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特許7085655無線周波数パルス整合方法およびそのデバイス、ならびに、パルスプラズマ生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】無線周波数パルス整合方法およびそのデバイス、ならびに、パルスプラズマ生成システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220609BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H05H1/46 R
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020572768
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2019092075
(87)【国際公開番号】W WO2020001361
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】201810678471.6
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520266443
【氏名又は名称】ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue Beijing,Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シャオヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ガン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】バイ、ジンジ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-009733(JP,A)
【文献】特開2013-179047(JP,A)
【文献】特開2008-053496(JP,A)
【文献】特開2006-286306(JP,A)
【文献】特開2009-246091(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106711005(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)パルス整合方法であって、
S1において、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化することと、
S2において、上部電極および下部電極にパルス電力をロードすることと、前記上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、前記下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含み、
S3において、前記上部RF電源によりロードされた前記パルス電力のパルス信号を収集し、前記パルス信号にしたがって前記上部整合デバイスの整合パラメータを計算することと、
S4において、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさを決定し、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの前記大きさにしたがって前記パルスカウント値をリセットして、前のパルス周期における前記パルスカウント値に対して同一に維持されるか、1だけ加算されること、または、前記パルスカウント値をリセットして、前記前のパルス周期における前記パルスカウント値に対して同一のパリティを維持するか、反対のパリティに変更することと、
S5において、リセットパルスカウント値と前記パルス基準値との整合性にしたがって、前記上部整合デバイスに、前記上部RF電源に対する整合を行わせる、または、前記下部整合デバイスに、前記下部RF電源に対する整合を行わせることと、
S6において、前記上部RF電源と前記下部RF電源とが整合するまで、プロセスS4およびプロセスS5を繰り返すこととを備える、RFパルス整合方法。
【請求項2】
において、前記上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、前記整合しきい値の大きさに対する前記整合パラメータの大きさに関する決定を行う、請求項1に記載のRFパルス整合方法。
【請求項3】
1において、前記パルス基準値は第1の定数であり、
4において、
前記整合パラメータが前記整合しきい値よりも大きい場合、前記パルスカウント値は、第1の定数または前記第1の定数と同じパリティを有する値にリセットされ、
前記整合パラメータが前記整合しきい値未満である場合、前記パルスカウント値は第2の定数にリセットされ、前記第2の定数は、前記第1の定数と等しくない、または、前記第1の定数とは異なるパリティを有し、
5において、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しい、または、前記パルス基準値と同じパリティを有する場合、前記上部整合デバイスは、前記上部RF電源に対して整合を行い 前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しくない、または、前記パルス基準値と異なるパリティを有する場合、前記下部整合デバイスは、前記下部RF電源に対して整合を行う、請求項1に記載のRFパルス整合方法。
【請求項4】
前記整合しきい値は、電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、またはインピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含み、
前記整合パラメータは、対応する前記上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のRFパルス整合方法。
【請求項5】
前記整合しきい値が前記VSWRしきい値であるとき、前記VSWRしきい値の値範囲は1~10である、請求項4に記載のRFパルス整合方法。
【請求項6】
前記上部電極および前記下部電極にロードされた前記パルス電力のRF信号の周波数は同じであり、パルス信号周波数は同じであり、パルス信号デューティサイクルは同じである、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のRFパルス整合方法。
【請求項7】
上部電極および下部電極を備えるRFパルスデバイスであって、
前記上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、
前記下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含み、
パルス同期ラインは、前記上部RF電源と前記下部RF電源との間を接続し、
パルス整合時間シーケンス制御ラインおよび時間シーケンス整合モジュールは、前記上部整合デバイスと前記下部整合デバイスとの間に配置され、
時間整合モジュールは、前処理ユニットと、ロードユニットと、獲得ユニットと、決定ユニットと、整合ユニットとを含み、ここで、
前記前処理ユニットは、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化するように構成され、
前記ロードユニットは、前記上部RF電源によってロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、前記パルス信号にしたがって前記上部整合デバイスの整合パラメータを計算するように構成され、
前記決定ユニットは、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさを決定し、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさにしたがって、前記パルスカウント値をリセットして、前のパルス周期における前記パルスカウント値に対して同一に維持されるか、1だけ加算されるように、または、前記パルスカウント値をリセットして、前記前のパルス周期における前記パルスカウント値に対して同一のパリティを維持するか、反対のパリティに変更するように構成され、
前記整合ユニットは、リセットパルスカウント値と前記パルス基準値との整合性にしたがって、前記上部整合デバイスに前記上部RF電源に対する整合を行わせ、または、前記下部整合デバイスに前記下部RF電源に対する整合を行わせるように構成される、RFパルスデバイス。
【請求項8】
前記決定ユニットは、前記上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジで前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさの決定を行うように構成されている、請求項7に記載のRFパルスデバイス。
【請求項9】
前記前処理ユニットは、前記パルス基準値を第1の定数に初期化するように構成され、
前記決定ユニットが、前記整合パラメータは前記整合しきい値より大きいと決定した場合、前記決定ユニットは、前記パルスカウント値を前記第1の定数または前記第1の定数と同じパリティを有する値にリセットし、
前記整合パラメータが前記整合しきい値未満である場合、前記パルスカウント値は、第2の定数にリセットされ、前記第2の定数は、前記第1の定数と等しくない、または、前記第1の定数と異なるパリティを有し、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しい、または、前記パルス基準値と同じパリティを有する場合、前記上部整合デバイスは、前記上部RF電源に対する整合を行い、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しくない、または、前記パルス基準値と異なるパリティを有する場合、前記下部整合デバイスは、前記下部RF電源に対する整合を行う、請求項7に記載のRFパルスデバイス。
【請求項10】
前記整合しきい値は、前記前処理ユニットにおいて、電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、または、インピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含み、
前記整合パラメータは、前記獲得ユニット中の対応する前記上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む、請求項7から9のうちのいずれか1項に記載のRFパルスデバイス。
【請求項11】
前記整合しきい値が前記VSWRしきい値であるとき、前記VSWRしきい値の値範囲は1~10である、請求項10に記載のRFパルスデバイス。
【請求項12】
請求項7から11に記載の前記RFパルスデバイスのうちのいずれか1つを備える、パルスプラズマ生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、半導体処理技術分野に関し、より詳細には、無線周波数(RF)パルス整合方法、RFパルスデバイス、およびパルスプラズマ生成システムに関する。
【背景】
【0002】
[0002]半導体機器では、シリコンエッチングプロセスに対して構成されたパルスプラズマデバイスは、通常、誘導結合プラズマ(ICP)原理を適用する。無線周波数(RF)電源は、チャンバにRFエネルギーを供給して、高真空状態の特殊ガスをイオン化し、多数の電子、イオン、活性原子、分子、励起原子、分子、および、フリーラジカルのような活性粒子を含むプラズマを生成する。これらの活性粒子は、チャンバ内に配置され、プラズマ環境にさらされたウエハとの複雑な相互作用を有し、ウエハ材料の表面上でさまざまな物理的および化学的反応を引き起こす。このようにして、ウエハ表面の特性が変化し、ウエハのエッチングプロセスが完了する。
【0003】
[0003]集積回路(IC)のさらなる開発により、既存の技術的解決策は、20nm未満のエッチングプロセス要件を満たすことができない。新たなパルスプラズマテクノロジーの適用は、微粉化プロセスを改善する。パルスプラズマテクノロジーは、連続波のRFエネルギーによって引き起こされるプラズマ誘起損傷(PID)を低減して、エッチングプロセスのローディング効果を改善し、エッチング選択性を著しく増大させ、プロセス調整手段およびウィンドウを拡大するために使用される。したがって、パルスプラズマの設計は非常に重要である。
【0004】
[0004]図1は、大規模ウエハ(300nm以上の直径)に適用されるエッチングプロセスのためのパルス誘導結合プラズマのプラズマデバイスを示す。パルス誘導結合プラズマのプラズマデバイスは、反応チャンバ1と、反応チャンバ1中に位置付けられた静電チャック2と、反応チャンバ1の上部にある媒体ウインドウ4と、媒体ウインドウ4の上部に配置された誘導結合コイルとを含む。
誘導結合コイルは、内側コイル31と外側コイル32とを含む。静電チャック2は、下部整合デバイス9および下部RF電源10に電気的に接続されている。
静電チャック2上にはウエハ5が設置されている。上部RF電源8は、電流分配機能を含む上部整合デバイス8により、内側コイル31および外側コイル32にエネルギーを出力する。上部RF電源8および下部RF電源10は、パルスRF信号を生成することができる電源デバイスを含む。パルス同期ライン12(例えば、パルス信号位相差制御ライン)は、2つの電源間を接続する。システム全体は、パルスRF信号をチャンバ中にロードすることによってパルスプラズマ6を生成し、ウエハ5に作用してエッチングプロセスを実現する。
【0005】
[0005]図2は、二重コイル誘導結合プラズマ機器を示す。図1とは異なり、上部RF電源8は、上部整合デバイス7を介してエネルギーを内側コイル31および外側コイル32に出力し、その後、電流分配ユニット70に接続される。RFエネルギーは、ノズル11によって投入したガスをイオン化し、プラズマ6を生成し、プロセスを行うためにウエハ5に作用することができる。上部RF電源8および下部RF電源10は、パルスRF信号を出力するパルスRF電源である。パルス同期ライン12は、2つの電源間を接続する。機器は、パルステクノロジーを使用して、RFエネルギーをチャンバに出力し、プラズマ損傷を低減し、プロセス性能を改善する。パルス適用方式は、上部電極系(上部RF電源8、上部整合デバイス7および電流分配回路70を含む)がパルスRFエネルギーを使用する一方、下部電極系(下部RF電源10および下部整合デバイス9を含む)がパルスRFエネルギーを使用するものである。上部電極系および下部電極系によってロードされるRFエネルギーの周波数は同じである。RF波形の位相は同期される。RFエネルギーのパルス周波数およびデューティサイクルも同じである。上部および下部電極の同期パルスを通して、プラズマの粒子速度および温度が大幅に低減され、ウエハ5に衝突する粒子エネルギーが大幅に低減される。図3に示すように、ロード信号のパルスオンの時間長はTmである。ロード信号のパルスオフの時間長はTnである。パルス周波数はf=1/(Tm+Tn)であり、パルスのデューティサイクルはD=Tm/(Tm+Tn)である。
【0006】
[0006]パルス同期整合を適用するプロセスフローが図5に示されている。上部電極のパルス信号と下部電極のパルス信号は同時にチャンバ中にロードされる。上部電極のパルス信号と下部電極のパルス信号との間には結合が存在することから、相互干渉は、上部電極のインピーダンスと下部電極のインピーダンスが変動した状態をもたらす。プラズマのインピーダンスは、上部電極と下部電極が点火整合を実現するまで安定しない。図4に示すように、プラズマデバイスのパルス整合では、上部電極系と下部電極系が同時にRFパルス信号をロードしてプラズマを励起する。しかしながら、パルスモードにおける電力ロードの時間は短いので、プラズマは点火しにくい。さらに、上部電極と下部電極とを同時に整合するとき、2つの整合システムでプラズマは変化し、その変動は大きく、整合時間は長い。パルスモードのチャンバプラズマのプラズマは安定でなく、インピーダンス変動は不整合現象を引き起こし、機器の小さなプロセスアプリケーションウィンドウを引き起こす。
【0007】
[0007]良好なRFパルス整合方式を設計し、パルス整合速度を改善し、プラズマ安定性を向上させることは、解決する必要がある緊急の技術的問題であることが分かる。
【概要】
【0008】
[0008]本開示によって解決される技術的問題は、既存のテクノロジーに存在する欠陥を対象とする。遅いパルス整合速度のようなプラズマ不安定性の問題を少なくとも解決するために、無線周波数(RF)パルス整合方法、RFパルスデバイス、およびパルスプラズマ生成システムが提供される。
【0009】
[0009]本開示の一態様は、以下のプロセスを含むRFパルス整合方法を提供する:
S1において、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化し;
S2において、上部電極および下部電極にパルス電力をロードし、上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含み;
S3において、上部RF電源によりロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、パルス信号にしたがって整合デバイスの整合パラメータを計算し;
S4において、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさを決定し、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさにしたがってパルスカウント値をリセットし;
S5において、リセットパルスカウント値とパルス基準値との整合性にしたがって、上部整合デバイスのうちのいずれかに、上部RF電源に対する整合を行わせる、または、下部整合デバイスに、下部RF電源に対する整合を行わせ;
S6において、上部RF電源と下部RF電源とが整合するまで、プロセスS4およびプロセスS5を繰り返す。
【0010】
[0010]オプション的に、プロセスS4は、上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、整合しきい値対する整合パラメータの大きさに関する決定を行うことと、および、決定結果にしたがって、同じ値に維持されるか、または、異なる値に変更するように、パルスカウント値をリセットすることとを含む。
【0011】
[0011]オプション的に、プロセスS1において、パルス基準値は第1の定数であるように初期化され;
プロセスS4において、整合パラメータが整合しきい値よりも大きい場合、パルスカウント値は、第1の定数または第1の定数と同じパリティを有する値にリセットされ、整合パラメータが整合しきい値未満または等しい場合、パルスカウント値は第2の定数にリセットされ、第2の定数は、第1の定数と等しくない、または、第1の定数とは異なるパリティを有し;
プロセスS5において、パルスカウント値がパルス基準値と等しい、または、パルス基準値と同じパリティを有する場合、上部整合デバイスは、上部RF電源に対して整合を行い;パルスカウント値がパルス基準値と等しくない、または、パルス基準値とは異なるパリティを有する場合、下部整合デバイスは、下部RF電源に対して整合を行う。
【0012】
[0012]オプション的に、整合しきい値は、電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、またはインピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含み、整合パラメータは、対応する上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む。
【0013】
[0013]オプション的に、整合しきい値がVSWRしきい値であるとき、VSWRしきい値の値範囲は1~10である。
【0014】
[0014]オプション的に、上部電極および下部電極にロードされたパルス電力のRF信号の周波数は同じであり、パルス信号周波数は同じであり、パルス信号デューティサイクルは同じである。
【0015】
[0015]本開示の第2の態様は、上部電極および下部電極を含むRFパルスデバイスを提供する。上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含む。下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含む。パルス同期ラインは、上部RF電源と下部RF電源とを接続する。パルス整合時間シーケンス制御ラインおよび時間シーケンス整合モジュールは、上部整合デバイスと下部整合デバイスとの間に配置される。時間シーケンス整合モジュールは、前処理ユニットと、ロードユニットと、獲得ユニットと、決定ユニットと、整合ユニットとを含む。
前処理ユニットは、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化するように構成される。
ロードユニットは、上部RF電源によってロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、パルス信号にしたがって上部整合デバイスの整合パラメータを計算するように構成される。
決定ユニットは、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさを決定し、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさにしたがってパルスカウント値をリセットするように構成される。
整合ユニットは、リセットパルスカウント値とパルス基準値との整合性にしたがって、上部整合デバイスに上部RF電源に対する整合を行わせ、または、下部整合デバイスに下部RF電源に対する整合を行わせるように構成される。
【0016】
[0016]オプション的に、決定ユニットは、上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさの決定を行い、および、決定結果にしたがって、同じ値に維持されるか、または、異なる値に変更するように、パルスカウント値をリセットする。
【0017】
[0017]オプション的に、前処理ユニットは、パルス基準値を第1の定数に初期化する。決定ユニットが、整合パラメータは整合しきい値より大きいと決定した場合、決定ユニットは、パルスカウント値を第1の定数または第1の定数と同じパリティを有する値にリセットし、整合パラメータが整合しきい値未満である場合、決定ユニットは、パルス基準値を第2の定数にリセットし、第2の定数は、第1の定数と等しくない、または、第1の定数と異なるパリティを有する。
パルスカウント値がパルス基準値と等しい、または、パルス基準値と同じパリティを有する場合、整合ユニットは、上部整合デバイスに、上部RF電源に対する整合を行わせ、パルスカウント値がパルス基準値と等しくない、または、パルス基準値と異なるパリティを有する場合、整合ユニットは、下部整合デバイスは、下部RF電源に対する整合を行わせる。
【0018】
[0018]オプション的に、整合しきい値は、前処理ユニットにおいて、上部整合デバイスの、VSWRしきい値、反射係数しきい値、および、インピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含む。
獲得ユニットにおいて、整合パラメータは、対応する上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む。
【0019】
[0019]オプション的に、整合しきい値がVSWRしきい値であるとき、VSWRしきい値の値範囲は1~10である。
【0020】
[0020]本開示の第3の態様は、RFパルスデバイスを含むパルスプラズマ生成システムを提供する。
【0021】
[0021]本開示の有益な効果は、RFパルス整合方法、RFパルスデバイス、および、パルスプラズマ生成システムが、速いパルスプラズマ整合速度を有し、パルスプラズマが2つの電極によってあまり影響されず、変動が小さいことを含む。したがって、安定性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0022]図1は、本開示の実施形態にしたがう、パルス誘導結合プラズマシステムの概略構造図である。
図2】[0023]図2は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、二重コイル誘導結合プラズマシステムの概略構造図である。
図3】[0024]図3は、図2に示す二重コイル誘導結合プラズマデバイスの概略パルス時間シーケンス図である。
図4】[0025]図4は、図2におけるパルス同期の、概略的なパルス信号波形および電圧定在波比(VSWR)時間シーケンスマップである。
図5】[0026]図5は、図2におけるプラズ同期の概略プロセスフローチャートである。
図6】[0027]図6は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、無線周波数(RF)パルス整合方法の概略フローチャートである。
図7】[0028]図7は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、パルス整合の概略プロセスフローチャートである。
図8】[0029]図8は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、パルス整合の概略時間シーケンスダイヤグラムある。
図9】[0030]図9は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、パルス整合の別の概略時間シーケンスダイヤグラムある。
図10】[0031]図10は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、パルスプラズマ生成システムの概略構造ダイヤグラムである。
図11】[0032]図11は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、別のパルスプラズマ生成システムの概略構造ダイヤグラムである。
図12】[0033]図12は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、RFパルスデバイスの概略構造ダイヤグラムである。
【0023】
[0034]参照番号:
1反応チャンバ、2静電チャック、3誘導結合コイル、
31内側コイル、32外側コイル、4媒体ウインドウ、
5ウエハ、6プラズマ、7上部整合デバイス、
70電流分配ユニット、8上部RF電源、9下部整合デバイス。
10下部RF電源、11ノズル、12パルス同期ライン、
13パルス整合制御ライン、14前処理ユニット
15獲得ユニット、16決定ユニット、17整合ユニット。
【実施形態の詳細な説明】
【0024】
[0035]当業者に本開示の技術的解決策をより良く理解させるために、本開示の無線周波数(RF)パルス整合方法、RFパルスデバイス、およびパルスプラズマ生成システムが、添付の図面および特定の実施形態に関連してさらに詳細に説明される。
【0025】
[0036]本開示の実施形態は、上部RF電源および下部RF電源のパルス時間シーケンスをそれぞれ整合させるように上部整合デバイスおよび下部整合デバイスを制御するために使用されるRFパルス整合方法を提供する。上部電極および下部電極の整合デバイスの時間シーケンスを制御することにより、インピーダンス変動を低減し、2つの整合デバイス間の相互干渉を低減し、パルス整合速度を改善し、不整合を効果的に防止し、プラズマの安定性を高める目的を達成することができる。
【0026】
[0037]本開示の実施形態のRFパルス整合方法およびRFパルスデバイスでは、2つの電極間のパルス整合の相互干渉を防止するために、技術的概念は以下の規則にしたがうことができる。
【0027】
[0038]1)上部電極がパルス整合を実現し、安定したプラズマが生成された後、下部電極のパルス整合を開始してもよい。上部電極が整合していない場合、プラズマが不安定になり、下部電極のインピーダンスに大きな影響を与えるかもしれず、点火や整合が困難になるかもしれない。
【0028】
[0039]2)上部電極が整合された後、プラズマは安定状態を達成することができる。この点で、下部電極の点火が上部電極のインピーダンスに依然として影響を与え、変動を生じさせるかもしれない。したがって、上部整合デバイスは整合を継続し、その間、下部整合デバイスも整合しており、両方ともインピーダンスの連続的な変動をもたらすかもしれない。変動がオーバーレイする可能性があるので、整合時間は個々の整合時間よりも長い。パルス整合時間シーケンス制御ラインを2つの整合デバイス間に配置することにより、2つの整合デバイス間のリアルタイム通信および代替的な整合制御を実現することができる。
【0029】
[0040]図6に示されるように、本開示では、上部整合デバイスおよび下部整合デバイスの時間シーケンスを制御してスタガードパルス整合動作を行うプロセスの間に、RFパルス整合方法は、以下のプロセスを含む:
S1において、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化する;
S2において、上部電極および下部電極にパルス電力をロードし、上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含む;
S3において、上部RF電源によりロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、パルス信号にしたがって整合デバイスの整合パラメータを計算する;
S4において、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさを決定し、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさにしたがってパルスカウント値を再構成する;
S5において、再構成されたパルスカウント値とパルス基準値との整合性にしたがって、上部整合デバイスのうちのいずれか1つに上部RF電源に対する整合を行わせるか、または、下部整合デバイスに下部RF電源に対する整合を行わせる;
S6において、上部RF電源と下部RF電源とが整合するまで、プロセスS4およびプロセスS5を繰り返す。
【0030】
[0041]上部整合デバイスおよび下部整合デバイスは、時間シーケンスで制御され、スタガードパルス整合を行う。すなわち、上部整合デバイスと下部整合デバイスは同時にパルス整合動作を行わない。例えば、上部電極に対して整合を行う場合、下部電極は以前の状態を維持する。逆に、下部電極に対して整合を行う場合、上部電極は以前の状態を維持する。このように、相互結合信号は、プラズマのインピーダンス変動に影響を与えて、整合時間に影響を与えることを防止することができる。
【0031】
[0042]プロセスS4において、上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジで、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさに関する決定が一度行われてもよく、パルスカウント値は、決定結果にしたがって、一貫して維持されるように、または、異なる値に変化するようにリセットされてもよい。整合性は、同じ値、値の同じパリティ、または他の特性を指すことができ、これらは例示的であるが限定しない。例えば、決定結果にしたがって、パルスカウント値をリセットして同一に維持してもよく、または、1だけ加算してもよく、あるいは、決定結果にしたがって、パルスカウント値をリセットして同一のパリティを維持してもよく、または、反対のパリティに変更してもよい。
【0032】
[0043]整合の間に、実現されるキープロセスは、以下のプロセスを含む。
【0033】
[0044]プロセスS1において、パルス基準値は第1の定数である。
【0034】
[0045]プロセスS4において、整合パラメータが整合しきい値よりも大きい場合、パルスカウント値は、第1の定数または第1の定数と同じパリティを有する値にリセットされてもよい。整合パラメータが整合しきい値未満である場合、パルスカウント値は第2の定数にリセットされてもよい。第2の定数は、第1の定数と等しくないか、または、第1の定数とは異なるパリティを有する。
【0035】
[0046]プロセスS5において、パルスカウント値がパルス基準値と等しいかまたはパルス基準値と同じパリティを有する場合、上部整合デバイスは、上部RF電源に対して整合を行う。パルスカウント値がパルス基準値と等しくないか、または、パルス基準値と異なるパリティを有する場合、下部整合デバイスは、下部RF電源に対して整合を行う。
【0036】
[0047]2つの簡単な例を以下に説明する。
【0037】
[0048]最初に、パルス基準値が0に初期化されてもよい。
【0038】
[0049]整合パラメータが計算され取得された後、整合パラメータが整合しきい値よりも大きい場合、パルスカウント値は変更されないままであってもよい。
整合パラメータが整合しきい値未満である場合、パルスカウント値は1だけ加算されてもよい。
【0039】
[0050]次いで、パルスカウント値にしたがって、パルスカウント値およびパルス基準値の両方が偶数である場合、上部整合デバイスは、上部RF電源に対して整合を行ってもよい。パルスカウント値およびパルス基準値の両方が奇数である場合、下部整合デバイスは、下部RF電源に対して整合を行ってもよい。
【0040】
[0051]または、最初に、パルス基準値を0に初期化してもよい。
【0041】
[0052]整合パラメータが計算された後、整合パラメータが整合しきい値よりも大きい場合、パルスカウント値は変更されないままであってもよい。整合パラメータが整合しきい値未満である場合、パルスカウント値は、上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、順番に、1だけ周期的に加算または1だけ減算されてもよい。
【0042】
[0053]次いで、パルスカウント値にしたがって、パルスカウント値とパルス基準値の両方が0である場合、上部整合デバイスは、上部RF電源に対して整合を行ってもよい。パルスカウント値およびパルス基準値が両方とも1である場合、下部整合デバイスは、下部RF電源に対して整合を行ってもよい。
【0043】
[0054]整合しきい値は、上部整合デバイスの電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、および、インピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含んでいてもよい。これに対応して、整合パラメータは、上部整合デバイスのVSWR、反射係数、およびインピーダンスのうちのいずれか1つを含んでいてもよい。
すなわち、上部整合デバイスおよび下部整合デバイスの動作レベルは、VSWRしきい値(または反射係数Γ、インピーダンスZ等)、および、パルスカウント値iのいずれか1つによって制限される。ここで、VSWRしきい値VSWR、反射係数しきい値Γ、およびインピーダンスしきい値ZLは、式(1)および式(2)によって変換して計算することができる。
VSWR=(1+|Γ|)/(1-|Γ|) (1)
Γ=(ZL-Z0)/(ZL+Z0) (2)
【0044】
[0055]ここで、Z0は特徴インピーダンスを示し、通常50Ωである。
【0045】
[0056]一般に、VSWRの整合しきい値は、1~10の範囲であってもよい。
オプション的に、VSWRの整合しきい値は、1~10の範囲の任意の整数を含んでいてもよい。反射係数しきい値Γおよびインピーダンスしきい値ZLは、式(1)および式(2)によって計算されてもよい。
【0046】
[0057]上部電極および下部電極のパルス同期整合の間、2つの整合デバイスは、動作レベルによって制御されてもよい。動作レベルは、整合デバイス内の独立したアルゴリズムプログラムによって実現されてもよい。整合パラメータとしてVSWRを例にとる。図7を参照すると、本開示の実施形態のRFパルス整合方法の具体的なプロセスフローは以下の通りである。
【0047】
[0058]パルス信号を感知した後、上部整合デバイスは、整合を開始し、電圧定在波比VSWR_1と整合しきい値VSWR_0との間の関係を決定する(例えば、一般的に1~10であり、これは、プラズマの点火状態を表し、インピーダンスは安定している)。
【0048】
[0059]ケース1:VSWR_1がしきい値VSWR_0よりも大きい場合、上部整合デバイスの動作レベルは高レベル1であってもよく、上部整合デバイスは整合を行ってもよく、パルスカウント値iは変更されないままであってもよく、i=0である。パルスカウント値iは、変更されないままであるかまたは1だけ加算されるかにかかわらず、上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、一度決定される必要があってもよい。一方、下部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であり、下部整合デバイスは、現在の状態を維持してもよく、整合を行わなくてもよい。
【0049】
[0060]ケース2:VSWR_1がしきい値VSWR_0未満である場合、パルスカウント値iは、各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、1だけ加算されてもよいか、または1だけ周期的に加算されてもよいか、または1だけ減算されてもよい。パルスカウント値iが偶数(0を含む)であるとき、上部電極デバイスの動作レベルは高レベル1であってもよく、上部整合デバイスは整合を行ってもよい。しかしながら、下部整合デバイスの動作レベルはが低レベル0であり、下部整合デバイスは、前の状態を不変のまま維持してもよい。パルスカウント値iが奇数であるとき、上部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であってもよく、上部整合デバイスは以前の状態を不変のまま維持してもよい。しかしながら、下部整合デバイスの動作レベルは高レベル1であってもよく、下部整合デバイスは整合を行ってもよい。プラズマは、各整合の間に別の電極整合デバイスによって引き起こされるインピーダンス変動の影響を受けないかもしれず、動作レベルが高い整合デバイスのみがインピーダンス整合を行い、したがって整合速度が速い。
【0050】
[0061]パルスカウント値iは0に初期化され、図8に示される整合時間シーケンスマップを以下のように説明する。
【0051】
[0062]1)時間0から開始して、上部電極はパルス電力をロードし、下部電極はパルス電力をロードする。
【0052】
[0063]2)パルス周期1において、パルス信号を検知した後、上部整合デバイスは、上部電極のVSWR_1がしきい値VSWR_0より大きいと決定する。したがって、パルスカウント値i=0であり、パルスカウント値とパルス基準値とは同じパリティを有する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは高レベル1である。これにより、上部整合デバイスが整合を行い、上部電極のVSWRがVSWR_1から整合点VSWR_T1に近づき続ける。一方、パルス周期1では、下部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であるため、下部整合デバイスは前の状態を変更せず維持する。
【0053】
[0064]3)パルス周期2において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0より大きいと決定し、パルスカウント値は変化せず、i=0を維持し、パルスカウント値とパルス基準値とは同じパリティを有する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは高レベル1であり、上部整合デバイスは整合を行い続ける。時間T3において、整合が達成される(例えば、VSWR_1=VSWR_T1)。一方、下部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であり、したがって、下部整合デバイスは、前の状態を変更せず維持する。
【0054】
[0065]4)パルス周期3において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0未満であり、パルスカウント値i=1であり、パルスカウント値とパルス基準値とが異なるパリティを有すると決定し、したがって、上部整合デバイスの動作レベルは0であり、上部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。一方、パルスカウント値i=1であるため、下部整合デバイスの動作レベルは高レベル1であり、下部整合デバイスは、VSWR_2をVSWR_T2に近づける整合を行う。
【0055】
[0066]5)パルス周期4において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0以下であり、パルスカウント値i=2であり、パルスカウント値とパルス基準値とが同じパリティを有すると決定する。このとき、上部整合デバイスの動作レベルは1であり、上部整合デバイスは整合を行う。一方、パルスカウント値i=2であり、下部整合デバイスの動作レベルが低レベル0であるため、下部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。
【0056】
[0067]6)パルス周期5において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0以下であり、パルスカウント値i=3であり、パルスカウント値とパルス基準値とが異なるパリティを有すると決定する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは0であり、上部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。一方、パルスカウント値i=3であり、下部整合デバイスの動作レベルが高レベル1であるため、下部整合デバイスが整合を行い、時刻T4においてインピーダンス整合が達成される(例えば、VSWR_2=VSWR_T2)。
【0057】
[0068]7)このように、整合デバイスは、整合が終わるようにプロセスが完了するまで、インピーダンスを安定に維持するために後続のパルス周期において整合を決定し、行い続ける。
【0058】
[0069]別の例では、パルスカウント値も0に初期化され、図9に示す整合時間シーケンスマップを以下のように説明する。
【0059】
[0070]1)時間0から開始して、上部電極はパルス電力をロードし、下部電極はパルス電力をロードする。
【0060】
[0071]2)パルス周期1において、パルス信号を感知した後、上部整合デバイスは、上部電極インピーダンスのVSWT_1がしきい値VSWR_0未満であり、パルスカウント値i=0であり、パルスカウント値がパルス基準値に等しいと決定する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは高レベル1である。これにより、上部整合デバイスが整合し、上部電極のインピーダンスのVSWR_1は、整合点VSWR_T1に近づき続ける。一方、下部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であり、下部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。
【0061】
[0072]3)パルス周期2において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0未満であり、パルスカウント値i=1であり、パルスカウント値がパルス基準値と等しくないと決定する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であり、上部整合デバイスは前の状態を変更せず維持する。一方、下部整合デバイスの動作レベルは高レベル1である。したがって、下部整合デバイスは、VSWR_2をVSWR_T2に近づけるように整合を行う。
【0062】
[0073]4)パルス周期3において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0未満であり、パルスカウント値i=0であり、パルスカウント値がパルス基準値と等しいと決定する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは1であり、上部整合デバイスは整合を行う。一方、パルスカウント値i=2であるため、下部整合デバイスの動作レベルは低レベル0であり、下部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。
【0063】
[0074]5)パルス周期4において、上部整合デバイスは、VSWR_1がしきい値VSWR_0未満であり、パルスカウント値i=1であり、パルスカウント値がパルス基準値と等しくないと決定する。この点で、上部整合デバイスの動作レベルは0であり、上部整合デバイスは整合を行わず、前の状態を変更せず維持する。一方、パルスカウント値i=3であり、下部整合デバイスの動作レベルが高レベル1であるため、下部整合デバイスは整合を行い、時刻T5においてインピーダンスが整合する(例えば、VSWR_2=VSWR_T2)。
【0064】
[0075]6)このように、整合デバイスは、整合が終わるようにプロセスが完了するまで、インピーダンスを安定に維持するために後続のパルス周期において整合を決定し、行い続ける。
【0065】
[0076]対照的に、図4の既存のテクノロジーでは、上部電極および下部電極によってロードされる同期パルス信号は、同じ周波数およびデューティサイクルを有する信号である。時刻0において、同期トリガが開始し、上部整合デバイスは、上部電極によってロードされたパルス電力の高レベルの時間周期の間にパルス整合を行う。上部電極のインピーダンスのVSWR_1は、目標値VSWR_T1に近づき続ける。整合は、数パルス周期後の時間T1で達成される。一方、下部整合デバイスはまた、下部電極によってロードされるパルス電力の高レベルの周期の間にパルス整合を行う。上部電極がインピーダンス整合した後、プラズマは安定する。下部電極のインピーダンスのVSWR_2も目標値VSWR_T2に近づき続け、数パルス周期後の時刻T2で整合を達成する。本開示の実施形態において、パルス整合時間シーケンス制御方式が使用された後、2つの整合デバイスは、時間T4(またはT5)において整合を達成するために正確な制御を達成できることが分かる。整合時間T4は、既存のテクノロジーの整合時間T2以下であり、整合速度が大幅に改善される。
【0066】
[0077]オプション的に、上部電極および下部電極によってロードされるパルス電力のRF信号周波数は同じであってもよく、パルス信号周波数は同じであってもよく、パルス信号デューティサイクルは同じであってもよい。例えば、パルス周波数は、100Hzまたは他のパルス周波数であってもよい。デューティサイクルは、50%または他のデューティサイクルであってもよい。電極によってロードされるRF周波数は、13.56MHzに限定されず、400kHz、2MHz、27MHz、40MHz、60MHz、100MHz等の高周波数も含んでもよい。2MHzおよび13.56MHzのような2より多くの周波数信号がロードされてもよい。
【0067】
[0078]これに対応して、本開示の実施形態は、RFパルスデバイスおよびRFパルスデバイスを含むパルスプラズマ生成システムをさらに提供する。RFパルスデバイスは、上部電極および下部電極を含んでもよい。上部電極は、RF電源および対応する上部整合デバイスを含むことができる。下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含むことができる。パルス同期ラインは、上部RF電源と下部RF電源との間に接続することができる。パルス整合時間シーケンス制御ラインおよび時間シーケンス整合モジュールは、整合の正確な時間シーケンス制御を達成するために、上部整合デバイスと下部整合デバイスとの間に配置されてもよい。時間シーケンス整合モジュールは、上部整合デバイスに配置されたプログラム方式によって実現されてもよい。
【0068】
[0079]図10は、本開示のいくつかの実施形態にしたがう、パルスプラズマ生成システムの概略断面図である。図10に示すように、プラズマチャンバ内では、反応チャンバ1の下部に静電チャック2が位置付けられている。媒体ウインドウ4(例えば、セラミック材料または石英材料)は、反応チャンバ1の上部に位置付けられている。媒体ウインドウ4の中央には、ガスチャネルノズル11が配置されている。ガス(例えば、Ar、He、N、H、O、Cl、HBr、BCl、C、CF、SF等)は、ノズル11を通してチャンバ内にガイドされてもよい。RFエネルギーは、ノズル11から投入したガスをイオン化し、プラズマ6を生成し、ウエハ5に作用してプロセスを行う。誘導結合コイル3は、外側コイル32および内側コイル31の2つのサブコイルを含む。2つのサブコイルは、中心軸に垂直な媒体ウインドウ4上に平面構造を含むことができる。上部電極RFシステムは、電流分配機能を有する上部整合デバイス7を接続した後、誘導結合コイル3に接続され、内側コイル31および外側コイル32にエネルギーを出力可能なRF電源を含む。下部電極は、下部整合デバイス9に接続され、その後、静電チャック2に接続され、下部電極のRF電力のフィードバックを達成するRF電源を含む。ウエハ5は、静電チャック2の真上に置かれる。上部RF電源8および下部RF電源10は、パルス位相差同期制御として使用されるパルス同期ライン12に接続されている。一方、上部整合デバイス7と下部整合デバイス9との間には、2つの整合デバイス間のパルス整合の時間シーケンス制御として、パルス整合制御ライン13が接続されている。チャンバ中の上部電極および下部電極によって形成された磁界は、ノズル11を通過する特殊ガスをイオン化してプラズマ6を生成し、ウエハ5に作用してプロセスを実現する。
【0069】
[0080]当然ながら、パルスプラズマ生成システムは、ノズルのない構造を含むこともできる。図11に示すように、機器は、反応チャンバ1と、静電チャック2と、誘導結合コイル3とを含んでいる。誘導結合コイル3は、媒体ウインドウ4の上方に位置付けられた、内側コイル31および外側コイル32を含む。静電チャック2は、反応チャンバ1内に位置付けられ、下部整合デバイス9および下部RF電源10に接続されている。静電チャック2上にはウエハ5が設置されている。上部RF電源8は、電流分配機能を有するデュアル出力整合デバイスにより、内側コイル31および外側コイル32にエネルギーを出力する。上部RF電源8および下部RF電源10は、パルスRF信号を生成することができる電源デバイスを含む。パルス同期ライン12は、2つの電源間を接続する。パルス整合制御ライン13は、2つの整合デバイス間を接続する。システム全体は、パルスRF信号をチャンバ内にロードして、パルスプラズマ6を生成させ、ウエハ5で作用させることによって、エッチングプロセスを達成することができる。
【0070】
[0081]図10および図11のパルスプラズマ生成システムは両方とも、RFパルスデバイスを使用する。図12に示すように、RFパルスデバイスにおける時間シーケンス整合モジュールは、前処理ユニット14と、獲得ユニット15と、決定ユニット16と、整合ユニット17と、ロードユニット18とを含む。RFパルスデバイスの具体的な構成は以下を含む:
整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化するように構成された前処理ユニット14と、
上部電極および下部電極にパルス電力をロードするように構成されたロードユニット18と、
上部RF電源によってロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、パルス信号にしたがって上部整合デバイスの整合パラメータを計算するように構成された獲得ユニット15と、
整合しきい値に対する整合パラメータの大きさを決定し、整合しきい値に対する整合パラメータの大きさにしたがってパルスカウント値をリセットするように構成された決定ユニット16と、
セットパルスカウント値とパルス基準値との整合性にしたがって、上部整合デバイスに上部RF電源に対する整合を行わせ、または、下部整合デバイスに下部RF電源に対する整合を行わせるように構成された整合ユニット17。
【0071】
[0082]さらに改良して、
前処理ユニット14は、パルス基準値を第1の定数に初期化してもよく、
決定ユニット16が、整合パラメータは整合しきい値より大きいと決定した場合、決定ユニット16は、パルスカウント値を第1の定数または第1の定数と同じパリティを有する値にリセットしてもよく、整合パラメータが整合しきい値以下である場合、決定ユニット16は、パルスカウント値を第2の定数にリセットしてもよい。第2の定数は、第1の定数と等しくない、または、第1の定数と異なるパリティを有してもよく、
パルスカウント値がパルス基準値と等しい、または、パルス基準値と同じパリティを有する場合、制御ユニット17は、上部整合デバイスに、上部RF電源に対する整合を行わせてもよく、パルスカウント値がパルス基準値と等しくない、または、パルス基準値と異なるパリティを有する場合、制御ユニット17は、下部整合デバイスに、下部RF電源に対する整合を行わせてもよい。
【0072】
[0083]前処理ユニット14において、整合しきい値は、上部整合デバイス7のVSWRしきい値、反射係数しきい値、または、インピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含んでいてもよい。獲得ユニット15において、整合パラメータは、対応する上部整合デバイスのVSWR、反射係数、およびインピーダンスのうちのいずれか1つを含んでいてもよい。
オプション的に、VSWRの整合しきい値は、1~10の範囲であってもよい。オプション的に、VSWRの整合しきい値は、1~10の範囲の整数のうちのいずれか1つを含んでいてもよい。反射係数しきい値Γおよびインピーダンスしきい値ZLは、式(1)および式(2)によって計算されてもよく、ここでは繰り返さない。
【0073】
[0084]RFパルス整合方法に応答して、RFパルスデバイスでは、上部電極および下部電極によってロードされたパルス電力のRF信号周波数は同じであってもよく、パルス信号周波数は、同じであってもよく、パルス信号デューティサイクルは同じであってもよい。
【0074】
[0085]RFパルス整合方法の説明の一部に関連して、既存のテクノロジーのパルスプラズマの適用において、上部電極および下部電極がパルス信号を同時にロードするとき、上部整合デバイスと下部整合デバイスの同時の動作は、インピーダンスを継続的に変動させるかもしれない。インピーダンスは、2つの整合デバイスの同時の動作による影響を受けることから、プラズマインピーダンスの変動は大きくなるかもしれず、上部整合デバイスおよび下部整合デバイスの整合時間は長くなるかもしれず、整合は、時刻T2において達成されてもよい。本開示の実施形態のRFパルスデバイスにおいて、パルス整合時間シーケンス制御ラインを2つの整合デバイス間に追加することにより、2つの整合デバイスの作用を正確に制御する。上部整合デバイスと下部整合デバイスの作用は、個々に行われてもよい。他の電極の整合からの影響がないことから、2つの整合デバイス間の相互干渉を低減でき、整合速度を速くでき、不整合を回避でき、プロセスの安定性を向上できる。さらに、チューニング時間が速くなることから、チューニングの安定性は良好であり、プラズマ安定性は高く、整合デバイスの不整合のリスクは大きく低減でき、これは、ハードウェアウインドウを拡大するのに、およびプロセスの安定性のために、有益である。
【0075】
[0086]要約すれば、本開示のRFパルス整合方法およびRFパルス整合デバイスは、以下のような2つの主要な有益な効果を有する:
1.パルスプラズマの整合時間が速い;および
2.パルスプラズマは2つの電極によりあまり影響を受けず、変動は小さく、したがって、安定性が高い。
【0076】
[0087]本開示のRFパルス整合方法およびRFパルス整合デバイスはまた、他の導出された例を含み、例えば、プラズマシステムの上部電極は多次元の構造または3次元コイルグループを含んでいてもよいことを含む。その一方で、パルスプラズマ生成デバイスの適切なアプリケーションプラットフォームは限定されない。パルスプラズマ生成デバイスは、容量結合プラズマ(CCP)機器、および他の機器に適用されてもよい。
【0077】
[0088]上記の実施形態は、本開示の原理を図示するために使用される単なる例示的な実施形態にすぎず、本開示はこれに限定されないことが理解できるだろう。当業者にとって、本開示の精神および本質から逸脱することなく、さまざまな修正および改良を行うことができ、これらの修正および改良もまた、本開示の範囲内にある。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
無線周波数(RF)パルス整合方法であって、
S1において、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化することと、
S2において、上部電極および下部電極にパルス電力をロードすることと、前記上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、前記下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含み、
S3において、前記上部RF電源によりロードされた前記パルス電力のパルス信号を収集し、前記パルス信号にしたがって前記上部整合デバイスの整合パラメータを計算することと、
S4において、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさを決定し、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの前記大きさにしたがって前記パルスカウント値をリセットすることと、
S5において、リセットパルスカウント値と前記パルス基準値との整合性にしたがって、前記上部整合デバイスのうちのいずれか1つに、前記上部RF電源に対する整合を行わせる、または、前記下部整合デバイスに、前記下部RF電源に対する整合を行わせることと、
S6において、前記上部RF電源と前記下部RF電源とが整合するまで、プロセスS4およびプロセスS5を繰り返すこととを備える、RFパルス整合方法。
[C2]
プロセスS4は、前記上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジにおいて、前記整合しきい値の大きさに対する前記整合パラメータの大きさに関する決定を行うことと、および、決定結果にしたがって、同じ値に維持されるか、または、異なる値に変更するように、前記パルスカウント値をリセットすることとを特に含む、C1に記載のRFパルス整合方法。
[C3]
プロセスS1において、前記パルス基準値は第1の定数であり、
プロセスS4において、
前記整合パラメータが前記整合しきい値よりも大きい場合、前記パルスカウント値は、第1の定数または前記第1の定数と同じパリティを有する値にリセットされ、
前記整合パラメータが前記整合しきい値未満である場合、前記パルスカウント値は第2の定数にリセットされ、前記第2の定数は、前記第1の定数と等しくない、または、前記第1の定数とは異なるパリティを有し、
プロセスS5において、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しい、または、前記パルス基準値と同じパリティを有する場合、前記上部整合デバイスは、前記上部RF電源に対して整合を行い 前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しくない、または、前記パルス基準値と異なるパリティを有する場合、前記下部整合デバイスは、前記下部RF電源に対して整合を行う、C1に記載のRFパルス整合方法。
[C4]
前記整合しきい値は、電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、またはインピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含み、
前記整合パラメータは、対応する前記上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む、C1から3のうちのいずれか1項に記載のRFパルス整合方法。
[C5]
前記整合しきい値が前記VSWRしきい値であるとき、前記VSWRしきい値の値範囲は1~10である、C4に記載のRFパルス整合方法。
[C6]
前記上部電極および前記下部電極にロードされた前記パルス電力のRF信号の周波数は同じであり、パルス信号周波数は同じであり、パルス信号デューティサイクルは同じである、C1から3のうちのいずれか1項に記載のRFパルス整合方法。
[C7]
上部電極および下部電極を備えるRFパルスデバイスであって、
前記上部電極は、上部RF電源および対応する上部整合デバイスを含み、
前記下部電極は、下部RF電源および対応する下部整合デバイスを含み、
パルス同期ラインは、前記上部RF電源と前記下部RF電源との間を接続し、
パルス整合時間シーケンス制御ラインおよび時間シーケンス整合モジュールは、前記上部整合デバイスと前記下部整合デバイスとの間に配置され、
時間整合モジュールは、前処理ユニットと、ロードユニットと、獲得ユニットと、決定ユニットと、整合ユニットとを含み、ここで、
前記前処理ユニットは、整合しきい値を予め設定し、パルスカウント値をパルス基準値に初期化するように構成され、
前記ロードユニットは、前記上部RF電源によってロードされたパルス電力のパルス信号を収集し、前記パルス信号にしたがって前記上部整合デバイスの整合パラメータを計算するように構成され、
前記決定ユニットは、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさを決定し、前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさにしたがって前記パルスカウント値をリセットするように構成され、
前記整合ユニットは、リセットパルスカウント値と前記パルス基準値との整合性にしたがって、前記上部整合デバイスに前記上部RF電源に対する整合を行わせ、または、前記下部整合デバイスに前記下部RF電源に対する整合を行わせるように構成される、RFパルスデバイス。
[C8]
前記決定ユニットは、前記上部RF電源の各パルス周期の立ち上がりエッジで前記整合しきい値に対する前記整合パラメータの大きさの決定を行い、および、決定結果にしたがって、同じ値に維持されるか、または、異なる値に変更するように、前記パルスカウント値をリセットするように構成されている、C7に記載のRFパルスデバイス。
[C9]
前記前処理ユニットは、前記パルス基準値を第1の定数に初期化するように構成され、 前記決定ユニットが、前記整合パラメータは前記整合しきい値より大きいと決定した場合、前記決定ユニットは、前記パルスカウント値を前記第1の定数または前記第1の定数と同じパリティを有する値にリセットし、
前記整合パラメータが前記整合しきい値未満である場合、前記パルスカウント値は、第2の定数にリセットされ、前記第2の定数は、前記第1の定数と等しくない、または、前記第1の定数と異なるパリティを有し、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しい、または、前記パルス基準値と同じパリティを有する場合、前記上部整合デバイスは、前記上部RF電源に対する整合を行い、
前記パルスカウント値が前記パルス基準値と等しくない、または、前記パルス基準値と異なるパリティを有する場合、前記下部整合デバイスは、前記下部RF電源に対する整合を行う、C7に記載のRFパルスデバイス。
[C10]
前記整合しきい値は、前記前処理ユニットにおいて、電圧定在波比(VSWR)しきい値、反射係数しきい値、または、インピーダンスしきい値のうちのいずれか1つを含み、 前記整合パラメータは、前記獲得ユニット中の対応する前記上部整合デバイスのVSWR、反射係数、またはインピーダンスのうちのいずれか1つを含む、C7から9のうちのいずれか1項に記載のRFパルスデバイス。
[C11]
前記整合しきい値が前記VSWRしきい値であるとき、前記VSWRしきい値の値範囲は1~10である、C10に記載のRFパルスデバイス。
[C12]
C7から11に記載の前記RFパルスデバイスのうちのいずれか1つを備える、パルスプラズマ生成システム。
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