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特許7086295車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法及び対応する冗長的センサアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法及び対応する冗長的センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/18 20060101AFI20220610BHJP
   G05B 9/03 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
B60T17/18
G05B9/03
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021528994
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2019081206
(87)【国際公開番号】W WO2020104277
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】102018220065.3
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン プレツコ
(72)【発明者】
【氏名】フェイ シー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ケーブル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ルイス ドゥラン
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0290642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/96
B60T 17/18
G05B 9/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両システムの冗長的センサアセンブリ(60)のための動作方法(100,200,300,400)であって、
前記冗長的センサアセンブリ(60)は、一次制御装置(2)と、二次制御装置(4)と、複数のセンサ(1)とを含み、
個々の前記センサ(1)を、前記車両システムの通常動作モードにおいては、それぞれ前記一次制御装置(2)に結合し、前記車両システムの緊急動作モードにおいては、それぞれ前記二次制御装置(4)に結合してエネルギーを供給し、
前記センサ(1)に結合された前記制御装置は、個々の前記センサ(1)の信号を受信して評価する、
動作方法(100,200,300,400)において、
前記センサアセンブリ(60)の初期化のために、動作電圧を両方の前記制御装置に印加し、前記センサアセンブリ(60)の検査を実施し、
前記センサ(1)を、第1の検査ステップにおいて、前記一次制御装置(2)に結合して前記一次制御装置(2)により検査し、前記二次制御装置(4)から結合解除し、
前記二次制御装置(4)は、結合解除された状態において自身の内部電圧供給部と少なくとも1つの内部信号パスとを検査し、
前記二次制御装置(4)を、第2の検査ステップにおいて、前記センサ(1)に接続し、個々の前記センサ(1)のエネルギー供給部を検査し、
前記センサアセンブリ(60)の検査の際にエラーが発生しなかった場合には、前記センサアセンブリ(60)の初期化が完了する、
ことを特徴とする動作方法(100,200,300,400)。
【請求項2】
前記センサ(1)を、結合状態においては、それぞれ供給パスを介して供給端(19,21)に接続し、アースパスを介して関連する制御装置のアース端(18,20)に接続してエネルギーを供給し、少なくとも前記アースパスには、各センサ信号の受信のための測定素子(16,17)が配置されている、
請求項1に記載の動作方法(100,200,300)。
【請求項3】
前記二次制御装置(4)において、前記車両システムの通常動作モード中に、前記一次制御装置(2)及び当該一次制御装置(2)に結合された個々の前記センサ(1)のエネルギー供給部の監視を実施する、
請求項1又は2に記載の動作方法(100,200,300,400)。
【請求項4】
前記二次制御装置(4)は、個々の前記センサ(1)において供給電圧を検出して評価する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動作方法(100,200,300,400)。
【請求項5】
前記二次制御装置(4)において、少なくとも1つの内部信号パスの検査のために少なくとも1つの試験信号を生成する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動作方法(100,200,300,400)。
【請求項6】
前記センサアセンブリ(60)の初期化の完了後、個々の前記センサの設置検査を予め定められた順序により実施する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動作方法(200,300,400)。
【請求項7】
前記一次制御装置(2)及び前記二次制御装置(4)において、それぞれ個々の前記センサ(1)に関する少なくとも1つの設置情報を特定して相互に比較し、検査すべき前記センサについて前記一次制御装置(2)において特定された少なくとも1つの設置情報と、前記二次制御装置(4)において特定された少なくとも1つの設置情報とが一致する場合に、検査は成功したものと認識され、個々の前記センサ(1)の少なくとも1つの設置情報は、対応する前記センサ(1)の組込位置及び/又は接触接続に関する情報を含む、
請求項6に記載の動作方法(200,300,400)。
【請求項8】
個々の前記センサ(1)の設置情報を、検査前に、検査されない前記制御装置(2,4)から検査される前記制御装置(2,4)に伝送し、検査される前記制御装置(2,4)は、検査すべき個々の前記センサ(1)の設置情報を特定して当該設置情報を、検査されない前記制御装置(2,4)から受信した設置情報と比較し、検査される前記制御装置(2,4)は、検査結果を、検査されない前記制御装置(2,4)に伝送する、
請求項7に記載の動作方法(200,300,400)。
【請求項9】
個々の前記センサ(1)を、個々の前記センサ(1)の組込位置及び/又は個々の前記センサ(1)の接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って検査し、検査の予め定められた前記順序又は予め定められた前記パターンは、前記一次制御装置(2)及び前記二次制御装置(4)に記憶されており、前記一次制御装置(2)によって検査される前記センサ(1)の前記順序が、前記二次制御装置(4)によって検査される前記センサ(1)の前記順序と一致する場合、検査は成功したものと認識する、
請求項6に記載の動作方法(200,300,400)。
【請求項10】
前記一次制御装置(2)は、個々の前記センサ(1)を前記二次制御装置(4)に順次引き渡し、検査すべき個々の前記センサ(1)を、それぞれ前記一次制御装置(2)から結合解除し、前記二次制御装置(4)に結合して前記二次制御装置(4)により検査し、前記二次制御装置(4)は、それぞれの検査された前記センサ(1)を前記一次制御装置(2)に返還し、それによって、検査された前記センサ(1)を、再び前記一次制御装置(2)に結合し、前記二次制御装置(4)から結合解除する、
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の動作方法(200)。
【請求項11】
個々の前記センサ(1)を、前記一次制御装置(2)から順次結合解除し、前記二次制御装置(4)は、接続された前記センサ(1)のエネルギー供給部を継続的に検査し、前記二次制御装置(4)は、前記一次制御装置(2)によって供給されていない前記センサ(1)を認識して当該センサ(1)の設置情報を検査し、検査された前記センサ(1)を、再び前記一次制御装置(2)に結合する、
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の動作方法(300)。
【請求項12】
前記二次制御装置(4)は、個々の前記センサ(1)のセンサ信号を順次操作し、前記一次制御装置(2)は、操作された前記センサ(1)を認識して当該センサ(1)の設置情報を検査し、前記二次制御装置(4)は、対応する前記センサ(1)の検査後、前記センサ信号の操作を終了する、
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の動作方法(400)。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の動作方法(100,200,300,400)を実施するための車両システム用の冗長的センサアセンブリ(60)であって、
一次制御装置(2)と、二次制御装置(4)と、複数のセンサ(1)とを備え、
個々の前記センサ(1)は、前記車両システムの通常動作モードにおいては、それぞれ前記一次制御装置(2)に結合され、前記車両システムの緊急動作モードにおいては、それぞれ前記二次制御装置(4)に結合されてエネルギーが供給され、
前記センサ(1)に結合された前記制御装置は、個々の前記センサ(1)の信号を受信して評価する、冗長的センサアセンブリ(60)において、
前記一次制御装置(2)及び/又は前記二次制御装置は、少なくとも1つの内部信号パスを検査するための試験信号を生成する少なくとも1つの試験回路(52,53)を有することを特徴とする、
冗長的センサアセンブリ(60)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念による車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法に基づく。さらに、本発明は、車両システム用の冗長的センサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102015202335号明細書からは、ホイールの回転数及び/又は回転速度に関する少なくとも1つの第1のセンサ変量を車両の少なくとも1つの評価及び/又は制御装置に提供可能である第1のセンサ素子と、付加的な第2のセンサ素子とを含むホイールセンサ装置が公知である。ここでは、第2のセンサ素子を用いて、同一のホイールの回転数及び/又は回転速度に関する少なくとも1つの第2のセンサ変量を少なくとも1つの評価及び/又は制御装置に提供可能である。
【0003】
独国特許出願公開第102014208391号明細書からは、回転数センサを一次制動制御システムの一次制御部の一次エネルギー供給部から切り離し、二次エネルギー供給部に結合するように構成された結合装置を含む、車両を動作させるための装置が公知である。さらに、結合装置を一次制御部からのエラー信号に依存して制御し、それによって、一次制御部においてエラーが発生した場合に回転数センサを一次エネルギー供給部から切り離して二次エネルギー供給部に結合することができるように構成された制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102015202335号明細書
【文献】独国特許出願公開第102014208391号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
独立請求項1の特徴を有する車両システムの冗長的センサアセンブリのための本動作方法は、センサと2つの制御装置との間において可能な結合性により、特に、複数の制御装置の一方が故障し、他方はこの故障した制御装置の機能を引き継ぐ必要がある状況のときに、センサの可用性を高めることができるという利点を有する。さらに、センサと2つの制御装置との間において可能な結合性は、信号の可用性を維持しながらコスト節約を可能にする。なぜなら、例えば、センサを二重に保持する、即ち、例えば、制御装置ごとに1つの自立型センサを保持する必要がないからである。本発明に係る、車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法の実施形態によれば、一次制御装置への個々のセンサの可能な結合を初期化中に検査することができる。それに続いて又はそれと同時に、二次制御装置内の内部電圧供給部と少なくとも1つの内部信号パスとを検査することができ、その後、二次制御装置は、第2の検査ステップにおいてセンサに接続され、一次制御装置によって提供される個々のセンサのエネルギー供給部を検査し、その後、車両は、自律運行動作モードのために使用可能になる。
【0006】
本発明に係る、車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法の実施形態は、時間的に最適化された初期化段階と試験段階とを有利に可能にし、この場合、二次制御装置の試験段階中に総てのセンサのセンサ信号は使用可能となり、車両システムの制限された動作が可能である。さらに、初期化及び試験段階中に一次制御装置と二次制御装置との間において個々のセンサの引き渡しは不要である。即ち、これは、該当するセンサの一次制御装置からの結合解除と、該当するセンサと二次制御装置との結合を意味し得る。それゆえ、引き渡すべきセンサのリセットも不要であり、これにより、個々のセンサにおけるリセット周期の低減が有利に生じる。それゆえ、リセットによって一次制御装置において信号損失が引き起こされることもなく、従って、車両システムの制限もない。これは、制動システムの場合に、ESP機能なしでのバックアップABS機能の必要性がないことを意味する。本発明に係る動作方法の実施形態は、二次制御装置の受動的な試験フローを可能にし、これにより、個々のセンサの切り替えは不要であり、一次制御装置は、初期化後により迅速に使用可能である。
【0007】
本発明の実施形態は、一次制御装置と、二次制御装置と、複数のセンサとを含む車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法を提供する。個々のセンサを、車両システムの通常動作モードにおいては、それぞれ一次制御装置に結合し、車両システムの緊急動作モードにおいては、それぞれ二次制御装置に結合してエネルギーを供給する。センサに結合された制御装置は、個々のセンサの信号を受信して評価する。ここでは、センサアセンブリの初期化のために、動作電圧を両方の制御装置に印加し、センサアセンブリの検査を実施し、センサを、第1の検査ステップにおいて、一次制御装置に結合して当該一次制御装置により検査し、二次制御装置から結合解除する。二次制御装置は、結合解除された状態において自身の内部電圧供給部と少なくとも1つの内部信号パスとを検査し、二次制御装置を、第2の検査ステップにおいて、センサに接続し、個々のセンサのエネルギー供給部を検査する。センサアセンブリの検査の際にエラーが発生しなかった場合には、センサアセンブリの初期化が完了する。
【0008】
さらに、一次制御装置と、二次制御装置と、複数のセンサとを含み、本動作方法を実施するための車両システム用の冗長的センサアセンブリが提案される。個々のセンサは、車両システムの通常動作モードにおいては、それぞれ一次制御装置に結合され、車両システムの緊急動作モードにおいては、それぞれ二次制御装置に結合されてエネルギーが供給され、センサに結合された制御装置は、個々のセンサの信号を受信して評価する。ここでは、一次制御装置及び/又は二次制御装置は、少なくとも1つの内部信号パスを検査するための試験信号を生成する少なくとも1つの試験回路を有する。
【0009】
制御装置とは、本明細書においては、検出されたセンサ信号を処理又は評価する電気的な装置を意味するものと理解されたい。この制御装置は、ハードウェア及び/又はソフトウェア形式により構成され得る少なくとも1つのインタフェースを有し得る。ハードウェア形式の構成の場合、インタフェースは、例えば、制御装置の種々の機能を含む、いわゆるシステムASICモジュール(ASIC:特定用途向け集積回路)の一部であるものとしてよい。ただし、インタフェースが固有の集積回路であること、又は、少なくとも部分的に別個の部品からなることも可能である。ソフトウェア形式の構成の場合、インタフェースは、例えば、他のソフトウェアモジュールと隣接してマイクロコントローラ上に存在するソフトウェアモジュールであるものとしてもよい。半導体メモリ、ハードディスクメモリ又は光学的メモリなどの機械可読媒体に格納され、プログラムが制御装置によって実行されるときに評価を実施するために使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品も有利である。
【0010】
センサは、例えば回転数センサとして設計され、車両ホイールに配置されるものとしてもよく、制御装置は、車両の制動効果を生成するためのアクチュエータ、例えば、ブレーキブースタ、油圧ユニット又はパーキングブレーキを制御する2つの制御装置であるものとしてよい。
【0011】
従属請求項に記載された手段及びさらなる発展形態により、独立請求項1に示された車両システムの冗長的センサアセンブリのための動作方法の有利な改善が可能である。
【0012】
特に好適には、センサを、結合状態においては、それぞれ供給パスを介して供給端に接続し、アースパスを介して関連する制御装置のアース端(18,20)に接続してエネルギーを供給し、少なくともアースパスには、各センサ信号の受信のための測定素子が配置される。供給パスは、それぞれ第1の制御装置入力端から供給部まで、即ち、それぞれの制御装置の電流/電圧源まで延在する。アースパスは、それぞれの制御装置の第2の制御装置入力端からアース端まで延在する。従って、一次制御装置及び二次制御装置の両方とも、個々のセンサをアースに又は供給部に接続し、従って、個々のセンサを動作させることができる。回転数センサとして設計されたセンサの場合、それぞれが1つの車両ホイールの回転数又は回転速度を検出する4つのセンサが設けられるものとしてよい。この場合、4つのセンサの各々は、一次制御装置及び二次制御装置の関連する制御装置入力端に接続される。従って、ここでは、それぞれのアース及び供給パスも4重に設けられる。実際に個々のセンサで生成される信号は、個々の測定素子によって特定することができる。この場合、測定素子は、例えば、測定抵抗又はカレントミラーであるものとしてよい。
【0013】
動作方法の好適な実施形態においては、二次制御装置において、車両システムの通常動作モード中に一次制御装置及び当該一次制御装置に結合された個々のセンサのエネルギー供給部の監視を実施することができる。この目的のために、二次制御装置は個々のセンサにおいて供給電圧を検出することができる。供給電圧の検出のために、二次制御装置の評価電子回路は、それぞれスイッチングユニットを介して個々のセンサに電気的に接続することができる。ただし、この場合、個々のセンサは、二次制御装置の供給パス及びアースパスには接続されない。これらのセンサは、引き続き一次制御装置からエネルギーを供給される。一次制御装置によるセンサへの供給が損なわれた場合には、二次制御装置がより迅速にこれらのセンサの引き渡しを開始又は準備することができる。さらに、一次制御装置がデータ接続を介して伝送する情報の欠如について妥当性検査することができる。さらに、供給電圧がない場合、二次制御装置は、対応するセンサを、供給パスを介して二次制御装置の供給端に、及び、アースパスを介して二次制御装置のアース端に、電気的に接続することができる。
【0014】
動作方法のさらなる好適な実施形態においては、二次制御装置において、少なくとも1つの内部信号パスの検査のために少なくとも1つの試験信号を生成することができる。少なくとも1つの試験信号は、例えば、少なくとも1つの付加的な試験回路によって生成することができる。この試験信号を介して、付加的に、必要に応じて二次制御装置における通電容量及び対応する監視機能を検査することもできる。さらに、少なくとも1つのテスト回路を用いて、対応する試験信号を印加することにより、総ての測定素子と、二次制御装置の評価及び制御ユニットまでの信号パスとを検査することができる。
【0015】
動作方法のさらなる好適な実施形態においては、センサアセンブリの初期化の完了後、個々のセンサの設置検査を予め定められた順序により実施することができる。ここでは、例えば、一次制御装置及び二次制御装置において、それぞれ個々のセンサに関する少なくとも1つの設置情報を特定して相互に比較することができ、検査すべきセンサについて一次制御装置において特定された少なくとも1つの設置情報と、二次制御装置において特定された少なくとも1つの設置情報とが一致する場合に、検査は成功したものと認識することができる。個々のセンサの少なくとも1つの設置情報は、好適には、対応するセンサの組込位置及び/又は接触接続に関する情報を含み得る。制動システム及び回転数センサとして設計されたセンサの場合、組込位置に関する情報は、例えば、それぞれのセンサが回転数又は回転速度を検出すべき車両ホイールを表すことができる。接触接続に関する情報は、例えば、それぞれのセンサが接触接続されるべきそれぞれの制御装置における接続端子に該当し得る。この場合、個々のセンサの設置検査は、例えば、センサアセンブリの最初の初期化後に、車両の製造中に、生産ライン最終試験の際に、又は、工場入庫時の最終段階において、実施することができる。
【0016】
動作方法のさらなる好適な実施形態においては、個々のセンサの設置情報は、検査前に、検査されない制御装置から検査される制御装置に伝送することができる。さらに、検査される制御装置は、検査すべき個々のセンサの設置情報を特定してこの設置情報を、検査されない制御装置から受信した設置情報と比較することができ、この場合、検査される制御装置は、検査結果を、検査されない制御装置に伝送することができる。この実施形態においては、検査前に、検査すべき総てのセンサについての設置情報を、検査される制御装置に個別に又は一緒に伝送することができる。例えば、二次制御装置が検査を実施すれば、一次制御装置は、検査前にその個々のセンサの設置情報を二次制御装置に伝送し、この二次制御装置は、検査後に検査結果を一次制御装置に伝送する。一次制御装置が検査を実施すれば、二次制御装置は、検査前にその個々のセンサの設置情報を一次制御装置に伝送し、この一次制御装置は、検査後に検査結果を二次制御装置に伝送する。代替的に、個々のセンサは、それらの組込位置及び/又はそれらの接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って検査することができ、この場合、検査の予め定められた順序又は予め定められたパターンは、一次制御装置及び二次制御装置に記憶される。ここでは、一次制御装置によって検査されるセンサの順序が、二次制御装置によって検査されるセンサの順序と一致する場合、検査は成功したものと認識することができる。代替的実施形態においては、制御装置間の通信コストを低減することができる。
【0017】
個々のセンサの設置検査を伴う動作方法の可能な実施形態においては、一次制御装置は、個々のセンサを二次制御装置に順次引き渡すことができる。ここでは、検査すべき個々のセンサを、それぞれ一次制御装置から結合解除し、二次制御装置に結合して当該二次制御装置により検査することができる。上記で既に述べたように、一次制御装置は、結合解除の前に、対応するセンサ又は総てのセンサの少なくとも1つの設置情報を二次制御装置に伝送することができる。次いで、二次制御装置は、自身で特定した、対応するセンサの少なくとも1つの設置情報を、伝送された少なくとも1つの設置情報と比較する。代替的に、一次制御装置は、個々のセンサを予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って二次制御装置に引き渡すことができる。ここでは、二次制御装置は、引き渡されたセンサの位置を、記憶されている予め定められた順序又は記憶されているパターンにおけるセンサの位置と比較することができる。この場合、二次制御装置は、それぞれの検査されたセンサを一次制御装置に返還することができ、それによって、検査されたセンサを、再び一次制御装置に結合し、二次制御装置から結合解除することができる。二次制御装置は、個々のセンサに関する各検査結果を、検査直後に、又は、総てのセンサの検査後に総括して、一次制御装置に伝送することができる。一次制御装置と二次制御装置との間の個々のセンサの引き渡しに基づいて、この動作方法の実施形態は、個々のセンサの設置検査を、好適には、車両の製造中に、生産ライン最終試験の際に、又は、工場入庫時の最終段階においてのみ実施し、車両の通常動作モード中には実施しない。
【0018】
個々のセンサの設置検査を伴う動作方法の代替的実施形態においては、個々のセンサを一次制御装置から順次結合解除することができ、二次制御装置は、接続されたセンサのエネルギー供給部を継続的に検査することができる。ここでは、二次制御装置は、一次制御装置によって供給されていないセンサを認識して当該センサの少なくとも1つの設置情報を検査することができる。検査後は、検査されたセンサを再び一次制御装置に結合することができる。上記で既に述べたように、一次制御装置は、結合解除の前に、対応するセンサ又は総てのセンサの少なくとも1つの設置情報を二次制御装置に伝送することができる。次いで、二次制御装置は、自身で特定した、対応するセンサの少なくとも1つの設置情報を、伝送された少なくとも1つの設置情報と比較する。代替的に、一次制御装置は、個々のセンサを予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って結合解除することができる。ここでは、二次制御装置は、一次制御装置から結合解除されたセンサの位置を、記憶されている予め定められた順序又は記憶されているパターンにおけるセンサの位置と比較することができる。二次制御装置は、個々のセンサに関する各検査結果を、検査直後に、又は、総てのセンサの検査後に総括して、一次制御装置に伝送することができる。個々のセンサの設置検査を伴う動作方法のこの実施形態においては、好適には、二次制御装置によるセンサの引き渡しは必要ないので、個々のセンサは、二次制御装置に結合されない。シーケンス制御は、一次制御装置に限定されており、2つの制御装置が接続されるデータバスシステムによる実行時における制限はない。
【0019】
個々のセンサの設置検査を伴う動作方法のさらなる代替的実施形態においては、二次制御装置は、個々のセンサのセンサ信号を順次操作することができ、一次制御装置は、操作されたセンサを識別し、対応するセンサの少なくとも1つの設置情報を検査することができ、この場合、二次制御装置は、検査後、検査されたセンサのセンサ信号の操作を終了することができる。上記で既に述べたように、二次制御装置は、センサ信号の操作前に、対応するセンサ又は総てのセンサの少なくとも1つの設置情報を一次制御装置に伝送することができる。次いで、一次制御装置は、自身で特定した、対応する操作されたセンサの少なくとも1つの設置情報を、伝送された少なくとも1つの設置情報と比較する。代替的に、二次制御装置は、個々のセンサのセンサ信号を予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って操作することができる。ここでは、一次制御装置は、操作されたセンサの位置を、記憶されている予め定められた順序又は記憶されているパターンにおけるセンサの位置と比較することができる。一次制御装置は、個々のセンサに関する各検査結果を、検査直後に、又は、総てのセンサの検査後に総括して、二次制御装置に伝送することができる。個々のセンサの設置検査を伴う動作方法のこの実施形態においても同様に、好適には、二次制御装置によるセンサの引き渡しは必要ないので、個々のセンサは、二次制御装置に結合されない。このシーケンス制御は、二次制御装置に限定されており、2つの制御装置が接続されるデータバスシステムによる実行時における制限はない。センサ信号の操作により、操作されたセンサがリセット周期を巡ることなく、短時間の信号損失が一次制御装置において発生するだけである。
【0020】
本発明の実施例は、図面に示され、以下の説明において、より詳細に説明される。図面においては、同一の参照符号は、同一又は類似の機能を実行するコンポーネント又は要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る動作方法を用いて動作する車両システムの冗長的センサアセンブリの一実施例の概略的ブロック図。
図2図1による冗長的センサアセンブリの一区分のより詳細な図。
図3図1及び図2による車両システムの冗長的センサアセンブリのための本発明に係る動作方法の第1の実施例の概略的フローチャート。
図4図1及び図2による車両システムの冗長的センサアセンブリのための本発明に係る動作方法の第2の実施例の概略的フローチャート。
図5図1及び図2による車両システムの冗長的センサアセンブリのための本発明に係る動作方法の第3の実施例の概略的フローチャート。
図6図1及び図2による車両システムの冗長的センサアセンブリのための本発明に係る動作方法の第4の実施例の概略的フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の実施形態
図1及び図2から明らかなように、車両システムの冗長的センサアセンブリ60の図示の実施例は、2つの制御装置と複数のセンサ1とを含む。個々のセンサ1は、車両システムの通常動作モードにおいては、それぞれ一次制御装置2として設計された制御装置に結合され、車両システムの緊急動作モードにおいては、それぞれ二次制御装置4として設計された制御装置に結合されてエネルギーが供給される。ここでは、センサ1に結合された制御装置は、個々のセンサ1の信号を受信して評価する。図1及び図2からさらに明らかなように、冗長的センサアセンブリ60は、図示の実施例においては、回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4として設計された4つのセンサ1を含み、これらのセンサは、それぞれセンサ素子1.1を有する。図1からさらに明らかなように、回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4として設計された個々のセンサ1は、それぞれ第1のスイッチングユニットS1を介して一次制御装置2の評価電子回路に接続することができる。この評価電子回路は、図示の実施例においては、ASICモジュール3と、マイクロプロセッサとして設計された評価及び制御ユニット50とを含む。さらに、回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4として設計された個々のセンサ1は、それぞれ第2のスイッチングユニットS2を介して、二次制御装置4の評価電子回路に接続することができる。この評価電子回路は、図示の実施例においては、ASICモジュール5と、マイクロプロセッサとして設計された評価及び制御ユニット51とを含む。一次制御装置2と二次制御装置4との間の通信は、データ接続路30を介して行われ、このデータ接続路30は、図示の実施例においては、データバスとして設計されている。
【0023】
図示の実施例においては、車両システムは、車両制動システムに相当する。それゆえ、一次制御装置2は、図示されていない油圧ユニット、例えばESP油圧ユニットに割り当てられている。この場合、ESP油圧ユニットは、例えば油圧ポンプ又はプランジャを用いて車両のホイールブレーキシリンダに圧力を生成するための手段を含む。二次制御装置4は、例えば、図示されていない制御可能なブレーキブースタに割り当てられている。この制御可能なブレーキブースタは、電気機械式に、電気油圧式に又は電気的に制御可能な真空ブレーキブースタとして理解することができる。同様に、これとは逆に、二次制御装置4を油圧ユニットに割り当て、一次制御装置2をブレーキブースタに割り当てることもできる。
【0024】
制御可能なブレーキブースタも油圧ユニットも、図示されていない自動車のホイールブレーキシリンダにおいて油圧的に圧力上昇を発生させることができる。この場合、この圧力上昇は、運転者に依存して又は運転者に依存せずに起こり得る。運転者に依存する圧力上昇は、例えば、ブレーキペダルやブレーキレバーなど、運転者の特性による。運転者に依存しない圧力上昇とは、例えば、緊急ブレーキ又はACC(Automated Cruise Control)制御の枠内においてブレーキブースタ及び/又は油圧ユニットに送信される制御信号に基づく自律的な圧力上昇を意味するものと理解される。高度に及び/又は部分的に自動化された運転の環境においては、運転者に依存しない圧力上昇も必要になる場合がある。ブレーキブースタ及び油圧ユニット側の圧力上昇は、特に同一のホイールブレーキシリンダにおいて発生する可能性がある。そのため、ブレーキブースタ側においても油圧ユニット側においてもホイールブレーキシリンダに制動圧を形成することができる。特に、ブレーキブースタは、油圧ユニットの上流側でマスターブレーキシリンダと直列に油圧接続されるものとしてよい。これによって、制動圧の形成を、2つの異なるアクチュエータ(ブレーキブースタ及び油圧ユニット)によって冗長的に引き継ぐことができる。
【0025】
制動システムは、さらに、例えば、車輪の回転速度を検出することができる回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4の形態で各ホイールに少なくとも1つのセンサ1を有する。ここでは、例えば、GMR,TMR,AMRテクノロジに基づくセンサ、又は、ホール効果に基づくセンサなど、種々の測定原理を使用することができる。
【0026】
図2からも明らかなように、例示的に回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4として設計された個々のセンサ1は、それぞれセンサ素子1.1と、信号線路用の2つの端子1a及び1bを有し、第1の端子1aは、第1のノード10に接続され、第2の端子1bは、第2のノード11に接続されている。これらのノード10,11は、それぞれ一次制御装置2の入力端2a,2b及び二次制御装置4の入力端4a,4bに接続されている。この場合、センサ1の第1の端子1aは、第1のノード10を介して、一次制御装置2の第1の入力端2a及び二次制御装置4の第1の入力端4aに接続されている。センサ1の第2の端子1bは、第2のノード11を介して、一次制御装置2の第2の入力端2b及び二次制御装置4の第2の入力端4bに接続されている。
【0027】
冗長的センサアセンブリ60の図示の実施例においては、第1のスイッチングユニットS1は、一次制御装置2に配置され、第2のスイッチングユニットS2は、二次制御装置4に配置されている。代替的に、第1のスイッチングユニットS1及び第2のスイッチングユニットS2は、図示されていない実施例においては、1つの制御装置の内部にのみ、即ち、一次制御装置2の内部又は二次制御装置4の内部に配置することができる。図示されていないさらなる実施例においては、第1のスイッチングユニットS1及び第2のスイッチングユニットS2は、制御装置から付加的な切り替えモジュールに移し替えることができる。さらに、図示の実施例においては、センサ1の内部に配置されたノード10,11も、一次制御装置2内若しくは二次制御装置4内に又は付加的な切り替えモジュール内に配置することができる。その他に、ノード10,11は、スターポイント又は分岐点として対応する線路内に直接挿入することもできる。図示されていない代替的実施例においては、制御装置は、付加的な直接的接続線路を介して相互に、又は、付加的なスイッチングモジュールに接続されており、これにより、切り替え可能なセンサ1のセンサ信号は、評価のために両方の制御装置に伝送することができる。
【0028】
以下においては、センサ1に関連して一次制御装置2及び二次制御装置4の内部の信号推移を説明する。
【0029】
図2からさらに明らかなように、一次制御装置2は、アース端18を有し、このアース端18は、アースパス又はセンサ信号パスとして理解することができる。そこからは、電気的な接続路が、例えばMOSFETとして設計された第1のトランジスタ13に連通している。この第1のトランジスタ13は、ここでは、スイッチとして理解することもできる。第1のトランジスタ13は、オーム抵抗又はカレントミラーとして設計し得る測定素子16に接続されている。第1のトランジスタ13及び測定素子16は、図示の実施例においては、一次制御装置2の内部のASICモジュール3の一部である。従って、測定素子16からは、接続路が第1のスイッチングユニットS1のスイッチ7に連通している。このスイッチ7は、測定素子16から一次制御装置2の第2の入力端2bへの接続を中断することができ、第2のセンサ端子1bは、一次制御装置2の第2の入力端2bに接続されている。従って、スイッチ7を用いることにより、センサ1と一次制御装置2のアース端18との間の接続を形成又は中断することができる。電気的な接続路は、一次制御装置2の第2の入力端2bから第2のノード11を介して第2のセンサ端子1bまで延在している。従って、センサ1は、第1のセンサ端子1aから始まり第1のノード10を介して一次制御装置2の第1の入力端2aまで続く電気的な接続路により連通している。一次制御装置2の第1の入力端2aは、第1のスイッチングユニットS1のさらなるスイッチ6に接続されている。このスイッチ6は、第1の入力端2aを第2のトランジスタ12に接続し、この第2のトランジスタ12も、供給端19を介して電流及び/又は電圧源、例えば、車載電源網又は車両バッテリに接続されている。ここでもスイッチ6を用いることにより、第1のセンサ端子1aと、電圧及び/又は電流源への供給端19との間の電気的な接続路を形成及び/又は遮断することができる。第2のトランジスタ12も、図示の実施例においては同様に、ASICモジュール3の一部である。
【0030】
図2からさらに明らかなように、二次制御装置4も、同様にアース端20を有し、このアース端20も、アースパス又はセンサ信号パスとして理解することができる。そこからは、電気的な接続路が、例えばMOSFETとして設計された第1のトランジスタ14に連通している。この第1のトランジスタ14は、例えばオーム抵抗又はカレントミラーとして設計された測定素子17に接続されている。第1のトランジスタ14及び測定素子17は、図示の実施例においては、二次制御装置4の内部のASICモジュール5の一部である。従って、測定素子17からは、接続路が第2のスイッチングユニットS2の第1のスイッチ9に連通している。この第1のスイッチ9は、測定素子17から二次制御装置4の第2の入力端4bへの接続を中断することができ、第2のセンサ端子1bは、二次制御装置4の第2の入力端4bに接続されている。従って、第1のスイッチ9を用いることにより、センサ1と二次制御装置4のアース端20との接続を形成又は中断することができる。
【0031】
電気的な接続路は、二次制御装置4の第2の入力端4bから第2のノード11を介して第2のセンサ端子1bまで延在している。従って、センサ1は、第1のセンサ端子1aから始まり第1のノード10を介して二次制御装置4の第1の入力端4aまで続く電気的な接続路により連通している。二次制御装置4の第1の入力端4aは、第2のスイッチングユニットS2の第2のスイッチ8に接続されている。この第2のスイッチ8は、第1の入力端4aを第2のトランジスタ15に接続し、この第2のトランジスタ15は、供給端21を介して電流及び/又は電圧源、例えば、車載電源網又は車両バッテリに接続されている。ここでも第2のスイッチ8を用いることにより、第1のセンサ端子1aと、電圧及び/又は電流源への供給端21との間の電気的な接続路を形成及び/又は遮断することができる。この第2のトランジスタ15も、図示の実施例においては同様に、ASICモジュール5の一部である。
【0032】
一次制御装置2及び二次制御装置4は、スイッチングユニットS1,S2に関して対称的に構築し得る。一次制御装置2内の第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7と、二次制御装置4内の第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9とを対応して切り替えることにより、一次制御装置2及び二次制御装置4にノード10,11を介して接続されたセンサ1を一次制御装置2又は二次制御装置4に結合することができる。一次制御装置2内の第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が閉じ、二次制御装置4内の第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が開くと、センサ1は、一次制御装置2内のASICモジュール3と電気的に接続され、二次制御装置4から結合解除される。付加的に、一次制御装置2のASICモジュール3内の第1のトランジスタ13及び第2のトランジスタ12が導通状態に切り替わると、センサ1は、一次制御装置2の供給パス及びアースパスと電気的に接続され、一次制御装置2と結合される。結合状態においては、測定素子16によって受信されたセンサ信号は、関連する論理回路40によって処理され、一次制御装置2の評価及び制御ユニット50に出力される。この論理回路40も、図示の実施例においては同様に、一次制御装置2の内部のASICモジュール3の一部である。さらに、ASICモジュール3は、図示の実施例においては、監視回路42を有しており、この監視回路42を用いて、一次制御装置2内において関連するセンサ1のエネルギー供給を特定することができる。図示の実施例においては、監視回路42は、第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が閉じられたときにセンサ1に印加される電圧を検出する。
【0033】
それに対して、一次制御装置2内の第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が開き、二次制御装置4内の第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が閉じると、センサ1は、二次制御装置4内のASICモジュール5と電気的に接続され、一次制御装置2から結合解除される。付加的に、二次制御装置4のASICモジュール5内の第1のトランジスタ14及び第2のトランジスタ15が導通状態に切り替わると、センサ1は、二次制御装置4の供給パス及びアースパスと電気的に接続され、二次制御装置4と結合される。結合状態においては、測定素子17によって受信されたセンサ信号は、関連する論理回路41によって処理され、二次制御装置4の評価及び制御ユニット51に出力される。この論理回路41も、図示の実施例においては同様に、二次制御装置4の内部のASICモジュール5の一部である。さらに、ASICモジュール5は、図示の実施例においては、監視回路43を有しており、この監視回路43を用いて、二次制御装置4内において関連するセンサ1のエネルギー供給を特定することができる。図示の実施例においては、監視回路43は、第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が閉じられたときにセンサ1に印加される電圧を検出する。さらに、二次制御装置4の第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が開き、ASICモジュール5内の対応する第2のトランジスタ15が導通状態に切り替わっているときには、監視回路43を介して、二次制御装置4の内部電圧供給部又は供給パスを検査することができる。このスイッチング状態においては、個々の監視回路43は、第2のトランジスタ15の出力端における電圧レベルを測定して評価することができる。
【0034】
図1及び図2から明らかなように、二次制御装置4は、図示の実施例においては、2つの試験回路52,53を有しており、これらの試験回路52,53は、二次制御装置4内の少なくとも1つの内部信号パスの検査に使用することができる。図2からさらに明らかなように、二次制御装置4の第1の試験回路52を介して試験信号を印加することができ、この試験信号は、二次制御装置4のアースパス内の測定素子17によって受信され、関連する論理回路43によって処理され、二次制御装置4の評価及び制御ユニット51に出力することができる。二次制御装置4が、第2のトランジスタ15と供給端との間においてループされる供給パス内に、図示されていないさらなる測定素子を有する場合には、この測定素子を検査するために任意の第2の試験回路53を使用することができる。二次制御装置4内の少なくとも1つの内部信号パスを検査する場合、二次制御装置4は、個々のセンサ1又は回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4から結合解除される。これは、二次制御装置4の第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が開いていることを意味する。図示されていない代替的実施例においては、一次制御装置2も、少なくとも1つの内部信号パスを検査するための試験信号を生成する少なくとも1つの試験回路52,53を有する。
【0035】
本発明に係る、車両システムの冗長的センサアセンブリ60の動作方法100,200,300,400の実施例においては、センサアセンブリ60の初期化のために、動作電圧が両方の制御装置に印加されてセンサアセンブリ60の検査が実施される。ここでは、センサ1は、第1の検査ステップにおいて、一次制御装置2に結合されて当該一次制御装置2により検査され、二次制御装置4から結合解除される。二次制御装置4は、結合解除された状態において自身の内部電圧供給部及び少なくとも1つの内部信号パスを検査する。第2の検査ステップにおいては、二次制御装置4がセンサ1に接続され、個々のセンサ1のエネルギー供給部を検査する。さらに、センサアセンブリ60の検査の際にエラーが発生しなかった場合には、センサアセンブリ60の初期化が完了する。
【0036】
図3から明らかなように、本発明に係る、車両システムの冗長的センサアセンブリ60のための動作方法100の図示の第1の実施例においては、ステップS100において、一次制御装置2がスイッチオンされ又は動作電圧を印加され、それに並行して又はそれと同時にステップS200において、二次制御装置4がスイッチオンされ又は動作電圧を印加される。ステップS110においては、一次制御装置2の準備ができていることが確定される。これは、一次制御装置2の第1のスイッチングユニットS1、ASICモジュール3、並びに、評価及び制御ユニット50などの内部回路が立ち上げられ、それらに割り当てられた機能及びタスクを実行し引き継ぐことが可能であることを意味する。それに並行して又はそれと同時に、ステップS210においては、二次制御装置4の準備ができていることが確定される。これは、二次制御装置4の第2のスイッチングユニットS2、ASICモジュール5、試験回路52,53、並びに、評価及び制御ユニット51などの内部回路が立ち上げられ、それらに割り当てられた機能及びタスクを実行し引き継ぐことが可能であることを意味する。
【0037】
それゆえ、図示の第1の実施例においては、ステップS120において、総てのセンサ1が一次制御装置2に結合される。これは、第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が閉じられ、一次制御装置2の入力端2a,2bに接続された個々のセンサ1がASICモジュール3に接続されることを意味する。ASICモジュール3の内部においては、トランジスタ12,13が、個々のセンサ1を、それぞれ供給パスを介して供給端19に接続し、アースパスを介してアース端18に接続するために導通状態に切り替わる。センサ1が一次制御装置2に結合された後、ステップS130においては、結合されたセンサ1のために標準試験が実施される。この標準試験においては、例えば、結合されたセンサ1の信号を測定素子16により受信し、論理回路40並びに評価及び制御ユニット50によって評価することができる。
【0038】
それに並行して又はそれと同時に、ステップS220においては、総てのセンサ1が二次制御装置4から結合解除される。これは、第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が開かれ、二次制御装置4の入力端4a,4bに接続された個々のセンサ1がASICモジュール5から分離されることを意味し、そのため、ステップS220においては、総てのセンサ1が二次制御装置4から結合解除されている。それに続いて、ステップS230においては、二次制御装置4内の内部電圧供給部が検査される。この検査は、既に上記において示したように、第2のトランジスタ15が閉じられているときに監視回路43によって行われる。ステップS240においては、二次制御装置4内の内部信号パスが検査される。この検査は、既に上記において示したように、試験回路52,53を使用して行われる。
【0039】
結合された総てのセンサ1が一次制御装置2において標準試験に合格すると、ステップS140において、対応する状態通知が、データ接続路30を介して一次制御装置に伝送される。二次制御装置4は、ステップS250においてこの状態通知を受信し、これを評価する。ステップS260においては、二次制御装置4は、内部電圧供給部及び少なくとも1つの内部信号パスの検査が成功したものとして完了した場合、個々のセンサ1の電圧供給部を検査する。個々のセンサ1の電圧供給部の検査の際に、個々のセンサ1は、引き続き一次制御装置2に結合されたままであり、付加的に、第2のスイッチングユニットS2内のスイッチ8,9を閉じることによって二次制御装置4の監視回路43と電気的に接続される。この監視回路43は、個々のセンサ1に印加された電圧を測定することができる。個々のセンサ1の電圧供給部の検査後、二次制御装置4は、ステップS270において、対応する状態通知を一次制御装置2に伝送する。この一次制御装置2は、ステップS150において、この状態通知を受信し、これを評価する。個々のセンサ1の電圧供給部の検査の際にエラーが発生しなかった場合には、二次制御装置4は、ステップS280において、自身の監視動作モードに切り替わり、当該監視動作モードにおいて、二次制御装置4は、データバス、個々のセンサ1の電圧供給部、及び、一次制御装置2を継続的に監視する。センサアセンブリ60の初期化の際にエラーが発生しなかった場合には、システムの初期化がステップS160において完了し、又は、エラーが発生した場合には、対応するエラー処理が実施される。ステップS170においては、一次制御装置2が通常動作モードに切り替わり、図示の制動システムは準備が完了する。
【0040】
図4乃至図6からさらに明らかなように、図3に示された動作方法100は、センサアセンブリ60の初期化の完了後、個々のセンサ1の設置検査によって補足される。本発明に係る動作方法200,300,400の図示の実施例においては、一次制御装置2及び二次制御装置4においてそれぞれ、個々のセンサ1に関する少なくとも1つの設置情報が特定され、相互に比較される。ここでは、検査すべきセンサ1について一次制御装置2において特定された少なくとも1つの設置情報と、二次制御装置4において特定された少なくとも1つの設置情報とが一致する場合、検査は成功したものと認識することができる。図示の実施例においては、個々のセンサ1の少なくとも1つの設置情報は、対応するセンサ1の組込位置及び/又は接触接続に関する情報を含む。もちろん、個々のセンサ1の、例えば型式、構造形態などの代替的又は付加的な設置情報を設置検査のために使用することもできる。設置検査のために、個々のセンサ1の設置情報は、検査前に、検査されない制御装置2,4から検査される制御装置2,4に伝送することができ、この場合、検査される制御装置2,4は、検査すべき個々のセンサ1の設置情報を特定してこの設置情報を、検査されない制御装置2,4から受信した設置情報と比較する。次いで、検査される制御装置2,4は、検査結果を、検査されない制御装置2,4に伝送する。代替的に、個々のセンサ1は、それらの組込位置及び/又はそれらの接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って検査することができる。この実施形態においては、検査の予め定められた順序又は予め定められたパターンは、一次制御装置2及び二次制御装置4に記憶されている。ここでは、一次制御装置2によって検査されるセンサ1の順序が、二次制御装置4によって検査されるセンサ1の順序と一致する場合、検査は成功したものと認識される。
【0041】
図4からさらに明らかなように、動作方法200の図示の第2の実施例においては、ステップS300において、完了したシステム初期化が一次制御装置2において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。それと並行して、ステップS400においては、完了したシステム初期化が二次制御装置4において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。本発明に係る動作方法200の図示の第2の実施例においては、一次制御装置2は、個々のセンサ1を二次制御装置4に順次引き渡し、この場合、検査すべき個々のセンサ1は、それぞれ一次制御装置2から結合解除され、二次制御装置4に結合されて当該二次制御装置によって検査される。一次制御装置2は、結合解除前に、対応するセンサ1の少なくとも1つの設置情報を二次制御装置4に伝送する。二次制御装置4は、自身で特定した、対応するセンサ1の少なくとも1つの設置情報を、伝送された少なくとも1つの設置情報と比較し、この場合、二次制御装置4は、それぞれの検査されたセンサ1及び対応する検査結果を一次制御装置2に返送し、それによって、検査されたセンサ1は、再び一次制御装置2に結合され、二次制御装置4から結合解除される。代替的に、一次制御装置2は、検査すべき総てのセンサ1からの設置情報を事前に二次制御装置4に伝送することができる。さらに、二次制御装置4は、検査された総てのセンサに関する検査結果を個別に又は一緒に一次制御装置2に伝送することができる。
【0042】
図示の実施例においては、一次制御装置2は、ステップS310においてセンサ1、例えば第1の回転数センサDF1の設置情報を二次制御装置4に伝送し、センサ1を一次制御装置から結合解除する。これは、対応する第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が開かれ、センサ1が、ASICモジュール3から分離され、それにより、一次制御装置2から結合解除されることを意味する。付加的に、ASICモジュール3内のトランジスタ12,13は、遮断状態に切り替わる。選択的に、センサ1は、スイッチ6,7のみによって、又は、トランジスタ12,13のみによって、一次制御装置2から結合解除することもできる。それゆえ、ステップS320においては、センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1が一次制御装置2から結合解除され、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4は、引き続き一次制御装置2に結合される。二次制御装置4は、ステップS410において、センサ1の設置情報を受信し、センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1を引き継ぐ。一次制御装置2からセンサ1を引き継ぐために、センサ1は二次制御装置4に結合される。これは、対応する第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が閉じられ、二次制御装置4の対応する入力端4a,4bに接続されたセンサ1がASICモジュール5に接続されることを意味する。ASICモジュール5の内部においては、センサ1を、それぞれ供給パスを介して供給端21に接続し、アースパスを介してアース端20に接続するために対応するトランジスタ14,15が導通状態に切り替わる。センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1の引き継ぎ後、ステップS420において、第1の回転数センサDF1が二次制御装置4に結合され、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4は、引き続き二次制御装置4から結合解除されている。それゆえ、二次制御装置4は、ステップS430においては、結合されたセンサ1のために標準試験を実施し、その設置情報を特定する。ステップS440においては、二次制御装置4は、センサ1の特定された設置情報が、一次制御装置2から受信した設置情報と一致するかどうかを検査する。ステップS450においては、二次制御装置4が、検査結果を一次制御装置2に伝送し、検査されたセンサ1、ここでは第1の回転数センサDF1を一次制御装置2に返還する。一次制御装置2へのセンサ1の引き渡しのために、センサ1は、二次制御装置4から結合解除される。これは、関連する第2のスイッチングユニットS2のスイッチ8,9が開かれ、センサ1がASICモジュール5から分離され、それによって、二次制御装置4から結合解除されることを意味する。付加的に、ASICモジュール5内の対応するトランジスタ14,15は、遮断状態に切り替わる。選択的に、センサ1は、スイッチ8,9のみによって、又は、トランジスタ14,15のみによって、二次制御装置4から結合解除することもできる。一次制御装置2は、ステップS330において、二次制御装置4から検査結果を受信し、センサ1を引き継ぐ。二次制御装置4からセンサ1を引き継ぐために、センサ1は、一次制御装置2に結合される。これは、対応する第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が閉じられ、一次制御装置2の対応する入力端2a,2bに接続されたセンサ1がASICモジュール3に接続されることを意味する。ASICモジュール3の内部においては、センサ1を、供給パスを介して供給端19に接続し、アースパスを介してアース端18に接続するために、対応するトランジスタ12,13が導通状態に切り替わる。センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1の引き継ぎ後、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4のためのステップS340又はステップS460におけるプロセスが、総てのセンサ1のための設置検査が完了するまで繰り返される。これは、ステップS310乃至ステップS330、又は、ステップS410乃至ステップS450が、他の個別のセンサ1ごとに繰り返されることを意味する。ステップS340又はステップS460において、総てのセンサ1が二次制御装置4によっても検査されたことが確定されると、設置検査はステップS350において完了し、一次制御装置2は、ステップS360において、自身のタスクを通常動作モードにおいて引き継ぎ、制動システムは、自身に割り当てられた制動機能を全面的に発揮し得る自身の完全な機能性を有する。検査すべき最後のセンサ1の引き継ぎ後、二次制御装置4は、図示の第1の実施例においては、ステップS470において、自身に割り当てられた自身の監視動作モードに切り替わり、当該監視動作モードにおいては、二次制御装置4は、データバス、センサ供給部及び一次制御装置2の機能を監視する。これによって、二次制御装置4は、一次制御装置2の機能を少なくとも部分的に引き継ぎ、一次制御装置2が故障した場合には緊急動作モードを実行することができる。これにより、センサアセンブリ60の初期化及び設置検査が完了し、車両システムの通常動作モードが可能になる。
【0043】
代替的に、個々のセンサ1は、それらの組込位置及び/又はそれらの接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って一次制御装置2から結合解除することができ、二次制御装置4に結合することができる。この実施形態においては、二次制御装置4は、引き渡されたセンサ1の順序又はパターンが、二次制御装置4内に記憶された順序又は二次制御装置4内に記憶されたパターンと一致するかどうかを検査する。例えば、回転数センサDF1,DF2,DF3,DF4として設計された検査すべきセンサ1の昇順が予め定められ、2つのセンサ1の接触接続、例えば、第1の回転数センサDF1及び第2の回転数センサDF2の接触接続が入れ違った場合、一次制御装置2は、予め定められた順序に従って、最初に第1の回転数センサDF1を二次制御装置4に引き渡す。ただし、二次制御装置4は、接触接続の取り違えにより、第2の回転数センサDF2を、引き渡されたセンサ1として認識する。即ち、二次制御装置4は、第2の回転数センサDF2を、予め定められた検査順序の第2の位置ではなく、実際の検査順序の第1の位置において特定する。それゆえ、二次制御装置4は、センサ1の設置エラーを認識する。センサ1の接触接続の取り違えが存在しない場合には、二次制御装置4は、第1の回転数センサDF1を実際の検査順序の第1の位置において認識し、これは、予め定められた検査順序の予め定められた位置に一致する。それゆえ、二次制御装置4は、この場合、センサ1の設置エラーを認識しない。
【0044】
図5からさらに明らかなように、動作方法300の図示の第3の実施例においては、ステップS500において、完了したシステム初期化が一次制御装置2において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。それに並行して、ステップS600においては、完了したシステム初期化が二次制御装置4において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。本発明に係る動作方法300の図示の第3の実施例においては、個々のセンサ1が一次制御装置2から順次結合解除され、接続されたセンサ1のエネルギー供給部が、二次制御装置4によって継続的に検査される。さらに、一次制御装置2は、結合解除前に、対応するセンサ1の少なくとも1つの設置情報を二次制御装置4に伝送し、二次制御装置4は、一次制御装置2によって供給されていないセンサ1を認識して当該センサ1の少なくとも1つの設置情報を特定し、伝送された少なくとも1つの設置情報と比較する。二次制御装置4は、対応する検査結果を一次制御装置2に伝送し、検査されたセンサ1が再び一次制御装置2に結合される。代替的に、一次制御装置2は、検査すべき総てのセンサ1の設置情報を事前に二次制御装置4に伝送することができる。さらに、二次制御装置4は、検査された総てのセンサに関する検査結果を個別に又は一緒に一次制御装置2に伝送することができる。
【0045】
図示の実施例においては、一次制御装置2は、ステップS510においてセンサ1、例えば第1の回転数センサDF1の設置情報を二次制御装置4に伝送し、センサ1を一次制御装置から結合解除する。これは、対応する第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が開かれ、センサ1がASICモジュール3から分離され、それにより、一次制御装置2から結合解除されることを意味する。付加的に、ASICモジュール3内のトランジスタ12,13は、遮断状態に切り替わる。選択的に、センサ1は、スイッチ6,7のみによって、又は、トランジスタ12,13のみによって、一次制御装置2から結合解除することもできる。それゆえ、ステップS520においては、センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1が一次制御装置2から結合解除され、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4は、引き続き一次制御装置2に結合される。二次制御装置4は、ステップS610において、センサ1の設置情報を受信し、個々のセンサ1の電圧供給を検査する。個々のセンサ1の供給を検査するために、個々のセンサ1は、第2のスイッチングユニットS2の閉じられたスイッチ8,9を介して二次制御装置4のASICモジュール5内の検査回路43に接続されている。ASICモジュール5の内部においては、トランジスタ14,15が遮断状態に切り替わり、それによって、どのセンサも二次制御装置4に結合されず、二次制御装置4によりエネルギーは供給されない。検査回路43は、それぞれ個々のセンサ1に印加される供給電圧を測定する。検査の際に、二次制御装置4は、供給されていないセンサ1、ここでは第1の回転数センサDF1を認識する。ステップS620においては、二次制御装置4は、供給されていないセンサ1の設置情報を特定し、センサ1の特定された設置情報が、一次制御装置2から受信した設置情報と一致するかどうかを検査する。ステップS630においては、二次制御装置4は、検査結果を一次制御装置2に伝送する。一次制御装置2は、ステップS530において、検査結果を二次制御装置4から受信し、検査されたセンサ1は、再び一次制御装置2に結合される。センサ1を一次制御装置2に結合するために、対応する第1のスイッチングユニットS1のスイッチ6,7が閉じられ、一次制御装置2の対応する入力端2a,2bに接続されたセンサ1がASICモジュール3に接続される。ASICモジュール3内部においては、センサ1を、供給パスを介して供給端19に接続し、アースパスを介してアース端18に接続するために、対応するトランジスタ12,13が導通状態に切り替わる。センサ1、ここでは第1の回転数センサDF1の結合後、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4のためのステップS540又はステップS640におけるプロセスが、総てのセンサ1のための設置検査が完了するまで繰り返される。これは、ステップS510乃至ステップS530、又は、ステップS610乃至ステップS630が、他の個別のセンサ1ごとに繰り返されることを意味する。ステップS540又はステップS640において、総てのセンサ1の設置が検査されたことが確定されると、設置検査はステップS550において完了し、一次制御装置2は、ステップS560において、自身のタスクを通常動作モードにおいて引き継ぎ、制動システムは、自身に割り当てられた制動機能を全面的に発揮し得る自身の完全な機能性を有する。検査すべき最後のセンサ1に関する検証結果の伝送後、二次制御装置4は、図示の第2の実施例では、ステップS650において、自身に割り当てられた自身の監視動作モードに切り替わり、当該監視動作モードにおいては、二次制御装置4は、データバス、センサ供給部及び一次制御装置2の機能を監視する。これによって、二次制御装置4は、一次制御装置2の機能を少なくとも部分的に引き継ぎ、一次制御装置2が故障した場合には緊急動作モードを実行することができる。これにより、センサアセンブリ60の初期化及び設置検査が完了し、車両システムの通常動作モードが可能になる。
【0046】
代替的に、個々のセンサ1は、それらの組込位置及び/又はそれらの接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って一次制御装置2から結合解除することができ、供給電圧の検査のために二次制御装置4に接続することができる。この実施形態においては、二次制御装置4は、一次制御装置2から結合解除され、エネルギーの供給されていないセンサ1の順序又はパターンが、二次制御装置4内に記憶された順序又は二次制御装置4内に記憶されたパターンと一致するかどうかを検査する。
【0047】
図6からさらに明らかなように、動作方法400の図示の第4の実施例においては、ステップS700において、完了したシステム初期化が一次制御装置2において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。それに並行して、ステップS800において、完了したシステム初期化が二次制御装置4において認識され、個々のセンサ1の設置検査が開始される。本発明に係る動作方法400の図示の第4の実施例においては、個々のセンサ1のセンサ信号が、二次制御装置4によって順次操作される。一次制御装置2は、それぞれの操作されたセンサ1を認識して、対応するセンサ1の少なくとも1つの設置情報を特定する。二次制御装置4は、センサ信号の操作前に、対応するセンサ1の少なくとも1つの設置情報を一次制御装置2に伝送し、この場合、一次制御装置2は、特定された少なくとも1つの設置情報を、対応するセンサ1の伝送された少なくとも1つの設置情報と比較し、結果を二次制御装置4に伝送する。二次制御装置4は、対応するセンサ1のセンサ信号の操作を終了する。代替的に、二次制御装置4は、検査すべき総てのセンサ1の設置情報を事前に一次制御装置2に伝送することができる。さらに、一次制御装置2は、検査された総てのセンサに関する検査結果を個別に又は一緒に二次制御装置4に伝送することができる。
【0048】
図示の実施例においては、二次制御装置4は、ステップS810においてセンサ1、例えば第1の回転数センサDF1の設置情報を一次制御装置2に伝送し、センサ1を操作する。これは、二次制御装置4が、例えば、ASICモジュール5内の第1のトランジスタ14を導通状態に切り替えることを意味し、それによって、センサ信号は、両方の制御装置に分配される。これにより、操作されたセンサ1のセンサ信号が低減する。一次制御装置2は、ステップS710において、操作されたセンサ1の設置情報を受信し、個々のセンサ1のセンサ信号を検査する。検査の際に、一次制御装置2は、操作されたセンサ信号及び関連するセンサ1、ここでは第1の回転数センサDF1を認識する。ステップS720においては、一次制御装置2は、操作されたセンサ1の設置情報を特定し、センサ1の特定された設置情報が、二次制御装置4から受信した設置情報と一致するかどうかを検査する。ステップS730においては、一次制御装置2は、検査結果を二次制御装置4に伝送する。二次制御装置4は、ステップS820において、検査結果を一次制御装置2から受信し、検査されたセンサ1の操作を終了する。操作の終了のために、ASICブロック5内の対応する第1のトランジスタ14が再び遮断状態に切り替わり、それによって、検査されたセンサ1、ここでは第1の回転数センサDF1のセンサ信号はもはや分割されず、一次制御装置2のみによって受信される。センサ1、ここでは第1の回転数センサの検査後、ステップS830又はステップS740におけるプロセスが、他のセンサ1、ここでは回転数センサDF2,DF3,DF4のために、総てのセンサ1のための設置検査が完了するまで繰り返される。これは、ステップS710からステップS730、又は、ステップS810からステップS830が、他の個別のセンサ1ごとに繰り返されることを意味する。ステップS830又はステップS740において、総てのセンサ1の設置が検査されたことが確定されると、設置検査はステップS750において完了し、一次制御装置2は、ステップS760において、自身のタスクを通常動作モードにおいて引き継ぎ、制動システムは、自身に割り当てられた制動機能を全面的に発揮し得る自身の完全な機能性を有する。検査すべき最後のセンサ1の設置検査後、二次制御装置4は、図示の第4の実施例では、ステップS840において、自身に割り当てられた自身の監視動作モードに切り替わり、当該監視動作モードにおいては、二次制御装置4は、データバス、センサ供給部及び一次制御装置2の機能を監視する。これによって、二次制御装置4は、一次制御装置2の機能を少なくとも部分的に引き継ぎ、一次制御装置2が故障した場合には緊急動作モードを実行することができる。これにより、センサアセンブリ60の初期化及び設置検査が完了し、車両システムの通常動作モードが可能になる。
【0049】
代替的に、個々のセンサ1は、それらの組込位置及び/又はそれらの接触接続に関して、予め定められた順序により又は予め定められたパターンに従って二次制御装置4によって操作することができる。この実施形態においては、一次制御装置2は、操作されたセンサ1の順序又はパターンが、一次制御装置2内に記憶された順序又は一次制御装置2内に記憶されたパターンと一致するかどうかを検査する。
【0050】
動作方法100,200,300,400の説明された実施例は、例えば、ソフトウェア若しくはハードウェアにより、又は、ソフトウェアとハードウェアとの混合形態により、一次制御装置2及び二次制御装置4において実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6