(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ハウス内部拡張が可能なハウス、ハウス内部拡張方法及びトレーラーハウス
(51)【国際特許分類】
B60P 3/35 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
B60P3/35
(21)【出願番号】P 2022020162
(22)【出願日】2022-02-14
【審査請求日】2022-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518397869
【氏名又は名称】株式会社OLS
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大蔵勇人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 竜二
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛史
(72)【発明者】
【氏名】森 正芳
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特許第5002781(JP,B2)
【文献】特開平10-317497(JP,A)
【文献】特許第2799480(JP,B2)
【文献】特表2013-515178(JP,A)
【文献】特表2018-537603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成され、当該内部拡張枠体が前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成された、ハウス本体の内部拡張が可能なハウスであって、
当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、当該底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、当該内部拡張枠体の当該ハウス本体からの前記開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にする前記ガイドレール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠ハウスを、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠ハウスを前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面が形成されること
を特徴とするハウス本体の内部拡張が可能なハウス。
【請求項2】
本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成され、当該内部拡張枠体が前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成された、ハウス内部拡張が可能なハウスであって、
当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、前記側方枠体部の外面に当該内部拡張ハウスを支持する支持部材を有し、当該支持部材が当該ハウス本体の前記側方床部との間に空隙部を形成し、当該空間部内に収納されて、当該支持部材下端面に固着され、前記ガイドロール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠ハウスを、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠ハウスを前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面が形成されること
を特徴とするハウス内部拡張が可能なハウス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたハウス内部拡張が可能なハウスにおいて、
前記内部拡張枠体を、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠体を前記パネル本体から引き出したときに、当該パネル本体の下方枠体部の中央床部に生じた本体パネル非配設状態の空白部に、当該ハウス本体の本体パネルが配設され、当該ハウス本体の高さが当該内部拡張ハウスパネルの高さと同一とされて、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面が形成されること
を特徴とするハウス内部拡張が可能なハウス。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたハウス内部拡張が可能なハウスにおいて、
当該支持部材が縦部材及び横部材で構成され、前記側方枠体に一体化されること
を特徴とするハウス内部拡張が可能なハウス。
【請求項5】
本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成され、当該内部拡張枠体が前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成されたハウスの内部拡張方法において、
当該ハウス本体に、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体に、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、当該底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、当該内部拡張枠体の当該ハウス本体からの前記開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にする前記ガイドレール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠ハウスを、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠ハウスを前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面を形成すること
を特徴とするハウスの内部拡張方法。
【請求項6】
本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成され、当該内部拡張枠体が前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成されたハウスの内部拡張方法において、
当該ハウス本体に、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体に、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、前記側方枠体部の外面に当該内部拡張ハウスを支持する支持部材を有し、当該支持部材が当該ハウス本体の前記側方床部との間に空隙部を形成し、当該空間部内に収納されて、当該支持部材下端面に固着された、前記ガイドロール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠ハウスを、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠ハウスを前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させ、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面を形成すること
を特徴とするハウスの内部拡張方法。
【請求項7】
ハウス内部拡張が可能なハウスがハウス本体と内部拡張ハウスとで構成され、当該ハウス本体が本体枠体及び当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備え、当該内部拡張ハウスが内部拡張枠体及び当該内部拡張枠体に、前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備え、当該ハウスがトレーラーの車台に載置されて、当該内部拡張ハウスが前記開口部を介して当該ハウス本体から引き出し及び押し込みが可能にされたトレーラーハウスにおいて、
当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールが構成され、
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、前記側方枠体部の外面に当該内部拡張ハウスを支持する支持部材を有し、当該支持部材が当該ハウス本体の前記側方床部との間に空隙部を形成し、当該空間部内に収納されて、当該支持部材下端面に固着された、前記ガイドロール上を走行するローラーを備え、
当該底部枠体部の配設高さが前記ローラーによる当該ハウス本体の支持点高さよりも下方に位置すること
を特徴とするトレーラーハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウス内部拡張が可能なハウス、ハウス内部拡張方法及びトレーラーハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
ハウス本体と、開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとでハウス本体の内部拡張が可能なハウスが構成される。このハウスの典型的な例がトレーラーハウスである。
【0003】
トレーラーハウスは、牽引車に牽引されて一般道路を移動するので、道路交通法上の制約を受ける。したがって、トレーラーハウスは、牽引時にはコンパクトされて、利用時には利用者から要求される十分なひろさの内部スペースを確保できるようにすることが求められる。
【0004】
このようなトレーラーハウスとしては、種々のものが知られている。
【0005】
特許文献1には、ハウス本体が側面に開口部を有し、床部に開口部へと延びる内側レールを有し、開口側端部に、この開口側端部と重なる位置から内側レールと一直線に連続する位置まで回動可能で中空状の外側レールを有し、内側レール及び外側レール上を転がるローラーを有する伸縮組立ハウスが記載される。
【0006】
特許文献2には、ハウス本体に設けられたスライド用ガイドと、このスライド用ガイドに案内されて内部スペース拡張部の出し入れ方向にスライド移動する支持ロッドと、この支持ロッドの先端側に取付けられた、上下位置を調整することのできる支持ローラーと、を有した拡張部支持装置を備えるトレーラーハウスが記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第2799480号公報
【文献】特許第5002781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ハウス本体と、開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとでハウス本体の内部拡張が可能なハウスが構成されるときに、ハウス本体内の床の上に内部拡張ハウスの床が位置づけられているために、拡張したときにハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差が生じていた。
【0009】
特許文献1に記載された発明にあっては、内側レールと外側レールとが一直線に連続する位置で接続されるが、ハウス本体内の床の上に内部拡張ハウスの床が位置づけられているために、拡張したときにハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差が生じる。
【0010】
特許文献2に記載された発明にあっては、拡張したときにハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差をなくすために、拡張で生じた段差を上下位置調整可能な支持ローラーを用いて調整することがなされており、拡張後に上下位置調整を行うことが必要である。
【0011】
したがって拡張したときに上下位置調整を行うことなく、ハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差を生じさせない構成とはなっていない。
【0012】
本発明は、係る点に鑑み、拡張したときに上下位置調整を行うことなく、ハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差を生じさせない構成のハウスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ハウス本体の内部拡張が可能なハウス、すなわち伸縮組立ハウスが、
本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成されて、該ハウス本体内に収容され、前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成された、ハウス本体の内部拡張が可能なハウスであって、
当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、当該底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、当該内部拡張枠体の当該ハウス本体からの前記開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にする前記ガイドレール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠体を、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠体を前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面が形成されることを特徴とする。
【0014】
当該ハウスの典型的な事例がトレーラーハウスである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、当該ローラーを前記側方床部の上方に位置させることができる。上述したように、前記内部拡張枠体を、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠体を前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面を形成することができる。内部拡張枠体を本体パネル非配設状態の中央床部内の空白部に押し込み、内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面を同一高さ面として、構成されたガイドレールから一直線状に内部拡張枠体を当該ハウス本体から引き出すことができる。
【0016】
このように、拡張したときに上下位置調整を行うことなく、ハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差を生じさせない構成のハウスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ハウス本体の内部拡張が可能なハウスを構成するハウス本体及び内部拡張ハウスを示す図。
【
図2】ハウス本体の内部に内部拡張ハウスが格納されている状態を示す図。
【
図3】内部拡張ハウスの引き出し準備のため外側ガイドレールの設置状態を示す図。
【
図4】内部拡張ハウスをハウス本体から引き出した状態を示す図。
【
図6】トレーラーハウスに構成されたハウスが内部拡張された場合の横断面の概念図。
【
図7】トレーラーハウスに構成されたハウスが内部拡張に当たって外側ガイドレールが敷設された場合の概念図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、本体枠体で構成され、当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備えたハウス本体と、内部拡張枠体で構成されて、該ハウス本体内に収容され、前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備えて、前記開口部を介して引き出し及び押し込みが可能にされた内部拡張ハウスとで構成された、ハウス本体の内部拡張が可能なハウスに係る。
【0019】
課題を解決する手段で、本発明は、当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持し、
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールの構成の形成を可能とし、
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、当該底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、当該内部拡張枠体の当該ハウス本体からの前記開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にする前記ガイドレール上を走行するローラーを備え、
前記内部拡張枠体を、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、前記内部拡張枠体を前記パネル本体から引き出して、前記底部枠体部を前記空白部外に位置させたときに、前記内部拡張枠体の床面と当該ハウス本体の床面との間に同一高さ面が形成されることを特徴とすることを記載した。
【0020】
ここで、枠体あるいは枠体部は、枠を井形状に形成する枠部材で形成され、枠部材は隣接する枠の枠構成に兼用される。
【0021】
図1は、ハウス本体の内部拡張が可能なハウスを構成するハウス本体及び内部拡張ハウスを示す図である。
【0022】
ハウス100は、ハウス本体1及び内部拡張ハウス2からなり、ハウス本体の内部拡張が可能になる。内部拡張ハウス2は、ハウス本体1に対するサブハウスとなる。
【0023】
ハウス本体1は、方形上の本体枠体3が前方枠体部4、後方枠体部5、側方枠体部6、天井枠体部7及び底部枠体部8から構成され、内部拡張ハウス2を格納できる。前方枠体部、後方枠体部、側方枠体部及び天井枠体部及び底部枠体部の構成に各枠体部材が用いられ、枠体部材は、各枠体部の構成に兼用される。
【0024】
前方枠体部4には、開口部11が形成され、本体枠体3の両側が側方部12となる。後方枠体部、側方枠体部及び天井枠体には、枠外面に遮蔽物41、典型的には側壁が取り付けられる。開口部11の幅方向長さ10に対して各側方部12に幅方向長さは、典型的には1に設定される。
【0025】
前方枠体部4は、開口部11と両側の側方部12の底部に形成された一方の側方枠体部から他方の側方枠体部に向けて短く延びた側方底部短部材14を備える。短いとは、中央に形成の開口部のために短いということである。
【0026】
双方の側方底部短部材14の間には部材が配設されず、部材非設置部15とされる。さら、に底部枠体部の内方に部材非設置部15に対応して空白部16が形成される。
【0027】
空白部16は、パネル及びパネル保持部材が設けられないパネル非配設状態で空白となる。
【0028】
側方部12の底部の側方床部21には、側方底部短部材14と後方枠体部5の後方枠体底部部材22との間に、奥行きから前方に向けて、レール状部材に支持された内側ガイドレール19が敷設される。したがって側方床部21は、敷設された内側ガイドレール19を保持する。
【0029】
内部拡張ハウス2は、ハウス本体が備えるような開口部がなく、方形状の内部拡張枠体31で構成され、内部拡張枠体31は、前方枠体部32、後方枠体部33、側方枠体部34及び天井枠体部35及び底部枠体部36で構成され、ハウス本体内に収容される。前方枠体部32、後方枠体部33、側方枠体部34及び天井枠体部35及び底部枠体部36の構成に各枠体部材が用いられ、枠体部材は、各枠体部の構成に兼用される。底部枠体部36が内部拡張ハウス床部を形成する。以下、底部枠体部36を内部拡張ハウス床部36と称することがある。
【0030】
底部枠体部36を形成する底部前方枠体部材37及び底部後方枠体部材38の間にパネル支持部材39を配設して、パネル支持部材上に利用者の居住のための内部拡張ハウスパネル(図示せず)を配置する。
【0031】
前方枠体部32に扉(図示せず)が設けられ、後方枠体部33、側方枠体部34及び天井枠体部35には、枠外面に遮蔽物が取り付けられる。
【0032】
側方枠体部34には、別体で構成された支持部材42が取り付けられる。支持部材42は、典型的には枠体で構成されて、支持部材42が一体化される。
【0033】
支持部材42は、本例の場合、側方枠体部34の外面に設けたL字状になる縦部材43と横部材44になり、内部拡張ハウス2を保持する。横部材44は、底部枠体部の底部枠体部材を兼用する。支持部材42は、上記の構造に限定されない。
【0034】
支持部材42の縦部材43は、側方枠体部34を構成する側方枠体部材より短い部材になり、支持部材42の横部材44の下端方向に空間部を形成する。当該空間部は、支持部材の下端面とハウス本体の側方床部との間に形成される空隙部28となる。
【0035】
支持部材42の横部材44の下端面にローラー29が固着される。図面ではローラーを内部に保持するローラー保持部材が記載されるが、以下、ローラーと称する。2個のローラーが記載される。このように、ローラー29は、側方枠体部34に別体で構成された支持部材42に取付けられる。
【0036】
ハウス本体内には、内側ガイドレール19と共にガイドレールを構成する、レール状部材に支持された外側ガイドレール20が備えられる。外側ガイドレール20は、内側ガイドレール19の高さと同一の高さを持ち、内側ガイドレール19からハウス本体外に一直線状に敷設され、内側ガイドレール19と共にガイドレールを構成する。
【0037】
空間部28の下方に外側ガイドレール20を配設でき、ローラー29が外側ガイドレール上を走行し、外側ガイドレール20の配設高さは、底部枠体部8の高さ、すなわち内部拡張ハウス床部の高さとされる。
【0038】
空間部28を設けなくてもローラー29を設置することができる。空間部28を設けない場合、ローラー29は、支持部材42の外方外面あるいは側方枠体部34の外方外面に取付けられ、設置された内側ガイドレールに対応して外側ガイドレールが配設され、外側ガイドレール上を走行する構成となる。
【0039】
このように、ガイドレール上を走行するローラー29が、押し込み状態で、側方床部21から高さ方向にローラー29の配置間隔を置いて、側方枠体部34とは別体で構成され一体化された支持部材42に取り付けられる。
【0040】
空間部内にローラー29を収納する構成を採用すると、側方枠体部34の外面ローラーを設けられた場合に比べて収納スペース効果、強度効果を大きくすることができる。
図2~
図5は、ハウス本体の内部を拡張するステップを示す図である。
【0041】
図1に示されるハウス本体1及び内部拡張ハウス23が準備される。
【0042】
図2は、ハウス本体の内部に内部拡張ハウスが格納されている状態を示す図である。
【0043】
この状態では、内部拡張ハウス2がハウス本体1の内部に押し込まれる。トレーラーハウスの場合、内部拡張ハウスを格納したハウス本体1がトレーラーの台車に載置されて、国道を走行され得る。
【0044】
この状態では、内部拡張ハウス2に設けたローラー29が内側ガイドレール19の上に乗った状態で、内部拡張ハウス2がハウス本体1の内部に固定される。
【0045】
ハウス本体1は、
図1に示す状態にあり、底部枠体部の中央に形成されたパネル非配設状態の空白部を利用して内部拡張ハウス2が格納、配置される。ハウス本体1は、支持部材42によって、内部拡張ハウス床部27から間隔をおいて側方枠体部34、すなわち内部拡張枠体31に保持される。間隔を置くことで、内部拡張枠体31が側方床部21から間隔をおいてローラー29によってガイドレールに保持される。
【0046】
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、当該底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、当該内部拡張枠体の当該ハウス本体からの前記開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にする前記ガイドレール上を走行するローラーを備える。
【0047】
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、前記側方枠体部の外面に当該内部拡張ハウスを支持する支持部材を有し、当該支持部材が当該ハウス本体の前記側方床部との間に空隙部を形成し、当該空間部内に収納されて、当該支持部材下端面に固着され、前記ガイドロール上を走行するローラーを備える。
このときに、内部拡張ハウス2の底部枠体部36は、ハウス本体1の底部枠体部8に形成された空白部内に配置され、双方の底部枠体部8、27は、同一高さに保持される。
【0048】
図2に示す状態は、当該支持部材及び当該ローラーを前記側方床部の上方に位置させて、前記内部拡張枠体を前記本体パネル非配設状態の中央床部内の空白部に押し込んだ状態であり、引き出し直前の状態にある。
【0049】
図3は、内部拡張ハウスの引き出し準備のため外側ガイドレールの設置状態を示す図である。
【0050】
内部拡張ハウスの引き出し準備の状態のため、ハウス本体内に準備しておいた外側ガイドレール20を内側ガイドレール19の高さと同一の高さで、内側ガイドレール19に一直線状にハウス本体外に敷設して、内側ガイドレール19と共にハウス本体内外に敷設されたガイドレールを形成する。
【0051】
図4は、内部拡張ハウスをハウス本体から引き出した状態を示す図である。
【0052】
ローラー29を、形成されたガイドレール上を走行させて、内部拡張ハウス2をハウス本体1から牽引して引き出す。引き出し時、双方の底部枠体部8、27は、同一高さに保持された。
【0053】
図4に示す状態は、同一高さ面に設定した、内部拡張枠体31の底部枠体部上の床面とハウス本体1の底部枠体部上の床面を、内部拡張枠体31を一直線状に配置されたガイドレール上を移動させて当該ハウス本体から引き出した状態にある。
【0054】
底部後方枠体部材33が側方床部21の側方底部短部材14に一直線状に位置付けされる位置まで内部拡張ハウス2が引き出され、下方枠体部材36が側方底部短部材14の線状に配設される。
【0055】
この状態で、ハウス本体1の底部枠体部8の底部後方枠体部材22と内部拡張ハウス2の底部枠体部36の底部後方枠体部材38との間に本体パネル非配設状態の空白部が残存する。
【0056】
【0057】
ハウス本体1の底部枠体部の枠体部材と内部拡張ハウス2の底部枠体部の枠体部材との間に、複数本のパネル支持部材45が差し込み孔を持つ差し込み固定方式によって着脱自在に取り付けられる。
【0058】
当該ハウス本体の本体パネルが同一面の高さの前記ハウス本体の前記後方枠体部と前記内部拡張枠体の後方枠体部のそれぞれの高さが同一で、当該本体パネル高さが前記内部拡張ハウスパネルの高さと同一である。
【0059】
内部拡張ハウス2を、一直線状に配設されたガイドレール上を移動させて、内部拡張枠ハウス2をハウス本体1から引き出して、底部枠体部8を空白部16の外に位置させたときに、内部拡張枠体31の床面とハウス本体1の床面との間に同一高さ面が形成される。
【0060】
組立作業の際、ハウス本体1に外側ガイドレール20を容易にセットして内部拡張枠体31の床面とハウス本体1の床面8との間に同一高さ面を形成することができ、組立作業の労力を軽減することができる。
【0061】
図6は、トレーラーハウスに構成されたハウスが内部拡張された場合の横断面の概念図である。
【0062】
上述したハウス100がトレーラーハウスとして構成され、トレーラー50に載置され、内部拡張ハウス2がハウス本体1から引き出され、ハウス本体の内部拡張がなされる。
【0063】
上述したハウス100をトレーラー50に載置することでトレーラーハウス51が構成される。トレーラーハウスは、内部拡張ハウス2がハウス本体内に押し込まれた状態でトレーラーに連結、牽引されて、例えば公道を走行し、所定の場所まで移動して、移動先で居住用又は事務用として使用される。トレーラーハウスは、キャンピングカーとしても利用できる。
【0064】
トレーラーハウスは、ハウス内部拡張が可能なハウスがハウス本体と内部拡張ハウスとで構成され、当該ハウス本体が本体枠体及び当該本体枠体に開口部を有する枠体部を備え、当該内部拡張ハウスが内部拡張枠体及び当該内部拡張枠体に、前方枠体部、後方枠体部及び側方枠体部を備え、当該ハウスがトレーラーの車台に載置されて、当該内部拡張ハウスが前記開口部を介して当該ハウス本体から引き出し及び押し込みが可能にされたトレーラーハウスであって、下記の特徴のある構成を備える:
当該ハウス本体が、前記開口部を形成する枠体部の上方枠体部及び下方枠体部の内、当下方枠体部の中央床部に本体パネル非配設状態の空白部、及び当該空白部の側方に側方床部を備え、当該側方床部に内側ガイドレールを保持する。
【0065】
当該内側ガイドレールから一直線状に敷設される外側ガイドレールを備えて、ハウス本体内外にガイドレールが構成される。
【0066】
当該内部拡張枠体が、押し込み時に、前記側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、前記側方枠体部の外面に当該内部拡張ハウスを支持する支持部材を有し、当該支持部材が当該ハウス本体の前記側方床部との間に空隙部を形成し、当該空間部内に収納されて、当該支持部材下端面に固着された、前記ガイドレール上を走行するローラーを備え、
当該底部枠体部の配設高さが前記ローラーによる当該ハウス本体の支持点高さよりも下方に位置する。
【0067】
図7は、トレーラーハウスに構成されたハウスが内部拡張に当たって外側ガイドレールが敷設された場合の概念図である。
【0068】
内部拡張ハウスの引き出し準備の状態のため、ハウス本体内に準備しておいた外側ガイドレール20を内側ガイドレール19の高さと同一の高さで、内側ガイドレール19に一直線状にハウス本体外に敷設して、内側ガイドレール19と共にハウス本体内外に敷設されたガイドレールを形成する。
【0069】
ハウス本体外に敷設された外側ガイドレール20に対して外側ガイドレール保持台52が設置され、外側ガイドレール20の平衡設置がなされ、他方側でハウス本体1に固定される。外側ガイドレール保持台52にジャッキを用いることができる。
【符号の説明】
【0070】
100…ハウス、1…ハウス本体、2…内部拡張ハウス、3…本体枠体、4…前方枠体部、5…後方枠体部、6…側方枠体部、7…天井枠体部、8…底部枠体部、11…開口部、12…側方部、14…側方底部短部材、15…部材非設置部、16…空白部、19…内側ガイドレール、20…外側ガイドレール、21…側方床部、22…底部後方枠体部材、28…空隙部(空間部)、29…ローラー、31…内部拡張枠体、32…前方枠体部、33…後方枠体部、34…側方枠体部、35…天井枠体部、36…底部枠体部(内部拡張ハウス床部)、37…底部前方枠体部材、38…底部後方枠体部材、39…パネル支持部材、41…遮蔽物、42…支持部材、43…縦部材、44…横部材、45…パネル支持部材、50…トレーラー、51…トレーラーハウス、52…外側ガイドレール保持台。
【要約】
【課題】拡張したときにハウス本体内の床に配置される本体床パネルと拡張後に内部拡張ハウスに配置される内部拡張パネルとの高さに段差を生じさせない構成のハウスを提供する。
【解決手段】内部拡張枠体が、押し込み時に、側方床部の間で前記空白部に配設される底部枠体部を備え、底部枠体部から上方に間隔を置いて取り付けられて、内部拡張枠体の当該ハウス本体からの開口部を介して引き出し及び押し込みを可能にするガイドレール上を走行するローラーを備える。
【選択図】
図5