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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/10 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
F25C1/10 301B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017246097
(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公開番号】P2019113231
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊二
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-089758(JP,A)
【文献】特開2012-127612(JP,A)
【文献】特開平06-347149(JP,A)
【文献】特開2001-165539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水用凹部が上向きに配置された製氷皿と、
上下方向と交差する軸線周りの反転動作、および前記反転動作に連動した捻り動作を前記製氷皿に行わせる駆動ユニットと、
前記製氷皿に対して前記軸線方向の一方側に配置された前記駆動ユニットを保持するフレームと、を有し、
前記駆動ユニットは、前記フレームに対して前記軸線方向に交差する取付方向へ相対移動することによって前記フレームに取り付けられ、
前記フレームは、
前記駆動ユニットを前記取付方向で位置決めする第1位置決め部と、
前記駆動ユニットを前記軸線方向で位置決めする第2位置決め部を備え、
前記第2位置決め部は、前記駆動ユニットの前記軸線方向の他方側への移動を規制する規制部、および、前記軸線方向の一方側から前記駆動ユニットに当接する当接部を備え、
前記当接部は、前記規制部と前記軸線方向で対向しており、
前記駆動ユニットは、前記取付け方向の前方側の端部において前記軸線方向に延びる側壁部を備え、
前記側壁部が前記当接部と前記規制部との間に圧入されることにより、前記第2位置決め部が前記駆動ユニットの前記取付方向の前方側の端部を位置決めすることを特徴とする製氷機。
【請求項2】
前記当接部は、前記取付方向および前記軸線方向と直交する方向の寸法が前記駆動ユニットと略等しいことを特徴とする請求項に記載の製氷機。
【請求項3】
前記フレームは、前記第2位置決め部に対して前記取付方向の後方側で前記駆動ユニットの前記軸線方向の移動を規制する補助位置決め部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記補助位置決め部の前記駆動ユニット側の先端は、前記当接部の前記駆動ユニット側の先端より前記軸線方向の一方側へ後退した位置にあることを特徴とする請求項に記載の製氷機。
【請求項5】
前記フレームは、前記駆動ユニットを搭載する搭載部を備え、
前記搭載部は、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向から前記駆動ユニットを支持する支持面を備えた支持部と、前記支持部の前記軸線方向の一方側の縁から前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向に立ち上がる壁部を備え、
前記支持部は、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記駆動ユニットの連結部が嵌る嵌合部と、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記連結部の前記嵌合部からの抜けを防止する抜け止め部と、を有し、前記第1位置決め部は前記嵌合部および前記抜け止め部に設けられ、
前記当接部は前記壁部から突出する位置決め用リブであり、
前記補助位置決め部は前記壁部から突出する補助位置決め用リブであることを特徴とする請求項またはに記載の製氷機。
【請求項6】
前記フレームは、前記駆動ユニットを搭載する搭載部を備え、
前記搭載部は、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向から前記駆動ユニットを支持する支持面を備えた支持部と、前記支持部の前記軸線方向の一方側の縁から前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向に立ち上がる壁部を備え、
前記支持部は、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記駆動ユニットの連結部が嵌る嵌合部と、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記連結部の前記嵌合部からの抜けを防止する抜け止め部と、を有し、前記第1位置決め部は前記嵌合部および前記抜け止め部に設けられ、
前記当接部は前記壁部から突出する位置決め用リブであり、
前記補助位置決め部は前記壁部から突出する補助位置決め用リブであり、
前記補助位置決め用リブの前記駆動ユニット側の先端は、前記位置決め用リブの前記駆動ユニット側の先端より前記軸線方向の一方側へ後退した位置にあり、
前記位置決め用リブは、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向の高さが前記補助位置決め用リブよりも高いことを特徴とする請求項3に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷皿を駆動する駆動ユニットがフレームに搭載された製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷蔵庫に搭載される製氷機が開示される。特許文献1の製氷機は、貯水用凹部が上向きに配置された製氷皿を有しており、製氷皿は、駆動ユニットによって、水平な軸線周りに製氷皿を反転させる反転動作、および反転動作に連動した捻り動作を行うことによって、貯氷容器内へ氷を落下させる。
【0003】
かかる製氷機において、駆動ユニットは製氷皿を囲むフレームに保持される。駆動ユニットは、フレームとの係合用の爪部(駆動側取付部)を備えており、駆動ユニットの爪部をフレームの嵌合部(枠体側取付部)に嵌合させてフレームに取り付けられる。特許文献1では、フレームの上面の一部を塞ぐ天板に嵌合部(枠体側取付部)が形成される。また、天板には、天板に取り付けられた駆動ユニットと係合するフック状の抜け止め部(抑え部)が形成されている。従って、駆動ユニットの爪部がフレームの嵌合部から抜け出ることを防止し、駆動ユニットがフレームから外れることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-89758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、駆動ユニットをフレームに取り付ける際、駆動ユニットは、フレームに対して製氷皿が連結される出力軸と交差する方向(水平方向)に相対移動する。従って、フレームの嵌合部は、駆動ユニットが移動する方向(水平方向)に開口しており、嵌合部の開口から爪部が挿入される。抜け止め部は、駆動ユニットを出力軸と交差する方向に移動させる際は駆動ユニットと干渉しないように撓ませておき、爪部が嵌合部の奥まで挿入されて嵌合部と当接する位置まで駆動ユニットが移動したとき、撓んでいた抜け止め部が元の位置に戻って駆動ユニットと係合する。
【0006】
このような駆動ユニットの取付構造では、嵌合部と抜け止め部によって駆動ユニットを取付時の移動方向(水平方向)に位置決めして保持することができ、駆動ユニットがフレームから外れることを防止することができる。しかしながら、駆動ユニットは、取付時の移動方向と交差する方向(出力軸の軸線方向)では位置決めされていないため、衝撃や振動などによって駆動ユニットが動いてフレームから外れるおそれがある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、フレームから駆動ユニットが外れにくい製氷機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る製氷機は、貯水用凹部が上向きに配置された製氷皿と、上下方向と交差する軸線周りの反転動作、および前記反転動作に連動した捻り動作を前記製氷皿に行わせる駆動ユニットと、前記製氷皿に対して前記軸線方向の一方側に配置された前記駆動ユニットを保持するフレームと、を有し、前記駆動ユニットは、前記フレームに対して前記軸線方向に交差する取付方向へ相対移動することによって前記フレームに取り付けられ、前記フレームは、前記駆動ユニットを前記取付方向で位置決めする第1位置決め部と、前記駆動ユニットを前記軸線方向で位置決めする第2位置決め部を備え、前記第2位置決め部は、前記駆動ユニットの前記軸線方向の他方側への移動を規制する規制部、および、前記軸線方向の一方側から前記駆動ユニットに当接する当接部を備え、前記当接部は、前記規制部と前記軸線方向で対向しており、前記駆動ユニットは、前記取付け方向の前方側の端部において前記軸線方向に延びる側壁部を備え、前記側壁部が前記当接部と前記規制部との間に圧入されることにより、前記第2位置決め部が前記駆動ユニットの前記取付方向の前方側の端部を位置決めすることを特徴とする。
【0009】
本発明では、駆動ユニットをフレームに対して取付方向に相対移動させてフレームに取り付ける。フレームは、駆動ユニットを取付方向で位置決めする第1位置決め部を備えているため、駆動ユニットが取付方向に移動してフレームから外れることを抑制できる。また、フレームは、駆動ユニットの軸線方向の他方側への移動を規制する規制部、および、軸線方向の一方側から駆動ユニットに当接する当接部によって構成されて駆動ユニットを軸線方向で位置決めする第2位置決め部を備えている。これにより、駆動ユニットが軸線方向に移動してフレームから外れることを抑制できる。このように、取付方向および軸線方向の2方向で駆動ユニットを位置決めすることにより、フレームに対する駆動ユニット
の取付を強固に行うことができる。従って、駆動ユニットがフレームから外れるおそれを少なくすることができる。また、駆動ユニットを当接部と規制部との間に保持することができる。従って、フレームに対する駆動ユニットの取付を強固に行うことができる。
【0011】
本発明では、前記駆動ユニットは、前記取付け方向の前方側の端部において前記軸線方向に延びる側壁部を備え、前記側壁部前記当接部と前記規制部との間に圧入されることにより、前記第2位置決め部が前記駆動ユニットの前記取付方向の前方側の端部を位置決めする。従って、駆動ユニットの取付動作に対する第2位置決め部の影響が少なく、フレームと駆動ユニットの組立性への影響が少ない。また、駆動ユニットの取付動作の最終段階までは、第2位置決め部は組立性に影響しない。従って、フレームと駆動ユニットの組立性の低下を抑制できる。
【0012】
本発明において、前記当接部は、前記取付方向および前記軸線方向と直交する方向の寸法が前記駆動ユニットと略等しいことが好ましい。このようにすると、駆動ユニットの取付方向および軸線方向と直交する方向の全体を当接部によって支持することができる。従って、フレームに対する駆動ユニットの取付を強固に行うことができる。
【0013】
本発明において、前記フレームは、前記第2位置決め部に対して前記取付方向の後方側で前記駆動ユニットの前記軸線方向の移動を規制する補助位置決め部を備えることが好ましい。このようにすると、第2位置決め部および補助位置決め部によって駆動ユニットが軸線方向に移動することを規制できる。例えば、衝撃等によってフレームが撓んだ際に駆動ユニット3の移動を規制できる。従って、駆動ユニットがフレームから外れるおそれをより少なくすることができる。
【0014】
この場合に、前記補助位置決め部の前記駆動ユニット側の先端は、前記当接部の前記駆動ユニット側の先端より前記軸線方向の一方側へ後退した位置にあることが好ましい。このようにすると、フレームは、補助位置決め部の位置では、第2位置決め部の位置より軸線方向の配置スペースが大きい。従って、駆動ユニットをフレームに取り付ける動作を行うとき、補助位置決め部を設けた位置においても軸線方向に隙間がある状態で駆動ユニットを移動させることができるので、組立性を維持できる。よって、補助位置決め部を設けたことによるフレームと駆動ユニットの組立性の低下を抑制することができる。また、駆動ユニットの過度の移動を規制できるので、駆動ユニットがフレームから外れるおそれをより少なくすることができる。
【0015】
本発明において、前記フレームは、前記駆動ユニットを搭載する搭載部を備え、前記搭載部は、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向から前記駆動ユニットを支持する支持面を備えた支持部と、前記支持部の前記軸線方向の一方側の縁から前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向に立ち上がる壁部を備え、前記支持部は、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記駆動ユニットの連結部が嵌る嵌合部と、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記連結部の前記嵌合部からの抜けを防止する抜け止め部と、を有し、前記第1位置決め部は前記嵌合部および前記抜け止め部に設けられ、前記当接部は前記壁部から突出する位置決め用リブであり、前記補助位置決め部は前記壁部から突出する補助位置決め用リブである。このようにすると、支持部に対して駆動ユニットを嵌合させて固定する固定構造に対して軸線方向の位置決め構造(位置決め用リブ)が与える影響は少ないので、フレームと駆動ユニットの組立性を維持でき、且つ、フレームに対する駆動ユニットの取付を強固に行うことができる。
あるいは、本発明において、前記フレームは、前記駆動ユニットを搭載する搭載部を備え、前記搭載部は、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向から前記駆動ユニットを支持する支持面を備えた支持部と、前記支持部の前記軸線方向の一方側の縁から前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向に立ち上がる壁部を備え、前記支持部は、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記駆動ユニットの連結部が嵌る嵌合部と、前記駆動ユニットを前記取付方向に移動させたときに前記連結部の前記嵌合部からの抜けを防止する抜け止め部と、を有し、前記第1位置決め部は前記嵌合部および前記抜け止め部に設けられ、前記当接部は前記壁部から突出する位置決め用リブであり、前記補助位置決め部は前記壁部から突出する補助位置決め用リブであり、前記補助位置決め用リブの前記駆動ユニット側の先端は、前記位置決め用リブの前記駆動ユニット側の先端より前記軸線方向の一方側へ後退した位置にあり、前記位置決め用リブは、前記軸線方向および前記取付方向と直交する方向の高さが前記補助位置決め用リブよりも高いことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、駆動ユニットをフレームに対して取付方向に相対移動させてフレームに取
り付ける。フレームは、駆動ユニットを取付方向で位置決めする第1位置決め部を備えているため、駆動ユニットが取付方向に移動してフレームから外れることを抑制できる。また、フレームは、駆動ユニットの軸線方向の他方側への移動を規制する規制部、および、軸線方向の一方側から駆動ユニットに当接する当接部によって構成されて駆動ユニットを軸線方向で位置決めする第2位置決め部を備えているため、駆動ユニットが軸線方向に移動してフレームから外れることを抑制できる。このように、取付方向および軸線方向の2方向で駆動ユニットを位置決めすることにより、フレームに対する駆動ユニットの取付を強固に行うことができる。従って、駆動ユニットがフレームから外れるおそれを少なくすることができる。また、駆動ユニットを当接部と規制部との間に保持することができる。従って、フレームに対する駆動ユニットの取付を強固に行うことができる。さらに、駆動ユニットの取付方向は、第2位置決め部による位置決め方向である軸線方向と交差する方向であるので、駆動ユニットの取付方法を変更する必要はない。従って、フレームと駆動ユニットの組立性を維持できる。また、駆動ユニットの取付動作に対する第2位置決め部の影響が少なく、フレームと駆動ユニットの組立性への影響が少ない。さらに、駆動ユニットの取付動作の最終段階までは、第2位置決め部は組立性に影響しない。従って、フレームと駆動ユニットの組立性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明を適用した製氷機を第2方向の一方側、かつ斜め上方からみた斜視図である。
図2図1に示す製氷機を第2方向の一方側、かつ斜め上方からみた分解斜視図である。
図3図1に示す製氷機を第2方向の一方側、かつ斜め下方からみた分解斜視図である。
図4】第3方向に反転させたフレームおよび駆動ユニットを第2方向の一方側、かつ斜め下方からみた断面斜視図(図2のA-A位置の断面斜視図)である。
図5】第3方向に反転させたフレームおよび駆動ユニットを第2方向の一方側、かつ斜め下方からみた断面分解斜視図である。
図6】フレームの搭載部に駆動ユニットを搭載した状態を製氷皿が配置される側から見た断面図である。
図7】フレームへの駆動ユニットの固定構造を模式的に示す説明図である。
図8】フレームおよび駆動ユニットをXY平面で切断した部分断面図(図6のB-B位置の断面図)およびその領域Cの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、互いに交差する3方向を第1方向X(長さ方向)、第2方向Y(幅方向)、および第3方向Z(上下方向)として説明する。また、第1方向Xの一方側にX1を付し、第1方向Xの他方側にX2を付し、第2方向Yの一方側にY1を付し、第2方向Yの他方側にY2を付し、第3方向Z(上下方向)の一方側(上側)にZ1を付し、第3方向Z(上下方向)の他方
側(下側)にZ2を付して説明する。
【0019】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した製氷機1を第2方向Yの一方側Y1、かつ斜め上方からみた斜視図である。図2は、図1に示す製氷機1を第2方向Yの一方側Y1、かつ斜め上方からみた分解斜視図である。図3は、図1に示す製氷機1を第2方向Yの一方側Y1、かつ斜め下方からみた分解斜視図である。
【0020】
図1図3に示す製氷機1は、貯水用凹部20(セル)が第3方向Zの一方側Z1(上側)に向けて配置された製氷皿2と、製氷皿2に対して第1方向Xの一方側X1に配置された駆動ユニット3と、駆動ユニット3が搭載される搭載部40を備えたフレーム4とを有している。製氷機1は、冷蔵庫本体(図示せず)に搭載され、冷蔵庫では、給水タンク(図示せず)の水を給水パイプ(図示せず)を通じて製氷皿2の貯水用凹部20に充填し、製氷を行う。そして、製氷が完了すると、駆動ユニット3は、離氷動作として、製氷皿2に第1方向Xに延在する軸線L0周りの反転動作、および反転動作に連動する捻り動作を行わせることにより、製氷皿2の氷を貯氷容器(図示せず)へ落下させる。
【0021】
(製氷皿2の構成)
製氷皿2は、樹脂材料で平面形状が略四角形になるように成形された部材であって、弾性変形可能な材料からなる。製氷皿2において、貯水用凹部20は、第1方向Xおよび第2方向Yに複数配列されている。例えば、図2に示すように、製氷皿2では、略四角形の枠部25の内側に、第2方向Yに並ぶ2つの貯水用凹部20が組になって第1方向Xに4列配置されている。製氷皿2の枠部25において、第1方向Xの一方側X1に位置する壁部26には、軸線L0上で駆動ユニット3の出力軸32と連結された連結部(図示せず)が形成されており、第1方向Xの他方側X2に位置する壁部27には、軸線L0上でフレーム4に回転可能に支持される軸部28が形成されている。製氷皿2の壁部27には、製氷皿2が軸線L0周りに回転した際にフレーム4と当接する回転規制部29が形成されており、回転規制部29は、製氷皿2の回転を阻止することにより、製氷皿2に捻り動作を行わせる。
【0022】
製氷皿2において、第3方向Zの他方側Z2を向く下面2aには、複数の貯水用凹部20の形状が各々、反映された複数の凸部21が配列されている。製氷皿2の下面2aには、製氷皿2の温度を検知する温度センサ8が配置され、温度センサ8は、製氷皿2の下面2aに固定されたカバー部材9で覆われている。温度センサ8から駆動ユニット3の内部に向けては信号配線88、89が延在している。本形態において、温度センサ8は、サーミスタ80である。
【0023】
(駆動ユニット3の構成)
図2に示すように、駆動ユニット3は、直方体状に成形されたケース31の内側に、駆動源となるモータ(図示せず)と、モータの回転力を伝達する回転伝達機構(図示せず)と、回転伝達機構によりモータの回転力が伝達されるカム歯車33とを備えており、駆動ユニット3からは、モータに対する給電用の配線(図示せず)がフレーム4の外側に引き出されている。カム歯車33には、製氷皿2の連結部が連結される出力軸32が一体成形されている。ケース31は、製氷皿2が配置される第1方向Xの他方側X2を向く第1端面311と、製氷皿2とは反対側の第1方向Xの一方側X1を向く第2端面312を備える。出力軸32は、ケース31の第1端面311に設けられた穴316からケース31の外方に突出している。出力軸32は、製氷皿2の氷を離氷させる場合には、軸線L0を中心に反時計回りCCWの方向に回転し、製氷皿2を元の位置に戻す場合には、時計回りCWの方向に回転する。
【0024】
製氷皿2に対して第2方向Yの一方側Y1で隣り合う位置には、検氷レバー6が配置されており、駆動ユニット3のケース31内には、カム歯車33の回転角度に応じてカム歯車33と連動して検氷レバー6を軸線L1周りに回転させる動作させる検氷機構や、温度センサ8から信号配線88、89を介して入力された信号に基づいて動作するスイッチ機構等が構成されている。
【0025】
(フレーム4の構成)
フレーム4は、製氷皿2の第2方向Yの他方側Y2の第1側面2bに沿って第1方向Xに延在する第1側板部41と、製氷皿2の第2方向Yの一方側Y1の第2側面2cに沿って第1方向Xに延在する第2側板部42とを備えており、第1側板部41と第2側板部42とは第2方向Yで平行に対向している。第2側板部42と製氷皿2との間には、検氷レバー6が配置されている。
【0026】
第1側板部41の上端(第3方向Zの一方側Z1の縁)からは第2側板部42に向けて第1上板部410が張り出しており、第1上板部410は、第2方向Yの一方側Y1に向かう途中位置で下方に折れ曲がった後、第2側板部42に向けて張り出している。第2側板部42の上端(第3方向Zの一方側Z1の縁)の付近からは第1側板部41に向けて第2上板部420が張り出しており、製氷皿2は、第1上板部410と第2上板部420との間で上方(第3方向Zの一方側Z1)に向けて開放状態にある。第2上板部420には、検氷レバー6の上端部が内側に位置する開口部420aが形成されている。
【0027】
第1側板部41および第2側板部42の第1方向Xの一方側X1の端部は、第2方向Yからみたときに駆動ユニット3と重なっている。第1側板部41と第2側板部42とは、第1方向Xの一方側X1の端部に位置する板状の第1壁部43と、第1方向Xの他方側X2の端部に位置する第2壁部44とによって連結されている。第1側板部41と第2側板部42とは、第1方向Xの一方側X1において駆動ユニット3を上側(第3方向Zの一方側Z1)から覆う上板部45によっても連結されている。従って、本形態では、フレーム4において、第1側板部41、第2側板部42、第1壁部43、および上板部45によって囲まれた空間が、駆動ユニット3の搭載部40になっており、搭載部40は、下方(第3方向Zの他方側Z2)が開放状態にある。第2壁部44は、板状の複数のリブが互いに連結された多孔性の壁になっており、その中央に製氷皿2の軸部28を回転可能に支持する軸穴440が形成されている。
【0028】
第1側板部41において製氷皿2が位置する側の壁面(内壁面411)には、複数の補強用リブ411a、411b、411cが上下方向に延在するように形成されている。第1側板部41において製氷皿2とは反対側の壁(外壁)において、第1側板部41の上端および下端には、駆動ユニット3より第1方向Xの他方側X1に、製氷機1を冷蔵庫本体(図示せず)に搭載する際にフレーム4を冷蔵庫本体に固定する複数の取り付け部414が形成されている。第1側板部41の下端には、第1方向Xで隣り合う取り付け部414の間に、切り欠きからなる貫通部417が形成されており、駆動ユニット3への給電を行う配線5は、駆動ユニット3から第1側板部41の内壁面411に沿って第1方向Xの他方側X2に延在した後、貫通部417から外側に引き出されている。
【0029】
従って、離氷動作を行うために、駆動ユニット3が製氷皿2に捻り動作を行わせた際、その反力によって、フレーム4に大きな力が加わっても、かかる力が第1側板部41の貫通部417の側に伝わることを、貫通部417より第1方向Xの一方側X1で冷蔵庫本体に固定された取り付け部414によって抑制される。従って、第1側板部41では貫通部417付近に応力が集中することを抑制することができるので、第1側板部41が貫通部417付近で破損することを抑制することができる。
【0030】
(フレーム4への駆動ユニット3の固定構造)
図4は、第3方向Zに反転させたフレーム4および駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1、かつ斜め下方からみた断面斜視図であり、図5は、第3方向Zに反転させたフレーム4および駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1、かつ斜め下方からみた断面分解斜視図である。図4図5は、図2のA-A位置で切断した断面斜視図および断面分解斜視図である。また、図6は、フレーム4の搭載部40に駆動ユニット3を搭載した状態を製氷皿2が配置される側から見た断面図であり、第3方向Zに反転させた状態の図である。
【0031】
図4図6に示すように、フレーム4の搭載部40は、駆動ユニット3を第3方向Zの一方側Z1(上側)から支持する支持面401が形成された支持部を備える。本形態では、駆動ユニット3を上側から覆う上板部45が支持部となっている。上板部45の内面(下面)には、第1方向Xおよび第2方向Yに延在する補強用リブ45aが形成されている。支持面401は、補強用リブ45aの先端面によって構成される。従って、上板部45および支持面401の強度を補強用リブ45aによって高めることができる。
【0032】
図7は、フレーム4への駆動ユニット3の固定構造を模式的に示す説明図であり、図7(a)、(b)、(c)は各々、搭載部40に駆動ユニット3を搭載する前の様子を示す説明図、搭載部40に駆動ユニット3を搭載する途中の様子を示す説明図、および搭載部40に駆動ユニット3を搭載した後の様子を示す説明図である。製氷機1では、第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2へ向かう方向をフレーム4に対する駆動ユニット3の取付方向とし、この方向に駆動ユニット3を移動させることでフレーム4に駆動ユニット3を固定する。第2方向Yの他方側Y2は取付方向の前方側であり、第2方向Yの一方側Y1は取付方向の後方側である。
【0033】
図4図7に示すように、フレーム4の搭載部40には、駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に移動させたときに駆動ユニット3の連結部37が嵌る嵌合部47と、駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に移動させたときに駆動ユニット3に第2方向Yの一方側Yから当接可能な位置に出現して連結部37の嵌合部47からの抜けを防止する第1抜け止め部46とが構成されている。また、搭載部40には、第1抜け止め部46から第1方向Xの一方側X1で離間する位置に、駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に移動させたときに駆動ユニット3に第2方向Yの一方側Yから当接可能な位置に出現して連結部37の嵌合部47からの抜けを防止する第2抜け止め部49が構成されている。
【0034】
駆動ユニット3のケース31には、連結部37として、第3方向Zに板厚方向を向けて第1端面311の第2方向Yの一方側Y1の端部から第1方向Xの他方側X2に突出した第1板部371と、第1板部371に対して第2方向Yの他方側Y2に離間する位置で第3方向Zに板厚方向を向けて第1端面311の他方側Y2の端部から第1方向Xの他方側X2に突出した第2板部372とが形成されている。かかる構成に対応して、フレーム4の上板部45には、嵌合部47として、第3方向Zの他方側Z2に向けて突出して先端側が第2方向Yの一方側Y1に屈曲した第1爪471と、第1爪471に対して第2方向Yの他方側Y2に離間する位置で第3方向Zの他方側Z2に向けて突出して先端側が第2方向Yの一方側Y1に屈曲した第2爪472とが形成されている。第1爪471は、第2方向Yの一方側Y1に開口する凹部473を備え、第2爪472は、第2方向Yの一方側Y1に開口する凹部474を備える。従って、駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に移動させたとき、図6図7(c)に示すように、第1板部371は第1爪471の凹部473に嵌り、第2板部372は第2爪472の凹部474に嵌り、駆動ユニット3は、フレーム4の搭載部40に固定される。
【0035】
この状態で、第2板部372と第2爪472との第2方向Yにおける重なり幅は、第1板部371と第1爪471との第2方向Yにおける重なり幅より広い。また、第1板部371と支持面401との重なり面積(第1板部371と上板部45の補強用リブ45aとの重なり面積)は、第2板部372と支持面401との重なり面積(第1板部371と上板部45の補強用リブ45aとの重なり面積)より広い。
【0036】
第1爪471および第2爪472の第2方向Yの位置は、駆動ユニット3とフレーム4の第2側板部42との第2方向Yにおける間隔が、駆動ユニット3とフレーム4の第1側板部41との第2方向Yにおける間隔より広くなるように設定されている。また、第1板部371および第2板部372は各々、第1爪471および第2爪472に第2方向Yの一方側Y1から嵌るようになっている。従って、駆動ユニット3をフレーム4の搭載部40に固定する際、まず、図7(b)に示すように、駆動ユニット3を第2方向Yの中央より一方側Y1に配置し、その後、駆動ユニット3を第2方向Yの他方側Y2に移動するスペースを確保することができる。また、駆動ユニット3とフレーム4の第2側板部42との間に、図1等に示す検氷レバー6を駆動ユニット3と接続するためのスペースを確保することができる。本形態において、上板部45の第1方向Xの他方側X2の縁には、第3方向Zの他方側Z2に向けて突出した板状の突出部455が形成されている。突出部455は、第2方向Yで離間した2箇所に形成されている。突出部455は、駆動ユニット3の第1端面311に対して第1方向Xの他方側X2から当接可能な位置に設けられ、駆動ユニット3の第1方向Xの他方側X2への移動を規制する。
【0037】
図6に示すように、第1爪471は、上板部45から第3方向Zの他方側Z2に突出した凸部に第2方向Yの一方側Y1、および第1方向Xの一方側X1に向けて開口する凹部473を設けることによって構成されている。第2爪472は、上板部45から第3方向Zの他方側Z2に突出した凸部に第2方向Yの一方側Y1、および第1方向Xの一方側X1に向けて開口する凹部474を設けることによって構成されている。第2爪472は、三角形の補強板475を介して第1側板部41に繋がっている。
【0038】
一方、第1板部371および第2板部372には、板厚を第1方向Xの一方側X1から他方側X2に向けて薄くするように傾いた傾斜部371a、372a(図5参照)が形成されている。従って、第1板部371を第1爪471の内側に嵌める際、第1板部371を板厚が薄くなっている第1方向Xの他方側X2の端部から第1爪471の内側に嵌め、その後、駆動ユニット3を第2方向Yの他方側Y2に向けて支持面401に沿うようにスライドさせることが容易である。また、第2板部372を第2爪472の内側に嵌める際、第2板部372を板厚が薄くなっている第1方向Xの他方側X2の端部から第2爪472の内側に嵌め、その後、駆動ユニット3を第2方向Yの他方側Y2に向けて支持面401に沿うようにスライドさせることが容易である。
【0039】
本形態において、第1抜け止め部46は、第1爪471より第2方向Yの一方側Y1において、支持面401に沿うように第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に延在する第1腕部461と、第1腕部461の先端側で第2方向Yと交差する方向(第3方向Zの他方側Z2)に突出して駆動ユニット3の第1板部371に第2方向Yの一方側Y1から当接可能な第1規制部462とを備えている。従って、図7(b)に示すように、駆動ユニット3を搭載部40に搭載する際、第1規制部462が第3方向Zの一方側Z1に退避するように第1腕部461を弾性変形させることができ、駆動ユニット3を搭載部40に搭載し終えた際、第1規制部462は、駆動ユニット3のケース31に形成した第1板部371に第2方向Yの一方側Y1から当接可能な位置に戻る。すなわち、駆動ユニット3を搭載部40に搭載し終えた際、第1規制部462は、第1板部371に第2方向Yの一方側Y1から当接した状態、あるいは第1板部371に対して隙間を介して第2方向Yの一方側Y1で対向した位置に戻る。
【0040】
図5に示すように、第2抜け止め部49は、第1抜け止め部46に対して第1方向Xの一方側X1において、支持面401に沿うように第2方向Yの他方側Y2から一方側Y1に延在する第2腕部491と、第2腕部491の先端側で第2方向Yと交差する方向(第3方向Zの他方側Z2)に突出して駆動ユニット3に第2方向Yの一方側Y1から当接可能な第2規制部492と、第2規制部492の先端部から第2方向Yの一方側Y1に折れ曲がった先端部493とを備えている。従って、図示を省略するが、駆動ユニット3を搭載部40に搭載する際、第2規制部492および先端部493が第3方向Zの一方側Z1に退避するように第2腕部491を弾性変形させることができ、駆動ユニット3を搭載部40に搭載し終えた際、第2規制部492は、駆動ユニット3のケース31の側壁310に第2方向Yの一方側Y1から当接可能な位置に戻る。すなわち、駆動ユニット3を搭載部40に搭載し終えた際、第2規制部492は、駆動ユニット3のケース31の側壁310に第2方向Yの一方側Y1から当接した状態、あるいは側壁310に対して隙間を介して第2方向Yの一方側Y1で対向した位置に戻る。
【0041】
ここで、第1抜け止め部46および第2抜け止め部49は各々、上板部45において3方が切り欠かれた構造になっている。また、上板部45において、第1爪471および第2爪472が形成されている部分は、開口部になっている。従って、フレーム4を樹脂成形する際、スライドコアを用いずに、上下方向(第3方向Z)から抜く構成の金型により、上板部45に第1抜け止め部46、第2抜け止め部49、第1爪471、および第2爪472を形成することができる。
【0042】
(駆動ユニットの位置決め構造)
搭載部40は、駆動ユニット3が搭載部40に取り付けられた状態において、駆動ユニット3を第2方向Yで位置決めする第1位置決め部7Y(図4図5参照)を備えている。第1位置決め部7Yは、上板部45に形成された第1爪471と第1抜け止め部46に形成された第1規制部462、および、上板部45に形成された第2爪472と第2抜け止め部49に形成された第2規制部492によって構成される。駆動ユニット3が搭載部40に取り付けられた状態において、駆動ユニット3は、第1爪471と第2爪472によって第2方向の他方側Y2への移動を規制される。また、第1規制部462と第2規制部492によって、第2方向Yの一方側Y1への移動を規制される。従って、フレーム4の嵌合部47(第1爪471と第2爪472)、および、抜け止め部(第1抜け止め部46と第2抜け止め部49)は、駆動ユニット3を第2方向Yで位置決めする第1位置決め部7Yを構成する。
【0043】
また、搭載部40は、駆動ユニット3が搭載部40に取り付けられた状態において、駆動ユニット3を第1方向X(すなわち、軸線L0方向)で位置決めする第2位置決め部7Xを備えている。以下、第2位置決め部7Xの構成を説明する。図5に示すように、搭載部40は、駆動ユニット3を支持する上板部45(支持部)の第1方向Xの一方側X1の縁から第3方向Zの一方側Z1(すなわち、支持面401による駆動ユニット3の支持方向)へ立ち上がる第1壁部43を備える。第1壁部43において第1方向Xの他方側X2を向いた内壁面431には、上板部45と繋がる角部から第3方向Zの他方側Z2に向かって直線状に延在する複数のリブが形成されている。本形態では、複数のリブとして、上板部45に形成された5本の補強用リブ45aのうちで第2方向Yの他方側Y2に位置する3本に接続される補助位置決め用リブ51a、51b、51cと、最も他方側Y2に位置する補助位置決め用リブ51aと第1側板部41との間に位置する位置決め用リブ52(当接部)の4本が形成されている。
【0044】
補助位置決め用リブ51a、51b、51cおよび位置決め用リブ52は、それぞれ、第1壁部43の内壁面431から駆動ユニット3が配置される側である第1方向Xの他方
側X2へ突出する。補助位置決め用リブ51a、51b、51cおよび位置決め用リブ52は、駆動ユニット3に対して第1方向Xの一方側X1から当接可能な位置に設けられており、駆動ユニット3の第1方向Xの一方側X1への移動を規制する。これら4本のリブのうち、位置決め用リブ52は、搭載部40の第2方向Yの他方側Y2の端部における第1方向Xの一方側X1の角部に設けられている。また、補助位置決め用リブ51a、51b、51cは、第1壁部43の第2方向Yの中央より他方側Y2に等間隔で設けられている。補助位置決め用リブ51a、51b、51は、第1壁部43の第3方向Zの略中央まで延びており、駆動ユニット3の第3方向Zの高さの略半分の高さである。これに対し、位置決め用リブ52は、第3方向Zの高さ(長さ)が補助位置決め用リブ51a、51b、51cよりも高い。
【0045】
図8(a)は、フレーム4および駆動ユニット3をXY平面で切断した部分断面図(図6のB-B位置の断面図)であり、図8(b)は図8(a)の領域Cの部分拡大図である。図8(a)に示すように、駆動ユニット3は、駆動ユニット3の第1方向Xの他方側X2に配置される2箇所の突出部455によって第1方向の他方側X2への移動を規制されている。また、駆動ユニット3は、第1爪471および第2爪472によって第1方向の他方側X2への移動を規制されている。第1爪471の第1方向Xの一方側X1の端面471a、および、第2爪472の第1方向Xの一方側X1の端面472aは、駆動ユニット3の第1端面311に対して第1方向Xで対向する。
【0046】
図8(a)に示すように、駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部に対しては、第2爪472の端面472aが第1方向Xの他方側X2から当接し、且つ、位置決め用リブ52の先端面520が第1方向Xの一方側X1から当接する。また、駆動ユニット3の中央部分に対しては、2箇所の突出部455が第1端面311に対して第1方向Xの一方側X1から当接するとともに、補助位置決め用リブ51a、51b、51cが第2端面312に対して第1方向Xの一方側X1から対向する。そして、駆動ユニット3の第2方向Yの一方側Y1の端部に対しては、第1爪471の端面471aが第1端面311に対して第1方向Xの他方側X2から当接する。
【0047】
図8(b)に示すように、補助位置決め用リブ51aは、位置決め用リブ52よりも第1方向Xの他方側X2への突出寸法が小さい。従って、補助位置決め用リブ51aの先端面510は、位置決め用リブ52の先端面520よりも所定寸法だけ第1方向Xの一方側X1へ後退した位置にある。3本の補助位置決め用リブ51a、51b、51cは、第1方向Xの他方側X2への突出寸法が同一である。従って、補助位置決め用リブ51a、51b、51cの先端面510と駆動ユニット3の第2端面312との間には、それぞれ、所定の隙間dが形成される。
【0048】
フレーム4の搭載部40に対して駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2へ向かう方向(すなわち、駆動ユニット3の取付方向)へ相対移動させる駆動ユニット3の取付動作を行う際、駆動ユニット3は、突出部455によって第1方向Xの他方側X2への移動が規制された状態で、補助位置決め用リブ51a、51b、51cとの間に隙間dがある状態で他方側Y2へ移動する。そして、取付動作の最終段階において、駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部は、第1方向Xで対向する位置に設けられた第2爪472の端面472aと位置決め用リブ52の先端面520との間に圧入される。これにより、駆動ユニット3は、第1方向Xへ移動できない状態に位置決めされて搭載部40に固定される。
【0049】
このように、第1爪471、第2爪472の端面471a、472aおよび突出部455と、位置決め用リブ52は、駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部を第1方向X(軸線L0方向)で位置決めする第2位置決め部7Xを構成する。その際、第1爪4
71、第2爪472および突出部455は、駆動ユニット3の第1方向Xの他方側X2への移動を規制する規制部となり、位置決め用リブ52は、駆動ユニット3に対して第1方向Xの一方側X1から当接する当接部となる。駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部は、駆動ユニット3のケース31の側壁部を構成する部分であるため、第2爪472および位置決め用リブ52の間に圧入しても撓むおそれが少ない。従って、この部分を第2位置決め部7Xによって位置決めすることにより、駆動ユニット3を強固に固定することができる。
【0050】
また、位置決め用リブ52の一方側Y1に3本の補助位置決め用リブ51a、51b、51cを設けたことにより、補助位置決め用リブ51a、51b、51cによって駆動ユニット3の第1方向Xの一方側X1への移動を規制することができる。複数のリブによって広い範囲で駆動ユニット3の第1方向Xの一方側X1への移動を規制することにより、駆動ユニット3をより強固に取り付けることができる。
【0051】
(製氷機の動作)
本形態の製氷機1において、製氷工程では、貯水用凹部20が上方を向くように水平に配置された製氷皿2に対して給水パイプ(図示せず)を通じて水が供給され、貯水用凹部20に水が充填さる。その後、冷却部(図示せず)から供給された冷気により、製氷皿2内に充填された水を冷却する。製氷が完了したか否かは、製氷皿2に取り付けられた温度センサ8(サーミスタ80)により、製氷皿2の温度が所定温度以下となったか否かで判断される。
【0052】
製氷が完了すると、検氷レバー6により、製氷皿2の下方に設置された貯氷容器(図示せず)の氷量の検出が行なわれる。具体的には、検氷レバー6が駆動ユニット3に駆動されて下降する。その際、検氷レバー6が所定位置まで下降する場合には、貯氷容器内が満氷でないと判断される。一方、所定位置まで下降する前に、検氷レバー6が貯氷容器内の氷に接触する場合には、貯氷容器内が満氷であると判断される。貯氷容器内が満氷の場合には、所定時間待機した後、再度、検氷レバー6により貯氷容器内の氷量の検出が行なわれる。
【0053】
貯氷容器内が満氷でない場合には、製氷皿2の離氷動作が行なわれる。具体的には、駆動ユニット3の出力軸32の回転駆動により、製氷皿2が軸線L0を中心に反時計周りCCWに回転する。水平に配置された最初の位置より90°以上の所定の回転角(例えば120°)まで製氷皿2が回転したときに、製氷皿2の回転規制部29がフレーム4に当接する。この状態で、製氷皿2がさらに回転しようとしても回転は妨げられ、製氷皿2には捻りが加えられ、変形する。これにより、製氷皿2内の氷が製氷皿2から剥離し、製氷皿2の下方に設置された図示しない貯氷容器内に落下する。
【0054】
かかる離氷動作を行った際、製氷皿2に加えられる捻りに抗して製氷皿2から駆動ユニット3には力が加わる。その際に駆動ユニット3に加わる力は、軸線L0を中心とした時計周りCWの力である。一方、フレーム4の搭載部40に駆動ユニット3を固定する際、駆動ユニット3を移動させる方向(連結部37が嵌合部47に嵌る方向)は、軸線L0を中心とした時計周りCWの力であり、製氷皿2に捻り動作を行わせた際に製氷皿2から駆動ユニット3が受ける力と同一の方向である。従って、製氷皿2に捻り動作を行わせた際、駆動ユニット3には、連結部37(第1板部371および第2板部372)が嵌合部47(第1爪471および第2爪472)に嵌合する方向の力が加わり、連結部37が嵌合部47から抜ける方向の力が加わらない。
【0055】
また、製氷皿2に捻り動作を行わせた際、駆動ユニット3は、製氷皿2から軸線L0を中心とした時計周りCWの力を受けるため、第1板部371は、支持面401に向けて押
圧され、第2板部372は、第2爪472の先端部に向けて押圧される。この場合でも、第2板部372と第2爪472との第2方向Yにおける重なり幅は、第1板部371と第1爪471との第2方向Yにおける重なり幅より広い。また、第1板部371と支持面401との重なり面積(第1板部371と上板部45の補強用リブ45aとの重なり面積)は、第2板部372と支持面401との重なり面積(第1板部371と上板部45の補強用リブ45aとの重なり面積)より広い。従って、製氷皿2に捻り動作を行わせた際、駆動ユニット3は、製氷皿2から軸線L0を中心とした時計周りCWの力を受けた場合でも、フレーム4に確実に固定された状態を維持することができる。
【0056】
しかる後には、駆動ユニット3が、貯水用凹部20が上方を向くように軸線L0を中心に時計周りCWに製氷皿2を逆回転させ、上記の動作が繰り返される。
【0057】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の製氷機1において、駆動ユニット3を第2方向Yの一方側Y1から他方側Y2に移動させると、駆動ユニット3の連結部37(第1板部371および第2板部372)がフレーム4の嵌合部47(第1爪471および第2爪472)に嵌るので、駆動ユニット3をフレーム4の搭載部40に固定することができる。
【0058】
本形態では、上記の駆動ユニット3の固定構造において、駆動ユニット3を第2方向Yで位置決めする第1位置決め部7Y、および、駆動ユニット3を第1方向X(軸線L0方向)で位置決めする第2位置決め部7Xを備えている。第1位置決め部7Yは、フレーム4の嵌合部47(第1爪471および第2爪492)と、抜け止め部(第1抜け止め部46および第2抜け止め部49)によって構成され、駆動ユニット3の第1板部371および第2板部372の第2方向Yの移動を規制して、駆動ユニット3を第2方向Yで位置決めする。また、第2位置決め部7Xは、駆動ユニット3の第1方向Xの他方側X2への移動を規制する規制部である第1爪471、第2爪472および突出部455と、第1方向Xの一方側X1から駆動ユニット3に当接する当接部である位置決め用リブ52を備えている。
【0059】
このように、駆動ユニット3のフレーム4に対する取付方向である第2方向Y、および、第2方向Yと交差する第1方向X(製氷皿2の軸線L0方向)の2方向で駆動ユニット3を位置決めすることで、フレーム4に対する駆動ユニット3の取付を強固に行うことができる。従って、落下による衝撃や振動が加わった際に、駆動ユニット3がフレーム4から外れるおそれを少なくすることができる。また、駆動ユニット3の取付方向は、第2位置決め部7Xによる位置決め方向(第1方向X)と交差する方向であるので、第2位置決め部7Xを設けるために駆動ユニット3の取付方法を変更する必要はなく、フレーム4と駆動ユニット3との組立性への影響も少ない。
【0060】
また、第2位置決め部7Xにおいて、位置決め用リブ52は搭載部40の第2方向Yの他方側Y2の端部に設けられ、駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部を位置決めする。従って、駆動ユニット3の取付動作を行う際、取付動作の最終段階までは第2爪472と位置決め用リブ52による位置決め状態が完成しないので、組立性への影響が少ない。従って、第2位置決め部7Xを設けたことによるフレーム4と駆動ユニット3との組立性の低下を抑制できる。
【0061】
なお、位置決め用リブ52は、駆動ユニット3の第2方向Yの他方側Y2の端部よりも一方側Y1の部位を位置決めするように配置してもよい。例えば、第2爪472の第2方向Yの一方側Y1の端部より他方側Y2(図6に示す位置Dより他方側Y2)の範囲に位置決め用リブ52を形成する。この範囲であれば、連結部37を嵌合部47へ挿入開始するときには位置決め用リブ52による位置決め状態が完成していない。従って、フレーム
4と駆動ユニット3との組立性への影響を少なくすることができる。
【0062】
本形態のフレーム4には、位置決め用リブ52よりも第2方向Yの他方側Y2で駆動ユニット3の第1方向Xの移動を規制する補助位置決め部として、3本の補助位置決め用リブ51a、51b、51cを備えている。従って、駆動ユニット3が第1方向X(軸線L0方向)に移動することを規制できる。例えば、衝撃等によってフレーム4が撓んだ際に駆動ユニット3が移動することを規制でき、駆動ユニット3が過度に移動することを規制できる。従って、駆動ユニット3がフレーム4から外れるおそれをより少なくすることができる。補助位置決め用リブ51a、51b、51cは、駆動ユニット3側の先端が位置決め用リブ52よりも一方側X1へ後退した位置にあるので、駆動ユニット3を搭載部40に取り付ける際に、取付動作の最終段階までは第1方向Xに隙間dがある状態で駆動ユニット3を移動させることができる。従って、駆動ユニット3を取り付ける途中では組立性を維持できる。
【0063】
本形態の第2位置決め部7Xにおいて、位置決め用リブ52は、第2爪472と第1方向Xで対向する。従って、駆動ユニット3の取付動作の最終段階では、第2爪472と位置決め用リブ52との間に駆動ユニット3を圧入して位置決めすることができるので、駆動ユニット3の取付を強固に行うことができる。
【0064】
位置決め用リブ52は、駆動ユニット3の第3方向Zの寸法(高さ)の半分より長い。従って、駆動ユニット3の第3方向Zの寸法の半分以上を位置決め用リブ52によって維持できる。よって、駆動ユニット3の取付を強固に行うことができ、駆動ユニット3がフレーム4から外れることを抑制できる。なお、位置決め用リブ52の第3方向Zの寸法(長さ)を、駆動ユニット3の第3方向Zの寸法(高さ)と略等しくすることが望ましい。これにより、駆動ユニット3の第3方向Zの全体を位置決め用リブ52によって支持できる。従って、駆動ユニット3の取付を強固に行うことができる。
【0065】
一方、本形態の補助位置決め用リブ51a、51b、51cは位置決め用リブ52よりも短く、駆動ユニット3の第3方向Zの寸法(高さ)の半分程度の長さである。従って、駆動ユニット3を搭載部40の中に入れるときには、駆動ユニット3を第1方向Xの一方側X1へ傾けて入れることができる。従って、駆動ユニット3を取り付ける途中では駆動ユニット3の姿勢に自由度をもたせて組立性を維持でき、取付動作の最終段階で強固に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0066】
1…製氷機、2…製氷皿、2a…下面、2b…第1側面、2c…第2側面、3…駆動ユニット、4…フレーム、5…配線、6…検氷レバー、7Y…第1位置決め部、7X…第2位置決め部、8…温度センサ、9…カバー部材、20…貯水用凹部、21…凸部、25…枠部、26、27…壁部、28…軸部、29…回転規制部、31…ケース、32…出力軸、33…カム歯車、37…連結部、40…搭載部、41…第1側板部、42…第2側板部、43…第1壁部、44…第2壁部、45…上板部、45a…補強用リブ、46…第1抜け止め部、47…嵌合部、49…第2抜け止め部、51a、51b、51c…補助位置決め用リブ、52…位置決め用リブ(当接部)、80…サーミスタ、88、89…信号配線、310…側壁、311…第1端面、312…第2端面、316…穴、371…第1板部、371a…傾斜部、372…第2板部、372a…傾斜部、401…支持面、410…第1上板部、411…内壁面、411a、411b、411c…補強用リブ、414…取り付け部、417…貫通部、420…第2上板部、420a…開口部、431…内壁面、440…軸穴、455…突出部(規制部)、461…第1腕部、462…第1規制部、471…第1爪、471a…端面、472…第2爪、472a…端面、473、474…凹部、475…補強板、491…第2腕部、492…第2規制部、493…第2先端部、51
0…補助位置決め用リブの先端面、520…位置決め用リブの先端面、L0、L1…軸線、X…第1方向(軸線方向)、Y…第2方向、Z…第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8