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特許7086541データ受信装置、データ送信装置およびデータ伝送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】データ受信装置、データ送信装置およびデータ伝送システム
(51)【国際特許分類】
   G08C 25/00 20060101AFI20220613BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20220613BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220613BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220613BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G08C25/00 A
A61B5/022 Z
H04M1/00 U
H04M11/00 302
H04L12/28 100S
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017154762
(22)【出願日】2017-08-09
(65)【公開番号】P2019032777
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-07-17
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】久保 誠雄
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀規
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-183082(JP,A)
【文献】特開2008-188379(JP,A)
【文献】特開平09-305888(JP,A)
【文献】特開2008-253480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02- 5/03
G08C 13/00-25/04
H04L 12/28
H04M 1/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ送信装置と、
前記データ送信装置と通信するデータ受信装置と
を具備する、データ伝送システムであって、
前記データ送信装置は、
日時を指示する第1の時計部と、
(1)前記第1の時計部の日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む、片方向通信用の第1のパケット、および(2)センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記第1の時計部の日時を示す第2の日時データとを含む、片方向通信用の第2のパケットを送信する送信部と
を具備し、
前記データ受信装置は、
日時を指示する第2の時計部と、
前記データ送信装置から送信された前記第1のパケットおよび前記第2のパケットを受信する受信部と、
(1)前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1の日時データにより示される前記第1の時計部の日時に関連付けて前記第2の時計部の指示する日時を基準日時としてメモリに保存し、(2)前記第2のパケットが受信された場合に、前記基準日時に関連付けられて前記メモリに保持されている日時と前記第2の日時データの示す日時との差と、前記メモリに保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを算出する算出部と
を具備する、
データ伝送システム。
【請求項2】
データ送信装置と通信するデータ受信装置であって、
日時を指示する時計部と、
前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、
(1)前記パケットが、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む場合に、前記第1の日時データにより示されるローカル日時に関連付けて前記時計部の指示する日時を基準日時としてメモリに保存し、(2)前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第2の日時データとを含む場合に、前記基準日時に関連付けられて前記メモリに保持されているローカル日時と前記第2の日時データの示すローカル日時との差と、前記メモリに保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを算出する算出部と
を具備する、
データ受信装置。
【請求項3】
日時を指示する時計部と、
(1)前記時計部の日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む、片方向通信用の第1のパケット、および(2)センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す第2の日時データとを含む、片方向通信用の第2のパケットを送信する送信部と
を具備し、
データ受信装置が前記第2のパケットを受信する場合に、基準日時に関連付けられて保持されている日時と前記第2の日時データの示す日時との差と、保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを前記データ受信装置が算出する、
データ送信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記センサデータの測定日時から所定時間が経過する前には、当該センサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す前記第1の日時データと当該第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む前記第1のパケットを送信し、前記センサデータの測定日時から前記所定時間が経過した後には、当該センサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す前記第2の日時データと当該第2の日時データが日時の関連付けに使用可能でないことを表す情報とを含む第2のパケットを送信する、請求項3に記載のデータ送信装置。
【請求項5】
ユーザの操作情報の入力を受け付ける入力部をさらに具備し、
前記送信部は、前記操作情報の一部をトリガとして、前記時計部の日時を示す前記第1の日時データを含む第1のパケットを送信する、
請求項3または請求項4に記載のデータ送信装置。
【請求項6】
前記データ送信装置は、バッテリにより駆動され、
前記送信部は、前記バッテリの交換をトリガとして、前記時計部の日時を示す前記第1の日時データを含む前記第1のパケットを送信する、
請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項7】
前記センサデータは、血圧データである、請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項8】
データ送信装置と、
前記データ送信装置と通信するデータ受信装置と
を具備する、データ伝送システムであって、
前記データ送信装置は、
日時を指示する第1の時計部と、
片方向通信用のパケットを送信する送信部と
を具備し、
前記パケットは、センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記第1の時計部の日時および前記パケットを送信する時の前記第1の時計部の日時の差を示す日時差データとを含み、
前記データ受信装置は、
日時を指示する第2の時計部と、
前記データ送信装置から送信された前記パケットを受信する受信部と、
前記パケットが受信された場合に、前記第2の時計部の日時を用いて前記日時差データから前記センサデータの測定日時を表す日時データを算出する算出部と
を具備する、
データ伝送システム。
【請求項9】
データ送信装置と通信するデータ受信装置であって、
日時を指示する時計部と、
前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、
前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる日時差データとを含む場合に、前記時計部の日時を用いて前記日時差データから前記センサデータの測定日時を表す日時データを算出する算出部と
を具備し、
前記日時差データは、前記日時差データの関連付けられたセンサデータを前記パケットの送信元が測定したローカル日時と当該パケットの送信元が当該パケットを送信したローカル日時との差を示す、
データ受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日時に関連付けられたセンサデータを送受信するデータ受信装置およびデータ送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧データをユーザの携帯情報端末に転送する機能を備えた血圧計が市場投入されている。携帯情報端末としては、例えばスマートフォンやタブレット型端末、ノート型パーソナルコンピュータが用いられる。かかる機能を利用すれば、ユーザは様々な状況下での自己の血圧の測定結果を携帯情報端末で一覧することができる。また、血圧データの転送には、近距離無線通信技術、特にBluetooth(登録商標)技術が典型的には使用される。一般に、Bluetoothの通信(コネクション)は、WLAN(Wireless Local Area Network)通信に比べると、小規模かつ省電力に実現可能である。Bluetoothの仕様のバージョン4.0は、BLE(Bluetooth Low Energy)とも呼ばれ、従前の仕様に比べて消費電力をさらに少なくすることが可能である。
【0003】
BLEのコネクションは、ペアリングのためにユーザに課される操作が煩雑である、ペアリング後の通信手順が煩雑である、携帯情報端末側がBLEをサポートしている必要がある、携帯情報端末ばかりでなく血圧計にも高性能なハードウェア(プロセッサ、メモリ)が必要となる、開発/評価コストが高い、通信のオーバーヘッド量が大きく小容量のデータ送信に向かない、などの問題がある。
【0004】
他方、BLEでは、アドバタイジングと呼ばれる片方向通信を行うこともできる。特許文献1には、アドバタイズメントパケットのデータフィールドの余白部分に任意のデータを含めて送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5852620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アドバタイジングを利用して血圧データを送信すれば、ペアリングやその後の煩雑な通信手順が不要となるので、先の問題は解消または軽減される。しかしながら、例えば血圧計が片方向の送信機能しか実装していなければ、携帯情報端末から血圧計に制御データを送って制御したり、逆に、血圧計から携帯情報端末の状態(データの受信状況など)を参照したりすることができなくなる。
【0007】
血圧データは、通常、測定日時を示すデータに関連付けられて血圧計から携帯情報端末へ転送される。測定日時は、血圧計に内蔵された時計の指示する日時を基準に付与される。故に、血圧計に内蔵された時計がずれていたり、そもそも時刻合わせされていなかったりすれば、携帯情報端末は血圧データを誤った測定日時に関連付けて処理することになる。仮に、測定日時が誤っていることが検出できたとしても、血圧計が片方向の送信機能しか実装していなければ、携帯情報端末から制御データを送るなどして血圧計に内蔵された時計を時刻合わせすることもできない。
【0008】
本発明は、データ送信装置から送信されるセンサデータに関連付けられる日時の正誤にかかわらず、データ受信装置において当該日時を適切な日時に設定し直すことを可能にした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、データ伝送システムは、データ送信装置と、前記データ送信装置と通信するデータ受信装置とを具備する。前記データ送信装置は、日時を指示する第1の時計部と、(1)前記第1の時計部の日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む、片方向通信用の第1のパケット、および(2)センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記第1の時計部の日時を示す第2の日時データとを含む、片方向通信用の第2のパケットを送信する送信部とを具備する。前記データ受信装置は、日時を指示する第2の時計部と、前記データ送信装置から送信された前記第1のパケットおよび前記第2のパケットを受信する受信部と、(1)前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1の日時データにより示される前記第1の時計部の日時に関連付けて前記第2の時計部の指示する日時を基準日時としてメモリに保存し、(2)前記第2のパケットが受信された場合に、前記基準日時に関連付けられて前記メモリに保持されている日時と前記第2の日時データの示す日時との差と、前記メモリに保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを算出する算出部とを具備する。故に、このデータ伝送システムにおいて、データ受信装置は、第2の日時データの示す日時の正誤に関わらず、この日時を自己の時計部の指示する日時を基準に書き換えることができる。また、このデータ受信装置は、基準日時とパケットの送信元における日時との関連付けをリセットすることで、自己とパケットの送信元との間で時計部の時間の進み方が異なることによる誤差の累積を防ぐことができる。他方、このデータ伝送システムにおいて、データ送信装置は、自己の時計部の日時と、その日時がデータ受信装置において日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とをアドバタイジングすることができる。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、データ受信装置は、データ送信装置と通信する。データ受信装置は、日時を指示する時計部と、前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、(1)前記パケットが、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む場合に、前記第1の日時データにより示されるローカル日時に関連付けて前記時計部の指示する日時を基準日時としてメモリに保存し、(2)前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第2の日時データとを含む場合に、前記基準日時に関連付けられて前記メモリに保持されているローカル日時と前記第2の日時データの示すローカル日時との差と、前記メモリに保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを算出する算出部とを具備する。故に、このデータ受信装置は、第2の日時データの示すローカル日時の正誤に関わらず、このローカル日時を自己の時計部の指示する日時を基準に書き換えることができる。また、このデータ受信装置は、基準日時とパケットの送信元におけるローカル日時との関連付けをリセットすることで、自己とパケットの送信元との間で時計部の時間の進み方が異なることによる誤差の累積を防ぐことができる。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、データ送信装置は、日時を指示する時計部と、(1)前記時計部の日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む、片方向通信用の第1のパケット、および(2)センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す第2の日時データとを含む、片方向通信用の第2のパケットを送信する送信部とを具備する。故に、このデータ送信装置は、データ送信装置は、自己の時計部の日時と、その日時がデータ受信装置において日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とをアドバタイジングすることができる。
【0012】
本発明の第4の態様によれば、前記送信部は、前記センサデータの測定日時から所定時間が経過する前には、当該センサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す前記第1の日時データと当該第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む前記第1のパケットを送信し、前記センサデータの測定日時から前記所定時間が経過した後には、当該センサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す前記第2の日時データと当該第2の日時データが日時の関連付けに使用可能でないことを表す情報とを含む第2のパケットを送信する。故に、このデータ送信装置は、それぞれのセンサデータの測定後に所定時間に亘って、当該センサデータと、当該センサデータの測定された時の自己の時計部の日時と、その日時がデータ受信装置において日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とをアドバタイジングすることができる。
【0013】
本発明の第5の態様によれば、データ送信装置は、ユーザの操作情報の入力を受け付ける入力部をさらに具備し、前記送信部は、前記操作情報の一部をトリガとして、前記時計部の日時を示す前記第1の日時データを含む第1のパケットを送信する。故に、このデータ送信装置によれば、ユーザが意図的に、時計部の日時と、その日時がデータ受信装置において日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とをアドバタイジングさせることができる。
【0014】
本発明の第6の態様によれば、前記データ送信装置は、バッテリにより駆動され、前記送信部は、前記バッテリの交換をトリガとして、前記時計部の日時を示す前記第1の日時データを含む前記第1のパケットを送信する。故に、このデータ送信装置は、バッテリ交換に伴い自己の時計部の情報がリセットされデータ受信装置において日時の関連付けのリセットが必要となった場合に、自己の時計部の日時と、その日時がデータ受信装置において日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とをアドバタイジングすることができる。
【0015】
本発明の第7の態様によれば、前記センサデータは、血圧データである。故に、このデータ送信装置は、血圧データの転送に利用することができる。
【0016】
本発明の第8の態様によれば、データ伝送システムは、データ送信装置と、前記データ送信装置と通信するデータ受信装置とを具備する。前記データ送信装置は、日時を指示する第1の時計部と、片方向通信用のパケットを送信する送信部とを具備する。前記パケットは、センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記第1の時計部の日時および前記パケットを送信する時の前記第1の時計部の日時の差を示す日時差データとを含む。前記データ受信装置は、日時を指示する第2の時計部と、前記データ送信装置から送信された前記パケットを受信する受信部と、前記パケットが受信された場合に、前記第2の時計部の日時を用いて前記日時差データから前記センサデータの測定日時を表す日時データを算出する算出部とを具備する。故に、このデータ伝送システムにおいて、データ受信装置は、日時の関連付けを行わなくても、センサデータに関連付けられる測定日時を算出することができる。
【0017】
本発明の第9の態様によれば、データ受信装置は、データ送信装置と通信する。データ受信装置は、日時を指示する時計部と、前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる日時差データとを含む場合に、前記時計部の日時を用いて前記日時差データから前記センサデータの測定日時を表す日時データを算出する算出部とを具備し、前記日時差データは、前記日時差データの関連付けられたセンサデータを前記パケットの送信元が測定したローカル日時と当該パケットの送信元が当該パケットを送信したローカル日時との差を示す。故に、このデータ受信装置は、第1の態様において説明した日時の関連付けを行わなくても、センサデータに関連付けられる測定日時を算出することができる。
【0018】
本発明の第10の態様によれば、データ送信装置は、日時を指示する時計部と、片方向通信用のパケットを送信する送信部とを具備し、前記パケットは、センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時および前記パケットを送信する時の前記時計部の日時の差を示す日時差データとを含む。故に、このデータ送信装置によれば、データ受信装置は第1の態様において説明した日時の関連付けを行わなくても、センサデータに関連付けられる測定日時を算出することができる。
【0019】
本発明の第11の態様によれば、前記センサデータは、血圧データである。故に、このデータ送信装置は、血圧データの転送に利用することができる。
【0020】
本発明の第12の態様は、データ送信装置から送信される片方向通信用のパケットを受信し処理するデータ受信装置に用いられる、前記パケットのデータ構造であって、前記パケットは、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であるか否かを表す情報とを含み、前記データ受信装置が、前記受信されたパケットに含まれる前記情報に基づいて、前記第1の日時データが前記日時の関連付けに使用可能であるか否かを判定し、前記第1の日時データが前記日時の関連付けに使用可能であると判定された場合に、前記受信されたパケットに含まれる前記第1の日時データの示すローカル日時に関連付けて、前記データ受信装置が備える時計部の日時を基準日時に設定する処理に用いられる。故に、このデータ構造によれば、データ受信装置は、第1の日時データの示すローカル日時の正誤に関わらず、このローカル日時を自己の時計部の指示する日時を基準に書き換えることができる。また、データ受信装置は、基準日時とパケットの送信元におけるローカル日時との関連付けをリセットすることで、自己とパケットの送信元との間で時計部の時間の進み方が異なることによる誤差の累積を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、データ送信装置から送信されるセンサデータに関連付けられる日時の正誤にかかわらず、データ受信装置において当該日時を適切な日時に設定し直すことを可能にした技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係るデータ受信装置の適用例を示すブロック図。
図2】実施形態に係るデータ受信装置のソフトウェア構成を例示するブロック図。
図3】実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置を含むデータ伝送システムを例示する図。
図4】実施形態に係るデータ受信装置のハードウェア構成を例示するブロック図。
図5】実施形態に係るデータ受信装置の動作を例示するフローチャート。
図6】実施形態に係るデータ送信装置のソフトウェア構成を例示するブロック図。
図7】実施形態に係るデータ送信装置のハードウェア構成を例示するブロック図。
図8】実施形態に係るデータ送信装置の動作を例示するフローチャート。
図9】BLEにおいて行われるアドバタイジングの説明図。
図10】BLEにおいて送受信されるパケットのデータ構造を例示する図。
図11】アドバタイズメントパケットのPDUフィールドのデータ構造を例示する図。
図12】実施形態に係るデータ受信装置が受信するパケットのPDUフィールドのペイロードに格納されるデータを例示する図。
図13】送信側のローカル日時と基準日時との対応関係を例示する図。
図14】実施形態に係るデータ受信装置の日時算出部の動作の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0024】
なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明の一適用例について説明する。図1は、本実施形態に係るデータ受信装置200の適用例を模式的に示す。データ受信装置200は、少なくとも、受信部201と、時計部202と、日時算出部203とを含む。
【0025】
受信部201は、図1には示されないデータ送信装置100(パケットの送信元)におけるローカル日時を示す日時データと当該日時データに関連付けられたセンサデータとを含むパケットを受信する。受信部201は、日時データおよびセンサデータを日時算出部203へ送る。時計部202は、データ受信装置200の内蔵時計である。
【0026】
日時算出部203は、データ送信装置100における過去の特定のローカル日時に関連付けられる時計部202の日時である基準日時の情報を参照可能である。例えば、図13に示されるように、特定のローカル日時=「100」[分]に対して基準日時=「2017/4/1 9:00」が関連付けられているとする。
【0027】
日時算出部203は、受信した日時データの示すローカル日時を、時計部202の日時に換算する。具体的には、日時算出部203は、特定のローカル日時と受信した日時データの示すローカル日時との差を基準日時に加算することで、このローカル日時に関連付けられる時計部202の日時を算出可能である。
【0028】
例えば、ローカル日時が「43300」[分]というシリアル値を示す場合には、日時算出部203は、このシリアル値から「2017/5/1 9:00」(=「2017/4/1 9:00」+「43300」[分]-「100」[分])という日時を算出できる。同様に、図14に例示するように、日時算出部203は、図13に例示した基準日時の情報を用いて、受信した日時データを書き換えることができる。
【0029】
このように、データ送信装置100におけるローカル日時が時刻合わせされていなくても、データ受信装置200は当該ローカル日時を自己の内蔵時計の日時に換算して、センサデータを適切に取り扱う(例えば、統計処理、表示処理など)ことができる。
【0030】
§2 構成例
[ハードウェア構成]
<データ受信装置>
次に、図4を用いて、本実施形態に係るデータ受信装置200のハードウェア構成の一例について説明する。図4は、データ受信装置200のハードウェア構成の一例を模式的に示す。
【0031】
図4に示されるとおり、データ受信装置200は、制御部211と、記憶部212と、通信インタフェース213と、入力装置214と、出力装置215と、外部インタフェース216とが電気的に接続されたコンピュータ、典型的にはスマートフォンである。なお、図4では、通信インタフェース及び外部インタフェースをそれぞれ、「通信I/F」及び「外部I/F」と記載している。
【0032】
制御部211は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。CPUは、記憶部212に格納されたプログラムをRAMに展開する。そして、CPUがこのプログラムを解釈および実行することで、制御部211は、様々な情報処理、例えば、ソフトウェア構成の項目において説明される機能ブロックの処理を実行可能となる。
【0033】
記憶部212は、いわゆる補助記憶装置であり、例えば、内蔵または外付けのフラッシュメモリなどの半導体メモリであり得る。記憶部212は、制御部211で実行されるプログラム、制御部211によって使用されるデータ(例えば、識別子、日時データおよびセンサデータ)などを記憶する。なお、データ受信装置200が、ラップトップまたはデスクトップコンピュータなどである場合には、記憶部212は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などであり得る。
【0034】
通信インタフェース213は、主に、BLE、移動通信(3G、4Gなど)および無線LAN(Local Area Network)などのための各種無線通信モジュールであって、ネットワークを介して無線通信を行うためのインタフェースである。なお、通信インタフェース213が、有線LANモジュールなどの有線通信モジュールをさらに備えていてもよい。
【0035】
入力装置214は、例えばタッチスクリーン、キーボード、マウスなどのユーザ入力(ユーザの操作情報)を受け付けるための装置である。出力装置215は、例えば、ディスプレイ、スピーカなどの出力を行うための装置である。
【0036】
外部インタフェース216は、USB(Universal Serial Bus)ポート、メモリカードスロットなどであり、外部装置と接続するためのインタフェースである。
【0037】
なお、データ受信装置200の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部211は、複数のプロセッサを含んでもよい。データ受信装置200は、複数台の情報処理装置で構成されてもよい。また、データ受信装置200は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のデスクトップPC(Personal Computer)、タブレットPC等が用いられてもよい。
【0038】
<データ送信装置>
次に、図7を用いて、本実施形態に係るデータ送信装置100のハードウェア構成の一例について説明する。図7は、データ送信装置100のハードウェア構成の一例を模式的に示す。
【0039】
図7に示されるとおり、データ送信装置100は、制御部111と、記憶部112と、通信インタフェース113と、入力装置114と、出力装置115と、外部インタフェース116と、バッテリ117とが電気的に接続されたコンピュータ、典型的には、血圧計、体温計、活動量計、歩数計、体組成計、体重計などのユーザの生体情報または活動情報に関する量を日常的に測定するセンサ装置である。なお、図7では、通信インタフェース及び外部インタフェースをそれぞれ、「通信I/F」及び「外部I/F」と記載している。
【0040】
制御部111は、CPU、RAM、ROMなどを含む。CPUは、記憶部112に格納されたプログラムをRAMに展開する。そして、CPUがこのプログラムを解釈および実行することで、制御部111は、様々な情報処理、例えば、ソフトウェア構成の項目において説明される機能ブロックの処理を実行可能となる。
【0041】
記憶部112は、いわゆる補助記憶装置であり、例えば、内蔵または外付けのフラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDであり得る。記憶部112は、制御部111で実行されるプログラム、制御部111によって使用されるデータ(例えば日時データおよびセンサデータ)などを記憶する。
【0042】
通信インタフェース113は、少なくとも、BLEなどの片方向通信の可能な無線モジュールを含む。入力装置114は、例えばタッチスクリーン、ボタン、スイッチなどのユーザ入力を受け付けるための装置と、ユーザの生体情報または活動情報に関する量を検知するためのセンサとを含む。出力装置115は、例えば、ディスプレイ、スピーカなどの出力を行うための装置である。
【0043】
外部インタフェース116は、USBポート、メモリカードスロットなどであり、外部装置と接続するためのインタフェースである。
【0044】
バッテリ117は、データ送信装置100の電源電圧を供給する。バッテリ117は、交換可能であってもよい。なお、データ送信装置100がバッテリ駆動されることは必須ではなく、AC(Alternating Current)アダプタを介して商用電源に接続可能であってもよい。この場合には、バッテリ117は省略され得る。
【0045】
なお、データ送信装置100の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部111は、複数のプロセッサを含んでもよい。データ送信装置100は、複数台のセンサ装置で構成されてもよい。
【0046】
[ソフトウェア構成]
<データ受信装置>
次に、図2を用いて、本実施形態に係るデータ受信装置200のソフトウェア構成の一例を説明する。図2は、データ受信装置200のソフトウェア構成の一例を模式的に示す。
【0047】
図4に示した制御部211は、記憶部212に格納されているプログラムをRAMに展開する。そして、制御部211は、このプログラムをCPUにより解釈および実行して、図4に示した各種のハードウェア要素を制御する。これにより、図2に示されるとおり、データ受信装置200は、受信部201と、時計部202と、日時算出部203と、データ管理部204と、データ記憶部205と、送信部206とを備えるコンピュータとして機能する。
【0048】
受信部201は、データ送信装置100から、センサデータと当該センサデータに関連付けられた日時データとを含むパケットを受信する。このパケットは、例えばBLEにおけるアドバタイズメントパケットである。ただし、BLEは、将来的に他の低消費電力・片方向通信可能な通信規格に置き換わる可能性がある。その場合には、以降の説明を適宜読み替えればよい。
【0049】
ここで、BLEのアドバタイズメントについて概略的に説明する。
BLEにおいて採用されるパッシブスキャン方式では、図9に例示するように、新規ノードは自己の存在を周知するアドバタイズメントパケットを定期的に送信する。この新規ノードは、アドバタイズメントパケットを一度送信してから次に送信するまでの間に、低消費電力のスリープ状態に入ることで消費電力を節約できる。また、アドバタイズメントパケットの受信側も間欠的に動作するので、アドバタイズメントパケットの送受信に伴う消費電力は僅かである。
【0050】
図10にBLE無線通信パケットの基本構造を示す。BLE無線通信パケットは、1バイトのプリアンブルと、4バイトのアクセスアドレスと、2~39バイト(可変)のプロトコルデータユニット(PDU:Protocol Data Unit)と、3バイトの巡回冗長チェックサム(CRC:Cyclic Redundancy Checksum)とを含む。BLE無線通信パケットの長さは、PDUの長さに依存し、10~47バイトである。10バイトのBLE無線通信パケット(PDUは2バイト)は、Empty PDUパケットとも呼ばれ、マスタとスレイブ間で定期的に交換される。
【0051】
プリアンブルフィールドは、BLE無線通信の同期のために用意されており、「01」または「10」の繰り返しが格納される。アクセスアドレスは、アドバタイジングチャネルでは固定数値、データチャネルでは乱数のアクセスアドレスが格納される。本実施形態では、アドバタイジングチャネル上で伝送されるBLE無線通信パケットであるアドバタイズメントパケットを対象とする。CRCフィールドは、受信誤りの検出に用いられる。CRCの計算範囲は、PDUフィールドのみである。
【0052】
次に、図11を用いて、アドバタイズメントパケットのPDUフィールドについて説明する。なお、データチャネル上で伝送されるBLE無線通信パケットであるデータ通信パケットのPDUフィールドは図11とは異なるデータ構造を有するが、本実施形態ではデータ通信パケットを対象としていないので説明を省略する。
【0053】
アドバタイズメントパケットのPDUフィールドは、2バイトのヘッダと、0~37バイト(可変)のペイロードとを含む。ヘッダは、さらに、4ビットのPDU Typeフィールドと、2ビットの未使用フィールドと、1ビットのTxAddフィールドと、1ビットのRxAddフィールドと、6ビットのLengthフィールドと、2ビットの未使用フィールドとを含む。
【0054】
PDU Typeフィールドには、このPDUのタイプを示す値が格納される。「接続可能アドバタイジング」、「非接続アドバタイジング」などのいくつかの値が定義済みである。TxAddフィールドには、ペイロード中に送信アドレスがあるか否かを示すフラグが格納される。同様に、RxAddフィールドには、ペイロード中に受信アドレスがあるか否かを示すフラグが格納される。Lengthフィールドには、ペイロードのバイトサイズを示す値が格納される。
【0055】
ペイロードには、任意のデータを格納することができる。そこで、データ送信装置100は、例えば図12に例示されるようなデータ構造を用いて、センサデータおよび日時データをペイロードに格納する。図12のデータ構造は、1人のユーザの血圧および脈拍の1回分のセンサデータを伝送するために使用可能である。なお、図12のデータ構造は、1人のユーザの血圧および脈拍の複数回分のセンサデータを伝送するように変形されてもよい。
【0056】
User IDフィールドは、ユーザを特定する識別子が格納される。なお、ユーザの識別子の代わりに、或いは、これに加えて、データ送信装置100またはデータ受信装置200を特定する識別子が格納されてもよい。
【0057】
latest flagは、後続するTimeフィールドに格納された日時データが日時の関連付けに使用可能であるか否かを表すフラグ(より一般化すれば、情報)である。このフラグがTRUEである場合には、Timeフィールドに格納された日時データの示すローカル日時を、時計部202の現在日時に関連付けることが許容される。
【0058】
Timeフィールドは、日時データが格納される。Sys、DiaおよびPulseフィールドは、それぞれ、日時データに関連付けられる収縮期血圧(Systolic Blood Pressure)、拡張期血圧(Diastolic Blood Pressure)および脈拍数のデータが格納される。このように日時データに関連付けられるセンサデータは、1種に限られず複数種であってもよい。
【0059】
データ受信装置200のソフトウェア構成の説明に戻ると、受信部201は、例えば、BLEのアドバタイズメントパケットからPDUのペイロードを抽出する。そして、受信部201は、図12のUser IDフィールドの値が不適切である(例えば、自己のユーザの値に一致しない)ならば受信パケットを破棄してもよい。他方、受信部201は、図12のUser IDフィールドの値が適切である(自己のユーザの値に一致する)ならば、latest flagに格納されたフラグと、Timeフィールドに格納された日時データと、Sys,DiaおよびPulseフィールドに格納されたセンサデータとを日時算出部203へ送る。
【0060】
時計部202は、日時を指示する。時計部202は、例えば、固定周波数で振動する水晶発振器と、その出力を分周して1Hzの信号を得る分周回路と、この信号をカウントして日時を示すシリアル値を得るカウンタとを含む。時計部202(の保持するシリアル値)は、例えば、データ受信装置200が接続する基地局からのデータに基づいて自動補正されてもよい。
【0061】
日時算出部203は、受信部201から、フラグと、日時データと、センサデータとを受け取る。日時算出部203は、フラグが日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表すならば、時計部202の指示する現在日時を基準日時として、日時データの示すローカル日時と関連付ける(図13参照)。
【0062】
なお、かかる関連付けが過去に実施済みである場合には、以後の実施は省略されてもよい。ただし、時計部202とデータ送信装置100の内蔵時計とで時間の進み方が一致しない場合には、両者の差が累積して大きな誤差を生むおそれがある。かかる誤差の累積を防ぐ観点では、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けを適宜リセットすることが推奨される。
【0063】
他方、フラグが日時データが日時の関連付けに使用可能でないことを表すならば、この日時データは時計部202の指示する現在日時に比べて古すぎるので、関連付けることはできない。
【0064】
日時算出部203は、日時データの示すローカル日時と、基準日時に関連付けられるローカル日時との差を算出する。そして、日時算出部203は、基準日時にこの差を加算することで、日時データの示すローカル日時に関連付けられる時計部202の日時を算出する。日時算出部203は、算出した日時によって、日時データを書き換える(図14参照)。日時算出部203は、書き換え後の日時データと、センサデータとをデータ管理部204へ送る。
【0065】
なお、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けが行われるまで、日時算出部203は日時の書き換えを行うことはできない。かかる関連付けを行うには、データ送信装置100から日時の関連付けに使用可能な(略最新の)日時データを送信してもらい、これをデータ受信装置200が受信する必要がある。そこで、データ送信装置100に日時の関連付けに使用可能な日時データを送信させるためのトリガをいくつか用意される。
【0066】
例えば、データ送信装置100は、ユーザの生体情報に関する量の測定を行って新たなセンサデータが発生した直後に当該センサデータの測定日時に相当する略最新の日時データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信してもよい。また、ユーザが与えた特定のユーザ入力をトリガとして、データ送信装置100は略最新の日時データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信してもよい。さらに、バッテリ交換をトリガとして、データ送信装置100は略最新の日時データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信してもよい。さらに、データ送信装置100は、所定の周期(例えば1日毎、1週間毎など)で、略最新の日時データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信してもよい。
【0067】
また、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けが一度も行われていない場合、関連付けが最後に行われてからの経過時間が閾値を超えている場合などに、上記トリガの1つであるユーザ入力を促すテキスト、画像または音声をデータ受信装置200に出力させてもよい。
【0068】
データ管理部204は、日時算出部203から日時データとセンサデータとを受け取り、これらを関連付けてデータ記憶部205に書き込む。また、データ管理部204は、例えば図示されない上位アプリケーション(例えば生体データの管理アプリケーション)からの命令に従って、データ記憶部205に格納されている日時データおよびセンサデータのセットを読み出し、送信部206または図示されない表示部へ送る。
【0069】
データ記憶部205は、データ管理部204によって日時データおよびセンサデータのセットを読み書きされる。
【0070】
送信部206は、データ管理部204から日時データおよびセンサデータのセットを受け取り、これらをネットワーク経由でサーバ300へ送信する(図3参照)。送信部206は、例えば移動通信またはWLANを利用する。なお、図3の例では、データ送信装置100として腕時計型のウェアラブル血圧計の外観が示されているが、データ送信装置100の外観はこれに限られず据え置き型の血圧計であってもよいし、他の生体情報または活動情報に関する量を測定するセンサ装置であり得る。
【0071】
サーバ300は、多数のユーザのセンサデータ(主に生体データ)を管理するデータベースに相当する。サーバ300は、ユーザ自身のほか、例えば、ユーザの健康指導、保険加入査定、健康増進プログラムの成績評価などに供するために、健康指導者、保険会社またはプログラム運営者のPCなどからのアクセスに応じて当該ユーザの生体データを送信してもよい。
【0072】
<データ送信装置>
次に、図6を用いて、本実施形態に係るデータ送信装置100のソフトウェア構成の一例を説明する。図6は、データ送信装置100のソフトウェア構成の一例を模式的に示す。
【0073】
図7に示した制御部111は、記憶部112に格納されているプログラムをRAMに展開する。そして、制御部111は、このプログラムをCPUにより解釈および実行して、図7に示した各種のハードウェア要素を制御する。これにより、図6に示されるとおり、データ送信装置100は、生体センサ101と、動きセンサ102と、時計部103と、入力部104と、データ管理部105と、データ記憶部106と、送信制御部107と、送信部108と、表示制御部109と、表示部110とを備えるコンピュータとして機能する。
【0074】
生体センサ101は、ユーザの生体情報に関する量を測定することで生体データを得る。生体センサ101の動作は、例えば図示されないセンサ制御部によって制御される。生体センサ101は、生体データを時計部103から受け取った日時データに関連付けて、データ管理部105へ送る。生体センサ101は、典型的には、ユーザの血圧を測定することで血圧データを得る血圧センサを含む。この場合に、生体データは血圧データを含む。血圧データは、例えば、収縮期血圧および拡張期血圧の値と脈拍数とを含み得るが、これに限られない。このほか、生体データは、心電データ、脈波データ、体温データなどを含むことができる。
【0075】
血圧センサは、ユーザの血圧を1拍毎に連続測定可能な血圧センサ(以降、連続型の血圧センサと称する)を含むことができる。連続型の血圧センサは、脈波伝播時間(PTT;Pulse Transit Time)からユーザの血圧を連続測定してもよいし、トノメトリ法または他の技法により連続測定を実現してもよい。
【0076】
血圧センサは、連続型の血圧センサに代えて、または、加えて、連続測定不可能な血圧センサ(以降、非連続型の血圧センサと称する)を含むこともできる。非連続型の血圧センサは、例えば、カフを圧力センサとして用いてユーザの血圧を測定する(オシロメトリック法)。
【0077】
非連続型の血圧センサ(特に、オシロメトリック方式の血圧センサ)は、連続型の血圧センサに比べて、測定精度が高い傾向にある。故に、血圧センサは、例えば、何らかの条件が満足する(例えば、連続型の血圧センサによって測定されたユーザの血圧データが所定の状態を示唆した)ことをトリガとして、連続型の血圧センサに代えて非連続型の血圧センサを作動させることにより、血圧データをより高い精度で測定してもよい。
【0078】
動きセンサ102は、例えば、加速度センサまたはジャイロセンサであり得る。動きセンサ102は、当該動きセンサ102の受ける加速度/角速度を検出することで3軸の加速度/角速度データを得る。動きセンサ102の動作は、例えば図示されないセンサ制御部によって制御される。この加速度/角速度データは、データ送信装置100を装着しているユーザの活動状態(姿勢および/または動作)を推定するために用いることができる。動きセンサ102は、加速度/角速度データを時計部103から受け取った日時データに関連付けて、データ管理部105へ送る。
【0079】
なお、生体センサ101および動きセンサ102のうち一方が省略されてもよい。また、生体センサ101および動きセンサ102に加えて、または、代えて、環境センサが設けられてもよい。環境センサは、例えば、温度センサ、湿度センサ、気圧センサなどを含み得る。すなわち、センサデータとは、センサが予め定められた物理量を測定し、測定結果に基づいて生成する任意のデータであり得る。
【0080】
時計部103は、日時を指示する。時計部103は、例えば、固定周波数で振動する水晶発振器と、その出力を分周して1Hzの信号を得る分周回路と、この信号をカウントして日時を示すシリアル値を得るカウンタとを含む。時計部103は、現在日時を示す日時データ(例えば上記シリアル値)を生体センサ101および動きセンサ102へ送る。日時データは、生体センサ101による生体データの測定日時、動きセンサ102による加速度/角速度データの測定日時などとして用いることができる。このほか、日時データは、表示部110へ表示するために表示制御部109によって参照されたり、前述のTimeフィールドに格納された日時データが日時の関連付けに使用可能(略最新)であるか否かを表すフラグを設定するために、または、日時の関連付けに使用可能な(略最新の)日時データをアドバタイジングするために送信制御部107によって参照されたりする。
【0081】
時計部103(の保持するシリアル値)は、例えば、ユーザ入力によって調整(時刻合わせ)可能に設計されてもよいが、前述のようにデータ受信装置200はデータ送信装置100のローカル日時の正誤に関わらず、日時データを適宜書き換えることができる。故に、敢えて、かかる設計としないことで、入力装置114を簡素化(ボタン数の削減等)してもよい。なお、この場合にも、例えば、「10分前」、「2時間前」、「昨日」、「1週間前」などの現在日時を基準とした相対的な日時をユーザに提示することは可能である。
【0082】
入力部104は、ユーザ入力を受け付ける。ユーザ入力は、例えば、送信部108によるデータ送信を制御するためのものであったり、表示部110によるデータ表示を制御するためのものであったり、生体センサ101または動きセンサ102による測定を開始するためのものであったりする。
【0083】
送信部108によるデータ送信を制御するためのユーザ入力は、例えば、特定の日時データおよびセンサデータのセットの送信を明示的または黙示的に指示するもの、日時の関連付けに使用可能な(略最新の)日時データの送信を明示的または黙示的に指示するものなどであり得る。
【0084】
入力部104は、送信部108によるデータ送信を制御するためのユーザ入力を送信制御部107へ送り、表示部110によるデータ表示を制御するためのユーザ入力を表示制御部109へ送り、生体センサ101または動きセンサ102による測定を開始するためのユーザ入力を図示されないセンサ制御部へ送る。
【0085】
データ管理部105は、生体センサ101または動きセンサ102から日時データに関連付けられたセンサデータ(生体データまたは加速度/角速度データ)を受け取り、これらをデータ記憶部106に書き込む。データ管理部105は、日時データおよびセンサデータを新たに受け取った場合に、これらを自動的に送信制御部107または表示制御部109へ送ってもよい。また、データ管理部105は、送信制御部107または表示制御部109からの命令をトリガとして、データ記憶部106に格納されている日時データおよびセンサデータのセットを読み出し、送信制御部107または表示制御部109へ送ってもよい。
【0086】
データ記憶部106は、データ管理部105によって日時データおよびセンサデータのセットを読み書きされる。
【0087】
送信制御部107は、データ管理部105から日時データおよびセンサデータのセットを受け取り、これらに基づいて、図10図12を用いて説明したようなBLEのアドバタイズメントパケットを生成する。なお、送信制御部107は、前述のTimeフィールドに格納された日時データが日時の関連付けに使用可能であるか否かを表すフラグを設定するために、時計部103の保持する日時データを参照し、データ管理部105から受け取った日時データと比較してもよい。また、送信制御部107は、時計部103から日時の関連付けに使用可能な(略最新の)日時データを受け取り、これに基づいて、データ受信装置200へ日時の関連付けに使用可能な日時データをアドバタイジングするためのアドバタイズメントパケットを生成することもあり得る。送信制御部107は、生成したアドバタイズメントパケットを送信部108へ送る。
【0088】
送信制御部107は、入力部104から、送信部108によるデータ送信を制御するためのユーザ入力を受け取ることがある。この場合に、送信制御部107は、ユーザ入力に基づいてデータ管理部105に特定の日時データおよびセンサデータのセットを要求したり、時計部103に略最新(日時の関連付けに使用可能である)の日時データを要求したりする。その他、送信制御部107は、過去に送信したデータの再送や、日時の関連付けに使用可能な日時データのアドバタイジングなどのために、ユーザ入力に関わらず、アドバタイズメントパケットを生成し得る。
【0089】
送信部108は、送信制御部107からBLEのアドバタイズメントパケットを受け取り、これを送信(アドバタイジング)する。
【0090】
表示制御部109は、データ管理部105から日時データおよびセンサデータのセットを受け取り、これらに基づいて表示部110の表示データを生成する。また、表示制御部109は、時計部103を参照して、時計部103の保持する日時データを表示部110に表示させるための表示データを生成することもある。表示制御部109は、生成した表示データを表示部110へ送る。
【0091】
表示制御部109は、入力部104から、表示部110によるデータ表示を制御するためのユーザ入力を受け取ることがある。この場合に、表示制御部109は、ユーザ入力に基づいてデータ管理部105に特定の日時データおよびセンサデータのセットを要求したり、時計部103に略最新の日時データを要求したりする。
【0092】
表示部110は、表示制御部109から表示データを受け取り、これを表示する。
【0093】
<その他>
データ送信装置100およびデータ受信装置200の各機能に関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、データ送信装置100およびデータ受信装置200の各機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上の機能の一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、データ送信装置100およびデータ受信装置200それぞれのソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。
【0094】
§3 動作例
<データ受信装置>
次に、図5を用いて、データ受信装置200の動作例を説明する。図5は、データ受信装置200の動作の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0095】
図5の動作例は、データ受信装置200の受信部201が、データ送信装置100からBLEのアドバタイズメントパケット(日時データおよびセンサデータと、当該日時データが日時の関連付けに使用可能であるか否かを表すフラグとを格納したもの)を受信することで開始する。
【0096】
まず、日時算出部203は、受信部201の受信したフラグを参照し、アドバタイズメントパケットに格納された日時データが日時の関連付けに使用可能であるか否かを判定する(ステップS401)。アドバタイズメントパケットが日時の関連付けに使用可能な日時データを含むならば処理はステップS402へと進み、そうでなければ処理はステップS403へと進む。
【0097】
ステップS402において、日時算出部203は、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けをリセットする。すなわち、時計部202の指示する現在日時を基準日時として、受信した日時データの示すローカル日時と関連付ける。そして、処理はステップS404へと進む。
【0098】
ステップS403において、日時算出部203は、日時の関連付けが実施済みであるか、すなわち、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けが過去になされているかを判定する。基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けが過去になされていれば処理はステップS404へと進み、そうでなければ処理はステップS406へと進む。
【0099】
ステップS404において、日時算出部203は、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けを利用して、受信した日時データの書き換えを行う。具体的には、日時算出部203は、受信した日時データの示すローカル日時と、基準日時に関連付けられるローカル日時との差を算出する。そして、日時算出部203は、基準日時にこの差を加算することで、日時データの示すローカル日時に関連付けられる時計部202の日時を算出する。日時算出部203は、算出した日時によって、日時データを書き換える。そして、処理はステップS405へと進む。
【0100】
ステップS405において、データ管理部204は、ステップS404において書き換えられた日時データと、受信したセンサデータとを関連付けてデータ記憶部205に保存し、処理は終了する。
【0101】
ステップS406において、日時算出部203は、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けが利用できないので、受信した日時データの書き換えを行うことができない。故に、所定のエラー処理が行われ、処理は終了する。このエラー処理は、例えば、データ送信装置100に日時の関連付けに使用可能な日時データをアドバタイジングさせるためのトリガとなるユーザ入力を促すテキスト、画像または音声をデータ受信装置200の出力装置215に出力させることを含み得る。受信した日時データおよびセンサデータは、破棄されてもよいが、保存されてもよい。受信した日時データおよびセンサデータを保存しておけば、その後に行われるであろう基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けを利用して日時データを書き換えることで、データの欠落を防ぐことができる。
【0102】
<データ送信装置>
次に、図8を用いて、データ送信装置100の動作例を説明する。図8は、データ送信装置100の動作の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0103】
図8の動作例は、図示されないセンサ制御部が生体センサ101に測定を開始するための命令を与えることで開始する。なお、図8の動作例に限らず、データ送信装置100は、予め定められた様々なトリガに応じて、時計部103の略最新の(日時の関連付けに使用可能な)日時データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信することができる。略最新の日時データは、センサデータに関連付けられて送信されてもよいし、センサデータとは独立に送信されてもよい。
【0104】
生体センサ101は、ユーザの生体情報に関する量を測定して生体データ(センサデータ)を生成する(ステップS501)。この生体データは、時計部103の日時データと関連付けて、データ管理部105へ送られる。データ管理部105は、日時データおよび生体データのセットをデータ記憶部106へ書き込むとともに、アドバタイジングのために送信制御部107へ送る。そして、処理はステップS502へと進む。
【0105】
ステップS502において、送信制御部107は、アドバタイジング対象の日時データの示す日時と時計部103の現在日時とを比較し、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していれば処理はステップS504へと進み、そうでなければ処理はステップS503へと進む。
【0106】
この所定時間が大きいほど、データ受信装置200における基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けの精度は低くなる(すなわち許容誤差が大きくなる)が、関連付けの行われる頻度は高くなる。一例として、データ受信装置200がセンサデータの測定時間を分単位で管理するのであれば、所定時間は数秒から数十秒程度に設定され得る。
【0107】
ステップS503において、送信制御部107は、アドバタイジング対象の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表すフラグと、当該日時データと、ステップS501において測定された生体データとを格納したアドバタイズメントパケットを生成し、送信部108がこれを送信する。そして、処理はステップS505へと進む。
【0108】
他方、ステップS504において、送信制御部107は、アドバタイジング対象の日時データが日時の関連付けに使用可能でないことを表すフラグと、当該日時データと、ステップS501において測定された生体データとを格納したアドバタイズメントパケットを生成し、送信部108がこれを送信(アドバタイジング)する。そして、処理はステップS505へと進む。
【0109】
ステップS505では、ステップS503またはステップS504で送信したアドバタイズメントパケットの再送タイミングを待ち受ける。アドバタイズメントパケットの伝送のような片方向通信では、送信元は送信データが宛先によって正しく受信されたかどうかを確認することができないので、宛先におけるデータの欠落を想定してデータの再送を行うことが好ましい。再送タイミングが到来すると、処理はステップS502に戻る。
【0110】
ステップS502からステップS505のループによれば、生体情報に関する量の測定(ステップS501)から所定時間が経過するまでは、アドバタイジング対象の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表すフラグを含んだアドバタイズメントパケットが繰り返し送信される。すなわち、データ受信装置200は、この所定時間が経過するまでにアドバタイズメントパケットを受信すれば、基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けを行うことができる。
【0111】
[作用・効果]
以上説明したように、本実施形態では、データ送信装置は、予め定められたトリガに応じて、時計部の略最新の(日時の関連付けに使用可能な)日時を示す日時データを含む片方向通信用のパケットを送信する。そして、データ受信装置は、このデータ送信装置から送信された日時データの示す日時を自己に内蔵された時計部の現在日時(基準日時)に関連付ける。以降、データ受信装置は、データ送信装置から送信されるセンサデータに関連付けられた日時データの示すデータ送信装置のローカル日時を自己に内蔵された時計部の指示する日時を基準に書き換える。従って、本実施形態によれば、データ送信装置に内蔵された時計部の時刻合わせが行われていない場合や、当該時計部が不正確な日時を指示する場合にも、データ受信装置はセンサデータに関連付けられる適切な日時を算出することができる。
【0112】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0113】
<4.1>
例えば、上記実施形態では、データ送信装置は、センサデータと当該センサデータの測定日時を示す日時データとをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信している。しかしながら、データ送信装置は、センサデータの測定日時を示す日時データに代えて、当該測定日時からの経過日時を示す日時差データをBLEのアドバタイズメントパケットに格納して送信してもよい。日時差データは、例えば、センサデータに関連付けられた日時データの示す(測定)日時と、時計部103の略最新の(すなわち、パケット送信時の)日時との差を算出することで導出可能である。
【0114】
この変形例では、データ受信装置は、時計部202の略最新の日時を用いて日時差データから日時データを算出する。具体的には、日時算出部203は、時計部202の略最新の日時から日時差データの示す差を差し引くことで、センサデータに関連付けられる日時を算出可能である。
【0115】
この変形例によれば、データ送信装置100がセンサデータを送信する度に日時差データを算出する必要がある一方で、データ受信装置200は基準日時とデータ送信装置100のローカル日時との関連付けを行わなくても、センサデータに関連付けられる日時を算出することができる。
【0116】
ただし、ここまで説明した実施形態は全て、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、各実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
【0117】
§5 付記
上記各実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これに限られない。
(付記1)
データ送信装置と通信するデータ受信装置であって、
メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと
を具備し、
前記プロセッサは、
(a)日時を指示する時計部と、
(b)前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、
(c)(1)前記パケットが、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む場合に、前記第1の日時データにより示されるローカル日時に関連付けて前記時計部の指示する日時を基準日時としてメモリに保存し、(2)前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる、前記データ送信装置におけるローカル日時を示す第2の日時データとを含む場合に、前記基準日時に関連付けられて前記メモリに保持されているローカル日時と前記第2の日時データの示すローカル日時との差と、前記メモリに保持されている前記基準日時とに基づいて第3の日時データを算出する算出部
として機能するように構成される、
データ受信装置。
【0118】
(付記2)
メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと
を具備し、
前記プロセッサは、
(a)日時を指示する時計部と、
(b)(1)前記時計部の日時を示す第1の日時データと、前記第1の日時データが日時の関連付けに使用可能であることを表す情報とを含む、片方向通信用の第1のパケット、および(2)センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時を示す第2の日時データとを含む、片方向通信用の第2のパケットを送信する送信部
として機能するように構成される、
データ送信装置。
【0119】
(付記3)
データ送信装置と通信するデータ受信装置であって、
メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと
を具備し、
前記プロセッサは、
(a)日時を指示する時計部と、
(b)前記データ送信装置から送信された片方向通信用のパケットを受信する受信部と、
(c)前記パケットが、センサデータと、当該センサデータに関連付けられる日時差データとを含む場合に、前記時計部の日時を用いて前記日時差データから前記センサデータの測定日時を表す日時データを算出する算出部
として機能するように構成され、
前記日時差データは、前記日時差データの関連付けられたセンサデータを前記パケットの送信元が測定したローカル日時と当該パケットの送信元が当該パケットを送信したローカル日時との差を示す、
データ受信装置。
【0120】
(付記4)
メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと
を具備し、
前記プロセッサは、
(a)日時を指示する時計部と、
(b)片方向通信用のパケットを送信する送信部
として機能するように構成され、
前記パケットは、センサによって測定されたセンサデータと当該センサデータの測定された時の前記時計部の日時および前記パケットを送信する時の前記時計部の日時の差を示す日時差データとを含む、
データ送信装置。
【符号の説明】
【0121】
100・・・データ送信装置
101・・・生体センサ
102・・・動きセンサ
103・・・時計部
104・・・入力部
105,204・・・データ管理部
106,205・・・データ記憶部
107・・・送信制御部
108,206・・・送信部
109・・・表示制御部
110・・・表示部
111,211・・・制御部
112,212・・・記憶部
113,213・・・通信インタフェース
114,214・・・入力装置
115,215・・・出力装置
116,216・・・外部インタフェース
117・・・バッテリ
200・・・データ受信装置
201・・・受信部
202・・・時計部
203・・・日時算出部
300・・・サーバ
図1
図2
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