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特許7085862資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20220610BHJP
   G06Q 20/42 20120101ALI20220610BHJP
【FI】
G06Q20/10
G06Q20/42
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018041636
(22)【出願日】2018-03-08
(65)【公開番号】P2019159454
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】500051683
【氏名又は名称】株式会社日経金融工学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中塚 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】大城 直人
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-178242(JP,A)
【文献】特開2016-012206(JP,A)
【文献】特開2004-062623(JP,A)
【文献】特開2015-162131(JP,A)
【文献】特開2007-241350(JP,A)
【文献】特開2007-219885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部と、
名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部と、
前記観察対象者を観察する観察者の操作に基づき、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を行う観察者装置と、
前記観察対象者の操作に基づき、前記観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行う観察対象者装置と、
前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御し、かつ、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバと、
を備える資金移動管理システム。
【請求項2】
前記観察対象者装置は、前記観察者装置に対して、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への第1の資金移動額を含む第1の資金移動要求を送信し、
前記観察者装置は、前記第1の資金移動要求を前記資金移動条件として承認又は非承認を行い、
前記管理サーバは、前記観察者装置において前記第1の資金移動要求が承認された場合に、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記第1の資金移動額の前記資金移動処理を実行する
請求項1に記載の資金移動管理システム。
【請求項3】
前記資金移動条件は、前記資金移動処理の間隔及び第1の金額情報を定義した第1の条件を含み、
前記管理サーバは、
前記第1の条件が前記観察者装置により承認されている場合に、前記間隔ごとに、前記第1の金額情報に基づく金額について前記資金移動処理を実行する
請求項1又は2に記載の資金移動管理システム。
【請求項4】
前記資金移動条件は、前記第2の口座の残高情報の閾値及び第2の金額情報を定義した第2の条件を含み、
前記管理サーバは、
前記第2の条件が前記観察者装置により承認されており、かつ、前記第2の口座の残高情報が前記閾値を下回った場合に、前記第2の金額情報に基づく金額について前記資金移動処理を実行する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の資金移動管理システム。
【請求項5】
前記第2の条件は、所定期間における前記資金移動処理の実行回数の上限値をさらに含み、
前記管理サーバは、
前記所定期間における前記第2の条件に基づく前記資金移動処理の実行回数が前記上限値を超える場合に、前記観察者装置へその旨を通知する
請求項4に記載の資金移動管理システム。
【請求項6】
前記第1の口座の名義は、前記観察対象者であり、
前記観察対象者装置は、
前記観察者装置に対する前記第1口座情報記憶部への第2の参照権限の付与をさらに行い、
前記管理サーバは、
前記第2の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第1口座情報記憶部への参照処理を制御し、
前記観察対象者装置による前記第1口座情報記憶部への参照処理を許可し、
前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部以外への出金処理を禁止し、
前記承認された資金移動条件以外での前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を禁止する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の資金移動管理システム。
【請求項7】
前記第1の口座の名義は、前記観察者であり、
前記観察者装置は、前記管理サーバに対して、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への第2の資金移動額を含む第2の資金移動要求を、前記承認した資金移動条件として送信し、
前記管理サーバは、前記第2の資金移動要求に基づいて、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記第2の資金移動額の前記資金移動処理を実行する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の資金移動管理システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、前記資金移動処理の履歴情報を履歴情報記憶部へ格納し、
前記観察者装置は、前記履歴情報記憶部に対して前記履歴情報の参照を行う
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の資金移動管理システム。
【請求項9】
前記管理サーバは、
前記第2の口座からの出金履歴を前記履歴情報に含めて前記履歴情報記憶部へさらに格納し、
前記出金履歴に対する第1の解析処理を定期的に実行し、
前記第1の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、その旨を通知する
請求項8に記載の資金移動管理システム。
【請求項10】
前記管理サーバは、
前記観察対象者装置による前記第2口座情報記憶部へのアクセス履歴を前記履歴情報に含めて前記履歴情報記憶部へさらに格納し、
前記アクセス履歴に対する第2の解析処理を定期的に実行し、
前記第2の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、その旨を通知する
請求項8又は9に記載の資金移動管理システム。
【請求項11】
前記管理サーバは、
前記第1の口座の残高情報及び前記履歴情報に基づく通知情報を生成し、
前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、前記生成された通知情報を送信する
請求項6に従属する請求項8乃至10のいずれか1項に記載の資金移動管理システム。
【請求項12】
前記管理サーバは、
複数の金融商品の中から、前記第1の口座の残高情報及び前記履歴情報に基づいて推薦対象の金融商品を選択し、
前記観察対象者装置及び前記観察者装置の双方に対して、前記選択した金融商品の購入を推薦する旨を送信する
請求項11に記載の資金移動管理システム。
【請求項13】
前記管理サーバは、
前記観察対象者装置及び前記観察者装置の双方から、前記推薦した金融商品についての購入金額の指定を含む承諾を受信した場合、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記購入金額の前記資金移動処理を実行し、前記第2口座情報記憶部から前記購入金額の出金処理を実行する
請求項12に記載の資金移動管理システム。
【請求項14】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部と、
名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部と、
前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置と、
前記観察対象者により操作される観察対象者装置と、
前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動を管理する管理サーバと、
を備える資金移動管理システムにおける資金移動管理方法であって、
前記観察対象者装置において、前記観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行い、
前記管理サーバにおいて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御し、
前記観察者装置において、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を行い、
前記管理サーバにおいて、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する
資金移動管理方法。
【請求項15】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動を管理する情報処理装置であって、
前記観察対象者により操作される観察対象者装置から、前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置に対して付与された前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限を受け付け、前記観察者装置から、前記第2口座情報記憶部への参照要求を受け付け、前記参照要求に応じて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御するアクセス制御部と、
前記観察者装置から、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を受け付け、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する資金移動処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項16】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認を前記観察者の操作により行う観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行い、
前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバに対して、前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御させるために、前記付与された第1の参照権限を送信する
情報処理装置。
【請求項17】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動を管理する管理サーバにおける資金移動管理プログラムであって、
前記観察対象者により操作される観察対象者装置から、前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置に対して付与された前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限を受け付ける処理と、
前記観察者装置から、前記第2口座情報記憶部への参照要求を受け付ける処理と、
前記参照要求に応じて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御する処理と、
前記観察者装置から、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を受け付ける処理と、
前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する処理と、
を前記管理サーバに実行させる資金移動管理プログラム。
【請求項18】
名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認を前記観察者の操作により行う観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行う処理と、
前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバに対して、前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御させるために、前記付与された第1の参照権限を送信する処理と、
をコンピュータに実行させる資金移動管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラムに関し、特に、資金移動を管理する資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の一人暮らし、配偶者の単身赴任、又は都会で下宿する大学生など、家族から離れて一人で暮らすケースが増えている。これに伴い、親子や家族の間でのコミュニケーションが希薄になるとともに、振り込め詐欺や訪問販売による大型商品の契約などの詐欺行為に巻き込まれる可能性が高まっている。特に、高齢化社会を迎えて独居世帯や単身世帯が増えており、これらの世帯とのコミュニケーション手段の確保とこれら世帯の安心及び安全な生活の確保に向けたリスク軽減の取り組みは社会的要請といえる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、金銭振り込み時に、振り込みを行う者だけでなく、第三者にも振り込み内容を判断させる技術が開示されている。特許文献1では、口座所有者が自口座から金銭の振り込みをする際、その口座で設定されている振り込み金額の上限閾値を超えた高額な振り込みであった場合、その口座で予め登録されている第三者へ、振り込みの承認要求を通知し、現金自動取引装置(ATM(Automatic Teller Machine))や銀行窓口、携帯電話等の端末機器を使用して即座に対応、承認することで、高額な金銭の振り込みを完了するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-316959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にかかる技術には、高齢者や子供(被扶養者)といった見守られる人(観察対象者)自身の口座からの資金移動が全て監視され、移動金額が所定額以上の場合には振込先の明細や金額が第三者(高齢者の実質的な後見人である子供や、被扶養者に対する扶養者である親等、観察者)に伝わり、その承認が必要とされる。そのため、見守られる人のプライバシーの確保が困難である。それ故、特許文献1にかかる方法を導入しようとしても、見守られる人の同意が得られ難く、当該手法の普及が妨げられてしまうという問題点がある。
【0006】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、観察対象者におけるプライバシー保護の意向を尊重しつつ、観察者により観察対象者が保有する資金の過剰な支出を抑止するための資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる資金移動管理システムは、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部と、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部と、前記観察対象者を観察する観察者の操作に基づき、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を行う観察者装置と、前記観察対象者の操作に基づき、前記観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行う観察対象者装置と、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御し、かつ、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバと、を備える。
【0008】
このように、本開示の第1の態様によれば、観察対象者は自己の名義の第2の口座からの出金先、出金額及び出金回数について直接的には制限されておらず、また、観察者による第2の口座へのアクセスを観察対象者の意思により制御することができる。そのため、観察対象者におけるプライバシー保護の意向が尊重される。一方、観察者は観察対象者が保有する第2の口座への入金額や入金タイミングを含む資金移動条件を制御できるため、第2の口座の残高の増加額を調整することができる。これにより、そのため、観察対象者による出金額の上限となる第2の口座の残高を、観察者が制御できる。よって、仮に観察対象者が詐欺等により出金させられたとしても、その被害額を一定額(最大で第2の口座の残高)以内に抑えることができる。つまり、結果的に、不正な資金流出を抑止することもできる。それ故、見守られる人(観察対象者)におけるプライバシー保護の意向を尊重しつつ、観察者により観察対象者が保有する資金の過剰な支出を抑止することができる。
【0009】
また、前記観察対象者装置は、前記観察者装置に対して、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への第1の資金移動額を含む第1の資金移動要求を送信し、前記観察者装置は、前記第1の資金移動要求を前記資金移動条件として承認又は非承認を行い、前記管理サーバは、前記観察者装置において前記第1の資金移動要求が承認された場合に、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記第1の資金移動額の前記資金移動処理を実行することが望ましい。これにより、観察者が観察対象者からの不審な資金移動要求を感知することができ、例えば、資金移動前に観察者が観察対象者に直接、用途を確認するなどができる。そのため、詐欺等を未然に防ぐことができる。
【0010】
さらに、前記資金移動条件は、前記資金移動処理の間隔及び第1の金額情報を定義した第1の条件を含み、前記管理サーバは、前記第1の条件が前記観察者装置により承認されている場合に、前記間隔ごとに、前記第1の金額情報に基づく金額について前記資金移動処理を実行するとよい。これにより、観察者の承認の範囲内で、定期的に第2の口座への送金が可能となり、観察対象者の日常活動への不便をなくしつつ、一つの資金移動処理の間隔ごとの使用金額を一定額以内に抑えることができる。
【0011】
または、前記資金移動条件は、前記第2の口座の残高情報の閾値及び第2の金額情報を定義した第2の条件を含み、前記管理サーバは、前記第2の条件が前記観察者装置により承認されており、かつ、前記第2の口座の残高情報が前記閾値を下回った場合に、前記第2の金額情報に基づき算出された金額について前記資金移動処理を実行するとよい。これにより、観察対象者により第2の口座から支出できる一回当たりの最大金額を一定に保つことができ、観察対象者の利便性を維持できる。
【0012】
さらに、前記資金移動条件は、所定期間における前記資金移動処理の実行回数の上限値をさらに含み、前記管理サーバは、前記所定期間における前記第2の条件に基づく前記資金移動処理の実行回数が前記上限値を超える場合に、前記観察者装置へその旨を通知するとよい。これにより、観察対象者による第2の口座からの一定期間内の出金総額も制御できる。
【0013】
ここで、前記第1の口座の名義は、前記観察対象者であり、前記観察対象者装置は、前記観察者装置に対する前記第1口座情報記憶部への第2の参照権限の付与をさらに行い、前記管理サーバは、前記第2の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第1口座情報記憶部への参照処理を制御し、前記観察対象者装置による前記第1口座情報記憶部への参照処理を許可し、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部以外への出金処理を禁止し、前記承認された資金移動条件以外での前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を禁止するとよい。これにより、例えば、第1の口座に多額の残高があったとしても、第1の口座から第2の口座以外への資金移動が制限され、観察対象者の資産を保護できる。
【0014】
または、前記第1の口座の名義は、前記観察者であり、前記観察者装置は、前記管理サーバに対して、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への第2の資金移動額を含む第2の資金移動要求を、前記承認した資金移動条件として送信し、前記管理サーバは、前記第2の資金移動要求に基づいて、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記第2の資金移動額の前記資金移動処理を実行するようにしてもよい。これにより、例えば、観察対象者が被扶養者の子供の場合に、扶養者である親が子供名義の第2の口座への移動額を一定に保ち、必要額を与えつつ、浪費を抑えることができる。
【0015】
また、前記管理サーバは、前記資金移動処理の履歴情報を履歴情報記憶部へ格納し、前記観察者装置は、前記履歴情報記憶部に対して前記履歴情報の参照を行うことが望ましい。このように、観察者は資金移動の履歴を参照することで、今後の資金移動条件の承認又は非承認をより的確に判断することができる。また、観察者との観察対象者との間であらかじめ資金移動条件を承認していることから、観察者による資金移動(残高ではなくあくまで移動額)の履歴の参照は、観察対象者のプライバシーへの影響は少ない。
【0016】
さらに、前記管理サーバは、前記第2の口座からの出金履歴を前記履歴情報に含めて前記履歴情報記憶部へさらに格納し、前記出金履歴に対する第1の解析処理を定期的に実行し、前記第1の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、その旨を通知することが望ましい。これにより、観察対象者の決済パターンを分析でき、例えば、年払いの契約について支払い期日前に、再考を促すなど、家計改善に寄与することができる。
【0017】
さらに、前記管理サーバは、前記観察対象者装置による前記第2口座情報記憶部へのアクセス履歴を前記履歴情報に含めて前記履歴情報記憶部へさらに格納し、前記アクセス履歴に対する第2の解析処理を定期的に実行し、前記第2の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、その旨を通知するとよい。これにより、観察対象者の日常生活の行動パターンを分析でき、行動パターンに変化が生じたことを検出した場合に通知することで、観察対象者又は観察者が対応することが可能となる。
【0018】
さらに、前記管理サーバは、前記第1の口座の残高情報及び前記履歴情報に基づく通知情報を生成し、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の少なくとも一方に対して、前記生成された通知情報を送信するとよい。例えば、第1口座及び第2口座を管理する金融機関からのキャンペーン情報等を効果的に通知することができる。
【0019】
さらに、前記管理サーバは、複数の金融商品の中から、前記第1の口座の残高情報及び前記履歴情報に基づいて推薦対象の金融商品を選択し、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の双方に対して、前記選択した金融商品の購入を推薦する旨を送信するとよい。これにより、観察対象者による金融商品の購入に際し、責任能力のある観察者による承認を円滑に得ることができる。
【0020】
さらに、前記管理サーバは、前記観察対象者装置及び前記観察者装置の双方から、前記推薦した金融商品についての購入金額の指定を含む承諾を受信した場合、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部へ前記購入金額の前記資金移動処理を実行し、前記第2口座情報記憶部から前記購入金額の出金処理を実行するとよい。これにより、観察者による承認を必要とする金融商品の販売を促進できる。そして、金融商品という大口の出金についても第2の口座を経由させることで、当該金融商品の購入履歴を資金移動処理及び出金処理の履歴情報として記録することができ、観察対象者装置及び観察者装置から参照可能となる。
【0021】
本開示の第2の態様にかかる資金移動管理方法は、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部と、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部と、前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置と、前記観察対象者により操作される観察対象者装置と、前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動を管理する管理サーバと、を備える資金移動管理システムにおける資金移動管理方法である。そして、前記観察対象者装置において、前記観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行い、前記管理サーバにおいて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御し、前記観察者装置において、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を行い、前記管理サーバにおいて、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する。
【0022】
本開示の第3の態様にかかる情報処理装置は、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動を管理する情報処理装置であって、前記観察対象者により操作される観察対象者装置から、前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置に対して付与された前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限を受け付け、前記観察者装置から、前記第2口座情報記憶部への参照要求を受け付け、前記参照要求に応じて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御するアクセス制御部と、前記観察者装置から、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を受け付け、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する資金移動処理部と、を備える。
【0023】
本開示の第4の態様にかかる情報処理装置は、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認し、前記第1口座情報記憶部から第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行させるために、管理サーバに対して、前記承認された資金移動条件を送信する。
【0024】
本開示の第5の態様にかかる情報処理装置は、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認を前記観察者の操作により行う観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行い、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバに対して、前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御させるために、前記付与された第1の参照権限を送信する。
【0025】
本開示の第6の態様にかかる資金移動管理プログラムは、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動を管理する管理サーバにおける資金移動管理プログラムである。そして、前記観察対象者により操作される観察対象者装置から、前記観察対象者を観察する観察者により操作される観察者装置に対して付与された前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限を受け付ける処理と、前記観察者装置から、前記第2口座情報記憶部への参照要求を受け付ける処理と、前記参照要求に応じて、前記第1の参照権限に基づいて前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御する処理と、前記観察者装置から、前記第1の口座から前記第2の口座への資金移動条件の承認を受け付ける処理と、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する処理と、を前記管理サーバに実行させる。
【0026】
本開示の第7の態様にかかる資金移動管理プログラムは、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認する処理と、前記第1口座情報記憶部から第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行させるために、管理サーバに対して、前記承認された資金移動条件を送信する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0027】
本開示の第8の態様にかかる資金移動管理プログラムは、名義が観察対象者又は当該観察対象者を観察する観察者のいずれかである第1の口座の残高情報を記憶する第1口座情報記憶部から、名義が前記観察対象者である第2の口座の残高情報を記憶する第2口座情報記憶部への資金移動条件の承認を前記観察者の操作により行う観察者装置に対する前記第2口座情報記憶部への第1の参照権限の付与を行う処理と、前記承認された資金移動条件に基づいて前記第1口座情報記憶部から前記第2口座情報記憶部への資金移動処理を実行する管理サーバに対して、前記観察者装置による前記第2口座情報記憶部への参照処理を制御させるために、前記付与された第1の参照権限を送信する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0028】
上述した本開示の第2乃至第8の態様によっても上述した第1の態様と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、観察対象者におけるプライバシー保護の意向を尊重しつつ、観察者により観察対象者が保有する資金の過剰な支出を抑止するための資金移動管理システム、資金移動管理方法、情報処理装置及び資金移動管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施の形態1にかかる資金移動管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本実施の形態1にかかる観察対象者装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態1にかかる観察者装置の構成を示すブロック図である。
図4】本実施の形態1にかかる各口座に対する入出金及びアクセス権限の概念を説明するための図である。
図5】本実施の形態1にかかる各口座に対する参照権限付与処理及び参照処理の流れを示すシーケンス図である。
図6】本実施の形態1にかかる観察対象者装置における第1の口座の残高及び取引情報の参照画面の例を示す図である。
図7】本実施の形態1にかかる観察対象者装置における第2の口座の残高及び取引情報の参照画面の例を示す図である。
図8】本実施の形態1にかかる観察対象者からの資金移動要求に基づく資金移動処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】本実施の形態1にかかる観察対象者装置における資金移動要求入力画面の例を示す図である。
図10】本実施の形態1にかかる観察者装置における資金移動要求承認画面の例を示す図である。
図11】本実施の形態1にかかる観察者装置における資金移動履歴参照画面の例を示す図である。
図12】本実施の形態1にかかる資金移動条件が定時定額送金である場合の管理サーバの資金移動処理の流れを示すフローチャートである。
図13】本実施の形態1にかかる資金移動条件がトリガー送金である場合の管理サーバの資金移動処理の流れを示すフローチャートである。
図14】本実施の形態1にかかる履歴情報の解析及び通知処理の流れを示すフローチャートである。
図15】本実施の形態1にかかる金融商品推薦処理の流れを示すシーケンス図である。
図16】本実施の形態2にかかる各口座に対する入出金及びアクセス権限の概念を説明するための図である。
図17】本実施の形態3にかかる資金移動管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0032】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1にかかる資金移動管理システム1000の全体構成を示すブロック図である。前提として、観察対象者U2と観察者U3とは、例えば、遠方で生活する家族であり、観察者U3が観察対象者U2の生活を観察する(見守る)必要があるものとする。資金移動管理システム1000は、観察対象者U2が保有する金融機関の口座内の資金による経済活動を観察者U3が観察することで、観察対象者U2が保有する資金の過剰な支出を抑止するための仕組みである。資金移動管理システム1000は、口座管理システム1と、観察対象者装置2と、観察者装置3とがネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、インターネット、公衆網、専用線及び移動体通信網等の通信ネットワークであればよい。
【0033】
観察対象者装置2は、観察対象者U2により操作される情報処理装置である。例えば、観察対象者装置2では、本実施の形態にかかるアプリケーションが動作しており、当該アプリケーションには観察対象者U2のユーザIDとパスワードでログインされているものとする。つまり、本実施の形態では、観察対象者装置2による口座情報記憶部に対するアクセス処理は、観察対象者U2による口座へのアクセスと同義であるものとする。
【0034】
観察者装置3は、観察者U3により操作される情報処理装置である。例えば、観察者装置3では、本実施の形態かかるアプリケーションが動作しており、当該アプリケーションには観察者U3のユーザIDとパスワードでログインされているものとする。つまり、本実施の形態では、観察者装置3による口座情報記憶部に対するアクセス処理は、観察者U3による口座へのアクセスと同義であるものとする。
【0035】
観察対象者装置2及び観察者装置3は、例えば、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置で実現可能である。また、観察対象者装置2及び観察者装置3上で動作するアプリケーションは、後述する管理サーバ13においてネットバンキングにより提供されるAPI(Application Programming Interface)等を用いて通信が可能である。そして、観察対象者装置2及び観察者装置3上で動作するアプリケーションは、共通の機能を有していて、設定により観察対象者用又は観察者用を切り替えられるようにしても良い。尚、観察対象者装置2及び観察者装置3の詳細は、後述する。
【0036】
口座管理システム1は、第1口座情報記憶部11と、第2口座情報記憶部12と、管理サーバ13とを備える。口座管理システム1は、例えば、金融機関が運用する情報システム、いわゆるネットバンキングシステム等である。第1口座情報記憶部11は、第1の口座の残高情報111を記憶する記憶領域である。第2口座情報記憶部12は、第2の口座の残高情報121を記憶する記憶領域である。
【0037】
ここで、第1の口座は、名義が観察対象者U2又は観察者U3のいずれかであるものとする。そして、本実施の形態1では、第1の口座の名義は、観察対象者U2であるものとして以下では説明を行う。また、第2の口座は、名義が観察対象者U2であるものとする。第1の口座及び第2の口座が同一の金融機関に開設されたものである場合には、第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12は、当該金融機関が管理する1台又は複数台の記憶装置内に存在するものとする。尚、本実施の形態では、少なくとも第2の口座が当該金融機関に開設されたものであればよく、第1の口座は他の金融機関に開設されたものであってもよい。その場合、第1口座情報記憶部11は、口座管理システム1の外部に設置されることになる。
【0038】
管理サーバ13は、当該金融機関が運用する情報システムに属する情報処理装置である。管理サーバ13は、1台である必要はなく、複数台に分散されたコンピュータにより処理されても構わない。また、管理サーバ13は、第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12と接続されている。
【0039】
管理サーバ13は、CPU(Central Processing Unit)131と、メモリ132と、通信部133と、記憶装置134とを備える。CPU131は、中央演算装置であり、メモリ132、通信部133及び記憶装置134を制御する。メモリ132は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。通信部133は、CPU131からの指示に応じて、第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12に対して残高情報111及び121の読み出し又は書き込み等のアクセスを行う。また、通信部133は、CPU131からの指示に応じて、ネットワークNを介して観察対象者装置2及び観察者装置3とデータの送受信を行う。また、通信部133は、観察対象者装置2及び観察者装置3から要求を受信し、CPU131へ伝える。
【0040】
記憶装置134は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。また、記憶装置134は、1台である必要はなく、複数台に分散された記憶装置であっても構わない。記憶装置134は、権限情報1341と、資金移動条件1342と、履歴情報1343と、解析結果1344と、金融商品情報1345と、プログラム1346とを記憶する。尚、記憶装置134は、履歴情報記憶部の一例でもある。尚、記憶装置134は、図示しない構成としてOS(Operating System)等、通常のコンピュータシステムで必要となる情報を記憶している。
【0041】
権限情報1341は、第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12の夫々に対する参照権限及び出金権限と、権限を有するユーザ(が操作する装置)とを対応付けて定義した情報である。また、参照権限及び出金権限の夫々は、各権限を有するか否かを示す情報である。
【0042】
ここで、本実施の形態1では、第1の口座の名義が観察対象者U2である。そして、第1口座情報記憶部11に対する参照権限は、観察対象者装置2に有りと設定されている。一方、第1口座情報記憶部11に対する出金権限は、観察対象者装置2に無しと設定されている。また、第1口座情報記憶部11に対する参照権限は、観察者装置3に原則として無しと設定されている。但し、観察対象者装置2により参照権限が有りと付与された場合には、第1口座情報記憶部11に対する参照権限が観察者装置3に対して有りと設定される。また、第1口座情報記憶部11に対する出金権限は、観察者装置3に無しと設定されている。
【0043】
また、第2の口座の名義は、観察対象者U2である。そのため、第2口座情報記憶部12に対する参照権限及び出金権限は、観察対象者装置2に有りと設定されている。また、第2口座情報記憶部12に対する参照権限は、観察者装置3には原則として無しと設定されている。但し、観察対象者装置2により参照権限が有りと付与された場合には、第2口座情報記憶部12に対する参照権限が観察者装置3に対して有りと設定される。また、第2口座情報記憶部12に対する出金権限は、観察者装置3に無しと設定されている。
【0044】
資金移動条件1342は、第1の口座から第2の口座への資金移動の条件を定義した情報である。また、資金移動条件1342には、条件に対する観察者装置3(観察者U3)による承認又は非承認を示す情報が含まれている。資金移動条件1342としては、例えば、定時定額送金、トリガー送金、随時送金等が含まれるが、これらに限定されない。定時定額送金とは、資金移動処理の間隔及び資金を移動する際の一定金額である第1の金額情報を予め定義した条件であり、第1の条件の一例である。トリガー送金とは、第2の口座の残高情報の閾値及び資金を移動する際の基準となる第2の金額情報を予め定義した条件であり、第2の条件の一例である。ここで、第2の条件は、所定期間における資金移動処理の実行回数の上限値をさらに含んでも構わない。随時送金とは、観察対象者U2の要望及び観察者U3の承認により個別に行われる資金移動であり、承認された資金移動処理の日時及び資金移動金額等が含まれる。但し、随時送金については、資金移動条件1342として記憶装置134に保存されなくてもよい。
【0045】
履歴情報1343は、資金移動処理の実行日時及び移動金額を含む実行履歴、第2の口座からの出金履歴、観察対象者装置2による第2口座情報記憶部12へのアクセス履歴を含む情報である。解析結果1344は、履歴情報1343に対する所定の解析処理の結果である。金融商品情報1345は、複数の金融商品に関する情報の集合である。
【0046】
プログラム1346は、本実施の形態にかかる管理サーバ13における処理が実装されたコンピュータプログラムであり、資金移動管理プログラムの一例である。そのため、CPU131は、記憶装置134に格納されたOS及びプログラム1346を読み込み、実行することにより、管理サーバ13は、後述するアクセス制御部1311、資金移動処理部1312、履歴保存部1313、解析処理部1314及び通知処理部1315を実現する。
【0047】
CPU131は、アクセス制御部1311、資金移動処理部1312、履歴保存部1313、解析処理部1314及び通知処理部1315として動作する。アクセス制御部1311は、観察対象者装置2又は観察者装置3から第1口座情報記憶部11又は第2口座情報記憶部12に対するアクセス要求に応じて、権限情報1341に基づいてアクセス処理を制御する。ここで、アクセス要求には、参照要求と出金(口座からの支出、口座振替、口座振込、資金移動)要求があり、アクセス処理は、口座の残高情報の参照処理と、口座からの出金処理とがある。例えば、アクセス制御部1311は、アクセス要求が示す口座について参照権限又は出金権限が有りと設定されている場合、当該口座に対応する口座情報記憶部へのアクセス処理を許可し、参照権限又は出金権限が無しと設定されている場合、当該口座情報記憶部へのアクセス処理を禁止する。
【0048】
また、アクセス制御部1311は、観察対象者装置2から観察者装置3に対して付与された第2口座情報記憶部12への第1の参照権限を受け付け、第1の参照権限を権限情報1341に加えて記憶装置134に保存する。第1の参照権限とは、第2口座情報記憶部12の参照権限が観察者装置3に認められているか否かを示す情報である。また、アクセス制御部1311は、観察対象者装置2から観察者装置3に対して付与された第1口座情報記憶部11への第2の参照権限を受け付け、第2の参照権限を権限情報1341に加えて記憶装置134に保存する。第2の参照権限とは、第1口座情報記憶部11の参照権限が観察者装置3に認められているか否かを示す情報である。
【0049】
資金移動処理部1312は、観察者装置3から、第1の口座から第2の口座への資金移動条件の承認を受け付け、承認された資金移動条件に基づいて第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12への資金移動処理を実行する。ここで、資金移動処理部1312は、資金移動条件として上述した定時定額送金又はトリガー送金を受け付けた場合、資金移動条件1342として記憶装置134に保存する。尚、資金移動処理部1312は、資金移動条件として上述した随時送金を受け付けた場合にも、同様に、資金移動条件1342として記憶装置134に保存してもよい。特に、資金移動処理部1312は、観察者装置3において観察対象者装置2からの資金移動要求が承認された場合に、資金移動要求にかかる資金移動金額について第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12への資金移動処理を実行する。また、資金移動処理部1312は、第1の条件が観察者装置3により承認されている場合に、資金移動条件1342に定義された間隔ごとに、第1の金額情報に基づく金額について資金移動処理を実行する。また、資金移動処理部1312は、第2の条件が観察者装置3により承認されており、かつ、第2の口座の残高情報121が閾値を下回った場合に、第2の金額情報に基づく金額について資金移動処理を実行する。
【0050】
履歴保存部1313は、資金移動処理部1312による資金移動処理の履歴情報1343を記憶装置134へ格納する。また、履歴保存部1313は、第2の口座からの出金履歴を履歴情報1343に含めて記憶装置134へ格納する。また、履歴保存部1313は、観察対象者装置2による第2口座情報記憶部12へのアクセス履歴を履歴情報1343に含めて記憶装置134へ格納する。
【0051】
解析処理部1314は、履歴情報1343を参照し、出金履歴に対する第1の解析処理を定期的に実行する。第1の解析処理とは例えば、第2の口座からの出金先(デビットカードによる支払先の店舗、自動引き落とし先口座等)、出金額、出金日時等を解析して、観察対象者U2の日常の経済活動のパターンを分析することが挙げられる。例えば、出金先がスーパーの場合、スーパーでの買物間隔、平均の買物金額を算出することも可能である。また、出金先が薬局であれば、処方箋に基づく処方の可能性があり、健康管理情報として分析することも可能である。
【0052】
また、解析処理部1314は、履歴情報1343を参照し、アクセス履歴に対する第2の解析処理を定期的に実行する。第2の解析処理とは例えば、観察対象者装置2による第2口座情報記憶部12へのアクセス処理、つまり、アクセス日時、参照処理又は出金処理の区別等を解析して、アクセス頻度、周期等を算出し、観察対象者U2の行動パターンを分析することが挙げられる。尚、第2の解析処理として、資金移動履歴、出金履歴、アクセス履歴を総合的に解析してもよい。また、解析処理部1314は、各種解析処理の結果を解析結果1344として記憶装置134に保存する。
【0053】
さらに、解析処理部1314は、金融商品情報1345を参照し、複数の金融商品の中から、第1の口座の残高情報111及び履歴情報1343に基づいて観察対象者U2及び観察者U3に対して推薦対象の金融商品を選択する。
【0054】
通知処理部1315は、所定期間における第2の条件に基づく資金移動処理の実行回数が上限値を超える場合に、観察者装置3へその旨を通知する。また、通知処理部1315は、第1の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、観察対象者装置2及び観察者装置3の少なくとも一方に対して、その旨を通知する。通知処理部1315は、第2の解析処理の結果が所定条件を満たす場合に、観察対象者装置2及び観察者装置3の少なくとも一方に対して、その旨を通知する。また、通知処理部1315は、第1の口座の残高情報111及び履歴情報1343に基づく通知情報を生成し、観察対象者装置2及び観察者装置3の少なくとも一方に対して、生成された通知情報を送信する。
【0055】
さらに、通知処理部1315は、観察対象者装置2及び観察者装置3の双方に対して、解析処理部1314により選択した金融商品の購入を推薦する旨を送信する。そして、通知処理部1315は、観察対象者装置2及び観察者装置3の双方から、推薦した金融商品についての購入金額の指定を含む承諾を受信した場合、第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12へ購入金額の資金移動処理を実行し、アクセス制御部1311は、第2口座情報記憶部12から購入金額の出金処理を実行する。
【0056】
図2は、本実施の形態1にかかる観察対象者装置2の構成を示すブロック図である。観察対象者装置2は、CPU21と、メモリ22と、通信部23と、記憶装置24と、入力部25と、表示部26とを備える。CPU21は、中央演算装置であり、メモリ22、通信部23、記憶装置24、入力部25及び表示部26を制御する。メモリ22は、RAM等の揮発性記憶装置である。通信部23は、CPU21からの指示に応じて、ネットワークNを介して観察者装置3及び管理サーバ13との間でデータの送受信を行う。また、通信部23は、管理サーバ13及び観察者装置3から要求を受信し、CPU21へ伝える。
【0057】
記憶装置24は、HDD、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。また、記憶装置24は、プログラム241等を記憶している。尚、記憶装置24は、図示しない構成としてOS等、通常のコンピュータシステムで必要となる情報を記憶している。プログラム241は、本実施の形態にかかる観察対象者装置2における処理が実装されたコンピュータプログラムであり、資金移動管理プログラムの一例である。そのため、CPU21は、記憶装置24に格納されたOS及びプログラム241を読み込み、実行することにより、観察対象者装置2は、後述する参照権限付与部211、資金移動要求部212、口座アクセス部213及び通知処理部214を実現する。
【0058】
入力部25は、観察対象者U2からの入力操作を受け付け、操作内容に応じた制御信号をCPU21へ通知する。入力部25は、キーボード、マウス等の入力デバイスか、タッチパネルへの接触を検知する検知部等で実現可能である。表示部26は、CPU21から通知された表示情報を画面等に表示させる。
【0059】
CPU21は、参照権限付与部211、資金移動要求部212、口座アクセス部213及び通知処理部214として動作する。参照権限付与部211は、観察対象者U2の操作に応じて、観察者装置3に対する第2口座情報記憶部12への第1の参照権限の付与を行う。また、参照権限付与部211は、観察対象者U2の操作に応じて、観察者装置3に対する第1口座情報記憶部11への第2の参照権限の付与を行う。そして、参照権限付与部211は、管理サーバ13に対して、付与された第1の参照権限及び第2の参照権限を送信する。
【0060】
資金移動要求部212は、観察対象者U2により入力部25へ入力された第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12への第1の資金移動額を受け付ける。そして、資金移動要求部212は、観察対象者U2の操作に応じて、観察者装置3に対して、第1の資金移動額を含む第1の資金移動要求を送信する。このとき、資金移動要求部212は、管理サーバ13を経由して観察者装置3へ、第1の資金移動要求を送信してもよい。
【0061】
口座アクセス部213は、観察対象者U2の操作に応じて、管理サーバ13に対して、第1口座情報記憶部11又は第2口座情報記憶部12へ残高情報及び取引情報の参照要求を送信する。そして、口座アクセス部213は、管理サーバ13から受信した残高情報及び取引情報を表示部26に表示する。また、口座アクセス部213は、観察対象者U2の口座振込又は口座振替の操作に応じて、管理サーバ13に対して、第2口座情報記憶部12から任意の振替先又は振替先の口座への指定金額の出金要求を送信する。
【0062】
通知処理部214は、管理サーバ13から受信した通知情報を受け付け、必要に応じて通知情報を表示部26に表示し、観察対象者U2の操作に応じて、管理サーバ13へ応答する。
【0063】
図3は、本実施の形態1にかかる観察者装置3の構成を示すブロック図である。観察者装置3は、CPU31と、メモリ32と、通信部33と、記憶装置34と、入力部35と、表示部36とを備える。CPU31は、中央演算装置であり、メモリ32、通信部33、記憶装置34、入力部35及び表示部36を制御する。メモリ32は、RAM等の揮発性記憶装置である。通信部33は、CPU31からの指示に応じて、ネットワークNを介して観察対象者装置2及び管理サーバ13との間でデータの送受信を行う。また、通信部33は、管理サーバ13及び観察対象者装置2から要求を受信し、CPU31へ伝える。
【0064】
記憶装置34は、HDD、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。また、記憶装置34は、プログラム341等を記憶している。尚、記憶装置34は、図示しない構成としてOS等、通常のコンピュータシステムで必要となる情報を記憶している。プログラム341は、本実施の形態にかかる観察者装置3における処理が実装されたコンピュータプログラムであり、資金移動管理プログラムの一例である。そのため、CPU31は、記憶装置34に格納されたOS及びプログラム341を読み込み、実行することにより、観察者装置3は、後述する条件承認部311、口座アクセス部312、通知処理部313及び履歴参照部314を実現する。
【0065】
入力部35は、観察者U3からの入力操作を受け付け、操作内容に応じた制御信号をCPU31へ通知する。入力部35は、キーボード、マウス等の入力デバイスか、タッチパネルへの接触を検知する検知部等で実現可能である。表示部36は、CPU31から通知された表示情報を画面等に表示させる。
【0066】
CPU31は、条件承認部311、口座アクセス部312、通知処理部313及び履歴参照部314として動作する。条件承認部311は、観察者U3の操作に基づき、第1の口座から第2の口座への資金移動条件の承認を行う。例えば、資金移動条件が随時送金の場合、条件承認部311は、観察対象者装置2から資金移動要求を受信し、資金移動要求に含まれる資金移動額等を表示部26に表示する。また、資金移動条件が定時定額送金又はトリガー送金の場合、条件承認部311は、観察対象者装置2又は管理サーバ13から資金移動条件の承認要求を受信し、受信した資金移動要求に含まれる資金移動額等を表示部26に表示する。そして、いずれの場合も、条件承認部311は、観察者U3の入力部35への承認又は非承認の入力に応じて、当該資金移動要求について承認又は非承認の旨を管理サーバ13へ送信する。また、条件承認部311は、観察者U3により入力部35へ入力された所定の資金移動条件を受け付け、当該資金移動条件を承認された条件として管理サーバ13へ送信してもよい。この場合、管理サーバ13は、受信した資金移動条件を承認された条件として記憶装置134に保存する。
【0067】
尚、観察対象者装置2は、観察対象者U2により入力部25へ入力された所定の資金移動条件を受け付け、登録するために管理サーバ13へ送信してもよい。この場合、管理サーバ13は、受信した資金移動条件を非承認の状態として記憶装置134に保存し、併せて、観察者装置3に対して当該資金移動条件の承認要求を送信する。そして、管理サーバ13は、観察者装置3からの承認又は非承認の応答結果に応じて当該資金移動条件を承認又は非承認として記憶装置134を更新する。または、観察対象者装置2は、所定の資金移動条件の承認要求を直接、観察者装置3へ送信しても構わない。
【0068】
口座アクセス部312は、観察者U3の操作に応じて、管理サーバ13に対して、第1口座情報記憶部11又は第2口座情報記憶部12へ残高情報及び取引情報の参照要求を送信する。そして、口座アクセス部312は、管理サーバ13から受信した応答内容を表示部36に表示する。例えば、参照要求における口座に対して観察者装置3に参照権限が有りと設定されている場合、口座アクセス部312は、管理サーバ13から対象口座の残高情報及び取引情報を受信し、表示部36に残高情報及び取引情報を表示する。一方、参照要求における口座に対して観察者装置3に参照権限が無しと設定されている場合、口座アクセス部312は、管理サーバ13から対象口座への参照不可の旨を受信し、表示部36にその旨を表示する。
【0069】
通知処理部313は、管理サーバ13から受信した通知情報を受け付け、必要に応じて通知情報を表示部36に表示し、観察者U3の操作に応じて、管理サーバ13へ応答する。履歴参照部314は、観察者U3の操作に応じて管理サーバ13に対して、資金移動履歴の参照要求を送信する。そして、履歴参照部314は、管理サーバ13から受信した資金移動履歴を、表示部36に表示する。
【0070】
図4は、本実施の形態1にかかる各口座に対する入出金及びアクセス権限の概念を説明するための図である。ここでは、観察対象者を高齢の親U2aとし、観察者を親U2aの実質的な後見人である子U3aとする。そして、観察対象者装置2及び観察者装置3の一例を、スマートフォン又はタブレット端末といった携帯端末2a及び3aとする。携帯端末2a及び3aには、上述したCPU21及びCPU31の機能を実現する携帯アプリ21a及び31aが動作しているものとする。
【0071】
まず、前提として、高齢の親U2aは、ある金融機関に第1の口座11aを開設済みであり、多額の資金が保有されているものとする。また、第1の口座11aに紐付くATMカード141やデビットカード又はクレジットカード(以下、「デビットカード等」)142が発行済みであるものとする。ここで、本実施の形態にかかる資金移動管理システム1000aを適用するために、親U2aの名義で、ある金融機関に第2の口座12aを開設するものとする。このとき、第1の口座11aと第2の口座12aの金融機関は異なっていても良い。但し、図4の説明においては、同一の金融機関であるものとする。ここで、第2の口座12aは見守り口座と呼ぶこともできる。尚、第2の口座12aには、親U2aの名義で開設済みの口座を用いても構わない。そして、第2の口座12aの開設に併せて、第2の口座12aに紐付くATMカード144やデビットカード145が発行される。また、このとき、当該金融機関は、第1の口座11aについてATMカード141及びデビットカード等142の利用停止手続を行う。利用停止手続の一環として、当該金融機関が運用する金融機関情報システム13aは、第1の口座11aからATMカード141及びデビットカード等142による出金、並びに、第2の口座12a以外への口座振替/口座振込143の利用を停止する(S001)。つまり、金融機関情報システム13aは、第1の口座11aから第2の口座12a以外への出金処理を停止する。また、金融機関情報システム13aは、携帯端末3aにより承認された資金移動条件以外での第1の口座11aから第2の口座12aへの資金移動処理を禁止する。さらに、当該金融機関は、第1の口座11aに設定された公共料金等の自動引き落としサービスを、第2の口座12aに移行する。一方、金融機関情報システム13aは、第2の口座12aからATMカード144及びデビットカード145による出金、並びに、任意の口座への口座振替/口座振込146の利用を許可する(S002)。但し、第2の口座12aに紐付いたクレジットカードの発行は許可しない。尚、必要に応じて、第1の口座11aの通帳及び印鑑を貸金庫に預ける等してもよい。又は、第1の口座11aを管理する金融機関により通帳による出金処理を停止してもよい。これらにより、第1の口座11aからの出金先は第2の口座12aに限定されるが、一方で、親U2aは、第2の口座12aからの出金については残高の範囲で自由に行うことができる。
【0072】
ここで、本実施の形態1にかかる各口座に対する参照権限付与処理及び参照処理の流れについて、図4に加えて図5図6及び図7を適宜用いて説明する。まず、観察対象者装置2は、第1口座情報記憶部11又は第2口座情報記憶部12の残高等の参照要求を管理サーバ13へ送信する(S111)。そして、管理サーバ13は、受信した参照要求に指定された口座に対応する口座情報記憶部から口座情報等を読み出し、読み出した口座情報等を観察対象者装置2へ応答する(S112)。その後、観察対象者装置2は、受信した残高情報等を表示部26に表示する(S113)。例えば図4に示すように、携帯端末2aは、金融機関情報システム13aを介して第1の口座11a及び第2の口座12aの残高情報の参照(S003)を行うことができる。
【0073】
図6は、本実施の形態1にかかる携帯端末2aにおける第1の口座11aの残高及び取引情報の参照画面251の例を示す図である。参照画面251は、口座名義2511と、残高2512と、取引履歴2513とを含む。口座名義2511には、表示対象口座である第1の口座の名義人として親U2aの氏名が表示される。残高2512には、第1の口座11aの残高が表示される。取引履歴2513には、第1の口座11aにおける日付ごとの取引の履歴が表示される。取引履歴の表示内容は、一例として、日付、取引内容、引出金額、預入金額等である。ここでは、本実施の形態による資金移動が「振替」として表示されていることを示す。尚、取引履歴の表示内容及び表示形式はこれに限定されない。
【0074】
図7は、本実施の形態1にかかる携帯端末2aにおける第2の口座12aの残高及び取引情報の参照画面252の例を示す図である。参照画面252は、口座名義2521と、残高2522と、取引履歴2523とを含む。口座名義2521には、表示対象口座である第2の口座の名義人として親U2aの氏名が表示される。残高2522には、第2の口座12aの残高が表示される。取引履歴2523には、第2の口座12aにおける日付ごとの取引の履歴が表示される。例えば、取引内容としてデビットカード145による支払い、ATMカード144による出金、本実施の形態による資金移動による「振替」等が表示されていることを示す。尚、取引履歴2523の表示形式は、取引履歴2513と同等である。
【0075】
図5に戻り説明を続ける。観察対象者装置2は、観察者装置3の参照権限の付与内容を管理サーバ13へ送信する(S114)。そして、管理サーバ13は、受信した参照権限を権限情報1341に設定して、記憶装置134を更新する(S115)。その後、観察者装置3は、第1口座情報記憶部11又は第2口座情報記憶部12の残高等の参照要求を管理サーバ13へ送信する(S116)。そして、管理サーバ13は、参照要求を受信し、権限情報1341を参照して、参照要求に指定された口座に対して観察者装置3が参照権限有りと設定されているか否かを判定する(S117)。そして、管理サーバ13は、参照権限に応じた応答を観察者装置3へ送信する(S118)。観察者装置3は、受信した応答内容を表示部36に表示する(S119)。
【0076】
例えば図4に示すように、携帯端末2aは、親U2aの操作により、子U3a(携帯端末3a)に対する第1の口座11a及び第2の口座12aの残高等の参照権限(有り又は無し)を付与する(S0004)。そのため、携帯端末3aは、金融機関情報システム13aを介して第1の口座11a及び第2の口座12aの残高情報の参照を、参照権限の範囲内で行うことができる(S0005)。もし、参照権限が有りで設定されていた場合、携帯端末3aは、上述した図6又は図7のように口座の残高情報等を表示することができる。
【0077】
このように、子U3aは、自身の親が所有する口座であっても自由には閲覧できない。そして、親U2aは、自分の意思により自己の口座の残高情報の子U3aへの開示を制御できる。特に、親U2aは、いくら自分の子供であっても自分の口座残高や入出金履歴を自由に閲覧されることに抵抗を覚えることが予想される。特許文献1等のこれまでの見守りシステムでは、見守られる側のプライバシーへの配慮が不足しており、結果として、これらの仕組みの普及を妨げていたといえる。一方、本実施の形態では、上述したように、見守られる側である観察対象者U2によるプライバシー保護の意向を反映することができる。よって、本実施の形態にかかる資金移動管理システム1000の普及を促進することができる。
【0078】
続いて、本実施の形態1にかかる観察対象者U2からの資金移動要求に基づく資金移動処理の流れについて、図4に加えて図8図9図10を適宜用いて説明する。図9は、本実施の形態1にかかる携帯端末2aにおける資金移動要求入力画面253の例を示す図である。資金移動要求入力画面253は、入金リクエスト額入力欄2531、金額変更ボタン2532、コメント入力欄2533、資金移動依頼ボタン2534、中止ボタン2535を含む。入金リクエスト額入力欄2531は、第1の口座11aから第2の口座12aへの資金移動を希望する金額の入力欄である。金額変更ボタン2532は、入金リクエスト額入力欄2531の金額を変更するためのボタンである。コメント入力欄2533は、資金移動を要求する際に携帯端末3aへ通知するコメントの入力欄である。資金移動依頼ボタン2534は、親U2aによる押下に応じて、資金移動要求を送信するためのボタンである。中止ボタン2535は、親U2aによる押下に応じて、資金移動要求入力画面253を閉じるためのボタンである。
【0079】
図8において、まず、観察対象者装置2は、資金移動額及びコメントを含む資金移動要求を管理サーバ13へ送信する(S120)。例えば、携帯端末2aは、親U2aにより資金移動依頼ボタン2534が押下されると、入金リクエスト額入力欄2531の金額及びコメント入力欄2533のコメントを含めた資金移動要求を金融機関情報システム13aに対して送信する。管理サーバ13は、受信した資金移動要求における資金移動条件の承認要求を観察者装置3へ送信する(S121)。そして、観察者装置3は、受信した資金移動条件の承認要求、つまり、観察対象者装置2からの資金移動要求を表示部36に表示する(S122)。尚、上述した通り、資金移動要求は、管理サーバ13を経由しなくてもよい。例えば、資金移動依頼ボタン2534の押下に応じて、携帯端末2aは、携帯電話会社のキャリアメールもしくはSMS(Short Message Service)、電子メールにより、携帯端末3a宛に資金移動要求を送信してもよい。特に、資金移動要求は、プッシュ通知等により電子メールよりセキュアな手段により送信されることが望ましい。
【0080】
図10は、本実施の形態1にかかる携帯端末3aにおける資金移動要求承認画面353の例を示す図である。資金移動要求承認画面353は、要求受付通知3531と、口座名義3532と、残高3533と、コメント表示欄3534と、電話ボタン3535と、中止ボタン3536と、承認ボタン3537とを含む。要求受付通知3531は、親U2aからの資金移動要求を受け付けた件数を通知する表記である。口座名義3532は、子U3aによる観察対象の口座の名義であり、ここでは、第2の口座12aの名義人として親U2aの氏名が表示される。残高3533には、第2の口座12aの残高が表示される。コメント表示欄3534には、資金移動要求に含まれる親U2aからのコメントが表示される。電話ボタン3535は、子U3aによる押下に応じて、携帯端末3aから携帯端末2aへ電話発信するためのボタンである。中止ボタン3536は、当該資金移動要求を非承認とし、併せて、携帯端末2aへSMSによりメッセージを送信するためのボタンである。つまり、携帯端末3aは、中止ボタン3536が押下された場合、金融機関情報システム13aへ当該資金移動要求が示す資金移動条件の非承認の旨を通知するためのボタンである。このように、電話ボタン3535により、子U3aが不審な資金移動要求であると感じた場合には、電話やSMS等により、親U2aに直接、資金移動の必要性について確認することができる。それ故、振り込め詐欺等を未然に防ぐことができる。承認ボタン3537は、子U3aによる押下に応じて、携帯端末3aから金融機関情報システム13aへ当該資金移動要求が示す資金移動条件の承認の旨を通知するためのボタンである。
【0081】
図8に戻り説明を続ける。観察者装置3は、観察者U3が資金移動要求の表示内容(資金移動額又はコメント)を不審に感じた場合、観察者装置3は、観察対象者装置2に向けて直接、問合せを行う(S123)。例えば、携帯端末3aは、子U3aにより電話ボタン3535が押下された場合、携帯端末2aに対して電話発信され、子U3aは、親U2aと電話により直接、会話して資金移動要求の意図等を確認する。尚、ステップS123は行わなくても構わない。そして、観察者装置3は、子U3aによる承認の操作に応じて、当該資金移動要求が示す資金移動条件の承認の旨を管理サーバ13へ送信する(S124)。尚、観察者装置3は、子U3aによる非承認の操作に応じて、当該資金移動条件の非承認の旨を管理サーバ13へ送信する。
【0082】
そして、管理サーバ13は、観察者装置3からステップS121の承認要求に対する応答を受信し、資金移動要求に対して承認又は非承認のいずれであるかを判定する(S125)。ここでは、承認されたものとして説明を続ける。その場合、管理サーバ13は、資金移動要求に含まれる資金移動額を、第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12へ資金移動するように資金移動処理を実行する(S126)。そして、管理サーバ13は、当該資金移動処理の履歴を記憶装置134に保存する(S127)。
【0083】
例えば図4に示すように、親U2aは、資金が必要になった時に第1の口座11aから第2の口座12aへ資金移動額を指定した資金移動要求(言い換えると資金移動条件の承認要求)を行う。例えば、携帯端末2aは、資金移動要求を金融機関情報システム13aに送信し(S006)、金融機関情報システム13aは、受信した資金移動要求の承認依頼を携帯端末3aへ送信する(S007)。そして、子U3aは、携帯端末3aに表示された資金移動要求に問題がないと判断した場合、承認操作を行う。これにより、携帯端末3aは、金融機関情報システム13aに対して承認応答を行う(S008)。これに応じて、金融機関情報システム13aは、資金移動指示を行い(S009)、第1の口座11aから第2の口座12aへ資金移動がされる(S012)。この時、資金移動の履歴が資金移動履歴1343aとして保存される(S013)。
【0084】
このように、本実施の形態では、観察対象者U2が支払いを行う場合には、その資金が必ず第2の口座を経由することとなる。そして、観察対象者U2が所有する第2の口座への入金額を観察者U3が承認することにより制御できる。つまり、第2の口座への流入額を制御することで、第2の口座の残高の上限を観察者U3が制御できる。観察対象者U2は、第2の口座から自由に支払うことができるものの、あくまで第2の口座の残高の範囲内に制限される。結果的に、観察対象者U2が過剰な支払いをしてしまうことを抑止することができる。特に、随時送金において、観察者U3の承認が都度必要となることから、観察者U3は振り込め詐欺や訪問販売等の過大な資金流出の可能性を検知することができ、被害を未然に防ぐことができる。
【0085】
図8に戻り説明を続ける。観察者装置3は、観察者U3の操作により、管理サーバ13に対して資金移動履歴の参照要求を送信する(S128)。そして、管理サーバ13は、資金移動履歴の参照要求に応じて、記憶装置134から履歴情報1343を読み出し、観察者装置3へ資金移動履歴を応答する(S129)。その後、観察者装置3は、受信した資金移動履歴を表示部36に表示する(S130)。
【0086】
図11は、本実施の形態1にかかる携帯端末3aにおける資金移動履歴参照画面354の例を示す図である。資金移動履歴参照画面354は、残高3541と、残高3542と、資金移動履歴3543とを含む。残高3541には、移動元の第1の口座11aの残高が表示される。残高3542には、移動先の第2の口座12aの残高が表示される。資金移動履歴3543は、第1の口座11aから第2の口座12aへの資金移動の日付、移動元及び移動先の口座、並びに、移動金額が表示される。
【0087】
例えば図4に示すように、携帯端末3aは、子U3aの操作により、資金移動履歴1343aから資金移動履歴を読み出し、表示できる。そのため、観察者U3は、随時送金と定時定額送金又はトリガー送金とのバランスを概観することができ、今後の資金移動条件に反映できる。
【0088】
また、資金移動条件が定時定額送金又はトリガー送金である場合、携帯端末3aは、子U3aの操作により、資金移動条件1342aを承認する(S010)。これに応じて、金融機関情報システム13aは、資金移動条件1342aを満たすタイミングで、資金移動指示を行い(S011)、第1の口座11aから第2の口座12aへ資金移動がされる(S012)。また、このとき上記同様、資金移動の履歴が資金移動履歴1343aとして保存される(S013)。
【0089】
図12は、本実施の形態1にかかる資金移動条件が定時定額送金である場合の管理サーバ13の資金移動処理の流れを示すフローチャートである。まず、管理サーバ13は、観察者装置3から資金移動条件の承認の旨を受け付ける(S131)。そして、管理サーバ13は、承認された資金移動条件を記憶装置134に保存する(S132)。その後、管理サーバ13は、資金移動タイミングを検出したか否かを判定する(S133)。例えば、資金移動処理部1312は、資金移動条件1342に第1の条件として定義された資金移動処理の間隔が経過したか否かを判定する。当該間隔が経過していなければ、所定時間、待機した後、再度、ステップS133を実行する。
【0090】
ステップS133により、資金移動タイミングを検出したと判定された場合、管理サーバ13は、資金移動処理を実行する(S134)。例えば、資金移動処理部1312は、資金移動条件1342に第1の条件として定義された第1の金額情報に基づく金額について資金移動処理を実行する。そして、管理サーバ13は、当該資金移動処理における日時、資金移動額等を対応付けて履歴情報1343として記憶装置134に保存する(S135)。
【0091】
このように、定時定額送金を観察者U3が承認しておくことで、観察対象者U2の日常生活に必要な金額を第2の口座に確保することができ、観察対象者U2における利便性を維持できる。
【0092】
図13は、本実施の形態1にかかる資金移動条件がトリガー送金である場合の管理サーバの資金移動処理の流れを示すフローチャートである。まず、管理サーバ13は、観察者装置3から資金移動条件の承認の旨を受け付ける(S141)。そして、管理サーバ13は、承認された資金移動条件を記憶装置134に保存する(S142)。その後、管理サーバ13は、第2の口座の残高が閾値を下回ったか否かを判定する(S143)。例えば、資金移動処理部1312は、第2口座情報記憶部12から残高情報121を読み出し、資金移動条件1342に第2の条件として定義された閾値と残高情報121とを比較し、残高情報121が閾値より小さいか否かを判定する。ステップS143により第2の口座の残高が閾値以上と判定した場合、所定時間待機し、再度、ステップS143を実行する。または、管理サーバ13は、第2口座情報記憶部12において出金処理が実行されたことを検出した場合に、ステップS143を実行してもよい。
【0093】
ステップS143により第2の口座の残高が閾値未満と判定した場合、管理サーバ13は、資金移動金額を算出する(S144)。例えば、資金移動処理部1312は、閾値と残高情報121との差額を資金移動金額として算出してもよい。または、資金移動処理部1312は、固定額を資金移動金額として算出してもよい。尚、固定額は、第2の条件に含めて定義されていてもよい。
【0094】
その後、管理サーバ13は、ステップS144により算出された資金移動金額により資金移動処理を実行する(S145)。そして、管理サーバ13は、当該資金移動処理における日時、資金移動額等を対応付けて履歴情報1343として記憶装置134に保存する(S146)。その後、管理サーバ13は、資金移動処理の実行回数が上限値を超えたか否かを判定する(S147)。例えば、資金移動処理部1312は、ステップS145が実行される度に、実行回数を1加算し、加算後の実行回数が資金移動条件1342に第2の条件として定義された上限値を超えたか否かを判定する。上限値を超えていなければ、ステップS143へ戻る。
【0095】
一方、ステップS147において、実行回数が上限値を超えていたと判定された場合、管理サーバ13は、観察者装置3へその旨を通知する(S148)。尚、このとき、管理サーバ13は、実行回数を0にクリアする。
【0096】
このように、トリガー送金を観察者U3が承認しておくことで、第2の口座の残高を一定額の範囲に容易に維持できるため、観察対象者U2が一度に使用できる金額の上限を制御できる。また、第2の口座の残高が一定額の範囲に自動的に補充されるため、観察対象者U2に日常生活における経済上の不便さを感じさせることがない。さらに、トリガー送金の上限回数を監視することで、観察対象者U2が短期間に第2の口座を使い切ることが繰り返してしまうことを未然に防ぎ、また、観察者U3が検知することができる。そのため、トリガー送金を安全に適用することができる。
【0097】
続いて、管理サーバ13により蓄積された履歴情報1343の活用について説明する。図14は、本実施の形態1にかかる履歴情報の解析及び通知処理の流れを示すフローチャートである。まず、管理サーバ13は、履歴情報の解析処理を実行する(S151)。そして、管理サーバ13は、解析結果1344を記憶装置134に格納する(S152)。その後、通知処理部1315は、解析結果が所定条件を満たすか否かを判定する(S153)。所定条件を満たさない場合、ステップS151へ戻る。一方、所定条件を満たす場合、通知処理部1315は、通知情報を生成する(S154)。そして、通知処理部1315は、観察対象者装置2へ通知情報を送信する(S155)。また、通知処理部1315は、観察者装置3へ通知情報を送信する(S156)。
【0098】
例えば、解析処理部1314は、記憶装置134から履歴情報1343のうち、第2口座情報記憶部12からの出金履歴を読み出し、第1の解析処理を実行する。そして、解析処理部1314は、出金履歴の解析により、年間購読契約により、年に一回の引き落としがある取引を検出したとする。また、解析処理部1314は、例年の平均的な引き落とし月日を特定する。さらに、解析処理部1314は、特定した引き落とし月日から1,2か月前を通知日を所定条件として決定する。そして、解析処理部1314は、年一回の引き落とし額、引き落とし月日、及び、通知日を対応付けて解析結果1344として記憶装置134に保存する。その後、通知処理部1315は、解析結果1344に含まれる通知日が到来したことを、所定条件を満たしたとして判定する。そして、通知処理部1315は、年間購読契約の見直しの旨を示すメッセージと、解析結果1344に含まれる年一回の引き落とし額と、引き落とし月日とを含めて通知情報を生成する。そのため、観察対象者U2又は観察者U3は、管理サーバ13から通知された通知情報を、引き落とし月日より1,2か月前に確認することができ、年間購読契約を見直すべきか否かを検討し、不要であれば、当該年間購読契約を解約でき、不要な支出を削減できる。
【0099】
または、解析処理部1314は、第1の解析処理により、観察対象者U2の日常の経済活動のパターンを分析できる。例えば、観察対象者U2が定期的に通院している場合、出金履歴としては医療機関での支払いの後に、薬局での支払いが続くものとする。そのため、医療機関での支払いの後に薬局での支払いがなかったとすると、観察対象者U2が処方箋に基づく薬の購入を忘れている可能性がある。そこで、所定条件を、所定の医療機関での支払いと、所定の薬局での支払いとがこの順序で連続してされなかったことを所定条件とするものとする。よって、当該所定条件を満たした場合には、観察対象者U2の異常として検出し、通知処理部1315は、薬局で処方箋による薬の購入忘れがないかを注意する旨を通知情報Aとして生成し、観察対象者U2の異変を検出した旨を通知情報Bとして生成する。そして、通知処理部1315は、通知情報Aを観察対象者装置2へ送信し、通知情報Bを観察者装置3へ送信する。これにより、観察対象者U2は、観察対象者装置2を介して購入忘れ等に気付くことができる。また、観察者U3は、観察対象者U2の異変を検知することができ、電話連絡や訪問等の具体的な行動をいち早く取ることが可能となる。また、解析処理部1314は、第1の解析処理により、上述の通り出金履歴から医療費の推移や、医療機関及び薬局の傾向から、観察対象者U2の健康管理状態を分析できる。
【0100】
または、解析処理部1314は、記憶装置134から履歴情報1343のうち、観察対象者装置2による第2口座情報記憶部12へのアクセス履歴を読み出し、第2の解析処理を実行する。そして、解析処理部1314は、アクセス履歴の解析により、観察対象者装置2による第2口座情報記憶部12へのアクセス頻度、周期等を算出して観察対象者U2の行動パターンを分析するものとする。さらに、解析処理部1314は、直近の数日間におけるアクセス頻度が、平均のアクセス頻度から所定値より下回っていることを所定条件として決定する。そして、解析処理部1314は、アクセス頻度及び所定条件とを対応付けて解析結果1344として記憶装置134に保存する。その後、通知処理部1315は、解析結果1344に含まれる直近数日間のアクセス頻度が所定条件を満たしたと判定した場合、バイタル確認通知を通知情報Aとして生成し、観察対象者U2の異変を検出した旨を通知情報Bとして生成する。そして、通知処理部1315は、通知情報Aを観察対象者装置2へ送信し、通知情報Bを観察者装置3へ送信する。これにより、観察対象者U2が観察対象者装置2を介して、バイタル確認通知へ応答できれば、管理サーバ13は、観察対象者U2の安全を確認できる。また、観察者U3は、観察対象者U2の異変を検知することができ、電話連絡や訪問等の具体的な行動をいち早く取ることが可能となる。
【0101】
または、解析処理部1314は、第1の口座の残高情報111及び履歴情報1343を解析して、金融機関におけるキャンペーン情報を通知情報として生成し、生成したキャンペーン情報を観察対象者装置2及び観察者装置3へ送信してもよい。これにより、適切な顧客に対して、金融機関による金融商品等の販売を促進することができる。
【0102】
図15は、本実施の形態1にかかる金融商品推薦処理の流れを示すシーケンス図である。まず、管理サーバ13は、第1口座情報記憶部11から残高情報111を取得する(S161)。また、管理サーバ13は、記憶装置134から履歴情報1343を読み出す(S162)。尚、ステップS161及びS162の順序は問わず、並行して実行してもよい。
【0103】
次に、管理サーバ13は、残高情報111及び履歴情報1343に基づいて金融商品を選択する(S163)。例えば、解析処理部1314は、履歴情報1343を解析して、観察対象者U2の経済活動の特徴を把握する。ここでは、観察対象者U2が自動車関連の雑誌の購読や、自動車用品店での支払いが定期的になされていることを検出したものとする。そこで、解析処理部1314は、金融商品情報1345の中から、自動車関連の企業へ投資を行う金融商品を、観察対象者U2への推薦対象として選択する。
【0104】
そして、管理サーバ13は、選択した金融商品の購入を観察対象者U2へ推薦する旨の承認要求を観察者装置3へ送信する(S164)。つまり、解析処理部1314は、選択した金融商品を観察対象者U2へ推薦することに関して、観察者U3に対して承認を要求する。これにより、観察者U3は、事前に金融商品について検討することができ、観察対象者U2が購入すべきか否かや、その購入金額(又は数量)を的確に判断することができる。または、観察者U3は、推薦された金融商品について観察対象者U2と相談して検討することもできる。そして、観察者装置3は、観察者U3の操作により購入金額及び承認の入力を受け付け、購入金額及び承認の旨を管理サーバ13へ応答する(S165)。
【0105】
このようにして、金融機関は、観察対象者U2へ金融商品を推薦する際に、観察者U3の承認を円滑に得ることができ、金融商品の販売を促進することができる。特に、観察者U3の承認の記録を容易に残すことができるため、有益である。
【0106】
続いて、管理サーバ13は、観察者装置3から応答に応じて、ステップS163で選択した金融商品を推薦する旨と、観察者U3により指定された購入金額での購入が承認されている旨とを、観察対象者装置2へ送信する(S166)。これにより、観察対象者U2は、観察者U3により承認済みであることを前提として、安心して自分の意思で当該金融商品を購入するか否かを判断できる。
【0107】
そして、観察対象者装置2は、観察対象者U2の操作により購入金額及び購入の入力を受け付け、購入金額及び購入する金融商品を管理サーバ13へ応答する(S167)。これに応じて、管理サーバ13は、第1口座情報記憶部11から第2口座情報記憶部12へ応答時の購入金額の資金移動処理を実行する(S168a及びS168b)。また、管理サーバ13は、応答された購入金額での金融商品の購入処理を実行する(S169a)。特に、管理サーバ13は、第2口座情報記憶部12に対して購入金額の出金処理を指示する(S169b)。尚、当該購入処理は、既存の処理を用いることができる。
【0108】
尚、図15では、金融商品の推薦を予め観察者装置3へ行ったが、これに限定されない。例えば、ステップS164からS167を次のように処理してもよい。まず、管理サーバ13は、選択した金融商品の購入を推薦する旨を観察対象者装置2へ送信する。そして、観察対象者装置2は、観察対象者U2の操作により購入金額及び購入希望の入力を受け付け、購入金額及び購入を希望する金融商品を管理サーバ13へ応答する。その後、管理サーバ13は、観察対象者装置2からの応答に応じて、選択した金融商品について観察対象者U2による購入の承認要求を観察者装置3へ送信する。そして、観察者装置3は、観察者U3の操作により購入金額及び承認の入力を受け付け、購入金額及び承認の旨を管理サーバ13へ応答する。その後、管理サーバ13は、観察者装置3からの応答に応じて、ステップS168aからS169bを実行してもよい。
【0109】
または、管理サーバ13は、選択した金融商品の購入を推薦する旨を観察対象者装置2へ送信し、同時に、選択した金融商品について観察対象者U2による購入の承認要求を観察者装置3へ送信する。そして、管理サーバ13は、観察対象者装置2からの購入金額及び購入希望の応答と、観察者装置3からの購入金額及び承認の応答とを共に受信した場合に、ステップS168aからS169bを実行してもよい。
【0110】
このように、金融機関は、ある金融商品を推薦するに当たり、観察対象者U2と観察者U3の相互承認を容易に得ることができ、金融承認の販売をさらに促進できる。
【0111】
尚、観察対象者装置2は、GPS(Global Positioning System)機能と連動し、定期的に取得される位置情報を、都度、管理サーバ13へ送信してもよい。この場合、管理サーバ13は、観察対象者装置2から受信した位置情報を履歴情報1343に加えて記憶装置134に格納する。その後、解析処理部1314は、所定期間内の位置情報の変化傾向を解析して、観察対象者U2の普段の行動範囲を特定し、行動範囲から所定時間以上、外れたことを所定条件として決定する。そして、解析処理部1314は、行動範囲と所定条件とを対応付けて解析結果1344として記憶装置134に保存する。その後、通知処理部1315は、観察対象者装置2から取得される位置情報が解析結果1344に含まれる行動範囲から所定時間以上、外れたことを検出した場合、普段の行動範囲から外れている旨を通知情報として生成し、観察対象者装置2及び観察者装置3に通知情報を送信する。これにより、観察対象者U2は、道に迷ったようであればその旨を観察対象者装置2により回答することで、管理サーバ13が把握することができる。また、観察者U3は、観察対象者U2の異変を検知することができ、電話連絡や位置情報が示す場所へ迎えに行く等の具体的な行動をいち早く取ることが可能となる。
【0112】
本実施の形態により、国内外で離れて暮らす家族などの観察対象者が自由に行う銀行取引による金融経済取引活動を対象口座(第2の口座)からの出金に制限し、観察対象者が許可すれば観察者が遠隔地からであっても確認できるソフトウェアを通して、観察対象者の日々の活動を見守ることができる。これにより、観察対象者の意向の範囲内でプライバシーを保護できる。これに加えて、観察対象者が外部への振り込みや金融商品の購入など対象口座の残高を超える大きな金額の金融取引を行う場合などには、観察対象者が観察者に対して対象口座への資金移動条件(振込額又は購入額)の承認を得る必要がある仕組みを提供している。そのため、振り込め詐欺などでの詐欺行為に巻き込まれることを未然に防止する。さらに、利用履歴の確認を通して相手方の経済活動、ひいては生存確認を行うことができる。
【0113】
本実施の形態によって、自宅から離れて暮らす家族の安全な金融(経済)取引を家族全体で見守ることができる。これにより、被害を抑制し、健全な社会生活を促進することに繋がる。そして、結果として家族全員の安全安心な暮らしぶりを確保することが可能となる。
【0114】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、上述した実施の形態1の変形例である。すなわち、本実施の形態2では、第1の口座の名義は、観察者であるものとする。そして、観察者装置は、管理サーバに対して、第1口座情報記憶部から第2口座情報記憶部への第2の資金移動額を含む第2の資金移動要求を、承認した資金移動条件として送信する。そして、管理サーバは、第2の資金移動要求に基づいて、第1口座情報記憶部から第2口座情報記憶部へ第2の資金移動額の前記資金移動処理を実行する。尚、以下では、実施の形態1と同等の構成については、適宜、説明を省略するものとする。
【0115】
図16は、本実施の形態2にかかる各口座に対する入出金及びアクセス権限の概念を説明するための図である。ここでは、観察対象者を下宿する子U2bとし、観察者を子U2bの扶養者である親U3bとする。そして、観察対象者装置2及び観察者装置3の一例を、携帯端末2b及び3bとする。そして、携帯端末2b及び3bには、本実施の形態かかる機能を実現する携帯アプリ21b及び31bが動作しているものとする。
【0116】
まず、前提として、親U3bは、ある金融機関に第1の口座11bを開設済みであるものとする。そして、ここで、本実施の形態にかかる資金移動管理システム1000bを適用するために、子U2bの名義で、ある金融機関に第2の口座12bを開設するものとする。このとき、第1の口座11bと第2の口座12bの金融機関は異なっていても良い。但し、図16の説明においては、同一の金融機関であるものとする。ここで、第2の口座12vは見守り口座と呼ぶこともできる。尚、第2の口座12vには、下宿する子U2bの名義で開設済みの口座を用いても構わない。そして、第2の口座12bの開設に併せて、第2の口座12bに紐付くATMカード144やデビットカード145が発行される。そして、金融機関情報システム13bは、第2の口座12bからATMカード144及びデビットカード145による出金、並びに、任意の口座への口座振替/口座振込146の利用を許可する(S002)。
【0117】
ここで、本実施の形態2では、第1の口座11bの名義が親U3bである。そのため、第1口座情報記憶部11に対する参照権限及び出金権限は、携帯端末3bに有りと設定されている。一方、第1口座情報記憶部11に対する参照権限及び出金権限は、携帯端末2bに無しと設定されている。
【0118】
また、第2の口座の名義は、子U2bである。そのため、第2口座情報記憶部12に対する参照権限及び出金権限は、携帯端末3bに有りと設定されている。また、第2口座情報記憶部12に対する参照権限は、携帯端末3bには原則として無しと設定されている。但し、携帯端末2bにより参照権限が有りと付与された場合には、第2口座情報記憶部12に対する参照権限が携帯端末3bに対して有りと設定される。また、第2口座情報記憶部12に対する出金権限は、携帯端末3bに無しと設定されている。
【0119】
携帯端末2bは、金融機関情報システム13bを介して第2の口座12bの残高情報の参照(S003b)を行うことができる。携帯端末2bは、子U2bの操作により、親U3b(携帯端末3b)に対する第2の口座12bの残高等の参照権限(有り又は無し)を付与する(S0004b)。そのため、携帯端末3bは、金融機関情報システム13bを介して第2の口座12bの残高情報の参照を、参照権限の範囲内で行うことができる(S0005b)。もし、参照権限が有りで設定されていた場合、携帯端末3bは、上述した図6又は図7のように口座の残高情報等を表示することができる。尚、携帯端末3bは、第1の口座11bの残高情報の参照を自由に行うことができる(S0005a)。
【0120】
このように、本実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同等の効果を奏することができる。
【0121】
<実施の形態3>
本実施の形態3は、上述した実施の形態1及び2の変形例である。実施の形態1及び2では、管理サーバを金融機関情報システム内とした。つまり、既存の金融機関情報システムを改修する必要があった。これに対して、本実施の形態3では、既存の金融機関情報システムをそのままとし、外部に管理サーバを設けるものとした。尚、以下では、実施の形態1と同等の構成については、適宜、説明を省略するものとする。
【0122】
図17は、本実施の形態3にかかる資金移動管理システム2000の全体構成を示すブロック図である。資金移動管理システム2000は、金融機関情報システム1cと、管理サーバ15と、観察対象者装置2と、観察者装置3とがネットワークNを介して接続されている。金融機関情報システム1cが備える金融機関管理サーバ13cは、金融機関が第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12等を管理するために、従来から使用しているサーバである。但し、第1の口座が他の金融機関に開設されたものであってもよい。その場合、第1口座情報記憶部11は、金融機関情報システム1cの外部に設置されることになる。金融機関管理サーバ13cは、ネットバンキングのためのAPIを外部に開示している。また、観察対象者装置2及び観察者装置3は、ネットワークNを介して管理サーバ15との間でデータの送受信を行う。一方で、観察対象者装置2及び観察者装置3は、本実施の形態にかかる処理のために、金融機関管理サーバ13cへの直接のアクセスを行なう必要がない。
【0123】
管理サーバ15は、上述した管理サーバ13のうち、実施の形態1に特有の構成を実装したものである。また、管理サーバ15は、観察対象者装置2及び観察者装置3からの各種要求に応じて、アクセス制御部1311及び資金移動処理部1312に相当する処理を、金融機関管理サーバ13cのAPIを呼び出して、実行する。そして、管理サーバ15は、実行結果を観察対象者装置2及び観察者装置3へ応答する。
【0124】
特に、管理サーバ15は、観察対象者装置2及び観察者装置3による第1口座情報記憶部11及び第2口座情報記憶部12へのアクセスを代理実行するものである。そのため、金融機関管理サーバ13cは、既存のAPIを改修する必要がない。よって、本実施の形態は、より導入が容易といえる。さらに、近年、各金融機関の間でネットバンキングにおけるAPIの標準化、オープン化が進んでいる。そのため、今後、管理サーバ15を構築することがさらに促進されるといえる。
【0125】
<その他の実施の形態>
尚、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0126】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0127】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1000 資金移動管理システム
1 口座管理システム
11 第1口座情報記憶部
111 残高情報
12 第2口座情報記憶部
121 残高情報
13 管理サーバ
131 CPU
1311 アクセス制御部
1312 資金移動処理部
1313 履歴保存部
1314 解析処理部
1315 通知処理部
132 メモリ
133 通信部
134 記憶装置
1341 権限情報
1342 資金移動条件
1343 履歴情報
1344 解析結果
1345 金融商品情報
1346 プログラム
N ネットワーク
U2 観察対象者
2 観察対象者装置
21 CPU
211 参照権限付与部
212 資金移動要求部
213 口座アクセス部
214 通知処理部
22 メモリ
23 通信部
24 記憶装置
241 プログラム
25 入力部
26 表示部
U3 観察者
3 観察者装置
31 CPU
311 条件承認部
312 口座アクセス部
313 通知処理部
314 履歴参照部
32 メモリ
33 通信部
34 記憶装置
341 プログラム
35 入力部
36 表示部
1000a 資金移動管理システム
11a 第1の口座
12a 第2の口座
13a 金融機関情報システム
141 ATMカード
142 デビットカード等
143 口座振替/口座振込
144 ATMカード
145 デビットカード
146 口座振替/口座振込
U2a 親
2a 携帯端末
21a 携帯アプリ
U3a 子
3a 携帯端末
31a 携帯アプリ
1342a 資金移動条件
1343a 資金移動履歴
251 参照画面
2511 口座名義
2512 残高
2513 取引履歴
252 参照画面
2521 口座名義
2522 残高
2523 取引履歴
253 資金移動要求入力画面
2531 入金リクエスト額入力欄
2532 金額変更ボタン
2533 コメント入力欄
2534 資金移動依頼ボタン
2535 中止ボタン
353 資金移動要求承認画面
3531 要求受付通知
3532 口座名義
3533 残高
3534 コメント表示欄
3535 電話ボタン
3536 中止ボタン
3537 承認ボタン
354 資金移動履歴参照画面
3541 残高
3542 残高
3543 資金移動履歴
1000b 資金移動管理システム
11b 第1の口座
12b 第2の口座
13b 金融機関情報システム
U2b 子
2b 携帯端末
21b 携帯アプリ
U3b 親
3b 携帯端末
31b 携帯アプリ
2000 資金移動管理システム
1c 金融機関情報システム
13c 金融機関管理サーバ
15 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17