(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
F04B49/06 321Z
(21)【出願番号】P 2018535083
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2017043315
(87)【国際公開番号】W WO2019106831
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-11-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大東 広治
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-174980(JP,A)
【文献】特開2007-298011(JP,A)
【文献】特開平09-088902(JP,A)
【文献】特開2008-303813(JP,A)
【文献】特開2006-046292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 1/29、49/06
F15B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行が可能な左右の走行装置にそれぞれ設けられた第1および第2の油圧モータと、
前記第1および第2の油圧モータにそれぞれ対応して作動油を供給するために設けられる第1および第2の油圧ポンプと、
前記第1および第2の油圧ポンプの吐出量を調整する斜板にそれぞれ対応して設けられ、前記斜板の角度を検出する第1および第2の斜板角センサと、
前記第1および第2の油圧ポンプの理想の吐出量を設定する吐出量設定部と、
前記第1および第2の斜板角センサの検出結果に応じた吐出量が前記理想の吐出量となるように、予め規定された前記斜板の角度を調整する指令値と吐出量との関係に基づいて、前記第1および第2の油圧ポンプの吐出量を調整する斜板の角度をそれぞれ調整する指令値を補正する指令値制御部とを備え、
前記指令値制御部は、
前記斜板の角度を調整する指令値を設定する指令値設定部と、
前記第1および第2の斜板角センサの検出結果に応じた吐出量が前記理想の吐出量となるように前記指令値設定部で設定された指令値を補正する指令値補正部とを含み、
前記指令値補正部は、
斜板式の前記第1および第2の油圧ポンプの指令電流のヒステリシス特性に基づく吐出量のずれを抑制するために前記斜板の角度を調整する指令値と吐出量との関係を規定したテーブルを参照して、前記指令値を補正する、作業機械。
【請求項2】
前記指令値補正部は、前記斜板が最大および最小の傾倒角度の間の角度である場合に前記指令値を補正する、請求項1記載の作業機械。
【請求項3】
前記第1および第2の油圧ポンプの理想の吐出量は、走行レバーの操作状態に基づいて設定される、請求項1記載の作業機械。
【請求項4】
前記第1および第2の斜板角センサは、前記斜板の最大および最小の傾倒角度の間の角度を検出する、請求項1記載の作業機械。
【請求項5】
走行が可能な左右の走行装置にそれぞれ設けられた第1および第2の油圧モータにそれぞれ対応して作動油を供給するために設けられる第1および第2の油圧ポンプと、前記第1および第2の油圧ポンプの吐出量を調整する斜板にそれぞれ対応して設けられ、前記斜板の角度を検出する第1および第2の斜板角センサと、前記第1および第2の油圧ポンプの理想の吐出量を設定する吐出量設定部とを含む、作業機械の制御方法であって、
前記第1および第2の斜板角センサの検出結果を受け付けるステップと、
前記第1および第2の斜板角センサの検出結果に応じた吐出量が前記理想の吐出量となるように、予め規定された前記斜板の角度を調整する指令値と吐出量との関係に基づいて、前記第1および第2の油圧ポンプの吐出量を調整する斜板の角度をそれぞれ調整する前記斜板の角度を調整する指令値を補正するステップとを備え、
前記指令値を補正するステップは、
前記斜板の角度を調整する指令値を設定するステップと、
前記第1および第2の斜板角センサの検出結果に応じた吐出量が前記理想の吐出量となるように、設定された指令値を
斜板式の前記第1および第2の油圧ポンプの指令電流のヒステリシス特性に基づく吐出量のずれを抑制するために前記斜板の角度を調整する指令値と吐出量との関係を規定したテーブルを参照して補正するステップとを含む、作業機械の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ポンプを備えた作業機械および作業機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両は、油圧ポンプと油圧モータとを備えており、油圧ポンプから吐出された作動油によって油圧モータが駆動されることにより走行する。油圧ポンプとしては、斜板の姿勢が変更されることによって吐出量を変更することができる可変容量型の油圧ポンプが用いられる。
【0003】
作業車両では、斜板の姿勢は、斜板を移動させるレギュレータの制御油圧を油圧センサによって検知することにより、或いは、制御油圧を制御する比例ソレノイド弁への指令電流を検知することによって、制御される(特許文献1,2参照)。
【0004】
オペレータは、2本の走行レバーを操作して左右の走行装置に搭載された油圧モータをそれぞれ駆動する。左右の油圧モータに別個の油圧ポンプから作動油が供給される場合、作業車両の直進性を確保するため、2本の走行レバーの操作量を同じにしたときには、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動油の吐出量は左右で同じになることが望ましい。
【0005】
ところが、指令電流に対する油圧ポンプの吐出量はヒストリシス特性を有する。油圧ポンプのヒシテリシス特性により走行レバーの操作量が同じであるにも関わらず、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動油の吐出量は左右で異なり、走行曲がりが生じる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-177635号公報
【文献】特開2010-174980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、走行曲がりを抑制することが可能な作業機械および作業機械の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある局面に従う作業機械は、第1および第2の油圧モータと、第1および第2の油圧モータにそれぞれ対応して作動油を供給するために設けられる第1および第2の油圧ポンプと、第1および第2の油圧ポンプの吐出量を調整する斜板にそれぞれ対応して設けられ、斜板の角度を検出する第1および第2の斜板角センサと、第1および第2の油圧ポンプの理想の吐出量を設定する吐出量設定部と、第1および第2の斜板角センサの検出結果に応じた吐出量が理想の吐出量となるように斜板の角度を調整する指令値を補正する指令値制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
作業機械および作業機械の制御方法は、走行曲がりを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施形態に基づく油圧ショベル100が備える油圧システムの構成について説明する図である。
【
図3】実施形態に基づく油圧ポンプの構成を説明する図である。
【
図4】実施形態に基づく運転室4の構成を説明する図である。
【
図5】実施形態に基づく油圧ポンプの特性について説明する図である。
【
図6】実施形態に基づく調整テーブルについて説明する図である。
【
図7】実施形態に基づく油圧ポンプを制御するポンプコントローラ52の機能について説明する図である。
【
図8】実施形態に基づく走行レバーの操作量と吐出量との関係を説明する図である。
【
図9】実施形態に基づく
指令値設定部524からサーボバルブへ出力される指令電流の一例を説明する図である。
【
図10】実施形態の変形例に基づく油圧ポンプの制御を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じであるためそれらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下の説明において、「上」「下」「前」「後」「左」「右」とは、運転席に着座したオペレータを基準とする用語である。
【0012】
<作業機械の全体構成>
図1は、実施形態に基づく作業機械の斜視図である。
【0013】
図1に示されるように、作業機械である油圧ショベル100は、車両本体1と作業機2とを有する。
【0014】
車両本体1は、旋回体である上部旋回体3と走行体としての走行装置5とを有する。上部旋回体3は、機関室3EGの内部に、動力発生装置としての内燃機関及び油圧ポンプ等の装置を収容している。機関室3EGは、上部旋回体3の一端側に配置されている。
【0015】
実施形態において、油圧ショベル100は、動力発生装置としての内燃機関に、例えばディーゼルエンジン等が用いられるが、動力発生装置はこのようなものに限定されない。
【0016】
油圧ショベル100の動力発生装置は、例えば、内燃機関と発電電動機と蓄電装置とを組み合わせたハイブリッド方式の装置であってもよい。
【0017】
油圧ショベル100の動力発生装置は、内燃機関を有さず、蓄電装置と発電電動機とを組み合わせたものであってもよい。
【0018】
上部旋回体3は、運転室4を有する。運転室4は、上部旋回体3の他端側に設置されている。運転室4は、機関室3EGが配置されている側とは反対側に設置されている。運転室4内には、
図2に示される機械モニタ65及び操作装置60が配置される。上部旋回体3の上方には、手す
りが取り付けられている。
【0019】
走行装置5は、上部旋回体3を有する。走行装置5は、履帯5a,5bを有する。走行装置5は、左右に設けられた油圧モータの一方又は両方が履帯5a、5bを駆動して回転させることにより、油圧ショベル100を走行させる。作業機2は、上部旋回体3の運転室4の側方に取り付けられている。
【0020】
本例においては、履帯5a,5bに対して独立に油圧モータが設けられる。走行装置5は、履帯5aおよび油圧モータで構成される右走行装置と、履帯5bおよび油圧モータで構成される左走行装置とを含む。
【0021】
油圧ショベル100は、履帯5a、5bの代わりにタイヤを備え、エンジンの駆動力を、トランスミッションを介してタイヤへ伝達して走行が可能な走行装置を備えたものであってもよい。このような形態の油圧ショベル100としては、例えば、ホイール式油圧ショベルがある。
【0022】
油圧ショベル100は、例えばバックホウローダであってもよい。
上部旋回体3は、作業機2及び運転室4が配置されている側が前であり、機関室3EGが配置されている側が後である。前に向かって左側が上部旋回体3の左であり、前に向かって右側が上部旋回体3の右である。上部旋回体3の左右方向は、幅方向とも言う。油圧ショベル100又は車両本体1は、上部旋回体3を基準として走行装置5側が下であり、走行装置5を基準として上部旋回体3側が上である。油圧ショベル100の前後方向がx方向、幅方向がy方向、上下方向がz方向である。油圧ショベル100が水平面に設置されている場合、下は鉛直方向である重力の作用方向側であり、上は鉛直方向とは反対側である。
【0023】
作業機2は、ブーム6とアーム7と作業具であるバケット8とブームシリンダ10とアームシリンダ11とバケットシリンダ12とを有する。ブーム6の基端部は、ブームピン13を介して車両本体1の前部に取り付けられている。アーム7の基端部は、アームピン14を介してブーム6の先端部に取り付けられている。アーム7の先端部には、バケットピン15を介してバケット8が取り付けられている。バケット8は、バケットピン15を中心として動く。バケット8は、バケットピン15とは反対側に複数の刃が取り付けられている。刃先は、刃の先端である。
【0024】
バケット8は、複数の刃を有していなくてもよい。
図1に示すような刃を有しておらず、刃先が鋼板によってストレート形状に形成されたようなバケットであってもよい。作業機2は、例えば、単数の刃を有するチルトバケットを備えていてもよい。チルトバケットとは、バケットチルトシリンダを備え、バケットが左右にチルト傾斜することで油圧ショベルが傾斜地にあっても、斜面、平地を自由な形に成形、整地をすることができ、底板プレートによる転圧作業もできるバケットである。この他にも、作業機2は、バケット8の代わりに、法面バケット又は削岩用のチップを備えた削岩用のアタッチメント等を作業具として備えてもよい。
【0025】
図1に示されるブームシリンダ10とアームシリンダ11とバケットシリンダ12とは、それぞれ作動油の圧力(以下、適宜、油圧という)によって駆動される油圧シリンダである。ブームシリンダ10はブーム6を駆動して、これを昇降させる。アームシリンダ11は、アーム7を駆動して、アームピン14の周りを動作させる。バケットシリンダ12は、バケット8を駆動して、バケットピン15の周りを動作させる。
【0026】
ブームシリンダ10、アームシリンダ11及びバケットシリンダ12等の油圧シリンダと
図2に示される油圧ポンプ31,32との間には、方向制御弁が設けられている。方向制御弁は、油圧ポンプ31,32からブームシリンダ10、アームシリンダ11及びバケットシリンダ12等に供給される作動油の流量を制御するとともに、作動油が流れる方向を切り替える。方向制御弁は、走行モータを駆動するための走行用方向制御弁と、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12及び上部旋回体3を旋回させる旋回モータを制御するための作業機用方向制御弁とを含む。
【0027】
<油圧システムの構成>
図2は、実施形態に基づく油圧ショベル100が備える油圧システムの構成について説明する図である。
【0028】
図2に示されるように、油圧システムは、油圧ポンプ31,32がエンジン33によって駆動され、一対の油圧ポンプ31,32から吐出された作動油が各種の制御弁を介して、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12、一対の油圧モータ34,35、旋回モータなどの油圧アクチュエータに供給および排出されるように構成されている。
【0029】
油圧アクチュエータへの油圧の供給および排出が制御されることにより、作業機2の動作、旋回体の旋回、および走行体の走行動作が制御される。なお、
図2においては、作業機2の油圧シリンダのうちブームシリンダ10のみを図示しており、アームシリンダ11、バケットシリンダ12は省略している。
【0030】
エンジン33は、ディーゼルエンジンであり、燃料噴射装置36からの燃料の噴射量が調整されることにより、エンジン33の出力が制御される。燃料噴射量の調整は、燃料噴射装置36がエンジンコントローラ51によって制御されることで行われる。なお、エンジン33の実回転数は、回転数センサ37にて検出され、その検出信号は、エンジンコントローラ51およびポンプコントローラ52にそれぞれ入力される。
【0031】
一対の油圧ポンプ31,32は、エンジン33によって駆動され、作動油を吐出する。一対の油圧ポンプ31,32には、第1油圧ポンプ31と第2油圧ポンプ32とがある。
【0032】
第1油圧ポンプ31は、斜板41の傾転角(以下、単に「角度」と呼ぶ)が変更されることにより吐出容量を変化させる可変容量型の油圧ポンプである。斜板41には、サーボピストン42が連結されており、サーボピストン42が駆動されることによって斜板41の角度が変更される。これにより、第1油圧ポンプ31の吐出容量が制御される。サーボピストン42を駆動するための油圧は、サーボバルブ43によって制御される。サーボバルブ43は、ポンプコントローラ52から出力される電流量に従ってサーボピストン42へ供給する油圧を制御する。
【0033】
なお、第1油圧ポンプ31の吐出圧(以下、「ポンプ圧」と呼ぶ)は、ポンプ圧センサ45aによって検出され、その検出信号は、ポンプコントローラ52に入力される。また、第1油圧ポンプ31から吐出された作動油は、自己圧減圧弁38によって一定の圧力に減圧されて、各種の制御弁のパイロット用に供給される。
【0034】
斜板41の角度は、斜板角センサ53によって検知される。
サーボピストン42は、サーボバルブ43から供給される油圧によって、軸方向に移動する。サーボピストン42には、ロッカカムが連結されており、サーボピストン42が軸方向に移動することによって、ロッカカムが回転する。ロッカカム39には斜板41が連結されており、ロッカカム39が回転することによって斜板41の角度が変更される。
【0035】
斜板角センサ53は、斜板41の角度を検知する。斜板角センサ53が検知した斜板41の角度は検知信号としてポンプコントローラ52に入力される。
【0036】
第2油圧ポンプ32は、斜板46の角度が変更されることにより吐出容量を変化させる可変容量型の油圧ポンプである。第2油圧ポンプ32は、第1油圧ポンプ31と同様の構成である。
【0037】
第2油圧ポンプ32に付設されたサーボピストン47、サーボバルブ48、斜板角センサ54は、それぞれ、第1油圧ポンプ31に付設されたサーボピストン42、サーボバルブ43、斜板角センサ53と同様の構成である。
【0038】
第2油圧ポンプ32のポンプ圧は、ポンプ圧センサ45bによって検出され、その検出信号は、ポンプコントローラ52に入力される。
【0039】
一対の油圧モータ34,35は、第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32から吐出された作動油によって駆動される。上述したように、一対の油圧モータ34,35には、第1油圧モータ34と第2油圧モータ35とがある。第1油圧モータ34は、右走行装置を駆動する。第2油圧モータ35は、左走行装置を駆動する。
【0040】
制御弁は、後述する操作装置60の操作に応じて制御され、各油圧アクチュエータに供給される油圧を制御する。制御弁には、第1モータ制御弁71と、第2モータ制御弁72と、作業機制御弁73と、走行スピード切換弁75とがある。
【0041】
第1モータ制御弁71は、第1油圧ポンプ31と第1油圧モータ34とを接続する第1流路76中に設けられている。第1モータ制御弁71は、供給されるパイロット圧に応じて、第1油圧モータ34に供給される作動油の流量および作動油の供給方向を制御する。
【0042】
第2モータ制御弁72は、第2油圧ポンプ32と第2油圧モータ35とを接続する第2流路77中に設けられている。第2モータ制御弁72は、供給されるパイロット圧に応じて、第2油圧モータ35に供給される作動油の流量および作動油の供給方向を制御する。
【0043】
作業機制御弁73は、第1流路76から分岐して油圧シリンダに接続される第3流路78中に設けられている。作業機制御弁73は、供給されるパイロット圧に応じて、油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御する。
【0044】
走行スピード切換弁75は、ポンプコントローラ52からの制御信号に応じてレギュレータ34a,35aを制御する。レギュレータ34a,35aは、第1油圧モータ34の斜板34bおよび第2油圧モータ35の斜板35bの角度を変更する機構である。従って、走行スピード切換弁75は、第1油圧モータ34および第2油圧モータ35の斜板34b,35bの角度を制御する。なお、走行スピード切換弁75は、ポンプコントローラ52からの制御信号に応じて制御される電磁弁である。
【0045】
上記の制御弁71,72,73,75は、オペレーターが操作装置60を操作することによって制御される。操作装置60は、運転室4内に設けられており、燃料ダイヤル61、一対の走行レバー62,63、作業機レバー64、機械モニタ65を有する。
【0046】
燃料ダイヤル61は、エンジン33の回転数を変更するためにオペレーターによって操作される部材である。燃料ダイヤル61は最大状態から最小状態までの間で複数段階に設定することができる。燃料ダイヤル61が操作されると、燃料ダイヤル61の操作量に応じたスロットル信号がポンプコントローラ51を介してエンジンコントローラ52に入力される。
【0047】
一対の走行レバー62,63は、油圧ショベル100の走行を操作するためにオペレーターによって操作される部材である。走行レバー62,63には、第1走行レバー62と第2走行レバー63とがある。
【0048】
第1走行レバー62が操作されると、その操作量に対応したパイロット圧が第1モータ制御弁71に供給される。これにより、第1油圧モータ34への作動油の流量が制御され、右走行装置の出力が制御される。第2走行レバー63が操作されると、その操作量に対応したパイロット圧が第2モータ制御弁72に供給される。これにより、第2油圧モータ35への作動油の流量が制御され、左走行装置の出力が制御される。
【0049】
第1走行レバー62の操作方向に応じて第1油圧モータ34の回転方向が切り換えられる。また、第2走行レバー63の操作方向に応じて第2油圧モータ35の回転方向が切り換えられる。これにより、油圧ショベル100の前進と後進とが切り換えられる。
【0050】
以上のように、オペレーターは、一対の走行レバー62,63を操作することによって、油圧ショベル100の走行動作を制御することができる。
【0051】
なお、第1走行レバー62の前進方向への操作量に対応したパイロット圧は、走行PPC圧センサ55によって検出される。第1走行レバー62の後進方向への操作量に対応したパイロット圧は、走行PPC圧センサ56によって検出される。また、第2走行レバー63の前進方向への操作量に対応したパイロット圧は、走行PPC圧センサ57によって検出される。第2走行レバー63の後進方向への操作量に対応したパイロット圧は、走行PPC圧センサ58によって検出される。これらの走行PPC圧センサ55~58によって検出されたパイロット圧は、検出信号としてポンプコントローラ52に入力される。
【0052】
作業機レバー64は、作業機2を操作するためにオペレーターによって操作される部材である。作業機レバー64が操作されると、その操作内容に対応したパイロット圧が作業機制御弁73に供給される。これにより、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12、旋回モータへの供給油圧が制御され、作業機2の動作および上部旋回体3の旋回動作が制御される。なお、作業機レバー64の操作内容に対応したパイロット圧(作業機制御弁73に供給されるパイロット圧)は、作業機PPC圧センサ59によって検出され、その検出信号がポンプコントローラ52に入力される。
【0053】
機械モニタ65は、ポンプコントローラ52から各種の信号を受け取り、燃料量や水温などの各種の情報を表示する。また、機械モニタ65は、油圧ショベル100の各種の設定を入力するための操作ボタンを有しており、例えば、機械モニタ65によって作業モードを選択することができる。作業モードには、例えば、高出力を優先させるモードおよび燃費を優先させるモードなどがある。
【0054】
また、機械モニタ65の操作ボタンには、走行スピード切換スイッチ66が含まれる。走行スピード切換スイッチ66は、走行スピードモードを切り換えるためにオペレーターによって操作される。走行スピード切換スイッチ66は、Hi状態とLow状態とに切換可能である。走行スピード切換スイッチ66がHi状態である場合は、走行スピード切換弁75は、第1油圧モータ34および第2油圧モータ35の斜板34b,35bの角度を高速走行に適した角度に設定する。第1油圧モータ34および第2油圧モータ35の容量が小さくなるように斜板34b,35bの角度が設定される。走行スピード切換スイッチ66がLow状態である場合は、走行スピード切換弁75は、第1油圧モータ34および第2油圧モータ35の斜板34b,35bの角度を低速走行に適した角度に設定する。第1油圧モータ34および第2油圧モータ35の容量が大きくなるように斜板34b,35bの角度が設定される。
【0055】
エンジンコントローラ51は、燃料ダイヤル61からのスロットル信号および設定された作業モードに応じて、エンジン出力トルク特性を選択し、選択したエンジン出力トルク特性に基づいて燃料噴射装置36を制御する。
【0056】
ポンプコントローラ52は、斜板41,46の角度を制御することによって、油圧ポンプ31,32のポンプ吸収トルクを制御する。
【0057】
<油圧ポンプの構成>
図3は、実施形態に基づく油圧ポンプの構成を説明する図である。
【0058】
図3には、油圧ポンプとして斜板式のピストンポンプが示される。
シャフト81とともに回転するシリンダブロック82のシリンダ孔83にピストン84を嵌挿して室85を形成し、ピストン84に取付けたシュー86を斜板(ロッカカム)87に沿って摺動自在とし、ピストン84の往復動によって室85の容積を増減することで弁板88の高圧ポート89、低圧ポート90から流体を吸込み、吐出するものが知られている。
【0059】
シャフト81と共にシリンダブロック82が回転して、シュー86は平面Aを摺動する。この時ロッカカム87が円筒面Bに沿って移動することにより、ロッカカム87の平面Aに垂直で揺動回転中心を通る線Xとシリンダブロック82の軸方向に対する傾きαが変化する。このαを斜板角という。
【0060】
ロッカカム87がシリンダブロック82の軸方向に対して斜板角αを持った状態では、平面Aはシュー86に対してカムの働きをする。これにより、ピストン84はシリンダブロック82のシリンダ孔83内を摺動運動し、シリンダブロック82の室85内の容積E,Fに差が生じて、この差F-Eだけ吸込み、吐出を行なう。
【0061】
シリンダブロック82が回転し、室85の容積Eが縮小するとその過程で油は吐出される。一方室85の容積Fは拡大していき、その過程で油が吸込まれる。
【0062】
<運転室の構成>
図4は、実施形態に基づく運転室4の構成を説明する図である。
【0063】
図4に示されるように、運転席に着座したオペレータが操作可能な操作装置60が設けられる。
【0064】
一例として、油圧ショベル100の走行を操作するための第1走行レバー62および第2走行レバー63が運転席に対して前方に設けられる。
【0065】
また、運転席近傍には、作業機レバー64が左右に設けられている。作業機レバー64を操作することにより作業機2が動作する。
【0066】
また、左側前方には、機械モニタ65が設けられており、当該機械モニタ65に表示された内容を確認しながら作業することが可能となっている。
【0067】
また、運転席の側方右側には燃料ダイヤル61が設けられている。
【0068】
<油圧ポンプの特性>
図5は、実施形態に基づく油圧ポンプの特性について説明する図である。
【0069】
図5に示されるように、油圧ポンプは、斜板式のピストンポンプであるためヒステリシス特性を有する。この点で、指令電流上昇時と指令電流下降時とで油圧ポンプから吐出される作動油の吐出量が異なる。
【0070】
具体的には、指令電流の電流値が同じ場合であっても、指令電流上昇時の電流値に対する吐出量よりも指令電流下降時の電流値に対する吐出量の方が大きい。
【0071】
また、別の観点からすれば、油圧ポンプから吐出する作動油をある吐出量に設定する場合、指令電流上昇時の際の電流値の方が、指令電流下降時の際の電流値よりも大きく設定する必要がある。
【0072】
本実施形態においては、当該ヒステリシス特性による吐出量のずれを抑制するために調整テーブルを生成する。
【0073】
図6は、実施形態に基づく調整テーブルについて説明する図である。
図6に示されるように、指令電流上昇時に斜板の最大の傾斜角度に到達した場合の指令電流値Amaxを検出する。また、指令電流下降時に斜板の最小の傾斜角度に到達した場合の指令電流値Aminを検出する。また、斜板について、最大の傾斜角度に到達した場合の吐出量Q2と、最小の傾斜角度に到達した場合の吐出量Q1とが示されている。
【0074】
これにより、指令電流Aminと吐出量Q1および指令電流Amaxと吐出量Q2とを結ぶことにより調整ラインLを設定することが可能である。
【0075】
本例においては、当該調整ラインLを用いて油圧ポンプを制御する。
なお、本例においては、電流上昇時に斜板の最大の傾斜角度に到達した場合の指令電流値Amaxを検出する。また、電流下降時に斜板の最小の傾斜角度に到達した場合の指令電流値Aminを検出する。ある程度マージンを持たせることも可能である。具体的には、指令電流上昇時に斜板の最大の傾斜角度に到達してから所定量α分オフセットした値を指令電流値Amaxとして検出し、あるいは、指令電流下降時に斜板の最小の傾斜角度に到達し得てから所定量β分オフセットした値を指令電流値Aminとして検出しても良い。そして、当該データに基づいて調整ラインLを設定することも可能である。
【0076】
当該調整ラインLを用いることによりヒステリシス特性のずれを抑制することが可能である。
【0077】
図7は、実施形態に基づく油圧ポンプを制御するポンプコントローラ52の機能について説明する図である。
【0078】
図7には、ポンプコントローラ52は、指令値制御部527と、操作量検出部522と、吐出量設定部523とを含む。
【0079】
操作量検出部522は、第1および第2走行レバー62,63の操作量をそれぞれ検出する。
【0080】
吐出量設定部523は、操作量検出部522で検出された走行レバーの操作量に基づいて理想の吐出量を設定する。
【0081】
指令値制御部527は、吐出量設定部523で設定された吐出量となるように指令電流を補正してサーボバルブ43,48に出力する。
【0082】
指令値制御部527は、指令値設定部524と、指令値補正部526とを含む。
【0083】
指令値設定部524は、吐出量設定部523で設定された目標(理想)の吐出量に基づいて指令値を設定する。
【0084】
なお、本例においては、吐出量設定部523は、操作量検出部522で検出された走行レバーの操作量に基づいて理想の吐出量を設定する場合について説明するが、走行レバーの操作量に依らずに理想の吐出量を設定するようにしても良い。たとえば、車両の稼働状態(内部の制御パラメータ等)に基づいて理想の吐出量を設定することも可能である。また、走行レバーの操作量と車両の稼働状態とを組み合わせて理想の吐出量を設定することも可能である。
【0085】
図8は、実施形態に基づく走行レバーの操作量と吐出量との関係を説明する図である。
【0086】
図8に示されるように、走行レバーの操作量が大きくなるほど油圧ポンプからの吐出量が上昇する場合が示されている。走行レバーの操作量が0とは、走行レバーが中立位置にある場合を意味する。
【0087】
指令値設定部524は、操作量検出部522で検出された第1および第2走行レバー62,63の操作量に応じた
図8に示される油圧ポンプから吐出する吐出量となるように、
図6で説明した調整テーブルを用いて、指令電流を設定する。
【0088】
指令値設定部524は、設定した指令電流をサーボバルブ43,48にそれぞれ出力する。
【0089】
サーボバルブ43,48は、指令値設定部524から出力された指令電流に基づいてサーボピストン42,47へ供給する油圧を制御する。サーボピストン42が軸方向に移動することによって斜板41の角度が調整される。サーボピストン47が軸方向に移動することによって斜板46の角度が調整される。斜板41の角度に基づいて第1油圧ポンプ31から吐出される作動油の吐出量が調整される。斜板46の角度に基づいて第2油圧ポンプ32から吐出される作動油の吐出量が調整される。
【0090】
斜板角センサ53は、斜板41の角度を検出し、検出信号をポンプコントローラ52に出力する。斜板角センサ54は、斜板46の角度を検出し、検出信号をポンプコントローラ52に出力する。
【0091】
指令値補正部526は、斜板角センサ53,54からの検出信号に基づく作動油の実際の吐出量を算出する。
【0092】
指令値補正部526は、斜板角センサ53,54からの検出信号に基づく実際の作動油の吐出量と、
図8に示される第1および第2走行レバー62,63の操作量に応じた目標となる作動油の吐出量とを比較し、指令電流を補正するように指令値設定部524に指示する。
【0093】
具体的には、指令値補正部526は、実際の作動油の吐出量と、
図8に示される第1および第2走行レバー62,63の操作量に応じた目標となる作動油の吐出量とを比較し、実際の作動油の吐出量が目標となる作動油の吐出量よりも小さい場合には、指令電流が大きくなるように補正する。一方、指令値補正部526は、実際の作動油の吐出量と、
図8に示される第1および第2走行レバー62,63の操作量に応じた目標となる作動油の吐出量とを比較し、実際の作動油の吐出量が目標となる作動油の吐出量よりも大きい場合には、指令電流が小さくなるように補正する。
【0094】
指令値補正部526は、斜板角センサ53,54からの検出信号に基づいて指令電流を補正するフィードバック制御を実行する。
【0095】
なお、本実施形態では、指令値制御部527において、指令値補正部526が指令値設定部524に指令電流の補正を指示していたが、指令値設定部524で設定された指令電流を指令値補正部526で補正するようにしてもよい。この場合、指令値制御部527において、指令値設定部524の後段に指令値補正部526が存在することになる。
【0096】
図9は、実施形態に基づく
指令値設定部524からサーボバルブへ出力される指令電流の一例を説明する図である。
【0097】
指令値補正部526は、
図5のヒステリシス特性を有するポンプに対して、実際の作動油の吐出量が目標となる作動油の吐出量よりも大きい場合には、指令電流が小さくなるように補正する。これにより、
図9に示されるように、指令電流は、時間の経過とともに周期の振幅が収束していく一定の周期信号波形となる。
【0098】
当該方式により、第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32からの吐出量を目標となる作動油の吐出量に精度よく調整することが可能となる。精度の高い油圧ポンプの制御が可能である。
【0099】
実施形態において、オペレータは、第1走行レバー62を操作して左走行装置を駆動する。また、オペレータは、第2走行レバー63を操作して、右走行装置を駆動する。オペレータが、第1走行レバー62および第2走行レバー63の操作量を同じにした場合には、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動油の吐出量は左右で同じになるため駆動量は同じになる。
【0100】
一方で、従来は、油圧ポンプのヒシテリシス特性により走行レバーの操作状況によっては、操作量が同じであるにも関わらず、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動油の吐出量は左右で異なる可能性があった。そのため、走行曲がりが生じる可能性があった。
【0101】
実施形態に基づく方式により、油圧ポンプから吐出される作動油の吐出量を精度よく調整することが可能である。したがって、作動油の吐出量は左右で同じになるため駆動量は同じになり、走行曲がりを抑制し、直進走行が可能となる。
【0102】
従来は、走行曲がりを抑制するために、走行装置5の左右の油圧ポンプに対して同じ量の作動油が供給されるように油圧回路を連通させる走行連通弁が設けられる構成も採用されていた。これにより部品点数が増えるとともに、走行連通弁によって油圧モータのエネルギーのロスが生じていた。
【0103】
実施形態に基づく方式により、部品点数を削減することが可能となり、また、油圧モータのエネルギーのロスも解消されるため効率的な走行が可能となる。
【0104】
なお、上記においては、2つの油圧ポンプを制御する構成について説明したが、さらに複数の油圧ポンプを制御する場合についても同様に適用可能である。
【0105】
図10は、実施形態の変形例に基づく油圧ポンプの制御を説明する図である。
図10には、大型の油圧ショベルで用いられる4つの油圧ポンプを制御するポンプコントローラ52#が示されている。
【0106】
一例として、第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32と、第3油圧ポンプ131と第4油圧ポンプ132とが設けられる構成である。
【0107】
ポンプコントローラ52#は、第1油圧ポンプ31、第2油圧ポンプ32、第3油圧ポンプ131および第4油圧ポンプ132をそれぞれ制御する。
【0108】
具体的には、走行レバーのみ操作されている場合(作業機レバー等が操作されていない場合)には、第1~第4油圧ポンプ31,32,131,132は、走行装置5を駆動するために用いられる。
【0109】
一例として、第1油圧ポンプ31および第3油圧ポンプ131を用いて油圧モータ34に作動油を供給する。また、第2油圧ポンプ32および第4油圧ポンプ132を用いて油圧モータ35に作動油を供給する。
【0110】
一方、作業機2が動作している場合(作業機レバー等が操作されている場合)には、第3および第4油圧ポンプ131および132は、作業機2を駆動するために作動油を供給する。第1および第2油圧ポンプ31および32は、走行装置5を駆動するために作動油を供給する。
【0111】
ポンプコントローラ52#は、各油圧ポンプに対して上記の方式に従って制御し、作動油の吐出量を精度よく調整する。
【0112】
従来は、油圧ポンプのヒシテリシス特性により走行レバーの操作状況によっては、操作量が同じであるにも関わらず、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動油の吐出量は左右で異なる可能性があった。
【0113】
特に複数の油圧ポンプから油圧モータに作動油を供給する場合には、ばらつきが大きくなり走行曲がりが生じる可能性があった。
【0114】
実施形態に基づく方式により、各油圧ポンプから吐出される作動油の吐出量を精度よく調整することが可能である。したがって、複数の油圧ポンプから油圧モータに作動油を供給する場合であっても作動油の吐出量は左右で同じになるため駆動量は同じになり、走行曲がりを抑制し、直進走行が可能となる。
【0115】
なお、上記においては、主に走行装置の油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプについて説明したが、走行装置に限られず、他の装置の油圧モータに作動油を供給する場合でも同様に適用可能である。また、油圧モータに限られず、油圧シリンダ等、油圧アクチュエータであればどのようなものでも適用可能である。
【0116】
<電気方式の操作レバー>
実施形態において、操作装置60はパイロット油圧方式の操作レバーを有するが、電気方式の操作レバーを有してもよい。電気方式である場合、それぞれの操作量は、それぞれポテンショメータによって検出される。ポテンショメータによって検出された操作レバーの操作量は、ポンプコントローラ52によって取得される。
【0117】
電気方式の操作レバーの操作信号を検出したポンプコントローラ52は、パイロット油圧方式と同様の制御を実行する。
【0118】
作業機2は、ブーム6、アーム7、バケット8を有しているが、作業機2に装着されるアタッチメントはこれに限られず、バケット8には限定されない。作業機械は作業機を有していればよく、油圧ショベル100に限定されない。
【0119】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
1 車両本体、2 作業機、3 上部旋回体、3EG 機関室、4 運転室、5 走行装置、5a,5b 履帯、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、13 ブームピン、14 アームピン、15 バケットピン、52 ポンプコントローラ、53,54 傾斜角センサ、60 操作装置、522 操作量検出部、523 吐出量設定部、524 指令値設定部、526 指令値補正部、527 指令値制御部。