(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20220609BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20220609BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20220609BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G02C11/00
G09G5/00 510G
G09G5/00 555D
G06T19/00 300B
(21)【出願番号】P 2020520630
(86)(22)【出願日】2018-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2018074581
(87)【国際公開番号】W WO2019072482
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】102017218352.7
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キューネ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルニー、ニルス
(72)【発明者】
【氏名】プロフェンディナー、ダニエル
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204616(JP,A)
【文献】特開2009-251687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0050743(US,A1)
【文献】特開2000-124981(JP,A)
【文献】特開2014-209704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G02C 11/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)において電子データ眼鏡(4)を使用するときのシミュレータ病関連の障害を軽減するための携帯式のデバイス(3)であって、
車両(2)から動きデータを受信するように設計されたデータ入力部(6)と、
車両(2)の動きを特徴付ける動きデータの少なくとも一部を検出するためのセンサ装置(7)と、
車両(2)の動きを、電子データ眼鏡(4)へ送信する動きデータへと特徴づけるデータ出力部(5)とを備え
、
前記携帯式のデバイス(3)は、缶形状を呈しているとともに車両の飲料ホルダに収容することができるようにされていることを特徴とする車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項2】
データ出力部(5)は、電子データ眼鏡(4)へデータを送信するための無線および/または有線のインターフェイスを備えることを特徴とする請求項1記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項3】
データ入力部(6)は、車両(2)からの動きデータをデータ受信するための無線インターフェイスおよび/または有線インターフェイスを備えることを特徴とする請求項1または2記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項4】
エネルギ供給用の携帯デバイスであって車両(2)のオンボードネットワーク用のインターフェイスを備えているか、および/またはバッテリーで動作するように設計されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項5】
車載のコップホルダ内で携帯デバイス(3)を傾けるおよび/または強く保持するための機構を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項6】
機構はねじ機構を有し、このねじ機構によって、コップホルダと一致するところの携帯デバイス3の領域を広げることができるようにされていることを特徴とする請求項5記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項7】
機構はプッシュ・プッシュ・ロック機構を有し、このプッシュ・プッシュ・ロック機構によって、飲料水容器ホルダに一致する携帯デバイス(3)の領域を、第1の押圧により広げ、第2の押圧によって再び狭めることができるようにされていることを特徴とする請求項5または6記載の車内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイス(3)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の携帯デバイス(3)と、仮想現実および/または拡張現実を表示するための少なくとも1つの電子データ眼鏡(4)とを備え、携帯デバイス(3)によって送信されることができる動きデータに基づいて車両(2)自体の動きを表示するように設定され、対応するコンテンツによって、車両内で電子データ眼鏡(4)を使用したときのシミュレータ病関連の障害によって引き起こされる症状を軽減するようにされていることを特徴とする車両(2)用の表示システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内で電子データ眼鏡を使用するときのシミュレータ病関連の障害を低減するための携帯デバイスに関する。さらに本発明は、携帯デバイスと少なくとも1つの電子データ眼鏡とを含む、車両用の表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
将来的には、車両において没入型技術がますます使用されるであろう。例えば、車両の乗員は、好ましくは仮想現実眼鏡または拡張現実眼鏡を着用することにより、映画、コンソールゲームなどの古典的なメディアコンテンツを消費するか、または例えば運転中にインターネットをサーフィンするであろう。ここでは、いわゆるシミュレータ病と呼ばれ、しばしばシミュレータ酔とも呼ばれる問題が発生することがある。シミュレータ病関連の障害、つまりシミュレータ疾患に起因する症状は、通常、視覚的に知覚される刺激に関する感覚的印象と、バランス器官によって感じられる運動力との間の不一致によって発生する。移動車両中において電子データ眼鏡を使用する場合に、電子データ眼鏡によって表示されるコンテンツが各人の知覚する実際の動きと一致しないという問題が発生する可能性がある。
【0003】
このシミュレータ病関連の障害の影響を排除または弱める適切な手段は、そのような電子データ眼鏡によって、車両自体の動きに対応するコンテンツをさらに表示することである。
【0004】
例えば、特許文献1は、動揺症障害を軽減するための方法および装置を示す。この動揺症障害には、シミュレータ病またはシミュレータ酔いが含まれる。センサによって車両自体の動きを検出することが行われており、このセンサは、例えば、車両側に取り付けられるか、または携帯型検出器の形態で乗客の身体にも取り付けられる。そして、頭に着用するディスプレイを使用して、センサによって検出された車両自体の動きを視覚化する。
【0005】
特許文献2は、車両内で電子データ眼鏡をかけているときに車両乗員が病気になるのを防止する方法を説明している。それは、車両側システムによって車両自体の動きを特徴付ける動きデータを提供するためのものであって、これらのデータは、電子データ眼鏡によって視覚化されることができる。
【0006】
さらに、特許文献3は、一体構造のセンサを備えた電子データ眼鏡を示している。これにより、シミュレータ病によって引き起こされる障害を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】ドイツ特許第10156219号明細書
【文献】アメリカ特許出願公開第2015/0097860号明細書
【文献】アメリカ特許出願公開第2011/0282130号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、車両内で電子データ眼鏡を使用するときに、シミュレータ病によって引き起こされる障害を低減することができる、特に簡単な解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の機能を備えたシミュレータ病関連の障害を減らすための携帯デバイスによって達成される。本発明の便宜的かつ自明ではない発展を伴う有利な改良は、従属請求項に明記されている。
【0010】
車両で電子眼鏡を使用するときにシミュレータ病関連の障害を低減するための本発明による携帯装置は、データ出力部を備える。このデータ出力部は、車両自身の動きを特徴付ける動きデータを電子データ眼鏡に送信するように設計されている。したがって、本発明によれば、携帯機器の形態の、電子機器ボックスまたは小さなハードウェアボックスが提供される。これは、上記動きデータを収集することができるとともに、このデータを、データ出力部を介して電子データ眼鏡に送信することができる。
【0011】
そのため、電子データ眼鏡には、車両の動きを検出するためのセンサは必要ない。さらに、車両に関係なく、携帯デバイスをいつでも持ち運び、車両の運転中に電子データ眼鏡を使用すれば、シミュレータによって引き起こされる障害を低減または完全になくすことができる。したがって、電子データ眼鏡のユーザは、同眼鏡と一緒に携帯デバイスを携えて、車両の運転中に電子データ眼鏡を使用したいときには、その携帯デバイスを車両のどこかに保管するだけでよい。
【0012】
携帯デバイスが車両自身の動きを特徴付ける動きデータをデータ出力部を介して電子データ眼鏡に送信できるという事実により、電子データ眼鏡は、車両自体の動きに対応する内容を示すことができる。この内容は、シミュレータ病によって引き起こされる症状を軽減するために、車両での使用中に携帯デバイスによって送信された動きデータに基づくものである。したがって、本発明の携帯デバイスによって、車両内で電子データ眼鏡を使用するときに、シミュレータ病によって引き起こされる障害を簡単に低減または完全になくすことが可能である。
【0013】
本発明の有利な実施形態においては、データ出力部が、電子データ眼鏡へのデータ送信のための無線および/または有線インターフェイスを備える。使用する電子データ眼鏡と、この眼鏡に付帯するデータインターフェイスとに応じて、無線または有線、あるいはその両方で、適切なデータ伝送経路を選択できる。
【0014】
本発明のさらに有利な実施形態では、携帯デバイスが、車両から動きデータを受信するように設計されたデータ入力部を備える。例えば、車両側に既に設けられているセンサを使用して、車両自体の動きを検出することができ、車両側で収集された動きデータへのアクセスは、携帯デバイスの前記データ入力部を介して行うことができる。例えば、データ入力部はまた、車両から携帯デバイスへ動きデータをデータ送信するための、無線および/または有線インターフェイスを備えることができる。例えば、データ入力部を備えた携帯デバイスを、いわゆるOBDインターフェイス、すなわち、車両のオンボード診断インターフェイスに接続またはプラグインすることが可能である。車両側において、データ入力部は、車両から動きデータを例えば無線方式で受信することもできる。車両がそれ自体の動きに関する動きデータを提供することができる場合は、携帯デバイスのデータ入力部を用いて、この動きデータを簡単な方法で使用することができる。
【0015】
本発明のさらに有利な実施形態では、携帯デバイスが、車両自体の動きを特徴付ける動きデータの少なくとも一部を検出するためのセンサ装置を備える。携帯デバイスは、センサ装置の一部であり得る1つ以上のセンサを有することができる。センサは、例えば、加速度センサまたは他のセンサであり得る。このセンサによって、車両の自体の動きを、携帯デバイス自体によって検出することができる。このようにして、車両にどのようなセンサシステムが搭載されているかに関係なく、携帯デバイス自体が車両の動きを検出することができる。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態では、携帯装置が缶形状である。したがって、携帯デバイスは、例えば、車両の飲料ホルダに特に容易に収容することができる。したがって、携帯デバイスは、好ましくは、この携帯デバイスが特に簡単かつ安全な方法で車両に収納されることができるような形状または形態を有する。携帯デバイスが缶形状の構成を有する場合は、この点は、特に簡単な方法で保証することができる。
【0017】
本発明のさらに有利な実施形態では、エネルギ供給用の携帯デバイスが、車両のオンボードネットワーク用のインターフェイスを有し、および/または電池にて動作するように設計される。その結果、携帯デバイスへの電源供給を、簡単に確保することができる。
【0018】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、携帯デバイスは、車両に装着されたコップホルダ内で装置を傾けるおよび/または強く保持するための機構を有する。もちろん、デバイスを傾けるおよび/または強く保持するための機構は、車両における他の収容領域として設計することもでき、車両に取り付けられたコップホルダに限定する必要はない。携帯デバイスが車両に装着されたコップホルダに適合している場合に、このコップホルダはねじ機構を備え、このねじ機構により、カップホルダに適合する携帯デバイスの面積を拡大することができる。ねじ機構を作動させることにより、車両の乗員は、携帯デバイスをコップホルダの中または上に容易に固定することができ、かつ再び固定を解除することができる。ねじ機構は、手動で操作することもできるし、電動で操作することもできる。代替的または追加的に、この機構がプッシュ・プッシュ・ロック機構を有することも可能である。それによって、コップホルダに合致する携帯デバイスの領域は、第1の圧縮によって広げられることができ、第2の圧縮によって再び狭められることができる。コップホルダと適合する携帯デバイスの領域は、ゴム状材料または他の弾性材料にて形成されることが好ましい。これにより、ユーザは、プッシュ・プッシュ・ロック機構を作動させることで、携帯デバイスにおける弾性を有した領域、好ましくはゴム状の領域を、簡単に広げて、この領域がコップホルダに対して詰まるようにすることができる。携帯デバイスを再び車両から取り外す場合には、プッシュ-プッシュロック機構は、再度押すことだけによって作動される。
【0019】
本発明による車両用の表示システムは、本発明による携帯デバイスまたは本発明の有利な実施形態による携帯デバイスと、仮想現実および/または拡張現実を表示するための少なくとも1つの電子データ眼鏡とを有する。電子データ眼鏡は、携帯型デバイスを使用して送信できる動きデータに基づいて、車両における電子データ眼鏡の使用時にシミュレータ病によって引き起こされる症状を軽減するために、車両自身の動きに対応するコンテンツを表示するように設定される。例えば、電子データ眼鏡は、車両の方向ベクトルと共に動く構造物を、周辺表示領域に表示することができる。もちろん、動きデータに基づいて、他のコンテンツも実装することができる。この、他のコンテンツは、シミュレータ病の発生を防止するために、または少なくとも車両の運転中に電子データ眼鏡の着用者における障害を大幅に減らすために、車両自体の動きを視覚化する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】車両内で電子データ眼鏡を使用するときにシミュレータ病関連の障害を低減するための携帯デバイスを備えた、車両用の表示システムの概略図である。
【
図2】電子データ眼鏡の非常に概略的な表現であって、仮想コンテンツが中央領域に表示され、車両の自己移動に対応するコンテンツが周辺領域に表示された表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、以下の、好ましい例示的な実施形態の説明および図面から導き出される。上述した特徴および特徴の組み合わせ、ならびに、以下の図に基づく説明および/または図のみで以下に示す特徴および特徴の組み合わせは、それぞれの場合に示される組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の組み合わせまたはそれら自体で使用することもできる。
【0022】
図において、同一要素または機能的に同一の要素には、同じ参照記号が与えられている。
【0023】
車両2用の表示システム1が、
図1に非常に概略的な表現で示されている。表示システム1は、車両2内で電子データ眼鏡4を使用するときのシミュレータ病関連の障害を低減するための携帯デバイス3を備える。電子データ眼鏡4は、仮想現実眼鏡または拡張現実眼鏡とすることができる。電子データ眼鏡4は、仮想現実と拡張現実との両方を表示するように設計することもできる。
【0024】
携帯デバイス3は、好ましくは、飲料水缶の形状を有し、それにより、携帯デバイス3は、ここでは図示されていない、例えば車両2の飲料水容器のホルダ内に、容易にかつ破損防止的に収納することができる。さらに、携帯デバイス3は、前記車両側のコップホルダ内でこの携帯デバイス3を傾けるおよび/または強く保持するための機構(ここでは図示せず)を有することもできる。
【0025】
この機構は、例えば、ねじ機構によって形成することができ、それによって、ここでは示されていない、飲料水容器ホルダと一致するところの携帯デバイス3の領域を、広げたり狭めたりすることができる。代替的または追加的に、この機構は、プッシュ・プッシュ・ロック機構を有することもでき、それによって、飲料水容器ホルダに一致する携帯デバイス3の領域を、第1の押圧により広げ、第2の押圧により再び狭めることができる。これに関連して、例えば、携帯デバイス3が、コップホルダと一致する領域をゴムで作られているか、またはゴムで覆われている構成とすることを提案でき、その場合に上記の領域は、プッシュ・プッシュ・ロック機構を操作することにより、拡大・縮小することが可能である。その結果、携帯デバイス機器3は、前記カップホルダに特に簡単かつ便利な方法で固定することができ、次にそこから取り外すことができる。
【0026】
車両2で電子データ眼鏡を使用するときにシミュレータ病関連の障害を低減するための携帯デバイス1は、車両2の自然な動きを特徴付ける動きデータを電子データ眼鏡4に送信するように設計されたデータ出力部5を備える。データ出力部5は、電子データ眼鏡4へのデータ送信のための無線インターフェイスと有線インターフェイスとの両方を有することができる。データ眼鏡4自体は、データ出力部5と互換性のある、ここには示されていないデータインターフェイスを有する。
【0027】
ここに示されている場合において、携帯デバイス3は、車両2から動きデータを受信するように設計されたデータ入力部6を備える。この目的のために、データ入力部6は、車両2からの動きデータのデータ受信のための、無線インターフェイスと有線インターフェイスとの両方を有することができる。データ入力部6は、車両に設置されたセンサによって検出された車両2の動きデータを取り出すために、例えば車両2のOBDインターフェイスに接続することができる。車両側で動きデータをワイヤレスでも提供できる場合は、この動きデータをワイヤレスでデータ入力部6に送信することもできる。
【0028】
さらに、携帯デバイス3は、車両2自体の動きを特徴付ける動きデータの少なくとも一部を検出するためのセンサ装置7も有する。センサ装置7は、例えば1つまたは複数の加速度センサを有することができ、それによって車両2自体の動きを検出することができる。したがって、携帯デバイス3を用いて、車両2に設置されたまたは設置されていないセンサシステムとは完全に独立して、車両2自体の動きを検出することも可能である。次に、センサ装置7は、データ技術の面でデータ出力部5に接続される。
【0029】
車両2自体の動きがどのように記録されるかに関係なく、車両2自体の動きを特徴付ける動きデータは、携帯デバイス3のデータ出力部5を通して、電子データ眼鏡4に送信することができる。
【0030】
図2は、非常に概略的な方法で電子データ眼鏡4を示し、ここで仮想現実および/または拡張現実を、大きな中央表示領域8に表示することができる。車両2の運転中に電子データ眼鏡4の着用者においてシミュレータ病関連の障害により引き起こされる不調を低減または防止するために、電子データメガネ4は、携帯デバイス3によって送信することができる車両2自体の動きデータにもとづいて、車両2自体の動きについての対応コンテンツを周辺表示領域9に表示するように設計されている。
【0031】
例えば、中央表示領域8には映像が表示され、周辺表示領域9には、車両2自体の動きに応じて動く様々な構造物が表示される。したがって、電子データ眼鏡4の着用者は、同着用者の周辺視野においてこれらの構造物を知覚する。その結果、電子データ眼鏡4の着用者は、車両2自体の動きに対応する、少なくとも周辺視覚刺激を知覚する。これらの視覚刺激は、着用者のバランス感覚の知覚と一致する。その結果、ユーザが車両2の運転中に電子データ眼鏡4を使用すると、シミュレータ病関連の障害によって引き起こされる不調を大幅に低減または完全に防止することができる。
【0032】
車両2自体の動きに対応する周辺表示領域9内のコンテンツの表示は、単なる例として理解されるべきである。原則として、車両2の電子データ眼鏡4を使用する際のシミュレータ病関連の障害による不具合を低減または完全に解消するために、車両2自体の動きに対応する内容を電子データ眼鏡4における任意の表示領域に表示することができる。