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特許7086105静水圧的に補償される圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】静水圧的に補償される圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/00 20060101AFI20220610BHJP
   B65D 88/76 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
F17C1/00 Z
B65D88/76
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019562449
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 CA2018050112
(87)【国際公開番号】W WO2018141057
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】62/453,278
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/453,300
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/453,306
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/453,315
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519275423
【氏名又は名称】ハイドロストア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】マクギリス、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、ダビン
(72)【発明者】
【氏名】ファンワレグヘム、カーティス
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03895493(US,A)
【文献】実開昭55-115498(JP,U)
【文献】特表2013-509528(JP,A)
【文献】米国特許第03643426(US,A)
【文献】特開昭57-097997(JP,A)
【文献】特開2005-009609(JP,A)
【文献】米国特許第03939356(US,A)
【文献】特開昭54-133211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00
B65D 88/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムであって、前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、
a) 1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、前記上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有する、アキュムレーターであって、前記アキュムレーターは、使用中のときに液体の層の上に圧縮ガスの層を含有するためのものである、アキュムレーターと、
b) 前記アキュムレーターから間隔を離して配置されているガス圧縮機および膨張機サブシステムと、前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムと連通している上側端部、および、圧縮ガス層の中へ圧縮ガスを搬送するために、前記アキュムレーター内部と連通している下側端部を有する、ガス導管と、
c) 前記1次的な開口部に隣接する下側端部、前記下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有するシャフトであって、前記シャフト側壁部は、前記下側端部から前記上側端部へ上向きに延在しており、所定の量の液体を含有するシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めており、前記シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっている、シャフトと、
d) 前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムと前記アキュムレーターとの間に流体連通した状態で設けられている蓄熱サブシステムであって、蓄熱装置は、水を含む顕熱貯蔵流体を使用する顕熱貯蔵装置を含み、それによって、サーマル・エネルギーは、所定の退出温度で前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムから出て行く前記圧縮ガスから抽出され、前記蓄熱サブシステムの中に貯蔵され、前記蓄熱サブシステムから出て行く前記ガスの前記温度、前記退出温度よりも低い貯蔵温度まで低減されるようになっており、前記顕熱貯蔵装置の中の前記水は、摂氏100度以上の貯蔵温度まで加熱され、使用の間に一般的に前記水をその液相で維持するのに十分な動作圧力で維持される、蓄熱サブシステムと、
e) パーティションであって、前記パーティションは、前記シャフトの前記下側端部に位置決めされており、また、前記1次的な開口部をカバーしており、前記アキュムレーター内部を前記シャフト内部から分離しており、前記パーティションは、前記シャフト内部と連通している外側表面、および、前記アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面を有している、パーティションと
を含み、
前記圧縮ガスの層および前記液体の層のうちの少なくとも1つが、前記パーティションの前記内側表面に当接し、前記パーティションの前記内側表面に内部アキュムレーター力を働かせ、前記シャフト内の前記所定の量の液体が、前記パーティションの前記外側表面に当接し、前記パーティションの前記外側表面に外部対抗力を働かせ、それによって、前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間に前記パーティションに作用する正味の力が、前記アキュムレーター力と前記対抗力との間の差になっており、前記アキュムレーター力よりも小さくなっている、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
膨張プロセスの間に、前記アキュムレーターから出て行くガスが、前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムに到達する前に、前記蓄熱サブシステムを通過し、それによって、前記アキュムレーターに進入する前記圧縮ガスから抽出された前記サーマル・エネルギーの少なくとも一部分が、前記アキュムレーターを出て行く前記ガスの中へ再び導入され、膨張の前に前記ガスの前記温度を前記貯蔵温度からより高い退出温度へ上昇させる、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムは、第1の圧縮段と、前記第1の圧縮段から下流にある少なくとも第2の圧縮段とを含み、前記蓄熱サブシステムは、前記第1の圧縮段と前記第2の圧縮段との間に流体連通している第1の蓄熱段と、前記第2の圧縮段と前記アキュムレーターの中の前記ガスの層に流体連通している第2の蓄熱段とを含む、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムは、第1の膨張段と、前記第1の膨張段から下流にある少なくとも第2の膨張段とを含み、前記蓄熱サブシステムは、前記アキュムレーターの中の前記ガスの層と前記第1の膨張段との間に流体連通している第3の蓄熱段と、前記第1の膨張段と前記第2の膨張段との間に流体連通している第4の蓄熱段とを含む、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、前記シャフト内部の中の前記液体と前記アキュムレーターの中の前記液体の層との間の流体連通を提供する液体導管をさらに含み、それによって、液体は、前記圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、前記シャフト内部と前記アキュムレーターの中の前記液体の層との間に流れることが可能である、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記液体導管の第1の端部は、前記パーティションの前記外側表面に近接しており、前記シャフトと流体連通している、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記液体導管は、前記パーティションを通過している、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記液体導管の第2の端部は、前記液体の層の中に沈められており、また、前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、前記ガスの層から流体的に隔離されたままになっている、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記パーティションを横切る圧力差は、前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、0.3atmから6atmの間にある、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムは、
a) 少なくとも第1の圧縮段を備えたガス圧縮機であって、前記第1の圧縮段は、空気供給源から空気を引き込み、前記空気を圧縮し、圧縮空気を、前記ガス導管を介して前記圧縮ガス層の中へ搬送するように構成されている、ガス圧縮機と、
b) 少なくとも第1の膨張段を備えたガス膨張機と、
c) 前記アキュムレーターの前記圧縮ガス層から圧縮空気を受け入れるための、および、前記圧縮空気の膨張から電気を発生させるための、前記ガス膨張機によって駆動される第1の発電機と
を含む、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記空気供給源は、周囲雰囲気を含む、請求項10に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
前記ガス導管は、前記シャフトの外部にある、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
前記液体導管は、前記パーティションの下を通っている、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
前記アキュムレーターは、少なくとも部分的に地下に埋め込まれており、前記シャフトの前記上側端部は、地上にある、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
前記圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、前記液体供給導管の中に配設されているフロー制御弁をさらに含み、前記フロー制御弁は、閉位置へ移動可能であり、前記閉位置では、前記シャフトと前記液体供給源との間の流体連通が中断されている、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項16】
前記パーティションは、前記1次的な開口部をシールするように位置決めされているバルクヘッドを含む、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項17】
前記パーティションは、コンクリート、石、金属、複合材料、およびプラスチックのうちの少なくとも1つから少なくとも部分的に形成されている、請求項16に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項18】
前記アキュムレーターは、少なくとも部分的に地下に埋め込まれており、前記パーティションは、少なくとも部分的に地面から構成されている、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項19】
前記蓄熱サブシステムは、複数の段の蓄熱装置を含む、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項20】
前記蓄熱サブシステムは、加圧されたチャンバー内に配設されている、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項21】
前記ガス圧縮機および膨張機サブシステムは、第1の圧縮段と、前記第1の圧縮段から下流にある少なくとも第2の圧縮段と、第1の膨張段と、前記第1の膨張段から下流にある少なくとも第2の膨張段とを含み、前記蓄熱サブシステムは、第1の蓄熱段を含み、前記第1の蓄熱段は、前記第1の圧縮段と前記第2の圧縮段との間に流体連通しており、また、前記第1の膨張段と前記第2の膨張段との間に流体連通している、請求項に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項22】
前記蓄熱サブシステムは、第2の蓄熱段を含み、前記第2の蓄熱段は、前記第2の圧縮段と前記アキュムレーターとの間に流体連通しており、また、前記アキュムレーターと前記第1の膨張段との間に流体連通している、請求項21に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【請求項23】
前記蓄熱サブシステムは、少なくとも1つのタンクを含み、前記少なくとも1つのタンクは、地上に配設されており、加圧水を含有する、請求項1に記載の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2017年2月1日に出願された「Integrated Air And Water Temperature Control For Underground CAES System」という標題の米国仮特許出願第62/453,278号明細書;2017年2月1日に出願された「Water Pressurized Isobaric Compressed Air Energy Accumulator With Low Pressure Bulkhead and Density Change Prevention Line」という標題の米国仮特許出願第62/453,300号明細書;2017年2月1日に出願された「Integrated Thermal Storage in Isobaric Compressed Air Energy Storage System」という標題の米国仮特許出願第62/453,306号明細書;および、2017年2月1日に出願された「Multi Point Energy Storage Method」という標題の米国仮特許出願第62/453,315号明細書の優先権を主張する。これらの出願のそれぞれの全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、圧縮ガス・エネルギー貯蔵に関し、より具体的には、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム、たとえば、地下に位置付けされている、静水圧的に補償される実質的に等圧の圧縮空気エネルギー貯蔵アキュムレーターを含むものなど、その使用、および、圧縮ガスを貯蔵する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低い使用期間と比較して、ピーク使用期間の間にパワー・グリッドから電気エネルギーを消費するときに生じるコスト格差を考慮して、電気貯蔵が非常に探し求められている。再生可能なエネルギー供給源(本来的に、非連続的なまたは間欠的な供給性質のものである)の追加は、入手可能な電気エネルギー貯蔵に対する要求を世界中で増加させている。
【0004】
したがって、非ピーク期間の間にパワー・グリッドまたは再生可能な供給源において作り出された電気エネルギーを効果的に貯蔵すること、および、要求に応じてそれをグリッドに戻すことに対する必要性が存在している。そのうえ、インフラストラクチャーの準備コスト、および、そのようなインフラストラクチャーを実装することからの環境的影響が最小化される範囲において、所与の解決策の有用性および望ましさが強化される。
【0005】
そのうえ、再生可能エネルギーが電力を提供し、電圧サポートなどのような、グリッド安定性も提供する伝統的な発電の形態を除去することに加えて、グリッドが変革し、オペレーターが貯蔵に目を向けるときに、慣性ベースの同期貯蔵を提供する貯蔵方法が極めて望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この概要は、次に続くより詳細な説明へ読者を導入することが意図されており、任意の特許請求されている発明またはまだ特許請求されていない発明を限定するかまたは定義することは意図されていない。1つまたは複数の発明は、その特許請求の範囲および図を含むこの文献の任意の部分において開示されているエレメントまたはプロセス・ステップの任意の組み合わせまたはサブ・コンビネーションの中に存在することが可能である。
【0007】
ある態様によれば、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムであって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、地下の実質的に水平方向のアキュムレーターと、アキュムレーターから地面を通って上向きに延在するシャフトと、アキュムレーターの内部をシャフトの内部から分離するバルクヘッドとを含み、動作中のときには、シャフト内の所定の量の液体が、第1の圧力レベルにおいてバルクヘッドの外側に当接しており、動作中のときには、アキュムレーターは、液体の層の上に圧縮ガスの層を含有しており、圧縮ガスは、第2の圧力レベルにおいてバルクヘッドの内側に当接しており、また、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、圧縮ガス層とガス圧縮機/膨張機サブシステムとの間で圧縮ガスを搬送するためのガス導管と、アキュムレーター内の液体の層とシャフトとの間で液体を搬送するための液体導管とを含み、第1の圧力レベルと第2の圧力レベルとの間の差が、圧縮機/膨張機サブシステムと圧縮ガス層との間で圧縮ガスを搬送することによって、および、シャフトと水層との間で液体を搬送することによって、閾値レベルの下方に維持される、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが提供される。
【0008】
ある実施形態では、ガス導管は、圧縮ガス層とガス圧縮機/膨張機サブシステムとの間で、蓄熱サブシステムを介して圧縮ガスを搬送する。
【0009】
ある実施形態では、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、ガス放出サブシステムをさらに含む。ある実施形態では、前記ガス放出サブシステムは、少なくとも1つの弁を含み、好ましくは、ガス層からバルクヘッドを通してシャフトの中への圧縮ガスの選択的な放出を許容する、バルクヘッドと関連付けられた少なくとも1つの一方向弁を含む。
【0010】
本明細書で説明されている教示の1つの広い態様によれば(それは、単独でまたは任意の他の態様と組み合わせで使用され得る)、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、アキュムレーターを含むことが可能であり、アキュムレーターは、1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有する、アキュムレーターであって、アキュムレーターは、使用中のときに液体の層の上に圧縮ガスの層を含有するためのものである。ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、アキュムレーターから間隔を離して配置され得り、また、ガス導管を含むことが可能であり、ガス導管は、ガス圧縮機/膨張機サブシステムと連通している上側端部、および、使用中のときにアキュムレーターの圧縮ガス層の中へ圧縮ガスを搬送するために、アキュムレーター内部と連通している下側端部を有している。シャフトは、1次的な開口部に隣接する下側端部、下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有することが可能であり、シャフト側壁部は、下側端部から上側端部へ上向きに延在しており、シャフトは、所定の量の液体を含有するためのシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めることが可能であり、シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっている。パーティションは、1次的な開口部をカバーすることが可能であり、アキュムレーター内部をシャフト内部から分離することが可能である。パーティションは、シャフト内部と連通している外側表面、および、アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面を有することが可能である。補助ガス放出サブシステムは、補助ガス放出導管を含むことが可能であり、補助ガス放出導管は、アキュムレーター内部と連通している入口部と、出口部とを有している。補助ガス放出導管は、ガス導管から間隔を離して配置され得り、アキュムレーター内のガスの層からのガスの放出を促進させるように構成され得る。使用中のときに、圧縮ガスの層および液体の層のうちの少なくとも1つが、パーティションの内側表面に当接することが可能であり、パーティションの内側表面に内部アキュムレーター力を働かせることが可能であり、シャフト内の所定の量の液体が、パーティションの外側表面に当接することが可能であり、パーティションの外側表面に外部対抗力を働かせ、それによって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間にパーティションに作用する正味の力が、アキュムレーター力と対抗力との間の差になっており、アキュムレーター力よりも小さくなっていることが可能である。
【0011】
補助ガス放出導管は、パーティションを通って延在することが可能である。
【0012】
補助ガス放出導管は、シャフト内部と流体連通していることが可能であり、補助ガス放出導管から出て行くガスが、シャフトの中に含有されている所定の量の液体の中へ放出され得るようになっている。
【0013】
ガス放出弁は、補助ガス放出導管の中に位置決めされ得り、また、ガスの放出を許容するように選択可能に開閉可能であり得る。
【0014】
ガス放出弁は、一方向弁であることが可能であり、一方向弁は、ガスの層からシャフトの中へのガスの放出を許容し、シャフトからの液体が補助ガス放出弁を通ってアキュムレーターの中へ流れることを許容しない。
【0015】
ガス放出弁は、圧力作動式弁であることが可能であり、圧力作動式弁は、閉じた構成に向けて付勢されており、また、圧縮ガスの層の中の圧力が事前設定された圧力閾値限界に到達するときに、自動的に開けられる。
【0016】
補助ガス放出弁は、遠隔から作動可能であり得り、補助放出システム・コントローラーによって制御され得る。
【0017】
液体導管は、シャフト内部の中の液体とアキュムレーターの中の液体の層との間の流体連通を提供することが可能であり、それによって、液体は、圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、シャフト内部とアキュムレーターの中の液体の層との間に流れることが可能である。
【0018】
液体導管は、補助ガス放出導管を含むことが可能である。
【0019】
ガイド導管は、補助ガス放出導管を介して出て行くガスを受け入れるために補助ガス放出導管出口部に近接して位置決めされている入口端部と、入口端部から間隔を離して配置されている出口端部と、入口端部と出口端部との間に延在している導管側壁部とを有することが可能である。
【0020】
ガイド導管の少なくとも一部分は、シャフトの中に配設され得る。
【0021】
ガイド導管の内部は、シャフト内部と流体連通していることが可能であり、それによって、ガス放出導管の内部が、シャフト内の所定の量の液体の第1の部分を含有している。
【0022】
ガスがガス放出導管から放出されるときには、放出されるガスは、ガイド導管を通って上向きにトラベルすることが可能であり、第1の部分の液体の少なくともいくらかをガイド導管内からシャフト内部の中へ変位させる。
【0023】
ガスが補助ガス放出導管から放出されているときに、ガスは、シャフトを通って上向きにトラベルするときに、ガイド導管内に拘束され得り、ガイド導管の外部にあるシャフト内部の部分の中へ膨張しない。
【0024】
ガイド導管の出口端部は、シャフト内の所定の量の液体の自由表面の上方に配設され得る。
【0025】
ガイド導管の出口端部は、周囲雰囲気と連通していることが可能である。
【0026】
本明細書で説明されている教示の1つの広い態様によれば(それは、単独でまたは任意の他の態様と組み合わせで使用され得る)、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、アキュムレーターを含むことが可能であり、アキュムレーターは、1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有している。アキュムレーターは、使用中のときに液体の層の上に圧縮ガスの層を含有することが可能である。ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、アキュムレーターから間隔を離して配置され得り、ガス供給導管は、ガス圧縮機/膨張機サブシステムと連通している上側端部と、使用中のときにアキュムレーターの圧縮ガス層の中へ圧縮ガスを搬送するために、アキュムレーター内部と連通している下側端部を有することが可能である。シャフトは、1次的な開口部に隣接する下側端部、下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有することが可能であり、シャフト側壁部は、下側端部から上側端部へ上向きに延在しており、所定の量の液体を含有するためのシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めている。シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっていることが可能である。パーティションは、1次的な開口部をカバーすることが可能であり、アキュムレーター内部をシャフト内部から分離することが可能である。パーティションは、シャフト内部と連通している外側表面と、アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面とを有することが可能である。
【0027】
圧縮ガスの層および液体の層のうちの少なくとも1つが、パーティションの内側表面に当接し、パーティションの内側表面に内部アキュムレーター力を働かせることが可能であり、シャフト内の所定の量の液体が、パーティションの外側表面に当接し、パーティションの外側表面に外部対抗力を働かせ、それによって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間にパーティションに作用する正味の力が、アキュムレーター力と対抗力との間の差になっており、アキュムレーター力よりも小さくなっている。
【0028】
液体導管は、シャフト内部の中の液体とアキュムレーターの中の液体の層との間の流体連通を提供することが可能でありそれによって、液体は、圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、シャフト内部とアキュムレーターの中の液体の層との間に流れることが可能である。
【0029】
液体導管の第1の端部は、パーティションの外側表面に近接していることが可能であり、また、シャフトと流体連通していることが可能である。
【0030】
液体導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0031】
液体導管の第2の端部は、液体の層の中に沈められ得り、また、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、ガスの層から流体的に隔離されたままになっていることが可能である。
【0032】
圧縮ガスの層の圧力が、追加的なガスを圧縮ガスの層の中へ搬送することによって増加されるときには、内部アキュムレーター力の大きさが増加され得り、液体が、アキュムレーターの中の液体の層からシャフト内部へ液体導管を通して搬送され得る。圧縮ガスの層の圧力が、圧縮ガスの層からガスを放出することによって減少されるときには、内部アキュムレーター力の大きさが減少され得り、液体が、シャフト内部からアキュムレーターの中の液体の層へ液体導管を通して搬送され得る。
【0033】
パーティションを横切る圧力差は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、約0.3atmから約6atmの間にあることが可能である。
【0034】
圧縮機/膨張機サブシステムは、a) 少なくとも第1の圧縮段を備えたガス圧縮機であって、第1の圧縮段は、空気供給源から空気を引き込み、空気を圧縮し、圧縮空気を、ガス導管を介して圧縮ガス層の中へ搬送するように構成されている、ガス圧縮機と、b) 少なくとも第1の膨張段を備えたガス膨張機と、c) アキュムレーターの圧縮ガス層から圧縮空気を受け入れるための、および、圧縮空気の膨張から電気を発生させるための、ガス膨張機によって駆動される第1の発電機とを含むことが可能である。
【0035】
第1の膨張段は、ガス供給導管と流体連通していることが可能である。
【0036】
2次的なガス導管は、ガス供給導管から間隔を離して配置され得り、第1の膨張段およびアキュムレーター内の圧縮ガスの層を流体接続することが可能である。
【0037】
空気供給源は、周囲雰囲気を含むことが可能である。
【0038】
第1の膨張段から出て行く空気は、周囲雰囲気へ放出され得る。
【0039】
ガス供給導管は、シャフト内部を通過することが可能であり、所定の量の液体の中に少なくとも部分的に沈められ得る。
【0040】
ガス供給導管は、シャフトの外部にあることが可能である。
【0041】
アキュムレーターの上側壁部は、実質的に平面的になっていることが可能であり、実質的に水平方向に配向され得る。
【0042】
ガス供給導管の下側端部は、アキュムレーターの上側壁部の高いポイントに位置決めされ得る。
【0043】
ガス供給導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0044】
液体導管は、パーティションの下を通ることが可能である。
【0045】
ガス供給導管は、液体導管内に少なくとも部分的に配設され得る。
【0046】
液体導管は、パーティションの下を通るフロー・チャネルを含むことが可能であり、ガス供給導管は、フロー・チャネル内に配設されており、パーティションの下を通っている。
【0047】
アキュムレーターは、少なくとも部分的に地下に埋め込まれ得り、シャフトの上側端部は、地上にあることが可能である。
【0048】
液体供給源は、水体を含むことが可能である。
【0049】
液体供給導管は、シャフトの上側端部に向けてシャフト内部と流体連通していることが可能である。
【0050】
フロー制御弁は、液体供給導管の中に配設され得る。フロー制御弁は、閉位置へ移動可能であり得り、閉位置では、シャフトと液体供給源との間の流体連通が中断されている。
【0051】
シャフトの上側端部は、周囲雰囲気に開放していることが可能である。
【0052】
パーティションは、開閉式の再シール可能なアクセス人道をさらに含むことが可能であり、アクセス人道は、アキュムレーター内部へのアクセスを提供するように開閉可能になっている。
【0053】
パーティションは、1次的な開口部をシールするように位置決めされているバルクヘッドを含むことが可能である。
【0054】
パーティションは、コンクリート、石、金属、複合材料、およびプラスチックのうちの少なくとも1つから少なくとも部分的に形成され得る。
【0055】
アキュムレーターは、少なくとも部分的に地下に埋め込まれ得り、パーティションは、少なくとも部分的に地面から構成され得る。
【0056】
本明細書で説明されている教示の1つの広い態様によれば(それは、単独でまたは任意の他の態様と組み合わせで使用され得る)、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、アキュムレーターを含むことが可能であり、アキュムレーターは、1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有している。アキュムレーターは、使用中のときに液体の層の上に圧縮ガスの層を含有する構成され得る。ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、アキュムレーターから間隔を離して配置され得り、ガス導管は、ガス圧縮機/膨張機サブシステムと連通している上側端部と、アキュムレーターの中の圧縮ガス層と圧縮機/膨張機サブシステムとの間に圧縮ガスを搬送するために、アキュムレーター内部と連通している下側端部とを有することが可能である。シャフトは、1次的な開口部に隣接する下側端部、下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有することが可能であり、シャフト側壁部は、下側端部から上側端部へ上向きに延在しており、所定の量の液体を含有するためのシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めている。シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっていることが可能である。少なくとも、第1の圧縮熱交換器は、ガス圧縮機/膨張機サブシステムの中へ搬送されているガスとシャフト内に含有されている所定の量の液体との間で熱を交換するように構成され得る。パーティションは、1次的な開口部をカバーすることが可能であり、アキュムレーター内部をシャフト内部から分離することが可能である。パーティションは、シャフト内部と連通している外側表面、および、アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面を有することが可能である。圧縮ガスの層および液体の層のうちの少なくとも1つが、パーティションの内側表面に当接することが可能であり、パーティションの内側表面に内部アキュムレーター力を働かせることが可能であり、シャフト内の所定の量の液体が、パーティションの外側表面に当接し、パーティションの外側表面に外部対抗力を働かせ、それによって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間にパーティションに作用する正味の力が、アキュムレーター力と対抗力との間の差になっており、アキュムレーター力よりも小さくなっていることが可能である。
【0057】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、少なくとも第1の圧縮段および第2の圧縮段を含むことが可能である。第1の圧縮熱交換器は、ガス供給源と第1の圧縮段との間に流体接続され得り、第1の圧縮機段の中へ搬送されているガスとシャフト内に含有されている所定の量の液体との間で熱を交換するように構成され得る。第2の圧縮熱交換器は、第1の圧縮段と第2の圧縮段との間に流体接続され得り、第2の圧縮機段の中へ搬送されているガスとシャフト内に含有されている所定の量の液体との間で熱を交換するように構成され得る。
【0058】
第1の圧縮熱交換器は、少なくとも部分的にシャフト内に配設され得る。
【0059】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、第1の膨張段および第2の膨張段を含むことが可能であり、第1の膨張熱交換器が、アキュムレーターと第1の膨張段との間に流体接続されており、第1の膨張段の中へ搬送されているガスとシャフト内に含有されている所定の量の液体との間で熱を交換するように構成されている。第2の膨張熱交換器は、第1の膨張段と第2の膨張段との間に流体接続され得り、少なくとも部分的にシャフト内部の中に配設され得る。第2の膨張熱交換器は、第2の膨張段の中へ搬送されているガスとシャフト内に含有されている所定の量の液体との間で熱を交換するように構成され得る。
【0060】
第1の圧縮熱交換器は、第2の膨張熱交換器として機能することが可能である。
【0061】
第1の圧縮熱交換器は、第2の膨張熱交換器から間隔を離して配置されている。
【0062】
第1の熱交換器は、ラジエーターを含むことが可能であり、ラジエーターは、シャフトの中に含有されている所定の量の液体の中に浸漬されている少なくとも1つの空気経路と、所定の量の液体の外側からラジエーターの入口端部へ延在している空気入力導管と、ラジエーターの出口端部およびガス圧縮機/膨張機サブシステムに流体接続している空気出口導管とを有している。
【0063】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、関連の膨張段および圧縮段のペアを含むことが可能であり、膨張段および圧縮段のそれぞれのペアは、それぞれの熱交換器を設けられており、熱交換器は、圧縮サイクルの間に、シャフトの中に含有されている所定の量の液体と圧縮段によって圧縮されることとなるガスとの間で熱を交換するように構成されており、また、膨張サイクルの間に、シャフトの中に含有されている所定の量の液体と膨張段によって膨張させられたガスとの間で熱を交換するように構成されている。
【0064】
ガス供給源は、周囲雰囲気であることが可能である。
【0065】
第1の圧縮熱交換器は、シャフト内に除去可能に装着され得る。
【0066】
液体導管は、シャフト内部の中の液体とアキュムレーターの中の液体の層との間の流体連通を提供することが可能であり、それによって、液体は、圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、シャフト内部とアキュムレーターの中の液体の層との間に流れることが可能である。
【0067】
液体導管の上側端部は、パーティションの外側表面に近接していることが可能である。
【0068】
液体導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0069】
液体導管の下側端部は、アキュムレーター内の液体の層の中に沈められ得り、また、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、アキュムレーター内のガスの層から流体的に隔離されたままになっていることが可能である。
【0070】
圧縮ガスの層の圧力が、追加的なガスを圧縮ガスの層の中へ搬送することによって増加されるときには、ガス力の大きさが増加され得り、液体が、アキュムレーターの中の液体の層からシャフト内部へ液体導管を通して搬送され得る。圧縮ガスの層の圧力が、圧縮ガスの層からガスを放出することによって減少されるときには、ガス力の大きさが減少され得り、液体が、シャフト内部からアキュムレーターの中の液体の層へ液体導管を通して搬送され得る。
【0071】
ガス供給導管は、シャフト内部を通過しており、所定の量の液体の中に少なくとも部分的に沈められている。
【0072】
ガス供給導管は、シャフトの外部にあることが可能である。
【0073】
ガス供給導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0074】
第1の圧縮熱交換器は、少なくとも1つの直接接触式熱交換器を含むことが可能である。
【0075】
第1の圧縮熱交換器に進入する水は、シャフトから引き出され得り、第1の圧縮熱交換器から出て行く水は、シャフトへ戻され得る。
【0076】
本明細書で説明されている教示の1つの広い態様によれば(それは、単独でまたは任意の他の態様と組み合わせで使用され得る)、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、アキュムレーターを含むことが可能であり、アキュムレーターは、1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有している。アキュムレーターは、使用中のときに液体の層の上に圧縮ガスの層を含有するように構成され得る。ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、アキュムレーターから間隔を離して配置され得り、ガス導管は、ガス圧縮機/膨張機サブシステムと連通している上側端部と、アキュムレーターの中の圧縮ガス層と圧縮機/膨張機サブシステムとの間に圧縮ガスを搬送するために、アキュムレーター内部と連通している下側端部とを有することが可能である。シャフトは、1次的な開口部に隣接する下側端部、下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有することが可能であり、シャフト側壁部は、下側端部から上側端部へ上向きに延在しており、所定の量の液体を含有するためのシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めている。シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっていることが可能である。蓄熱サブシステムは、ガス圧縮機/膨張機サブシステムとアキュムレーターとの間に流体連通した状態で設けられ得り、それによって、サーマル・エネルギーは、所定の退出温度でガス圧縮機/膨張機サブシステムから出て行く圧縮ガスから抽出され得り、蓄熱サブシステムの中に貯蔵され、蓄熱サブシステムから出て行くガスの温度は、退出温度よりも低い貯蔵温度まで低減され得る。パーティションは、シャフトの下側端部に位置決めされ得り、また、1次的な開口部をカバーしており、アキュムレーター内部をシャフト内部から分離しており、パーティションは、シャフト内部と連通している外側表面、および、アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面を有している。圧縮ガスの層および液体の層のうちの少なくとも1つが、パーティションの内側表面に当接し、パーティションの内側表面に内部アキュムレーター力を働かせ、シャフト内の所定の量の液体が、パーティションの外側表面に当接することが可能であり、パーティションの外側表面に外部対抗力を働かせることが可能であり、それによって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間にパーティションに作用する正味の力が、アキュムレーター力と対抗力との間の差になっており、アキュムレーター力よりも小さくなっていることが可能である。
【0077】
蓄熱サブシステムは、複数の段の蓄熱装置を含むことが可能である。
【0078】
蓄熱サブシステムの少なくとも一部分は、地下に位置付けされ得る。
【0079】
ガス導管の上側部分は、圧縮機/膨張機サブシステムと蓄熱サブシステムとの間に延在することが可能であり、ガス導管の下側部分は、蓄熱サブシステムとアキュムレーターとの間に延在することが可能であり、シャフト内部の中に少なくとも部分的に延在することが可能である。
【0080】
ガス導管の上側部分は、シャフトの外部にあることが可能である。
【0081】
蓄熱サブシステムは、顕熱蓄熱段および潜熱蓄熱段のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0082】
蓄熱サブシステムは、1つまたは複数の相変化材料を含むことが可能である。
【0083】
蓄熱サブシステムは、第1の相変化材料を利用する第1の潜熱蓄熱段と、異なる第2の相変化材料を利用する第2の蓄熱段とを含むことが可能である。
【0084】
膨張プロセスの間に、アキュムレーターから出て行くガスが、ガス圧縮機/膨張機サブシステムに到達する前に、蓄熱サブシステムを通過することが可能であり、それによって、アキュムレーターに進入する圧縮ガスから抽出されたサーマル・エネルギーの少なくとも一部分が、アキュムレーターを出て行くガスの中へ再び導入され、膨張の前にガスの温度を貯蔵温度からより高い退出温度へ上昇させることが可能である。
【0085】
蓄熱サブシステムの容量は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの圧縮局面持続期間または膨張局面持続期間のいずれかに基づいて選択され得る。
【0086】
蓄熱サブシステムの少なくとも一部分は、シャフト内に配設され得り、それは、シャフトの中に含有されている所定の量の液体の中に少なくとも部分的に沈められ得る。
【0087】
蓄熱サブシステムは、シャフトの中に含有されている所定の量の液体の中に沈められ得る。
【0088】
蓄熱サブシステムの少なくとも一部分は、アキュムレーター内に配設され得る。
【0089】
蓄熱サブシステムの全体が、アキュムレーター内に配設され得る。
【0090】
蓄熱サブシステムは、アキュムレーター内の液体の層の中に少なくとも部分的に沈められ得る。
【0091】
蓄熱サブシステムは、加圧されたチャンバー内に配設され得る。
【0092】
加圧されたチャンバーは、地下にあることが可能である。
【0093】
加圧されたチャンバーは、アキュムレーターの中のガスの層と流体連通していることが可能である。
【0094】
調整器弁が、蓄熱サブシステムの内部および加圧されたチャンバーと流体連通していることが可能であり、調整器弁は、蓄熱サブシステムの内部と加圧されたチャンバーとの間の閾値圧力差を維持するように構成され得る。
【0095】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、第1の圧縮段と、第1の圧縮段から下流にある少なくとも第2の圧縮段とを含むことが可能である。蓄熱サブシステムは、第1の圧縮段と第2の圧縮段との間に流体連通している第1の蓄熱段と、第2の圧縮段とアキュムレーターの中のガスの層に流体連通している第2の蓄熱段とを含むことが可能である。
【0096】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、第1の膨張段と、第1の膨張段から下流にある少なくとも第2の膨張段とを含むことが可能である。蓄熱サブシステムは、アキュムレーターの中のガスの層と第1の膨張段との間に流体連通している第3の蓄熱段と、第1の膨張段と第2の膨張段との間に流体連通している第4の蓄熱段とを含むことが可能である。
【0097】
ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、第1の圧縮段と、第1の圧縮段の下流にある少なくとも第2の圧縮段と、第1の膨張段と、第1の膨張段の下流にある少なくとも第2の膨張段とを含むことが可能である。蓄熱サブシステムは、第1の蓄熱段を含むことが可能であり、第1の蓄熱段は、第1の圧縮段と第2の圧縮段との間に流体連通しており、また、第1の膨張段と第2の膨張段との間に流体連通している。
【0098】
蓄熱サブシステムは、第2の蓄熱段を含むことが可能であり、第2の蓄熱段は、第2の圧縮段とアキュムレーターとの間に流体連通しており、また、アキュムレーターと第1の膨張段との間に流体連通している。
【0099】
液体導管が、シャフト内部の中の液体とアキュムレーターの中の液体の層との間の流体連通を提供することが可能であり、それによって、液体は、圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、シャフト内部とアキュムレーターの中の液体の層との間に流れることが可能である。
【0100】
液体導管の第1の端部は、パーティションの外側表面に近接しており、シャフトと流体連通していることが可能である。
【0101】
液体導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0102】
液体導管の第2の端部は、液体の層の中に沈められ得り、また、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、ガスの層から流体的に隔離されたままになっていることが可能である。
【0103】
圧縮ガスの層の圧力が、追加的なガスを圧縮ガスの層の中へ搬送することによって増加されるときには、ガス力の大きさが増加され得り、液体が、アキュムレーターの中の液体の層からシャフト内部へ液体導管を通して搬送され得る。圧縮ガスの層の圧力が、圧縮ガスの層からガスを放出することによって減少されるときには、ガス力の大きさが減少され得り、液体が、シャフト内部からアキュムレーターの中の液体の層へ液体導管を通して搬送され得る。
【0104】
ガス供給導管は、シャフト内部を通過することが可能であり、所定の量の液体の中に少なくとも部分的に沈められ得る。
【0105】
ガス供給導管は、シャフトの外部にあることが可能である。
【0106】
ガス供給導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0107】
本明細書で説明されている教示の1つの広い態様によれば(それは、単独でまたは任意の他の態様と組み合わせで使用され得る)、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、アキュムレーターを含むことが可能であり、アキュムレーターは、1次的な開口部、上側壁部、下側壁部、および、上側壁部および下側壁部によって少なくとも部分的に境界を定められるアキュムレーター内部を有している。アキュムレーターは、液体の層の上に圧縮ガスの層を含有することが可能である。ガス圧縮機/膨張機サブシステムは、少なくとも第1の圧縮機を有することが可能であり、第1の圧縮機は、アキュムレーターおよび第1の膨張段から間隔を離して配置されている。第1のガス導管は、第1の圧縮段と連通している上側端部と、圧縮ガス層の中へ圧縮ガスを搬送するために、アキュムレーター内部の中の第1の場所と連通している下側端部とを有することが可能である。シャフトは、1次的な開口部に隣接する下側端部、下側端部から間隔を離して配置されている上側端部、および、シャフト側壁部を有することが可能であり、シャフト側壁部は、下側端部から上側端部へ上向きに延在しており、所定の量の液体を含有するシャフト内部の境界を少なくとも部分的に定めている。シャフトは、液体供給導管を介して液体供給源/シンクに流体接続可能になっていることが可能である。パーティションは、シャフトの下側端部に位置決めされ得り、また、1次的な開口部をカバーしており、アキュムレーター内部をシャフト内部から分離している。パーティションは、シャフト内部と連通している外側表面、および、アキュムレーター内部と連通している対向する内側表面を有することが可能である。圧縮ガスの層および液体の層のうちの少なくとも1つが、パーティションの内側表面に当接することが可能であり、パーティションの内側表面に内部アキュムレーター力を働かせ、シャフト内の所定の量の液体が、パーティションの外側表面に当接することが可能であり、パーティションの外側表面に外部対抗力を働かせることが可能であり、それによって、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中である間にパーティションに作用する正味の力が、アキュムレーター力と対抗力との間の差になっており、アキュムレーター力よりも小さくなっていることが可能である。
【0108】
第2のガス導管は、第1のガス導管から間隔を離して配置され得り、また、下側端部と上側端部とを有することが可能であり、下側端部は、アキュムレーター内部の中の第2の場所と連通しており、上側端部は、第1のガス導管の上側端部から間隔を離して配置されており、第1の膨張機と流体連通している。
【0109】
第3のガス導管は、第1のガス導管および第2のガス導管から間隔を離して配置され得る。第3のガス導管は、下側端部と上側端部とを有することが可能であり、下側端部は、アキュムレーター内部の中の第3の場所と連通しており、上側端部は、第1のガス導管の上側端部および第2のガス導管の上側端部から間隔を離して配置されており、また、第1の膨張機から間隔を離して配置されている第2の膨張機と流体連通している。
【0110】
第1のガス導管、第2のガス導管、および第3のガス導管のうちの少なくとも1つは、シャフト内部を通って延在することが可能であり、シャフトの中に含有されている所定の量の水の中に沈められ得る。
【0111】
随意的に、第1のガス導管だけが、シャフト内部を通って延在することが可能であり、シャフトの中に含有されている所定の量の水の中に沈められ得り、第2のガス導管および第3のガス導管は、外部シャフトの外部にあることが可能である。
【0112】
第1の膨張機は、第2の膨張機から独立して動作可能であり得る。
【0113】
3の膨張機は、第1の圧縮機に近接していることが可能であり、第1のガス導管の上側端部と流体連通していることが可能である。
【0114】
第1の圧縮機は、シャフトに近接していることが可能であり、第1の膨張機は、シャフトから間隔を離して配置され得る。
【0115】
液体導管は、シャフト内部の中の液体とアキュムレーターの中の液体の層との間の流体連通を提供することが可能であり、それによって、液体は、圧縮ガスの層の圧力の変化に応答して、シャフト内部とアキュムレーターの中の液体の層との間に流れることが可能である。
【0116】
液体導管の上側端部は、パーティションの上側表面に近接していることが可能である。
【0117】
液体導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0118】
液体導管の下側端部は、アキュムレーター内の液体の層の中に沈められ得り、また、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが使用中であるときに、アキュムレーター内のガスの層から流体的に隔離されたままになっている。
【0119】
圧縮ガスの層の圧力が、追加的なガスを圧縮ガスの層の中へ搬送することによって増加されるときには、ガス力の大きさが増加され得り、液体が、アキュムレーターの中の液体の層からシャフト内部へ液体導管を通して搬送され得り、また、圧縮ガスの層の圧力が、圧縮ガスの層からガスを放出することによって減少されるときには、ガス力の大きさが減少され得り、液体が、シャフト内部からアキュムレーターの中の液体の層へ液体導管を通して搬送され得る。
【0120】
少なくとも第1のガス供給導管は、シャフト内部を通過することが可能であり、所定の量の液体の中に少なくとも部分的に沈められ得る。
【0121】
少なくとも第1のガス供給導管は、シャフトの外部にあることが可能である。
【0122】
少なくとも第1のガス供給導管は、パーティションを通過することが可能である。
【0123】
蓄熱サブシステムは、ガス圧縮機/膨張機サブシステムから下流に、および、アキュムレーターの上流に流体連通した状態で設けられ得り、それによって、所定の退出温度でガス圧縮機/膨張機サブシステムから出て行く圧縮ガスが、蓄熱サブシステムを通過し、それによって、サーマル・エネルギーが、圧縮ガスから抽出され、蓄熱サブシステムの中に貯蔵され、蓄熱サブシステムから出て行くガスの温度が、退出温度よりも低い貯蔵温度まで低減される。
【0124】
他の態様および実施形態が、さらに詳細に下記に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0125】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0126】
図1】静水圧的に補償される圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの1つの例のコンポーネントの概略図である。
図2図1の圧縮ガス・エネルギー貯蔵サブシステムのためのバルクヘッドのコンポーネントの上面図である。
図3図2のバルクヘッドの側面図である。
図4】線4-4に沿って見た、図2のバルクヘッドの側断面図である。
図5】実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのうちのいずれかとともに使用可能な圧縮機/膨張機サブシステムの1つの例のコンポーネントの概略的な表現である。
図6A】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図7A図6Aの圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのコンポーネントの一部分の拡大図である。
図6B】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図7B図6Bの圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのコンポーネントの一部分の拡大図である。
図8】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図9】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図10】実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図である。
図11A】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の圧縮段がそれぞれの熱交換器にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図11B】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の圧縮段がそれぞれの熱交換器にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図12】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の膨張段がそれぞれの熱交換器にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図13】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮段および膨張段のペアがそれぞれの熱交換器にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図14図13の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、貯蔵から複数の膨張機および熱交換器を通る、膨張(放出)局面の間の空気フローを示す図である。
図15図13の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、大気から複数の圧縮機および熱交換器を通る、圧縮(貯蔵)の間の空気フローを示す図である。
図16】実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのコンポーネントの断面図である。
図17】実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図である。
図18】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の圧縮段が蓄熱サブシステムのそれぞれの段にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図19】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の膨張段が蓄熱サブシステムのそれぞれの段にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図20】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮段および膨張段のペアが蓄熱サブシステムのそれぞれの段にそれぞれ関連付けられた状態になっていることを示す図である。
図21図20の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、貯蔵から複数の膨張機および蓄熱サブシステムのそれぞれの段を通る、膨張(放出)局面の間の空気フローを示す図である。
図22図20の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、大気から複数の圧縮機および蓄熱サブシステムのそれぞれの段を通る、圧縮(貯蔵)の間の空気フローを示す図である。
図23】代替的な実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのコンポーネントの断面図である。
図24】別の代替的な実施形態による代替的な圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのコンポーネントの断面図である。
図25】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図26】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の実施形態の概略的な表現である。
図27】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の例のコンポーネントの概略図である。
図28】圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのさらなる別の例のコンポーネントの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0127】
さまざまな装置またはプロセスが、特許請求されているそれぞれの発明の実施形態の例を提供するために、下記に説明されることとなる。下記に説明されている実施形態は、特許請求されている任意の発明を限定しておらず、特許請求されている任意の発明は、下記に説明されているものとは異なるプロセスまたは装置をカバーすることが可能である。特許請求されている発明は、下記に説明されている任意の1つの装置もしくはプロセスの特徴のすべてを有する装置またはプロセスに限定されておらず、または、下記に説明されている装置のうちの複数またはすべてに共通の特徴に限定されていない。下記に説明されている装置またはプロセスは、特許請求されている任意の発明の実施形態ではないということが可能である。この文献の中で特許請求されていない下記に説明されている装置またはプロセスの中に開示されている任意の発明は、別の保護文書(たとえば、継続特許出願)の主題となる可能性があり、出願人、発明者、または所有者は、この文献の中のその開示によって、任意のそのような発明を捨てるか、放棄するか、または公衆に開放することを意図していない。
【0128】
風車およびソーラー・パネルなどのような、いくつかのタイプのエネルギー供給源によって作り出されるエネルギーは、特定の期間の間に(たとえば、それぞれ、風の強いとき、または、日のよく照るときに)作り出され、他の期間の間に(風が強くない場合に、または、夜間に、など)作り出されない傾向がある可能性がある。しかし、エネルギーに対する要求は、常に、生産期間にマッチしているわけではない可能性があり、後の時間において使用するためにエネルギーを貯蔵することが有用である可能性がある。同様に、従来の発電機(たとえば、石炭、ガス、および/または原子力発電プラント)を使用して発生させられるエネルギーを貯蔵し、非ピーク期間の間に(たとえば、電気供給が要求よりも大きくなり得る期間に、および/または、電気のコストが比較的に高い期間に)発生させられるエネルギーの貯蔵を促進させることを助け、ピーク期間の間に(たとえば、電気に対する要求が供給に等しいかもしくは供給よりも大きくなり得るときに、および/または、電気のコストが比較的に高いときに)そのエネルギーが利用されることを可能にすることが有用である可能性がある。
【0129】
本明細書で説明されているように、適切な圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムを使用して、ガス(たとえば、空気など)を圧縮および貯蔵することは、後の使用のためにエネルギーを貯蔵する1つの方式である。たとえば、非ピーク時間の間に、エネルギー(すなわち、電気)は、圧縮機を駆動し、貯蔵のために所望の比較的に高い圧力までガスの体積を圧縮するために使用され得る。次いで、ガスは、適切なアキュムレーターなどのような任意の適切なコンテナまたは容器の内側に、比較的に高い圧力で貯蔵され得る。貯蔵されたエネルギーを抽出するために、加圧されたガスは、アキュムレーターから放出され、任意の適切な膨張機装置などを駆動するために使用され、最終的に、電気を作り出すために発電機などを駆動するために使用され得る。所与の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの中に貯蔵され得るエネルギーの量は、ガスが圧縮/貯蔵される圧力に関係付けられ得り、圧力貯蔵が高ければ高いほど、一般的に、高いエネルギー貯蔵を促進させる。しかし、従来のシステムの中に比較的に高い圧力でガスを含有することは(たとえば、約45~150atmの間など)、比較的に強力であり、特殊化された、および、多くの場合に比較的にコストのかかる貯蔵コンテナ/圧力容器を必要とする可能性がある。
【0130】
図1を参照すると、静水圧的に補償される圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10の1つの例は(それは、ガスを圧縮し、貯蔵し、および放出するために使用され得る)、アキュムレーター12を含み、アキュムレーター12は、地下に位置付けされている(が、別の実施形態では、アキュムレーターは、地上に位置付けされてもよい)。この例では、アキュムレーター12は、圧縮ガスおよび液体(たとえば、水など)の両方を保持するためのチャンバーとしての役割を果たしており、また、任意の適切なタイプの圧力容器またはタンクを含むことが可能であり、または、この例のように、地面200の中にある地下洞窟または大洞窟であることが可能である。この実施形態では、アキュムレーター12は、たとえば、コンクリート、金属、プラスチック、および、それらの組み合わせなどを使用してライニングされており、それを実質的にガス不浸透性および/または液体不浸透性にすることを助け、内部23の中からのガスまたは液体の望まれない退出を防止することを助けるようになっている。別の実施形態では、アキュムレーターは、好ましくは、ライニングを必要とすることなく、ガスおよびまたは液体に対して不浸透性である。
【0131】
アキュムレーター12は、任意の適切な構成を有することが可能であり、また、この例では、上側壁部13および対向する下側壁部15を含み、上側壁部13および下側壁部15は、アキュムレーター高さ17によって互いに分離されている。上側壁部13および下側壁部15は、湾曲した構成、アーチ形の構成、および角度の付いた構成などを含む、任意の適切な構成のものであることが可能であり、また、図示されている例では、概して平面的な表面として示されており、概して平面的な表面は、水平方向の基準平面19に対して概して平行になっている。また、アキュムレーター12は、所定のアキュムレーター幅(示されてはいない-図1に図示されているような紙面の中へ測定される)を有している。上側壁部13および下側壁部15は、1つまたは複数の側壁部21とともに、所定のアキュムレーター体積を有するアキュムレーター12の内部23を少なくとも部分的に画定している。システム10の所与の実施形態において、アキュムレーター12は、さまざまな要因(たとえば、貯蔵されることとなるガスの量、所与の場所の中の利用可能なスペースなど)に基づいてサイズ決めされ得り、また、いくつかの例では、約1,000mから約2,000,000m以上の間になっていることが可能である。たとえば、この実施形態では、アキュムレーター12は、液体16の層の上に、貯蔵されている圧縮ガス14の層を含有しており、その体積(ひいては、容量)が、貯蔵されることとなるガス14の量、システム10のために必要とされる貯蔵の持続期間、ならびに、適切な電力供給源および/または電力負荷(図5の中の電力供給源/負荷S/Lを参照)(システム10はそれと関連付けられることとなる)の容量または他の特徴に関係付けされ得る他の適切な要因に基づいて選択され得る。電力供給源/負荷S/Lは、いくつかの例では、パワー・グリッドならびに電力供給源(再生可能な供給源および随意的に非再生可能な供給源を含む)であることが可能である。
【0132】
好ましくは、アキュムレーター12は、地面の下にまたは水中に位置決めされ得るが、代替的に、少なくとも部分的に地上にあってもよい。示されているように、アキュムレーター12を地面200の中に位置決めすることは、地面/土壌の重量がアキュムレーター12の壁部13、15、および21を補強/強化することを助けることを可能にすることができ、また、地面/土壌の重量がアキュムレーターの内部23の壁部13、15、および21に働かされる任意の外向きに作用する力に抵抗することを助けることを可能にすることができる。地面の中のその深さは、使用されることとなる圧縮/膨張機器が最も効率的に動作させられる圧力にしたがって確立される。圧縮されてアキュムレーター12の中に貯蔵されることとなるガスは、それに限定されないが、空気、窒素、希ガス、および、それらの組み合わせなどを含む、任意の適切なガスであることが可能である。空気を使用することは、いくつかの実施形態において好ましい可能性がある。その理由は、所望の量の空気が、取り囲む周囲環境からシステムの中へ引き込まれ得り、アキュムレーター12の中から放出されるガス/空気が、同様に、随意的に、さらなる処理を必要とすることなく、周囲環境へベントされ得るからである。この実施形態では、圧縮ガス14は、圧縮された大気であり、液体は、水である。
【0133】
随意的に、たとえば、アキュムレーターの構築の間の使用のために、アキュムレーター12の内部へのアクセスを提供することを助けるために、および/または、検査および/またはメンテナンスのためのアクセスを許容するために、アキュムレーター12は、少なくとも1つの開口部を含むことが可能であり、少なくとも1つの開口部は、システム10が使用中のときには、概して空気/ガスを通さない様式でシールされ得る。この例では、アキュムレーター12は、1次的な開口部27を含み、1次的な開口部27は、上側壁部13の中に設けられている。1次的な開口部27は、任意の適切なサイズになっていることが可能であり、また、特定の要件に基づいて十分な断面積(平面19の中でとられる)を有することが可能である。1つの実施形態では、断面積は、約0.75mから約80mの間にあるが、所与の実施形態では、より大きくてもよく、または、より小さくてもよい。
【0134】
システム10が使用中であるときには、1次的な開口部27は、適切なシーリング部材として機能することができる任意の適切なタイプのパーティションを使用してシールされ得る。図1の実施形態では、システム10は、1次的な開口部27をカバーするバルクヘッド24の形態のパーティションを含む。図2は、バルクヘッド24のこの実施形態のコンポーネントの上面図であり、図3および図4は、それぞれ、バルクヘッド24の側面図および側断面図である。この例では、バルクヘッド24は、主本体部25を有しており、主本体部25は、内側表面29を含み、内側表面29は、アキュムレーター12の内部23に面しており、1つの代替例では、一般的に、圧縮ガス層14に露出されており、また、圧縮ガス層14に流体連通しており、また、主本体部25は、内部54に面する本体部25の上側端部において、対向する外側表面31を含む。フランジ26が、バルクヘッドの下側端部に向けて概して横方向外向きに延在しており、バルクヘッド24の上側端部が、上側幅33を有するようになっており、上側幅33は、約1~8mの間にあることが可能であり、開口部27の中にフィットするようにサイズ決めされ得り、また、バルクヘッド24の下側端部は、下側幅35を有するようになっており、下側幅35は、上側幅33よりも大きくなっており、たとえば、約1.2mから約10mの間にあることが可能である。この配置では、概して上向きに面するショルダー部表面37が画定されており、バルクヘッド24の周辺の周りに延在している。図1に示されているように、バルクヘッド24が適切な場所にあるときには、ショルダー部表面37は、アキュムレーター12の上側表面13に当接することが可能であり、また、開口部27を通したバルクヘッド24の上向きの移動に抵抗することを助けることが可能である。バルクヘッド24は、上側壁部13に固定され得り、好ましくは、任意の適切なメカニズムを使用して上側壁部13によってシールされ得り、内部23をシールして囲むことを助ける。他の実施形態では、バルクヘッド24は、異なる適切な構成を有することが可能である。
【0135】
バルクヘッド24は、現場で製造されてもよく、または、現場の外で製造されてもよく、また、コンクリート、金属、プラスチック、および複合材料などを含む、任意の適切な材料から作製され得る。図示されている実施形態では、バルクヘッド24は、シャフト18と複数のピースの鉄筋コンクリートのアキュムレーター12との間のインターフェースにおいて、現場で組み立てられる。
【0136】
図1の実施形態では、1次的な開口部27は、アキュムレーター12の上側表面13の中に設けられている。代替的に、他の実施形態では、1次的な開口部27および任意の関連のパーティションは、たとえば、側壁部(たとえば、側壁部21など)の上、下側表面(たとえば、下側表面15など)の中、または他の適切な場所を含む、アキュムレーター12の異なる部分の中に設けられ得る。1次的な開口部27の場所および関連のパーティションは、たとえば、土壌および地下条件、(たとえば、システム10が、鉱山、採石場、および貯蔵設備などのような何らかの既存のスペースの中へ組み込んで改良される場合には)既存の構造体の利用可能性、動作圧力、およびシャフト構成などを含む、さまざまな要因に基づいて選択され得る。たとえば、本明細書で説明されているシステム10のいくつかの態様は、前から存在する地下チャンバーの中へ組み込んで改良され得り、前から存在する地下チャンバーは、それらの側壁部および床などの中に開口部を構築されている可能性がある。これらの既存の形成体のうちのいくつかを利用することは、システムの中で使用されるチャンバーの構築および/または改良を促進させることを助けることが可能であり、また、チャンバーの上側表面の中に追加的な開口部を形成する必要性を低減させるかまたは排除することが可能である。アキュムレーターの中の開口部の合計数を低減させることは、シーリングを促進させることを助けることが可能であり、また、リークなどの機会を低減させることを助けることが可能である。
【0137】
1次的な開口部27が、アキュムレーター12の側壁部21に沿って延在しているときには、ガス層14のみによって接触されるように(すなわち、アキュムレーター12の上部に向けて)、液体層16のみによって接触されるように(すなわち、液体層16の中におよびアキュムレーターの底部に向けて沈められている)、および/または、ガス層14および液体層16の両方の組み合わせによって(すなわち、液体の中に部分的に沈められており、また、部分的に沈められていない)、1次的な開口部27は位置決めされ得る。液体層16の自由表面の特定の位置(すなわち、液体層16とガス層14との間のインターフェース)は、システム10が使用中である間に変化する可能性がある。その理由は、ガスがアキュムレーターの中へ押し込まれ(液体層が降下することを引き起こす)、および/または、アキュムレーターから引き出される(液体レベルが上昇することを可能にする)からである。
【0138】
図27の中の概略的な表現に図示されているように、1次的な開口部27は、アキュムレーター12の側壁部15の中に設けられており、バルクヘッド24は、一般的に、システム10Hが使用中であるときに、液体層16の中に部分的に沈められており、ガス層14に部分的に露出されるように位置決めされている。この例では、ガス供給導管22は、バルクヘッド24を通過しており、その下側端部62がアキュムレーター12の上部に向けて位置付けされるように配置されており、それがガス層14と連通したままになることとなるようになっており、また、アキュムレーター12の中の液体のレベルにかかわらず、液体層16から流体的に隔離されるようになっている。代替的に、ガス供給導管22は、システムがこのように構成されているときには、それがバルクヘッド24を通過しないように位置決めされ得る。
【0139】
図1および図27の実施形態では、パーティションは、製作されたバルクヘッド24を含み、製作されたバルクヘッド24は、アキュムレーター周囲部の中の1次的な開口部27をカバーし、随意的にシールするように位置決めされている。代替的に、他の実施形態では、パーティションは、岩などのような自然材料から少なくとも部分的に形成され得る。たとえば、適切なパーティションは、自然に生じる岩の一部分を残すことおよび/または形状決めすることによって形成され得り、アキュムレーターの内部とシャフトとの間の圧力境界部の少なくとも一部分を形成することを助ける。そのような形成体は、アキュムレーター内部とシャフトとの間の所望の動作圧力差に耐えることができるように、それらが十分にガス不浸透性となることを保証することを助けるために、処理されるか、コーティングされるか、または、その他の方法で修正され得る。これは、いくつかの実施形態では、シャフト18およびアキュムレーター12の掘削および構築の間に、取り囲む岩の一部分が一般的に乱されないように、シャフト18およびアキュムレーター12を選択的に掘削することによって行われ得る。代替的に、岩または他のそのような材料は、以前に掘削された後に、アキュムレーター12および/またはシャフト18内の適切な場所の中へ再び導入され得る。これは、別個のバルクヘッドを製造し、それをシステム10内に据え付ける必要性を低減させることを助けることが可能である。この性質の配置において、1次的な開口部27は、アキュムレーター12の側壁部21の開口部として形成され得り、または、代替的に、アキュムレーター12の1つの側部が、実質的に開いていることが可能であり、1次的な開口部27が、アキュムレーター高さ17の実質的に全体に延在し、アキュムレーター12の実質的に1つの側部全体を形成するようになっている。
【0140】
図28を参照すると、圧縮ガス貯蔵システム10の別の実施形態が、突起部200Aを含むパーティションとともに構成されており、突起部200Aは、図28の中のハッチングを使用して識別されており、突起部200Aは、一般的に、取り囲む地面200と同じ材料から形成されている。この例では、システム10は、他の実施形態に示されているような別個に製作されたバルクヘッド24を含む必要がない。この実施形態では、ガス供給導管22が突起部200Aから間隔を離して配置されており、パーティションを通って延在しないように、システム10が構成されている。その代わりに、別個のシャフトまたはボアが、導管22を収容するために設けられ得る。シャフト18の内部と液体層16との間の液体連通を提供することを助けるために、液体供給導管40は、突起部200Aを通って延在するように設けられ得り、または、図示されているように、液体供給導管40のうちの少なくともいくらかは、フロー・チャネルによって提供され得り、そのフロー・チャネルは、突起部200Aの下を通っており、シャフト18を液体層16に流体接続させており、また、液体供給導管40の端部64および66において、通路の開放端部になっていることが可能である。
【0141】
随意的に、そのような実施形態では、ガス供給導管22は、図28に図示されているように、パーティション/突起部200Aを通過するように配置され得る。この配置では(および、図27に示されている実施形態では)、導管22は、その端部62がアキュムレーター12の上側に向けて位置決めされるように構成され、液体層16が端部62に到達することを防止することを助けることが可能である。代替的に、ガス供給導管22は、代替的な導管22に関する点線を使用して概略的に図示されているように、パーティションを通過する必要はない。
【0142】
随意的に、システム10は、ガス供給導管22が液体供給導管40を少なくとも部分的に通過するように配置され得る。これは、パーティション/突起部200Aの中に設けられる必要のある開口部の数を低減させることを助けることが可能である。図28の実施形態では、ガス供給導管22の別の随意的な配置が、点線を使用して示されており、シャフト18からアキュムレーター12の内部の中へ、フロー・チャネルを通過している。この配置では、ガス供給導管22は、液体供給導管40の中に入れ子にされており、液体供給導管40を通過しており、また、突起部200Aの下を通っている。随意的に、ガス供給導管22の少なくともいくらかが液体供給導管40の一部分の中に受け入れられている構成が、また、液体供給導管40およびガス供給導管22の両方がパーティションを通過するものを含む、システム10の他の実施形態(本明細書で説明および図示されているものを含む)において利用され得る。
【0143】
アキュムレーター12が使用中であるときには、加圧されたガス層14および液体層16のうちの少なくとも一方または両方が、バルクヘッド24の内側表面29に接触して圧力を働かせる可能性があり、それは、概して外向きに(この実施形態では、上向きに)作用する内部アキュムレーター力を結果として生じさせることとなり、それは、図1の中の矢印41によって表されており、バルクヘッド24に作用する。内部アキュムレーター力41の大きさは、ガス14の圧力および内側表面29の断面積(平面19においてとられる)に依存している。所与の内側表面29の面積に関して、内部アキュムレーター力41の大きさは、ガス14の圧力とともに概して比例して変化し得る。
【0144】
好ましくは、内向きに(この実施形態では、下向きに)作用する力が、バルクヘッド24の外側表面31に印加され、内部アキュムレーター力41を相殺することおよび/または内部アキュムレーター力41と釣り合いをとることを助けることが可能である。この性質の対抗力を印加することは、システム10が使用中である間にバルクヘッド24に作用する正味の力を低減させることを助けることが可能である。これは、バルクヘッド24が内部アキュムレーター力41の大きさ全体に抵抗しなければならない場合に必要とされることとなるものよりも低い圧力耐性によって、バルクヘッド24の使用を促進させることを助けることが可能である。これは、バルクヘッド24が比較的に小さくなり、軽くなり、低いコストになることを可能にすることができる。また、この配置は、システム10が使用中である間に、バルクヘッド24が故障する機会を低減させることを助けることが可能である。随意的に、外側表面31を加圧された環境(たとえば、外側表面31と接触している加圧されたガスまたは液体など)に曝すことによって、ならびに、(外側表面31の相対的な断面積、および、内側表面29に作用する圧力に基づいて)外側表面31に作用する圧力をキャリブレートすることによって、適切な対抗力が生成され得り、結果として生じる対抗力(図1の中の矢印46によって示されている)が望ましい大きさを有するようになっている。いくつかの構成では、対抗力46の大きさは、内部アキュムレーター力41の約80%から約99%の間になっていることが可能であり、また、随意的に、約90%から約97%の間になっていることが可能であり、また、内部アキュムレーター力41の大きさにおおよそ等しくなっていることが可能である。
【0145】
本実施形態では、システム10は、シャフト18を含み、シャフト18は、下側端部43および上側端部48を有しており、下側端部43は、アキュムレーター12の上側壁部13の中の開口部27と連通しており、上側端部48は、シャフト高さ50だけ下側端部43から間隔を離して配置されている。少なくとも1つの側壁部52が、下側端部43から上側端部48へ延在しており、所定の体積を有するシャフト内部54を少なくとも部分的に画定している。この実施形態では、シャフト18は、一般的に線形になっており、概して垂直方向のシャフト軸線51に沿って延在しているが、他の実施形態では、線形の低下または螺旋状の低下などのような他の構成を有することも可能である。シャフト18の上側端部48は、示されているように、雰囲気Aに開放していることが可能であり、または、キャプされるか、キャップされる、囲まれるか、またはその他の方法でシールされ得る。この実施形態では、シャフト18は、約3メートルの直径56を有する概して円筒形状になっており、他の実施形態では、直径56は、約2mから約15m以上の間にあることが可能であり、または、約5mから12mの間にあることが可能であり、または、約2mから約5mの間にあることが可能である。そのような配置では、シャフト18の内部54は、約1,000~150,000mの水を収容することができる可能性がある。
【0146】
この配置では、バルクヘッド24は、シャフト18とアキュムレーター12との間のインターフェースに位置決めされており、外側表面31(または、その少なくとも一部分)が、シャフト18の下側端部43を閉じてシールしている。好ましくは、シャフト18の他の境界部(たとえば、側壁部52)は、一般的に、液体不浸透性になっており、内部54が、水20などのような所定の量の液体によって充填され得り、また、一般的に、所定の量の液体を保有することができるようになっている。水供給/補充導管58が、シャフト18の内部54と水供給源/シンク150との間の流体連通を提供することが可能であり、システム10が使用中であるときに、必要に応じて、水がシャフト18の内部の中へ流入するかまたはシャフト18の内部から流出することを可能にする。随意的に、(図1に示されているような)フロー制御弁59が、水供給/補充導管58の中に設けられ得る。フロー制御弁59は、システム10が使用中である間に開けられ得り、シャフト18と水供給源/シンク150との間の水の所望のフローを促進させることを助ける。随意的に、フロー制御弁59は、望まれる場合には、シャフト18および水供給源/シンク150を流体的に隔離するために閉じられ得る。たとえば、フロー制御弁59は、検査またはメンテナンスなどのために、シャフト18の内部54をドレン排出することを促進させることを助けるために閉じられ得る。
【0147】
水供給源/シンク150は、任意の適切な性質のものであることが可能であり、たとえば、都市用水供給部もしくは貯水池、特設の貯水池、貯蔵タンク、給水塔、および/または、自然の水体、たとえば、湖、河川もしくは海洋、地下水、または帯水層などへの接続部を含むことが可能である。図示されている例では、水供給源/シンク150は、湖として図示されている。水が導管58を通って流れることを可能にすることは、十分な量の水20がシャフト18によって維持され得るということ、および、過剰な水20がシャフト18からドレン排出され得るということを保証することを助けることが可能である。導管58は、任意の適切な場所においてシャフト18に接続され得り、好ましくは、上側端部48に向けて接続されている。好ましくは、水が供給源/シンク150からシャフト18へ重力を介して流れることとなり、外部給電ポンプまたは他の搬送装置を含む必要がないように、導管58は位置決めおよび構成され得る。導管58は図の中で水平方向のものとして示されているが、それは、非水平方向のものであってもよい。
【0148】
この例では、シャフト18の中の水20は、バルクヘッド24の外側に当接しており、それによって、バルクヘッド24の上に支持されている。この例において、バルクヘッド24の外側表面31に作用する圧力の量は、支持されている水20の体積によって変化することとなり、水20の体積は、所与の直径56に関して、水柱の高さによって変化することとなる。この配置では、対抗力46の大きさは、次いで、シャフト18の中に保持されている水20の量に概して比例していることが可能である。対抗力46の大きさを増加させるために、より多くの水20が追加され得る。対抗力46の大きさを低減させるために、水20は、内部54から除去され得る。
【0149】
バルクヘッド24の下にある貯蔵された圧縮空気14の層は、バルクヘッド24が地面の中の周囲のものに(1つの代替例では、アキュムレーター12とシャフト18との間のインターフェースにおける地面の中の周囲の石に)安定して取り付けられる技法とともに、バルクヘッド24およびシャフト18の中に含有される液体の量を支持する役割を果たしている。
【0150】
好ましくは、説明されることとなるように、所定の量の水20がバルクヘッド24に当接する圧力は維持され得り、対抗力46の大きさが、アキュムレーター12の中に貯蔵されている圧縮ガス層14の中の圧縮ガスによって働かされる内部アキュムレーター力41の大きさに等しいかまたはほぼ等しくなるようになっている。図示されている実施形態では、圧力差(すなわち、アキュムレーター12の内側のガス圧力とシャフト18の下側端部43における静水圧力との間の差)を所定の閾値量(好ましくは、0Barから4Barの間の量、たとえば、2Barの量など)の中に維持するように、システム10を動作させることで、バルクヘッド24に作用する結果として生じる正味の力(すなわち、内部アキュムレーター力41と対抗力46との間の差)は、事前決定された閾値の正味の力限界の下方に維持され得る。正味の圧力差および関連の正味の力の大きさを、閾値の正味の圧力差限界の下方に維持することは、バルクヘッド24が非常に大きくなり、高度に補強され、したがって、相対的に高価になる必要性を低減させることを助けることが可能である。代替的な実施形態では、比較的に強力なバルクヘッド24を使用すること、および/または、バルクヘッド24をアキュムレーター12に取り付けるための据え付け技法を使用することは、比較的に高い圧力および正味圧力差に耐えることを助けることが可能であるが、すべての他の条件が等しいならば、構築および据え付けるのにより高価になる可能性がある。そのうえ、アキュムレーター12の高さ17は、圧力差にとって重要である可能性がある。高さ17が約10メートルである場合には、バルクヘッド24にかかる上向きの圧力は、シャフト18の中の水20からバルクヘッド24にかかる下向きの圧力よりも1Bar高くなることとなる。
【0151】
シャフト18およびアキュムレーター12のそれぞれは、マイン・シャフトおよび他の地下構造体を作り出すために使用されるものと同様の技法を使用して、地面200の中に形成され得る。
【0152】
バルクヘッド24にそれぞれかかる外向きの力41および内向きの力46を実質的に等しく維持することを助けるために、システム10は、アキュムレーター圧力およびシャフト圧力の所望の差(所定の閾値量を下回っている)を維持することを助けるために利用され得る。これらの圧力は、任意の適切な圧縮機/膨張機サブシステム100を使用して、アキュムレーター12の中の圧縮ガス層14にガスを追加または除去することによって制御され得り、また、水は、液体層16とシャフト18の中の水20との間で搬送され得る。
【0153】
この実施形態では、ガス導管22が、圧縮ガス層14と圧縮機/膨張機サブシステム100との間で圧縮空気を搬送するために設けられており、圧縮機/膨張機サブシステム100は、圧縮空気エネルギーを電気へおよび電気から変換することが可能である。同様に、液体導管40が、液体層16とシャフト18の中の水20との間で水を搬送するように構成されている。それぞれの導管22および40は、金属およびプラスチックなどを含む、任意の適切な材料から形成され得る。
【0154】
この例では、ガス導管22は、上側端部60および下側端部62を有しており、上側端部60は、圧縮機/膨張機サブシステム100に接続されており、下側端部62は、ガス層14と連通している。ガス導管22は、この例では、シャフト18の内側に位置決めされており、シャフト18の中に延在しており、バルクヘッド24を通過し、ガス層14に到達している。シャフト18の中にガス導管22を位置決めすることは、第2のシャフト、および/または、表面からアキュムレーター12へのアクセス・ポイントの穴をあける必要性を排除することが可能である。また、この位置は、たとえば、シャフト18の中の水20を通ってトラベルすることができるダイバーもしくはロボットを使用することによって、および/または、水のいくらかまたはすべてをシャフト18からドレン排出することによって、一般的に検査およびメンテナンスのために露出されるガス導管22を残すことが可能である。代替的に、図1の中でおよび図28の実施形態の中で点線を使用して示されているように、ガス導管22は、シャフト18の外部にあることが可能である。ガス導管22をシャフト18の外側に位置決めすることは、圧縮機/膨張機サブシステム100の遠隔の設置を促進させることを助けることが可能であり、(すなわち、それは、シャフト18に近接している必要がない)、また、ガス導管22の外部(または、そのハウジング)が水の中に沈められることを必要としないことが可能である。また、これは、アキュムレーター12をシャフト18から分離するパーティションをガス導管22が通過する必要性を排除することが可能である。
【0155】
この例では、液体導管40は、下側端部64および遠隔の上側端部66を備えて構成されており、下側端部64は、システム10が使用中の間に水層16の中に沈められており、遠隔の上側端部66は、シャフト18の内部54と連通している。この構成では、液体導管40は、液体層16とシャフト18の中の水20との間の液体の交換を促進させることが可能である。図1に図示されているように、液体導管40は、(本明細書で説明されているように)バルクヘッド24を通過することが可能であり、または、代替的に、点線を使用して示されているように、液体層16と水20との間の連通を提供するが、バルクヘッド24を通過しないように構成されていてもよい。
【0156】
この配置では、より多くのガスが蓄積サイクルの間にガス層14の中へ移送され、その圧力が(この代替例では、わずかに)増加するときに、水層16の中の水が、シャフト18の中の水20の圧力に対抗して、液体導管40を通ってシャフト18の中へ上向きに変位させられて押し込まれ得る。より具体的には、水は、好ましくは、アキュムレーター12の底部からシャフト18の中へ自由に流れることができ、最終的に、補充導管58を介して水の供給源/シンク150と交換され得る。代替的に、任意の適切なタイプのフロー制限または調整デバイス(たとえば、ポンプ、弁、およびオリフィス・プレートなど)が、水導管40の中に設けられ得る。ガスがガス層14から除去されるときには、水は、シャフト18から水導管40を通して押され、水層16を再充填することが可能である。補充導管58を通るフローは、水が水層16の中へおよび水層16から外へ押されるので、所望の量の水20がシャフト18の中に維持され得る。その理由は、過剰な水20がシャフト18からドレン排出され得り、補給水がシャフト18へ供給され得るからである。この配置は、ガスがアキュムレーター12の中へ押し込まれるときに、アキュムレーター12およびシャフト18の中の圧力が少なくとも部分的に自動的に再び釣り合うことを可能にすることができる。
【0157】
好ましくは、液体導管40の下側端部64は、システム10が使用中である間に、それが液体層16の中に沈められるように、および、一般的には、液体層16の中に沈められたままになっているように位置決めされており、ガス層14と直接的に連通していない。図示されている例では、下側壁部15は、平面的になっており、また、概して水平方向になっており(平面19に対して平行になっているか、または、随意的に、水平方向から約.01%から約1%の間の最大傾斜、および、随意的に、約0.5%から約1%の間の最大傾斜を有するように配置されている)、また、液体導管40の下側端部64は、下側壁部15の近くに設置されている。下側壁部15が平坦になっておらず、または、概して水平方向になっていない場合には、液体導管40の下側端部64は、好ましくは、アキュムレーター12の相対的に低いポイントに位置付けされ、下側端部64がガス層14に露出される機会を低減させることを助ける。
【0158】
同様に、ガス層からのガスの抽出を促進させることを助けるために、ガス導管22の下側端部62は、好ましくは、上側壁部13の近くに、または、アキュムレーター12の内部23の中の相対的に高いポイントに位置付けされている。これは、アキュムレーター12の中の任意のガスの材料捕捉を低減させることを助けることが可能である。たとえば、上側壁部13が傾斜して配向されているとすれば、ガス導管22がガス層とインターフェース接続するポイント(すなわち、その下側端部62)は、ガスの重大な捕捉を回避することを助けるために、アキュムレーター12の中の高いポイントにあるべきである。
【0159】
図5は、実施形態による、本明細書で説明されている圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10の圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントの概略図である。この例では、圧縮機/膨張機サブシステム100は、単一のまたは複数の段の圧縮機112を含み、圧縮機112は、モーター110によって駆動され、モーター110は、1つの代替例では、パワー・グリッドからの電気を使用して、または、再生可能な電力供給源などによって、給電されており、随意的に、適切なコントローラー118を使用して制御されている。圧縮機112は、動作の蓄積段階の間にモーター110によって駆動され、大気Aを引き込み、空気を圧縮し、(蓄熱サブシステム120を含む実施形態では、蓄熱サブシステム120(図8を参照)を介して)アキュムレーター12の中に貯蔵するために、それをガス導管22の中へ下方に押し込む。また、圧縮機/膨張機サブシステム100は、膨張機116を含み、膨張機116は、動作の膨張段の間にガス導管22から出て行く圧縮空気によって駆動され、そして、発電機114を駆動し、電気を発生させる。膨張機116を駆動した後に、膨張した空気は、雰囲気Aへの退出のために搬送される。別個の装置として示されているが、圧縮機112および膨張機116は、ハイブリッド・モーター/発電機装置のように、共通の装置の一部であることが可能である。随意的に、モーターおよび発電機は、単一のマシンの中に提供され得る。
【0160】
圧縮機/膨張機サブシステム100に進入する空気、または、圧縮機/膨張機サブシステム100から離れる空気は、その進入または退出の前に調整され得るということが理解されることとなる。たとえば、圧縮機/膨張機サブシステム100から退出または進入する空気は、加熱および/または冷却され、望ましくない環境的影響を低減させ、または、空気が圧縮機112または膨張機116の特定の段の効率的な動作範囲に適した温度になることを引き起こすことが可能である。コントローラー118は、必要に応じて蓄積段階と膨張段階との間で切り換わるように、圧縮機/膨張機サブシステム100を動作させ、それは、要求に応じてガス導管22からの圧縮空気の放出を防止するかまたは可能にするための弁を動作させることを含む。
補助ガス放出
【0161】
随意的に、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10は、1つまたは複数の補助ガス放出サブシステムを含むことが可能であり、1つまたは複数の補助ガス放出サブシステムは、ガス導管22から分離しており、圧縮ガス層14からのガスの放出を促進させることを助ける。たとえば、アキュムレーター12の中の圧力が所望の最大貯蔵圧力に接近するおよび/または超える場合には、ガスの少なくともいくらかを圧縮ガス層14からベントすることが、圧力を所望の範囲まで低減させることを助けることが可能である。また、これは、圧縮ガス層14が導管40の下側端部64と流体連通するレベルに圧縮ガス層14が到達することを防止することを助けるために使用され得る。そのような補助ガス放出サブシステムは、好ましくは、少なくとも1つの補助ガス放出導管を含み、少なくとも1つの補助ガス放出導管は、ガス供給導管22から分離しており、地面の中へ、別個のベント・シャフトの中へ、水の充填されたシャフト18の中へ、または、他の所望の場所の中へ、ガスをベントするように構成され得る。たとえば、シャフト18の中からバルクヘッド24の外側に当接する圧力とアキュムレーター12の中からバルクヘッド24の内側に当接する圧力との間の差が、バルクヘッド24の完全性またはその適切な場所における据え付けを脅かすようなレベルまで上昇する場合に、ガス放出サブシステムは、ガスを放出するように動作可能であることによって、システム10の中の圧力を調整するためのさらなるフレキシビリティーを可能にすることができる。たとえば、圧力を低下させるレベル、および、それによって、バルクヘッド24に作用する対抗力46の大きさを所望のレベルよりも下に低減させるレベルまで、シャフト18の中の液体20が万が一低減されるとすれば、ガス放出サブシステムが、アキュムレーター12の中の圧力の放出を可能にすることができる。
【0162】
この実施形態では、ガス放出サブシステムは、ガス供給導管22から間隔を置いて配置されている補助ガス放出導管45と、圧縮ガス層14と連通している随意的な弁42(図1図4を参照)とを含み、また、この例では、バルクヘッド24に関連付けられている。弁42は、好ましくは、一方向弁または逆止弁であることが可能であり、それは、ガスが圧縮ガス層14からシャフト18の中へトラベルすることを可能にすることができるようになっているが、シャフト18からアキュムレーター12の中への水20のフローを妨げるかまたは防止する。弁42は、任意の適切なメカニズムを使用して動作させられ得り、任意の適切なメカニズムは、感圧弁として構成されているということを含み、感圧弁は、閉じた構成に向けて付勢され得り、好ましくは、圧縮ガス層14の中の圧力が事前設定された閾値限界を超えるときには、自動的に開くこととなり、および/または、遠隔から(たとえば、遠隔の液圧的なまたは電気的な作動などを通して)開閉されるように構成され、ガス層14からのガスが要求に応じてバルクヘッド24を通って逃げることを許容することが可能である。随意的に、弁42は、適切な弁作動システムを使用することによって、コントローラー118によって制御され得り、適切な弁作動システムは、たとえば、機械的なアクチュエーター、電気機械的なアクチュエーター、およびソレノイド・アクチュエーターを含むことが可能である。たとえば、アキュムレーター12から外へ圧縮ガスを放出するために弁42が開けられるかどうかということ、ならびに、システム10の他の部分(たとえば、本明細書で説明されているように蓄積サイクルまたは膨張サイクルの間の蓄熱サブシステム120(図8図9を参照)など)を通して圧縮ガスが導かれるかどうか、および、どのように導かれるかということ。
【0163】
シャフト18の寸法、アキュムレーター12の寸法、および、バルクヘッド24の完全性が、圧縮機/膨張機サブシステム100の中で使用される機器の効率を最大化する圧力範囲の中にアキュムレーターの中の圧縮ガス層14が維持されることを許容するように、互いに関係付けられるということが好適である。随意的に、システム10は、約20atmから約40atmの間の圧力で、圧縮ガス層を貯蔵するように構成され得る。長期間にわたって、継続的な効率的な動作のために、そのような機器は、その圧力範囲の中での調節が行われることを必要とする可能性がある。これは、シャフト18の中の液体20の量、および、アキュムレーター24の中のガスの圧縮のレベルを調節することによって、ならびに、導管サイズを調節することなどによって行われ得る。
【0164】
随意的に、バルクヘッド24は、ガス導管22、液体導管40、補助ガス放出導管45、および他のそのような導管を収容するために、1つもしくは複数のアパーチャーまたは他の適切な構造体を含むことが可能であり、導管が、アキュムレーター12の内部23に進入するために、バルクヘッド24を通過するようになっている。導管および他のそのような構造体をバルクヘッド24に通すことは、追加的なシャフト/ボアをアキュムレーター12に到達させる必要性を排除することが可能であり、上側壁部13の中に必要とされる個々の開口部の数を低減させることが可能である。図2図4を参照すると、シャフト18の中のバルクヘッド24の上方からアキュムレーター12内のガス層14へのガス導管22の通路を収容するための第1のアパーチャー28が、主本体部25を通って延在している。ガス導管22は、好ましくは、第1のアパーチャー28に/の中にシールされており、シャフト18の中へのアキュムレーター12内の圧縮ガスのリークまたは他の制御されていない放出、または、アキュムレーター12の中へのシャフト18内の水20のリークまたは他の制御されていない放出を最小化し、好ましくは、防止するようになっている。また、シャフト18の中のバルクヘッド24の上方からアキュムレーター12内の液体層16への液体導管40の通路を収容するための第2のアパーチャー32が、バルクヘッド24を通って延在している。液体導管40は、第2のアパーチャー32の中にシールされており、シャフト18の中へのアキュムレーター12内の圧縮ガスの制御されていない放出、または、アキュムレーター12の中へのシャフト18内の水20の制御されていない放出(導管40を介するものを除く)を最小化し、好ましくは、防止するようになっている。
【0165】
また、この例では、圧縮ガス層14から、弁42に向けて、および、議論されている圧力差が低減を必要とする場合に圧縮ガス層14からガスを放出するための補助ガス放出導管45を通るガスの通路を収容するための第3のアパーチャー44が、バルクヘッド24を通って延在している。弁42は、必ずしも、バルクヘッド24の上に位置していなければならないわけではなく、実際には、第3のアパーチャー44内に一体化されるか、または、いくつかの他の様式で第3のアパーチャー44と関連付けられ得るということが理解されることとなる。また、弁42は、第2のアパーチャー32および液体導管40の中へ一体化され得り、したがって、第3のアパーチャー44の必要性を排除する。
【0166】
この実施形態では、検査およびクリーニングのために、開閉式のおよび再シール可能なアクセス人道30が、アキュムレーター12の内部へのメンテナンス要員によるメンテナンス・アクセスを可能にするために設けられている。これは、フロー制御弁59(図1)を閉じることによって、および、シャフト18から液体20を取り出して空にすることによって、および、アキュムレーター12から圧縮ガスを取り出して空にすることによって行われることとなり、それによって、人道30が開けられること、および、要員が行き来することを可能にする。バルクヘッド24に関して、変形が可能である。たとえば、代替的な実施形態では、バルクヘッド24は、第1および第2のアパーチャー28、32だけを有し、人道30を有しないことも可能である。代替的な実施形態では、バルクヘッド24は、人道30を含むことが可能であるが、第1および第2のアパーチャー28、32を含有する必要がなく、導管22および40は、バルクヘッド24を通過しない。さらに別の代替的な実施形態では、バルクヘッド24は、人道およびアパーチャーを含有しておらず、アキュムレーター12との流体連通が、バルクヘッド24を通過しないようになっている。随意的に、人道などは、また、たとえば、図28の実施形態に示されているような突起部200Aを含む、他のタイプのパーティションの中に設けられ得る。
【0167】
随意的に、導管または他のタイプのガイド構造体が、アキュムレーター12から、補助ガス放出導管45を介して、および、随意的に、ガス放出弁42を介してベントされるガスを導くことを助けるために設けられ得る。たとえば、いくつかの状況では、単純に水20の柱の中へ自由にガスを放出するというよりもむしろ、逃げるガスを、シャフト18を通る特定の経路に沿って方向付けるということが望ましい可能性がある。図6Aは、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Aの代替的な実施形態のコンポーネントの断面図であり、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Aは、上記に説明されているような圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10と同様であり、同様の特徴は、同様の参照符号を使用して識別されている。しかし、この例では、ガス放出サブシステムは、ガイド導管53をさらに含み、ガイド導管53は、補助ガス放出導管45の出力(この例では、ガス放出弁42の出口)に隣接する下側の入口端部68から上側の出口端部70へ上向きに延在しており、出口端部70は、シャフト18の上側端部に向けて設けられ得り、随意的に、シャフト20の中に保有されている水20の自由表面の上方に突出していてもよい。
【0168】
ガイド導管53は、幅72(それは、ガイド導管53が円筒形状のパイプである場合には、直径とも呼ばれ得る)を有しており、関連の断面積(平面19に対して平行の平面でとられる)は、それがシャフト18の断面積の約0.5%から約5%の間になるように構成され得る。図7Aにも示されているように、ガイド導管53の下側端部68は、補助ガス放出導管45の出口部の近くに位置決めされ得り、好ましくは、補助ガス放出導管45の出口部の実質的にすべてを覆って位置決めされ得り、弁42を出て行くガスが、ガイド導管53の下側端部68に進入する傾向があり、次いで、それがシャフト18を通って上向きにトラベルし続けるときに、および、それが出口端部70に到達するまで、ガイド導管53の中に拘束されるようになっている。
【0169】
補助ガス放出導管45を介してアキュムレーター12を出て行くガスは、比較的に高い圧力にある傾向がある可能性があるので(および、一般的に過圧タイプ状況で放出される傾向がある可能性がある)、水20の中のガス・バブルは、それらがシャフト18を通って上向きに移動するときに膨張する傾向がある可能性がある。いくつかの状況下では、ガス・バブルの膨張は、シャフト18内から水20を変位させる傾向がある可能性がある(たとえば、導管20を通して液体供給源/シンク150の中へ水を押し込む)。これは、バルクヘッド24の上に載っている水の質量を低減させる効果を有することが可能であり(すなわち、シャフト18の内部54の平均密度を低減させることが可能である)、それは、外側表面31に作用する静水圧力を低減させることが可能であり、そして、対抗力46の大きさを低減させることが可能である。内部アキュムレーター圧力が高くなり過ぎており、したがって、内部アキュムレーター力41の大きさが高くなり過ぎているので、ガスがガス放出弁42を介してベントされている場合には、対抗力46の大きさのこの低減は、バルクヘッド24にかかる力の不釣り合いをさらに増加させる可能性があり、バルクヘッド24の過負荷条件を悪化させる傾向がある可能性がある。
【0170】
図示されているように、ガイド導管53、または、ガス・バブルの膨張を制限することを助ける同様の構造体は、密度変化防止構造体/境界部として機能することが可能である。密度変化防止構造体/境界部は、アキュムレーター12から補助ガス放出導管45を介して放出される圧縮ガスを受け入れることが可能であり、また、その最大膨張をガイド導管53の内部体積に拘束しながら、それを上向きにおよびシャフト18から外へ搬送する。これは、ガス・バブルを膨張および上昇させることによって変位させられる水の量を限定することを助けることが可能であり、また、ガス放出/ベンティング・イベントの間の対抗力46の減少を低減させることを助けることが可能である。すなわち、ガイド導管53は、また、ガス・バブルがガス放出弁42を離れるときに、ガス・バブルを物理的に閉じ込める役割を果たしており、それによって、ガス・バブルが、水20を通って上向きに上昇し、システム10A(または、10J)から離れるときに、ガス・バブルが、ガイド導管53の中に含有されていた水20の量を超えて非常に多くの水20を変位させることを防止する。この追加的な特徴は、シャフト18の中の水20の量をさらに守ることを助けることが可能であり、それによって、バルクヘッド24の上にかけられている下向きの圧力の量を守る。これは、ガイド導管53を含まないシステム10のバージョンを使用する方が良いとされることとなるものよりも、(それが必要とされる場合には)補助ガス放出導管45を介した圧縮空気の速い放出を促進させることを助けることが可能であるということが理解されることとなる。たとえば、ガイド導管53がない場合には、ガス放出弁42または補助ガス放出導管45から放出されるガスは、シャフト18を通って自由に上昇して広がることが可能である。そのように自由に広がるガス・バブルは、上昇する(減圧する)ときに体積が増加するので、それらは、シャフト18から水20を変位させることとなり、それによって、バルクヘッド24の上への水20による下向きの圧力の量を低減させる。ガイド導管53は、ガス・バブルのこの放出を制御し、ガス・バブルがシャフト18の残りの部分の中へ外向きに膨張するというよりもむしろ、ガイド導管53を通って上向きに膨張するように強要し、それによって、シャフト18の中の水20の体積のほとんどを保存する。ガス・バブルの放出を制御するガイド導管53は、密度変化に起因する壊滅的故障を防止することを助けることが可能であり、密度変化は、比較的に突然の正味の力の不釣り合いに起因して、バルクヘッド24が外れること、座屈すること、またはその他の方法で故障することを引き起こす。
【0171】
好ましくは、ガイド導管53の内部は、たとえば、下側端部68を少なくとも部分的に開けさせることなどによって、シャフト18の内部54と流体連通しており、ガイド導管53の内部が、システムが通常使用の状態にあるときに(すなわち、ガイド導管53が、ベントされたガスによって充填されていないときに)、一般的に水20によって充填され得るようになっている(ベントされたガスを受け入れるように依然として構成されている)。このように、ガイド導管53は、ガイド導管53がバルクヘッド24にシールされていたとした場合のものよりも少ない水20、および、閉じ込められている空気/ガスだけを、シャフト18から変位させる。その内部が水によって充填されている状態で、ガイド導管53は、いくつかの例では、ガイド導管53の側壁部の体積におおよそ等しい水の量だけを変位させることが可能である。
【0172】
図示しやすくするために、概して真っ直ぐな垂直方向の導管として示されているが、ガイド導管53は、他の構成を有することも可能であり、垂直方向および/または線形である必要はない。随意的に、いくつかの例では、ガイド導管53の上側端部70は、シャフト18の中の水20の表面の上方に位置決めされている必要はなく、その中に沈められていてもよい。そのような配置では、ガイド導管53の膨張制限効果は、いくらか低減される可能性があるが(すなわち、上側端部70が水の上方にあるとした場合よりも多くの水が最終的に変化させられ得る)、予想圧力、および弁42を通るガス放出レートなどのような他の要因が、そのような差を補償するために調節され得り、過圧ベンティング状況の間にシャフト18から変位させられる合計の水が許容可能な範囲内にあることを保証することを助ける。好ましくは、上側端部70は、シャフト18の上側半分の中にあることが可能であり(すなわち、その中間点の上方)、より好ましくは、上側端部70は、シャフト18の上側25%の中にあることが可能であり、最も好ましくは、水20の表面の上方でない場合には、水20の表面に概して近接していることが可能である。
【0173】
図6Bは、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Jの代替的な実施形態のコンポーネントの断面図であり、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Jは、上記に説明されているような圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10と同様であり、同様の特徴は、同様の参照符号を使用して識別されている。この実施形態では、ガス放出サブシステムは、補助ガス放出導管45が液体供給導管40と実質的に境界線を共にするように構成されており、また、下側の入口端部68から上側の出口端部70へ延在するガイド導管53を含む。この実施形態では、ガス放出サブシステムは、図6Aおよび図7Aの実施形態に示されているような弁42を含む必要がない。その代わりに、少なくともいくらかのガスが液体供給導管40を介してアキュムレーター12を出て行くことを可能にすることによって、アキュムレーター12の中の過剰な圧力は解放され得る。
【0174】
システム10Jが通常の動作条件の下で動作しているときには、液体供給導管40下側端部64は、液体層16の中に沈められており、液体層16は、液体供給導管40をガス層14から隔離している。アキュムレーター12内の圧力が所望の動作閾値を超えて増加する場合には、水は、アキュムレーター12から液体供給導管40を介してシャフト18の中へ押し出され得る。水がアキュムレーター12から出て行くので、液体層16の高さは、液体供給導管40の下側端部64が少なくとも部分的に露出されるレベルまで降下することが可能である。これは、圧縮ガス層14からのガスのうちのいくらかが液体供給導管40の中へ流入することおよびアキュムレーター12から逃げることを可能にし、それによって、アキュムレーター12内の圧力を低減させることが可能である。この配置では、液体供給導管40は、また、補助ガス放出導管45として機能している。液体供給導管40/補助ガス放出導管45を通って流れるガスは、次いで、シャフト18の内部の中へ逃げ、本明細書で説明されているように、膨張するガス・バブルを形成することが可能である。この実施形態では、液体供給導管40/補助ガス放出導管45から出て行くガスのうちの少なくともいくらかを捕獲するように、および、図6Aおよび図7Aの実施形態に関連して説明されているようにガスを閉じ込めるように、ガイド導管53の下側端部68が位置決めされるように、ガス放出サブシステムは構成されている。この実施形態は、別個の弁42および関連のアクチュエーターなどを組み込む必要性を排除することが可能であり、それは、(たとえば、システム10Aと比較して)システム10Jを簡単化することを助けることが可能であり、また、バルクヘッド24の中に設けられることとなる開口部の数を低減させることを助けることが可能である。
【0175】
逃げるガスの結果としてアキュムレーター12内の圧力が降下するので、液体が、アキュムレーターの中へ液体供給導管40を通って流入することが可能であり、液体層16の中の液体のレベルは、液体供給導管40の下側端部64をカバーするように上昇することが可能である。これは、圧縮ガス層14を液体供給導管40から再び隔離することが可能であり、液体供給導管40を介したガスの放出を停止させることが可能である。
【0176】
随意的に、ガス放出システムおよび適切に構成されているガイド導管53は、また、図27の実施形態の垂直方向に配向されたバルクヘッド24とともに使用され得り、および/または、図28の実施形態に示されている突起部などのような、パーティションの他の実施形態とともに使用され得る。
蓄熱サブシステム
【0177】
随意的に、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのいくつかの実施形態は、蓄熱サブシステムを含むことが可能であり、蓄熱サブシステムは、アキュムレーター12の中へ方向付けられている(すなわち、圧縮機112から下流の)圧縮ガスから熱を吸収し、所定の期間にわたってサーマル・エネルギーの少なくとも一部分を引き離し、次いで、随意的に、アキュムレーター12から抽出/放出されているガスの中へ(すなわち、膨張機116から上流に)熱を放出して戻すために使用され得る。そのような例では、ガスは、圧縮された後に、約180℃から約300℃の間の退出温度で、圧縮機/膨張機サブシステム100から出て行く可能性があり、また、退出温度よりも低い貯蔵温度まで、蓄熱サブシステムによって冷却され得り、いくつかの例では、約30℃から約60℃の間にあることが可能である。
【0178】
図8は、代替的な実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Bのコンポーネントの断面図である。圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Bは、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10および/または10Aと同様であり、圧縮機/膨張機サブシステム100とアキュムレーター12との間のガス流路の中に設けられた蓄熱サブシステム120の追加を伴う。この例では、圧縮ガス層14と圧縮機/膨張機サブシステム100との間で圧縮ガスを搬送するガス導管22は、圧縮機/膨張機サブシステム100と蓄熱サブシステム120との間に延在する上側部分22Aと、蓄熱サブシステム120とアキュムレーター12との間に延在する下側部分22Bとを含む。
【0179】
蓄熱サブシステム120は、たとえば、潜熱および/または顕熱貯蔵装置を含む、任意の適切なタイプの蓄熱装置を含むことが可能である。蓄熱装置は、単一の段、2つの段、および/または複数の段の貯蔵装置として構成され得る。蓄熱サブシステム120またはその一部分は、地上、地面の下、シャフト18内、およびアキュムレーター12内などを含む、任意の適切な場所に位置付けされ得る。図示されている実施形態では、蓄熱サブシステム120は、地下に位置付けされており、それは、地上の土地の使用を低減させることを助けることが可能であり、また、たとえば、複数の顕熱および/または潜熱蓄熱段、たとえば、カスケードで配置されている1つまたは複数の相変化材料および/または加圧水もしくは他の熱伝達流体を有する段などを含む、複数の段を用いている。部分的な貯蔵/回復サイクルのためにシステムを動作させる場合には、段のサイズは、相変化材料の時間サイクルにしたがってサイズ決めされ得り、相変化(それは、時間がかかる)が、必要とされる時間サイクルの中で効果的に起こるようになっているということが留意されることとなる。
【0180】
一般的に、ガスが、蓄積サイクルの間に圧縮機/膨張機サブシステム100によって圧縮され、貯蔵のためにアキュムレーター12に向けて搬送されるときに、圧縮ガスの熱は、顕熱貯蔵および/または潜熱貯蔵のために、圧縮ガスから蓄熱サブシステム120の中へ引き出され得る。このように、熱エネルギーの少なくとも一部分は、たとえば、圧縮ガスから水20の中へまたは液体層16の中に浸出される代わりに、したがって、実質的に喪失される(すなわち、システム10によって回収不可能である)代わりに、将来の使用のために保存される。
【0181】
同様に、膨張サイクルの間に、ガスがアキュムレーター12から圧縮機/膨張機サブシステム100に向けて放出されるときに、ガスは、随意的に、蓄熱サブシステム120を通過させられ、圧縮機/膨張機サブシステム100の膨張機段への途中で、貯蔵された熱エネルギーのうちの少なくともいくらかを再び吸収することが可能である。有利には、圧縮ガス(それにしたがって加熱されている)は、所望の温度(膨張温度;それは、好ましくは、貯蔵温度よりも温かく/高くなっており、いくつかの例では、退出温度の約10℃から約60℃の中にあることが可能である)に圧縮機/膨張機サブシステム100を到達させることが可能であり、それは、より冷たい圧縮ガスによって、膨張機が比較的に効率的な動作温度範囲の外側で動作しなければならないというよりもむしろ、膨張機が比較的に効率的な動作温度範囲内で動作することを可能にすることを助けることが可能である。
【0182】
いくつかの実施形態では、蓄熱サブシステム120は、少なくとも1つの相変化材料、好ましくは、複数の相変化材料、潜熱の捕獲を可能にする温度定格にしたがって選択され得る複数の段および材料を用いることが可能である。一般的に、相変化材料の熱は、おおよそ摂氏150度以上の熱を貯蔵するのに有用である可能性がある。材料は、適切な場所に固定されており、貯蔵または膨張させられることとなる圧縮空気が、材料を通して流される。カスケード接続している複数の相変化材料を使用する実施形態では、それぞれの異なる相変化材料は、貯蔵段を表しており、第1のタイプの相変化材料が、相を変化させ、それによって、摂氏200度から250度の間で熱を貯蔵することが可能であり、第2のタイプの相変化材料が、相を変化させ、それによって、摂氏175度から200度の間で熱を貯蔵することが可能であり、第3のタイプの相変化材料が、相を変化させ、それによって、摂氏150度から175度の間で熱を貯蔵することが可能であるようになっている。システムのいくつかの実施形態によって使用され得る相変化材料の1つの例は、硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウムの共融混合物、または、Houston、TexasのCoastal Chemical Co.によって製造されているHITEC(登録商標)熱伝達塩を含む。
【0183】
顕熱貯蔵を用いる蓄熱サブシステム120の実施形態では、加圧水、または、任意の他の適切な流体および/もしくは冷却剤が、顕熱貯蔵媒体として用いられ得る。そのような水は、熱吸収プロセスの間に一般的に水をその液相で維持するのに十分な動作圧力で、加圧および維持される。随意的に、加圧水は、熱交換器または一連の熱交換器を通過させられ、導管22を介してアキュムレーターから出て来るガス・ストリームから熱を捕獲すること、および、ガス・ストリームへ熱を戻すことが可能である。一般的に、顕熱貯蔵は、摂氏100度以上の温度の熱を貯蔵するのに有用である可能性がある。
【0184】
いくつかの実施形態では、蓄熱サブシステム120は、潜熱貯蔵段および顕熱貯蔵段の両方を組み合わせることが可能であり、また、複数の段または単一の段によって相変化材料を使用することが可能である。好ましくは、とりわけ、相変化材料に関して、圧縮および膨張の間にそれを通して空気が搬送される段の数は、コントローラー118によって調節可能であり得る。これは、システム10が、望まれるおよび/または必要とされる動作条件にマッチするように、その蓄熱および放出プログラムを適合させることを助けることが可能である。
【0185】
随意的に、ガス導管22の少なくともいくらかは、シャフト18の外部にあることが可能であり、それが、シャフト18の中に保持されている水20の中に沈められていないようになっている。これは、ガス導管22のそのような部分を断熱することを助けることが可能であり、また、導管22内のガスと水20との間の熱伝達を低減させることを助けることが可能である。これは、圧縮機/膨張機サブシステム100と蓄熱サブシステム120との間に延在するガス導管22の部分に関して、とりわけ、有用である可能性がある。その理由は、一般的に、いくつかの実施形態では、ガスから蓄熱サブシステム120へ可能な限り過剰な熱を伝達すること、および、熱が水20の中に移送/喪失される可能性を低減させることが望ましい可能性があるからである。同様の考慮事項が、膨張段階の間に適用され得る。その理由は、輸送中に喪失される熱を低減させながら、温められたガスが蓄熱サブシステム120から圧縮機/膨張機サブシステム100へ所望の温度でトラベルすることが望ましい可能性があるからである。
【0186】
図9は、代替的な実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Cの概略的な表現である。圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Cは、本明細書で説明されている他の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムと同様であるが、蓄熱サブシステム120と圧縮機/膨張機サブシステム100との間で圧縮ガスを搬送するガス導管22の上側部分22Aが、シャフト18および水20を通ってではなく、地面200を通って延在するように構成されている。追加的な変形例も可能である。
【0187】
そのうえ、図示されている実施形態では、蓄熱サブシステム120が、圧縮機/膨張機サブシステム100から圧縮ガスを受け取るか、または、圧縮機/膨張機サブシステム100に圧縮ガスを提供するが、代替例も可能であり、代替例では、蓄熱が、圧縮機112の複数の段および膨張機116の複数の段とよりしっかりと一体化されており、段同士の間にサーマル・エネルギーを貯蔵するようになっている。これは、圧縮機112および膨張機116の下流段において機器のピースが、その最も効率的な動作範囲内にある温度において圧縮ガスを受け入れて取り扱うことを可能にするために行われ得る。たとえば、蓄熱サブシステム120のコンポーネントは、図11A図15の実施形態に示されている熱交換器500a、500b、500cなど、および、本明細書で説明されているものと同じまたは同様の様式で位置決めされ得り、ならびに、随意的に、それらと組み合わせて位置決めされ得る。これは、プロセスの中の2つ以上の段における熱伝達および/または貯蔵を促進させることを助けることが可能であり、それは、システム効率を改善することを助けることが可能である。
【0188】
図16を参照すると、蓄熱サブシステム120の別の例は、サポート121Aおよび121Bの上でシャフト18内の液体20の中に浸漬されており、搬送される空気へ熱を貯蔵するために、および、搬送される空気から熱を放出するために、圧縮機/膨張機サブシステム100へおよび圧縮機/膨張機サブシステム100から空気を搬送する。この配置では、蓄熱サブシステム120は、蓄熱サブシステム120内の蓄熱材料とそれを通して搬送されている空気との間で熱を交換し、それによって、アキュムレーター12の中のガス層14へ熱交換された空気A’を送達する。この実施形態では、蓄熱サブシステム120は、(単一段の圧縮機/膨張機サブシステム100との使用のための)単一の段を有しているが、複数の潜熱(L)および顕熱(S)材料セクションの組み合わせを含む。
【0189】
この実施形態では、潜熱材料セクションのそれぞれは、それぞれの量の相変化材料(PCM)を含有しており、顕熱材料セクションは、それぞれの量の水もしくは他の液体材料、固体サーマル・マス、または、熱を吸収するのに適切な任意の他の材料を含有している。材料の量およびタイプは、好ましくは、特定の圧縮空気エネルギー貯蔵システムの貯蔵局面および放出局面の持続期間に基づいて、所与の実施形態に関して確立/選択される。これは、熱を貯蔵または放出する間に、PCMが相を変化させるのにかかる時間、または、液体が加熱または冷却するのにかかる時間が、相のタイミングに概して「マッチさせられる」ことを保証することを助けることが可能である。これは、応答するのに遅すぎるかまたは速すぎるPCM材料を使用することと比較して、熱の貯蔵および放出の機能のために、材料自身の比較的に効率的な使用法を促進させることを助けることが可能である。
【0190】
また、図17を参照すると、随意的に、断熱用「ジャケット」125(蓄熱サブシステム120の部分を塞がないように点線で示されている)が、蓄熱サブシステム120の上側部分に巻き付けられ、シャフト18の中の液体20と蓄熱サブシステム120との間に断熱体のいくらかを提供し、それによって、迅速な熱の層化を推進することが可能であり、それは、PCM熱貯蔵システムの性能を増加させることを助けることが可能である。上記に説明されているように、大気から圧縮機/膨張機サブシステム100に進入する空気Aは、空気を蓄熱サブシステム120に通し、それによって、空気A’が圧縮機112の特定の段の効率的な動作範囲に適した温度になることを引き起こすことによって、圧縮機112へのその進入の前に、空気A’(図11Aおよび図11Bを参照)になるように調整され得る。
【0191】
随意的に、コントローラー118が、また、蓄熱サブシステム120の条件を変化させるように構成され得り、蓄熱サブシステム120を通って圧縮機112の中へ来る空気と蓄熱サブシステム120の中の蓄熱材料との間で交換されている熱の性質を変化させるようになっているか、または、空気が蓄熱サブシステム120を通過しないように、圧縮機112への空気のルート選択を変化させるようになっている。
【0192】
図18は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10のための代替的な圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントの概略図であり、複数の圧縮段を備えており、圧縮段のそれぞれは、蓄熱サブシステム120のそれぞれの段に関連付けられている。とりわけ、圧縮(貯蔵)局面の間に、大気Aからの流入空気は、最初に、随意的に、流入空気の温度を修正するために、熱交換器を介して搬送され、圧縮の第1段のためにモーター110aによって駆動される圧縮機112aの中へ搬送される。圧縮の第1段に続いて、空気Aは、次いで、蓄熱サブシステム120の第1段120aを通して搬送され、空気Aから除去される熱を貯蔵し、それによって、空気A’になるように調整され、空気A’は、次いで、圧縮の第2段のためにモーター110bによって駆動される圧縮機112bの中へ搬送される。圧縮の第2段に続いて、空気A’は、次いで、蓄熱サブシステム120の第2段120bなどのような、蓄熱サブシステム120の任意の追加的な段を通して搬送され、それぞれの段の中に熱を貯蔵し、空気A’’になるように調整される。蓄熱サブシステム120の最終段は、この例では、段120xとして表されており、段120xは、モーター110xによって駆動される圧縮機112xによって圧縮された圧縮空気から熱を貯蔵し、それによって、圧縮空気は、空気A’’’になるように調整されることとなる。圧縮および蓄熱のこのx番目の段に続いて、空気A’’’は、他の実施形態に関連して上記に説明されてきたように、アキュムレーター12の中へ下に搬送される。貯蔵局面の間に蓄熱サブシステム120の段の中に貯蔵される熱は、説明されることとなるように放出局面の間に放出されている空気の中へ再び組み込むために、すべてが貯蔵され得るが、いくらかの容量または量に関して、たとえば、別のサブシステムの温度を調整することを助けるためなど、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのいくつかの他の目的のために用いられ得る。それぞれの蓄熱段を備えた圧縮の3つの段が図6に示されているが、本発明のこの実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、それぞれの蓄熱段を備えた2つだけの圧縮の段、または、4つ以上の圧縮の段を有することも可能であるということが留意されるべきである。そのうえ、代替的な実施形態では、所与の圧縮の段に、必ずしも、常に蓄熱の段が続くわけではない。そのうえ、代替的な実施形態では、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの中でまだ圧縮されていない流入空気は、最初に、蓄熱サブシステムまたはその段を通過し、システムから熱を消散させ得る熱交換器というよりもむしろ圧縮機に進入する前に、その熱含有量を低減させることが可能である。
【0193】
図19は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の膨張段を備えており、膨張段のそれぞれは、蓄熱サブシステム120のそれぞれの段に関連付けられている。とりわけ、膨張(放出)局面の間に、アキュムレーター12から放出される圧縮空気Aは、最初に、蓄熱サブシステム120の第1段120aを通して搬送され、段120aから搬送されている空気の中へ熱を組み込み、それによって、空気は、空気A’になるように調整されることとなる。空気A’は、膨張の第1段のために発電機114aを駆動する第1の膨張機116aに与えられる。膨張の第1段に続いて、空気A’は、次いで、蓄熱サブシステム120の第2段120bを通して搬送され、貯蔵されている熱を搬送されている空気の中へ組み込み、それによって、空気は、空気A’’になるように調整され、空気A’’は、次いで、膨張の第2段のために発電機114bを駆動する膨張機116bの中へ搬送される。圧縮の第2段に続いて、空気A’’は、次いで、蓄熱サブシステム120の任意の追加的な段を通して搬送される。蓄熱サブシステム120の最終段は、この例では、段120xとして表されており、段120xは、熱を貯蔵し、また、貯蔵された熱を、段120xを通して搬送されている圧縮空気の中へ放出し、それによって、圧縮空気は、空気A’’’になるように調整されることとなる。膨張および蓄熱からの熱放出のこのx番目の段に続いて、空気A’’’は、他の実施形態に関連して上記に説明されてきたように、周囲雰囲気Aへ搬送される。蓄熱サブシステム120の段の中に貯蔵された熱は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの貯蔵局面の間に圧縮されている流入空気から貯蔵され得るが、代替的に、または、いくつかの組み合わせで、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの別の態様またはサブシステムの動作の間に、たとえば、別のサブシステムの温度調整の間などに貯蔵され得る。それぞれの蓄熱段を備えた3つの膨張の段が図19に示されているが、本発明のこの実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、それぞれの蓄熱を備えた2つだけの膨張の段、または、4つ以上の膨張の段を有することも可能であるということが留意されるべきである。そのうえ、代替的な実施形態では、所与の膨張の段は、プロセッシング・チェーンにおいて、必ずしも、常に、蓄熱からの熱の放出の段によって先行されるわけではない。そのうえ、代替的な実施形態では、膨張されている(減圧されている)空気は、蓄熱サブシステムまたはその段を通過するというよりもむしろ、本明細書で説明されているような熱交換器を通過し、熱を集め、膨張機に進入する前にその熱含有量を増加させることが可能である。
【0194】
図20は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮段および膨張段のペアを備えており、ペアのそれぞれは、蓄熱サブシステム120のそれぞれの段に関連付けられている。この実施形態では、圧縮の後続の段の前または貯蔵の前のいずれかに空気から熱を除去するために、アキュムレーター12の中へ搬送されている空気を蓄熱サブシステム120に通して導くことによって、および、アキュムレーターからの放出の後または膨張の段の後のいずれかに空気に熱を追加するために、アキュムレーター12から搬送されている空気を蓄熱サブシステム120に通して導くことによって、蓄熱サブシステム120の所与の局面は、圧縮段階および膨張段階の両方の間に使用される。したがって、ある意味では、圧縮段および膨張段のペアは、蓄熱サブシステム120の段120a、120b、120xを共有しており、空気フローは、図20に示されているように、弁Vを使用して制御される。この実施形態は、貯蔵局面の間にアキュムレーター12に向けて搬送されている圧縮空気から貯蔵される「同じ」熱が、放出局面の間にアキュムレーター12から放出されている空気の中へ放出されることとなる場合に、適当である。
【0195】
図21は、図20の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、膨張(放出)局面の間において、貯蔵から複数の膨張機段および蓄熱サブシステム120の複数のそれぞれの段を通る空気フローを示している。この局面において、弁Vの制御を通して、空気フローは、図19に示されているものと同様の様式で、複数の膨張段を通して方向付けられる。点線は、複数の圧縮段を示しており、その複数の圧縮段への空気フローは、弁Vの制御によって膨張局面の間に防止されている。
【0196】
図22は、図20の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮(貯蔵)局面の間において、大気Aから複数の圧縮機段および蓄熱サブシステム120の複数のそれぞれの段を通る空気フローを示している。この局面において、弁Vの制御を通して、空気フローは、図18に示されているものと同様の様式で、複数の圧縮段を通して方向付けられる。点線は、複数の膨張段を示しており、その複数の膨張段への空気フローは、弁Vの制御によって圧縮局面の間に防止されている。
【0197】
図23は、実施形態による代替的な圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Dのコンポーネントの断面図である。この実施形態では、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Dは、本明細書で説明されている圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの他の実施形態と同様である。しかし、この実施形態では、蓄熱サブシステム120は、アキュムレーター12内に位置付けされており、圧縮ガス層14の中の圧縮ガス内に浸漬されている。蓄熱サブシステム120は、構築の間に、開口部27を介して、アキュムレーター12内に位置決めされ得り、開口部27は、その後に、液体20によってシャフト18を充填する前に、バルクヘッド24によって封鎖される。したがって、蓄熱サブシステム120は、アキュムレーター12内への設置の前に構築、断熱などが完了されることを可能にするように設計され得り、および/または、アキュムレーター12内の容易に組み立てられたコンポーネントの中に構築される。これは、ユニットがそれらの構築の中で高度に断熱されおよび品質制御されることを可能にし、それは、アンカリング・サポート(図示せず)を除いて、蓄熱サブシステム120がアキュムレーター12から一般的に独立していることを可能にする。
【0198】
随意的に、蓄熱サブシステム120の内部に関連付けられている調整弁130は、蓄熱サブシステム120内の圧力が、その内部と取り囲むアキュムレーター12の中の圧縮ガス層14の圧力との間の設計された圧力差よりも大きくなった場合に、開くように提供および構成され得る。蓄熱サブシステム120内の圧力は、潜熱材料または顕熱材料の好適な動作のために特定のレベルに維持され得る。たとえば、加熱された水が、顕熱材料として、特定の圧力に維持され得る。調整弁130は、内部の中の加圧されたガスがアキュムレーター12に逃げることを可能にすることができ、また、圧力差が十分に低下させられ、指定されたレベルに到達すると、閉じることが可能である。代替的な実施形態では、そのような調整弁は、蓄熱サブシステム120の内部と表面における大気Aとの間に流体連通を提供することが可能であり、それによって、ガスがアキュムレーター12の中へ逃げるというよりもむしろ大気へ逃げるということを可能にする。蓄熱サブシステム120は、圧縮ガス層14の中に完全に浸漬されて示されているが、代替的な蓄熱サブシステム120は、液体層16内に部分的にまたは完全に浸漬されるように構成され得る。
【0199】
図24は、別の代替的な実施形態による代替的な圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Eのコンポーネントの断面図である。この実施形態では、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Eは、上記に説明されている圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムと同様である。しかし、蓄熱サブシステム120は、地面200の中の等圧に加圧されたチャンバー140内に位置付けされており、チャンバー140は、アキュムレーター12と同じ圧力に維持され得り、または、アキュムレーター圧力と実質的に同様の圧力に維持され得り、または、随意的に、アキュムレーター圧力よりも小さいかもしくは大きい圧力に維持され得る。随意的に、蓄熱サブシステム120は、構築の間に、開口部を介して、加圧されたチャンバー140内に位置決めされ得り、開口部は、その後に封鎖され、したがって、チャンバー140は、好ましくは、大気圧力よりも大きい作業圧力まで加圧され得る。したがって、蓄熱サブシステム120は、チャンバー140内への設置の前に構築、断熱などが完了されることを可能にするように設計され得り、および/または、チャンバー140内の容易に組み立てられたコンポーネントの中に構築される。これは、ユニットがそれらの構築の中で高度に断熱されおよび品質制御されることを可能にし、それは、アンカリング・サポート(図示せず)を除いて、蓄熱サブシステム120がチャンバー140から一般的に独立していることを可能にする。蓄熱サブシステム120の内部に関連付けられている調整弁130は、蓄熱サブシステム120内の圧力が、内部と取り囲む加圧されたチャンバー140との間の設計された圧力差よりも大きくなった場合に、開くように提供および構成されている。蓄熱サブシステム120内の圧力は、潜熱材料または顕熱材料の最適な動作のために特定のレベルに維持されることが必要とされ得る。たとえば、加熱された水が、顕熱材料として、特定の圧力に維持されることが必要とされ得る。調整弁130は、内部の中の加圧されたガスが加圧されたチャンバー140に逃げることを可能にすることができ、また、圧力差が十分に低下させられ、指定されたレベルに到達すると、閉じることとなる。代替的な実施形態では、そのような調整弁130は、蓄熱サブシステム120の内部と表面における大気Aとの間に流体連通を提供することが可能であり、それによって、ガスが加圧されたチャンバー140の中へ逃げるというよりもむしろ大気へ逃げるということを可能にする。
【0200】
アキュムレーター12の上方に、したがって、物理的に圧縮/膨張サブシステム100のより近くに、蓄熱サブシステム120を位置付けすることは、必要とされるパイピングの長さを低減させることを助けることが可能であり、それは、パイピング、据え付け、およびメンテナンスのコストを低減させることを助けることが可能であり、ならびに、流体移送電力要件の低減を助けることが可能である。
【0201】
圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Eの実施形態は、等圧の圧力チャンバー140を含むが、代替例も可能であり、代替例では、チャンバー140は、厳密に等圧にはなっていない。そのうえ、代替的な実施形態では、加圧されたチャンバー140は、ガス層14と流体連通していることが可能であり、したがって、アキュムレーター12とともに、圧縮機/膨張機サブシステム100によって圧縮されている圧縮ガスのための貯蔵エリアとしての役割を果たすことが可能である。このように、蓄熱サブシステム120がその中に浸漬されているガスの圧力は、アキュムレーター12へおよびアキュムレーター12から搬送されているガスの同じ膨張および圧縮を通して維持され得る。
【0202】
そのうえ、上記に説明されている実施形態において、蓄熱サブシステム120は、地面の下に埋め込まれているが、そのような蓄熱サブシステム120は、タンクの中で地上にあることも可能であり、および/または、大洞窟の中で地面の下にあることも可能であり、大洞窟は、シャフト18に接続されているが、構築の後に、仕切って分離されるということが理解されることとなる。
熱交換器
【0203】
随意的に、本明細書で説明されている圧縮ガス貯蔵システム10は、1つまたは複数の熱交換器(または、類するもの)を設けられ得り、1つまたは複数の熱交換器は、圧縮機/膨張機サブシステム100の中へ組み込まれ、たとえば、ガスが圧縮機112および/または膨張機116を通過するときに、および、随意的に、ガスが2つ以上の圧縮段および/または膨張段の間をトラベルするときに、ガスの温度を調節することを助けることが可能である。そのような熱交換器は、任意の適切なタイプのものであることが可能であり、また、システム10内の任意の適切な場所に設置され得り、また、随意的に、シャフト18の内側に位置決めされており、その中の水20の中に少なくとも部分的に沈められ得り、水20が交換器のための熱供給源/シンクとして動作することができるようになっている。
【0204】
図10に示されているように、熱交換器500の1つの例は、シャフト18内の液体20の中に浸漬されており、また、圧縮機/膨張機サブシステム100から上流に位置決めされており、大気Aが圧縮機/膨張機サブシステム100に到達する前に熱交換器500を通ってトラベルするようになっている。熱交換器500は、シャフト18の中の液体20と熱交換器500によって搬送されている空気との間で熱を交換し、また、熱交換された(すなわち、温められたまたは冷却された)空気A’を圧縮機/膨張機サブシステム100に送達することが可能である。
【0205】
この実施形態では、熱交換器500は、シャフト18内の液体20の中に浸漬されている空気経路を有するラジエーター504を含む。空気入力導管502は、液体20の外側からラジエーター504へ延在し、大気Aを受け入れ、大気Aをラジエーターの空気経路へ搬送する。この実施形態では、レイン・カバーおよびダスト・フィルターが、空気入力導管502の開口部を保護するために設けられ得る。
【0206】
空気出力導管506は、ラジエーター504から延在しており、熱交換の後の大気A’を受け入れ、空気経路から圧縮機/膨張機サブシステム100へ搬送する。この実施形態では、ラジエーター504は、一般的に熱伝導性のパイピングから構築されており、一般的に熱伝導性のパイピングは、水20への露出に適切であり、また、予想温度条件、フロー条件、およびコロージョン条件における使用に関して適切であることが可能である。この実施形態では、パイピングは、ステンレス鋼から作製されているが、他の金属、プラスチック、および、それらの組み合わせなどのような、他の材料も使用され得る。
【0207】
随意的に、ラジエーター504は、シャフト18の壁部の内側表面に取り付けられたサスペンション・ブラケット(図示せず)を使用して、シャフト18内に吊り下げられ得る。この実施形態では、ラジエーター504は、除去可能なピン、または、他のそのような取り外し可能なカップリングによって、ブラケットの上に装着されており、シャフト18の中の液体を除去する必要性なしに、アフター・サービスのためにラジエーターの除去を可能にする。代替的な実施形態では、ラジエーター504は、シャフト18を横切って延在する1つまたは複数の重量支承バーから吊るされ得り、また、メンテナンスまたは交換のためにシャフト18から吊り下げられていない状態にされて引っ張られ得る。ある実施形態では、ラジエーター504は、好ましくは、シャフト18の中に設置されていることにかかわらず、それがアキュムレーター12と補充導管58との間の水のフローを不当に妨げないように形状決めされている。そうであるので、それは、一般的に、図に示されているように、シャフトの中に垂直方向に位置決めされており、それによって、シャフト18の小さい断面積しか占めないことが可能である。しかし、他の実施形態では、ラジエーター504は、水平方向に配向され、ある種のグレーチングの役割も兼ね、上方から偶発的にシャフト18に進入する大きい物体がシャフト18の底部へ下に沈むことを防止することが可能である。
【0208】
随意的に、いくつかの実施形態では、圧縮機112から上流に設けられている熱交換器500は、シャフト18内に位置決めされている必要はなく、別の適切な場所に位置付けされ得る。そのような実施形態では、熱交換器500は、依然として、シャフト18の内部54に流体接続され得り、また、シャフト18内からの水を熱交換器500の中の1つのストリームとして利用するように構成され得る。これは、圧縮機112に進入する空気とシャフト18内の水との間の熱の交換を促進させることを助けることが可能である。そのような実施形態では、熱交換器500は、ガス・ストリームと液体ストリームとの間の熱の伝達を促進させることができる任意の適切なタイプの熱交換器であることが可能であり、それは、たとえば、直接接触式熱交換器、チューブおよびシェル式熱交換器、プレートおよびフレーム式熱交換器、ボイラー、蒸発冷却器、スパイラル式熱交換器、およびヘア・ピン式熱交換器などを含む。
【0209】
図示されている例では、圧縮機/膨張機サブシステム100は、単一のまたは複数の段の圧縮機112を含み、単一のまたは複数の段の圧縮機112は、コントローラー118を使用して制御されるモーター110によって駆動される。圧縮機112は、動作の蓄積段階の間にモーター110によって駆動され、大気Aを引き込み、空気を圧縮し、アキュムレーター12の中の貯蔵のためにガス導管22の中へ下に空気を押し込む(蓄熱サブシステム120を含む実施形態では、蓄熱サブシステム120を介して)。また、圧縮機/膨張機サブシステム100は、膨張機16を含み、膨張機16は、動作の膨張段階の間に、ガス導管22から出て来る圧縮空気によって駆動され、そして、電気を発生させるために発電機114を駆動する。膨張機116を駆動した後に、膨張した空気は、雰囲気Aへの退出のために搬送される。上記に説明されているように、大気から圧縮機/膨張機サブシステム100に進入する空気Aは、空気を熱交換器500に通し、それによって、空気A’が圧縮機112の特定の段の効率的な動作範囲に適した温度になることを引き起こすことによって、圧縮機112へのその進入の前に、空気A’になるように調整される。
【0210】
また、コントローラー118は、熱交換器500の条件を変化させるように構成され得り、熱交換器500を通って圧縮機112の中へ来る空気とシャフト18の中の液体20との間で交換されている熱の性質を変化させるようになっているか、または、空気が熱交換器500を通過しないように、圧縮機112への空気のルート選択を変化させるようになっている。
【0211】
図11Aは、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントの概略図であり、複数の圧縮段を備えており、圧縮段のそれぞれは、それぞれの熱交換器に関連付けられている。とりわけ、圧縮(貯蔵)局面の間に、大気Aからの流入空気は、最初に、第1の熱交換器504aを通して搬送され、シャフト18の中の水20と熱を交換し、それによって、空気は、空気A’になるように調整されることとなり、空気A’は、次いで、圧縮の第1段のためにモーター110aによって駆動される圧縮機112aの中へ搬送される。圧縮の第1段に続いて、空気A’は、次いで、第2の熱交換器504bを通して搬送され、シャフト18の中の水20と熱を交換し、それによって、空気A’は、空気A’’になるように調整されることとなり、空気A’’は、次いで、圧縮の第2段のためにモーター110bによって駆動される圧縮機112bの中へ搬送される。圧縮の第2段に続いて、空気A’’は、次いで、それぞれの熱交換器を含む任意の追加的な圧縮段を通して搬送される。最後の熱交換器は、この例では、熱交換器504xとして表されており、熱交換器504xは、シャフト18の中の水20と熱を交換し、それによって、空気A’’’になるように調整され、空気A’’’は、次いで、圧縮の「x番目」の段のためのモーター110xによって駆動される圧縮機112xの中へ搬送される。圧縮のこのx番目の段に続いて、空気は、他の実施形態に関連して上記に説明されてきたように、アキュムレーター12の中へ下に搬送される。
【0212】
随意的に、1つまたは複数の熱交換器500は、流体流路内の他の場所に位置決めされていてもよく、シャフト18内に配設されている必要はない。いくつかの構成では、シャフト18の外部にある熱交換器500が、たとえば、適切な流体導管などを介して、シャフト18に流体接続され得り、依然として、熱交換器500が空気とシャフト18内の水20との間で熱を交換するように構成され得るようになっている。たとえば、図11Bの代替的な実施形態に示されているようなものである。
【0213】
それぞれの熱交換器を備えた圧縮の3つの段が図11Aおよび図11Bに示されているが、本発明のこの実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、それぞれの熱交換器を備えた2つだけの圧縮の段、または、4つ以上の圧縮の段を有することも可能であるということが理解されることとなるということが留意されるべきである。そのような実施形態において使用される熱交換器は、直接接触式熱交換器、チューブおよびシェル式熱交換器、およびプレート・フレーム式熱交換器を含む、任意の適切なタイプのものであることが可能である。
【0214】
図11Bを参照すると、この例では、熱交換器500aは、シャフト18の外側にあり、水20の中に沈められていない。好ましくは、熱交換器500aは、第1の圧縮機112aに近接して位置付けされ得る。この熱交換器500aは、好ましくは、直接接触式熱交換器として構成されており、直接接触式熱交換器において、周囲環境Aから引き込まれる空気が、液体と直接的な物理的接触をさせられ、液体は、このケースでは、シャフト18から引き出される水20である。ガス入口部510は、環境から空気を引き込むように構成されており、ガス出口部512は、第1の圧縮機112aから上流に流体接続して接続されている。水入口部は、シャフト18から水を引き出すために、入口部導管516を介して水20に流体接続されている。好ましくは、水出口導管を介して熱交換器504aから出て行く水は、出口導管520を介してシャフト18へ戻され得る。代替的に、水は、シャフト18以外の供給源から熱交換器504aへ供給され得り、また、熱交換器504aから出て行く水は、シャフト18へ戻されるというよりもむしろ、代替的なドレンまたはシンクに方向付けられ得る。直接接触式熱交換器504aは、並流式(同じ方向への空気および水フロー)または向流式(反対側方向への空気および水フロー)の熱交換器として構成され得り、望まれる場合には、2つ以上の段を含むことが可能である。
【0215】
図12は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、複数の膨張段を備えており、膨張段のそれぞれは、それぞれの熱交換器に関連付けられている。とりわけ、膨張(たとえば、放出)局面の間に、アキュムレーター12から放出される圧縮空気は、最初に、発電機114aを駆動する第1の膨張機116aを通して搬送され、次いで、第1の熱交換器505aを通して搬送され、シャフト18の中の水20と熱を交換し、それによって、圧縮空気は、空気A’’’になるように調整されることとなる。膨張の第1段に続いて、空気A’’’は、次いで、発電機114bを駆動する第2の膨張機116bを通して搬送され、次いで、第2の熱交換器505bを通して搬送され、シャフト18の中の水20と熱を交換し、それによって、空気A’’’が、空気A’’になるように調整されることとなる。膨張の第2段に続いて、空気A’’は、次いで、それぞれの熱交換器を含む任意の追加的な膨張段を通して搬送される。最後の熱交換器は、この例では、熱交換器505xとして表されており、熱交換器505xは、膨張の「x番目」の段の後に、すなわち、発電機114xを駆動する膨張機116を通過した後に、空気A’’がシャフト18の中の水20と熱を交換することを可能にし、それによって、空気A’’が、空気A’になるように調整されることとなり、空気A’は、次いで、システムから外へ大気Aの中へ搬送される。それぞれの熱交換器を備えた圧縮の3つの段が図12に示されているが、本発明のこの実施形態による圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムは、それぞれの熱交換器を備えた2つだけの膨張の段、または、4つ以上の膨張の段を有することも可能であるということが理解されることとなるということが留意されるべきである。
【0216】
図20は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムのための代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮段および膨張段のペアを備えており、ペアのそれぞれは、それぞれの熱交換器に関連付けられている。この実施形態では、たとえば、アキュムレーターの中へ搬送されている空気を熱交換器に通して導くことによって、および、アキュムレーターから搬送されている空気を熱交換器に通して導くことによって、共通の熱交換器504a、504b、504cが、それぞれの圧縮/膨張段に関して、それぞれ圧縮段階および膨張段階の両方の間に使用される。したがって、ある意味では、圧縮段および膨張段のペアは、熱交換器を共有しており、空気フローは、図13に示されているように、弁Vを使用して制御される。
【0217】
図21は、図13の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、膨張(放出)局面の間において、貯蔵から複数の膨張機および熱交換器を通る空気フローを示している。この局面において、弁Vの制御を通して、空気フローは、図12に示されているものと同様の様式で、複数の膨張段を通して方向付けられる。点線は、複数の圧縮段を示しており、その複数の圧縮段への空気フローは、弁Vの制御によって膨張局面の間に防止されている。
【0218】
図15は、図13の代替的な圧縮機/膨張機サブシステムのコンポーネントの概略図であり、圧縮(貯蔵)の間において、大気から複数の圧縮機および熱交換器を通る空気フローを示している。この局面において、弁Vの制御を通して、空気フローは、図11Aおよび図11Bに示されているものと同様の様式で、複数の圧縮段を通して方向付けられる。点線は、複数の膨張段を示しており、その複数の膨張段への空気フローは、弁Vの制御によって圧縮局面の間に防止されている。
【0219】
上記に説明されている、より多くのまたはより少ない熱を交換するためのさまざまな構成が、互いとのさまざまな組み合わせで、または、所望の熱伝達を実現するための他の構成とのさまざまな組み合わせで使用され得る。
【0220】
そのうえ、代替例も可能であり、代替例では、大気Aから圧縮機/膨張機サブシステム100へ搬送されている空気は、恐らく、天候の変化または動作の必要性の観点から、時々導かれてもよく、シャフト内の液体の中に浸漬されている任意の熱交換器をバイパスするようになっており、また、その代わりに、大気から圧縮機/膨張機サブシステム100へより直接的に搬送されてもよい。
【0221】
本明細書で開示されている実施形態では、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムが、等圧またはほぼ等圧なものとして動作され、それによって、シャフト内の液体の量によってバルクヘッドの上に下向きに働かされる圧力と、アキュムレーター内の圧縮ガスによってバルクヘッドの上に上向きに働かされる圧力との間の差が、圧縮機/膨張機サブシステムとガス層との間で圧縮ガスを搬送することによって、および、シャフトと液体層との間で液体を搬送することによって、閾値レベルの下方に維持される。しかし、代替例も可能であり、代替例では、アキュムレーターとシャフトとの間のバルクヘッドまたは他の駆動構造体が、強力であり、適切な場所に十分に取り付けられており、圧力差がより大きくなることができるようになっている。
複数のガス・アクセス・ポイント
【0222】
随意的に、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムの実施形態は、2つ以上のガス入口部/出口部ポイントを有するように構成され得る。たとえば、2つの、3つの、または、それ以上のガス供給導管22が、共通のアキュムレーター12と関連付けられ得り、共通の圧縮ガス層14と連通していることが可能である。好ましくは、2つ以上のガス供給導管が、互いから間隔を離して配置され得り、たとえば、(下にあるアキュムレーター12(それは、いくつかの例では、長さが数メートルである可能性がある)のサイズに応じて、)産業施設、町内、市、または郡などの異なるエリアの中など、表面の上の複数の物理的な場所から、圧縮ガス層14、および、その中に貯蔵されているエネルギーへのアクセスを提供するようになっている。これは、互いから間隔を離して配置されている1つまたは複数の電力供給源および/または電力負荷への接続を促進させることを助けることが可能であり、また、電気エネルギーがグリッドGへ提供され得るかまたはグリッドから引き出され得る場所に近接した所望の場所において、圧縮ガス層14へのアクセスを提供することを助けることが可能である。
【0223】
随意的に、ガス供給導管22のうちの1つまたは複数は、水供給/補充導管58および/または水供給源/シンク150から間隔を離して配置され得る。たとえば、いくつかの状況では、たとえば、供給源/シンク150が、示されているように自然に生じる湖である場合などには、水供給源/シンク150の場所は、変更することが不可能または非実用的である可能性がある。システムによって使用される水を提供することを助けるために、水供給/補充導管58は、アキュムレーター12の一方の端部に設けられ得り、アキュムレーター12は、湖に物理的に近接しており、または、そうでなければ、シャフト18と湖150との間での液体移送を促進させるように良く適している(たとえば、供給源/シンク湖150からシャフト18の中へのフローが重力によって駆動される場所など)。しかし、アキュムレーター12の別の部分において(それは、グリッドGへの接続部の近くにあり、湖150から比較的に遠隔にある)、少なくとも1つのガス入口部/出口部ポイントを提供するということが望ましい可能性がある。層16を形成しているアキュムレーター12内の水は、アキュムレーター12の内部23の中で比較的に自由に流れる傾向がある可能性があるので、ほとんどの実施形態において、アキュムレーター12全体に関して必要とされる水の実質的にすべてを提供するために、単一のシャフト18および水供給/補充導管58を利用することが合理的である可能性がある。代替的に、2つ以上のシャフト18、および、関連の水供給/補充導管58が設けられ得る。
【0224】
随意的に、圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントは、本明細書における実施形態のうちのいくつかに示されているように、同じ物理的な場所に一緒に位置決めされ得る。代替的に、圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントは、互いから分離され得り、異なる場所に設けられ得る。たとえば、圧縮機112は、1つの場所に(たとえば、圧縮のために引き込まれるのに適切な比較的にクリーンな空気を伴う領域などに)位置付けされ得り、また、第1のガス導管22によってガス層14に接続され得り、一方、膨張機116は、別の場所に(たとえば、都市の内部において、および、グリッド接続の近くなどにおいて)位置付けされ得り、また、別個の第2のガス導管22によってガス層14に接続され得る。いくつかの実施形態では、複数の圧縮機112および/または膨張機116は、複数の異なる場所に設けられ得り、また、それぞれが、それぞれのガス導管22を介してガス層14に接続され得る。
【0225】
たとえば、図25は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Fの別の実施形態概略的な表現であり、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Fは、本明細書で説明されている他の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムと同様であり、それは、共通のアキュムレーター12と連通している3つの間隔を離して配置されたガス供給導管22を含む。この例では、ガス供給導管22のうちの1つは(図示されているように、右側のもの)、シャフト18内において、水供給/補充導管58の近くに設けられており、一方、他の2つのガス供給導管22は、互いから間隔を離して配置されており、シャフト18を通過していない。
【0226】
図26は、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Gの別の実施形態の概略的な表現であり、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Gは、本明細書で説明されている他の圧縮ガス・エネルギー貯蔵システムと同様であり、圧縮ガス・エネルギー貯蔵システム10Gでは、圧縮機/膨張機サブシステム100のコンポーネントが、表面を横切って分離および分配されている。この例では、圧縮機112および関連の機器は、シャフト18に近接して設けられており、圧縮ガスは、関連のガス供給導管22を下へガス層14の中へ押し込まれる。他の2つのガス導管22は、それぞれの膨張機116にそれぞれ接続されており、ガス層14からガスを抽出する。この例では、ガスは、1つのガス導管22を通してアキュムレーターの中へ供給され、他の導管22を介して抽出される。いくつかの実施形態では、複数の圧縮機112を提供して複数の場所から空気を引き込むことを必要とすることなく、1つのガス導管22および膨張機116が、エネルギーを抽出することおよび/またはグリッドGに接続すること(たとえば、電力などを必要とするそれぞれの建物のために1つのガス導管22および膨張機116を提供することなど)が望ましいこととなるそれぞれの場所に設けられ得る。そのような例では、圧縮機112(または、所与の場所における複数の圧縮機/段)の容量は、設けられる複数の膨張機116のうちの任意の1つの容量よりも大きくなっていることが可能である。随意的に、それぞれの圧縮機112および/または膨張機116は、独立して動作可能であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28