(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】空調室内機用の取り付け用アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0047 20190101AFI20220610BHJP
F24F 1/0317 20190101ALI20220610BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
F24F1/0047
F24F1/0317
F24F13/32
(21)【出願番号】P 2021529102
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2020100516
(87)【国際公開番号】W WO2021017769
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】201910696767.5
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521220574
【氏名又は名称】チンタオ ハイアール エアーコンディショニング エレクトロニック カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ドンリン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジイ チャン
(72)【発明者】
【氏名】デチー ドン
(72)【発明者】
【氏名】シンボ リウ
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-018700(JP,A)
【文献】特開昭57-172122(JP,A)
【文献】特開2000-161766(JP,A)
【文献】実開昭60-130326(JP,U)
【文献】特開2000-320889(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0291735(US,A1)
【文献】特開2004-239529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0047
F24F 1/0317
F24F 13/32
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調室内機用の取り付け用アセンブリであって、前記室内機は互いに接続される本体と背板を含み、前記本体の互いに隣接する二つの側面はそれぞれ内へ凹んで第1立設壁面と第2立設壁面が形成され、前記背板は下へ凹んで溝が形成され、前記取り付け用アセンブリは、
壁掛け板であって、取り付け済みの状態で、前記壁掛け板は壁の角の天井に固着され、前記壁掛け板の下面にL字状第1フック部と第2フック部が設置され、前記壁掛け板の先端に第3フック部が設置されるものと、
第1ブラケットであって、前記第1立設壁面に固着され、前記第1ブラケットの第1端は折曲げて第1ベンド部が形成され、取り付け済みの状態で、前記第1ブラケットは前記第1ベンド部によって前記第1フック部に接続することができるものと、
第2ブラケットであって、前記第2立設壁面に固着され、前記第2ブラケットの第1端は折り曲げて第2ベンド部が形成され、取り付け済みの状態で、前記第2ブラケットは前記第2ベンド部によって前記第2フック部に接続することができるものと、
第3ブラケットであって、前記溝に固着され、取り付け済みの状態で、前記第3フック部は前記溝に挿入されることで、前記背板は前記第3ブラケットによって前記第3フック部に接続することができるものと、を含むことを特徴とする空調室内機用の取り付け用アセンブリ。
【請求項2】
前記壁掛け板の下面は下へ延伸しかつ折り曲げて前記第1フック部および/または前記第2フック部を形成する、かつ/あるいは、
前記壁掛け板の先端は下へ延伸しかつ折り曲げて前記第3フック部を形成することを特徴とする請求項1に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項3】
前記第3ブラケットの中部に第1V字状溝が設置され、かつ/あるいは、
前記第3ブラケットの中部は折り曲げてU字状構造として形成することを特徴とする請求項1に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項4】
前記第3フック部には、前記第1V字状溝と適合可能な第2V字状溝が形成されることを特徴とする請求項3に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項5】
前記第1V字状溝と前記第2V字状溝はいずれも下へ凹んだV字状溝であることを特徴とする請求項4に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項6】
前記第1フック部と前記第1ブラケットとの間に締め付け部材がさらに接続され、かつ/あるいは、
前記第2フック部と前記第2ブラケットとの間に締め付け部材がさらに接続されることを特徴とする請求項1に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項7】
前記締め付け部材はネジまたはボルトまたはリベットであることを特徴とする請求項6に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項8】
前記締め付け部材が貫通するように、前記第1フック部および/または前記第2フック部に長丸孔が形成されることを特徴とする請求項6に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項9】
取り付け済みの状態で、前記第1フック部および/または第2フック部は垂直壁面に平行であることを特徴とする請求項1に記載の取り付け用アセンブリ。
【請求項10】
前記室内機はアウターカバーをさらに含み、前記第1ブラケットの第2端は折り曲げて第3ベンド部を形成し、前記第2ブラケットの第2端は折り曲げて第4ベンド部を形成し、前記アウターカバーは前記第3ベンド部と前記第4ベンド部によって前記本体に接続されることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の取り付け用アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機の取り付け技術の分野に関するものであり、具体的には空調室内機の取り付け用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調室内機の種類は非常に多く、例えば、埋め込み式空調室内機、壁掛け式空調室内機など、異なる種類の室内機の取り付け方式の差異は非常に大きい。
【0003】
従来の埋め込み式空調室機器は室内の天井に設置されており、設置する前に、天井に取り付け口を確保しておく必要があり、設置後の室内機の本体は天井内に隠れている。従来の埋め込み式空調が占める室内空間は小さいが、空調が故障した場合、室内機を天井から取り出すか、あるいは天井に専用の点検通路を設置することで、室内機の点検が難しくなり、天井全体の美観度も悪くなる。また、埋め込み式空調室内機の本体は天井の中に隠れているため、発見されにくい問題が発生すれば、例えば凝縮管の水漏れによって水が壁の中に浸入して、ユーザが発見する前にすでに浸水がひどくなるために部屋の構造に損傷をもたらして、ユーザに経済損失をもたらすかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、当分野では、上記問題を解決するために新しい空調室内機用の取り付け用アセンブリが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術における上記の問題を解決するために、即ち従来の取り付け後の組込み式空調機の点検が容易ではないという問題を解決するために、本発明は、空調室内機用の取り付け用アセンブリを提供し、前記室内機は互いに接続される本体と背板を含み、前記本体の互いに隣接する二つの側面はそれぞれ内へ凹んで第1立設壁面と第2立設壁面が形成され、前記背板は下へ凹んで溝が形成され、前記取り付け用アセンブリは、
壁掛け板であって、取り付け済みの状態で、前記壁掛け板は壁の角の天井に固着され、前記壁掛け板の下面にL字状第1フック部と第2フック部が設置され、前記壁掛け板の先端に第3フック部が設置されるものと、第1ブラケットであって、前記第1立設壁面に固着され、前記第1ブラケットの第1端は折り曲げて第1ベンド部が形成され、取り付け済みの状態で、前記第1ブラケットは前記第1ベンド部によって前記第1フック部に接続することができるものと、第2ブラケットであって、前記第2立設壁面に固着され、前記第2ブラケットの第1端は折り曲げて第2ベンド部が形成され、取り付け済みの状態で、前記第2ブラケットは前記第2ベンド部によって前記第2フック部に接続することができるものと、第3ブラケットであって、それは前記溝に固着され、取り付け済みの状態で、前記第3フック部は前記溝に挿入されることで、前記背板は前記第3ブラケットによって前記第3フック部に接続することができるものと、を含む。
【0006】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記壁掛け板の下面は下へ延伸しかつ折り曲げて前記第1フック部および/または前記第2フック部を形成し、かつ/あるいは、前記壁掛け板の先端は下へ延伸しかつ折り曲げて前記第3フック部を形成する。
【0007】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記第3ブラケットの中部に第1V字状溝が設置され、かつ/あるいは、前記第3ブラケットの中部は折り曲げてU字状構造として形成する。
【0008】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記第1V字状溝と適合可能な第2V字状溝が形成される。
【0009】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記第1V字状溝と前記第2V字状溝はいずれも下へ凹んだV字状溝である。
【0010】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記第1フック部と前記第1ブラケットとの間に締め付け部材がさらに接続され、かつ/あるいは、前記第2フック部と前記第2ブラケットとの間に締め付け部材がさらに接続される。
【0011】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記締め付け部材はネジまたはボルトまたはリベットである。
【0012】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記締め付け部材が貫通するように、前記第1フック部および/または前記第2フック部に長丸孔が形成される。
【0013】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、取り付け済みの状態で、前記第1フック部および/または第2フック部は垂直壁面に平行である。
【0014】
上記取り付け用アセンブリの好ましい技術的手段では、前記室内機はアウターカバーをさらに含み、前記第1ブラケットの第2端は折り曲げて第3ベンド部を形成し、前記第2ブラケットの第2端は折り曲げて第4ベンド部を形成し、前記アウターカバーは前記第3ベンド部と前記第4ベンド部によって前記本体に接続される。
【0015】
本発明が提供する空調室内機用の取り付け用アセンブリは、壁掛け板と3つのブラケットを設置することによって、空調室内機は天井に容易で迅速に吊り上げることができ、埋め込み式空調の取り付け方式に比べて、本発明における取り付け方式で、ユーザは空調の故障を非常に容易に発見することができ、しかも点検することが非常に容易で、このような取り付け方式は天井への破壊程度が非常に少なくて、天井の完備性を保持する。また、壁掛け板に3つのフック部を設置し、第3ブラケットと空調室内機の背板における溝を利用して挿入溝を構築することにより、空調の取り付け過程において、予め3つのブラケットを室内機本体と背板に取り付けるだけでよく、壁掛け板を天井に固定した後、すぐに空調ユニットを壁掛け板に掛けて固定することができ、この操作は簡単で容易であり、空調の取り付けコストを大幅に削減し、空調の取り付け効率を向上させることができ、しかも、その後の保守段階でユーザの点検コストを削減できる。
【0016】
さらに、壁掛け板の下面を下へ延伸して折り曲げて第1フック部と第2フック部を形成することで、加工コストを削減することができ、第1フック部および第2フック部と壁板とが一体構造になっているので、第1フック部および第2フック部の強度を保証することができ、これによって、室内機の取り付け安定性を向上させることができる。
【0017】
さらに、壁板の先端を下に伸ばして曲げて第3フック部を形成することにより、取り付け過程で第3フック部を第3ブラケットと背板で構築したスロットに挿入するだけで、空調の吊りを実現でき、操作が簡単で容易である。
【0018】
さらに、第3ブラケットの中部に第1V字状溝を設けることにより、第3フック部には、第1V字状溝と適合可能な第2V字状溝が形成され、取り付け過程において、2つのV字状溝の組み合わせにより、室内機が運行中に振動や揺れを発生させないようにすることができるだけではなく、取り付け担当者にもヒントを与えることもでき、2つのV字状溝が互いに係合すると、音が鳴り、取り付け担当者に、所定位置に設置されており、次に、取り付け担当者が操作を行ってもよいと知らせることができ、これによって、取り付け効率を向上させることができる。
【0019】
さらに、第3ブラケットの中部を曲げてU字状構造にすることにより、室内機をコンパクトに天井に取り付けることができる。
【0020】
さらに、第1フック部と第2フック部を垂直壁面と平行に設けることにより、取り付け後の空調本体を壁に密着して壁の角に取り付けることができるだけでなく、3つの吊りポイントの力をより均一にし、安全性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態が提供する壁掛け板の構成の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態が提供する第3ブラケットの構成の概略図である。
【
図3】第3ブラケットの取り付け位置を示す本発明の実施形態が提供する空調室内機の構成の概略図である。
【
図4】第1ブラケットと第2ブラケットの取り付け位置を示す
図3の空調室内機を反転させた後の構成の概略図である。
【
図5】室内機の取り付け過程における天井に壁掛け板を取り付ける状態の概略図である。
【
図6】室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板の前に取り付ける状態の模式図である。
【
図7】第3フック部と第3ブラケットとの嵌合の初期状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図である。
【
図9】第1フック部と第1ブラケット、第2マウント部と第2ブラケットの嵌合の初期状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図である。
【
図11】第3フック部と第3ブラケットが篏合される最終状態を示す室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図である。
【
図13】第1フック部と第1ブラケットとの嵌合、第2フック部と第2ブラケットとの嵌合の最終状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図である。
【
図15】アウターカバーを室内機本体に接続する前の状態を示す図である。
【
図16】空調室内機を壁の角に取り付けた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る空調室内機を取り付けるための取り付け用アセンブリについて説明する。
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を説明する。これらの実施形態は、本発明の技術の原理を説明するものであって、本発明の保護範囲を限定するものではないことを当業者は理解するであろう。
【0024】
また、本発明をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態には多くの具体的な詳細が示される。当業者であれば、特定の詳細がなくても、本発明を同様に実施することができることを理解されたい。いくつかの例では、当業者によく知られている空調室内機の内部構造、作動原理などを詳細に説明しておらず、本発明の趣旨を明確にすることを目的としている。
【0025】
なお、本発明の説明において、用語「中」、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の方向または位置関係を示す用語は、図面に示された方向または位置関係に基づくものであり、単に説明を容易にするためだけであって、前記装置または部品が特定の方位を有したり、特定の方位で構成および動作したりしなければならないことを示すものではなく、本発明に対する制約として理解することはできない。なお、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は、説明目的のみに用いられているが、相対的な重要性を示すものまたは暗示的なものとして理解することはできない。
【0026】
なお、本発明の説明においては、特に明確な規定や限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」、「連結」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体によって間接的に接続されてもよく、2つの要素内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況によって上記した用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0027】
背景技術が指摘した従来の取り付け後の埋め込み式空調の点検が不便であるという問題に基づいて、本発明は空調室内機の取り付け用アセンブリを提供して、空調室内機の取り付け過程を簡単にして、空調室内機の点検を容易にすることを目的とする。
【0028】
図1は本発明の実施形態が提供する壁掛け板の構成の概略図であり、
図2は本発明の実施形態が提供する第3ブラケットの構成の概略図であり、
図3は第3ブラケットの取り付け位置を示す本発明の実施形態が提供する空調室内機の構成の概略図であり、
図4は第1ブラケットと第2ブラケットの取り付け位置を示す
図3の空調室内機を反転させた後の構成の概略図であり、
図5は室内機の取り付け過程における天井に壁掛け板を取り付ける状態の概略図であり、
図6は室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板の前に取り付ける状態の模式図であり、
図7は第3フック部と第3ブラケットとの嵌合の初期状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図であり、
図8は
図7のA部の部分的拡大図であり、
図9は第1フック部と第1ブラケット、第2マウント部と第2ブラケットの嵌合の初期状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図であり、
図10は
図9のB部分の部分的拡大図であり、
図11は第3フック部と第3ブラケットが篏合される最終状態を示す室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図であり、
図12は
図11のC部の部分的拡大図であり、
図13は第1フック部と第1ブラケットとの嵌合、第2フック部と第2ブラケットとの嵌合の最終状態を示す、室内機の取り付け過程における室内機本体を壁掛け板に取り付けた後の状態の概略図であり、
図14は
図13のD部の部分的拡大図であり、
図15はアウターカバーを室内機本体に接続する前の状態を示す図であり、
図16は空調室内機を壁の角に取り付けた後の状態を示す図である。
【0029】
まず、
図3および
図4を参照すると、本実施形態で提供される空調室内機は、室内機本体3、背板4およびアウターカバー5を含む。取り付け前に、室内機本体3、背板4とアウターカバー5は組立状態にあり、運送に容易である。室内機本体3は、送風機、配管、熱交換器などの空調機の通常の構成を含むが、ここでは具体的に述べず、本発明の主旨を強調する。
【0030】
図3を参照すると、背板4と本体3とはネジで互いに接続され、本体3内部の部品を覆い隠して保護するために使用される。背板4は下へ凹んで溝40を形成する。
図4を参照すると、室内機本体3の構造は四角形であり、この室内機は壁の角に取り付けられているので、その2つの側面は平面であり、かつ互いに垂直である。本体3の互いに隣接する2つの側面は、それぞれ内に凹むように第1立設壁面30と第2立設壁面31が形成され、このように壁8との間に一定の空間が形成され、後続のパイプの設置、線路の設置等に容易である。
【0031】
図1-
図4を参照すると、本実施形態で提供される空調室内機用の取り付け用アセンブリは、壁掛け板1、第1ブラケット6、第2ブラケット7、および第3ブラケット2を含む。
【0032】
図1に示すように、壁掛け板1は板状構造であり、強度を増加させるために、板には浅い溝やリブが加工される。
図5を参照して、取り付け済みの状態で、壁掛け板1が壁の角の天井80に固着される。引き続き
図1を参照して、壁掛け板1の下面にはL字状第1フック部12と第2フック部13が設けられ、その先端には第3フック部15が設けられ、天井80と接続するための、ボルト等の締め付け部材が貫通するためのボルト孔14が設けられ、ボルトは膨張ボルトを用いてもよい。好ましくは、第1フック部12および第2フック部13を形成するために、壁掛け板1の下面が下方に延びて曲げられる。壁掛け板1の先端を下方に伸ばして曲げて第3フック部15を形成することで、加工が容易になるとともに強度を向上させることができる。さらに、第1フック部12および第2フック部13は、垂直壁面と平行であり、第1フック部12は、第2フック部13と対向して曲げられ、取り付けを容易にする。
【0033】
図4を参照すると、第1ブラケット6は、ネジ等の締め付け部材により第1立設壁面30に固定され、第1ブラケット6は略U字状構造を形成し、その第1端が折り曲げられて第1ベンド部60が形成され、第2端が折り曲げられて第3ベンド部61が形成される。第1ブラケット6の構造と一致して、第2ブラケット7は第2立設壁面31に固着され、その第1端は折り曲げて第2ベンド部70を形成し、第2端は折り曲げて第4ベンド部71を形成し、アウターカバー5は第3ベンド部61および第4ベンド部71を介して本体3に接続することができる。
【0034】
図2を参照すると、第3ブラケット2の中部は折り曲げてU字状構造となり、第1V字状溝20が設けられる。
図3を参照して、第3ブラケット2は、ネジによって背板4の溝40に固着される。従って、第3フック部15には、第1V字状溝20と適合可能な第2V字状溝150が形成され、取り付け済みの状態で、第3フック部15が溝40に挿入され、第1V字状溝20と第2V字状溝150とが係合してリミッタの役割を果たし、取り付け後の室内機が壁掛け板1に対してずれることを防止する。第1V字状溝20および第2V字状溝150は、共に凹みのV字状溝である。
【0035】
室内機と壁掛け板1との接続安定性を強化するために、第1フック部12と第1ブラケット6との間には締め付け部材も接続され、第2フック部13と第2ブラケット7との間にも締め付け部材が接続され、締め付け部材はネジ、ボルト、またはリベットのうちの1つまたは複数であってもよい。締め付け部材の接続を容易にするために、第1フック部12および第2フック部13の水平板には、締め付け部材が貫通するように長丸孔が形成され、取り付け過程において取り付け誤差に応じて調整することができる。
【0036】
次に
図5-
図16によって空調室内機の取り付け過程を説明する。
【0037】
S1、壁掛け板1を天井80に固定して取り付ける。具体的には、
図5を参照して、壁掛け板1を上方へ天井80に当接した後、壁掛け板1を奥に押して、その第1縁10と、第1壁面81と天井80との交差線とが重なるようにし、その第2縁11と、第2壁面82と天井80との交差線とが重なるようにし、その後、膨張ボルトまたはその他の強度の大きい締め付け部品によって壁掛け板1を天井80の角に固定する。このとき、第1フック部12と第2フック部13とが壁に平行になる。
【0038】
S2、第3ブラケット2をネジによって背板4の溝40に固着する。
【0039】
S3、アウターカバー5をはずして、室内機本体3とそれに接続される背板4を持ち上げ、背板4を天井80に向けて、
図6に示すように、続いて、室内機本体3を後方、すなわち壁の角に向かう方向に移動させ、第1ブラケット6の第1ベンド部60をL字状第1フック部12にラッピングし、第2ブラケット7の第2ベンド部70をL字状第2フック部13にラッピングする。
図7-
図10に示すように、
図7と
図8は、第3ブラケット2と第3フック部15とのラッピングの初期状態を示し、この時、第1V字状溝20と第2V字状溝150はまだ係合しておらず、
図9と
図10は第1ブラケット6と第1フック部12、第2ブラケット7と第2フック部13のラッピングの初期状態を示し、この時の長丸孔はまだブラケットにおけるネジ穴と揃えていない。
【0040】
S4、壁8に沿って空調室内機を押し、移動しにくい場合、本体3の先端、即ち壁の角から離れた端をすこしあげて、室内機本体3を後ろに押し続け、「カチッ」という音が聞こえると、押しを停止する。具体的には、
図11および
図12を参照して、「カチッ」という音が聞こえると、第1V字状溝20と第2V字状溝150との係止に成功し、室内機本体3が所定位置に取り付けられていることを示している。
図13および
図14を参照すると、第1ブラケット6と第1フック部12がすでに所定位置にラッピングされ、第1長丸孔120と第1ブラケット6のネジ穴とが揃っており、第2ブラケット7と第2フック部13がすでに所定位置にラッピングされ、第2長丸孔130と第2ブラケット7におけるネジ穴とが揃っている。
【0041】
S5、下から上へ長丸孔にネジを設置し、第1ブラケット6と第1フック部12、第2ブラケット7と第2フック部13の締め付け接続を実現する。
【0042】
S6、アウターカバー5を本体3に固着する。
図4、
図15と
図16に示すように、第1ブラケット6に第3ベンド部61が形成され、第2ブラケット7に第4ベンド部71が形成され、アウターカバー5には第3ベンド部61と第4ベンド部71に嵌合する接続部が設置され、ネジによってアウターカバー5を本体3に固着することを実現し、これによって、空調室内機の取り付けを完了する。
【0043】
取り付け済みの状態で、第3フック部15は溝40に挿入され、第1ブラケット6は、第1ベンド部60を介して第1フック部12に接続され、第2ブラケット7は、第2ベンド部70を介して第2フック部13に接続され、これによって、空調室内機は、壁掛け板1に接続される。
【0044】
【0045】
本発明が提供する空調室内機用の取り付け用アセンブリは、壁掛け板と3つのブラケットを設置することによって、空調室内機は天井に容易で迅速に吊り上げることができ、埋め込み式空調の取り付け方式に比べて、本発明における取り付け方式で、ユーザは空調の故障を非常に容易に発見することができ、しかも点検することが非常に容易で、このような取り付け方式は天井への破壊程度が非常に少なくて、天井の完備性を保持する。また、壁掛け板に3つのフック部を設置し、第3ブラケットと空調室内機の背板における溝を利用して挿入溝を構築することにより、空調の取り付け過程において、予め3つのブラケットを室内機本体と背板に取り付けるだけでよく、壁掛け板を天井に固定した後、すぐに空調ユニットを壁掛け板に掛けて固定することができ、この操作は簡単で容易であり、空調の取り付けコストを大幅に削減し、空調の取り付け効率を向上させることができ、しかも、その後の保守段階でユーザの点検コストを削減できる。
【0046】
以上、図面に示す好適な実施形態に関連して本発明の技術の解決策を説明したが、当業者であれば、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは明らかである。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術の特徴を同等に変更または置換することができ、これらの変更または置換後の技術の解決策は、本発明の保護範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 壁掛け板
10 第1縁
11 第2縁
12 第1フック部
120 第1長丸孔
13 第2フック部
130 第2長丸孔
14 ボルト孔
15 第3フック部
150 第2V字状溝
2 第3ブラケット
20 第1V字状溝
3 本体
30 第1立設壁面
31 第2立設壁面
4 背板
40 溝
5 アウターカバー
6 第1ブラケット
60 第1ベンド部
61 第3ベンド部
7 第2ブラケット
70 第2ベンド部
71 第4ベンド部
8 壁
80 天井
81 第1壁面
82 第2壁面