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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】荷物受取ボックス
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/124 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
A47G29/124
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018157565
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020028644
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】安田 拡二
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-54412(JP,A)
【文献】実開昭63-33880(JP,U)
【文献】特開平6-46946(JP,A)
【文献】実開平6-64914(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12-29/30
B41K 3/00-3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面、後面、底面、及び左右両側面を有して上面が開口する方体箱状に成形されているとともに、前記底面及び前記左右両側面が折り畳み可能とされた本体と、前記本体の組み立て時には前記開口を閉塞するように、前記本体の折り畳み時には前記前面を覆うように夫々取付可能とされた蓋体とを有する荷物受取ボックスであって、
前記本体の前面に窓が開設され、当該窓の下縁から後方へ、被捺印物を載置可能な載置台が突設されているとともに、
前記本体の前面の内面側に、下方へ押圧されることによって前記載置台上に載置された被捺印物へ捺印可能な印鑑が取り付けられている一方、
前記蓋体における前記開口の閉塞時に前記印鑑の直上となる位置に、前記開口を閉塞した状態で施錠/解錠するための錠部材が、前記蓋体の表面側に施錠/解錠時に操作される操作部を露出させ、且つ、前記蓋体の内面側に施錠/解錠時に作動する機構部を突出させた状態で設けられているとともに、前記機構部に、下方へ突出する押圧部材が固定されており、
前記蓋体により前記開口を閉塞することに伴って、前記押圧部材が上方から前記印鑑に干渉し、前記印鑑による捺印が行われることを特徴とする荷物受取ボックス。
【請求項2】
前記印鑑が、前記本体の前面における左右方向での中央から左右何れか一方側へ寄った位置で、且つ、少なくとも一部が前記窓の後方に位置するように設けられているとともに、
前記窓が、左右方向へ長い孔として成形されており、
前記本体の折り畳み時に、前記錠部材が上方となるような姿勢で前記蓋体を取り付けた際、前記機構部及び前記押圧部材が前記印鑑と干渉することなく前記窓内に差し込まれることを特徴とする請求項1に記載の荷物受取ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達された荷物を受け取るための荷物受取ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配達された荷物を受け取るための荷物受取ボックスとして、たとえば特許文献1に記載されているような折り畳み式の荷物受取ボックスが考案されている。一方、荷物を受け取る際には、一般的に伝票等への印鑑の捺印が求められる。そこで、特許文献1に記載の荷物受取ボックスでは、蓋体の内面に印鑑を着脱自在に保持しておき、宅配業者が、荷物受取ボックスへの荷物の収納に際して、印鑑を蓋体から取り外して使用できるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-82482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、宅配業者にしてみると、蓋体から一旦印鑑を取り外して捺印し、再び印鑑を蓋体に保持させるという作業は煩わしいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、印鑑を一々取り外したりすることなく、印鑑による捺印を行うことができる荷物受取ボックスを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、前面、後面、底面、及び左右両側面を有して上面が開口する方体箱状に成形されているとともに、前記底面及び前記左右両側面が折り畳み可能とされた本体と、前記本体の組み立て時には前記開口を閉塞するように、前記本体の折り畳み時には前記前面を覆うように夫々取付可能とされた蓋体とを有する荷物受取ボックスであって、前記本体の前面に窓が開設され、当該窓の下縁から後方へ、被捺印物を載置可能な載置台が突設されているとともに、前記本体の前面の内面側に、下方へ押圧されることによって前記載置台上に載置された被捺印物へ捺印可能な印鑑が取り付けられている一方、前記蓋体における前記開口の閉塞時に前記印鑑の上方となる位置に、前記開口を閉塞した状態で施錠/解錠するための錠部材が、前記蓋体の表面側に施錠/解錠時に操作される操作部を露出させ、且つ、前記蓋体の内面側に施錠/解錠時に作動する機構部を突出させた状態で設けられているとともに、前記機構部に、下方へ突出する押圧部材が固定されており、前記蓋体により前記開口を閉塞することに伴って、前記押圧部材が上方から前記印鑑に干渉し、前記印鑑による捺印が行われることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記印鑑が、前記本体の前面における左右方向での中央から左右何れか一方側へ寄った位置で、且つ、少なくとも一部が前記窓の後方に位置するように設けられているとともに、前記窓が、左右方向へ長い孔として成形されており、前記本体の折り畳み時に、前記錠部材が上方となるような姿勢で前記蓋体を取り付けた際、前記機構部及び前記押圧部材が前記印鑑と干渉することなく前記窓内に差し込まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体の前面に窓を開設し、当該窓の下縁から後方へ、被捺印物を載置可能な載置台を突設するとともに、本体の前面の内面側に、下方へ押圧されることによって載置台上に載置された被捺印物へ捺印可能な印鑑を取り付けている。また、蓋体における開口の閉塞時に印鑑の上方となる位置に、開口を閉塞した状態で施錠/解錠するための錠部材を、蓋体の表面側に施錠/解錠時に操作される操作部を露出させ、且つ、蓋体の内面側に施錠/解錠時に作動する機構部を突出させた状態で設けるとともに、機構部に、下方へ突出する押圧部材を固定している。そして、蓋体により開口を閉塞することに伴って、押圧部材が上方から印鑑に干渉し、印鑑による被捺印物への捺印が行われるようにした。したがって、載置台上の所定位置に被捺印物を載置しておけば、荷物受取ボックスから一々印鑑を取り外したりすることなく、蓋体を本体に取り付けるだけで捺印を行うことができるため、宅配業者の配達作業を簡素化することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、印鑑を、本体の前面における左右方向での中央から左右何れか一方側へ寄った位置で、且つ、少なくとも一部が窓の後方に位置するように設けるとともに、窓を、左右方向へ長い孔として成形している。そして、本体の折り畳み時に、錠部材が上方となるような姿勢で蓋体を取り付けた際、機構部及び押圧部材が印鑑と干渉することなく窓内に差し込まれるようにした。したがって、錠部材の機構部及び押圧部材が蓋体の内面側へ突出しているにも拘わらず、折り畳み時における荷物受取ボックスの前後方向での厚みを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】組み立て状態にある荷物受取ボックスを示した斜視説明図である。
図2】仮組み状態にある荷物受取ボックスを示した斜視説明図である。
図3】仮組み状態において本体から蓋体を取り外した状態を示した斜視説明図である。
図4】展開された状態にある本体を示した斜視説明図である。
図5】底板が折り畳み姿勢にある本体を示した斜視説明図である。
図6】荷物受取ボックスにおいて蓋体が施錠された状態を示した説明図である。
図7】蓋体により本体開口を閉塞した際に、伝票へ印鑑による捺印が行われる構造を示した説明図である。
図8】設置部材を玄関扉に固定した状態を示した斜視説明図である。
図9】係止金具が玄関扉の上面及び下面に係止している状態を示した断面説明図である。
図10】設置部材に、仮組み状態にある本体を設置した状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となる荷物受取ボックス及び荷物受取ボックスの玄関扉への設置構造について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、組み立て状態にある荷物受取ボックス1を示した斜視説明図である。図2は、仮組み状態にある荷物受取ボックス1を示した斜視説明図である。図3は、仮組み状態において本体2から蓋体3を取り外した状態を示した斜視説明図である。図4は、展開された状態にある本体2を示した斜視説明図である。図5は、底板6が折り畳み姿勢にある本体2を示した斜視説明図である。図6は、荷物受取ボックス1において蓋体3が施錠された状態を示した説明図である。図7は、蓋体3により本体2の開口を閉塞した際に、伝票51へ印鑑50による捺印が行われる構造を示した説明図である。図8は、設置部材31を玄関扉30に固定した状態を示した斜視説明図である。図9は、係止金具35、35が玄関扉30の上面及び下面に係止している状態を示した断面説明図である。図10は、設置部材31に、仮組み状態にある本体2を設置した状態を示した説明図である。
【0011】
まず、荷物受取ボックス1について説明する。荷物受取ボックス1は、上面に開口する本体2と、本体2に対して着脱することで本体2の上面開口を開閉する蓋体3とを備えてなる。本体2は、背板4、前板5、底板6、及び左右の側板7、7を一体的に有しており、背板4の上部には、後述する掛止具34が挿通可能な挿通孔8が開設されているとともに、背板4の内面側における挿通孔8の開口縁に沿って、挿通孔8部分を補強するための補強リブ9が突設されている。
【0012】
前板5は、背板4と略同じ大きさに成形されており、前板5の上部には、伝票51への捺印や折り畳み時におけるダイヤル錠20の収容等のための窓10が開設されている。また、前板5の内面側における窓10の下縁に沿っては、印鑑50による捺印の際に伝票51を載置するための載置台が後方へ突設されている。載置台は、窓10の下縁から後側へ折り曲げられた折り曲げ部11と、折り曲げ部11の先端から更に後方へ延びる板バネ15とからなる。そして、板バネ15は、折り曲げ部11の後端から後方へ向かうにつれて上昇する(印鑑50の下端と略同じ高さ位置となるまで上昇する)傾斜部と、傾斜部の後端から略水平に後方へ延びる水平部とを有している。また、窓10内には、伝票51を差し込む際にガイドとなる水平なガイド部52と、印鑑50を内蔵したケーシング部53とを一体的に備えた捺印部材54が取り付けられている。ガイド部52は、折り曲げ部11から所定間隔だけ上方へ離れた位置に位置しており、折り曲げ部11とガイド部52との間の隙間が伝票51を差し込むための差し込み口55となっている。一方、ケーシング部53は、板バネ15の水平部上に位置しており、内蔵されている印鑑50は、ケーシング部53の底部に設けられたフランジ57により下方から支持された格好となっている。また、ケーシング部53の上面には、丸孔56、56が穿設されている。さらに、前板5の内面でケーシング部53の上方となる位置には、後述するダイヤル錠20の爪片21が係止可能な係止片13が設けられている。なお、板バネ15と捺印部材54とは、後端部においてネジ止めにより一体化されている。また、窓10は、左右方向へ長い孔として成形されており、ケーシング部53よりも右側にも十分な開口スペースがとられるように開設されている。
【0013】
各側板7は、前後方向での中央部分で左右夫々内側に二つ折り可能に構成されてなるもので、背板4と前板5との側縁同士を連結するように取り付けられている。また、各側板7の後端縁は背板4に対して、前端縁は前板5に対して夫々上下方向を軸として回動可能とされており、二つ折り時には背板4や前板5の内面と略平行となり(図2図3等)、展開時には背板4や前板5に対して略直角に起立する(図1図4等)ようになっている。さらに、底板6は、その後端縁が背板4の下縁に左右方向を軸として回動可能に連結され、背板4の内面と略平行となるように起立する折り畳み姿勢(図5)と、背板4から前方へ略直角に突出して背板4と前板5との下縁同士を連結する展開姿勢との間で姿勢変更可能となっている。なお、底板6の前端縁には、折り畳み姿勢とした際に補強リブ9との干渉を避けるための切り欠き12が設けられている。また、各側板7の前後方向での中央上部には、二つ折りした際に補強リブ9との干渉を避けるための切り欠き14が夫々設けられている。
【0014】
一方、蓋体3は、外周縁が下方へ折り曲げられた上面視矩形の板体で、上面開口を閉塞するように本体2へ装着した際、ケーシング部53の直上となる位置にダイヤル錠20が取り付けられている(図6)。このダイヤル錠20は周知のものであり、蓋体3上面に、ユーザーが回転操作するダイヤル部22が露出している一方、蓋体3内面側に、ダイヤル部22の回転操作に応じて回転する座(図示せず)を内蔵しているとともに、上面開口を閉塞した状態で蓋体3を施錠/解錠する爪片21を出没自在に備えた機構部23が突出している。また、機構部23の底面には、下方へ突出する突起24、24を有する押圧部材25が固定されている。なお、各突起24は、ケーシング部53の丸孔56を貫通可能となっている。
【0015】
上記荷物受取ボックス1は、本体2が折り畳まれ(すなわち、底板6が折り畳み姿勢にあり、且つ、両側板7、7が二つ折りにされている)、さらに当該本体2に対して、前板5の前面を覆うように蓋体3が仮組みされた状態で設置される。このとき、蓋体3は、ダイヤル錠20が上方となるような姿勢とされており、ダイヤル錠20の機構部23及び機構部23に固定されている押圧部材25は、窓10の右部、つまり印鑑50の右側に差し込まれている。そして、荷物が配達されると、宅配業者によって本体2から蓋体3が取り外され、本体2が組み立てられる。すなわち、前板5を前側へ引き出すことで側板7、7を一枚板状とした後、底板6を展開姿勢として本体2を組み立てる。その後、本体2に荷物が収納されてから、蓋体3により本体2の上面開口が閉塞され、更にダイヤル錠20の操作に伴い蓋体3が施錠されるという態様で使用されることになる。
【0016】
また、図7に示すように、蓋体3による本体2の閉塞に伴い、突起24、24が丸孔56、56を貫通して印鑑50に干渉し、印鑑50が下方へ押し込まれる。したがって、蓋体3を取り付ける前に、伝票51を差し込み口55からガイド部52に沿わせて差し込み、板バネ15とケーシング部53とにより上下から挟み込んでおけば(すなわち、伝票51を載置台上に載置しておけば)、蓋体3による本体2の閉塞に応じて、伝票51への捺印が行われる。
【0017】
次に、荷物受取ボックス1の玄関扉30への設置構造について説明する。本実施形態では、垂直面となる玄関扉30の前面(室外側の面)が設置面とされ、荷物受取ボックス1を設置するための設置部材31が固定されている。該設置部材31は、左右方向に所定の間隔を隔てて立設される一対の柱部32、32と、柱部32、32同士を左右方向で連結する連結部33と、連結部33の前面に設けられている掛止具34とを備えてなる。各柱部32は、長手方向に伸縮させることで長さを調整可能とされており、長手方向での両端部には、玄関扉30の上面や下面に引っ掛けられる金属薄板状の係止金具35、35が固定されている。掛止具34は、ケースの左右両側面から夫々外方へ突出する一対の掛止爪36、36を有する周知の部材であって、ケース前面に設けられた摘まみを操作することで、掛止爪36、36をケース内へ没入させたり、ケースから突出させたりすることができるようになっている。また、該掛止具34の大きさに挿通孔8の大きさは合わせられており、略同じとされている。
【0018】
そして、上記設置部材31を玄関扉30へ固定するにあたっては、柱部32、32の長さを玄関扉30に合わせて調整し、一方の係止金具35を玄関扉30の下面に、他方の係止金具35を玄関扉30の上面に夫々係止させればよい(図7図8)。このとき、連結部33の上下方向での高さ位置は、荷物受取ボックス1における底面から挿通孔8までの高さと略同じ(若しくはそれ以上)となる。そこで、本体2が折り畳まれている状態のまま、挿通孔8に掛止具34を挿通させてから、掛止爪36、36を補強リブ9に掛止させれば、荷物受取ボックス1を玄関扉30の前面に設置することができる。なお、蓋体3は、本体2の設置部材31への設置後に取り付ければよい(図9)。
【0019】
以上のような構成を有する荷物受取ボックス1によれば、本体2の前面に窓10を開設し、当該窓10の下縁から後方へ、伝票51を載置可能な折り曲げ部11及び板バネ15を突設するとともに、本体2の前面の内面側に、下方へ押圧されることによって載置台上に載置された伝票51へ捺印可能な印鑑50を取り付けている。また、蓋体3における本体2の上面開口の閉塞時に印鑑50の直上となる位置に、開口を閉塞した状態で施錠/解錠するためのダイヤル錠20を、蓋体3の表面側に施錠/解錠時に操作されるダイヤル部22を露出させ、且つ、蓋体3の内面側に施錠/解錠時に作動する機構部23を突出させた状態で設けるとともに、機構部23に、下方へ突出する突起24、24を有する押圧部材25を固定している。そして、蓋体3により本体2の上面開口を閉塞することに伴って、突起24、24が丸孔56、56を介してケーシング部53内に進入し、ケーシング部53に内蔵されている印鑑50に上方から干渉して、印鑑50による捺印が行われるようにした。したがって、載置台上の所定位置に伝票51を載置しておけば、荷物受取ボックス1から一々印鑑を取り外したりすることなく、蓋体3を本体2に取り付けるだけで捺印を行うことができるため、宅配業者の配達作業を簡素化することができる。
【0020】
また、ケーシング部53を、本体2の前面における左右方向での中央から左寄りの位置で、且つ、一部が窓10の後方に位置するように設けるとともに、窓10を、左右方向へ長い孔として成形している。そして、本体2の折り畳み時に、ダイヤル錠20が上方となるような姿勢で蓋体3を取り付けた際、機構部23及び押圧部材25がケーシング部53と干渉することなく窓10内に差し込まれるようにした。したがって、ダイヤル錠20の機構部23及び押圧部材25が蓋体3の内面側へ突出しているにも拘わらず、折り畳み時における荷物受取ボックス1の前後方向での厚みを薄くすることができる。
【0021】
一方、荷物受取ボックス1の玄関扉30への設置構造によれば、左右方向に所定の間隔を隔てて立設される一対の柱部32、32と、柱部32、32同士を左右方向で連結する連結部33と、連結部33の前面に設けられている掛止具34とを備えた設置部材31を玄関扉30の前面に固定する。また、荷物受取ボックス1の背板4に、掛止具34が挿通可能な挿通孔8を開設する。そして、挿通孔8に掛止具34を挿通させてから、掛止爪36、36を挿通孔8の周縁(すなわち補強リブ9)に掛止させることにより、荷物受取ボックス1を玄関扉30の前面に設置可能とした。したがって、鎖を門柱に繋ぐ等することなく荷物受取ボックス1の持ち去りを防止することができるため、たとえば集合住宅等であっても好適に利用することができる。
【0022】
また、各柱部32が伸縮自在であるとともに、各柱部32の上下両端に、玄関扉30の上下両面に係止可能な係止金具35、35が夫々固定されている。したがって、玄関扉30の大きさに応じて柱部32、32の長さを調整することができるため、汎用性の高い設置構造とすることができる。
【0023】
なお、本発明の荷物受取ボックスに係る構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、荷物受取ボックスの全体的な構成は勿論、印鑑による捺印に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0024】
たとえば、荷物受取ボックスの左右両側板や底板をどのように折り畳めるように構成するかは適宜変更可能であり、底板を前後方向での中央部分で半分に折り畳めるように構成する等しても何ら問題はない。
また、錠部材としては、機構部が蓋体の内面側へ突出するものであれば、ダイヤル錠以外の錠部材であっても採用することができる
さらに、印鑑を保持する構成についても上記実施形態の構成に何ら限定されることはない。すなわち、ガイド部を設けない構成を採用することは可能であるし、ケーシング部の代わりに、印鑑を把持する腕部を有する部材によって印鑑を保持してもよい。そして、印鑑を保持する構成に応じて、押圧部材に設ける突起の有無や位置、数等についても適宜変更することができる。
【0025】
さらにまた、上記実施形態では、印鑑を本体の前面の左寄りに設けているが、言うまでもなく右寄りに設けることも可能である。
またさらに、上記実施形態では、載置台として板バネを採用しているが、板バネに代えてゴム板や樹脂板等を採用することも可能である。
加えて、上記実施形態では、玄関扉の前面を設置面としているが、一戸建ての住宅等で使用する場合には、たとえば玄関の壁面を設置面とすることも可能である。そのような場合には、柱部の設置面への固定に係り、係止金具によって係止させるのではなく、ボルトを用いて固定する等すればよい。
【符号の説明】
【0026】
1・・荷物受取ボックス、2・・本体、3・・蓋体、4・・背板、5・・前板、6・・底板、7・・側板、10・・窓、11・・折り曲げ部(載置台)、15・・板バネ(載置台)、20・・ダイヤル錠(錠部材)、22・・ダイヤル部(操作部)、23・・機構部、24・・突起、25・・押圧部材、30・・玄関扉、50・・印鑑、51・・伝票、52・・ガイド部、53・・ケーシング部、55・・差し込み口、56・・丸孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10