(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】電源制御システム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
B60R16/02 645C
(21)【出願番号】P 2018012429
(22)【出願日】2018-01-29
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】梶本 友美
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-120403(JP,A)
【文献】特開2012-153166(JP,A)
【文献】特開2000-357363(JP,A)
【文献】特開2010-143318(JP,A)
【文献】特開2010-269625(JP,A)
【文献】特開2010-195197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00-16/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される電源制御システムであって、
前記自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段と、
自動車に搭載されたアクセサリ装置の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段と、
自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置に少なくとも前記システム電源がオンである期間中は供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを有し、
当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、
前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出しているか、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中でないことを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフし、
前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいることを検出しており、かつ、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中であることを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフしないことを特徴とする電源制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の電源制御システムであって、
前記アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記アクセサリ電源をオフしなかった場合に、その後、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中でないことを検出したときに、前記アクセサリ電源をオフすることを特徴とする電源制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のACC電源(アクセサリ電源)のオン/オフを制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の電源としては、エンジン等の自動車の走行システムの電源であるイグニッション電源と、カーオーディオ等自動車のアクセサリ装置用のACC電源(アクセサリ電源)とが設けられていることが一般的である。
【0003】
そして、自動車のACC電源のオン/オフを制御する技術としては、イグニッション電源のオフ時にACC電源をオフする自動車に、ACC電源のオフ後にも電源が供給される入力装置と制御部とを設け、入力装置において、ACC電源のオフ後にアクセサリ装置に対するユーザ操作を受け付けた場合に、制御部において、アクセサリ装置への電源の供給を制御する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術によれば、イグニッション電源のオフ時には、各アクセサリ装置への電源の供給は停止され、その後、ユーザ操作が発生した時点で、アクセサリ装置への電源供給が開始される。
【0006】
したがって、アクセサリ装置の動作は、イグニッション電源のオフ時に一旦途切れることとなり、当該アクセサリ装置に対する操作を行わなければ、アクセサリ装置の利用を再開することができない。
【0007】
そして、このために、イグニッション電源のオフ後も車内に残って、イグニッション電源のオフ前に利用していたアクセサリ装置の利用を継続したい搭乗者は、イグニッション電源のオフ後のアクセサリ装置の利用を行うために、アクセサリ装置への電源供給が停止されなければ行う必要のなかったアクセサリ装置に対する操作を行う必要があり煩雑である。
【0008】
そこで、本発明は、自動車の走行システム用の電源のオフ後も車内に残る搭乗者が、走行システム用の電源のオフ前に利用していたアクセサリ装置の利用を、煩雑な操作を要することなく、そのまま継続できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される電源制御システムとして、自動車の搭乗者による自動車に搭載されたアクセサリ装置の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置に少なくとも前記システム電源がオンである期間中は供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えたものである。ここで、当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中でないことを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフし、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中であることを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフしない。
【0010】
このような電源制御システムによれば、自動車の走行に用いられるシステム電源をオフするときに、自動車に搭乗者によってアクセサリ装置が利用中である場合には、アクセサリ電源をオフしないので、自動車に残った搭乗者は、特段の操作を行うことなく、システム電源のオフ以前に利用していたアクセサリ装置をそのまま継続して利用することができるようになる。
【0011】
また、本発明は、無人の自動運転を行うことのできる自動車に搭載される電源制御システムに、前記自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置に少なくとも前記システム電源がオンである期間中は供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えてものである。ここで、アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフし、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいることを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフしない。
【0012】
このような電源制御システムによれば、無人の自動運転を行う自動車の走行に用いられるシステム電源をオフするときに、自動車に搭乗者がいない場合にはアクセサリ電源をオフするが、自動車に搭乗者がいる場合には、アクセサリ電源をオフしないので、自動車に残った搭乗者は、特段の操作を行うことなく、システム電源のオフ以前に利用していたアクセサリ装置をそのまま継続して利用することができるようになる。
【0013】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される電源制御システムに、前記自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段と、自動車に搭載されたアクセサリ装置の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置に少なくとも前記システム電源がオンである期間中は供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えたものである。ここで、当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出しているか、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中でないことを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフし、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいることを検出しており、かつ、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中であることを検出している場合に、前記アクセサリ電源をオフしない。
【0014】
ここで、以上の電源制御システムは、前記アクセサリ電源制御手段において、システム電源のオフ時に、前記アクセサリ電源をオフしなかった場合に、その後、当該電源制御システムに備えた自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出したときに、前記アクセサリ電源をオフするように構成してもよい。
【0015】
また、以上の電源制御システムは、前記アクセサリ電源制御手段において、システム電源のオフ時に、前記アクセサリ電源をオフしなかった場合に、その後、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が前記アクセサリ装置を利用中でないことを検出したときに、前記アクセサリ電源をオフするように構成してもよい。
【0016】
このような電源制御システムによれば、自動車の走行に用いられるシステム電源をオフするときに、自動車に搭乗者によってアクセサリ装置が利用中である場合には、アクセサリ電源をオフしないので、自動車に残った搭乗者は、特段の操作を行うことなく、システム電源のオフ以前に利用していたアクセサリ装置をそのまま継続して利用することができるようになる。
【0017】
また、本発明は、前記課題達成のために、自動車に搭載される電源制御システムに、自動車の搭乗者による自動車に搭載された複数のアクセサリ装置の各々の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置のそれぞれに独立に供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えたものである。ここで、当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が利用中であることを検出している前記アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフせずに、当該搭乗者が利用中でないことを検出している各アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフする。
【0018】
また、本発明は、前記課題達成のために、自動車に搭載される電源制御システムに、前記自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段と、自動車の搭乗者による自動車に搭載された複数のアクセサリ装置の各々の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置のそれぞれに独立に供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えたものである。ここで、当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出している場合に、全ての前記アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフし、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいることを検出している場合に、前記利用状態検出手段が、自動車の搭乗者が利用中であることを検出している前記アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフせずに、前記利用状態検出手段が当該搭乗者が利用中でないことを検出している各アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフする。
【0019】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される電源制御システムに、前記自動車の各席の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段と、自動車の走行機能を担う走行システムに供給される電源であって当該電源のオンにより自動車の走行機能が稼働する電源であるシステム電源のオフに連動して、自動車のアクセサリ装置のそれぞれに独立に供給される電源であるアクセサリ電源のオフを制御するアクセサリ電源制御手段とを備えたものである。ここで、前記複数のアクセサリ装置のうちの一部のアクセサリ装置は、当該アクセサリ装置を利用できる席が限定されているアクセサリ装置であり、当該アクセサリ電源制御手段は、システム電源のオフ時に、前記搭乗者検出手段が前記自動車の搭乗者がいないことを検出している席に利用できる席が限定されている前記アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフし、他の前記アクセサリ装置に供給される前記アクセサリ電源をオフしない。
【0020】
ここで、これらの電源制御システムは、前記アクセサリ電源制御手段において、システム電源のオフ時にオフしなかった前記アクセサリ電源を、その後、当該電源制御システムに備えた自動車の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出手段が、前記自動車の搭乗者がいないことを検出したときにオフするように構成してもよい。
また、これらの電源制御システムは、前記アクセサリ電源制御手段において、システム電源のオフ時にオフしなかった前記アクセサリ電源を、その後、当該電源制御システムに備えた、自動車の搭乗者による自動車に搭載された複数のアクセサリ装置の各々の利用状態を、当該アクセサリ装置の動作状態に基づいて検出する利用状態検出手段が、当該アクセサリ電源が供給されるアクセサリ装置を自動車の搭乗者が利用中でないことを検出したときにオフするように構成してもよい。
【0021】
このような電源制御システムによれば、自動車に残った搭乗者が、特段の操作を行うことなく、システム電源のオフ以前に利用していたアクセサリ装置をそのまま継続して利用することができるようしつつ、利用されていない、または、利用される可能性のないアクセサリ装置へのアクセサリ電源をオフして、不要な電力消費を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、自動車の走行システム用の電源のオフ後も車内に残る搭乗者が、走行システム用の電源のオフ前に利用していたアクセサリ装置の利用を、煩雑な操作を要することなく、そのまま継続できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る電源オフ制御処理を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る電源オフ制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。
図1に、本第1実施形態に係る車載システムの構成を示す。
ここで、車載システムは、電力をエネルギー源として走行する自動車(電気自動車)に搭載されるシステムであり、車載システムは、バッテリ1、システム電源スイッチ2、自動運転システム3、EVシステム4、ACC電源スイッチ5とを備えている。
【0025】
また、車載システムは、アクセサリ装置として、現在位置の提示や目的地までの経路案内を行うナビゲーションシステム6や、車内の空調を行う空調システム7や、オーディオプレイヤやビデオプレイヤやラジオ受信器やTV受信器などのAVシステム8や、モバイルフォンを用いたハンズフリー通話機能を提供するHFTシステム9や、その他のアクセサリ装置を備えている。
【0026】
また、車載システムは、以上の各アクセサリ装置の状態を監視するアクセサリ装置監視部10と、パワースイッチ11と、自動車の搭乗者の降車を検出する降車検出部12と、自動車の各席の搭乗者の有無を検出する搭乗者検出部13を備えている。ここで、降車検出部12は、降車検出部12の一部として設けたドアの開閉を検出する開閉センサの検出内容や、搭乗者検出部13が検出した各席の搭乗者の有無などに基づいて、自動車の各席の搭乗者の降車を検出する。また、搭乗者検出部13としては、自動車の各席のようすを撮影するカメラとカメラで撮影した画像から各席の搭乗者の有無を画像認識する画像認識装置のセットや、各席のシートベルトの装着状態を検出するシートベルトセンサとシートベルトの装着状態から各席の搭乗者の有無を判定する判定装置のセットや、各席の搭乗者による荷重の検出する荷重センサと各席の荷重から各席の搭乗者の有無を判定する判定装置のセットや、各席の座面の温度を検出する温度センサと各席の温度から各席の搭乗者の有無を判定する判定装置のセット等を単独で、または、組み合わせて用いることができる。
【0027】
そして、車載システムは、車載システムの各部への電源供給を制御する電源制御装置14を備えている。
ここで、バッテリ1は、電源をシステム電源スイッチ2とACC電源スイッチ5と電源制御装置14に供給する。
そして、システム電源スイッチ2は、バッテリ1から供給された電源をシステム電源として供給するスイッチであり、システム電源スイッチ2は、電源制御装置14によってシステム電源オンが設定されると、自動車の走行/操舵/制動をモータや各種アクチュエータを用いて行う走行システムであるEVシステム4と、EVシステム4を制御して設定された目的地までの自動車の自動運転を行う自動運転システム3へのシステム電源の供給を開始し、電源制御装置14によってシステム電源オフが設定されると、自動運転システム3とEVシステムシステムへのシステム電源の供給を停止する。
【0028】
一方、ACC電源スイッチ5は、バッテリ1から供給された電源をACC電源として供給するスイッチであり、ACC電源スイッチ5は、電源制御装置14によってACC電源オンが設定されると、各アクセサリ装置とアクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13へのACC電源の供給を開始し、電源制御装置14によってACC電源オフが設定されると、各アクセサリ装置とアクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13へのACC電源の供給を停止する。
【0029】
このような構成において、電源制御装置14は、ユーザによってパワースイッチ11がオン操作されると、システム電源オンが設定されていないときには、システム電源オンを設定する。また、パワースイッチ11がオン操作されたときに、ACC電源オンが設定されていないときには、ACC電源オンも設定する。
【0030】
また、電源制御装置14は、以下に示す、電源オフ制御処理によって、システム電源オフとACC電源オフの設定を制御する。
図2に、この電源オフ制御処理に手順を示す。
図示するように、電源制御装置14は、電源オフ制御処理において、システム電源とACC電源がオンとなったならば(ステップ202)、システム電源オフイベントの発生を監視する(ステップ204)。
【0031】
ここで、システム電源オフイベントとしては、パワースイッチ11のオフ操作の発生や、自動運転システム3の自動運転による目的地への到着や、自動運転システム3の自動運転による無人もしくは有人状態での駐車の発生や、降車検出部12による運転席の搭乗者(ドライバー)の降車の検出などを用いることができる。
【0032】
そして、システム電源オフイベントが発生したならば(ステップ204)、システム電源オフを設定する(ステップ206)。
そして、搭乗者検出部13が車内に少なくとも一人の搭乗者がいることを検出しているかどうかを調べ(ステップ208)、一人の搭乗者もいないことを検出している場合にはACC電源オフを設定し(ステップ210)、ステップ202からの処理に戻る。
【0033】
一方、搭乗者検出部13が車内に少なくとも一人の搭乗者がいることを検出している場合には(ステップ208)、少なくともいずれか一つのアクセサリ装置が利用されているかどうかを調べ(ステップ212)、利用されていない場合には、ACC電源オフを設定し(ステップ210)、ステップ202からの処理に戻る。
【0034】
ここで、アクセサリ装置が利用されているかどうかは、アクセサリ装置監視部10が監視しているアクセサリ装置の状態から判定する。ここで、アクセサリ装置が利用されている状態としては、アクセサリ装置がナビゲーションシステム6であれば目的地設定などの一連の操作を受け付けている状態が該当し、アクセサリ装置がAVシステム8であれば、AVシステム8がオーディオコンテンツやビジュアルコンテンツを出力している状態が該当し、アクセサリ装置がHFTシステム9であれば、HFTシステム9を用いてユーザが通話を行っている状態や、ユーザがHFTシステム9に対して発呼操作を行っている状態やHFTシステム9に着呼している状態が該当し、アクセサリ装置が空調システム7であれば、空調システム7の暖房や冷房が稼働している状態が該当する。
【0035】
また、その他のアクセサリ装置が利用されている状態としては、たとえば、当該アクセサリ装置が、モバイル装置の充電に使用されている状態などを、当該状態に該当するものとすることができる。
【0036】
一方、いずれかのアクセサリ装置が利用されている場合には(ステップ212)、搭乗者検出部13による車内に一人の搭乗者もいないことの検出の発生(ステップ214)と、システム電源オンの設定の発生(ステップ216)とを監視する。
【0037】
そして、搭乗者検出部13による車内に一人の搭乗者もいないことの検出が発生したならば(ステップ214)、ACC電源オフを設定し(ステップ210)、ステップ202からの処理に戻る。
【0038】
一方、システム電源オンの設定が発生した場合には(ステップ216)、ステップ204からの処理に戻る。
以上、電源制御装置14が行う電源オフ制御処理について説明した。
このように本実施形態によれば、EVシステム4や自動運転システム3において自動車の走行に用いられるシステム電源をオフするときに、自動車に搭乗者が残っており、かつ、アクセサリ装置が利用中である場合には、アクセサリ電源をオフしないので、自動車に残った搭乗者は、システム電源のオフ以前に利用していたアクセサリ装置をそのまま継続して利用することができる。
【0039】
なお、以上の電源オフ制御処理は、システム電源オフイベントを、パワースイッチ11のオフ操作の発生や、自動運転システム3の自動運転による目的地への到着検出とした場合には、システム電源オフイベント発生時に必ず搭乗者が存在しているので、ステップ208を廃し、ステップ206からステップ212に進む処理としてもよい。
【0040】
また、以上の電源オフ制御処理は、ステップ214を、車内に一人の搭乗者もいない状態と、全てのアクセサリ装置が利用されていない状態の有無とを検出し、車内に一人の搭乗者もいない状態と、全てのアクセサリ装置が利用されていない状態とのいずれかが発生していれば、ステップ210に進み、いずれも発生していなければステップ216に進む処理としてもよい。
【0041】
また、以上の電源オフ制御処理は、ステップ212を廃して、ステップ208において、搭乗者検出部13が車内に少なくとも一人の搭乗者がいることを検出していると判定された場合には、ステップ214に進む処理としてもよい。
【0042】
このようにすることにより、無人の自動運転を行っている状態でシステム電源をオフしたときには、システム電源と共にACC電源をオフしつつ、有人の自動運転を行っている状態でシステム電源をオフしたときには、システム電源のオフ時にACC電源をオフせずに、アクセサリ装置の継続利用を可能とすることができる。
【0043】
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
本第2実施形態に係る車載システムは、
図3に示すように、
図1に示した第1実施形態に係る車載システムとは、アクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13のセットに対応するACC電源スイッチ5と、各アクセサリ装置の各々に対応する複数のACC電源スイッチ5を設け、ACC電源スイッチ5毎にACC電源オン/オフを設定するようにした点が異なる。
【0044】
なお、アクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13のセットに対応するACC電源スイッチ5は、ACC電源オンを設定されるとアクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13へのACC電源の供給を開始し、ACC電源オフを設定されるとアクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13へのACC電源の供給を停止する。また、アクセサリ装置に対応するACC電源スイッチ5は、ACC電源オンを設定されると対応するアクセサリ装置へのACC電源の供給を開始し、ACC電源オフを設定されると対応するアクセサリ装置へのACC電源の供給を停止する。
【0045】
また、このような本第2実施形態に係る車載システムにおいて、電源制御装置14は、ユーザによってパワースイッチ11がオン操作されると、システム電源オンが設定されていないときには、システム電源オンを設定する。また、パワースイッチ11がオン操作されたときに、ACC電源オンが設定されていないACC電源スイッチ5が存在するときには、そのACC電源スイッチ5にACC電源オンを設定する。
【0046】
また、本第2実施形態に係る車載システムにおいて電源制御装置14は、電源オフ制御処理として、
図4に示す電源オフ制御処理を行う。
すなわち、電源制御装置14は、電源オフ制御処理において、システム電源とACC電源がオンとなったならば(ステップ402)、システム電源オフイベントの発生を監視する(ステップ404)。
【0047】
そして、システム電源オフイベントが発生したならば(ステップ404)、システム電源オフを設定する(ステップ406)。
次に、搭乗者検出部13が車内に少なくとも一人の搭乗者がいることを検出しているかどうかを調べ(ステップ408)、一人の搭乗者もいないことを検出している場合には、全てのACC電源スイッチ5にACC電源オフを設定し、アクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13と全てのアクセサリ装置へのACC電源供給を停止する(ステップ410)、ステップ402からの処理に戻る。
【0048】
一方、搭乗者検出部13が車内に少なくとも一人の搭乗者がいることを検出している場合には(ステップ408)、いずれかのアクセサリ装置が利用されているかどうかを調べ(ステップ412)、利用されていない場合には、全てのACC電源スイッチ5にACC電源オフを設定し、アクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13と全てのアクセサリ装置へのACC電源供給を停止し(ステップ410)、ステップ402からの処理に戻る。
【0049】
一方、いずれかのアクセサリ装置が利用されている場合には(ステップ412)、利用されているアクセサリ装置以外の各アクセサリ装置に対応するACC電源スイッチ5にのみACC電源オフを設定し、利用されていないアクセサリ装置へのACC電源供給を停止する(ステップ414)。
【0050】
そして、搭乗者検出部13による車内に一人の搭乗者もいないことの検出の発生(ステップ416)と、システム電源オンの設定の発生(ステップ418)とを監視する。
そして、搭乗者検出部13による車内に一人の搭乗者もいないことの検出が発生したならば(ステップ416)、全てのACC電源スイッチ5にACC電源オフを設定し、アクセサリ装置監視部10と降車検出部12と搭乗者検出部13と全てのアクセサリ装置へのACC電源供給を停止し(ステップ410)、ステップ402からの処理に戻る。
【0051】
一方、システム電源オンの設定が発生した場合には(ステップ418)、ステップ404からの処理に戻る。
第2実施形態係る電源オフ制御処理について説明した。
なお、以上の電源オフ制御処理は、システム電源オフイベントを、パワースイッチ11のオフ操作の発生や、自動運転システム3の自動運転による目的地への到着検出とした場合には、システム電源オフイベント発生時に必ず搭乗者が存在しているので、ステップ408を廃し、ステップ406からステップ412に進む処理としてもよい。
【0052】
また、以上の第2実施形態係る電源オフ制御処理は、ステップ416を、車内に一人の搭乗者もいない状態と、全てのアクセサリ装置が利用されていない状態の有無とを検出し、車内に一人の搭乗者もいない状態と、全てのアクセサリ装置が利用されていない状態とのいずれかが発生していれば、ステップ410に進み、いずれも発生していなければステップ418に進む処理としてもよい。
【0053】
以上、本発明の第2実施形態について説明した。
このような第2実施形態によれば、システム電源オフ時に実際に利用されているアクセサリ装置以外のアクセサリ装置へのACC電源の供給を停止するので、第1実施形態に比べ省電力化を実現することができる。
【0054】
ところで、アクセサリ装置のうちに、当該アクセサリ装置を利用可能な搭乗者の席が限定されるアクセサリ装置が存在する場合に、以上の第2実施形態のステップ412、414に代えて、搭乗者検出部13が搭乗者がいないことを検出した席の搭乗者のみが利用可能なアクセサリ装置に対応するACC電源スイッチ5にACC電源オフを設定する処理を設けるようにしてもよい。
【0055】
または、以上の第2実施形態のステップ412、414に代えて、搭乗者検出部13が搭乗者がいないことを検出した席の搭乗者のみが利用可能なアクセサリ装置に対応するACC電源スイッチ5と、利用されていないアクセサリ装置に対応するACC電源スイッチ5とにACC電源オフを設定する処理を設けるようにしてもよい。
【0056】
なお、利用可能な搭乗者の席が限定されるアクセサリ装置としては、利用可能な搭乗者の席が後席に限定される後席用モニタ装置や、各席専用に各席毎に設けられたAV装置などがある。
【0057】
また、以上では、自動車が電気自動車である場合について示したが、本実施形態はエンジンを用いた走行システムを備えたガソリン車やデーゼル車の車載システムについても同様に適用することができる。すなわち、この場合には、自動車のイグニッション電源を、システム電源として、以上の実施形態を適用すればよい。
【符号の説明】
【0058】
1…バッテリ、2…システム電源スイッチ、3…自動運転システム、4…EVシステム、5…ACC電源スイッチ、6…ナビゲーションシステム、7…空調システム、8…AVシステム、9…HFTシステム、10…アクセサリ装置監視部、11…パワースイッチ、12…降車検出部、13…搭乗者検出部、14…電源制御装置。