(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】電気式ヒューズ電流検出システム及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20220610BHJP
H01H 85/20 20060101ALI20220610BHJP
H01H 85/02 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
G01R19/00 M
H01H85/20 Z
H01H85/02 S
G01R19/00 B
G01R19/00 T
(21)【出願番号】P 2018502370
(86)(22)【出願日】2016-07-08
(86)【国際出願番号】 US2016041458
(87)【国際公開番号】W WO2017014961
(87)【国際公開日】2017-01-26
【審査請求日】2019-07-05
(32)【優先日】2015-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506257537
【氏名又は名称】クーパー テクノロジーズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・スティーブン・ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】サントッシュ・クマー・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】アミール・カーン
(72)【発明者】
【氏名】フルシケシュ・アルン・バルヴェ
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-194394(JP,A)
【文献】特開2001-078350(JP,A)
【文献】特表2011-517262(JP,A)
【文献】国際公開第2015/057504(WO,A3)
【文献】米国特許出願公開第2010/0023286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
H01H 85/20
H01H 85/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流検出システムであって、
ヒューズハウジングと該ヒューズハウジング内のヒューズ素子とを備え、該ヒューズ素子は、電力システムの通電されたライン側回路に接続されたときに非線形抵抗を有し、
前記ヒューズ素子と並列に接続され、前記通電されたライン側回路から前記ヒューズ素子に電流が流れている間に前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入する電圧源または電流源を含む補償回路をさらに備え、前記電圧源または電流源は、前記通電されたライン側回路とは独立に前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入するように構成されており、
プロセッサベースの制御装置をさらに備え、該プロセッサベースの制御装置は、
前記電流源または電圧源が前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入する間に前記ヒューズ素子の両端で検出された第1の電圧を受け取り、
前記通電されたライン側回路から前記ヒューズ素子に流れる電流を計算し、該計算される電流は、前記受け取った第1の電圧
、前記注入された電流または電圧、及び、前記電圧源または前記電流源が前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入しているときの前記ヒューズ素子の抵抗
の間の1組の関係に基づいているように構成されている、電流検出システム。
【請求項2】
前記補償回路が前記ヒューズハウジング内に収納されている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項3】
前記補償回路が前記ヒューズホルダ上かつ前記ヒューズハウジングの外に設けられている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項4】
前記補償回路が断路スイッチ上かつ前記ヒューズハウジングの外に設けられている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項5】
前記補償回路と通信するプロセッサベースのリーダ装置をさらに備える、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項6】
前記ヒューズ素子に関連付けられたラベルをさらに備え、前記プロセッサベースのリーダ装置が、前記ラベルを読み取り、前記通電されたライン側回路から前記ヒューズ素子に流れる電流を決定するために前記ラベルからの情報を利用するように構成されている、請求項5に記載の電流検出システム。
【請求項7】
前記補償回路が、前記通電されたライン側回路から導出されないスタンドアロン電源を含む、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項8】
前記補償回路が、交流電流源を含んでいる、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項9】
前記補償回路が分圧抵抗を含み、前記プロセッサベースの制御装置
は、前記分圧抵抗の両端で検出された第2の電圧を受け取り、
前記通電されたライン側回路から前記ヒューズ素子に流れる電流を計算し、該計算される電流は、前記受け取った第1
の電圧、第2の電圧
、前記注入された電流または電圧、及び、前記電圧源または前記電流源が前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入しているときの前記ヒューズ素子の抵抗
の間の1組の関係に基づいているようにさらに構成されている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項10】
前記補償回路が、直流電流のみを注入するように構成されている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項11】
前記補償回路が、直流電圧のみを注入するように構成されている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項12】
前記補償回路が、パルス電流のみを注入するように構成されている、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項13】
前記リーダ装置と通信する遠隔装置をさらに含む、請求項5に記載の電流検出システム。
【請求項14】
前記遠隔装置が、監視制御及びデータ収集(SCADA)システムの一部である、請求項13に記載の電流検出システム。
【請求項15】
前記プロセッサベースのリーダ装置が、前記補償回路と無線通信する、請求項5に記載の電流検出システム。
【請求項16】
前記プロセッサベースの制御装置が、前記補償回路に含まれる、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項17】
前記補償回路が、交流電流のみを注入する、請求項1に記載の電流検出システム。
【請求項18】
電力システムの通電されたライン側回路に接続されたときに非線形抵抗を有するヒューズ素子と、前記ヒューズ素子に電気的に並列に接続された補償回路とを含む電気ヒューズを介して電力システムに流れる電流を検出する方法であって、
前記通電されたライン側回路から前記ヒューズ素子を通って電流が流れている間に、前記補償回路により、前記ヒューズ素子に、前記通電されたライン側回路から流れる電流とは独立に電圧または電流を注入することと、
前記ヒューズ素子に電圧または電流が注入されている間に、前記ヒューズ素子の両端の
第1の電圧を検出することと、
少なくとも1つのプロセッサベースの制御装置により、前記通電されたライン側回路回路から前記ヒューズ素子に流れる電流を計算することと、を含み、
前記計算される電流は、検出された前記ヒューズ素子の両端
の前記第1の電圧
、前記注入された電流または電圧、及び
、電圧源または電流源が前記ヒューズ素子に電流または電圧を注入しているときの前記ヒューズ素子の抵抗
の間の1組の関係に基づいて
いる、方法。
【請求項19】
前記ヒューズがヒューズハウジングを含み
、前記ヒューズ素子と電気的に並列に接続
された前記補償回路を前記ヒューズハウジング内
に設けることを
さらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記補償回路により前記ヒューズ素子に電圧または電流を注入することが、直流電流のみを注入することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記補償回路により前記ヒューズ素子に電圧または電流を注入することが、直流電圧のみを注入することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記補償回路により前記ヒューズ素子に電圧または電流を注入することが、パルス電流のみを注入することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記補償回路により前記ヒューズ素子に電圧または電流を注入することが、交流電流のみを注入することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記計算された電流を無線通信することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記補償回路を、前記電気ヒューズを受け入れるように構成されたヒューズホルダ内に設けることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記補償回路を、前記電気ヒューズを受け入れるように構成された断路スイッチ内に設けることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の分野は、概して配電システムに関し、より具体的には、電気回路内の導体を通る電流の流れを検出し監視するシステム及び方法に関する。
【0002】
様々なタイプの電気製品及びシステムにおいて、電流検出は様々な理由で行われる。電流の検出と監視は、様々な態様で機器やプロセスの管理と制御を容易にし、かつ回路保護機能を容易にする。必ずしも限定されないが、抵抗シャント、電流トランス(CT)、ホール効果センサー、及び磁気光学効果(ファラデー効果)を利用する光ファイバー電流センサー(FOCS)を含む様々な異なるタイプの接触型及び非接触型の電流センサーが、現在使用されている。
【0003】
電流検出が必要な多くの住居型電力システムでは、従来の電流センサーの相対的なコストは高く、そのため、電流センサーの使用は住宅用途には限られていた。電流検出能力を含む電気製品の場合、電流センサー部品のコストは、総製品コストの50%を占める可能性がある。電流検出を必要とする工業用及び商業用製品の場合、検出部品は総システムコストの20%を占める可能性がある。現在利用されている電流センサー技術の比較的高いコストは、そうでなければ電気産業においてより広いスケールで電流検出が有益に採用されることへの障害である。それゆえに、低コスト及び/またはより簡単な電流検出ソリューションが望まれる。
【0004】
非限定的で非網羅的な実施形態が、以下の図を参照して説明され、特に指定がない限り様々な図面を通して同様の部品には同じ参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】従来の電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図2】本発明の一実施形態による第1の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図3】本発明の一実施形態による第2の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態による第3の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図5】本発明の一実施形態による第4の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図6】本発明の一実施形態による第5の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【
図7】本発明の一実施形態による第1の例示的な電流検出システムを模式的に表わす。
【
図8】本発明の一実施形態による第2の例示的な電流検出システムを模式的に表わす。
【
図9】本発明の一実施形態による第3の例示的な電流検出システムを模式的に表わす。
【
図10】
図2~9に示される電流検出技術及びシステムのための補償回路を模式的に図示する。
【
図11】
図2~10に示される電流検出技術、システム、及び回路に関連する例示的なプロセスを説明する方法フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、時にはシャントベースの電流検出と呼ばれる従来の電流検出技術を図示する電力システム100の一部分の部分回路図である。
【0007】
図1に示すように、電力システム100は、ライン側回路104と負荷側回路106との間に接続された電気ヒューズ102を含む。ヒューズ102は、ハウジングと、所定の過電流状態に応答して溶融、崩壊、蒸発またはその他の構造的故障を起こすように構造的に構成され、ライン側回路104と負荷側回路106との間の開回路を効果的に生み出す導電性ヒューズ素子とを含む。したがって、負荷側回路106は、ヒューズ素子が過電流状態に曝されるときに、ヒューズ素子がヒューズ102を通してもはや電流を導通しないように負荷側回路106を電気的に絶縁するヒューズ102及びそのヒューズエレメントによって保護され、その結果、さもなければ損傷電流がライン側回路106に流れるのを防止する。過電流状態に応答するヒューズ素子の開放は永久的であり、ライン側回路104と負荷側回路106との間の電気的接続を復元させるために、ヒューズ102は別のヒューズ102と交換されなければならない。
【0008】
また、
図1に示すように、抵抗シャント108は電力システム100内のヒューズ102と直列に接続されている。シャント108の両端の電圧V
検出を監視または検出することによって、ヒューズ102を流れる電流I
検出はオームの法則(V=I/R))から容易に決定することができる。理想的には、抵抗シャント108は、電圧V
検出を電流I
検出に直接変換することを可能にする広い線形抵抗帯を有する。典型的には電気システム内の他の構成要素では利用可能ではない、抵抗シャント108の広い線形抵抗帯が非常に望ましく、それゆえに、抵抗シャント108は全電流に対して定格され、高精度で製造される。したがって、抵抗シャント108は、有効な電流検出ソリューションであるが、比較的高価である。多くの電気ヒューズ102を含む電力システム100では、抵抗シャントを設けるコストが増殖され、かなり大きくなる可能性がある。
【0009】
上述のものを含めて、説明した抵抗シャント108の代わりに利用し得る他の電流センサーが知られているが、それらは、抵抗シャント108よりもかさばり及び/または高価になる傾向があり、したがって、小型で低コストのソリューションのニーズを完全に満たしていない。
【0010】
コンパクトで、信頼性が高く、費用効果の高い電流検出、監視かつ制御機能、及び電力システムにおける高度の可能性を容易にするシステム及び方法の例示的な実施形態を以下に説明する。これは、以下で詳細に説明するように、ヒューズ素子などの非線形抵抗を有する導体の両端に補償回路を接続することによって達成される。補償回路は、導体の抵抗を決定することを可能にする電流または電圧を導体に注入する。導体に流れる電流は、導体の抵抗が決定されると、導体の両端の検出電圧に基づいて計算することができる。方法の態様は、一部明らかであり、一部以下の説明において明示的に論じられる。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態による第1の例示的な電流検出技術を図示する。
図1と2とを比較すると、抵抗シャント108は除去され、電圧V
検出はヒューズ102の両端に直接導出され、電流I
検出は、
図1に示すような比較的高価な直列接続のシャント108を伴うことなく同様に決定し得る。本発明によって与えられるように、抵抗シャント108の除去は、コスト削減を超えて有利である。抵抗シャントの除去はまた物理的スペースを節約し、コンバイナボックスを含むがこれに限定されることなく、多くのヒューズが共通の場所で利用される用途では、コンバイナボックスのサイズを縮小することができる。同様に、電流検出能力及び高度なヒューズ状態機能、異常なヒューズ発見及びアラームなどを提供しながら、抵抗シャントの除去を介してパネルボードまたはヒューズブロックのサイズを縮小することができる。
【0012】
電流I
検出を決定するためにヒューズ102の両端で直接電圧V
検出を検出することは、補償回路110によって対処される複雑さを持ち込む。具体的には、ヒューズ102内のヒューズ素子は、抵抗シャント108(
図1)とは異なり、ヒューズ102内のヒューズ素子の抵抗が使用中一定ではないので、電流I
検出を計算するためにオームの法則の単純かつ直接の適用を不可能にする非線形抵抗を提示する。
【0013】
それゆえに、補償回路110は、ヒューズ抵抗内の変動を考慮に入れるために定期的な間隔でヒューズ素子抵抗を測定するコントローラ112を含んでもよい。代わりに、コントローラ112は、例えば、ヒューズ102を含むコンバイナボックス内のサブ計量モジュール(SMM)内に設けられてもよい。すなわち、コントローラ112は、すべての実施形態において補償回路110自体の一部である必要はなく、代わりに別個に設けられてもよい。いくつかの実施形態における電圧V検出は、電流I検出を計算する別のオプションのコントローラ114に入力されてもよい。しかしながら、示されたコントローラ112、114の機能性は、必要ならば単一のコントローラに結合されてもよいことが理解される。
【0014】
コントローラ112及び/または114は、プロセッサベースの制御装置であってもよい。本明細書で使用されるように、用語「プロセッサベースの」は、プロセッサまたはマイクロプロセッサを含むコントローラ装置を参照するだけでなく、マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、縮小命令セット(RISC)回路、特定用途向け集積回路及び他のプログラマブル回路、論理回路、それらの等価物、及び以下に説明する機能を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサなどの他の同等の素子も参照する。上に列挙したプロセッサベースの装置は単なる例示であり、決して「プロセッサベースの」という用語の定義及び/または意味を限定することを意図するものではない。
【0015】
図2に示す技術は、すべての電気ヒューズと同様に、ヒューズ102が本質的に較正された抵抗であることを認識する。抵抗が動作中に電圧を降下させるので、ヒューズ102内のヒューズ素子の抵抗を知り(コントローラ112、114のうちの1つによって決定されて)、及び電圧V
検出を知ることによって、電流I
検出はオームの法則から導出された関係を使用して計算することができ、
図1に示されているものよりも比較的小さく費用効果の高い電流検出システムを達成する。
図2に示され、また
図3~6の例示的な実施形態で以下にさらに説明される電流検出技術は、実用的にどのタイプのヒューズにも有利な効果を伴って適用することができる。
【0016】
考えられる実施形態では、ヒューズ素子の非線形応答を正確な電流の読みに変換するのにアルゴリズムを使用する。固有の非線形ヒューズ係数は、例えば、RFIDタグまたはバーコードラベルで個々のヒューズ102の上または中に符号化することができる。また、以下に述べるように、代替的に、ヒューズリーダは、ヒューズホルダのハウジング、または、時には基部とも呼ばれる、電流監視エレクトロニクスと一緒に切断スイッチのハウジングに一体化されてもよい。ヒューズ102は、電流監視式に非線形抵抗態様を導入するので、非線形ヒューズ抵抗を補償するためのアルゴリズムと一緒に電子式回路支援検出または取得が提案される。
【0017】
ヒューズ102が電流を検出するために利用される状況において、説明された概念が図示されているが、
図2に示す概念は、あるいはヒューズ以外の他の導電素子にも適用することができる。ヒューズ、回路遮断器接点、電気接続、及び回路に直列抵抗を導入する他のすべての構成要素のような回路素子の使用は、付随する補償回路を動作させて効果的に適用することができる。電流検出のために使用される各回路素子は、それ自体の固有で個々の変数及び特性を有することができるので、回路素子に備わるこれらの固有の変数及び特性を符号化する方式は、抵抗電圧を電流測定に適切かつ正確に変換するために必要である。符号化方式は、上述したように、RFIDタグ化及びまたはバーコードラベル化を含むことができる。
図2に示す提案されたコンセプトは、以下の例に図示するように、直流電流(DC)及び交流電流(AC)両方の検出及び測定に使用できることを理解されたい。
【0018】
当業者は、提案された電子回路が、電力システム100のシステム電圧を電子機器から絶縁するための適切な絶縁方式を必要とすることを理解するであろう。いったん決定されると、電流データは、例えば光または無線通信システムを介して遠隔地に送信することができるが、必要であれば他のタイプの通信も可能である。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態による第2の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【0020】
図3に示すように、ライン側回路104は、ヒューズ素子120を含むヒューズ102に入力I
dcを送り込む。回路110は、ヒューズ素子120と電気的並列に接続され、回路110は、プリセット周波数でAC電流注入I
acを注入する電流源122を含む。オームの法則を適用して、次の関係が適用される:
【0021】
【0022】
ヒューズ素子120を流れる電流は、I
dcとI
acの和であり、ヒューズ素子120の両端の検出電圧は、V
acとV
dcの和である。
図3に示すように、検出電圧は、電圧V
acを得るためにハイパスフィルタを通すことができる。V
acとI
acの両方が分かっているので、ここでR
ヒューズを決定することができる。R
ヒューズが分かれば、V
dcが分かっているのでI
dcを計算することができる。相関関係及び計算は、ヒューズ素子の非線形抵抗挙動を経時的に考慮するために任意の所望の時間間隔で繰り返してもよい。
【0023】
図4は、本発明の一実施形態による第3の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【0024】
図4に示すように、ライン側回路104は、ヒューズ素子120を含むヒューズ102に入力電流I
dcを送り込む。回路110は、ヒューズ素子120と電気的並列に接続され、回路110は、既知の電圧V
dc注入を有し電流I
dc注入を発生する電圧源124を含む。分圧抵抗R
2も存在し、電圧V
2は抵抗R
2の両端で検出される。オームの法則を適用して、電流I
dcを検出して決定するために次の関係が適用される:
【0025】
【0026】
相関関係及び計算は、ヒューズ素子の非線形抵抗挙動を経時的に考慮するために任意の所望の時間間隔で繰り返してもよい。
【0027】
図5は、本発明の一実施形態による第4の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【0028】
図5に示すように、ライン側回路104は、ヒューズ素子120を含むヒューズ102に入力電流I
dcを送り込む。回路110は、ヒューズ素子120と電気的並列に接続され、回路110は、電流I
dc注入を提供し電圧V
dc注入を発生するDC電流源126を含む。分圧抵抗R
2も存在し、電圧V
2は抵抗R
2の両端で検出される。オームの法則を適用して、電流I
dcを検出して決定するために次の関係が適用される:
【0029】
【0030】
相関関係及び計算は、ヒューズ素子の非線形抵抗挙動を経時的に考慮するために任意の所望の時間間隔で繰り返してもよい。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態による第5の例示的な電流検出技術を図示する電力システムの一部分の部分回路図である。
【0032】
図6に示すように、ライン側回路104は、ヒューズ素子120を含むヒューズ102に入力電流I
dcを送り込む。回路110は、ヒューズ素子120と電気的並列に接続され、回路110は、電流I
注入を提供するパルス電流源128を含む。オームの法則を適用して、電流I
dcを検出して決定するために次の関係が適用される:
【0033】
パルス電流がゼロの時、
【0034】
【0035】
パルス電流がI注入の時、
【0036】
【0037】
【0038】
相関関係及び計算は、ヒューズ素子の非線形抵抗挙動を経時的に考慮するために任意の所望の時間間隔で繰り返してもよい。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態による第1の例示的な電流検出システム140を模式的に表す。システム140は、ヒューズ素子120を含むヒューズ102とヒューズハウジング142内のヒューズ素子120と並列に接続された回路110とを含む。ヒューズハウジング142には、ライン側回路104及び負荷側回路106との電気的接続を確立するためのヒューズ端子T
1及びT
2が設けられている。
【0040】
ヒューズ素子120は、任意の構造的形状及び所望の構成で提供されてもよく、所望の任意の過電流状態に応答して開放するように設計されてもよい。ハウジング142は同様に、円柱形及び長方形の形状を含むが、必ずしもこれらに限定されない所望の任意の形状で提供されてもよく、消弧媒体で充填されてもよい。ヒューズ端子T
1及びT
2は、エンドキャップまたはフェルール、ナイフブレード接点、または端子ブレードを含むが、必ずしもそれらに限定されない任意の既知のヒューズ端子形状及び構成であってもよい。いくつかの考えられる実施形態では、ヒューズ102は、長方形のハウジング及び長方形のハウジングの共通の側面から突出した端子ブレードを有する、イートン(Eaton)社、セントルイス、ミズーリ州によるバスマン(Bussmann)製CUBEFuse(登録商標)モジュールヒューズとして構成されてもよい。とにかく、
図7に示すように、補償回路110はヒューズ構造内に埋め込まれている。すなわち、上述したような回路110及び電子装置はヒューズハウジング142の内部にあり、それゆえにヒューズに内蔵されている。
【0041】
リーダ装置144は、システム150内に別個に設けられた装置として示されている。リーダ装置144は、いくつかの実施形態では携帯型装置であってもよく、または他の実施形態では据え付けで取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、リーダ装置144はハンドヘルド装置であってもよい。リーダ装置144は、プロセッサベースの装置であってもよく、検出電圧情報または上述の方法で検出された電流を分析または計算するために必要な他のデータを受け取るために回路110と無線通信してもよい。回路110とリーダ装置144との間の無線通信は、大きな電力システム100において有益であるが、すべての場合において厳密に必要なわけではなく、代わりに、必要ならばヒューズ102内の接続ポート及び端子を介して、リーダ装置144は回路110に配線接続されてもよい。
【0042】
考えられる実施形態におけるリーダ装置144は、RFIDリーダまたは質問器装置として構成されてもよい。そのような実施形態では、情報が回路110内の対応するRFID素子から得られると、対象となる電流はリーダ装置144によって計算することができ、あるいは電流がヒューズ102に埋め込まれた電子装置内で計算される実施形態においては、計算された電流を単純にリーダ装置144に通信することができる。
【0043】
前述したように、ヒューズ102には、ヒューズ102のハウジング142上にRFIDラベルまたはバーコードラベル143を設けられてもよい。ラベル143は、リーダ装置144に通信される符号化された情報を含んでもよい。それゆえに、リーダ装置144は、ヒューズの素子と通信する複数の手段を含む多機能装置であってもよい。RFIDラベルまたはバーコードラベルは、ヒューズ102の識別情報、ヒューズ102の定格情報、及び検出電流の計算を容易にする符号化された情報を含んでもよい。そのように、ヒューズハウジング上のラベルまたはバーコードを読み取ることによって、リーダ装置144は、電流を計算するために使用する複数の所定のアルゴリズムのうちのどれを使用するかを知ることができ、リーダ装置はまた、アルゴリズムにおいて使用するためにヒューズ102に固有であり得る任意の係数を得てもよい。そのようなシナリオでは、リーダ装置144は、異なるタイプのヒューズを区別し、検出電流を計算するために様々な所定のアルゴリズムのうちの1つを選択することができるインテリジェント装置である。
【0044】
一度得られると、計算された電流を含めて、リーダ装置144によって得られた情報は、任意の所望の通信ネットワークを介して遠隔装置146にさらに通信することができる。遠隔装置146は、電力システム100及び任意の関連プロセスの監視及び管理を容易にし得る。遠隔装置146は、例えば、当業者に理解されるように、工業設備及びプロセスの態様を監視する監視制御及びデータ収集(SCADA)システムの一部であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、リーダ装置144は計算を行うのに必要な情報のみを供給して、必要ならば遠隔地での遠隔装置146によって検出された電流を実際に計算することができることが理解される。リーダ装置144における精巧さ及び複雑さの異なる程度を、異なるコストで提案してシステム140に提供することができる。
【0046】
図8は、本発明の別の実施形態による第2の例示的な電流検出システム150を模式的に表す。システム150は、ライン側及び負荷側回路104、106への電気的接続を構造的に確立するようにそれぞれ構成された端子T
1H及びT
2Hを備えたハウジング154を含むヒューズホルダまたはヒューズブロック152を含む。ヒューズ102の端子T
1F及びT
2Fは、ライン側回路と負荷側回路との間の電気的接続がヒューズ素子120を通して確立されるように、ヒューズホルダまたはヒューズブロック152の端子T
1H及びT
2Hと構造的に嵌合するように構成される。
【0047】
システム140(
図7)とは異なり、回路110は、ヒューズのハウジング142内には設けられず、代わりにヒューズホルダまたはヒューズブロック152のハウジング154の上または中に設けられる。そのように、この実施形態の回路110は、ヒューズ102の代わりにヒューズブロック152内に埋め込まれている。しかしながら、回路110の動作は同じままで、ラベル143及びリーダ144が同様の効果を有して上述のように設けられてもよい。
【0048】
システム140において上述したように回路110がヒューズ102内に埋め込まれている代替の実施形態では、リーダ144をヒューズブロックまたはハウジング152に埋め込むことができる。
【0049】
ヒューズホルダまたはヒューズブロックハウジング154には、複数セットのヒューズ102をヒューズハウジングまたはヒューズブロック152内に収容できるように、複数セットの端子T1H及びT2Hが設けられてもよい。ハウジング154は、単一部品内または複数部品内に設けられてもよく、互いに取り付けられるモジュール部品内に設けられてもよい。ハウジング154は、オープンスタイルのヒューズブロックとして構成されてもよく、または必要に応じてヒューズ102を部分的にまたは完全に囲んでもよい。
【0050】
ハウジング154に設けられた端子T1H及びT2Hは、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fを受け入れて保持するように構造的に構成された弾性ばねクリップを含んでもよい。ヒューズ端子T1F及びT2Fは、エンドキャップまたはフェルール、ナイフブレード接点、または端子ブレードを含むが、必ずしもそれらに限定されない任意の形状及び構造的構成で設けられてもよい。それゆえに、ヒューズホルダまたはヒューズブロックハウジング上の端子T1H及びT2Hは、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fと嵌合するように変えられてもよい。ヒューズ拒絶機能は、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fに内蔵されてもよく、及び/または互換性のないヒューズの取り付けを防止するためにハウジング154に組み込まれてもよい。
【0051】
ハウジング154上に設けられた端子T1H及びT2Hはまた、ボックスラグ、ばねクランプ、またはヒューズブロックまたはハウジング152へのライン及び負荷側電気接続を確立するために利用されるワイヤの端部を受け入れ保持するように構成された他の端子などの端子機能を含む。代わりに、パネルマウントクリップなど、ならびにライン及び負荷回路104、106への機械的及び電気的接続を確立するための別の端子構造を設けてもよい。
【0052】
図9は、本発明の一実施形態による第3の例示的な電流検出システム160を模式的に表す。システム160は、ライン側及び負荷側回路104、106への電気的接続を構造的に確立するようにそれぞれ構成された端子T
1L及びT
2Lを備えたハウジングまたは基部164を含む可溶式断路スイッチ装置162を含む。スイッチ166がハウジングまたは基部164に設けられており、それは断路スイッチ装置162を通る電流経路を形成または遮断するために選択的に開閉されてもよく、ヒューズ102が取り付けられスイッチ166が閉じられると、ヒューズ102のヒューズ素子120はライン及び負荷側回路104、106の間の電気的接続を完成する。基部164は、いくつかの実施形態では、イートン(Eaton)社、セントルイス、ミズーリ州によるバスマン(Bussmann)製コンパクトサーキットプロテクター(CCP)として構成されてもよい。
図9の回路図から分かるように、断路スイッチ装置162はインライン回路遮断器を含まず、それゆえに、従来のインライン回路遮断器及びヒューズの組合せよりも小さい。
【0053】
ヒューズ102の端子T1F及びT2Fは、ヒューズ素子120を通して電気的接続が確立されるように、基部164の相補端子と構造的に嵌合するように構成される。基部164の相補端子は、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fを受け入れて保持するように構造的に構成された弾性ばねクリップを含んでもよい。ヒューズの端子T1F及びT2Fは、エンドキャップまたはフェルール、ナイフブレード接点、または端子ブレードを含むが、必ずしもそれらに限定されない任意の形状及び構造的構成で設けられてもよい。それゆえに、ヒューズホルダまたはヒューズブロックハウジング上の相補端子は、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fと嵌合するように変えられてもよい。ヒューズ拒絶機能は、ヒューズ102の端子T1F及びT2Fに内蔵されてもよく、及び/または互換性のないヒューズの取り付けを防止するためにハウジング154に組み込まれてもよい。ヒューズ102が取り付けられると、スイッチ166は、ヒューズ素子120を通して、そしてライン側及びロード側回路104、106の間の電気接続を接続または切断するように動作し得る。そのようにして、スイッチ166は、ヒューズ102が所定の位置に留まる間、装置162を通る回路経路の接続及び切断を提供する。
【0054】
図9に示す実施形態において、回路110は、ヒューズ102のハウジング142内に設けられていないが、代わりに、スイッチ切断装置162の基部164の上または中に設けられている。そのようにして、この実施形態の回路110は、ヒューズ102の代わりに基部162に埋め込まれている。しかしながら、回路110の動作は同じままで、ラベル143及びリーダ144が同様の効果を有して上述のように設けられてもよい。
【0055】
システム140において上述のように回路110がヒューズ102内に埋め込まれている代替の実施形態では、リーダ144を基部164に埋め込むことができる。
【0056】
基部164には、複数セットのヒューズ102を収容することができるように、複数セットの端子が設けられてもよい。基部164は、単一部品内または複数部品内に設けられてもよく、互いに取り付けられるモジュール部品内に設けられてもよい。基部164は、必要に応じてヒューズ102を部分的にまたは完全に囲んでもよい。
【0057】
基部164上に設けられた端子T1L及びT2Lはまた、ボックスラグ、ばねクランプ、または断路スイッチ装置162へのライン及び負荷側電気接続を確立するために利用されるワイヤの端部を受け入れ保持するように構成された他の端子などの端子機能を含む。代わりに、パネルマウントクリップなど、ならびにライン及び負荷回路104、106への機械的及び電気的接続を確立するための別の端子構造を設けてもよい。
【0058】
図10は、上記実施形態で述べた補償回路110を模式的に図示する。回路110は、電圧/電流源170及び電力源または電源172を含む。説明される例示的な実施形態では、電圧/電流源は、要素122(
図3)、要素124(
図4)、要素126(
図5)、または要素128(
図6)に対応する。異なる実施形態では、電源172は電気システム100のライン側から導出されてもよく、電源172はスタンドアロン電源(例えば、バッテリまたはスーパーキャパシタのようなエネルギー貯蔵素子)であってもよく、または電源172は自己給電型の電力ハーベスティング装置に対応してもよい。電源172は、オプションでコントローラ112に連結されてもよい。
【0059】
示されるようにコントローラ112は、プロセッサ174及びメモリ記憶装置176を含み、メモリ記憶装置には、実行可能命令、コマンド、及び制御アルゴリズム、ならびにヒューズ102を流れる電流を十分に検出して計算するのに必要な他のデータ及び情報が記憶される。プロセッサベースの装置のメモリ176は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及びRAMメモリと合わせて使用される他の形態のメモリであってもよく、これにはフラッシュメモリ(FLASH)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、及び電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
上述したように、コントローラ112に、
図2に示し説明したように、及び
図3~6に示し説明したより具体的な実施例において、ヒューズ102の両端の電圧V
検出に対応する入力が提供されるとき、及びオプションで、コントローラ112に、
図4及び5の実施形態で示し説明した入力V
2が提供されるとき、
図2に示され説明されたような、及び
図3~6に示され説明されたより具体的な実施例における、電流I
検出を決定するためにオームの法則から導き出された関係がアルゴリズムフォームで評価され適用される。しかしながら、上述したように、
図2に示され説明されたコントローラ114のような別のコントローラが電圧入力を受けて計算を行うために利用可能な場合には、回路110内のコントローラ112はオプションであることが理解される。同様に、いくつかの実施形態では、電流の計算は、上述したリーダ144または遠隔装置146のような別のプロセッサベースによってもっぱら行われることが理解される。
【0061】
図11は、
図2~10に示される電流検出技術、システム、及び回路に関連する例示的なプロセスを図示する方法フローチャートである。
【0062】
図11に示すように、本方法は、ステップ180において、抵抗を計算するアルゴリズム、及び上述の実施形態におけるヒューズ素子120などの非線形抵抗素子を流れる電流も決定することを含む。アルゴリズムにおいて実施され得る例示的な関係は、
図2~6に関連して上述されている。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、限定ではなくて説明のために提供された単なる例である。記載されている以外の関係は、本発明のさらなる及び/または代替の実施形態において本明細書に具体的に記載された以外の回路と共に使用することができる。
【0063】
182でアルゴリズムが決定されると、それは上述したもののようなプロセッサベースの装置でプログラムすることができる。今や、例示的なアルゴリズムのための様々な特定の実装回路及び関係を説明したので、当業者は、さらなる説明なしにアルゴリズムを実装し、プログラムすることができる。ヒューズ素子の抵抗の測定及び計算を実施するために利用されるそれぞれ異なるタイプのヒューズ及び異なるタイプの回路を備えた特定の使用のために複数のアルゴリズムが考えられる。
【0064】
ステップ184で、回路110内の電流または電圧が印加され、上記に説明されたようにヒューズ抵抗及び電流を計算するために使用され得る電流または電圧を注入する。
【0065】
ステップ186で、電圧がヒューズ素子の両端に検出され、ステップ188で、ステップ182で決定された適切なアルゴリズムを利用して、検出電圧に基づいて電流が計算され得る。場合によっては、
図4及び5の実施形態に関連して示され説明された電圧V
2などの第2の電圧が電流を計算するために検出され、利用されてもよい。実際の計算は、上述したプロセッサベースの装置のいずれかによって行うことができる。
【0066】
オプションでステップ190に示されるように、本方法は、ヒューズの識別情報及び計算を行うのに必要な情報を得るためにラベル190を読み取ることをさらに含んでもよい。また、オプションでステップ192として示されるように、本方法は、ラベルを読み取ることから受け取った情報に基づいて192の適切なアルゴリズムを選択することを含んでもよい。考えられる実施形態では、ステップ190及び192は、上述したリーダ装置140及び/または遠隔装置146によって実行されてもよい。ステップ184、186、188、190及び192は、ヒューズ素子の非線形抵抗挙動を考慮するために規則的または不規則な時間間隔で繰り返されてもよい。
【0067】
ステップ194に示すように、検出電圧データは、上述したようにリーダ装置のような別の装置にオプションで通信されてもよい。計算された電流は、同様に、上述した例に従ってリーダ装置のような別の装置または遠隔装置にステップ194で通信されてもよい。しかしながら、説明された実施形態の変形形態、ならびに本明細書に開示された概念の拡張である代替実施形態が可能である。
【0068】
本発明の有利な点及び有益性は、開示された例示的な実施形態において今や十分に実証されたと信じる。
【0069】
電力システムに接続されたときに非線形抵抗を有する導体と、導体と並列に接続され、導体に電圧及び電流のうちの少なくとも1つを導入するように構成される補償回路と、導体の両端に検出された第1の電圧を受け取るプロセッサであって、その受け取った第1の電圧に基づいて導体を流れる電流を決定するように構成されるプロセッサと、を含む、電流検出システムの一実施形態が開示された。
【0070】
オプションで、導体はヒューズ素子であってもよい。ヒューズ素子はヒューズハウジング内に収納されてもよく、また、補償回路もヒューズハウジング内に収納されてもよい。一実施形態における検出システムは、ヒューズホルダをさらに備え、補償回路はヒューズホルダ上に設けられてもよい。別の実施形態における検出システムは、断路スイッチをさらに備え、補償回路は断路スイッチ上に設けられてもよい。検出システムは、補償回路と通信するように構成されたリーダ装置を含んでもよく、また、導体に関連付けられたラベルも含むことができ、リーダ装置は、ラベルを読み取り、導体を流れる電流を決定するためにラベルからの情報を利用するように構成される。
【0071】
さらなるオプションとして、補償回路はスタンドアロン電源を含んでもよく、補償回路は導体に交流電流を導入するように構成されてもよい。補償回路は分圧抵抗を含んでもよく、プロセッサは分圧抵抗の両端に検出される第2の電圧を受け取り、プロセッサ装置は受け取った第1及び第2の電圧に基づいて導体を流れる電流を決定するように構成される。
【0072】
ハウジング、第1及び第2の端子素子、及び電力システムに接続されるときに非線形抵抗を有するヒューズ素子を含む電気ヒューズと、ヒューズ素子と並列に接続され、そのヒューズ素子に電圧及び電流のうちの少なくとも1つを導入するように構成された補償回路と、ヒューズ素子の両端に検出された第1の電圧を受け取るプロセッサであって、その受け取った第1の電圧に基づいてヒューズ素子を流れる電流を決定するように構成されるプロセッサと、を含む、電流検出システムの別の実施形態が開示された。
【0073】
オプションで、補償回路はヒューズハウジング内に収納される。検出システムはヒューズホルダをさらに備えてもよく、補償回路はヒューズホルダ上に設けられてもよい。電流検出システムは断路スイッチを含んでもよく、補償回路は断路スイッチ上に設けられてもよい。電流検出システムは補償回路と通信するように構成されたリーダ装置をさらに含んでもよく、ラベルが電気ヒューズに関連付けられ、リーダ装置はそのラベルを読み取り、導体を流れる電流を決定するためにラベルからの情報を利用するように構成される。補償回路は分圧抵抗を含んでもよく、プロセッサは分圧抵抗の両端に検出された第2の電圧を受信し、プロセッサ装置は受け取った第1及び第2の電圧に基づいてヒューズ素子を流れる電流を決定するように構成される。
【0074】
電力システムにおける電流を検出する方法も開示された。本方法は、電力システムに接続されたときに非線形抵抗を有する導体を設けることと、導体と電気的並列に補償回路を接続することと、補償回路を用いて導体に電圧または電流のうちの1つを注入することと、導体の両端の電圧を検出することと、導体の両端の検出電圧に基づいて導体を流れる電流を計算することと、を含む。
【0075】
オプションで、電力システムに接続されたときに非線形抵抗を有する導体を設けることは、ヒューズ素子を含む電気ヒューズを設けることを含み、補償回路を導体と電気的並列に接続することは、補償回路をヒューズ素子と電気的並列に接続することを含む。ヒューズはヒューズハウジングを含んでもよく、補償回路をヒューズ素子と電気的並列に接続することは、補償回路をヒューズハウジング内に接続することを含んでもよい。
【0076】
この記載された説明は、最善の様式を含めて本発明を開示するために実施例を使用し、また当業者が本発明を実践することを可能にするためにも実施例を使用し、それには任意の装置またはシステムを作成しかつ使用すること及び組み込まれた方法を実行することが含まれる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、それらが請求項の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが請求項の文字通りの言葉との実質的な相違がない同等の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。