IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シナプティクス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図1
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図2
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図3
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図4
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図5
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図6
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図7
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図8
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図9
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図10
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図11
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図12
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図13
  • 特許-バンドギャップリファレンス回路 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】バンドギャップリファレンス回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 3/02 20060101AFI20220613BHJP
   G05F 1/56 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G05F3/02
G05F1/56 310E
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2017211132
(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公開番号】P2019082951
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康彦
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-086000(JP,A)
【文献】特開2013-054471(JP,A)
【文献】特開2009-217809(JP,A)
【文献】特開2013-058155(JP,A)
【文献】特開2012-243054(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0110476(US,A1)
【文献】特開2007-192718(JP,A)
【文献】特開2000-267749(JP,A)
【文献】特開2010-073133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 3/02
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線に接続され、第1ノードに第1電流を供給し、前記第1ノードと仮想ショートされた第2ノードに第2電流を供給するように構成された第1カレントミラーと、
記第2ノードと地線の間の、前記電源線に供給される電源電圧に抵抗が依存するように構成された第1可変抵抗素子と、
備える
バンドギャップリファレンス回路。
【請求項2】
更に、
前記第1ノードと前記接地線の間の第1pn接合素子と、
前記第1可変抵抗素子と直列に接続された第2pn接合素子と、
を備える
請求項1に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項3】
更に、前記第2ノードと前記接地線の間に、前記第1可変抵抗素子及び前記第2pn接合素子と直列に接続された第1抵抗素子を備える
請求項に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項4】
更に、前記第1カレントミラーの第1出力、前記第2ノードの間に、前記電源電圧に抵抗が依存するように構成された第2可変抵抗素子を備え
前記第1カレントミラーが前記第1出力で前記第2電流を出力するように構成された
請求項又はに記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項5】
更に、前記第1カレントミラーと前記第2ノードの間に、前記第2可変抵抗素子と直列に接続された第2抵抗素子を備え、
前記第1カレントミラーは、前記第2可変抵抗素子及び前記第2抵抗素子を介して前記第2ノードに前記第2電流を供給するように構成された
請求項4に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項6】
更に、前記第1カレントミラーの前記第1電流を出力する第2出力端子と、前記第ノードの間に、前記電源電圧に抵抗が依存する3可変抵抗素子を備える
請求項に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項7】
更に、
前記第1カレントミラーと前記第2ノードの間に、前記第2可変抵抗素子と直列に接続された第2抵抗素子と、
前記第1カレントミラーと前記第1ノードの間に、前記第3可変抵抗素子と直列に接続された第3抵抗素子
とを備え、
前記第1カレントミラーは、前記第2可変抵抗素子及び前記第2抵抗素子を介して前記第2ノードに前記第2電流を供給し、前記第3可変抵抗素子及び前記第3抵抗素子を介して前記第1ノードに前記第1電流を供給するように構成された
請求項6に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項8】
前記第1pn接合素子は、ダイオード接続された第1バイポーラトランジスタを含み、
前記第2pn接合素子は、ダイオード接続された第2バイポーラトランジスタを含む
請求項乃至のいずれか1項に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項9】
更に、出力ノードと前記電源線の間に電流-電圧変換回路部を備え、
前記第1カレントミラーが、前記出力ノードに第3電流を供給するように構成され、
前記電流-電圧変換回路部が、前記出力ノードから出力される出力電圧を前記第3電流から生成するように構成された
請求項又はに記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項10】
更に、
前記第1ノードと前記接地線の間に、前記第1pn接合素子と並列に接続された第2抵抗素子と、
前記第2ノードと前記接地線の間に、前記第2pn接合素子と並列に接続された第3抵抗素子
とを備える
請求項に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項11】
前記電流-電圧変換回路部が、前記出力ノードと前記接地線の間に、前記電源電圧に依存する第4可変抵抗素子を備える
請求項又は10に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項12】
前記電流-電圧変換回路部が、更に、
前記出力ノードと前記接地線の間の第3pn接合素子と、
記第3pn接合素子と前記第4可変抵抗素子に並列に接続された第5抵抗素子
とを備える
求項11に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項13】
前記電流-電圧変換回路部が、更に、前記出力ノードと前記接地線の間に、前記第3pn接合素子と前記第4可変抵抗素子に直列に接続された第6抵抗素子を備える
請求項12に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項14】
前記第1pn接合素子は、第1バイポーラトランジスタを含み、
前記第2pn接合素子は、第2バイポーラトランジスタを含み、
当該バンドギャップリファレンス回路は、更に、第3ノードと前記接地線の間の第3バイポーラトランジスタを含み、
前記第1バイポーラトランジスタ、前記第2バイポーラトランジスタ及び前記第3バイポーラトランジスタのベースは、前記第3バイポーラトランジスタのコレクタに共通に接続され、
前記第1カレントミラーは、前記第3ノードに第4電流を出力するように構成され、
前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第3ノードは、互いに仮想ショートされ、
前記第1電流が、前記第1バイポーラトランジスタのコレクタを流れ、
前記第2電流が、前記第2バイポーラトランジスタのコレクタを流れ、
前記第4電流が、前記第3バイポーラトランジスタのコレクタを流れる
請求項12又は13に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項15】
更に、
第5電流を前記第3ノードに供給し、第6電流を前記電流-電圧変換回路部に供給するように構成された第2カレントミラーと、
前記第1ノードに第1入力が接続され、前記第2ノードに第2入力が接続され、前記第1電流、前記第2電流、前記第3電流及び前記第4電流を制御する第1制御電圧を前記第1カレントミラーに出力するように構成された第1演算増幅器と、
前記第1ノードに第1入力が接続され、前記第3ノードに第2入力が接続され、前記第5電流及び前記第6電流を制御する第2制御電圧を前記第2カレントミラーに出力するように構成された第2演算増幅器
とを備える
請求項14に記載のバンドギャップリファレンス回路。

【請求項16】
前記第1可変抵抗素子が、前記電源電圧がゲートに供給されたNMOSトランジスタを含む
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のバンドギャップリファレンス回路。
【請求項17】
出力電圧の絶対温度に対する温度依存性を低減する方法であって、
電源線に接続された第1カレントミラーにより、第1ノードに第1電流を供給することと、
前記第1カレントミラーにより、前記第1ノードと仮想ショートされた第2ノードに第2電流を供給することと、
前記電源線に供給される電源電圧に依存する抵抗を有する第1可変抵抗素子を介して、前記第2ノードから接地線に前記第2電流の少なくとも一部を流すことと、
前記第1カレントミラーに接続された出力ノードから前記出力電圧を得ることと、
を含む
方法。
【請求項18】
更に、
第1pn接合素子を介して前記第1ノードから前記接地線に前記第1電流の少なくとも一部を流すこと
を含み、
前記第2ノードから前記接地線に前記第2電流の少なくとも一部を流すことは、前記第1可変抵抗素子と、前記第1可変抵抗素子と直列に接続された第2pn接合素子とを介して前記第2ノードから前記接地線に前記第2電流の少なくとも一部を流すことを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2ノードに前記第2電流を供給することは、前記第1カレントミラーにより、前記電源電圧に抵抗が依存する第2可変抵抗素子を介して前記第2電流を前記第2ノードに供給することを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1可変抵抗素子が、前記電源電圧がゲートに供給されたNMOSトランジスタを含む
請求項17乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バンドギャップリファレンス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
バンドギャップリファレンス回路は、pn接合の電流-電圧特性の温度依存性を利用して温度に対して安定した出力電圧を生成する電圧生成回路であり、半導体集積回路において広く用いられる。
【0003】
バンドギャップリファレンス回路の出力電圧は、一般に、外乱に対して相当に安定である。しかしながら、バンドギャップリファレンス回路の構成によっては、出力電圧が電源電圧に僅かに依存する場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】H. Banba et al., “A CMOS Bandgap Reference Circuit with Sub-1 -V Operation”, IEEE Journal of Solid-state Circuits, vol. 34, pp. 670-674, May 1999.
【文献】Yuichi Okuda et al., “A Trimming-Free CMOS Bandgap-Reference Circuit with Sub-1-V-Supply Voltage Operation”, 2007 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, PP 96-97
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路が、電源線に接続され、第1ノードに第1電流を供給し、第1ノードと仮想ショートされた第2ノードに第2電流を供給するカレントミラーと、第1ノードと接地線の間の第1pn接合素子と、第2ノードと接地線の間の、電源線に供給される電源電圧に抵抗が依存する可変抵抗素子と、可変抵抗素子と直列に接続された第2pn接合素子とを備える。
【0006】
他の実施形態では、バンドギャップリファレンス回路が、電源線に供給される電源電圧に抵抗が依存する可変抵抗素子と、電源線に接続され、第1ノードに第1電流を供給し、第1ノードと仮想ショートされた第2ノードに可変抵抗素子を介して第2電流を供給するカレントミラーと、第1ノードと接地線の間の第1pn接合素子と、第2ノードと接地線の間の第2pn接合素子と、第2pn接合素子に直列に接続された第1抵抗素子とを備える。
【0007】
更に他の実施形態では、バンドギャップリファレンス回路が、電源線に接続され、第1ノードに第1電流を供給し、第1ノードと仮想ショートされた第2ノードに第2電流を供給し、出力ノードに第3電流を供給するカレントミラーと、第1ノードと接地線の間の第1pn接合素子と、第2ノードと接地線の間の第2pn接合素子と、第2pn接合素子に直列に接続された第1抵抗素子と、出力ノードと接地線の間の、電源線に供給される電源電圧に抵抗が依存する可変抵抗素子とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図2】可変抵抗素子の構成の例を示す図である。
図3】他の実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図4】更に他の実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図5】他の実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図6】他の実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図7】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図8】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図9】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図10】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図11】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図12】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図13】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
図14】一実施形態のバンドギャップリファレンス回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付図面を参照しながら、本開示の様々な実施形態を説明する。以下の説明において、同一又は類似する構成要素を、同一又は対応する参照符号で参照することがある。
【0010】
図1に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路100が、電源線11と、接地線12と、カレントミラー13と、演算増幅器14と、抵抗素子R1、R2、R3と、可変抵抗素子R4と、バイポーラトランジスタQ1、Q2とを備えている。電源線11には電源電圧Vccが供給され、接地線12は、接地されている。
【0011】
カレントミラー13は、電流I、Iの電流レベルが同一であるように電流I、Iを出力する。本実施形態では、カレントミラー13が、1対のPMOSトランジスタMP1、MP2を備えている。PMOSトランジスタMP1、MP2は、ゲートが互いに接続され、更にソースが共通に電源線11に接続されている。PMOSトランジスタMP1のドレインは、抵抗素子R1を介してノードN1に接続され、PMOSトランジスタMP2のドレインは、抵抗素子R2を介してノードN2に接続されている。PMOSトランジスタMP1のドレインは、電流Iを出力する第1出力として用いられ、PMOSトランジスタMP2のドレインは、電流Iを出力する第2出力として用いられる。一実施形態では、抵抗素子R1、R2は、それらの抵抗が同一であるように設計される。
【0012】
演算増幅器14は、非反転入力がノードN1に接続されており、反転入力がノードN2に接続されており、出力がPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートに接続されている。演算増幅器14は、電流I、Iを制御する制御電圧をカレントミラー13のPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートに供給する。演算増幅器14は、ノードN1、N2が同一の電位を有するようにPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートの電位を制御する。ノードN1、N2は、このような演算増幅器14の動作によって仮想ショートされる(virtually shorted)。カレントミラー13及び演算増幅器14は、総合すると、ノードN1、N2を同一の電位に制御すると共に、ノードN1、N2に同一電流レベルの電流を供給する電流供給回路部として動作することになる。
【0013】
バイポーラトランジスタQ1は、ダイオード接続されており、pn接合を有する第1のpn接合素子として動作する。本実施形態では、バイポーラトランジスタQ1としてNPNトランジスタが用いられている。バイポーラトランジスタQ1は、コレクタ及びベースが、ノードN1に共通に接続され、エミッタが接地線12に接続されている。このような接続により、電流Iは、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ間のpn接合を順方向に流れることになる。
【0014】
バイポーラトランジスタQ2と抵抗素子R3と可変抵抗素子R4とが、ノードN2と接地線12との間に直列に接続されている。図1においては、可変抵抗素子R4の抵抗が電源電圧Vccに依存することを明確にするために、可変抵抗素子R4が記号“R4(Vcc)”で示されている。なお、バイポーラトランジスタQ2、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4が接続される順序は、適宜に変更可能である。
【0015】
バイポーラトランジスタQ2も、バイポーラトランジスタQ1と同様にダイオード接続されており、第2のpn接合素子として動作する。本実施形態では、バイポーラトランジスタQ2としてNPNトランジスタが用いられている。バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ接合の面積のN倍である。ここで、Nは、1より大きい数である。本実施形態では、バイポーラトランジスタQ2は、コレクタ及びベースが、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4を介してノードN2に共通に接続され、エミッタが接地線12に接続されている。このような接続により、電流Iは、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ間のpn接合を順方向に流れることになる。
【0016】
なお、バイポーラトランジスタQ1、Q2としては、ダイオード接続されたPNPトランジスタが用いられてもよい。
【0017】
一実施形態では、MOSトランジスタと共に形成される寄生バイポーラトランジスタが、バイポーラトランジスタQ1、Q2として用いられ得る。このような構成は、バンドギャップリファレンス回路100を、MOSトランジスタが集積化される集積回路に集積することを容易にする。
【0018】
ダイオード接続されたバイポーラトランジスタQ1、Q2の代わりに、pn接合を有する他の素子を用いてもよい。例えば、一実施形態では、半導体基板に形成されたウェルと該ウェルに形成された拡散層とを備えるダイオードがバイポーラトランジスタQ1、Q2の代わりに用いられてもよい。他の実施形態では、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタQ1、Q2の代わりに、ダイオード接続されたMOSトランジスタが用いられてもよい。
【0019】
可変抵抗素子R4は、電源線11に供給される電源電圧Vccに依存する抵抗を有している。一実施形態では、図2に図示されているように、可変抵抗素子R4として、ゲートに電源電圧Vccが供給されたNMOSトランジスタMN1が用いられてもよい。ゲートに電源電圧Vccが供給されているNMOSトランジスタMN1のオン抵抗は、電源電圧Vccに依存するので、NMOSトランジスタMN1は、可変抵抗素子R4として用いられ得る。この場合、可変抵抗素子R4の抵抗は、電源電圧Vccが増大すると減少する。可変抵抗素子R4として用いられるNMOSトランジスタのゲートに、電源電圧Vccの代わりに、電源電圧Vccから例えば電圧分圧によって生成されたバイアス電圧が供給されてもよい。他の実施形態では、可変抵抗素子R4として、PMOSトランジスタが用いられてもよい。
【0020】
本実施形態では、バンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutは、PMOSトランジスタMP2のドレインと抵抗素子R2とを接続する出力ノードNoutから出力される。このような構成では、出力電圧Voutは、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2と、抵抗素子R2、R3、可変抵抗素子R4における電圧降下の和として生成される。以下に議論するように、抵抗素子R2、R3、可変抵抗素子R4を流れる電流Iが、正の温度依存性を有する一方で、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2は、絶対温度Tに対して負の温度依存性を有している。このため、バンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutは、絶対温度Tに対して温度依存性が小さい。詳細には、バンドギャップリファレンス回路100は、以下のように動作して出力電圧Voutを生成する。
【0021】
バイポーラトランジスタQ1、Q2、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4の作用により、ノードN1、N2に供給される電流I、Iは、絶対温度に比例する。この意味で、バイポーラトランジスタQ1、Q2と抵抗素子R3と可変抵抗素子R4とを、総称して、PTAT(proportional to absolute temperature)電流生成回路部15と呼ぶことがある。
【0022】
詳細には、カレントミラー13によって電流I、Iが同一の電流レベルIに制御される場合、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ接合の面積がバイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ接合の面積のN倍であることから、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ電圧VBE1と、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2とについて、例えば下記式(1a)(1b)が成立する。
【数1】
ここで、Isは、逆方向飽和電流であり、kは、ボルツマン定数であり、Tは、絶対温度であり、qは、電気素量である。
【0023】
ノードN1とノードN2が仮想ショートされており、ノードN2の電圧が、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ電圧VBE1に一致することから、下記式(2)が成立する:
【数2】
R4(Vcc)は、可変抵抗素子R4の抵抗であり、電源電圧Vccに依存する。
【0024】
式(1a)、(1b)を式(2)に代入することにより、電流I、Iの電流レベルIが下記式(3)として得られる:
【数3】
ここで、Vtは、熱電圧であり、下記式(4)で与えられる。
【数4】
電流I、Iの電流レベルIは、絶対温度Tに比例する。電流Iが絶対温度Tに比例して増加するので、抵抗素子R2、R3、可変抵抗素子R4で発生する電圧降下も、絶対温度Tに比例して増加する。
【0025】
出力電圧Voutは、抵抗素子R2、R3及び可変抵抗素子R4で発生する電圧降下とバイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2との和であり、例えば下記式(5)で表される:
【数5】
熱電圧Vtが温度に比例して増加する正の温度依存性を有する一方で、ベース-エミッタ電圧VBE2が負の温度依存性を有しているから、N、R2、R3、R4を適正に調節することにより、出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。
【0026】
加えて、式(5)からも理解されるように、可変抵抗素子R4を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R4の特性を選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。可変抵抗素子R4を設けない場合、出力電圧Voutは、電源電圧Vccの増加に伴って増加することが多い。この場合には、電源電圧Vccが増加したときに抵抗が増大するような可変抵抗素子R4を用いることで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減することができる。逆に、可変抵抗素子R4を設けない場合に出力電圧Voutが電源電圧Vccの増加に伴って減少する場合には、電源電圧Vccが増加したときに抵抗が減少するような可変抵抗素子R4を用いることで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減することができる。
【0027】
図3に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路100が、図1に示された構成と類似した構成となっている。ただし、可変抵抗素子R4を含んでいないPTAT電流生成回路部16が用いられると共に、出力ノードNoutとノードN2の間に抵抗素子R2と可変抵抗素子R5が直列に接続されている。
【0028】
可変抵抗素子R4と同様に、可変抵抗素子R5としては、ゲートに電源電圧Vccが供給されたNMOSトランジスタが用いられてもよい(図2参照)。この場合、可変抵抗素子R5の抵抗は、電源電圧Vccが増大すると減少する。可変抵抗素子R5として用いられるNMOSトランジスタのゲートに、電源電圧Vccの代わりに、電源電圧Vccから例えば電圧分圧によって生成されたバイアス電圧が供給されてもよい。他の実施形態では、可変抵抗素子R5として、PMOSトランジスタが用いられてもよい。なお、抵抗素子R2と可変抵抗素子R5の位置は、交換可能である。
【0029】
図2に示す構成では、ノードN2の電圧が、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ電圧VBE1に一致することから、下記式(6):
【数6】
が成立し、よって、電流I、Iの電流レベルIは、下記式(7):
【数7】
で得られる。
【0030】
出力電圧Voutは、例えば下記式(8)で表されるように、抵抗素子R2、可変抵抗素子R5及び抵抗素子R3で発生する電圧降下とバイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2との和であり、N、R2、R3及びR5(Vcc)を適正に調節することにより、温度依存性の少ない又は全くない出力電圧Voutを実現できる。
【数8】
【0031】
また、可変抵抗素子R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減するように、可変抵抗素子R5の特性を選択してもよい。可変抵抗素子R5を設けない場合、出力電圧Voutは、電源電圧Vccの増加に伴って増加することが多い。この場合には、電源電圧Vccが増加したときに抵抗が減少するような可変抵抗素子R5を用いることで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減することができる。逆に、可変抵抗素子R5を設けない場合に出力電圧Voutが電源電圧Vccの増加に伴って減少する場合には、電源電圧Vccが増加したときに抵抗が減少するような可変抵抗素子R5を用いることで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減することができる。
【0032】
図4に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路100が、図3に示された構成と類似した構成となっているが、PMOSトランジスタMP1のドレインとノードN1の間に、抵抗素子R1と可変抵抗素子R5が直列に接続されている。図3の構成では、PMOSトランジスタMP1、MP2のドレインに接続される抵抗素子の抵抗が相違しているため、アーリ効果に起因して電流I、Iの電流レベルが相違し得る。一方で、図4の構成によれば、回路の対称性を高め、PMOSトランジスタMP1、MP2のアーリ効果に起因する電流I、Iの電流レベルの差を有効に低減することができる。なお、抵抗素子R1と可変抵抗素子R5の位置は交換可能である。
【0033】
図5に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路100が、図1に示す構成と図4に示す構成の組み合わせとして構成される。図5の構成では、可変抵抗素子R4を含んでいるPTAT電流生成回路部15が用いられる。加えて、PMOSトランジスタMP1のドレインとノードN1の間に抵抗素子R1と可変抵抗素子R5が直列に接続され、PMOSトランジスタMP2のドレインとノードN2の間に抵抗素子R2と可変抵抗素子R5が直列に接続されている。
【0034】
図5の構成では、出力電圧Voutは、抵抗素子R2、可変抵抗素子R5、可変抵抗素子R4及び抵抗素子R3で発生する電圧降下とバイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ電圧VBE2との和であり、例えば下記式(9)で表される:
【数9】
ここで、式(9)は、電流I、Iの電流レベルIが上記の式(3)で与えられることを利用して得られている。
【0035】
式(9)に基づき、一実施形態では、N、R2、R3、R4(Vcc)及びR5(Vcc)が、温度依存性が小さい又は全くない出力電圧Voutを生成するように調節される。
【0036】
また、可変抵抗素子R4、R5の特性は、可変抵抗素子R4、R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減するように選択される。
【0037】
図6に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路200が、電源線21と、接地線22と、カレントミラー23と、演算増幅器24と、抵抗素子R3、R6、R7、R8と、可変抵抗素子R4と、バイポーラトランジスタQ1、Q2とを備えている。電源線21には電源電圧Vccが供給され、接地線22は、接地されている。
【0038】
カレントミラー23は、電流I、Iの電流レベルが同一であるように電流I、Iを出力する。加えて、カレントミラー23は、電流I、Iの電流レベルに比例する電流レベルを有する電流Iを出力する。一実施形態では、カレントミラー23は、電流Iの電流レベルが、電流I、Iの電流レベルと同じであるように電流Iを出力してもよい。本実施形態では、カレントミラー23が、PMOSトランジスタMP0、MP1及びMP2を備えている。PMOSトランジスタMP0、MP1及びMP2は、ゲートが互いに接続され、更にソースが共通に電源線21に接続されている。PMOSトランジスタMP1のドレインは、ノードN1に接続され、PMOSトランジスタMP2のドレインは、ノードN2に接続されている。PMOSトランジスタMP0のドレインは、出力ノードNoutに接続されている。
【0039】
演算増幅器24は、非反転入力がノードN1に接続されており、反転入力がノードN2に接続されており、出力がPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートに接続されている。演算増幅器24は、電流I、I、Iを制御する制御電圧をカレントミラー13のPMOSトランジスタMP1、MP2、MP0のゲートに出力する。演算増幅器14は、ノードN1、N2が同一の電位を有するようにPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートの電位を制御する。ノードN1、N2は、このような演算増幅器24の動作により、仮想ショートされる。カレントミラー23及び演算増幅器24は、総合すると、ノードN1、N2を同一の電位に制御すると共に、ノードN1、N2に同一電流レベルの電流を供給する電流供給回路部として動作することになる。
【0040】
図1に示したバンドギャップリファレンス回路100と同様に、本実施形態でも、バイポーラトランジスタQ1、Q2、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4が、PTAT電流生成回路部25として動作する。バイポーラトランジスタQ1は、ノードN1と接地線22の間に接続されている。抵抗素子R3、バイポーラトランジスタQ2及び可変抵抗素子R4は、ノードN1と接地線22の間に直列に接続されている。バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ接合の面積のN倍である。なお、抵抗素子R3、バイポーラトランジスタQ2及び可変抵抗素子R4が接続される順序は、順不同である。
【0041】
抵抗素子R6は、ノードN1と接地線22の間に、バイポーラトランジスタQ1と並列に接続されており、抵抗素子R7は、ノードN2と接地線22の間に、抵抗素子R3、バイポーラトランジスタQ2及び可変抵抗素子R4と並列に接続されている。一実施形態では、抵抗素子R6、R7は、同一の抵抗を有するように設計される。
【0042】
抵抗素子R8は、出力ノードNoutと接地線22の間に接続されている。抵抗素子R8は、出力ノードNoutに供給される電流Iから出力電圧Voutを生成する電流-電圧変換回路部として機能する。
【0043】
本実施形態のバンドギャップリファレンス回路200は、概略的には、下記の動作によって温度依存性が小さい出力電圧Voutを生成する。バイポーラトランジスタQ1を流れる電流I1A及び抵抗素子R3、バイポーラトランジスタQ2及び可変抵抗素子R4を流れる電流I2Aは、いずれも、正の温度依存性を有するPTAT電流である。一方、抵抗素子R6を流れる電流I1B及び抵抗素子R7を流れる電流I2Bは、負の温度依存性を有するCTAT(complementary to absolute temperature)電流である。電流Iは、電流I1Aと電流I1Bの和電流であり、電流Iは、電流I2Aと電流I2Bの和電流であるから、電流I、Iの温度依存性を小さくすることができる。よって、電流I、Iのミラーリングにより生成される電流Iも温度依存性を小さくすることができる。出力電圧Voutは、電流Iが抵抗素子R8を流れることで発生する電位差として生成されるので、出力電圧Voutの温度依存性も低減される。詳細には、バンドギャップリファレンス回路100の出力電圧Voutは、以下のように得られる。
【0044】
ノードN2に流れ込む電流Iは、電流I2Aと電流I2Bの和電流であるから、下記式(10)が成立する。
【数10】
【0045】
ノードN1、N2が仮想ショートされることから、ノードN2の電位は、バイポーラトランジスタQ1のベース-エミッタ電圧VBE1になり、よって、電流I2A、I2Bは、下記式(11a)、(11b)で表される。
【数11】
【0046】
ベース-エミッタ電圧VBE1、VBE2を表す式(1a)、(1b)と、式(10)、(11a)、(11b)から、電流Iは、下記式(12)として表される:
【数12】
【0047】
カレントミラー23が、電流Iと同一の電流レベルを有するように電流Iを出力する場合、出力電圧Voutは、例えば下記式(13)で表される:
【数13】
【0048】
熱電圧Vtが温度に比例して増加する正の温度依存性を有する一方で、ベース-エミッタ電圧VBE1が負の温度依存性を有しているから、式(13)からも理解されるように、N、R2、R3、R4(Vcc)及びR7を調節することにより、出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。
【0049】
また、可変抵抗素子R4を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路200の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R4の特性を選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0050】
図7に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路200が、図6に示された構成と類似した構成となっている。ただし、可変抵抗素子R4を含んでいないPTAT電流生成回路部26が用いられると共に、出力ノードNoutと接地線22の間に抵抗素子R8と可変抵抗素子R5とが直列に接続された電流-電圧変換回路部27が接続される。
【0051】
図7に図示されているバンドギャップリファレンス回路200では、電流Iは、例えば下記式(14)で表される。
【数14】
【0052】
よって、出力電圧Voutは、例えば下記式(15)で表される。
【数15】
【0053】
式(15)からも理解されるように、N、R2、R3及びR7を適正に調節することにより、出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。
【0054】
また、可変抵抗素子R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路200の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R5の特性を適切に選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0055】
図8に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路200が、図6に示す構成と図7に示す構成の組み合わせとして構成される。図8の構成では、可変抵抗素子R4を含んでいるPTAT電流生成回路部25が用いられる。加えて、出力ノードNoutと接地線22の間に抵抗素子R8と可変抵抗素子R5とが直列に接続された電流-電圧変換回路部27が接続される。
【0056】
図8の構成では、出力電圧Voutは、例えば、下記式(16)で表される:
【数16】
【0057】
式(16)に基づき、一実施形態では、N、R3、R4(Vcc)及びR7が、温度依存性が小さい又は全くない出力電圧Voutを生成するように調節される。
【0058】
また、可変抵抗素子R4、R5の特性は、可変抵抗素子R4、R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路200の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減するように調節される。
【0059】
図9に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路300が、電源線31と、接地線32と、カレントミラー33と、演算増幅器34-1、34-2と、抵抗素子R3と、可変抵抗素子R4と、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3と、電流-電圧変換回路部36とを備えている。電源線31には電源電圧Vccが供給され、接地線32は、接地されている。
【0060】
カレントミラー33は、電流I、I、I、Iの電流レベルが同一であるように電流I、I、I、Iを出力する。本実施形態では、カレントミラー33が、PMOSトランジスタMP0、MP1、MP2及びMP3を備えている。PMOSトランジスタMP0、MP1、MP2及びMP3は、ゲートが互いに接続され、更にソースが共通に電源線31に接続されている。PMOSトランジスタMP1、MP2、MP3のドレインは、それぞれ、ノードN1、N2、N3に接続されている。PMOSトランジスタMP0のドレインは、出力ノードNoutに接続されている。
【0061】
バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3は、それぞれ、pn接合を有する第1、第2及び第3のpn接合素子として動作する。本実施形態では、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3としてNPNトランジスタが用いられる。バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベースは、バイポーラトランジスタQ3のコレクタに共通に接続されている。バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタは、それぞれ、ノードN1、N2、N3に接続されている。バイポーラトランジスタQ1、Q3のエミッタは、接地線32に接続されており、バイポーラトランジスタQ2のエミッタは、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4を介して接地線32に接続されている。このような接続により、電流I、I、Iは、それぞれ、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース-エミッタ間のpn接合の順方向に流れることになる。
【0062】
本実施形態では、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積が同一であり、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積のN倍である。ここで、Nは、1より大きい数である。
【0063】
演算増幅器34-1は、反転入力がノードN1に接続されており、非反転入力がノードN2に接続されており、出力がPMOSトランジスタMP0、MP1、MP2、MP3のゲートに接続されている。演算増幅器34-1は、電流I、Iを制御する制御電圧をカレントミラー33のPMOSトランジスタMP1、MP2のゲートに出力する。
【0064】
演算増幅器34-2は、反転入力がノードN3に接続されており、非反転入力がノードN1に接続されており、出力がバイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベースに接続されている。演算増幅器34-2は、電流I、Iを制御する制御電圧をバイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベースに出力する。
【0065】
演算増幅器34-1、34-2は、全体としては、ノードN1、N2、N3が同一の電位を有するようにPMOSトランジスタMP1、MP2、MP3のゲートの電位及びバイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベースの電位を制御することになる。ノードN1、N2、N3は、このような演算増幅器34-1、34-2の動作によって仮想ショートされる。カレントミラー33、演算増幅器34-1及び34-2は、総合すると、ノードN1、N2、N3を同一の電位に制御すると共に、ノードN1、N2、N3に同一電流レベルの電流を供給する電流供給回路部として動作することになる。
【0066】
電流-電圧変換回路部36は、カレントミラー33から受け取った電流Iから出力電圧Voutを生成する。本実施形態では、電流-電圧変換回路部36は、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタQ0と、抵抗素子R9、R10とを備えている。バイポーラトランジスタQ0のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積と同じである。バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とは、出力ノードNoutと接地線32の間に直列に接続されている。なお、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9の位置は、交換可能である。抵抗素子R10は、出力ノードNoutと接地線32の間に、バイポーラトランジスタQ0及び抵抗素子R9と並列に接続されている。
【0067】
本実施形態のバンドギャップリファレンス回路300は、概略的には、下記の原理により、温度依存性が小さい出力電圧Voutを生成可能である。バイポーラトランジスタQ1を流れる電流I、バイポーラトランジスタQ2、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4を流れる電流Iを流れる電流は、正の温度依存性を有するPTAT電流である。この意味で、バイポーラトランジスタQ1、Q2と抵抗素子R3と可変抵抗素子R4とを、総称して、PTAT電流生成回路部35と呼ぶことがある。
【0068】
電流-電圧変換回路部36に供給される電流Iは、電流I、Iと同一の電流レベルIを有しているから、電流IもPTAT電流である。電流-電圧変換回路部36は、電流Iを、正の温度依存性を有する電流I0Aと温度依存性が小さい電流I0Bに分流し、電流I0Bが抵抗素子R10に流れることで発生する電圧を、出力電圧Voutとして出力する。よって、バンドギャップリファレンス回路300は、出力電圧Voutの温度依存性を小さくすることができる。詳細には、バンドギャップリファレンス回路300は、以下のように動作して出力電圧Voutを生成する。
【0069】
本実施形態においては、電流I、I、Iの電流レベルIは、同一であり、下記式(17)で表される。
【数17】
【0070】
また、電流Iは、電流I、Iと同一の電流レベルIを有し、且つ、バイポーラトランジスタQ0及び抵抗素子R9を流れる電流I0Aと抵抗素子R10を流れる電流I0Bの和電流であるから、下記式(18)が成立する:
【数18】
【0071】
また、バイポーラトランジスタQ0のベース-エミッタ電圧VBE0、抵抗素子R9及びR10の電圧降下について、下記式(19)が成立する:
【数19】
【0072】
式(17)~(19)から、電流I0Bは、下記式(20)により表される:
【数20】
【0073】
出力電圧Voutは、例えば下記式(21)により表される:
【数21】
【0074】
熱電圧Vtが温度に比例して増加する正の温度依存性を有する一方で、ベース-エミッタ電圧VBE0が負の温度依存性を有しているから、N、R3、R4(Vcc)及びR9を適正に調節することにより、出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。
【0075】
加えて、式(21)からも理解されるように、可変抵抗素子R4を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路300の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R4の特性を適切に選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0076】
図10に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路300が、図9に示された構成と類似した構成となっている。ただし、可変抵抗素子R4を含んでいないPTAT電流生成回路部37が用いられると共に、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とに可変抵抗素子R5が直列に接続された電流-電圧変換回路38が用いられる。なお、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9と可変抵抗素子R5が接続される順序は、順不同である。
【0077】
本実施形態においては、電流I、I、Iの電流レベルIは、同一であり、下記式(22)で表される。
【数22】
【0078】
また、バイポーラトランジスタQ0のベース-エミッタ電圧VBE0、抵抗素子R9及びR10の電圧降下について、下記式(23)が成立する:
【数23】
【0079】
式(18)、(22)、(23)から、電流I0Bは、下記式(24)により表される:
【数24】
【0080】
出力電圧Voutは、例えば下記式(25)により表される:
【数25】
【0081】
熱電圧Vtが温度に比例して増加する正の温度依存性を有する一方で、ベース-エミッタ電圧VBE1が負の温度依存性を有しているから、式(25)からも理解されるように、N、R3、R9及びR5(Vcc)を適正に調節することにより、出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。
【0082】
また、可変抵抗素子R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路300の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R5の特性を適切に選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0083】
図11に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路300が、図9に示す構成と図10に示す構成の組み合わせとして構成される。図11の構成では、可変抵抗素子R4を含んでいるPTAT電流生成回路部35が用いられる。加えて、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とに可変抵抗素子R5が直列に接続された電流-電圧変換回路38が用いられる。
【0084】
図11の構成では、出力電圧Voutは、例えば下記式(26)により表される:
【数26】
【0085】
式(26)に基づき、一実施形態では、N、R3、R4(Vcc)、R5(Vcc)及びR9が、温度依存性が小さい又は全くない出力電圧Voutを生成するように調節される。
【0086】
また、可変抵抗素子R4、R5の特性は、可変抵抗素子R4、R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路300の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減するように選択される。
【0087】
図12に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路400が、電源線41と、接地線42と、カレントミラー43と、演算増幅器44と、抵抗素子R3と、可変抵抗素子R4と、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3と、電流-電圧変換回路部46と、カレントミラー47と、演算増幅器48とを備えている。電源線41には電源電圧Vccが供給され、接地線42は、接地されている。
【0088】
カレントミラー43は、電流I、I、I、Iの電流レベルが同一であるように電流I、I、I、Iを出力する。本実施形態では、カレントミラー43が、PMOSトランジスタMP0、MP1、MP2、MP3を備えている。PMOSトランジスタMP0、MP1、MP2、MP3は、ゲートが互いに接続され、更にソースが共通に電源線41に接続されている。PMOSトランジスタMP1、MP2、MP3のドレインは、それぞれ、ノードN1、N2、N3に接続されている。PMOSトランジスタMP0のドレインは、出力ノードNoutに接続されている。
【0089】
バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3は、それぞれ、pn接合を有する第1、第2及び第3のpn接合素子として動作する。本実施形態では、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3としてNPNトランジスタが用いられる。バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベースは、バイポーラトランジスタQ3のコレクタに共通に接続されている。バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタは、それぞれ、ノードN1、N2、N3に接続されている。バイポーラトランジスタQ1、Q3のエミッタは、接地線42に接続されており、バイポーラトランジスタQ2のエミッタは、抵抗素子R3及び可変抵抗素子R4を介して接地線42に接続されている。このような接続により、電流I、I、Iは、それぞれ、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース-エミッタ間のpn接合の順方向に流れることになる。
【0090】
本実施形態では、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積が同一であり、バイポーラトランジスタQ2のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積のN倍である。ここで、Nは、1より大きい数である。
【0091】
演算増幅器44は、非反転入力がノードN1に接続されており、反転入力がノードN2に接続されており、出力がPMOSトランジスタMP0、MP1、MP2、MP3のゲートに接続されている。演算増幅器44は、電流I、I、I、Iを制御する制御電圧をカレントミラー13のPMOSトランジスタMP0、MP1、MP2、MP3のゲートに出力する。演算増幅器44は、ノードN1、N2が同一の電位を有するようにPMOSトランジスタMP0、MP1、MP2及びMP3のゲートの電位を制御する。ノードN1、N2は、このような演算増幅器44の動作によって仮想ショートされる。カレントミラー43及び演算増幅器44は、総合すると、ノードN1、N2を同一の電位に制御すると共に、ノードN1、N2に同一電流レベルの電流を供給する電流供給回路部として動作することになる。
【0092】
電流-電圧変換回路部46は、カレントミラー43から受け取った電流Iに応じて出力電圧Voutを生成する。本実施形態では、電流-電圧変換回路部46は、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタQ0と、抵抗素子R9、R10とを備えている。バイポーラトランジスタQ0のベース-エミッタ接合の面積は、バイポーラトランジスタQ1、Q3のベース-エミッタ接合の面積と同じである。バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とは、出力ノードNoutと接地線42の間に直列に接続されている。なお、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9の位置は、交換可能である。抵抗素子R10は、出力ノードNoutと接地線42の間に、バイポーラトランジスタQ0及び抵抗素子R9と並列に接続されている。
【0093】
カレントミラー47は、電流IをノードN3に出力すると共に、電流Iを電流-電圧変換回路部46に出力する。電流-電圧変換回路部46には、カレントミラー43からの電流Iとカレントミラー47からの電流Iの和電流が供給されることになる。カレントミラー47のミラー比は、A:1であり、電流Iは、電流Iの1/A倍である。本実施形態では、カレントミラー47が、PMOSトランジスタMP4、MP5を備えている。PMOSトランジスタMP4、MP5は、ゲートが互いに接続され、更にソースが共通に電源線41に接続されている。PMOSトランジスタMP4のドレインは、ノードN3に接続されており、PMOSトランジスタMP5のドレインは、電流-電圧変換回路部46に接続されている。一実施形態では、PMOSトランジスタMP4、MP5は、同一のゲート長Lを有しており、PMOSトランジスタMP4のゲート幅WMP4がPMOSトランジスタMP5のゲート幅WMP5のA倍であるように設計される。
【0094】
演算増幅器48は、電流I、Iを制御する制御電圧をカレントミラー47のPMOSトランジスタMP4、MP5のゲートに出力する。演算増幅器48は、ノードN2、N3が同一の電位を有するようにPMOSトランジスタMP4及びMP5のゲートの電位を制御する。ノードN2、N3は、演算増幅器48により仮想ショートされる。
【0095】
本実施形態のバンドギャップリファレンス回路400は、下記のような動作により出力電圧Voutを出力する。
【0096】
電流I、I、Iは、コレクタ電流としてバイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3に供給される一方で、カレントミラー43により電流I、I、Iが、同一の電流レベルに制御されるから、カレントミラー47からノードN3に供給される電流Iは、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース電流の和電流である。よって、カレントミラー47から電流-電圧変換回路部46に供給される電流Iは、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース電流に依存する。
【0097】
一般に、エミッタ接地のバイポーラトランジスタでは、ベース電流がコレクタ電流と比較すると非常に小さいから、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース電流の和電流である電流Iは、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタ電流である電流I、I、Iに対して非常に小さいと考えてよい。ここで、電流Iの電流レベルは、電流I、I、Iと同一であり、電流Iは電流Iの1/A倍の電流レベルを有するから、電流Iは、電流Iに対して非常に小さいと考えてよい。
【0098】
この場合、バンドギャップリファレンス回路400の出力電圧Voutは、第1近似としては、図9に示したバンドギャップリファレンス回路300と同様に、例えば上記の式(21)で表される。よって、N、R3、R4(Vcc)及びR9を適正に調節することによって出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。加えて、可変抵抗素子R4を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路400の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R4の特性を選択することによって出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0099】
カレントミラー47から電流-電圧変換回路部46に供給される電流Iは、出力電圧Voutの非線形的な温度依存性を補償するために用いられる。式(21)からも理解されるように、出力電圧Voutはベース-エミッタ電圧VBE0に依存する。バイポーラトランジスタのベース-エミッタ電圧は、一般に、負の非線形的な温度依存性を有していることが知られている。一方で、熱電圧Vtは、絶対温度Tに比例し、線形的な温度依存性を有している。よって、電流Iのみを電流-電圧変換回路部46に供給する場合には、出力電圧Voutの非線形的な温度依存性は、完全には解消されない。一方で、電流Iは、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3のベース電流に比例する電流レベルを有しており、よって、非線形的な温度依存性を有している。本実施形態では、電流Iに加えて電流Iを電流-電圧変換回路部46に供給することで、ベース-エミッタ電圧VBE0の非線形的な温度依存性を補償し、出力電圧Voutの温度依存性をより低減することができる。
【0100】
図13に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路400が、図12に示された構成と類似した構成となっている。ただし、可変抵抗素子R4を含んでいないPTAT電流生成回路部49が用いられると共に、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とに可変抵抗素子R5が直列に接続された電流-電圧変換回路50が用いられる。なお、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9と可変抵抗素子R5が接続される順序は、順不同である。
【0101】
図13に示すバンドギャップリファレンス回路400についても、図12に示すバンドギャップリファレンス回路400と同様の議論が成立する。図13に示すバンドギャップリファレンス回路400の出力電圧Voutは、第1近似としては、図10に示したバンドギャップリファレンス回路300と同様に、例えば上記の式(25)で表される。よって、N、R3、R9及びR5(Vcc)を適正に調節することによって出力電圧Voutの温度依存性を低減することができる。また、可変抵抗素子R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路400の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて可変抵抗素子R5の特性を選択することで、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減できる。
【0102】
図14に示す一実施形態では、バンドギャップリファレンス回路400が、図12に示す構成と図13に示す構成の組み合わせとして構成される。図14の構成では、可変抵抗素子R4を含んでいるPTAT電流生成回路部45が用いられる。加えて、バイポーラトランジスタQ0と抵抗素子R9とに可変抵抗素子R5が直列に接続された電流-電圧変換回路50が用いられる。
【0103】
図14に示すバンドギャップリファレンス回路400についても、図12及び図13に示すバンドギャップリファレンス回路400と同様の議論が成立する。図14に示すバンドギャップリファレンス回路400の出力電圧Voutは、第1近似としては、図11に示したバンドギャップリファレンス回路300と同様に、例えば上記の式(26)で表される。式(26)に基づき、一実施形態では、N、R3、R4(Vcc)、R5(Vcc)及びR9が、温度依存性が小さい又は全くない出力電圧Voutを生成するように調節される。また、可変抵抗素子R4、R5の特性は、可変抵抗素子R4、R5を設けない場合のバンドギャップリファレンス回路300の出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性に応じて、出力電圧Voutの電源電圧Vccに対する依存性を低減するように選択される。
【0104】
以上には、本開示の様々な実施形態が具体的に記載されているが、本開示に記載された技術は、様々な変更と共に実施され得る。
【符号の説明】
【0105】
100、200、300、400:バンドギャップリファレンス回路
11 :電源線
12 :接地線
13 :カレントミラー
14 :演算増幅器
15、16:PTAT電流生成回路部
21 :電源線
22 :接地線
23 :カレントミラー
24 :演算増幅器
25、26:PTAT電流生成回路部
27 :電流-電圧変換回路部
31 :電源線
32 :接地線
33 :カレントミラー
34-1、34-2:演算増幅器
35、37:PTAT電流生成回路部
36、38:電流-電圧変換回路部
41 :電源線
42 :接地線
43 :カレントミラー
44 :演算増幅器
45、49:PTAT電流生成回路部
46、50:電流-電圧変換回路部
47 :カレントミラー
48 :演算増幅器
MN1 :NMOSトランジスタ
MP0~MP5:PMOSトランジスタ
N1~N3:ノード
Nout :出力ノード
Q0~Q3:バイポーラトランジスタ
R1~R3、R6~R10:抵抗素子
R4、R5:可変抵抗素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14