(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】結び目のない縫合糸アンカのための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220613BHJP
A61B 17/84 20060101ALI20220613BHJP
A61B 17/88 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/84
A61B17/88
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018017963
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2021-02-05
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・エイ・マークス
(72)【発明者】
【氏名】アミ・シャム・ジョシ
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-126539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0012015(US,A1)
【文献】特開2016-202913(JP,A)
【文献】特表2014-507981(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0041454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0358230(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61B 17/56-17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用システムであって、
ハンドル、及び前記ハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置であって、前記ガイド装置が、該ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、前記ガイド装置が、前記内側ルーメンを画定する前記ガイド装置の内壁上に第1の係合特徴を有し、前記ガイド装置が、該ガイド装置の前記内側ルーメンを通してドリルを外科部位にガイドするように構成されている、ガイド装置と、
前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成された第2の細長いシャフトを有し、アンカが前記第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されている、挿入器ツールであって、前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフト
の遠位前進中に前記第1の係合特徴に係合するように構成されている、該第2の細長いシャフトの外面上の第2の係合特徴を有し、前記第1及び第2の係合特徴の係合解除が、前記アンカを前記第2の細長いシャフトの前記遠位端部から自動的に解放させるように構成されている、挿入器ツールと、を備える、外科用システム。
【請求項2】
前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置に対する第1の種類の動きで、前記ガイド装置の前記内側ルーメンの中へ遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置に対する第2の異なる種類の動きで、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、請求項1に記載の
外科用システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、前記第1の種類の動きを使用して、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されることを防止するように構成されている、請求項2に記載の
外科用システム。
【請求項4】
前記第1の種類の動きが、前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの長手方向の並進であり、前記第2の
異なる種類の動きが、前記第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心にした前記第2の細長いシャフトの回転である、請求項2に記載の
外科用システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、近位方向において前記内側ルーメンを通して長手方向に並進させることによって、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されることを防止するように構成されている、請求項4に記載の
外科用システム。
【請求項6】
前記第1及び第2の係合特徴のうちの一方が、ねじ山であり、前記第1及び第2の係合特徴のうちの他方が、前記ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯である、請求項1に記載の
外科用システム。
【請求項7】
前記挿入器ツールが、ハンドルを有し、前記第2の細長いシャフトが該ハンドルから遠位に延在し、前記挿入器ツールの前記ハンドルは、前記ガイド装置の中に挿入されたときに、前記ガイド装置の前記ハンドルに当接し、それによって、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して更に遠位に前進することを防止するように構成されている、請求項1に記載の
外科用システム。
【請求項8】
前記第1及び第2の係合特徴は、前記挿入器ツールの前記ハンドルが前記ガイド装置の前記ハンドルに当接しているときに係合されるように構成されている、請求項7に記載の
外科用システム。
【請求項9】
前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通って延在するように構成された縫合糸を更に備え、前記挿入器ツールが、前記縫合糸の上を前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記縫合糸が、前記アンカに結合されている、請求項1に記載の
外科用システム。
【請求項10】
細長いシャフトを有し、かつ前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、アンカが前記細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されている、少なくとも1つの追加的な挿入器ツールを更に備え、前記挿入器ツールの各々が、異なってサイズ決定されたアンカに解放可能に結合するように構成されている、請求項1に記載の
外科用システム。
【請求項11】
外科用システムであって、
第1のハンドル、及び前記第1のハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置であって、前記ガイド装置が、該ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、前記ガイド装置が、前記内側ルーメンを通してドリルをガイドして、前記ドリルが骨に穴を穿孔することを可能にするように構成されている、ガイド装置と、
第2のハンドル、及び前記第2のハンドルから遠位に延在する第2の細長いシャフトを有する挿入器ツールであって、前記第2の細長いシャフトは、アンカが前記第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合された状態で、前記内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及び前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転されることのうちの一方によって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトは、該内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及び前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの前記長手方向軸を中心に回転されることのうちの他方によってのみ、前記第1及び第2のハンドルが互いに当接しているときに、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、挿入器ツールと、を備
え、
前記第1の細長いシャフトが、該第1の細長いシャフトの内面上に第1の係合特徴を有し、前記挿入器ツールが、該挿入器ツールの外面上に第2の係合特徴を有し、該第2の係合特徴が、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの遠位前進中に、前記第1の係合特徴に自動的に係合するように構成されており、また、前記ガイド装置の前記内側ルーメンからの前記第2の細長いシャフトの前記除去に応答して、前記第2の係合特徴から自動的に係合解除されるように構成されている、外科用システム。
【請求項12】
前記ガイド装置は、前記ガイド装置の前記内側ルーメンからの前記挿入器ツールの前記第2の細長いシャフトの除去が、前記第2の細長いシャフトの前記遠位端部から前記アンカを自動的に解放するように構成されている、請求項11に記載の
外科用システム。
【請求項13】
前記第1及び第2の係合特徴のうちの一方が、ねじ山であり、前記第1及び第2の係合特徴のうちの他方が、前記ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯である、請求項
11に記載の
外科用システム。
【請求項14】
前記第1の係合特徴が、ねじ山であり、前記第2の係合特徴が、歯であり、そのため、前記第2の細長いシャフトは、該内側ルーメンを通って長手方向に並進されることによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトは、前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの前記長手方向軸を中心に回転されることによってのみ、前記第1及び第2のハンドルが互いに当接しているときに、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、請求項
13に記載の
外科用システム。
【請求項15】
前記第1及び第2のハンドルが、互いに当接するように構成されており、それによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの更なる遠位前進を防止し、前記アンカを前記ガイド装置に対して所定の位置に配置する、請求項11に記載の
外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、結び目のない縫合糸アンカの装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟組織が骨から引き離された際、再付着が必要となる。軟組織を骨に固定するために、縫合糸、ねじ、ステープル、楔、アンカ、及びプラグを含む、様々な従来の装置が使用されている。例えば、肩又は股関節部などのボールソケット関節においては、ボールソケット骨構造に必要とされる高い応力及び運動に起因して、再付着が必要な場合が多い。多くの場合、そのような処置は、関節唇組織の外科的再付着を含む。関節唇組織又は関節唇は、肩及び股関節などのボールソケット関節のソケットを包囲する軟組織又は軟骨の一種である。関節唇は、関節の骨のソケットの縁の周りに環を形成し、関節に安定性を提供することを助けるが、骨とは異なり、柔軟性及び動きも可能にする。
【0003】
現在の外科処置は、結び目のない縫合糸アンカを使用して関節唇を骨に再付着することを含み得、これは、結び目のない縫合糸アンカは、ボールソケット関節などの制約された空間内で結び目を作る必要性を回避するためである。最初に、再付着されるべき組織に縫合糸を通し、次いで患者の外部に延在する縫合糸の終端をアンカ上に搭載する。典型的には、ドリルガイドを組織に通し、アンカ部位と整列して配置し、ドリルビットをドリルガイドに通して骨内に穴を形成する。穴を形成している間、縫合糸は、側部に離れて配置される。骨穴が準備されたら、ドリルガイドを除去し、挿入器ツールを使用してアンカを骨穴内に挿入することができる。アンカの前進中、縫合糸は引っ張られて組織を骨穴に向かって牽引し、それにより組織を骨に固定する。
【0004】
結び目のない縫合糸アンカは、軟組織を骨に再付着させるのに非常に有効であり得るが、アンカのサイズが小さいことと、ボールソケット関節の厳しい制約とにより、骨穴を位置付け、アンカを骨穴内に挿入することは困難であり得る。例えば、肩関節においては、上腕頭は、典型的には、ドリルガイドを除去した後、そのソケット内の静止位置に戻り、穴への経路を塞ぐであろう。股関節部においては、別の例として、厳しい角度と、関節空間の窮屈性とにより、穴の可視化が困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、結び目のない縫合糸アンカの改良された装置、システム、及び方法の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、結び目のない縫合糸アンカのための装置、システム、及び方法が提供される。
【0007】
一態様では、一実施形態において、ハンドル、及びハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置を含む、外科用システムが提供される。ガイド装置は、ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、内側ルーメンを画定するガイドで装置の内壁上に第1の係合特徴を有し、また、ガイド装置の内側ルーメンを通してドリルを外科部位にガイドするように構成される。外科システムはまた、ガイド装置の内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成された第2の細長いシャフトを有し、アンカが第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合され、挿入器ツールも含む。第2の細長いシャフトは、ガイド装置の内側ルーメンを通した第2の細長いシャフトの遠位前進中に第1の係合特徴に係合するように構成された、第2の細長いシャフトの外面上の第2の係合特徴を有する。第1及び第2の係合特徴の係合解除は、アンカを第2の細長いシャフトの遠位端部から自動的に解放させるように構成される。
【0008】
外科用システムは、任意の数の方法で異なり得る。例えば、第2の細長いシャフトは、ガイド装置に対する第1の種類の動きで、ガイド装置の内側ルーメンの中へ遠位に前進されるように構成することができ、第2の細長いシャフトは、ガイド装置に対する第2の異なる種類の動きで、ガイド装置の内側ルーメンから除去されるように構成することができる。第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、第1の種類の動きを使用して、第2の細長いシャフトがガイド装置の内側ルーメンから除去されることを防止するように構成することができる。第1の種類の動きは、内側ルーメンを通した第2の細長いシャフトの長手方向の並進とすることができ、第2の種類の動きは、第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心にした第2の細長いシャフトの回転とすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、近位方向において内側ルーメンを通して長手方向に並進させることによって、第2の細長いシャフトがガイド装置の内側ルーメンから除去されることを防止するように構成することができる。
【0009】
別の例について、第1及び第2の係合特徴のうちの一方は、ねじ山とすることができ、第1及び第2の係合特徴のうちの他方は、ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯とすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、外科システムはまた、アンカも含むことができ、歯の長手方向長さは、アンカの長手方向長さ以上である。
【0010】
更に別の例について、第1の細長いシャフトは、第1の細長いシャフトの遠位部分内に、第1の細長いシャフトの側壁に形成された窓を有することができ、窓は、第2の細長いシャフトの遠位端部に結合されたアンカの窓を通した可視化を可能にするように構成することができる。
【0011】
なおも別の例について、挿入器ツールは、ハンドルを有し、第2の細長いシャフトは、ハンドルから遠位に延在し、挿入器ツールのハンドルは、ガイド装置の中に挿入されたときにガイド装置のハンドルに当接し、それによって、第2の細長いシャフトがガイド装置の内側ルーメンを通して更に遠位に前進することを防止するように構成することができる。少なくともいくつかの実施形態において、第1及び第2の係合特徴は、挿入器ツールのハンドルがガイド装置のハンドルに当接しているときに係合されるように構成することができる。
【0012】
別の例について、外科システムは、ガイド装置の内側ルーメンを通って延在するように構成された縫合糸を含むことができ、挿入器ツールは、縫合糸の上をガイド装置の内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成することができ、縫合糸は、アンカに結合される。
【0013】
なおも別の例について、外科システムは、細長いシャフトを有し、かつガイド装置の内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成された、少なくとも1つの追加的な挿入器ツールを含むことができ、アンカが細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合され、挿入器ツールの各々が、異なってサイズ決定されたアンカに解放可能に結合するように構成される。
【0014】
別の実施形態では、第1のハンドル、及び第1のハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置を含む、外科用システムが提供される。ガイド装置は、ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、ガイド装置は、内側ルーメンを通してドリルをガイドして、ドリルが骨に穴を穿孔することを可能にするように構成される。外科システムはまた、第2のハンドル、及び第2のハンドルから遠位に延在する第2の細長いシャフトを有する挿入器ツールも含む。第2の細長いシャフトは、アンカが第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合された状態で、内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及びガイド装置に対して第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転されることのうちの一方によって、ガイド装置の内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成される。第2の細長いシャフトは、内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及びガイド装置に対して第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転されることのうちの他方によってのみ、第1及び第2のハンドルが互いに当接しているときに、ガイド装置の内側ルーメンから除去されるように構成される。
【0015】
外科システムは、いくつかの変形例のうちのいずれかを有することができる。例えば、ガイド装置は、挿入器ツールの第2の細長いシャフトをガイド装置の内側ルーメンから除去することが第2の細長いシャフトの遠位端部からアンカを自動的に解放するように構成することができる。
【0016】
別の例について、第1の細長いシャフトは、第1の細長いシャフトの内面上に第1の係合特徴を有することができ、挿入器ツールは、挿入器ツールの外面上に第2の係合特徴を有することができ、第2の係合特徴は、ガイド装置の内側ルーメンを通した第2の細長いシャフトの遠位前進中に、第1の係合特徴に自動的に係合するように構成され、また、第2の細長いシャフトをガイド装置の内側ルーメンから除去することに応答して、第2の係合特徴から自動的に係合解除されるように構成される。第1及び第2の係合特徴のうちの一方は、ねじ山とすることができ、第1及び第2の係合特徴のうちの他方は、ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯とすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、第1の係合特徴は、ねじ山とすることができ、第2の係合特徴は、歯とすることができ、よって、第2の係合シャフトが内側ルーメンを通って長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成され、第1及び第2のハンドルが、ガイド装置に対して第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転されることによってのみ、互いに当接しているときに、第2の細長いシャフトが、ガイド装置の内側ルーメンから除去されるように構成される。
【0017】
なおも別の例について、第1及び第2のハンドルは、互いに当接するように構成することができ、それによって、ガイド装置の内側ルーメンを通した第2の細長いシャフトの更なる遠位前進を防止し、アンカをガイド装置に対して所定の位置に配置する。
【0018】
別の態様では、外科的方法が提供され、一実施形態において、骨に固定されるべき組織に縫合糸を通すことと、組織から延在する縫合糸の終端を、ガイド装置の第1の細長いシャフト内の内側ルーメンに通すことと、ガイド装置の内側ルーメンを通してドリルを前進させて、骨に穴を形成することと、挿入器ツールの第2の細長いシャフトを、内側ルーメン内の縫合糸の上を、かつガイド装置の内側ルーメンを通して前進させて、縫合糸に結合され、また、第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されるアンカを穴内に配置することと、ガイド装置の内側ルーメンから第2の細長いシャフトを除去し、それによって、アンカが穴の中に残り、縫合糸がアンカに結合され、アンカから延在するように、第2の細長いシャフトの遠位端部からアンカを自動的に解放することとを含む。
【0019】
外科的方法は、任意の数の方法で異なり得る。例えば、第1の細長いシャフトは、第1の細長いシャフトの内面上に第1の係合特徴を有することができ、第2の細長いシャフトは、第2の細長いシャフトの外面上に第2の係合特徴を有することができ、第2の係合特徴は、ガイド装置の内側ルーメンを通した第2の細長いシャフトの前進中に、第1の係合特徴に自動的に係合し、また、ガイド装置の内側ルーメンから第2の細長いシャフトを除去することに応答して、第2の係合特徴から自動的に係合解除する。少なくともいくつかの実施形態において、第2の細長いシャフトは、遠位方向に内側ルーメンを通して長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンを通して前進させることができ、第2の細長いシャフトは、ガイド装置に対して第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転させることによって、ガイド装置の内側ルーメンから除去され、第1及び第2の係合特徴の係合は、近位方向において内側ルーメンを通して長手方向に並進させることによって、第2の細長いシャフトがガイド装置の内側ルーメンから除去されることを防止することができる。少なくともいくつかの実施形態において、第2の細長いシャフトは、ガイド装置のハンドルが挿入器ツールのハンドルに当接するまで、ガイド装置の内側ルーメンを通って前進させることができ、ハンドルの当接は、アンカが穴内に配置されたことを示すことができ、ガイド装置のハンドルが挿入器ツールのハンドルに当接したときに、第1及び第2の係合特徴を係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことで、より完全に理解されるであろう。
【
図1】ガイド装置の一実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図2】
図1のガイド装置の近位部分の他の斜視図である。
【
図3】
図1のガイド装置の近位部分及び遠位部分の側面図である。
【
図4】挿入器ツールの一実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図5】
図4の挿入器ツールの近位部分の別の斜視図である。
【
図6】
図4の挿入器ツールの近位部分及び遠位部分の側面図である。
【
図7】
図1のガイド装置の中へ部分的に遠位に前進させた
図4の挿入器ツールの透視斜視図である。
【
図8】
図7のガイド装置の中へ完全に遠位に前進させた
図7の挿入器ツールの透視斜視図である。
【
図9】ガイド装置の別の実施形態の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図10】ガイド装置の更に別の実施形態に中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図11】ガイド装置のなおも別の実施形態の中へ部分的に前進させた挿入器ツールのなおも別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図12】
図9のガイド装置の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの別の実施形態の部分透視図)である。
【
図13】ガイド装置の更に別の実施形態の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図15】
図13のガイド装置の中へ完全に前進させた
図13の挿入器ツールの側面部分透視図である。
【
図16A】ガイド装置の別の実施形態の近位部分及び挿入器ツールの係合特徴の斜視透視図である。
【
図17】挿入器ツールの別の実施形態の近位部分の側面図である。
【
図19】ガイド装置の別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図22】ガイド装置の別の実施形態の中へ部分的に遠位に前進させた挿入器ツールの別の実施形態の側面図である。
【
図27】挿入器ツールの更に別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図28】ガイド装置の更に別の実施形態から除去されている
図27の挿入器ツールの側面図である。
【
図29】挿入器ツールの別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図30】ガイド装置の別の実施形態の中へ完全に遠位に前進させた
図29の挿入器ツールの斜視図である。
【
図32】挿入器ツールの別の実施形態の近位部分の側面図である。
【
図33】ガイド装置の更に別の実施形態に中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図)である。
【
図34】
図33のガイド装置の中へ完全に前進させた
図33の挿入器ツールの側面部分透視図である。
【
図35】挿入器ツールのなおも別の実施形態の近位部分の側面図である。
【
図36】ガイド装置の別の実施形態の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図37】
図36のガイド装置の一部分の斜視部分透視図である。
【
図38】ガイド装置の別の実施形態の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図39】
図38のガイド装置の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図40】ガイド装置の更に別の実施形態の中へ部分的に前進させた
図38の挿入器ツールの側面部分透視図である。
【
図41】
図40のガイド装置の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図42】
図39のガイド装置の中へ部分的に前進させた挿入器ツールのなおも別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図42A】
図39のガイド装置の中へ部分的に前進させた挿入器ツールの更に別の実施形態の側面部分透視図である。
【
図43】栓子の更に別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図45】挿入器ツールの別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図48】挿入器ツールの更に別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図49】挿入器ツールのなおも別の実施形態の近位部分の斜視図である。
【
図50】挿入器ツールの別の実施形態の近位部分の側面図である。
【
図51】挿入器ツールのなおも別の実施形態の近位部分の側面図である。
【
図52】縫合糸アンカの一実施形態の斜視図である。
【
図53】縫合糸がガイド装置を通って延在し、組織に結合されたガイド装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図54】
図53のガイド装置、縫合糸、及び組織の遠位部分の側面図である。
【
図55】アンカが縫合糸の終端に結合され、アンカが挿入器ツールの別の実施形態に結合された、
図53のガイド装置、縫合糸、及び組織の斜視図である。
【
図56】アンカが骨穴に埋め込まれ、縫合糸が引っ張られて組織を骨に再付着させる、
図55のガイド装置の遠位部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願で開示する装置、システム及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示される装置、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0022】
更に、本開示においては、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって特定の実施形態において、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴について必ずしも完全に詳しく述べることはしない。加えて、開示されるシステム、装置、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される場合、かかる寸法は、かかるシステム、装置、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。当業者は、寸法が、製造許容誤差及び測定機器の感度などの任意の数の要因のため、正確な値でないことがあるが、それでもやはり、およそその値であると見なされることを認識するであろう。システム及び装置並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくともシステム及び装置が用いられる被験者の解剖学的構造、システム及び装置がそれらと共に用いられる構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び装置が用いられる方法及び処置によって決まり得る。
【0023】
結び目のない縫合糸アンカのための装置、システム、及び方法が提供される。概して、本明細書で説明される装置、システム、及び方法は、縫合糸アンカの骨への効率的な送達及び展開を容易にすることができる。ガイド装置は、カニューレを挿入することができ、また、ドリルがガイド装置の中を前進する等の、アンカを骨内に形成された穴の中へ送達するように構成された挿入器ツールをガイド装置の中で摺動可能に受容するように構成することができる。挿入器ツールをガイド装置の中に有するガイド装置は、ある人物、例えば外科医又は他の医療従事者の片手によって、1つのユニットとして保持されるように構成することができる。したがって、その人物の他方の手は、別の外科用器具、例えば、スコープ、又は他の視認装置、木槌などを保持するなどの、他の外科的作業を自由に行うことができる。挿入器ツールをガイド装置の中に有するガイド装置は、挿入器ツールがガイド装置に対して定位置に固定された状態で、片手で保持するように構成することができ、これは、アンカの骨への所望の配置を容易にすることができ、及び/又はアンカに結合された縫合糸を、挿入器ツールからアンカを解放する前に引っ張ることを可能にし、それによって、アンカが展開されたときに、縫合糸に結合された組織が望ましく配置されることを確実にすることを助けることができる。
【0024】
挿入器ツールは、1つの種類の動き、例えば挿入器ツールの長手方向軸を中心にした回転運動又は挿入器ツールの長手方向軸に沿った並進運動のみによって、ガイド装置から除去されるように構成することができる。このようにして、挿入器ツールは、ガイド装置から尚早に引き出されることを防止することができ、及び/又は挿入器ツールは、ガイド装置から一方向にしか除去することができないので、ある人物の使用に対してより直感的なものとすることができる。挿入器ツールは、ガイド装置から除去されることに応答して、挿入器ツールに結合されたアンカを自動的に解放するように構成することができ、これは、挿入器ツールの直感的な使用を容易にすることができ、挿入器ツールの除去及びアンカの展開を同時に生じさせることを可能にすることによって時間を節約することができ、及び/又は意図した時間までアンカが展開されないことを確実にすることを助けることができる。挿入器ツールは、他の種類の動き、例えば他の回転運動及び並進運動を使用して、ガイド装置の中へ挿入されるように構成することができ、これは、挿入器ツールの直感的な使用を更に容易にすることができる。
【0025】
図1~
図3は、ガイド装置10の一実施形態を示す。ガイド装置10は、ハンドル12と、及びハンドル12から遠位に延在する細長いシャフト14とを有する。ガイド装置10は、ハンドル12を通って延在する内側ルーメン16aによって画定される、ガイド装置を通って延在する内側ルーメン16と、ハンドルの内側ルーメン16aと同軸であり、かつシャフト14を通って延在する内側ルーメン16bとを有する。シャフト14及びハンドル12は、長手方向に整列されるが、他の実施形態において、ハンドル12は、シャフト14からある角度で延在することができる。ガイド装置ハンドルの例示的な実施形態は、「Knotless Suture Anchor Guide」という名称で2015年4月23日に出願された米国特許出願公開第2016/0310125号において更に説明されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
ハンドル12は、様々なサイズ、形状、及び構成を有することができる。この示される実施形態のように、ハンドル12は、ユーザの手又は外科用ロボットアームによってハンドルを把持することを容易にするように、略細長い円筒形状を有することができる。内側ルーメン16aは、ハンドル12の近位端部12pと遠位端部12dとの間でハンドルを通って延在する。内側ルーメン16aは、第1の係合特徴18がハンドルの内側ルーメン16a内に位置付けられる領域を除き、実質的に一定の直径を有する。当業者は、ハンドルのルーメン16aが、製造許容誤差及び/又は測定機器の感度などの様々な要因のうちのいずれかのため、正確に一定でないことがあるが、それでもやはり、実質的に一定であると見なされることを認識するであろう。他の実施形態において、ハンドルの内側ルーメン16aは、ハンドル12のかなりの部分に沿って、近位端部12pから遠位端部12dに向かって実質的に一定の直径とすることができ、また、内側ルーメン16aの直径が半径方向内方にテーパ状になる遠位端部12dの近くでより小さい直径を有することができる。テーパ状の構成は、下で更に述べられるように、シャフト14からハンドル12の内側ルーメン16aの中へ延在する縫合糸の配置を容易にすることができる。
【0027】
ハンドル12は、ハンドルの中に形成され、かつハンドルの側壁を通って延在する、1つ又は2つ以上の灌注穴20を含む。灌注穴20は、例えばシャフト14のルーメン16bから、内側ルーメン16aを通って流れる流体が、灌注穴20を通って外に出ることができるように、内側ルーメン16aの中へ延在する。多くの場合、生理食塩水は、ルーメン16を通して前進される挿入器ツールを使用して、アンカが埋め込まれている関節の中へ圧力下で送達されるので、灌注穴20は、灌注流体がハンドル12の近位端部12pから外に出ることを防止することができる。ハンドル12は、(
図3に示されるように)3つの灌注穴20を含み、2つの灌注穴20が同じ軸方向位置においてハンドル12の周囲に等距離に離間配置されているが、ハンドル12は、別の数の灌注穴を含むことができ、2つ以上の灌注穴の場合は、様々な軸方向位置及び半径方向位置のうちのいずれかにおいて離間配置された灌注穴を有することができる。
【0028】
図1及び
図2に示されるように、ハンドル12は、縫合糸に解放可能に係合するように構成された縫合糸結合特徴22を含む。示される実施形態において、縫合糸結合特徴22は、ハンドル12の近位端部12pの近位対向面内に形成されたスリット又はクリートの形態である。縫合糸結合特徴22は、シャフト14及びハンドル12を通って延在する縫合糸を引っ張って維持することを可能にするように構成され、縫合糸は、縫合糸結合特徴22によって、例えばスリット内で圧着されることによって、適所で保持される。縫合糸結合特徴22は、ハンドルの近位対向面内に形成された浅い切り欠き内に凹設され、これは、穿孔中に縫合糸結合特徴22によって係合される縫合糸を保護することを助けることができる。示される縫合糸結合特徴22は、内側ルーメン16aの壁を画定するハンドル12の内壁26内に形成された長手方向のスロット24と同じ側にあり、かつ半径方向に整列される。スロット24は、縫合糸をスロット内に着座させるように構成される。縫合糸結合特徴22及びスロット24の整列は、内側ルーメン16に通されるドリルから縫合糸をある距離だけ離して維持することを助けることができ、したがって、ドリルが、例えばドリルの遠位端部の切削部分が、縫合糸に損傷を与えることを防止することができる。示されるスリットは、内側ルーメン16aに向かう方向においてスリットに向かって合流する傾斜側壁を有する、拡大した口部を有する。拡大した口部及び傾斜は、縫合糸のスリットの中への挿入を容易にすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、スリットは、縫合糸脚の2つのストランドがスリットの中を摺動し、固定的かつ摺動不能に維持されることを可能にする幅を有する。当業者は、縫合糸結合特徴22が、様々な他の構成を有することができ、また、スリットの形態である必要はないことを認識するであろう。また、縫合糸結合特徴22は、ハンドル12上の様々な他の場所に配置することができ、また、示されるようにハンドル12の近位端部12p上に位置付けられることに限定されない。縫合糸係合特徴の例示的な実施形態は、上で言及される、「Knotless Suture Anchor Guide」という名称で2015年4月23日に出願された米国特許出願公開第2016/0310125号において更に説明されている。
【0029】
上で言及されるように、ハンドル12は、ハンドルの内側ルーメン16a内に第1の係合特徴18を含む。第1の係合特徴18は、下で更に述べられるように、挿入器ツールの係合特徴と解放可能に係合するように構成される。第1の係合特徴18は、内側ルーメン16aの周囲に延在するねじ山である。換言すれば、ガイド装置16は、ハンドル12内に雌ねじを含む。第1の係合特徴18は、ハンドル12に沿って延在する内側ルーメン16aの部分的な長手方向長さ16Lに沿って延在し、例えば、内側ルーメン16aは、部分的にのみねじ込まれる。スロット24は、
図1に示されるように、第1の係合特徴18を通って延在し、よって、ねじ山は、不連続である。スロットを含まないガイド装置の実施形態では、ねじ山を連続にすることができる。他の実施形態において、第1の係合特徴18は、下で更に述べられるように、ラチェット又は歯などの、ねじ山以外の構成を有することができる。
【0030】
例示的な実施形態において、
図1に示されるように、第1の係合特徴18は、ハンドルの内側ルーメン16aの近位部分に位置付けられ、それ故に、ガイド装置の内側ルーメン16の近位部分に位置付けられる。同じく
図1に示されるように、第1の係合特徴18は、ハンドルの内側ルーメン16aの最近位端部まで延在することができ、それ故に、ガイド装置の内側ルーメン16の最近位端部まで延在することができ、これは、第1の係合特徴と挿入器ツールの係合特徴との係合に対するユーザの触覚及び/又は可聴検出を容易にすることができる。
【0031】
ガイド装置10の細長いシャフト14は、様々なサイズ、形状、及び構成を有することができる。細長いシャフト14は、ハンドル12の遠位端部12dに嵌合される近位端部14pを有し、また、アンカ部位に隣接して骨上に配置されるように構成された遠位端部14d(
図3を参照されたい)を有する。内側ルーメン16bは、内側ルーメンの近位端部12pと遠位端部12dとの間でシャフト14を通って延在する。したがって、ガイド装置16は、カニューレを挿入することができ、ガイド装置の内側ルーメン16は、ガイド装置の中を完全に通って、例えばハンドル12の近位端部12pからシャフト14の遠位端部14dまで延在する。内側ルーメン16bは、実質的に一定の直径を有するが、他の実施形態では、様々な直径を有することができる。
【0032】
この示される実施形態において、シャフト14の内側ルーメン16bは、円形の断面形状を有する。少なくともいくつかの実施形態において、シャフト14は、シャフトの内側ルーメン16bの断面形状が不規則であるように構成されて、ドリルビットが縫合糸にいかなる損傷も与えることなく、縫合糸及びドリルビットの両方をシャフト14に通すことを可能にする。例えば、シャフト14の内側ルーメン16bは、形状がドリルビットを受容するための1次領域と、縫合糸を着座させるための2次オフセット領域とを有するように、不規則な断面形状を有することができる。例えば、円形のドリルビットが使用される場合、1次領域は、概ね円形の構成を有する。2次オフセット領域は、1次領域のすぐ外側に配置されており、縫合糸を着座させるための、ドリルビットが通される直径の外部に延在する範囲を画定する。1次領域及び2次オフセット領域を有するシャフトの例示的な実施形態は、上で言及される、「Knotless Suture Anchor Guide」という名称で2015年4月23日に出願された米国特許出願公開第2016/0310125号において更に説明されている。
【0033】
図3に示されるように、シャフトの遠位端部14dは、骨に係合して、骨に対するガイド装置10の運動を防止するように構成された少なくとも1つの骨係合表面特徴28を含む。この示される実施形態における1つ又は2つ以上の骨係合表面特徴28は、シャフト14の周囲に遠位に延在する複数の歯の形態であるが、1つ又は2つ以上の骨係合表面特徴28は、非平滑化表面などの他の構成を有することができる。骨係合歯28は、シャフト14の遠位対向面に形成されて、シャフト14が骨表面と接触して移動するときに骨の中へ入り込むように構成する。他の実施形態において、シャフト14は、シャフトの遠位端部14dにおいて、いかなる骨係合表面特徴も有しない。
【0034】
同じく
図3に示されるように、シャフト14は、シャフトの遠位部分に、シャフト内に形成された1つ又は2つ以上の窓30有し、窓は、1つ又は2つ以上の窓30を通して見るように配置されているスコープ又は他の視覚化装置などを介して、シャフト14の側壁を通してシャフトの内側ルーメン16bの中を、それ故に、ガイド装置の内側ルーメン16の中を視認するとこを可能にするように構成される。示される実施形態において、シャフト14は、シャフト14の周囲に等距離に、かつ半径方向に離間された2つの窓30を有するが、窓30は、他の場所とすることができる。各窓30は、シャフト14の長手方向に沿って長さ方向に配向された矩形状を有するが、窓30は、略長円形又は楕円形などの、他の形状を有することができる。他の実施形態において、シャフト14は、いかなる窓もシャフト内に形成されない。
【0035】
ガイド装置10は、ガイド装置内で、例えばガイド装置の内側ルーメン16内で、骨に穴を穿孔するように構成されたドリルを受容するように構成され、また、ガイド装置内で、縫合糸アンカを穴の中へ挿入するように構成された挿入器ツールを受容するように構成される。したがって、内側ルーメン16は、ドリルの遠位端部及び挿入器ツールの遠位端部の各々がガイド装置10から出て、骨にアクセスし、進入することを可能にするために、ドリルの長さ未満(例えば、ガイド装置の内側ルーメン16を通して前進されるドリルの細長いシャフトの長さ未満)であり、かつ挿入器の長さ未満(例えば、ガイド装置の内側ルーメン16を通して前進される挿入器ツールの細長いシャフトの長さ未満)である長さを有することができる。下で更に述べられるように、ドリルは、ガイド装置10の中へ挿入して、骨穴を形成し、次いで、挿入器ツールがガイド装置10の中へ挿入されてアンカを送達する前に、ガイド装置から除去することができる。
【0036】
ガイド装置10は、様々な材料のうちのいずれかから作製することができる。例示的な実施形態において、ガイド装置10は、金属(例えば、ステンレス鋼など)又はRadel(登録商標)から作製される。加えて、例示的な実施形態において、ガイド装置10は、再使用されるように、例えば、使用の間にガイド装置の洗浄及び滅菌を伴って異なる患者で使用されるように構成される。
【0037】
図4~
図6は、
図1~
図3のガイド装置10などのガイド装置の中へ挿入するように構成された挿入器ツール32の一実施形態を示す。挿入器ツール32は、ハンドル34と、ハンドル34から遠位に延在する細長いシャフト36とを有する。シャフト36及びハンドル34は、長手方向に整列されるが、他の実施形態において、ハンドル34は、ガイド装置10に関して上で言及されることに類似して、シャフト36からある角度で延在することができる。
【0038】
ハンドル34は、様々なサイズ、形状、及び構成を有することができる。この示される実施形態のように、ハンドル34は、ユーザの手又は外科用ロボットアームによってハンドルを把持することを容易にするように、略細長い円筒形状を有することができる。
【0039】
ハンドル34は、縫合糸に解放可能に係合するように構成された縫合糸結合特徴38を含む。挿入器ツールの縫合糸結合特徴38は、概して、ガイド装置の縫合糸結合特徴22に類似して構成及び使用される。示される実施形態において、縫合糸結合特徴38は、ハンドル34の近位端部34pにおいて、それ故に、挿入器ツール32の近位端部において、近位対向面40内に形成されたスリット又はクリートの形態である。示されるスリットは、半径方向内方の方向においてスリットに向かって合流する傾斜側壁を有する、拡大した口部をスリットの各端部に有する。上で言及されるように、縫合糸係合特徴38は、スリット又はクリート以外の様々な構成を有することができ、また、ハンドル34上の様々な他の場所に配置することができる。
【0040】
挿入器ツールの近位対向面40は、実質的に平坦であり、また、木槌又は他のツールによって打たれて、細長いシャフト36(
図6を参照されたい)の遠位端部36dに結合されたアンカを骨の中へ駆動することを助けるように構成される。当業者は、近位対向面40が、製造許容誤差及び/又は測定機器の感度などの様々な要因のうちのいずれかのため、正確に平坦でないことがあるが、それでもやはり、実質的に平坦であると見なされることを認識するであろう。縫合糸結合特徴38は、縫合糸結合特徴内の縫合糸がハンドル34内で凹設されて、木槌又は他のツールで近位対向面40上の挿入器ツール32をたたくことによって縫合糸が損傷を受けることから保護することを可能にする。
【0041】
ハンドル34は、ハンドルの外面上に第2の係合特徴44を含む。第2の係合特徴44は、下で更に述べられるように、ガイド装置10の第1の係合特徴18を解放可能に係合するように構成される。第2の係合特徴44は、挿入器ツール32から半径方向外方に延在する歯又はラチェットである。第2の係合特徴44は、ばね部材46の端部上に形成され、ばね部材は、挿入器ツール32が遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン16を通して長手方向に並進されるときに、半径方向内方に屈曲し、又は跳ね上がり、ねじ山18に沿った歯44のラチェット駆動を容易にするように構成される。第2の係合特徴44は、上方に(例えば、近位に)傾斜する傾斜遠位対向面44sを有し、傾斜遠位対向面もまた、挿入器ツールの遠位並進運動中に遭遇する、ねじ山18の各部の上を歯44が摺動することを助けることによって、この歯44のラチェット駆動を容易にする。第2の係合特徴44はまた、実質的に平坦な近位対向面44fも有し、近位対向面は、第1の係合特徴18に係合して、挿入器ツール32が近位に移動することを防止するように構成される。換言すれば、実質的に平坦な近位対向面44fは、ねじ山18に当接し、停止面としての機能を果たすことができ、停止面は、挿入器ツール32が内壁26上のねじ山18の少なくとも1回転を過ぎて遠位に前進したときに、挿入器ツール32がルーメン16内を近位に移動することを止める。傾斜面44sと実質的に平坦な表面44fとの間の境界面における第2の係合特徴44の先端部は、ねじ山18内に着座されるように構成される。
【0042】
第2の係合特徴44及びばね部材46は、ハンドル34と共に一体的に形成され、例えば共に成型されるが、他の実施形態において、ばね部材46及び第2の係合特徴44は、様々な取り付け機構、例えば溶接、接着、ヒンジ、コイルばね、板ばねなどのうちのいずれかを使用して、ハンドル34とは別に機械加工し、ハンドルに取り付けることなどによって、別個の構成要素として、ハンドル34に取り付けることができる。
【0043】
第2の係合特徴44は、挿入器ツール32がガイド装置の内側ルーメン16を通して遠位に並進されるときに、第1の係合特徴18に沿って下方に(例えば、遠位に)ラチェット駆動するように構成される。ばね部材46は、第2の係合特徴44がねじ山18の突出部分の上を通過するときに、第2の係合特徴が半径方向内方に移動することを可能にするように構成され、よって、第2の係合特徴44を、第2の係合特徴44が遠位に移動するときに第2の係合特徴が遭遇するねじ山18の各凹部の中へ連続的にラチェット駆動することができる。第1の係合特徴18に沿って第2の係合特徴44をラチェット駆動することは、可聴音、例えばクリック音を生じさせるように構成することができ、これは、ガイド装置10及び挿入器ツール32を使用している医療従事者が、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合されたこと、及び挿入器ツール32に係合されたアンカが特定の場所にあることを知ることを助けることができる。第1の係合特徴18に沿って第2の係合特徴44をラチェット駆動することはまた、挿入器ツール32及び/又はガイド装置10を保持しているユーザが触覚的に感じて、医療従事者を更に助けるようにも構成することができる。2つの信号(可聴及び触覚)を有することは、ユーザが信号の1つを逃した場合の冗長性を可能にすることができる。
【0044】
第2の係合特徴44はまた、挿入器ツール32がガイド装置10に対して挿入器ツールの長手方向軸32A(
図6を参照されたい)を中心に回転したときに、第1の係合特徴18内を摺動するようにも構成される。換言すれば、歯44は、ねじ山18とねじ係合し、挿入器ツール32の回転に応答してねじ山を摺動することができる。挿入器ツール32の回転は、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合したときに、挿入器ツール32がガイド装置の内側ルーメン16内を近位に移動することを可能にし、第2の係合特徴44は、近位方向において第1係合特徴18に沿ってねじ込む。したがって、挿入器ツール32は、ガイド装置10に対して回転させて、ガイド装置10から近位に移動させることによって、ガイド装置10から除去することができる。一定量の回転の後に、第2の係合特徴44は、第1の係合特徴18から係合解除され、例えば第1の係合特徴の近位に位置付けられ、挿入器ツール32は、近位方向における並進運動を使用したガイド装置10からの除去を終了することができる。
【0045】
第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44は、共に係合したときに協働して、挿入器ツール32がガイド装置10の内側ルーメン16内を近位に移動しているのか、又は遠位に移動しているのかに応じて、挿入器ツール18の動きを2つの異なる種類の運動に制限するように構成される。第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44は、共に係合したときに協働して、内側ルーメン16を通して遠位に前進したときに、挿入器ツール18の動きを第1の種類の動きである並進運動又は長手方向の運動に制限するように構成される。第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44は、共に係合したときに協働して、内側ルーメン16を通して近位に前進したときに、挿入器ツール18の動きを第2の異なる種類の動きである回転運動に制限するように構成される。したがって、挿入器ツール32及びガイド装置10は、フールプルーフで使用するように構成することができ、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合しているときに、例えば、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合している間に挿入器ツール32が内側ルーメン16の中へ遠位に前進し過ぎてしまったときに、挿入器ツール32は、挿入器ツール32が内側ルーメン16内を遠位に移動しているのか、又は近位に移動しているのかに応じて、一方向にのみ移動するように構成される。したがって、挿入器ツール32、それ故に挿入器ツールの遠位端部32dに結合されたアンカ(
図6を参照されたい)は、ガイド装置10及び/又は挿入器ツール32が医療従事者によって、又は別の装置によって意図せずに押し動かすことなどにより、内側ルーメン16内を遠位又は近位に偶発的に動くことを防止することができる。したがって、アンカは、埋め込まれることが意図される骨に対する予測可能な場所内とすることができ、これは、アンカが適切に埋め込まれること、及び、アンカが骨の中に完全に展開される前に、例えば木槌又は他のツールが挿入器ツールの近位対向面40を打つ前に、アンカに結合された縫合糸が望ましく引っ張られることを確実にすることを助けることができる。
【0046】
挿入器ツールの遠位端部32dに結合されたアンカは、挿入器ツール32がガイド装置10から除去される前に骨の中へ駆動されているので、下で更に述べられるように、アンカが骨内に展開されたままである間、ガイド装置10に対する挿入器ツール32の近位運動は、挿入器ツール32をアンカから自動的に係合解除し、例えばアンカから近位に遠位端部32dを移動させる。したがって、単一の動き、例えばガイド装置10に対する挿入器ツール32の回転運動は、ガイド装置10からの挿入器ツール32の除去、及び挿入器ツール32からのアンカの解放の両方を生じさせることができる。したがって、1つの行為が2つの作業を達成することができるので、外科処置をより短い時間で行うことができ、及び/又は1つの行為で2つの作業を達成するように学習することができるので、ガイド装置10及び挿入器ツール32は、ユーザがより容易に学習することができる。更に、2つの作業を達成するためのこの時点での1つの行為は、挿入器ツール32の唯一の可能な運動とすることができ、例えば、挿入器ツール32は、回転させてガイド装置10から除去することのみを行うことができ、よって、アンカの展開を制御された様式で起こし、生じさせることを確実にすることができる。
【0047】
例示的な実施形態において、第2の係合特徴44は、ガイド装置10の内側ルーメン16内に配置されるように構成されたハンドル34の遠位部分48に形成される。ハンドルの遠位部分48は、少なくとも遠位部分48と近位部分50との間の境界面において、ハンドルの近位部分50よりよりも小さい直径を有する。第2の係合特徴44は、挿入器ツール32がガイド装置の内側ルーメン16を通して遠位に前進されたときに、ガイド装置10の近位対向面31に、例えばハンドル12の近位対向面に当接するように構成された、挿入器ツール32の遠位対向面42の遠位に形成される。ガイド装置の近位対向面31及び挿入器ツールの遠位対向面42は、協働して、内側ルーメン16内の挿入器ツール32の遠位運動を止めるように構成される。第2の係合特徴44は、挿入器ツールの遠位運動が止められたときに、例えば、表面31、42が互いに当接したときに、第2の係合特徴44が第1の係合特徴18と係合するように、挿入器ツールの停止面42に対して位置付けられる。このように、ガイド装置10に対して挿入器ツール32の最遠位位置にある挿入器ツールは、係合した停止面31、42によって更に遠位に移動することが防止され、また、挿入器ツール32が第2の種類の動きで移動されるまで、例えば、挿入器ツール32がガイド装置10に対して挿入器ツールの長手方向軸32Aを中心に回転されて、ねじ山18を通して歯44を摺動するまで、係合した係合特徴18、44によってガイド装置10に対して近位に移動することが防止される。
【0048】
第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合しているときに、かつガイド装置の近位対向面31及び挿入器ツールの遠位対向面42が互いに当接しているときに、ユーザ(又は外科用ロボット)は、挿入器ツール32、それ故に挿入器ツールに結合された縫合糸アンカが、移動するように意図的に操作されるまで、ガイド装置10に対して移動しないという確信を持って、ガイド装置10及び挿入器ツール32を保持することができる。第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合しているときに、かつガイド装置の近位対向面31及び挿入器ツールの遠位対向面42が互いに当接しているときに、挿入器ツール32がガイド装置10に対して近位又は遠位に移動することが防止されるので、ユーザは、挿入器ツール32、それ故に挿入器ツールに結合された縫合糸アンカが偶発的に移動する危険を伴うことなく、ガイド装置10及び挿入器ツール32を片手で保持することができる。したがって、ユーザの手は、他の外科的作業を自由に行うことができる。同様に、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合しているときに、かつガイド装置の近位対向面31及び挿入器ツールの遠位対向面42が互いに当接しているときに、挿入器ツール32がガイド装置10に対して近位又は遠位に移動することが防止されるので、単一の外科用ロボットアームを使用して、ガイド装置10及び挿入器ツール32をユニットとして保持することができる。
【0049】
例示的な実施形態において、表面31、42が互いに当接しているときに、第2の係合特徴44は、第1の係合特徴18の最遠位端部の近位に位置付けられる。換言すれば、第2の係合特徴44は、第2の係合特徴の長手方向長さ16Lに沿って、第1の係合特徴18の中間部分に位置付けられる。このようにして、挿入器ツール32を木槌又は他のツールで打って、挿入器ツール32の遠位端部32dにおいてアンカを骨の中へ付勢するときに、第2の係合特徴44は、挿入器ツール32を打って遠位に移動させるときに、第1の係合特徴18と係合したままにすることができる。したがって、第1の係合特徴18が沿って延在する長手方向長さ16Lは、アンカの長手方向長さよりも長くして、アンカが穴内に完全に配置され、挿入器ツール32をガイド装置10及び患者から除去する準備ができるまで、ガイド装置の細長いシャフト14の遠位端部14dが接触する骨内の穴にアンカが進入する直前から、第1の係合特徴18及び第2の係合特徴44が係合されることを確実にすることができる。したがって、アンカが骨穴にまさに進入しようとし、次いで骨穴の中を前進しているときに、可聴信号及び触覚信号を医療従事者に送ることができる。
【0050】
例示的な実施形態において、表面31、42が互いに当接したときに、挿入器ツール32の遠位端部32dに結合されたアンカは、ガイド装置の細長いシャフト14の遠位端部14dが接触する骨内の穴と共に配置される。したがって、互いに当接している表面31、42は、医療従事者が、挿入器ツール32に印加された力を介して、例えば、木槌又は他のツールで挿入器ツールの近対向面40を打つことを介して、アンカが、骨穴の中へ駆動されるべき適切な位置にあると知ることを可能にすることができる。換言すれば、挿入器ツール32がガイド装置10の中へ前進される距離は、骨におけるアンカの展開深さを画定することができる。したがって、ガイド装置10及び挿入器ツール32は、協働して、アンカが骨に対して所望の予測可能な位置にあることを医療従事者に示すように構成することができる。
【0051】
挿入器ツール32の遠位対向面42及びガイド装置10の近位対向面31は、対応する形状を有し、これは、挿入器ツール32及びガイド装置10の整列を容易にすることができる。挿入器ツール32及びガイド装置10が整列されることは、ガイド装置の内側ルーメン16を通って延在する縫合糸が、縫合糸がもつれること、及び挿入器ツール32の保持を妨げることを防止することを助ける好都合なアプローチ角度で、挿入器ツールの縫合糸係合特徴38に係合することを助けることができる。例示的な実施形態において、表面31、42の対応する形状は、これらの表面が整列される唯一の相対配向を有する形状であり、例えば、示される実施形態において、表面31、42は、涙滴形状を有し、この涙滴形状には、例えば整列された涙滴形状の尖った先端部と整列される、互いに対する単一の配向が存在する。
【0052】
図7は、挿入器ツール32の遠位対向面42及びガイド装置10の近位対向面31が当接する前に、ガイド装置10の中へ遠位に前進する挿入器ツール32を示す(図を明確にするため、細長いシャフト14、36及び第1の係合特徴18が省略されている)。
図8は、挿入器ツール32が
図7の挿入器ツールの位置から遠位に前進したことを示し、この時点で、表面31、42は、挿入器ツール32がガイド装置10に対する挿入器ツールの最遠位位置にあるように当接している。
図8に示されるように、表面31、42の断面形状が整列され、よって、ガイド装置のスロット24内に着座され、スロットから近位に延在する縫合糸は、スロット24から縫合糸係合特徴38まで挿入器ツールのハンドル34の外部に沿って実質的に直線で、挿入器ツールの縫合糸係合特徴38の近位に延在することができる。当業者は、縫合糸が、縫合糸の柔軟性及び測定装置の感度などの任意の数の要因のため、正確に直線に沿って延在していないことがあるが、それでもやはり、実質的に直線で延在すると見なされることを認識するであろう。
【0053】
他の実施形態において、挿入器ツール32の第2の係合特徴44は、ねじ山などの、ラチェット又は歯以外の構成を有することができる。例えば、ガイド装置の第1の係合特徴は、ガイド装置の内面から半径方向内方に、例えばガイド装置のハンドル内の内側ルーメンを画定する内壁から半径方向内方に延在するラチェット又は歯とすることができ、ガイド装置の第2の係合特徴は、ラチェット又は歯に係合するように構成されたねじ山とすることができる。この構成において、第1及び第2の係合特徴が係合したときに、挿入器ツールは、挿入器ツールの長手方向軸を中心に回転されることによって、ガイド装置の内側ルーメン内を遠位に移動するように構成され、また、近位方向において長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメン内を近位に移動するように構成される。歯は、この近位並進を可能にするために、
図4~
図6の歯44の示される実施形態における傾斜とは逆の傾斜、例えば遠位方向への傾斜を有する。そのような実施形態において、ガイド装置は、ねじ山に沿ってガイド装置をラチェット駆動することを容易にするために、ラチェット又は歯に取り付けられたばね部材を含むことができる。
【0054】
図9は、ねじ山の形態の第2の係合特徴62を有し、また、ガイド装置64の内側ルーメン74の中へ延在するラチェット又は歯の形態の第1係合特徴66を有するガイド装置64において受容されるように構成された、挿入器ツール60の一実施形態を示す。ガイド装置64は、このようにばね部材68を含む。ガイド装置64は、他の場合、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル70と、ハンドル70から遠位に延在する細長いシャフト72と、ガイド装置64を通って延在する内側ルーメン74と、縫合糸結合特徴76とを含む。挿入器ツール60は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル78と、ハンドル78から遠位に延在する細長いシャフト80とを含む。挿入器ツール60は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン74内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、第1の係合特徴66及び第2の係合特徴62は、互いに係合される。挿入器ツール60は、挿入器ツール60を回転させて、挿入器ツール60をガイド装置64から近位に前進させることによって、ガイド装置64から除去されるように構成される。
【0055】
図10は、ねじ山の形態の第2の係合特徴84を有することを除き、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用される、挿入器ツール82の一実施形態を示す。挿入器ツール82は、ラチェット又は歯の形態の第1の係合特徴88を有するガイド装置86において受容されるように構成される。ガイド装置86は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用される。挿入器ツール82は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン90内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、第1の係合特徴88及び第2の係合特徴84は、互いに係合される。挿入器ツール82は、第2の係合特徴84が上に形成されているばね部材92を含み、ばね部材は、第2の係合特徴84が第1の係合特徴84を下にラチェット駆動するにつれて跳ね上がる。挿入器ツール82は、挿入器ツール82を回転させて、挿入器ツール82をガイド装置86から近位に前進させることによって、ガイド装置86から除去されるように構成される。
【0056】
図11は、挿入器ツール94の第2の係合特徴96が、挿入器ツールの周囲全体ではなく部分的にのみ延在するねじ山の形態であることを除き、概して、
図10の挿入器ツール82に類似して構成及び使用される、挿入器ツール94の別の実施形態を示す。この示される実施形態において、ねじ山は、挿入器ツールの周囲の約30%にわたって延在する。当業者は、値が、製造許容誤差及び測定装置の感度などの任意の数の要因のため、正確にその値でないことがあるが、それでもやはり、およそその値であると見なされることを認識するであろう。挿入器ツール94は、ガイド装置96において受容されるように構成される。ガイド装置96は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用される。ガイド装置96は、ガイド装置の側壁から半径方向内方に延在するラチェット又は歯の形態の第1の係合特徴98を有する。
図11Aにも示されるように、ガイド装置96はまた、第1の係合特徴98と軸方向に整列される場所の側壁に形成された開口部99も有する。挿入器ツール94は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン97内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、挿入器ツールのばね部材95が跳ね上がる間、第1の係合特徴98及び第2の係合特徴96が互いに係合され、第1の係合特徴98が第2の係合特徴96に沿ってラチェット駆動する。挿入器ツール94は、第2の係合特徴96が開口部99の中へ完全に前進されることにより第1の係合特徴98及び第2の係合特徴96が係合解除するまで挿入器ツール94を回転させることによって、ガイド装置96から除去されるように構成される。したがって、開口部99は、ガイド装置の周囲の約30%にわたって延在して、挿入器ツールの周囲にわたって第2の係合特徴の延在部を一致させることができる。第2の係合特徴98が開口部99内に配置されることで、ガイド装置96からの長手方向の動きによって挿入器ツール82を近位に牽引することができる。
【0057】
図12は、ねじ山の形態の第2の係合特徴91を有し、また、
図9のガイド装置64などのガイド装置において受容するように構成された、挿入器ツール93の別の実施形態を示す。挿入器ツール93は、第2の係合特徴91が挿入器ツールの周囲の約70%にわてって延在し、かつ挿入器ツールがばね部材を含まないことを除き、概して、
図11の挿入器ツール94に類似して構成及び使用される。挿入器ツール93は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン74内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、ガイド装置のばね部材68が跳ね上がる間、第1の係合特徴91及び第2の係合特徴66は、互いに係合され、第1の係合特徴91は、第2の係合特徴91に沿ってラチェット駆動する。挿入器ツール93は、ねじ山91が形成されていない挿入器ツール94の周囲の一部分に第1の係合特徴66が遭遇することにより、第1の係合特徴91及び第2の係合特徴66が係合解除するまで挿入器ツールを回転させることによって、ガイド装置64から除去されるように構成される。次いで、挿入器ツール93は、ガイド装置64からの長手方向の動きによって近位に牽引することができる。
【0058】
他の実施形態において、第2の係合特徴及び挿入器ツールは、ラチェット又は歯以外の、及びねじ山以外の構成を有することができる。
図13~
図16は、突出部又はバンプの形態の第2の係合特徴1702を有し、また、テーパ状の溝又はチャネルが側壁に形成された第1の係合特徴1706、1706aを有するガイド装置1704において受容されるように構成された、挿入器ツール1700の一実施形態を示す。図を明確にするため、
図14及び
図16は、挿入器ツール1700の第2の係合特徴1702のみを示す。挿入器ツール1700は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル1710と、ハンドル1708から遠位に延在する細長いシャフト1712とを含む。ガイド装置1704は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル1708と、ハンドル1708から遠位に延在する細長いシャフト1714と、ガイド装置1704を通って延在する内側ルーメン1716と、縫合糸係合特徴1718とを含む。挿入器ツール1700は、第2の係合特徴1702が第1の係合特徴1706を遠位に超えるまで、第2の係合特徴1702を第1の係合特徴1706のより広く開いた近位口部と整列させ、遠位方向において第1の係合特徴1706を通して第2の係合特徴1702を長手方向に並進させることによって、長手方向の並進を介して、ガイド装置の内側ルーメン1716の中へ前進されるように構成される。次いで、挿入器ツール1700を回転させて、第1の係合特徴1706及び第2の係合特徴1702の整列をずらす。挿入器ツール1700は、挿入器ツール1700を回転させることによってガイド装置1704から除去されるように構成され、よって、第1の係合特徴1706及び第2の係合特徴1702が再度整列し、次いで、挿入器ツール1700を、長手方向の並進を介して、ガイド装置1704から近位に前進させることができる。
【0059】
ガイド装置1704は、ガイド装置内に形成された2つのテーパ状の溝又はチャネル1706、1706aを含み、一方の1706は、
図13及び16に示されるようにテーパ状になり、他方の1706aは、
図14に示されるようにテーパ状になる。挿入器ツール1700は、ガイド装置1704の中へ前進されるように構成することができ、第2の係合特徴1702は、
図13及び
図14に示されるように、より幅広く開いた近位口部を有するテーパ状の溝又はチャネル1706の中へ遠位に前進し、次いでその後に、
図16に示されるように、より幅広く開いた遠位口部を有する他方のテーパ状の溝又はチャネル1706aの中へ近位に前進する。
【0060】
図16Aは、挿入器ツール及びガイド装置のそれぞれの係合特徴800、802の別の実施形態を示す。挿入器ツールの第2の係合特徴は、突出部又はバンプの形態であり、この示される実施形態では、
図13の挿入器ツール1700の細長いリッジの代わりに、丸みのあるバンプである。ガイド装置は、ガイド装置を通って延在するガイド装置の内側ルーメン804の一部分を画定する、ガイド装置のハンドルの内壁上の位置合わせ特徴802を有する。ガイド装置の係合特徴802は、内壁に形成される溝又はチャネルの形態である。溝又はチャネルは、ガイド装置の長手方向軸806に対してある角度をなす。挿入器ツールの係合特徴800は、溝又はチャネルに摺動可能に係合するように構成される。挿入器ツールは、回転運動を介してガイド装置の中へ前進されるように構成され、挿入器ツールの係合特徴800は、ガイド装置の係合特徴802の開口端部802eを通して前進される。次いで、挿入器ツールが長手方向軸806を中心に回転するにつれて、挿入器ツールの整列特徴800が、溝又はチャネル802を遠位に下へ摺動する。このようにして、挿入器ツールは、ガイド装置に対して所定の位置に整列され、これは、ガイド装置及び挿入器ツールの縫合糸係合特徴が整列されること、並びに/又はガイド装置及び挿入器ツールの第1及び第2の係合特徴が互いに係合することを確実にすることを助けることができる。
【0061】
ガイド装置から挿入器ツールを除去するために、挿入器ツールを回転させて挿入器ツールの係合特徴800を溝又はチャネル802の遠位に下へ摺動させた方向と同じ方向に、長手方向軸806を中心に挿入器ツールを回転させることができる。したがって、挿入器ツールの係合特徴800を溝又はチャネル802から係合解除し、挿入器ツールを近位方向に牽引し、かつガイド装置から長手方向に並進させることを可能にする。代替的に、挿入器ツールの係合特徴800が、内壁に形成された第2の溝又はチャネル808と係合するまで、長手方向軸806を中心に挿入器ツールを回転させることができる。同じ方向における挿入器ツールの連続した回転は、挿入器ツールの係合特徴800を第2の溝又はチャネル808に沿って上方又は近位に摺動させ、第2の溝又はチャネルの開口端部808eを通して係合特徴から出させ、それによって、ガイド装置からの挿入器ツールの解放を可能にする。この示される実施形態において、溝又はチャネル802、808は、互換性があり、例えば、挿入器ツールの係合特徴800は、代わりに、第2の溝又はチャネル808を遠位に下へ摺動し、他方の溝又はチャネル802を近位に上へ摺動することができる。
【0062】
図17~
図18及び
図20~
図21は、
図19~
図21に示されるガイド装置102などのガイド装置の中へ挿入されるように構成された挿入器ツール100の別の実施形態を示す。挿入器ツール100は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル104と、ハンドル104から遠位に延在する細長いシャフト106と、第2の係合特徴108とを含む。ガイド装置102は、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル110と、ハンドル110から遠位に延在する細長いシャフト112と、ガイド装置102を通って延在する内側ルーメン122と、ガイド装置の内側ルーメン122を画定する内壁から半径方向内方に延在する第1の係合特徴(
図19~
図21では隠れている)とを含む。第2の係合特徴108は、ねじ山であり、第1の係合特徴は、ラチェット又は歯である。第2の係合特徴108は、ばね部材114上に形成され、ばね部材は、上で述べられるばね部材46に類似して、挿入器ツール100が遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン122を通して長手方向に並進されるときに、半径方向内方に屈曲し、又は跳ね上がり、第2の併合特徴108に沿った第1の係合特徴のラチェット駆動を容易にするように構成される。第1の係合特徴は、ばね部材114の片側上の長手方向に延在する空間の幅よりも広い幅を有し、よって、挿入器ツール100が挿入器ツールの長手方向軸を中心に回転されて、内側ルーメン122の内部でガイド装置102から挿入器ツール100を除去するときに、第1の係合特徴は、ねじ山108と係合したままにすることができる。挿入器ツール100及びガイド装置102はまた、それぞれ、上で述べられる縫合糸係合特徴22、38に類似する、縫合糸結合特徴116、118も含む。示される実施形態において、挿入器ツールの縫合糸結合特徴116は、縫合糸結合特徴の周りに巻き付けられた縫合糸を有するように構成された楔又は突出部であり、ガイド装置の縫合糸係合特徴118は、スリット又はクリートである。ガイド装置102はまた、上で述べられる1つ又は2つ以上の灌注穴20に類似する、1つ又は2つ以上の灌注穴120も含む。
【0063】
図22~
図25は、
図22~
図23に示されるガイド装置202などのガイド装置の中へ挿入されるように構成された挿入器ツール200の別の実施形態を示す。挿入器ツール200は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル204と、ハンドル204から遠位に延在する細長いシャフト206と、一対のスリット又はクリートの形態の縫合糸結合特徴216と、上で述べられる第2の係合特徴108に類似するねじ山である第2の係合特徴208とを含む。ガイド装置202は、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル210と、ハンドル210から遠位に延在する細長いシャフト212と、ガイド装置202を通って延在する内側ルーメンと、一対のスリット又はクリートの形態の縫合糸結合特徴218と、1つ又は2つ以上の灌注穴220と、上で述べられるガイド装置102の内側ルーメンに類似するガイド装置の内側ルーメンを画定する内壁から半径方向内方に延在する歯又はラチェットの形態の第1の係合特徴(
図22~
図23では隠れている)とを含む。
【0064】
この示される実施形態において、第1の係合特徴は、一対の歯又はラチェットを含み、第2の係合特徴208は、2つのねじ山付き部分を含み、各ねじ山付き部分は、挿入器ツール200が、上で述べられるばね部材46に類似して、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメンを通して長手方向に並進されるときに、半径方向内方に屈曲し、又は跳ね上がり、第2の係合特徴208に沿った第1の係合特徴のラチェット駆動を容易にするように構成されたばね部材214上に形成される。挿入器ツール200は、上で述べられることに類似して、挿入器ツールの長手方向軸を中心に回転させることによって、ガイド装置202から近位に除去することができる。
【0065】
挿入器ツール200はまた、第1及び第2の係合特徴が互いに係合したときに、挿入器ツール200を、ガイド装置202の回転を伴うことなく、ガイド装置から近位に除去することを可能にする、急速解放特徴も含む。急速解放特徴は、一対のタブ222の形態であり、各タブは、ばね部材214の一方と、それ故にねじ山付き部分の一方と関連付けられる。タブ222は、半径方向内方に押圧され、それによって、ばね部材214及びばね部材上のねじ山付き部分を半径方向に内方に移動させるように構成される。したがって、第2の係合特徴208は、内方に移動し、第1の係合特徴が、第2の係合特徴から係合解除されることを可能にして、挿入器ツール200が近位に牽引され、ガイド装置202を通して、かつガイド装置から長手方向に並進させることを可能にする。急速解放特徴は、外科処置中の時間を節約することができ、及び/又は安全を容易にすることができる。
【0066】
この示される実施形態において、ねじ山208は、例えば挿入器ツールのハンドル104の全周にわたって延在する
図8の挿入器ツール100のねじ山108とは対照的に、挿入器ツールのハンドルの周囲に部分的にのみ延在する。したがって、ガイド装置202内で挿入器ツール200を回転させることで、ガイド装置の第1の係合特徴が挿入器ツールの周囲にわたるねじ山なし部分に到達したときに、ガイド装置の第2の係合特徴をねじ山208に沿って摺動させ、次いで、ねじ山208及びガイド装置の第1の係合特徴の係合を解放することができる。この時点で、第1及び第2の係合特徴の係合解除によって、挿入器ツール200は、長手方向の並進を介して、例えば挿入器ツール200を近位方向に牽引することを介して、ガイド装置202から除去することができる。
【0067】
図26は、
図22のガイド装置202又は本明細書で説明される他のガイド装置などのガイド装置において受容され、患者の身体の中へ前進されるように構成された栓子202’の一実施形態を示す。栓子202’は、ハンドル210’と、ハンドル210から延在する細長いシャフト212’と含む。細長いシャフト212’の遠位端部は、栓子202’が挿入されるガイド装置の遠位端部を超えて遠位に延在するように構成されて、ガイド装置の患者の身体の中への導入中に、ガイド装置の遠位端部上の歯又は他の特徴が、組織及び/又は他の物体に突き刺さること、若しくは損傷を与えることを防止する。ガイド装置及び栓子202’が患者の身体内に導入された後に、栓子202’は、ガイド装置から除去され、ガイド装置は、患者の身体内に配置されたままであり、ガイド装置と共に使用される、挿入器ツール200又は本明細書で説明される他の挿入器ツールなどの挿入器ツールの挿入を可能にする。
【0068】
図27~
図28は、
図28に示されるガイド装置302などのガイド装置に挿入されるように構成された挿入器ツール300の別の実施形態を示す。挿入器ツール300は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル304と、ハンドル304から遠位に延在する細長いシャフト306と、ハンドルの近位対向面に沿って延在するスリット又はクリートの形態の縫合糸結合特徴316と、上で述べられる第2の係合特徴108に類似するねじ山である第2の係合特徴308とを含む。挿入器ツール300はまた、挿入器ツール300を、挿入器ツールの回転を伴うことなく、ガイド装置302から近位に除去することを可能にする、上で述べられるタブ222に類似する一対のタブ322の形態の急速解放特徴も含む。ガイド装置302は、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル310と、ハンドル310から遠位に延在する細長いシャフト312と、ガイド装置302を通って延在する内側ルーメンと、一対のスリット又はクリートの形態の縫合糸結合特徴318と、1つ又は2つ以上の灌注穴320と、上で述べられるガイド装置102の内側ルーメンに類似するガイド装置の内側ルーメンを画定する内壁から半径方向内方に延在する歯又はラチェットの形態の第1の係合特徴(
図28では隠れている)とを含む。
【0069】
図29~
図30は、
図30~
図31に示されるガイド装置512などのガイド装置に挿入されるように構成された挿入器ツール500の別の実施形態を示す。挿入器ツール500は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル502と、ハンドル502から遠位に延在する細長いシャフト504と、スリット又はクリートの形態の縫合糸係合特徴506と、上で述べられる第2の係合特徴108に類似するばね部材514上のねじ山である第2の係合特徴508とを含む。ねじ山508は、挿入器ツール500の片側にしかないが、他の場合、2つのねじ山付き部分と、2つのばね部材とを各々有する、
図22の挿入器ツール200、及び
図27の挿入器ツール300に類似する。挿入器ツール500はまた、挿入器ツール500を、挿入器ツールの回転を伴うことなく、ガイド装置512から近位に除去することを可能にする、上で述べられるタブ222に類似するボタン又はタブ510の形態の急速解放特徴も含む。ガイド装置512は、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル516と、ハンドル516から遠位に延在する細長いシャフト518と、ガイド装置512を通って延在する内側ルーメン524と、スリット又はクリートの形態の縫合糸結合特徴520と、1つ又は2つ以上の灌注穴522と、上で述べられるガイド装置102の内側ルーメンに類似するガイド装置の内側ルーメン524を画定する内壁から半径方向内方に延在する歯又はラチェットの形態の第1の係合特徴(
図30~
図31では隠れている)とを含む。
【0070】
図32は、ガイド装置に挿入されるように構成された挿入器ツール600の別の実施形態を示す。挿入器ツール600は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル602と、ハンドル602から遠位に延在する細長いシャフト604と、楔又は突出部の形態の縫合糸結合特徴606と、上で述べられる第2の係合特徴108に類似するばね部材610上のねじ山である第2の係合特徴608とを含む。ばね部材610は、挿入器ツール600の遠位端部にあり、それ故に、第2の係合特徴608は、挿入器ツール600の遠位部分にある。したがって、挿入器ツール600が挿入されるガイド装置の対応する第1の係合特徴は、挿入器ツールの第2の係合特徴が挿入器ツールの近位部分内にあるときよりも、ガイド装置のハンドル内のより遠位に位置付けられる。ねじ山608は、挿入器ツール600の片側にしかないが、他の場合、それぞれ2つのねじ山付き部分及び2つのばね部材を有する
図22の挿入器ツール200及び
図27の挿入器ツール300に類似する。
【0071】
図33及び
図34は、挿入器ツール600’の別の実施形態を示し、挿入器ツールは、第2のラチェット又は歯の形態の第2の係合特徴608’を挿入器ツールの遠位端部に有し、ガイド装置601の中へ挿入されるように構成され、挿入器ツールは、ねじ山の形態の第1の係合特徴603を挿入器ツールの遠位部分に有する。挿入器ツール600’は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル602’と、ハンドル602’から遠位に延在する細長いシャフト604’と、スリット又はクリートの形状の縫合糸係合特徴606’と、第2の係合特徴608’とを含む。ガイド装置601は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル605と、ハンドル605から遠位に延在する細長いシャフト607と、ガイド装置601を通って延在する内側ルーメン609と、スリット又はクリートの形態の縫合糸係合特徴611、第1の係合特徴603とを含む。挿入器ツール600’は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン609内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、第1の係合特徴603及び第2の係合特徴608’は、互いに係合され、第2の係合特徴608’は、第1の係合特徴603を下へラチェット駆動する。挿入器ツール600’は、挿入器ツール600’を回転させて、挿入器ツール600’をガイド装置603から近位に前進させることによって、ガイド装置601から除去されるように構成される。
【0072】
図35は、ガイド装置の中へ挿入されるように構成された挿入器ツール700の別の実施形態を示す。挿入器ツール700は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル702と、ハンドル702から遠位に延在する細長いシャフト704と、ねじ山である第2の係合特徴706とを含む。この示される実施形態において、ハンドル702は、静止近位部分702pと、静止近位部分702pに対して移動するように構成された可動遠位部分702dとを含む。可動遠位部分702dは、挿入器ツール700が移動しているガイド装置の内側ルーメンにおける第2の係合特徴706と第1の係合特徴との係合に応答して、静止近位部分702pに対して、挿入器ツール700の長手方向軸700Aを中心に回転するように構成される。第2の係合特徴706が、ガイド装置の第1の係合特徴、例えば歯又はラチェットに遭遇したときに、第1の係合特徴の第2の係合特徴との係合は、第1の係合特徴がねじ山706にねじ込み可能に係合するので、ハンドルの遠位部分702dを回転させることができる。したがって、挿入器ツール700を、長手方向運動又は並進運動によって、例えば挿入器ツール700をガイド装置の内側ルーメンの中へ下方又は遠位に押し込むことによって、ガイド装置の中へ前進させることができ、ハンドルの遠位部分702dは、第1の係合特徴に係合したときに、この前進に応答して自動的に回転する。したがって、少なくとも一部のユーザにとっては回転運動よりも並進運動を行わせることの方が容易及び/又は直感的であるので、挿入器ツール700を、ガイド装置内をより急速に遠位に前進させることができる、及び/又はより容易に操作することができる。
【0073】
図36は、ガイド装置701の中へ挿入されるように構成され、静止近位部分702p’と、静止近位部分702p’に対して移動するように構成された可動遠位部分702d’とを含む、挿入器ツール700’の別の実施形態を示す。挿入器ツール700’は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル702’と、ハンドル702’から遠位に延在する細長いシャフト704’と、突出部又はバンプである第2の係合特徴706’とを含む。
図37にも示されるガイド装置701は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル703と、ハンドル703から遠位に延在する細長いシャフト705と、ガイド装置701を通って延在する内側ルーメン705と、縫合糸結合特徴707と、逆方向にテーパ状の一対のテーパ状の溝又はチャネルの形態の第1の係合特徴709a、709bとを含む。
【0074】
図4~
図6を再度参照すると、ガイド装置32の細長いシャフト36は、様々なサイズ、形状、及び構成を有することができる。細長いシャフト36は、ハンドル34の遠位端部34dに嵌合される近位端部36pを有し、また、アンカ、例えば結び目のない縫合糸アンカに解放可能に結合されるように構成された遠位端部36d(
図6を参照されたい)を有する。シャフト36は、シャフト36とアンカとの係合を容易にするように構成されたアンカ係合特徴52を、シャフトの遠位端部36dに有する。この示される実施形態におけるアンカ結合特徴52は、アンカの六角形状の近位開口部の中へ挿入するための六角形の断面形状を有する。アンカ係合特徴52は、他の実施形態において、円筒形状又はフォーク形状(例えば、一対の遠位に延在するピンなど)などの異なる形状を有することができる。
【0075】
例示的な実施形態において、シャフト36の断面形状は、シャフト36が挿入される内側ルーメン16の断面形状に対応する。シャフト36は、示される実施形態において、ガイド装置の内側ルーメン16の円形の断面形状に対応する円形の断面形状を有する。他の実施形態において、ルーメン16及び挿入器ツールの細長いシャフト36は、別の対応する断面形状、例えば、矩形、正方形、楕円形、三角形などを有することができる。少なくともいくつかの実施形態において、ルーメン16及び挿入器ツールの細長いシャフト36は、ルーメン16が三角形の断面形状を有し、シャフト36が円形の断面形状を有するなどの、異なる断面形状を有することができる。
【0076】
挿入器ツール32は、様々な材料のうちのいずれかから作製することができる。例示的な実施形態において、挿入器ツール32は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどのプラスチック又はポリマーから作製される。加えて、例示的な実施形態において、挿入器ツール32は、使い捨てであるように、例えば、単一の患者で使用し、次いで、適切な医療用ツールの廃棄処置ごとに廃棄されるように構成される。
【0077】
図38は、挿入器ツール1610をガイド装置の中で受容するように構成されたガイド装置1600の別の実施形態を示す。ガイド装置1600は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル1602と、ハンドル1602から遠位に延在する細長いシャフト1604と、ガイド装置1600を通って延在する内側ルーメン1606と、縫合糸係合特徴(隠されている)と、ガイド装置の内側ルーメン1606を画定する内壁上のラチェット又は歯の形態の第1の係合特徴1608とを含む。挿入器ツール1610は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル1612と、ハンドル1612から遠位に延在する細長いシャフト1614と、ラチェット又は歯の形態の第2の係合特徴1616と、単一のタブの形態の急速解放特徴1618とを含む。挿入器ツール1610は、遠位方向においてガイド装置の内側ルーメン1606内を長手方向に並進されることによって、ガイド装置の内側ルーメンの中へ前進されるように構成され、第1の係合特徴1608及び第2の係合特徴1616は、互いに係合される。挿入器ツール1610は、急速解放特徴1618の作動によって、例えばタブを半径方向内方に押し込むことによって、ガイド装置1600から除去されるように構成され、次いで、挿入器ツール1610をガイド装置1600から近位に牽引することを可能にする。
図39は、
図38のガイド装置1600によって受容されるように構成された挿入器ツール1630の別の実施形態を示す。挿入器ツール1630は、挿入器ツールの急速解放特徴1632が単一のタブの代わりに一対のタブを含むことを除き、
図38の挿入器ツール1610に類似する。
【0078】
図40は、
図38の挿入器ツール1610をガイド装置の中で受容するように構成されたガイド装置1620の別の実施形態を示す。ガイド装置1620は、ガイド装置の第1の係合特徴1624が、挿入器ツールの第2の係合特徴1616に係合するように構成されたねじ山であることを除き、
図38のガイド装置1600に類似する。
図41は、
図40のガイド装置1620によって受容されるように構成された挿入器ツール1634の別の実施形態を示す。挿入器ツール1634は、挿入器ツールの急速解放特徴1636が単一のタブの代わりに一対のタブを含むことを除き、
図38の挿入器ツール1610に類似する。
【0079】
図42は、
図38のガイド装置1600によって受容されるように構成された挿入器ツール1626の別の実施形態を示す。挿入器ツール1626は、挿入器ツールの第2の係合特徴1628が、ガイド装置の第1の係合特徴1608に係合するように構成されたねじ山であることを除き、
図26の挿入器ツール1610に類似する。
図42Aは、
図38のガイド装置1600によって受容されるように構成された挿入器ツール1638の別の実施形態を示す。挿入器ツール1638は、挿入器ツールの急速解放特徴1640が単一のタブの代わりに一対のタブを含むことを除き、
図42の挿入器ツール1626に類似する。
【0080】
図43~
図44は、ガイド装置において受容されるように構成された栓子400の別の実施形態を示す。栓子400は、
図26の栓子202’に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル402と、ハンドル402から遠位に延在する細長いシャフト404とを含む。栓子400はまた、縫合糸係合特徴406も含み、縫合糸係合特徴は、この示される実施形態において、栓子400の外面上の突出部であり、突出部には、栓子の内側ルーメンを通って延在する縫合糸を巻き付けて、又は結び付けて、縫合糸を栓子400に解放可能に係合することができる。しかしながら、縫合糸係合特徴406は、部分的なねじ山などの他の構成を有することができる。
【0081】
栓子400は、栓子の近位端部400pに近位カバー408を有する。カバー408は、カバーを木槌で打つことを防ぐために、凸形状を有するが、凸形状は、典型的には、木槌で効果的に打たれる可能性が低い。カバー408は、縫合糸がカバーを通ることを可能にするように構成されたノッチ又は切り欠き410をカバー内に有する。このようにして、栓子が配置されるガイド装置の内側ルーメンを通って延在する縫合糸は、所望に応じて栓子400の縫合糸係合特徴406に選択的に固定されるように十分な空間を有することができる。
図43に示されるように、切り欠き410は、縫合糸係合特徴406と半径方向に整列され、これは、縫合糸がもつれること、並びに栓子400及び/又は栓子400が挿入されるガイド装置の保持を妨げることを防止することを助ける好都合なアプローチ角度で、縫合糸が縫合糸係合特徴406に係合することを助けることができる。
【0082】
少なくともいくつかの実施形態において、挿入器ツールは、挿入器ツールの外面に形成された1つ又は2つ以上の縫合糸着座溝を含むことができる。1つ又は2つ以上の縫合糸着座溝は、挿入器ツールが前進されるガイド装置の内側ルーメンを通って延在する縫合糸が縫合糸着座溝内に着座することを可能にし、これは、縫合糸が挿入器ツールから、例えば挿入器ツールの第2の係合特徴から損傷を受けることから保護することを助けることができる。
【0083】
図45は、挿入器ツールの外面に形成され、挿入器ツールに沿って長手方向に延在する1つ又は2つ以上の縫合糸着座溝902を含む挿入器ツール900の一実施形態を示す。挿入器ツール900は、示される実施形態において3つの縫合糸着座溝902を有するが、別の数の縫合糸着座溝を有することができる。挿入器ツール900は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル910と、ハンドル902から遠位に延在する細長いシャフト904と、スロット又は切り欠きの形態の縫合糸係合特徴906と、ねじ山である第2の係合特徴908とを含む。
図46に示されるように、縫合糸着座溝902は、同じ深さ902dを有し、この深さは、概して、縫合糸の全直径が縫合糸着座溝902内に着座することを可能にするのに十分な深さである。例えば、深さ902dは、約5mmとすることができる。当業者は、深さが、製造許容誤差及び測定機器の感度などの任意の数の要因のため、正確な値(例えば、5mm)でないことがあるが、それでもやはり、およそその値であると見なされることを認識するであろう。
図47に示されるように、挿入器ツール900は、ハンドル910の対向側部に2つの縫合糸係合特徴906を有する。2つ以上の縫合糸係合特徴906を有することで、縫合糸を一時的に固定するためのより多くの選択肢を医療従事者に提供することができる。
【0084】
上で言及されるように、縫合糸係合特徴は、様々な構成を有することができる。
図48は、挿入器ツールの近位端部の周りに半径方向に配設されたノッチの形態の複数の縫合糸係合特徴1000を有する、挿入器ツールの実施形態を示す。ノッチ1000の1つは、縫合糸1002がノッチ内に着座されて示される。挿入器ツールは、この示される実施形態において、5つの縫合糸係合特徴1000を有するが、別の数を有することができる。
【0085】
図49は、挿入器ツールの近位端部内に形成されたスリット又はクリートの形態の複数の縫合糸係合特徴1100を有する、挿入器ツールの別の実施形態を示す。縫合糸係合特徴1100は、
図49の挿入器ツールが、互いにオフセットされて挿入器ツールの近位面上に「X」形状を形成する2つのスリット又はクリートを有することを除き、
図4~
図6の挿入器ツールの縫合糸係合特徴38に類似する。
【0086】
図50は、挿入器ツールの周りに巻き付けられた、又は結び付けられた縫合糸を受容するように構成されたTバーの形態の縫合糸係合特徴1200を有する、挿入器ツールの別の実施形態を示す。Tバーは、挿入器ツールの近位面から近位に延在する。
【0087】
図51は、挿入器ツールの近位端部から半径方向外方に延在するペグの形態の複数の縫合糸係合特徴1300を有する、挿入器ツールの別の実施形態を示す。挿入器ツールは、この示される実施形態において、2つのペグ1300を有するが、別の数、例えば1つ又は2つ以上を有することができる。
【0088】
様々な異なる構成体を有する縫合糸アンカを、本明細書で開示される挿入器ツール及びガイド装置と共に使用することができる。当業者は、当技術分野において既知の様々な縫合糸アンカを、本明細書で開示されるシステム、装置、及び方法と共に使用することができることを認識するであろう。一例として、
図52は、縫合糸アンカ1400の一実施形態を示す。示されるように、縫合糸アンカ1400は、略細長く、アンカ1400の近位端部1402pと遠位端部1402dとの間に延在する長手方向軸Aを有する。縫合糸アンカ1400は、アンカ1400に沿って軸方向に配設された複数のリブ1404などの、骨に係合するように構成された少なくとも1つの骨係合表面特徴を有することができる。
【0089】
縫合糸アンカ1400は、縫合糸アンカの中で縫合糸を受容するための特徴を有することができる。この例示される実施形態の縫合糸アンカ1400は、縫合糸を受容するために、縫合糸アンカ1400の長手方向軸Aに沿って近位端部1402p及び遠位端部1402dとの間に延在する、内側ルーメン1406を有する。別の実施形態では、孔(図示せず)が、長手方向軸線Aを横断する軸に沿って、縫合糸アンカ1400を通って少なくとも部分的に延在し得る。同じく当業者によって認識されるように、縫合糸アンカ1400は、代替的に、アンカ1400の側壁上などの、アンカ1400上の任意の場所に配置された1つ又は2つ以上の孔又は開口部を有することができる。そのような孔は、曲線状にされ得るか、あるいは任意の他の形状をなし得る縫合糸を受容するための経路を形成し得る。
【0090】
縫合糸アンカ1400は、アンカ1400の近位端部1402p上に配置され、かつ、例えばその遠位先端部を嵌合特徴1408の中へ挿入させることによって、挿入器ツールの遠位端部と嵌合するように構成された嵌合特徴1408を有することができる。
【0091】
縫合糸アンカ1400は、ユーザがアンカ1400に縫合糸を通し、結び目を作ることなくループを形成することを可能にする、結び目のない縫合糸アンカとして構成される。非限定的な例として、縫合糸(図示せず)は、縫合糸の一方の末端部をアンカの近位端部1402pを通して挿入し、それを遠位方向に通し、アンカ1400の遠位端部1402dの周りを移動させ、アンカ1400の側壁を通って外に出すことによって、アンカ1400に通すことができる。縫合糸を縫合糸アンカ1400に通すために、縫合糸通し器(図示せず)も使用することができる。
【0092】
少なくとも1つのガイド装置と、各々がガイド装置を通して前進して縫合糸アンカを外科部位に送達するように構成された複数の挿入器ツールとを含む、キットを提供することができる。挿入器ツールの各々は、異なってサイズ決定されたアンカと共に使用されるように構成することができ、例えば、各々が特定のサイズのアンカに解放可能に結合された遠位端部を有する。したがって、外科医(又は他の医療従事者)は、特定の患者に送達されるべきアンカに基づいて、どの挿入器ツールをガイド装置と共に使用するのか、キットから選択することができる。例示的な実施形態において、キットは、単一のガイド装置を含み、外科医(又は他の医療従事者)は、単に、1つのガイド装置と使用するための挿入器ツールのうちの好ましい1つを選択するだけである。少なくともいくつかの実施形態において、キットは、複数のツール挿入器ツールのうちの1つ又は2つ以上を使用して送達されるように構成された少なくとも1つのアンカを含むことができ、並びに/又はキットは、ガイド装置及び複数の挿入器ツールのうちの選択された1つを使用して送達されたアンカに結合されるように構成された少なくとも1つの縫合糸を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、キットはまた、少なくとも1つの栓子も含むことができる。
【0093】
軟組織を骨に再付着させるための様々な方法も本明細書に提供する。概して、外科処置では、縫合糸が、再付着されるべき組織に結合され、組織に結合された縫合糸を有するアンカが、付着場所において骨穴内に埋め込まれる。縫合糸に張力をかけて、組織を骨に向かって牽引する。アンカは、縫合糸の摺動をロックしかつ防止するように構成され、それにより組織を骨に再付着させ得る。
【0094】
使用に際して、処置は、通常、患者が手術を受けられるように準備し、適切にサイズ決定された1つ又は2つ以上の切開部を所望の位置に作ることによって開始する。最小侵襲処置では、1つ又は2つ以上の栓子又はカニューレ(図示せず)を切開部に配置して、外科部位へのアクセスを提供することができる。当業者はまた、医療従事者が患者の身体の外側から外科部位を視認することを可能にするために、1つ又は2つ以上の視認装置、例えばスコープを切開部の1つ又は2つ以上に配置することができることも認識するであろう。
【0095】
患者が手術を受けられるように準備されると、
図53を参照して、ある長さの縫合糸Sが患者の身体の中へ通され、骨Bに外科的に再付着されるべき軟組織Tに通される。
図53に示されるように、縫合糸Sは、肢部又は縫合糸Sの自由端部S1、S2が患者の身体の外側に配置されるように、組織Tに通すことができる。当業者は、マットレス及びシンチループ法によるものなどの、任意の既知の外科技術を使用して、縫合糸Sを組織Tに通すことができることを認識するであろう。縫合糸Sがそのように配置されると、縫合糸Sがガイド装置1500内を延在する内側ルーメン内に配置された状態で、ガイド装置(例えば、ガイド装置1500が例として示される)が、外科部位内に配置される。これは、糸Sの2つの肢部S1、S2がハンドル1504の外側に延在するように、縫合糸通し器(図示せず)をガイド装置の細長いシャフト1502の遠位端部においてルーメンの中へ通し、ガイド装置のハンドル1504の近位端部において内側ルーメンの外へ通すことを含む、様々な既知の技術によって達成することができる。ガイド装置1500は、概して、
図1~
図3のガイド装置10に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル1504と、ハンドル1504から遠位に延在する細長いシャフト1502と、ガイド装置1500と通って延在する内側ルーメンと、1つ又は2つ以上の灌注穴1506と、ガイド装置の内側ルーメンを画定する内壁から半径方向内方に延在する第1の係合特徴(
図53では隠れている)とを含む。
【0096】
縫合糸Sがガイド装置1500を通して配置されると、ハンドル1504から延在する縫合糸肢部S1、S2を引っ張ることができる。ガイド装置1500は、この示される実施形態において、シャフト1502の遠位端部内にレリーフ切り欠き1508を含み、縫合糸Sは、引っ張って、縫合糸Sをレリーフ切り欠き1508内に着座させることができる。レリーフ切り欠きの例示的な実施形態は、上で言及される、「Knotless Suture Anchor Guide」という名称で2015年4月23日に出願された米国特許出願公開第2016/0310125号において更に説明されている。ガイド装置1500は、この示される実施形態において、2次オフセット領域を含み、縫合糸Sは、シャフト1502の長さ全体に沿って2次オフセット領域内に着座させるように引っ張ることができる。ハンドル1504から延在する肢部S1、S2は、ガイド装置1500の縫合糸係合特徴(図示せず)に係合して、縫合糸Sの摺動を維持及び防止することができる。例示的な実施形態において、レリーフ切り欠き1508、2次領域、及び縫合糸係合特徴は、すべてが長手方向に整列され、また、すべてがシャフト1502の外周にわたって同じ半径方向の場所に配置されて、縫合糸Sをシャフト1502の片側に寄せて維持する。
【0097】
図54に示されるように、縫合糸Sが、引っ張られ、かつガイド装置1500の2次オフセット領域(存在する場合)及び縫合糸係合特徴(存在する場合)に対して所望に応じて配置されることで、ガイド装置のシャフト1502の遠位端部上の、この示される実施形態では骨係合歯である骨係合表面特徴1510を、骨Bに当接するように配置することができる。
図54に示されるように、シャフト1502は、レリーフ切り欠き1508(存在する場合)が、再付着される組織Tに面するように配向されなければならない。そのように配置されたときに、シャフト1502の遠位端部に隣接する縫合糸Sは、組織Tに向かってレリーフ切り欠き1508を横断して延在する。したがって、縫合糸Sは、牽引され、骨表面から離れる。レリーフ切り欠き1508が、レリーフ切り欠き内に形成された2つのノッチを含む場合、縫合糸Sの各肢部がノッチ内に着座されて、縫合糸Sがガイド装置1500の内側ルーメンを通って延在するときに、縫合糸の積み重なりのねじれを防止することができる。次いで、ドリル1512をシャフト1502に通して、骨Bに穴Hを形成することができる。ドリル上の切削チップは、手動で、又はモータによって回転させ、骨Bを通して切削チップを前進させて穴Hを形成することができる。穿孔中に、ユーザ(又は外科用ロボット)は、ガイド装置1500のハンドル1504を把持して、骨Bに対するガイド装置1500の位置を維持することができる。縫合糸Sは、縫合糸係合特徴によって保持されるので、縫合糸を把持することは不要である。
図54に示されるように、ドリルビットのみがシャフト1502の1次領域を占有し、縫合糸Sが、この示される実施形態では1次シャフト領域及び2次シャフト領域を有する2次オフセット領域内で維持されるので、ドリルビットの溝は、縫合糸Sに接触しないか、又は縫合糸に損傷を与えない。
【0098】
骨穴Hが形成されると、ドリル1512を除去することができ、ガイド装置1500は、骨表面と接触したままである。ドリル1512が除去される間、ガイド装置1500に下向きの力を印加して、骨係合歯1508を骨表面の中へ掘り進めさせて、ガイド装置1500を骨Bに対する適切な位置に保持することができる。縫合糸Sをガイド装置1500に通した後に、及び骨穴Hが形成される前又は形成した後のいずれかにおいて、アンカ、例えば示されるアンカ1514は、縫合糸Sの後端肢部S1、S2に嵌合させることができる。これは、アンカ1514の構成に基づいて既知であるように、縫合糸Sをアンカ1514に通すことによって達成することができる。
図55に示されるように、アンカ1514が縫合糸Sに嵌合することで、挿入器ツール1516の遠位先端部をアンカ1514の嵌合特徴の中へ挿入することなどによって、アンカ1514を挿入器ツール、例えば挿入器ツール1516(図を明確にするため、遠位端部のみが示される)の上へ装着することができる。挿入器ツール1516は、概して、
図4~
図6の挿入器ツール32に類似して構成及び使用されるが、例えば、ハンドル(図示せず)と、ハンドルから遠位に延在する細長いシャフト1518と、ガイド装置の第1の係合特徴に係合するように構成された第2の係合特徴(図示せず)とを含む。
【0099】
アンカ1514を埋め込むために、縫合糸Sを引っ張って、組織Tを骨Bに対して所望の場所に配置し、
図56に示されるように、縫合糸Sの引っ張りを維持しながら、挿入器ツール1516を操作して、アンカ1514を、縫合糸Sに沿って、ガイド装置1500を通して、骨穴Hの中へ摺動させることができる。挿入器ツール1516をガイド装置1500に通すときに、アンカ1514は、末端部S1、S2が患者の身体の外側に残るように、縫合糸Sに沿って摺動させることができる。アンカ1514が骨穴H内に挿入されたときに、ガイド装置1500のシャフト1502と骨穴との継続的な整列は、アンカ1514の長手方向軸が骨穴Hの長手方向軸と整列することを確実にする。かかる整列は、アンカ1514を不適当な角度で挿入し、骨B及び/若しくはアンカ1514に損傷を与え得る、並びに/又はアンカ1514を破壊させ得るといったリスクを最小にする。上で述べられるように、ガイド装置1500を通した挿入器ツール1516の遠位前進は、ガイド装置1500及び挿入器ツール1516のそれぞれの係合特徴の係合を自動的に生じさせる。
【0100】
ユーザは、シャフト1502内の1つ又は2つ以上の視認窓に焦点を合わせるスコーピング装置又は他の視覚化器具を使用して、ガイド装置1500内のアンカ1514の位置を監視することができる。アンカ1514が穴H内に部分的に着座されると、縫合糸Sの末端肢部S1、S2が更に引っ張られて、縫合糸Sを牽引することができ、それによって、付着された組織Tをアンカ1514のより近くに、したがって、組織が固定される骨Bの位置まで牽引することができる。アンカ1514は、木槌又は他のツールによって挿入器ツール1516の近位端部を軽くたたくことなどによって、穴Hの中へ駆動することができる。この行為は、アンカ1514の外面と穴Hの内面との間で縫合糸Sをロックする役割を果たす。当業者によって認識されるように、アンカ1514は、止めねじ又は内部干渉特徴などを使用して、縫合糸Sを他の方式でロックすることができる。
【0101】
図56に示されるように、アンカ1514が穴H内に完全に着座された後に、挿入器ツール1516は、ガイド装置1500に対して回転させることなどによって、上で述べられるように、ガイド装置から除去することができる。ガイド装置1500からの挿入器ツール1516の除去は、上で述べられるように、アンカ1514が骨B内のままで、アンカ1514を挿入器ツール1516から自動的に解放する。ガイド装置1500及び挿入器ツール1516は、外科部位から除去することができ、縫合糸Sの端部は、所望される場合に、整えることができる。挿入器ツール1516は、ガイド装置1500が外科部位から除去される前に、ガイド装置1500から完全に除去することができる。代替的に、挿入器ツール1516をガイド装置1500内で十分近位に移動させて、ガイド装置1500の第1及び第2の係合特徴並びに挿入器ツール1516を係合解除することなどによって、ガイド装置1500が外科部位から除去される前に、挿入器ツール1516をガイド装置1500から部分的に除去し、それによって、アンカ1514が挿入器ツール1516から解放されたことを示すことができる。第1及び第2の係合特徴の係合解除は、上で述べられるように、ユーザによって、触覚的及び/又は可聴的に検出することができる。
【0102】
上で説明した装置、システム、及び方法は、非限定的な例として関節鏡下の肩の手術を含む、様々な組織付着処置に使用することができる。例えば、縫合糸は関節唇に通されることができ、ドリルガイドはまた、骨に穿孔するのに先立って、上腕頭を関節窩から梃子で離して関節窩の周縁へのアクセスを得るためにも使用され得る。当業者は、ガイド装置を、縫合糸の代わりに、又は縫合糸に加えて、ガイドワイヤと関連して使用できることを認識するであろう。穿孔中に、ガイドワイヤをガイド装置のシャフトの中に延在させることができ、その後に、ガイドワイヤのガイド装置への挿入中に、縫合糸アンカを、ガイドワイヤに沿って前進させることができる。
【0103】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内にある。
【0104】
本明細書に記載の装置は、手術前に処理され得る。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に置く。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。次いで、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0105】
本明細書で開示される装置は、滅菌されることが好ましい。これは、β線又はγ線放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には周知の様々な方法によって行うことができる。
【0106】
当業者であれば、本開示の実行には、従来の低侵襲性手術器具、及び切開手術器具、並びにロボット支援手術における用途があることを認識するであろう。
【0107】
当業者には、上述の実施形態に基づいた本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明される内容により限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参照文献はそれらの全容を参照によって本明細書に明示的に援用するものである。
【0108】
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
ハンドル、及び前記ハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置であって、前記ガイド装置が、該ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、前記ガイド装置が、前記内側ルーメンを画定する前記ガイド装置の内壁上に第1の係合特徴を有し、前記ガイド装置が、該ガイド装置の前記内側ルーメンを通してドリルを外科部位にガイドするように構成されている、ガイド装置と、
前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成された第2の細長いシャフトを有し、アンカが前記第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されている、挿入器ツールであって、前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの前記遠位前進中に前記第1の係合特徴に係合するように構成されている、該第2の細長いシャフトの外面上の第2の係合特徴を有し、前記第1及び第2の係合特徴の係合解除が、前記アンカを前記第2の細長いシャフトの前記遠位端部から自動的に解放させるように構成されている、挿入器ツールと、を備える、外科用システム。
(2) 前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置に対する第1の種類の動きで、前記ガイド装置の前記内側ルーメンの中へ遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置に対する第2の異なる種類の動きで、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、前記第1の種類の動きを使用して、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されることを防止するように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記第1の種類の動きが、前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの長手方向の並進であり、前記第2の種類の動きが、前記第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心にした前記第2の細長いシャフトの回転である、実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記第1及び第2の係合特徴は、互いに係合したときに協働して、近位方向において前記内側ルーメンを通して長手方向に並進させることによって、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されることを防止するように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
【0109】
(6) 前記第1及び第2の係合特徴のうちの一方が、ねじ山であり、前記第1及び第2の係合特徴のうちの他方が、前記ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯である、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記挿入器ツールが、ハンドルを有し、前記第2の細長いシャフトが該ハンドルから遠位に延在し、前記挿入器ツールの前記ハンドルは、前記ガイド装置の中に挿入されたときに、前記ガイド装置の前記ハンドルに当接し、それによって、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して更に遠位に前進することを防止するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記第1及び第2の係合特徴は、前記挿入器ツールの前記ハンドルが前記ガイド装置の前記ハンドルに当接しているときに係合されるように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通って延在するように構成された縫合糸を更に備え、前記挿入器ツールが、前記縫合糸の上を前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記縫合糸が、前記アンカに結合されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 細長いシャフトを有し、かつ前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、アンカが前記細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されている、少なくとも1つの追加的な挿入器ツールを更に備え、前記挿入器ツールの各々が、異なってサイズ決定されたアンカに解放可能に結合するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0110】
(11) 外科用システムであって、
第1のハンドル、及び前記第1のハンドルから遠位に延在する第1の細長いシャフトを有するガイド装置であって、前記ガイド装置が、該ガイド装置を通って延在する内側ルーメンを有し、前記ガイド装置が、前記内側ルーメンを通してドリルをガイドして、前記ドリルが骨に穴を穿孔することを可能にするように構成されている、ガイド装置と、
第2のハンドル、及び前記第2のハンドルから遠位に延在する第2の細長いシャフトを有する挿入器ツールであって、前記第2の細長いシャフトは、アンカが前記第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合された状態で、前記内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及び前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転されることのうちの一方によって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトは、該内側ルーメンを通して長手方向に並進されること、及び前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの前記長手方向軸を中心に回転されることのうちの他方によってのみ、前記第1及び第2のハンドルが互いに当接しているときに、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、挿入器ツールと、を備える、外科用システム。
(12) 前記ガイド装置は、前記ガイド装置の前記内側ルーメンからの前記挿入器ツールの前記第2の細長いシャフトの除去が、前記第2の細長いシャフトの前記遠位端部から前記アンカを自動的に解放するように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記第1の細長いシャフトが、該第1の細長いシャフトの内面上に第1の係合特徴を有し、前記挿入器ツールが、該挿入器ツールの外面上に第2の係合特徴を有し、該第2の係合特徴が、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの前記遠位前進中に、前記第1の係合特徴に自動的に係合するように構成されており、また、前記ガイド装置の前記内側ルーメンからの前記第2の細長いシャフトの前記除去に応答して、前記第2の係合特徴から自動的に係合解除されるように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(14) 前記第1及び第2の係合特徴のうちの一方が、ねじ山であり、前記第1及び第2の係合特徴のうちの他方が、前記ねじ山にねじ込み可能に係合するように構成された歯である、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記第1の係合特徴が、ねじ山であり、前記第2の係合特徴が、歯であり、そのため、前記第2の細長いシャフトは、該内側ルーメンを通って長手方向に並進されることによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して遠位に前進されるように構成されており、前記第2の細長いシャフトは、前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの前記長手方向軸を中心に回転されることによってのみ、前記第1及び第2のハンドルが互いに当接しているときに、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されるように構成されている、実施態様14に記載のシステム。
【0111】
(16) 前記第1及び第2のハンドルが、互いに当接するように構成されており、それによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの更なる遠位前進を防止し、前記アンカを前記ガイド装置に対して所定の位置に配置する、実施態様11に記載のシステム。
(17) 外科的方法であって、
骨に固定されるべき組織に縫合糸を通すことと、
前記組織から延在する前記縫合糸の終端を、ガイド装置の第1の細長いシャフト内の内側ルーメンに通すことと、
前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通してドリルを前進させて、前記骨に穴を形成することと、
挿入器ツールの第2の細長いシャフトを、前記内側ルーメン内の前記縫合糸の上を、かつ前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して前進させて、前記縫合糸に結合され、また、前記第2の細長いシャフトの遠位端部に解放可能に結合されるアンカを前記穴内に配置することと、
前記ガイド装置の前記内側ルーメンから前記第2の細長いシャフトを除去し、それによって、前記アンカが前記穴の中に残り、前記縫合糸が前記アンカに結合され、該アンカから延在するように、前記第2の細長いシャフトの前記遠位端部から前記アンカを自動的に解放することと、を含む、方法。
(18) 前記第1の細長いシャフトが、該第1の細長いシャフトの内面上に第1の係合特徴を有し、前記第2の細長いシャフトが、該第2の細長いシャフトの外面上に第2の係合特徴を有し、該第2の係合特徴が、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通した前記第2の細長いシャフトの前記前進中に、前記第1の係合特徴に自動的に係合し、また、前記ガイド装置の前記内側ルーメンからの前記第2の細長いシャフトの前記除去に応答して、前記第2の係合特徴から自動的に係合解除する、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第2の細長いシャフトが、遠位方向に該内側ルーメンを通して長手方向に並進されることによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通して前進され、前記第2の細長いシャフトが、前記ガイド装置に対して前記第2の細長いシャフトの長手方向軸を中心に回転させることによって、前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去され、前記第1及び第2の係合特徴の前記係合が、近位方向において該内側ルーメンを通して長手方向に並進されることによって、前記第2の細長いシャフトが前記ガイド装置の前記内側ルーメンから除去されることを防止する、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第2の細長いシャフトは、前記ガイド装置のハンドルが前記挿入器ツールのハンドルに当接するまで、前記ガイド装置の前記内側ルーメンを通って前進され、前記ハンドルの前記当接は、前記アンカが前記穴内に配置されたことを示し、前記第1及び第2の係合特徴は、前記ガイド装置の前記ハンドルが前記挿入器ツールの前記ハンドルに当接したときに係合される、実施態様18に記載の方法。