(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】負極及び該負極の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/133 20100101AFI20220613BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20220613BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20220613BHJP
H01M 4/1393 20100101ALI20220613BHJP
【FI】
H01M4/133
H01M4/587
H01M4/36 C
H01M4/36 D
H01M4/1393
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020191570
(22)【出願日】2020-11-18
(62)【分割の表示】P 2019528011の分割
【原出願日】2017-10-26
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】10-2016-0147950
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ス・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヨン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ギョン・キム
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/152113(WO,A1)
【文献】特許第5877284(JP,B2)
【文献】国際公開第2016/129577(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/146900(WO,A1)
【文献】国際公開第2003/034518(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/133
H01M 4/587
H01M 4/36
H01M 4/1393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体及び前記集電体上に配置された負極活物質層を含む負極であって、
前記負極活物質層は、第1粒子、第2粒子
、第3粒子
及びバインダーを含んでなり、
前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、
前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、
前記第3粒子は、天然黒鉛を含む第2コアと、前記第2コア上に配置され、前記天然黒鉛の酸化物を含む第2シェルとを含み、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.94から0.98であり、
前記第1粒子、前記第2粒子及び前記第3粒子の重量比は、10から30:40から80:10から30である、負極。
【請求項2】
前記第1粒子の平均粒径(D
50)は10μmから25μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項3】
前記第1コアの平均粒径(D
50)は10μmから20μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項4】
前記第1シェルの厚さは1nmから200nmである、請求項1に記載の負極。
【請求項5】
前記第1粒子のタップ密度は0.95g/cm
3から1.3g/cm
3である、請求項1に記載の負極。
【請求項6】
前記第2粒子の平均粒径(D
50)は10μmから25μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項7】
前記第1粒子の全体重量に対し、酸素原子の含量が1200mg/kgから2500mg/kgである、請求項1に記載の負極。
【請求項8】
前記第3粒子の平均粒径(D
50)は7μmから25μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項9】
前記第2コアの平均粒径(D
50)は5μmから25μmである、請求項1に記載の負極。
【請求項10】
前記第2シェルの厚さは1nmから200nmである、請求項1に記載の負極。
【請求項11】
前記第3粒子のタップ密度は1.0g/cm
3から1.2g/cm
3である、請求項1に記載の負極。
【請求項12】
負極スラリーを準備する第1段階、及び前記負極スラリーを集電体上に塗布した後、乾燥する第2段階を含む負極の製造方法であって、
前記負極スラリーは、第1粒子、第2粒子
、第3粒子
及びバインダーを含んでなり、
前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、
前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、
前記第3粒子は、天然黒鉛を含む第2コアと、前記第2コア上に配置され、前記天然黒鉛の酸化物を含む第2シェルとを含み、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.94から0.98であり、
前記第1粒子、前記第2粒子及び前記第3粒子の重量比は、10から30:40から80:10から30である負極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年11月8日付で出願された韓国特許出願第10-2016-0147950号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、負極及び該負極の製造方法に関し、具体的に前記負極は、球形化度が0.94から0.98である第1粒子と、球形化度が0.70から0.92である第2粒子とを含むことを特徴とする。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用の急激な増加によって代替エネルギーやクリーンエネルギーの使用に対する要求が増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学反応を用いた発電、蓄電の分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを用いる電気化学素子の代表的な例として二次電池を挙げることができ、さらに益々その使用領域が拡大されている傾向である。最近には、携帯用コンピューター、携帯用電話機、カメラ等の携帯用機器に対する技術の開発と需要の増加につれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、そのような二次電池のうち、高いエネルギー密度、すなわち、高容量のリチウム二次電池に対し多くの研究が行われてきて、また、商用化されて広く用いられている。
【0005】
一般に二次電池は、正極、負極、電解質及び分離膜でなり、最初の充電によって正極活物質から出たリチウムイオンがカーボン粒子のような負極活物質内に挿入され、放電時に再び脱離される等の、両電極を往復しつつエネルギーを伝達する役割を担うため、充放電が可能となる。電極は集電体と活物質層を含んでなり、一般に活物質と集電体の間の接着力を高めるためにバインダー等の結着剤を用いる。
【0006】
従来には、前記接着力をさらに高めるため、別途の添加剤を電極スラリーに追加するか、バインダーの比率を高める技術等が紹介されている。しかし、前記添加剤を追加するか、バインダーの含量を増加させる場合、活物質粒子の含量が減り容量が低下する問題がある。
【0007】
したがって、電池の高容量を維持し、且つ、活物質と集電体の間の接着力が確保できる電極の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第10-2004-0053492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする一課題は、負極活物質層と集電体の間の接着力(電極接着力)を改善させることができる負極及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、集電体及び前記集電体上に配置された負極活物質層を含む負極であって、前記負極活物質層は、第1粒子及び第2粒子を含んでなり、前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、前記第1粒子と前記第2粒子の重量比は1:1から1:9である負極が提供される。
【0011】
本発明のまた他の実施形態によれば、負極スラリーを準備する段階(第1段階)、及び前記負極スラリーを集電体上に塗布した後、乾燥する段階(第2段階)を含む負極の製造方法であって、前記負極スラリーは、第1粒子及び第2粒子を含んでなり、前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、前記第1粒子と前記第2粒子の重量比は1:1から1:9である負極の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態による負極は、相対的に高い球形化度を有して酸素の含量が高い第1粒子と、相対的に低い球形化度を有する第2粒子とを適した重量比で用いることにより、負極活物質層内の粒子等の充填が円滑に行われ得るので、電極接着力を向上させることができる。これによって、集電体から負極活物質層の粒子等が脱離されることが防止されるので、電極の製造工程が容易であり、製造された電池の性能を改善できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に対する理解を深めるため、本発明をより詳細に説明する。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法によって説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0015】
本明細書で用いられる用語は、単に例示的な実施形態等を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0016】
本明細書において、「含む」、「備える」又は「有する」等の用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、又はこれらを組み合わせたもの等の存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解されなければならない。
【0017】
本発明の一実施形態による負極は、集電体及び前記集電体上に配置された負極活物質層を含む負極であって、前記負極活物質層は、第1粒子及び第2粒子を含んでなり、前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、前記第1粒子と前記第2粒子の重量比は1:1から1:9であってよい。
【0018】
前記第1粒子は、第1コア及び第1シェルを含んでよい。
【0019】
前記第1コアは、人造黒鉛であってよい。人造黒鉛はリチウム吸収能に優れるので、前記第1コアが人造黒鉛の場合、電池の充放電特性が向上され得る。
【0020】
前記第1コアの平均粒径(D50)は、10μmから20μmであってよく、具体的に14μmから18μmであってよい。前記第1コアの平均粒径(D50)が10μm未満の場合、電解液と負極活物質層の副反応が増加し、負極活物質層の比表面積の増加によって電極接着力が低下する問題がある。また、前記第1コアの平均粒径(D50)が20μm超過の場合、負極の出力性能が低下する問題がある。
【0021】
前記第1コアの平均粒径(D50)と係わって、本明細書における平均粒径(D50)は、粒子の粒径分布の50%基準での粒径と定義することができる。前記平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折法(laser diffraction method)を用いて測定できる。前記レーザー回折法は、一般にサブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性及び高分解性の結果を得ることができる。
【0022】
前記第1シェルは、前記第1コア上に配置されてよい。具体的に、前記第1シェルは、前記第1コアの表面の一部又は全部を覆ってよい。
【0023】
前記第1シェルは、人造黒鉛の酸化物を含んでよい。前記人造黒鉛の酸化物は、人造黒鉛が酸化され生成された化合物であってよく、前記人造黒鉛の酸化物の酸素の含量は、人造黒鉛の酸素の含量より高くてよい。
【0024】
前記第1シェルの厚さは、1nmから200nmであってよく、具体的に20nmから100nmであってよい。前記第1シェルの厚さが1nm未満の場合、電極接着力が低い問題がある。また、前記第1シェルの厚さが200nm超過の場合、過度な抵抗の増加によって電池の性能が低下する問題がある。
【0025】
前記第1コアの平均粒径(D50)と前記第1シェルの厚さは、透過電子顕微鏡(TEM)で測定されてよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0026】
粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度は、0.94から0.98であってよく、具体的に0.95から0.96であってよい。前記球形化度は、前記第1粒子の長径対比短径を意味してよい。前記球形化度は、粒子形状分析器(QICPIC‐LIXELL、Sympatec GmbH)を介して測定されてよい。具体的に、粒子形状分析器を介して前記第1粒子等の球形化度の累積分布を導出した後、球形化度が大きい粒子等からの分布比率が50%に該当する球形化度を前記第1粒子の球形化度と判断してよい。前記測定方法は、後述する第2粒子の球形化度及び第3粒子の球形化度の測定方法と同一であってよい。
【0027】
前記第1粒子の製造過程において、球形化の工程が進められ、前記球形化度が導出されてよい。前記第1粒子の球形化度が0.94未満の場合、前記第1粒子の過度に折れ曲がった表面によって電極接着力が低い問題が発生し得る。また、前記第1粒子の球形化度が0.98超過の場合、高い球形化度を導出するために多い量の第1粒子が求められるので、製造収率が低くなる問題が発生し得る。
【0028】
前記第1粒子の平均粒径(D50)は、10μmから25μmであってよく、具体的に15μmから20μmであってよい。前記第1粒子の平均粒径(D50)が10μm未満の場合、電解液と負極活物質層の副反応が増加し、負極活物質層の比表面積の増加によって電極接着力が低下する問題が発生し得る。また、前記第1粒子の平均粒径(D50)が25μm超過の場合、負極の出力性能が低下する問題が発生し得る。
【0029】
前記第1粒子のタップ密度(tap density)は、0.95g/cm3から1.3g/cm3であってよく、具体的に1.0g/cm3から1.2g/cm3であってよい。前記第1粒子のタップ密度が0.95g/cm3未満の場合、前記第1粒子の過度に折れ曲がった表面によって電極接着力が低い問題が発生し得る。また、前記第1粒子のタップ密度が1.3g/cm3超過の場合、高いタップ密度を導出するために多い量の第1粒子が求められるので、製造収率が低くなる問題が発生し得る。前記タップ密度は、例えば、100mlのシリンダーに前記第1粒子を40g投入した後、1000回タップした後の粉体充填密度を測定して導出されてよい。しかし、必ずしも前記方法に限定されるものではない。
【0030】
前記第1粒子の全体重量に対して酸素原子の含量は、1200mg/kgから2500mg/kgであってよく、具体的に1500mg/kgから2000mg/kgであってよい。前記酸素原子の含量が1200mg/kg未満の場合、電極接着力が低い問題が発生し得る。また、前記酸素原子の含量が2500mg/kg超過の場合、抵抗の増加によって電池性能が低下する問題が発生し得る。前記酸素原子の含量は、元素分析法(Elemental analysis)で測定されてよく、具体的に、酸素窒素水素分析器(Oxygen Nitrogen Hydrogen Determinator)又はTPO‐MS装備を介して測定されてよい。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0031】
前記第2粒子は人造黒鉛であってよい。人造黒鉛は、リチウム吸収能に優れるので、前記第2粒子が人造黒鉛の場合、電池の充放電特性が向上され得る。
【0032】
一方、前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92であってよく、具体的に0.8から0.9であってよい。前記第2粒子の球形化度が0.70未満の場合、第2粒子の表面が過度に折れ曲がった形状を有するので、電極接着力が低下し、これによって電極の製造が困難な問題が発生し得る。また、前記第2粒子の球形化度が0.92超過の場合、高い球形化度を導出するために多い量の第2粒子が求められるので、製造収率が低くなる問題が発生し得る。
【0033】
前記第2粒子の平均粒径(D50)は、10μmから25μmであってよく、具体的に15μmから20μmであってよい。前記第2粒子の平均粒径(D50)が10μm未満の場合、電解液と負極活物質層の副反応が増加し、負極活物質層の比表面積の増加によって電極接着力が低下する問題が発生し得る。また、前記第2粒子の平均粒径(D50)が25μm超過の場合、負極の出力性能が低下する問題が発生し得る。前記第2粒子の平均粒径(D50)の測定方法は、前記第1粒子の平均粒径(D50)の測定方法と同一である。
【0034】
前記負極活物質内で、前記第1粒子と前記第2粒子の重量比は、1:1から1:9であってよく、具体的に1:1から1:4であってよく、より具体的に1:1から1:3であってよい。前記重量比を満たす場合、電極接着力が向上され得る。
【0035】
具体的に、前記重量比を外れて第1粒子又は第2粒子が過度に多く用いられれば、第1粒子等及び第2粒子等それぞれのモルホロジによって、負極活物質層内の空隙が過度に存在するようになる。また、前記第1粒子等及び前記第2粒子等の間の充填(packing)が円滑に行われ得ないので、負極活物質層内の粒子等の間の接着力、負極活物質層と集電体の間の接着力が劣悪になり得る。一方、前記第1粒子と前記第2粒子が前記重量比のように適宜混合され用いられる時、相対的に球形に近い第1粒子と相対的に折れ曲がった表面を有する第2粒子との量が調節されるため、負極活物質層内の空隙が減り、前記第1粒子等及び前記第2粒子等が互いに円滑に噛み合った状態で存在し得る。したがって、電極接着力が向上され得る。
【0036】
前記負極活物質層の全体重量に対して、前記第1粒子と前記第2粒子の全体重量は、95重量%から99重量%であってよく、具体的に97重量%から98重量%であってよい。
【0037】
前記負極において、電極接着力は、40gf/cmから90gf/cmであってよく、具体的に44gf/cmから65gf/cmであってよい。前記電極接着力は、以下の方法で測定されてよい。前記負極を10mm×150mmに打抜き、26mm×76mmのスライドガラスの中央部にテープを用いて固定させた後、UTMを用いて集電体を剥離しつつ180度の剥離強度を測定できる。これを5回以上行って測定された値の平均を求めることで、電極接着力を導出できる。
【0038】
前記負極活物質層は導電材をさらに含んでよい。前記導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛と、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックと、炭素繊維や金属繊維等の導電性繊維と、炭素ナノチューブ等の導電性チューブと、フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末等の金属粉末と、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカーと、酸化チタン等の導電性金属酸化物と、ポリフェニレン誘導体等の導電性素材等が用いられてよい。
【0039】
前記負極活物質層はバインダーをさらに含んでよい。前記バインダーは、ポリビニリデンフルオリド‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF‐co‐HFP)、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン‐プロピレン‐ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(poly acrylic acid)、及びこれらの水素がLi、Na又はCa等で置換された高分子でなる群から選択される少なくとも何れか一つを含んでよく、また、これらの多様な共重合体を含んでよい。
【0040】
本発明のまた他の実施形態による負極は、前述の一実施形態と類似するが、前記負極活物質層が第3粒子をさらに含んでよいという点で、前述の一実施形態と違いがある。よって、以下に相違点に対して説明する。
【0041】
前記第3粒子は、第2コア及び第2シェルを含んでよい。
【0042】
前記第2コアは天然黒鉛であってよい。天然黒鉛はリチウムの結合量が高いため、前記第2コアが天然黒鉛の場合、電池の容量が向上され得る。
【0043】
前記第2コアの平均粒径(D50)は、5μmから25μmであってよく、具体的に9μmから20μmであってよい。前記第2コアの平均粒径(D50)が5μm未満の場合、電解液と負極活物質層の副反応が増加し、負極活物質層の比表面積の増加によって電極接着力が低下する問題が発生し得る。また、前記第2コアの平均粒径(D50)が25μm超過の場合、負極の出力性能が低下する問題が発生し得る。
【0044】
前記第2シェルは、前記第2コア上に配置されてよい。具体的に、前記第2シェルは、前記第2コアの表面の一部又は全部を覆ってよい。
【0045】
前記第2シェルは、天然黒鉛の酸化物を含んでよい。前記天然黒鉛の酸化物は、天然黒鉛が酸化され生成された化合物であってよく、前記天然黒鉛の酸化物の酸素の含量は、人造黒鉛の酸素の含量より高くてよい。
【0046】
前記第2シェルの厚さは、1nmから200nmであってよく、具体的に20nmから100nmであってよい。前記第2シェルの厚さが1nm未満の場合、電極接着力が過度に低いことがある。また、前記第2シェルの厚さが200nm超過の場合、抵抗が過度に増加し電池性能が低下する問題が発生し得る。
【0047】
一方、前記第3粒子は、粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.94から0.98であってよく、具体的に0.96から0.97であってよい。前記第3粒子の球形化度が0.94未満の場合、電極接着力の改善の効果が微々であり得る。また、前記第3粒子の球形化度が0.98超過の場合、高い球形化度を導出するために多い量の第3粒子が求められるので、製造収率が低くなる問題が発生し得る。
【0048】
前記第3粒子の平均粒径(D50)は、7μmから25μmであってよく、具体的に12μmから20μmであってよい。前記第3粒子の平均粒径(D50)が7μm未満の場合、電解液と負極活物質層の副反応が増加し、負極活物質層の比表面積の増加によって電極接着力が低下する問題が発生し得る。また、前記第3粒子の平均粒径(D50)が25μm超過の場合、負極の出力性能が低下する問題が発生し得る。
【0049】
前記第3粒子のタップ密度(tap density)は、1.0g/cm3から1.2g/cm3であってよく、具体的に1.05g/cm3から1.15g/cm3であってよい。前記第3粒子のタップ密度が1.0g/cm3未満の場合、前記第3粒子の過度に折れ曲がった表面によって電極接着力が劣悪であり得る。また、前記第3粒子のタップ密度が1.2g/cm3超過の場合、高いタップ密度を導出するために多い量の第3粒子が求められるので、製造収率が低くなる問題が発生し得る。前記タップ密度は、前記第1粒子のタップ密度の測定方法と同一の方法で測定されてよい。
【0050】
前記第1粒子、前記第2粒子及び前記第3粒子の重量比は、10から30:40から80:10から30であってよく、具体的に、20から25:50から60:20から25であってよい。前記重量比が満たされる場合、活物質層内の粒子等の充填が円滑に行われるため、電極接着力がさらに改善され得る。
【0051】
本発明のまた他の実施形態による負極の製造方法は、負極スラリーを準備する段階(第1段階)、及び前記負極スラリーを集電体上に塗布した後、乾燥する段階(第2段階)を含む負極の製造方法に関し、前記負極スラリーは、第1粒子及び第2粒子を含んでなり、前記第1粒子は、人造黒鉛を含む第1コアと、前記第1コア上に配置され、前記人造黒鉛の酸化物を含む第1シェルとを含み、粒子形状分析器を介して測定された前記第1粒子の球形化度が0.94から0.98であり、前記第2粒子は、前記粒子形状分析器を介して測定された球形化度が0.70から0.92である人造黒鉛であり、前記第1粒子と前記第2粒子の重量比は1:1から1:9であってよい。ここで、前記負極スラリーが含む第1粒子及び第2粒子は、前述の負極活物質層が含む前記第1粒子及び前記第2粒子と同一であってよい。
【0052】
前記第1段階は、第1粒子及び第2粒子を溶媒に添加及び混合する段階(第1-1段階)を含んでよい。前記溶媒は、当該技術分野で一般に用いられる溶媒であってよく、具体的に蒸留水であってよい。前記第1-1段階において、前記第1粒子及び第2粒子とともにバインダーをさらに添加し混合してよい。または、前記第1-1段階において、前記第1粒子及び第2粒子とともに導電材及びバインダーをさらに添加し混合してもよい。前記導電材及びバインダーは、前述の負極活物質層が含み得る前記導電材及びバインダーと同一であってよい。
【0053】
前記負極スラリーは、第3粒子をさらに含んでよい。具体的に、前記第1-1段階において、前記第1粒子及び第2粒子とともに、第3粒子を前記溶媒に添加及び混合してよい。ここで、前記負極スラリーが含む第3粒子は、前述の負極活物質層が含む前記第3粒子と同一であってよい。
【0054】
本発明のまた他の実施形態による二次電池は、負極、正極、前記正極及び負極の間に介在されている分離膜、及び電解質を含んでよく、前記負極は、前述の実施形態のうち何れか一つによる負極であってよい。
【0055】
分離膜としては、負極と正極を分離してリチウムイオンの移動通路を提供するもので、通常、二次電池で分離膜に用いられるものであれば特別な制限なく使用可能であり、特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、且つ、電解液の含湿能力に優れるものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体及びエチレン/メタクリレート共重合体等のようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルム、又は、これらの2層以上の積層構造体が用いられてよい。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点の硝子繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等でなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性又は機械的強度の確保のために、セラミック成分又は高分子物質が含まれているコーティングされた分離膜が用いられてもよく、選択的に単層又は多層構造で用いられてよい。
【0056】
前記電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質等が挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0057】
具体的に、前記電解質は、非水系有機溶媒と金属塩を含んでよい。
【0058】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N‐メチル‐2‐ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマ‐ブチロラクトン、1,2‐ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2‐メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3‐ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の非プロトン性有機溶媒が用いられてよい。
【0059】
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として誘電率が高いためリチウム塩をよく解離させるので、好ましく用いられてよく、このような環状カーボネートにジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の線形カーボネートを適当な比率で混合して用いれば、高い電気伝導率を有する電解質を作製することができるので、より好ましく用いられてよい。
【0060】
前記金属塩は、リチウム塩を用いてよく、前記リチウム塩は、前記非水電解液での溶解に好適な物質であって、例えば、前記リチウム塩の陰イオンとしては、F-、Cl-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、PF6
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-及び(CF3CF2SO2)2N-でなる群から選択される一種を用いてよい。
【0061】
前記電解質には、前記電解質の構成成分等の他にも、電池の寿命特性の向上、電池容量の減少の抑制、電池の放電容量の向上等を目的に、例えば、ジフルオロエチレンカーボネート等のようなハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n‐グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N‐置換オキサゾリジノン、N,N‐置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2‐メトキシエタノール又は三塩化アルミニウム等の添加剤が一種以上さらに含まれてもよい。
【0062】
本発明の他の一実施形態によれば、前記二次電池を単位セルとして含む電池モジュール、及びこれを含む電池パックを提供する。前記電池モジュール及び電池パックは、高容量、高い律速特性及びサイクル特性を有する前記二次電池を含むので、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車及び電力保存用システムでなる群から選択される中大型デバイスの電源として利用されてよい。
【0063】
以下、本発明に対する理解を深めるために好ましい実施例を提示する。ただし、下記実施例は、本記載を例示するだけのものであり、本記載の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるのは当業者において明白なことであり、このような変形及び修正が特許請求の範囲に属するのは当然である。
【0064】
[実施例及び比較例]
[製造例1:第1粒子の製造]
平均粒径(D50)が7μmである人造黒鉛をピッチバインダー(pitch binder)と共に混合した後、3000℃で2時間熱処理することで、平均粒径(D50)が17μmである2次粒子構造の人造黒鉛を製造した。その後、回転式球形化装備を用いて前記人造黒鉛を球形化させることで、予備粒子を製造した。
【0065】
前記予備粒子を酸素雰囲気、400℃、0.1MPaの圧力、60m3/hの空気流量の条件で酸化処理することで、第1コアと第1シェルを含む第1粒子を製造した。
【0066】
製造された第1粒子において、第1コアの平均粒径(D50)が16.86μmであり、第1シェルの厚さは70nmであった。第1コアの平均粒径(D50)は粒度分析器(PSD)で測定され、前記第1シェルの厚さは透過電子顕微鏡(TEM)で測定された。また、粒子形状分析器を介して測定された、製造された第1粒子の球形化度は0.96であった。
【0067】
[製造例2:第2粒子の製造]
平均粒径(D50)が7μmである人造黒鉛をピッチバインダー(pitch binder)と共に混合した後、3000℃で2時間熱処理することで、平均粒径(D50)が19μmである2次粒子構造の第2粒子を製造した。また、粒子形状分析器を介して測定された、製造された第2粒子の球形化度は0.89であった。
【0068】
[製造例3:第3粒子の製造]
平均粒径(D50)が7μmである天然黒鉛をピッチバインダー(pitch binder)と共に混合した後、3000℃で2時間熱処理することで、平均粒径(D50)が16μmである2次粒子構造の天然黒鉛を製造した。その後、回転式球形化装備を用いて前記天然黒鉛を球形化させることで、予備粒子を製造した。
【0069】
前記予備粒子を酸素雰囲気、400℃、0.1MPaの圧力、60m3/hの空気流量の条件で酸化処理することで、第2コアと第2シェルを含む第3粒子を製造した。
【0070】
製造された第3粒子において、第2コアの平均粒径(D50)が15.80μmであり、第2シェルの厚さは100nmであった。第2コアの平均粒径(D50)は粒度分析器(PSD)で測定され、前記第2シェルの厚さは透過電子顕微鏡(TEM)で測定された。また、粒子形状分析器を介して測定された、製造された第3粒子の球形化度は0.97であった。
【0071】
前記製造例1から3で製造された第1粒子、第2粒子及び第3粒子のそれぞれに対し、タップ密度、酸素原子の含量を測定して下記表1に示した。それぞれの測定方法は次の通りである。
【0072】
[タップ密度]
前記第1粒子、第2粒子、第3粒子をそれぞれ100mlのシリンダーに40g投入した後、1000回タップした後の粉体充填密度を測定した。
【0073】
[酸素原子の含量]
ONH835 Analyzer装備を用いて、前記第1粒子、第2粒子、第3粒子それぞれの試料2mgに対し、酸素原子の含量を測定した。
【0074】
【0075】
[実施例1:負極の製造]
前記製造例1で製造された第1粒子1g、及び前記製造例2で製造された第2粒子9gでなる活物質粒子、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を95.3:1.0:1.2:2.5の重量比で蒸留水に添加及び混合することで、混合物固形分45%の負極スラリーを製造した。前記負極スラリーを厚さが20μmである銅集電体に260mg/25cm2のローディングで塗布及び乾燥することで、予備電極を製造した。この際、循環される空気の温度は70℃であった。次いで、予備電極を圧延(roll press)し、130℃の真空オーブンで12時間乾燥させた後、1.4875cm2のコインセルサイズに打ち抜いて負極を製造した。
【0076】
[実施例2:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例1で製造された第1粒子3g及び前記製造例2で製造された第2粒子7gでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0077】
[実施例3:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例1で製造された第1粒子2g、前記製造例2で製造された第2粒子6g、前記製造例3で製造された第3粒子2gでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0078】
[比較例1:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例1で製造された第1粒子10gのみでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0079】
[比較例2:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例2で製造された第2粒子10gのみでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0080】
[比較例3:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例1で製造された第1粒子7g、及び前記製造例2で製造された第2粒子3gでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0081】
[比較例4:負極の製造]
実施例1の活物質粒子の代わりに、前記製造例1で製造された第1粒子0.2g、及び前記製造例2で製造された第2粒子9.8gでなる活物質粒子を用いたことを除いては、同一の方法で負極を製造した。
【0082】
[実験例1:電極接着力の評価]
実施例1から3及び比較例1から4の負極それぞれに対し、前記負極を10mm×150mmに打ち抜き、26mm×76mmのスライドガラスの中央部にテープを用いて固定させた後、UTMを用いて負極集電体を剥離しつつ180度の剥離強度を測定した。評価は、5個以上の剥離強度を測定し平均値で決めた。これを下記表2に示した。
【0083】
[実験例2:サイクル特性の評価]
実施例1から3及び比較例1から4の負極それぞれに対し、25℃で0.8Cの定電流(CC)で4.25Vになるまで充電し、その後、定電圧(CV)で充電し、充電電流が0.005C(cut‐off current)になるまで1回目の充電を行った。以後、20分間放置した後、0.8Cの定電流(CC)で2.5Vになるまで放電した。これを1から50回のサイクルで繰り返して行い、容量維持率を評価し、その結果を下記表2に示した。
【0084】
前記実験例1及び2の結果を下記表2に示した。
【0085】
【0086】
これによれば、第1粒子と第2粒子を1:9、1:2.33で用いた実施例1及び実施例2の負極と、第1粒子、第2粒子及び第3粒子を1:3:1で用いた実施例3の負極との電極接着力が、1:1から1:9の範囲を外れた重量比を満たす比較例1から4の負極の電極接着力より高いことが分かる。さらに、実施例1から3の容量維持率も比較例1から4より高いことを確認できる。
【0087】
さらに、第3粒子を適した含量で含んだ実施例3は、実施例1及び2に比べても電極接着力及び容量維持率が高いことを確認できる。