(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220610BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20220610BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220610BHJP
【FI】
G06Q30/06 332
G06Q30/04
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020123140
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2020-07-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508089037
【氏名又は名称】株式会社 阪急阪神百貨店
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】竪帯 宏壮
(72)【発明者】
【氏名】西脇 裕之
(72)【発明者】
【氏名】土橋 星太
(72)【発明者】
【氏名】北尾 順一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 誠則
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150050(JP,A)
【文献】特開2017-058722(JP,A)
【文献】特開2009-223393(JP,A)
【文献】特開2004-240626(JP,A)
【文献】特開2002-094621(JP,A)
【文献】特開2003-076883(JP,A)
【文献】特開2014-042158(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024879(WO,A1)
【文献】特開2010-182133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0262517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売システムであって、
電話、グループ通信アプリケーションによる音声通話、グループ通信アプリケーションによるチャット機能の何れかにより顧客の通信端末との通信を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて顧客応対を行った店員から商品の発注登録を受け付け、発注登録がなされた店頭商品を特定する情報で、カートページを開く旨の注文用URLを発行し、注文用URLを含むメッセージを顧客の通信端末に送信する店舗端末と、
注文用URLにより指定されるディレクトリを含み、ショッピングバッグ画面から配送先及び決済方法指定の確認画面へと切り替える内容の画面遷移を、通信端末のブラウザに実行させるページ定義ファイルを格納したストレージと、
ショッピングバッグ画面から配送先及び決済方法指定の確認画面に対してなされた操作に基づき決済方法の選択、発送伝票の起票、入金手続きを実行するECサーバーとを含む
ことを特徴とする商品販売システム。
【請求項2】
前記店舗端末は、商品発注の受け付けに先立ち、商品の売り場に関する情報の入力の受け付けを行い、
前記商品の売り場に関する情報は、サイト、商品場所区分、送料区分を含み、
前記発送伝票の起票は、サイト、商品場所区分、送料区分に基づく、送料の自動判定を含むことを特徴とする請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
既になされた商品発注を示すレコードによって構成されるweb決済データベースを有し、
前記web決済データベースは、入金コード、商品名を示し、
商品発注を受け付ける際、登録済み商品選択ボタンを表示し、当該ボタンが押下されれば入金コード、商品名の何れか、又は、これらの組合せを検索条件として前記web決済データベースのレコードの検索を実行し、
検索条件に合致したレコードについては、再利用ボタンを付して表示することで、レコードの再利用を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売システム。
`
【請求項4】
サービスの会員となる顧客の個人情報を蓄積した会員データベースを有し、
個人情報は、贈答品の発注を行う場合の届け先を記載したアドレス帳を含み、
カートページがアクセスされた際、会員データベースに登録されているアドレス帳の表示の要求を顧客から受け付け、顧客により前記アドレス帳の表示が要求された場合、アドレス帳の中から贈答品の送付先を選び、顧客によりアドレス帳の表示が要求されなかった場合、顧客の住所を購入品の送付先とする
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、店頭販売可能な商品を販売する商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗を運営する事業者は、店頭での商品販売に留まらず、店頭に陳列されている商品をネット通販に供し、新規顧客の獲得に日々勤しんでいる。店頭販売の対象となる商品のうち、どれをネット通販の対象とするかは、店舗と、仕入先メーカーとの契約で決まっていて、店頭販売が可能な全ての商品が、ネット通販の対象になる訳ではない。
【0003】
売り場で購入手続きが進められている商品について、重ねてネット通販による発注が成立することがあり、そうした重複発注に対処するには、商品の在庫を倍にせねばならず、仕入先メーカーの負担が大きくなるからである。靴、衣服等、網羅すべきサイズが多岐にわたる商品程、重複発注に対処することが難しく、納入した商品の販売形態を店頭販売に限るといった契約を交すことが殆どである。
【0004】
尚、販売員が、店舗内端末を用いて商品販売を行う販売方法としては、特許文献1に開示された先行技術がある。当該先行技術において接客担当の店員は各自、携帯型情報端末を所持しており、これに顧客との商談内容に応じた入力操作を行なって所定項目が充足された接客データを形成する。この接客データが無線伝送され店舗用コンピュータに格納される。店舗では来店した顧客との当初の商談では販売に結びつかないこともあるが、そのときの接客情報は店舗用コンピュータに格納されているので、この接客情報を活用して顧客に購買を促進するための情報を送信することによって前記顧客との取引に係る商機をつくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
店舗販売はネット通販にはない豊富な品揃えを顧客にアピールできるものの、昨今の外出自粛の要請等により店舗への客足が途絶えると、売り上げが一挙に低下してしまう。感染症の蔓延等で、上記外出自粛が要請された場合、どのようにして、商品売上げを確保し、事業を継続してゆくかが店舗事業者にとって大きな問題になる。顧客の来店を必要としない販売形態として、店舗を運営する会社が自社で発行するクレジットカードの会員(以下、自社カード会員と呼ぶ)を対象とした電話応対によるものがある。これは、販売員が、自社カード会員との受け答えを行い、売り場に出向いて会員が希望する商品を特定して、商品の発注を完了させるという販売形態である。
【0007】
かかる電話応対において販売員は、電話で会員との会話を交えながら、「形はどうだ」とか、「色はこうだ」とか、購入したい商品の断片的な情報を聞き出し、様々な売り場を練り歩いて、聞き出された条件を満たす商品を特定する。こうして問合せの対象となった商品を特定したあと、店員は承り表、配送伝票、クレジット計算書等多岐に渡る伝票を起票する。このように、電話応対による販売では、売り場から商品を探し出し、その後、伝票起票を行う必要があるので、販売員にとって大きな負担となる。また、売り場事務所のスタッフも、顧客情報の照会、売上計上、お届け伝票登録といった端末操作を行う必要があり、事務所スタッフの手間も大きい。
【0008】
本開示の目的は、販売員や事務所スタッフの負担を抑制しつつも、電話応対を通じた商品販売を実現することができる商品販売システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、商品販売システムであって、電話、グループ通信アプリケーションによる音声通話、グループ通信アプリケーションによるチャット機能の何れかにより顧客の通信端末との通信を行う通信手段と、前記通信手段を用いて顧客応対を行った店員から商品の発注登録を受け付け、発注登録がなされた店頭商品を特定する情報で、カートページを開く旨の注文用URLを発行し、注文用URLを含むメッセージを顧客の通信端末に送信する店舗端末と、注文用URLにより指定されるディレクトリを含み、ショッピングバッグ画面から配送先及び決済方法指定の確認画面へと切り替える内容の画面遷移を、通信端末のブラウザに実行させるページ定義ファイルを格納したストレージと、ショッピングバッグ画面から配送先及び決済方法指定の確認画面に対してなされた操作に基づき決済方法の選択、発送伝票の起票、入金手続きを実行するECサーバーとを含むことを特徴とする商品販売システムにより解決される
【発明の効果】
【0010】
ユーザーから商品の問合せがあり、ネット通販システムによる販売対象ではないが、店頭販売が可能な商品群の中に、問合せにかかる商品が存在した場合、受付手段が商品の発注を、店員から受け付け、発注が受け付けられると、発注用URLを含むメッセージをユーザーの通信端末に送り、ECサーバーが発注の対象となる商品の購入手続きを引き継ぐので、電話による発注の受け付けさえ行えば、販売者は、伝票の起票から解放される。販売員や事務所スタッフの作業負担を生じさせることなく、電話、グループ通信アプリケーションによる音声通話、グループ通信アプリケーションによるチャット機能の何れかを通じた、陳列商品の販売が可能になるので、コロナウィルス等を始めとする感染症の蔓延から、不要不急の外出を控えることが要請され、店舗への自由な往来が困難になっているような状況でも、販売員の負担を招くことなく、電話、グループ通信アプリケーションによる音声通話、グループ通信アプリケーションによるチャット機能の何れかによる応対を通じて、商品を販売することが可能になる。そのため店舗事業者は、外出自粛が要請されている状況下でも、相応の商品売上げを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示にかかる商品販売システム1000の構成を示す。
【
図2】
図2(a)は、会員データベース201の構成を示し、
図2(b)は、Web決済データベース203の構成を示す。
【
図3】店舗内端末101のハードウェア構成を示す。
【
図4】発注登録プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)は、注文内容登録画面の一例を示し、
図5(b)は、過去の発注の履歴を示す発注履歴一覧リスト450の一例を示す。
【
図6】
図6(a)は、入力確認画面の一例であり、
図6(b)は、URL発行画面の一例である。
【
図7】cartssディレクトリを開く内容のリンク情報の一例を示す。
【
図8】
図8(a)~(e)は、ショートメール送信アプリケーションを通じた、ショートメールの作成過程を示す。
【
図9】
図9(a)~(e)は、cartssディレクトリに格納されたページ定義ファイルによる画面遷移を示す。
【
図10】(a)、(b)は、商品販売システム1000を用いてなされる、電話発注による商品販売の過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1]商品販売システムの構成
以下、図面を参照しながら、本開示にかかる商品販売システムの実施形態について説明する。
図1は、本開示にかかる商品販売システム1000の構成を示す。
図1に示すように商品販売システム1000は、百貨店事業を営む会社法人の社内に構築された社内システムであり、ファイアウォール1001によって保護されたネットワーク環境内に構築され、店舗内LANシステム100、ECサーバー200、会員データベース201、ネット通販データベース202、Web決済データベース203、ストレージ204を含む。これらのうち、ECサーバー200、会員データベース201、ネット通販データベース202は、ネット通販システムを構成する。
【0013】
(1-1)店舗内LANシステム100
店舗内LANシステム100は、店舗内に設置された有線LANにより構成されるネットワークシステムであり、店舗内端末101、102、無線LAN親機103、プリンター104、構内PBX105、無線式の内線電話機106、店舗で販売される商品の商品価格を管理する店舗内ホストコンピュータ107を含む。構内PBX105は、電話通信回線又はインターネット通信回線を含む公衆通信ネットワーク1003を通じた呼接続の着信があると、店員が操作する内線電話機106との内線接続を行い、ユーザーが操作する携帯電話機123と、店員が操作する内線電話機106とに端末間通信を実行させる。具体的にいうと、店舗の大代表の電話番号にユーザーが操作する携帯電話機123から着信があり、販売員が応対して、商品の問合せを希望しているとの意向を聞き出した場合、該当する売り場事務所に駐在する店員の呼び出しを行う。店員が内線電話機106によって、当該呼び出しに応じた場合、顧客からの電話通信を店員の内線電話機106に中継する。
【0014】
(1-2)ECサーバー200
EC(Electronic Commerce)サーバー200は、ネット通販サービス、Web決済サービスを提供する。ネット通販サービスにおいては、公衆通信ネットワーク1003に接続されたPC124とセキュアなコネクションを確立して、当該コネクションを通じて一連の電子商取引の処理を行う。一連の電子商取引の処理は、ネットユーザーが選んだ商品のカートイン、ユーザー認証、決済方法の選択、発送伝票の起票、入金手続きといった処理からなる。
【0015】
後者のWeb決済サービスは、店舗の大代表に電話をかけた一般人(自社発行カードの会員とは限らない。以下、顧客と呼ぶ)の応対から派生してなされるものである。これは無線式の内線電話機106をもって販売員が売り場に出向いて、顧客が求める条件を満たす商品が売り場にあるかどうかの確認を行い、顧客が求める商品が売り場にあれば、販売員が店舗内端末101を操作して商品発注のための入力操作を行い、以降、一連の電子商取引の処理(カートイン、ユーザー認証、決済方法の選択、発送伝票の起票、入金手続き)を実行するものである。
【0016】
本来、発注は携帯電話機123を用いて電話による問い合わせを行った顧客が行うべきだが、電話応対で販売しようとする商品はネット販売の対象ではなく、顧客が直接、発注手続きをとることはできない。そこで、Web決済サービスでは、電話応対を行った販売員が、顧客に代わって、顧客が購入の意図を示した商品の情報入力を代わりに行い、電子商取引において決済可能な状態(カートイン状態)とする。購入の意思を示した顧客に代わり、店員が商品を決済可能な状態とすることを「発注登録」といい、商品販売システム1000では、ECサーバー200及び店舗内端末101が、店員から発注登録のための入力操作を受け付ける。
【0017】
決済にあたってECサーバー200は、外部機関のカード信用評価システム301に購入を申し出た顧客の信用評価を委託するのと共に、ポイント管理システム302にポイント更新を実行させる。
【0018】
伝票登録は、TWIN´ETHiPLA等の配送伝票発行システム303を利用して行う。登録がなされると、プリンター104を用いて登録された伝票を紙面に出力して、運送業者に引き渡し、集配を依頼する。運送業者による集配、配送、配達の進捗は配送実績管理システム304により管理される。商品を運送業者に引き渡した段階になると、ホストコンピュータ107を用いて入金処理を実行して、売上計上基幹システム305を用いて売上計上を行う。
【0019】
(1-3)会員データベース201
会員データベース201は、ネット通販、Web決済サービスの対象となる顧客の個人情報を蓄積したデータベースであり、
図2(a)に示すように、n個の個人情報マスターレコード(個人情報マスターレコード1、2、3、4、5・・・n)からなる。
図2(a)では、n番目のマスターレコードのデータ構造を引き出して示す。
図2(a)に示すように会員データベースにおけるマスターレコードは、氏名211、住所212、電話番号213、メールアドレス214、贈答品アドレス帳215、決済方法を示す情報216を、ユーザー個人の認証情報217に対応付けた形式になっている。認証情報217はユーザーID、パスワードを含み、個人情報マスターレコードは、上記認証情報を用いて、個人の正当性が認められて初めて利用可能となる。
【0020】
贈答品アドレス帳215とは、送り主として贈答品の発注を行う場合の1以上の届け先を記載したデータであり、m個の届け先情報(図中の届け先情報1、2・・・・m)により構成される。個々の届け先情報は、届け先氏名221、届け先住所222、届け先電話番号223、届け先メールアドレス224を含む。電話発注がなされた商品が、贈答品であれば、上記個人情報マスターレコードに示される顧客が、商品の送り元になり、贈答品アドレス帳215に示される届け先が、商品の発送先となる。電話発注がなされた商品が、顧客が購入した購入品であれば、上記個人情報マスターレコードに示される顧客が、商品の発送先となる。
【0021】
決済方法を示す情報216は、個人情報マスターレコードに記載された個人が使用する決済方法を示す。そうして、使用される決済方法には、クレジットカードの利用、コンビニエンスストアによる前払い、銀行振込み、電子マネーの利用といったものがある。
【0022】
(1-4)ネット通販データベース202
ネット通販データベース202は、ネット通販の対象となる商品を管理するためのデータベースである。ネット通販用のスタッフは、納品先メーカーから納品がなされる度に、納品された商品のうち、ネット通販の対象となるものを当該データベースに登録する。ネット通販の対象となる商品は、特定商取引法等による広告規制の適用を受けるので、ネット通販データベース202への商品登録には、産地、素材、特性など、様々な情報の入力が必要になる。
【0023】
(1-5)Web決済データベース203
Web決済データベース203は、電話発注の対象となった商品を管理するためのデータベースである。ネット通販用データベースは、店舗が抱える在庫商品のうち、ネット通販の対象となったものを管理するのに対し、Web決済データベース203は、売り場に陳列されている商品であって、電話発注の対象とされたものを管理するためのデータベースである。そうした電話発注の対象とされた商品には、特定商取引法等の適用はないので、Web決済データベース203のマスターレコードは簡易なフォーマットになっている。
図2(b)は、Web決済データベース203の構成を示す。Web決済データベース203は、L個のWeb決済マスターレコード(Web決済マスターレコード1、2、3、4、5・・・・L)からなる。L番目のWeb決済マスターレコードは、入金コード231、ブランド名232、商品名233、価格234、数量235といった簡易なフォーマットで、電話発注の対象となった商品を特定している。上記のうち入金コードは、発注の対象となった商品について入金処理を行うためのコードであり、ホストコンピュータ107の商品データベースにおけるマスターレコードとの紐づけに用いられる。
【0024】
(1-6)ストレージ204
ストレージ204は、ファイルシステム管理情報で管理された記録領域を有し、階層構造をなす複数のディレクトリを含む。
【0025】
階層構造をなす個々のディレクトリには、ネット通販サービス、Web決済サービス間で共通となるプログラム、ネット通販サービス、Web決済サービスで個別となるプログラムが格納されている。両サービスで共通となるのは、ユーザー認証、ユーザー登録、決済、発送伝票作成を行うプログラムである。またストレージ204には、EC用ディレクトリのサブディレクトリとして、ネット通販用のサブディレクトリ(cartディレクトリ)、Web決済用のサブディレクトリ(cartssディレクトリ)がそれぞれ形成される。
cartssディレクトリには、カートインからユーザー認証、配送先や決済方法の指定、確認をユーザーに行わせるためのデータ、プログラムを格納したファイル(ページ定義ファイルという)が格納される。ページ定義ファイルは、トップ画面であるショッピングバッグ画面(後述する
図9(a)参照)からログイン画面(後述する
図9(b)参照)を経て、配送先・決済方法指定・確認画面(後述する
図9(c)参照)へと切り替える内容の画面遷移を、携帯電話機123のブラウザに実行させるものである。
【0026】
[2]店舗内端末101の構成
店舗内端末101は、無線LAN、店舗内LAN、社内基幹回線1003を通じて、ECサーバー200をアクセスしえるパーソナルコンピュータ(PC)、タブレットであり、
図3に示すようなハードウェア構成を有する。
【0027】
図3に示すように店舗内端末101は、液晶ディスプレイと、画面に対する操作を検出するデジタイザーとが一体になったタッチパネルディスプレイ110と、無線LANとの接続を行う無線LANカード111と、各種プログラムがインストールされたストレージ112と、CPU113と、ストレージ112から読み出されたプログラムが格納されるRAM114と、Web決済のための様々な設定値を格納する不揮発メモリ115と、タッチパネルディスプレイ110に表示させるべき一画面分の画像データが書き込まれるVRAM116と、水平走査、垂直走査を行うことで、VRAM116の格納内容を読み出し、映像信号を生成してタッチパネルディスプレイ110の液晶ディスプレイに出力するのと共に、タッチパネルディスプレイのデジタイザーが検出した検出信号をCPU113に出力する信号入出力部117と、光学センサー118Cを用いた商品値札の読み取りを行うスキャナー部118とを含む。以上のように構成された店舗内端末101は、ECサーバー200と連携した動作を行うことで、電話応対による発注処理を実行する。
【0028】
ストレージ112には、Web決済データベース203を閲覧するためのブラウザー、日本語入力システムがインストールされている。また、ブラウザーを通じて外部のWebサーバーから供給されるショートメール送信アプリケーション(CuenoteSMS)を利用する。日本語入力システムは、ソフトキーボードを表示して、仮名文字入力、片仮名入力を受け付け、FEP(Front-End Processor)による仮名漢字変換を実行する。
【0029】
RAM114には、ベーストバッファが確保され、日本語入力システムの起動時において、コピーペースト機能による貼り付けの対象となる文書データが格納される。
【0030】
ECサーバー200は、店舗内端末101のブラウザーに発注登録を行わせるプログラムとして、Web決済による発注登録を実行するためのアプリケーションプログラム(以下、発注登録プログラムという)がインストールされている。
【0031】
[3]発注登録プログラムの内容
以下、
図4を参照しながら、発注登録プログラムによる処理内容について説明する。
図4は、発注登録プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【0032】
店舗内端末101に対してログインを行うと、発注登録のトップ画面になり、発注登録を行うかをユーザーに問い合わせる。発注登録を行う旨の選択を行うと、注文内容の登録画面を表示して(ステップS101)、ステップS102~S103のループに移行する。注文内容登録画面は、
図5(a)に示す通り、デフォルトの商品枠401を配置し、「商品枠を追加する」ボタン402の押下に応じて、商品枠401と同じフォーマットの商品枠を最大10個まで配置し得る可変フォーマットをなす。
【0033】
商品枠401は、入金コード入力欄403、ブランド名入力欄404、商品名入力欄405、数量入力欄406、価格入力欄407を配した構成であり、ソフトキーボードによる文字入力機能で、これらの入力欄の空白を満たす仕様になっている。何れかの入力欄がタッチされると、ソフトキーボード(図示せず)を表示してタッチパネルディスプレイ110のタッチによる英数字入力、平仮名/片仮名入力を受け付ける。またFEPを起動することで、平仮名から漢字への変換を行い、漢字入力を実行する。入金コードの入力欄403は、3段構成(入力欄431、432、433から構成される)になっていて、グループ品番、JAN(Japanese Article Number)コード/PLU(Price Look Up)コード、グループPLUコードのどれかの入力を求める。グループ品番とは、各売り場に陳列された商品群のそれぞれを識別する識別番号である。JANコードは、日本で最も普及している商品識別コードであり、PLUコードは、店舗側のデータベースに記載された価格情報と紐づけられたバーコードである。グループPLUコードは、社内利用に限定されたコードであり、PLUコードを一部簡易化したものである。タッチパネルディスプレイに対する操作が検出されると(ステップS102でYes)、操作に従い、英数字入力、文字入力を実行して(ステップS104)、ステップS102~S103のループに戻る。
【0034】
グループ品番、JANコード/PLUコードの入力欄431、432には、スキャナー部の起動を受け付けるための値札スキャンボタン441、442が配置されている。かかるボタンが押下されると、スキャナー部118の光学センサー118Cによる撮影映像に画面表示を切り替える。値札をとらえてバーコード認識を実行すると、グループ品番、JANコード/PLUコードが入力される。
【0035】
注文内容登録プログラムには、Web決済データベース203を利用した入力支援機能が設けられていて、注文内容登録画面には、当該機能の発動を受け付けるためのボタンである、登録済み商品選択(商品検索)ボタン408が配置される。登録済み商品選択ボタン408の押下が検出されると、
図5(b)に示すように、商品枠401を入金コードの入力欄431、432、433、商品欄の入力欄405のみとして数値入力、文字入力を受け付ける状態とする。そして検索バー409を商品枠401の下方に開始して検索の開始指示を受け付ける。検索バー409が押下されれば、Web決済データベース203を用いて、過去になされた発注の履歴を示す発注履歴一覧リスト450を作成して、商品枠401の下方に配置する。
【0036】
発注履歴一覧リスト450は、Web決済データベース203の複数マスターレコードのそれぞれに登録されている商品名、ブランド名をスクロールウィンドウに配置したもので、スクロールバー455上下移動と連動した上下スクロールが可能であり、各マスターレコードからのペースト操作を受け付けるためのボタンである再利用ボタン451、452、453がそれぞれに配されている。再利用ボタン451、452、453の何れかが押下されると、コピーペースト機能を起動して、押下された再利用ボタンに対応するマスターレコードの商品名、ブランド名、価格をペーストバッファにコピーし、商品枠の各入力欄に貼り付ける。
【0037】
発注登録プログラムは、ユーザーからの要請に応じて入力欄の書式変換を行う。ステップS103は、その要請に応えるもので、
図6(a)に示す「入力内容を確認する」ボタン460が押下されたかどうかを判定する。「入力内容を確認する」ボタン460が押下されると(ステップS103でYes)、発注内容登録画面における入力欄の入力を、表形式に変換して表示する(ステップS105)。
図6(a)は、入力確認画面の一例であり、上記変換により得られた決済サービスメモ表461と、「修正する」の指示を受け付けるボタン462、「ご注文用URLを発行する」の指示を受け付けるボタン463を含む。
【0038】
その後、ステップS106、ステップS107からなるループに移行する。ステップS106は、入力内容を修正するかどうかの判定であり、ステップS107は注文用URLを発行するかどうかの判定である。
【0039】
修正を希望した場合は(ステップS106でYes)、ステップS102、S103からなるループに移行して、入力欄403、404、405、406、407に数値入力、文字入力がなされた状態の発注内容登録画面に戻り、数値、文字の変更を受け付ける。
【0040】
注文用URLの発行が選択されると(ステップS107でYes)、入金コード、ブランド名、商品名、数量、価格を含むマスターレコードをWeb決済データベース203に追加し(ステップS108)、追加したマスーターレコードに、ssid=xを割当て(ステップS109)、電子商取引システムのカートページを、ssid=xのマスターレコードに記載された引数でオープンする内容の注文用URLxを作成する(ステップS110)。
【0041】
注文用URLとは、Web決済データベースに追加されたマスターレコードの内容を引数として用いて、cartssディレクトリを開く内容のリンク情報のことであり、
図7にその一例を示す。本図におけるリンク情報501は、HTTPによる通信コネクションの確立を携帯電話機123に行わせるもので、cartssディレクトリを所在を示すURL502と、Web決済データベース203に追加されたマスターレコード203Rを特定する暗号文503とで構成される。
【0042】
暗号文503は、Web決済データベース203に追加された、発注内容を示すマスターレコード203Rの通し番号(図中のxxxx)を暗号化したものである。かかる暗号文503を、cartssディレクトリの所在を示すURL502と組みにすることで、注文用URL501を得る。
【0043】
作成した注文用URLxの有効期限を設定し(ステップS111)、URLx及び設定した有効期限を示すURL発行画面を表示する(ステップS112)。
【0044】
その後、ステップS113、S114からなるループに移行する。当該ループは、SMSによる送信を行うか(ステップS113)、URLコピーを行うか(ステップS114)の判定を実行するものである。SMSによる送信を実行する場合(ステップS113でYes)、ショートメール送信アプリケーションを起動して(ステップS115)、URLxをペーストバッファにコピーする(ステップS116)。URLコピーのみを行う場合(ステップS114でYes)、URLxをペーストバッファにコピーする(ステップS116)。
【0045】
図6(b)は、URL発行画面の一例であり、上述した注文用URLを表示するのと共に、当該URLコピーの指示を受け付けるURLコピーボタン471、SMSで送信するとの指示を受け付けるSMS送信指示ボタン472、戻りボタン473を含み、URLをペーストバッファにコピーするかどうか、CuenoteSMSを起動するかどうか、メニューに戻るかどうかを問合わせる。
【0046】
ショートメール送信アプリケーションを起動する場合の処理は、
図8(a)~(e)の通りであり、ログインID、パスワードによるユーザー認証を行った後、発注場所の指定を受け付け(
図8(a))、個別配信を行うかどうかの指定を受け付けた後(
図8(b)、
図8(c)参照)、宛先となる電話番号の入力や本文の入力を受け付ける(
図8(d))。本文入力については、ペースト機能の利用が可能であり、ペーストバッファに格納されている注文用URLを貼り付けることができる。こうして宛先、メール本文を記載した後、
図8(e)の画面を表示し、配信予約日時の指定(
図8(e)では今すぐ配信)やキャリア選択(図中では、D社のキャリア、K社のキャリア、S社のキャリアが候補として提示されている)を受け付けて、宛先に対し、注文用URLを含むショートメールを送信する。
【0047】
[4]cartssディレクトリに格納されたページ定義ファイルによる手続き
次に、顧客が操作する、携帯電話機123による処理について説明する。注文用URLに基づき、cartssディレクトリに格納されたページ定義ファイルを開くことで、
図9(a)~(f)に示すような画面遷移を、携帯電話機123のブラウザに実行させる。初めに、注文URLを用いてcartssディレクトリを開くことでトップ画面が表示される。トップ画面はショッピングバッグ画面と呼ばれる。ショッピングバッグ画面は、
図9(a)に示すようにWeb決済データベースのマスターレコードに記載されたブランド名232、商品名233、価格234、数量235を、発注された商品の現在状態を解説する定型文605、注文数量合計606、注文確認合計607と共に表示して、修正ボタン608の押下による数量の減少操作や、ご購入手続きボタン609の押下による購入手続きの開始指示、「ログインはこちら」ボタン610の押下によるユーザー認証の開始指示を受け付ける内容になっている。
【0048】
定型文605に示される現在状態とは、発注がなされた商品の取り置きがなされていないこと、注文手続きが完了した段階で、注文にかかる商品の在庫が確保されることを示す。
【0049】
ユーザー認証を希望するとユーザー認証プログラムを起動して、
図9(b)に示すログイン画面において、ユーザーID入力欄611、パスワード入力欄612を表示し、これらの入力欄に入力されたユーザーID、パスワードを用いたユーザー認証を実行し、当該ユーザーIDに対応する会員の個人情報を会員データベースから読み出す。
【0050】
ログイン画面によりユーザーID、パスワードが入力されると、発注登録プログラムは、会員データベース201を検索して、入力されたユーザーID、パスワードを認証情報とする個人情報が、会員データベース201に存在するかどうかを判定する。存在すれば、携帯電話機123のブラウザは、
図9(c)に示す、配送先・決済方法指定・確認画面を表示する。配送先・決済方法指定・確認画面では、ユーザーID、パスワードのサーチにより発見された個人情報に含まれる、会員氏名211、住所212、電話番号213、メールアドレス214を画面に配すると共に、「贈答品アドレス帳を表示する」ボタン706を画面に配し、発注を行った顧客を、対象となった商品の送り主とするか、お届け先とするかの指定を受け付ける。
【0051】
「このアドレス帳を表示する」ボタン706が押下されず、そのまま確定操作がなされた場合、発注を行った顧客をお届け先に設定して注文手続きを行う。
【0052】
「このアドレス帳を表示する」ボタン706が押下され、個人情報に登録されているアドレス帳において、1以上の届け先が指定された場合、発注を行った顧客を送り主とし、贈答品アドレス帳に記載のメンバーをお届け先として注文手続きを行う。
【0053】
注文を行った顧客をお届け先とする注文、又は、送り主とする注文がなされると、
図9(d)の注文完了画面が表示され、
図9(e)に示す注文完了メールが送信される。注文完了画面では、個人情報に示される決済方法における決済の詳細が表示される。コンビニ決済が選択されているとすると、コンビニ決済で利用される払込票の番号、払い込み金額、お客様名、お支払い期限が、ご注文番号と共に表示される。店舗内の入金手続きは、値札から読み取られたJANコードから得られる商品価格、PLUコードを用いて取得される商品価格が用いられる。
【0054】
[5]商品販売システムにおいてなされる商品販売
以上のように構成された商品販売システムにおいて、電話発注による商品販売は、
図10(a)に示すように行われる。
【0055】
図10(a)において顧客11が携帯電話機123をもって店舗の大代表に電話をかけると、百貨店の販売員12は、内線電話機106を通じて顧客11の応対を行いつつ、店舗内端末101をもって各売り場に出向き、店頭に陳列されている商品の中のどれが、顧客11から問い合わせがなされた商品であるかの特定を試みる。問合わせがあった商品が特定されれば、出向いた商品売り場において、
図10(b)に示すように、商品枠401を店舗内端末101に表示させ、当該商品枠401に含まれる入金コード入力欄403(入力段431~434を含む)、ブランド名入力欄404、商品名入力欄405、数量入力欄406に対して入力操作を行う。これらの入力により、入力されたブランド名、商品名、価格、数量を示すマスターレコードをWeb決済データベース203に追加して、発注登録を行い、注文用URLを含むショートメールを顧客11が操作する携帯電話機123の電話番号宛に送信する。これ以降の処理はECサーバー200が引き継ぐ。ECサーバー200による手続きが進んで商品発注が確定すれば、販売員は、対象となる商品の取り置きを行い、当該商品の二度売りを防止する。
【0056】
[6]まとめ
以上のように本実施形態によれば、電話による商品の問合せが顧客からあり、ECサーバー200によるネット通販サービスによる販売対象ではないが、店頭販売が可能な商品群の中に、問合せの対象となる商品が存在した場合、店舗内端末101が商品の発注登録を店員から受け付ける。こうして受け付けがなされると、Web決済データベース203に発注対象となった商品が登録され、当該商品がカートインした状態となり、ECサーバー200が発注の対象となる商品の購入手続きを引き継ぐことができる。販売員の作業負担を生じさせることなく、電話発注を通じた、陳列商品の販売が可能になるので、コロナウィルス等を始めとする感染症の蔓延から、不要不急の外出を控えることが要請され、店舗への自由な往来が困難になっているような状況でも、販売員の負担を招くことなく、電話応対を通じて、商品を販売することが可能になる。そのため店舗事業者は、外出自粛が要請されている状況下でも、相応の商品売上げを確保することができる。
【0057】
[7]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが本発明は上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり以下の変形例が考えられる。
【0058】
(1)販売員が電話応答を交えながら売り場に出向いて発注すべき商品を特定し、発注を行ったが、商品の特定にデジタルカタログを用いてもよい。デジタルカタログは、ネット通販サイトとは別に作成され、店頭販売されている商品を示す。電話応対にあたって、かかるデジタルカタログを顧客に参照させることで、商品名、ブランド名の特定がスムーズになるという効果を奏する。
【0059】
(2)顧客が発した問い合わせの中継は、LINE(登録商標)等のグループ通信サービスを提供するサーバー装置によってなされてもよい。
【0060】
この場合、顧客が操作する携帯電話機123、販売員が操作する店舗内端末のそれぞれには、LINE専用のグループ通信アプリケーションがインストールされている。販売員が所属する店舗はLINEによるグループを形成しており、顧客が携帯電話機123を用いて、当該グループに参加すれば、グループ通信サービスを提供するサーバー装置は、携帯電話機123との通信接続を行う。そしてグループに属するメンバーの通信端末に、顧客から接続要求があった旨を通知する。グループに属するメンバーは店員であり、かかる店員が通信を開始することで、店員と、顧客との直接通信が可能になる。LINEにおける音声通話やチャット機能で、販売員が顧客と会話を行い、顧客が購入を希望する商品を特定して、当該商品の発注を行い、LINEのチャット機能により、上述した注文用URLを含むメッセージを上記の顧客に送信する。こうすることで顧客は、LINEのチャット機能で送信されるメッセージを用いてcartssディレクトリを開き、ショッピングバッグ画面を表示させることができる。
【0061】
(3)上記実施形態において、発注登録プログラムは、ECサーバー200にインストールされ、ECサーバー200で動作するとしたがこれに限られない。店舗内端末101のストレージ112にインストールされ、店舗内端末101において動作するとしてもよい。
【0062】
ECサーバー200は、店舗内に設置されたコンピュータ機器により構成される。これに限らずクラウドサーバーとして構成してもよい。クラウドサーバーは、OSと、発注登録プログラムとをインストールしており、店舗内端末101から要求があると、ゲストOSを起動し、かかるゲストOS上で発注登録アプリケーションを起動することで、上記実施形態に示した処理を行う。
【0063】
(4)店舗を百貨店としたがこれに限られない。多くの小売店を擁して事業展開を図るフランチャイズ店舗やスーパーマーケット、大規模量販店、個人店舗の何れであってもよい。店頭販売が可能となる商品として、店頭陳列されている商品を説明の題材に用いたが、かかる商品は、イベント入場券、セミナー入場券、持参人式の株主優待券等の金券であってもよい。
【0064】
(5)上記実施形態に示した画面は一例に過ぎない。1つ以上のウィジェット(Widget)を組み合わせることで、任意に変更してもよい。画面構成に用いることができる、ウィジェットとしては、押すたびに状態が変化するトグルボタン、複数の選択肢から1つを選ぶためのラジオボタン、リスト状のアイテムから1つ以上のアイテムを選択する操作を受け付けためのリストボックス、アイテムのチェックの有無を受け付けるためのチェックボックス、縦または横に一列に並んだボタンやアイコンで構成されるツールバー、テキストボックスにメニューやリストボックスを追加したコンボボックス、個別選択可能な個々のアイテムを表現するためのアイコン、木構造を表すツリービュー、配列に対応した表形式のグリッドビュー等がある。
【0065】
(6)店舗内端末101を用いた商品発注に先立ち、商品の売り場に関する情報の入力を求めてもよい。入力を求める商品の売り場に関する情報としては、食品、美容品、ファッション、紳士物といった大きな分類(サイトと呼ばれる)と、婦人ファッション、婦人服飾品、美容品、ラグジュアリー、リビング、イングス、紳士物、趣味雑貨といった細かい分類(商品場所区分と呼ばれる)と、店舗所在地から発送先までが遠距離であれば送料を高く、店舗所在地から発送先までが近距離であれば送料を低くするという送料区分といったものがある。そこで店舗内端末101は、プルダウン式のGUIを含む画面を表示し、プルダウン式のGUIに対する操作により、サイト、商品場所区分、送料区分を選択させる。こうした入力に基づき、発注の対象となった商品の集配場所を決め、また、送料を計算する。
【0066】
(7)発注登録画面におけるブランド名、商品名、価格の何れか、又は、全ての入力は、入金コードからの変換で実行してもよい。かかる変換は、例えば以下のように実行される。ホストコンピュータ107は、入金コードと、ブランド名、商品名、価格との対応関係を示すテーブルを有している。スキャナー部118を用いて、商品の値札から入金コードが読み取られると、かかるテーブルを用いて、読み取られた入金コードを、ブランド名、商品名、価格の何れか、又は、全てに変換する。店舗内端末101を用いた発注登録は店員が行うとしたが、売り場事務所のスタッフが行うとしてもよい。販売員、事務所スタッフの区別を問わず、何れかの店員が発注登録を行えば足りる。
【0067】
(8)ショートメッセージにより、ユーザーの携帯電話機123に表示されるショッピングバッグ画面において、発注の対象となった商品の画像を配してもよい。発注の対象となった商品の画像がショッピングバッグ画面に配されることで、店員が発注登録を行った商品が果たして自分が買いたかった商品かどうか改めて考え直すことができ、意に反する場合、ショッピングバッグ画面表示の段階で手続きをやめることで、意に反する商品購入を避けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示は、仕入先メーカーとの取決めで、ネット通販の対象にすることはできず、店頭販売に限定されている商品の販路を拡大することができ、特に小売業の産業分野で利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0069】
100 店舗内LANシステム
101 店舗内端末
103 無線LAN親機
104 プリンター
105 構内PBX
106 内線電話機
107 店舗内ホストコンピュータ
123 携帯電話機
124 PC
200 ECサーバー
201 会員データベース
202 ネット通販データベース
203 Web決済データベース
1000 商品販売システム