(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】超音波美容処置モジュール
(51)【国際特許分類】
A61F 7/00 20060101AFI20220609BHJP
A61N 7/00 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A61F7/00 322
A61N7/00
(21)【出願番号】P 2020125129
(22)【出願日】2020-07-22
(62)【分割の表示】P 2018029167の分割
【原出願日】2009-06-05
【審査請求日】2020-08-17
(32)【優先日】2008-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510320564
【氏名又は名称】ウルセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】バーセ ピーター ジー.
(72)【発明者】
【氏名】スレイトン マイケル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】マキン インデル ラジ エス.
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0154332(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0185553(US,A1)
【文献】登録実用新案第3053069(JP,U)
【文献】米国特許第6361531(US,B1)
【文献】米国特許第5522814(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/00
A61N 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを有するトランスデューサモジュールと、
超音波を集束させるように構成された圧電性超音波変換素子と、
動作機構と、
を備え、
前記トランスデューサモジュールは、前記圧電性超音波素子を前記ハウジング内で保持するとともに、前記圧電性超音波素子を前記ハウジング内で移動させるように構成されたホルダを有し、
前記動作機構は、
前記ホルダに動作可能に連結され、エンコーダ、ステッピングモータ、及び磁気カップリングからなる群のうち少なくとも一つとの相互作用を通じて超音波用の前記圧電性超音波変換素子を
前記ホルダとともに移動させ、皮膚表面の下に互いに間隔を空けて並ぶ熱損傷を生成するように構成され、
前記ハウジングは、音響的に透明な窓と、前記音響的に透明な窓及び前記圧電性超音波変換素子に音響的に接触する流体連結媒体とを有し、
前記トランスデューサモジュールは、ハンド棒に交換可能に接続され、
前記動作機構は、前記トランスデューサモジュールが前記ハンド棒に接続されているとき、前記ホルダに連結され、
前記圧電性超音波変換素子は、1MHzから10MHzの範囲の周波数で、前記皮膚表面の下3mmから4.5mmの範囲の1つ又は複数の組織深さに超音波を集束し、これにより、前記トランスデューサモジュールは、前記組織深さの組織層に超音波を適用するように構成される、
超音波システム。
【請求項2】
超音波システムであって、
トランスデューサモジュールを挿入するために構成された一体型レセプタクルを有するハンドルを含むハンド棒であって、
前記トランスデューサモジュールは、バネ式ピンコネクタによって前記ハンドルに交換可能に接続され、
前記トランスデューサモジュールは、
流体連結媒体と音響的に透明な窓とを有し、密封されたハウジングと、
1MHzから10MHzの範囲の周波数、1ワットから100ワットの範囲の音響パワーの超音波を、皮膚表面の下3mmから4.5mmの範囲の1つ又は複数の深さに集束させるように構成された圧電性超音波変換素子であって、前記ハウジング内に密封された前記流体連結媒体を介して、前記音響的に透明な窓と音響的に連結された圧電性超音波変換素子と、
前記圧電性超音波素子を前記ハウジング内で保持するとともに、前記ハウジング内で移動可能なホルダと、
プリント回路基板と、
較正用のデータ又は記憶用のデータを格納するように構成されたストレージデバイスと、
を含む、ハンド棒と、
シャフトと、エンコーダと、
ステッピングモータ
とを含むとともに、前記シャフトに沿って前記圧電性超音波変換素子を
移動させ、離散して直線状に並ぶ熱損傷となるように超音波を方向付けるよう構成された動作機構であって、
前記エンコーダは、前記密封されたハウジング内の前記シャフトに沿った前記圧電性超音波変換素子の位置を測定するように構成された、動作機構と、
前記ハンド棒上のボタンであって、前記トランスデューサモジュールが前記ハンド棒に接続されているときに前記圧電性超音波変換素子を操作可能に制御し、前記トランスデューサモジュールから、肌、筋膜、筋肉及び脂肪組織のうち少なくとも1つの、前記1つ又は複数の深さに超音波を与えるためのボタンと、
を備え、
前記トランスデューサモジュールは、前記ボタンに操作可能に連結されるように構成され、
前記動作機構は、前記トランスデューサモジュールが前記ハンドルに接続されているときに
前記ホルダに連結され、前記ホルダとともに前記圧電性超音波変換素子を
移動させる、
超音波システム。
【請求項3】
超音波システムであって、
液密に密封されたハウジングと、圧電性超音波変換素子
とを含むトランスデューサモジュールと、
動作機構と、
を備え、
前記トランスデューサモジュールは、前記ハウジング内で前記圧電性超音波変換素子を移動可能に保持するホルダを有し、
前記動作機構は、前記ハウジング内で
前記ホルダとともに前記圧電性超音波変換素子を
移動させ
るように構成され、
これにより、前記圧電性超音波変換素子は、皮膚表面下の1つ又は複数の深さにおいて複数の熱損傷を生成するように構成され、
前記ハウジングは、
内部に音響的に透明な窓と流体結合媒体とを含み、前記流体結合媒体は前記圧電性超音波変換素子と前記音響的に透明な窓との双方に音響的に接触し、
前記トランスデューサモジュールは、ハンド棒に交換可能に結合されるように構成され、
前記ハンド棒に結合されたとき、前記ホルダが前記動作機構に連結され、
前記圧電性超音波変換素子は、1つ又は複数の組織深さにおいて組織に超音波を適用するように構成される、
超音波システム。
【請求項4】
第2のトランスデューサモジュールをさらに備え、前記第2のトランスデューサモジュールは、
第2の流体結合媒体と第2の音響的に透明な窓とを含む第2のハウジングと、
1MHzから10MHzの範囲の第2の周波数で、前記皮膚表面の下3mmから4.5mmの範囲の第2の深さに焦点を合わせるように構成された第2の圧電性超音波変換素子と、
を含み、
前記第2の圧電性超音波変換素子は、前記第2のハウジング内の前記第2の流体結合媒体を介して前記第2の音響的に透明な窓と音響的に接続されている、
請求項1から3のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項5】
第3のトランスデューサモジュールをさらに備え、前記第3のトランスデューサモジュールは、
第3の流体結合媒体と第3の音響的に透明な窓とを含む第3のハウジングと、
1MHzから10MHzの範囲の第3の周波数で、前記皮膚表面の下1.5mmから2mmの範囲の第3の深さに焦点を合わせるように構成された第3の圧電性超音波変換素子と、
を含み、
前記第3の圧電性超音波変換素子は、前記第3のハウジング内の前記第3の流体結合媒体を介して前記第3の音響的に透明な窓と音響的に接続されている、
請求項4に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記圧電性超音波変換素子は、1ワットから100ワットの範囲の音響パワーで動作する、
請求項1から5のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項7】
前記ハンド棒は、ハンドルと、少なくとも1つのトランスデューサモジュールが挿入されるように構成された、一体型レセプタクルを含む、
請求項1から6のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項8】
前記圧電性超音波変換素子と前記動作機構とに電気的に接続されたプリント回路基板、をさらに備える、
請求項1から7のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項9】
前記ハンド棒は、前記圧電性超音波変換素子を制御するための少なくとも1つのユーザアクティベートボタンをさらに含む、
請求項1から8のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項10】
マイクロプロセッサを含むコントローラシステムをさらに備える、
請求項1から9のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項11】
前記皮膚表面の下の組織をイメージングするためのイメージング素子をさらに備え、前記イメージング素子は、前記ハンド棒又は前記トランスデューサモジュール内に格納されている、
請求項1から10のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項12】
前記動作機構は、
前記エンコーダと前記ステッピングモータとを含む、
請求項1又は2のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項13】
電気的ストレージデバイスをさらに備え、前記電気的ストレージデバイスは、プローブ識別子、較正用データ、及びプローブ使用履歴からなる群のうち少なくとも1つを格納するように構成され、前記電気的ストレージデバイスは、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)デバイスである、
請求項1から12のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項14】
前記動作機構は、
直線状に超音波を適用するように構成される、
請求項1から13のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項15】
前記動作機構は、前記ハンド棒と前記トランスデューサモジュールとの間に作用する磁気連結器を含む、
請求項1から14のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項16】
前記動作機構は、前記ステッピングモータと前記エンコーダとを相互作用させて、磁気連結器の遠位端に結合する動作部材の運動を制御し、超音波を方向付けるように構成される、
請求項1又は2に記載の超音波システム。
【請求項17】
コントロールモジュールをさらに備え、前記コントロールモジュールは、前記トランスデューサモジュールを制御するためのプロセッサとグラフィックユーザインターフェースとを含む、
請求項1から16のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項18】
第2の深さにおける組織の第2の層に超音波を適用するように構成された第2のトランスデューサモジュールをさらに備え、前記組織の第2の層は、前記トランスデューサモジュールによって処置される組織の層とは異なる深さにある、
請求項1から3のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項19】
前記動作機構は、前記熱損傷間の間隔を可変にするように構成されている、
請求項1から18のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項20】
前記熱損傷は、離散している、
請求項1から19のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項21】
前記熱損傷は、0.01mmから25mmの範囲の間隔で列をなす、
請求項1から20のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項22】
ユーザによって操作されるボタン又はキーを有するコントロールデバイスをさらに備える、
請求項1から21のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項23】
前記ハンド棒において前記トランスデューサモジュールを取り外し可能に保持するラッチ機構をさらに備え、
前記ハンド棒は、ユーザにより操作されるボタン又はキーを有し、超音波機能を制御して熱損傷が離散的になるように超音波ビームを集束させるコントロールデバイスと、
前記ハンド棒とコントロールモジュールとの通信用ケーブルと、を含み、前記コントロールモジュールは、前記トランスデューサモジュールを制御するためのプロセッサとグラフィカルユーザインターフェースとを含
む、
請求項1から22のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項24】
フェイスリフト、眉リフト、顎リフト、傷跡の低減、日焼け除去及び脂肪処置のうち1つ又は複数のために構成されている、
請求項1から23のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項25】
しわ及び肌のたるみのうちの1つ又は複数の美的処置のために構成されている、
請求項1から24のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項26】
ニキビの非侵襲的処置のために構成されている、
請求項1から25のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項27】
脂肪組織の美容処置のために構成されている、
請求項1から26のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項28】
前記動作機構は、磁気連結器とスコッチヨークとをさらに含み、前記スコッチヨークは、ピンと連動し、前記ピンが環状の経路を移動するとき前記圧電性超音波変換素子を直線状に移動させるためのスロットを有する、
請求項1から27のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項29】
前記動作機構は、ネジをさらに含み、前記ネジが回転すると、前記圧電性超音波変換素子が直線的に移動する、
請求項1から28のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項30】
前記深さは、1.5mmから2mmの範囲である、
請求項3に記載の超音波システム。
【請求項31】
前記深さは、3mmから4.5mmの範囲である、
請求項3に記載の超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(本願に関連するクロスリファレンス)
本願は、2008年6月6日に出願された米国仮出願61/059,477に基づく優先権の利益を主張するものである。
本発明の実施形態は、一般に、超音波処置及びイメージングデバイスに関し、より詳細には、美容処置とイメージングのための超音波エネルギの放射及び受容を操作可能なトランスデューサプローブを有する超音波デバイスに関する。
【0002】
一般的には、患者の顔の額の領域のシワを減らすための人気のある美容的な処置は、額からシワを減らしたり、あるいは無くすために、額の領域にある筋肉、脂肪、筋膜及び他の組織を侵襲的に切断、切除、及び/又は麻痺させながら、額を吊り上げることである。
額の吊り上げには、一方の耳から始まり他方の耳へ向かって髪の生え際における前額部の周囲に続く切開が要求される。侵襲が少ない額の吊り上げ処置としては、内視鏡的な吊り上げが知られている。これは、前額部に剃って小さい切開部を形成し、外科的な切断具をこの切開部に挿入し、額からシワを減らしたり無くしたりするために、組織を切断、切除、操作、または麻痺させる。
【0003】
侵襲が少ない美容処置であっても、額に神経毒を注入するようになっている。この処置は、額の菌人を麻痺させることで、シワを減らすのに役立っている。しかしながら、このような処置は、一時的に意図しない効果を維持するために、慢性的な使用が要求され、有害な効果がもたらされる。
【発明の概要】
【0004】
頭や首、例えば、眉領域、及び他の領域のシワを減らすための非侵襲的美容処置のニーズがある。加えて、眉領域及び他の領域を含む頭や首の皮膚の引き締めをもたらす非侵襲的美容処置のニーズがある。さらに、処置のためのターゲットとなる皮膚の領域を効果的且つ効率的にイメージングするというニーズがある。ここで記載されるいくつかの実施形態において、処置はすべて美容のものであり、医療行為ではない。
【0005】
本発明に係る美容処置システムは、ハウジング、超音波処置用に構成された治療の変換素子、及び動作機構を有するトランスデューサモジュールを備え、前記動作機構は、皮膚の表面下の熱損傷の並びに超音波治療を施すために、前記治療の変換素子を動作させるように構成され、前記ハウジングは、音響透過部材を備え、当該ハウジングは、前記音響透過部材と音響により接触する流体連結媒体を含み、前記トランスデューサモジュールは、ハンド棒に交換可能に接続されるように構成されるとともに、超音波治療を、ある組織深さの組織層に施すことができるように構成されている。
【0006】
上記美容処置システムにおいて、皮膚の表面下の組織をイメージングするイメージ素子をさらに備えているものとすることができる。
【0007】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記イメージ素子は、前記ハンド棒または前記トランスデューサモジュールに収容されているものとすることができる。
【0008】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記動作機構は、前記治療の変換素子に機械的に取り付けられており、直線状の並びに、前記超音波治療を施すように構成されているものとすることができる。
【0009】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記動作機構は、前記ハンド棒と前記トランスデューサモジュールとの間の磁気連結器を備えているものとすることができる。
【0010】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記動作機構は、前記超音波治療を方向付ける動作部材の制御された動作のためのヨークを備えているものとすることができる。
【0011】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記動作機構は、液密シールを通して操作されるように構成されているものとすることができる。
【0012】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、コントロールモジュールをさらに備え、第1制御デバイスと第2制御デバイスの少なくとも一方が、前記コントロールモジュールによって起動され、前記コントロールモジュールは、前記トランスデューサモジュールを制御するためのプロセッサ及びグラフィック・ユーザ・インターフェースを備えているものとすることができる。
【0013】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、第2の深さにおける組織の第2層に対して超音波治療を施すように構成された第2トランスデューサモジュールをさらに備え、前記組織の第2層は、前記トランスデューサモジュールにより処置される組織の層とは異なる深さにあるものとすることができる。
【0014】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記トランスデューサモジュールは、少なくとも2つの変換素子を備えているものとすることができる。
【0015】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記動作機構は、前記各熱損傷間の間隔を変化できるようにプログラムされるように構成されているものとすることができる。
【0016】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記各熱損傷は、離散しているものとすることができる。
【0017】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記各熱損傷の直線状の並びが、約0.01mm~約25mmの範囲の処置間隔を有しているものとすることができる。
【0018】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、ユーザが操作するボタンまたはキーを有する第1制御デバイスと、ユーザが操作するボタンまたはキーを有する第2制御デバイスと、をさらに備えているものとすることができる。
【0019】
上記いずれかの美容処置システムにおいて、前記トランスデューサモジュールを前記ハンド棒に取り外し可能に保持するラッチ機構と、前記ハンド棒とコントロールモジュールとの通信を行うためのケーブルと、をさらに備え、前記ハンド棒は、ユーザが操作するボタン又はキーを有する治療制御デバイスを有し、当該ボタン又はキーは、超音波治療を提供するための超音波治療機能を制御し、前記熱損傷は、離散しており、前記コントロールモジュールは、前記トランスデューサモジュールを制御するためのプロセッサ及びグラフィック・ユーザ・インターフェースを備え、前記動作機構は、前記治療の変換素子に機械
的に取り付けられており、前記動作機構は、前記ハンド棒と前記トランスデューサモジュールとの間の液密シールを通して操作されるように構成されている磁気連結器を備えているものとすることができる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態は、美容処置及びイメージングのためのシステム及び方法を提供する。種々の実施形態において、処置システムは、少なくとも一つの指で起動できる制御部、又はコントローラを有するハンド棒と、少なくとも一つの超音波トランスデューサを有する取り外し可能なトランスデューサモジュールとを備える。一実施形態において、このシステムは、ハンド棒に接続されるコントロールモジュールを有し、このコントロールモジュールは、取り外し可能なトランスデューサモジュールを制御するグラフィック・ユーザ・インターフェースを有する。また、このトランスデューサモジュールは、ハンド棒をコントロールモジュールに接続するインターフェースを有する。この実施形態の一態様では、インターフェースは、ハンド棒に電力を供給する、及び/又はハンド棒からコントロールモジュールへ信号を送信する。本発明の種々の実施形態において、美容処置及びイメージングのシステムは、患者の顔、頭皮、首、及び/又は耳を含む、患者の顔の一部に対して美的処置をする際に用いられる。
【0021】
美的イメージングシステムの一実施形態によれば、この美的イメージングシステムは、ハンド棒、取り外し可能なトランスデューサモジュール、コントロールモジュール、及びハンド棒とコントロールモジュールとを接続するインターフェース、を備えている。ハンド棒は、少なくとも一つの指で起動可能なコントローラを備えている。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、超音波トランスデューサと、ハンド棒に接続可能な少なくとも一つのインターフェースと、を備えている。コントロールモジュールは、ハンド棒に接続され、取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするためのグラフ
ィック・ユーザ・インターフェースを備える。一実施形態において、インターフェースは、ハンド棒をコントロールモジュールに接続し、ハンド棒に対して少なくとも電力を供給する。一実施形態において、インターフェースは、ハンド棒とコントロールモジュールとの間で一又それ以上の信号を送信する。一実施形態において、少なくとも一つの信号(例えば、1,2,3,4,5又はそれ以上)が、ハンド棒からコントロールモジュールへ通信される。他の実施形態において、少なくとも一つの信号(例えば、1,2,3,4,5又はそれ以上)が、コントロールモジュールからハンド棒へ通信される。いくつかの実施
形態において、少なくとも一つの信号(例えば、1,2,3,4,5又はそれ以上)が、ハンド棒へ、ハンド棒から、又はハンド棒とコントロールモジュールとの間で通信される。一実施形態において、美的イメージングシステムは、コントロールモジュールに接続されるプリンタも含み、コトンロールモジュールは、出力信号及び電力をプリンタに供給する。一実施形態において、美的イメージングシステムは、取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするためのコントロールモジュールを、操作可能にアンロックするキーも含む。美的イメージングシステムの一実施形態において、ハンド棒は、トラ
ンスデューサモジュールの中で超音波トランスデューサを操作可能に移動させる動作機構を有する。一実施形態において、美的イメージングシステムは、ハンド棒及び/又は取り外し可能なトランスデューサモジュールと接続される少なくとも一つのセンサも含む。
【0022】
美容処置に用いるハンド棒の一実施形態によれば、ハンド棒は、イメージング機能を操作可能にコントロールする第1制御デバイスと、処置機能を操作可能にコントロールする第2制御デバイスと、状態インジケータと、電力用入力部と、少なくとも1つの信号用の出力部と、動作機構と、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び動作機構の少なくとも1つに操作可能に接続された取り外し可能なトランスデューサモジュールと,を備えている。一実施形態において、ハンド棒は、このハンド棒の中でトランスデューサモジュールを取り外し可能に保持するラッチ機構を含む。一実施形態において、ハンド棒は、入力
部と出力部の少なくとも一つと通信するケーブルを含む。一実施形態において、ハンド棒は、ケーブルと操作可能に相互接続されたコントローラを含み、コントローラは取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするためのグラフィック・ユーザ・インターフェースを有している。一実施形態において、ハンド棒は、第1制御デバイスに接続された第1トランスデューサモジュールと、第2制御デバイスに接続された第2トランスデューサモジュールと、を備えている。
【0023】
美容イメージング及び処置のためのデバイスの一実施形態によれば、このデバイスは、取り外し可能なトランスデューサとコントローラとを備えている。一実施形態において、トランスデューサモジュールは、取り外しできない。一実施形態において、トランスデューサモジュールは、一体化されているか、或いは恒久的に取り付けられている。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、少なくとも一つのコトンローラボタンを有するハンドエンクロージャに相互接続されており、これによって、トランスデューサモジュールとボタンは片手で操作可能である。トランスデューサモジュールは、イメージング機能と
処置機能の少なくとも一方のための超音波エネルギを提供する。コントローラは、ハンドエンクロージャに接続され、トランスデューサモジュールと相互接続されている。コントローラは、超音波エネルギをコントロールし、トランスデューサモジュールからの少なくとも一つの信号を受け取る。コントローラは、少なくとも超音波エネルギのための電力を操作可能に供給するパワーサプライを有している。一実施形態において、デバイスは、トランスデューサモジュールをコントロールし、トランスデューサモジュールからの少なくとも一つの信号を監視するグラフィック・ユーザ・インターフェースも含む。一実施形態
において、デバイスは、ハンドエンクロージャを備えており、このハンドエンクロージャは、トランスデューサモジュール内のトランスデューサを操作可能に移動させる動作機構も含む。動作機構は、コントローラによって制御される。一実施形態において、デバイスは、イメージング機能をコントロールする第1コントロールボタン及び処置機能をコントロールする第2コントロールボタンとしての、少なくとも一つのコントロールボタンを有する。種々の実施形態において、デバイスは、フェイスリフト、眉リフト、顎リフト、皺の低減、傷跡の低減、入れ墨の除去、及びニキビの除去の少なくとも一つである処置機能を有する。他の実施形態において、デバイスは、脂肪組織において用いることができる。
【0024】
対象となる顔(又は他の)エリアの美容処置を行う方法に係る一実施形態について、この方法は、トランスデューサモジュールをハンドコントローラに挿入するステップと、対象にトランスデューサモジュールを接続するステップと、真皮層の下方の組織の一部にイメージングシーケンスを操作可能に開始するハンドコントローラの第1スイッチを起動するステップと、イメージングシーケンスからデータを収集するステップと、データから処置シーケンスを演算するステップと、処置シーケンスを操作可能に開始するハンドコントローラの第2スイッチを起動するステップ、とを備えている。一実施形態において、この方法は、イメージングシーケンスのためのソースを操作可能に提供するトランスデューサモジュールの第1トランスデューサから第1超音波エネルギを放射するステップも含む。一実施形態において、この方法は、処置シーケンスのためのソースを操作可能に提供するトランスデューサモジュールの第2トランスデューサから第2超音波エネルギを放射するステップも含む。一実施形態において、この方法は、対象となる顔エリアの真皮層の一部を引き締めるステップも含む。一実施形態において、この方法は、真皮層の下方の一定の深さにおいて処置シーケンスを行うことができるようなトランスデューサモジュールを提
供する。
【0025】
美容処置において使用されるハンド棒の一実施形態によれば、このハンド棒は、超音波イメージング機能を操作可能にコントロールする第1制御デバイス、超音波処置機能を操作可能にコントロールする第2制御デバイス、液密シールを通って移動するように較正された動作機構、及び液体が充填されたトランスデューサモジュール,を備えている。一実施形態において、液体が充填されたトランスデューサモジュールは、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び動作機構の少なくとも1つと操作可能に接続されている。一実施形態において、液体が充填されたトランスデューサモジュールは、第1制御デバイス,第2制御デバイス、及び動作機構の少なくとも1つから機械的且つ電気的に分離している。一実施形態において、液体が充填されたトランスデューサモジュールは、音響液体を含む。一実施形態において、液体が充填されたトランスデューサモジュールは、超音波信号の伝達を強化するように適合されたジェルを含む。一実施形態において、超音波信号の伝達を強化するように適合されたジェルは、トランスデューサと患者の皮膚との間に配置される。
【0026】
美容処置に用いられるハンド棒の一実施形態によれば、ハンド棒は、超音波イメージング機能を操作可能にコントロールする第1制御デバイスと、超音波処置機能を操作可能にコントロールする第2制御デバイスと、第2制御デバイスにより各熱損傷の直線状シーケンスを生成するように構成された動作機構と,を備えている。一実施形態において、動作機構はユーザにより自動化され、且つプログラムされるように構成されている。一実施形態において、ハンド棒は、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び動作機構の少なくとも1つと操作可能に接続されたトランスデューサモジュールを備えている。一実施形態において、各熱損傷の直線状シーケンスは、約0.01mm~約25mmの範囲の処置間隔を有している。一実施形態において動作機構は、各熱損傷の間で可変の間隔を提供するためにプログラムされるように構成されている。一実施形態において、各熱損傷は離散している。一実施形態において、各熱損傷は、重なっている。
【0027】
美容処置に用いるための超音波システムの可変超音波パラメータの一実施形態によれば、このシステムは、第1制御デバイス、第2制御デバイス、動作機構、及び一又はそれ以上の取り外し可能なトランスデューサモジュールを備えている。種々の実施形態において、一又はそれ以上のトランスデューサモジュールは、2,3,4,5,6,又はそれ以上の取り外し可能なトランスデューサモジュールを備えることができる。種々の実施形態において、異なる数の取り外し可能なトランスデューサモジュールが、異なる又は変化する超音波パラメータのために構成することができる。例えば、種々の限定されない実施形態
において、超音波パラメータは、トランスデューサの形状、サイズ、タイミング、空間形態、周波数、空間パラメータのバリエーション、一時的パラメータのバリエーション、凝固形態、深さ、幅、吸収係数、屈折係数、組織深さ、及び/又は他の組織の特性に関連することができる。種々の実施形態において、可変超音波パラメータは、所望の美容アプローチのための損傷の形成のために、変更したり、変化させてもよい。種々の実施形態において、可変超音波パラメータは、所望の臨床アプローチのための損傷の形成のために、変更したり、変化させてもよい。例によって、一つの可変超音波パラメータは、組織深さに関連する形態の態様に関連する。例えば、取り外し可能なトランスデューサモジュールのいくつかの限定されない実施形態は、組織深さが、3mm,4.5mm,6mm,3mmより小さい、3mmと4.5mmとの間、4.5mmより大きく、6mmより大きく、そして、0~3mm,0~4.5mm,0~25mm,0~100mmのいずれでも、どの深さのためでも構成することができる。一実施形態において、超音波システムが2つのトランスデューサモジュールとともに提供され、第1モジュールは約4.5mmの深さでの処置を施し、第2モジュールは約3mmの深さでの処置を施す。約1.5mm~2mmの深さで処置を施す光学的第3モジュールも提供される。2又はそれ以上の処置モジュールの組み合わせが特に有利である。これは、変化された組織深さにおける患者の処置ができ、これによって相乗作用の効果を提供でき、単一の処置セッションの臨床的結果を最大限にするからである。例えば、単一の表面領域の下での複数の深さの処置は、さらに大きい全体の量の組織処置をもたらし、これによってコラーゲンの形成と引き締めが促進される。例えば、異なる深さでの処置は、組織の異なるタイプに影響を与え、これによってすべての向上された美容の結果を一緒にもたらす異なる臨床の効果を生ずる。例えば、表面の
処置はシワの可視性を低下させ、深い部分の処置はさらなるコラーゲンの成長の形成を誘引する。
【0028】
1つのセッションでの異なる深さでの対象の処置は、いくつかの実施形態において有利であるが、時間を超えたシーケンシャル処置は他の実施形態でも有益であろう。例えば、対象は、第1週で第1の深さ、第2週に第2の深さで、同じ表面領域の処置を行ってもよい。第1処置によって生成される新しいコラーゲンは、次の処置に対してはより傷つきやすく、同じ指標が望まれる。或いは、単一のセッションでの同じ表面領域における複数の深さの処置は有利ではある。これは、1つの深さでの処置が外科的に他の深さにおける処置を強化したり、補強したりするからである(例えば、血液の流れが増強されたり、成長
因子、ホルモン刺激などの刺激によって)。
【0029】
いくつかの実施形態において、異なるトランスデューサモジュールが、異なる深さでの処置を提供する。いくつかの実施形態において、異なるトランスデューサを有し、それぞれが異なる深さを有するシステムは、特に有利である。これは、ユーザが不注意で正しくない深さを選択するというリスクが減るからである。一実施形態において、単一のトランスデューサモジュールは、種々の深さのために調整されたり、コントロールされたりすることができる。誤った深さを選択するリスクを最小限にする安全性能は、単一のモジュールシステムと合わせて用いることができる。
【0030】
いくつかの実施形態においては、顔の下部及び首エリア(例えば、顎下のエリア)を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、オトガイ唇溝を処置する(例えば、軟化)方法が提供される。一実施形態において、目の領域を処置する方法が提供される。上まぶたの緩みの改善、眼窩周囲ライン及び組織の改善が、可変深さにおける処置によるいくつかの実施形態により達成される。一実施形態において、対象が4.5mmと3mmの深さにおいて約40~50のラインで処理が行われる。対象は、約1.5~2mmの深さで約40~50のラインの処理が選択的に行われる。対象は、約6mmの深さで約
40~50のラインの処理が選択的に行われる。単一の処理セッションにおいて種々の深さで処理を行うことで、最適な臨床上の効果(例えば、軟化や引き締め)を達成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、ここで記載される処置方法は、非侵襲的な美容処置である。いくつかの実施形態において、この方法は、皮膚の引き締めが望まれるような、例えば、外科的フェイスリフトや脂肪吸引のような侵襲的な処置とともに、用いることができる。
【0032】
美容処置に用いられる可変超音波パラメータシステムの一実施形態によれば、このシステムは、第1制御デバイスと、第2制御デバイスと、動作機構と、第1トランスデューサモジュール、及び第2トランスデューサモジュールと,を備えている。第1制御デバイスは、超音波イメージング機能を操作可能にコントロールする。第2制御デバイスは、超音波処置機能を操作可能にコントロールする。動作機構は、処置目的のために各熱損傷の直線状シーケンスを生成するように構成されている。第1トランスデューサモジュールは、第1組織深さにおいて組織を処置するように構成されている。第2トランスデューサモジュールは、第2組織深さにおいて組織を処置するように構成されている。第1及び第2トランスデューサモジュールは、交換可能にハンド棒に接続されている。第1及び第2トランスデューサモジュールは、第1制御デバイス、第2制御デバイス、及び動作機構の少なくとも一つと操作可能に接続されている。いくつかの実施形態において、単一のユニットでの、複数のモジュールの迅速な互換性及び交換を容易にする。一実施形態において、各熱損傷は、離散している。一実施形態において、各熱損傷は、重なったり、結合したりしている。
【0033】
美的イメージング及び処置システムの一実施形態は、ハンド棒、取り外し可能なトランスデューサモジュール、コトンロールモジュール、及びハンド棒とコントロールモジュールとを相互接続するインターフェースを備えている。ハンド棒は、指で起動可能な少なくとも1つのコントローラを備えている。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、超音波トランスデューサと、ハンド棒に接続可能な少なくとも1つのインターフェースとを備えている。コントロールモジュールは、ハンド棒に接続されるとともに、取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするグラフィック・ユーザ・インターフェースを備えている。ハンド棒とコントロールモジュールとを接続するインターフェースは、ハンド棒とコントロールモジュールとの間で少なくとも1つの信号を送信する。一実施形態において、このシステムは、コントロールモジュールに接続されたプリンタも備えており、コントロールモジュールは、出力信号と電力をプリンタに提供する。一実施形態において、このシステムは、取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするためのコントロールモジュールを解錠するように操作可能なキーも備える。一実施形態において、ハンド棒は、動作機構も備え、この動作機構は、トランスデューサモジュールの中で超音波トランスデューサを操作可能に移動する。一実施形態において、このシステムは、ハンド棒と取り外し可能なトランスデューサモジュールの一方に接続される少なくとも1つのセンサも備える。
【0034】
美容処置に用いられるハンド棒の一実施形態によれば、ハンド棒は、イメージング機能を操作可能にコントロールする第1制御デバイスと、処置機能を操作可能にコントロールする第2制御デバイスと、状態インジケータと、電力用入力部と、少なくとも1つの信号用の出力部と、動作機構と、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び動作機構の少なくとも1つに操作可能に接続された取り外し可能なトランスデューサモジュールと,を備えている。一実施形態において、システムは、ハンド棒の中にトランスデューサモジュールを取り外し可能に保持するためのラッチ機構も含んである。一実施形態において、システムは、入力部及び出力部の少なくとも1つと通信するケーブルも備えている。一実施形態において、システムは、ケーブルと操作可能に相互作用接続するコントローラも備えており、コントローラは、取り外し可能なトランスデューサモジュールをコントロールするためのグラフィック・ユーザ・インターフェースを有している。一実施形態において、トランスデューサモジュールは、第1制御デバイスと接続された第1トランスデューサと、第2制御デバイスに接続された第2トランスデューサとを備えている。
【0035】
美容処置のためのデバイスの一実施形態によれば、このデバイスは、ハンドエンクロージャに相互接続された取り外し可能なトランスデューサモジュールと、ハンドエンクロージャ及びトランスデューサモジュールに接続されたコントローラと、を備えている。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、少なくとも1つのコントロールボタンを有しており、これによってトランスデューサモジュールとボタンは片手で操作可能である。トランスデューサモジュールは、処置機能のための超音波を提供する。コントローラは、超音波エネルギをコントロールし、トランスデューサモジュールから少なくとも1つの信号
を受け取る。コントローラは、少なくとも超音波エネルギのための電力を操作可能に供給するパワーサプライを有している。一実施形態において、コントローラは、トランスデューサモジュールをコントロールし、トランスデューサからの少なくとも1つの信号を監視するグラフィック・ユーザ・インターフェースも有している。一実施形態において、ハンドエンクロージャは、トランスデューサモジュールの中でトランスデューサを操作可能に移動する動作機構も有しており、動作機構はコントローラによってコントロールされる。一実施形態において、少なくとも1つのコントロールボタンは、イメージング機能をコントロールする第1コントローラボタンと、処置機能をコントロールする第2コントローラボタンと、を備える。一実施形態において、処置機能は、フェイスリフト、眉リフト、顎リフト、シワ減少、傷跡減少、入れ墨除去、静脈除去、日焼けスポット除去、及びニキビ処置の少なくとも1つである。
【0036】
対象となる顔エリアの美容処置を行う方法の一実施形態によれば、この方法は、トランスデューサモジュールをハンドコントローラに挿入するステップと、対象となる顔エリアにトランスデューサモジュールを接続するステップと、真皮層の下方の組織の一部にイメージングシーケンスを操作可能に開始するハンドコントローラの第1スイッチを起動するステップと、イメージングシーケンスからデータを収集するステップと、データから処置シーケンスを演算するステップと、処置シーケンスを操作可能に開始するハンドコントローラの第2スイッチを起動するステップ、とを備えている。一実施形態において、この方法は、イメージングシーケンスのためのソースを操作可能に提供するトランスデューサモジュールの第1トランスデューサから第1超音波エネルギを放射するステップも含む。一実施形態において、この方法は、処置シーケンスのためのソースを操作可能に提供するトランスデューサモジュールの第2トランスデューサから第2超音波エネルギを放射するステップも含む。一実施形態において、この方法は、対象となる顔エリアの真皮層の一部を引き締めるステップも含む。一実施形態において、トランスデューサモジュールは、真皮層の下方の一定の深さにおいて処置シーケンスを行う。
【0037】
いくつかの実施形態において、この発明は、美容処置に用いられるハンド棒を備えている。一実施形態において、ハンド棒は、超音波イメージングを提供する超音波イメージング機能を操作可能にコントロールする第1制御デバイスと、超音波処置を提供する超音波処置機能を操作可能にコントロールする第2制御デバイスと、を備えている。いくつかの実施形態において、これら制御デバイスは、指/親指で操作可能なボタン又はキーであり、コンピュータプロセッサと通信している。ハンド棒は、各熱損傷の直線状シーケンスにおいて超音波処置を方向付けするように構成された動作機構も備えている。一実施形態において、各熱損傷の直線状シーケンスは、約0.01mm~約25mmの範囲の処置間隔を有している。一実施形態において、各熱損傷は離散している。一実施形態において、各熱損傷は重なっている。動作機構は、各熱損傷の間の可変する間隔を提供するためにプログラムされるように構成されている。取り外し可能な第1及び第2トランスデューサモジュールも提供される。第1及び第2トランスデューサモジュールのそれぞれは、超音波イメージングと超音波処置の両方のために構成されている。第1及び第2トランスデューサモジュールは、ハンド棒に対して交換可能に接続されるように構成されている。第1トランスデューサは、第2トランスデューサモジュールが組織の第2層に対して超音波治療を施すように構成されている間、組織の第1層に超音波治療を施すように構成されている。組織の第2層は、組織の第1層とは異なる深さである。第1及び第2トランスデューサモジュールは、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び動作機構の少なくとも1つと操作可能に接続されるように構成されている。
【0038】
一実施形態において、第3トランスデューサモジュールが提供される。第3トランスデューサモジュールは、組織の第3層に超音波治療を施すように構成することができ、この組織の第3層は、組織の第1又は第2層とは異なる深さにある。第4及び第5モジュールは、追加の実施形態において提供される。トランスデューサモジュールは、可変深さ処置を提供し、動作機構は単一の深さレベルに沿って可変処置を提供するように構成される。
【0039】
一実施形態において、第1及び第2制御デバイスの少なくとも一つは、制御部によって起動される。コントロールモジュールは、プロセッサ、及び第1及び第2トランスデューサを制御するためのグラフィック・ユーザ・インターフェースを備えている。
【0040】
ここで記載のようにハンド棒を用いて対象に美容処置を施す方法は、いくつかの実施形態で提供される。一実施形態において、この方法は、第1トランスデューサモジュールで対象となる第1ターゲット領域を超音波でイメージングするステップと、第1組織深さにおいて第1トランスデューサモジュールで対象となる第1ターゲット領域を超音波で処置するステップと、を備えている。この処置は、動作機構により自動的に選択される(プログラミング、プリセットなどで)第1ターゲット領域を横切る複数の処置ラインを備えている。一実施形態において、この方法は、第1トランスデューサモジュールを第2トランスデューサモジュールに交換するステップと、第2トランスデューサモジュールで対象となる第2ターゲット領域を超音波でイメージングするステップと、第2組織深さにおいて第2トランスデューサモジュールで対象となる第2ターゲット領域を超音波で処置するステップと、をさらに備えている。この処置は、動作機構により自動的に選択される(プログラミング、プリセットなどで)第2ターゲット領域を横切る複数の処置ラインを備えている。一実施形態において、第1及び第2ターゲット領域は、対象となる単一の表面の下に位置する。
【0041】
いくつかの実施形態において、この発明は、美容処置に使用されるハンド棒を備える。一実施形態において、ハンド棒は、第1制御デバイス、第2制御デバイス、移動機構、及びトランスデューサモジュールを備える。第1制御デバイスは、超音波イメージングを提供するために、超音波イメージング機能を操作可能に制御する。第2制御デバイスは、超音波処置を提供するために、超音波処置機能を操作可能に制御する。動作機構は、各熱損傷のシーケンスにおいて超音波処置を方向付けるように構成される。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、超音波イメージングと超音波処置の両方のために構成される。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、交換可能にハンド棒と接続するように構成される。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第1制御デバイス、第2制御デバイス、及び動作機構の少なくとも1つと操作可能に接続するように構成される。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第1可変超音波パラメータにおいて組織に対して超音波治療を施すように構成される。
【0042】
一実施形態において、ハンド棒は、第2可変超音波パラメータにおいて超音波治療を組織に施すように構成されている。一実施形態において、取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第2可変超音波パラメータにおいて超音波治療を組織に施すように構成されている。一実施形態において、ハンド棒は、さらに第2の取り外し可能なトランスデューサモジュールを備えることができ、第2の取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第2可変超音波パラメータにおいて組織に対し超音波治療を施すように構成される。一実施形態において、可変超音波パラメータは組織の深さである。一実施形態において、可変超音波パラメータは、周波数である。一実施形態において、可変超音波パラメータは、タイミングである。一実施形態において、可変超音波パラメータは、形状である。
【0043】
いくつかの実施形態において、この発明は、美容処置に用いられるハンド棒を備えている。一実施形態において、ハンド棒は、少なくとも1つの制御デバイス,動作機構、及びトランスデューサモジュールを備えている。一実施形態において、ハンド棒は、超音波イメージングを提供する超音波イメージング機能を操作可能にコントロールするとともに、超音波処置を提供する超音波処置機能を操作可能にコントロールする、少なくとも1つの制御デバイス、を備えている。1,2,又はこれ以上の制御デバイスを用いてもよい。各熱損傷のシーケンスに超音波処置を方向付けるように構成された動作機構が提供される。トランスデューサモジュールは、超音波イメージングと超音波処置の両方のために構成され、少なくとも1つの制御デバイスと動作機構に操作可能に接続される。トランスデューサモジュールは、第1超音波パラメータ及び第2超音波パラメータにおいて超音波治療を施すように構成されている。種々の実施形態において、第1及び第2超音波パラメータは、可変深さ、可変周波数、及び可変形状で構成されるグループの中から選択される。例えば、一実施形態において、単一のトランスデューサモジュールは、2またはそれ以上の深さにおいて超音波治療を提供する。他の実施形態において、2またはそれ以上の交換可能
なトランスデューサモジュールがそれぞれ異なる深さを提供する(例えば、1つのモジュールが3mmの深さを処置し、他のモジュールが4.5mmの深さを処置する)。しかし、他の実施形態において、単一のトランスデューサモジュールは、2またはそれ以上の周波数、形状、振幅、速度、波形、及び/又は波長において超音波治療を提供する。他の実施形態において、2またはそれ以上の交換可能なトランスデューサモジュールがそれぞれ異なるパラメータ値を提供する。一実施形態において、単一のトランスデューサモジュールは、少なくとも2つの異なる深さ、及び少なくとも2つの異なる周波数(又は他のパラメータ)を提供してもよい。可変パラメータオプションは、ある実施形態においては特に有利である。なぜなら、これらは、組織の処置、損傷の形態の最適化、組織の凝固、処置量などの強化された制御を提供するからである。
【0044】
さらなる適用の分野は、ここでの記載から明らかになるであろう。詳細な説明や特定の例は、例示の目的のみであることを意図し、ここで開示されている実施形態の範囲を限定する意図ではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
ここで示される図面は、例示の目的のみのためのものであり、本発明の開示の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、発明の詳細な説明及びそれに伴う以下の図面により、十分に理解されるようになる。
【
図1】本発明の種々の実施形態における美容処置システムを示す例示である。
【
図2】本発明の種々の実施形態におけるハンド棒を例示する上面図である。
【
図3】本発明の種々の実施形態におけるハンド棒を例示する側面図である。
【
図4】本発明の種々の実施形態におけるエミッタ・レシーバ・モジュールを例示する側面図である。
【
図5】本発明の種々の実施形態におけるエミッタ・レシーバ・モジュールを例示する他の側面図である。
【
図6】本発明の種々の実施形態におけるエミッタ・レシーバ・モジュールを例示するブロック図である。
【
図7】本発明の種々の実施形態における動作機構を示す例示である。
【
図8】本発明の種々の実施形態における美容処置システムを例示するブロック図である。
【
図9】本発明の種々の実施形態における美容処置システムを例示する電子ブロック図である。
【
図10】本発明の種々の実施形態におけるハンド棒とエミッタ・レシーバ・モジュールの概念図である。
【
図11】本発明の種々の実施形態における対象の関心のある可能性のある一エリアを示す例示である。
【
図12】本発明の種々の実施形態における対象の関心のある可能性のある一エリアを示す例示である。
【
図13】本発明の種々の実施形態における対象の関心のあるエリアを示す例示である。
【
図14】本発明の種々の実施形態における関心のあるエリアの一部を例示する断面図である。
【
図15】本発明の種々の実施形態における装置及び方法を示す断面図である。
【
図16】本発明の種々の実施形態における処置領域を示す断面図である。
【
図17】本発明の種々の実施形態における関心のある領域と接続された美容処置システムを示す例示である。
【
図18】本発明の種々の実施形態における方法を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の種々の実施形態における他の方法を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の種々の実施形態におけるコントローラを示す正面図である。
【
図21】本発明の種々の実施形態におけるコントローラを示す側面図である。
【
図22】本発明の一実施形態におけるコントローラの相互作用グラフィクディスプレイの描写である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次の記載は、実施形態の例を示しているが、この記載は、本発明やその教示、適用及び使用を限定するものではない。図面、対応する符号は、対応する部材、特徴を示していることが理解される。本発明の種々の実施形態の中に示されている特定の例の記載は、例示の目的のみを意図しており、ここに開示された発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、ある特徴を有する複数の実施形態の引用は、追加の特徴を有する他の実施形態、又はその特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施形態を除外することを意図しない。さらに、(例えば、1つの図面にある)1つの実施形態の特徴は、他の実施形態の記載(及び図面)と組み合わせてもよい。
【0047】
本発明の実施形態に関し、組織の超音波処置の方法及びシステムは、美容処置を提供するように構成されている。本発明の種々の実施形態においては、表皮、真皮、筋膜、及び表在性筋膜(SMAS)のような皮膚の表面又は直下の組織は、超音波エネルギによって侵襲がないように処置される。超音波エネルギは、治療効果を達成するために、表皮、真皮、筋膜、及び表在性筋膜(SMAS)のうちの少なくとも1つを含む関心のある領域に集中され、又は集中されず、或いは焦点をずらし、適用される。一実施形態において、本発明は、組織の凝固及び引き締めを通じて眉リフトを行うために、非侵襲的な皮膚科学的処置を提供する。一実施形態において、本発明は、皮膚及び皮下組織のイメージングを提供する。超音波エネルギは、脂肪組織を含む関心のあるいずれの所望の領域にも、集中され、または集中されず、或いは焦点をずらして適用される。一実施形態において、脂肪組織は特にターゲットとなる。
【0048】
本発明の種々の実施形態においては、侵襲的な技術を通じて伝統的になされてきた美容処置が、特定の皮下の組織に対する、例えば、超音波のような標的とするエネルギによって達成される。いくつかの実施形態においては、額の吊り上げをなすために標的となる皮下の組織を侵襲的でなく処置するための方法とシステムが提供される。しかしながら、他の種々の美容処置における適用、例えば、顔の吊り上げ、ニキビ治療、及び/又は他の美容処置の適用も、この美容処置システムによって行うことができる。一実施形態において、このシステムは、超音波治療の性能と高解像度超音波イメージングの性能とを統合し、ユーザが、処置前に関心のある皮膚と皮下領域を可視化することができるイメージング機能を提供する。一実施形態において、このシステムにより、ユーザはトランスデューサモジュールを皮膚の適切な位置に配置することができ、適切な皮膚との接触を確実にするためにフィードバック情報を提供する。一実施形態において、治療システムは、処置エリアに音波を方向付けする超音波トランスデューサモジュールを提供する。この音響エネルギは、エネルギの吸収中の摩擦損失の結果として組織を熱し、凝固の離散したゾーンを生成する。
【0049】
種々の実施形態において、このデバイスは、少なくとも1つのコントローラボタンを有するハンドエンクロージャと相互接続された取り外し可能なトランスデューサモジュールを備えており、これによってトランスデューサモジュールとコントローラボタンは片手で操作可能である。この実施形態の一態様において、トランスデューサモジュールは、イメージング機能及び/又は処置機能のための超音波エネルギを提供する。この実施形態の一態様において、このデバイスは、ハンドヘルドエンクロージャに接続されるとともにトランスデューサモジュールと相互接続されたコントローラを備えている。この実施形態のさらなる態様では、コントローラは、超音波エネルギを制御し、トランスデューサモジュールからの信号を受信する。コントローラは、パワーサプライと、超音波エネルギのための電力を供給する駆動回路とを備えることができる。この実施形態のさらに他の態様では、このデバイスは、患者の美容イメージングと処置、又は,患者の眉のような患者の簡単な処置に使用される。
【0050】
患者の眉リフトを行うための方法の一実施形態によれば、この方法は、患者の眉領域にプローブを接続すること、及び皮下組織におけるターゲットエリアを決定するために眉領域の皮下組織の少なくとも一部をイメージングすることを,含む。一実施形態において、この方法は、ターゲットエリアの皮下組織を切除したり凝固するために皮下組織のターゲットエリアに超音波エネルギを付与し、これによって,眉領域の皮下組織の上方又は下方の真皮の引き締めがなされる。
【0051】
さらに、本発明のいくつかの実施形態は、患者の顔エリアの真皮の一部を引き締める方法を提供する。種々の実施形態において、この方法は、トランスデューサモジュールをハンドコントローラに挿入し、トランスデューサモジュールを患者の顔エリアに接続することを含む。一実施形態において、この方法は、真皮の下方の組織の一部におけるイメージングシーケンスを開始するためにハンドコントローラの第1スイッチを起動し、イメージングシーケンスからデータを収集することを含む。これらの実施形態において、この方法は、収集されたデータから処置シーケンスを演算し、処置シーケンスを開始するためにハンド棒の第2スイッチを起動することを含む。この実施形態の一態様として、この方法は、患者の体の顔、頭、首、及び/又は他の部分の一部に用いることができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、このシステムは、少なくとも1つの指で起動可能なコントローラを有するハンド棒と、超音波トランスデューサを有する取り外し可能なトランスデューサモジュールと、を備えている。一実施形態において、このシステムは、ハンド棒に接続されるとともに、取り外し可能なトランスデューサモジュールを制御するためのグラフィック・ユーザ・インターフェースを有するコントロールモジュールを備えている。トランスデューサモジュールはハンド棒をコントロールモジュールに接続するインターフェースを有している。一実施形態において、インターフェースは、少なくとも1つの信号をハンド棒とコントロールモジュールとの間に送信する。一実施形態において、美的イメージングシステムは、患者の体の顔、頭、首、及び/又は他の部分の一部に美容処置を施すのに用いられる。
【0053】
さらに、本発明のいくつかの実施形態は、美的処置に用いられるハンド棒を提供する。いくつかの実施形態において、ハンド棒は、イメージング機能を操作可能に制御する第1制御デバイス、処置機能を操作可能に制御する第2制御デバイス、状態インジケータ、電力用入力部、少なくとも1つの信号用の出力部、及び動作機構を備えている。取り外し可能なトランスデューサモジュールを、ハンド棒に接続することができる。この取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第1制御デバイス、第2制御デバイス,及び/又は動作機構と相互接続することができる。一実施形態において、ハンド棒は、患者の体の顔、頭、首、及び/又は他の部分の美容処置に用いられる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態が、種々の部品及び処理ステップに関してここで記載されるであろう。このような部品及びステップは、特定の機能を実施するために構成された、いくつものハードウエア部品により実現されるであろうことが理解される。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、種々の医療処置デバイス、視覚イメージング及びディスプレイデバイス、入力ターミナルなどを採用することができ、これらにより一又はそれ以上の制御システム又は他の制御デバイスの元で種々の機能を実行できるであろう。本発明のいくつかの実施形態は、多くの数の医療状況で実施できるであろう。例えば、ここで議論される原理、特徴、及び方法は、どのような医療的アプリケーションにも適用されるであろう。
【0055】
本発明の実施形態のさらに詳細な種々の態様をさらに説明するために、制御システム及び超音波プローブシステムを用いた美容処置システムのいくつかの例が提供される。しかし、以下の実施形態は、例示の目的であり、本発明の実施形態は美容処置の種々の他の形態も有することに注意すべきである。さらに、図面に例示されていないとしても、この美容処置システムは、イメージング、診断、及び/又は処置システムと関連のある部品をさらに備えることができる。例えば、要求される電源、システム制御電子部品、電子コネクタ、及び/又は追加の記憶場所である。
【0056】
図1を参照すると、本発明の一実施形態が、美容処置システム20として示されている。本発明の種々の実施形態において、美容処置システム20(以下、CTS20)は、ハンド棒100、エミッタ・レシーバ・モジュール200、及びコントローラ300を備えている。ハンド棒100は、インターフェース130によってコントローラ300と接続されている。一実施形態において、インターフェース130はコードである。一実施形態において、コードは、ハンド棒100とコントローラ300との間の2方向のインターフェースである。複数の実施形態において、インターフェース130は、例えば、複数の導電ケーブル、またはワイヤレスのインターフェースとすることができる。一実施形態においては、インターフェース130は、フレキシブルなコネクタ145によってハンド棒100に接続される。一実施形態において、フレキシブルなコネクタ145は、張力緩和である。インターフェース130の遠位端は、フレックス回路345にあるコントローラコネクタに接続されている。種々の実施形態において、フレキシブルなコネクタ145は、硬くすることができ、またはエラストメリックスリーブ、バネ、クイックコネクト、強化コード、これらの組み合わせなどのようなデバイスを含む。一実施形態において、フレキシブルなコネクタ145とフレックス回路345にあるコントローラコネクタとは、ハンド棒100とコントローラ300との間のワイヤレス通信のためのアンテナとレシーバとを備えることができる。一実施形態において、インターフェース130は、コントローラ300からハンド棒100へ、制御電力を送信することができる。
【0057】
種々の実施形態において、コントローラは、全般的なCTS20と同様に、ハンド棒100と発信送信モジュール200とともに操作するように構成することができる。種々の実施形態において、複数のコントローラ300,300',300''などは、複数のハンド棒100,100',100''など及び/または複数のエミッタ・レシーバ・モジュール200,200',200''などとともに操作するように構成されている。種々の実施形態において、1又はそれ以上のダッシュ(')が付された符号は、第2実施形態を示すことができる。例えば、一実施形態において、第1モジュール200は、第2モジュール200',第3モジュール200''、第4モジュール200'''などとともに、あるいはこれらの代替として用いてもよい。同様に、種々の実施形態において、複数のいずれの部品も、実施形態を示すために、1またはこれ以上のダッシュが付された符号を有することができる。例えば、一実施形態において、第1トランスデューサを符号280で示すことができ、第2トランスデューサ280'をダッシュをで示すことができる。一実施形態において、コントローラ300は、相互グラフィカルディスプレイ310を収容し、このディスプレイはタッチスクリーンモニタ、及びユーザがCTS20と相互に作用するようにするグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を備えている。種々の実施形態において、このディスプレイ310は、機器の起動状態、処置パラメータ、システムのメッセージ、及び刺激と超音波イメージを含む操作条件をセットして表示する。種々の実施形態において、コントローラ300は、例えば、ソフトウエアと入力/出力デバイスを有するマイクロプロセッサ、システム、及びデバイスを含むように構成することができる。電気的及び/又は機械的スキャニング及び/又はトランスデューサの多重送信及び/又はトランスデューサモジュールの多重送信を制御するシステム、電力を伝達するシステム、モニタリングのためのシステム、プローブ及び/又はトランスデューサの空間位置、及び/又はトランスデューサモジュールの多重送信を検知するシステム、及び/又は、他の中で、ユーザの入力を取り扱い、処置結果を記録するシステム、を有するように構成できる。種々の実施形態において、コントローラ300は、システムプロセッサ及び種々のデジタル制御ロジック、例えば、一又はそれ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、コンピュータボード、及びファームウエア、制御ソフトウエアを含む関連する部品を備える。これらは、ユーザ制御、インターフェース回路と同様に、入力/出力回路、通信システム、ディスプレイ、インターフェース、ストレージ、ドキュメンテーション、及び他の有用な機能と相互作用できる。システムソフトウエアは、すべての初期化、タイミング、レベル設定、モニタリング、安全モニタリング、及びユーザが定義した処置目的を達成するために要求される他のすべての安全機能を制御することができる。さらに、コントローラ300は、CTS20の操作を制御するように適切に構成される種々のコントロールスイッチを含むことができる。一実施形態において、コントローラ300は、ユーザに情報を伝達する相互作用グラフィック・ディスプレイ310を含む。一実施形態において、コントローラ300は、一又はそれ以上のデータポート390を含む。一実施形態において、データポート390は、USBポートであり、コントローラ300の前面、側面、及び/又は背面に配置することができ、これはストレージ、プリンタ391,デバイス、他の目的のために用いられる。種々の実施形態において、CTS20はロック395を含み、一実施形態において、ロック395は、USBポートを介してコントローラ300に接続可能とすることができる。一実施形態において、CTS20を操作するために、ロック395は、アンロックされなければならず、これによってパワースイッチ393が起動される。他の実施形態において、ロック395は、USBアクセスキーの挿入やハードウエアドングル、及び他の関連のソフトウエアによりアンロックされなければならず、これによって相互作用グラフィックディスプレイが実行される。一実施形態において、緊急ストップボタンは、緊急非動作に直ちにアクセス可能である。
【0058】
種々の実施形態において、美的イメージシステム又はCTS20が、少なくとも一つの指起動型コントローラ(150及び/又は160)を有するハンド棒100、及び超音波トランスデューサを有する取り外し可能なエミッタ・レシーバ・モジュール200を備えている。他の実施形態においては、取り外しができないエミッタ・レシーバ・モジュール、イメージングのみを行うエミッタ・レシーバ・モジュール、処置のみを行うエミッタ・レシーバ・モジュール、及びイメージングと処置とを行うエミッタ・レシーバ・モジュールを備えてもよい。一実施形態において、CTS20は、ハンド棒100に接続されるとともに、取り外し可能なトランスデューサモジュールをインターフェース130により制御するためのグラフィック・ユーザ・インターフェース310を有するコントロールモジュール300を備えている。例えば、一実施形態においては、インターフェースは、ハンド棒100をコントロールモジュール300に接続するコードである。一実施形態においては、インターフェース130は、電力をハンド棒100に供給する。一実施形態においては、インターフェース130は、少なくとも一つの信号を、ハンド棒100とコントロールモジュール300との間で送信する。この実施形態の一態様において、CTS20の美的イメージングシステムは、患者の頭部の一部への美的処置に用いられる。一実施形態において、CTS20は、患者の顔、頭部、首、及び/又は体の他の部分に対する美処置に用いることができる。
【0059】
さらに、本発明のある実施形態においては、美的処置に用いるハンド棒100を提供する。いくつかの実施形態において、ハンド棒100は、イメージ機能を操作可能な制御する第1制御デバイス150、処置機能を操作可能に制御する第2制御デバイス160、状態インジケータ155,電力用入力部、少なくとも一つの信号用の出力部、動作機構400、及び取り外し可能なトランスデューサモジュール200を備えている。取り外し可能なトランスデューサモジュールは、第1制御デバイス150、第2制御デバイス160、及び/又は動作機構400と通信するようになっている。この実施形態の一態様として、ハンド棒100は、患者の顔、頭部、首、及び/又は体の他の部分の美容処置において用いられる。
【0060】
本発明の種々の実施形態によれば、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ハンド棒100に接続することができる。いくつかの実施形態では、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、例えば超音波エネルギのようなエネルギを放射したり受けたりすることができる。一実施形態においては、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、例えば超音波エネルギのようなエネルギを放射のみするように構成することができる。一実施形態においては、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ハンド棒100に恒久的に取り付けておくことができる。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ハンド棒100に取り付けられたり、ハンド棒100から取り外される。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ラッチや連結器140を用いてハンド棒100に機械的に接続することができる。インターフェースガイド235は、エミッタ・レシーバ・モジュール200をハンド棒100に接続するのを補助するのに役立つ。さらに、エミッタ・レシーバ・モジュールは、ハンド棒に電気的に接続することもできる。このような接続は、コントローラ300と通信するインターフェースを有する。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200の近位端にあるインターフェースガイド235の電気連結器は、エミッタ・レシーバ・モジュール200とハンド棒100との間の電気的な接続を提供し、これらの両者をコントローラ300と電気的に接続することができる。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、種々のプローブ及び/又はトランスデューサ形態を備えることができる。例えば、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、組み合わされたデュアルモードイメージング/治療トランスデューサ,接続された又はともに収容されるイメージング/治療トランスデューサ、または単に分離されたプローブとイメージングプローブのために構成することができる。一実施形態において、ハンド棒100は、一端部に少なくともトランスデューサを有し、他端にコントローラ200への取付のための電気ケーブルを有するとともに、エミッタ・レシーバ・モジュール200の挿入の受け入れ部と一体化されたハンドルを有する。
【0061】
図2及び
図3の例示を追加で参照すると、ハンド棒100は、快適さ、機能性、及び/又はユーザ,例えば実務者や医療の専門者によるハンド棒100の使用の容易さを向上するための人間工学的考慮により設計されている。ハンド棒100は、両手で使えるように設計することもできる。一実施形態において、ハンド棒100の使用は、右手又は左手のいずれの使用によっても性能が低下することはない。一実施形態において、ハンド棒100は、このハンド棒100の上部に、イメージングボタン150,処置ボタン160及びインジケータ155を備える。種々の実施形態において、ボタン及び/又はインジケータの他の配置が可能である。一実施形態において、ハンド棒100は、底部にあるハンドレスト148,及びフレキシブルコネクタ145の遠位端にある連結器140を備える。一実施形態において、ハンドレスト148は、ハンド棒100ハウジングに成形されたクリアランスポケットを備える。このハウジングにより、磁気チップクラッチロッド(
図7の433及び432)は、ハンド棒ハウジングに当たることなく、トランスデューサモジュールの直線的な動きを行うために前後に動かされる。これらの態様によれば、ハンド棒100は、右手又は左手の一方でユーザにより操作可能とすることができる。さらに、ユーザは、親指又は人差し指のような指によりイメージングボタン150及び処置ボタン160をコントロールすることができる。ハンド棒100の内部には、電子部品とともにソフトウエア、通信部、及び/又は電子部品へ又は電子部品から接続するためのカップリングを備えることができる。一実施形態において、ハンド棒100は、イメージングボタン150及び処置ボタン160の少なくとも1つと通信する電子インターフェース175(ここでは図示しないが、他の図面参照)を含む。一実施形態に関し、電子的インターフェース175は、例えばコントローラ300のような外部ソースと相互接続することができる。種々の実施形態において、インジケータ145は、LED、ライト、音響信号、及びこれらの組み合わせにすることができる。この実施形態の一態様において、インジケータ155は、CTS20の異なる状態に基づいて色が変化するLEDである。例えば、インジケータ155は、スタンバイモード(又はオフ)で1つの色、イメージングモードで第2の色、処置モードで第3の色にすることができる。
【0062】
一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ハンド棒100と電気的及び機械的の両方について、取り外し可能に取り付けられるように構成される。一実施形態において、動作機構400(
図7参照)は、
図4~
図7の種々の実施形態で示されるように、エミッタ・レシーバ・モジュール200において超音波トランスデューサ280を動かすように構成することができる。ユーザは、必要であれば、処置の間にトランスデューサモジュールを収容する保護用の取り外し可能な袋部からトランスデューサモジュールを取り外すことができる。一実施形態において、ハンド棒100とエミッタ・レシーバ・モジュール200は、
図1に示すように、連結器140を上方に押し、エミッタ・レシーバ・モジュール200をハンド棒100にスライドさせることで、接続することができる。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200を挿入すると、コントローラ300は、これを自動的に検知し、相互作用グラフィックディスプレイ310をアップデイトする。一実施形態において、一旦、エミッタ・レシーバ・モジュールを十分に挿入しハンド棒100の端部の連結器140が押し込まれると、エミッタ・レシーバ・モジュールはロックされる。エミッタ・レシーバ・モジュール200を取り外すには、ユーザは、ハンド棒100の端部の連結器140を持ち上げ、エミッタ・レシーバ・モジュール200をハンド棒100から外部へスライドさせる。
【0063】
図4及び
図5は、ハウジング200と音響透過部材230とを有するエミッタ・レシーバ・モジュール200の一実施形態の2つの対向する側面図を示している。一実施形態において、ハウジング220は、当該ハウジングに対して取り外し可能あるいは恒久的に取り付けられたキャップ222を備えてもよい。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、このエミッタ・レシーバ・モジュール200のハンド棒100への取り付けを補助するのに役立つインターフェースガイド235及び/又は一以上のサイドガイド240を備えることができる。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、音響透過部材を通してエネルギを放射することが可能なトランスデューサ280を含むことができる。音響透過部材230は、窓、フィルタ、及び/又はレンズで作製することができる。音響透過部材230は、トランスデューサ280から放射されるエネルギに対して透過ないずれの材料で作製することができる。一実施形態において、音響透過部材230は、超音波エネルギに対して透過である。
【0064】
種々の実施形態において、トランスデューサ280は、コントローラ300と通信する。一実施形態において、トランスデューサ280は、電気的にハンド棒100及び/又はコントローラ300と接続される。一実施形態において、ハウジング220は、キャップ222によって密閉され、ハウジング220とキャップ222とによる結合構造によって液体(図示省略)を保持することができる。
図6に示すように、エミッタ・レシーバ・モジュール200のハウジング220実施形態は、このハウジング220とキャップ222との密閉構造の一体性に影響を与えず、ハンド棒100からトランスデューサモジュール200へ相互作用するポート275を備えている。さらに、キャップ222は、一又はそれ以上のポートを備えることができる。例えば、第1ポート292、第2ポート293、及び第3ポート294である。キャップ222のポートは、トランスデューサ280を、ハンド棒100及び/又はコントローラ300に電気的に接続するのに役立つ。一実施形態において、キャップ222の少なくとも一つのポートは、エミッタ・レシーバ・モジュール200において有用であろうセンサ201と相互作用するのに用いられてもよい。センサ201は、コントローラ300と通信することができる。いくつかの実施形態では、一以上のセンサ201が用いられる。
【0065】
種々の実施形態において、
図6のブロック図に示すように、トランスデューサ280は、エミッタ・レシーバ・モジュール200内で移動可能である。トランスデューサ280は、トランスデューサホルダ289に保持される。一実施形態において、トランスデューサホルダ289は、動作制限ベアリングに沿って移動するスリーブ287を備えている。ベアリングは、例えば、リニアベアリング、すなわちトランスデューサ280の繰り返しの直線運動を可能にするバー(又はシャフト)282である。一実施形態において、スリーブ287は、スプラインシャフト282周りの回転を防止するスプラインブッシュであるが、動作の経路を維持するどのようなガイドも適切である。一実施形態において、トランスデューサホルダ289は、動作機構400により駆動される。この駆動機構は、ハンド棒100またはエミッタ・レシーバ・モジュール200の中に配置してもよい。
図7に関連して後述するように、動作機構400は、動作部材432と磁気連結器433とを備えたスコッチヨーク403を有しており、磁気連結器は動作部材432の遠位端に配置されている。磁気連結器433は、トランスデューサ280の動作を補助する。動作機構400のような動作の機構の一つの利点は、イメージングと治療の両方の目的に対し、より効果的な、正確な、精密な超音波トランスデューサ280の使用を提供することである。この種の動作機構が、ハウジングのスペースに固定された従来の複数のトランスデューサの配列を超える1つの利点は、固定された配列が、離れて固定された距離を有することである。コントローラ300によるコントロール下で直線経路にトランスデューサ280を配置することで、このシステム及びデバイスの実施形態は、上述した効果,正確性、精密性に加え、適用性及び柔軟性を提供する。リアルタイム及びリアルタイムに近い調整が、動作機構400による制御された動作に伴ってイメージングと処置の位置決めに対してなされる。動作機構400によって可能な漸進的な調整に基づいてどのような解像度も選択する性能に加え、処置のスペーシング及びターゲティングにおいて,イメージングが、異常や変化に値する状態を検出した場合に、調整が行われる。
【0066】
一実施形態において、一又はそれ以上のセンサ201をエミッタ・レシーバ・モジュール201に設けてもよい。一実施形態において、動作部材432とトランスデューサホルダ289との間の機械的連結を結合することを確実にするため、一又はそれ以上のセンサをエミッタ・レシーバ・モジュール200に設けてもよい。一実施形態において、エンコーダ283をトランスデューサホルダ289の上部に配置するとともに、センサ201をエミッタ・レシーバ・モジュールの乾燥した位置に配置してもよく、これらを反対の配置(交換)にしてもよい。種々の実施形態において、センサ201は、磁気センサ、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR)又はホール効果センサ、及びエンコーダ磁石、磁石の集合、又は多極磁石ストリップである。センサは、トランスデューサモジュールのホームポジジョンとして位置決めされてもよい。一実施形態において、センサ201は、接触圧センサである。一実施形態において、センサ201は、患者のデバイス又はトランスデューサの位置を検知するためにデバイスの表面に配置される接触圧センサである。種々の実施形態において、センサ201は、一次元、二次元、及び/又は三次元におけるデバイスの位置又はデバイスの部品の位置を描くのに使用してもよい。一実施形態において、センサ201は、位置、角度、傾斜、方向、配置、高度、又はデバイス(又はその内の部品)と患者との間の他の関係を検知するように構成される。一実施形態において、センサ201は、光学センサを含む。一実施形態において、センサ201は、ローラボールセンサを含む。一実施形態において、センサ201は、患者の皮膚又は組織の処置のエリア又はライン間の距離を計算するための一次元、二次元、及び/又は三次元の位置を描くように構成できる。動作機構400は、トランスデューサ280の動作に有用であると分かるいずれの動作の機構であってもよい。動作機構の有用な他の実施形態においては、ウォームギアなどを含むことができる。本発明の種々の実施形態において、動作機構は、エミッタ・レシーバ・モジュール200内に配置される。種々の実施形態において、動作機構は、直線状、回転状、多次元の移動、又は作動を提供でき、この動作は、空間内での点及び/又は方向のいずれの集合も含むことができる。動作の種々の実施形態は、いくつかの実施形態において用いることができ、直線状、円形状、楕円状、円弧状、螺旋状、空間内の一又はそれ以上の点の集合、又は一次元、二次元、三次元の位置、姿勢、動作の実施形態を含むが、これには限定されない。動作機構のスピードは、固定してもよいし、ユーザによって調整可能に制御してもよい。一実施形態において、イメージシーケンスのための動作機構400のスピードは、処置シーケンスのスピードと異なっていてもよい。一実施形態において、動作機構400のスピードは、コントローラ300によって制御可能である。
【0067】
トランスデューサ280は、移動距離272を有しており、これによって放射されたエネルギ50が音響透過部材230を通して放射されるようになる。一実施形態においては、移動距離272は、トランスデューサ280の移動範囲の端から端までとして表される。一実施形態において、トランスデューサ280の移動距離272は、約100mmから約1mmとすることができる。一実施形態において、移動距離272の長さは、約25mmとすることができる。一実施形態において、移動距離272は15mmとすることができる。一実施形態において、移動距離272は10mmとすることができる。種々の実施形態において、移動距離272は、0~25mm,0~15mm,0~10mmとすることができる。
【0068】
トランスデューサ280は、オフセット距離270を有することができる。これは、トランスデューサ280と音響透過部材230との間の距離である。本発明の種々の実施形態においては、トランスデューサ280は、約25mmの関連の領域をイメージングして処置することができるとともに、約10mmより浅い深さのイメージングができる。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、皮膚の表面501(
図15参照)の下方の約4.5mmの深さにおける処理のためのオフセット距離270を有している。
【0069】
種々の実施形態において、トランスデューサモジュール200は、異なる、又は可変の超音波パラメータのために構成することができる。種々の制限のない実施形態において、超音波パラメータは、例えば、形状、サイズ、タイミング、空間的形態、周波数、空間的パラメータの変化、温度パラメータの変化、凝固形態、深さ、広さ、吸収係数、屈折係数、組織深さ、及び/又は他の組織特性のような、トランスデューサ280の態様に関連することができる。種々の実施形態において、可変超音波パラメータは、所望の美容アプローチのために損傷の形態に影響を与えるため、変更したり、変化したりしてもよい。例として、一つの可変の超音波パラメータは、組織の深さ287と関連する形態と関係する。複数の実施形態において、トランスデューサモジュール200は、超音波イメージングと超音波処置の両方のために構成することができるとともに、少なくとも一つの制御デバイス150,160及び動作機構400に操作可能に接続することができる。トランスデューサモジュール200は、第1及び第2超音波パラメータにおいて超音波治療を施せるように構成されている。種々の実施形態において、第1及び第2超音波パラメータは、可変する深さ、可変する周波数、及び可変する形状で構成されるグループの中から選択される。例えば、一実施形態において、単一のトランスデューサモジュール200は、2又はそれ以上の深さ278,278'において超音波治療を行う。他の実施形態においては、2又はそれ以上の交換可能なトランスデューサモジュール200が、それぞれ異なる深さ(例えば、一つのモジュールが3mmの深さを処置し、他が4.5mmの深さを処置する)を提供する。しかし、他の実施形態においては、単一のトランスデューサモジュール200が、2又はそれ以上の周波数、形状、振幅、速度、波形、及び/又は波長において、超音波治療を行う。他の実施形態においては、2又はそれ以上の交換可能なトランスデューサモジュール200が、それぞれ異なるパラメータを提供する。一実施形態において、単一のトランスデューサモジュール200が、少なくとも2つの異なる深さ278,278'、及び少なくとも2つの異なる周波数(又は他のパラメータ)を提供する。可変パラメータは、特にある実施形態において有利である。これは、その実施形態においては、組織の処置の制御、及び損傷の形態、組織の凝固、処置料などの最適化を促進することを提供するからである。
【0070】
図15は筋肉の深さに対応する、ある深さ278の一実施形態を示している。種々の実施形態において、深さ278は、どのような組織、組織層、皮膚、真皮、脂肪、SMAS、筋肉、または他の組織に対応することができる。いくつかの実施形態において、異なるタイプの組織は、相乗効果のある効果を提供するように処置され、これによって臨床的結果を最適化することができる。他の実施形態においては、エミッタ・レシーバ・モジュールが表面501の下方、約3.0mmの深さ278における処置のためのオフセット距離270を有する。種々の実施形態において、このオフセット距離278は、表面の下方の所望の深さ278に対してエネルギを放射するように、変化してもよい。種々の実施形態において、処置モードでは、トランスデューサ280からの音響エネルギの爆発が、各熱損傷550の直線状シーケンスを生成することができる。一実施形態において、各熱損傷550は分離している。一実施形態において、各熱損傷550は重なっている。種々の実施形態において、トランスデューサ280は、おおよそ1~100mmの間の深さでイメージングできる。一実施形態において、トランスデューサのイメージング深さは、約20mmとすることができる。一実施形態において、トランスデューサ280は、約0~25mmの間の深さを処置することができる。一実施形態において、トランスデューサの処置深さは、4.5mmとすることができる。
【0071】
ここで記載されたいずれの実施形態においても、トランスデューサの処置深さは、概ね0.5mm,1mm,1.5mm,2mm,3mm,4mm,4.5mm,5mm,6mm,10mm,15mm,20mm,25mm、又は0~100mmの他のいずれの深さにもすることができる。異なる深さの同じ組織の処置、又は異なる組織の処置可変する深さの処置を含む、多様な深さ処置が、相乗効果を提供することにより臨床結果を増加することができる。
【0072】
本発明の種々の実施形態において、トランスデューサ280は、イメージング、診断、または処置、及びこれらの組み合わせのために超音波エネルギを放射することができる。一実施形態において、トランスデューサ280は、例えば以下で説明する皺眉筋のような、特定の組織の関心のある領域をターゲットとするために、関心のある領域の特定の深さに対し、超音波エネルギを放射できるように構成することができる。この実施形態において、トランスデューサ280は、(
図12及び
図22参照)処置目的のための関心のある領域の広いエリアを超えるように集中しない又は焦点をずらした超音波エネルギを放射することができる。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、25mmまでの長さの組織の領域をイメージングでき、8ミリメートルまでの深さのイメージングが可能である。処置は、トランスデューサの動作長さより短いか或いは同じぐらいのラインに沿って行われる。これは、患者の皮膚の近接する表面に沿った音響透過部材230の近くのエミッタ・レシーバ・モジュール200の側部のガイドマーク(ここでは図示しない)によって,一実施形態において示される。一実施形態において、トランスデューサ280の前部の端にマークされたガイドが、処置ラインの中心を表している。処置モードの一実施形態では、音エネルギの破裂が、各熱凝固ゾーンのリニアシーケンスを生成する。一実施形態において、各熱凝固ゾーンは離散している。一実施形態において、各熱凝固ゾーンは、重なっている。トランスデューサ280のタイプ、使用期限日、及び他の情報を示すために、エミッタ・レシーバ・モジュール200の側面又は上面にラベル(ここでは例示しないが)を貼ったり、エッチングしてもよい。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、使用するトランスデューサ280のタイプ、処置周波数と処置深さ、固有のシリアルナンバー、部品ナンバー、製造日を追跡するために、ラベルとともに構成することができる。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、使い捨てすることができる。一実施形態において、システムは、トランスデューサの寿命が時間及び/又は使用を超えて少なくなるときのエミッタ・レシーバ・モジュール200の残りの寿命を決定するために、エミッタ・レシーバ・モジュール200の使用を追跡する。一旦、トランスデューサ280の能力が低下すると、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、その機能を奏するのに効果が低減した動作をする。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200又はコントローラ300は、使用を追跡するとともに、安全とデバイスの効果を保護するために、推奨される使用寿命を超えたエミッタ・レシーバ・モジュール200の追加の仕様を防止する。この安全性能は、テストデータに基づいて構成することができる。
【0073】
一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、処置周波数約4MHz、処置深さ約4.5mm、イメージング深さ範囲約0~8mmで構成されている。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、処置周波数約7MHz、処置深さ約3.0mm、イメージング深さ範囲約0~8mmで構成されている。一実施形態においては、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、処置周波数約7MHz、処置深さ約4.5mm、イメージング深さ範囲約0~8mmで構成されている。
【0074】
一実施形態において、トランスデューサ200は、イメージング及び/又は処置を容易にするための一又はそれ以上のトランスデューサを備えてもよい。トランスデューサ280は、圧電活性材料、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、又は他の圧電活性材料を備えてもよい。例えば、圧電セラミック、水晶圧電素子、プラスチック、及び/又は合成材料とすることができるが、これには限定されない。同様に、ニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、及び/又はメタニオブ酸鉛であり、球状に収集されたバッキング材料上に積層される圧電性、電気導電性、及び可塑性フィルム層を含む。圧電活性材料に加え、又はこれに代わって、トランスデューサ280は、圧電活性材料に接続される一又はそれ以上のマッチング層及び/又はバッキング層を備えてもよい。トランスデューサ280は、単一又は複数のダンピング要素で構成することができる。
【0075】
一実施形態において、トランスデューサ280の変換素子の厚さは、一定となるように構成してもよい。すなわち、変換素子は、概ね全体に亘って実質的に同じ厚さを有するように構成してもよい。他の実施形態において、変換素子は、複数のダンパーデバイスとして、及び/又は、可変厚さで構成してもよい。例えば、トランスデューサ280の変換素子は、例えば、約1MHz~約10MHzの低い範囲の中心的な操作周波数を提供するように選択された第1厚さを有するように構成してもよい。変換素子は、例えば、約10MHz~100MHzを超えるような高い範囲の中心的な操作周波数を提供するように選択された第2厚さで構成してもよい。
【0076】
しかし、他の実施形態において、トランスデューサ280は、ここで議論される所望のレベルまで、関心のある領域の処置エリア内で、温度を上げるための適切な出力を提供するために、2又はそれ以上の周波数で励起される単一の広帯域のトランスデューサとして構成される。トランスデューサ280は、変換素子を備えるように、2又はそれ以上の個別のトランスデューサとして構成してもよい。変換素子の厚さは、所望の処置範囲における中心的な操作周波数を提供するように構成してもよい。例えば、一実施形態において、トランスデューサ280は、約1MHz~約10MHzの範囲の中心周波数に対応する厚さの第1変換素子で構成された第1トランスデューサと、約10MHz~100MHzを超える範囲の中心周波数に対応する厚さの第2変換素子で構成された第2トランスデューサと、を備えてもよい。第1及び/又は第2変換素子のための種々の他の組み合わせと範囲を、特定の周波数範囲及び/又は特定のエネルギ放出のために、表面501の下方の特定の深さに集中させるように設計することができる。
【0077】
トランスデューサ280の変換素子は、凸、凹、及び/又は平坦となるように構成することができる。一実施形態において、変換素子は、関心のある領域の処置用に、集中したエネルギを提供するために、凹となるように構成される。トランスデューサの追加の実施形態は、「種々の深さの超音波治療のためのシステム及び方法」という名称の米国特許出願10/944,500に記載され、ここにすべて参照により取り込まれる。
【0078】
さらに、トランスデューサ280は、表面501からどのような距離に配置することもできる。この点について、長いトランスデューサの中に配置される表面501から離れることもできるし、表面501から数ミリメータとすることもできる。この距離は、ここで記載されるように、オフセット距離270を用いた設計により決定することができる。ある実施形態において、トランスデューサ280を表面501に近づけるように位置決めすると、より高い周波数において超音波を放出するのに良い。さらに、素子の2次元的及び3次元的配列の両方が、本発明で用いることができる。さらに、トランスデューサ280は、反射可能な表面、端部、または超音波エネルギを放出するトランスデューサ280のエリアを備えてもよい。この反射可能な表面は、CTS20から放射される超音波エネルギを強化、拡大、又は変更してもよい。
【0079】
種々の実施形態において、一又はそれ以上のトランスデューサ280のセットを種々の機能のために使用することができる。例えば、処置/イメージの分離、またはデュアルモード(処置/イメージの両方)トランスデューサ、または処理だけのバージョンの機能である。種々の実施形態において、イメージ素子は、治療素子の側部(近接して)、いずれの関係する位置、姿勢、及び/又は高さ、又は内部に配置することができる。一又はそれ以上の治療深さと周波数、一又はそれ以上のイメージング素子、或いは一又はそれ以上のデュアルモード素子を使用することができる。種々の実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200ハウジングの中で起動した変換素子を動作するどのような制御可能な手段も実施可能な実施形態を構成する。
【0080】
種々の実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、種々の方法で構成でき、操作を容易にするために、種々の実施形態の多くの再生された、及び/又は廃棄可能な部品、部材を備える。例えば、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、トランスデューサプローブハウジング、又は組織の接触面に対してトランスデューサ280を容易に接続するための配置の中で構成することができ、そのようなハウジングは種々の形状、外径、形態を有する。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、いずれのタイプのマッチングも備える。例えば、電気的にスイッチ可能なマルチプレクサー回路、及び/又は、穴/素子選択回路、及び/又は、プローブハンドル、電気マッチング、トランスデューサの使用履歴、及び較正、例えば、一又はそれ以上のシリアルEEPROM(メモリ)を証明するためのプローブIDデバイスを有する。
【0081】
種々の実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ケーブル、コネクタ、動作機構、モーションセンサ、エンコーダ、温度モニタセンサ、及び/又はユーザ制御及び状態関連スイッチ、及び、LEDのようなインジケータを備えてもよい。一実施形態において、ハンド棒100で記載された動作機構400と類似する動作機構を、エミッタ・レシーバ・モジュール200から、このエミッタ・レシーバ・モジュール200を駆動するために使用してもよい。一実施形態において、ハンド棒100は、エミッタ・レシーバ・モジュール200をそれ自身の内部から駆動するために、エミッタ・レシーバ・モジュール200に電気的に接続される。種々の実施形態において、(ここで記載されたいずれの実施形態における)動作機構は、複数の損傷を制御可能に生成するのに用いられ、プローブの動作自体のセンシングは、ここで議論したように、複数の損傷550を制御可能に生成したり、損傷の生成を停止するのに使用してもよい。例えば、一実施形態において、安全の理由でエミッタ・レシーバ・モジュール200が突然ガタガタと動いたり落下した場合、センサはこの動作をコントローラ300にリレーすることができ、正しい動作を開始したり、或いはエミッタ・レシーバ・モジュール200をシャットダウンする。さらに、外部のモーションエンコーダアームは、使用中のプローブを保持するために用いられ、これによって、エミッタ・レシーバ・モジュール200の空間位置や姿勢をコントローラに送信し、熱損傷550を制御可能に生成するのを助ける。さらに、他のセンシングの機能性、例えば表面形状測定装置や他のイメージング様式は、種々の実施形態にしたがって、エミッタ・レシーバ・モジュール200に統合してもよい。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200への,及びからのプラスエコー信号は、処理領域550の組織パラメータモニタリングのために利用される。
【0082】
連結部品は、エミッタ・レシーバ・モジュール200を関心のある領域に接続するのを容易にする種々のデバイスを備えることができる。例えば、連結部品は、超音波エネルギと信号との連結のために構成された冷却及び音響連結システムを備えることができる。例えば、マニホールドのような可能な接続を有する音響冷却/連結システムは、関心のある領域に音をつなぎ、インターフェースと組織の深い位置での温度をコントロールし、液体が充填されたレンズ焦点を提供し、及び/又はトランスデューサの余分な熱を取り除くことに利用される。連結システムは、空気、ガス、水、液体、流体、ジェル、固体、及び/又はそれらの組み合わせを含む一又はそれ以上の連結媒体、またはトランスデューサ280と関心のある領域との間の信号の伝達が可能な他のいずれの媒体の利用を通して,このような連結を容易にしてもよい。一実施形態において、一又はそれ以上の連結媒体をトランスデューサの内部に設けることができる。一実施形態において、液体が充填されたエミッタ・レシーバ・モジュールは、ハウジングの内部に一又はそれ以上の連結媒体を備える。一実施形態において、液体が充填されたエミッタ・レシーバ・モジュールは、密閉されたハウジングの内部に一又はそれ以上の連結媒体を備え、これらは超音波デバイスの乾燥した部分から離れている。
【0083】
連結機能を付与することに加え、一実施形態に関し、連結システムは、処置の適用の間の温度制御を提供するために構成することができる。例えば、連結システムは、インターフェースの表面、又はエミッタ・レシーバ・モジュールと、関心のある連結媒体の温度の適切な制御を超える領域との間の領域の冷却を制御するように構成することができる。このような連結媒体の適切な温度は、種々の方法で達成することができ、熱電対、サーミスタ、又は他のデバイスのような種々のフィードバックシステム、又は連結媒体の温度測定のために構成されたシステムを利用する。そのような制御された冷却は、エミッタ・レシーバ・モジュール200の空間及び/又は熱エネルギ正義を容易にするように構成することができる。
【0084】
一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、ハンド棒100の中の動作機構400に接続される。一実施形態において、動作機構400は、エミッタ・レシーバ・モジュール200の中にあってもよい。動作機構400の一実施形態は、
図7において、2つの位相ステッピングモータ402と直線動作を生じさせるスコッチヨーク403とを例示している。ステッピングモータ402は、矢印405で示されるように回転し、ピン404を環状の経路に沿って移動させる。ピン404は、スコッチヨーク403の長穴406でスライドする。これにより、スコッチヨーク403は直線状に移動する。スコッチヨーク403は、ガイド410によって支持され、ガイド部材412がスコッチヨーク403とガイド410との間にある。一実施形態において、ガイド410は、段付きネジである。ガイド部材412の実施形態は、ガイド410とスコッチヨーク403との間の摩擦係数を低下するいずれの材料又は機械デバイス、又はいずれの直線ベアリングを含んでもよい。例えば、種々の実施形態において、ガイド部材412は、エラストマー材料、潤滑油、ボールベアリング、磨かれた表面、磁気デバイス、加圧されたガス、又は他の材料又は滑り用のデバイスの少なくとも1つとすることができる。
【0085】
センサ425は、スコッチヨーク403に装着されたエンコーダ430を読み取ることで、位置決めセンサの一実施形態として動作する。一実施形態において、エンコーダストリップ403は、約1.0mm~約0.01mmの範囲のピッチを有する光学エンコーダである。一実施形態において、このピッチは、約0.1mmである。エンコーダストリップ403は、その移動距離の各端部にあるインデックスマークを有する。エンコーダストリップ403の移動の方向は、光学センサ425の二つの分離したチャンネルの位相を比較することで決定される。一実施形態において、エンコーダストリップ403は、1、2又はそれ以上のホームポジションを有しており、このホームポジションは、スコッチヨーク403の位置や移動を較正するために用いてもよい。
【0086】
一実施形態において、スコッチヨーク403の動作は、動作機構432を通じて伝達され、これによってトランスデューサ280は、エミッタ・レシーバ・モジュール200の内部で直線状に移動する。一実施形態において、スコッチヨーク403は、動作部材432と、この動作部材432の遠位端にある磁気カップリング433を含む。動作部材432は、液密シールを通って又はその中で移動できるような大きさにすることができる。
【0087】
トランスデューサ280は、移動距離272を有することができる。接続システムは、そのような接続を容易にしてもよい。
図8を参照すると、ブロック図は、CTS20の種々の実施形態を例示する。一実施形態において、コントローラ300は、コントローラサブシステム340、治療サブシステム320、イメージングサブシステム350、組み込みホスト330(ソフトウエアとともに)、及び相互作用グラフィックディスプレイ310を備えている。一実施形態において、治療サブシステム320、コントローラサブシステム340、及び/又はイメージングサブシステム350は、ハンド棒100及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200と相互接続される。種々の実施形態において、CTS20は、エミッタ・レシーバ・モジュールから発せられるエネルギ50の量に関するコントローラ300制限に組み込まれる。この制限は、放射時間、放射されたエネルギの周波数、エネルギのパワー、温度、及び/又はこれらの組み合わせにより決定することができる。温度は、表面501のモニタリングから、及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200のモニタリングから得てもよい。一実施形態によれば、この制限は、プリセットしてもよいが、ユーザによっては変更できない。
【0088】
種々の実施形態によれば、エミッタ・レシーバ・モジュール200が、対象となる皮膚の表面であろう表面501に接続されると、CTS20は、処置エリア272を、イメージングでき、及び/又は処置できる。これらの実施形態のいくつかの態様においては、CTS20によるイメージングは,表面501の下方の特定の深さ278において、すべての処置エリア272を実質的にカバーすることができる。これらの実施形態のいくつかの態様において、処置は、処置アリア272で間隔をおいて,且つ特定の深さ278で損傷を生成するために、離散的なエネルギの放射を含む。一実施形態において、間隔は離散している。一実施形態において、間隔は重なっている。
【0089】
種々の実施形態において、イメージングサブシステム350は、Bモードで操作してもよい。イメージングサブシステム350は、エミッタ・レシーバ・モジュール200のサポートを提供することができ、これによってエミッタ・レシーバ・モジュール200は、約10MHz~100MHzを超える周波数でエネルギ放射50を行う。一実施形態において、周波数は約18MHzである。一実施形態において、周波数は約25MHzである。イメージングサブシステム350は、アプリケーションのために有用であろういずれのフレームレートもサポートすることができる。いくつかの実施形態で、フレームレートは、名目上、約毎秒1フレーム(以下、FPS)~約100FPSの範囲、又は約5FPS~約50FPS、又は約5FPS~約20FPSの範囲にしてもよい。イメージング視野は、ここで議論するように、表面501の下方の特定の深さ278においてトランスデューサ280の焦点が合うようにトランスデューサ280のイメージングエリアによって制御してもよい。種々の実施形態において、視野は、幅100mmで深さ20mm以下、又は幅50mm以下で深さ10mm以下とすることができる。一実施形態において、実用的に有用なイメージング視野は、幅約25mmで深さ約8mmである。
【0090】
視野の解像度は、動作機構400の目盛りによって制御することができる。例えば、動作機構400の目盛りに基づいて、いずれのピッチも有用である。一実施形態において、視野の解像度は、エンコーダ430とセンサ425の解像度によって制御してもよい。一実施形態において、イメージング視野は、0.01mm~0.5mmの範囲、又は約0.05mm~約0.2mmの範囲のピッチを有することができる。一実施形態において、イメージング視野のための実用的に有用なラインピッチは、約0.1mmである。
【0091】
種々の実施形態によれば、イメージングサブシステム350は、一又はそれ以上の機能を含む。一実施形態において、一又は複数の機能は、Bモード、画像スキャン、画像フリーズ、画像の明るさ、距離キャリパ,画像の注釈テキスト、画像の保存、画像のプリント、及び/又はこれらの組み合わせのうちのいずれかを含むことができる。本発明の種々の実施形態において、イメージングサブシステム350は、プラスエコーイメージング電子部品を含む。
【0092】
治療サブシステム320の種々の実施形態は、トランスデューサ280へ行く電力を送ったり及び/又はモニタする無線周波数(以下、RF)駆動回路を有している。一実施形態において、治療サブシステム320は、トランスデューサ280の音響出力を制御できる。一実施形態において、音響出力は、約1MHz~約10MHzの範囲の周波数において1ワット(以下、W)~約100Wとするか、或いは約3MHz~約8MHzの範囲の周波数において約10W~約50Wとすることができる。一実施形態において、音響出力と周波数は、約4.3MHzで約40W、及び約7.5MHzで約30Wである。この音響出力によって生成される音響エネルギは、約0.01ジュール(以下、J)~約10Jの間、或いは約2J~約5Jとすることができる。一実施形態において、音響エネルギは、約3Jより小さい範囲である。
【0093】
種々の実施形態において、治療サブシステム320は、トランスデューサ280の時間を制御することができる。一実施形態において、この時間は約1ミリ秒(以下、ms)~約100ms、又は約10ms~約50msとすることができる。一実施形態において、この時間は、4.3MHzの放射において約30ms、7.5MHzの放射で約30msとすることができる。
【0094】
種々の実施形態において、治療サブシステム320は、距離272を移動するトランスデューサ280の駆動周波数を制御することができる。種々の実施形態において、トランスデューサ280の周波数は、ハンド棒100に接続されたエミッタ・レシーバ200に基づく。いくつかの実施形態によれば、この動作周波数は、約1MHz~約10MHz、又は約4MHz~約8MHzの範囲にしてもよい。一実施形態において、この動作周波数は、約4.3MHzまたは約7.5MHzである。ここで議論するように、移動距離272は、変化させることができ、一実施形態において、この移距離272は約25mmであ
る。
【0095】
種々の実施形態によれば、治療サブシステム320は、移動距離272に沿うラインスキャンを制御することができ、このラインスキャンは、0~移動距離272の遠位までの範囲とすることができる。一実施形態において、ラインスキャンは、0~約25mmの範囲にすることができる。一実施形態によれば、ラインスキャンは、処置間隔295を有する漸進的なエネルギ放射50を有することができ、この処置間隔は、約0.01mm~約25mm、又は0.2mm~約2.0mmの範囲にすることができる。一実施形態において、処置間隔295は、約1.5mmである。種々の実施形態において、処置間隔295は、あらかじめ設定したり、一定であったり、変化させたり、プログラムしたりすることができ、及び/又は、処置ラインの前、間又は後におけるいずれのポイントでも変化させることができる。ラインスキャンの解像度は、動作機構400の解像度と比例する。種々の実施形態において、治療サブシステム320によって制御可能な解像度は、イメージングサブシステム350によって制御可能な解像度と等価であり、例えば、イメージングサブシステム350のために議論されたのと同じ範囲にすることができる。
【0096】
種々の実施形態において、治療サブシステム320は、一又はそれ以上の機能を有する。一実施形態において、一又はそれ以上の機能は、次のいずれも含む。すなわち、エネルギ放射制御、処置間隔、移動距離、処置準備、処置、処置停止、記録保存、記録のプリント、処置の表示、及び/又はこれらの組み合わせである。
【0097】
種々の実施形態において、制御サブシステム340は、一又はそれ以上の機能のためにトランスデューサ280を機械的にスキャンする電子ハードウエアを含む。一実施形態において、制御サブシステム340によりスキャンされる一又はそれ以上の機能は、イメージングのためのトランスデューサ280のスキャン、イメージングのためのトランスデューサ280の位置決め、治療の他の位置におけるトランスデューサ280のスキャンスリップポジション、治療ハードウエア設定の制御、他の制御機能の提供、組み込みホスト330との相互作用、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態において、その位置は離散している。一実施形態において、その位置は重なっている。
【0098】
種々の実施形態において、組み込みホスト330は、コントローラ340及びグラフィック・インターフェース310と、2方向で通信する。一実施形態において、コントローラ340からのデータは、組み込みホスト330によってグラフィック・フォーマットに変換され、イメージング及び/又は処置データを表示するグラフィック・インターフェース310に送信される。
【0099】
一実施形態において、コマンドは、グラフィック・インターフェースを用いてユーザにより入力される。グラフィック・インターフェース310によって入力されたコマンドは、組み込みホスト330と通信され、その後、治療サブシステム320、イメージングサブシステム350,ハンド棒100,及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200の制御及び操作のためにコントローラ340に通信される。種々の実施形態において、組み込みホスト330は、プロセッサユニット、メモリ、及び/又はソフトウエアを含むことができる。
【0100】
種々の実施形態において、イメージングボタン150が押されると、CTS20は、イメージングサブシステム350がスキャンラインを獲得するイメージングシーケンスに入る。スキャンラインは、グラフィック・インターフェースへ通信されるデータ変換及び/又はグラフィック変換のために、組み込みホスト330へ送信される。システムがイメージングシーケンスで動作中、イメージングボタン150は、CTS20を準備完了状態にするために再び押されてもよい。この実施形態の一態様において、CTS20が準備完了状態にあることをユーザに警告するために、音声警告やインジケータ155のような視覚表示が開始されてもよい。準備完了状態では、コントローラサブシステム340は、ユーザが設定した処置設定を獲得するために、組み込みホスト330に通信する。この処置設定は、チェック、検証がなされたり、コントローラサブシステム340のハードウエアパラメータに変換することもできる。一実施形態において、このようなセットされるハードウエアパラメータは、処置タイミング、律動、タイムオン、タイムオフ、RF駆動出力、電圧レベル、音響パワー出力、発信器周波数、治療トランスデューサ周波数、処置間隔、移動距離、動作機構スピード、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。CTS20は、無制限に準備完了状態のままにしたり、設定された時間を超えてタイムアウト状態にしてもよい。
【0101】
本発明の種々の実施形態において、CTS20が準備完了状態になると、処置ボタン160が起動されてもよい。この処置ボタン160の起動により、処置シーケンスが開始する。処置シーケンスは、治療サブシステム320により制御され、この治療サブシステムがコントローラサブシステム340及び独立した組み込みホスト330とともに処置シーケンスが実行される。処置シーケンスは、リアルタイムで、且つ処置ボタン160の起動の長さの最後の一つ、又は組み込みホスト330からコントローラサブシステム340及び/又は治療サブシステム320にダウンロードされるプログラムされた時間において行われる。
【0102】
種々の実施形態において、使用、イメージング、処置の安全を確実にするため、CTS20には、安全特性を設計することができる。種々の実施形態において、組み込みホスト330は、データポート390と通信され、データポート390と組み込みホスト330との間を一方向又は二方向のいずれかの通信が可能である。データポート390は、いずれの電子ストレージデバイスと相互接続することができ、例えば、データポート390は、一又はそれ以上のUSBドライブ、コンパクトフラッシュ(登録商標)ドライブ、安全デジタルカード、コンパクトディスクなどと相互接続することができる。一実施形態において、データポート390を介しての組み込みホスト330へのストレージデバイスは、処置レコードやソフトウエアのアップデイトをダウンロードできる。これらの実施形態の他の態様では、ストレージデバイスは、データポート390を通して組み込みホスト330への二方向通信を行うことができ、これによって処置プロトコルが組み込みホスト330及びCTS20へダウンロードされる。処置プロトコルは、パラメータ、イメージングデータ、処置データ、日付/時間、処置時間、対象となる情報、処置位置、及びこれらの組み合わせを含むことができ、これらはデータポート390を介して、組み込みホスト330からストレージデバイスへアップロードされたり、及び/又はダウンロードされる。一実施形態において、第2データポートをコントローラの背面に配置してもよい。第2データポートは、プリンタへ電力及び/又はデータを供給してもよい。
【0103】
種々の実施形態において、CTS20はロック395を含むことができる。一実施形態において、CTS20を操作するために、ロック395は、アンロックされなければならず、これによりパワースイッチ393が起動される。一実施形態において、ロック395がアンロック及びロックされ、引き続き異なるパラメータが入力される間、電力が残ってもよい。キー369(図示せず)は、ロックを解除するために必要とされる。ここでのキー396の有用な例は、標準的な金属歯と溝のキー、又は電子キーを含む。いくつかの実施形態において、電子キー396は、ユーザ情報及びCTS20の収集されたデータ及び/又は時間使用を含むようにデジタルでエンコードしてもよい。一実施形態において、電子キーは、特にCTS20で有用であり、暗号化されたUSBドライブであり、USBドライブキーをCTS20のロック395に挿入すると、起動する。一実施形態において、ソフトウエアキーは、ユーザに条件、状態を示したり、システムをロックしたり、システムを中断したり、他の特徴を有するように構成することができる。
【0104】
図9を参照すると、CTS20レイアウトブロック図は、本発明の種々の実施形態を図示している。これらの実施形態の態様によれば、コントローラ300は、いくつかの電子セクションを含むことができる。これらの電子セクションには、コントローラ300,ハンド棒100、及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200を含むCTS20へ電力を供給するパワーサプライ350が含まれる。一実施形態において、パワーサプライ350は、プリンタや他のデータ出力デバイスへ電力を供給できる。コントローラ300は、ここで記載されているコントローラサブシステム340、ホスト330,グラフィック・インターフェース310、RFドライバ、及びフロントパネルフレックス回路345を含むことができる。RFドライバは、トランスデューサ280へ電力を供給できる。組み込みホスト330は、ホストコンピュータであり、ユーザの入力を集め、それをコントローラサブシステム340へ送信し、グラフィック・インターフェース310にイメージング及びシステム状態を表示するために用いられる。パワーサプライ350は、異なる電圧入力に基づいて国際的に使用可能に変換可能であってもよく、典型的な医療グレードパワーサプライでもある。パワーサプライは、標準的な壁のソケットに差し込んで電力を取り出したり、バッテリや他の利用可能な代替ソースから電力を取り出してもよい。
【0105】
グラフィック・インターフェース310は、イメージやシステム状態を表示し、同様に、CTS20をコントロールするコマンドを入力するためのユーザ・インターフェースを容易にする。コントローラサブシステム340は、イメージングサブシステム350,治療サブシステム320を制御し、同様に、ここで記載されているように、ハンド棒100及びエミッタ・レシーバ・モジュール200と相互接続し、処置プロトコルを通信する。一実施形態において、コントローラサブシステム340は、処置パラメータをセットするだけではなく、そのような処置の状態をモニタしたり、ディスプレイ/タッチスクリーン310上で表示するためにホスト330へそのような状態を送信する。フロントパネルフレックス回路345は、コントローラ300とインターフェースケーブル130とを接続するプリント回路ケーブルとすることができる。一実施形態において、ケーブル130は、ここで記載のように、フロントパネルフレックス回路345に相互接続される、クイック接続、又はリリース、マルチピンコネクタを含むことができる。ケーブル130は、コントローラ300と、ハンド棒100及びエミッタ・レシーバ・モジュール200との相互接続をすることができる。
【0106】
ここで、
図10を参照すると、ハンド棒100は、ハンドピースイメージングサブ回路110、エンコーダ420,センサ425,イメージ150及び処置160スイッチ、モータ402,状態ライト155,及び相互接続及びフレックス相互接続420を備えている。ハンド棒100からエミッタ・レシーバ・モジュール200へのハードウエア、ソフトウエア、及び/又は電力を相互接続するために用いられる、バネ式ピンフレックス106及びバネ式ピンコネクタと、ハンド棒100が相互接続される。
【0107】
本発明の種々の実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、プローブIDとコネクタPCBを含むことができる。プローブIDとコネクタPCBは、シリアルEEPROMを含むことができる。プローブIDとコネクタPCBは、エミッタ・レシーバ・モジュール200の乾いた部分に配置されたPCBと相互作用し、トランスデューサ280と相互作用することができる。トランスデューサ280は、典型的にはエミッタ・レシーバ・モジュール200の液体部分に配置されている。一実施形態において、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、バネ式ピンフレックス106及びバネ式ピンコネクタ422を介してハンド棒100と接続することができる。バネ式ピンコネクタは、ハンド棒100に埋め込まれた12のコンタクトバネ式ピンコネクタである。バネ式ピンフレックスと12のコンタクトバネ式ピンコネクタは、プローブIDとコネクタPCBに接続され、これらは金メッキコンタクトを含むことができる。一実施形態においては、プローブIDとコネクタPCBは、プリセット使用の後のエミッタ・レシーバ・モジュール200を使用不可にする使用カウンタを備えることができる。種々の実施形態において、プリセット使用は、単一の処置シーケンスから複数の処置シーケンスまでの範囲とすることができる。一実施形態において、プリセット使用は、トランスデューサ280のプリセット時間により決定される。一実施形態において、プリセット使用は、処置シーケンスの単一のサイクルである。この態様において、本質的には、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、各使用の後に廃棄される。一実施形態において、システムは、自動的に停止するか、そうでなければユーザに対してエミッタ・レシーバ・モジュール200を交換すべきであるとの通知がある。システムは、停止するようにプログラムしてもよいし、使用時間、放射されたエネルギ、耐用時間、又はそれらの組み合わせの少なくとも一つに基づいて交換が通知される。
【0108】
図10を参照すると、ブロック図は、ハンド棒100とエミッタ・レシーバ・モジュール200との相互接続を例示する。ハンド棒100は、処置機能とイメージ機能との間の電気的な分離を提供することができる治療保護スイッチを含むことができる。コントローラサブシステム340によってさらに生成されるトランスデューサは、ネットワークとマッチングすることで受け取られる。一実施形態において、単一のトランスデューサ280は、イメージングなしで治療のために用いることができる。他の実施形態において、一つのデュアルモードトランスデューサが、治療とイメージングに用いられる。他の実施形態において、2つのトランスデューサ280が、治療とイメージングに用いられる。他の実施形態において、治療は、第1トランスデューサ280により比較的低い周波数(例えば、一実施形態において名目上4及び7MHz)で行われ、イメージングのために第2の高周波数(例えば、一実施形態において18~40MHz)のトランスデューサで行われる。
【0109】
イメージングサブ回路110は、タイムゲインコントロール増幅器と、トランスデューサのイメージング部により生成されるエコーを受ける同調バイパスフィルターと、を含むことができる。イメージングは、イメージングスイッチ150により制御することができる。電力は、ケーブルを通じてコントローラ300に送ることができる。このような電力は、イメージングサブ回路110、イメージングスイッチ150、及び処置スイッチ160に送ることができる。このような電力は、ステッピングモータ183、エンコーダ425、プローブIOスイッチ181、ハンド棒温度センサ183,及びハンド棒IDEEPROM169に供給することができる。
図10に示されるハンド棒100のためのすべての電子部品は、ケーブル130へのインターフェース及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200へのインターフェースとともに、回路基板に装着することができる。
【0110】
エミッタ・レシーバ・モジュール200は、
図9に示すように、ハンド棒100と接続可能なインターフェースを含む。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、いずれのタイプのストレージデバイス249も含む。一実施形態において、ストレージデバイス249は、回路基板224と関連する電気インターフェース、電子マッチング243回路基板の部品である。一実施形態において、ストレージデバイス249は、恒久的なストレージデバイスである。一実施形態において、ストレージデバイス249は、不揮発性である。一実施形態において、ストレージデバイス249は、EEPROMである。一実施形態において、ストレージデバイス249は、シリアルEEPROMである。一実施形態において、トランスデューサPCBは、シリアルEEPROMの中の較正データや情報ストレージを含むことができる。さらに、この態様では、エミッタ・レシーバ・モジュール200は、エミッタ・レシーバ・モジュール200の液体部分の液体温度を測定するセンサと、トランスデューサ280の処置部分に相互接続されるマッチングネットワーク243とを含む。種々の実施形態において、ストレージデバイス249は、デジタルセキュリティ情報、製造日、トランスデューサフォーカス深さ、トランスデューサの電力要件などを含むことができる。一実施形態において、ストレージデバイス249は、所定の有効期間が切れた後にCTS20とともにトランスデューサモジュール200の使用を不能にするタイマーを含むことができる。エミッタ・レシーバ・モジュール200は、例えば、磁石のようなポジションエンコーダ283を含むことができ、これは、回路基板を介して固定されたエミッタ/レシーバハウジング200に接続された、例えばホールセンサなどのセンサ241やトランスデューサ280に接続される。ポジションエンコーダ283とポジションセンサ241は、ここで記載されるように、トランスデューサ280ホームポジション及び/又は動作を決定するためのセンサとして動作する。トランスデューサ280のイメージング部分は、コントローラ300からトランスデューサRF信号を受けることができる。
【0111】
エミッタ・レシーバ・モジュールが取り付けられていないとき、ユーザはバネ式ピンフレックス接点に潜在的に触れる可能性があるため、ユーザを安全にするために、この状態で電流はオフにされていなければならない。このような安全を提供するため、バネ式ピンフレックス106の反対側の端部にある接点ピン422は、ハンド棒100に対してエミッタ・レシーバ・モジュール200のアタッチメントを検出するために用いることができる。上述したように、移動機構400は、距離272に沿ってトランスデューサを直線状に移動させるように、トランスデューサ280に接続することができる。
【0112】
種々の実施形態において、CTS20は、ユーザ及び/又は処置を受ける対象のために安全な環境を提供するために、種々の安全用の特徴を備えることができる。一実施形態において、CTS20は、較正データ、安全操作エリア、高い不一致検出、高い電流検出、RFドライバ供給電圧のモニタリング、電力の正逆流のモニタリング、音響カップリングの検出、音響カップリングの完成、処置位置のセンシング、及びこれらの組み合わせの少なくとも一つを含むことができる。
【0113】
例えば、較正データは、ストレージデバイス249に存在するエミッタ・レシーバ・モジュール200のためのある特性を備えることができる。このような特性は、固有の追跡可能なシリアルナンバー、プローブのID、周波数設定、電圧検査テーブルに対する音響出力、電圧検査テーブルに対する電力、最大出力レベル、データコード、使用方法、他の情報、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、安全操作エリアの安全特徴は、定められたエミッタ・レシーバ・モジュール200のためのエネルギの出力を制限し、安全操作エリアを制限する。そのような制限は、定められたエミッタ・レシーバ・モジュール200、出力供給電圧によって供給される音響出力レベルにおいて含まれてもよく、また、時間は、コントローラ300及び/又はエミッタ・レシーバ・モジュール200のハードウエア及び/又はソフトウエアにおいて制限されてもよい。
【0114】
高い不一致検出に関する安全性能としては、反射能に障害が生じて、エミッタ・レシーバ・モジュール200の負荷が、エミッタ・レシーバ・モジュール200の障害、開回路、又は高い反応エネルギのようなフォワードパワーと比較して大きいと、停止状態がコントロール300のハードウエアにラッチされたコンパレータ回路により自動的に且つ即座に行われ、ユーザに警告するためにそのような障害がディスプレイ/タッチスクリーン310上に現れる。高電流検出安全特性の例としては、ドライバの障害や負荷障害が生じて、短絡や電子部品障害のような大きい電流の引き込みが検出されると、停止状態がコントロール300のハードウエアにおいて自動的に且つ即座に行われ、ユーザに警告するためにディスプレイ/タッチスクリーン310上に通知が表示される。
【0115】
安全特性をモニタリングするRFドライバ電圧の一例は、電圧が補正レベルにあることを確実にするための処置の前、処置中、及び処置後に、RFドライバパワーサプライ電圧設定を測定するCTS20を含むことができる。電圧が補正レベル外にあることが決定されると、停止状態が自動的且つ即座に起動し、ユーザに警告するための通知がディスプレイ/タッチスクリーン310上に表示される。安全特性の一例は、処置の間のステッピングモータ402のモニタリング、及びトランスデューサ280が所定の速度及び周波数で移動距離272に沿って移動することが許容される範囲にあるかどうかを決定すること、を含む。ステッピングモータ402が予測された位置になければ、ユーザに警告するための通知が発行される。
【0116】
音響カップリングに関する安全特徴の例としては、エミッタ・レシーバ・モジュール200が処置の前後で表面501に音響的に接続されることを、ユーザに示すイメージシーケンスを含む。イメージシーケンスは、トランスデューサ280が処置エリアをスキャニングすることを確認する。
【0117】
さらに、他の安全特徴は、例えば、温度モニタリング、ストップスイッチの使用、プローブセンサ、又はこれらの組み合わせを含む。温度モニタリングの一例としては、エミッタ・レシーバ・モジュール200の液体部分の温度のモニタリング、ハンド棒100の温度のモニタリング、コントローラ300の温度のモニタリング、コントローラサブシステム340の温度のモニタリング、及び/又はRFドライバ352の温度のモニタリングを含むことができる。そのような温度モニタリングは、ここで記載されたデバイスが許容される温度内で動作することを確実にし、温度が許容範囲外になってユーザに変化を与えた場合に通知をするようになっている。
【0118】
ストップスイッチは、CTS20の中に含むことができ、これによって、ユーザがストップスイッチを押したときにシステムをストップスイッチの起動により安全で非動作状態にする。プローブセンサ障害安全の一例としては、使用中にエミッタ・レシーバ・モジュール200がハンド棒100から外れた場合、即座にイメージング及び/又は処置を停止する。一実施形態として、CTS20は、エラー、予期せぬ出来事、及び使用方法に対するソフトウエアチェックを含むシステム診断を有することができる。システム診断は、CTS20の使用を追跡するとともに、システムのメンテナンスが必要であるとユーザに通知するメンテナンスインジケータを含んでもよい。他の安全特徴としては、この分野においてよく知られているもの、例えば、ヒューズ、電圧及び電流の限度を超えたシステム出力サプライを、CTS20に含めてもよい。同様に、火災安全評価、電気安全評価、ISO/EN60601コンプライアンスなどの標準化された保護も含まれる。
【0119】
種々の実施形態において、CTS20は、少なくとも一つのコントローラボタン(150及び/又は160)を有するハンドエンクロージャ100に相互接続される取り外し可能なトランスデューサモジュール200を含み、これによってトランスデューサモジュール200とコントロールボタン(150及び/又は160)は、片手だけで操作可能である。実施形態の一態様において、トランスデューサモジュール200は、イメージング機能及び/又は処置機能のための超音波エネルギを供給する。実施形態の他の態様では、デバイスは、ハンドヘルドエンクロージャ100に接続されるとともに、トランスデューサモジュール200と相互接続されるコントローラ300を含む。これらの実施形態のさらに他の態様では、コントローラ300は、超音波エネルギを制御し、トランスデューサモジュール200からの信号を受ける。コントローラ300は、超音波エネルギのための出力を提供するパワーサプライを有する。実施形態の他の態様では、デバイスは、患者の眉における美的イメージング及び処置に用いられる。
【0120】
図11は、三叉神経502,顔面神経504,目下腺506、及び顔面動脈508を含む患者の頭及び顔の領域における関心のある解剖学上の特徴を示す図である。一実施形態において、関心のある解剖学上の特徴は、注意をもって処置されるか、注意すべき、或いは処置中に避けるべきエリアである。
図12~
図14は、関心のある一領域65(以下、ROI65)及び対象500のROI65の23-23線に沿った組織部分10の断面図を示しており、これらは、眉リフトを行うときの一例として用いられる。この断面組織部10は、ROI65のいずれの部分であってもよく、ROI65のいずれの方向又は長さにあってもよい。もちろん、対象500は、眉リフトが施されるであろう患者とすることができる。断面組織部10は、真皮層503における表面501,脂肪層505,表在性筋膜507(SMAS)、および顔面筋層509を含む。これらの層の組み合わせは、全体として皮下組織として知られている。
図14には、表面501の下方の処置ゾーン525も記載されている。一実施形態においては、表面501は、対象500となる皮膚の表面とすることができる。「顔面筋」という文言は、ここでは一例として用いられるが、発明者は、体のどの組織に対してもデバイスを適用できると意図している。種々の実施形態において、デバイス及び/又は方法は、顔、首、頭、腕、足、又は体の他の位置の筋肉(又は他の組織)に使用してもよい。
【0121】
顔面筋組織は、収縮と拡張が可能である。骨格筋は、緊張と歪みを生ずる繊維組織である。例えば、額領域の骨格筋は、しかめっ面やしわを生ずる。眉や額には、頭蓋表筋、皺眉筋、及び鼻根筋を含む複数の顔面筋が存在する。これらの顔面筋は、額の動きや種々の顔の表情に関与する。顔面筋のほか、他の組織が、眉のシワにつながる眉領域に存在する。
【0122】
本発明の一実施形態によれば、一の美容処置システムを用いて組織の超音波美容処置のための方法が提供される。超音波エネルギは、集中させたり、集中させなかったり、焦点をぼかしたりすることができるとともに、対象500の眉の引き締めのような治療効果を達成するために顔面筋組織、真皮層、又は筋膜の一つを含むROI65に適用することができる。
【0123】
種々の実施形態において、侵襲的な方法により行われる伝統的な美容処置は、特定の皮下の組織510に超音波エネルギのようなエネルギを狙い撃ちすることで達成される。一実施形態において、眉リフトを施すために皮下組織510を処置する非侵襲的な方法が提供される。一実施形態において、非侵襲的な眉リフトは、シワを少なくするために眉の中にある、例えば、皺眉筋、頭蓋表筋、鼻根筋といった顔面筋509のような皮下組織510を小さくするように切断したり、組織が体の中に再吸収されるようにしたり、凝固したり、取り除いたり、操作したり、麻痺させたりするために、眉に沿った特定の深さ278に対して、超音波エネルギを適用することで行われる。
【0124】
いくつかの実施形態においては、超音波エネルギを患者の額に沿ったROI65に適用する。超音波エネルギは、特定の深さに対して適用することができ、
図12~
図14に示すSMAS507及び/又は顔面筋509のような眉の中の皮下組織を標的にすることができる。超音波エネルギは、このような組織をターゲットとし、非侵襲的な眉リフトを達成するために、皮下組織510を切断、除去、凝固、マイクロ除去、操作、及び/又は対象となる体に再吸収されるようにする。
【0125】
例えば、ターゲットゾーン525にある皺眉筋は、標的とされ、特定の深さ278において超音波エネルギを適用することにより処置される。この顔面筋509または他の皮下顔面筋は、非侵襲的な方法で超音波エネルギを適用することにより、除去され、凝固され、マイクロ除去され、整形され、或いは操作される。特に、古典的又は内視鏡的な眉リフトを行う際の皺眉筋の切断の代わりに、皺眉筋のような標的となる筋肉を、伝統的な終章的な方法の必要なしに額に超音波エネルギを適用することで、切除したり、マイクロ切除したり、凝固させることができる。
【0126】
一つの方法は、治療のみ、治療とモニタリング、イメージングと治療、又は治療とイメージングとモニタリングの使用などの種々の方法により、額領域65の皮下組織の標的とされた処置のために構成することができる。目標とされる組織の治療は、種々の空間的、啓示的なエネルギ設定を通して所望の深さ278及び位置に対して、超音波エネルギを発することで提供される。一実施形態において、関心のある組織は、患者の額のROI65のターゲッティング及び処置の助けとなるために、動いている組織を明確に観察するために超音波エネルギを利用することで、リアルタイムに動きを観察することができる。したがって、非侵襲的な眉リフトを行う実務者及びユーザは、処置の間、皮下組織に消磁する動きや変化を視覚的に観察することができる。
【0127】
図15~
図17は、眉リフトの施術方法の一実施形態を示している。他の実施形態は、複数の処置深さ、三次元(3-D)処置、複数の処置セッションオーバータイムの使用を含む。CTS20は、処置すべきROI65の組織部分10に接続することができる。一実施形態において、処置ゾーン525は、まずイメージングされ、そして処置される。一実施形態において、ユーザは、イメージングシーケンスを始めるために、イメージングボタンを起動する。イメージングは、グラフィック・インターフェース310に表示することができる。一実施形態において、イメージングシーケンスは、グラフィック・インターフェース310の一部であるタッチスクリーン315上で制御される。イメージングシーケンスが始まった後、処置シーケンスはいつでも開始できる。ユーザは、処置シーケンスを始めるために、処置ボタン160をいつでも起動できる。処置及びイメージングは、同時、または順序立てて実行される。例えば、ユーザは、イメージング、処置、イメージング、処置などを行うことができる。
図15に示すように、処置シーケンスは、表面105の下方の空孔または損傷550を生じるためにトランスデューサ280の処置部分を起動する。ここで、
図15は、筋肉深さに対応する深さ278の一実施形態を示していることに留意する。種々の実施形態において、深さ278は、いずれの組織、組織層、皮膚、真皮、脂肪、SMAS、筋肉、又は他の組織にも対応する。ここで留意することは、図示のように、エネルギ50は図示の目的のためのみで表されている。
図15~
図17を含む図面は、トランスデューサハウジング(例えば移動距離272に対応するような開口全体)の全体の長さから放出されるエネルギを示している。しかし、実際のエネルギは、そのサブ長さ、すなわち、トランスデューサ280の実際の変換素子から放出される。一実施形態において、トランスデューサ280の変換素子は、関心のある領域をカバーするために直線的な動作でスキャンされる。これによって、いずれの時にもエネルギは、一度にトランスデューサハウジングの全体長さから発せられるのではない。
【0128】
一実施形態において、CTS20は、表面501の下方で方向付けされ、集中された超音波エネルギを生成する。この制御され、集中された超音波エネルギは、皮下組織において熱的に凝固されたゾーン又は空孔となる損傷を生じさせる。一実施形態において、放射されたエネルギ50は、表面501の下方の特定の深さ278において組織の温度を上昇させる。組織の温度は、その組織周囲の温度より約1℃~約100℃、または組織の周囲の温度より約5℃~約60℃、または組織の周囲の温度より約10℃~約50℃上昇させることができる。いくつかの実施形態において、放射されたエネルギ50は、特定の深さ278で表面501の下方の組織部分10において、損傷550を切断、切除、凝固、マイクロ切除、操作、及び/又は生じさせる。一実施形態において、処置シーケンスの間、トランスデューサ280は、損傷550を生成するために放射されたエネルギをそれぞれ受ける一連の処置ゾーン254を生成するために、所定の間隔295で矢印290の方向に移動する。例えば、放射されたエネルギは、組織部分10の顔面筋層509にある一連の損傷を生成する。
【0129】
種々の実施形態において、コントロールシステム300による制御操作を通じてエミッタ・レシーバ・モジュール200により、適切深さ278、分布、タイミング、及びエネルギレベルで、放射されたエネルギが提供され、これよって真皮層503、脂肪層505、SMAS層507、及び顔面筋層509の少なくとも一つを処置するために、制御された熱損傷の消耗の治療効果を達成することができる。操作の間、エミッタ・レシーバ・モジュール200及び/又はトランスデューサ280は、延長されたエリアを処置するために、表面501に沿って、機械的及び/又は電気的にスキャンされてもよい。さらに、処置深さ278の空間のコントロールは、種々の範囲で適切に調整することができる。例えば、0~約25mmの広い範囲や、少ない離散された深さに適切に固定したり、微細な範囲を限定された調整、例えば、適切に約3mm~約9mmの間で、及び/又は処置の間のダイナミックな調整で、真皮層503、脂肪層505、SMAS層507、及び顔面筋層509の少なくとも一つが処置される。真皮層503、脂肪層505、SMAS層507、及び顔面筋層509の少なくとも一つに対して超音波エネルギ50を放射する前、放射中、及び放射後に、処置エリアのモニタリング及び構造の周囲を覆うことが、結果を計画し評価するため、及び/又はグラフィック・インターフェース310を介してコントローラ300及びユーザに対してフィードバックを提供するために、提供される。
【0130】
SMAS層507及び同様の筋膜の処置に関し、結合組織が、約60℃又はこれより高い温度への熱処置により、恒久的に引き締めされる。切除において、コラーゲン繊維は、その長さの約30%だけ即座に収縮する。収縮した繊維は、組織の引き締めを生じさせることができ、収縮は、コラーゲン組織の主要な方向に沿って生じる。体全体で、コラーゲン繊維は、慢性的緊張(張力)のラインに沿う結合繊維に沈着する。年老いた顔では、SMAS507領域のコラーゲン繊維は、重力方向の張力のラインに沿って、主に方向付けされる。このような繊維の収縮により、老化によるたるみや緩みを補正するのに望ましい方向において、SMAS507の引き締めが行われる。この処置は、SMAS507及び同様のぶら下がっている結合組織の特定の領域の切除を含む。
【0131】
加えて、SMAS層507は、例えば、約0.5mm~約5mm又はそれ以上で、異なる位置において深さや厚さが変化する。顔においては、神経、目下腺、頸部動脈、静脈のような重要な構造が、SMAS507領域の上、下、又は近傍に存在する。SMAS層507又は他のぶら下がっている皮下の組織に対し、約60℃~約90℃の温度の局所的な熱付与を通した処置が、覆っている又は遠位/下にある組織、又は近位の組織に対して特定の損傷なしに、同様にSMAS層507への治療エネルギの正確な付与が行われ、及び治療前、治療中、及び治療後の関心のある領域からのフィードバックを得ることが、CTS20を通じて適切に達成される。
【0132】
種々の実施形態において、患者の眉リフトを施すための方法が提供される。いくつかの実施形態において、その方法では、プローブ200を患者の眉領域65に接続し、皮下組織510のターゲットエリアを決定するために眉領域65の皮下組織の少なくとも一部をイメージングする。この実施形態の一態様では、この方法は、ターゲットエリア525の皮下組織510を切除するために、皮下組織525のターゲットエリア525へ超音波エネルギを施す。これにより、眉領域65の皮下組織510の上方の真皮層503が引き締められる。
【0133】
種々の実施形態において、患者60の顔エリアの真皮層503の一部を引き締める方法が提供される。いくつかの実施形態における方法では、ハンドコントローラ100へトランスデューサ200が挿入され、そしてトランスデューサ200が患者60の顔エリアへ接続される。一実施形態の方法は、真皮層503の下方の組織の一部のイメージングシーケンスを始めるために、ハンドコントローラ100の第1スイッチ150を起動し、そして、イメージングシーケンスからのデータを収集することが含まれる。この実施形態において、この方法は、収集されたデータから処置シーケンスを演算すること、及び処置シーケンスを始めるためにハンドコントローラ100の第2スイッチ160を起動することを含む。この実施形態の他の態様で、この方法は、患者の体の顔、首、及び/又は他の部分の一部に有用である。
【0134】
図16を参照して、放射されたエネルギが損傷550を生成した後、組織10の一部の治癒及び/又は引き締めが始まる。一実施形態において、空孔または損傷550は、組織の部分の顔面筋層509から消える。例えば、顔面筋層509には、損傷を縮ませるために損傷の周囲での動き560がある。結果として、体は、吸収により本質的に損傷550を消滅させ、組織の成長が促される。この動き560は、損傷550が位置する部分の上方で、SMAS507のような上方の層に動き570を与える。これは、次々に、表面501を引き締めるために表面501において動き580を生じさせる。表面501におけるこの表面の動き580は、どのような眉リフトにおいてもゴールである。この表面の動き580は、対象500に対してさらに若い見た目を与えることができるように、皮膚表面に亘って、引き締め効果を生成する。種々の実施形態において、CTS20を組織部分10に接続する間、薬剤を投与することができる。この薬剤は、放射されたエネルギのターゲットゾーンにおいて活性化させることができ、空孔又は損傷550の消失及び/又は治癒の間、空孔又は損傷550を補助し、加速し、及び/又は処置する。薬剤は、エネルギによって活性化され、及び/又は皮膚へのより深い貫通に効果のあるようなヒアルロン酸、レチノール、ビタミン(例えば、ビタミンC)、ミネラル(例えば、銅)、及び他の化合物、又は調合剤を含むが、これには限定されない。
【0135】
図18に戻って、このフローチャートは、本発明の種々の実施形態の方法を示している。この方法800は、プローブを眉領域に接続する第1ステップ801を備えている。例えば、このステップ801は、エミッタ・レシーバ・モジュール200を対象のROI65の組織の一部に接続することを含む。このステップ801は、エミッタ・レシーバ・モジュール200と組織10の部分との間に位置するジェルが、眉領域へプローブを接続するのを助けることを含むことができる。ステップ801は、眉領域での皮下組織501をイメージングするステップ802に移動することができる。ステップ802は、ここで議論するように、CTS20を用いて組織の一部をイメージングすることを含むことができる。選択的に、ステップ810は、ステップ801と802との間に含ませることができる。ステップ810で、眉領域に薬剤を塗布することができる。薬剤は、活性成分を有するいずれの物質又は材料でもよく、これにより表面501の引き締めが補助されたり、及び/又は表面501の下方の組織の一部の空孔や損傷505の治癒及び/又は消失が補助される。一実施形態において、薬剤は、ステップ801に有用な接続ジェルとしても作用する。ステップ802から、ターゲットゾーン525を決定するステップ803へ移動する。ステップ803は、ターゲットゾーン525を決定するのを助けるため、ステップ802で生成された画像をレビューする。
【0136】
ステップ803からステップ804に移動し、ターゲットゾーン525にエネルギが付与される。例えば、ステップ804は、
図15に示すことができる。
図15は筋肉深さに対応する深さ278の一実施形態を例示する。種々の実施形態において、深さ278は、いずれの組織、組織層、皮膚、真皮、脂肪、SMAS、筋肉、又は他の組織に対応することができる。ステップ804からステップ805に移動し、ターゲットゾーン525において組織の切除が行われる。種々の実施形態において、「切除」は、切除の代わりに凝固とすることができる。切除は、おおよそ昇華又は気化に類似する瞬間的な物理的除去であり、熱的凝固は、組織を殺傷したりその場に残すよりもマイルドである。ステップ805は
図15に例示されている。
図15は筋肉深さに対応する深さ278の一実施形態を例示することに注意すべきである。種々の実施形態において、深さ278は、いずれの組織、組織層、皮膚、真皮、脂肪、SMAS、筋肉、又は他の組織に対応することができる。ステップ805は、空孔又は損傷が、表面501の下方の組織の一部に生成される。ステップ805からステップ806に移動して、処置される組織の上方又は下方の真皮503が引き締められる。例示された実施形態において、ステップ806は、組織の上方の単なる真皮の引き締めではなく、種々の実施形態において可能な広いステップである。ステップ806は、
図17に例示されている。例えば、真皮503の表面501の一つが空孔又は損傷505によって引き締められ、消失し、治癒される。ステップ505と506との間で、任意のステップ812を用いることができる。典型的には、ステップ812を使用するためには、任意のステップ810が用いられなければならない。ステップ812において、薬剤がターゲットゾーン525で活性化する。この薬剤の活性により、活性成分が切除された組織の上方の真皮の引き締めを補助する。例えば、活性成分は、空孔又は損傷505の治癒又は消失を補助する。他の実施形態において、薬剤は、引き締めを補助するために、表面501又は真皮層503において活性化されてもよい。
【0137】
図19を参照すると、本発明の種々の実施形態に係る方法900が例示されている。方法900は、トランスデューサモジュールをハンドコントローラに挿入することで始まる。例えば、方法900は、エミッタ・レシーバ・モジュール200のハンド棒100への挿入を含むことができる。ステップ901からステップ902への移動で、モジュールが対象となる顔エリアへ接続される。例えば、ステップ902では、エミッタ・レシーバ・モジュール200を対象63となる関心65のある領域へ接続される。ステップ902からステップ903への移動で、ハンドコントローラの第1スイッチが起動される。例えば、ステップ903では、ハンド棒100のイメージングボタン150の起動を含むことができる。ステップ903からステップ904への移動で、イメージングシーケンスが開始される。例えば、ステップ904では、ここで議論したように、CTS20によって収集されるイメージングシーケンスを含むことができる。ステップ904からステップ905への移動で、処置シーケンスが演算される。種々の実施形態において、ステップ906に関して用いられる「演算」は、決定、選択、所定の処置シーケンスの選択、及び/又は所望の処置シーケンスの選択とすることができる。例えば、ステップ906では、コントローラ300が、ハンド棒100及びエミッタ・レシーバ・モジュール200へ、処置シーケンスをダウンロードすることを含むことができる。ステップ906からステップ907への移動で、ハンドコントローラの第2スイッチが起動される。例えば、ステップ907では、ハンド棒100の処置ボタンを起動することを含むことができる。ステップ907からステップ908への移動で、処置シーケンスが実行される。例えば、ステップ908では、ここで議論されたどのような処置シーケンスも行うことができる。他の実施形態においては、例示された方法は、いずれの場所、いずれの方法にあるスイッチを一般的に起動することを含むように広くなってもよい。例えば、フットスイッチや、種々の実施形態に限定されない、コントローラのスイッチである。
【0138】
図20及び
図21は、上述したようなコントローラ300の一実施形態の正面図及び側面図である。
図22は、相互作用グラフィックディスプレイ310の一実施形態であり、タッチスクリーンモニタ、及びユーザがCTS20と相互作用可能なグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を含むことができる。
図22は、相互作用グラフィックディスプレイの一実施形態の一般的な例を示しており、システム機能タブ1000,治療制御部1010,イメージング制御部1020,領域制御部1030、患者トータルラインカウント1040、処置ゾーンラインカウント1050,システム状態1060,プローブ情報エリア1070、ヘッダー情報1080、及び/又はイメージング-処置領域1090を含んでもよい。
【0139】
システム機能タブは、システム機能の様子を反映する。一実施形態において、相互作用グラフィックディスプレイ310は、一又はそれ以上の一般的な機能を有する。種々の実施形態において、相互作用グラフィックディスプレイ310は、2,3,4,又はそれ以上の一般的な機能を有する。一実施形態において、相互作用グラフィックディスプレイ310は、3つの一般的な機能、プランニング機能、イメージング/処置機能、及び設定機能を有する。一実施形態において、プランニング機能は、処置をプランニングする際の制御部と情報機器を含み、これによって治療の制御を自動で設定することができる。一実施形態において、プランニング機能は、推奨される処置パラメータとともに種々の処置領域の概要を表示することができる。例えば、額、左又は右のこめかみ,左又は右の耳介前部、左又は右の首、顎下、及び左又は右の頬のような領域を処置するためのパラメータが、エネルギレベルを列挙した推奨されるエミッタ・レシーバ・モジュール200,及び推奨される処置のラインの数を示すことができる。あるエリアは、処置プロトコルの選択をリスとしたプロトコル、処置領域のリストを許可するプロトコル、及び、グレー表示され、間違ったトランスデューサモジュールのために選択することができない領域を不許可することを含むことができる。一実施形態において、イメージング/処置機能は、制御部と、柔らかい組織をイメージングしたり、関連のある柔らかな組織を処置するために必要なプロトコル情報を含む。種々の実施形態において、スタートアップ・スクリーンは、患者及び/又は施設のデータを含むことができる。一実施形態において、イメージング/処置機能は、メイン・スタートアップ・スクリーンを含むことができる。一実施形態において、イメージング/処置機能は、額のために構成することができる。設定機能は、ユーザが、スキャニング機能の外部の患者処置情報を入力、追跡、保存、及び/又はプリントすることができるようにするとともに、患者及び施設情報、終了処置、処置記録、画像、ヘルプ、ボリューム、システムシャットダウン制御及びダイアログのような情報を含む。
【0140】
治療コントロール1010は、音響エネルギレベル、マイクロ凝固性ゾーン間の距離の設定のためのスペーシング、及び処置ラインの最大距離及び同様の情報を設定することができる距離を設定することができる。
【0141】
イメージコントロール1020は、マーカー(スキャニングではない)、表示(スキャニング)、イメージ、及びスキャン情報を含む。マーカーは、キャリパ及び注釈テキストを示すために距離のアイコンを含むことができる。ディスプレイは、明るさ又はディスプレイに関する他の特性を増したり減らしたりできる。イメージアイコンは、処置ルーラを切り換えたり、画像を保存できる。スキャンボタンは、イメージングの目的及び同様の上方のために、スキャニングをスタートしたり、ストップすることができる。
【0142】
領域コントロール1030は、組織領域を選択するための画像の下にダイアログを起動する。患者のトータルラインカウント1040は、処置ラインの累積数及び同様の情報の記録を行う。処置ゾーンラインカウント1050は、額又は顎下などの処置ゾーンを示すとともに、ゾーンに対して供給するライン、又は推奨されるラインのプロトコル及び同様の情報を示す。システム状態1060は、システムが準備完了状態、処置状態にあること、又は他のモードに依存するシステムメッセージ及び同様の情報を表示することができる。プローブ情報エリア1070は、取り付けられたトランスデューサの名前、トランスデューサの処置深さ、及びトランスデューサの全ライン性能に対して使われているラインの数を表示することができる。ヘッダー情報1080は、施設、臨床医、患者の名前とID、日付、時間、及び同様の情報を含むことができる。イメージング/処置領域1090は、超音波画像、1mmのマーク又は他の測定寸法が示された水平及び垂直(深さ)ルーラー、処置の間隔、長さ、及び深さが示された処置ルーラー、及び他の同様の情報を含むことができる。
【0143】
イメージングも行う処置システムを用いる1つの利益、利点は、ユーザが、トランスデューサと患者の顔との間のエアポケットを示す暗くない垂直のバーによって(例えば、エミッタ・レシーバ・モジュール200と皮膚との間に接続ジェルを適用するなどにより)、トランスデューサと皮膚との間の十分な接続を検証できることにある。接続ができないと、その領域では不適切な処置が行われる。正しい処置は、適切な接触,デバイスと患者の間のコミュニケーションを確実にするため、接続用超音波ジェルをさらに配置することを含む。
【0144】
治療上の処置は、ハンド棒100の処置ボタン160を押すことで開始することができる。一実施形態において、インジケータ155は、このシステムが「処置」状態であることを示すために、黄色の光を表示する。エネルギ50が発せられると、連続した発信音が発せられ、スクリーン上で、黄色の「処置」ラインから緑の「準備完了」処置ラインに進む。同じ処置エリアにおいてエネルギの次のラインを発するためには、ユーザは、トランスデューサを、近接する組織に対して概ね1~6mm、または概ね2~3mm(処置、領域などに依存する)進め、処置ボタン160を再び押す。種々の実施形態において、時間は、エネルギの従前のラインを発する間に、経過する。種々の実施形態において、時間は1秒、5秒、10秒、又は他の長さにすることができる。一実施形態において、エネルギの従前のラインが発せられている間に5秒又は10秒が経過すると、ユーザは、「準備完了」状態に戻すために、ハンド棒100のイメージングボタン150を押し、その隣の処置ボタン160を押す。処置は、推奨される数のライン(スクリーンの下部/中央の示されている)が発せられるまで、この方法で続く。一実施形態において、正しい数のラインが発せられると、ラインの数の色がオレンジから白に変わる。
【0145】
一実施形態において、機能設定により、ユーザはイメージをエクスポートすることができる。保存されたイメージは、下にあるダイアログボックスに列挙され、最も最近にユーザが選択したイメージがその上に表示される。外部保存デバイス及び/又はプリンタが取り付けられていれば、イメージファイルをエクスポートしたり,及び/又はプリンタを利用可能とすることができる。一実施形態において、ユーザは、機能設定により記録をエクスポートすることができる。
【0146】
ある実施形態において、相互作用グラフィックディスプレイ310は、例えば、エラーメッセージの一実施形態において、適切なユーザの反応に対するエラーメッセージを表示することができる。
【0147】
ここでの参照の引用は、これらの参照が従来技術であったり、ここで開示されている教示の特許性に関連があるものを認めることを構成しない。本明細書の詳細な説明で引用されているすべての参照は、すべての目的のためにそのすべてが参照により取り込まれる。一又はそれ以上の取り込まれた参照、文章、同様の構成は、限定されるわけではないが、この出願の含まれる定義された文言、用語の使用、記載された技術など、この出願のコントロールと異なったり、相反する。
【0148】
ここで説明したいくつかの実施形態及び実施例は、例であり、これらの発明の構成や方法のすべての範囲を記載するために限定することを意図していない。均等な変形、修正や、いくつかの実施形態、材料、組成、方法の変形は、実質的に同様の結果を伴うように、本発明の範囲内で行われる。