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特許7086085軌道走行可能な作業車両もしくは救援車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】軌道走行可能な作業車両もしくは救援車両
(51)【国際特許分類】
   B61D 15/00 20060101AFI20220610BHJP
   B61D 5/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
B61D15/00 A
B61D5/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019540606
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2017084324
(87)【国際公開番号】W WO2018137871
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】GM23/2017
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヴァイタースベアガー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ カイザー
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/015520(WO,A1)
【文献】オーストリア国特許発明第00386164(AT,B)
【文献】独国特許出願公開第10324917(DE,A1)
【文献】実公昭36-026522(JP,Y1)
【文献】特開平09-132136(JP,A)
【文献】特開平10-146398(JP,A)
【文献】特開2004-331074(JP,A)
【文献】特表2015-535771(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02604820(EP,A1)
【文献】特開2007-83875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 3/00- 3/16
B61C 9/16
B61D 5/00- 5/06
B61D 15/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルまたは地下鉄トンネル(16)内での消防および/または旅客救助用の、軌道走行可能な作業車両もしくは救援車両(1)であって、少なくとも制限時間の間は周囲空気無しで作動可能な駆動装置(4)を備えている、作業車両もしくは救援車両(1)において、
当該作業車両もしくは救援車両(1)には液体タンク(6)が配置されており、該液体タンク(6)には噴霧(15)形成用に、液体スプレー装置(14)を備えたファン(13)が接続されており、当該作業車両もしくは救援車両(1)は、トンネルまたは地下鉄トンネル(16)内の損傷した鉄道車両(27)を牽引してもしくは押して移動させるための動力車(2,3)として形成されていることを特徴とする、作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項2】
当該作業車両もしくは救援車両(1)は、連結された複数の車両の編隊として形成されており、これらの車両のうちの1つがタンク車(5)として形成されている、請求項1記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項3】
前記タンク車(5)は、2つの三軸台車(11)を有している、請求項2記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項4】
前記駆動装置(4)には、流体静力学的な駆動ユニット(23)が含まれる、請求項1から3までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項5】
運転室(7)に空気を供給可能な圧縮空気タンク(21)が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項6】
前記駆動装置(4)には、制限時間の間、前記圧縮空気タンク(21)からの空気により作動可能な内燃機関が含まれている、請求項5記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項7】
前記駆動装置には、当該作業車両もしくは救援車両(1)内に配置された蓄電体(25)を介して作動可能な電動モータ(24)が含まれる、請求項1から6までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項8】
外側に、駆動コンポーネントの液体噴霧冷却用のスプレー装置(29)が配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項9】
少なくとも一方の正面に、遠隔制御可能なまたは自動の機械式の連結器(26)が配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の作業車両もしくは救援車両(1)を用いた、トンネルまたは地下鉄トンネル(16)内での消防方法および/または旅客救助方法であって、
作業車両もしくは救援車両(1)を、ファン(13)を作動させながら、損傷した鉄道車両(27)に向かって走行させ、該損傷した鉄道車両(27)を、前記作業車両もしくは救援車両(1)と連結し、前記損傷した鉄道車両(27)を、トンネルもしくは地下鉄トンネル(16)から牽引してもしくは押して移動させることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルまたは地下鉄トンネル内での消防および/または旅客救助用の、軌道走行可能な作業車両もしくは救援車両であって、少なくとも制限時間の間は周囲空気無しで作動可能な駆動装置を備えている作業車両もしくは救援車両に関する。さらに、本発明は、対応する消防方法および/または旅客救助方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルまたは地下鉄トンネル等の接近し難い軌道区間における火災では、旅客ならびにインフラストラクチャーの損傷を回避するために、消防には迅速かつ有効な手段が必要とされる。双方向車両として利用可能な、様々な消防車両が周知である。このような車両は主として直接的な消防用に装備されており、救助手段用の装備は少ない。
【0003】
オーストリア国特許発明第386164号明細書から公知の軌道走行可能な作業車両もしくは救援車両を使用して、トンネル内への救援出動を実施可能である。この鉄道車両は、酸素不足時でもトンネル走行を可能にするために、制限時間の間は圧縮空気を供給することができる内燃機関を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の作業車両もしくは救援車両および方法に関して、従来技術に対する改良を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明に基づき、請求項1および10記載の特徴によって解決される。本発明の有利な改良は、各従属請求項に記載されている。
【0006】
この場合、作業車両もしくは救援車両には液体タンクが配置されており、液体タンクには噴霧形成用に、液体スプレー装置を備えたファンが接続されており、作業車両もしくは救援車両は、別の鉄道車両を牽引してもしくは押して移動させるための動力車として形成されている。このような作業車両もしくは救援車両は、トンネルもしくは地下鉄トンネル内に吹き込まれた噴霧により防護されて火元まで走行することができ、場合により、損傷した鉄道車両を危険領域から牽引してもしくは押して移動させることができる。この場合、噴霧は煙道ガスの冷却および押しのけ用に用いられ、したがって、トンネルもしくは地下鉄トンネルの安全な走行が保証される。
【0007】
この場合、作業車両もしくは救援車両は、連結された複数の車両の編隊として形成されており、これらの車両のうちの1つがタンク車として使用されると有利である。つまり、液体タンクが積載されたタンク車は、別個の車両として編隊に組み込むことが可能である。これを用いて、要求に応じて異なる量の液体を運んでいくことが可能である。
【0008】
改良された形態では、タンク車は、2つの三軸台車を有している。この場合には、軸荷重が制限されていても、比較的長いトンネル走行中に噴霧を形成するために十分な量の液体を運んでいくことができる。さらに、車両とともに運ばれる消火装置用のタンク充填手段が提供されている。
【0009】
駆動装置には、有利には流体静力学的な駆動ユニットが含まれる。このようにして、非常運転時に危険領域から高荷重を牽引してもしくは押して移動させることができることが保証されている。この場合、流体静力学的な駆動ユニットは、走行速度を所与の支配的な状況に適合させるために、正確な速度制御を可能にする。
【0010】
さらに、運転室に空気を供給可能な圧縮空気タンクが配置されていると、有利である。この手段により、運転室も、乗務員室または救護室も、出動時に除煙状態が保たれる。この場合は、車内で防護服もしくは防護マスクを着用せずに済む。
【0011】
駆動装置に内燃機関が含まれる場合には、内燃機関が制限時間の間、圧縮空気タンクからの空気により作動可能であると有利である。この場合、内燃機関は酸素不足状態でも使用可能であり、これを用いて、危険領域から車両を移動させることができる。
【0012】
別の形態では、駆動装置には、作業車両もしくは救援車両内に配置された蓄電体を介して作動可能な電動モータが含まれる。この場合も、トンネル火災による酸素不足が駆動装置を損なうことは一切ない。この場合、蓄電体は危険領域に進入する前に、軌道の電車線から発電機またはインバータを介して充電される。
【0013】
車両機能を維持するための別の防護手段は、外側に、駆動コンポーネントの液体噴霧冷却用のスプレー装置が配置されていることを想定している。これにより、走行駆動装置に必要な構成部材の過熱が防止される。
【0014】
迅速に搬出するためには、作業車両もしくは救援車両の少なくとも一方の正面に、遠隔制御可能なまたは自動の機械式の連結器が配置されていると有利である。この場合、損傷した鉄道車両の連結は、救助隊員を危険に晒すこと無しに行われる。
【0015】
本発明による方法では、作業車両もしくは救援車両を、ファンを作動させながら、損傷した鉄道車両に向かって走行させ、損傷した鉄道車両を、作業車両もしくは救援車両と連結し、損傷した鉄道車両を、トンネルもしくは地下鉄トンネルから牽引してもしくは押して移動させることが想定されている。噴霧による持続的な冷却は、火災を食い止めるために役立つ。このようにして、鉄道車両内の旅客を可能な限り迅速に救護することができる。
【0016】
以下に、本発明を添付の図面に関して例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】作業車両もしくは救援車両の概略側面図である。
図2】鉄道車両の救援方法の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す作業車両もしくは救援車両1は、互いに連結された3つの車両を有している。外側の2つの車両は、それぞれ専用の駆動装置4を備えた第1の動力車2および第2の動力車3として形成されている。その間には中間車として、液体タンク6を備えたタンク車5が配置されている。作業車両もしくは救援車両の各正面にはそれぞれ、運転台を備えた運転室7が配置されている。各運転台から、車両複合体を2つの走行方向8,9へ移動させることができる。
【0019】
連結解除状態で自己走行可能であるために、または車両編隊のより大きな牽引力を保証するために、選択的にタンク車5にも専用の駆動装置が装備されている。両動力車2,3は2つの二軸台車10でもって、かつタンク車5は2つの三軸台車11でもって、軌道12を走行可能である。三軸台車11は、制限された軸荷重において、大容積の液体タンク6(例えば50000l)を可能にする。タンク6は、例えば水で満たされている。
【0020】
タンク車5にはさらに、液体スプレー装置14を備えた複数のファン13が配置されている。好適には、液体スプレー装置14としてノズルがファン13に組み込まれており、これらのノズルは導管、栓およびポンプを介して液体タンク6に接続されている。接続されたファン13は、トンネルもしくは地下鉄トンネル16内で煙17および熱の発達を食い止める噴霧15(例えば水ミストまたは高性能泡沫消火剤)を発生させる。好適には、各側に2つのファン13が相上下して配置されている。
【0021】
各ファン13の懸吊部18は、有利には変位可能に形成されているため、各ファン13は、鉛直方向軸線を中心として約180°だけ旋回可能である。このようにして、各ファン13のスプレー方向を、2つの走行方向8,9の内の一方へ選択的に向けることができる。このように、作業車両もしくは救援車両1は、両方向8,9で火元19に接近できることが保証されている。各懸吊部18は、例えば旋回可能なカンチレバーを備えたコンソールから成り、カンチレバーに、付属のファン13が取り付けられている。カンチレバーを旋回させるために、コンソールには駆動装置(例えば液圧シリンダ)が配置されている。この場合、液体タンク6に対する接続導管は、フレキシブルに形成されている。
【0022】
タンク車5にはさらにテクニカルコンテナ20が配置されており、テクニカルコンテナ20内には噴霧形成用のポンプおよびファン13用の供給ユニットが収納されている。ファン13および様々なユニットの制御は、タンク車5の運転台7から行われる。また、例えば図1の右側に示した動力車2が連結解除されている場合には、運転台7により、作業・救援車両1の走行駆動装置を制御することができる。
【0023】
各走行駆動装置4には、好適な形態では、運転中に酸素を必要とする内燃機関が含まれる。酸素が少ない環境でも内燃機関の機能を維持するために、作業車両もしくは救援車両1は、複数の圧縮空気タンク21を連行している。センサが周囲空気の極度に少ない酸素含有量を検知すると、圧縮空気タンク21から空気が供給される。これは、電気的に制御される空圧弁を介して行われる。中間段階では、さらに周囲空気を利用することができる。この場合は、上方吸気(標準運転)から下方吸気に切り替えられる。なぜならば、煙17はまずトンネルの天井に沿って広がるからである。
【0024】
その上、圧縮空気タンク21は、動力車2,3に設けられていて正面側の出入台を経て到達可能な運転室7および乗務員室または救護室22への供給用にも用いられる。この場合、煙道ガスの流入を防ぐために、室7,22内には、自動制御される弁を介してやや過剰な圧力が形成される。
【0025】
液圧系に供給するために、内燃機関は伝動装置を介して液圧ポンプを駆動する。駆動される各台車10は、流体静力学的な駆動ユニット23を有しており、駆動ユニット23には、制御回路を介して、用意された液圧を供給することができるようになっている。これは、危険領域から重荷重を牽引してもしくは押して移動させるための、無段式の速度推移を伴う高い牽引力を、台から可能にする。
【0026】
代替的な形態は、電気的な駆動装置を想定しており、この場合、駆動される台車10には、電動モータ24が配置されている。この形態では、作業車両もしくは救援車両1は蓄電体25(蓄電池)を有しており、蓄電体25は、危険領域への進入前に充電される。危険領域では、蓄電体25を介して電動モータ24への供給が行われる。
【0027】
作業車両もしくは救援車両1の各正面にはそれぞれ、自動のもしくは遠隔制御可能な機械式の連結器26が配置されている。この連結器26を用いて、損傷した鉄道車両27を作業車両もしくは救援車両1に連結し、危険領域から牽引することができる。全ての救助手段が車両1の内部から実施されることにより、室への給気と同様、この装置も旅客の安全に役立つ。
【0028】
消防用に、作業車両もしくは救援車両1には複数の消火装置28が配置されている。これらの消火装置28はタンク車5に接続されており、やはり運転室7から制御することができる。選択的に、追加的な消化剤が専用タンク内で運ばれ、消火装置28に供給されてもよい。
【0029】
作業車両もしくは救援車両1の外側には、駆動コンポーネントの液体冷却用の複数のスプレー装置29が配置されている。これらのスプレー装置29は、導管を介して液体タンク6に接続されており、車両1が危険領域に進入すると直ちに作動する。これにより、火災作用が進行し、対応して温度が高くなっても、危険領域から脱出するための走行特性を維持し続けることが保証される。
【0030】
図2には、本発明による方法の好適な流れが示されている。この場合は上から下に向かって、方法ステップの時系列が看取される。危険な状態は、例えばトンネル16内で火事になった鉄道車両27(例えば旅客列車)によって発生する。このような危険事象は、周知の報告システムを介して直ちに鉄道管理本部に報告される。これにしたがって、作業車両もしくは救援車両1が事故現場に向かって走行することで、消防方法もしくは救援方法が開始される。この場合、作業車両もしくは救援車両1の2つの走行方向8,9が可能である。
【0031】
図2に示す例では、作業車両もしくは救援車両1は第1の走行方向8に移動しており、この場合、トンネル16内へ進入する前に既に、ファン13が液体スプレー装置14と共に作動する。懸吊部18を介して、ファン13および液体スプレー装置14は側方に張り出すように走行方向8に向けられており、トンネル16内の煙17と熱とを食い止める。
【0032】
作業・救援車両1が、損傷した鉄道車両27のところに到着すると直ちに、両方の車両1,27の連結が行われる。これは図2に示すように、緩衝器を接触させることにより行われ、これにより、危険領域から損傷した鉄道車両27を押して移動させる。または作業・救援車両1は、牽引フックの形態の機械式の自動連結器26を作動させて、損傷した鉄道車両27を危険領域から牽引して移動させる。この場合、火元19および煙17を引き続き食い止めるために、ファン13は作動し続けている。追加的に、消火装置28を使用することもできる。
【0033】
トンネル16から脱出した後は直ちに、けが人を作業・救援車両1の救護室22で救護することができる。これは、事象が比較的小規模であると共に火元19が迅速に消火された場合には、既にトンネル16内で行われてよい。同じことは、特に鉄道車両27の機能が停止した、特に重大な故障のケースにも当てはまる。この場合、旅客救助は、トンネル16内で噴霧15によって防護された状態で、適宜に装備した救助隊員により行われる。このとき、出口側の動力車3は、旅客を安全な場所に移すために連結解除することができる。別の動力車2は、タンク車5と共にトンネル16内に留まって、火元19を消火する。
【0034】
損傷した車両27が図2に示すようにトンネル16から押されて移動すると、作業・救援車両1は逆の走行方向9で、トンネル16内へ戻るように走行することができる。このとき、火事になっているトンネル16の設備を消火しかつ熱の発達を食い止めるために、ファン13も逆方向9に旋回することができる。この場合も、けが人を救護するために、一方の動力車2は事前に連結解除されてもよい。
【0035】
図2に示した方法は、1つの車両から成る作業車両もしくは救援車両1によっても実施可能である。ただし、列車編隊としての構成は、消防および旅客救助におけるより高いフレキシビリティーを可能にする。さらに、異なる複数の要求に適合させるために、様々な形態のタンク車5を編隊に組み込むことが可能である(例えば、様々なタンクサイズ)。使用の可能性を広げるために、1つまたは2つの動力車2,3を備えた編隊において、複数のタンク車5が使用されてもよい。
図1
図2