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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】非電動式自動扉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 13/04 20060101AFI20220610BHJP
   E05C 1/02 20060101ALI20220610BHJP
   E05C 3/02 20060101ALI20220610BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20220610BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20220610BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
E05F13/04
E05C1/02
E05C3/02
E05B49/00 J
E05B47/00 H
E06B7/28 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018197578
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2020063641
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-08-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】312012461
【氏名又は名称】株式会社miimo
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】今野 康裕
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-23890(JP,A)
【文献】特開2013-70520(JP,A)
【文献】特開2014-218782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 13/04
E06B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の荷重の有無によって、降下、上昇復帰する可動式床機構に連動して、移動扉を開閉させる機能を備えた非電動式自動扉装置において、
前記移動扉を施解錠するための操作部を有した機械式ロック機構を備え、
前記操作部を、前記移動扉の側端部か、前記移動扉を閉じたときに、前記移動扉の側端部の近傍にある壁面であって、人が前記可動式床機構に乗らずに操作可能な位置に設けており、
発電ユニットと、この発電ユニットから給電を受けて点灯する足元照明ランプとを更に備え、
前記発電ユニットは、前記移動扉の開閉移動のために設けられている回動部品の回転を受けて発電する構成にしていることを特徴とする非電動式自動扉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動扉の前に立った人の荷重の有無によって開、閉動作させる非電動式自動扉装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
次の特許文献1、2には、非電源式自動扉装置の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許4253034号公報
【文献】特許5799358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載されている自動扉装置は、いずれも無電源型であり、扉の正面床面に可動式床機構を設け、可動式床機構に人が乗ると降下して扉を開け、可動式床機構から人が降りると、可動式床機構が上昇復帰して扉を閉じる構造になっている。したがって可動式床機構に人が乗ると扉が開いてしまうため、従来の自動扉のようにロック機構を扉の室内外側の下部に設けることができず、そのため、無電源という特徴がありながら、玄関先の外扉としての使用ができず、用途を狭めている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するために提案され、主たる目的は、非電源式移動扉を玄関扉などにも使用できるようにするため、施錠機構を組み込んだシステムを、外部電源を使用せずに無電源で作動するようにした、新規な非電源式自動扉装置を提供することにある。
【0006】
本発明は、人の荷重の有無によって、降下、上昇復帰する可動式床機構に連動して、移動扉を開閉させる機能を備えた非電動式自動扉装置において、前記移動扉を施解錠するための操作部を有した機械式ロック機構を備え、前記操作部を、前記移動扉の側端部か、前記移動扉を閉じたときに、前記移動扉の側端部の近傍にある壁面であって、人が前記可動式床機構に乗らずに操作可能な位置に設けており、発電ユニットと、この発電ユニットから給電を受けて点灯する足元照明ランプとを更に備え、前記発電ユニットは、前記移動扉の開閉移動のために設けられている回動部品の回転を受けて発電する構成にしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、非電源式移動扉に施錠機構を組み込んだシステムを外部電源を使用せずに無電源で機能させることができるので、停電時などでも作動し、玄関扉にも使用できる。
また、電動式の自動扉のように、専門家の保守、点検を必要とせず、ランニングコストの軽減された省エネ対応自動扉が実現できる。
また移動扉の機械式ロック機構の操作部を、前記移動扉の側端部か、前記移動扉を閉じたときに、前記移動扉の側端部の近傍にある壁面であって、人が前記可動式床機構に乗らずに操作可能な位置に設けているので、機械式ロック機構の操作部を操作して、移動扉を施解錠でき、玄関先の外扉としても利用できる。
また本発明によれば、可動式床機構を照らす足元照明ランプを設けてあり、この足元照明ランプは、前記移動扉の開閉移動のために設けられている回動部品の回転を受けて発電する発電ユニットから給電を受けて点灯駆動できるので、足元照明ランプを外部電源を使用することなく、可動式床機構の昇降動作時に点灯させて注意を喚起できる。
したがって、扉を外扉としても利用できる効果に加えて、可動式床機構が昇降する際に、
足元照明ランプで照らされるので、安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一の本発明の一実施例の要部縦断面説明図であり、室外側から見たときの移動扉を閉じた状態を示す図(室外ロック仕様)。
図1A】(a)は吊り下げレール、発電ユニット、移動扉自動閉復帰手段の位置関係を示す要部横断面説明図、(b)は可動式床機構、移動扉開作動機構、足元照明ランプの位置関係を示す要部断面説明図である。
図2図1に示す実施例において、移動扉が開きつつある状態を示す要部縦断面説明図である。
図3】(a)、(b)は移動扉が閉、開の状態にあるときの可動式床機構の動作を示す斜視説明図である。
図4】(a)は第一、第二の本発明の他の実施例を室内側から見たときの移動扉を閉じた状態における要部縦断面説明図(室内ロック仕様)、(b)は機械式ロック機構の縦断面説明図である。
図5図4に示す実施例において移動扉が開いた状態を示す縦断面図である。
図6】第一の本発明の他の実施例を室内側から見たときの移動扉を閉じた状態を示す縦断面図(室内ロック仕様)である。
図7】(a)~(d)は図6に示す実施例において機械式ロック機構の操作部の解錠、施錠時における状態変化を示す一連の縦断面説明図である。
図8】第二の本発明の実施例において、室外側から見たときの移動扉を閉じた状態を示す要部縦断面説明図(室外ロック仕様)である。
図9図8に示す実施例において、移動扉を開いた状態を示す要部縦断面説明図である。
図10】第二の本発明の実施例において、室外側から見たときの移動扉を閉じた状態を示す要部縦断面説明図(室外ロック仕様)である。
図11図10に示す実施例において、移動扉を開いた状態を示す要部縦断面説明図である。
図12】第二の本発明の要部である発電ユニット、電気式ロック機構、コントローラ、ワイヤレスカードキーの電気的系統を示すブロック図。
図13】本発明を両開扉に適用した場合の一実施例を示す要部縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、第一の本発明における一実施例を図1図3とともに説明する。
【0012】
自動扉装置1は、人の荷重の有無によって降下し、人の荷重がなくなると上昇復帰する可動式床機構11を備え、この可動式床機構11を人の荷重の有無によって、降下、上昇復帰させて、移動扉を開、閉する構成になっている。図に示す自動扉装置1は、引戸などの移動扉10の正面の床面に設けられ、人が乗ると降下し、降りると上昇復帰する可動式床機構11と、移動扉10の内部で移動扉の移動方向に沿って設けられたレール状の傾斜ガイド受部10aと、可動式床機構11に人の荷重がないときに移動扉10を閉方向に付勢して移動扉10を閉じるための錘12cを有した移動扉自動閉復帰手段12と、可動式床機構11の下降時の変位を傾斜ガイド受部10aに伝達して前記移動扉10を開かせる移動扉開作動機構13とを備えている。
【0013】
また、自動扉装置1は、機械式ロック機構14を備えており、このロック機構14の操作部14aを、人が可動式床機構11に乗らずに操作可能な位置に配設している。図1の例では、室外ロック仕様となっており、機械式ロック機構14は壁面2に収容されて図示されていないが、移動扉10の室外側の右下端に、操作部としてキー穴19を設け、このキー穴19に施錠キーを挿入し、機械式ロック機構14を操作して施錠、解錠する構成になっている。
また、この実施例では、自動扉装置1は、移動扉10の移動に伴って発電する発電ユニット15と、発電ユニット15が発電した電力によって点灯駆動する足元照明ランプ16を備えているが、これは第一の本発明の必須の構成ではない。
【0014】
移動扉10は、図1図1A(a)、図2に示すように、入口が形成された壁面2に沿って自由に水平移動できるように、上方に延出して設けた車輪付きの吊下アーム10b、10bを壁面2の上部に固定されたレール2aに掛けた状態で吊り下げ保持されている。移動扉10の下部は底面が開放された空洞構造になっており、この空洞内に一本のレール状の傾斜ガイド受部10aを設けている。ここに、傾斜ガイド受部10aは、扉10の閉方向に下降する斜面状のレール構造になっているが、後述する移動扉開作動機構13のローラー13aによって上向きの押圧を受け止めるため堅牢な造りになっている。
【0015】
可動式床機構11は、図3に示すように、床板11cを備え、床板11cは床面に形成された凹所内を昇降可能とされ、通常は、図示しない弾性部材等によって床面と同水準に保持されている。その上に人が乗ると、人の荷重によって下降するが、人が降りてその荷重がなくなると床面と同水準まで上昇し自動復帰する。
可動式床機構11は、移動扉10の正面側、裏面側からの出入りをスムーズにするため、移動扉10の正面側及び裏面側にそれぞれ対設されており、一方の床板11cが下降、上昇すれば、他方も同じように連動して、下降、上昇復帰する構成になっている。
可動式床機構11の正面側、裏面側のそれぞれの三辺には、床板11cが下降したときにその周縁部に生じる段差(隙間)を隠すための安全板11aが設けられている。ここに、安全板11aはその一辺が蝶番11bによって床面縁部に固定されているので、可動式床機構11の床板11cの下降及び上昇復帰に伴って上下に傾動して、双方の三辺の周縁部に生じる段差を傾斜面にして隠すことができる。
【0016】
移動扉自動閉復帰手段12は、図1図1A(a)、図2に示すように壁2内に隠蔽収容されており、錘12cの荷重によって移動扉10を常時閉方向に付勢する構成としている。具体的には、移動扉10から上方に延出して設けられたアーム10cからワイヤー12aを伸ばし、そのワイヤー12aをプーリー12bによって垂下させ、その先端に錘12cを吊るした構成になっている。そのため、移動扉10は、可動式床機構11に人が乗っていない状態では、錘12cの重力によって常時閉方向に付勢され、錘12cの重力で移動扉10を自動的に閉じる構造になっている。
【0017】
一方の移動扉開動作動機構13は、図1図1A(b)、図2に示すように床面に固定された支点13bを有するリンク機構を有しており、可動式床機構11に人が乗ったときに降下する変位を、リンク13cによって上方向の変位に変換して傾斜ガイド受部10aに伝達するようになっている。リンク13cの自由端にはローラー13aを設け、そのローラー13aを傾斜ガイド受部10aに接触させている。そのため、人が可動式床機構11の床板11cに乗ったときには、このローラー13aが傾斜ガイド受部10aを上方に押圧し、その押圧力が傾斜ガイド受部10aの斜面と直交する方向に作用する結果、移動扉10は傾斜ガイド受部10aにガイドされて移動し、図2に示したように開方向に移動して開く。
【0018】
発電ユニット15は、この実施例では、図1図1A(a)、図2に示すように、移動扉10の上方に設けたレール2aの一端側に、ワイヤー12aを支持するプーリー12bを設け、そのプーリー12bの回転軸に連結されている。したがって、移動扉10が開、閉方向に移動すれば、プーリー12bを回転させて発電できる。ここに、発電ユニット15には、移動扉10が開方向へ移動しているときのみ発電するように一方向クラッチを設けてもよいが、発電した電力を蓄積できるように二次電池あるいはコンデンサーを設けた充電ユニットを付加することが望ましい。
【0019】
このような発電ユニット15を設ける場合、移動扉10の開閉動作以外にも、可動式床機構11の昇降や移動扉開作動機構13の作動時に、それらの伝達力を受けて発電する構成にしてもよく、そこで発電した電力を蓄電池などで蓄電しておけば、後述する足元照明ランプ、電気式ロック機構やコントローラは外部から給電を受けることなく作動でき、非電源式開閉扉装置の無電源化が可能となる。
【0020】
足元照明ランプ16は、消費電力の少ないLEDランプで構成されており、図1図1A(b)、図2に示すように、移動扉10の側壁2の下方に設けて、可動式床機構11の床板11cを照らすようになっている。このような足元照明ランプ16は、少なくとも移動扉10が開方向に移動している間、発電ユニット15で発電した電力によって自動的に点灯する構成にすればよいが、壁面2内部から可動式床機構11の全体に向けて照射するようにすれば、可動式床機構11の床板11cに人が乗って、移動扉10を開くときに生じる段差を視認することが容易になり、高齢者などの不注意によるつまずき事故や転倒事故を未然に防止する効果がある。また、足元照明ランプ16を照度センサーに連動させて、夜間などに限って、発電ユニット15で発電し、蓄電ユニットに蓄電している電力を放電して点灯させる構成にしてもよい。
【0021】
ついで、第一の本発明の他の実施例を説明するが、前述した実施例と共通する要素には同一の参照符号を付けて説明を省略する。
図4図5の例は、移動扉の室内側に機械式ロック機構14と、その操作部14aを設けた室内ロック仕様の実施例を示している。
機械式ロック機構14の操作部14aは、移動扉10の室内側で、人が可動式床機構11に乗らずに操作できる位置に設けている。このレバー操作部14aは、握り部の両側を同方向に折り曲げた形状になっており、壁面2に設けた凹所2aに収容されて上下方向に倒伏操作できるようになっている。
【0022】
このような構造によれば、移動扉10が閉じた状態にあるときに、操作部14aを立ち上げると、図4(a)、図4(b)に示すように、操作部14aが移動扉10の端面に当接してストッパーとして機能するので、移動扉を室内側から施錠できる。また、解錠時には図5に示したように、操作部14aを倒すと、壁面2の凹所2aに収容されるため、移動扉10は移動可能になって開くことができる。
【0023】
次いで第一の本発明の更に他例を説明する。
図6は移動扉を室内側から見たときの縦断面説明図、図7(a)~(c)は機械式ロック機構の操作部の動作を示す縦断説明面図である。
【0024】
この例では、機械式ロック機構14の操作部14aを押圧して、ストッパーとして突出させて使用する構造になっており、前述した実施例と同様に室内ロック仕様となっている。
操作部14aは前述した実施例と同様に、移動扉10の室内側で、人が可動式床機構11に乗らずに操作できる位置に設けている。前述した実施例と共通する要素には同一の参照符号を付けて説明を省略する。
【0025】
機械式ロック機構14の詳細構造は、図7に詳細に示されているので、図を参照して、基本構造を説明する。
機械式ロック機構14は、移動扉10が閉じた状態にあるときに、操作部14aがストッパーとして機能する位置となる壁面2の適所にピンケース14bを埋設し、そのピンケース14bの中空部内に、操作部14a、バネ14eを配置し、その後方に、先端にストップリング14dを遊嵌し後部にスプリングなどの弾性体14dを配置したピン本体14fを内装して、操作部14aを壁面より出没可能な構造にしている。
【0026】
ここに、ピン本体14fは、ピンケース14bの中空部に収容され、後端に配置した弾性体14cによって前進方向に付勢されている。ピン本体14aは中間部に細径部があり、この部分にストップリング14dが外遊嵌され、ピンケース14bには、ストップリング14dを進退可能に収容する大径部が形成されている。
【0027】
機械式ロック機構14の基本動作を説明すると、移動扉10が解錠されているときには、図7(a)に示すように、操作部14aは、ピンケース14b内に収容され、ピン本体14fは弾性爪14eによって突出が規制されるので、操作部14aは突出できず、ピンケース14b内に埋没されているが、この状態で操作部14aを指で深く押圧すれば、図7(b),(c)に示すように、バネ14eは窄んで、ストップリング14dに入り込み、ピン本体14fの前進を許容するので、スプリング14cは弾性復帰して、ピン本体14fを前進させその結果、ピン本体14fは、図7(d)に示すように、ストップリング14dで規制される最前位置まで前進し、ピン操作部14aはピンケース14bより飛び出し、壁面2から突出するので、ストッパーとなって、施錠状態となる。
施錠状態では、操作部14aは、バネ14cの弾性力によって常時前進方向に付勢されているので、振動等によって勝手に後退することはない。
【0028】
このような構造によれば、移動扉10が閉じた状態にあるときに、操作部14aを深く押し込むと、操作部14aが壁面2から突出して移動扉10の端面に当接してストッパーとして機能する。また、突出している操作部14aを押圧すると、操作部14aは壁面2から没して、縮んでいたバネ14eが開いて、ピン本体14fと操作部14aの後退を阻止するので、壁面より没して解錠となり、移動扉10を自在に開くことが出来る。
【0029】
次いで、図8図9を参照して、第二の本発明の一実施例を説明する。
この自動扉装置の特徴は、機械式ロック機構を設けた第一の本発明とは異なり、電気式ロック機構、コントローラを設け、電気式ロック機構をワイレスカードキーで遠隔操作して、施錠、解錠できる構成にした点にある。前述した実施例と共通する要素には同一の参照符号を付けて説明を省略する。
【0030】
電気式ロック機構14Aは、通常の電気錠などに使用されるソレノイド、モータなどのアクチュエータを備えたものが使用でき、コントローラ17とともに壁面2に隠蔽収納できる構成にすることができる。
ここに、コントローラ17は、ワイヤレスカードキー(不図示)との信号伝送を行うために、送受信部を備えており、これによって、人が可動式床機構11に乗らない、移動扉10から十分に離れた位置からワイヤレスカードキーを操作することで、コントローラ17に施錠、解錠信号を送信して、電気式ロック機構14Aを作動し、移動扉10を施錠、解錠できる。無線信号は、電波、赤外線、超音波などが使用できる。
このような構成では、コントローラ17を配設する場所は特に制限されず、移動扉10から離れた受付コーナー等に設置してもよいが、その場合には、コントローラ17と電気式ロック機構14Aとは無線信号を送受する機能を備える必要がある。
【0031】
また、コントローラ17は、本体を壁2内に収容し、施錠、解錠を行うための操作部を壁面から露出させる構成にしてもよいが、その場合、操作部は、人が可動式床機構11に乗らずに操作できる位置に設けることが望まれる。
更に、コントローラ17は、テンキーを設けて暗証コードを入力する構成の他、非接触式カードによって施錠、解除できるような構成にしてもよいし、非接触式のカードリーダを設けて施錠、解錠を制御できるようにしてもよい。
自動扉装置1は、取換え可能な電池を収容させて、電気式ロック機構14A、コントローラ17を駆動する構成にしてもよいが、後述する発電ユニットを設けたものでは、取換式の電池を用いることなく、完全な無電源化が実現する。
【0032】
ついで、第二の本発明の実施例として、発電ユニットを設けた無電源型の一実施例を説明する。
図10図11の例は室外ロック仕様となっており、移動扉10を吊り下げレール2aに支持する吊り下げアーム10bに付設した車輪の軸の回転力を発電ユニット15で受けることで、移動扉10の開閉動作に伴って発電する構成にしている。一方の発電ユニット15は、移動扉10、可動式床機構11、移動扉自動閉復帰手段12、移動扉開作動機構13の少なくとも1以上より動力を受けて発電する構成にしている。発電ユニットで発電した電力を蓄電池15Aなどで蓄電して、足元照明ランプ16、電気式ロック機構14Aやコントローラ17の電源として給電する構成にすれば、外部から給電を受けることなく賄うことができ、施解錠機能を備えた非電源式開閉扉装置の無電源化が実現する。
なお、発電ユニット15の電力は二次電池等に蓄積するようにするとよいが、更にその二次電池の蓄電量が不足した場合でも電気式ロック機構14Aを作動させることができるように、二次電池は商用電源源から、あるいは図示していないバッテリーからも給電可能にしておくとよい。
【0033】
図12は、発電ユニット15、電気式ロック機構14A、コントローラ17、コードレスカードキー18の組合わせを示した電気系ブロック図である。
また、図8図11に示している移動扉開閉装置1は、移動扉の開閉機構にも特徴があり、傾斜ガイド受部10aは、上側と下側で2つの斜面レールを平行に設けた構造になっており、錘12cを、可動式床機構11と連動したリンク機構側に設けて、移動扉10を開閉する構成になっている。
ここに、移動扉開作動機構13は、錘12cとリンク機構、上側の傾斜ガイド受部10aの組み合わせによって構成され、移動扉自動閉復帰手段12は、錘12cとリンク機構、下側の傾斜ガイド受部10aの組み合わせによって構成されている。
このような構造によれば、錘12cは、13bを支点とした伝達機構13のリンクに固着された延長リンク12dに取付けられ、錘12cと可動式床機構11とが13bを支点としたリンク機構によってシーソーのように連結されているので、可動式床機構11に人が乗ると、リンク機構によって錘12cが持ち上げられ、可動式床機構11から人が降りると、錘12cは自重によって下降するので、リンク機構によって可動式床機構11が上昇復帰する。
【0034】
また、傾斜ガイド受部10aは、伝達機構13のローラー13aから伝達される上向きの力だけでなく、下向きの力も受け止めるように2つの斜面レールを平行に設け、その隙間にローラー13aを配置しているので、可動式床機構11に人が乗ると、錘12cには支点13bに対して、左上方向のモーメント力が作用して、ローラー13aを持ち上げる。その結果、ローラー13aは移動扉10の傾斜ガイド受部10aの上側の斜面レールを上方に押圧するので、移動扉10は上側の傾斜ガイド受部10aの傾斜に沿って開方向に移動する。
また、可動式床機構11の床板11cから人が降りると、錘12cには支点13bに対して、右下方向のモーメント力が作用して、ローラー13aを持ち下げるので、ローラー13aは移動扉10の傾斜ガイド受部10aの下側の斜面レールを下方に押圧し、その結果、移動扉10は下側の傾斜ガイド受部10aの傾斜に沿って閉方向に移動する。
このような構造によれば、前述した実施例のような吊り下げ錘は不要になる。
【0035】
以上に説明した自動扉装置は、いずれも移動扉は片開き構造になっている。
しかしながら、本発明では、図13に示すように、移動扉10を左右一対として、両開きにすることももちろん可能であり、前記実施例に共通する要素に同一の参照符号を付けて説明は省略する。
【符号の説明】
【0036】
1 自動扉装置
10 移動扉
10a 傾斜ガイド受部
11 可動式床機構
12 移動扉自動閉復帰手段
13 移動扉開作動機構
14 機械式ロック機構
14A 電気式ロック機構
14a 操作部
15 発電ユニット
16 足元照明ランプ
17 コントローラ
18 ワイヤレスカードキー
19 施錠キー穴
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13