(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】閉じた流体移送系のためのバイアルアダプターアセンブリー
(51)【国際特許分類】
A61M 5/178 20060101AFI20220610BHJP
A61J 1/20 20060101ALI20220610BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
A61M5/178 500
A61J1/20
A61M5/31 510
(21)【出願番号】P 2020536936
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(86)【国際出願番号】 IL2019050003
(87)【国際公開番号】W WO2019135219
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-02-15
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520236387
【氏名又は名称】エルカム メディカル エー.シー.エー.エル
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ナフタロヴィッツ、ジヴ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-535636(JP,A)
【文献】特開2013-135972(JP,A)
【文献】特表2009-514641(JP,A)
【文献】特表2017-505201(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102307556(CN,A)
【文献】米国特許第04507113(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/178
A61J 1/20
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を含有するバイアルおよびシリンジアダプターとともに用いるのに適したバイアルアダプターアセンブリーであって、ここで該シリンジアダプターは、ピストンを有するシリンジに接続可能であり、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向は前記シリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向は前記シリンジから流体を排出するためのものであり、前記バイアルアダプターアセンブリーは:
薬剤を含有する前記バイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを有し;
前記シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを有し;
使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを有し;
前記シリンジアダプターが前記シリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、前記シリンジが前記シリンジアダプターに接続され、かつ、前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの内部と前記シリンジの内部との間を連絡する液体経路を有し;かつ、
前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの前記内部と前記均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路を有し、
前記均圧チャンバーおよび前記通気経路は、前記シリンジアダプターが前記シリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、前記シリンジが前記シリンジアダプターに接続され、かつ、前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、
前記薬剤の一部が、前記バイアルから前記通気経路を介して流れ、前記シリンジの前記ピストンの前記第2の方向の変位によって、前記均圧チャンバー内に配置されることになり、その後、前記均圧チャンバー内に配置されることにな
るすべて
の前記薬剤
の前記一部が、前記シリンジの前記ピストンの前記の第1の方向の変位によって、前記通気経路を介してそこから除去され、かつ、前記バイアルの前記内部へと戻されるように相互に構成されて
おり、
前記バイアルアダプターアセンブリーは、変形可能な膜もまた有し、該変形可能な膜は、前記バイアルコネクターと前記シリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられており、かつ
前記均圧チャンバーは、前記の変形可能な膜と前記シリンジアダプターコネクターとの間に形成されている、
前記バイアルアダプターアセンブリー。
【請求項2】
長手方向軸に沿って長手方向に延びる針要素もまた有する、請求項1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項3】
隔壁要素もまた有し、該隔壁要素は、前記シリンジアダプターコネクターの一部の中に配置されており、かつ、前記バイアルアダプターアセンブリーに係合するように適合する医療器具の針によるその貫通のために構成されている、請求項1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項4】
前記の変形可能な膜が、所定の形状を有する材料の変形可能なシートであり、かつ、その上に加えられる圧力に応答してその形状を変えるように適合している、請求項
1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項5】
前記シリンジアダプターコネクターには
、単一の液状薬剤収集および排出ウェルが形成されており、該
単一の液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する、請求項1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項6】
前記通気経路が、前記液体経路を少なくとも部分的に包囲している、請求項1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項7】
前記シリンジの前記ピストンの前記第2の方向の変位によって前記バイアル内の圧力を増大させることが、前記バイアルから前記均圧チャンバーの中への流体の移送を促し;かつ、
前記シリンジの前記ピストンの前記第1の方向の変位によって前記バイアル内の圧力を低下させることが、前記均圧チャンバーから前記バイアルの中への流体の移送を促す、請求項1に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項8】
薬剤を含有するバイアルからシリンジアダプターを介してピストンを有するシリンジへと薬剤を連絡する方法であって、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向は前記シリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向は前記シリンジから流体を排出するためのものであり、当該方法は:
バイアルアダプターアセンブリーを、薬剤を含有する前記バイアルに、かつ、前記シリンジアダプターを介して前記シリンジに、取り外し可能ではなく接続することを有し;
前記ピストンを前記の第1の方向に変位させることを有し、そのことによって前記薬剤の第1の量を前記シリンジの中に引き込み;
その後で、前記ピストンを前記の第2の方向に変位させることを有し、そのことによって前記薬剤の前記の第1の量の少なくとも一部を、容積が可変である前記バイアルアダプターアセンブリーの均圧チャンバーの中へと排出し;かつ、その後で、
前記ピストンを前記の第1の方向に変位させることを有し、そのことによって、前記薬剤の前記の第1の量の前記の少なくとも一部
のすべてを、前記バイアルアダプターアセンブリーの前記均圧チャンバーから前記バイアルの中へと排出する、
前記方法。
【請求項9】
前記バイアルアダプターアセンブリーが、前記薬剤を含有する前記バイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを有し;前記シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを有し;使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを有する、請求項
8に記載の薬剤を連絡する方法。
【請求項10】
前記バイアルアダプターアセンブリーが、流体経路および通気経路を有し、該流体経路は、前記シリンジアダプターが前記シリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、前記シリンジが前記シリンジアダプターに接続され、かつ、前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの内部と前記シリンジの内部との間を連絡し;かつ、該通気経路は、前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの前記内部と前記均圧チャンバーの内部との間を連絡する、請求項
9に記載の薬剤を連絡する方法。
【請求項11】
前記シリンジアダプターコネクターには
、単一の液状薬剤収集および排出ウェルが形成されており、該
単一の液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する、請求項
9に記載の薬剤を連絡する方法。
【請求項12】
前記バイアルコネクターと前記シリンジアダプターコネクターとの間には変形可能な膜が固定的に保持されており、かつ、前記の変形可能な膜は、その上に奏される圧力に応答してその形状を変え、そのことによって前記均圧チャンバーの前記容積を変えるように構成されている、請求項
9に記載の薬剤を連絡する方法。
【請求項13】
前記バイアルアダプターアセンブリーが、変形可能な膜もまた有し、該変形可能な膜は、前記バイアルコネクターと前記シリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられており、かつ
前記均圧チャンバーが、前記の変形可能な膜と前記シリンジアダプターコネクターとの間に形成されている、
請求項9に記載の薬剤を連絡する方法。
【請求項14】
薬剤を含有するバイアルおよびシリンジアダプターとともに用いるのに適したバイアルアダプターアセンブリーであって、ここで該シリンジアダプターは、ピストンを有するシリンジに接続可能であり、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向は前記シリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向は前記シリンジから流体を排出するためのものであり、前記バイアルアダプターアセンブリーは:
薬剤を含有する前記バイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを有し;
前記シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを有し;
使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを有し;
前記シリンジアダプターが前記シリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、前記シリンジが前記シリンジアダプターに接続され、かつ、前記バイアルコネクターが前記液状薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの内部と前記シリンジの内部との間を連絡する液体経路を有し;かつ、
前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、前記薬剤を含有する前記バイアルの前記内部と前記均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路を有し
、
前記均圧チャンバーは、前記通気経路と直接連絡する
、単一の液状薬剤収集および排出ウェルとともに構成されて
おり、
前記単一の液状薬剤収集および排出ウェルを介して前記均圧チャンバーと前記通気経路との間の直接的な流体連通が可能とされ、
前記バイアルアダプターアセンブリーは、変形可能な膜もまた有し、該変形可能な膜は、前記バイアルコネクターと前記シリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられており、かつ
前記均圧チャンバーは、前記の変形可能な膜と前記シリンジアダプターコネクターとの間に形成されている、前記バイアルアダプターアセンブリー。
【請求項15】
前記バイアルアダプターアセンブリーが、長手方向軸に対して略軸対称であり;
前記液体経路が、前記長手方向軸に概して沿って延びており;
前記通気経路が、前記液体経路を少なくとも部分的に包囲しており;かつ、
前記
単一の液状薬剤収集および排出ウェルが、前記長手方向軸に沿って略中央に配置されている、
請求項
14に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項16】
前記均圧チャンバーおよび前記通気経路が、前記シリンジアダプターが前記シリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、前記シリンジが前記シリンジアダプターに接続され、かつ、前記バイアルコネクターが前記薬剤を含有する前記バイアルに接続された場合、
前記薬剤の一部が、前記バイアルから前記通気経路を介して流れ、前記シリンジの前記ピストンの前記第2の方向の変位によって、前記均圧チャンバー内に配置されることになり、その後、前記均圧チャンバー内に配置されることにな
るすべて
の前記薬剤
の前記一部が、前記シリンジの前記ピストンの前記の第1の方向の変位によって、前記通気経路を介してそこから除去され、かつ、前記バイアルの前記内部へと戻されるように相互に構成されている、
請求項
14に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【請求項17】
前記
単一の液状薬剤収集および排出ウェルが、テーパー状の壁面および平面を有する、請求項
14に記載のバイアルアダプターアセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
ここで、2018年1月4日付けで出願され、かつ、「CLOSED FLUID TRANSFER SYSTEM(閉じた流体移送系)」と題する米国仮特許出願第62/613,431号を参照し、その開示は参照によってその全体が組み込まれ、かつ、その優先権が37 CFR 1.78(a)(4)および(5)(i)にしたがってここで主張される。
【0002】
発明の分野
本開示は概して、閉じた流体移送系に関し、いっそう具体的には、閉鎖系(closed system)を維持しながら2つの容器間での流体の移送を可能にする、バイアルアダプターアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
本技術分野では、閉じた流体移送系のための種々のタイプのバイアルアダプターアセンブリーが知られている。
【0004】
特定の症状の治療に有害薬物が頻繁に適用されることが知られているが、かかる有害薬物の使用は医療提供者に対して危険をもたらす。したがって、医療提供者が曝されることを減少させながら有害薬物の安全な取り扱いを可能にし、同時に系(システム)に含有される薬物の全量を利用することを可能にする、系の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、閉じた流体移送系のための改善されたバイアルアダプターアセンブリー、および、その使用方法を提供することを求める。
【0006】
したがって、本発明のある実施形態にしたがって、薬剤を含有するバイアルおよびシリンジアダプターとともに用いるのに適したバイアルアダプターアセンブリーが提供され、ここで該シリンジアダプターは、ピストンを有するシリンジに接続可能であり、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向はシリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向はシリンジから流体を排出するためのものであり、当該バイアルアダプターアセンブリーは:薬剤を含有するバイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを含んでおり;シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを含んでおり;使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを含んでおり;シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部とシリンジの内部との間を連絡する液体経路を含んでおり;かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部と均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路を含んでおり、均圧チャンバーおよび通気経路は、シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、均圧チャンバー内に配置されることになる実質的にすべての任意の薬剤が、シリンジのピストンの第1の方向の変位によって、通気経路を介してそこから除去され、かつ、バイアルの内部へと戻されるように相互に構成されている。
【0007】
好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、変形可能な膜を含んでおり、該変形可能な膜は、バイアルコネクターとシリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられている。
【0008】
さらに好ましくは、均圧チャンバーは、シリンジアダプターコネクターと変形可能な膜との間に配置されている。まださらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、長手方向軸に沿って長手方向に延びる針要素を含んでいる。いっそうさらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、隔壁要素を含んでおり、該隔壁要素は、シリンジアダプターコネクターの一部の中に配置されており、かつ、当該バイアルアダプターアセンブリーに係合するように適合する医療器具の針によるその貫通のために構成されている。まださらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、バイアルとの固定された係合に適合する、複数の周方向に配置されたスナップを含んでいる。さらに好ましくは、 当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、上部およびスパイク部を有する、シースを含んでいる。
【0009】
本発明のある実施形態によれば、シースを通して長手方向ボアが形成されており、かつ、該ボアは、広い部分と狭い部分を有する「液滴(drop;ドロップ)」形状である。
【0010】
好ましくは、ボアの広い部分から半径方向外側に凹部が延びており、かつ、ボアの狭い部分に対して反対側に方向付けられている。さらに好ましくは、スパイク部には開口部が形成されており、かつ、ボアと連絡するように適合しており、該開口部は凹部と同一方向に配向されている。まださらに好ましくは、変形可能な膜は、所定の形状を有する材料の変形可能なシートであり、かつ、その上に加えられる圧力に応答してその形状を変えるように適合している。いっそうさらに好ましくは、針要素は円筒部および鋭利な先端部を有し、かつ、その内部容積は液体経路を定めている。まださらに好ましくは、針要素はフィンおよび開口部を有し、該フィンは円筒部から半径方向外側に延びており、該開口部は円筒部に形成されており、かつ、液体経路と連絡するように適合している。
【0011】
本発明のある実施形態によれば、開口部は、針要素の鋭利な先端部に隣接して配置されており、かつ、フィンと同一方向に配向されている。
【0012】
好ましくは、シリンジアダプターコネクターには液状薬剤収集および排出ウェルが形成されており、該液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する。さらに好ましくは、均圧チャンバーは、変形可能な膜とシリンジアダプターコネクターとの間に形成されている。まださらに好ましくは、変形可能な膜は、その上に奏される圧力に応答してその形状を変え、そのことによって均圧チャンバーの容積を変えるように構成されている。さらにいっそう好ましくは、針要素はボアの広い部分に挿入され、したがって通気経路を形成しており、該通気経路はボアの狭い部分を通って延びている。まださらに好ましくは、通気経路は、液体経路を少なくとも部分的に包囲している。
【0013】
本発明のある実施形態によれば、フィンは、シースの一部の中に配置されており、かつ、針要素の開口部およびスパイク部の開口部が同一方向を向くように針要素を配向するように適合している。
【0014】
好ましくは、針要素の先端部が、スパイク部から軸長手方向に突出しており、かつ、それとともに鋭利な先端部を形成しており、該鋭利な先端部は、薬剤を含有するバイアルの隔壁を貫通するように適合している。さらに好ましくは、バイアル内の圧力を増大させることが、バイアルから均圧チャンバーの中への流体の移送を促し;かつ、バイアル内の圧力を低下させることが、均圧チャンバーからバイアルの中への流体の移送を促す。
【0015】
本発明のある実施形態によれば、薬剤を含有するバイアルからシリンジアダプターを介してピストンを有するシリンジへと薬剤を連絡する方法であって、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向はシリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向はシリンジから流体を排出するためのものであり、当該方法は:バイアルアダプターアセンブリーを、薬剤を含有するバイアルに、かつ、シリンジアダプターを介してシリンジに、取り外し可能ではなく接続することを含んでおり;ピストンを第1の方向に変位させることを含んでおり、そのことによって薬剤の第1の量をシリンジの中に引き込み;その後で、ピストンを第2の方向に変位させることを含んでおり、そのことによって薬剤の第1の量の少なくとも一部を、容積が可変であるバイアルアダプターアセンブリーの均圧チャンバーの中へと排出し;かつ、その後で、ピストンを第1の方向に変位させることを含んでおり、そのことによって、薬剤の第1の量の少なくとも一部の実質的にすべてを、バイアルアダプターアセンブリーの均圧チャンバーからバイアルの中へと排出する。
【0016】
好ましくは、バイアルアダプターアセンブリーは、薬剤を含有するバイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを含んでおり;シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを含んでおり;使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを含んでいる。さらに好ましくは、シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部とシリンジの内部との間を連絡する液体経路;および、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部と均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路。まださらに好ましくは、シリンジアダプターコネクターには液状薬剤収集および排出ウェルが形成されており、該液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する。いっそうさらに好ましくは、バイアルコネクターとシリンジアダプターコネクターとの間には変形可能な膜が固定的に保持されており、かつ、該変形可能な膜は、その上に奏される圧力に応答してその形状を変え、そのことによって均圧チャンバーの容積を変えるように構成されている。さらに好ましくは、バイアル内の圧力を増大させることが、バイアルから均圧チャンバーの中への流体の移送を促し;かつ、バイアル内の圧力を低下させることが、均圧チャンバーからバイアルの中への流体の移送を促す。
【0017】
本発明のある実施形態によれば、薬剤を含有するバイアルおよびシリンジアダプターとともに用いるのに適したバイアルアダプターアセンブリーであって、ここで該シリンジアダプターは、ピストンを有するシリンジに接続可能であり、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向はシリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向はシリンジから流体を排出するためのものであり、当該バイアルアダプターアセンブリーは:薬剤を含有するバイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを含んでおり;シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを含んでおり;使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを含んでおり;シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが液状薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部とシリンジの内部との間を連絡する液体経路を含んでおり;かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部と均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路を含んでおり、かつ、均圧チャンバーは、通気経路と直接連絡する液状薬剤収集および排出ウェルとともに構成されている。
【0018】
好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーは、長手方向軸に対して略軸対称であり;液体経路は、長手方向軸に概して沿って延びており;通気経路は、液体経路を少なくとも部分的に包囲しており;かつ、液状薬剤収集および排出ウェルは、長手方向軸に沿って略中央に配置されている。さらに好ましくは、均圧チャンバーおよび通気経路は、シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、均圧チャンバー内に配置されることになる実質的にすべての任意の薬剤が、シリンジのピストンの第1の方向の変位によって、通気経路を介してそこから除去され、かつ、バイアルの内部へと戻されるように相互に構成されている。まださらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、変形可能な膜を含んでおり、該変形可能な膜は、バイアルコネクターとシリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられている。いっそうさらに好ましくは、均圧チャンバーは、シリンジアダプターコネクターと変形可能な膜との間に配置されている。
【0019】
本発明のある実施形態によれば、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、長手方向軸に沿って長手方向に延びる針要素を含んでいる。
【0020】
好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、隔壁要素を含んでおり、該隔壁要素は、シリンジアダプターコネクターの一部の中に配置されており、かつ、当該バイアルアダプターアセンブリーに係合するように適合する医療器具の針によるその貫通のために構成されている。さらに好ましくは、バイアルコネクターはまた、バイアルとの固定された係合に適合する、複数の周方向に配置されたスナップを含んでいる。まださらに好ましくは、バイアルコネクターはまた、上部およびスパイク部を有する、シースを含んでいる。いっそうさらに好ましくは、シースを通して長手方向ボアが形成されており、かつ、該ボアは、広い部分と狭い部分を有する「液滴」形状である。
【0021】
本発明のある実施形態によれば、ボアの広い部分から半径方向外側に凹部が延びており、かつ、ボアの狭い部分に対して反対側に方向付けられている。
【0022】
好ましくは、スパイク部には開口部が形成されており、かつ、ボアと連絡するように適合しており、該開口部は凹部と同一方向に配向されている。さらに好ましくは、変形可能な膜は、所定の形状を有する材料の変形可能なシートであり、かつ、その上に加えられる圧力に応答してその形状を変えるように適合している。まださらに好ましくは、針要素は円筒部および鋭利な先端部を有し、かつ、その内部容積は液体経路を定めている。いっそうさらに好ましくは、針要素はフィンおよび開口部を有し、該フィンは円筒部から半径方向外側に延びており、該開口部は円筒部に形成されており、かつ、液体経路と連絡するように適合している。
【0023】
本発明のある実施形態によれば、開口部は、針要素の鋭利な先端部に隣接して配置されており、かつ、フィンと同一方向に配向されている。
【0024】
好ましくは、液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する。均圧チャンバーは、変形可能な膜とシリンジアダプターコネクターとの間に形成されている。まださらに好ましくは、変形可能な膜は、その上に奏される圧力に応答してその形状を変え、そのことによって均圧チャンバーの容積を変えるように構成されている。さらにいっそう好ましくは、針要素はボアの広い部分に挿入され、したがって通気経路を形成しており、該通気経路はボアの狭い部分を通って延びている。
【0025】
本発明のある実施形態によれば、フィンは、シースの一部の中に配置されており、かつ、針要素の開口部およびスパイク部の開口部が同一方向を向くように針要素を配向するように適合している。
【0026】
好ましくは、針要素の先端部が、スパイク部から軸長手方向に突出しており、かつ、それとともに鋭利な先端部を形成しており、該鋭利な先端部は、薬剤を含有するバイアルの隔壁を貫通するように適合している。さらに好ましくは、バイアル内の圧力を増大させることが、バイアルから均圧チャンバーの中への流体の移送を促し;かつ、バイアル内の圧力を低下させることが、均圧チャンバーからバイアルの中への流体の移送を促す。
【0027】
薬剤を含有するバイアルおよびシリンジアダプターとともに用いるのに適したバイアルアダプターアセンブリーであって、ここで該シリンジアダプターは、ピストンを有するシリンジに接続可能であり、該ピストンは、第1の方向および第2の方向の選択可能な変位に適合しており、該第1の方向はシリンジの中に流体を引き込むためのものであり、該第2の方向はシリンジから流体を排出するためのものであり、当該バイアルアダプターアセンブリーは:薬剤を含有するバイアルとの取り外し可能ではない接続のためのバイアルコネクターを含んでおり;シリンジアダプターとの接続のためのシリンジアダプターコネクターを含んでおり;使用の最中は外部環境から密閉される、容積が可変である均圧チャンバーを含んでおり;シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部とシリンジの内部との間を連絡する液体経路を含んでおり;かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、薬剤を含有するバイアルの内部と均圧チャンバーの内部との間を連絡する通気経路を含んでおり、かつ:当該バイアルアダプターアセンブリーは、長手方向軸に対して略軸対称であり;液体経路は、長手方向軸に概して沿って延びており;かつ、通気経路は、液体経路を少なくとも部分的に包囲している。
【0028】
好ましくは、均圧チャンバーは、通気経路と直接連絡する液状薬剤収集および排出ウェルとともに構成されている。さらに好ましくは、液状薬剤収集および排出ウェルは、長手方向軸に沿って略中央に配置されている。まださらに好ましくは、均圧チャンバーおよび通気経路は、シリンジアダプターがシリンジアダプターコネクターに接続され、かつ、シリンジがシリンジアダプターに接続され、かつ、バイアルコネクターが薬剤を含有するバイアルに接続された場合、均圧チャンバー内に配置されることになる実質的にすべての任意の薬剤が、シリンジのピストンの第1の方向の変位によって、通気経路を介してそこから除去され、かつ、バイアルの内部へと戻されるように相互に構成されている。いっそうさらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、変形可能な膜を含んでおり、該変形可能な膜は、バイアルコネクターとシリンジアダプターコネクターとの間に取り囲まれた容積内に収容され、かつ、その間に固定的に取り付けられている。
【0029】
本発明のある実施形態によれば、均圧チャンバーは、シリンジアダプターコネクターと変形可能な膜との間に配置されている。
【0030】
好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、長手方向軸に沿って長手方向に延びる針要素を含んでいる。さらに好ましくは、当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、隔壁要素を含んでおり、該隔壁要素は、シリンジアダプターコネクターの一部の中に配置されており、かつ、当該バイアルアダプターアセンブリーに係合するように適合する医療器具の針によるその貫通のために構成されている。いっそうさらに好ましくは、バイアルコネクターはまた、バイアルとの固定された係合に適合する、複数の周方向に配置されたスナップを含んでいる。
【0031】
本発明のある実施形態によれば、バイアルコネクターはまた、上部およびスパイク部を有する、シースを含んでいる。
【0032】
好ましくは、シースを通して長手方向ボアが形成されており、かつ、該ボアは、広い部分と狭い部分を有する「液滴」形状である。さらに好ましくは、ボアの広い部分から半径方向外側に凹部が延びており、かつ、ボアの狭い部分に対して反対側に方向付けられている。まださらに好ましくは、スパイク部には開口部が形成されており、かつ、ボアと連絡するように適合しており、該開口部は凹部と同一方向に配向されている。いっそうさらに好ましくは、変形可能な膜は、所定の形状を有する材料の変形可能なシートであり、かつ、その上に加えられる圧力に応答してその形状を変えるように適合している。
【0033】
本発明のある実施形態によれば、針要素は円筒部および鋭利な先端部を有し、かつ、その内部容積は液体経路を定めている。
【0034】
好ましくは、針要素はフィンおよび開口部を有し、該フィンは円筒部から半径方向外側に延びており、該開口部は円筒部に形成されており、かつ、液体経路と連絡するように適合している。さらに好ましくは、開口部は、針要素の鋭利な先端部に隣接して配置されており、かつ、フィンと同一方向に配向されている。まださらに好ましくは、液状薬剤収集および排出ウェルは、テーパー状の壁面および平面を有する。いっそうさらに好ましくは、均圧チャンバーは、変形可能な膜とシリンジアダプターコネクターとの間に形成されている。
【0035】
本発明のある実施形態によれば、変形可能な膜は、その上に奏される圧力に応答してその形状を変え、そのことによって均圧チャンバーの容積を変えるように構成されている。
【0036】
好ましくは、針要素はボアの広い部分に挿入され、したがって通気経路を形成しており、該通気経路はボアの狭い部分を通って延びている。さらに好ましくは、フィンは、シースの一部の中に配置されており、かつ、針要素の開口部およびスパイク部の開口部が同一方向を向くように針要素を配向するように適合している。まださらに好ましくは、針要素の先端部が、スパイク部から軸長手方向に突出しており、かつ、それとともに鋭利な先端部を形成しており、該鋭利な先端部は、薬剤を含有するバイアルの隔壁を貫通するように適合している。いっそうさらに好ましくは、バイアル内の圧力を増大させることが、バイアルから均圧チャンバーの中への流体の移送を促し、かつ、バイアル内の圧力を低下させることが、均圧チャンバーからバイアルの中への流体の移送を促す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、図面とともに考慮される以下の詳細な説明からいっそう完全に理解および把握されるであろう。
【0038】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態によって構成され、かつ、有効である、閉じた流体移送系のための組み立てられたバイアルアダプターアセンブリーの簡略図である。
【
図2】
図2は、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略化された断面図であり、
図2は
図1の線A-Aに沿ってとられている。
【
図3A】
図3Aおよび3Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略化された分解図および分解断面図であり、
図3Bは
図3Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略化された分解図および分解断面図であり、
図3Bは
図3Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図4A-B】
図4Aおよび4Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成するバイアルコネクター部の簡略化された上を向いた図および下を向いた図である。
【
図4D-E】
図4Dおよび4Eは各々、
図4Cの相互に垂直である切断線D-DおよびE-Eに沿ってとられた、
図4Aおよび4Bのバイアルコネクター部の簡略化された断面図である。
【
図5】
図5Aおよび5Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成する変形可能な膜の簡略図および簡略化された断面図であり、
図5Bは
図5Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図6】
図6A~6Cは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成する針要素の簡略図、簡略化された平面図および簡略化された断面図であり、
図3Cは
図6Aの線C-Cに沿ってとられている。
【
図7A】
図7Aおよび7Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成するシリンジアダプターコネクター部の簡略図および簡略化された断面図であり、
図7Bは
図7Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成するシリンジアダプターコネクター部の簡略図および簡略化された断面図であり、
図7Bは
図7Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図8】
図8Aおよび8Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの一部を形成する隔壁の簡略図および簡略化された断面図であり、
図8Bは
図8Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図9A】
図9Aおよび9Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーが今にもバイアルに接続されそうである第1の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図9Bは
図9Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図9B】
図9Aおよび9Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーが今にもバイアルに接続されそうである第1の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図9Bは
図9Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図10A】
図10Aおよび10Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーがバイアルに接続されている第2の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図10Bは
図10Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図10B】
図10Aおよび10Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーがバイアルに接続されている第2の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図10Bは
図10Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図11A】
図11Aおよび11Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーおよびバイアルが今にもシリンジ(それに取り付けられたシリンジコネクターを有する)に接続されそうである第3の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図11Bは
図11Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図11B】
図11Aおよび11Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーおよびバイアルが今にもシリンジ(それに取り付けられたシリンジコネクターを有する)に接続されそうである第3の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図11Bは
図11Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図12A】
図12Aおよび12Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーおよびバイアルがシリンジに、それに取り付けられたシリンジコネクターを通して接続され、したがって閉じた流体移送系を形成している第4の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図12Bは
図12Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図12B】
図12Aおよび12Bは各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリーおよびバイアルがシリンジに、それに取り付けられたシリンジコネクターを通して接続され、したがって閉じた流体移送系を形成している第4の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図12Bは
図12Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図13A】
図13Aおよび13Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジからバイアルの中へと送達される第5の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図13Bは
図13Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図13B】
図13Aおよび13Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジからバイアルの中へと送達される第5の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図13Bは
図13Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図14A】
図14Aおよび14Bは各々、バイアルおよびシリンジの両方に取り付けられたバイアルアダプターアセンブリーで構成される閉じた流体移送系が反転し、バイアルが上を向くようになっている第6の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図14Bは
図14Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図14B】
図14Aおよび14Bは各々、バイアルおよびシリンジの両方に取り付けられたバイアルアダプターアセンブリーで構成される閉じた流体移送系が反転し、バイアルが上を向くようになっている第6の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図14Bは
図14Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図15A】
図15Aおよび15Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと引き込まれる第7の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図15Bは
図15Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図15B】
図15Aおよび15Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと引き込まれる第7の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図15Bは
図15Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図16A】
図16Aおよび16Bは各々、比較的少量の流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジからバイアルの中へと回収される第8の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図16Bは
図16Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図16B】
図16Aおよび16Bは各々、比較的少量の流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジからバイアルの中へと回収される第8の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図16Bは
図16Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図17A】
図17Aおよび17Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと部分的に回収される第9の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図17Bは
図17Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図17B】
図17Aおよび17Bは各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと部分的に回収される第9の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図17Bは
図17Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図18A】
図18Aおよび18Bは各々、必要な量の流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと回収される第10の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図18Bは
図18Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図18B】
図18Aおよび18Bは各々、必要な量の流体が閉じた流体移送系を用いてバイアルからシリンジの中へと回収される第10の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図18Bは
図18Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図19A】
図19Aおよび19Bは各々、シリンジがシリンジコネクターとともにバイアルアダプターアセンブリーおよびバイアルから切り離されている第11の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図19Bは
図19Aの線B-Bに沿ってとられている。
【
図19B】
図19Aおよび19Bは各々、シリンジがシリンジコネクターとともにバイアルアダプターアセンブリーから切り離されている第11の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリーの簡略図および簡略化された断面図であり、
図19Bは
図19Aの線B-Bに沿ってとられている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
発明の実施形態の詳細な説明
本発明のある実施形態によるバイアルアダプターアセンブリーが以下に記載されており、当該バイアルアダプターアセンブリーは、一方でバイアルに接続され、かつ、他方でシリンジまたはその他の医療器具に接続された場合、閉じた流体移送系を可能にするように構成され、かつ、有効である。閉じた流体移送系は、流体を抜き取るときに、または、流体を注入するときにバイアル中の均圧を維持し、かつ同時に、有害薬物の安全な取り扱いを可能にするように構成されている。閉じた流体移送系内に含有された薬剤の全量が利用され、薬剤の混合プロセスの最中の薬剤のいかなる浪費も防止することは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0040】
当該バイアルアダプターアセンブリーが、バイアルのストッパーへの接続のための手段を提供することは、本発明のある実施形態のさらに際立った特徴である。当該バイアルアダプターアセンブリーはまた、シリンジアダプターに接続されて流体の双方向の通過を可能にするように適合している、穿刺可能な隔壁を有する密閉されたアクセスポートを提供する。当該バイアルアダプターアセンブリーはまださらに、閉鎖系の内部流体経路と周囲環境との間の圧力差を除去するための手段を提供する。
【0041】
図1を参照すると、該図は、本発明のある実施形態により構成され、かつ、有効である、閉じた流体移送系のための組み立てられたバイアルアダプターの簡略図である。さらに、
図2を参照すると、該図は
図1のバイアルアダプターの簡略化された断面図であり、
図2は
図1の線A-Aに沿ってとられており、かつ、
図3Aおよび3Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターの簡略化された分解図および分解断面図であり、
図3Bは
図3Aの線B-Bに沿って取られている。
【0042】
図1には、バイアルアダプターアセンブリー100が見られる。バイアルアダプターアセンブリー100は概して、バイアルコネクター部102を含んでおり、該バイアルコネクター部102は、シリンジアダプターコネクター部104にしっかりと取り付けられるように適合しており、したがって、バイアルアダプターアセンブリー100は、バイアルコネクター部102とシリンジアダプターコネクター部104との間にエンクロージャー容積106を形成している。エンクロージャー容積106内には変形可能な膜108が配置されており、かつ、好ましくは、バイアルコネクター部102とシリンジアダプターコネクター部104との間に固定的に取り付けられている。針要素110が、シリンジアダプターコネクター部104からバイアルコネクター部102へと長手方向軸112に沿って長手方向に延びている。シリンジアダプターコネクター部104の一部の中には、隔壁要素114が配置されており、かつ、バイアルアダプターアセンブリー100に係合するように適合する医療器具の針によるその貫通のために構成されている。
【0043】
バイアルアダプターアセンブリー100のシリンジアダプターコネクター部104が概してドーム形の要素であり、該ドーム形の要素が、長手方向軸112に沿ってそこから上方向に延びる接続部120と、好ましくは加締めによってその中に隔壁要素114を取り付けるように構成されたソケット122を有することは、
図3Aおよび3Bにとりわけ見られる。
【0044】
針要素110が中空であり、かつ、長手方向軸112に沿って配置されていることは、
図3Aおよび3Bにさらにとりわけ見られる。
【0045】
バイアルアダプターアセンブリー100のバイアルコネクター部102は概して、凹形要素であり、該凹形要素は、その中央部から長手方向軸112に概して沿って延びる、軸方向に延びるシース130を有する。シース130は、針要素110を、それを少なくとも部分的に通して固定して取り付けるように構成されている。バイアルコネクター部102はさらに、バイアルのような医療器具との固定的された係合に適合する、複数の周方向に配置されたスナップ132を含んでいる。
【0046】
ここで、
図4Aおよび4Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の一部を形成するバイアルコネクター部102の簡略化された上を向いた図および下を向いた図であり、かつ、
図4Cを参照すると、該図は
図4Aおよび4Bのバイアルコネクター部102の簡略化された平面図である。さらに
図4Dおよび4Eを参照すると、該図は各々、
図4Cの相互に垂直である切断線D-DおよびE-Eに沿ってとられた、
図4Aおよび4Bのバイアルコネクター部102の簡略化された断面図である。
【0047】
バイアルコネクター部102は、好ましくはプラスチック製であり、かつ、長手方向軸112に沿って配置された一体の部品である。バイアルコネクター部102が略凹形であり、かつ、内面142および外面144を備える凹形壁部140を有することは、
図4A~4Eに見られる。壁部140から半径方向外側に、周方向リム146が延びている。周方向リム146には周方向溝148が形成されており、かつ、2つの周方向壁部150および152の間に配置されている。壁部150が上向き縁部154を有し、かつ、該上向き縁部154上には略湾曲周方向突出部156が形成されていることは、
図4A~4Eに見られる。
【0048】
壁部140の中央部には、上に延びる突出部160が形成されていることは、
図4A、4Dおよび4Eに見られる。上に延びる突出部160は、複数の半径方向に離間した略湾曲周方向壁部162を有し、該略湾曲周方向壁部162は、その間に隙間を形成している。複数の壁部162によって、上方周方向円形縁部164が形成されている。略湾曲周方向壁部162は、内壁面166および外壁面168を有する。周方向縁部164によって形成された円周内には、略平面フランジ170が一体的に形成されている。フランジ170は、上向き面172および下向き面174を有し、該下向き面174は、その上に形成された略円形下向き突出部176を有する。上向き面172上には、略湾曲周方向突出部177が形成されていることは、
図4A、4Dおよび4Eに見られる。
【0049】
シース130は、フランジ170から上向きに延びる上方シース部180、および、フランジ170から下向きに延びるスパイク部182を有する。いくつかの略湾曲壁部190が存在し、該略湾曲壁部190は、スパイク部182を包囲しており、かつ、周方向に配置されており、かつ、互いに離間している。スナップ132が、2つの隣接する湾曲壁部190の間に配置されており、かつ、わずかに半径方向内側に延びていることが見られる。
【0050】
外壁面168および湾曲壁部190から半径方向内側にいくつかの略平面壁部192が延びており、かつ、互いに周方向に離間している。
【0051】
上方シース部180が、外面202および上向き縁部204を備える略円筒部200を有することは、
図4A、4C~4Eにとりわけ見られる。概して、3つの補強リブ206が周方向に配置されており、かつ、円筒部200から半径方向外側に延びており、該リブは互いに半径方向に離間している。好ましくは、各リブ206は、上向き縁部204の平面に対して略平行である平面に沿って配置された上向き面208、および、縁部208を縁部204に接続する上向きテーパー状縁部210を有する。リブ206は、フランジ170から上向き縁部204へと延びている。
【0052】
スパイク部182が、外面222および下向き縁部224を備える略円錐部220を有することは、
図4Bにとりわけ見られる。テーパー状周方向壁面226が、下向き縁部224を外面222と接続している。
【0053】
シース130を通して長手方向ボア230が形成されており、かつ、上向き縁部204から下向き縁部224へと延びていることは、
図4Dおよび4Eにとりわけ見られる。
図4Cにとりわけ見られるように、ボア230が、広い部分232と狭い部分234を有する「液滴」形状であることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。ボア230の広い部分232から半径方向外側に凹部236が延びており、かつ、ボア230の狭い部分234に対して反対側に方向付けられている。凹部236は、ボア230の長手方向の広がりの一部に沿って上向き縁部204から下向きに長手方向に延びている。
【0054】
ボア230は内面240を定めており、該内面240は、上方円錐部242および下方円筒部244を有する。下向き縁部224に隣接して、スパイク部182の下端部に略U字形開口部が形成されており、かつ、ボア230と連絡するように適合している。開口部246は、凹部236と同一方向に配向されており、したがって、ボア230の狭い部分234とは反対側である。
【0055】
ここで
図5Aおよび5Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の一部を形成する変形可能な膜108の簡略図および簡略化された断面図であり、
図5Bは
図5Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0056】
変形可能な膜108は、好ましくはプラスチック高バリア性積層体製であり、かつ、長手方向軸112に沿って配置された一体の部品である。変形可能な膜108が、所定の形状を有する材料の変形可能なシートであり、かつ、その上に加えられる圧力に応答してその形状を変えるように適合していることは、
図5Aおよび5Bに見られる。
図5Aおよび5Bでは、変形可能な膜108は略凹形であるように示されており、該凹形は、バイアルコネクター部102の内面142に対応しており、かつ同様に、シリンジアダプターコネクター部104の内面に対応している。変形可能な膜108は、上向き面250および下向き面252を有する。変形可能な膜108はさらに、周方向リム254を有し、該周方向リム254は、上向き縁部256および下向き縁部258を有する。変形可能な膜108は、中央に配置されたくぼみ260を有し、該くぼみ260は、上向き面262、下向き面264および中央に配置されたアパーチャ266を有する。
【0057】
ここで
図6A~6Cを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の一部を形成する針要素110の簡略図、簡略化された平面図および簡略化された断面図であり、
図3Cは
図6Aの線C-Cに沿ってとられている。
【0058】
針要素110は、好ましくは金属製であり、かつ、長手方向軸112に沿って配置された略中空円筒形の一体の部品である。針要素110は円筒部282を有し、該円筒部282は、その一端に上向き縁部284を有し、かつ、他端に鋭利な円錐形先端部286を有する。針要素110は、液体経路292として作用する内部流体通路を定める、外面288および内面290を有する。液体経路292は、長手方向軸112に概して沿って延びていることが注目される。
【0059】
フィン294が、円筒部282から略半径方向外側に延びていることが見られる。フィン294は、上向き縁部295を有する。円筒部282には開口部296が形成されており、かつ、液体経路292と連絡していることがさらに見られる。開口部296は、針要素110の先端部286に隣接して配置されており、かつ、フィン294と同一方向に配向されている。
【0060】
ここで
図7Aおよび7Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の一部を形成するシリンジアダプターコネクター部104の簡略図および簡略化された断面図であり、
図7Bは
図7Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0061】
上記で注目されたように、バイアルアダプターアセンブリー100のシリンジアダプターコネクター部104は概して、ドーム形の要素であり、該ドーム形の要素は、長手方向軸112に沿ってそこから上方向に延びる接続部120と、好ましくは加締めによってその中に隔壁要素114を取り付けるように構成されたソケット122を有する。
【0062】
ドーム形シリンジアダプターコネクター部104が略湾曲壁部320を有し、該略湾曲壁部320が一端に平面環状壁部322を有し、該平面環状壁部322が湾曲壁部320を接続部120と接続することは、
図7Aおよび7Bに見られる。湾曲壁部320は、外面324および内面326を有する。湾曲壁部320の他端には、半径方向外側に延びる周方向リム328が形成されている。下向きトング330が、周方向リム328から下方向に、かつ、それに対して略直角に延びている。
【0063】
シリンジアダプターコネクター部104の内面326の一部の上には、複数の周方向に離間した溝340が形成されていることは、
図7Bにとりわけ見られる。溝340は概して、周方向リム328に隣接する位置から上向きに延びている。略平滑面342が、溝340の上向き端部からシリンジアダプターコネクター部104の内面326上の中央上部に向かって延びており、ドーム形シリンジアダプターコネクター部104の頂点に配置された、上向きに突出した液状薬剤収集および排出ウェル350において終端している。液状薬剤収集および排出ウェル350は、テーパー状壁面352および平坦な下向き面354を有し、かつ、液状薬剤収集および排出ウェル350が長手方向軸112に沿って略中央に配置されていることは、
図7にとりわけ見られる。
【0064】
接続部120は、底部360、中間部362および上部364を有する。底部360は、外側周方向縁部372を有する、一連の長手方向に離間したフランジ370を含んでいる。最も上のフランジ370からネック部374が上方向に延びており、かつ、底部360を中間部362に接続している。中間部362は略円筒部であり、該略円筒部は、第1の外径を有し、かつ、ネック部374に隣接する下向きショルダー376を有する。テーパー状壁面378が、中間部362を上部364と接続している。
【0065】
上部364は略円筒部であり、該略円筒部は、第1の外径より概して小さい第2の外径を有する。上部364は、上向き周方向縁部380を有する。
【0066】
接続部120を通して貫通ボア390が形成されており、かつ、いくつかの異なる部分を有し、該異なる部分はそれぞれ、異なる直径を有する。ボア390は、長手方向軸112に沿って長手方向に延びている。貫通ボア390の上部はソケット122であり、該ソケット122は、第1の直径を有し、かつ、上部364の長手方向の広がりを通って延びている。中間ボア392が、ソケット122からネック部374に隣接する位置へと長手方向下向きに延びている。中間ボア392は、ソケット122の第1の直径より概して小さい第2の直径を有する。底ボア394が、中間ボア392から液状薬剤収集および排出ウェル350の下向き面354へと長手方向下向きへと延びており、下向き面354にアパーチャ400を形成し、かつ、そのことによって液状薬剤収集および排出ウェル350と連絡している。底ボア394は、中間ボア392の第2の直径より概して小さい第3の直径を有する。
【0067】
ここで
図8Aおよび8Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の一部を形成する隔壁114の簡略図および簡略化された断面図であり、
図8Bは
図8Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0068】
隔壁114は、好ましくはゴム製であり、かつ、長手方向軸112に沿って配置された、ディスク状である一体の固体部品である。隔壁114は、上向き面410、下向き面412および外向き周面414を有する。上向き面410上には、上向き突出部416が形成されている。
【0069】
ここで
図9Aおよび9Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100が今にもバイアルに接続されそうである第1の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図9Bは
図9Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0070】
図1~8Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100が、今にもバイアル500に接続されそうであることは、
図9Aおよび9Bに見られる。バイアル500はバレル502を有し、該バレル502は内部容積504およびネック部506を有し、該ネック部506は開口部を有し、該開口部は、隔壁508によって覆われており、かつ、アルミニウム保持カラー510によって所定の位置に固定されている。バイアル500は、この有効な配向において、その内部容積504内に薬剤粉末520を含有するように適合している。
【0071】
変形可能な膜108の外側部分が、変形可能な膜108のリム254をバイアルコネクター部102の周方向リム146と超音波溶接することによってバイアルコネクター部102に固定的に接続されており、いっそう具体的には、接続部が、変形可能な膜108の下向き縁部258とバイアルコネクター部102の周方向突出部156との間に形成されていることは、
図9Bにとりわけ見られる。
【0072】
変形可能な膜108の内側部分は、変形可能な膜108の中央に配置されたくぼみ260をバイアルコネクター部102の平面フランジ170と超音波溶接することによってバイアルコネクター部102に固定的に接続されており、いっそう具体的には、接続部は、変形可能な膜108の下向き面264とバイアルコネクター部102の周方向突出部177との間に形成されている。
【0073】
シリンジアダプターコネクター部104が、バイアルコネクター部102の周方向溝148に挿入されるシリンジアダプターコネクター部104の下向きトング330を超音波溶接することによってバイアルコネクター部102に固定的に接続されていることは、
図9Bにさらに見られる。
【0074】
軸方向に延びるシース130の一部が、変形可能な膜108のアパーチャ266を通って延びていることが見られる。
【0075】
変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に均圧チャンバー530が形成されていることが見られ、かつ、
図9Aおよび9Bにおいて示されているこの有効な配向では、変形可能な膜108の上向き面250がほぼ、シリンジアダプターコネクター部104の内面326上に形成された溝342に隣接して位置しており、かつ、変形可能な膜108の下向き面252がバイアルコネクター部102の内面142から離間しているという事実に起因して、均圧チャンバー530の容積が最少であることが注目される。この有効な配向において示されているように、均圧チャンバー530には流体が存在しない。
【0076】
均圧チャンバー530が、その中に液状薬剤収集および排出ウェル350を含有しており、該液状薬剤収集および排出ウェル350を介して均圧チャンバー530と通気経路540との間の直接的な流体連通が可能とされることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0077】
シリンジアダプターコネクター部104のソケット122には、隔壁114が挿入されており、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の接続部120の上部364の上端は、加締めプロセスの最中に折り曲げられ、上部364を隔壁114の上向き面410と係合することによってシリンジアダプターコネクター部104内に隔壁をしっかりと保持するようになっている。隔壁114の上向き突出部416が、本明細書に以下で詳細に記載されるように、シリンジアダプターの針によるその貫通を可能にするために曝露されている。
【0078】
上部シース部180の上向きテーパー状縁部210は、シリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350のテーパー状壁面352に隣接している。
【0079】
針要素110の円筒部282が、底ボア394に挿入されており、該底ボア394が、シリンジアダプターコネクター部104の接続部120内に形成されており、かつ、接着剤または熱溶接のいずれかによってその中にしっかりと保持されていることは、
図9Bにさらに見られる。針要素110のフィン294の上向き縁部295が、好ましくは、シリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350の下向き面354に隣接していることが見られる。
【0080】
針要素110の円筒部282はさらに、シース130内に形成されたボア230を通して挿入されている。針要素110がボア230の広い部分232に挿入され、したがって、ボア230の狭い部分234を通って延びる通気経路540を形成していることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。通気経路540は、針要素110の外面288とボア230によって定められた内面240との間に配置されており、したがって、針要素110内を延びる液体経路292を少なくとも部分的に包囲している。針要素110の外面288は、ボア230の広い部分232によって周方向に封入されている。
【0081】
針要素110のフィン294が、シース130のボア230内に形成された凹部236内に配置されていることは、
図9Bに見られる。フィン294は、針要素110の開口部296およびスパイク部182のU字形開口部246が同一方向に向いているように、針要素110を配向するように適合している。
【0082】
針要素110の鋭利な円錐形先端部286が、スパイク部182のテーパー状周方向壁面226から下向きにわずかに突出しており、かつ、それとともに鋭利な先端部を形成しており、該鋭利な先端部がバイアル500の隔壁508を貫通するように適合していることは、
図9Bにさらに見られる。
【0083】
シース130のスパイク部182および針要素110の鋭利な円錐形先端部286は、バイアルコネクター部102のスナップ132によって周方向に包囲されている。
【0084】
バイアルアダプターアセンブリー100は、長手方向軸112に対して略軸対称であることが注目される。
【0085】
ここで
図10Aおよび10Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100がバイアル500に接続されている第2の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図10Bは
図10Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0086】
図9Aおよび9Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係は変わらないままであり、かつ、バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図10Aおよび10Bに示されているこの第2の有効な配向において今や存在することが把握される。
【0087】
バイアルアダプターアセンブリー100をバイアル500に取り付ける際に、シース130がバイアル500の隔壁508を貫通し、シース130のスパイク部182および針要素110の鋭利な円錐形先端部286が今やバイアル500の内部容積505内に配置されていることは、
図10Bに見られる。針要素110の開口部296およびスパイク部182のU字形開口部246の両方が、今やバイアル500の内部容積504内に配置されていることが注目される。
【0088】
バイアルコネクター部102の平面壁部192が、バイアル500の保持カラー510に半径方向に係合して、バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500との間の安定的な接続を提供することは、
図10Bにさらに見られる。同一の目的で、バイアルコネクター部102の下向き突出部176が、バイアル500の隔壁508に係合している。
【0089】
バイアルアダプターアセンブリー100は、バイアルコネクター部102のスナップ132をバイアル500のネック部506および保持カラー510とロック係合することによって、バイアル500に固定的かつ取り外し不能に取り付けられている。
【0090】
ここで
図11Aおよび11Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100およびバイアル500が今にもシリンジ(それに取り付けられたシリンジコネクターを有する)に接続されそうである第3の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図11Bは
図11Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0091】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係は、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、かつ、バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図11Aおよび11Bに示されているこの第3の有効な配向において今や存在することが把握される。
【0092】
シリンジ550がシリンジアダプター560に取り付けられており、本発明のある実施形態によって用いられるシリンジアダプター560が、米国ペンシルベニア州ベツヘルムのB.Braun社から市販されているOnguard(登録商標)シリンジアダプターのようなものであることは、
図11Aおよび11Bに見られる。
【0093】
シリンジ550はバレル570を有し、該バレル570は内部容積572を有し、該内部容積572はピストン574によって一端において限定されており、該ピストン574は、バレル570に対してスライド可能であるプランジャーロッド576に固定的に接続されているか、または、それと一体的に作られている。シリンジ550は、その他端にルアー578を有し、該ルアー578は、シリンジアダプター560にネジで取り付けられるように適合している。シリンジ550は、バレル570の内部容積572内に希釈剤580を含有していることが注目される。
【0094】
シリンジアダプター560に接続されたシリンジ550が、
図10Aおよび10Bを参照して記載されたようにバイアル500に先行して取り付けられたバイアルアダプターアセンブリー100に今にも接続されそうになっていることは、
図11Aおよび11Bに見られる。
【0095】
ここで
図12Aおよび12Bを参照すると、該図は各々、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100およびバイアル500がシリンジ550に、それに取り付けられたシリンジコネクター560を通して接続され、したがって閉じた流体移送系を形成している第4の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図12Bは
図12Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0096】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係は、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図12Aおよび12Bに示されているこの第4の有効な配向において今や存在することが把握される。
【0097】
図11Aおよび11Bに示されているようにシリンジ550に接続されたシリンジアダプター560が、今やバイアルアダプターアセンブリー100に接続されていることは、
図12Aおよび
図12Bに見られる。シリンジアダプター560は、外面590および内面592および下向き縁部594を含んでいることが見られる。シリンジアダプター560内には、シリンジアダプター針596が含有されている。
【0098】
シリンジアダプター560は、シリンジアダプターコネクター部104の接続部120に取り付けられ、シリンジアダプターコネクター部104の接続部120が、シリンジアダプター560の内部容積内に含有されるようになっており、かつ、シリンジアダプター560の内面592から半径方向内側に延びるスナップ598が、シリンジアダプター接続部104の下向きショルダー376に対してロックされるように適合するようになっている。シリンジアダプター560の内面592は、シリンジアダプターコネクター部104のフランジ370に係合して、シリンジアダプターコネクター部104とシリンジアダプター560との間に安定的な接続を提供する。シリンジアダプター560の下向き縁部594は、シリンジアダプターコネクター部104の環状壁部322の近傍に配置されている。
【0099】
シリンジアダプター針596が、隔壁114を貫通し、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の貫通ボア390の中間ボア392の中へと延びており、したがって、シリンジ550の内部容積572から、シリンジアダプター針596を通って、針要素110の液体経路292を介して、かつ、内部容積504の中に配置された針要素110の先端部286における開口部296を介してバイアル500のこの内部容積504の中に入る流体通路を作り出すことは、
図12Bにとりわけ見られる。
【0100】
ここで
図13Aおよび13Bを参照すると、該図は各々、流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジ550からバイアル500の中へと送達される第5の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図13Bは
図13Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0101】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図12Aおよび12Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図13Aおよび13Bに示されているこの第5の有効な配向において今や存在する。
【0102】
シリンジ550のプランジャーロッド576がユーザーによってシリンジ550のバレル570の中へと内側に押され、プランジャーロッド576がシリンジ550のバレル570に対してスライドし、したがってシリンジ550の内部容積572内に含有された希釈剤580を、シリンジアダプター560の針596を通してバイアルアダプターアセンブリー100の針要素110の中に、かつ、さらにバイアル500の内部容積504の中に排出し、希釈剤580が薬剤粉末520と混合され、かつ、流体薬物混合物600を形成するようになっていることは、
図13Aおよび13Bに見られる。プランジャーロッド576は、シリンジ550のバレル570から希釈剤580を排出するプロセスにおいて、
図13Aおよび13Bに示されている。
【0103】
希釈剤580がシリンジ550のバレル570からシリンジアダプター560の針596の内部容積の中に入るように強制され、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の中間ボア392を通って針要素110の液体経路292の中へとさらに流れ、かつ、針要素110の開口部296を通って、かつ、スパイク部182のU字形開口部246をさらに通ってバイアル500の内部容積504の中に入ることは、
図13Bにとりわけ見られる。
【0104】
バイアル500の内部容積504の中への希釈剤の通過に起因して、バイアル500内の圧力が増大し、したがって、バイアル500の内部容積504から変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に形成された均圧チャンバー530の中への、
図13Bの矢印602によって示された空気の通過を促し、したがって膜108の形状の変形を引き起こし、それが今や反転するようになっていることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0105】
空気が矢印602によって示されているようにバイアル500の内部容積から均圧チャンバー530の中へと通過した事実に起因して、均圧チャンバー530の容積が、
図9Bに示されている均圧チャンバー530の容積と比較して今や増大し、膜108の変形を引き起こし、変形可能な膜108の上向き面250がシリンジアダプターコネクター部104の内面326上に形成された溝342から離間しており、かつ、変形可能な膜108の下向き面252がほぼ、バイアルコネクター部102の内面142に隣接して配置されていることが見られる。
【0106】
空気がバイアル500の内部容積504から通過し、かつ、針要素110の外面288とシース130のボア230の狭い部分234との間に形成された通気経路540の中へと流れ、かつ、バイアルコネクター部102のシース130の上向き縁部204とシリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350との間に形成された隙間を通って均圧チャンバー530の中に入ることは、
図13Bにとりわけ見られる。
【0107】
バイアル500内の圧力を増大させることが、バイアル500から均圧チャンバー530の中への流体の移送を促し、かつ、バイアル500内の圧力を低下させることが、均圧チャンバー530からバイアル500の中への流体の移送を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0108】
ここで
図14Aおよび14Bを参照すると、該図は各々、バイアル500およびシリンジ550の両方に取り付けられたバイアルアダプターアセンブリー100で構成される閉じた流体移送系が反転し、バイアル500が上を向くようになっている第6の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図14Bは
図14Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0109】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図13Aおよび13Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図14Aおよび14Bに示されているこの第6の有効な配向において今や存在する。
【0110】
すべて互いに接続されたバイアル500、バイアルアダプターアセンブリー100、シリンジアダプター560およびシリンジ550を含む閉じた流体移送系がひっくり返されて、流体薬物混合物600をバイアル500の内部容積504からシリンジ550の中へと吸引することは、
図14Aおよび14Bに見られる。
【0111】
この有効な配向では、シリンジ550は空であり、かつ、針要素110の鋭利な円錐形先端部286が流体薬物混合物600内に浸され、針要素110の開口部296およびスパイク部182のU字形開口部246の両方が流体薬物混合物600内に浸されるようになっていることが見られる。
【0112】
ここで
図15Aおよび15Bを参照すると、該図は各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアル500からシリンジ550の中へと引き込まれる第7の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図15Bは
図15Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0113】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図14Aおよび14Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。アダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図15Aおよび15Bに示されているこの第7の有効な配向において今や存在する。
【0114】
シリンジ500のプランジャーロッド576がユーザーによってバレル570に対して外側に引かれ、プランジャーロッド576がシリンジ550のバレルに対してスライドし、したがって、バイアル500の内部容積504内に含有された流体薬物混合物600が、バイアルアダプターアセンブリー100の針要素110を通してシリンジアダプター500の針596の中へと、かつ、さらにシリンジ550の内部容積572の中へと吸引されるようになっていることは、
図15Aおよび
図15Bに見られる。プランジャーロッド576は、シリンジ550のバレル570の中に流体薬物混合物600を吸引するプロセスにおいて
図15Aおよび15Bに示されている。
【0115】
流体薬物混合物600がバイアル500の内部容積504から針要素110の開口部296を通して、かつ、さらにスパイク部182のU字形開口部246を通して、かつ、針要素110の液体経路292の中へと吸引され、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の中間ボア392を通ってシリンジアダプター560の針596の内部容積の中へと、かつ、さらにシリンジ550のバレル570の中へと流れることは、
図15Bにとりわけ見られる。
【0116】
バイアル500の内部容積504からの流体薬物混合物600の吸引に起因して、バイアル500内の圧力が低下し、したがって、変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に形成された均圧チャンバー530からバイアル500の内部容積504の中への、
図15Bの矢印602によって示されている空気の通過を促し、したがって、膜108の形状の変形を引き起こし、それが今や反転するようになっていることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0117】
空気が矢印602によって示されているように均圧チャンバー530からバイアル500の内部容積504の中へと通過した事実に起因して、均圧チャンバー530の容積が、
図13Bに示されている均圧チャンバー530の容積と比較して今や減少し、膜108の変形を引き起こし、変形可能な膜108の上向き面250がほぼ、シリンジアダプターコネクター部104の内面326上に形成された溝342に隣接して配置され、かつ、変形可能な膜108の下向き面252がバイアルコネクター部102の内面142から離間しているようになっていることが見られる。
【0118】
空気が均圧チャンバー530からバイアルコネクター部102のシース130の上向き縁部204とシリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350との間に形成された隙間を矢印602によって示されているように通過し、かつ、針要素110の外面288とシース130のボア230の狭い部分234との間に形成された通気経路540の中へと、かつ、さらにバイアル500の内部容積504の中へと流れることは、
図15Bにとりわけ見られる。
【0119】
バイアル500内の圧力を増大させることが、バイアル500から均圧チャンバー530の中への流体の移送を促し、かつ、バイアル500内の圧力を低下させることが、均圧チャンバー530からバイアル500の中への流体の移送を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0120】
ここで
図16Aおよび16Bを参照すると、該図は各々、比較的少量の流体が閉じた流体移送系を用いてシリンジ550からバイアル500の中へと回収される第8の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図16Bは
図16Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0121】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図15Aおよび15Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図16Aおよび16Bに示されているこの第8の有効な配向において今や存在する。
【0122】
図16Aおよび16Bは、過剰な量の流体薬物混合物600がバイアル500からシリンジ550の中へと吸引された状況を示しており、かつ、
図16および16Bに示されているこの有効な配向では、ユーザーは、シリンジ550からバイアル500の内部容積504の中へと戻るように少量の流体薬物混合物600を回収する。代替的には、空気がバイアル500からシリンジ550の中へと不注意に吸引された場合には、シリンジ550からバイアル500の内部容積504の中へと戻るように空気のような少量の流体を回収することが必要とされるであろう。
【0123】
シリンジ550のプランジャーロッド576がユーザーによって内側に押され、プランジャーロッド576がシリンジ550のバレル570に対してスライドし、したがって、シリンジ550からシリンジアダプター560の針596を通してバイアルアダプターアセンブリー100の針要素110の中へと、かつ、さらにバイアル500の内部容積504の中へと少量の流体薬物混合物600を排出するようになっていることは、
図16Aおよび16Bに見られる。プランジャーロッド576は、シリンジ550のバレル570から流体薬物混合物600の一部を排出するプロセスにおいて
図16Aおよび16Bに示されている。
【0124】
流体薬物混合物600の第1の部分が、シリンジ550のバレル570からシリンジアダプター560の針596の内部容積の中へと入るように強制され、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の中間ボア392を通って針要素110の液体経路292の中へとさらに流れ、かつ、針要素110の開口部296を通り、かつ、さらにスパイク部182のU字形開口部246を通ってバイアル500の内部容積504の中に入ることは、
図16Bにとりわけ見られる。
【0125】
流体薬物混合物600がバイアルの内部容積504の中へと戻る際に、かつ、スパイク部182が流体薬物混合物600内に浸されているという事実に起因して、バイアル500の内部容積504に含有された流体薬物混合物600の第2の部分が、バイアル500内の圧力の増大に起因して、変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に形成された均圧チャンバー530の中へと押されることは、
図16Bにとりわけ見られる。均圧チャンバー530の中へと押される流体薬物混合物600のこの第2の部分は、バイアル500の内部容積504から流れ、かつ、針要素110の外面288とシース130のボア230の狭い部分234との間に形成された通気経路540の中へと流れ、かつ、バイアルコネクター部102のシース130の上向き面204とシリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350との間に形成された隙間を介して均圧チャンバー530の中に入ることが、とりわけ見られる。この有効な配向では、流体薬物混合物600の第2の部分は、均圧チャンバー530内に、とりわけシリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350内に蓄積されていることが見られる。この有効な配向では、空気がバイアル500内に残っていることが注目される。
【0126】
流体薬物混合物600が矢印600によって示されているようにバイアル500の内部容積504から均圧チャンバー530の中へと通過した事実に起因して事実に起因して、均圧チャンバー530の容積が、
図15Bに示されている均圧チャンバー530の容積と比較して今や増大し、膜108の変形を引き起こし、変形可能な膜108の上向き面250がシリンジアダプターコネクター部104の内面326上に形成された溝342から離間し、かつ、変形可能な膜108の下向き面252がほぼ、バイアルコネクター部102の内面142に隣接して配置されているようになっていることが見られる。
【0127】
バイアル500内の圧力を増大させることが、バイアル500から均圧チャンバー530の中への流体の移送を促し、かつ、バイアル500内の圧力を低下させることが、均圧チャンバー530からバイアル500の中への流体の移送を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0128】
ここで
図17Aおよび17Bを参照すると、該図は各々、流体が閉じた流体移送系を用いてバイアル500からシリンジ550の中へと部分的に回収される第9の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図17Bは
図17Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0129】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図16Aおよび16Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図17Aおよび17Bに示されているこの第9の有効な配向において今や存在する。
【0130】
シリンジ550のプランジャーロッド576がユーザーによって外側に押され、プランジャーロッド576がシリンジ550のバレル570に対してスライドし、したがって、バイアル500の内部容積504内に含有された流体薬物混合物600の一部が、バイアルアダプターアセンブリー100の針要素110を通してシリンジアダプター560の針596の中へと、かつ、さらにシリンジ550の内部容積572の中へと吸引されるようになっていることは、
図17Aおよび17Bに見られる。プランジャーロッド576は、シリンジ550のバレル570の中へと流体薬物混合物600を吸引するプロセスにおいて
図17Aおよび17Bに示されている。
【0131】
流体薬物混合物600がバイアル500の内部容積504から針要素110の開口部296を通して、かつ、さらにスパイク部182のU字形開口部246を通して、かつ、針要素110の液体経路292の中へと吸引され、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の中間ボア392を通ってシリンジアダプター560の針596の内部容積の中へと、かつ、さらにシリンジ550のバレル570の中へとさらに流れることは、
図17Bにとりわけ見られる。流体薬物混合物600の吸引は、真空下で系の内部容積全体を押す。
【0132】
この有効な配向において、バイアルコネクター部102のスパイク部182が流体薬物混合物600内に浸されていることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。バイアル500の内部容積504からの流体薬物混合物600の吸引に起因して、バイアル500内の圧力は低下し、かつ、真空が作り出され、したがって、図示され、かつ、
図16Bを参照して記載されたように均圧チャンバー530内に蓄積された流体薬物混合物600の第2の部分の、変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に形成された均圧チャンバー530からバイアル500の内部容積504の中に入る通過を促し、したがって、膜108の形状の変形をもたらし、それが今や反転し、かつ、均圧チャンバー530がその最小容積で配置されるようになっている。
【0133】
均圧チャンバー530がその最小容積にあるとき、変形可能な膜108は、シリンジアダプターコネクター部104の内面326に対して押されることが注目される。溝342は、変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104の内面326との間での流体捕捉を防止するのに用いられる。系が
図17Aおよび17Bに示されているように配向されているとき、重力が、流体が均圧チャンバー530内に収集されることを引き起こし、かつ、シリンジ550からの真空が、流体薬物混合物600を、バイアル500の中へと戻り、次にバイアルアダプターアセンブリー100の液体経路292を介してシリンジ550の中へと入るように上向きに促す。
【0134】
流体薬物混合物600の一部が均圧チャンバー530からバイアル500の内部容積504の中へと通過した事実に起因して、均圧チャンバー530の容積が、
図16Bに示されている均圧チャンバー530の容積と比較して今や減少し、膜108の変形を引き起こし、このことは、均圧チャンバー530に作り出される真空を補償し、変形可能な膜108の上向き面250がほぼ、シリンジアダプターコネクター部104の内面326上に形成された溝342に隣接して配置されており、かつ、変形可能な膜108の下向き面252がバイアルコネクター部102の内面142から離間しているようになっていることが見られる。
【0135】
流体薬物混合物600が均圧チャンバー530からバイアルコネクター部102のシース130の上向き縁部204とシリンジアダプターコネクター部104の液状薬剤収集および排出ウェル350との間に形成された隙間を通って上向きに流れ、かつ、針要素110の外面288とシース130のボア230の狭い部分234との間に形成された通気経路540の中へと、かつ、バイアル500の内部容積504の中へと流れることは、
図17Bにとりわけ見られる。バイアル500内の空気の量は、この有効な配向において変わらないままである。
【0136】
バイアル500の中へと戻るような流体薬物混合物600の注入の最中に均圧チャンバー530内に配置されることになる流体薬物混合物600が、均圧チャンバー530の底部に液状薬剤収集および排出ウェル350を形成するシリンジアダプターコネクター部104の幾何学的形状に起因して、かつ、均圧チャンバー530とバイアル500の内部容積504との間の圧力差に起因して、液状薬剤収集および排出ウェル350内に収集されることは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。液状薬剤収集および排出ウェル350は、テーパー状壁面352および平面下向き面354によって形成されていることが、とりわけ注目される。
【0137】
プランジャーロッド576は、シリンジ550の中へと必要とされる量の流体薬物混合物600を吸引するプロセスにおいて示されており、したがって、この有効な配向において示されているように、流体薬物混合物600の一部がまだ、均圧チャンバー530内に残っている。
【0138】
バイアル500内の圧力を増大させることが、バイアル500から均圧チャンバー530の中への流体の移送を促し、かつ、バイアル500内の圧力を低下させることが、均圧チャンバー530からバイアル500の中への流体の移送を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0139】
ここで
図18Aおよび18Bを参照すると、該図は各々、必要な量の流体600が閉じた流体移送系を用いてバイアル500からシリンジ550の中へと回収される第10の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図18Bは
図18Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0140】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図17Aおよび17Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図18Aおよび18Bに示されているこの第10の有効な配向において今や存在する。
【0141】
シリンジ550のプランジャーロッド576がユーザーによって外側にさらに押され、プランジャーロッド576がシリンジ550のバレル570に対してスライドし、したがって、バイアル500の内部容積504内に含有された流体薬物混合物600の一部が、バイアルアダプターアセンブリー100の針要素110を通してシリンジアダプター560の針596の中へと、かつ、さらにシリンジ550の内部容積572の中へと吸引されるようになっていることは、
図18Aおよび18Bに見られる。プランジャーロッド576は、シリンジ550のバレル570の中への流体薬物混合物600の吸引プロセスの最後における
図18Aおよび18Bに示されている。
【0142】
流体薬物混合物600が、流体薬物混合物600内に浸されたスパイク部182のU字形開口部246を通して、かつ、さらに流体薬物混合物600内に浸された針要素110の開口部296を通して、かつ、針要素110の液体経路292の中へと吸引され、かつ、シリンジアダプターコネクター部104の中間ボア392を通ってシリンジアダプター560の針596の内部容積の中へと、かつ、さらにシリンジ550のバレル570の中へと流れることは、
図18Bにとりわけ見られる。
【0143】
バイアル500の内部容積504からの流体薬物混合物600の吸引に起因して、バイアル500内の圧力が低下し、したがって、変形可能な膜108とシリンジアダプターコネクター部104との間に形成された均圧チャンバー530からバイアル500の内部容積504の中に入る、図示され、かつ、
図17Bを参照して記載されたように均圧チャンバー530内に蓄積された流体薬物混合物600の第2の部分の通過を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。変形可能な膜108は、
図17Bに示されているのと同一の配向のままである。
【0144】
均圧チャンバー530に先行して蓄積された流体薬物混合物600の第2の部分がバイアル500の内部容積504の中へと戻るように今や移送される事実に起因して、均圧チャンバー530の容積には流体薬物混合物600が今や存在しないことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。流体薬物混合物600の全量が、均圧チャンバー530の底部に液状薬剤収集および排出ウェル350を形成するシリンジアダプターコネクター部104の幾何学的形状に起因して、かつ、均圧チャンバー530とバイアル500の内部容積504との間の圧力差に起因して、シリンジ550による流体の吸引の最中に均圧チャンバー530から出るように強制されることは、
図18Bにとりわけ見られる。
【0145】
流体薬物混合物600の全量が均圧チャンバー530から排出され、かつ、均圧チャンバー530内には空気のみが残っていることは、
図18Bにとりわけ見られる。すべての流体薬物混合物600が均圧チャンバー530から排出された後、均圧チャンバー内に含有された空気は、矢印602によって示されるようにバイアル500の内部容積504の中へと引き込まれ、任意選択的にはバイアル500に残っている流体薬物混合物600の全量がシリンジ550の中へと引き込まれるまで、加圧プロセスが継続されることが注目される。
【0146】
必要な量の流体薬物混合物600がシリンジの中へと吸引されたときのプランジャーロッド576が、
図18における吸引プロセスのプロセスにおいて示されており、したがって、この有効な配向において示されているように、均圧チャンバー530内に残っている流体は存在しない。
【0147】
バイアル500内の圧力を増大させることが、バイアル500から均圧チャンバー530の中への流体の移送を促し、かつ、バイアル500内の圧力を低下させることが、均圧チャンバー530からバイアル500の中への流体の移送を促すことは、本発明のある実施形態の際立った特徴である。
【0148】
ここで
図19Aおよび19Bを参照すると、該図は各々、シリンジ550がシリンジコネクター560とともにバイアルアダプターアセンブリー100およびバイアル500から切り離されている第11の有効な配向で示されている、
図1のバイアルアダプターアセンブリー100の簡略図および簡略化された断面図であり、
図19Bは
図19Aの線B-Bに沿ってとられている。
【0149】
図10Aおよび10Bを参照して記載されたバイアルアダプターアセンブリー100の種々のコンポーネント間のすべての空間的関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであり、
図18Aおよび18Bを参照して記載されたアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の関係が、以下で言及されるもの以外は変わらないままであることが把握される。バイアルアダプターアセンブリー100とバイアル500の間およびシリンジ550とシリンジアダプター560との間の追加の関係が、本明細書で以下に詳細に記載されるように、
図19Aおよび19Bに示されているこの第11の有効な配向において今や存在する。
【0150】
シリンジ550がシリンジアダプター560に取り付けられたままであることは、
図19Aおよび19Bに見られる。シリンジ550およびシリンジアダプター560は、
図11Aおよび11Bに示されている有効な配向と同様に、今やバイアルアダプターアセンブリー100から切り離されている。
【0151】
バイアル500の内部容積504内に残っているいかなる流体薬物混合物600も、隔壁114によって密閉されていることが把握される。シリンジ550内のいかなる流体薬物混合物600も、シリンジアダプター560内に含有された隔壁によってその中に密閉され、したがって、外部環境から密閉された流体移送用の閉鎖系を提供する。
【0152】
本発明が上記で具体的に図示され、かつ、記載されたものによって限定されないことは、当業者によって把握されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上記された種々の特徴の組み合わせ、および、部分的組み合わせの両方、ならびに、先行技術にはないその変形および修正を含んでいる。