(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】設定システム及び情報管理サーバー
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220609BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2020167145
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2021-03-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】笛田 翔
(72)【発明者】
【氏名】重田 正宙
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-358429(JP,A)
【文献】特開平07-334731(JP,A)
【文献】特開2007-188153(JP,A)
【文献】特開2002-083129(JP,A)
【文献】特開平09-259328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得
し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信する共用端末と、
前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報
を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行
い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部と、情報を記憶する記憶部と、を備える金融機関サーバーと、
前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備える情報管理サーバーと、
を備え、
前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置であり、
前記金融機関サーバーの前記口座管理部は、認証がなされた場合に、前記口座振替に関する情報を前記記憶部に登録する、設定システム。
【請求項2】
共用端末と、金融機関サーバーと、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーと、を備える設定システムであって、
前記共用端末は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、
前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信し、
前記金融機関サーバーは、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報
を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行
い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部を備え、
前記情報管理サーバーは、
前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備え、
前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置である、設定システム。
【請求項3】
口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得
し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信する共用端末と、
前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報
を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行
い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部と、情報を記憶する記憶部と、を備える金融機関サーバーと、
前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備える情報管理サーバーと、
を備え、
前記共用端末は、前記支払対象を示す情報を符号化することで得られ
た画像
を読み取ることで、前記支払対象に関する情報を取得し、
前記金融機関サーバーの前記口座管理部は、認証がなされた場合に、前記口座振替に関する情報を前記記憶部に登録する、設定システム。
【請求項4】
共用端末と、金融機関サーバーと、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーと、を備える設定システムであって、
前記共用端末は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、
前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信し、
前記金融機関サーバーは、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報
を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行
い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部を備え、
前記情報管理サーバーは、
前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備え、
前記共用端末は、前記支払対象を示す情報を符号化することで得られ
た画像
を読み取ることで、前記支払対象に関する情報を取得する、設定システム。
【請求項5】
前記口座の情報は、前記口座を設けている金融機関によって発行された媒体に記録された情報であ
り、前記共用端末は、前記媒体から前記口座の情報を読み取ることで前記口座の情報を取得する、請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の設定システム。
【請求項6】
決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーであって、
口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得
し送信する共用端末から、少なくとも
前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を
受信することによって取得し、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報に基づいて認証処理を行う金融機関サーバーにおいて認証がなされた
ことを示す認証結果を前記金融機関サーバーから受信した場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部、
を備え、
前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置である情報管理サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済媒体の口座振替情報の登録の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス決済の普及が進んでおり、キャッシュレス決済に用いられる決済媒体の申し込み者の数も増えてきている。そのため、決済媒体の申し込み時の処理に関連する技術も提案されている。例えば、特許文献1では、口座振替の設定を簡便にするための技術が開示されている。具体的には、特許文献1では、口座振替の対象となる金融機関名や支店名などの情報をユーザーが電話で発話することによりオペレーターが聞き取ってオペレーター端末に入力することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、口座振替に必要となる多くの情報を口頭で喋る必要があり、ユーザーにとって抵抗感が生じる場合があった。また、紙面で用意された口座振替依頼書を用いた申込みでは、用紙の授受に時間を要してしまい、利便性や即応性の観点で十分ではなかった。また、WEBを用いた口座振替の申込みもあるが、インターネットバンキング等の登録の必要があり、必ずしもユーザーにとって十分に都合の良い方法になっていなかった。ユーザーによっては、WEBを用いて口座情報を送信することに心理的な抵抗を感じている者もいた。これらの要因により、口座振替の設定にはより利便性の高い方法が求められていた。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、より利便性の高い口座振替の設定方法を実現できる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信する共用端末と、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部と、情報を記憶する記憶部と、を備える金融機関サーバーと、前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備える情報管理サーバーと、を備え、前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置であり、前記金融機関サーバーの前記口座管理部は、認証がなされた場合に、前記口座振替に関する情報を前記記憶部に登録する、設定システムである。
本発明の一態様は、共用端末と、金融機関サーバーと、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーと、を備える設定システムであって、前記共用端末は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信し、前記金融機関サーバーは、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部を備え、前記情報管理サーバーは、前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備え、前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置である、設定システムである。
【0007】
本発明の一態様は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信する共用端末と、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部と、情報を記憶する記憶部と、を備える金融機関サーバーと、前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備える情報管理サーバーと、を備え、前記共用端末は、前記支払対象を示す情報を符号化することで得られた画像を読み取ることで、前記支払対象に関する情報を取得し、前記金融機関サーバーの前記口座管理部は、認証がなされた場合に、前記口座振替に関する情報を前記記憶部に登録する、設定システムである。
本発明の一態様は、共用端末と、金融機関サーバーと、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーと、を備える設定システムであって、前記共用端末は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し、前記口座の情報と前記認証情報と前記支払対象に関する情報とを送信し、前記金融機関サーバーは、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報を前記共用端末から受信し、受信された前記口座の情報及び前記認証情報に基づいて認証処理を行い認証結果を情報管理サーバーに送信する口座管理部を備え、前記情報管理サーバーは、前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を前記共用端末から受信し、前記認証結果を前記金融機関サーバーから受信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備え、前記共用端末は、前記支払対象を示す情報を符号化することで得られた画像を読み取ることで、前記支払対象に関する情報を取得する、設定システムである。
【0008】
本発明の一態様は、上記の設定システムであって、前記口座の情報は、前記口座を設けている金融機関によって発行された媒体に記録された情報であり、前記共用端末は、前記媒体から前記口座の情報を読み取ることで前記口座の情報を取得する。
【0009】
本発明の一態様は、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得するインターフェースと、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報に基づいて認証処理を行う口座管理部を備える金融機関サーバーに対して前記インターフェースによって取得された情報を送信し、前記金融機関サーバーにおいて認証がなされた場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部を備える情報管理サーバーに対して前記インターフェースによって取得された情報を送信する制御部と、を備える共用端末である。
【0010】
本発明の一態様は、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する情報管理サーバーであって、口座振替に使用される口座の情報と、前記口座の情報に対応付けられた認証情報と、前記口座振替の支払対象に関する情報と、を取得し送信する共用端末から、少なくとも前記口座の情報と前記支払対象に関する情報を受信することによって取得し、前記口座の情報が示す口座に関して、前記共用端末によって取得された口座の情報及び認証情報に基づいて認証処理を行う金融機関サーバーにおいて認証がなされたことを示す認証結果を前記金融機関サーバーから受信した場合に、前記支払対象における請求の支払について前記口座の情報が示す口座により口座振替を行うことを示す情報を登録する申込制御部、を備え、前記共用端末は、所定の店舗に固定して設置され特定の目的のために複数人によって使用される端末装置である情報管理サーバーである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、より利便性の高い口座振替の設定方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】設定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】金融機関サーバー30の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。
【
図3】口座情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
【
図4】情報管理サーバー40の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。
【
図5】口座振替情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
【
図6】設定システム100における口座振替の設定処理の流れの具体例を示す図である。
【
図7】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図8】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、設定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。設定システム100は、ユーザー端末10、共用端末20、金融機関サーバー30及び情報管理サーバー40を備える。ユーザー端末10、共用端末20、金融機関サーバー30及び情報管理サーバー40は、ネットワーク50を介して互いにデータ通信可能に接続される。
【0014】
設定システム100では、金融機関サーバー30を運用する金融機関に予め設けられた口座を用いた口座振替が設定される。口座振替の設定の対象は、どのようなものであってもよい。例えば、設定システム100を用いることによって、決済媒体の請求の支払に関する口座振替が設定されてもよい。この場合、情報管理サーバー40は、決済媒体の請求の支払に関する情報を管理する。例えば、設定システム100を用いることによって、公共料金(例えば水道料金やガス料金や電気代など)の支払に関する口座振替が設定されてもよい。この場合、情報管理サーバー40は、公共料金の支払に関する情報を管理する。以下の説明では、決済媒体の請求の支払に関する口座振替が設定される設定システム100について説明する。
【0015】
決済媒体を用いた支払いでは、ユーザーに携帯される物理的な媒体(以下「ユーザー媒体」という。)が使用される。また、支払い時や決済時には、決済媒体に対応付けて発行された情報(以下「媒体情報」という。)が使用される。例えば、決済媒体がクレジットカードである場合、媒体情報は実カード番号(例えばFunding Primary Account Number:FPAN)であり、ユーザー媒体としてクレジットカードの実カード番号が記録されたプラスチックカード等のカード媒体が使用されてもよいし、実カード番号に応じたトークンが記録されたスマートフォン等の情報機器が使用されてもよい。このように決済媒体を用いた支払に応じて、所定のタイミング(例えば月に一度、所定の日付)で決済媒体に関する請求が発生する。設定システム100では、このような請求に対する支払を口座振替で行うための設定が行われる。
【0016】
ユーザー端末10は、決済媒体を用いた支払を行うユーザーによって操作される情報処理装置である。ユーザー端末10は、例えば携帯電話機やスマートフォンやタブレットやスマートウォッチ等の可搬性と通信機能とを有した情報処理装置であってもよい。
【0017】
共用端末20は、特定の目的のために複数人によって使用される端末である。共用端末20は、例えば所定の店舗に固定して設置される端末装置であってもよい。共用端末20は、例えば現金自動預け払い機(Automatic Teller Machine)を用いて構成されてもよい。共用端末20は、金融機関サーバー30との間でセキュアな通信を行う。このセキュアな通信は、例えばVPN等のセキュアな通信プロトコルを用いることによって実現されてもよいし、専用線等の物理的にセキュアな通信経路を用いることによって実現されてもよい。共用端末20は、ネットワーク50に接続されるのではなく、他のネットワーク(例えば全国銀行データ通信システム)を介して金融機関サーバー30と通信を行うように構成されてもよい。
【0018】
共用端末20は、ユーザーから支払対象情報を取得するためのインターフェースを有する。例えば、共用端末20は、ユーザーによって提示される画像を読み取るインターフェースを備えてもよい。ユーザーによって提示される画像には、例えば支払対象情報を符号化することによって得られる画像(例えばバーコード、二次元バーコード等)が含まれてもよい。このようなユーザーインターフェースは、カメラを用いて構成されてもよいし、バーコードリーダーを用いて構成されてもよい。
【0019】
図2は、金融機関サーバー30の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。金融機関サーバー30は、サーバー装置やメインフレーム等の情報処理装置を用いて構成される。金融機関サーバー30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0020】
通信部31は、ネットワークインターフェース等の通信装置である。通信部31は、所定のプロトコルでネットワーク50に通信可能に接続する。通信部31は、制御部33の制御に応じてネットワーク50を介して他の装置との間でデータ通信する。
【0021】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、口座情報記憶部321及び取引履歴記憶部322として機能する。
【0022】
口座情報記憶部321は、口座情報テーブルを記憶する。
図3は、口座情報テーブルの具体例の一つを示す図である。口座情報テーブルは、複数の口座情報レコードを有する。口座情報レコードは、口座識別情報、支店情報、口座番号、口座名義人、認証情報、残高情報及び口座振替情報の各値を有する。口座識別情報は、金融機関サーバー30の運用者である金融機関において管理される口座を示す識別情報である。
【0023】
支店情報は、口座識別情報が示す口座の支店に関する情報である。支店情報は、例えば支店名を示してもよいし、支店に割り当てられた識別コード(例えば支店コード)を示してもよい。
口座番号は、口座識別情報が示す口座に割り当てられている口座番号を示す。
【0024】
口座名義人は、口座番号及び支店情報の組合せが示す口座の名義人の氏名を示す。
認証情報は、口座番号及び支店情報の組合せが示す口座に対して設けられている認証情報を示す。認証情報は、例えば複数桁の数字で構成される暗証番号であってもよいし、複数桁の英数文字などで表される情報であってもよいし、符号化された情報であってもよい。認証情報は、例えば顧客が所有するキャッシュカードに記録されていてもよい。
【0025】
残高情報は、口座識別情報が示す口座における残高の金額を示す。
口座振替情報は、口座番号及び支店情報の組合せが示す口座に対して設定された口座振替に関する情報である。口座振替情報の具体例として、口座番号、金融機関コード、支店コード、口座名、金融機関名、支店名、口座振替人氏名等の情報がある。
【0026】
取引履歴記憶部322は、口座毎に取引の履歴を示す情報を記憶する。取引履歴記憶部322に記憶される履歴の情報は、例えば通帳に記帳される情報を含む。
図2に戻って説明を続ける。制御部33は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーが特定のプログラムを実行することによって、口座管理部331及び口座振替制御部332として機能する。
【0027】
口座管理部331は、口座情報記憶部321に記憶される口座レコードが示す各口座に関する情報を管理する。口座管理部331は、例えば口座情報記憶部321に登録されている口座において新たな口座振替が設定される際に、口座振替の設定に必要な所定の処理を実行する。口座管理部331のこのような処理によって、口座振替の設定の対象となる口座の口座情報レコードの口座振替情報には、新たな情報が登録される。
【0028】
口座振替制御部332は、口座情報記憶部321に記憶されている口座振替情報に基づいて、口座振替の処理を実行する。
図4は、情報管理サーバー40の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。情報管理サーバー40は、サーバー装置やメインフレーム等の情報処理装置を用いて構成される。情報管理サーバー40は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。
【0029】
通信部41は、ネットワークインターフェース等の通信装置である。通信部41は、所定のプロトコルでネットワーク50に通信可能に接続する。通信部41は、制御部43の制御に応じてネットワーク50を介して他の装置との間でデータ通信する。
【0030】
記憶部42は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部42は、顧客情報記憶部421及び口座振替情報記憶部422として機能する。
【0031】
顧客情報記憶部421は、顧客情報テーブルを記憶する。顧客情報テーブルは、情報管理サーバー40において管理される顧客に関する情報を有する。例えば、情報管理サーバー40において管理される顧客が決済媒体の使用者である場合には、顧客情報テーブルは、顧客に関する情報と、その顧客によって使用される決済媒体に関する情報と、を対応付けて有する。決済媒体がクレジットカードである場合には、決済媒体に関する情報として、クレジットカードのPAN(カード番号)が記憶されてもよいし、クレジットカード発行前の状態である場合には申込み番号(いわゆるイメージ番号)が記憶されてもよい。また、口座振替の設定処理において、PANや申込み番号を暗号化した情報が用いられる場合には、さらにPANや申込み番号を暗号化した情報が記憶されてもよい。
【0032】
口座振替情報記憶部422は、口座振替情報テーブルを記憶する。
図5は、口座振替情報テーブルの具体例の一つを示す図である。口座振替情報テーブルは、複数の口座振替情報レコードを有する。口座振替情報レコードは、金融機関情報、支店情報、口座番号及び口座名義人の各値を有する。
【0033】
金融機関情報は、口座振替に使用される口座を管理する金融機関を示す情報である。
支店情報は、口座振替に使用される口座の支店に関する情報である。支店情報は、例えば支店名を示してもよいし、支店に割り当てられた識別コード(例えば支店コード)を示してもよい。
【0034】
口座番号は、口座振替に使用される口座に割り当てられている口座番号を示す。
口座名義人は、口座振替に使用される口座の名義人の氏名を示す。
【0035】
図4に戻って説明を続ける。制御部43は、CPU等のプロセッサーとメモリーを用いて構成される。制御部43は、プロセッサーが特定のプログラムを実行することによって、支払制御部431、申込制御部432及び口座振替制御部433として機能する。
【0036】
支払制御部431は、決済媒体を用いた支払いに関する処理を行う。支払制御部431は、例えば決済媒体を用いた支払が行われた店舗の端末やウェブサーバー等の装置と通信することによって、支払処理を行う。
【0037】
申込制御部432は、口座振替の設定に関する申込みについて所定の処理を実行する。申込制御部432のこのような処理によって、決済媒体の請求についての支払に関する口座振替の設定が行われる。申込制御部432の処理によって、口座振替情報記憶部422に新たな情報が登録される。
【0038】
口座振替制御部433は、口座振替情報記憶部422に登録されている情報に基づいて、決済媒体の請求についての支払に関する口座振替の処理を実行する。
【0039】
図6は、設定システム100における口座振替の設定処理の流れの具体例を示す図である。まず、ユーザーが共用端末20のユーザーインターフェースを操作することによって、口座振替の申込みを行うことを選択する。共用端末20は、ユーザーによる選択を受け付ける(ステップS101)。この選択に応じて、共用端末20は、ディスプレイに表示を行うことによって、口座振替に使用される口座を示す情報を取得するための作業をユーザーに促す。例えば、共用端末20は、口座振替に使用される口座の金融機関媒体を共用端末20に挿入することを促してもよい。金融機関媒体とは、金融機関によって発行される媒体であって、口座に関する情報を有している媒体である。金融機関媒体は、例えばキャッシュカードや通帳等の媒体である。このような促しに応じて、ユーザーは作業を行う。例えば、ユーザーは、キャッシュカード又は通帳を共用端末20に挿入する。なお、ステップS101の処理よりも前に、既に口座振替に使用される口座のキャッシュカード又は通帳が共用端末20に挿入されている場合には、この促す処理は省略されてもよい。
【0040】
共用端末20は、ユーザーによって行われた作業に応じて、口座情報を取得する。例えば、キャッシュカード又は通帳が挿入された場合には、共用端末20は、挿入されたキャッシュカード又は通帳に備えられている記録媒体(磁気媒体や半導体記憶装置など)から、口座に関する情報を取得する(ステップS102)。
【0041】
ステップS102の処理に応じて、共用端末20は、認証情報を取得する(ステップS103)。取得される認証情報は、ユーザーによって入力される情報であってもよいし、キャッシュカードや通帳に備えられている記録媒体に記録されている情報であってもよい。以下、それぞれのケースについて説明する。
【0042】
取得される認証情報がユーザーによって入力される情報である場合には、共用端末20は、ディスプレイに表示を行うことによって、認証情報を入力することをユーザーに促す。ユーザーは、ユーザーインターフェースを操作することによって、認証情報を共用端末20に入力する。このように入力される認証情報は、数字や文字列であってもよいし、特定のパターンや時間間隔などの要素で表される情報であってもよい。共用端末20は、このようにしてユーザーによって入力された認証情報を取得する。
【0043】
取得される認証情報が記録媒体に記録されている情報である場合には、共用端末20は、ディスプレイに表示を行うことによって、予備認証情報を入力することをユーザーに促す。予備認証情報は、記録媒体に記録されている認証情報を取得する際に共用端末20において行われる認証処理に用いられる情報である。予備認証情報は、例えばユーザーの生体情報であってもよいし、暗証番号等の文字列情報であってもよいし、特定のパターンや時間間隔などの要素で表される情報であってもよい。ユーザーは、ユーザーインターフェースを操作することによって、予め設定されている予備認証情報を共用端末20に入力する。共用端末20は、入力された予備認証情報と、キャッシュカードや通帳の記録媒体に記録されている予備認証情報とを用いて予備認証を行う。例えばこれらの認証情報が一致するなど所定の認証条件が満たされた場合には、共用端末20は、キャッシュカードや通帳の記録媒体に記録されている認証情報を読み出す。このような多要素認証が行われることによってセキュリティを高くすることが可能である。なお、このような予備認証情報を用いた認証処理が行われる場合には、この認証処理が失敗した場合にはそこで
図6に示される処理が終了してもよい。
【0044】
ステップS103の処理に応じて、共用端末20は、ディスプレイに表示を行うことによって、口座振替による支払の対象に関する情報を取得するための作業をユーザーに促す。例えば、共用端末20は、支払い対象を示す情報(支払対象情報)が符号化されたバーコードを、共用端末20のユーザーインターフェースを介して読み取ってもよい(ステップS104)。本実施形態では、口座振替による支払の対象は決済媒体である。そのため、このようなバーコードが示す情報(支払対象情報)は、決済媒体に関する情報であってもよい。より具体的には、決済媒体がクレジットカードである場合には、バーコードが示す情報はその会員情報であってもよい。さらに具体的には、バーコードが示す情報は、クレジットカードのPANであってもよいし、クレジットカード発行前の状態であれば申込み番号(いわゆるイメージ番号)であってもよいし、これらの情報を暗号化した情報であってもよい。
【0045】
共用端末20は、ステップS102~S104で取得された情報を用いて、口座振替申請情報を生成する。そして、共用端末20は、取得された口座情報が示す金融機関が運用する金融機関サーバー30と、取得された支払対象の請求を行う主体によって運用される情報管理サーバー40と、に対して口座振替申請情報を送信する(ステップS105)。このとき、共用端末20は、送信先に応じて送信される口座振替申請情報の内容を変えても良い。例えば、共用端末20は、金融機関サーバー30に対しては、口座情報及び認証情報を含む口座振替申請情報を送信し、情報管理サーバー40に対しては、支払対象情報を含む口座振替申請情報を送信してもよい。その場合、各支払対象情報において、対応関係を示す識別情報が含まれてもよい。例えば、同一の口座振替申請情報であることを示す識別情報が用いられてもよい。
【0046】
金融機関サーバー30の口座管理部331は、口座振替申請情報を受信すると、受信された口座振替申請情報から口座情報及び認証情報を取得する。口座管理部331は、口座情報記憶部321に登録されている情報と、取得された口座情報及び認証情報とを照合することによって認証処理を行い、口座振替の申請者が正当な顧客であるか否か判定する(ステップS106)。そして、口座管理部331は、認証結果を情報管理サーバー40へ送信する(ステップS107)。なお、情報管理サーバー40を示す送信先の情報は、例えば口座振替申請情報に含まれていてもよいし、金融機関サーバー30において口座振替申請情報を受信した場合の送信先としての情報管理サーバー40が予め固定された情報として登録されていてもよい。
【0047】
情報管理サーバー40の申込制御部432は、口座振替申請情報及び認証結果を受信すると、認証結果を確認する。認証結果が、正当な顧客であることを示す場合には、申込制御部432は、口座振替申請情報によって示される申請を受理し、口座振替に関する情報を口座振替情報記憶部422に登録する(ステップS108)。申込制御部432は、登録が完了したことを示す口座完了通知を金融機関サーバー30及び共用端末20に送信する(ステップS109)。この登録の後は、決済媒体における請求の支払は、登録された口座振替によって行われる。
【0048】
金融機関サーバー30の口座管理部331は、登録完了通知の受信に応じて、申請された口座振替に関する情報を口座情報記憶部321に登録する(ステップS110)。また、共用端末20は、口座振替の申請に関する手続きが完了したことを示す画面をディスプレイに表示する(ステップS111)。
【0049】
次に、支払対象情報の入力の具体例について説明する。
図7及び
図8は、ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。決済媒体の申込みを行ったユーザーが、申込みに関する進捗状況を示すウェブサイトへアクセスしたり、決済媒体に関する情報を管理するためのアプリケーションの画面を開いたりした場合、
図7に示される画面が表示される。この画面では、申込みに関する判定の状況を示す情報と、次に行う操作の操作ボタンとが表示されている。操作ボタンの具体例として、“オンライン口座設定を行う”、“○○銀行ATMで行う”、“その他の方法で行う”の3つのボタンが表示されている。ユーザーが、共用端末20を用いて口座振替の申請を行うことを示す“○○銀行ATMで行う”というボタンを操作すると、
図8に示される画面が表示される。
【0050】
図8に示される画面では、二次元バーコードが表示されている。この二次元バーコードは、支払対象情報を示す。ユーザーが
図8に示される画面を共用端末20のユーザーインターフェースを操作して読み取らせることによって、共用端末20に対して支払対象情報が入力されてもよい。なお、ユーザー端末10の画面に表示される支払対象情報は、必ずしも二次元バーコードに限定される必要は無く、他の態様のバーコードや、他の態様の文字列又は画像として表示されてもよい。
【0051】
図9は、収納用紙の具体例を示す図である。
図9に示されるように、支払対象情報を示す画像(例えば二次元バーコード)が収納用紙の一部分に印刷されていてもよい。この場合、ユーザーは、収納用紙に印刷されている画像を共用端末20に読み取らせることによって、支払対象情報を共用端末20に入力してもよい。
【0052】
図10は、収納用紙の具体例を示す図である。
図10に示されるように、支払対象情報を示す画像(例えば二次元バーコード)が決済媒体の利用代金の明細書の一部分に印刷されていてもよい。この場合、ユーザーは、明細書に印刷されている画像を共用端末20に読み取らせることによって、支払対象情報を共用端末20に入力してもよい。また、このような明細書に印刷される場合には、必ずしもユーザーに対して決済媒体のカードが発行されていなくてもよい。
【0053】
このように構成された設定システム100では、より利便性の高い口座振替の設定方法を実現できる。具体的には以下の通りである。
【0054】
設定システム100では、口座振替の設定に必要となる口座に関する情報(例えば口座番号や支店情報)は、キャッシュカードや通帳に登録されている情報が共用端末20によって読み取られる形で共用端末20に入力される。そのため、ユーザーは口座に関する情報をわざわざ共用端末20等の装置に対して手作業で入力する必要が無い。したがって、利便性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、設定システム100では、口座振替に用いられる金融機関におけるユーザーの認証が、共用端末20における操作に応じて行われる。そのため、金融機関における認証処理に要する時間を短縮することが可能となる。
【0056】
また、設定システム100では、口座振替に用いられる支払対象の情報(例えば決済媒体に関する情報)の入力が、共用端末20に対してバーコード等の画像を読み取らせることによって行われる。そのため、ユーザーにおいて支払対象の情報をWEB等で入力することに対する心理的な不安を払拭することができる。
【0057】
このような共用端末20は、例えばコンビニエンスストアに設置されているATMを用いて実現されてもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100…設定システム, 10…ユーザー端末, 20…共用端末, 30…金融機関サーバー, 31…通信部, 32…記憶部, 321…口座情報記憶部, 322…取引履歴記憶部, 33…制御部, 331…口座管理部, 332…口座振替制御部, 40…情報管理サーバー, 41…通信部, 42…記憶部, 421…顧客情報記憶部, 422…口座振替情報記憶部, 43…制御部, 431…支払制御部, 432…申込制御部, 433…口座振替制御部