IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオダイン カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図1
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図2
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図3
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図4
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図5
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図6
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図7
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図8
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図9
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図10
  • 特許-子宮検診のための剥離細胞採取装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】子宮検診のための剥離細胞採取装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
A61B10/02 140
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021528985
(86)(22)【出願日】2020-01-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 KR2020000003
(87)【国際公開番号】W WO2020171371
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0020610
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518425449
【氏名又は名称】バイオダイン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BIODYNE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】24-4,Achasan-ro 5-gil,Seongdong-gu,Seoul 04793, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イム、ウク ビン
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-149860(JP,A)
【文献】特表2008-534005(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0138064(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮検診のために、女性の子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するための装置であって、
子宮頸部内に挿入される挿入ブラシ(111)と、
前記挿入ブラシの後端部に結合され、前記挿入ブラシの長さ方向に沿って前後にストロークされる離脱予定ロッド(120)と、
前記離脱予定ロッドの後端部が出入りできるように、中空形状からなり、前記離脱予定ロッドの前後のストロークを案内する外筒部材(130)と、
前記外筒部材の先端部を包み込む形で、前記外筒部材の先端部に着脱可能に結合されるホルダー部材(112)と、
子宮頸部の内外部とその周辺の形状に適合するように、その一端部が前記ホルダー部材に結合され、その他端部は、前記挿入ブラシの後端部に結合され、前記ホルダー部材の周方向に沿って複数取り付けられ、前記離脱予定ロッドの前方ストロークに連動して徐々に広がって漸進的な前後方の拡張を示し、前記離脱予定ロッドの後方ストロークに連動して徐々に折り畳まれて漸進的な横方向の拡張を示すテンションブラシ(113)と、
前記外筒部材の内側に挿入された状態で、前記離脱予定ロッドの後端部に着脱可能に結合され、前記外筒部材の長さ方向に沿う前後のストロークに伴い、前記離脱予定ロッドを前後にストロークさせる可動ロッド(140)と、
前記可動ロッドの後端部に結合された状態で、ユーザの操作によって前記外筒部材の後端部から前記外筒部材の内外部を出入りすることにより、前記可動ロッドを前後にストロークさせる加圧ブロック(141)と、
前記可動ロッドの側部に上下方向に長く結合された状態で、前記外筒部材の内壁を加圧することにより、前記可動ロッドの自然な前後の移動を阻止して前記可動ロッドの現在位置を固定させるテンション加圧部材(150)と、
前記可動ロッドに突設されたロッドストッパ(171)と、
前記ロッドストッパに比べて相対的に前方の位置で前記外筒部材の内壁に内向き突設された外筒ストッパ(172)と、
前記外筒部材の内側において前記ロッドストッパ(171)と前記外筒ストッパ(172)との間に配置され、両端部がそれぞれ前記ロッドストッパ(171)と前記外筒ストッパ(172)に当接するバネを備えて、前記外筒ストッパ(172)を基準に前記ロッドストッパ(171)を加圧することにより、前記可動ロッド(140)が継続して後方移動力を示すように、前記可動ロッド(140)に対する後方弾性力を提供する後方加圧部材(160)と、
前記外筒部材に取り付けられた状態で、前記外筒部材の内壁から前記可動ロッドの先端部をプッシュするプッシュ離脱部材(180)と、
前記ホルダー部材に結合される前記外筒部材の先端部に備えられ、前記ホルダー部材の内側に滑動する際に弾性力によって前記ホルダー部材の内側にフックされた形で嵌められ、前記離脱予定ロッドの前方ストロークによる前記テンションブラシの前記前後方の拡張構造を経て、前記離脱予定ロッドの連続する前方ストロークの際に、前記ホルダー部材から離脱されるテンションフック部材(190)と、
を含んで構成されている、子宮検診のための剥離細胞採取装置。
【請求項2】
前記可動ロッド(140)が、
フック着脱可能なように、その前端部が折れて形成された第1の係止フック(142)を備え、
前記離脱予定ロッド(120)が、
前記第1の係止フック(142)と相互にフック着脱可能なように、その後端部が折れて形成された第2の係止フック(121)と、
前記第2の係止フックに隣接するその本体の周囲に沿って、前記外筒部材の内壁に当接するように突設され、前記離脱予定ロッドの前後のストロークを案内する案内リブ(122)と、
を備え、
前記プッシュ離脱部材(180)が、前記可動ロッド(140)の前方最大ストローク状態で、前記第1の係止フック(142)に隣接するように前記外筒部材に取り付けられ、自分に対するユーザのプッシュ操作に対応して前記可動ロッドの先端部をプッシュすることにより、前記第2の係止フック(121)から前記第1の係止フック(142)を離脱させるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の子宮検診のための剥離細胞採取装置。
【請求項3】
前記外筒部材(130)が、
前記テンション加圧部材に隣接する前記外筒部材の長さ方向に沿って、その本体の内外部を貫通する複数の係止穴(131)と、
前記複数の係止穴に対して相対的に前記ホルダー部材側に位置するように、その本体の長さ方向に沿って内外部を長く貫通する係止スロット(132)と、
を備え、
前記テンション加圧部材(150)が、
前記外筒部材の内壁に密着する方向に、前記複数の係止穴に対応する位置に前記テンション加圧部材の長さ方向に沿って突設され、前記テンション加圧部材の弾性力によって前記複数の係止穴にそれぞれ嵌り、前記可動ロッドの前後のストロークに応じて前記複数の係止穴のうち嵌る係止穴の位置を変えることのできる複数の位置調整係止突起(151)と、
前記複数の位置調整係止突起に比べて相対的に前記ホルダー部材側に位置するように、前記テンション加圧部材の長さ方向に沿って突設され、前記テンション加圧部材の弾性力によって前記係止スロットに嵌り、前記位置調整係止突起よりも相対的により突設されることにより、前記係止スロットに嵌った状態で、ユーザの操作によって押される場合、前記位置調整係止突起の前記係止穴に対する位置変更が可能なようにする加圧係止突起(152)と、
を備えることを特徴とする、請求項2に記載の子宮検診のための剥離細胞採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子宮検診のために、子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取する装置に関する技術である。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、女性の子宮頸部とその周辺に接触するブラシを挿入ブラシとテンションブラシに分け、ユーザの操作でテンションブラシの形状を段階的に変形させて、子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するに当たり、子宮頸部とその周辺の現状に応じて、使い勝手を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、子宮の健康状態を検診するために、子宮頸部とその周辺から剥離細胞を採取し、それを検査する方法が用いられる。
【0004】
ここで、子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するに当たって、今後は、ユーザが自分で採取ブラシ(例えば、使い捨てブラシ)を利用して自分の子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取した後、その採取した内容物とその内容物が付着している採取ブラシの一部の構成(例えば、ブラシ部分)を、例えば、バイアルに入れて検査機関(例えば、病院)に送り、検査を依頼することもあるはずである。
【0005】
そのとき、ユーザが直接用いることになる採取ブラシの特性上、使い勝手の良さと使用上の安全性が保たれていなければならない。
【0006】
まず、図1は、子宮と子宮頸部の周辺を簡単に示す図である。図1を参照すると、膣内部から子宮内部に進入する境界部分には、相対的に狭い通路である子宮頸部(cervix)があり、その子宮頸部(cervix)から子宮内部側に内子宮口(internal os)があり、子宮頸部(cervix)から膣内部側には、子宮頸膣部(ectocervix)がある。また、子宮頸部(cervix)においても、膣内部から子宮内部側に向かって、順に外子宮口(external os)、子宮頸内膜(endocervix)、子宮頸管(endocervical canal)が位置する。
【0007】
図1における子宮頸部(cervix)とその周辺の名称は、子宮検診の際に子宮頸部(cervix)とその周辺の複数の部位を検診対象にして剥離細胞を採取するとき、採取ブラシがその位置を移動しながら採取することもあることを説明するために各位置を命名したものに過ぎず、その部位を医学的に特定するものではないことに留意されたい。
【0008】
図1を参照すると、子宮頸部(cervix)とその周辺の形状は、生物学的な年齢によってもその形状が変化し、健康状態によってもその形状が変化するが、一例として、若い女性であると、子宮頸膣部(ectocervix)が高齢の女性に比べて相対的に広く、膣内部から子宮内部に至る子宮頸部(cervix)の長さも高齢の女性に比べて相対的に広く短い。
【0009】
その結果、子宮頸部(cervix)とその周辺の剥離細胞の採取に当たっても、採取ブラシの形は様々な規格で用意される必要がある。
【0010】
そのとき、ユーザが直接自分の膣内に採取ブラシを挿入した状態で、子宮頸部とその周辺の形状に適した採取ブラシの形を知るためには、複数の採取ブラシを消費しなければならないといった欠点がある。
【0011】
これらの欠点を克服するためには、例えば、ユーザの子宮頸部(cervix)やその周辺の現状(例えば、年齢、健康状態)に応じて、ブラシ部分の形状を変更することにより、様々な状況(例えば、年齢の高低、健康状態の変化)下でも子宮頸部(cervix)とその周辺の剥離細胞をスムーズに採取することができる。
【0012】
また、子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するためには、採取ブラシを膣内に挿入することになるが、その採取ブラシが膣内に挿入された状態で、一部の構成(例えば、ブラシ部分)が外れてしまる問題(例えば、危険な状況)が発生する可能性があるため、ユーザが意図していない状況では、そのブラシ部分が離脱されないようにする安全装置も必要である。
【0013】
故に、ユーザの操作によって採取ブラシの形を変更できることはもちろん、その採取ブラシの一部の構成が、ユーザの意図とは関係なく膣内で離脱されてしまうことを防止する安全装置を採用する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記点に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、女性の膣内外に接触されるブラシを挿入ブラシとテンションブラシに分け、ユーザの操作でテンションブラシの形状を段階的に変形させることによって子宮頸部とその周辺の現状(例えば、子宮頸部の形)に応じて、使い勝手を向上させる子宮検診のための剥離細胞採取装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、子宮頸部とその周辺の現状に対応して接触面積を広げることにより、十分な量の検体用剥離細胞を採取することができる子宮検診のための剥離細胞採取装置を提供することにある。
【0016】
さらに、本発明の目的は、挿入ブラシとテンションブラシが膣内に挿入された状態で、ユーザの意図とは関係なく膣内で一部の構成が離脱されてしまうことを防止することができる子宮検診のための剥離細胞採取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するために、本発明は、子宮検診のために、女性の子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するための装置であって、子宮頸部内に挿入される挿入ブラシ(111)と、挿入ブラシの後端部に結合され、挿入ブラシの長さ方向に沿って前後にストロークされる離脱予定ロッド(120)と、離脱予定ロッドの後端部が出入りできるように、中空形状からなり、離脱予定ロッドの前後のストロークを案内する外筒部材(130)と、外筒部材の先端部を包み込む形で、外筒部材の先端部に着脱可能に結合されるホルダー部材(112)と、子宮頸部の内外部とその周辺の形状に適合するように、その一端部がホルダー部材に結合され、その他端部は、挿入ブラシの後端部に結合され、ホルダー部材の周方向に沿って複数取り付けられ、離脱予定ロッドの前方ストロークの際に、ホルダー部材を基準に離脱予定ロッドの前方ストロークに連動して徐々に広がることで漸進的な前後方の拡張構造を示し、離脱予定ロッドの後方ストロークの際に、ホルダー部材を基準に後方ストロークに連動して徐々に折り畳まれることで漸進的な横方向の拡張構造を示すテンションブラシ(113)と、外筒部材の内側に挿入された状態で、離脱予定ロッドの後端部に着脱可能に結合され、外筒部材の長さ方向に沿う前後のストロークに伴い、離脱予定ロッドを前後にストロークさせる可動ロッド(140)と、可動ロッドの後端部に結合された状態で、ユーザの操作によって外筒部材の後端部から外筒部材の内外部を出入りすることにより、可動ロッドを前後にストロークさせる加圧ブロック(141)と、可動ロッドの側部に上下方向に長く結合された状態で外筒部材の内壁を加圧することにより、可動ロッドの自然な前後の移動を阻止して可動ロッドの現在位置を固定させるテンション加圧部材(150)と、を含んで構成されている。
【0018】
ここで、外筒部材(130)は、テンション加圧部材に隣接する外筒部材の長さ方向に沿って、その本体の内外部を貫通する複数の係止穴(131)と、複数の係止穴に対して相対的にホルダー部材側に位置するように、その本体の長さ方向に沿って内外部を長く貫通する係止スロット(132)と、を備え、テンション加圧部材(150)は、外筒部材の内壁に密着する方向に、複数の係止穴に対応する位置にテンション加圧部材の長さ方向に沿って突設され、テンション加圧部材の弾性力によって複数の係止穴にそれぞれ嵌り、可動ロッドの前後のストロークに応じて複数の係止穴のうち嵌る係止穴の位置を変えることのできる複数の位置調整係止突起(151)と、複数の位置調整係止突起に比べて相対的にホルダー部材側に位置するように、テンション加圧部材の長さ方向に沿って突設され、テンション加圧部材の弾性力によって係止スロットに嵌り、位置調整係止突起よりも相対的により突設されることにより、係止スロットに嵌った状態で、ユーザの操作によって押される場合、位置調整係止突起の係止穴に対する位置変更が可能なようにする加圧係止突起(152)と、を備え、外筒部材の内側において可動ロッドを包み込む形で可動ロッドに結合されることにより、可動ロッドが継続して後方移動力を示すように可動ロッドに対する後方弾性力を提供する後方加圧部材(160)と、をさらに含んで構成されてもよい。
【0019】
そして、後方加圧部材の後端部に対応する可動ロッドの外壁に突設され、可動ロッドの後方加圧部材の後方移動を阻止するロッドストッパ(171)と、後方加圧部材の前端部に対応して可動ロッドが位置する外筒部材の内壁に内向き突出されることによって、外筒部材に対する後方加圧部材の前方移動を阻止する外筒ストッパ(172)と、をさらに含んで構成され、後方加圧部材が外筒ストッパを基準にロッドストッパを加圧することにより、可動ロッドが継続して後方移動力を示すように構成されてもよい。
【0020】
また、可動ロッド(140)は、離脱予定ロッドと相互フックされた形で着脱可能に結合されるように、その前端部が折れて形成された第1の係止フック(142)を備え、離脱予定ロッド(120)は、第1の係止フックと相互フックされた形で着脱可能に結合されるように、その後端部が折れて形成された第2の係止フック(121)と、第2の係止フックに隣接するその本体の周囲に沿って、外筒部材の内壁に当接するように突設され、離脱予定ロッドの前後のストロークを案内する案内リブ(122)と、を備えてもよい。
【0021】
一方、可動ロッドの前方最大ストロークの際に第1の係止フックに隣接する外筒部材に取り付けられ、外筒部材の内壁から可動ロッドの先端部をプッシュすることにより、第2の係止フックから第1の係止フックを離脱させるプッシュ離脱部材(180)をさらに含んで構成されてもよい。
【0022】
さらに、ホルダー部材に結合される外筒部材の先端部に備えられ、ホルダー部材の内側に滑動する際に弾性力によってホルダー部材の内側にフックされた形で嵌められ、離脱予定ロッドの前方ストロークによるテンションブラシの前後方の拡張構造を経て、離脱予定ロッドの連続する前方ストロークの際に、ホルダー部材から離脱されるテンションフック部材(190)をさらに含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、外筒部材の係止穴と係止スロット、テンション加圧部材の位置調整係止突起と加圧係止突起を備えることにより、子宮頸部とその周辺の現状に応じて、ユーザの操作でテンションブラシの形状を段階的に変形させることができるという利点を示す。
【0024】
また、本発明は、子宮頸部とその周辺の現状に対応して、テンションブラシの形状を段階的に調整することにより、子宮頸部とその周辺との接触面積を十分に広げることができるので、それによって十分な量の検体用剥離細胞を効果的に採取することができるという利点を示す。
【0025】
また、本発明は、テンションブラシの形状が前後方の拡張構造及び側方向の拡張構造に変わることができるように立体的に形成されることによって、ユーザがそのテンションブラシを用いて検体用剥離細胞を採取するに当たり、その回転角度(例えば、90度)を少なくしても、十分な量を採取することができるので、ユーザが感じる痛みを最低限に抑えることができるという利点も示す。
【0026】
また、本発明は、挿入ブラシとテンションブラシを併せて備えることにより、ユーザが検体用剥離細胞を採取する一回の動作により、子宮頸部及び子宮内部の内膜からも同時に採取ができるという利点も示す。
【0027】
さらに、本発明は、可動ロッドの第1の係止フックと離脱予定ロッドの第2の係止フックが相互フックされた形で係止されて結合されることで、プッシュ離脱部材が操作されるまでは、可動ロッドが十分前方に移動した場合でも、離脱予定ロッドが可動ロッドから離脱されることなく安定して結合されているという利点を示す。
【0028】
また、本発明は、プッシュ離脱部材の操作によって可動ロッドから離脱予定ロッドが分離されるため、剥離細胞サンプルの汚染を防止することができるという利点も示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】子宮と子宮頸部の周辺を簡単に示す図である。
図2】本発明の可動ロッドが最後方に移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図である。
図3図2の可動ロッドが前方に1段階移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図である。
図4図3の可動ロッドが前方に1段階移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図である。
図5図4の可動ロッドが前方に移動してホルダー部材がテンションフック部材から離脱された状態で、第2の係止フックが第1の係止フックに係り、離脱予定ロッドと可動ロッドが結合された状態を示す図である。
図6図5においてプッシュ離脱部材を操作し、第1の係止フックから第2の係止フックが分離された状態を示す図である。
図7図6の外筒部材からホルダー部材と離脱予定ロッドが完全に分離された状態を示す図である。
図8図1図2の状態の剥離細胞採取装置が適用された状態を示す例示図である。
図9図1図4の状態の剥離細胞採取装置が適用された状態を示す例示図である。
図10】本発明のテンションブラシの形状を調節する様子を示す図である。
図11】本発明において前端部を分離してバイアルに投入する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。
【0031】
図2は、本発明の可動ロッドが最後方に移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図であり、図3は、図2の可動ロッドが前方に1段階移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図であり、図4は、図3の可動ロッドが前方に1段階移動した状態を示す例示図とその一部を拡大した図であり、図5は、図4の可動ロッドが前方に移動してホルダー部材がテンションフック部材から離脱された状態で、第2の係止フックが第1の係止フックに係り、離脱予定ロッドと可動ロッドが結合された状態を示す図である。
【0032】
図2ないし図5を参照すると、本発明は、子宮検診のために、女性の子宮頸部とその周辺の剥離細胞を採取するための装置であって、挿入ブラシ111、離脱予定ロッド120、外筒部材130、ホルダー部材112、テンションブラシ113、可動ロッド140、加圧ブロック141、テンション加圧部材150、後方加圧部材160、ロッドストッパ171、外筒ストッパ172、プッシュ離脱部材180、及びテンションフック部材190を含んで構成されてもよい。
【0033】
挿入ブラシ111は、子宮頸部の内側に挿入される部分であり、図2ないし図5に示すように、好ましくは、細長く真っすぐ伸びた形で構成されてもよい。
【0034】
離脱予定ロッド120は、図2ないし図5に示すように、その先端部が挿入ブラシ111の後端部に結合され、その後端部は可動ロッド140に結合され、可動ロッド140の前後のストロークに連動して挿入ブラシ111の長さ方向に沿って前後にストロークされてもよい。
【0035】
外筒部材130は、図2ないし図5に示すように、離脱予定ロッド120の後端部が出入りできるように、中空形状からなり、離脱予定ロッド120の前後のストロークを案内してもよい。
【0036】
ホルダー部材112は、図2ないし図5に示すように、環状からなり、外筒部材130の先端部を包み込む形で外筒部材130の先端部に着脱可能に結合されてもよい。
【0037】
テンションブラシ113は、図2ないし図5に示すように、子宮頸部の内外部とその周辺の形状に適合するように、その一端部がホルダー部材112に結合され、その他端部は、挿入ブラシ111の後端部に結合され、ホルダー部材112の周方向に沿って複数取り付けられてもよい。
【0038】
テンションブラシ113は、図2から図4に至るまで、離脱予定ロッド120の前方ストロークが発生する場合、ホルダー部材112を基準に離脱予定ロッド120の前方ストロークに連動して徐々に広がることで、図2から図4に至るまで漸進的な前後方の拡張構造を示してもよい。
【0039】
テンションブラシ113は、図4から図2に至るまで、離脱予定ロッド120の後方ストロークが発生する場合、ホルダー部材112を基準に後方ストロークに連動して徐々に折り畳まれることで、図4から図2に至るまで漸進的な横方向の拡張構造を示してもよい。
【0040】
ここで、図2に示すように、テンションブラシ113の形状が横方向に大きく拡張された場合、テンションブラシ113は、膣内部から子宮内部側に向かう子宮頸部の入り口周辺にある剥離細胞を採取するのに適した構造を示す。
【0041】
そして、図4に示すように、テンションブラシ113の形状が前後方向に大きく拡張された場合、テンションブラシ113は、先端部が子宮頸部の内側に進入することができるので、子宮頸部の内側の入り口部分に位置する剥離細胞を採取するのに適した構造を示す。
【0042】
可動ロッド140は、図2ないし図5に示すように、外筒部材130の内側に挿入された状態で離脱予定ロッド120の後端部に着脱可能に結合され、ユーザの操作により、外筒部材130の長さ方向に沿う前後のストロークに伴い、離脱予定ロッド120を前後にストロークさせる。
【0043】
加圧ブロック141は、図2ないし図5に示すように、可動ロッド140の後端部に結合され、自分に対するユーザのプッシュ操作に応じて、外筒部材130の後端部から外筒部材130の内外部を出入りすることにより、可動ロッド140を前後にストロークさせる。
【0044】
テンション加圧部材150は、図2ないし図5に示すように、可動ロッド140の側部に上下方向に長く結合された状態で外筒部材130の内壁を加圧することにより、可動ロッド140の自然な前後の移動を阻止して可動ロッド140の現在位置を固定する。
【0045】
後方加圧部材160は、図2ないし図5に示すように、バネが採用されてもよい。後方加圧部材160は、外筒部材130の内側で可動ロッド140を包み込む形で可動ロッド140に結合され、可動ロッド140が継続して後方移動力を示すよう可動ロッド140に後方弾性力を提供する。
【0046】
ここで、後方加圧部材160の弾性力に連動してテンション加圧部材150が外筒部材130の長さ方向に沿って動きながら可動ロッド140の現在位置を固定できるように、好ましくは、外筒部材130は、係止穴131と係止スロット132を備えてもよく、テンション加圧部材150は、位置調整係止突起151と加圧係止突起152を備えてもよい。
【0047】
まず、係止穴131は、図2ないし図4に示すように、テンション加圧部材150に隣接する外筒部材130の長さ方向に沿って外筒部材130の内外部を貫通する複数の穴で構成されてもよい。
【0048】
係止スロット132は、図2ないし図4に示すように、複数の係止穴131に対して相対的にホルダー部材112側に位置するように、外筒部材130の長さ方向に沿って内外部を長く貫通するスロット状に構成されてもよい。
【0049】
そして、位置調整係止突起151は、図2ないし図4に示すように、外筒部材130の内壁に密着する方向であり、複数の係止穴131に対応する位置にテンション加圧部材150の長さ方向に沿って突設されてもよい。
【0050】
位置調整係止突起151は、図2ないし図4に示すように、複数備えられ、テンション加圧部材150の弾性力によって複数の係止穴131にそれぞれ嵌り、ユーザの操作による可動ロッド140の前後のストロークに応じて複数の係止穴131のうち嵌る係止穴131の位置を変えることができる。
【0051】
例えば、図2から図4に至るまで、位置調整係止突起151が嵌る係止穴131の位置が変わったり、あるいは、図4から図2に至るまで、位置調整係止突起151が嵌る係止穴131の位置が変わってもよい。
【0052】
加圧係止突起152は、図2ないし図4に示すように、複数の位置調整係止突起151に比べて相対的にホルダー部材112側に位置するようにテンション加圧部材150の長さ方向に沿って突設されてもよい。
【0053】
加圧係止突起152は、図2ないし図4に示すように、テンション加圧部材150の弾性力によって係止スロット132に嵌り、位置調整係止突起151よりも相対的に一層突設されることにより、係止スロット132に嵌った状態で、ユーザの操作によって押される場合、位置調整係止突起151の係止穴131に対する位置変更が可能である。
【0054】
ロッドストッパ171は、図2ないし図5に示すように、後方加圧部材160の後端部に対応する可動ロッド140の外壁に突設されて可動ロッド140に対する後方加圧部材160の後方移動を阻止する。
【0055】
ここで、ロッドストッパ171は、図2ないし図5に示すように、その縁が外筒部材130の内壁に当接するように構成されることで、外筒部材130の内側において可動ロッド140が前後にストロークされるとき、可動ロッド140が左右に揺れることなく前後に動けるようになる。
【0056】
外筒ストッパ172は、後方加圧部材160の前端部に対応して可動ロッド140が位置する外筒部材130の内壁に内向き突出されることにより、外筒部材130に対する後方加圧部材160の前方移動を阻止する。
【0057】
ロッドストッパ171と外筒ストッパ172により、後方加圧部材160が外筒ストッパ172を基準にロッドストッパ171を加圧することで、可動ロッド140が後方に継続的な弾性力を示すことができる。
【0058】
一方、図2ないし図5を参照すると、可動ロッド140は、第1の係止フック142を備え、離脱予定ロッド120は、第2の係止フック121と案内リブ122を備えてもよい。
【0059】
第1の係止フック142は、離脱予定ロッド120と相互フックされた形で着脱可能に結合されるように、図2ないし図5に示すように、その前端部が横方向に折れて形成されてもよい。
【0060】
第2の係止フック121は、第1の係止フック142と相互フックされた形で着脱可能に結合されるように、図2ないし図5に示すように、その後端部が横方向に折れて形成されてもよい。
【0061】
案内リブ122は、図2ないし図5に示すように、第2の係止フック121に隣接するその本体の周囲に沿って、外筒部材130の内壁に当接するように突設され、離脱予定ロッド120の前後のストロークを案内する。
【0062】
つまり、案内リブ122は、図2ないし図5に示すように、その縁が外筒部材130の内壁に当接するように構成されることで、外筒部材130の内側において離脱予定ロッド120が前後にストロークされるとき、離脱予定ロッド120が左右に揺れることなく前後に動けるようになる。
【0063】
プッシュ離脱部材180は、好ましくは、図2ないし図5に示すように、可動ロッド140が前方に最大ストロークされたとき、第1の係止フック142に隣接する外筒部材130に取り付けられてもよい。
【0064】
プッシュ離脱部材180は、ユーザのプッシュ操作に応じて外筒部材130の内壁から可動ロッド140の先端部をプッシュすることにより、第2の係止フック121から第1の係止フック142を離脱させる。
【0065】
テンションフック部材190は、好ましくは、図5に示すように、ホルダー部材112に結合されている外筒部材130の先端部に備えられてもよい。
【0066】
テンションフック部材190は、ホルダー部材112の内側に滑動する際に、図2ないし図4に示すように、弾性力によってホルダー部材112の内側にフックされた形で嵌められ、離脱予定ロッド120の前方ストロークによるテンションブラシ113の前後方の拡張構造を経て、離脱予定ロッド120の連続する前方ストロークの際に、図5に示すように、ホルダー部材112から離脱されてもよい。
【0067】
一方、本発明に係る剥離細胞採取装置の販売包装のためには、図4に示すように、テンションブラシ113が前後方の拡張構造を示すように配置させてもよい。
【0068】
また、ユーザが本発明に係る剥離細胞採取装置を購入した後に用いるときは、まず、加圧係止突起152をプッシュすることにより、後方加圧部材160の弾性力で外筒部材130の内側のテンション加圧部材150が図2のように配置され、テンションブラシ113もまた、図2に示すような形を示すようになる。
【0069】
次いで、ユーザは、外筒部材130を把持した状態で、加圧ブロック141を図2から図4に至るまで段階的に加圧しながら、子宮頸部とその周辺の現状に対応してテンションブラシ113の形状を変化させる。
【0070】
図6は、図5においてプッシュ離脱部材を操作し、第1の係止フックから第2の係止フックが分離された状態を示す図であり、図7は、図6の外筒部材からホルダー部材と離脱予定ロッドが完全に分離された状態を示す図である。
【0071】
まず、図5に示すように、離脱予定ロッド120の前方ストロークによるテンションブラシ113の前後方の拡張構造を経て、離脱予定ロッド120の連続する前方ストロークに応じて、図5に示すように、テンションフック部材190がホルダー部材112から離脱されても、外筒部材130の内側では第1の係止フック142と第2の係止フック121が相互フックの形で結合された状態であるため、可動ロッド140の先端部に離脱予定ロッド120が結合された状態を維持する。
【0072】
そのとき、図6に示すように、プッシュ離脱部材180に対するユーザのプッシュ操作が発生すると、第2の係止フック121と噛み合っていた第1の係止フック142が横方向に動くことで、離脱予定ロッド120が可動ロッド140から離脱される。
【0073】
その結果、図7に示すように、挿入ブラシ111、テンションブラシ113、ホルダー部材112、及び離脱予定ロッド120が一体に結合された状態で、外筒部材130から取り外される。
【0074】
図8は、図1図2の状態の剥離細胞採取装置が適用された状態を示す例示図である。図1及び図8を参照すると、テンションブラシ113が、図8に示すように横方向に広く拡張された場合には、テンションブラシ113が子宮頸膣部(ectocervix)に相対的に広く接触され、挿入ブラシ111は、子宮頸部(cervix)の内側に浅く挿入される構造を示す。
【0075】
この場合は、若い女性に適合するようにテンションブラシ113と挿入ブラシ111が変形された形態であって、テンションブラシ113は、子宮頸膣部(ectocervix)部分の剥離細胞を相対的に多く採取することができ、挿入ブラシ111は、子宮頸部(cervix)の子宮頸内膜(endocervix)と外子宮口(external os)部分の剥離細胞を集中的に採取することができる。
【0076】
図9は、図1図4の状態の剥離細胞採取装置が適用された状態を示す例示図である。図1及び図9を参照すると、テンションブラシ113が、図9に示すように前後方向に長く拡張された場合には、子宮頸部(cervix)内で、テンションブラシ113が子宮の内部に向かってより奥まで挿入されることで、テンションブラシ113が子宮頸部(cervix)内の剥離細胞を、図8の場合よりも相対的により効果的に採取することができる。
【0077】
そのとき、挿入ブラシ111は、その構造上、その先端部が子宮頸部(cervix)を貫通して、子宮内部の入り口に対応する内子宮口(internal os)まで挿入される。
【0078】
この場合は、高齢の女性に適合するようにテンションブラシ113と挿入ブラシ111が変形された形態であって、テンションブラシ113は、子宮頸膣部(ectocervix)部分よりは、子宮頸部(cervix)の内側に位置する剥離細胞を集中に採取することができ、挿入ブラシ111は、子宮頸部(cervix)を貫通して、子宮内部の入り口に対応する内子宮口(internal os)の剥離細胞まで採取することができる。
【0079】
このように、挿入ブラシ111とテンションブラシ113を併せて備えることで、ユーザが検体用剥離細胞を採取する一回の動作により、子宮頸部及び子宮内の内膜からも同時に採取することができる。
【0080】
図10は、本発明のテンションブラシ113の形状を調節する様子を示す図であり、図11は、本発明の剥離細胞採取装置から前端部111,113を分離してバイアルに投入する様子を示す図である。
【0081】
本発明は、子宮頸部の複数の箇所から剥離細胞を容易に採取できる装置の構造を提示することが課題である。子宮検診のためには、子宮頸部の外部と膣内部から剥離細胞を採取する必要があるが、これらの部位は、採取環境が全く異なるため、従来では別々の採取道具を用いるのが一般的であったが、これはかなり不便な方式であった。それに対して、本発明は、一つの装置で複数の箇所から剥離細胞を採取することができる装置の構造を採用した。
【0082】
そのために、剥離細胞の採取部分が横に膨らんだ形になるように、あるいは逆に細長い形になるように、ユーザが調節できるように構成している。図10を参照すると、可動ロッド140が最も後方に位置するときには、テンションブラシ113が横に膨らんだ形になり、可動ロッド140を前方に押すことにより、テンションブラシ113は、徐々に細長い形になる。
【0083】
まず、ユーザは、テンションブラシ113を横に膨らんだ形にした状態で、子宮頸部の外部を接触させて、その箇所の剥離細胞を採取することができる。次いで、体内から剥離細胞を採取するときは、可動ロッド140を前方に押してテンションブラシ113を適当に細長い形にした後、体内に押し込むことができる。
【0084】
以上の操作方式により、本発明に係る剥離細胞採取装置の前段部、具体的には、挿入ブラシ111とテンションブラシ113には、ユーザから採取した剥離細胞が付着される。その次には、このように剥離細胞が付着している部分を採取装置本体から分離し、バイアルに入れる過程が続く。
【0085】
ところで、剥離細胞採取装置の前段部を本体から分離してバイアルに入れる過程は、かなり慎重に扱われなければならない。その採取された剥離細胞が汚染されないように、ユーザの手に触れることなく直ちにバイアルの内部に落とさなければならないが、一般的にバイアルの入り口はかなり狭いので、床に落とす虞がある。このような点を考慮して、本発明では、前段部を本体から分離させるときには、テンションブラシ113が最も細長い形になるように構成した。
【0086】
図11を参照すると、剥離細胞採取装置の前段部が本体から分離される際に、(a)のようにテンションブラシ113が細長い状態でなければ、バイアルの内部に安全に投入することができない。逆に、(b)のようにテンションブラシ113が横に膨らんだ状態で本体から分離されると、バイアルの入り口に引っ掛かる危険性が高くなる。バイアルの入口で接触による汚染が発生する虞もあり、ユーザの操作の仕方によっては、バイアルの外に飛び出して完全に使えなくなることもある。そこで、本発明は、前段部を本体から分離させるときには、テンションブラシ113が細長い形になるように構成した。
【0087】
だが、テンションブラシ113が細長くなっている状態では、本発明において、ユーザの体内に挿入されている状況とも重なってしまうという問題がある。ユーザが体内の剥離細胞を採取する過程でやや不注意に操作するだけで、剥離細胞採取装置がユーザの体内に挿入されている状態で、前端部が本体から取り外されてしまう危険な状況が発生する可能性がある。
【0088】
そこで、本発明は、このような状況が発生することなく、ユーザが剥離細胞採取装置を使用する上での安全性を保つための構成が工夫されている。特に、後方加圧部材160は、ロッドストッパ171と外筒ストッパ172との協調動作により、可動ロッド140に対する後方弾性力を提供することで、可動ロッドに継続して後方に移動する力を与えるように構成されている。それにより、剥離細胞採取装置の前段部が前方にストロークして本体から分離され得る条件を満たすためには、ユーザの明確な操作を必要とするように離脱条件が制限されている。また、離脱予定ロッド120とプッシュ離脱部材180との間に機構的な係止離脱条件を限定することにより、一般的な操作ミスでは前端部が本体から分離されないように構成されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11