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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】義歯インプラント体
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020172334
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2021112554
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】109101784
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】109117246
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520398043
【氏名又は名称】九齒大精工股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】呉 文元
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-275266(JP,A)
【文献】国際公開第2007/073743(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010060567(DE,A1)
【文献】米国特許第04488875(US,A)
【文献】国際公開第2009/137545(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/131879(WO,A2)
【文献】米国特許第05417570(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯根インプラント体(1)、結合部材(2)、及び拘束リング(3)を含む義歯インプラント体であって、
前記歯根インプラント体(1)は、両端に管状部(11)及び結合部(12)をそれぞれ有する柱状体を形成し、
前記管状部(11)には、複数の貫通孔(111)が形成されるとともに内部に複数の前記貫通孔(111)に連通する中央溝(112)が形成され、
前記中央溝(112)は、内径が前記結合部(12)に近接する側から前記結合部(12)から離間する側に向かうに従って縮径
前記結合部材(2)は、本体(21)と、リング状に配列されるように前記本体(21)の一端に接続されるとともに外側に突出する爪先端部(221)を有する複数の弾性爪(22)と、を有し、
隣接する複数の前記弾性爪(22)の間にスロット(23)が設けられ、
前記結合部(12)には、壁面に結合溝(122)が形成されるザグリ(121)が設けられ、
複数の前記弾性爪(22)の前記爪先端部(221)は、前記結合溝(122)と係合し、
前記拘束リング(3)は、前記歯根インプラント体(1)及び前記結合部材(2)の外面に設けられる、
義歯インプラント体。
【請求項2】
前記ザグリ(121)と前記管状部(11)との間には、壁(123)が設けられる、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項3】
前記壁(123)には、駆動孔(124)が形成される、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項4】
前記本体(21)の外面には、リング状凹溝(211)が形成される、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項5】
前記拘束リング(3)の外面には、少なくとも一つのフランジ(32)が設けられる、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項6】
前記歯根インプラント体(1)には、突出ブロック(13)が設けられ、
前記結合部材(2)には、前記突出ブロック(13)と係合する凹孔(24)が形成される、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項7】
プラグ部(61)及びストッパ部(62)を有する支持部材(6)をさらに含み、
前記結合部材(2)には、前記プラグ部(61)が結合される貫通孔(25)が形成され、
前記ストッパ部(62)は、複数の前記弾性爪(22)の内側に位置する、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【請求項8】
前記ストッパ部(62)と複数の前記弾性爪(22)との間には、隙間が形成される、
請求項に記載の義歯インプラント体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、義歯インプラント体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
虫歯、歯の病気やけがなどにより人体の歯が欠損した場合、現在、人工インプラントは、従来の義歯の代替として用いられている。人工インプラントは、欠損した歯を修復するための最も一般的な治療選択肢になっているが、インプラントの失敗例が聞かれることがある。
【0003】
その原因として、例えば、感染、患者の咬合習慣、悪い口腔衛生習慣及び機械設計などの様々なことが考えられる。ここで、機械設計の問題は、例えば、医師の経験不足など、歯科医や関連するオペレータに起因する可能性がある。術前計画が完全ではなく、インプラント体の選択、インプラントの角度、方向、位置が正しくなく、又は骨補填手術が十分に評価されておらず、骨補填材料や傷口処理が慎重ではなく、義歯材料が悪く、補綴物が十分に密着されていないため、長期間の使用で問題を引き起こす可能性もある。
【0004】
現在主流のインプラント体は、ネジを有するボルトを採用して歯槽骨に直接ロックする場合が多いため、ネジの形状やサイズなどの様々な変数のいずれもインプラントの成功率及び使用寿命に影響を与えてしまう。
【0005】
また、ネジを有するボルトは、外面が平坦ではないため、歯槽骨の穿孔の内側リング面との間に隙間が発生しやすく、食物の残渣や細菌が侵入して感染を引き起こしやすくなる。
【0006】
したがって、ネジ式インプラント体の各種の不特定変数を排除し、インプラントの成功率を向上させるために、非ネジ式インプラント体を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
そこで、本発明の目的は、ボルト式インプラント体と歯槽骨との結合による問題の発生を回避するための非ボルト式義歯インプラント体を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、歯槽骨と良好に結合することができる義歯インプラント体を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、歯根インプラント体と人工歯冠とが良好に結合される義歯インプラント体を提供することにある。
【0010】
本発明のまた別の目的は、歯根インプラント体と人工歯冠とが分離可能な義歯インプラント体を提供することにある。
【0011】
上記目的を達成するために、一実施例において、本発明に係る義歯インプラント体は、歯根インプラント体を含む。前記歯根インプラント体は、両端に管状部及び結合部をそれぞれ有する柱状体を形成する。前記管状部には、複数の貫通孔が形成されるとともに内部に複数の前記貫通孔に連通する中央溝が形成される。前記中央溝は、内径が前記結合部に近接する側から前記結合部から離間する側に向かうに従って縮径する。前記結合部は人工歯冠と結合することができる。そして、前記管状部は人体歯槽骨と結合することができる。そして、複数の前記貫通孔は歯根インプラント体と歯槽骨の骨統合を促進することができる。これにより、ボルト式インプラント体と歯槽骨との結合による問題の発生が回避される。
【0012】
一実施例において、本体と、リング状に配列されるように前記本体の一端に接続されるとともに外側に突出する爪先端部を有する複数の弾性爪と、を有する結合部材であって、隣接する複数の前記弾性爪の間にスロットが設けられる結合部材をさらに含む。前記結合部には、壁面に結合溝が形成されるザグリが設けられる。複数の前記弾性爪の前記爪先端部は、前記結合溝と係合する。結合部材は人工歯冠と結合することができ、これにより、歯根インプラント体と人工歯冠とを良好に結合することができる。
【0013】
一実施例において、前記ザグリと前記管状部との間には、壁が設けられる。前記壁は、歯槽骨が結合部に入り込むことを防止することができる。
【0014】
一実施例において、前記壁には、駆動孔が形成される。駆動工具との結合に便利である。
【0015】
一実施例において、前記本体の外面には、リング状凹溝が形成される。これにより、人工歯冠などの要素と密接に結合することができ、離脱しにくくなる。
【0016】
一実施例において、前記義歯インプラント体は、前記歯根インプラント体及び前記結合部材の外面に設けられる拘束リングをさらに含む。拘束リングは、前記歯根インプラント体及び前記結合部材の外側スリーブを形成することにより、両者が径方向にずれて離脱することが発生しにくくなる。
【0017】
一実施例において、前記拘束リングの外面には、少なくとも一つのフランジが設けられる。これにより、人工歯冠などの要素と密接に結合することができ、離脱しにくくなる。
【0018】
一実施例において、前記歯根インプラント体には、突出ブロックが設けられる。前記結合部材には、前記突出ブロックと係合する凹孔が形成される。
【0019】
一実施例において、前記結合部材は、プラグ部及びストッパ部を有する支持部材をさらに含む。前記結合部材には、前記プラグ部が結合される貫通孔が形成される。前記ストッパ部は、複数の前記弾性爪の内側に位置する。
【0020】
一実施例において、前記ストッパ部と複数の前記弾性爪との間には、隙間が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施例の分解斜視図を示す。
図2】本発明の第1実施例の別の角度の分解斜視図を示す。
図3】本発明の第1実施例の組合せの正面図を示す。
図4図3のA-A線に沿った断面図を示す。
図5】本発明の第1実施例の歯槽骨との結合過程の概略図を示す。
図6】本発明の第1実施例の歯槽骨との結合完了の概略図を示す。
図7】本発明の第1実施例の歯槽骨との結合後に骨統合完了の概略図を示す。
図8】本発明の第1実施例の人工歯冠が可動式に形成されて歯根インプラント体から離脱する概略図を示す。
図9】本発明の第2実施例の歯根インプラント体の斜視図を示す。
図10】本発明の第3実施例の分解斜視図を示す。
図11】本発明の第4実施例の組合せの正面図を示す。
図12】本発明の第5実施例の分解斜視図を示す。
図13】本発明の第5実施例の組合せの断面図を示す。
図14】本発明の第5実施例の組合せの部分拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の上記及び他の目的、特徴、利点をより明確に理解可能にするために、以下では、本発明の好適実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。また、例えば、上、下、頂、底、前、後、左、右、内、外、側面、周囲、中央、水平、横方向、垂直、縦方向、軸方向、径方向、最上層や最下層など、本発明に言及される方向を表する用語は、図面における方向のみを参照する。したがって、使用された方向を表する用語は、本発明を説明及び理解するために使用され、本発明を限定するものではない。
【0023】
図1図4を参照して、図1は本発明の第1実施例の分解斜視図を示す。図2は本発明の第1実施例の別の角度の分解斜視図を示す。図3は本発明の第1実施例の組合せの正面図を示す。図4図3のA-A線に沿った断面図を示す。一好適実施例において、本発明に係る義歯インプラント体は、歯根インプラント体1を含む。前記歯根インプラント体1は、両端に管状部11及び結合部12をそれぞれ有する柱状体を形成する。前記管状部11には、複数の貫通孔111が形成されるとともに内部に複数の前記貫通孔111に連通する中央溝112が形成される。
【0024】
前記歯根インプラント体1は、柱状体を形成することが好ましく、図に示すように円柱体を形成することがより好ましい。これにより、人体骨格の穿孔との密接な結合を形成し、隙間の発生を回避することができる。
【0025】
前記結合部12は人工歯冠と結合することができ、前記管状部11は人体歯槽骨と結合することができ、複数の前記貫通孔111は前記歯根インプラント体1と前記歯槽骨の骨統合を促進することができる。
【0026】
複数の前記貫通孔111は、正円形孔であってもよい。これにより穿孔加工を便利にすることができる。また、これに限らず、例えば、様々な異形孔であってもよい。この場合、レーザカット技術を利用して必要な孔形状を製造する。
【0027】
本実施例において、本発明に係る義歯インプラント体は、本体21と、複数の弾性爪22と、を有する結合部材2をさらに含んでもよい。複数の弾性爪22は、リング状に配列されるように前記本体21の一端に接続されるとともに外側に突出する爪先端部221を有する。また、結合部材2は、隣接する複数の前記弾性爪22の間にスロット23が設けられる。前記結合部12には、壁面に結合溝122が形成されるザグリ121が設けられる。複数の前記弾性爪22の前記爪先端部221は、前記結合溝122と係合する。
【0028】
前記歯根インプラント体1の結合部12には、本実施例に示すように、他のインプラント要素と結合するためのザグリ121を設けることに加えて、例えば、他のインプラント要素と結合するためのネジ孔又はボルト(不図示)を設けてもよい。例えば、前記結合部12には、ネジ孔を形成し、人工歯冠には、従来の方法により穿孔を形成し、ネジを穿孔に通過させて前記結合部12におけるネジ孔にロックしてから、人工歯冠の穿孔を補填する。
【0029】
本実施例において、前記本体21の外面には、リング状凹溝211が形成されてもよい。前記結合部材2が人工歯冠に設けられる場合、前記リング状凹溝211にスナップリングを形成することにより人工歯冠からの前記結合部材2の離脱を回避することができる。
【0030】
本実施例において、前記ザグリ121と前記管状部11との間には、壁123が設けられてもよい。前記壁123は、歯槽骨が成長したときに前記結合部12のザグリ121に入り込むことを防止することができる。
【0031】
本実施例において、前記壁123には、駆動孔124がさらに形成されてもよい。前記駆動孔124は、六角レンチ工具を使用した駆動又は結合を便利にするために、図に示すように六角形状に形成されてもよい。なお、前記駆動孔124は、プラスネジ孔又は他の形状の駆動孔に形成されてもよい。
【0032】
前記歯根インプラント体1と前記結合部材2との結合強度を強化するために、本実施例において、前記義歯インプラント体は、前記歯根インプラント体1及び前記結合部材2の外面に設けられる拘束リング3をさらに含んでもよい。拘束リング3に、内径が前記歯根インプラント体1及び前記結合部材2の外径と密着されるリング状孔31を形成するため、前記拘束リング3は、前記歯根インプラント体1及び前記結合部材2の外側スリーブを形成し、これにより両者が径方向にずれて離脱することが発生しにくくなる。
【0033】
前記拘束リング3の外面には、少なくとも一つのフランジ32が設けられてもよい。前記拘束リング3が人工歯冠に設けられる場合、前記フランジ32にスナップリングを形成することにより人工歯冠からの前記拘束リング3の離脱を回避することができる。
【0034】
本実施例において、前記弾性爪22の数は、8&#12316;16個であることが好ましく、図に示すように12個であることがより好ましい。これにより、良好な係合強度が得られる。
【0035】
図5を参照して、図5は本発明の第1実施例の歯槽骨との結合過程の概略図を示す。本実施例において、前記結合部材2及び前記拘束リング3は、人工歯冠5と結合することにより義歯単体を形成する。本発明に係る前記歯根インプラント体1は、係合により前記結合部材2に接続することができるため、前記歯根インプラント体1は、前記結合部材2、前記拘束リング3及び前記人工歯冠5によって形成された義歯単体と結合又は分離することができる。
【0036】
手術を行う際に、人体の歯槽骨4をリング状に切除して前記歯槽骨4にリング状孔41を形成した後、前記歯根インプラント体1の管状部11を前記リング状孔41に嵌め込むことができる。
【0037】
図6を参照して、図6は本発明の第1実施例の歯槽骨との結合完了の概略図を示す。本発明に係る前記歯根インプラント体1が前記歯槽骨4のリング状孔41に埋め込まれると、従来技術のボルト式インプラント体と比較して、前記歯根インプラント体1及び前記リング状孔41の間にはより微小な隙間が形成されるため、食物の残渣や細菌が侵入しにくくなり、インプラントが行われた日以降に歯周病などの様々な病気の発生を回避することができる。また、前記中心溝112は、内径が前記結合部12に近接する側から前記結合部12から離間する側に向かうに従って縮径する。例えば、前記中心溝112において、前記結合部12に近接する内径A1は、前記結合部12から離間する内径B1よりも大きい。逆テーパ状である前記中央溝112により、歯槽骨を丸鋸でカットする過程において、歯槽骨の破片が前記中央溝112の底部から入り込み、前記中央溝112の上方に移動して複数の前記貫通孔111から排出されるのに有利である。これにより追加の穿孔器具との組合せ手順を削減することができ、穿孔の安定度が向上し、手術による最小限の骨欠損を達成することにより骨の流失を低減することができる。
【0038】
図7を参照して、図7は本発明の第1実施例の歯槽骨との結合後に骨統合完了の概略図を示す。インプラント手術が完了して一定期間経過後、前記歯槽骨4は、前記歯根インプラント体1と骨統合し、前記歯槽骨4の過形成骨42が成長して複数の前記貫通孔111に入り込むことにより前記歯槽骨4が前記歯根インプラント体1と一体的に結合される。また、前記歯根インプラント体1と前記歯槽骨4の頂面との接触部分が円形リング状に密接に結合しているため、歯周病の発生確率を低減することができる。
【0039】
図8を参照して、図8は本発明の第1実施例の人工歯冠が可動式に形成されて歯根インプラント体から離脱する概略図を示す。本発明のうちの一実施態様において、前記結合部材2、前記拘束リング3及び前記人工歯冠5が結合して義歯単体を形成する。前記歯根インプラント体1と前記結合部材2とは、可動係合により結合しているため、前記義歯単体を前記歯根インプラント体1から分離することができ、清掃や修理、交換に便利である。
【0040】
前記結合部材2、前記拘束リング3及び前記人工歯冠5の結合によって形成された前記義歯単体が前記歯根インプラント体1と係合するとき、前記弾性爪22と前記結合溝122との結合は優れた結合強度を有するため、20kg程度の引張力に耐えることができ、一般的な食事過程において優れた引張強度を有し、義歯の脱落を防止することができる。
【0041】
以上のように、本発明に係る歯根インプラント体1には、管状部11及び結合部12が設けられ、前記管状部11は人体の歯槽骨4と密接に結合することができ、前記結合部12は様々な方法により人工歯冠5と結合することができ、従来のボルト式インプラントの欠点を改善し、インプラントの成功率を向上させることができる。
【0042】
図9を参照して、図9は本発明の第2実施例の歯根インプラント体の斜視図を示す。本実施例において、前の実施例と相違する相違点は、複数の前記貫通孔111の数及びサイズにある。なお、本発明に係る前記歯根インプラント体1に形成される複数の前記貫通孔111の数及びサイズは、患者の骨質又は様々な要因に応じて調整することができ、複数の前記貫通孔111の形状も必要に応じて変更することができる。
【0043】
図10を参照して、図10は本発明の第3実施例の分解斜視図を示す。義歯を任意に回転させないために、対向する要素と要素の間に回転防止手段を追加することができる。本実施例において、前記歯根インプラント体1には、突出ブロック13が設けられ、前記結合部材2には、前記突出ブロック13と係合する凹孔24が形成されてもよい。これにより、前記結合部材2が歯根インプラント体1に対して任意に回転することを回避することができる。
【0044】
図11を参照して、図11は本発明の第4実施例の組合せの正面図を示す。同様に、義歯を任意に回転させないために、要素に回転防止手段を直接追加してもよい。本実施例において、前記管状部11の下端が平坦でない鋸歯状に形成される。結果として歯根インプラント体1は、歯槽骨を丸鋸でカットする機能を有することができるだけでなく、歯根インプラント体1を埋め込む前に追加の穿孔器具を組み合わせる必要がなく、手術による最小限の骨欠損を達成し、安定度を向上させることができ、さらに歯根インプラント体1と人体骨格とを嵌合させて人体骨格を成長させることができる。
【0045】
図12図14を参照して、図12は本発明の第5実施例の分解斜視図を示す。図13は本発明の第5実施例の組合せの断面図を示す。図14は本発明の第5実施例の組合せの部分拡大図を示す。結合部材2の複数の弾性爪22は、長年の使用後に材料疲労が生じる可能性があるため、結果として弾性爪22の剛性が低下し、咀嚼中に弾性爪22の爪先端部221が不本意にリング溝122から離脱し、義歯が脱落するおそれがある。このような状況の発生を防止するために、本実施例では、結合部材2に貫通孔25を形成し、前記義歯インプラント体は、支持部材6をさらに含み、前記支持部材6は、後退する弾性爪22を食い止めるように前記貫通孔25内に設けられる。
【0046】
本実施例において、前記義歯インプラント体は、プラグ部61及びストッパ部62を有する支持部材6をさらに含む。前記結合部材2には、前記プラグ部61が結合される貫通孔25が形成され、前記ストッパ部62は、複数の前記弾性爪22の内側に位置することが好ましい。
【0047】
前記プラグ部61及び前記貫通孔25をテーパ係合とすることが好ましいが、これに限定されない。
【0048】
前記ストッパ部62と複数の前記弾性爪22との間には、隙間(不図示)が形成されることがより好ましい。結果として、義歯を取り付ける過程では、依然として弾性爪22に適切な変形空間を保有させて弾性変形させることができる。ストッパ部62は、隙間をもって弾性爪22の内側に支持される。そして、弾性爪22の変形量が前記隙間を超えると、ストッパ部62が後退することなく弾性爪22を支えることができ、義歯が不本意に離脱することを防止することができる。
【0049】
本発明は、好適実施例によって開示されたが、本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0050】
1、歯根インプラント体
11、管状部
111、貫通孔
112、中央溝
12、結合部
121、ザグリ
122、結合溝
123、壁
124、駆動孔
13、突出ブロック
2、結合部材
21、本体
211、リング状溝
22、弾性爪
221、爪先端部
23、スロット
24、凹孔
25、貫通孔
3、拘束リング
31、リング状孔
32、フランジ
4、歯槽骨
41、リング状孔
42、過形成骨
5、人工歯冠
6、支持部材
61、プラグ部
62、ストッパ部
A1:内径
B1:内径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14