイズを有するセンサ16が利用されてもよく、その場合、インサート37の全体寸法に対するセンサ16の寸法は、様々なインサート37サイズで異なってもよいことを理解されたい。他の実施形態では、センサシステム12は、図3図8の実施形態のセンサ16と違うように構成されたセンサ16を有してもよい。更に他の例では、センサ16は、炭素系又は類似の接点40,42を含まない異なる構成を利用してもよく、かつ/又は抵抗センサ16として機能しなくてもよい。そのようなセンサの例には、他の例の中でも、容量性圧力センサ又はひずみゲージ圧力センサが挙げられる。
【0039】
図3図8に更に示されたように、一実施形態では、インサート37は、インサート37を圧縮及び/又は屈曲する際にインサート37内の空気流を可能にするように構成された内部空気流システム70を含んでもよい。図8は、空気流システム70の構成要素をより詳しく示す。空気流システム70は、センサ16から1つ以上の通気孔72に至る1つ以上の通気道又はチャンネル71を有することができ、空気が、圧縮中にセンサ16から、第1及び第2層66,68の間で、通気孔72を通ってインサート37の外部に流れることを可能にする。空気流システム70は、センサ16の圧縮中に超過圧力の蓄積を防ぎ、また、様々な空気圧と高度におけるセンサ16の接点40,42の一貫した分離を可能にし、それにより性能を、より一貫させる。チャネル71は、第1及び第2層66,68の間に形成されてもよい。図8に示されたように、スペーサ層67にはチャネル71が形成され、空気が、第1及び第2層66,68の間のこれらのチャネル71を適切な通気孔72まで流れうる。通気孔72は、一実施形態では、フィルタ(図示せず)で覆われてもよい。そのようなフィルタは、空気、水分及び破片が通気孔72から出ることを可能にし、かつ水分と破片が通気孔72内に入るのを防ぐように構成されてもよい。別の実施形態では、インサート37は、スペーサ層を含まなくてもよく、チャネル71は、層66,68を特定パターンで密封せずに形成されてもよい(例えば、密閉不能材料の塗布によって)。したがって、そのような一実施形態では、空気流システム70は、層66,68と一体化されるかそれらの層によって直接規定されるよう考えられてもよい。他の実施形態では、空気流システム70は、様々な数又は構成の空気チャネル71、通気孔72、及び/又は他の通路を含んでもよい。
【0040】
図3図8に示された実施形態では、空気流システム70は、2つの通気孔72と、4つのセンサ16それぞれを通気孔72のうちの1つに接続する複数の空気チャネル71とを含む。スペーサ層67は、この実施形態では、各センサに穴43を有し、チャネル71は、空気がセンサ16からチャネル71を通って流れるように穴43に接続される。更に、この実施形態では、センサ16のうちの2つは、チャネル71を介して通気孔72のそれぞれに接続される。例えば、図4図8に示されたように、第1中足骨センサ16bは、インサート37の第1のミッドフット領域の少し後ろの通気孔72まで延在するチャネル71を有し、第1指骨センサ16aは、やはり第1中足骨センサ16b内を通ることを含む通路を介して同じ通気孔72まで延在するチャネル71を有する。換言すると、第1指骨センサ16aは、第1指骨センサ16aにある穴43から第1中足骨センサ16bにある穴43まで延在するチャネル71を有し、別のチャネル71は、第1中足骨センサ16bから通気孔72まで延在する。また、第5の中足骨センサ16cとヒールセンサ16dは、インサート37のかかと部分に配置された共通通気孔72を共有する。1つのチャネル71は、第5中足骨センサ16cにある穴43から通気孔72まで後方に延在し、別のチャネル71は、ヒールセンサ16dにある穴43から通気孔72まで前方に延在する。通気孔72を複数のセンサ間で共有することによって、特に追加のフィルタ73を不要にすることによって、費用を削減できる。他の実施形態では、空気流システム70は、異なる構成を有してもよい。例えば、各センサ16は、それ自体の個別の通気孔72を有してもよく、3つ以上のセンサ16が、同じ通気孔72を様々な実施形態で共有してもよい。
【0041】
各通気孔72は、第2層68の下側(即ち、第1層66の反対側)に開口として形成され、その結果、図9で分かるように、開口は、空気流システム70からの空気、水分及び/又は砕片の外方へ流れを可能にする。別の実施形態では、通気孔72は、複数の開口を有してもよい。更に他の実施形態では、通気孔72は、追加又は代替として、空気をインサート37から上方に逃す第1層66の開口によって形成されてもよい。追加の実施形態では、通気孔72が、チャネル71を縁まで延在させることなどによってインサート37の側面(薄い縁)にあってもよく、その結果、チャネル71が、縁を通ってインサート37の外部に開く。下方への空気の逃しは、図3図8に示された実施形態にあるように、砕片が通気孔72に入りにくくする。また、最下層69は、存在する場合、通気孔72から流れ出る空気が最下層69を通ることができるように通気孔72の下に配置された開口74を有する。開口74は、後述するように、各通気孔72のまわりで最下層69を介してフィルタを第2層68に接着できるように、通気孔72よりかなり大きい。更に、この実施形態では、各通気孔72は、材料に安定性と強度を加えかつ破壊/裂けを防ぐために、通気孔72のまわりに位置決めされた補強材料75を有する。示された実施形態では、補強材料75は、印刷を容易にするためにリード18と同じ材料(例えば、銀又は他の金属インク)から形成されるが、本明細書で検討されるセンサ接点40,42(例えば、炭素)又は絶縁材料と同じ材料から形成されてもよい。
【0042】
図3図8に示された実施形態の通気孔72は、下方に開いており、通気孔72を通る空気は、中敷131と発泡部材138(存在する場合)に向かって下方に通る。図3図4に示された実施形態では、発泡部材138は、通気孔72のすぐ下にある空洞76を有し、通気孔から出る空気がそれぞれの空洞76に入るように構成される。そのような空洞76は、発泡部材138を完全又は部分的に貫通するスロットとして形成されてもよい。この構成によって、空気は、発泡部材138による邪魔なしに、通気孔72から出ることが可能となる。図3図4の実施形態では、空洞76はそれぞれ、空洞76から横方向に、インサート37の周辺境界を越えて延在するチャネル部分77を有する。換言すると、空洞76のチャネル部分77は、通気孔72から、インサート37の周辺境界の外側にある遠位端78まで横方向に延在する。発泡部材138が、インサート部材37を収容する凹部139を有する場合、図3図4に示された実施形態にあるように、空洞76のチャネル部分77の遠位端78もまた凹部139の周辺境界の外側にあってもよいことを理解されたい。この構成によって、空洞76に入る空気は、チャネル部分77を横方向に通り、次に発泡部材138から上方及び/又は下方に通ることによって、靴底構造130から出ることが可能となる。別の実施形態では、遠位端78は、発泡部材138内でかつインサート37の周辺境界の外側の位置で終了し、それにより、空気が、遠位端78にある空洞76から上方に抜けて、同じか又は類似の機能が提供される。以上のように、空気流システム70の構成要素は、他の実施形態では異なるように構成されてもよい。
【0043】
更に、足接触部材133は、図3図8の実施形態では、空洞76の遠位端78に配置された足接触部材133を貫通する1つ以上の通路79を含む。通路79は、足接触部材133内に垂直方向に延在するピンホール型通路79でもよい。別の実施形態では、スリット又は溝を含む様々なタイプの通路79を使用でき、少なくとも1つの通路79は、足接触部材133の層を上向きに通るのではなく、足接触部材133の側面に対して横方向に延在してもよい。通路79は、通気孔72を通って空洞76から出る空気が、足接触部材133を通って靴底構造130から出ることを可能にする。別の実施形態では、足接触部材133は、通路79を含まなくてもよい。足接触部材133は、更に、足接触部材133を構成するために通気性発泡材や他の通気性材料を使用することなどによって、通路79のない構成で通気を提供してもよい。
【0044】
前述のような図3図8の実施形態では、スペーサ層67は、一般に、経路50やセンサ16の接点40,42間などの電気接触が必要な領域以外、第1及び第2層66,68上の導電部材/構成要素を互いに絶縁する。スペーサ層67は、層66,68間の所望の電気接触の領域を画定する穴38及び43を有する。空気流システム70の構成要素、特にチャネル71は、第1及び第2層66,68間の1つ以上の導電部材による短絡や他の望ましくない電気接触のための経路を提供することがある。一実施形態では、センサシステム12は、チャネル71などのスペーサ層67の開口領域を横切る1つ以上の導電部材による望ましくない短絡を受けにくくするか又は防ぐために絶縁材料80の1つ以上のパッチを含んでもよい。この絶縁材料80は、アクリルインクや他の紫外線硬化性インク、又は用途に適した別の絶縁材料の形態でよい。図3図8に示された実施形態では、インサート37は、センサ接点40,42のまわりにある配線リード18Aを互いに絶縁するために、チャネル71を横切って延在する絶縁材料80の幾つかのパッチを有する。
【0045】
図3図8の実施形態では、ポート14、センサ16及びリード18は、インサート部材37上に回路10を構成する。ポート14は、4つのセンサ16のうちの1つにそれぞれ独立に専用化された4つの端子11と、電圧を回路10に印加するための1つの端子11と、電圧測定用の1つの端子11とを含む複数の端子11を有する。この実施形態では、センサシステム12は、また、層66,68の一方の上にそれぞれ配置された1対の抵抗器53,54と、第1層66上の回路を第2層68上の回路と接続する経路50とを含む。抵抗器53,54は、モジュール22が各センサ16の抵抗値を測定する基準点を提供し、モジュール22が活動センサ16からの可変電流を測定可能な電圧に変換することを可能にする。更に、抵抗器53,54は、回路10内に並列に配列されて、回路10内のばらつき、及び/又はリード18及び/又はセンサ接点40,42を印刷するために使用されるインクの導電率のばらつきなど、抵抗器53,54を作成するために使用される製造工程におけるばらつきを補償する。一実施形態では、2つの抵抗器53,54の等価抵抗は、1500+/-500kΩである。別の実施形態では、直列の単一抵抗器53,54又は2つの抵抗器53,54が使用されてもよい。更に他の実施形態では、抵抗器53,54は、インサート37上のどこか他の場所に位置決めされてもよく、モジュール22の回路内に配置されてもよい。この実施形態の回路10の更に詳しい技術的描写は、後述され、図9に示される。
【0046】
図9は、本発明の一実施形態による圧力を検出し測定するために使用されうる回路10を示す。回路10は、電圧を回路10に印加するための電力端子104aと、後述するように電圧を測定するための測定端子104bと、4つのセンサ端子104c~104f(各端子は、センサ16a~16dのうちの1つに専用化され、それぞれこの実施形態では接地を表す)を含む6つの端子104a~104fを含む。端子104a~104fは、ポート14の端子11を表わす。示した実施形態では、抵抗器53と54を表わす固定抵抗器102aと102bは、並列に接続される。固定抵抗器102a及び102bは、物理的に別個の層上に配置されてもよい。端子104a及び104bの両端の等価抵抗は、次の周知の式によって決定される。
【0047】
【数1】

ここで、
102a=固定抵抗器102aの抵抗
102b=固定抵抗器102bの抵抗
eq=等価抵抗
【0048】
固定抵抗器102a及び102bを電気的に並列に接続することによって、固定抵抗器102a及び102bを作成するために使用される製造工程におけるばらつきを補償する。例えば、固定抵抗器102aが、所望の抵抗からずれた抵抗を有する場合は、式1によって決定された等価抵抗のずれは、固定抵抗器102bの平均化効果によって最小になる。当業者は、2つの固定抵抗器が説明のためだけに示されていることを理解するであろう。追加の固定抵抗器は、並列に接続されてもよく、各固定抵抗器は、異なる層上に形成されてもよい。
【0049】
図9の示された実施形態では、固定抵抗器102a及び102bは、センサ16a~16dに接続される。前述のように、センサ16a~16dは、圧力の変化に応じて抵抗を変化させる可変抵抗器によって実現されてもよい。センサ16a~16dはそれぞれ、複数の可変抵抗器によって実現されてもよい。一実施形態では、センサ16a~16dはそれぞれ、物理的に様々な層上に配置され電気的に並列に接続された2つの可変抵抗器によって実現される。例えば、一実施形態に関して前に述べたように、各センサ16a~16dは、印加圧力が増大するほど強く係合する2つの接点40,42を含んでもよく、センサ16a~16dの抵抗は、係合が増大するほど減少することがある。前述のように、抵抗器を並列に接続することによって、製造工程中に生じたずれを最小にする等価抵抗が作成される。別の実施形態では、接点40,42は、直列に配列されてもよい。センサ16a~16dは、スイッチ108a~108dを介してグランドに接続されてもよい。スイッチ108a~108dは、センサを接続するために1つずつ閉じられてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチ108a~108dは、トランジスタ又は集積回路によって実現されてもよい。
【0050】
動作において、3ボルトなどの電圧レベルが、端子104aで印加される。スイッチ108a~108dは、センサ16a~16dのうちの1つをグランドに接続するように1つずつ閉じられる。グランドに接続されたとき、センサ16a~16dはそれぞれ、固定抵抗器102a及び102bの組み合わせによって分圧器を構成する。例えば、スイッチ108aが閉じられたとき、端子104aとグランド間の電圧は、固定抵抗器102a及び102bの組み合わせとセンサ16aとの間に分割される。端子104bで測定された電圧は、センサ16aの抵抗が変化するときに変化する。その結果、センサ16aに印加された圧力は、端子104bで電圧レベルとして測定されることがある。センサ16aの抵抗は、既知の値の組み合わせ固定抵抗器104a及び104bと直列のセンサ16aに印加された電圧を利用して測定される。同様に、スイッチ108b~108dを選択的に閉じることによって、端子104bに、センサ16b~16dに加えられた圧力と関連した電圧レベルが生成される。他の実施形態では、センサ16a~dと端子104c~fの間の接続が異なってもよいことを理解されたい。例えば、図8に示されたように、センサ16a~dは、右靴インサート37と比較して、左靴インサート37内のインタフェース20の様々なピンに接続される。別の実施形態では、電圧レベルが、反対に印加されてもよく、グランドが端子104aにあり、電圧が端子104c~fに印加される。更に他の実施形態では、類似の結果と機能を達成するために、別の回路構成が使用されてもよい。
【0051】
図8に見られるように、示された実施形態では、2つの抵抗器53,54が、類似又は同一の構造を有するが、他の実施形態では、抵抗器が異なる構造を有してもよいことを理解されたい。各抵抗器53,54は、互いに離間された2つの区分55,56と、区分55,56の間にありこれらの区分を接続するブリッジ57とを有する。一実施形態では、ブリッジ57は、区分55,56より多くの抵抗材料から形成されてもよく、したがって、各抵抗器53,54の抵抗の大部分を提供することがある。区分55,56は、銀材料などの高伝導性材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。図3図9に示された実施形態では、内側及び外側区分55,56は、印刷された銀系インクや他の金属系インクなど、リード18と同じ材料から形成される。この実施形態では、ブリッジ57は、カーボンブラックや別の導電性炭素材料など、センサ接点40,42と同じ材料から形成される。他の実施形態では、内側及び外側区分55,56及び/又はブリッジ57が、様々な材料から形成されてもよいことを理解されたい。
【0052】
経路50は、一般に、連続的及び/又は絶え間ない電気通信を可能にし、第1及び第2層66,68の間で電子信号を通す。図3図8の実施形態では、ポート14は、第2層68に直接接続され、経路50は、第1層66,68上のポート14とセンサ接点40との間の垂直経路として働くことがある。この実施形態では、経路50が、第1層66と第2層68上に導電性部分51を有し、その結果、導電性部分51が、互いに連続的に係合して、第1及び第2層66,68間の連続的な電気通信を提供する。この実施形態のスペーサ層67は、経路50と位置合わせされた穴38を含み、スペーサ層67を介した導電性部分51間の連続的な係合を可能にする。更に、図3図5の実施形態では、各導電性部分51が、細長いギャップ59によって分離された2つの区分52に分割される。ギャップ59は、導電性部分51の曲がりを最小にする屈曲点として働くことによって、インサート37の屈曲中の経路50の耐久性を高めるような向きにされてもよい。経路50の導電性部分51は、導電材料から形成され、一実施形態では、導電性部分51は、銀系インクや他の金属系インクなど、リード18と同じ材料から形成されてもよい。他の実施形態では、本明細書に記載された経路50とその構成要素は、様々なサイズ、形状、形態又は位置を有してもよく、異なる材料から形成されてもよい。更に、経路50は、導電性部分51間の係合の支援など、構造的支持及び/又は効果を提供するために、一実施形態では補剛構造60によって少なくとも部分的に取り囲まれるか境界を定められてもよい。図3図8に示されたように、導電性部分51は、実質的に環状の補剛材60によって取り囲まれる。補剛材60は、適切な剛性を有する任意の材料から形成されもよく、一実施形態では、カーボンブラックや他の炭素系材料など、導電性部分51の材料より大きい剛性を有する材料から形成されてもよい。更に、スペーサ層67の穴38は、導電性部分51が互いに係合することを可能にする。
【0053】
インサート37は、高分子(例えば、PET)フィルム上に様々な構成要素を付着させることによって構成されてもよい。一実施形態では、最初に各層66,68上に導電性金属材料を付着させることによって、例えば、インサート37は、リード18のトレースパターン(配線リード18A、経路50の導電性部分51、抵抗器53,54の内側及び外側区分55、56などを含む)で印刷することによって構成される。次に、追加の炭素材料が、印刷などによって各層66,68上に付着されて、接点40,42、経路50の補剛材60、抵抗器53,54のブリッジ57が形成されうる。次に、絶縁部分などの任意の追加の構成要素を付着させてもよい。一実施形態では、層66,68は、PETシート上に印刷され、次に印刷後に切除して外周辺形状を形成してもよい。
【0054】
ポート14は、センサ16によって収集されたデータを外部ソースに、1つ以上の既知の方式で通信するように構成される。一実施形態では、ポート14は、普遍的に読取り可能な形式でデータを通信するように構成された汎用通信ポートである。図3図8及び図14に示された実施形態では、ポート14は、図3にポート14と関連して示された電子モジュール22に接続するためのインタフェース20を含む。更に、この実施形態では、ポート14は、中敷131の中央アーチ又はミッドフット領域内のくぼみ135内にある電子モジュール22を挿入するためのハウジング24と関連付けられる。図3図8に示されたように、センサリード18は、統合インタフェース20をその端子11に形成してポート14につながるように集束する。一実施形態では、統合インタフェースは、複数の電気接点などによる、ポートインタフェース20に対するセンサリード18の個別接続を含んでもよい。別の実施形態では、センサリード18は、プラグ型インタフェースや別の構成などの外部インタフェースを形成するように統合されてもよく、更に他の実施形態では、センサリード18は、各リード18がそれ自体の別個の端子11を有する非統合インタフェースを構成してもよい。また後で述べるように、モジュール22は、ポートインタフェース20及び/又はセンサリード18に接続するためのインタフェース23を有してもよい。
【0055】
図3図8及び図14に示された実施形態では、インタフェース20は、電気接点又は端子11の形をとる。一実施形態では、端子11は、層66,68の一方からハウジング24に提供された穴27の中まで延在する舌部又は拡張部21上に形成される。拡張部は、リード18の端を単一領域に統合してインタフェース20を形成する。図3図8及び図14の実施形態では、拡張部21は、第2層68から穴27の中に延在して、ハウジング24内で下方に曲げられて、端子11がハウジング24内に配置され、インタフェース20がハウジング24内でアクセス可能になる。拡張部21は、ハウジング24のフランジ28の下と、リップ28の下のスロットや他のスペース内を通って、ハウジング24内に延在してもよい。図3図8及び図14に示される構成では、拡張部21は、穴135内に及び、ハウジング24内に下方に曲げられて、上述のように、端子11がハウジング24内に配置され、インタフェース20がハウジング24内に形成される。
【0056】
図14A~Bに示されたように、ハウジング24は、インタフェース20とモジュール22との間で接続を確立するためにコネクターピンやばねなどの接続構造を含でもよい。一実施形態では、ポート14は、インタフェース20を構成する電気コネクタ82を含み、電気コネクタ82は、前述のように端子11に個々に取り付けられる接点を含んでもよい。コネクタ82は、圧着接続によって拡張部21と端子11に接続されてもよい。この実施形態のインタフェース20は、7つの端子を有し、4つの端子11はそれぞれ、センサ16のうちの1つに個々に接続され、1つの端子11は、測定端子(図9の104b)として働き、1つの端子は、回路10に電圧を印加する電源端子(図9の104a)として働く。前述のように、電力端子は、代りに、別の実施形態ではグランド端子として構成されてもよく、センサ端子(図9の104c~f)は、電源端子として構成される。7番目の端子は、固有識別チップなどの付属品に電力を供給するために利用されてもよい。一実施形態では、第6と第7の端子11は、拡張部21の端から延在するテール部21A上に延長される。付属品は、付属品に電力供給するためにテール部21A上の2つの端子11の間に接続されてもよい。付属品は、異方性接点形成によってテール部21Aに取り付けられたメモリチップと共に、小さいプリント回路基板(PCB)を含んでもよい。一実施形態では、付属品チップは、通し番号などの履物物品100を一意に識別する情報、並びに、履物100が、左側又は右側の靴か、男性又は女性の靴か、特定タイプの靴(例えば、ランニング、テニス、バスケットボールなど)かどうかなどの本質的な情報及び他のタイプの情報を含んでもよい。この情報は、モジュール22によって読み取られ、その後でセンサからのデータの分析、表現及び/又は構成に使用されることがある。付属品は、エポキシや他の材料などによってハウジング24内に密閉されてもよい。
【0057】
ポート14は、種々様々な電子モジュール22に接続するように適応され、電子モジュール22は、メモリ部品と同じくらい単純でもよく(例えば、フラッシュドライブ)、より複雑な特徴を有してもよい。モジュール22が、パーソナルコンピュータ、モバイル装置、サーバなどの複雑な構成要素でよいことを理解されたい。ポート14は、センサ16によって収集されたデータを、記憶、伝達及び/又は処理のためのモジュール22に伝送するように構成される。幾つかの実施形態では、センサシステム12のポート14、センサ16、及び/又は他の構成要素が、データを処理するように構成されてもよい。センサシステム12のポート14、センサ16、及び/又は他の構成要素は、追加又は代替として、データを外部装置110又は複数のモジュール22及び/又は外部装置110に直接伝送するように構成されてもよい。センサシステム12のポート14、センサ16及び/又は他の構成要素が、これらの目的のために、適切なハードウェア、ソフトウェアなどを含んでもよいことを理解されたい。履物物品におけるハウジングと電子モジュールの例は、参照により本明細書に組み込まれその一部を構成する米国特許出願公開2007/0260421号として公開された米国特許出願第11/416,458号に示されている。他の実施形態では、ポート14は、モジュール22に接続するためのインタフェース20を構成する電子端子11で示されているが、ポート14は、1つ以上の追加又は代替の通信インタフェースを収容してもよい。例えば、ポート14は、USBポート、Firewireポート、16ピンポート、又は他のタイプの物理接触式接続を収容するか含んでもよく、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、RFID、Bluetooth Low Energy、Zigbee、又は他の無線通信技術用のインタフェース、赤外線又は他の光通信技術用のインタフェースなどの無線又は非接触通信インタフェースを含んでもよい。別の実施形態では、センサシステム12は、1つ以上のモジュール22又は外部装置110と通信するように構成された複数のポート14を含んでもよい。あるいは、この構成は、単一分配ポート14と見なされてもよい。例えば、センサ16はそれぞれ、1つ以上の電子モジュール22と通信するための別個のポート14を有してもよい。この実施形態のポート14は、リード18によってセンサ16に接続され、様々な実施形態では、インサート37の層の間、インサート37の開口の中、インサート37の上又は下に配置されてもよい。複数又は分散されたポート14は、2つ以上のセンサの組み合わせが単一ポート14に接続された状態で使用されうることを理解されたい。更に他の実施形態では、センサシステム12は、様々な構成を有する1つ以上のポート14を含んでもよく、ポート14は、本明細書に記載された2つ以上の構成の組み合わせを含んでもよい。
【0058】
更に、モジュール22は、後述されまた図5及び図20図21に示されたように、外部装置110に接続して処理するデータを送信するための1つ又は複数の通信用インタフェースを有してもよい。そのようなインタフェースは、前述の接触式又は非接触式インタフェースのいずれを含みうる。1つの例では、モジュール22は、コンピュータに接続するためかつ/又はモジュール22のバッテリを充電するために、少なくとも格納式のUSB接続を含む。別の例では、モジュール22は、時計、携帯電話、携帯型音楽プレーヤなどのモバイル装置に接触式又は非接触式に接続するように構成されてもよい。モジュール22は、外部装置110と無線通信するように構成されてもよく、これにより、装置22が履物100に留りうる。しかしながら、別の実施形態では、モジュール22は、データ転送のために、履物100から取り外されて、前述の格納式USB接続などによって外部装置110に直接接続されるように構成されてもよい。図20は、モジュール22が1つ以上の外部装置110と無線通信するように構成された一実施形態を示す。そのような外部装置110は、また、図20にも示されたように、センサシステム12から受け取った情報を互いに通信してもよい。
【0059】
無線実施形態では、モジュール22は、無線通信のためにアンテナ17に接続されてもよい(図20を参照)。アンテナ17は、選択された無線通信方法に適切な伝送周波数で使用するように形状、サイズ、位置が決定されてもよい。更に、アンテナ17は、モジュール22内にあってよくモジュール外にあってもよい。1つの例では、センサシステム12自体(リード18やセンサ16の導電性部分など)が、アンテナを構成するために使用されてもよい。モジュール22は、更に、アンテナ受信を改善するように配置、位置決め及び/又は構成されてもよく、一実施形態では、ユーザの身体の一部分をアンテナとして使用してもよい。一実施形態では、モジュール22は、履物100内に永久的に取り付けられてもよく、あるいは、ユーザの選択時に取り外してもよく、必要に応じて履物100内に留めてもよい。更に、後で更に詳しく説明されるように、モジュール22は、取り外され、センサ16から別の手法でデータを収集しかつ/又は利用するようにプログラムされかつ/又は構成された別のモジュール22と交換されてもよい。モジュール22が、履物100内に永久的に取り付けられる場合、センサシステム12は、更に、USBやFirewireポートなどのデータ転送及び/又はバッテリ充電を可能にするために外部ポート(図示せず)を備えてもよい。モジュール22が、接触式と非接触式の両方で通信するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0060】
図21に示された別の実施形態では、システム12は、モジュール22を含まなくてもよく、代わりに、センサ16は、外部装置110と直接有線又は無線通信してもよい。図21に示された実施形態では、センサ16はそれぞれ、外部装置110と通信する別個のアンテナ17を有する(また、トランスミッタ又はTX/RX107を含んでもよい)。別の実施形態では、複数のセンサ16は、単一アンテナ17(及び/又は単一トランスミッタ又はTX/RX107)を介して通信してもよい。単純にするために図21には単一装置110が示されており、センサシステム12が、幾つかの外部装置110と直接又は間接通信してもよいことを理解されたい。
【0061】
ポート14が、本発明から逸脱することなく様々な位置に配置されうるが、一実施形態では、ポート14は、例えば、着用者がアスレチック活動中などに下降しかつ/又は他の方法で履物物品100を使用するときに、着用者の足との接触及び/又は刺激を回避又は最小にする位置と向きで提供されかつ/又は他の方法でそうなるように構成される。図3図4及び図14のポート14の位置決めは、1つのそのような例を示す。別の実施形態では、ポート14は、靴100のかかと又は甲領域の近くに配置される。履物構造100の他の特徴は、着用者の足とポート14(又は、ポート14に接続された要素)との間の接触を減少させるか回避し、かつ履物構造100の全体的な快適さを改善するのに役立つことがある。例えば、前述され図3図4に示されたように、足接触部材133は、ポート14の上に適合しかつポート14を少なくとも部分的に覆ってもよく、それにより、着用者の足とポート14との間に詰物層が提供される。ポート14と着用者の足との接触を少なくしかつ着用者の足におけるポート14の望ましくない感触を調整するために、追加の特徴が使用されてもよい。
【0062】
図14A図14Bは、更に、インサート部材37と共に利用されるように構成されたポート14の一実施形態の詳しい図を示す。前述の類似の構造は、同一又は類似の参照数字で示される。この実施形態及び実施形態の変形は、後で詳述される。本明細書で検討され開示されたように、ポート14は、モジュール22と操作可能に接続するためのインタフェース20を規定又は支援する。モジュール22については、後でより詳しく述べられる。ポート14とモジュール22の間の操作可能な接続によって、センサ組立体12によって検出されたデータを、更なる使用と分析のために、取得し、記憶しかつ/又は処理できる。
【0063】
図14A図14Bに更に示されたように、この実施形態におけるハウジング24は、ベース部材140とカバー部材142を含む。ベース部材140は、側壁25と底壁26を規定する前述のようなタブ29に対応してもよい。カバー部材142は、モジュール22を収容するように寸法決めされた中央開口153を有する。カバー部材142の下側には、後述するようにベース部材140上のレシーバ(図示せず)と協力する1対の垂下ポスト(図示せず)を有する。カバー部材142の外側周囲は、リップ又はフランジ28を規定する。例示的な実施形態では、カバー部材142は、ハウジング24の側壁25を協力的に規定する垂下壁を有してもよい。そのような構成では、ベース部材140は、カバー部材142上の垂下壁を収容するように側壁上にリッジを規定してもよい。
【0064】
図14Bは、更に、インタフェース組立体156の構成要素を示す。インタフェース組立体156は、図32と関連して概略的に述べたような電気コネクタ82を支持する担体157を有する。電気コネクタ82はそれぞれ、モジュール22上の対応する接点と協力する、担体157によって弾力的に支持された接点を規定する遠位端を有する。図14に示されたように、インタフェース組立体156は、インサート部材37のリード11を有する拡張部21に動作可能に接続される。図14Bに更に示されたように、テール部21Aは、折り曲げて拡張部21の裏側の隣りに位置決めできることを理解されたい。図14に更に示されたように、担体157は、ハウジング24のベース部材140の第1の横方向スロット148内に位置決めされる。図14Bから理解できるように、溶加材159(例えば、埋込用樹脂)が、担体157の後ろの第2の横方向スロット150に注入されてもよい。この構成によって、インタフェース20のコネクタ82が、モジュール22に接続するためにタブ29内で露出される。
【0065】
図15図16は、モジュール22の一実施形態の追加の図と特徴を開示する。前に検討されたように、モジュール22は、ポート14に収容されてポート14に操作可能に接続され、センサ組立体12から受け取ったデータ14を収集し、蓄積しかつ/又は処理する。モジュール22が、プリント回路基板、電源、光部材、インタフェース、及び多軸加速度計、ジャイロスコープ及び/又は磁力計を含む様々なタイプのセンサを含むがこれらに限定されない、そのような目的のための様々な構成要素を収容することを理解されたい。モジュール22は、一般に、ハウジング170を含み、ハウジング170は、インタフェース23を形成しかつポート14のインタフェース20と協力する接点を構成する電気コネクタを有するインタフェース組立体171を支持する。インタフェース組立体171は、複数のコネクタ172とモジュール担体173を有する。コネクタ172はそれぞれ、モジュール22のインタフェース23を集合的に規定する接点を構成する遠位端を有する。コネクタ172は、材料がコネクタ172のまわりに形成されるように挿入成形されてモジュール担体173を規定することを理解されたい。ハウジング170は、一般に、複数の部材(例えば、外側部材と内側部材)を含むことがあるモジュールベース部材175を有する。ハウジング170は、更に、複数の部材(例えば、外側部材と内側部材)を含むこともあるモジュール上部材177を有する。モジュールベース部材175、モジュール上部材177及びインタフェース組立体171は、協力してコネクタ172のまわりに密封構成を提供する。コネクタ172は、この実施形態では、オーバーモールド構成を有すると考えられうる。これらの構成要素は、また、内部空洞を形成し、ハウジング170は、コネクタ172に操作可能に接続されたプリント回路基板180を含む内部構成要素を支持する。
【0066】
モジュール22がポート14内に収容されることを理解されたい。モジュール22の前端は、中央開口153を通って、第1の区分144に挿入される。モジュール22は、一般にサイズが締りばめでタブ29に対応するように寸法決めされる。そのような構成では、モジュール22上のインタフェース23は、ポート14上のインタフェース20と操作可能に係合され、インタフェース20,23のそれぞれの接点は、面接触する。したがって、構造は、モジュール22のインタフェース23が、ポート14のインタフェース20に対して押し付けられるようなものである。モジュール22はその後面に、モジュール22をポート14内にスナップ接続によって保持するのを支援するために、ハウジング24の突出部151を収容する凹部184を有してもよい。ユーザは、指凹部29Aの支援でモジュール22にアクセスすることによって、モジュール22をポートから容易に取り出しうる。したがって、モジュール22は、充電やデータの転送などに必要なとき、又はある用途のあるタイプのモジュール22を別の用途の別のタイプのモジュールと交換するか、放電したモジュール22を新しく充電したモジュール22と交換するときに、容易にポート14に挿入されポート14から取り外されうる。
【0067】
図5は、本発明の少なくとも幾つかの例にしたがって使用されうる、データ送信/受信システム107によるデータ伝送/受信機能を含む例示的な電子モジュール22の概略図を示す。図5の例示的構造は、電子モジュール構造22に一体化されたようなデータ送信/受信システム(TX-RX)107を示すが、当業者は、別個の構成要素が、履物構造100又はデータ送信/受信用の他の構造として含まれてもよく、かつ/又はデータ送信/受信システム107が、本発明の全ての例で単一ハウジング又は単一パッケージに全体的に収容されなくてもよいことを理解するであろう。より正確に言うと、必要に応じて、データ送信/受信システム107の様々な構成要素又は要素が、互いに、様々なハウジング内、様々な基板上で互いに別個でもよく、かつ/又は本発明から逸脱することのなく種々様々な方式で履物物品100や他の装置と別に係合されてもよい。様々な可能な取付け構造の種々の例は、後でより詳しく説明される。
【0068】
図5の例では、電子部品22は、1つ以上の遠隔システムとの間でデータを送受信するためのデータ送信/受信要素107を含んでもよい。一実施形態では、送信/受信要素107は、前述の接触式又は非接触式インタフェースなどによって、ポート14を介して通信するように構成される。図5の示された実施形態では、モジュール22は、ポート14及び/又はセンサ16に接続するように構成されたインタフェース23を含む。図5に示されたモジュール22では、インタフェース23は、ポート14と接続するためにポート14のインタフェース20の端子11と相補的な接点を有する。他の実施形態では、前述のように、ポート14とモジュール22は、接触されてもよく無線でもよい様々なタイプのインタフェース20,23を含んでもよい。幾つかの実施形態では、モジュール22が、TX-RX要素107を介してポート14及び/又はセンサ16と接続してもよいことを理解されたい。したがって、一実施形態では、モジュール22は、履物100の外部にあってもよく、ポート14は、モジュール22と通信するための無線トランスミッタインタフェースを含んでもよい。この例の電子部品22は、更に、処理システム202(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ)、メモリシステム204、及び電源206(例えば、バッテリや他の電源)を含んでもよい。一実施形態では、電源206は、コイルや他の誘導性部材を含めることなどによって、誘導充電するように構成されてもよい。この構成では、モジュール22は、履物物品100を誘導性パッドや他の誘導性充電器上に置くことによって充電でき、ポート14からモジュール22を取り外すことなく充電が可能になる。別の実施形態では、電源206は、追加又は代替として、環境発電技術を使用して充電するように構成されてもよく、またユーザの動きによる動力学的エネルギーの吸収によって電源206を充電する充電器などの環境発電用装置を含んでもよい。
【0069】
図5に示されたように1つ以上のセンサへ接続できるが、追加センサ(図示せず)を提供して、歩数計型速度及び/若しくは距離情報、他の速度及び/若しくは距離データセンサ情報、温度、高度、大気圧、湿度、GPSデータ、加速度計出力若しくはデータ、心拍数、脈拍数、血圧、体温、EKGデータ、EEGデータ、汗検出、角度方向に関するデータ、及び角度方向の変化(ジャイロスコープ式センサなど)などを含む、履物物品100の使用又はユーザと関連した物理的又は生理学的データなど、種々様々なタイプのパラメータに関連するデータ若しく情報を提供することができ、このデータは、メモリ204に記憶されてもよく、かつ/又は、例えば幾つかの遠隔地又はシステムへの送信/受信システム107による送信のために利用可能でよい。また、追加センサは、存在する場合、加速度計を含んでもよい(例えば、歩数計型速度及び/又は距離情報などに関する歩行中の方向変化の検出、ジャンプ高さの検出のため)。一実施形態では、モジュール22は、加速度計などの追加センサ208を含んでもよく、センサ16からのデータが、モジュール22や外部装置110などによって、加速度計208からのデータと統合されてもよい。
【0070】
一実施形態では、センサシステム12、外部装置110又はこれらの両方は、GPSアンテナや他の必要なハードウェアを含むことがあるGPSの装置又はセンサ209を収容することがある。センサシステム12が、典型的には、使用中に常にユーザと共にあるので、センサシステム12に接続されたGPS装置は、使用しているときにユーザの位置を検出するために使用されうる。図5の実施形態では、GPS装置209は、モジュール22内に収容されるように示されているが、別の実施形態では、GPS装置209が、モジュール22の外部にありモジュール22と通信してもよいことを理解されたい。外部装置110は、追加又は代替として、図21に示されたようにセンサシステム12と接続して使用されたときに位置検出を可能にし、電子モジュール22を含まないGPS装置209を含んでもよい。モジュール22のメモリ204,304と処理システム202,302及び/又は外部装置110が、GPS装置209と共に使用するためのソフトウェアを含みそのソフトウェアを処理するように構成されてもよいことを理解されたい。アスレチック活動を分析するためのGPS装置209の動作並びにシステム400及び方法500と関連した使用法は、後で更に詳しく説明される。
【0071】
追加の例として、前述の様々なタイプの電子モジュール、システム及び方法は、履物物品に自動的な衝撃減衰制御を提供するために使用されてもよい。そのようなシステム及び方法は、例えば、履物物品の衝撃減衰特性を能動的かつ/又は動的に制御するためのシステム及び方法について述べている米国特許6,430,843号、米国特許出願公開第2003/0009913号及び米国特許出願公開第2004/0177531号に記載されたように動作してもよい(米国特許第6,430,843号、米国特許出願公開第2003/0009913号及び米国特許出願公開第2004/0177531号はそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれその一部分を構成する)。速度及び/又は距離型情報の提供のために使用されるとき、米国特許第5,724,265号、第5,955,667号、第6,018,705号、第6,052,654号、第6,876,947号及び第6,882,955号に記載されたタイプの検出ユニット、アルゴリズム、及び/又はシステムが使用されうる。これらの特許はそれぞれ、引用により全体が本明細書に組み込まれる。センサ及びセンサシステムの追加の実施形態並びにこれらを利用する履物物品、底部構造及び部材は、米国特許出願公開第2010/0063778号として公開された米国特許出願第12/483,824号、米国特許出願公開第2010/0063779号として公開された米国特許出願第12/483,828号、及び米国特許出願第13/399,778号及び第13/399,935号に開示されており、これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれその一部を構成する。
【0072】
電子モジュール22は、また、活動化システム(図示せず)を含んでもよい。活動化システム又はその一部分は、モジュール22又は履物物品100(又は、他の装置)と、電子モジュール22の他の部分と共に又は別個に係合されてもよい。活動化システムは、電子モジュール22及び/又はを電子モジュール22の少なくとも幾つかの機能(例えば、データ送信/受信機能など)を選択的に活動化するために使用されうる。様々な活動化システムが、本発明から逸脱せずに使用されうる。任意のそのような実施形態では、センサシステム12は、ある不活動期間後にシステム12を非活動化できる「スリープ」モードを含んでもよい。代替実施形態では、センサシステム12は、活動化も非活動化もしない低消費電力装置として動作してもよい。
【0073】
モジュール22は、更に、外部装置110と通信するように構成されてもよく、外部装置110は、図6及び図10図12に示されたような、外部コンピュータ若しくはコンピュータシステム、モバイル装置、ゲームシステム又は他のタイプの電子装置でよい。図5に示された例示的な外部装置110は、プロセッサ302、メモリ304、電源306、ディスプレイ308、ユーザ入力310、及びデータ送信/受信システム108を含む。送信/受信システム108は、以上及び本明細書の他の場所に記載された接触式及び非接触通信方法を含む任意のタイプの既知の電子通信によって、モジュール22の送信/受信システム107を介してモジュール22と通信するように構成される。モジュール22及び/又はポート14は、種々様々なタイプ及び構成の電子装置を含みまた別の外部装置に情報を渡す働きをし、そのようなデータを更に処理する場合もしない場合もある中間装置を含む、複数の外部装置と通信するように構成されてもよい。更に、モジュール22の送信/受信システム107は、複数の様々なタイプの電子通信を行うように構成されてもよい。更に、靴100が、必要に応じて、バッテリ、圧電電源、太陽電池など、センサ16を動作させるための個別の電源を含んでもよいことを理解されたい。図3図8の実施形態では、センサ16は、モジュール22への接続によって電力を受け取る。
【0074】
後述するように、そのようなセンサ組立体は、電子モジュール22及び/又は外部装置110のための固有のソフトウェアと共に使用するようにカスタマイズされうる。サードパーティが、そのようなソフトウェアを、カスタマイズされたセンサ組立体を有する単独インサートと共に、パッケージとして提供してもよい。モジュール22及び/又は全体的なセンサシステム12は、モジュール、外部装置110又は別の構成要素によって記憶されかつ/又は実行されるアルゴリズムを含む、センサ16から得られたデータを分析するための1つ以上のアルゴリズムと協力してもよい。
【0075】
動作において、センサ16は、それらの機能と設計にしたがってデータを収集し、そのデータをポート14に送る。次に、ポート14は、電子モジュール22が、センサ16と接続してそのデータを後の使用及び/又は処理のために収集することを可能にする。一実施形態では、データは、普遍的に読取り可能な形式で収集、保存、送信され、それにより、データは、種々様々な目的で使用するために、種々様々なアプリケーションによって、複数のユーザによってアクセスされかつ/又はダウンロードされうる。1つの例では、データは、XML形式で収集、保存、送信される。一実施形態では、モジュール22は、測定端子104bにおける電圧降下を測定することによって、図9に示されたような回路10を利用してセンサ16内の圧力変化を検出し、この圧力変化は、そのとき切り換えられた特定のセンサ16の抵抗の変化を示す。図13は、センサ16の圧力-抵抗曲線の一例を示し、破線は、インサート37の曲がりなどの要因による曲線の電位シフトを示す。モジュール22は、活動化抵抗Rを有してもよく、これは、モジュール22がセンサ上の圧力を登録するのに必要な検出抵抗である。そのような抵抗を作成する対応する圧力は、活動化圧力Pとして知られる。活動化抵抗Rは、モジュール22がデータを登録するのに必要とされる固有活動化圧力Pに対応するように選択されうる。一実施形態では、活動化圧力Pは、約0.15バール、約0.2バール又は約0.25バールでよく、対応する活動化抵抗Rは、約100kΩでよい。更に、一実施形態では、最高感度レンジは、150~1500ミリバールでよい。一実施形態では、図3図22Bに示されたように構成されたセンサシステム12は、0.1~7.0バール(又は、約0.1~7.0気圧)の範囲の圧力を検出でき、別の実施形態では、センサシステム12は、この範囲の圧力を高感度で検出できる。
【0076】
様々な実施形態では、センサシステム12は、様々なタイプのデータを収集するように構成されてもよい。一実施形態(前述)では、センサ16は、圧縮の数、順序及び/又は頻度に関するデータを収集できる。例えば、システム12は、履物100を着用している間に受けた歩、ジャンプ、カット、キック又は他の圧縮力の数又は頻度、並びに接触時間や飛行時間などの他のパラメータを記録できる。定量的センサ及びバイナリオン/オフ型センサの両方が、このデータを収集できる。別の例では、システムは、履物によって受けた一連の圧縮力を記録でき、これは、足の回内運動又は回外運動、重量転移、フットストライクパターンの決定、又は他のそのような用途などの目的に使用されうる。別の実施形態(前にも述べた)では、センサ16は、靴100の隣接部分上の圧縮力を定量的に測定でき、その結果、データは、定量的な圧縮力及び/又は衝撃測定を含みうる。靴100の様々な部分の力の相対差は、靴100の重み分布と「圧力中心」を決定する際に利用されうる。重量配分及び/又は圧力中心は、一方又は両方の靴100のために独立して計算できるか、又は人の全身のための重量配分の中心又は圧力中心を見つけることなどの、両方の靴の上にともに計算できる。更に他の実施形態では、センサ16は、圧縮力の変化率、接触時間、飛行時間、若しくは衝撃間の時間(ジャンプ又はランニング中など)、及び/又は他の時間依存パラメータを測定できてもよい。任意の実施形態では、センサ16が、前述のように力/衝撃を登録する前に特定のしきい値力又は衝撃を必要とすることがあることを理解されたい。
【0077】
前述のように、データは、一実施形態では、汎用ポート14を介してモジュール22に普遍的に読取り可能な形式で提供され、その結果、データを使用できる用途、ユーザ及びプログラムの数は、ほぼ無制限になる。したがって、ポート14とモジュール22は、ユーザによる必要に応じて構成されかつ/又はプログラムされ、ポート14とモジュール22は、センサシステム12から入力データを受け取り、そのデータは、様々な用途に必要とされる任意の方法で使用されうる。モジュール22は、固有識別チップの使用などによって、受け取ったデータが左の靴と右の靴のどちらに関連するかを認識できる。モジュール22は、左/右靴の認識によりデータを異なるように処理してもよく、またデータが左/右靴のどちからのものかの識別によりデータを外部装置110に送信してもよい。同様に、外部装置110は、左/右靴の識別に基づいてデータを異なるように処理するか他の方法で処理してもよい。1つの例では、図12に示され前述されたように、端子11とインタフェース20に対するセンサ16の接続が、左インサートと右インサート37とで異なってもよい。左インサート37からのデータは、この構成によれば、右インサート37からのデータと異なるように解釈されてもよい。モジュール22及び/又は電子装置110は、固有識別チップ92に含まれる他の識別情報に関して類似のアクションを実行してもよい。多くの用途では、データは、更に、使用前にモジュール22及び/又は外部装置110によって処理される。外部装置110が更にデータを処理する構成では、モジュール22は、データを外部装置110に送信してもよい。この送信されたデータは、同じ普遍的に読取り可能な形式で送信されてもよく、別の形式で送信されてもよく、またモジュール22は、データの形式を変更するように構成されてもよい。更に、モジュール22は、1つ以上の特定の用途のためにセンサ16からのデータを収集、利用及び/又は処理するように構成されかつ/又はプログラムされうる。一実施形態では、モジュール22は、複数の用途で使用するためにデータを収集、利用及び/又は処理するように構成される。そのような使用法と用途の例を以下に示す。本明細書で使用されるとき、用語「用途」は、一般に、特定の使用法を指し、この用語がコンピュータ技術で使用されるとき、必ずしもコンピュータプログラムアプリケーションでの使用法を指すとは限らない。しかしながら、コンピュータプログラムアプリケーションでは、特定のアプリケーションが、完全に実施されてもよく部分的に実施されてもよい。
【0078】
更に、一実施形態では、モジュール22は、履物100から取り外され、第1モジュール22と異なるように動作するよう構成された第2モジュール22と交換されてもよい。例えば、交換は、足接触部材133を持ち上げて、ポート14から第1モジュール22を切り離し、ハウジング24から第1モジュール22を取り外し、次に、第2モジュール22をハウジング24に挿入し、第2モジュール22をポート14に接続し、最後に足接触部材133を適所に戻すことによって達成される。第2モジュール22は、第1モジュール22と異なるようにプログラムされかつ/又は構成されてもよい。一実施形態では、第1モジュール22は、1つ以上の特定の用途で使用するように構成されてもよく、第2モジュール22は、1つ以上の様々な用途で使用するように構成されてもよい。例えば、第1モジュール22は、1つ以上のゲーム用途で使用するように構成され、第2モジュール22は、1つ以上のアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成されてもよい。更に、モジュール22は、同一タイプの様々な用途で使用するように構成されてもよい。例えば、第1モジュール22は、あるゲーム又はアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成され、第2モジュール22は、別のゲーム又はアスレチックパフォーマンス監視用途で使用するように構成されてもよい。別の例として、モジュール22は、同一ゲーム又はパフォーマンス監視用途内で異なるように使用するように構成されてもよい。別の実施形態では、第1モジュール22は、あるタイプのデータを収集するように構成され、第2モジュール22は、別のタイプのデータを収集するように構成されてもよい。本明細書に記載されるそのようなタイプのデータの例は、定量的力及び/又は圧力測定値、相対的力及び/又は圧力測定値(即ち、センサ16相互の)、体重移動/転移、衝撃順序(フットストライクパターンなど)、力及び/又は圧力変化率などが挙げられる。更に他の実施形態では、第1モジュール22は、センサ16からのデータを、第2モジュール22と異なるように利用又は処理するように構成されてもよい。例えば、モジュール22は、単にデータを収集、記憶及び/又は通信するように構成されてもよく、モジュール22は、データの編成、データの形式の変更、データを使用した計算の実行など、何らかの方法でデータを更に処理するように構成されてもよい。更に別の実施形態では、モジュール22は、様々な通信インタフェースを有するか、様々な外部装置110と通信するように構成されるなど、異なるように通信するように構成されてもよい。モジュール22は、様々な電源を使用したり追加又は異なるハードウェア構成要素(前述のような追加のセンサ(例えばGPS、加速度計など))を含んだりするなど、構造と機能の両方の態様含む他の態様で異なるように機能してもよい。
【0079】
システム12によって収集されたデータの意図された1つの用途は、重量転移の測定であり、これは、ゴルフスウィング、野球/ソフトボールスイング、ホッケースイング(アイスホッケー又はフィールドホッケー)、テニススイング、ボールのスローイング/ピッチングなどの多くのアスレチック活動にとって重要である。システム12によって収集された圧力データは、任意の適切な運動場で技術を改善する際に使用するためのバランスと安定性に関する貴重なフィードバックを提供できる。収集されたデータの用途に基づいて、様々な価格と複雑さのセンサシステム12を設計できることを理解されたい。
【0080】
システム12によって収集されたデータは、様々な他のアスレチックパフォーマンス特性の測定に使用されうる。データは、足回内運動/回外運動の程度及び/又は速度、フットストライクパターン、バランス、及び他のそのようなパラメータを測定するために使用でき、このデータを使用して、ランニング/ジョギング又は他のアスレチック活動における技術を改善できる。回内運動/回外運動に関して、データの分析を回内運動/回外運動の予測値として使用できる。接触測定やロフト時間測定(loft time measurement)などの歩数計測定を含みうる速度及び距離監視を行なうことが可能である。接触又はロフト時間測定を使用することなどによって、ジャンプ高さを測定することも可能である。切断中に靴100の様々な部品に加わる差分力を含む横方向切断力を測定することが可能である。センサ16は、靴100内の横方向のすべりなど、せん断力を測定するように位置決めされうる。一例として、靴100の甲革120の側面に、側面に対する力を検出する追加のセンサが組み込まれてもよい。
【0081】
導き出されたデータ又は測定値は、後で更に詳しく説明されるような速度、体力、迅速さ、一貫性、技術などの改善を含むアスレチック訓練に役立つことがある。ポート14、モジュール22及び/又は外部装置110は、ユーザに積極的な実時間フィードバックを与えるように構成されうる。例えば、後で更に詳しく述べるように、アスレチック活動を分析し、そのような活動に基づいて指導及び/又は他のフィードバックを提供するように、指導又はトレーニングプログラムが構成されてもよい。1つの例では、ポート14及び/又はモジュール22は、結果を実時間で伝えるために、コンピュータやモバイル装置などと通信してもよい。別の例では、米国特許第6,978,684号に開示された機能のような、制御動作を支援するために靴の一部分を振動させることによってユーザフィードバックを提供できる1つ以上の振動要素が靴100に含まれてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれその一部を構成する。更に、データを使用してアスレチック運動を比較して、例えば、運動をユーザの過去の運動と比較してその一貫性、改善又は不足を示し、ユーザの運動を別のユーザの同じ運動(プロゴルファーのスウィングなど)と比較できる。以下に更に詳細な例について述べる。
【0082】
システム12は、また、ユーザが一日の間に関与した様々な活動を記録するために「終日活動」を追跡するように構成されてもよい。システム12は、モジュール22、外部装置110及び/又はセンサ16内などに、このための特別のアルゴリズムを含んでもよい。システム12は、また、データ収集及び処理用途ではなく、センサ16によって検出されたユーザによる動きに基づく、例えば外部装置110(例えば、コンピュータ、テレビ、ビデオゲームなど)の制御に使用するために、制御用途に使用されてもよい。
【0083】
本明細書に記載されたようなセンサシステム12を収容する単一の履物物品100は、単独で使用されてもよく、図10図12に示したような1足の靴100,100’など、それ自体のセンサシステム12’を備えた第2の履物物品100’との組み合わせで使用されてもよい。第2の靴100’のセンサシステム12’は、一般に、センサリード18’によってポート14’に接続されて電子モジュール22’と通信する1つ以上のセンサ16’を収容する。図10図12に示された第2の靴100’の第2のセンサシステム12’は、第1の靴100のセンサシステム12と同じ構成を有する。しかしながら、別の実施形態では、靴100,100’は、様々な構成を有するセンサシステム12,12’を有してもよい。2つの靴100,100’は両方とも、外部装置110と通信するように構成され、示した実施形態では、靴100,100’はそれぞれ、外部装置110と通信するように構成された電子モジュール22,22’を有する。別の実施形態では、両方の靴100,100’は、同じ電子モジュール22と通信するように構成されたポート14,14’を有してもよい。この実施形態では、少なくとも1つの靴100,100’が、モジュール22と無線通信するように構成されてもよい。図10図12は、モジュール22,22’間で通信する様々なモードを示す。
【0084】
図10は、モジュール22,22’が互いに通信するように構成され、また外部装置110と独立に通信するように構成された「メッシュ」通信モードを示す。図11は、1つのモジュール22’が他のモジュール22を介して外部装置110と通信する「ディジーチェーン」通信モードを示す。換言すると、第2モジュール22’は、信号(データを含むことがある)を第1モジュール22に通信するように構成され、第1モジュール22は、両方のモジュール22,22’からの信号を外部装置110に通信するように構成される。同様に、外部装置は、第1モジュール22に信号を送信し、第1モジュール22が第2モジュール22’に信号を通信することによって、第1モジュール22を介して第2モジュール22’と通信する。一実施形態では、モジュール22,22’は、外部装置110との間で信号を送信する以外の目的のために互いに通信することもできる。図12は、各モジュール22,22’が外部装置110と独立に通信するように構成され、モジュール22,22’が互いに通信するように構成されていない、「独立」通信モードを示す。他の実施形態では、センサシステム12,12’は、互いにかつ/又は外部装置110と別の方法で通信するように構成されてもよい。
【0085】
図22図23Bは、前述のように履物物品100と使用するためのセンサシステム12の追加の実施形態を示す。一実施形態では、図22で分かるように、履物センサシステム12は、リード18によってポート14に接続された4つのセンサ116を含む内底部材137に組み込まれてもよい。内底部材137は、ソックライナーなどの足接触部材でもよく、足接触部材の下に位置決めされた内底でもよい。別の実施形態では、図22に示されたようなセンサシステム12は、様々なタイプの靴底部材に組み込まれてもよい。図22の実施形態では、ポート14は、センサ16から本明細書に記載されたような外部電子装置(図示せず)に信号を送信するためにアンテナ17に接続される。ポート14は、前述のように電子モジュール22に接続されてもよく、アンテナ17は、モジュールの構成要素でもよい。別の実施形態では、電子モジュール22は、含まれなくてもよく、アンテナ17は、ポート14の構成要素であり、外部装置と直接無線通信するように構成されてもよい。任意の実施形態では、アンテナ17は、外部装置へのデータの送信を可能にするのに十分なハードウェアや他の構成要素が付随してもよいことを理解されたい。図22の実施形態におけるセンサ116は、図3図4図6図8に示されたようなインサート37のセンサと同じように位置決めされる。
【0086】
図22に示された実施形態におけるセンサ116は、前述したように図3図4及び図6図8の実施形態のセンサ16と異なるように構成されてもよい。例えば、図23A図23Bに示された実施形態では、センサ116は、密封された柔軟薄膜における空洞41内の単純な炭素接点である接点40,42を含んでもよい。図23A図23Bと同じような接点40,42を使用するセンサ116は、前述の図3図4図6図8のセンサ16と同じように力の変化を動的に検出するように構成されもよく、別の実施形態ではバイナリオン/オフセンサとして機能してもよい。図23Aの実施形態では、内底部材137の本体は、センサ116を取り囲む密封柔軟薄膜を形成してもよく、リード18が、接点40,42から内底部材137を通ってポート14まで延在する。図23Bの実施形態では、内底部材137は、センサ116を収容する空洞41を取り囲む第1の柔軟部材137Aと、第1の柔軟部材137Aに接続された第2の柔軟部材137Bとを含んでもよい。リード18は、第1の柔軟部材137Aを通って接点40,42からポート14まで延在するように示されたが、リード18は、別の実施形態では、第2の柔軟部材137Bの少なくとも一部分を通って延在してもよい。図23Bの実施形態では、第1及び第2の柔軟部材137A,137Bは、異なる特性を有する様々な材料から作成されてもよい。例えば、第1の柔軟部材137Aは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン又は他の高分子材料など、柔軟で耐久性があり及び/又は防水の材料から作成されてもよい。第2の柔軟部材137Bは、内底とソックライナーに共通に使用される発泡材料などの緩衝材から作成されてもよい。
【0087】
アスレチック活動を分析するためのシステム及び方法の実施形態は、また、様々な衣料物品及び/又は動きを検出するための別の装置と共に使用されてもよい。例えば、履物物品用のセンサシステムは、圧力/力センサを使用せずに足の生体力学的運動を検出できるセンサ(三軸加速度計、三軸ジャイロスコープセンサ、及び/又はコンパスなど)を含んでもよい。これらのセンサが全て、前述のモジュール22など、一実施形態の単一電子モジュールに組み込まれてもよいことを理解されたい。更に、他の衣料物品用のセンサシステムは、様々なタイプの生体力学的運動を検出するための類似モジュール(即ち、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又はコンパスセンサを有する)を利用してもよい。
【0088】
別の例として、シャツ90又はパンツ91が、図17図19に示されたように、力、運動及び/又は他の生体力学的パラメータを検出するためのセンサシステム12を備えてもよい。これらの実施形態のシャツ90とパンツ91は、複数のリード95によってポート94と通信するセンサ93を結合領域に含む。モジュール22(本明細書に記載された他の実施形態にしたがって提供されうる)は、ポート94に接続されて、生体力学的パラメータを反映するセンサ93からのデータを収集してもよい。一実施形態では、センサ93とリード95は、導電性粒子材料が分散された柔軟な高分子材料から形成されてもよい。リード95は、導電率のばらつきを最小にするために高密度の導電材料を有してもよく、センサ93は、低密度の導電材料を有してもよく、それにより、センサ93の圧縮及び/又は他の変形によって、センサの導電率/抵抗率が変化することがある。導電率/低効率のこの変化は、前述の履物センサシステム12と同じように、センサ93における力及び/又は運動を示すために使用されうる。モジュール22は、そのようなデータを収集し、そのデータを前述と同じように外部装置110に通信できる。モジュール22が、特にセンサ93からデータを収集する際に使用されるように構成されてもよいことを理解されたい。これらの実施形態では、システム400は、アスレチック活動での使用など、特定の生体力学的運動パターンの開発を支援する指導及び/又は他のフィードバックをユーザに提供するために使用されてもよい。そのような生体力学的運動パターンの例には、スローイング運動、バスケットボールのシュート運動、ハードル競技又は走り高跳び競技の跳躍フォーム、スイング運動(例えば、ゴルフ、野球、ホッケー、テニス)、ダンス運動などが挙げられる。また、履物10、シャツ90及びパンツ91に関して前述したようなセンサシステム12が、他の衣料物品又は身体の他の部分に接続された他の装置と関連して使用されうることを理解されたい。また、任意のそのようなセンサシステムが、前述のタイプの一方又は両方のセンサ16,93を、更に他のタイプのセンサに加えて又はそのようなセンサと組み合わせて含んでもよいことを理解されたい。更に他の実施形態では、システム400と方法500は、他の衣料物品に組み込まれたセンサシステムを含む、動きを検出するための他のセンサシステム又は装置に関連して使用されてもよい。
【0089】
アスレチック活動を分析するためのシステム400の例示的な実施形態は、図20図21に示され、ユーザが生体力学的運動をしている間にユーザの生体力学的パラメータを検出するように構成された少なくともセンサシステム12、並びに電子装置110がセンサシステム12によって収集されたデータを受け取ることができるようにセンサシステム12と通信する少なくとも1つの電子装置110を含む。電子装置110は、データを分析して、ユーザの生体力学的運動に所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在するかどうかを判定するように構成され、所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在すると分かったときにユーザへの指示を生成してもよい。逸脱は、一実施形態では、後でより詳しく述べるように、生体力学的運動テンプレートを使用することにより決定されてもよい。そのようなテンプレートは、電子装置110のメモリ304に記憶されてもよい。この実施形態では、電子装置110は、センサシステム12から受け取ったデータを、所望の生体力学的運動パターンに対応する生体力学的運動テンプレートと比較して、テンプレートからの逸脱を決定できる。テンプレートからの逸脱は、生体力学的運動パターンからの逸脱を示すことがある。「逸脱」の決定が、しきい値の変動を含んでもよく、この場合、データは、しきい値を超えない限りテンプレートから逸脱しないと考えられることを理解されたい。
【0090】
運動テンプレートは、様々な方法で得てもよい。一例として、テンプレートが、電子装置110のメモリ304に記憶されかつ/又は他の有形記憶媒体から得られるソフトウェアアプリケーションに含まれてもよい。別の例として、テンプレートが、インターネットや他のネットワークを介したダウンロードなど、別の電子装置110(電子モジュール22からを含む)との通信によってアクセスされてもよい。更に他の例として、テンプレートは、ユーザによって作成されてもよく、所望の運動パターンを選択するかユーザ又は別の人の実際の運動パターンを記録することによって作成されてもよい。任意のそのようなテンプレートが、メモリ304に記憶されてもよいことを理解されたい。
【0091】
システム400及び方法500の実施形態と関連して使用されることがある生体力学的運動テンプレートの例には、様々なフットストライクや他のランニングテンプレート(フットストライクパターン、フットストライク負荷又は力、歩行速度、歩長、フットストライク接触時間、速度、距離、フットストライク拍子、回内運動/回外運動、ストライド力、上体運動、傾斜、非対称性、姿勢のテンプレートなど)が挙げられる。図3図4及び図6図8又は図22図23Bに示されたような、履物物品100内に組み込まれたセンサシステム12によって収集されたデータは、これらのテンプレートの1つ以上と比較されてもよい。システム400及び方法500の実施形態と関連して使用される生体力学的運動テンプレートの追加の例には、ランニングフォーム、スローイングフォーム(野球、フットボール、ソフトボール、クリケットなどの特定の活動に調整されてもよい)、バスケットボールシュートフォーム、スイングフォーム(野球、ゴルフ、テニス、ホッケーなどの特定の活動に対して調整されてもよい)、キックフォーム(例えば、サッカーやフットボール)、アイススケート又はローラースケートフォーム、ジャンピングフォーム、クライミングフォーム、ウェイトリフティング又は他の静止エクササイズフォーム、姿勢のためのテンプレート、及び他の多くの生体力学的運動パターンに対応する他の多くのテンプレートが挙げられる。図17図19に示されたようなセンサシステム12及び/又は別のタイプのセンサシステムは、追加又は代替として、これらのテンプレートの少なくとも幾つかと関連して使用される。テンプレートは、好ましいか又は「適切な」生体力学的運動パターン(コーチ、トレーナー、スポーツ医学専門家などの入力などによる)、ユーザの過去の生体力学的運動パターン、有名なスポーツ選手や他の有名人の生体力学的運動パターンなどを含む、幾つかの異なる主題に基づいて作成されてもよい。
【0092】
一実施形態では、複数のテンプレートは、単一の活動及び/又は様々な活動に利用可能でもよい。例えば、複数の異なるタイプのテンプレートは、フットストライクパターンテンプレート、フットストライク負荷テンプレート、及びランニング活動で使用される他のテンプレートなどの単一活動に利用可能なことがある。一実施形態では、単一活動における複数の異なる生体力学的運動パターンを分析するために、装置110によって複数のテンプレートが同時に使用されてもよい。別の例として、同一タイプの複数の異なるテンプレートは、ヒールストライク、ミッドフットストライク、及びフォアフットストライク用フットストライクパターンテンプレートなどに利用可能なことがある。更に、活動と関連して使用されるテンプレートは、ユーザ又は別の人によって手動で選択されてもよく、プロセッサ302又はそのような技術の組み合わせによって自動的に選択されてもよい。例えば、ユーザ又は別の人が、ユーザに特定のフットストライクパターン又はスローイング運動を指導するために、特定のフットストライクパターンテンプレート又は特定のスローイングフォームテンプレートを手動で選択してもよい。別の例として、ユーザが、特定の活動を選択してもよく、装置110が、スプリンティングと長距離走行とフットボール試合とを比較するための様々なフットストライクパターンテンプレートの選択など、所望の活動に基づいてテンプレートを自動的に選択してもよい。自動選択が、過去の実績データや出された質問に対する答えなど、ユーザからの入力を加味してもよいことを理解されたい。更に他の例として、手動又は自動で選択されたテンプレートが、更に、高さ、体重、年齢、BMI、過去の実績など、ユーザの特徴に基づいて修正されてもよい(手動又は自動で)。テンプレートの他の選択方法も使用されうる。
【0093】
一実施形態では、生体力学的運動テンプレートは、様々なユーザで異なってもよい。様々なユーザが、異なるテンプレートを利用してもよく、類似のテンプレートの内容は、個別のユーザの特徴(例えば、身長、体重、年齢、BMI、フィットネスなど)により異なってもよい。テンプレートを利用する装置110は、一実施形態ではユーザ識別を提供してもよく(ユーザ名、パスコード、生体認証IDなどにより)、識別されたユーザごとにカスタマイズされたテンプレートを記憶してもよい。別の実施形態では、テンプレートを利用する装置110は、ユーザを個別に識別することなく、ユーザ特徴に基づいてテンプレートを自動選択してもよい。
【0094】
図24は、図20図21に示されたようなシステム400、又は本明細書に記載されたようなアスレチック活動を分析するための別のタイプのシステム400と共に使用されうるアスレチック活動を分析する方法500の1つの例示的実施形態を示す。図24の方法500の実施形態は、前述のようなセンサシステム12と通信する電子装置110(又は、装置)のアクションと関連して示され、その他のアクションは、センサシステムのモジュール22などの他の構成要素によって実行されてもよいことを理解されたい。例えば、装置110がセンサシステム12からデータを受け取る前に、一実施形態では、モジュール22が、センサ16によって検出されたデータを収集し、そのデータを装置110に送信する。モジュール22は、必要に応じて、データの幾つかの処理を送信前に行ってもよい。更に、装置110及び/又はモジュール22によって行なわれるアクションが、そのような装置のプロセッサ202,302、メモリ204,304、及び/又は他の構成要素を必要とすることがある。
【0095】
図24に示されたような方法500のステップ510において、装置110は、センサシステム12からデータを受信し、このデータは、モジュール22によって又は別の方法で送信されうる。一実施形態では、装置110は、センサシステム12からデータを実時間で、実質的に連続的に受信し、これは、様々な実施形態において個別データ単位又はデータパケットの周期的送信によって達成されてもよい。他の実施形態では、装置110は、収集された過去データを増分的に受信してもよく単一送信で受信してもよい。更に他の実施形態では、装置110は、複数の異なるセンサシステムからデータを受信してもよい。
【0096】
次に、装置110は、そのデータを分析して、ユーザの生体力学的運動に所望の生体力学的運動パターンからの逸脱が存在するかどうかを判定する。図24の実施形態では、装置110は、ステップ520で、選択された1つ以上のテンプレートとデータを比較し、ステップ530で、データとテンプレートの間に一致が存在するかどうかを判定する。様々な実施形態では、一致又は逸脱が存在するかどうかを判定するために様々なタイプの基準が使用されうる。更に、前述したように、逸脱を判定するために様々な所定のしきい値が使用されてもよく、それにより、逸脱の程度が特定のしきい値を超えない限り逸脱とは判定されない。図25図28は、測定データと1つ以上のテンプレートとの間の比較の図形描写を示し、これらの描写については、後でより詳しく検討される。
【0097】
逸脱が存在するかどうかを判定した後、方法500は、終了するか、ステップ510で、装置110が、センサシステム12から受信した追加データを引き続き分析する。逸脱が検出されない場合、ステップ540で、装置110は、必要に応じて、一実施形態では成功の指示をユーザに生成してもよい。そのような成功の指示は、逸脱の指示に関して本明細書で述べた任意の形態を含む1つ以上の異なる形態をとってもよい。逸脱が検出された場合、装置110は、550で、逸脱の指示をユーザに生成する。そのような指示は、可視、触覚、可聴聴覚及び他の指示を含む1つ以上の様々な形態でよい。例えば、可視指示が、装置のディスプレイ上に提供されてもよく、その場合、指示は、テキスト、図形、色(例えば、成功の緑又は逸脱の赤)、又は他の視覚表示として表示されてもよい。可視指示は、点滅光や他の構成要素によって提供されてもよい。別の例として、触覚指示は、装置110で関連付けられた振動モータや他の振動装置によって提供されてもよい。異なる結果(成功対失敗)を示すために、様々な振動パターン、強度、周波数などが使用されうる。別の例として、可聴指示は、装置110と関連付けられたスピーカや他の音声装置によって提供されてもよい。可聴指示は、話し言葉、ビープ音、サイレン、ベル、及び成功か失敗を示すために理解されうる他の音の形態をとってもよい。更に異なるタイプの指示が生成されてもよく、提供される指示のタイプが、装置の性能に依存することがあることを理解されたい。また指示の組み合わせも利用できる。指示は、追加又は代替として、別の装置に信号を送信して他の装置に前述のような指示を作成させるために生成されてもよい。更に、成功及び/又は失敗の指示が、実時間でユーザに示されてもよく、後で(活動が完了した後)示されてもよい。
【0098】
一実施形態では、ユーザは、生成される指示の1つ以上の異なるタイプを選択するオプションが提供されてもよく、様々な「良好」と、「不良」インジケータを選択してもよい。別の実施形態では、装置110は、ユーザが指示の「調子」を選択する能力を提供してもよい。例えば、装置110は、ユーザが、成功又は失敗の指示がより権威的で要求が厳しい「コーチ」モード、そのような指示がより支援的で激励的な「仲間」モード、そのような指示が本質的により競争的な「競争者」モード、奇抜で滑稽な文字がそのような指示を愉快で面白く提供するモードなどを選択する能力を提供できる。そのような指示モードは、ユーザに話しかけるように装置110によって表示されたアバタが付随してもよい。ユーザは、更に、外観、音、個性などを含む装置110によって利用されるアバタを選択しかつ/又は設計する能力が提供されてもよい。
【0099】
装置110は、ユーザの動きがテンプレートから逸脱したかどうかの情報に加えて、指示でより多くの情報を提供してもよい。前述のような逸脱の指示は、一実施形態では逸脱の程度の指示を含んでもよい。例えば、視覚表示308を備えた装置110上で、数値、図形描写(例えば、図25図28)、様々な色の表示、影、輝度、及びより大きいか小さい逸脱を示すために他のそのような視覚指示又はその組み合わせによって逸脱の過程が示されてもよい。別の例として、音声出力を備えた装置110上で、より大きいか小さい逸脱を示すために、ピッチ、音量、リズムなどが変化する指示、及び他のそのような可聴指示又はその組み合わせが放出されてもよい。更に他の例として、触覚出力(例えば、振動モータ)を備えた装置110上で、より大きいか小さい逸脱を指示するために、様々な強度の振動やリズムなど、及び他のそのような触覚指示又はそれらの組み合わせを示す様々な触感が生成されてもよい。装置110は、更に、ユーザが、活動中及び/又は活動の完了後に遡及的にユーザのパフォーマンスメトリックを動的に監視することを可能にする追加のパフォーマンス監視アプリケーションを備えてもよい。
【0100】
本明細書で述べるような装置110は、指導情報をユーザに提供するために1つ以上のアプリケーション又は他のソフトウェアを含んでもよく、指導情報は、本明細書で述べるような1つ以上の異なるタイプのテンプレートを利用することがある。テンプレートは、ソフトウェア内に含まれてもよく、かつ/又はカスタマイズ作成、外部装置からのダウンロード、記憶媒体などの外部装置などから取得されてもよい。そのようなソフトウェアは、特に単一活動、生体力学的運動パターン又はセンサシステムのタイプに関して構成されてもよく、複数の活動、複数の生体力学的運動パターン、及び/又は複数の異なるタイプのセンサシステムと関連して使用されてもよい。一実施形態では、ソフトウェアは、1つ以上のタイプのセンサシステムからのデータ入力を利用して、単一活動のための複数のテンプレートを組み込んでもよい。更に、そのようなソフトウェアは、身長、体重、性別、BMI、実際の記録された運動データなどのユーザデータを含んでもよく、これらのタイプのデータは、手動で入力され、別の記憶媒体からダウンロードされ、センサシステム12による測定から収集され、かつ/又は他の手段によって得られてもよい。更に、そのようなソフトウェアは、様々な程度のユーザ制御及び相互作用を提供することがある。例えば、ユーザは、ソフトウェアが提供する特定の活動及び特定のタイプの指導入力を選択してもよい。別の例として、ユーザ又は別の人(例えば、コーチ、トレーナー、セラピスト、健診専門家など)は、テンプレートを設計又は作成しても既存のテンプレートを修正してもよい。
【0101】
そのようなソフトウェアを備えた装置110は、実時間の生物測定運動データ、所望のテンプレートへの準拠及び/又は逸脱の実時間指示、他のユーザ(例えば、競争又は活動グループの参加者、ソシアルネットワークコンタクトなど)からの実時間情報、及びその他のタイプの実時間活動などの、活動の実時間結果を表示してもよい。ユーザが活動中に携帯/着用することがある小型モバイル装置110と関連して実時間結果がより有効に呈示されてもよいことを理解されたい。そのようなソフトウェアを備えた装置110は、追加又は代替として、データ付きの活動サマリ及び/又は活動の分析を提供することなどによって、収集された過去情報を提供してもよい。例えば、ソフトウェアは、パフォーマンスデータ、所望のテンプレートの準拠の成功、他のユーザとの比較、又はユーザの過去パフォーマンスとの比較などを含むことがある、様々な形態で呈示されることがある過去活動サマリを生成してもよい。
【0102】
一実施形態では、装置110及び/又は関連ソフトウェアは、ユーザを所望の生体力学的運動パターンに増加的に導くために段階的指導フィードバックを提供してもよい。生体力学的運動パターンの急激な変化が怪我のリスクを高める可能性があるので、幾つかの状況では、段階的又は増加的指導が、有用更には必要なことがある。装置110による段階的又は増分的指導を達成する1つの方法は、指定された使用量(指定された時間長さ、繰り返し、移動距離など)の後で、生体力学的運動テンプレートを変更して、ユーザにとってより馴染みがあるか通常のテンプレートに戻すことである。例えば、ヒールストライクの多い走者は、そのフットストライクパターンを、例えば3~6ヶ月間にわたって、ミッドフットストライク又はフォアフットストライクパターンに徐々に変更したいことがある。一実施形態では、走行初期のわずかな部分だけ所望のフットストライクテンプレートを利用し、次に指定部分が完了した後で、通常(例えば、ヒールストライク)テンプレートに戻しかつ/又はテンプレート使用を止めることによって、段階的変換を達成できる。テンプレート使用量は、連続走行によって段階的に高めることができる。一例として、所望のフットストライクテンプレートは、各走行初期の長さの約10%使用されてもよく、所望のテンプレートの使用量は、100%使用量に達するまで各週で5%長くしてもよい。そのような段階的又は増分的な指導を利用して、任意のフットストライクパターンから他のフットストライクパターンへの変換又は他のタイプの異なる生体力学的運動パターン間での変換を支援できることを理解されたい。
【0103】
別の実施形態では、1つ以上の中間テンプレートを使用してもよく、中間テンプレートは、ユーザの現在の運動パターンと最終的な所望の運動パターンの間の途中の運動パターンにユーザを導きうる。一例として、ミッドフット又はフォアフットストライクに切り替えようとしているヒールストライク優勢の走者は、走者の現在のフットストライクよりヒールストライクを少なくすることを奨励し、ミッドフット又はフォアフットストライクが最終的な所望の運動パターンほど強力でないフットストライクテンプレートを利用できる。図27は、走者の実際の運動データ605と、後述するような最終的な所望のフットストライクテンプレート604との間にある中間テンプレート606を示す。幾つかの実施形態では、ひとつの生体力学的運動パターンから別のパターンへの変換をより段階的に達成するために複数の中間テンプレートが利用されてもよい。前述のように、中間テンプレートが段階的に使用されてもよい。
【0104】
テンプレートの類似の段階的使用及び/又は中間テンプレートの使用が、他の生体力学的運動パターンの指導に適用されてもよく、他の用途では、適切な手法がこれより段階的なこともあり段階的でないこともあることを理解されたい。更に、装置110と関連ソフトウェアは、そのような段階的または増分的指導の態様を自動化するアルゴリズムを含んでもよい。例えば、一実施形態では、装置110は、段階的テンプレート使用及び/又は中間テンプレート使用を自動的に始めてもよく、そのような自動利用のユーザ選択機能を有してもよい。別の実施形態では、装置110は、特定の中間テンプレートの選択や段階的テンプレート使用が進行する速さの選択など、特定のユーザ選択を提供してもよい。更に他の実施形態では、装置110は、中間テンプレートを含むテンプレート固有のユーザ設計と、トレーニングプログラムの特定のユーザ設計を提供してもよい。
【0105】
図25図28は、一実施形態により使用されることがある様々なフットストライクパターンテンプレートの図形描写と、実際データとそのようなテンプレートとの比較の図形描写を示す。図25図28が、アスレチック活動を分析する際に装置110によって行われることがある処理の概念的図形描写を示すことを理解されたい。一実施形態では、装置110は、図25図28と類似したような現在/実時間又は過去分析を、GUI表示、印刷又は他の手段などによって表す図形描写を生成することがある。図25は、図3図4図6図8及び図22図23Bのセンサシステム12内のセンサ16の位置で測定された最大圧力又は力に基づくフットストライクテンプレート601(破線)の一例を示す。テンプレート601からの逸脱は、センサ16の1つ以上に過度又は不十分な圧力又は力が加えられた場合に起こる可能性がある。アスレチック活動から収集された仮想データ602は、図25に実線の棒グラフとして示され、しきい許容量603も示される。図25で分かるように、かかとで測定された圧力は、テンプレート601の目標値を超え、しきい値許容量603を越えており、一方、第1と第5の中足骨で測定された圧力は、目標値より小さく、しきい値許容量603を越えている。更に、この例では、第1指骨で測定された圧力は、テンプレート601の目標値より僅かに大きいが、しきい値許容量603の範囲内にある。したがって、この例では、かかと、第1中足骨及び第5中足骨で測定されたデータは、テンプレートから逸脱すると見なされ、第1指骨で測定されたデータは適合する。これは、逸脱の定義を管理する規則により、テンプレートから逸脱しかかとでのフットストライクが重すぎるフットストライクとして解釈されうる。様々な実施形態では、逸脱は、テンプレートから逸脱するかテンプレートに適合するセンサの数、テンプレートから逸脱するかテンプレートに適合する全体的な程度、若しくは他の因子、又はそれらの因子の組み合わせに基づいて起こると考えられうる。更に、一実施形態では、装置110は、各フットストライクに関する図25と類似の棒グラフを表示し(ディスプレイ308を使用して)、テンプレート(即ち、「理想的」フットストライク)は、動的に動く「実データ」バーによって示されており、これにより、走者が、各フットストライクを監視し必要に応じて調整できる。別の実施形態では、テンプレート601は、絶対的な力測定ではなく、各センサ16で測定された相対的な着地力(例えば、他のセンサ16に対する)を利用してもよく、これにより、ユーザの体重の不正確な記録が補償されることがある。
【0106】
図26図27は、図3図4図6図8及び図22図23Bのセンサシステム12のセンサ16の位置で測定された測定圧力と衝撃のタイミング/順序の両方に基づくフットストライクテンプレート604(破線)の追加の例を示す。テンプレートからの逸脱は、センサ16の1つ以上に過度又は不十分な圧力又は力が加わる場合、及び/又は各センサ16における衝撃の順序及び/又は接触時間が、所望の順序又はタイミングと異なる場合に生じることがある。アスレチック活動から収集された仮想データ605は、図26図27に実線として示される。圧力及び/又はタイミングのしきい値許容量が、図示されていないが、これらの実施形態で使用されてもよいことを理解されたい。図26で分かるように、かかとで測定された圧力は、テンプレートにおける目標値を超え、ほぼ同じタイミングでより大きい接触率で起こる。この同じ例では、第1及び第5中足骨で測定された圧力は、テンプレート604内の目標値より僅かに小さく、ほぼ同じ接触率を有するが、テンプレート604より後のタイミングで起こる。更に、この例では、第1指骨で測定された圧力は、テンプレート604における目標値とほぼ同じであり、ほぼ同じ接触率を有するが、テンプレート604より後のタイミングで起こる。逸脱の定義を管理する規則によれば、このフットストライクは、かかとで重すぎると考えられ、テンプレート604から逸脱することがある。図27は、図26と同じデータ605とテンプレート604を示し、また、前述のように、ユーザのパフォーマンスを最終目標テンプレート604に向けて段階的に指導する際に使用されうる中間テンプレート606(鎖線)も示す。
【0107】
図28は、図3図4図6図8及び図22図23Bのセンサシステム12のセンサ16の位置で測定された衝撃のタイミング/順序に基づくフットストライクテンプレート607(破線)の更に他の例を示す。この実施形態では、センサ16からのデータが、本質的に動的でなく、二値「活動的」及び「非活動的」データからのみ成る。換言すると、この実施形態のセンサ16は、力を検出するだけであり、力を定量的に測定せず、特定のしきい値圧力がセンサ16に加えられたとき、システム12は、センサが「動的」であると解釈する。この機能は、様々な実施形態では、モジュール22の構成及び/又はセンサ16の性能に基づいてもよい。テンプレートからの逸脱は、各センサ16における衝撃の順序及び/又は接触時間が所望の順序又はタイミングと異なる場合に起こることがある。これらの実施形態ではタイミングに対するしきい値許容量が使用されうるが、示されないことを理解されたい。アスレチック活動から収集された仮想データ608は、図28に実線で示される。図28で分かるように、かかとで測定された接触時間は、テンプレートのものより大きく、他の3つのセンサ16の活動化は、テンプレートによって指定されたものより遅い。逸脱の定義を管理する規則によれば、このフットストライクは、かかとを重視しすぎると考えられ、テンプレート607からの逸脱になることがある。
【0108】
図29は、データの実時間分析に基づいて逸脱(又は、その不足)を示すために装置110によって生成されることがある図形表示の別の実施形態を示す。図29では、装置110は、足図形309を使用してユーザの足の一方又は両方を示すディスプレイ308を有することがある。この実施形態では、様々な色又は輝度を使用して、各フットストライクの局所的な力又は衝撃を描くことが可能である。更に、様々な色又は輝度を使用して、局所的な力又は衝撃が、テンプレートによって指示されたものより大きいか小さいかを描くことが可能である。このように、足図形309は、テンプレートからの逸脱又はテンプレートとの適合を示す指示をユーザに提供してもよい。「より高い」又は「より低い」衝撃値が、一実施形態では、ユーザの体重に依存することがある絶対値でもよく、別の実施形態では、相対値、例えばミッドフットに対するかかとの相対的な力でもよいことを理解されたい。様々なタイプのセンサシステムには、テンプレート運動パターンに対する様々なタイプの図形表示(スローイング、ランニング、ジャンピングなどの実際の生物測定的運動のグラフィカル表示など)が使用されうる。
【0109】
一実施形態では、モジュール22及び/又は電子装置110は、前述のように、ユーザの位置を検出するように構成されたGPSモジュール209を含んでもよい。更に、一実施形態では、装置110は、GPSモジュール209からのデータと関連して動作することがあるマッピングアプリケーションや他のそのようなソフトウェアを含んでもよい。そのようなソフトウェアは、また、環境情報、地形情報、及びユーザの位置に関する他の情報と関連して作動してもよい。「環境情報」は、本明細書で使用されるとき、ユーザの位置のまわりの環境(建築又は歴史的目標物、事業所、公園、記念碑、博物館、レクリエーション領域及び施設、他の対象地点など)に関する情報を含む。「地形情報」は、本明細書で使用されるとき、高度、勾配、地面状態などのユーザの位置での地形に関する情報(例えば、岩、汚れ、草、厚いか背の高い雑草、流水又は静水、舗装道路、沼沢地、濡れているか雪で覆われた地面、屋内など)、及び地形に関する他の情報を含む。一実施形態では、環境情報と地形情報は、外部サーバや他の装置との通信によって得られてもよく、ユーザの位置を外部サーバに送信し、その位置データに基づいて外部サーバから情報を受信する装置110を含んでもよい。他の実施形態では、少なくとも幾つかの環境及び/又は地形情報が、追加又は代替として、ソフトウェア内に含まれてもよいが、装置110に接続されたコンピュータ可読記憶媒体から得られてもよい。更に他の実施形態では、装置110は、ユーザの経路に基づいて、今後に見込まれる環境的特徴又は地形変化の情報を提供するように構成されてもよい。
【0110】
一実施形態では、装置110は、環境情報及び/又は地形情報との組み合せでGPSモジュール209から受信した位置データに基づいて、カスタマイズされた移動経路を生成するソフトウェアを含んでもよい。ユーザの位置に関する情報を利用して、ユーザが関心をもつことがある領域のそば又はその領域内を通るランニング経路をユーザに提供できる。また、環境及び/又は地形の好みに関する入力、並びに特定の距離、ペース、走行時間や他のアスレチック入力など、ユーザからの入力を利用してもよい。例えば、一実施形態では、装置110を使用して、目立つ建築目標物のそばを通る5キロメートルのランニング又は自転車走行経路を生成してもよい。そのような目標物は、ユーザによって特に識別されかつ/又は装置110によって自動的に識別されてもよい。自動識別は、建築目標物のユーザの一般的な好みの入力を使用して行なわれるか、そのような目標物が、他の情報に基づいて識別されてもよい。複数のそのような好みが、単一走行に組み込まれてもよい。別の実施形態では、装置110を使用して、上り坂又は下り坂、特定タイプの地面など、特定の地形の上を通る5キロメートルの経路を生成できる。この場合も、複数のそのような好みが、単一走行に組み込まれてもよい。更に他の実施形態では、方法は、所望の環境的特徴と所望の地形的特徴の両方を含む経路を生成するために利用されてもよい。装置110は、同一タイプの情報に基づいて既存の移動経路を修正するように構成されてもよい。
【0111】
一実施形態では、装置110は、環境情報及び/又は地形情報に基づいて生体力学的運動テンプレート使用を修正又は変更するソフトウェアを含んでもよい。例えば、走者は、ある地形にひとつのフットストライクパターン、歩長、傾斜などを利用し、別の地形には別のフットストライクパターン、歩長、傾斜などを利用したいことがある。そのような環境又は地形情報は、一実施形態ではユーザ入力から受け取ってもよく、環境情報及び/又は地形情報との組み合せでGPSモジュール209から受信した位置データに基づいて、別のソースから自動的に得られてもよい。また、特定タイプの地形のテンプレートの好みに関する入力、並びに特定の距離、ペース、走行時間や他のアスレチック入力など、ユーザからの他の入力を要してもよい。どの地形がどのテンプレートと関連付けられるかを管理するために既存の規則が設定されてもよく、そのような規則は、ユーザによって設定されかつ/又は自動的に割り当てられてもよい。一実施形態では、ユーザは、地形情報を装置110に自動的に示してもよく(例えば、リストから選択することによって)、装置110は、必要に応じて、そのような地形情報に基づいた別のテンプレートに自動的に切り換わることができる。別の実施形態では、地形情報は、前述のように外部装置との通信などによって、位置データに基づいて自動的に得られてもよい。装置は、後述するような地形情報に基づいて生体力学的運動テンプレートを修正してもよく、これは、テンプレートの変更及び/又は別のテンプレートへの切り換えを含むことがある。
【0112】
図30は、前述のように使用するためのテンプレートを提供する方法700の一実施形態を示し、このテンプレートは、GPSモジュール209によって検出されたユーザの位置に基づいて取得された地形情報を含む。この方法700を実行する際に、装置110及び/又は装置110内の構成要素(例えば、プロセッサ302及び/又はメモリ304)が使用されうることを理解されたい。装置110は、ステップ710で、GPS209からユーザの位置データを受信する。次に、装置110は、ステップ720で、一実施形態では、ディスプレイ308上のマップグラフィックなどにユーザの位置の指示を生成してもよい。別の実施形態では、ユーザの位置は示されなくてもよく、任意選択でよい。次に、装置110は、ステップ730で、ユーザの位置に基づいて地形情報を取得する。前述のように、地形情報は、装置110に接続されたメモリ304や他の記憶媒体に記憶された情報から、外部サーバ又は他の装置110から、又はそのような手段の組み合わせから取得されてもよい。装置110は、位置データが変化したときに地形情報を連続的に更新してもよく、ステップ740で、地形の変化が検出されない場合、プロセスは、前述のように更に位置データを受信し(710で)進行することによって繰り返す。ステップ740で、異なる地形が検出された場合、装置110は、ステップ750で、異なる生体力学的運動テンプレートが必要かどうかを決定する。異なるテンプレートが必要でない場合、プロセスは、前述のように、更に多くの位置データを受信し(710で)進行することによって繰り返す。異なるテンプレートが必要な場合、装置110は、ステップ760で、異なる地形に基づいてテンプレートを変更する。一実施形態では、変更は、既存の規則に基づいて装置110によって自動的に行なわれる。そのような構成では、一実施形態では、テンプレートが変更されたことがユーザに示されてもよく、指示は、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的に行われてもよい。別の実施形態では、装置110は、ユーザに異なるテンプレートを手動で選択するように促すことによってテンプレートを変更してもよく、必要に応じて、既存の規則に基づいて適切と考えられるテンプレートの制限付きリストを提供してもよい。一実施形態では、装置110は、単一センサシステム12及び/又は複数のセンサシステム12からの入力に基づいて、複数のテンプレートを含む複数の異なる運動テンプレートのための方法700を同時になしうる。方法700が、事前に描かれた経路と関連して使用されてもよいことを理解されたい。例えば、方法700は、マラソン経路に使用されることがあり、変化する地形に基づく生体力学的運動の必要な変化を識別することによって、また見込まれる地形変化及び関連する運動変化をユーザに通知することによって、ユーザを支援できる。装置110は、また、GPSモジュール209からのデータが、ユーザが経路をたどらないことを示す場合に経路を動的に更新するように構成されてもよい。
【0113】
前述のように、一実施形態では、ユーザの実際の運動パターンを記録することによって、ユーザによって1つ以上のテンプレートが作成されうる。一実施形態では、ユーザは、「理想的」運動パターン又は一連の運動パターンを識別し、将来の活動のための1つ以上のテンプレートを作成し、更にそのような将来の活動のための記録された運動パターンから他の情報を組み込んでもよい。例えば、ユーザは、理想的なフットストライクパターン、歩長、着地力などの少なくとも1つの理想的な生物測定運動パターンを含む「理想的」走行と考えられるものを実行してもよく、そのような理想的な生物測定運動パターンを1つ以上のテンプレートとして設定してもよい(例えば、装置110を使用して)。距離、速度、経路、推定燃焼カロリーなどの理想的走行に関する他の情報が記録されてもよく、この情報を使用して、ユーザが走行を改善するために従う「理想的走行」テンプレートを作成できる。類似の技術が他の活動に使用されうる。
【0114】
別の実施形態では、装置110及び関連ソフトウェアは、ユーザが、以前の活動からパフォーマンスメトリックを再検討し、成功領域及び/又は改善を必要とする領域を識別する能力を提供できる。この機能は、前述の「理想的」活動の作成に組み込まれてもよく、またユーザが「理想的」活動のテンプレートの特定の態様を修正する能力を提供してもよい。更に、過去のパフォーマンスメトリックの記録は、ユーザが、パフォーマンス、改良、傾向、進歩などをある期間にわたって追跡することを可能にし、装置110は、そのような過去のデータをアクセスと再検討のために提供できる。装置110によって追跡された情報のタイプには、種々のテンプレートに適合できた程度、並びに、速度、距離、歩調又は繰り返し、使用エネルギー、ジャンプ高さ/距離、歩長、及び本明細書の他の場所で言及された他の情報を限定ではなく含む追加情報が挙げられる。活動からの記録されたデータは、当該技術分野で使用されている「同期」手順などによって、記録装置110から別の装置110にアップロードされてもよい。それにより、1つ以上の装置110は、幾つかの異なる活動に関する蓄積パフォーマンスメトリックデータをある期間にわたって記録でき、更なる処理と洗練を行って、そのようなデータをユーザがレビューしやすい形で呈示できる。一実施形態では、記録データ及び/又は分析データは、ウェブページを介してアクセスするリモートサーバ/ウェブサイトにアップロードされ、更にオンライン「コミュニティ」と共有されてもよく、そこで、ユーザが、進歩と活動を他のユーザと比較できる。オンラインコミュニティは、例えば、ユーザが、情報を類似の体格、活動レベル、年齢などを有する他のユーザと比較できるように、フィルタリング機能を有してもよい。また、オンラインコミュニティは、生体力学的運動テンプレートに対するより一貫した適合など、成就を達成する際にあるユーザが別のユーザに挑戦することを可能にする「チャレンジ」機能を有してもよい。また、ユーザから得られたデータや他の情報は、後述されるようなソシアルネットワークコンテキストで使用されてもよく、またソシアルネットワークが、オンラインコミュニティと一体化されるか他の方法で関連付けられてもよいことを理解されたい。更に、そのようなパフォーマンスメトリックに関連して使用される装置110は、一実施形態では、パフォーマンスデータを含む詳細なユーザプロファイル、並びに関連した個人情報や他の情報を構成してもよい。そのようなユーザプロファイルは、前述したようなオンラインコミュニティ及び/又は後述するようなソシアルネットワーキングに使用されてもよい。より多くのデータが収集されるので、装置110は、改善のために、より詳細にカスタマイズされたデータ表現、分析及び提案を提供できる。
【0115】
一実施形態では、装置110及び関連ソフトウェアは、ユーザプロファイルを構築するためにユーザが使用できる個人データを入力するための1つ以上のデータ入力画面を提供してもよい。例えば、ユーザは、年齢、性別、身長、体重などのシステム性能及びテンプレート選択に影響を及ぼすことがある物理データを入力することを促されることがある。別の例として、ユーザは、名前、生年月日、ログイン情報など(例えば、ユーザ名とパスワード)の識別情報を入力するように促されることがある。更に他の例として、ユーザは、前述のような関心、地形及び/又は環境の好み、色とレイアウトの好み、並びに成功/失敗の指示の形、何のデータが収集、分析及び/又は表示されたか、及び他の機能的好みを含むフィードバックの好みを含む一般的なソフトウェア機能を入力するように促されることがある。更に別の例として、ユーザは、活動の長さと強度、活動の具体的な目標、活動に望ましい装置110の機能、及び他のそのような情報など、装置110とシステム400を利用する予定された将来の活動に関するデータを入力するように促されることがある。
【0116】
装置110及び関連ソフトウェアは、また、新しいハードウェア及び周辺装置(例えば、新しいセンサシステム12、拡張現実感装置など)の実装を受け入れるように構成されてもよく、また装置110は、種々様々なタイプのハードウェアからのデータ入力を受け入れそれらのハードウェアと通信するように構成されてもよい。新しいハードウェアが追加されたとき(例えば、新しいセンサシステム12)、それに応じてユーザプロファイルが更新されてもよい。
【0117】
別の実施形態では、装置110及び関連ソフトウェアは、生体力学的運動テンプレートへの適合を支援する指導をユーザに提供してもよい。例えば、ランニング歩調又はペースのテンプレートに関して、装置110は、所望の歩調又はペースに対応するリズム又はテンポを有する歌又は鼓動を提供してもよい。当業者には他の例が理解可能である。
【0118】
別の実施形態では、装置110及び関連ソフトウェアは、装置110がセンサシステム12から受信したデータに基づいて事故(例えば、落下)を検出したときに活動化される安全機能を提供してもよい。例えば、装置110は、落下又はデータの他の大きな中断を検出してもよく、安全又は健康問題があるかどうかを確認するようにユーザに促してもよい。問題があることをユーザが示した場合、又は設定された時間期間に応答を受け取らない場合、装置110は、通話、SMS、電子メール又は他の手段などによって緊急要員と連絡をとってもよい。様々なセンサの機能により、装置110は、呼吸、心拍数、体温などの情報を中継可能であってもよい。
【0119】
別の実施形態では、装置110及び関連ソフトウェアは、ソシアルネットワークアプリケーションに関連して使用されてもよい。例えば、パフォーマンスメトリックデータが、他のソシアルネットワーク接点からのデータと比較されてもよい。別の例として、収集されたパフォーマンスメトリックデータが、ソシアルネットワークゲームの「ポイント」又は「クレジット」に変換されてもよく、ユーザは、そのようなポイント又はクレジットを使用して、そのようなゲームを修正するか更に遊んでもよい。これは、パフォーマンス及びエクササイズ目標を達成するためのユーザに対する激励の追加ソースを提供できる。
【0120】
本開示を読むことによって当業者によって理解されるように、本明細書に記載された様々な態様は、方法、データ処理システム又はコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。したがって、これらの態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形を取ってもよい。更に、そのような態様は、コンピュータ可読プログラムコード又は命令が記憶媒体内又は記憶媒体上に実装された1つ以上の有形コンピュータ可読記憶媒体又は記憶装置によって記憶されたコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶装置、及び/又はこれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な有形コンピュータ可読記憶媒体が利用されうる。更に、本明細書に記載されたようなデータ又はイベントを表す様々な無形信号が、送信元と送信先との間で、金属線、光ファイバ、無線伝達媒体(例えば、空気及び/又は空間)などの信号伝送媒体内を進む電磁波の形で伝送されてもよい。
【0121】
前述のように、本発明の態様は、コンピュータ及び/又はそのプロセッサによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行命令の一般的な分脈で説明されうる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。そのようなプログラムモジュールは、前述のように、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に含まれてもよい。本発明の態様は、また、通信ネットワークによってリンクされたリモート処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実行されてもよい。プログラムモジュールは、モジュール22のメモリ204や外部装置110のメモリ304などのメモリ内にあってもよく、メモリ記憶装置を含むローカル及びリモート両方のコンピュータ記憶媒体を含むことがあるゲーム媒体307などの外部媒体内にあってもよい。モジュール22、外部装置110、及び/又は外部媒体が、特定の用途などで一緒に使用する相補的プログラムモジュールを含んでもよいことを理解されたい。また、単純にするために、モジュール22と外部装置110内には単一プロセッサ202,302と単一メモリ204,304が示され述べられており、またプロセッサ202,302とメモリ204,304がそれぞれ、複数のプロセッサ及び/又はメモリを含んでもよく、プロセッサ及び/又はメモリのシステムを含んでもよいことを理解されたい。
【0122】
本明細書で述べたアスレチック活動分析システムの様々な実施形態は、既存の技術を越える利益と利点を提供する。例えば、本明細書で述べたセンサシステム、装置及び方法は、生物測定運動パターンを安全、健全、効率的に変化させるようにユーザを導くために、詳細な自動化された指導を提供できる。また、本明細書で述べた実施形態は、ユーザが、自分のパフォーマンスを実時間で動的にかつ懐古的に監視する高い能力を提供できる。本明細書で述べた実施形態は、また、ユーザが活動中にパフォーマンスを改善するための指導と支援を提供できる。本明細書で述べた実施形態は、更に、ワークアウトの移動経路を設計する際、並びに未知の移動経路をうまく切り抜ける際に、走者、バイク乗り、トライアスロン選手などに支援を提供できる。当業者には他の利点が理解可能である。
【0123】
本明細書で幾つかの代替実施形態と例について述べた。当業者は、個々の実施形態の特徴及び構成要素の可能な組み合わせと変形を理解するであろう。当業者は、更に、どの実施形態も、本明細書に開示された他の実施形態との任意の組み合わせで提供されうることを理解するであろう。本発明はその趣旨又は中心的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施されうることを理解されよう。したがって、上記の実施例と実施形態は、全ての点において例示的であり限定的でないと考えられるべきであり、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されない。用語「第1」、「第2」、「上」、「下」などは、本明細書で使用されるとき、説明のためのものであり、実施形態を如何なる形でも限定しない。更に、用語「複数」は、本明細書で使用されるとき、分離的又は結合的に、必要に応じて、1を超える無限数までの任意の数を示す。更に、物品又は装置を「提供する」ことは、本明細書で使用されるとき、物品に対して行なわれる将来の操作に物品を利用可能又はアクセス可能にすることを広義に指し、物品を提供する側が、物品を製造、作成、又は提供したこと、又は物品を提供する側が、物品の所有権又は管理権を有することを意味しない。したがって、特定の実施形態を例示し説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく多くの改良が想起され、権利保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0124】
14 ポート
16 センサ
20,23 インタフェース
22 モジュール
100 履物物品
107 データ送信/受信要素
202 処理システム
204 メモリシステム
206 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30