(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】内視鏡的外科用クリップアプライヤ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/128 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
A61B17/128
(21)【出願番号】P 2018013576
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ウィリアムズ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05755726(US,A)
【文献】国際公開第2016/192096(WO,A1)
【文献】特表2008-515552(JP,A)
【文献】特開2015-096202(JP,A)
【文献】米国特許第06053908(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0085015(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242784(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡アセンブリであって、
シャフトアセンブリ及び
前記シャフトアセンブリ
に連結され、前記シャフトアセンブリから延在する一対のジョー部材
を含む、内視鏡アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
前記内視鏡アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、
前記ハウジングから延在する固定されたハンドル、
前記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガ、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置され、前記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で前記一対のジョー部材を移動させるように、前記トリガ及び前記一対のジョー部材
に連結された駆動バー、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
前記駆動バー
に連結された第1のラックであって、複数の第1のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、前記第1のラックの前記遠位端と前記近位端との間の第1の長さを含む、第1のラック
と、
前記駆動バー
に連結された第2のラックであって、前記第2のラックは、前記第1のラックから離間され、複数の第2のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、前記第2のラックの前記遠位端と前記近位端との間の第2の長さを含み、前記第2のラックの前記第2の長さは、前記第1のラックの前記第1の長さよりも短い、第2のラック
と、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に取り付けられた第1の歯止めと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に取り付けられた第2の歯止めと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に少なくとも部分的に支持された解除スイッチと
を含む、ラチェットアセンブリ
を含む、ハンドルアセンブリと
を備え
、前記第1のラックの前記近位端と前記第2のラックの前記遠位端との間の近位ウェルは、前記第1の歯止めのための隙間を画定し、
前記第2のラックの前記近位端を近位方向に越えた空間は、前記第2の歯止めのための隙間を画定し、
前記トリガの作動時に、前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めが前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めのためのそれぞれの隙間内に配置されるまで、前記トリガの移動の方向の解除及び逆転を妨げるように、前記第1の歯止め、前記第2の歯止めはそれぞれ、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯と位置合わせまたは係合するように構成され、
前記解除スイッチは、前記第2の歯止めが前記第2の歯止めのための前記隙間内に配置された後、前記トリガの前記移動の方向が早く逆転され得るように、前記第1の歯止めを移動させて、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせまたは係合から外すように選択的に作動可能である、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項2】
前記ラチェットアセンブリは、前記第1のラックの前記遠位端に隣接して配置される遠位ウェルをさらに含み、前記第1の歯止めは、前記トリガの非作動位置において前記遠位ウェル内に位置する、請求項
1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項3】
前記第2の歯止めは、前記トリガの前記非作動位置において前記近位ウェル内に位置する、請求項
2に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項4】
前記第1のラックは、前記第2のラックの遠位の位置に配置される、請求項
3に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項5】
前記解除スイッチが作動されるとき、前記第2の歯止めは、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまで、または前記第2の歯止めが前記第2の
歯止めのための前記隙間内に配置されるまで、
前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯との位置合わせ
または係合を維持する、請求項
1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項6】
前記駆動バーは、前記トリガが作動されると長手方向に移動可能であり、前記駆動バー
が第1の方向に長手方向に移動され、前記解除スイッチは作動されないとき、
前記第1の方向の反対方向への前記駆動バーの長手方向の移動が、前記第1の歯止めが前記遠位ウェル内に配置され、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまで、または前記第1の歯止めが前記
第1の歯止めのための前記隙間内に配置され、前記第2の歯止めが前記
第2の歯止めのための前記隙間内に配置されるまで、妨げられるように、前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めは、前記第1及び前記第2のラックの前記複数の第1のラック歯及び前記複数の第2のラック歯上をそれぞれ移動される、請求項
5に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項7】
前記駆動バーは、前記トリガが作動される
と長手方向に移動可能であり、前記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動され、前記解除スイッチが作動されて前記第1の歯止めを移動させて前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせ
または係合から外すとき、
前記第1の方向の反対方向への前記駆動バーの長手方向の移動は、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまで、または前記第2の歯止めが前記
第2の歯止めのための前記隙間内に配置されるまで妨げられる、請求項
5に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項8】
前記駆動バーが前記第1の方向に長手方向に移動され、前記解除スイッチが作動されて前記第1の歯止めを移動させて前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせ
または係合から外すとき、前記第2の歯止めは、前記トリガが部分的に作動された位置に達するとき、前記
第2の歯止めのための前記隙間内に配置され、前記駆動バーは、前記トリガが前記部分的に作動された位置から完全
非作動位置に達したとき、前記
第1の方向の反対方向に長手方向に移動可能である、請求項
7に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項9】
前記内視鏡的アセンブリは、前記シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、前記一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップをさらに含み、前記第1の歯止めが
前記駆動バー上に配置された前記第1のラックと位置合わせまたは係合されるとき、
前記トリガが完全駆動位置に移動され、前記複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが前記一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、前記トリガがその前記移動の方向を逆転
させることを妨げられる、請求項
8に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項10】
前記第1の歯止め
が前記駆動バー上に配置された前記第1のラックとの位置合わせまたは係合から外れ、かつ前記第2の歯止めが前記第2の歯止めのための前記隙間内に配置されて、前記トリガが前記部分的に作動された位置に移動されるときに、前記複数の外科用クリップの前記最遠位の外科用クリップが前記一対のジョー部材の間に部分的に形成されるように、
前記トリガがその前記移動の方向を逆転させることができる
、請求項
9に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項11】
前記ラチェットアセンブリは、前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねをさらに含み、前記第1の歯止めばねは、前記第1の歯止めを、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との
位置合わせまたは係合へ付勢するように構成され、前記第2の歯止めばねは、前記第2の歯止めを、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯との
位置合わせまたは係合へ付勢するように構成される、請求項
1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項12】
前記第1の歯止めは、それから延在するロックアウト部材を含み、前記ロックアウト部材は、前記トリガが前記完全非作動位置へと移動するとき、前記解除スイッチと選択的に係合して、前記解除スイッチが前記第1の歯止めを移動させて
前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせ
または係合から外れることを妨げるために提供される、請求項
8に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項13】
前記ラチェットアセンブリは、前記ハンドルアセンブリ内で支持された解除ばねをさらに含み、前記解除ばねは、前記解除スイッチが前記第1の歯止めから脱係合されるように、前記解除スイッチと
係合され、前記解除スイッチを定位置に戻すように付勢される、請求項
1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項14】
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡アセンブリであって、
シャフトアセンブリ及び
前記シャフトアセンブリ
に連結され、前記シャフトアセンブリから延在する一対のジョー部材
を含む、内視鏡アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
前記内視鏡アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、
前記ハウジングから延在する固定されたハンドル、
前記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガ、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置され、前記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で前記一対のジョー部材を移動させるように、前記トリガ及び前記一対のジョー部材
に連結された駆動バー、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
前記駆動バーの上部分で画定された第1のラックであって、
前記第1のラックは、複数の第1のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有
し、前記第1のラックは、その前記遠位端と前記近位端との間の第1の長さを含む、第1のラック、
前記駆動バーの前記上部分で画定された第2のラックであって、
前記第2のラックは、複数の第2のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有
し、前記第2のラックは、その前記遠位端と前記近位端との間の第2の長さを含み、前記第2のラックの前記第2の長さは、前記第1のラックの前記第1の長さよりも短い、第2のラック、
前記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯と選択的に係合可能な第1の歯止め、
前記ハンドルアセンブリ
内に移動可能に取り付けられ、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能な第2の歯止め
、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に少なくとも部分的に支持された解除スイッチ
を含む、ラチェットアセンブリ
を含む、ハンドルアセンブリと
を備え
、前記第1のラックの前記近位端と前記第2のラックの前記遠位端との間の近位ウェルは、前記第1の歯止めのための隙間を画定し、
前記第2のラックの前記近位端を近位方向に越えた空間は、前記第2の歯止めのための隙間を画定し、
前記トリガの作動時に、前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めが前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めのためのそれぞれの隙間内に配置されるまで、前記トリガの移動の方向の解除及び逆転を妨げるように、前記第1の歯止め、前記第2の歯止めはそれぞれ、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯と位置合わせまたは係合するように構成され、
前記解除スイッチは、前記第2の歯止めが前記第2の歯止めのための前記隙間内に配置された後、前記トリガの前記移動の方向が早く逆転され得るように、前記第1の歯止めを移動させて、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせまたは係合から外すように選択的に作動可能である、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/455,090号の利益及び優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
背景
【0002】
本開示は概して、外科用クリップアプライヤに関する。より具体的には、本開示は、内視鏡的外科用クリップアプライヤのラチェットアセンブリのための解除スイッチを有する内視鏡的外科用クリップアプライヤに関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡的外科用ステープラ及び外科用クリップアプライヤは、いくつかの低侵襲または内視鏡の外科的処置のために使用される。典型的に、低侵襲外科手術では、チューブまたはカニューレ装置が、アクセスポートを提供するための入口切開を通って患者の体に伸展される。このポートは、切開部から離れて除去される外科的処置を行うためのいくつかの異なる外科用器具を、外科医がそのポートを通して挿入することを可能にする。
【0004】
内視鏡的外科用クリップアプライヤは、低侵襲外科的処置中に単一または複数の外科用クリップを適用することができる。外科用クリップの適用は通常、脈管上でクリップを圧縮することを伴う。脈管に適用されたら、圧縮された外科用クリップは、そこを通る流体の流れを終わらせる。脈管を通る流体の流れを終わらせることは、典型的に、外科用クリップの完全な形成を必要とする。
【0005】
ある特定の内視鏡処置中に、クリップを部分的に形成することが望ましく、かつ/または必要である場合がある。例えば、部分的に形成されたクリップは、胆管造影または他の医療処置中に組織の周囲にカテーテルを固定するために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、臨床医に外科用クリップを部分的に形成する簡便な手段を提供する内視鏡的外科用クリップアプライヤの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、臨床医が外科的クリップを部分的にまたは完全に形成するかを選択することを可能にする内視鏡的外科用クリップアプライヤに関する。
【0008】
本開示の態様に従って、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ、及びシャフトアセンブリに動作可能に連結し、そこから延在する一対のジョー部材を含む。ハンドルアセンブリは、内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングを含む。固定されたハンドルは、ハウジングから延在し、トリガは、固定されたハンドルに枢動可能に接続される。駆動バーは、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置され、トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で一対のジョー部材を移動させるように、トリガに、及び一対のジョー部材に動作可能に連結される。ラチェットアセンブリも、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置される。ラチェットアセンブリは、駆動バーに動作可能に連結される第1のラックを含む。第1のラックは、複数の第1のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、第1のラックの遠位端と近位端との間の第1の長さを含む。第2のラックは、第1のラックから間隙を介して駆動バーに動作可能に連結される。第2のラックは、複数の第2のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、第2のラックの遠位端と近位端との間の第2の長さを含む。第2のラックの第2の長さは、第1のラックの第1のラックの第1の長さ未満である。
【0009】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に取り付けられた第1の歯止めをさらに含み、第1の歯止めは、その第1の位置で第1のラックの複数の第1のラック歯と選択的に係合可能である。
【0010】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に取り付けられた第2の歯止めをさらに含み、第2の歯止めは、その第1の位置で第2のラックの複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である。
【0011】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、第1のラックの遠位端に隣接して配置される遠位ウェルをさらに含み、第1の歯止めは、トリガの非作動位置において遠位ウェル内に位置する。
【0012】
いくつかの実施形態において、ラチェットアセンブリは、第1のラックの近位端と第2のラックの遠位端との間に配置される近位ウェルをさらに含み、第2の歯止めは、トリガの非作動位置において近位ウェル内に位置する。
【0013】
実施形態において、第1のラックは、第2のラックの遠位の位置に配置される。
【0014】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に少なくとも部分的に支持され、第1の歯止めと動作可能に関連付けられた解除スイッチをさらに含む。解除スイッチは、第1の位置から第1の歯止めを移動させるように選択的に作動可能であり、第1の歯止めは、第2の位置へと第1のラックの複数の第1のラック歯と位置合わせされ、第1の歯止めは、第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる。
【0015】
いくつかの実施形態において、解除スイッチが作動されるとき、第2の歯止めは、第2の歯止めが近位ウェル内に配置されるまで、または第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて近位に配置されるまで、その第1の位置において、第2のラックの複数の第2のラック歯との位置合わせを維持する。
【0016】
いくつかの実施形態において、駆動バーは、トリガが作動されると長手方向に移動可能であり、駆動バーは、第1の方向に長手方向に移動され、解除スイッチは作動されないとき、第2の反対の方向への駆動バーの長手方向の移動が、第1の歯止めが遠位ウェル内に配置され、第2の歯止めが近位ウェル内に配置されるまで、または第1の歯止めが第1のラックの近位端に配置され、第2の歯止めが第2のラックの近位端を超えて近位に配置されるまで、妨げられるように、第1の歯止め及び第2の歯止めは、第1及び第2のラックの複数の第1のラック歯及び複数の第2のラック歯上をそれぞれ移動される。
【0017】
実施形態において、駆動バーは、トリガが作動されると、長手方向に移動可能であり、駆動バーが第1の方向に長手方向に移動され、解除スイッチが作動されて第1の歯止めを移動させて第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外すとき、第2の、反対方向への駆動バーの長手方向の移動は、第2の歯止めが近位ウェル内に配置されるまで、または第2の歯止めが第2のラックの近位端を超えて近位に配置されるまで妨げられる。
【0018】
実施形態において、駆動バーが第1の方向に長手方向に移動され、解除スイッチが作動されて第1の歯止めを移動させて第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外すとき、第2の歯止めは、トリガが部分的に作動された位置に達するとき、第2のラックの近位端を超えて配置され、駆動バーは、トリガが部分的に作動された位置から完全に非作動位置に達したとき、第2の、反対方向に長手方向に移動可能である。
【0019】
内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップをさらに含み、第1の歯止めが第1の位置にあるとき、第1の歯止めは、トリガの作動時に、トリガが完全駆動位置に移動され、複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、トリガがその移動の方向を逆転できないように、駆動バー上に配置された第1のラックと位置合わせされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の歯止めハウジングが第2の位置にあるとき、第1の歯止めは、複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが一対のジョー部材の間に部分的に形成されるように、第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて配置され、トリガが部分的作動位置に移動されるときに、トリガがその移動の方向を逆転させることができるように、駆動バー上に配置された第1のラックとの位置合わせから外れる。
【0021】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねをさらに含む。第1の歯止めばねは、第1の歯止めを、第1のラックの複数の第1のラック歯との係合へ付勢するように構成され、第2の歯止めばねは、第2の歯止めを、第2のラックの複数の第2のラック歯との係合へ付勢するように構成される。
【0022】
実施形態において、第1の歯止めは、第1の歯止めから延在するロックアウト部材を含む。ロックアウト部材は、トリガが完全非作動位置へと移動するとき、解除スイッチと選択的に係合して、解除スイッチが、その第2の位置へと第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外れることを妨げるために提供される。
【0023】
実施形態において、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリ内で支持された解除ばねをさらに含む。解除ばねは、解除スイッチが第1の歯止めから脱係合されるように、解除スイッチと動作可能に関連付けられ、解除スイッチを定位置に戻すように付勢される。
【0024】
本開示の態様に従って、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ、及びシャフトアセンブリに動作可能に連結し、そこから延在する一対のジョー部材を含む。ハンドルアセンブリは、内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、ハウジングから延在する固定されたハンドル、及び固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガを含む。駆動バーは、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置され、トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で一対のジョー部材を移動させるように、トリガに、及び一対のジョー部材に動作可能に連結される。ラチェットアセンブリも、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置される。ラチェットアセンブリは、駆動バーの上部の上に画定された第1のラックを含む。第1のラックは、複数の第1のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有する。第2のラックは、駆動バーの上部の上に画定される。第2のラックは、複数の第2のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有する。第1の歯止めは、ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、第1のラックの複数の第1のラック歯と選択的に係合される。第2の歯止めは、ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、第2のラックの複数の第2のラック歯と選択的に係合される。トリガが移動すると、トリガの移動方向の逆転が、第2の歯止めが第2のラックの遠位端を超えて遠位に、または第2のラックの近位端を超えて近位に配置されるまで、妨げられる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡アセンブリであって、
シャフトアセンブリ及び
上記シャフトアセンブリに動作可能に連結され、上記シャフトアセンブリから延在する一対のジョー部材を含む、内視鏡アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
上記内視鏡アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、
上記ハウジングから延在する固定されたハンドル、
上記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガ、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置され、上記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で上記一対のジョー部材を移動させるように、上記トリガ及び上記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バー、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
上記駆動バーに動作可能に連結された第1のラックであって、複数の第1のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、上記第1のラックの上記遠位端と上記近位端との間の第1の長さを含む、第1のラック、ならびに
上記駆動バーに動作可能に連結された第2のラックであって、上記第2のラックは、上記第1のラックから離間され、複数の第2のラック歯を画定し、かつ遠位端及び近位端を有し、上記第2のラックの上記遠位端と上記近位端との間の第2の長さを含み、上記第2のラックの上記第2の長さは、上記第1のラックの上記第1の長さよりも短い、第2のラック、を含む、ラチェットアセンブリ、を含む、ハンドルアセンブリと、を備える、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目2)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に取り付けられた第1の歯止めをさらに含み、上記第1の歯止めは、その第1の位置で上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と選択的に係合可能である、上記項目に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目3)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に取り付けられた第2の歯止めをさらに含み、上記第2の歯止めは、その第1の位置で上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目4)
上記ラチェットアセンブリは、上記第1のラックの上記遠位端に隣接して配置される遠位ウェルをさらに含み、上記第1の歯止めは、上記トリガの非作動位置において上記遠位ウェル内に位置する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目5)
上記ラチェットアセンブリは、上記第1のラックの上記近位端と上記第2のラックの上記遠位端との間に配置される近位ウェルをさらに含み、上記第2の歯止めは、上記トリガの上記非作動位置において上記近位ウェル内に位置する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目6)
上記第1のラックは、上記第2のラックの遠位の位置に配置される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目7)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、上記第1の歯止めと動作可能に関連した解除スイッチをさらに含み、上記解除スイッチは、上記第1の歯止めを上記第1の位置から移動させるように、選択的に作動可能であり、上記第1の歯止めは、第2の位置へと上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と位置合わせされ、上記第1の歯止めは、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目8)
上記解除スイッチが作動されるとき、上記第2の歯止めは、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまで、または上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて近位に配置されるまで、その上記第1の位置において、上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯との位置合わせを維持する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目9)
上記駆動バーは、上記トリガが作動されると長手方向に移動可能であり、上記駆動バーは、第1の方向に長手方向に移動され、上記解除スイッチは作動されないとき、第2の反対の方向への上記駆動バーの長手方向の移動が、上記第1の歯止めが上記遠位ウェル内に配置され、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまで、または上記第1の歯止めが上記第1のラックの上記近位端に配置され、上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を超えて近位に配置されるまで、妨げられるように、上記第1の歯止め及び上記第2の歯止めは、上記第1及び上記第2のラックの上記複数の第1のラック歯及び上記複数の第2のラック歯上をそれぞれ移動される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目10)
上記駆動バーは、上記トリガが作動されると、長手方向に移動可能であり、上記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動され、上記解除スイッチが作動されて上記第1の歯止めを移動させて上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外すとき、第2の、反対方向への上記駆動バーの長手方向の移動は、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまで、または上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を超えて近位に配置されるまで妨げられる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目11)
上記駆動バーが上記第1の方向に長手方向に移動され、上記解除スイッチが作動されて上記第1の歯止めを移動させて上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外すとき、上記第2の歯止めは、上記トリガが部分的に作動された位置に達するとき、上記第2のラックの上記近位端を超えて配置され、上記駆動バーは、上記トリガが上記部分的に作動された位置から完全に非作動位置に達したとき、上記第2の、反対方向に長手方向に移動可能である、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目12)
上記内視鏡的アセンブリは、上記シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、上記一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップをさらに含み、上記第1の歯止めが上記第1の位置にあるとき、上記第1の歯止めは、上記トリガの作動時に、上記トリガが完全駆動位置に移動され、上記複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが上記一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、上記トリガがその上記移動の方向を逆転できないように、上記駆動バー上に配置された上記第1のラックと位置合わせされる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目13)
上記第1の歯止めハウジングが上記第2の位置にあるとき、上記第1の歯止めは、上記複数の外科用クリップの上記最遠位の外科用クリップが上記一対のジョー部材の間に部分的に形成されるように、上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて配置され、上記トリガが上記部分的作動位置に移動されるときに、上記トリガがその上記移動の方向を逆転させることができるように、上記駆動バー上に配置された上記第1のラックとの位置合わせから外れる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目14)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねをさらに含み、上記第1の歯止めばねは、上記第1の歯止めを、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との係合へ付勢するように構成され、上記第2の歯止めばねは、上記第2の歯止めを、上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯との係合へ付勢するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目15)
上記第1の歯止めは、それから延在するロックアウト部材を含み、上記ロックアウト部材は、上記トリガが上記完全非作動位置へと移動するとき、上記解除スイッチと選択的に係合して、上記解除スイッチが上記第1の歯止めを移動させてその上記第2の位置へと上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外れることを妨げるために提供される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目16)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリ内で支持された解除ばねをさらに含み、上記解除ばねは、上記解除スイッチが上記第1の歯止めから脱係合されるように、上記解除スイッチと動作可能に関連付けられ、上記解除スイッチを定位置に戻すように付勢される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目17)
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡アセンブリであって、
シャフトアセンブリ及び
上記シャフトアセンブリに動作可能に連結され、上記シャフトアセンブリから延在する一対のジョー部材を含む、内視鏡アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
上記内視鏡アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、
上記ハウジングから延在する固定されたハンドル、
上記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガ、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置され、上記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で上記一対のジョー部材を移動させるように、上記トリガ及び上記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バー、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
上記駆動バーの上部分で画定された第1のラックであって、複数の第1のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有する、上記第1のラック、
上記駆動バーの上記上部分で画定された第2のラックであって、複数の第2のラック歯を含み、遠位端及び近位端を有する、上記第2のラック、
上記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と選択的に係合可能な第1の歯止め、
上記ハンドルアセンブリに移動可能に取り付けられ、上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能な第2の歯止めであって、上記トリガが移動すると、上記トリガの移動の方向の逆転が、上記第2の歯止めが、上記第2のラックの上記遠位端を超えて遠位に、または上記第2のラックの上記近位端を超えて近位に配置されるまで妨げられる、第2の歯止め、を含む、ラチェットアセンブリ、を含む、ハンドルアセンブリと、を備える、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目18)
上記第1のラックが、その上記遠位端と上記近位端との間の第1の長さを含み、上記第2のラックが、その上記遠位端と上記近位端との間の第2の長さを含み、上記第2のラックの上記第2の長さが、上記第1のラックの上記第1の長さより短い、上記項目に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目19)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、上記第1の歯止めと動作可能に関連した解除スイッチをさらに含み、上記解除スイッチは、上記第1の歯止めを上記第1の位置から移動させるように、選択的に作動可能であり、上記第1の歯止めは、第2の位置へと上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と位置合わせされ、上記第1の歯止めは、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目20)
上記トリガが移動されたとき、上記第1の歯止めが上記第1の位置のままにあるように、上記解除スイッチが上記第1の歯止めから脱係合されるとき、上記トリガの移動の上記方向の上記逆転は、上記第1の歯止めが上記第1のラックの上記遠位端を超えて遠位に配置されるまで、または上記第1のラックの上記近位端に配置されるまで、妨げられる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(摘要)
内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。内視鏡アセンブリは、シャフトアセンブリ及び一対のジョー部材を含む。ハンドルアセンブリは、ハウジング、固定されたハンドル、トリガ、駆動バー、及びラチェットアセンブリを含む。ラチェットアセンブリは、駆動バーと動作可能に連結された第1のラックであって、第1のラックは、複数の第1のラック歯を画定し、第1のラックは、その遠位端と近位端との間の第1の長さを含む、第1のラックと、第1のラックから離間された、駆動バーに動作可能に連結された第2のラックであって、第2のラックは、複数の第2のラック歯を画定し、第2のラックは、その遠位端と近位端との間の第2の長さを含む、第2のラックと、を含み、第2のラックの第2の長さは、第1のラックの第1の長さより短い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
内視鏡的外科用クリップアプライヤの特定の実施形態は、以下の図を参照して本明細書において説明される。
【0026】
【
図1】内視鏡的アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む、本開示による内視鏡的外科用クリップアプライヤの斜視図である。
【
図2A】少なくともハウジングの半部が取り除かれた
図1のハンドルアセンブリの側面図である。
【
図2B】
図1のハンドルアセンブリの、部品が分解された斜視図である。
【
図3A】ラチェットアセンブリの通常作動の初期/リセット位置にある、ハンドルアセンブリのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図3B】ラチェットアセンブリの通常作動の第1の構成にある、
図3Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図3C】ラチェットアセンブリの通常作動の第2の構成にある、
図3Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図3D】ラチェットアセンブリの通常作動の第3の構成にある、
図3Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図4A】ラチェットアセンブリの通常作動の第1の構成にある、ハンドルアセンブリのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図4B】ラチェットアセンブリの部分的作動の第2の構成にある、
図4Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図4C】ラチェットアセンブリの部分的作動の第3の構成にある、
図4Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図5A】ラチェットアセンブリの通常作動の戻りストロークの第1の構成にある、ハンドルアセンブリのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図5B】ラチェットアセンブリの通常作動の戻りストロークの第2の構成にある、
図5Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図5C】ラチェットアセンブリの通常作動の戻りストロークの第3の構成にある、
図5Aのラチェットアセンブリを例示する、
図2Aのハンドルアセンブリの側面図である。
【
図6】
図1の内視鏡アセンブリの、部品が分解された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示に従って、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、第1の歯止めと動作可能に関連する第1の長さを有する第1のラック、第2の歯止めと動作可能に関連する第1のラックの第1の長さより短い第2の長さを有する第2のラック、及び第1の歯止めと動作可能に関連する解除スイッチを有するラチェットアセンブリを含む。実施形態において、トリガの作動時に、第1及び第2の歯止めは、第1及び第2の歯止めが第1及び第2のラックの各々の隙間内に配置されるまで、トリガの移動の方向の解除及び逆転を妨げるように、第1及び第2のラックの複数の第1及び第2のラック歯に係合するように構成される。実施形態において、解除スイッチは、第2の歯止めが第2のラックの第2のより少ない長さを横断した後に、トリガの移動の方向が早く逆転し得るように、第1の歯止めを、第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外すように選択可能に作動可能である。解除スイッチは、例えば、胆管造影または他の医療処置の間に組織の周囲にカテーテルを固定するために、必要に応じて、クリップを部分的に形成するために有用であり得る。
【0028】
内視鏡的外科用クリップアプライヤの実施形態は、本開示に従って、これより図面を参照して詳細に説明され、類似の参照番号は、類似または似た構造要素を特定する。図に示され、以下の説明を通して説明される通り、従来通りに、手術器具上の相対的な位置を参照するとき、用語「近位」は、使用者により近い、装置の端部を指し、用語「遠位」は、使用者から遠い、装置の端部を指す。
【0029】
ここで
図1~6を参照すると、本開示の実施形態に従う内視鏡的外科用クリップアプライヤが概して10と表されている。外科用クリップアプライヤ10は、概して、ハンドルアセンブリ100、及びハンドルアセンブリ100から遠位に延在する内視鏡アセンブリ200を含む。概して、内視鏡アセンブリ200は、ハブアセンブリ210、ハブアセンブリ210から延在するシャフトアセンブリ220、及びシャフトアセンブリ220の遠位端に枢動可能に接続された一対のジョー250を含む。任意に、少なくとも1つの使い捨て式外科用クリップカートリッジアセンブリ(図示せず)が、内視鏡アセンブリ200のシャフトアセンブリ220内に選択的に装填可能であり得る
【0030】
ここで
図1~2Bを参照すると、ハンドルアセンブリ100は、第1のまたは右側半部102a及び第2のまたは左側半部102bを有するハウジング102を含む。ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、内視鏡アセンブリ200のハブアセンブリ210を支持するための鼻102c及び固定されたハンドル102dをさらに含むか、または画定する。
【0031】
ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、好適なポリマー、プラスチックまたは熱可塑性材料から形成されてもよい。ハンドルアセンブリ100のハウジング102がステンレス鋼等から作られてもよいことが、さらに企図される。
【0032】
ハンドルアセンブリ100は、ハウジング102の右側半部102aと左側半部102bとの間で枢動可能に支持されているトリガ104を含む。トリガ104は、トリガ104及び固定されたハンドル102dが近づくように、第1の方向で枢動可能に可動であり、トリガ104及び固定されたハンドル102dが離れるように、第2の反対の方向に枢動可能に可動である。
【0033】
駆動バー106は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に支持される。駆動バー106は、遠位端部106a及び近位端部106bを有する実質的に平坦な部材である。駆動バー106の遠位端部106aは、内視鏡的アセンブリ200の特徴と一致するように提供されるフック部材114を含む。駆動バー106は、トリガ104の作動時に、一対のジョー250を離間構成と接近構成との間で移動させるように、トリガ104、及び内視鏡的アセンブリ200の一対のジョー250に動作可能に連結される。具体的には、ハンドルアセンブリ100は、トリガ104及び駆動バー106に連結するように構成されたV字形リンク108を含む。V字形リンク108は、テール108aを有する第1の端部、及び間に間隔108dを画定するために相隔たる第2のアーム108b、108cを有する第2の端部を含む。V字形リンク108のテール108aは、トリガスロット104aを通ってトリガ104に海鮮可能に接続される。具体的には、V字形リンク108のテール108aは、トリガスロット104a内に画定されるピン(特に図示せず)を枢動可能に位置決めするように構成された開口108fを含む。第1と第2のアーム108b、108cとの間の間隔108dは、駆動バー106を受容するように構成される。V字形リンク108の第1及び第2のアーム108b、108c、及び駆動バー106は、V字形リンク108及び駆動バー106を枢動可能に接続するための駆動バーのピン110を位置付けるように構成された対応する開口部108e、106cを各々含む。V字形リンク108は、以下で詳述される通り、トリガ104の枢動動作を駆動バー106の長手方向の動作に変換させるように構成される。
【0034】
駆動バー106は、装填する1つ以上の駆動構造を移動させ、完全に、または部分的にクリップ290(
図6を参照されたい)を形成するために一対のジョー250を作動させ、その後、次のクリップ適用のために初期位置にリセットするように構成される。これを得るために、トリガ104が作動され、V字形リンク108が長手方向または遠位の様式で駆動バー106を前進させた後、次のクリップ適用のために、駆動バー106及びトリガ104をその元の位置に戻すために第1の復帰ばね112が提供されるように、付勢部材、例えば、第1の復帰ばね112が、遠位端部106aに隣接する駆動バー106を囲うように配置される。さらに、一実施形態において、トリガ104が作動された後、第2の復帰ばね113がトリガ104をその元の位置に戻すようにもたらされるように、第2の復帰ばね113は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に配置され、トリガ104及び固定されたハンドル102dを動作可能に接続するように構成される。
【0035】
引き続き
図2A及び2Bを参照すると、外科用クリップアプライヤ10は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に配置されたラチェットアセンブリ300を含む。ラチェットアセンブリ300は概して、第1のラック310、第2のラック320、第1の歯止め330、第2の歯止め340、及びハンドルアセンブリ100のハウジング102内に少なくとも部分的に支持された解除スイッチ350を含む。
【0036】
図2A及び2Bで示される通り、第1及び第2のラック310、320は、駆動バー106の上面106dによって支持されるか、またはその上に提供される。第1のラック310は、遠位端310a及び近位端310bを含む。第1のラック310は、その遠位端310aと近位端310bとの間で直列に複数の第1のラック歯312を画定する。同様に、第2のラック320は、遠位端320a及び近位端320bを含む第2のラック320は、その遠位端320aと近位端320bとの間で直列に複数の第2のラック歯322を画定する。
【0037】
駆動バー106の上面106dはまた、第1のラック310の遠位端310aに隣接して位置する遠位隙間またはウェル314a、及び第1のラック310の近位端310bと第2のラック320の遠位端320aとの間に位置する近位隙間またはウェル314bを含む。以下に詳述されるように、初期及び/またはリセット位置において、遠位ウェル314aは第1の歯止め330を受容するように構成され、近位ウェル314bは第2の歯止め340を受容するように構成される。
【0038】
図2Bに示されるように、第1及び第2の歯止め330、340は、ハウジング102の右側半部102aと左側半部102bとの間でハンドルアセンブリ100内に枢動可能に取り付けられる。具体的には、第1の歯止め330は、ハウジング102の右側半部102aと左側半部102bとの間に、第1の歯止め330が第1のラック310と実質的に動作的に係合している場所で、第1の歯止めピン332によってハンドルアセンブリ100内に枢動可能に取り付けられる。第1の歯止めピン332は、第1の歯止め330内に画定されるスロット334を通って延在する。同様に、第2の歯止め340は、ハウジング102の右側半部102aと左側半部102bとの間に、第2の歯止め340が第2のラック320と実質的に係合している場所で、第2の歯止めピン342によってハンドルアセンブリ100内に枢動可能に取り付けられる。第2の歯止めピン342は、第2の歯止め340内に画定されるスロット344を通って延在する。
【0039】
図2A及び2Bに示されるように、ラチェットアセンブリ300は、第1の歯止め330を第1のラック310と動作的に係合させるよう垂直に付勢するように構成された第1の歯止めばね336、及び第2の歯止め340を第2のラック320と動作的に係合させるよう垂直に付勢するように構成された第2の歯止めばね346をさらに含む。第1の歯止めばね336は、それぞれハウジング102の第1の組の支持ピン116a、116b上に掛止するように構成された遠位のフック336a及び近位のフック336bを含み、第2の歯止めばね346は、それぞれハウジング102の第2の組の支持ピン118a、118b上に掛止するように構成された遠位のフック346a及び近位のフック346bを含む。第1の及び第2の歯止めばね336、346は、第1の歯止め330の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め340の第2の歯止め歯348を、それぞれ、複数の第1の及び第2のラック歯312、322と位置合わせまたは係合させて維持すると同時に、第1及び第2の歯止め330、340を回転したまたは傾いた位置に維持するように構成された方法で位置付けられていることが企図される。
【0040】
図2A及び2Bを引き続き参照して、ラチェットアセンブリ300は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に少なくとも部分的に支持された解除スイッチ350をさらに含む。実施形態において、解除スイッチ350は、その近位端部分上に、解除スイッチ350がその周りを枢動可能であるようにハウジング102の取り付ピン119を位置決めするように構成されたスロット350aを含む。以下に詳述されるように、解除スイッチ350は、第1の歯止め330と動作可能に関連付けられ、その遠位端部分上に、第1の歯止め330を第1のラック310の複数の第1のラック歯312との動作的位置合わせまたは係合から外して選択的に移動させるよう、第1の歯止め330を係合するように動作可能である、係合部材350bを含む。他の実施形態において、解除スイッチ350は、その意図される目的に好適な種々の構成を含んでもよく、動作中に使用者にアクセスを提供するように構成された任意の人間工学的形状のものであってよい。
【0041】
実施形態において、第1の歯止め330は、そこから延在し、かつ、解除スイッチ350が第1の歯止め300の第1の歯止め歯338を第1のラック310の複数の第1のラック歯312との位置合わせまたは係合から外して移動させるのを防止するために、解除スイッチ350の係合部材350bに選択的に係合するように提供された、ロックアウト部材339を含む。
【0042】
ラチェットアセンブリ300は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に支持され、解除スイッチ350を、解除スイッチ350が第1の歯止め330から係脱されるその非作動の定位置に戻すように、解除スイッチ350と動作可能に関連付けられた、解除ばね352をさらに含む。解除ばね352は、例えば、解除スイッチ350から延在する圧縮ばね、板ばね、または変形部材などの、任意の好適な付勢部材を含むことが企図される。
【0043】
図3Aを簡単に参照すると、初期及び/またはリセット位置では、第1の歯止め330は、遠位ウェル314a内に配置され、第2の歯止め340は、近位ウェル314b内に配置される。
【0044】
引き続き
図3Aを参照し、さらに
図3B~3Dを参照すると、ラチェットアセンブリ300の通常作動が開示される。使用時、トリガ104が作動されるにつれて、完全非作動位置から、第1及び第2のラック310、320の複数の第1及び第2のラック歯312、322は、それぞれ、第1及び第2の歯止め330、340の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め歯348とそれぞれ位置合わせまたは係合するように、第1の位置に移動される(
図3Bを参照されたい)。
【0045】
第1のラック310は、第1の長さ「L1」を有し(
図3Aを参照されたい)、この第1の長さ「L1」は、トリガ104が完全駆動位置に到達すると、第1のラック310が一対のジョー250に対して遠位方向に移動するにつれて(
図1を参照されたい)、第1の歯止め330が第1のラック310の上を逆転する(遠位ウェル314aから;
図3Aを参照されたい)ことを可能にし、トリガ104が完全非作動位置に到達すると、第1のラック310が一対のジョー250に対して近位方向に移動するときに、第1の歯止め330が第1のラック310の上を前進して戻る(第1のラック310の近位端310bから;
図3Dを参照されたい)ことを可能にする。第1のラック310の第1の長さ「L1」は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100の完全ストローク長を画定し(
図1を参照されたい)、この完全ストローク長において、クリップ290が完全に形成され、外科用クリップアプライヤ10から発射されている。
【0046】
第2のラック320は、第1のラック310の第1の長さ「L1」未満である第2の長さ「L2」(
図3Aを参照されたい)を有する。第2の長さ「L2」は、トリガ104が部分的作動位置に到達すると、第2のラック320が一対のジョー250に対して遠位方向に移動するにつれて(
図1を参照されたい)、第2の歯止め340が第2のラック320の上を逆転する(近位ウェル314bから;
図3Aを参照されたい)ことを可能にし、トリガ104が完全非作動位置に到達すると、第2のラック320が一対のジョー250に対して近位方向に移動するときに、第2の歯止め340が第2のラック320の上を前進して戻る(第2のラック320の近位端320bに近位である位置から;
図3Dを参照されたい)ことを可能にする。第2のラック320の第2の長さ「L2」は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100の部分ストローク長を画定し(
図1を参照されたい)、この部分ストローク長において、クリップ290が部分的に形成されたか、または外科用クリップアプライヤ10から発射されるのに十分に形成され、新たなクリップ290が、一対のジャー250へのクリップ290の不注意な二重装填を伴わずに、一対のジャー250へ装填される。ラチェットアセンブリ300の通常作動において、第1及び第2の歯止め330、340ならびに各々の第1及び第2のラック310、320は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100のストローク長が、完全に形成されたクリップ290が外科用クリップアプライヤ10から発射されることを達成するために、第1のラック310のより大きい第1の長さ「L1」によって決定されるように、協働することが企図される。
【0047】
ここで
図4A~4Cを参照すると、ラチェットアセンブリ300の部分的作動が開示される。ラチェットアセンブリ300の部分的作動は、胆管造影処置等を行うとき、使用者が、部分的に形成されたクリップ290を外科用クリップアプライヤ10から発射させることを可能にし得ることが企図される。また、ラチェットアセンブリ300の部分的作動は、クリップ290が不適切な位置に不注意に位置付けられるか、またはクリップ290が障害物上に位置付けられる場合に、使用者が、外科用クリップアプライヤ10からのクリップ290の発射を中断することを可能にし得ることが企図される。
【0048】
使用時、
図4Aを参照して、第1及び第2のラック310、320の複数の第1及び第2のラック歯312、322が、それぞれ、第1及び第2の歯止め330、340の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め歯348とそれぞれ位置合わせまたは係合するように、第1の位置に移動されるように、トリガ104が作動された後(
図3Bを参照されたい)、解除スイッチ350は、解除スイッチ350がハウジング102の取り付ピン119の周りを枢動し、係合部材350bが第1の歯止め330を第1の歯止めピン332の周りで回転させるよう第1の歯止め330に係合するように、作動される。このような方法で、第1の歯止め330は、第2の位置へ移動され、第1のラック310の複数の第1のラック歯312との位置合わせまたは係合から外れる。
図4Aに示される通り、解除スイッチ350は、第1の歯止め330を第2の位置に移動させるように作動されるが、
図4Bに示される通り、第2の歯止め340は、第2の歯止め340が、第2のラック320を通過させるために第2のラック320の近位端320bの近位にある位置に移動されるまで、第1の位置に留まる。第1の歯止め330が第1のラック310との位置合わせまたは係合から外れた状態で、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100のストローク長が、第2のラック320のより少ない第2の長さ「L2」(第1のラック310の第1の長さ「L1」に対する)によって決定される。より少ない第2の長さ「L2」の間、第2の歯止め340と第2のラック320との間の係合は、ストロークの特定の部分の間、新たなクリップ290が、一対のジョー250へクリップ290の不注意な二重装填を伴わずに、一対のジョー250へ装填され得るように、一対のジョー250に装填されたクリップ290が、外科用クリップアプライヤ10から発射されるために十分に部分的に形成されるまで、トリガ104の不注意な復帰を防止する。
【0049】
ここで
図4Cを参照すると、解除スイッチ350が第1の歯止め330を係合するように依然として作動されている状態で、第2の歯止め340が、ラチェットアセンブリ300の部分的作動を完了するように、第2のラック320上に前進して戻り、近位ウェル314b内に配置されると、トリガ104は、完全非作動位置に(その部分的作動位置から)戻され得る。解除スイッチ350は次いで、解除ばね352の付勢の下で解除スイッチ350がその元の位置に戻り、第1の歯止め330が遠位ウェル314a内に配置されるように、解除され得る(
図3Aを参照されたい)。
【0050】
実施形態において、解除スイッチ350がラチェットアセンブリ300の部分作動の一部の間に解除され(例えば、
図4Aを参照されたい)、それにより、解除スイッチ350の係合部材350bが第1の歯止め330から係脱される場合、第1の歯止めばね336は、第1の歯止め330を第1の位置に戻すように提供され、それにより、第1のラック310の複数の第1のラック歯312が、第1の歯止め330の第1の歯止め歯338と位置合わせまたは係合するように移動されることが企図される。したがって、外科用クリップアプライヤ10は、ラチェットアセンブリ300(
図3A~3Dを参照されたい)の通常作動に戻り、そこにおいて、トリガ104、駆動バー106またはハンドルアセンブリ100のストローク長は、完全に形成されたクリップ290が外科用クリップアプライヤ10から発射されることを達成するために、第1のラック310のより大きい第1の長さ「L1」(第2のラック320の第2の長さ「L2」と比べて)によって決定される。この特長は、例えば、解除スイッチ350が不注意に作動されるなどの事例において、有利であり得る。
【0051】
ここで
図5A~5Cを参照すると、ラチェットアセンブリ300の通常作動の戻りストロークが開示される。第1の歯止め330が第1のラック310の近位端310bに配置され、第2の歯止め340が第2のラック320の近位端320bに近位の位置に配置されるように(
図5Aを参照されたい)、トリガ104が完全に作動された位置にある状態で、トリガ104は、第1の及び第2のラック310、320が一対のジョー250に対して近位の方向に移動されるように解除される。それと同時に、第1及び第2の歯止め330、340は、それぞれ、第1の及び第2のラック310、320の上を前進され、それにより、第1及び第2のラック310、320の複数の第1及び第2のラック歯312、322が、それぞれ、第1及び第2の歯止め330、340の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め歯348とそれぞれ位置合わせまたは係合されるように、第1の位置に移動される(
図5Bを参照されたい)。戻りストロークの間、第1の歯止め330は、解除スイッチ350が作動される場合に第1の歯止め330のロックアウト部材339が解除スイッチ350の係合部材350bに係合するように位置付けられるように、第1の歯止めピン332の周りで回転させられる。この方法で、第1の歯止め330の第1の歯止め歯338と第1のラック310の複数の第1のラック歯312との間の位置合わせまたは係合は、解除スイッチ350が、第1の歯止め300の第1の歯止め歯338を第1のラック310の複数の第1のラック歯312との位置合わせまたは係合から外して回転または移動させるよう第1の歯止め330に係合するのを防止するために、第1の歯止め330のロックアウト部材339と協働する。かかる特長は、トリガ104が完全に非作動の位置に移動され、新たなクリップ290が一対のジョー250に装填され、ラチェットアセンブリ300が初期及び/またはリセット位置に移動されることを確実にし、その位置において、第1の歯止め330が遠位ウェル314a内に配置され、第2の歯止め340が近位ウェル314b内に配置される(
図3Aを参照されたい)ことが企図される。
【0052】
本開示の図は、第1の及び第2のラック310、320が駆動バー106上で長手方向に整列され、解除スイッチ350が第1の歯止め330と選択的に係合可能である構成を例示するが、第1の及び第2のラック310、320は、第1の及び第2のラック310、320が逆になっている、積み重ねられている、横並びである、またはそれらの組み合わせである構成を含み得ることが企図される。さらに、解除スイッチ350が第2の歯止め340と選択的に係合可能であり得ることが企図される。それに加えて、解除スイッチ350を作動することで、可聴式及び/または触覚フィードバックが使用者に発せられ得ることが企図される。
【0053】
上で述べられ、
図6に例示されるように、外科用クリップアプライヤ10は、ハブアセンブリ210、シャフトアセンブリ220、及び一対のジョー250を含む内視鏡アセンブリ200を含む。ハブアセンブリ210は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102の鼻102c(
図2Aを参照されたい)上に回転可能に取り付けられ、シャフトアセンブリ220及びその上の一対のジョー250の、シャフトアセンブリ220の長手方向重心軸に対する360度回転を可能にするように、シャフトアセンブリ220の近位端部分に接続される。ハブアセンブリ210は、単に臨床医の指を用いて回転させられるように、好適な構成を有する。
【0054】
内視鏡アセンブリ200は、トリガ104の作動時に一対のジョー250を離間構成と接近構成との間で移動させるために駆動バー106を駆動機構400に動作可能に接続するためのスピンドルリンク260を含む。具体的には、駆動バー106のフック部材114(
図2Bを参照されたい)は、スピンドルリンク260の第1の端部260aに連結され、駆動機構400のスピンドル270は、スピンドルリンク260の第2の端部260bに連結されている。この方法で、駆動バー106の遠位方向及び近位方向への平行移動がそれによって、スピンドル270をそれぞれ前進及び後退させ得る。
【0055】
駆動機構400は、示されるいくつかの外科用クリップ290を整列された様式でクリップチャネル部材280の上に保持するための、細長いクリップチャネル部材280をさらに含む。細長いクリップチャネル部材280を通して外科用クリップ290を遠位に促すように、クリップフォロワ282及びクリップフォロワばね284が提供される。細長いクリップチャネル部材280の上に重なり、クリップフォロワ282及びクリップフォロワばね284及び外科用クリップ290を細長いクリップチャネル部材280内に保持し、それらを細長いクリップチャネル部材280内で遠位に導くように、チャネルカバー286が提供される。
【0056】
駆動機構400はまた、外科用クリップ290を一対のジョー250間に供給するための供給バー410も有する。駆動機構400はまた、フィラー構成要素420及びウェッジプレート430も含む。
【0057】
内視鏡アセンブリ200の構築及び動作のより詳細な説明については、米国特許第7,637,917号を参照してもよく、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
前述の説明は、本開示の単なる例示であることを理解されたい。様々な代替手段及び手段が本開示から逸脱することなく当業者によって考案され得る。したがって、本開示は、そのようなすべての代替手段、修正及び差異を包含することが意図される。添付の図面を参照して説明される実施形態は、本開示のある特定の実施例を示すためだけに表される。上記及び/または添付の特許請求で説明されるものと非本質的に異なる他の要素、行程、方法及び技術も、本開示の範囲内であることが意図される。