(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】吐出用途向け安全ロック付き固体化学物質容器
(51)【国際特許分類】
B01F 35/71 20220101AFI20220609BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20220609BHJP
A47L 15/44 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B01F15/02 A
B01F1/00 F
A47L15/44
(21)【出願番号】P 2020507686
(86)(22)【出願日】2018-08-10
(86)【国際出願番号】 US2018046252
(87)【国際公開番号】W WO2019032985
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-02-10
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ロナルド シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ジョーセフ ドレイク
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-081438(JP,A)
【文献】特開2014-031767(JP,A)
【文献】特表2016-511143(JP,A)
【文献】国際公開第2010/027625(WO,A1)
【文献】米国特許第04643881(US,A)
【文献】米国特許第07922982(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0110352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/06-16
A47L 15/44
B01F 21/00-20
B01F 35/71
B05B 1/00
B08B 3/08
E03C 1/046
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱流吐出装置により溶解および吐出される苛性固体製品を格納するカプセルであって、前記カプセルは、
互いに連結されて前記苛性固体製品を保持するチャンバを形成する上側ハウジングおよび下側ベースと、
前記チャンバの内部の皿と、を備え、前記皿は穿孔を有し、
前記下側ベースは穿孔を有し、
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、前記皿の前記穿孔が前記下側ベースの前記穿孔と位置ずれしている閉位置と、前記皿の前記穿孔が前記下側ベースの前記穿孔と位置合わせされている開位置との間で互いに対して回転可能であるように、前記皿は前記上側ハウジングの側壁内に嵌まる側壁を含み、
前記連結された上側ハウジングおよび下側ベースは、前記
苛性固体製品が溶解して溶液を生成する前記
乱流吐出装置内のキャビティの内部に嵌まるように構成されており、
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が、偶発的に前記開位置に回転するのを防止するロックボタンを有する、カプセル。
【請求項2】
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、連結されて円筒形本体を形成している、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記円筒形本体は長手方向軸を有し、前記開位置と閉位置との間の回転は、前記長手方向軸回りに行なわれる、請求項2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、一緒にツイストロックされている、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項5】
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が外周フランジを有し、前記上側ハウジングおよび下側ベースの他方が、前記上側ハウジングおよび下側ベースを一緒に固定するように前記
外周フランジに解放可能に係合するための弾性フィンガを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が、前記
乱流吐出装置内のキータブを嵌合受容して前記キャビティ内の前記
上側ハウジング
および下側ベースを配向させるキースロットを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
前記皿および前記下側ベースの前記穿孔は、孔またはスロットである、請求項1~6のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項8】
前記皿の前記穿孔は、前記皿の表面に対称的に位置決めされている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項9】
前記下側ベースの前記穿孔は、前記下側ベースの表面に対称的に位置決めされている、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項10】
前記皿の前記穿孔は、前記皿の表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項11】
前記下側ベースの前記穿孔は、前記下側ベースの表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされる、請求項1~7および10のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項12】
前記下側ベースは、前記上側ハウジングの側壁の周りに延在する側壁を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項13】
溶液を苛性固体製品から生成する乱流吐出装置であって、
内部にあるキャビティおよび前記キャビティ内に穿孔棚を有するハウジングと、
前記キャビティ内に嵌まるように構成され、前記苛性固体製品を収容する、請求項3に記載のカプセルと、
前記カプセルが前記開位置にあるときに流体を前記キャビティ内に導入する流体導管と、を備える、乱流吐出装置。
【請求項14】
前記カプセルの前記上側ハウジングおよび前記下側ベースは、前記苛性固体製品を前記カプセル内に装填するために分離可能である、請求項13に記載の乱流吐出装置。
【請求項15】
前記
穿孔棚は、前記カプセルを前記キャビティ内で支持する、請求項13又は14に記載の乱流吐出装置。
【請求項16】
前記
穿孔棚および前記下側ベースは、前記キャビティ内で一緒にキーで結合されて、前記下側ベースに対する前記カプセルの前記上側ハウジングの回転を可能にする、請求項13~15のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
【請求項17】
前記
穿孔棚および前記下側ベースは、一体となって1つの隙間のない構成要素を形成する、請求項13~16のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
【請求項18】
前記乱流吐出装置は噴霧ノズルを含まない、請求項13~17のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
【請求項19】
製品化学物質を苛性固体製品から取得する方法であって、
前記苛性固体製品を収容している、請求項1~12のいずれか一項に記載のカプセルを提供することと、
前記カプセルを乱流吐出装置内のキャビティ内に取り付けることと、
前記上側ハウジングおよび前記下側ベースの一方を互いに対して回転させて前記開位置にすることと、
流体が前記穿孔を通って流れるように導入して、前記苛性固体製品を侵食させて溶液を前記苛性固体製品および前記流体から生成することと、
前記カプセルの前記回転可能な部分を偶発的な回転に備えてロックすることと、を含む、方法。
【請求項20】
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、同軸構造で入れ子になっており、前記回転は、前記入れ子になっている部分の長手方向軸回りに行なわれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記回
転は、前記カプセルが前記キャビティ内に取り付けられた後に行なわれる、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記回
転は、前記カプセルが前記キャビティ内に取り付けられる前に行なわれる、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記穿孔は、前記カプセル内の前記苛性固体製品の下にある、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記カプセルは円筒形であり、前記回転は、前記カプセルの長手方向軸回りに行なわれる、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
オペレータは、前記苛性固体製品に曝されることなく前記カプセルを取り扱う、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月11日に出願された米国仮特許出願第62/544,413号に関する優先権を合衆国法典35巻第119条の下で主張する。この仮特許出願は、本明細書、特許請求の範囲、および要約、ならびにあらゆる図、表、付録、または図面を含むが、これらに限定されない、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、苛性物質調合剤とすることができる固体化学物質製品の溶液を吐出する吐出装置および操作方法に関する。より詳細には、排他的ではないが、本発明は、固体製品を安全かつ容易に溶解または侵食させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クリーニングおよび殺菌に使用される液体洗剤のような液体溶液への固体製品の溶解パラメータは、溶解プロセスの動作パラメータおよび入力に基づいて変化する。液体を固体製品に噴霧して固体製品を液体溶液に溶かすことは、1つの手法である。この手法の場合、動作パラメータは、固体製品と噴霧ノズルとの間の距離、および固体製品に噴霧される液体の圧力および温度の変化のような、吐出装置内の特性に基づいて部分的に変化する。ノズルの流量、噴霧パターン、噴霧角度、およびノズル流の変化も動作パラメータに影響を与え、それにより、結果的に得られる液体溶液の濃度の化学的性質、有効性、および効率に影響する可能性がある。さらに、噴霧による固体製品の溶解は普通、ノズル噴霧パターンが展開して、槽が溶解した製品を収集するために吐出装置内に追加のスペースを必要とし、これにより吐出装置がより大型になる。
【0004】
乱流技術を使用した吐出システムは最近、より硬い固体化学物質ブロックを利用し始めており、これにより、吐出装置の内部の濃縮能力が低くなっている。乱流技術の場合、浸漬深さ、偏平円盤から製品までの高さ、マニホールド拡散器の穿孔数、孔サイズまたはスロットサイズ、孔レイアウトまたはスロットレイアウト、水温、水圧などのような、吐出装置から出て行く溶液の濃度を制御する様々な調整オプションが存在する。しかしながら、これらの調整レベルには限界がある。例えば、拡散器の穿孔は、吐出装置の耐用年数にわたって乾燥した化学物質を捕捉するように、最小直径にしか形成することができない。また、固体化学物質ブロックの表面を完全に覆って、均一な侵食を実現するために必要な最小数の穿孔がある。乱流技術プラットフォームは、有害物質上の苛性より形成されるブロックを含むより困難な固体ブロックへの対策を講じてきた。これらのブロックを取り扱い、およびブロックに吐出することがますます困難になるにつれて、安全性の境界が重要な要素になってきている。
【0005】
カプセルは、固体化学物質を封止するために使用されることでよく知られている。しかしながら、カプセルは、プラスチック収縮包装圧縮化学物質と比較して、封止の追加コストおよび追加の処理時間がかかる。しかしながら、カプセルまたは他のタイプのボトルおよび保管容器は、特に有害固体化学物質に使用される場合に安全であるという利点を提供する。例えば、カプセルは通常、キャップおよび/または収縮包装で密閉されて、輸送中に化学物質が確実に漏れないようにする。また、カプセルは通常、上部にキャップを付けて保管および輸送されて、化学物質の全てを封じ込めるのにさらに役立つ。使用中、カプセルは、乱流吐出装置内に取り付ける前に反転されて、噴霧ノズルが水または液体をカプセルに上向きに導入して固体化学物質を侵食させることにより、濃縮溶液を生成することができるようにする。キャップを取り外す必要があるので、取り付け作業によりユーザが化学物質に曝される場合があることにより、カプセルの内部の粉末または固体物質が漏れ出して、ユーザに怪我または損傷を負わせる可能性がある。
【0006】
したがって、当技術分野では、乱流技術を利用して、オペレータに対する危険を伴うことなく、濃縮溶液を苛性固体化学物質製品から安全に生成する方法および装置に関する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の主な目的、特徴、および/または利点は、従来技術の不具合を改善および/または克服する装置および方法を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的、特徴、および/または利点は、流体を利用して苛性物質により形成される固体化学物質ブロックを侵食させることにより、所望の吐出濃度を有する溶液を生成する乱流技術および装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、乱流技術における苛性物質の安全な取り扱いを可能にする方法および装置を提供することにある。
【0010】
本発明の固体化学物質カプセルは、乱流技術とともに使用して、圧縮苛性剤のような有害化学物質の安全な取り扱い、および使用を可能にすることを意図している。カプセルは噴霧ノズルよりも、噴霧ノズルが完全な噴霧コーンを形成する必要がないので、封止高さが低くて済むことにより、カプセルの形状およびサイズに起因する格納スペースおよび出荷コストを節約しながら、または最小限に抑えながらユーザが濃縮化学物質に曝されることを無くす。
【0011】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、多種多様な用途にわたって使用可能な方法および装置を提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、費用効果の高い方法および装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、信頼性があり、耐久性があり、長い耐用年数を有する装置を提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、容易に製造する、取り付ける、補修する、分解する、保管する、および洗浄することができる装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、審美的に好ましい装置を提供することにある。
【0016】
以下の説明は、本明細書において開示される態様および/または実施形態のリストを提供し、本開示全体を限定するものではない。本開示を読み取ることにより理解されるように、本明細書において開示される実施形態のいずれも、他の実施形態と全て、または部分的に組み合わせることができると想到される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示の幾つかの態様によれば、乱流吐出装置により溶解および吐出される苛性固体製品を格納するカプセルは、互いに連結されて苛性固体製品を保持するチャンバを形成する上側ハウジングおよび下側ベースと、チャンバの内部にあって穿孔を有する皿と、を含む。下側ベースも穿孔を有する。上側ハウジングおよび下側ベースは、皿の穿孔が下側ベースの穿孔と位置ずれしている閉位置と、皿の穿孔が下側ベースの穿孔と位置合わせされている開位置との間で互いに対して回転可能である。連結された上側ハウジングおよび下側ベースは、製品が溶解して溶液を生成する吐出装置内のキャビティの内部に嵌まるように構成される。
【0018】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースは、互いに連結されて円筒形本体を形成する。
【0019】
本開示の追加の態様によれば、円筒形本体は長手方向軸を有し、開位置と閉位置との間の回転は長手方向軸回りである。
【0020】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースは一緒にツイストロックされる。
【0021】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースの一方は外周フランジを有し、上側ハウジングおよび下側ベースの他方は、フランジに解放可能に係合して上側ハウジングおよび下側ベースを一緒に固定する弾性フィンガを有する。
【0022】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースの一方は、偶発的に開位置に回転するのを防止するロックボタンを有する。
【0023】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースの一方は、吐出装置内のキータブを嵌合受容してキャビティ内のハウジングを配向させるキースロットを含む。
【0024】
本開示の追加の態様によれば、皿および下側ベースの穿孔は、孔またはスロットである。
【0025】
本開示の追加の態様によれば、皿の穿孔は、皿の表面に対称的に位置決めされる。
【0026】
本開示の追加の態様によれば、下側ベースの穿孔は、下側ベースの表面に対称的に位置決めされる。
【0027】
本開示の追加の態様によれば、皿の穿孔は、皿の表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされる。
【0028】
本開示の追加の態様によれば、下側ベースの穿孔は、下側ベースの表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされる。
【0029】
本開示の追加の態様によれば、皿は、上側ハウジングの側壁内に嵌まる側壁を含む。
【0030】
本開示の追加の態様によれば、下側ベースは、上側ハウジングの側壁の周りに延在する側壁を含む。
【0031】
本開示の他の態様によれば、溶液を固体化学物質製品から生成する乱流吐出装置は、ハウジング内のキャビティおよびキャビティ内の穿孔棚を有するハウジングと、キャビティ内に嵌まるように構成され、固体化学物質製品を収容するカプセルと、カプセルが開位置にあるときに流体をキャビティ内に導入する流体導管と、を含む。カプセルは、開位置と閉位置との間で互いに対して回転可能な上側部材および下側部材を含み、カプセルが開位置にあるときに棚穿孔と位置合わせされ、カプセルが閉位置にあるときに棚穿孔からずれる穿孔を有する。
【0032】
本開示の追加の態様によれば、上側部材および下側部材は、固体化学物質製品をカプセル内に装填するために分離可能である。
【0033】
本開示の追加の態様によれば、棚はカプセルをキャビティ内で支持する。
【0034】
本開示の追加の態様によれば、棚および下側部材は、キャビティ内で互いにキーで結合されて、下側部材に対する上側部材の回転を可能にする。
【0035】
本開示の追加の態様によれば、棚および下側部材は一体となって、1つの固体構成要素を形成する。
【0036】
本開示の追加の態様によれば、乱流吐出装置は噴霧ノズルを含まない。
【0037】
本開示の他の態様によれば、製品化学物質を有害固体製品から取得する方法は、有害固体製品を収容する密閉カプセルを提供することと、密閉カプセルを乱流吐出装置内のキャビティ内に取り付けることと、カプセルの一部を回転させて、カプセル内の穿孔を開くことと、流体がカプセル穿孔内を流れるように導入して、固体製品を侵食させて溶液を固体製品および流体から生成することと、を含む。
【0038】
本開示の追加の態様によれば、カプセルは、互いに対して回転可能な上側ハウジングおよび下側ベースを有し、回転ステップでは、上側部分および下側部分の一方を回転させる。
【0039】
本開示の追加の態様によれば、上側ハウジングおよび下側ベースは、同軸構成で入れ子になっており、回転は、入れ子になっている部分の長手方向軸回りに行なわれる。
【0040】
本開示の追加の態様によれば、回転ステップは、カプセルをキャビティ内に取り付けた後に行なわれる。
【0041】
本開示の追加の態様によれば、回転ステップは、カプセルをキャビティ内に取り付ける前に行なわれる。
【0042】
本開示の追加の態様によれば、穿孔はカプセル内の固体製品の下にある。
【0043】
本開示の追加の態様によれば、方法は、カプセルの回転可能な部分を偶発的な回転に逆らってロックすることをさらに含む。
【0044】
本開示の追加の態様によれば、カプセルは円筒形であり、回転は、カプセルの長手方向軸回りに行なわれる。
【0045】
本開示の追加の態様によれば、オペレータは有害固体製品に曝されることなくカプセルを取り扱う。
【0046】
本発明のこれらのおよび/もしくは他の目的、特徴、ならびに利点は、当業者には、添付の図面を伴う例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになり、図面において同じ参照番号は、様々な図における同様の構成要素に関して使用される。本発明は、これらの目的、特徴、および利点に限定されない、またはこれらの目的、特徴、および利点により限定されるものではない。単一の実施形態が、各目的、特徴、または利点、および全ての目的、特徴、または利点を提供する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明による乱流技術吐出装置の1つの実施形態の斜視図である。
【
図2】本発明による苛性製品カプセルを含む吐出装置の内部構成要素の幾つかを示す吐出装置の断面図である。
【
図3】
図1の吐出装置内で使用される苛性固体物質または有害固体物質を収容するカプセルの斜視図である。
【
図5A】
図3の線5.5に沿ったカプセルの断面図である。
【
図5B】
図5Aに提示されるカプセルの代替実施形態の断面図であり、円形孔が競技場形状のスロットに置き換えられている。
【
図7】出荷、取り扱い、および保管用の閉位置にあるカプセルの上平面図である。
【
図8】吐出装置内で使用される開位置にあるカプセルの平面図である。
【0048】
本開示の様々な実施形態が図面を参照して詳細に説明されることになり、同様の参照番号は、幾つかの図を通して、同様の構成要素を表わしている。様々な実施形態への言及は、本開示の範囲を限定しない。本明細書において提示される図は、本開示による様々な実施形態に対する限定ではなく、本開示の例示的な説明のために提示される。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明に使用される吐出装置10の例示的な実施形態を示している。しかしながら、他のタイプおよび構成の吐出装置を本発明に使用することができ、吐出装置10の説明および図は限定的ではないことに留意されたい。吐出装置10は、水などの流体と単独で組み合わせた、または水および空気を組み合わせた固体製品化学物質を保持して製品化学物質溶液を生成するように構成されている。例えば、固体製品化学物質を液体と混合して、洗浄用洗剤溶液を生成することができる。
【0050】
幾つかの実施形態によれば、吐出装置10は、液体を単独で、またはガスと一緒に固体製品と相互作用させて、最終使用用途に望ましい濃度を有する製品化学物質を形成することにより機能する。以下に説明するように、液体は、固体製品の底面または他の表面に導入することができる。
【0051】
したがって、本発明の吐出装置10は、固体製品または環境条件のような制御できない別の条件のいずれかの特性に基づいて、手動で、またはリアルタイム(すなわち、自動的に)のいずれかで調整可能な新規の乱流制御または流動方式制御を含む。特性は、固体製品の密度、液体の温度または圧力、吐出装置または固体製品が置かれている部屋の気候(湿度、温度、気圧など)、使用される液体流体のタイプ、使用される固体製品の数、またはこれらの幾つかの組み合わせとすることができる。吐出装置10は、既存の流動方式または乱流の特性などを調整することができる。調整は、固体製品の特性と侵食量との既知の関係、ならびに異なるタイプの乱流と固体製品の侵食量との関係の利用に基づいて行なうことができる。
【0052】
説明したように、乱流または流動特性/方式は、固体化学物質の特性(複数可)と吐出量との既知の関係に基づいて調整することができる。例えば、液体温度変化の1度の変化当たりの製品吐出の量変化を理解することにより、乱流を調整して温度変化の影響を打ち消すことができる。濃度は、侵食量または吐出量と特性または乱流のいずれかとの既知の関係に従って調整することができる。
【0053】
例示的な実施形態によれば、
図1の吐出装置10は、ハンドル16をその上に有する前方ドア14を備えるハウジング12を含む。前方ドア14は、前方操作パネル22にヒンジ20を介して枢動可能に接続される。これにより、前方ドア14をヒンジ20の回りに回転させて、吐出装置10のハウジング12内に近づくことができる。また、前方ドア14は、窓18を前方ドア内に含み、オペレータがハウジング12に収容されている固体製品を見ることができる。一旦、収容されている製品がある程度侵食されているように見えたら、前方ドア14をハンドルで開いて、オペレータは固体製品を侵食されていない新しい製品に取り替えることができる。
【0054】
前方操作パネル22は、製品IDラベルを張るための製品ID窓24を含むことができる。製品ID窓24により、オペレータは、ハウジング12内に収容されている製品のタイプを迅速に判断することができ、製品の取り替えが迅速かつ効率的に行われる。IDラベルは、健康リスク、製造情報、最終取り替え日などのような他の情報を含むこともできる。吐出装置は、ボタン、スイッチ、またはタッチ感応パッドのような様々な手段で作動させることができる。例えば、1つの実施形態では、プッシュボタン26を前方操作パネル22に取り付けて吐出装置10を作動させる。ボタン26は、ボタンの押圧または押下により吐出装置10が作動して、固体製品および液体により生成される所定量の製品化学物質溶液を出口58から放出するようなばね付勢式ボタンとすることができる。このように、ボタン26を事前に設定して、ボタンを押すたびに所望の量を吐出することができるか、またはボタンが押下されている状態で所定量の製品化学物質を放出し続けることができる。
【0055】
前方操作パネル22に接続されているのは後方容器28であり、後方容器28は、吐出装置10の上部、側部、および後部を概ね覆っている。後方容器28を取り外して、吐出装置10の内部に近づくこともできる。取り付けプレート30は、吐出装置10の後部に位置決めされ、吐出装置を壁または他の構造に取り付ける手段を含む。例えば、吐出装置10は、取り付けプレート30に取り付けられるねじ、フック、または他の吊り下げ手段で壁に取り付けることができる。
【0056】
吐出装置10のハウジング12の構成要素は、成形プラスチックまたは他の材料とすることができ、窓18は、透明ポリプロピレンなどのような透明プラスチックとすることができる。ハンドル16は、前方ドア14に接続することができ、前方ドア14から切り離すことができる。さらに、逆流防止装置62を後方容器28に、または後方容器28内に位置決めして、製品化学物質の逆流を防止することができる。
【0057】
固体製品は、壁40で取り囲まれるキャビティ38内に載置される。固体製品化学物質は支持部材50の上に載置され、支持部材50はインターロックワイヤを含む製品格子であることが示されている。水などの液体は、吐出装置10の底面の液体入口32を介して吐出装置10に接続される。液体はボタン26に接続されて、ボタンを押すと液体が吐出装置10内に流れ込んで、製品化学物質と接触するようになる。液体は液源34内を、器具分割体36を介して流れる。図示のように、液源は、異なる流路用の2流路液源である。流路群の各流路は、液体を所望の量で適切に分配する流れ制御部(図示せず)を含む。この流れ制御部を変更して固体製品と接触する液体の乱流を変更し、乱流を特性に基づいて調整して、形成される製品化学物質を許容濃度範囲内に維持することができる。例えば、液体は、液源34内を流れて液源ノズル44から流れ出すことができる。液源ノズル44は、偏平円盤部材としても知られるマニホールド拡散部材46に隣接して位置決めされ、液体ノズル44から流れ出す液体がマニホールド拡散部材46のマニホールド拡散ポート内を流れるようになる。
【0058】
さらに、本発明は、支持部材50の上に位置決めされた状態の製品化学物質を完全に沈める、部分的に沈める、または全く沈めなくてもよいことを想定する。浸水水位は、または浸水しないかは、製品の化学物質、所望の濃度、化学物質を侵食させるために使用される流体、吐出装置の使用頻度、さらに他の要素を含むがこれらに限定されない、多くの要素に依存する可能性がある。例えば、水が侵食要素として通常使用される場合、製品化学物質の下部の約4分の1インチを沈めて、化学物質の侵食量を制御し易くすることが好ましいことが判明している。これにより、製品を使用しているときの製品の侵食がより均一になって、廃棄する、またはその他には、無駄になってしまう半端な量の製品が残る可能性が低くなる。
【0059】
液体は、ほぼ上向き方向に流れ続けて、製品格子50で支持される固体製品の一部分または複数部分に接触するようになる。液体および固体製品を混合することにより、固体製品を侵食させることになり、これにより固体製品の一部が、液体中に溶解して製品化学物質を形成するようになる。この製品化学物質は、普通、直立壁と、マニホールド拡散部材46を構成する底部床と、を有するカップ状部材である製品化学物質回収器56に収集される。製品化学物質は、製品化学物質が製品化学物質回収器56を構成する壁の高さで決まるオーバーフローポート52の水位に達するまで、製品化学物質回収器56内で上昇し続ける。幾つかの態様および/または実施形態によれば、製品化学物質回収器56は、マニホールド拡散部材46およびマニホールド拡散部材から上方に延在する壁により形成される。壁の高さが、オーバーフローポート52の位置を決定する。製品化学物質は、オーバーフローポート52内から漏れ出して、または流れ出して、この場合は漏斗である回収ゾーン42に流れ込む。液源34は、希釈液ノズル60で終端する第2経路を含む。したがって、より多量の液体を回収ゾーン42内の製品化学物質に追加して製品化学物質をさらに希釈することにより、許容範囲内の濃度を有する製品化学物質が得られる。
【0060】
吐出装置10の他の構成要素は、回収ゾーン42の上部の周りにほぼ位置決めされる飛散防止ガード54を含む。飛散防止ガード54は、回収ゾーン42内の製品化学物質が回収ゾーン42の外部にこぼれるのを防止する。
【0061】
液源34は、希釈液ノズルで終端する第2経路を含む。したがって、より多量の液体を回収ゾーン42内の製品化学物質に追加して製品化学物質をさらに希釈することにより、許容範囲内の濃度を有する製品化学物質が得られる。
【0062】
吐出装置10の他の構成要素は、回収ゾーン42の上部の周りにほぼ位置決めされる飛散防止ガードを含む。飛散防止ガードは、回収ゾーン42内の製品化学物質が回収ゾーン42の外部にこぼれるのを防止する。
【0063】
吐出装置10は、加圧空気をシステムに導入して、固体化学物質ブロックを溶解するために使用される水を部分的に置換することができ、溶液をより高い濃度レベルにすることができる。空気の使用により、システムは衝突のための圧力を維持することができる。空気はまた、固体ブロックの噴霧領域を維持するとともに、溶液の生成に必要な水量を減少する。また、ガスまたは空気は、システムから排出されるため、最終的な化学物質溶液の一部とはならない。また、空気の使用により、マニホールドの穿孔での捕捉もしくは目詰まりを無くすか、または少なくとも最小限に抑えることができる。
【0064】
空気および水の使用は、吐出装置10に構造的形態の劇的な変化を強いることなく、溶液の濃度調整可能性の制限を解決し易くすることができる。本発明は、空気を給水管に導入して液体量を置換する。空気は、空気の侵食作用が完了すると空気がシステムから直ぐに出て行くように、システムが噴霧圧力/噴霧量を維持し易いように助ける。
【0065】
吐出装置10は配線されて、ハウジング12の内部に給電される。吐出装置10は、電動空気ポンプまたはガスポンプを含むことができる。これらのポンプは、空気配管(明瞭性を期して図示せず)が取り付けられるニップルを含む。空気配管は、単一配管でも、複数の配管に分割していてもよく、配管箇所または連結器と接続して空気をキャビティ38に導入することができる。このように、液源34からの水のような液体は、ポンプからの空気のような気体と組み合わされて、固体化学物質ブロックを効果的に溶解させて濃縮溶液に生成する。ボタン26を押すことにより吐出装置10が作動すると、液体がシステム内に流れ込み始める。ポンプは、ボタン26を押すと同時に作動させることができる、またはあるいは、ポンプの遅延回路を利用して、空気をシステム内に導入する前に、確実に水路を形成することができる。
【0066】
空気を液体と組み合わせて固体化学物質ブロックを溶解させることにより、溶液濃度を、水のみを使用した乱流吐出装置よりも2~3倍濃くすることができる。また、水量は、空気の追加により少なくとも25%減らすことができ、これにより、オペレータはコストを節約することができる。
【0067】
このように、非圧縮性液体および圧縮性ガスを組み合わせて固体化学物質ブロックを均一に溶解させる、または侵食させることにより、液体およびガスを組み合わせることなくして実現することができない利点が得られる。
【0068】
本発明は、
図4~
図9に最も良く示されているカプセル110をさらに含み、カプセル110は、吐出装置10内で使用される固体化学物質製品を収容する。カプセル110は、化学物質に曝された場合にユーザに健康上の危険をもたらす苛性化学物質または他の有害化学物質に理想的に適合する。
【0069】
より詳細には、カプセル110は、全体的に円筒形の形状を有し、
図4および
図5に最も良く示されているように、3つの入れ子になった構成要素により構成される。これらの構成要素は、固体製品を収容する上側ハウジング112と、中間皿114と、下側ベース116と、を含む。図面では、棚118は、カプセル110を支持する吐出装置10の内側部材である。中間皿部材114は、側壁120および穿孔床122を有する。同様に、下側ベース116は、側壁124および穿孔床126を有する。棚118は、穿孔上部130を備える側壁128を有する。
図5に示すように、中間皿114の壁120は、上側ハウジング112の側壁132内に嵌まり、下側部材116の側壁124は、上側ハウジング112の側壁132の周りに延在している。棚118は、第2中間部材116の側壁124内に嵌まってカプセル110を支持する。あるいは、本開示は、下側ベース116および棚118が一体となって1つの固体構成要素形成することができることを想到する。上側ハウジング112および下側ベース116は、互いに対して、開位置と閉位置との間で回転可能である。開位置では、
図5に示すように、床122、126、および130の穿孔が位置合わせされて流体が上方に噴霧され、製品を溶解させることができる。閉位置では、床122および126の穿孔は位置ずれして製品が穿孔から流れ出すのを防止する。
【0070】
上側容器112は、一連の切り欠き136を有する外周フランジ134を含む。下側ベース116は、複数の弾性フィンガまたはロッキングタブ138を有し、各弾性フィンガまたはロッキングタブは、容器112の外周フランジ134に係合保持するように適合された上側フックを有する。切り欠き136により、タブのフックは切り欠きを上方に通過することができ、上側ハウジング112および下側部材116の組み立て中にタブに過度の圧力を加えない。次に、下側部材116をねじって、または回転させて、上側ハウジング112にロックすることができる。あるいは、ハウジング112およびベース116は、フックおよび外周フランジを介して互いにスナップ嵌合することができる。下側ベース116は、直立ロッキングタブ140をさらに有する。上側ハウジング112は、約30°離間される一対のストップ(図示せず)を有する。タブ140はストップの間にあって、上側ハウジング112の回転をいずれの方向にもほぼ30°にタブ140との接触により制限する。棚118は、側壁128から半径方向外向きに延在するキー142を有し、キー142は、下側ベースのスロットまたは凹部143に嵌まるように適合されて、上側ハウジング112の回転を依然として可能にしながら、カプセル110を吐出装置10に正しく嵌め込むことを保証する。
【0071】
ハウジング112の上部は、ハンドルを画定する1つ以上のクロス部材146を備える開口部144を有する。ハンドルは、折り畳み可能なハンドルを含む形態の他の形状を採ってもよいことが理解される。
【0072】
ハウジング112はまた、吐出装置の作動中に流体によりハウジング112内の化学物質ブロック製品が溶解することにより形成される溶液の排出を可能にする複数の開口部を有する。
【0073】
カプセル110を反転させて吐出装置10のキャビティ内に装填する場合、床122、126、および130の孔またはスロットのような穿孔148は、吐出装置10の水噴霧構成要素に隣接している。床122、126、130の穿孔148は、円形(
図5Aに示す)、楕円形、競技場形状(
図5Bに示す)、部分円(半円のような)、矩形、三角形、不規則多角形、円錐形、任意の他の既知の形状、または前述の形状のいずれかの組み合わせを形成することができる。カプセル110が吐出装置10に取り付けられる場合、キー142は、下側部材116の穿孔を棚118の穿孔と位置合わせする。カプセル110がキャビティ内に挿入された後、ハンドル146で上側ハウジング112の向きを変えて、または上側ハウジング112を回転させて、カプセル110を、穿孔が位置ずれした状態の閉位置から、穿孔の全てが位置合わせされた状態の開位置に移動させることができる。次に、水を開口部から噴霧して、容器112内の製品を溶解または侵食させることができる。カプセル110が吐出装置10から取り出される前に、上側ハウジング112を閉位置に回転させることにより、残留製品が漏れ出すのを防止することができ、かつユーザが濃縮化学物質に新たに接触することができないように保証することができる。ロックは、カプセル110がキャビティ38内にないときに、偶発的な回転を防止する。
【0074】
好ましくは、固体化学物質製品は、容器112内に封止する前に収縮包装される。カプセル110がキャビティ38内に取り付けられた後、収縮包装プラスチックは水または他の液体に曝されることにより溶解する。
【0075】
本開示の態様による吐出装置10はまた、インテリジェント制御および通信構成要素のような構成要素を含むことができる。このようなインテリジェント制御ユニットの例は、タブレット、電話、ハンドヘルド装置、ラップトップ、ユーザディスプレイ、または入力を許可し、オプションを提供し、電子機能の出力を表示することができる概して任意の他のコンピューティング装置とすることができる。入力は、インテリジェント制御ユニットに、タッチスクリーンディスプレイ、複数のノブ、ダイヤル、スイッチ、ボタンなどのような入力装置を介して供給することができる。このようなインテリジェント制御ユニットのさらに別の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または別の適切なプログラマブル装置)およびメモリを含む。また、コントローラは、他の構成要素を含むことができ、レジスタ転送レベル(「RTL」)設計プロセスで開発されるチップのような半導体(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」))チップに部分的に実装するか、または全体を実装することができる。メモリは、幾つかの実施形態では、プログラム格納領域およびデータ格納領域を含む。プログラム格納領域およびデータ格納領域は、リードオンリメモリ(「ROM」、不揮発性メモリの例であり、不揮発性メモリは、電源に接続されていないときにデータを失わないことを意味している)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」、揮発性メモリの例であり、揮発性メモリは、電源に接続されていないときにメモリのデータを失うことを意味している)のような異なるタイプのメモリの組み合わせを含むことができる。揮発性メモリの幾つかの例は、スタティックRAM(「SRAM」)、ダイナミックRAM(「DRAM」)、シンクロナスDRAM(「SDRAM」)などを含む。不揮発性メモリの例は、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカードなどを含む。幾つかの実施形態では、プロセッサ、マイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラのような処理ユニットは、メモリに接続されて、メモリのRAM(例えば、実行中に)、メモリのROM(例えば、略永続的に)、または別のメモリもしくはディスクのような別の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納することができるソフトウェア命令を実行する。
【0076】
通信モジュールは、吐出装置に含めることができ、コンピュータ、タブレット、サーバ、または他のコンピューティング装置のような別のコントローラに接続し、かつ別のコントローラと通信するように構成することができる。これにより、吐出装置は、吐出装置に関連するデータまたは他の情報(例えば、警告、状態、通知など)を遠く離れた場所にある追加コントローラに供給して、吐出装置に関するリアルタイム情報および格納情報を与えることができる。この情報は、吐出装置に関連する問題を突き止め、情報を予測し、またはその他には、情報を追跡するために使用することができる。通信は、通信が遠く離れた場所から吐出装置へのコマンドを含むことができるような入力形式とすることもできる。
【0077】
幾つかの実施形態では、吐出装置は、補助装置(他の吐出装置またはリモートコントローラ)との通信を行なう第1通信モジュール、および/または中央ロケーション(サーバ、コンピュータ、または他のマスターコントローラ)との通信を行なう第2通信モジュールを含む。簡潔性を期して、本明細書における「communications module(通信モジュール)」という用語は、モバイルリーダおよび中央ロケーションの両方と通信するように個々に、または集合的に動作可能な1つ以上の通信モジュールに適用される。
【0078】
通信モジュールは、中央ロケーションとの通信を、ネットワークを介して行なう。幾つかの実施形態では、ネットワークは、ほんの一例として、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)(例えば、全地球測位システム(「GPS」)、TCP/IPベースネットワーク、例えばモバイル通信用グローバルシステム(「GSM」)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(「GPRS」)ネットワーク、符号分割多元接続(「CDMA」)ネットワーク、エボリューションデータ最適化(「EV-DO」)ネットワーク、GSMエボリューション用エンハンスデータレート(「EDGE」)ネットワーク、3GSMネットワーク、4GSMネットワーク、デジタルエンハンストコードレス遠距離通信(「DECT」)ネットワーク、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)ネットワーク、または統合デジタルエンハンストネットワーク(「iDEN」)などのようなセルラーネットワーク)であるが、他のネットワークタイプが可能であり、本明細書において想到される。特定の実施形態では、ネットワークは、これに限定されないが、洗浄機が窓の近くにある場合のような、低品質の接続の瞬間に通信モジュールと中央ロケーションとの間の通信を可能にするように動作可能なGSMまたは他のWAMである。
【0079】
ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、近隣エリアネットワーク(「NAN」)、ホームエリアネットワーク(「HAN」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN」)、エンタープライズプライベートネットワーク(「EPN」)、仮想プライベートネットワーク(「VPN」)、またはWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、近距離無線通信(「NFC」)、TCPベースプロトコル(伝送制御プロトコル)、UDPベースプロトコル(ユーザデータグラムプロトコル)などのような様々な通信プロトコルのいずれかを用いたパーソナルエリアネットワーク(「PAN」)とすることができるが、他のタイプのネットワークが可能であり、本明細書において想到される。通信モジュールまたはコントローラによるネットワーク経由の通信は、ポートベースネットワークセキュリティ、事前共有鍵、拡張認証プロトコル(「EAP」)、Wired Equivalency Privacy(ワイアードエクイヴァレントプライバシー、「WEP」)、Temporal Key Integrity Protocol(テンポラルキーインテグリティプロトコル、「TKIP」)、Wi-Fi Protected Access(ワイファイプロテクテッドアクセス、「WPA」)などのIEEE802.1規格で提供されるこれらの技術のような1つ以上の暗号化技術を使用して保護することができる。
【0080】
通信モジュールとネットワークとの間の接続は無線であり、コンピュータまたは他の外部処理装置に物理的に繋ぐことなく可動洗浄機を自由に移動および操作して、このような通信を容易にすることができる。このような通信様式が少なくともこの理由から好ましいが、通信モジュールとネットワークとの間の接続は、代わりに有線接続(例えば、通信モジュールのドッキングステーション、通信モジュールおよびコンピュータもしくは他の外部処理装置、または他の通信インターフェースハードウェアを取り外し可能に接続する通信ケーブル)とするか、または無線接続および有線接続の組み合わせとすることができると想到される。同様に、コントローラとネットワークまたはネットワーク通信モジュールとの間の接続は、有線接続、無線接続、または直ぐ前に説明した方式のいずれかの方式の無線接続および有線接続の組み合わせである。幾つかの実施形態では、コントローラまたは通信モジュールは、データを転送、受信、または格納する1つ以上の通信ポート(例えば、イーサネット(登録商標)、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(「SATA」)、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、統合ドライブエレクトロニクス(「IDE」)など)を含む。
【0081】
通信モジュールは、バッテリ、バッテリパック、または有線電源(例えば、AC電源ソケットまたは他の電源)などの専用電源で作動することができる。本発明の幾つかの態様では、通信モジュールは、バッテリからまたは有線電源からのように、吐出装置の電源と同じ電源で作動することができる。さらには、通信モジュールは、無線でまたはイーサネット(登録商標)経由の電源によって作動することができると想到される。
【0082】
中央ロケーションは、中央に配置されるコンピュータ、コンピュータ群のネットワーク、または中央に配置される1つ以上のサーバを含むことができる。中央ロケーションは、1つ以上の吐出装置10からのデータを格納、解釈、および伝達するように適合させることができ、データを解釈し、解釈したデータをユーザに伝達することもできる。
【0083】
これまでの説明は、例示及び説明の目的で提示され、網羅的なリストを意図するものではなく、または本発明を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。当業者にとって明らかな他の代替プロセスおよび構造は、本発明で考慮されるべきであることが想到される。
【0084】
これまでのことから、本発明が、目的の状態の少なくとも全てを達成していることが分かる。
【0085】
参照番号のリスト
以下の参照番号は、本開示の理解および吟味を容易にするために提供されており、網羅的なリストではない。そうすることが可能であるとすると、番号で特定される要素は、別の番号で特定される任意の要素に置き換えることができるか、または任意の要素と組み合わせて使用することができる。また、番号は、本明細書において提供される記述子に限定されず、同じ機能を保有する同等の構造および他の物体を含む。
10 吐出装置
12 ハウジング
14 前方ドア
16 ハンドル
18 窓
20 ヒンジ
22 前方操作パネル
24 製品ID窓
26 ボタン
28 後方容器
30 取り付けプレート
32 液体入口
34 液源
36 器具分割体
38 キャビティ
40 壁
42 回収ゾーン
44 液源ノズル
46 マニホールド拡散部材
50 支持部材
52 オーバーフローポート
54 飛散防止ガード
56 製品化学物質回収器
58 出口
60 希釈ノズル
62 逆流防止装置
110 カプセル
112 上側ハウジング
114 中間皿部材
116 下側ベース
118 棚
120 側壁
122 穿孔床
124 側壁
126 穿孔床
128 側壁
130 穿孔上部
132 側壁
134 外周フランジ
136 切り欠き
138 弾性フィンガまたはロッキングタブ
140 直立ロッキングタブ
142 キー
143 スロットまたは凹部
144 開口部
146 クロス部材
148 孔またはスロットのような穿孔
【0086】
本開示は、本明細書において説明される特定の実施形態に限定されない。これまでの詳細な説明は、本開示を実施するための少数の実施形態に関するものであり、範囲を限定することを意図するものではない。以下の特許請求の範囲は、本開示の複数の実施形態をより詳細に明記している。以下の項目[1]~[29]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
乱流吐出装置により溶解および吐出される苛性固体製品を格納するカプセルであって、前記カプセルは、
互いに連結されて前記苛性固体製品を保持するチャンバを形成する上側ハウジングおよび下側ベースと、
前記チャンバの内部の皿と、を備え、前記皿は穿孔を有し、
前記下側ベースは穿孔を有し、
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、前記皿の前記穿孔が前記下側ベースの前記穿孔と位置ずれしている閉位置と、前記皿の前記穿孔が前記下側ベースの前記穿孔と位置合わせされている開位置との間で互いに対して回転可能であり、
前記連結された上側ハウジングおよび下側ベースは、前記製品が溶解して溶液を生成する前記吐出装置内のキャビティの内部に嵌まるように構成されている、カプセル。
[2]
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、連結されて円筒形本体を形成している、項目1に記載のカプセル。
[3]
前記円筒形本体は長手方向軸を有し、前記開位置と閉位置との間の回転は、前記長手方向軸回りに行なわれる、項目2に記載のカプセル。
[4]
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、一緒にツイストロックされている、項目1~3のいずれか一項に記載のカプセル。
[5]
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が外周フランジを有し、前記上側ハウジングおよび下側ベースの他方が、前記上側ハウジングおよび下側ベースを一緒に固定するように前記フランジに解放可能に係合するための弾性フィンガを有する、項目1~4のいずれか一項に記載のカプセル。
[6]
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が、偶発的に前記開位置に回転するのを防止するロックボタンを有する、項目1~5のいずれか一項に記載のカプセル。
[7]
前記上側ハウジングおよび下側ベースの一方が、前記吐出装置内のキータブを嵌合受容して前記キャビティ内の前記ハウジングを配向させるキースロットを含む、項目1~6のいずれか一項に記載のカプセル。
[8]
前記皿および前記下側ベースの前記穿孔は、孔またはスロットである、項目1~7のいずれか一項に記載のカプセル。
[9]
前記皿の前記穿孔は、前記皿の表面に対称的に位置決めされている、項目1~8のいずれか一項に記載のカプセル。
[10]
前記下側ベースの前記穿孔は、前記下側ベースの表面に対称的に位置決めされている、項目1~9のいずれか一項に記載のカプセル。
[11]
前記皿の前記穿孔は、前記皿の表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされている、項目1~8のいずれか一項に記載のカプセル。
[12]
前記下側ベースの前記穿孔は、前記下側ベースの表面上の全ての軸に対して非対称的に位置決めされる、項目1~8および11のいずれか一項に記載のカプセル。
[13]
前記皿は、前記上側ハウジングの側壁内に嵌まる側壁を含む、項目1~12のいずれか一項に記載のカプセル。
[14]
前記下側ベースは、前記上側ハウジングの側壁の周りに延在する側壁を含む、項目1~13のいずれか一項に記載のカプセル。
[15]
溶液を固体化学物質製品から生成する乱流吐出装置であって、
内部にあるキャビティおよび前記キャビティ内に穿孔棚を有するハウジングと、
前記キャビティ内に嵌まるように構成され、前記固体化学物質製品を収容するカプセルであって、
前記カプセルが、互いに対して開位置と閉位置との間で回転可能な上側部材および下側部材を含み、
前記カプセルが、前記カプセルが前記開位置にあるときに前記棚穿孔と位置合わせされ、前記カプセルが前記閉位置にあるときに前記棚穿孔からずれる穿孔を有する、カプセルと、
前記カプセルが前記開位置にあるときに流体を前記キャビティ内に導入する流体導管と、を備える、乱流吐出装置。
[16]
前記上側部材および下側部材は、前記固体化学物質製品を前記カプセル内に装填するために分離可能である、項目15に記載の乱流吐出装置。
[17]
前記棚は、前記カプセルを前記キャビティ内で支持する、項目15または16に記載の乱流吐出装置。
[18]
前記棚および下側部材は、前記キャビティ内で一緒にキーで結合されて、前記下側部材に対する前記上側部材の回転を可能にする、項目15~17のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
[19]
前記棚および前記下側部材は、一体となって1つの隙間のない構成要素を形成する、項目15~18のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
[20]
前記乱流吐出装置は噴霧ノズルを含まない、項目15~19のいずれか一項に記載の乱流吐出装置。
[21]
製品化学物質を有害固体製品から取得する方法であって、
前記有害固体製品を収容している密閉カプセルを提供することと、
前記密閉カプセルを乱流吐出装置内のキャビティ内に取り付けることと、
前記カプセルの一部を回転させて、前記カプセル内の穿孔を開くことと、
流体が前記カプセル穿孔を通って流れるように導入して、前記固体製品を侵食させて溶液を前記固体製品および前記流体から生成することと、を含む、方法。
[22]
前記カプセルは、互いに対して回転可能な上側ハウジングおよび下側ベースを有し、前記回転ステップでは、前記上側部分および下側部分の一方を回転させる、項目21に記載の方法。
[23]
前記上側ハウジングおよび下側ベースは、同軸構造で入れ子になっており、前記回転は、前記入れ子になっている部分の長手方向軸回りに行なわれる、項目22に記載の方法。
[24]
前記回転ステップは、前記カプセルが前記キャビティ内に取り付けられた後に行なわれる、項目21~23のいずれか一項に記載の方法。
[25]
前記回転ステップは、前記カプセルが前記キャビティ内に取り付けられる前に行なわれる、項目21~24のいずれか一項に記載の方法。
[26]
前記穿孔は、前記カプセル内の前記固体製品の下にある、項目21~25のいずれか一項に記載の方法。
[27]
前記カプセルの前記回転可能な部分を偶発的な回転に備えてロックすることをさらに含む、項目21~26のいずれか一項に記載の方法。
[28]
前記カプセルは円筒形であり、前記回転は、前記カプセルの長手方向軸回りに行なわれる、項目21~27のいずれか一項に記載の方法。
[29]
オペレータは、前記有害固体製品に曝されることなく前記カプセルを取り扱う、項目21~28のいずれか一項に記載の方法。