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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-08
(45)【発行日】2022-06-16
(54)【発明の名称】衣類
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/12 20060101AFI20220609BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A41B9/12 E
A61F13/49 220
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021113548
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2021-07-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000131555
【氏名又は名称】株式会社シャルレ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】牧野 侑紀
(72)【発明者】
【氏名】西村 嘉仁
(72)【発明者】
【氏名】永津 恵
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04898594(US,A)
【文献】米国特許第04244367(US,A)
【文献】中国実用新案第201591690(CN,U)
【文献】登録実用新案第3166235(JP,U)
【文献】特開2011-089244(JP,A)
【文献】特開平08-280726(JP,A)
【文献】特開平10-317205(JP,A)
【文献】登録実用新案第3110272(JP,U)
【文献】実開昭60-015321(JP,U)
【文献】特開2006-002255(JP,A)
【文献】中国実用新案第201861837(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/12
A61F 13/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
股間と対応する部分を有し、前記本体部に取り外し不能に取り付けられる吸水機能部と、を備え、
前記吸水機能部は、第1部分と、前記第1部分よりも表側に配置される第2部分と、前記第2部分よりも表側に配置される第3部分と、を備え、
前記第3部分は、防水機能を有し、一枚の布によって形成され、
前記第2部分は、吸水機能を有し、前記第1部分に取り付けられ、前記本体部、および、前記布には取り付けられておらず、
前記本体部は、腹部と対応する部分を有する第1本体部と、股間と対応する部分を有し、前記吸水機能部よりも表側に配置される第2本体部と、を備え、
前記第1本体部は、第1層部と、前記第1層部よりも表側に配置される第2層部とが重なっており、
前記第2本体部は、前記第2層部に取り付けられる第1取付部を備え、
前記吸水機能部は、ユーザの横方向と対応する方向において第1端部および第2端部と、ユーザの前後方向と対応する方向において前記第1取付部よりも前方に設けられ、前記第1層部に取り付けられる第2取付部と、を備え、
前記第1端部および前記第2端部は、それぞれ前記第2本体部に取り付けられる、衣類。
【請求項2】
本体部と、
股間と対応する部分を有し、前記本体部に取り外し不能に取り付けられる吸水機能部と、を備え、
前記吸水機能部は、第1部分と、前記第1部分よりも表側に配置される第2部分と、前記第2部分よりも表側に配置される第3部分と、を備え、
前記第2部分は、吸水機能を有し、前記第1部分に取り付けられ、前記本体部には取り付けられておらず、
前記本体部は、腹部と対応する部分を有する第1本体部と、股間と対応する部分を有し、前記吸水機能部よりも表側に配置される第2本体部と、を備え、
前記第1本体部は、第1層部と、前記第1層部よりも表側に配置される第2層部とが重なっており、
前記第2本体部は、前記第2層部に取り付けられる第1取付部を備え、
前記吸水機能部は、ユーザの横方向と対応する方向において第1端部および第2端部と、ユーザの前後方向と対応する方向において前記第1取付部よりも前方に設けられ、前記第1層部に取り付けられる第2取付部と、を備え、
前記第1端部および前記第2端部は、それぞれ前記第2本体部に取り付けられる、衣類。
【請求項3】
前記第3部分は、防水機能を有し、
前記第2部分は、前記第3部分に取り付けられていない、請求項に記載の衣類。
【請求項4】
前記本体部は、臀部と対応する部分を有する第3本体部をさらに備え、
前記第2本体部および前記吸水機能部は、ユーザの前後方向と対応する方向における実質的に同じ位置において前記第3本体部に取り付けられる、請求項からのいずれか一項に記載の衣類。
【請求項5】
前記第1部分および前記第3部分は、前記第2本体部よりもユーザの前後方向と対応する方向における寸法が長い、請求項からのいずれか一項に記載の衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される衣類は、ショーツの身生地から取り外し可能に構成される吸水パッドを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-113358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献の衣類は、吸水パッドを使用する場合には、身生地に吸水パッドを取り付ける必要がある。このため、ユーザの利便性に向上の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従う衣類の一形態は、本体部と、股間と対応する部分を有し、前記本体部に取り外し不能に取り付けられる吸水機能部と、を備え、前記吸水機能部は、第1部分と、前記第1部分よりも表側に配置される第2部分と、前記第2部分よりも表側に配置される第3部分と、を備え、前記第2部分は、吸水機能を有し、前記第1部分に取り付けられ、前記本体部には取り付けられていない。
【0006】
上記衣類によれば、本体部に吸水機能を有する吸水機能部が取り外し不能に取り付けられるため、ユーザの利便性が向上する。また、上記衣類によれば、吸水機能を有する第2部分は第1部分に取り付けられ、本体部には取り付けられていないため、吸水機能部から本体部に水分が伝わりにくい。このため、水分が衣服に染み出しにくい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の衣類は、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の衣類を装着したユーザを前方側から見た斜視図。
図2図1の衣類を装着したユーザを後方側から見た斜視図。
図3図1の衣類の正面図。
図4図1の衣類の背面図。
図5図1の衣類を裏返した状態において腹部と対応する側から見た平面図。
図6図1の衣類を裏返した状態において臀部と対応する側から見た平面図。
図7図1の衣類の断面を示す模式図。
図8図1の衣類の第2本体部および吸水機能部の接続状態を示す模式図。
図9図1の衣類の第2本体部および吸水機能部の平面図。
図10図1の衣類の第2本体部および吸水機能部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1から図10を参照して、実施形態の衣類10について説明する。衣類10の前後方向は、ユーザが衣類10を装着した状態における、ユーザの前後方向と対応する。衣類10の上下方向は、ユーザが衣類10を装着した状態におけるユーザの上下方向と対応する。衣類10の横方向は、ユーザが衣類10を装着した状態における、ユーザの横方向と対応する。衣類10の右方は、ユーザが衣類10を装着した状態における、ユーザの右方と対応する。衣類10の左方は、ユーザが衣類10を装着した状態における、ユーザの左方と対応する。ユーザが衣類10を装着する場合における、衣類10のうちユーザの肌に近い側を裏側とし、衣類10のうち裏側と反対側を表側とする。なお、図5および図6は、衣類10を裏返した状態を示している。このため、図1から図4および図7から図10と図面上における左右が逆転している。
【0010】
図1から図6に示されるように、衣類10は、少なくともユーザの股間を覆う形状を有する。例えば、衣類10は、ユーザの股間、腹部、腰部、および、臀部を覆う形状を有する。例えば、衣類10は、ショーツを含む。例えば、衣類10は、下肢用衣類である。例えば、衣類10は、下着である。例えば、衣類10は、ユーザの上半身および下半身を覆う形状を有する、ボディスーツおよびボディファンデーション等を含んでいてもよい。本実施形態では、衣類10をショーツとして説明する。
【0011】
衣類10は、本体部11および吸水機能部40を備える。吸水機能部40は、本体部11の裏側に配置される。好ましくは、吸水機能部40は、ユーザの股間と対応し、かつ、ユーザの股間に接触可能なように本体部11に取り付けられる。
【0012】
例えば、衣類10は、ウエスト部15および縁部16をさらに備える。ウエスト部15および縁部16は、本体部11に取り付けられる。図1から図4に示されるように、本実施形態では、本体部11は、一般的なショーツの形状を有する。本体部11は、身生地である。本体部11は、生地によって形成される。本実施形態の衣類10は、洗濯可能である。例えば、衣類10は、洗濯可能な材料によって形成される。例えば、本体部11および吸水機能部40は、洗濯できる材料によって構成される。このため、衣類10は、吸水機能部40が本体部11に取り付けられた状態のまま、洗濯できる。
【0013】
本体部11は、第1本体部12、第2本体部13、および、第3本体部14を備える。図1に示されるように、第1本体部12は、ユーザの腹部と対応する部分17を有する。例えば、第1本体部12は、ユーザの下腹部を覆う。第1本体部12は、本体部11のうちの第1本体部12以外の部分とは別の生地によって構成されてもよく、本体部11のうちの第1本体部12以外の部分と連続する生地によって構成されてもよい。本実施形態では、第1本体部12は、本体部11のうちの第1本体部12以外の部分とは別の生地によって構成される。第1本体部12は、ユーザの下腹部を覆うように構成されていれば、形状は適宜変更できる。
【0014】
図7に示されるように、第1本体部12は、第1層部18と、第1層部18よりも表側に配置される第2層部19とが重なっている。第1層部18および第2層部19は、互いに形状が異なる。第1層部18の面積は、第2層部19の面積よりも小さい。第1層部18および第2層部19は、同じ種類の生地によって構成される。第1層部18および第2層部19は、別の種類の生地によって構成されてもよい。
【0015】
図3から図7に示されるように、第1本体部12の下端部には、第2本体部13が設けられる。第2本体部13は、股間と対応する部分23Aを有する。例えば、第2本体部13は、ユーザの股間を覆う。第2本体部13は、例えば、一般的なショーツのクロッチ部と同様の形状を有する。第2本体部13は、本体部11のうちの第2本体部13以外の部分とは別の生地によって構成されてもよく、本体部11のうちの第2本体部13以外の部分と連続する生地によって構成されてもよい。本実施形態では、第2本体部13は、本体部11のうちの第2本体部13以外の部分とは別の生地によって構成される。
【0016】
第2本体部13は、吸水機能部40よりも表側に配置される。第2本体部13は、第1本体部12の第2層部19の下端部に取り付けられる。第2本体部13は、第2層部19に取り付けられる第1取付部24を備える。例えば、第2本体部13の第1取付部24に、第2層部19の第2本体部取付部21が縫着される。第2本体部13は、第1取付部24とは反対側の端部に、第3本体部14に取り付けられる1次取付部25を有する。第2層部19は、第2本体部13が取り付けられる第2本体部取付部21を有する。第1本体部12は、第3本体部14に取り付けられる第3本体部取付部22を有する。
【0017】
第3本体部14は、臀部と対応する部分26を有する。例えば、第3本体部14は、ユーザの臀部を覆う。第3本体部14は、ユーザの腰部をさらに覆う。第3本体部14は、本体部11のうちの第3本体部14以外の部分とは別の生地によって構成されてもよく、本体部11のうちの第3本体部14以外の部分と連続する生地によって構成されてもよい。本実施形態では、第3本体部14は、本体部11のうちの第3本体部14以外の部分とは別の生地によって構成される。第3本体部14は、第1本体部12に取り付けられる第1本体部取付部27を有する。第1本体部取付部27は、第3本体部14の左側の端部および右側の端部のそれぞれに設けられる。右側の第1本体部取付部27は、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの正面のうちの正中線よりも右側の部分と対応する位置に設けられる。左側の第1本体部取付部27は、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの正面のうちの正中線よりも左側の部分と対応する位置に設けられる。各第1本体部取付部27は、上下方向に延びる。
【0018】
例えば、第1本体部12は、第3本体部取付部22において、第3本体部14の第1本体部取付部27に取り付けられる。例えば、第1層部18および第2層部19は、第3本体部取付部22を含む。例えば、第1層部18および第2層部19は、第3本体部取付部22において、第3本体部14の第1本体部取付部27に取り付けられる。
【0019】
第3本体部14は、第2本体部13に取り付けられる2次取付部28を有する。2次取付部28は、第3本体部14において、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの背面と対応する部分のうちの下端部に設けられる。例えば、第2本体部13は1次取付部25において、第3本体部14の2次取付部28に取り付けられる。
【0020】
ウエスト部15は、第1本体部12の第1上端部29および第3本体部14の第2上端部30に設けられる。ウエスト部15は、ユーザのウエストまわりに配置されるように構成される。ウエスト部15は、ユーザのウエストの周方向において、帯状の形状を有する。ウエスト部15は、例えば、生地で構成される。好ましくは、ウエスト部15は、伸縮性のある生地で構成される。ウエスト部15は、例えば、ゴムによって構成される。
【0021】
縁部16は、ユーザの右大腿の付け根付近および左大腿の付け根付近のそれぞれを囲うように設けられる。第2本体部13は、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの右大腿および左大腿のそれぞれと対応する端部32を備える。第3本体部14は、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの右大腿および左大腿のそれぞれと対応する端部33を備える。吸水機能部40は、ユーザが衣類10を装着した状態において、ユーザの右大腿および左大腿のそれぞれと対応する端部34を備える。衣類10の左右それぞれにおいて端部32、33、34によって、ユーザの下肢を通過させるための孔が構成される。縁部16は、端部32、33、34に設けられる。縁部16は、生地によって構成される。縁部16は、本体部11の生地の縁によって形成されてもよい。縁部16は、本体部11に縫着されるレース生地によって構成されてもよい。
【0022】
吸水機能部40は、本体部11から取り外し不能に取り付けられる。例えば、吸水機能部40は、本体部11に取り外し不能に縫着される。例えば、吸水機能部40は、本体部11とは別体として構成される。図5および図6に示されるように、吸水機能部40は、股間と対応する部分23Bを有する。図7から図10に示されるように、吸水機能部40は、例えば、少なくともユーザの外尿道口を覆う形状および寸法を有する。吸水機能部40は、第1部分41と、第1部分41よりも表側に配置される第2部分42と、第2部分42よりも表側に配置される第3部分43と、を備える。
【0023】
第1部分41は、股間と対応するように構成される。例えば、第1部分41は、水分が通過しやすく、かつ、肌触りのよい生地によって構成される。例えば、第1部分41は、パイル生地によって構成される。第1部分41は、パイル生地以外の生地によって構成されてもよい。第1部分41は、水分が通過しやすく、かつ、肌触りのよい生地であれば、適宜材料を変更できる。第1部分41は、第2部分42と対向する第2部分取付面50を有する。第2部分取付面50は、第1部分41の表側に設けられる。
【0024】
第2部分42は、股間と対応するように構成される。第2部分42は、吸水機能を有する。例えば、第2部分42は、吸水できる材料によって形成される。第2部分42の材料は、例えば、第1部分41および第3部分43の材料よりも吸水性能が高い材料を含む。好ましくは、第2部分42は、布によって構成される。例えば、第2部分42は、不織布によって形成される。第2部分42は、吸水機能を有する材料であれば、適宜材料を変更できる。
【0025】
第3部分43は、股間と対応するように構成される。第3部分43は、第1部分41と同じ形状を有する。第3部分43は、防水機能を有する。例えば、第3部分43は、防水できる材料によって形成される。例えば、第3部分43は、撥水性を有する化学繊維の布によって形成される。例えば、第3部分43は、樹脂等のフィルムによってラミネート加工された生地によって構成される。例えば、第3部分43は、防水スプレーを吹きかけた生地によって構成されてもよい。第3部分43は、水分を伝達しにくいものであれば、適宜材料を変更できる。
【0026】
第2部分42は、第1部分41に取り付けられる。例えば、第2部分42は、第1部分41の第2部分取付面50と対向するように第1部分41に重ねられる。例えば、第2部分42は、第2部分42の全周または全周のうちの一部と対応する部分に設けられる縫着部分51において第1部分41に縫着されることによって、第1部分41に取り付けられる。第2部分42の面積は、第1部分41の面積よりも小さい。第2部分42は、第1部分41の縁よりも内側において第1部分41に取り付けられる。第2部分42の右側の縁は、第1部分41の右側の縁よりも左側に位置する。第2部分42の左側の縁は、第1部分41の左側の縁よりも右側に位置する。第2部分42の前側の縁は、第1部分41の前側の縁よりも後側に位置する。第2部分42の後側の縁は、第1部分41の後側の縁よりも前側に位置する。第2部分42の前側の縁から第1部分41の前側の縁までの距離は、第2部分42の右側の縁から第1部分41の右側の縁までの距離、および、第2部分42の左側の縁から第1部分41の左側の縁までの距離よりも大きい。第2部分42の後側の縁から第1部分41の後側の縁までの距離は、第2部分42の右側の縁から第1部分41の右側の縁までの距離、および、第2部分42の左側の縁から第1部分41の左側の縁までの距離よりも大きい。
【0027】
第2部分42は、本体部11には取り付けられていない。例えば、第2部分42は、第1本体部12、第2本体部13、および、第3本体部14のいずれにも取り付けられていない。例えば、第2部分42は、直接本体部11には取り付けられず、第1部分41を介して本体部11に取り付けられる。
【0028】
第2部分42は、第3部分43に取り付けられていない。例えば、第2部分42は、吸水機能部40のうち、第1部分41にのみ取り付けられる。例えば、第2部分42は、第1部分41にのみ縫着され、第3部分43には縫着されていない。
【0029】
図9に示されるように、第1部分41および第3部分43は、第2本体部13よりもユーザの前後方向と対応する方向における寸法が長い。例えば、第1部分41および第3部分43は、ユーザの前後方向に対応する方向において実質的に同じ第1寸法L1を有する。例えば、第2本体部13は、ユーザの前後方向に対応する方向において第2寸法L2を有する。第1寸法L1は第2寸法L2よりも長くなるように構成される。
【0030】
吸水機能部40は、ユーザの横方向と対応する方向において第1端部44および第2端部45を備える。吸水機能部40は、ユーザの前後方向と対応する方向において第3端部46および第4端部47をさらに備える。図9に示されるように、第1端部44は、吸水機能部40の左側の辺を含む。吸水機能部40の左側は、図9における左側と対応する。第2端部45は、吸水機能部40の右側の辺を含む。吸水機能部40の右側は、図9における右側と対応する。第3端部46は、吸水機能部40の前側の辺を含む。吸水機能部40の前側は、図9における上側と対応する。第4端部47は、吸水機能部40の後側に設けられる。吸水機能部40の後側は、図9における下側と対応する。例えば、第1端部44、第2端部45、第3端部46および第4端部47は、吸水機能部40の第1部分41および第3部分43に設けられる。
【0031】
図7および図9に示されるように、吸水機能部40は、第1本体部12の第1層部18に取り付けられる第2取付部48を備える。第1本体部12の第1層部18は、吸水機能部40が取り付けられる吸水機能部取付部20を有する。例えば、第2取付部48は、第3端部46に設けられる。第2取付部48は、第1部分41および第3部分43に設けられ、第2部分42には設けられない。
【0032】
吸水機能部40は、ユーザの前後方向と対応する方向において、第3本体部14の2次取付部28および第2本体部13の1次取付部25に取り付けられる3次取付部49を有する。例えば、3次取付部49は、第4端部47に設けられる。3次取付部49は、第1部分41および第3部分43に設けられ、第2部分42には設けられない。
【0033】
第1端部44および第2端部45は、それぞれ第2本体部13に取り付けられる。例えば、第1部分41および第3部分43は、第1端部44、および、第2端部45において、第2本体部13に縫着される。
【0034】
例えば、吸水機能部40の第2取付部48に第1本体部12の吸水機能部取付部20が縫着される。例えば、吸水機能部40、第1本体部12、および、第2本体部13が重ねられた状態において、吸水機能部40の第1端部44が、第1本体部12および第2本体部13に縫着される。例えば、吸水機能部40、第1本体部12、および、第2本体部13が重ねられた状態において、吸水機能部40の第2端部45が、第1本体部12および第2本体部13に縫着される。例えば、吸水機能部40および第2本体部13が重ねられた状態において、吸水機能部40の3次取付部49および第2本体部13の1次取付部25が、第3本体部14の2次取付部28に縫着される。これによって、本体部11に吸水機能部40が取り外し不能に取り付けられる。
【0035】
第1部分41、第2部分42、および、第3部分43のうちの全てが予め取り付けられた状態の吸水機能部40が、本体部11に取り付けられてもよい。第3部分43が本体部11に取り付けられた後、予め取り付けられた状態の第1部分41および第2部分42が第3部分43および本体部11に取り付けられてもよい。本体部11に第1部分41が取り付けられた後、第2部分42、および、第3部分43が本体部11または第1部分41に順次取り付けられてもよい。第1部分41、第2部分42、および、第3部分43のうちの全てが予め取り付けられた状態の吸水機能部40に、第1本体部12、第2本体部13、および、第3本体部14がそれぞれ取り付けられてもよい。
【0036】
第2本体部13および吸水機能部40は、ユーザの前後方向と対応する方向における実質的に同じ位置において第3本体部14に取り付けられる。すなわち、第2本体部13の後端部は、第1部分41の後端部および第3部分43の後端部と実質的に同じ位置に配置される。第1寸法L1は第2寸法L2よりも長いため、第2取付部48は、ユーザの前後方向と対応する方向において第1取付部24よりも前方に設けられる。ユーザが衣類10を装着した状態において、第2本体部13の前端部である第2取付部48は、ユーザの前後方向と対応する方向において、第1部分41の前端部および第3部分43の前端部である第1取付部24よりも前方に設けられる。
【0037】
本実施形態の衣類10の作用および効果について説明する。
(1)衣類10は、本体部11に吸水機能を有する吸水機能部40が取り外し不能に取り付けられる。このため、本体部11に吸水機能部40を取り付ける手間、および、本体部11から吸水機能部40を取り外す手間を省略できるため、ユーザの利便性が向上する。さらに、本体部11に吸水機能部40が取り付けられた状態において衣類10の洗濯ができるため、ユーザの利便性が向上する。また、吸水機能を有する第2部分42は、第1部分41に取り付けられ、本体部11には取り付けられていない。このため、吸水機能部40から本体部11に水分が伝わりにくい。したがって、水分が衣服に染み出しにくい。水分は、人体から生じる水分を含む。例えば、水分は、尿、おりもの、および、汗を含む。また、第2部分42は、縫着によって第1部分41に取り付けられている。このため、縫着に用いられる糸および糸が通過する第1部分41の孔が水分伝達構造を形成する。水分伝達構造によって、第1部分41から第2部分42に水分を伝達しやすい。したがって、第1部分41から第2部分42以外の部分への水分の伝達が抑制される。
【0038】
(2)第3部分43は防水機能を有している。このため、水分が第1部分41および第2部分42から本体部11に伝わりにくい。また、第2部分42は第3部分43に取り付けられていない。このため、水分が第2部分42から第3部分43に伝わりにくい。例えば、第2部分42は、第1部分41にのみ縫着部分51において縫着され、第3部分43には縫着されていない。このため、衣類10は、第1部分41から縫着部分51を介して効果的に水分を第2部分42に伝達でき、かつ、第3部分43よりも表側への水分の伝達を抑制できる。
【0039】
(3)第1本体部12は、第1層部18および第2層部19が重なっている。このため、第1層部18に水分が伝わったとしても、第2層部19よりも表側に配置される衣服に水分が到達しにくい。
【0040】
(4)第1端部44および第2端部45は、それぞれ第2本体部13に取り付けられる。例えば、第1部分41および第3部分43は、第1端部44、および、第2端部45において、第2本体部13に縫着される。このため、吸水機能部40が本体部11からずれにくい。
【0041】
(5)第1取付部24は、ユーザの前後方向と対応する方向において第2取付部48よりも後方に設けられる。このため、吸水機能部40のユーザの前後方向と対応する方向における寸法を長くすることによって、吸水機能部40の面積を大きくできるため、吸水機能部40は効果的に吸水できる。また、衣類10の表側において第2取付部48を第1取付部24よりも前方に位置するように構成できる。このため、衣類10の表側からの見た目を一般的なショーツと同様にできるため、ユーザが違和感を覚えにくい。
【0042】
(6)第2本体部13および吸水機能部40は、ユーザの前後方向と対応する方向における実質的に同じ位置において第3本体部14に取り付けられる。このため、第2本体部13および吸水機能部40をまとめて縫着できるため、衣類10の製造を容易にできる。
【0043】
(7)第1部分41および第3部分43は、第2本体部13よりもユーザの前後方向と対応する方向における寸法が長い。このため、吸水機能部40の面積を大きくできるため、効果的に吸水できる。
【0044】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う衣類が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う衣類は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
・衣類10の股間と対応する部分は、5層以上の層によって構成されていてもよい。この場合、吸水機能部40が4層以上の層構造を有していてもよく、本体部11が2層以上の層によって構成されていてもよい。
【0046】
・第1本体部12は、3層以上の層によって構成されてもよい。この場合、例えば、吸水機能部40は最も表側の生地以外の生地のいずれかに取り付けられる。例えば、吸水機能部40は最も表側の生地以外の生地にまとめて取り付けられてもよい。第1本体部12が3層以上の層によって構成される場合、衣類10よりも表側に配置される衣服に水分がより伝達されにくくなる。
【0047】
・縁部16は省略されてもよい。この場合、例えば、端部31、端部32、端部33、および、端部34には、ユーザの両下肢のそれぞれの周方向に生地のほつれを防止するような縫い目が設けられる。
【0048】
・第2部分42は、吸水ポリマーを含んで構成されてもよい。この場合、衣類10は、例えば、使い捨てでもよい。衣類10が使い捨てである場合、本体部11は、布によって構成されてもよく、不織布によって構成されてもよい。
【0049】
・衣類10を構成する各部分は、縫着に代えてまたは加えて、接着剤による接着によって互いに取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…衣類、11…本体部、12…第1本体部、13…第2本体部、14…第3本体部、17…腹部と対応する部分、18…第1層部、19…第2層部、23A…股間と対応する部分、23B…股間と対応する部分、24…第1取付部、26…臀部と対応する部分、40…吸水機能部、41…第1部分、42…第2部分、43…第3部分、44…第1端部、45…第2端部、48…第2取付部
【要約】
【課題】本体部に取り外し不能に構成される吸水機能部を有する衣類を提供する。
【解決手段】衣類10は、本体部11と、少なくとも股間を覆い、本体部11に取り外し不能に取り付けられる吸水機能部40と、を備える。吸水機能部40は、第1部分41と、第1部分41よりも表側に配置される第2部分42と、第2部分42よりも表側に配置される第3部分43と、を備える。第2部分42は、吸水機能を有し、第1部分41に取り付けられ、本体部11には取り付けられていない。
【選択図】図7
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