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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】鋭利な先端を有する成形研磨粒子
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20220610BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20220610BHJP
   B24D 11/00 20060101ALI20220610BHJP
   C01F 7/02 20220101ALI20220610BHJP
   C04B 35/111 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
C09K3/14 550D
B24D3/00 310E
B24D3/00 330E
B24D3/00 310D
B24D3/00 320A
B24D11/00 A
C01F7/02
C04B35/111 500
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019505210
(86)(22)【出願日】2017-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 US2017044566
(87)【国際公開番号】W WO2018026669
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/369,367
(32)【優先日】2016-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,ドゥワイト ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン,イアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ドッズ,ショーン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ステイ,マシュー エス.
(72)【発明者】
【氏名】カラー,スコット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ボーデン,ジョン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】クエイド,ウィリアム シー.
(72)【発明者】
【氏名】ソレム,ジョーゼフ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】アデフリス,ニーガス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャング,チャイニカ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー,グレゴリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】コルブ,ウィリアム ブレイク
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0068130(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000209(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0089881(US,A1)
【文献】特表2012-512048(JP,A)
【文献】特表2013-521144(JP,A)
【文献】特表2014-503367(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0291865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/14
B24B 3/00 - 3/60
B24B 21/00 - 39/06
B24D 3/00 - 99/00
C01F 1/00 - 17/38
C04B 35/00 - 35/553
H01L 21/304
H01L 21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形研磨粒子であって、
アルファ-アルミナを含み、
前記成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有し、
側壁によって互いに接続された第1及び第2の面を有し、
前記第1の面は、最大面であり、少なくとも3つの辺を有し、
前記成形研磨粒子は、4ミクロン~160ミクロンの粒径を有し、
前記成形研磨粒子の少なくとも1つの先端が、0.01ミクロン~4ミクロンの曲率半径を有し、
前記成形研磨粒子の少なくとも1つの先端が、前記最大面上の先端であり、
前記曲率半径は、前記成形研磨粒子の前記最大面と直交する方向で見たときに、会合して前記先端を形成する、前記成形研磨粒子の前記最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、前記先端の曲線が開始する点を通り、かつ、前記先端全体を包囲する、最小半径の円の半径である、
成形研磨粒子。
【請求項2】
複数の前記成形研磨粒子の前記最大面上の前記先端が、4ミクロン以下の平均曲率半径を有する、請求項1に記載の複数の成形研磨粒子。
【請求項3】
前記第1の面と前記第2の面とが互いに平行である、
請求項1に記載の成形研磨粒子。
【請求項4】
3.5ミクロン以下の曲率半径を有する少なくとも1つの先端を備える、請求項1に記載の成形研磨粒子。
【請求項5】
20ミクロン~160ミクロンの粒径を有する、請求項1に記載の成形研磨粒子。
【請求項6】
1.15より大きい体積アスペクト比を備え、前記体積アスペクト比は、前記成形研磨粒子の重心を通る最大断面積を、前記成形研磨粒子の重心を通る最小断面積で割った比である、請求項1に記載の成形研磨粒子。
【請求項7】
バッキングと、
前記バッキングの第1の主面上のメイクコートと、
前記メイクコート上の、請求項1に記載の複数の成形研磨粒子を含む研磨層と
を備えた、被覆研磨物品。
【請求項8】
前記研磨層が、成形されていない研磨粒子を更に含む、請求項7に記載の被覆研磨物品。
【請求項9】
前記成形研磨粒子の過半数が、前記成形研磨粒子の側壁によって前記メイクコートに接着している、請求項7に記載の被覆研磨物品。
【請求項10】
前記側壁によって前記メイクコートに接着している前記成形研磨粒子が、50度~85度の配向角度βを有する、請求項9に記載の被覆研磨物品。
【請求項11】
バッキングと、
前記バッキングの第1の主面上のメイクコートと、
前記メイクコート上の、複数の成形研磨粒子を含む研磨層と、
を備える被覆研磨物品であって、
複数の成形研磨粒子が、前記研磨層のうちの0.5重量%~100重量%であり、前記成形研磨粒子のそれぞれが、独立に、
90重量%~100重量%のアルファ-アルミナを含み、
前記成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有し、
側壁によって互いに接続された第1及び第2の面を有し、
前記第1の面は、最大面であり、少なくとも3つの辺を有し、
前記成形研磨粒子は、4ミクロン~160ミクロンの粒径を有し、
前記成形研磨粒子の最大面上の先端が、0.01ミクロン~4ミクロンの曲率半径を有し、前記曲率半径が、前記成形研磨粒子の最大面に直交する方向で見たときに、会合して前記先端を形成する、前記成形研磨粒子の最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、前記先端の曲線が開始する点を通り、かつ、前記先端全体を包囲する、最小円の半径である、被覆研磨物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
研磨粒子、及び研磨粒子から作製される研磨物品は、品物の製造において、広範な材料及び表面を、研磨する、仕上げる又は研削するのに有用である。例えば研磨粒子又は研磨物が使用中に研磨粒子を破断しないような低い圧力又は押し下げ力を伴う研磨方法において、研磨粒子又は研磨物品のコスト、性能又は寿命を改善する必要性が、引き続き存在する。
【発明の概要】
【0002】
様々な実施形態において、本発明は、セラミックを含む成形研磨粒子を提供する。成形研磨粒子は、成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有する。成形研磨粒子のうちの少なくとも1つの先端は、約19.2ミクロン以下の曲率半径を有する。
【0003】
様々な実施形態において、本発明は、研磨する方法を提供する。この方法は、複数の成形研磨粒子で基材を研磨することを含む。
【0004】
様々な実施形態において、本発明は、成形研磨粒子の製造方法を提供する。この方法は、出発材料組成物を金型内に載置することを含む。この方法は、出発原料組成物を金型内で硬化させて成形研磨粒子を形成することを含む。
【0005】
様々な実施形態において、本発明は、被覆研磨物品を提供する。被覆研磨物品は、バッキングを含む。被覆研磨物品は、バッキングの第1の主面上のメイクコートを含む。被覆研磨物品はまた、メイクコート上の、複数の成形研磨粒子を含む研磨層を含む。
【0006】
様々な実施形態において、本発明は、研磨する方法を提供する。この方法は、複数の成形研磨粒子を含む被覆研磨物品で基材を研磨することを含む。
【0007】
様々な実施形態において、本発明は、被覆研磨物品を提供する。被覆研磨物品は、バッキング、及びバッキングの第1の主面上のメイクコートを含む。被覆研磨物品は、メイクコート上の、複数の成形研磨粒子を含む研磨層も含む。複数の成形研磨粒子は、研磨層の約0.5重量%~約100重量%である。成形研磨粒子は、独立に、約100重量%のアルファ-アルミナを含み、成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有する。成形研磨粒子のそれぞれの最大面上の先端は、独立に、約5ミクロン以下の曲率半径を有する。曲率半径は、成形研磨粒子の最大面に直交する方向で見たときに、会合して先端を形成する、成形研磨粒子の最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通り、かつ先端全体を包囲する、最小円の半径である。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、他の、成形粒子、成形粒子の製造方法、成形粒子を含む物品、及び成形粒子を使用して研磨する方法を上回る様々な利点を有し、それらのうちの少なくともいくつかは、予想外のものである。例えば、一部の実施形態において、本発明の成形研磨粒子は、他の研磨粒子よりも優れた研磨性能を提供することができる。一部の実施形態において、本発明の成形研磨粒子は、基材を研磨するために使用されるとき、対応する条件下で使用される他の研磨粒子と比べて、高い切削率を付与することができる。
【0009】
一部の実施形態において、本発明の成形研磨粒子の製造方法は、成形研磨粒子を製造する他の方法よりも鋭利な先端を有する、及び他の方法よりも一貫して鋭利な先端を有する、成形研磨粒子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、例示的ではあるが限定的ではなく、本明細書で論じられる様々な実施形態を一般的に示す。
【0011】
図1】様々な実施形態による、三角形の形状を有する成形研磨粒子の上面図を示す。
【0012】
図2】様々な実施形態による、図1の成形研磨粒子の側面図を示す。
【0013】
図3】様々な実施形態による、先端の曲率半径の測定法を示す。
【0014】
図4】様々な実施形態による、図1の成形研磨粒子から作製された被覆研磨物品を示す。
【0015】
図5A】様々な実施形態による、成形研磨粒子の顕微鏡写真を示す。
図5B】様々な実施形態による、成形研磨粒子の顕微鏡写真を示す。
【0016】
図6】様々な実施形態による、いくつかの研磨粒子の総切削量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、開示された主題のいくつかの実施形態について細部にわたって言及する。実施形態の諸例は部分的に添付の図面に示されている。開示された主題は、列挙された請求項に関連して説明されるが、例示された主題は開示された主題に対する特許請求の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0018】
本明細書全体を通して、ある範囲形式で表された値は、その範囲の限度として明示された数値だけでなく、その範囲内に包含される全ての個々の数値又はサブ範囲もまた、それぞれの数値及びサブ範囲があたかも明示されているように含むものと柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」は、約0.1%~約5%を含むだけでなく、示された範囲の中に個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及びサブ範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)もまた含むと解釈されるべきである。表明「約X~Y」は、特に表記がない限り「約X~約Y」と同じ意味を持つ。同様に、表明「約X、Y、又は約Z」は、特に表記がない限り「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を持つ。
【0019】
本明細書では、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その(the)」は、文脈で特に明示されていない限り1つ又は1つ以上を含むものとして用いられる。用語「又は」は、特に表記がない限り、非排他的な「又は」を意味するために用いられる。表明「A及びBのうちの少なくとも1つ」は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を持つ。加えて、本明細書で用いられた表現又は用語は、特に定義されておらず、単に説明を目的としたものであり、それに限定するものではないことを理解されたい。節表題が用いられることがあれば本明細書の理解を助けるためのものであり、限定と解釈されるべきではない。すなわち、ある節に関連する通知を、その特定の節の中又は外で行うことができる。本明細書で言及される全ての出版物、特許、特許文献は、あたかも参照によって個々に組み込まれるように、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書と、参照することによってそのように組み込まれたこれらの文献との間に一致しない語法がある場合、組み込まれた参照文献の語法は、本明細書の語法の補足と解釈されるべきである。すなわち、相いれない不一致については本明細書の語法が支配する。
【0020】
本明細書に記載の方法では、時間的又は動作的な順序が明示されている場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく任意の順序で動作を実行することができる。更に、特定の複数の動作を、その動作が別個に行われることが明確な請求項用語で述べられていない限り、並行して行うことができる。例えば、特許請求されたXを行う動作と、特許請求されたYを行う動作とは、単一の操作の中で同時に行うことができ、結果として得られるプロセスは、特許請求されたプロセスの文字通りの範囲内に入る。
【0021】
本明細書で用いられる用語「約」は、ある程度の値又は範囲のばらつき、例えば、表明された値又は表明された範囲の限度の10%以内、5%以内、又は1%以内を許容することができ、厳密な表明値又は表明範囲を含む。
【0022】
本明細書で用いられる用語「実質的に」は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、若しくは少なくとも約99.999%以上のように、大部分若しくはほとんどを、又は100%を意味する。
【0023】
成形研磨粒子
様々な実施形態において、本発明は、成形研磨粒子を提供する。成形研磨粒子は、セラミックを含むことができる。成形研磨粒子は、成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有することができる。成形研磨粒子のうちの少なくとも1つの先端は、約19.2ミクロン以下の曲率半径を有することができる。
【0024】
成形研磨粒子の断面形状は、任意の好適な多角形形状とすることができ、例えば三角形、矩形、台形又は五角形である。
【0025】
成形研磨粒子は、約1.15より大きい体積アスペクト比を備えることができ、体積アスペクト比は、成形研磨粒子の重心を通る最大断面積を、成形研磨粒子の重心を通る最小断面積で割った比である。本発明の様々な実施形態において、成形研磨粒子の体積アスペクト比は、約1.15より大きく、又は約1.50より大きく、又は約2.0より大きくてもよく、又は約1.15~約10.0、又は約1.20~約5.0、又は約1.30~約3.0とすることができる。
【0026】
成形研磨粒子は、側壁によって互いに接続されている第1の面と第2の面とを含むことができ、第1の面と第2の面とは厚さtによって分離されている。成形研磨粒子は、第2の面と側壁との間の抜け勾配αを有することができる。抜け勾配αは、90度以外、例えば約95度~約130度とすることができる。
【0027】
様々な実施形態において、第1の面及び第2の面の外周は、任意の好適な多角形形状、例えば三角形、矩形、台形又は五角形とすることができる。第1の面及び第2の面の外周は、実質的に三角形とすることができる。
【0028】
図1及び図2を参照すると、成形研磨粒子20の実施形態が示されている。一部の実施形態において、成形研磨粒子は、90度以外の抜け勾配αを有して、本明細書で以後、勾配側壁と称される側壁22を含む。図1は、粒子20の開口側の面の上面図であり、図2は、図1の線4-4に沿った側面図である。成形研磨粒子20が作製される材料は、アルファ-アルミナを含む。
【0029】
一般に、成形研磨粒子20は、第1の面24と第2の面26とを有し、厚さtを有する薄いボディを含む。一部の実施形態において、厚さtは、約25マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲である。第1の面24と第2の面26とは、勾配側壁であってもよい少なくとも1つの側壁22によって互いに接続されている。一部の実施形態において、1つ以上の勾配側壁22が存在でき、各勾配側壁22の勾配又は角度は、同一であっても異なっていてもよい。一部の実施形態において、第1の面24は実質的に平面であり、第2の面26は実質的に平面であり、又は両方の面が実質的に平面である。あるいは、面は、凹状又は凸状の面でありうる。加えて、面を通る開口部又は穴が存在することができる。
【0030】
一実施形態において、第1の面24と第2の面26とは、互いに実質的に平行である。他の実施形態において、第1の面24と第2の面26とは、一方の面が他方の面に対して勾配していて、それぞれの面に接している想像線が1つの点で交差できるように、非平行とすることができる。成形研磨粒子20の側壁22は、多様であってもよく、それは一般に、第1の面24及び第2の面26の外周29を形成する。一実施形態において、第1の面24及び第2の面26の外周29は、幾何学的形状であるように選択され、第1の面24及び第2の面26は、同一の幾何学的形状を有するように選択され、しかしながら、それらはサイズが異なり、一方の面が他方の面より大きい。一実施形態において、第1の面24の外周29と、第2の面26の外周29とは、例示しているように、三角形である。
【0031】
図1への参照に戻ると、成形研磨粒子20は、基底52から研削先端54へと延びる長手方向軸50を含む。被覆研磨物品において、基底52の側壁22は、典型的に、メイクコート44によって、被覆研磨物品40中のバッキング42に接着している。
【0032】
少なくとも1つの先端の曲率半径は、先端を含む成形研磨粒子の面と直交する方向で見たときに、会合して先端を形成する、成形研磨粒子の面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通る、最小円の半径である。図3は、成形研磨粒子の先端の曲率半径を求める方法を例示している。図3は、成形研磨粒子100の区域を例示している。成形研磨粒子100の一区域のみが図3に示されており、粒子の残部は破線110で示されている。成形研磨粒子は、先端120を互いと共に形成する、面105の2つの辺115及び130を有する面105を含む。円140は、辺115が直線から曲線へ移行して先端120を形成するところの点125を通るように描かれている。円140はまた、辺130が直線から曲線へ移行して先端120を形成するところの点135も通る。円は、それが面105の場所において、点125と135との両方の点を通り、かつまた先端のどの部分も円140の境界線を横切らないように先端120を完全に包囲することも可能な最小円であるように描かれている。円140の半径(r)145は、先端120の曲率半径を表す。
【0033】
最大曲率半径は、研磨粒子が研磨用途に効果的であるような、任意の好適な値とすることができる。例えば、曲率半径は、約19.2ミクロン以下、約15ミクロン以下、約5ミクロン以下、約3ミクロン以下、又は約19ミクロン、18、17、16、15、14、13、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05ミクロン、約0.01ミクロン又はそれより小さい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きくすることができる。
【0034】
様々な実施形態において、最大曲率半径は、成形研磨粒子の全ての先端の平均曲率半径について、又は複数の成形研磨粒子の全ての先端の平均曲率半径について、規定することができる。例えば、複数の成形研磨粒子が備える先端は、約19.2ミクロンなどのおよそ最大以下の平均曲率半径を有する。
【0035】
最大曲率半径を有する少なくとも1つの先端は、粒子の開口側の面、例えば最大表面積を有する粒子の面、又は粒子を形成するために使用される金型の開放端における粒子の面(例えば最大面を形成する最大端)とすることができる。例えば、最大曲率半径を有する少なくとも1つの先端は、成形研磨粒子の最大面上の先端とすることができ、ここで、曲率半径は、成形研磨粒子の最大面と直交する方向で見たときに、会合して先端を形成する、成形研磨粒子の最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通り、かつ先端全体を包囲する、最小円の半径である。
【0036】
様々な実施形態において、最大曲率半径は、成形研磨粒子の全ての開口側の面の先端の平均曲率半径について、又は複数の成形研磨粒子の全ての開口側の面の先端の平均曲率半径について、規定することができる。例えば、複数の成形研磨粒子が備える開口側の面の先端は、約19.2ミクロンなどのおよそ最大以下の平均曲率半径を有する。成形研磨粒子は、側壁によって互いに接続されている第1の面と第2の面とを含むことができ、第1の面と第2の面とは互いに実質的に平行であり、第1の面は第2の面より大きい表面積を有する。第1の面は、成形研磨粒子の任意の面(例えば開口側の面)の最大表面積を有することができる。成形研磨粒子は、最大曲率半径を有する第1の面上に先端を含むことができ、又は第1の面上の全ての先端は、約19.2ミクロンなどの最大曲率半径を有することができる。
【0037】
セラミックは、研磨用途に好適である、任意の好適なセラミックとすることができる。セラミックは、無機、非金属、酸化物、窒化物、又は例えばアルミニウム、チタン、亜鉛、ホウ素、タングステン、ケイ素の炭化物材料、又はそれらの組み合わせとすることができる。セラミックは、カオリナイト、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、酸化ホウ素、炭化チタン、又はそれらの組み合わせとすることができる。セラミックは、アルミナ、例えばアルファ-アルミナとすることができる。セラミックは、成形研磨粒子のうちの任意の好適な割合、例えば成形研磨物品のうちの約50重量%~約100重量%、成形研磨物品のうちの約100重量%、又は約50重量%以下、又は約55重量%、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、99.99重量%、約99.999重量%又はそれより大きい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きくすることができる。
【0038】
成形研磨粒子は、任意の好適な粒径(例えば粒子の最大寸法)を有することができる。成形研磨粒子は、約4ミクロン(例えば約P6000)~約1800ミクロン(例えば約P12)、又は約25ミクロン(例えば約P600)~約70ミクロン(例えば約P220)、又は約4ミクロン以下、又は約5ミクロン、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、180、200、225、250、275、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,200、1,400、1,600ミクロン、約1,800ミクロン又はそれより大きい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい粒径を有することができる。
【0039】
成形研磨粒子の製造方法
様々な実施形態において、本発明は、成形研磨粒子の製造方法を提供する。この方法は、本明細書に記載の最大曲率半径を有する、実施形態の成形研磨物品を形成する、任意の好適な方法とすることができる。この方法は、出発材料組成物を金型内に載置することを含むことができる。この方法は、出発材料組成物を金型内で硬化させて成形研磨粒子を形成することを含むことができる。本明細書で使用されるとき、「硬化する」は、材料の硬化へと至らせる任意の化学的又は物理的変形を指す。硬化は、出発材料組成物を、それがセラミックへ変形するまで加熱することを含むことができる。
【0040】
出発材料組成物を金型内に載置させることは、任意の方法で実施することができる。一部の実施形態において、スクレーパ又はドローバーを、出発材料組成物を金型のキャビティ内へ完全に押し込むために使用することができる。
【0041】
出発原料組成物は、硬化して、成形研磨粒子、例えばセラミックを形成できる、任意の好適な出発材料組成物とすることができる。出発材料組成物は、加熱してセラミックを形成できる、揮発性成分中の材料の分散体を含むことができる。揮発性成分は、水とすることができる。分散された材料は、セラミックの前駆体とすることができる。例えば、アルミナセラミックについて、出発材料組成物は、酸化アルミニウム一水和物(例えばベーマイト)の水性ゾル又はゲルとすることができる。
【0042】
この方法は、出発材料組成物を金型内に載置する前に、離型コートを金型内に載置することを更に含むことができる。離型コートは、形成された成形研磨粒子が、金型への接着性がほとんどなしに又は全くなしに金型から離れることを可能にする。金型への接着性は、成形研磨粒子を金型から外すことを難しくするおそれがあり、それらが金型から外されるときに粒子の破砕を引き起こすおそれがある。他の実施形態において、出発材料組成物の金型内での載置及び硬化中、金型が離型剤を実質的に含まないことが可能である。
【0043】
離型コートは、成形研磨粒子を金型から離しやすくする、任意の好適な材料を含むことができる。例えば、離型コートとしては、ラッカセイ油、鉱油、魚油、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、黒鉛、又はそれらの組み合わせなどの離型剤が挙げられる。一部の実施形態において、離型コートの適用は、約0.1重量%~約5重量%の離型剤、例えば水又はアルコールなどの液体中ラッカセイ油を、金型へ適用することを含むことができる。
【0044】
離型コート又は離型剤が金型の角部に堆積すると、先端が鈍くなるおそれがある。離型剤を使用しないと極めて鋭利な先端を生成できるが、得られた硬化粒子は、形成する研磨粒子の画分を破断することが多い。生産用具の角部内の離型剤の量を制御することによって、先端の鋭利度を制御することができる。離型コーティング及び離型剤は、出発原料組成物の金型内での載置及び硬化中に鈍い先端を発生させるおそれのある、金型の角部内に不均一な領域を形成する離型コーティングを、回避する、低減させる又は最小化するのに十分な表面上濃度を有することができる。離型剤は、例えば実質的に均一な離型コーティングにおいて、金型上へ実質的に均一に分布させることができ、他の実施形態において、離型剤は、不均一に分散させることができる。一部の実施形態において、金型上の離型剤の濃度は、約0.001mg/インチ~約5.0mg/インチ、又は約0.01mg/インチ~約3.0mg/インチ、又は約0.001mg/インチ以下、又は約0.005mg/インチ、0.01、0.05、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、約3.0mg/インチ又はそれより大きい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きくすることができる。離型コーティングは、約0.001ミクロン~約1mm、又は約0.050ミクロン~約5ミクロン、又は約1ミクロン~約10ミクロン、又は約0.001ミクロン以下、又は約0.005ミクロン、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、200、500、約750ミクロン、又は約1mmの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい厚さを有することができる。離型コーティングは、任意の好適な方法、例えばブラシ、噴霧器、インクジェット、グラビア、スロットダイ又はナイフ、ノッチバー、テンションウェブ、絞りロール、ロールコーティング法、5本ロールコーティング、3本ロールコーティング、マイヤーロッドコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング、又はそれらの組み合わせで適用することができる。
【0045】
被覆研磨物品
様々な実施形態において、本発明は、被覆研磨物品を提供する。被覆研磨物品は、バッキング、及びバッキングの第1の主面上のメイクコートを含むことができる。被覆研磨物品は、メイクコート上の、本明細書に記載の最大曲率半径を有する複数の成形研磨粒子を含む研磨層を含むことができる。
【0046】
研磨層の又は研磨層中の研磨粒子の総量のうちの任意の好適な割合は、例えば約0.001重量%~約100重量%、又は約0.5重量%~約60重量%、約8重量%~約15重量%、又は約0.001重量%以下、又は0.01重量%、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、99.99、約99.999重量%又はそれより大きい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい成形研磨粒子とすることができる。
【0047】
研磨層は、成形されていない研磨粒子(例えば破砕された充填研磨粒子、例えば本質的にランダムな形状を有する粉砕されたアルミナ)を更に含むことができる。成形されていない研磨粒子は、任意の好適な粒径(例えば粒子の最大寸法)、例えば約4ミクロン(例えば約P6000)~約1800ミクロン(例えば約P12)、又は約25ミクロン(例えば約P600)~約70ミクロン(例えばP220)、又は約4ミクロン以下、又は約5ミクロン、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、180、200、225、250、275、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,200、1,400、1,600ミクロン、約1,800ミクロン又はそれより大きい値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きくすることができる。成形研磨粒子を含む研磨層中の成形されていない研磨粒子は、研磨層の残部又は研磨層のうちの任意の好適な割合、例えば研磨層の約0.001重量%~約99.999重量%、研磨層の約40重量%~約99.5重量%、約85重量%~約92重量%を占めることができる。
【0048】
成形研磨粒子は、成形研磨粒子の側壁を介して、メイクコートに接着させることができる。側壁によってメイクコートに接着している成形研磨粒子は、約50度~約85度の配向角度(orientation angle)βを有することができる。被覆研磨物品は、研磨層上にサイズコートを更に含むことができる。
【0049】
図4を参照すると、成形研磨粒子20は、複数の成形研磨粒子20を含む研磨層によって被われたバッキング42の第1の主面41を有する被覆研磨物品40を作製するために使用することができる。被覆研磨物品40は、第1の主面41上にわたるメイクコート44、及び例えば側壁22を介してメイクコート44に付着された複数の成形研磨粒子20を含む。サイズコート46は、成形研磨粒子20をバッキング42に更に付着させる又は接着させるために適用することができる。当業者に既知の任意選択のスーパーサイズコーティングもまた、適用されてもよい。
【0050】
図4を参照すると、被覆研磨物品40は、バッキング42の第1の主面41上にわたり適用された、バインダーの第1の層(本明細書でこれ以降、メイクコート44と称する)を有するバッキング42を含む。メイクコート44中に付着させる又は部分的に埋め込ませるものは、研磨層を形成する複数の成形研磨粒子20である。成形研磨粒子20上にわたるものは、バインダーの第2の層(これ以降、サイズコート46と称する)である。メイクコート44の目的は、成形研磨粒子20をバッキング42へ固定することであり、サイズコート46の目的は、成形研磨粒子20を補強することである。当業者に既知である任意選択のスーパーサイズコーティングもまた、適用されてもよい。成形研磨粒子20の過半数は、先端48(研削先端54、図1)又は頂点がバッキング42から離れ、かつ成形研磨粒子が側壁22で接地するように、配向される。勾配側壁が使用される場合、成形研磨粒子20は、一般に、図示しているように、尖端をなす又は傾斜している。
【0051】
傾斜している配向を更に最適化するために、勾配側壁を伴う成形研磨粒子を、オープンコート研磨層中のバッキング中へ適用する。本明細書で使用されるとき、クローズコート研磨層は、メーカーによる1回の通過において研磨物品のメイクコートへ適用されうる最大重量の研磨粒子又は研磨粒子のブレンドである。オープンコートは、被覆研磨物品のメイクコートへ適用される、適用されうる最大グラム重量より少なく検量した、研磨粒子の量、又は研磨粒子のブレンドの量である。オープンコート研磨層は、研磨粒子でのメイクコート被覆率が100%より低くなることになり、そのため粒子同士の間にオープン領域及び可視樹脂層を残す。本発明の様々な実施形態において、研磨層中のオープン面積百分率は、約10%~約90%、又は約30%~約80%、又は約40%~約70%とすることができる。
【0052】
一部の実施形態において、勾配側壁を有する成形研磨粒子がバッキングへ過剰量で適用された場合、メイクコート及びサイズコートを硬化する前に、それらが傾斜する又は尖端をなすために十分な、粒子同士の間の空間が存在しないことになる。本発明の様々な実施形態において、50、60、70、80又は90重量%より多い、オープンコート研磨層を有する被覆研磨物品中の成形研磨粒子は、90度より小さい配向角度βを有して鋭利になっている又は傾斜している(図4)。
【0053】
理論に縛られることは望まないが、90度より小さい配向角度βは、勾配側壁を伴う成形研磨粒子の、強化された切削性能を高めると考えられる。驚くことに、この結果は、被覆研磨物品内のZ軸についての成形研磨粒子の回転配向に関わりなく起きる傾向にある。図4が全ての粒子が同方向に位置合わせされているように理想的に示してはいるが、実際の被覆研磨ディスクは、ランダムに分布し回転している粒子を有しうる。研磨ディスクは回転しており、成形研磨粒子はランダムに分布しているので、いくつかの成形研磨粒子は、90度より小さい配向角度βにおいて被加工物中へ駆動されることになり、被加工物は最初に第2の面26を打撃し、一方、隣接する成形研磨粒子は、正確に180度で回転し、被加工物は、成形研磨粒子の裏側及び第1の面24を打撃しうる。粒子のランダムな分布及びディスクの回転により、成形研磨粒子の半分より少ない数が、第1の面24ではなく第2の面26を最初に打撃する被加工物を有しうる。しかしながら、規定された回転方向及び規定された被加工物との接触点を有する研磨ベルトについては、成形研磨粒子の勾配側壁をベルト上に位置合わせするようにして、各成形研磨粒子が90度より小さい配向角度βで走行し、図4で理想的に示しているように被加工物が第2の面26中へ最初に駆動することを確実にすることが可能でありうる。本発明の様々な実施形態において、被覆研磨物品の研磨層中における勾配側壁を有する成形研磨粒子の少なくとも大半についての配向角度βは、約50度~約85度の間、又は約55度~約85度、又は約60度~約85度、又は約65度~約85度、又は約70度~約85度、又は約75度~約85度、又は約80度~約85度とすることができる。
【0054】
メイクコート44及びサイズコート46は、樹脂性接着剤を含む。メイクコート44の樹脂性接着剤は、サイズコート46の樹脂性接着剤と同じであっても異なっていてもよい。これらのコートに好適な樹脂性接着剤の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アクリレート樹脂、アミノプラスト樹脂、メラミン樹脂、アクリル酸エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられる。樹脂性接着剤に加えて、メイクコート44若しくはサイズコート46、又は両方のコートは、例えば、充填剤、研削助剤、湿潤剤、界面活性剤、染料、顔料、カップリング剤、接着促進剤、及びそれらの組み合わせなどの、当技術分野で既知の添加剤を更に含んでもよい。充填剤の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレイ、メタケイ酸カルシウム、ドロマイト、硫酸アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
研削助剤は、被覆研磨物品へ適用することができる。本明細書で使用されるとき、研削助剤は、粒状材料であり、その添加は、研磨の化学的及び物理的プロセスに対して著しい効果を有し、そのため改善された性能をもたらす。研削助剤は、多様な異なる材料を包含し、無機であっても有機であってもよい。研削助剤の化学物質群の例としては、ワックス、有機ハライド化合物、ハロゲン化物塩、並びに金属及びそれらの合金が挙げられる。有機ハライド化合物は、典型的には、研磨中に分解し、ハロゲン酸又はガス状のハライド化合物を放出する。こうした材料の例としては、塩素化ワックス、例えばテトラクロロナフタレン、ペンタクロロナフタレン;及びポリ塩化ビニルが挙げられる。ハロゲン化物塩の例としては、塩化ナトリウム、カリウム氷晶石、ナトリウム氷晶石、アンモニウム氷晶石、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、フッ化ケイ素、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。金属の例としては、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、鉄及びチタンが挙げられる。他の研削助剤としては、硫黄、有機硫黄化合物、黒鉛及び金属硫化物が挙げられる。異なる研削助剤の組み合わせを使用することもまた、本発明の範囲内にあり、いくつかの事例において、これは、相乗的効果をもたらすことができる。一実施形態において、研磨助剤は、氷晶石又はテトラフルオロホウ酸カリウムとした。こうした添加剤の量は、所望の性質を付与するように調整することができる。スーパーサイズコーティングを利用することもまた、本発明の範囲内である。スーパーサイズコーティングは、典型的にはバインダー及び研削助剤を含有する。バインダーは、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、及びそれらの組み合わせなどの材料から形成することができる。
【0056】
成形研磨粒子20が、結合研磨物品、不織布研磨物品又は研磨ブラシにおいて利用されうることもまた、本発明の範囲内である。結合研磨材は、バインダーによって一緒に結合されて成形塊を形成する複数の成形研磨粒子20を含むことができる。結合研磨材のためのバインダーは、金属の、有機の又はガラス質とすることができる。不織布研磨材は、有機バインダーを介して繊維状の不織布ウェブに結合された複数の成形研磨粒子20を含む。
【0057】
被覆研磨物品の製造方法
様々な実施形態において、本発明は、被覆研磨物品の製造方法を提供する。この方法は、最大曲率半径を有する成形研磨粒子を含む、本明細書に記載の被覆研磨物品の実施形態を生じる任意の好適な方法とすることができる。この方法は、複数の成形研磨粒子を、バッキングの第1の主面上のメイクコートへ適用することを含むことができる。
【0058】
研磨する方法
様々な実施形態において、本発明は、研磨する方法を提供する。この方法は、最大曲率半径を有する本明細書に記載の複数の成形研磨粒子で基材を研磨することを含む。この方法は、本明細書に記載の成形研磨粒子の実施形態により基材を研磨することを含む、任意の好適な方法とすることができる。一部の実施形態において、この方法は、最大曲率半径を有する、本明細書に記載の複数の成形研磨粒子を含む被覆研磨物品で基材を研磨する方法とすることができる。
【0059】
一部の実施形態において、研磨中(例えば最初から最後までの研磨サイクル中)に、成形研磨粒子の過半数が破断しない。こうした用途において、研磨粒子の鋭利性は、驚くべきことに、研磨粒子の研磨性能に対して、例えば所定時間にわたり所定圧力を用いて切削される基材の量に対して、劇的な影響を及ぼすことができる。基材は、任意の好適な基材、例えば金属(例えば鋼)、塗料、ボディ充填剤、プライマー、木材、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【実施例
【0060】
本発明の様々な実施形態は、例示として提供される以下の実施例を参照することによってよりよく理解することができる。本発明は、本明細書に示された実施例に限定されない。
【0061】
実施例において使用する単位略語:℃:セ氏;cm:センチメートル;g/m:1平方メートル当たりのグラム;mm:ミリメートル;rpm:毎分回転数。
【0062】
材料。特に記載のない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、重量によるものである。実施例において使用した材料を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
曲率半径の一般的な測定方法。成形研磨粒子の平均曲率半径を、粒子の開口側の面先端の平均曲率半径として求めた。曲率半径は、開口側の面の先端を含む成形研磨粒子の開口側の面と直交する方向で見たときに、会合して先端を形成する、成形研磨粒子の開口側の面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通る、最小円の半径として求めた。4個の粒子から、12の半径の平均を取る。
【0065】
実施例1 成形研磨粒子の形成
以下のレシピを用いて、ベーマイトのゾル-ゲルのサンプルを作製した:商品名「DISPERAL」を有する酸化アルミニウム一水和物粉末(1600部)を、水(2400部)及び70%水性硝酸(72部)を含有する溶液と11分間、高せん断混合して分散させた。得られたゾル-ゲルを、コーティングする前に少なくとも1時間エージングした。ゾル-ゲルを、深さが2.67ミル(69ミクロン)でありそれぞれの辺が8ミル(203ミクロン)である三角形の形状をした金型キャビティを有する生産用具内へ押し込んだ。金型の側壁と底部との間の抜け勾配αは98度であった。このゾル-ゲルを、生産用具の開口部が完全に充填されるように、パテナイフでキャビティ内へ押し込んだ。金型の離型剤、メタノール中0.2%ラッカセイ油を使用して、生産用具内のオープンキャビティを充填するためにブラシを用いて、生産用具をコーティングした。余剰のメタノールを、フード内で室温にて蒸発させた。ゾル-ゲルコーティングした生産用具を室温にて少なくとも10分間空気乾燥させると、離型剤の濃度(メタノールの蒸発後)0.08mg/インチ、及びコーティングの平均厚さ(メタノールの蒸発前)138ミクロンが得られた。前駆体の成形研磨粒子は、超音波ホーン上を通過させることによって、生産用具から取り出した。前駆体の成形研磨粒子を、およそ650℃にてか焼し、次いで、以下の濃度の混合硝酸塩溶液(酸化物として報告)で飽和させた:MgO、Y、Nd及びLaそれぞれ1.8%。余剰の硝酸塩溶液を除去し、開口部を備えた飽和の前駆体の成形研磨粒子を乾燥させ、その後、粒子を再び650℃にてか焼し、およそ1400℃にて焼結した。か焼及び焼結の両方を、回転チューブキルンを用いて実施した。焼成させた成形研磨粒子(その顕微鏡写真を図5A及び図5Bに示す)は、約0.12ミリメートル(側長)×0.04ミリメートル厚さであった。得られた成形研磨粒子の平均曲率半径は、実施例において記載している曲率半径の一般的測定方法に従った測定で2.0ミクロンであった。
【0066】
実施例2 メイク樹脂及びサイズ樹脂の調製
メイク樹脂を、表2に列挙する組成に従って調製した。AMOX、EP1、EP2、CHDM及びPEPを、300rpmで走行する二軸押出成形機に直接計量し、30℃、105℃、110℃、100℃、65℃及び60℃の温度ゾーンにおいて毎時26~40キログラムの速度で混ぜ合わせた。次いで、この混ぜ合わせた樹脂を、1750rpmで走行するピンミキサーへ供給し、ACR、PC2、PC3、PC4及びPPCをピンミキサー中に直接計量し、およそ10分間混合した。
【0067】
【表2】
【0068】
サイズ樹脂プレミックスを、70%のEP3と30%のACRとを混合して調製した。このプレミックス55.06%へ、0.59%のW985、39.95%のMinex、3%のPC1、1%のIRG及び0.40%のPPを添加した。この配合物を、均質になるまで、24℃にて30分間撹拌した。
【0069】
実施例3A 被覆研磨物品の調製
坪量135~142g/mを有する紙製バッキング(Neenah Paper Inc.,Neenah,Wisconsinから入手)を使用し、上記手順通りに調製したメイク樹脂10g/mでコーティングした。このコーティングを、1組のDバルブ及び1組のVバルブを備えて両方とも1インチ当たり600ワット(1センチメートル当たり236ワット)で作動する紫外線硬化装置(Fusion UV Systems,Gaithersburg,Marylandから入手)へ曝露した。研磨粒子ブレンドを、上記手順通りに調製した10%の成形研磨粒子と、90%のALOとを混合して調製した。次いで、研磨粒子ブレンドを、静電塗装により、名目上の(nominal)塗装量37g/mでメイクコート上にコーティングした。次いで、ウェブを、100℃の名目上のウェブ温度設定で、約7秒間、赤外線ヒータに曝露する。次いで、サイズ樹脂を、名目上のドライコーティング重量37g/mで、メイク層及び研磨粒子上にロールコーティングした。得られた物品を、1組のHバルブ及び2組のDバルブを備えて3組全てが1インチ当たり600ワット(1センチメートル当たり236ワット)で作動する紫外線硬化装置(Fusion UV Systems,Gaithersburg,Marylandから入手)へ曝露した。次いで、それを、125℃の目標出口ウェブ温度を有する赤外線オーブンを通して処理した。ステアリン酸カルシウムスーパーサイズを、ロールコート技術を用いてコーティング重量10g/mで頂部上へ適用し、次いで60~90℃のゾーンの温度設定にて乾燥させた。乾燥後、被覆研磨材の細片は、当技術分野で公知のように、直径6インチ(15.24cm)のディスクに転換した。次いで、得られた被覆研磨物品を、試験するまで、24℃及び相対湿度40~60%に維持した。
【0070】
実施例3B 比較.被覆研磨物品の調製
使用した成形研磨粒子を、米国特許第8,142,531号に記載されている方法の詳細に従って調製したことを除き、実施例1に一般に記載した手順を繰り返した。成形研磨粒子は、0.12ミリメートル(側長)×0.04ミリメートル厚さとした。得られた成形研磨粒子の平均曲率半径は、本明細書に記載の方法に従った測定で4.45ミクロンであった。
【0071】
実施例3C 比較.被覆研磨物品の調製
被覆研磨ディスクを、3M Company,Saint Paul,Minnesotaから商品名「PURPLE CLEAN SANDINGH OOKIT DISC 334U」6インチ、P320グリットで得た。
【0072】
実施例4 成形研磨粒子の鋭利度の特徴付け
試験することになる直径6インチ(15.24cm)の研磨ディスクを、3M Company製の自発真空3/16軌道にある商品名「RANDOM ORBITAL SANDER ELITE SERIES」で得た二動作サンダーツール上に載せた。この工具を、自動車試験パネル(ACT,Hillsdale,Michiganから「59597」として得た)を有するX-Yテーブル上に、寸法18インチ(45.7cm)×24インチ(61.0cm)×0.036インチ(0.09cm)で載置し、X-Yテーブルに固定した。回転工具を作動させ、荷重なしで5250rpmで回転させた。次いで、研磨物品を、パネルに対して2.5度の角度で、13ポンド(5.90キログラム)の押し下げ力の荷重で押し付けた。次いで、この工具を、パネルの長さに沿ったY方向に3.50インチ/分(8.9cm/分)の速度で、及びパネルの幅に沿ったX方向に3.50インチ/分(8.9cm/分)の速度で横切るように設定した。合計3サイクルの各サイクルにおいてパネルの長さに沿ったこのような通過を7回完了した。各サイクルの前後でパネルの質量を測定して、各サイクル後の、OEMパネルのクリアコーティング層からのグラムでの質量損失量を求めた。総切削量を、試験終了時に、累積質量損失として求めた。表面仕上げを、マイクロインチ(1マイクロインチは25.4ナノメートル)での平均表面粗さとして、Mahr Federal Inc.,Providence,Rhode IslandからのMahr Perthometer M2などの接触式形状測定器を用いて測定した。試験結果を表3及び図6に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
用いられた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用されたものであり、このような用語及び表現を使用することに関して、図示及び説明された特徴又はその一部分のいかなる等価物も除外されるものではなく、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることを理解されたい。したがって、本発明は、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の修正形態及びバリエーションは当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及びバリエーションは本発明の実施形態の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
【0075】
追加の実施形態
以下に例示的実施形態が提示されるが、その番号付けは重要度を示すものと解釈されるべきではない。
【0076】
実施形態1は、成形研磨粒子であって、
セラミックを含み、
成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有し、
成形研磨粒子の少なくとも1つの先端が、約19.2ミクロン以下の曲率半径を有する、
成形研磨粒子を提供する。
【0077】
実施形態2は、少なくとも1つの先端の曲率半径は、先端を含む成形研磨粒子の面と直交する方向で見たときに、
会合して先端を形成する、成形研磨粒子の面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通り、かつ
先端全体を包囲する、
最小円の半径である、
実施形態1の成形研磨粒子を提供する。
【0078】
実施形態3は、少なくとも1つの先端が、成形研磨粒子の最大面上の先端であり、曲率半径は、成形研磨粒子の最大面に直交する方向で見たときに、
会合して先端を形成する、成形研磨粒子の最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通り、かつ
先端全体を包囲する、
最小円の半径である、
実施形態1又は2の成形研磨粒子を提供する。
【0079】
実施形態4は、複数の成形研磨粒子が備える先端が、約19.2ミクロン以下の平均曲率半径を有する、実施形態1~3のいずれか1つの複数の成形研磨粒子を提供する。
【0080】
実施形態5は、
側壁によって互いに接続されている第1の面と第2の面とを含み、第1の面と第2の面とが互いに実質的に平行であり、第1の面が第2の面より大きい表面積を有し、
約19.2ミクロン以下の曲率半径を有する少なくとも1つの先端が、成形研磨粒子の第1の面上の先端である、実施形態1~4のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0081】
実施形態6は、複数の成形研磨粒子の第1の面の先端が、約19.2ミクロン以下の平均曲率半径を有する、実施形態5の複数の成形研磨粒子を提供する。
【0082】
実施形態7は、セラミックが、成形研磨物品のうちの約50重量%~約100重量%である、実施形態1~6のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0083】
実施形態8は、セラミックが、成形研磨物品のうちの約100重量%である、実施形態1~7のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0084】
実施形態9は、セラミックが、カオリナイト、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、酸化ホウ素、炭化チタン、又はそれらの組み合わせである、実施形態1~8のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0085】
実施形態10は、セラミックが、アルミナである、実施形態1~9のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0086】
実施形態11は、セラミックが、アルファ-アルミナである、実施形態1~10のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0087】
実施形態12は、少なくとも1つの先端が、成形研磨粒子の開口側の面上における先端である、実施形態1~11のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0088】
実施形態13は、約15ミクロン以下の曲率半径を有する少なくとも1つの先端を備える、実施形態1~12のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0089】
実施形態14は、約5ミクロン以下の曲率半径を有する少なくとも1つの先端を備える、実施形態1~13のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0090】
実施形態15は、約3ミクロン以下の曲率半径を有する少なくとも1つの先端を備える、実施形態1~14のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0091】
実施形態16は、約4ミクロン~約1800ミクロンの粒径を有する、実施形態1~15のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0092】
実施形態17は、約25ミクロン~約70ミクロンの粒径を有する、実施形態1~16のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0093】
実施形態18は、断面形状が、三角形、矩形、台形又は五角形である、実施形態1~17のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0094】
実施形態19は、約1.15より大きい体積アスペクト比を備え、体積アスペクト比は、成形研磨粒子の重心を通る最大断面積を、成形研磨粒子の重心を通る最小断面積で割った比である、実施形態1~18のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0095】
実施形態20は、
側壁によって互いに接続され、厚さtによって分離されている、第1の面及び第2の面を含み、
第1の面と側壁との間の抜け勾配αを有する、
実施形態1~19のいずれか1つの成形研磨粒子を提供する。
【0096】
実施形態21は、第1の面及び第2の面の外周が、実質的に三角形である、実施形態20の成形研磨粒子を提供する。
【0097】
実施形態22は、抜け勾配αが、約95度~約130度である、実施形態20又は21の成形研磨粒子を提供する。
【0098】
実施形態23は、
実施形態1~22のいずれか1つの複数の成形研磨粒子で基材を研磨することを含む、研磨する方法を提供する。
【0099】
実施形態24は、研磨中に、成形研磨粒子の過半数が破断しない、実施形態23の方法を提供する。
【0100】
実施形態25は、基材が、金属、塗料、ボディ充填剤、プライマー、木材又はそれらの組み合わせを含む、実施形態23又は24の方法を提供する。
【0101】
実施形態26は、
出発材料組成物を金型内に載置することと、
出発材料組成物を金型内で硬化させて、実施形態1~25のいずれか1つの成形研磨粒子を形成することとを含む、
実施形態1~25のいずれか1つの成形研磨粒子の製造方法を提供する。
【0102】
実施形態27は、出発材料組成物が、ゾルである、実施形態26の方法を提供する。
【0103】
実施形態28は、出発材料組成物の載置及び硬化中に、金型が、離型剤を実質的に含まない、実施形態26又は27の方法を提供する。
【0104】
実施形態29は、出発材料組成物を金型内に載置する前に、離型コートを金型内に載置することを更に含む、実施形態26~28のいずれか1つの方法を提供する。
【0105】
実施形態30は、離型コートが、実質的に均一なコーティングで金型へ適用される、実施形態29の方法を提供する。
【0106】
実施形態31は、コーティングが、出発材料組成物の金型内での載置及び硬化中に、金型の角部中に非均一な領域を形成する離型コーティングを回避する又は最小化するのに十分な厚さを有する、実施形態29又は30の方法を提供する。
【0107】
実施形態32は、コーティングが、約0.001ミクロン~約1mmの厚さを有する、実施形態29~31のいずれか1つの方法を提供する。
【0108】
実施形態33は、
バッキングと、
バッキングの第1の主面上のメイクコートと、
メイクコート上の、実施形態1~22のいずれか1つの複数の成形研磨粒子を含む研磨層と
を備えた、被覆研磨物品を提供する。
【0109】
実施形態34は、成形研磨粒子が、研磨層のうちの約0.001重量%~約100重量%である、実施形態33の被覆研磨物品を提供する。
【0110】
実施形態35は、成形研磨粒子が、研磨層のうちの約0.5重量%~約60重量%である、実施形態33又は34の被覆研磨物品を提供する。
【0111】
実施形態36は、成形研磨粒子が、研磨層のうちの約8重量%~約15重量%である、実施形態33~35のいずれか1つの被覆研磨物品を提供する。
【0112】
実施形態37は、研磨層が、成形されていない研磨粒子を更に含む、実施形態33~36のいずれか1つの被覆研磨物品を提供する。
【0113】
実施形態38は、成形されていない研磨粒子が、研磨層のうちの約0.001重量%~約99.999重量%である、実施形態37の被覆研磨粒子を提供する。
【0114】
実施形態39は、成形されていない研磨粒子が、研磨層のうちの約40重量%~約99.5重量%である、実施形態37又は38の被覆研磨粒子を提供する。
【0115】
実施形態40は、成形されていない研磨粒子が、研磨層のうちの約85重量%~約92重量%である、実施形態37~39のいずれか1つの被覆研磨粒子を提供する。
【0116】
実施形態41は、成形研磨粒子の過半数が、成形研磨粒子の側壁によってメイクコートに接着している、実施形態33~40のいずれか1つの被覆研磨物品を提供する。
【0117】
実施形態42は、側壁によってメイクコートに接着している成形研磨粒子が、約50度~約85度の配向角度βを有する、実施形態41の被覆研磨物品を提供する。
【0118】
実施形態43は、研磨層上のサイズコートを更に含む、実施形態33~42のいずれか1つの被覆研磨物品を提供する。
【0119】
実施形態44は、
実施形態33~43のいずれか1つの被覆研磨物品で基材を研磨することを含む、研磨する方法を提供する。
【0120】
実施形態45は、研磨中に、成形研磨粒子の過半数が破断しない、実施形態44の方法を開示する。
【0121】
実施形態46は、基材が、金属、塗料、ボディ充填剤、プライマー、木材、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態44又は45の方法を提供する。
【0122】
実施形態47は、
複数の成形研磨粒子を、バッキングの第1の主面上のメイクコートへ適用して、実施形態33~43のいずれか1つの被覆研磨物品を形成することを含む、
実施形態33~43のいずれか1つの被覆研磨物品の製造方法を提供する。
【0123】
実施形態48は、
バッキングと、
バッキングの第1の主面上のメイクコートと、
メイクコート上の、複数の成形研磨粒子を含む研磨層と
を備える被覆研磨物品であって、
複数の成形研磨粒子が、研磨層のうちの約0.5重量%~約100重量%であり、成形研磨粒子のそれぞれが、独立に、
約100重量%のアルファ-アルミナを含み、
成形研磨粒子の長手方向軸に沿った多角形の断面形状を有し、
成形研磨粒子の最大面上の先端が、約5ミクロン以下の曲率半径を有し、曲率半径が、成形研磨粒子の最大面に直交する方向で見たときに、
会合して先端を形成する、成形研磨粒子の最大面における2つの辺上の点であって、2つの辺のそれぞれが直線から曲線へ移行する点である、先端の曲線が開始する点を通り、かつ
先端全体を包囲する、最小円の半径である、
被覆研磨物品を提供する。
【0124】
実施形態49は、引用されているすべての要素若しくは選択肢が使用可能若しくはそこから選択されるように任意選択で想定されている、成形研磨粒子、被覆研磨物品、又は実施形態1~48のいずれか1つ若しくは任意の組み合わせの方法を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6