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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】顕微鏡システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
G02B21/06
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019515350
(86)(22)【出願日】2017-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017073580
(87)【国際公開番号】W WO2018050907
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】102016011227.1
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511079735
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ シーエムエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems CMS GmbH
【住所又は居所原語表記】Ernst-Leitz-Strasse 17-37, D-35578 Wetzlar, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シューマン
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-506151(JP,A)
【文献】特開2000-097857(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0134521(US,A1)
【文献】特開平5-196870(JP,A)
【文献】国際公開第2008/047893(WO,A1)
【文献】特表2017-530404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡システム(10)であって、
-試料(16)を、前記顕微鏡システム(10)の第1の動作状態において、光シート状の照明配光を用いて照明し結像する光シート顕微鏡機能ユニット(12)と、
-前記試料(16)を、前記顕微鏡システム(10)の第2の動作状態において、スポット状の照明配光を用いて照明し結像する走査顕微鏡機能ユニット(14)と、
-前記試料(16)を、前記第1の動作状態において、前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)によって生成された光シート状の照明配光を用いて一軸走査し、前記試料(16)を、前記第2の動作状態において、前記走査顕微鏡機能ユニット(14)によって生成されたスポット状の照明配光を用いて一軸走査する第1の走査素子(66)と、
-前記試料(16)を、前記第2の動作状態において、前記走査顕微鏡機能ユニット(14)によって生成されたスポット状の照明配光を用いて一軸走査し、それによって前記第2の動作状態において、前記第1の走査素子(66)と共に、前記試料(16)の二軸走査を、前記走査顕微鏡機能ユニット(14)によって生成されたスポット状の照明配光を用いて生じさせる第2の走査素子と、
-前記第1の動作状態と前記第2の動作状態とを切り替える制御ユニット(87)と、
を備え
前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)は、光シート状の照明配光を中間像空間(24)内で生成するように構成された照明光学系(18)を備え、
前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)から空間的に分離された励起/検出モジュール(72)を有する、
顕微鏡システム(10)。
【請求項2】
前記第1の走査素子(66)および前記第2の走査素子(74)は、前記第2の動作状態においてテレセントリック走査システムを形成する、
請求項1記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項3】
前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)および前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、それぞれ照明用にも検出用にも用いられる、前記試料(16)に面する共通の対物レンズ(50)を有する、
請求項1または2記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項4】
前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)および前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、前記共通の対物レンズ(50)の射出瞳(70)を前記第1の走査素子(66)上に結像する共通の望遠鏡光学系(56)を有する、
請求項3記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項5】
前記顕微鏡システム(10)は、前記共通の対物レンズを支持する顕微鏡スタンド(55)を有し、前記顕微鏡スタンド(55)は、前記共通の望遠鏡光学系(56)を接続することができる接続要素(53)を有する、
請求項4記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項6】
前記第1の走査素子(66)は、第1の傾斜軸(68)周りで傾斜可能であり、前記第2の走査素子(74)は、第2の傾斜軸(76)周りで傾斜可能である、
請求項1から5までのいずれか1項記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項7】
前記第1の走査素子(66)は、前記第1の動作状態では、第1の傾斜角度範囲内で傾斜可能であり、前記第2の動作状態では、前記第1の傾斜角度範囲とは異なる第2の傾斜角度範囲内で傾斜可能である、
請求項6記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項8】
前記顕微鏡システム(10)は、前記制御ユニットによって駆動制御可能な切り替え素子(66,78)を含み、前記切り替え素子(66,78)は、前記第1の動作状態と前記第2の動作状態との間で切り替える、
請求項1から7までのいずれか1項記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項9】
前記顕微鏡システム(10)は、前記制御ユニットによって駆動制御可能な切り替え素子(66,78)を含み、前記切り替え素子(66,78)は、前記第1の動作状態と前記第2の動作状態との間で切り替え、
前記切り替え素子は、第1の偏向素子(66)によって形成されており、前記第1の偏向素子(66)は、前記第1の動作状態と前記第2の動作状態との間の切り替えのために、前記第1の傾斜角度範囲内にあって前記第1の動作状態を実現する傾斜位置と、前記第2の傾斜角度範囲内にあって前記第2の動作状態を実現する傾斜位置と、の間で傾斜可能である、
請求項7記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項10】
前記切り替え素子として、前記第1の偏向素子(66)とは別個でかつビームパス内に挿入可能な光偏向素子(78)が配置されており、ここで、前記光偏向素子(78)がビームパスから遠ざけられると、前記顕微鏡システム(10)は、前記第1の動作状態にあり、ここで、前記光偏向素子(78)がビームパス内に挿入されると、前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、能動的に切り替わり、それによって前記第2の動作状態が設定される、
請求項9記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項11】
記励起/検出モジュール(72)は、前記第2の動作状態において能動的に切り替えられている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項12】
前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)は
面テレセントリックに構成された搬送光学系(20)であって、前記中間像空間(24)内で生成された光シート状の照明配光を前記試料(16)内に、および、光シート状の照明配光を用いて照明される前記試料(16)の領域内に、中間像として前記中間像空間(24)内に結像するように構成された搬送光学系(20)と、
前記中間像空間(24)内で生成された前記中間像を検出器(34)上に結像するように構成された検出光学系(22)と、
を備えており、
前記照明光学系(18)、前記搬送光学系(20)および前記検出光学系(22)の光軸(O,O,O)は、前記中間像空間(24)内で相互に交差し、
前記第1の走査素子(66)は、前記搬送光学系(20)内に配置され、前記第1の動作状態において、前記光シート状の照明配光が前記試料(16)内で前記搬送光学系(20)の前記光軸(O)に対して交差方向に移動するように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項13】
前記搬送光学系(20)は、ビームスプリッタフリーである、
請求項12記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項14】
前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、共焦点顕微鏡または多光子顕微鏡を形成する、
請求項1から13までのいずれか1項記載の顕微鏡システム(10)。
【請求項15】
顕微鏡システム(10)を用いて試料(16)を結像する方法であって、前記方法は、
-試料(16)が、光シート顕微鏡機能ユニット(12)により、光シート状の照明配光を用いて照明され結像される、前記顕微鏡システム(10)の第1の動作状態を設定するステップと、
-前記試料(16)が、走査顕微鏡機能ユニット(14)により、スポット状の照明配光を用いて照明され結像される、前記顕微鏡システム(10)の第2の動作状態を設定するステップと、
を含み、
-前記試料(16)は、前記第1の動作状態において、前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)によって生成された光シート状の照明配光を用いて第1の走査素子(66)により一軸走査され、
-前記試料(16)は、前記第2の動作状態において、前記走査顕微鏡機能ユニット(14)によって生成されたスポット状の照明配光を用いて前記第1の走査素子(66)によっても一軸走査され、さらなる第2の走査素子(74)によってもさらなる軸において一軸走査され、これによって前記第1および第2の走査素子(66,74)を用いて前記試料(16)の二軸走査が生じ
前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)は、光シート状の照明配光を中間像空間(24)内で生成するように構成された照明光学系(18)を備え、
前記走査顕微鏡機能ユニット(14)は、前記光シート顕微鏡機能ユニット(12)から空間的に分離された励起/検出モジュール(72)を有する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を、顕微鏡システムの第1の動作状態において、光シート状の照明配光を用いて結像するように構成された光シート顕微鏡機能ユニットと、試料を、顕微鏡システムの第2の動作状態において、スポット状の照明配光を用いて結像するように構成された走査顕微鏡機能ユニットと、を備えた顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術からは、試料中の薄膜のみを照明するために、光シート状の照明配光を生成する、いわゆる光ディスク顕微鏡または光シート顕微鏡が公知である。現在は、試料側に、照明用と検出用の2つの別個の対物レンズを有する光シート顕微鏡の他に、試料に面する唯一の対物レンズでまかなわれた光シート顕微鏡も使用されている。例えば、米国特許第8,582,203号明細書(US8,582,203B2)では、対物レンズの前に配置された円柱レンズを使用することで、対物レンズの光軸に対して傾斜配置された光シートが生じるように照明光が試料に集束される顕微鏡が提案されている。この傾斜配置のために、そのような顕微鏡は、斜面顕微鏡(OPM;「oblique plane microscope」)とも称される。
【0003】
米国特許第8,619,237号明細書(US8,619,237B2)からは、2つの偏向素子を用いて、試料ボリュームの、光伝搬方向に対して横方向に、すなわち交差方向に配向される走査が可能である斜面顕微鏡の変形例が公知である。そのような顕微鏡は、SCAPE顕微鏡(SCAPE:「swept confocally-aligned planar excitation」)とも称される。
【0004】
つまり光シート顕微鏡は、試料を、光シート状の照明配光を用いて結像するのに対して、従来の走査顕微鏡、例えば共焦点顕微鏡または多光子顕微鏡における試料の結像はスポット状に行われる。したがって、そのような走査顕微鏡では、試料を、2つの直交する走査軸に沿って照明配光を用いて走査するために、走査素子を用いて試料上を移動するスポット状の照明配光が生成される。多くの走査顕微鏡システムに関する概要は、例えば公知文献「J. Pawley, Handbook of Biological Confocal Microscopy, ISBN 978-0-387-45524-2」から明らかになるであろう。
【0005】
従来技術についてはさらに、コノスコープ結像とオルソスコープ結像との間の切り替えのためのガルバノメーターミラー装置を備えた顕微鏡を開示している米国特許第7,573,635号明細書(US7,573,635B2)が参照される。
【0006】
試料を、それぞれの照明配光を用いて走査するために、それぞれ1つ以上の走査素子を備えた斜面顕微鏡も走査顕微鏡も、試料側の対物レンズの射出瞳を実像の形態でそれぞれの走査素子上に結像する望遠鏡システムを必要とする。そのような望遠鏡システムは、好適な結像品質を保証するために、オルソスコープ結像についてもコノスコープ結像についても収差が極めて少なければならない。これにより、比較的高価なものになる。
【0007】
さらに、これらの望遠鏡システムは、対物レンズ瞳へのアクセスを必要とする。この目的のために、従来の顕微鏡は、例えばフランジなどの接続部の形態の対応するインターフェースを有する。そのようなインターフェースの維持は、機械的にも光学的にも複雑となり、顕微鏡の所要スペースも増加させる。
【0008】
前述した2つの顕微鏡用途、詳細には斜面顕微鏡およびスポット状に動作する走査顕微鏡は、試料分析において応用上相補的な結像アプローチを表すので、2つの結像手法を組み合わせることができる顕微鏡システムを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、比較的少ない技術的コストで、光シート顕微鏡にも走査顕微鏡にも適用可能な顕微鏡システムおよび試料を光学顕微鏡で結像する方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、この課題を、独立請求項の主題によって解決する。好ましい発展形態は、従属請求項に示されている。
【0011】
本発明による顕微鏡システムは、以下を備える。すなわち、
試料を、顕微鏡システムの第1の動作状態において、光シート状の照明配光を用いて結像するように構成された光シート顕微鏡機能ユニットと、
試料を、顕微鏡システムの第2の動作状態において、スポット状の照明配光を用いて結像するように構成された走査顕微鏡機能ユニットと、
試料を、第1の動作状態において、光シート顕微鏡機能ユニットによって生成された光シート状の照明配光を用いて一軸走査し、試料を、第2の動作状態において、走査顕微鏡機能ユニットによって生成されたスポット状の照明配光を用いて一軸走査するように構成された第1の走査素子と、
試料を、第2の動作状態において、走査顕微鏡機能ユニットによって生成されたスポット状の照明配光を用いて一軸走査し、それによって第2の動作状態において、第1の走査素子と共に、試料の二軸走査を、走査顕微鏡機能ユニットによって生成されたスポット状の照明配光を用いて生じさせるように構成された第2の走査素子と、
第1の動作状態と第2の動作状態とを切り替えるように構成された制御ユニットと、
を備える。
【0012】
本発明は、例えばOPMまたはSCAPE顕微鏡などの斜面顕微鏡も、冒頭に述べた種類の走査顕微鏡も、一軸走査素子を有するという状況、すなわち唯一の走査軸に沿った光走査を生じさせる素子を有するという状況を利用する。斜面顕微鏡では、走査素子と称される当該素子は、ボリュームイメージングのために光シート状の照明配光を照明光の伝搬方向に対して交差方向に移動させるために用いられる。それに対して、走査顕微鏡では、スポット状の配光の通常は直交する2つの走査移動のうちの1つが生じる。したがって、本願による第1の走査素子と称されるこの素子は、走査すべき試料の照明のために、光シート顕微鏡機能ユニットにおいても走査顕微鏡機能ユニットにおいても使用することができる。光シート顕微鏡結像が行われる顕微鏡システムの第1の動作状態では、試料を、照明光を用いて走査するために第1の走査素子のみで十分である。それに対して、本発明では、スポット状の照明配光を用いた走査顕微鏡結像に用いられる顕微鏡システムの第2の動作状態では、第1の走査素子に対して付加的に、同様に一軸走査を生じさせる第2の走査素子を使用することが想定される。この場合、2つの走査軸は、第2の動作状態において好ましくは相互に直交する。つまり、それ自体は一軸的に作用すると見なされる2つの走査素子は、それらの相互作用において二軸走査システムを形成する。
【0013】
本発明による2つの動作状態において使用される第1の走査素子を介して、顕微鏡システムは、光シート顕微鏡とスポット状に走査する顕微鏡との2つの応用上相補的な結像方法を組み合わせる。これらの2つの結像方法の間の切り替えは、制御ユニットによって調整される。この制御ユニットは、例えば、自身が単独で走査素子の制御の権限があり、さもなければ特に、2つの異なる結像過程を制御する別個の制御機器によって制御されるように実行されてもよい。また代替的に、制御ユニットは、顕微鏡システムの全体動作も、すなわち、すべての結像過程も制御し得る。
【0014】
好ましくは、第1の走査素子および第2の走査素子は、顕微鏡システムの第2の動作状態においてテレセントリック走査システムを形成する。
【0015】
光シート顕微鏡機能ユニットおよび走査顕微鏡機能ユニットは、好ましくは、それぞれ照明用および検出用の、試料に面する共通の対物レンズを有する。このことは、本発明による顕微鏡システムの特にコンパクトな構造を可能にする。
【0016】
特に好ましい実施形態では、光シート顕微鏡機能ユニットおよび走査顕微鏡機能ユニットは、対物レンズの射出瞳を第1の走査素子上に結像する共通の望遠鏡光学系を有する。冒頭でも述べたように、瞳像の生成のために使用可能な望遠鏡光学系は、特に収差が少なく、したがって比較的高価であるので、共通の望遠鏡光学系の使用は大きなコスト上の利点を提供する。
【0017】
好ましくは、顕微鏡システムは、共通の対物レンズを支持する顕微鏡スタンドを有し、該顕微鏡スタンドは、共通の望遠鏡光学系を接続することができる接続要素を有する。このようにして、顕微鏡システムは、顕微鏡モジュールのような方式で、例えば正立顕微鏡、倒立顕微鏡または固定ステージ顕微鏡の既存の顕微鏡スタンドと特に容易に組み合わせることができる。ここでは特に好ましくは、光シート顕微鏡機能ユニットおよび走査顕微鏡機能ユニットは、共通の望遠鏡光学系を有する。そのため、顕微鏡スタンドに結合するためには唯一の接続要素を設けるだけでよい。
【0018】
第1の走査素子および第2の走査素子は、例えば、それぞれガルバノメーターミラーまたは微小電気機械ミラー(MEMS)として実行される。この場合、第1の走査素子は、第1の傾斜軸周りで傾斜可能であり、第2の走査素子は、好ましくは第1の傾斜軸に対して垂直である第2の傾斜軸周りで傾斜可能である。
【0019】
特に好ましい実施形態では、第1の走査素子は、第1の動作状態では、第1の傾斜角度範囲内で傾斜可能であり、第2の動作状態では、第1の傾斜角度範囲とは異なる第2の傾斜角度範囲内で傾斜可能である。
【0020】
好ましくは、顕微鏡システムは、第1の動作状態と第2の動作状態との間で切り替えるための、制御ユニットによって駆動制御可能な切り替え素子を含む。
【0021】
切り替え素子は、例えば、第1の傾斜角度範囲内にある傾斜位置と、第2の傾斜角度範囲内にある傾斜位置と、の間で動作状態切り替えのために傾斜させることができる第1の偏向素子によって形成されている。この実施形態は、対物レンズ瞳を第1の走査素子上に結像する望遠鏡光学系から見て2つの傾斜角度範囲が存在し、それらは第1の走査素子にとってアクセス可能でかつ2つの動作状態に割り当てることができるという状況を利用する。これにより、第1の走査素子は、一方では、応用上必要な第1の走査軸に沿った走査を実行することが可能になり、他方では、所望の動作状態を実現するために適した傾斜角度範囲を選択することが可能になる。この目的のために、合目的的には、第1の走査素子は、45度とは異なる光入射角のもとで使用されるものであってもよい。
【0022】
代替的な実施形態では、切り替え素子は、第1の走査素子とは別個に設けられた光偏向素子によって形成されている。この光偏向素子は、例えばビームパス内に導入することができ、当該ビームパスから遠ざけることができるミラーまたはプリズムである。それらはまた、ビームパス内に残される偏向素子の形態で実行されてもよく、これは動作状態の選択のために調整され、例えば傾斜される。この実施形態は、本発明が従来の顕微鏡用のモジュールとして実行されている限り、対物瞳を第1の走査素子上に結像する望遠鏡光学系を一度保持するだけでよく、顕微鏡における唯一の適応箇所だけを占有するだけでよいというさらなる利点を有する。
【0023】
好ましい実施形態では、光シート顕微鏡機能ユニットは、光シート状の照明配光を中間像空間内で生成するように構成された照明光学系と、中間像空間内で生成された光シート状の照明配光を試料内に、および光シート状の照明配光を用いて照明される試料の領域内に中間像として中間像空間内に結像するように構成され両面テレセントリックに構成された搬送光学系と、中間像空間内で生成された中間像を検出器上に結像するように構成された検出光学系と、を備えており、ここで、照明光学系、搬送光学系および検出光学系の光軸は、中間像空間内で相互に交差し、ここで、第1の走査素子は、搬送光学系内に配置され、第1の動作状態において、光シート状の照明配光が試料内で搬送光学系の光軸に対して交差方向に、好ましくは垂直に移動するように構成されている。光シート顕微鏡機能ユニットと走査顕微鏡機能ユニットとによって共通使用される望遠鏡システムを含む前述の搬送光学系は、ボリュームイメージングのために必要な特性、詳細には開口角の適正な結像を保証するための試料空間と中間空間との間の屈折率比に相応する倍率と、両面テレセントリック性、すなわち対物レンズ側のテレセントリック性のみならず像側のテレセントリック性、すなわち光軸に沿った位置に依存しない横倍率と、を有する中間結像システムを表す。
【0024】
両面テレセントリック搬送光学系と、それによって可能となるテレセントリック走査装置と、の使用は、その中間結像光学系が両面テレセントリックではない従来の光シート顕微鏡に比べて、とりわけ、搬送光学系に歪みが起きないという利点を有する。
【0025】
特に好ましい実施形態では、走査顕微鏡機能ユニットは、共焦点顕微鏡または多光子顕微鏡を形成する。
【0026】
以下では本発明を、図面に基づきより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例としての顕微鏡システムの概略図
図2図1による顕微鏡システムの2つの走査素子を示す拡大された部分図
図3】2つの顕微鏡機能ユニット間の切り替えのための別個の光偏向素子を有する変形実施形態の図2に相応する部分図
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の実施例を表す顕微鏡システム10の構造を概略図で示す。この顕微鏡システム10は、図1において全体的に符号12で示される光シート顕微鏡機能ユニットと、全体的に符号14で示される走査顕微鏡機能ユニットと、を含む。この顕微鏡システム10は、選択的に設定可能な2つの動作状態、詳細には、光シート状の照明配光を用いた試料16の結像のために、斜面顕微鏡タイプによる光シート顕微鏡機能ユニット12が使用される第1の動作状態と、走査顕微鏡機能ユニット14がスポット状の照明配光を用いて試料16を結像する第2の動作状態と、を想定する。
【0029】
以下では、まず、光シート顕微鏡機能ユニット12を説明する。
【0030】
光シート顕微鏡機能ユニット12は、照明光学系18、搬送光学系20および検出光学系22を備え、それらの光軸O、OもしくはOは、図1において符号24で示す中間像空間内に集まり、すなわち、そこで相互に交差する。照明光学系18は、自身の光源28から供給された照明光30を中間像空間24に集束させ、この照明光がそこで光シートタイプの照明配光を生じるようにするために用いられる。中間像空間24内で生成されたこの光シートは、次いで、搬送光学系20により試料16内に結像され、それによって、試料16の領域が光シートを用いて照明され、蛍光ビームの放射のために励起される。試料16から放射された蛍光ビームは、第1の動作状態において、再び搬送光学系20内に到達し、それによって、この搬送光学系20は、光シートを用いて照明された当該試料領域を、中間像として中間像空間24内に結像する。中間像空間24内で生成された、照明された試料領域の中間像は、最終的に検出光学系22によって検出器34の検出面32上に結像される。
【0031】
照明光学系18は、光源28から放射された照明光30の伝搬方向において、相前後して、ビーム処理ユニット36、調整素子38、接眼レンズ系40、さらなる調整素子42、チューブレンズ素子44、ならびに中間像空間24に面する照明対物レンズ46を順次含んでいる。
【0032】
ビーム処理ユニット36は、円柱レンズ48を含み、この円柱レンズ48は、照明対物レンズ46と協働するアナモルフィック光学系の一部であり、このアナモルフィック光学系は、光源28から放射された照明光30から中間像空間24内で所望の形状の光シートを生成する機能を有する。この場合、円柱レンズ48は、照明光30を、接眼レンズ系40およびチューブレンズ系44によって生成された、照明対物レンズ46の瞳像に集束させる。したがって、図1による実施例では、チューブレンズ系44および接眼レンズ系40は、実際の中間像を有するガリレオ望遠鏡を形成する。しかしながら、図1による実施例において選択されたアナモルフィック系の実現は、単なる例示として理解されるべきであることを指摘しておく。そのため、例えば特に開口数がより小さい場合には、照明対物レンズ46を省略して、円柱レンズ48のみを光シートの形成のために使用することも可能である。
【0033】
照明光学系18に含まれる2つの調整素子38および42は調整装置を形成し、この調整装置は、光シートを、検出器34の検出面32に対して、より厳密に言えば、検出光学系22によって中間像空間24内で生成される検出面32の像に対して相対的に調整することを可能にしており、この像には光シートが重畳されている。ここでは、調整素子42は、照明対物レンズ46の像面と共役な関係の平面内に配置されている。したがって、調整素子42の傾斜により、照明光30が照明対物レンズ46から出射する角度が変更される。調整素子38は、照明対物レンズ46の瞳面と共役な関係の平面内に配置されている。したがって、この調整素子38によれば、照明対物レンズ46から出射する照明光30の位置を設定することが可能になる。つまり、これらの2つの調整素子38および42によれば、光シートの位置と角度とを相互に依存することなく調整することが可能になる。
【0034】
照明光学系18は、光シート生成のために、図1に明示的に示されていないさらなる素子、例えば視野絞りおよび/または開口絞りを含み得る。視野絞りは、ここでは、光シートを、自身が拡張している方向において制限する機能を有する。それに対して、開口絞りは、光シートが集束される開口角度の制限に用いられる。
【0035】
搬送光学系20は、試料16から見て、対物レンズ50、チューブレンズ系52、接眼レンズ系54、さらなる接眼レンズ系57、さらなるチューブレンズ系58、偏向素子60、アフォーカル系62ならびに中間結像対物レンズ64を含んでいる。チューブレンズ系52および接眼レンズ系54も、チューブレンズ系58および接眼レンズ系57も、それぞれガリレオ望遠鏡光学系を形成する。搬送光学系20は、両面テレセントリック光学系として実行されている。搬送光学系20に含まれるアフォーカル系62は、試料空間と中間像空間24との間の屈折率比に対する所望のボリュームイメージ搬送のために必要な倍率適合化を行うために用いられる。望遠鏡光学系56は、接続要素53を介して顕微鏡スタンド55に結合されており、この顕微鏡スタンド55には対物レンズ50が保持されている。
【0036】
図2による拡大された部分図に特に見られるように、光シート顕微鏡機能ユニット12は、搬送光学系20内に、例えばガルバノメーターミラーまたはMEMSミラーとして実行されている第1の走査素子66を含む。この走査素子66は、図2に示されている座標系に関してz軸と一致する傾斜軸68周りで傾斜可能である。顕微鏡システム10の第1の動作状態では、この走査素子66は、試料16を、光シートを用いて対物レンズ50の光軸に対して横方向に、すなわち交差方向に走査するのに用いられる。この一軸走査を生じさせるために、走査素子66は、所定の第1の傾斜角度範囲内で傾斜軸68周りに傾斜する。走査素子66は、望遠鏡光学系56が対物レンズ50の射出瞳70の実像を生成する位置に配置されている。したがって、換言すれば、望遠鏡光学系56は、射出瞳70を第1の走査素子66上に結像する。
【0037】
検出光学系22は、中間像空間24に面する検出対物レンズ71ならびにチューブレンズ系73を含む。これらの検出対物レンズ71およびチューブレンズ系73を介して、搬送光学系20により中間像空間24内に生成された、光シートを用いて照明された試料領域の中間像は、検出器34の検出面32上に結像される。
【0038】
顕微鏡システム10の第1の動作状態において、光シート顕微鏡機能ユニット12の照明光学系18、搬送光学系20および検出光学系22は、それらの光軸O,O,Oが中間像空間24内に集まるように相互に配向されている。これにより、光源28によって生成された照明光30の搬送光学系20内への入力結合が、中間像の領域内でのいわば幾何学的組み合わせによって行われる。このことは、搬送光学系20の領域内のダイクロイックビームスプリッタ素子の省略を可能にする。したがって、搬送光学系20の結像能力を損なう瞳オフセットを確実に回避することができる。
【0039】
以下では、第2の動作状態において動作する、顕微鏡システム10の走査顕微鏡機能ユニット14を説明する。
【0040】
走査顕微鏡機能ユニット14は、光シート顕微鏡機能ユニット12のように、試料16に面する対物レンズ50、ならびにチューブレンズ系52および接眼レンズ系54から形成される望遠鏡光学系56を使用する。第1の走査素子66も、第2の動作状態において、走査顕微鏡機能ユニット14によって使用される。このことは、顕微鏡システム10の2つの機能ユニット12,14が、対物レンズ50、望遠鏡光学系56、および第1の走査素子66の形態で共通使用されるコンポーネントを有していることを意味する。
【0041】
さらに、走査顕微鏡機能ユニット14は、光シート顕微鏡機能ユニット12から空間的に分離された励起/検出モジュール72を有する。この励起/検出モジュール72は、それ自体公知であるが故にここではより詳細には説明しないコンポーネントを含む。これらのコンポーネントは、従来のスポット状の走査顕微鏡の実現のために必要である、例えば、1つ以上の光源、1つ以上の検出器、共焦点顕微鏡の場合には、付加的にさらに照明および検出用のピンホールなどである。しかしながら、他のそれ自体公知の実施形態においても、走査顕微鏡機能ユニット14が、例えば多光子顕微鏡として実行されるべき場合には相応のことが当てはまる。
【0042】
走査顕微鏡機能ユニット14は、さらに、第2の走査素子74を含み、この第2の走査素子74は、図2による拡大された部分図において単独で見ることができる。第1の走査素子66のように、第2の走査素子74も、例えば一軸ガルバノメーターミラーまたはMEMSミラーとして実現されている。第2の走査素子74は、第1の走査素子66の傾斜軸68と直交する傾斜軸76周りで傾斜可能である。この箇所では、図1および図2の描写は大幅に簡略化されていることを指摘しておく。特に、第2の走査素子74は、図2による図平面に対して、例えば45度傾斜している点に留意されたい。その結果、第2の走査素子74と励起/検出モジュール72との間のビームパスも、図平面内を延びるのではなく、図平面から外部へまたは外部から図平面内に延びる。その他に、第1の走査素子66と第2の走査素子74との間には、図2中に明示的に示されていない、特に、対物レンズ50の射出瞳70のさらなる実像を生成することができる付加的な望遠鏡光学系のようなコンポーネントが存在してもよいことを指摘しておく。これにより、この瞳像の位置に存在すべき第2の走査素子74を、走査顕微鏡機能ユニット14のビームパス内で任意に位置決めすることが可能になる。
【0043】
顕微鏡システム10の第2の動作状態において、第1の一軸走査素子66および第2の一軸走査素子74は、試料16を、走査顕微鏡機能ユニット14において生成されたスポット状の照明配光を用いて二軸走査する、すなわち、好ましくは2つの直交する走査軸に沿って走査するために使用できるテレセントリック二軸走査系を形成する。これらの二軸走査系を形成する2つの走査素子66および74は、対物レンズ50の射出瞳70と共役である。
【0044】
前述した二軸走査系の実現は、単なる例示として理解されるべきであることを指摘しておく。特に、独国特許発明第40261302号明細書(DE40261302C2)に記載されているように、2つの付加的な一軸走査素子の使用により、仮想傾斜点を形成することで、テレセントリック二軸走査系を構成することも可能である。
【0045】
つまり、第2の動作状態において、第1の走査素子66は、第2の走査素子74と協働して、スポット状の照明配光を用いて試料16の二軸走査を提供する機能を有する。この目的のために、第1の走査素子66は、第1の動作状態で使用される第1の傾斜角範囲とは異なる第2の傾斜角範囲内で傾斜軸68周りに傾斜する。したがって、共通の望遠鏡光学系56から見て、第1の走査素子66を用いてアクセス可能な2つの傾斜角範囲が存在する。それらのうちの第1の傾斜角範囲は第1の動作状態に割り当てられ、第2の傾斜角範囲は第2の動作状態に割り当てられる。このことは、第1の走査素子66が、第1もしくは第2の動作状態において実施される本来の走査過程のためにだけ使用されるのでなく、付加的に、第1の動作状態と第2の動作状態との間で切り替えるための素子として使用され得る手段を提供する。詳細には、第1の走査素子66が、第1の傾斜角度範囲内にある傾斜位置にあるのであれば、第1の走査素子66は、図示の配置構成において、必然的に光シート顕微鏡機能ユニット12に接続され、それによって、第1の動作状態が実現されている。次いで、この走査素子は、第2の傾斜角度範囲内に傾斜すると、走査顕微鏡機能ユニット14に接続され、これによって、第2の動作状態が選択される。
【0046】
さらに、顕微鏡システム10は、制御ユニット87を有しており、この制御ユニット87は、第1の走査素子66の対応する駆動制御によって動作状態の切り替えを制御する。制御ユニット87は、顕微鏡システム10のいくつかの他の動作過程も、あるいは完全にすべての動作過程も制御するように実行されてもよい。
【0047】
図3は、特に、2つの動作状態の間の切り替えのために、別個の切り替え素子78が設けられている変形実施形態を示している。図示の実施形態では、この切り替え素子78は、例えば、第1の走査素子66に面するミラー面79を有するミラーであり、走査顕微鏡機能ユニット14を効果的に切り替えるために、すなわち、第2の動作状態を設定するために、2つの接眼レンズ系54,57の間のビームパス内に導入される。ミラー78が、ビームパスから遠ざけられると、顕微鏡システム10は、第1の動作状態にある。
【0048】
もちろん、本発明は上述した実施例に限定されるべきものではないことを理解されたい。
【0049】
そのため、例えば、光シート顕微鏡機能ユニット12の照明光学系18内に、光シート生成のために、円柱ミラー48の代わりにさらなる一軸走査素子を、例えばガルバノミラーもしくはMEMSミラーの形態で設けることも可能である。そのような走査素子は、例えば、図1による実施例において調整素子38が存在する箇所に配置することができる。次いで、この走査素子は、照明光30の走査移動を引き起こし、この走査移動によって所望の光シートが順次形成される。次いで、制御ユニット87は、当該走査素子の動作が、他のシステムコンポーネント、特に第1の走査素子66と同期していることを提供する。
【0050】
上述の変形例では、照明光学系18内に付加的に存在するさらなる走査素子は、図1図3による実施例において第1の走査素子66に対してさらに上記で説明したように、スポット状に走査する機能ユニットの機能的結合のために同じ方法で使用できるであろう。したがって、光シート生成には使用されないこのさらなる走査素子の傾斜角範囲は、走査素子66の第2の傾斜角範囲に応じて、走査顕微鏡走査のために、および場合によっては2つの動作状態の間の切り替えのためにも使用できるであろう。
【符号の説明】
【0051】
10 顕微鏡システム
12 光シート顕微鏡機能ユニット
14 走査顕微鏡機能ユニット
16 試料
18 照明光学系
20 搬送光学系
22 検出光学系
24 中間像空間
28 光源
30 照明光
32 検出面
34 検出器
36 ビーム処理ユニット
38 調整素子
40 接眼レンズ系
42 調整素子
44 チューブレンズ系
46 照明対物レンズ
48 円柱ミラー
50 対物レンズ
52 チューブレンズ系
53 接続要素
54 接眼レンズ系
55 顕微鏡スタンド
56 望遠鏡光学系
57 接眼レンズ系
58 チューブレンズ系
60 偏向系
62 アフォーカル系
64 中間結像対物レンズ
66 第1の走査素子
68 傾斜軸
70 射出瞳
71 検出対物レンズ
72 励起/検出モジュール
73 チューブレンズ系
74 第2の走査素子
76 傾斜軸
78 切り替え素子
79 ミラー面
87 制御ユニット
光軸
光軸
光軸
図1
図2
図3