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特許7086643建築構造物形状算出システムおよび建築構造物撮影装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】建築構造物形状算出システムおよび建築構造物撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20220613BHJP
   G01C 11/06 20060101ALI20220613BHJP
   G01C 11/36 20060101ALI20220613BHJP
   E02D 27/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G01B11/24 K
G01C11/06
G01C11/36
E02D27/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018037769
(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公開番号】P2019152533
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000135771
【氏名又は名称】株式会社パスコ
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堺 浩一
(72)【発明者】
【氏名】石塚 淑大
(72)【発明者】
【氏名】西村 修
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 善一
(72)【発明者】
【氏名】宮田 岩往
(72)【発明者】
【氏名】田邉 裕之
(72)【発明者】
【氏名】郭 勝華
(72)【発明者】
【氏名】田中 英一
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121450(JP,A)
【文献】特開2015-010911(JP,A)
【文献】特開平10-082295(JP,A)
【文献】特開2009-216634(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103492(WO,A1)
【文献】特開2016-194515(JP,A)
【文献】特開2017-150184(JP,A)
【文献】特開2017-005353(JP,A)
【文献】特開2009-111517(JP,A)
【文献】特開2017-037026(JP,A)
【文献】特開平09-326950(JP,A)
【文献】特開平06-183658(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0044009(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/24
G01C 11/06
G01C 11/36
E02D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影範囲がオーバーラップするように移動するカメラにより、表面に凹凸を有する建築構造物が繰り返し撮影された複数の画像を取得する建築構造物画像取得部と、
前記取得された複数の画像に基づいて多視点画像計測手法による点群計測を行うことにより、前記建築構造物の表面にある前記凹凸の3次元形状および3次元位置を算出する建築構造物形状算出部と、
前記算出された前記凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報を出力する、建築構造物形状出力部と、
を含み、
前記建築構造物画像取得部は、前記移動するカメラにより前記建築構造物が繰り返し撮影された複数の第1画像と、前記撮影の後に、レンズの中心軸にそって180度回転した状態で移動する前記カメラにより繰り返し撮影された複数の第2画像とを含む複数の画像を取得する、
建築構造物形状算出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の建築構造物形状算出システムにおいて、
前記建築構造物に設定され外観上識別できる複数の基準点の測定された位置を取得する手段をさらに含み、
前記建築構造物画像取得部は、少なくとも一部が前記基準点の画像を含む複数の画像を取得する、
建築構造物形状算出システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建築構造物形状算出システムにおいて、
前記凹凸は前記建築構造物の表面から突き出る棒状突起物であり、
前記凹凸の前記3次元位置に基づいて、前記建築構造物の表面における前記棒状突起物の根本の位置を特定する突起位置特定部をさらに含む、
建築構造物形状算出システム。
【請求項4】
撮影範囲がオーバーラップするように移動するカメラにより、表面に凹凸を有する建築構造物が繰り返し撮影された複数の画像を取得する建築構造物画像取得部と、
前記取得された複数の画像に基づいて多視点画像計測手法による点群計測を行うことにより、前記建築構造物の表面にある前記凹凸の3次元形状および3次元位置を算出する建築構造物形状算出部と、
前記算出された前記凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報を出力する、建築構造物形状出力部と、
を含み、
前記凹凸は前記建築構造物の表面から突き出る棒状突起物であり、
前記凹凸の前記3次元位置に基づいて、前記建築構造物の表面における前記棒状突起物の根本の位置を特定する突起位置特定部と、
前記棒状突起物の先端の位置を前記建築構造物の表面に投影した位置を特定し、前記特定された前記棒状突起物の根本の位置と前記棒状突起物の前記投影された先端の位置との距離が所定の値を超える場合に警告を出力する警告部をさらに含む、
建築構造物形状算出システム。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の建築構造物形状算出システムにおいて、
前記凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報に基づいて、前記凹凸の前記建築構造物の表面上の位置を示す平面図を出力する、平面図出力部をさらに含む、
建築構造物形状算出システム。
【請求項6】
建築構造物を撮影するカメラと、
前記カメラが固定され、測定対象の建築構造物に沿って移動するカメラ台と、
前記建築構造物に沿って一定方向に延びるように配置され、前記カメラ台が前記一定方向に沿って移動するようガイドするガイド部材と、
一端が前記カメラ台に取り付けられ、他端が引っ張られる移動用ロープと、
前記カメラ台の上方に固定され、前記移動用ロープがかけられる滑車と、を含み、
前記移動用ロープおよび前記ガイド部材の少なくとも一方には、撮影ごとの移動間隔に応じた間隔でマークが設けられる、
建築構造物撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置測定方法および構造物撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物の表面に存在する凹凸(構造)の位置を精密に計測することが行われている。例えば、耐震補強のためにコンクリート柱にアンカーボルトを打ち込み、アンカーボルトが通過する孔を有する鋼板をナットで締め付ける工法(一面耐震補強工法)では、柱に打ち込まれたアンカーボルトの位置を精密に計測し、計測結果を鋼板の穴あけに用いている。コンクリート内の鉄骨や鉄筋を避けるためにアンカーボルトが打ち込まれる位置を事前に決定できないため、打ち込まれた後の状態を現地にて精密に計測することが必須となっている。
【0003】
特許文献1には、一面耐震補強工法において、トータルステーションと呼ばれる測量機器を用いてアンカーボルトの位置を計測することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-82295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建築構造物の表面に存在する凹凸等のレイアウトを精密に計測することは容易でない。そのため、計測対象となる建築構造物のある場所において、その計測手法に熟練した技術者が計測を実施する必要がある。例えば、メジャーなどを用いて計測する場合には、メジャーにより高精度に計測する手法を知る熟練技術者が必要であり、特許文献1に示されるようなトータルステーションを用いて計測する場合には、その機器の操作に熟練した技術者が必要である。
【0006】
また、トータルステーションを用いて計測する場合には、機器の設置と測定用のスペースを要するが、一面耐震補強工法は、その工法の特徴より狭隘な箇所の構造物補強に採用される場合が多く、計測用のスペースを十分に確保できない場合が多い。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、建築構造物のある現場に測定手法に熟練した作業者がいなくても、また十分な計測スペースを確保できないような場所であっても建築構造物の表面に存在する凹凸等のレイアウトを精密に測定することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)撮影範囲がオーバーラップするように移動するカメラにより、表面に凹凸を有する建築構造物が繰り返し撮影された複数の画像を取得する建築構造物画像取得部と、前記取得された複数の画像に基づいて多視点画像計測手法による点群計測を行うことにより、前記建築構造物の表面にある前記凹凸の3次元形状および3次元位置を算出する建築構造物形状算出部と、前記算出された前記凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報を出力する、建築構造物形状出力部と、を含む建築構造物形状算出システム。
【0009】
(2)(1)において、前記建築構造物画像取得部は、前記移動するカメラにより前記建築構造物が繰り返し撮影された複数の第1画像と、前記撮影の後に、レンズの中心軸にそって180度回転した状態で移動する前記カメラにより繰り返し撮影された複数の第2画像および前記撮影と異なる撮影方向が設定され移動するカメラにより繰り返し撮影された複数の第3画像のうち少なくとも一方とを含む複数の画像を取得する、建築構造物形状算出システム。
【0010】
(3)(1)または(2)において、前記建築構造物に設定され外観上識別できる複数の基準点の測定された位置を取得する手段をさらに含み、前記建築構造物画像取得部は、少なくとも一部が前記基準点の画像を含む複数の画像を取得する、建築構造物形状算出システム。
【0011】
(4)(1)から(3)のいずれかにおいて、前記凹凸は前記建築構造物の表面から突き出る棒状突起物であり、前記凹凸の前記3次元位置に基づいて、前記建築構造物の表面における前記棒状突起物の根本の位置を特定する突起位置特定部をさらに含む、建築構造物形状算出システム
【0012】
(5)(4)において、前記棒状突起物の先端の位置を前記建築構造物の表面に投影した位置を特定し、前記特定された前記棒状突起物の根本の位置と前記棒状突起物の先端の位置との距離が所定の値を超える場合に警告を出力する警告部をさらに含む、
建築構造物形状算出システム。
【0013】
(6)(1)から(5)のいずれかにおいて、前記凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報に基づいて、前記凹凸の前記建築構造物の表面上の位置を示す平面図を出力する、平面図出力部をさらに含む、建築構造物形状算出システム。
【0014】
(7)建築構造物を撮影するカメラと、前記カメラが固定され、測定対象の建築構造物に沿って移動するカメラ台と、前記建築構造物に沿って一定方向に延びるように配置され、前記カメラ台が前記一定方向に沿って移動するようガイドするガイド部材と、一端が前記カメラ台に取り付けられ、他端が引っ張られる移動用ロープと、前記架台の上方に固定され、前記ロープがかけられる滑車と、をさらに含み、前記移動用ロープおよび前記ガイド部材の少なくとも一方には、撮影ごとの移動間隔に応じた間隔でマークが設けられる、建築構造物撮影装置。
【0015】
(8)(7)において、前記ガイド部材はロープまたはレールである、建築構造物撮影装置。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかる建築構造物および構造物撮影装置の一例を示す図である。
図2】カメラ台の一例を示す正面図である。
図3】カメラ台の一例を示す背面図である。
図4】本発明の実施形態にかかるアンカーボルトの位置測定等の手順を概略的に示すフロー図である。
図5】建築構造物を撮影する手順の一例を示すフロー図である。
図6】オーバーラップを説明する図である。
図7】斜めからの撮影を説明する図である。
図8】画像からアンカーボルトの位置を特定し設計図を作成する処理の詳細を示すフロー図である。
図9】アンカーボルトにより特定される位置を説明する図である。
図10】構造物撮影装置の他の一例を示す図である。
図11】画像処理サービスに関連する機器等を示す図である。
図12】構造物形状算出サーバにより実現される機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。出現する構成要素のうち同一機能を有するものには同じ符号を付し、その説明を省略する。以下では、一面耐震補強工法の対象となるコンクリート柱に打ち込まれたアンカーボルトの位置を計測する方法について説明する。コンクリート柱は建築構造物の一例であり、アンカーボルトは建築構造物の面に配置される凹凸(構造)の一例である。アンカーボルトは、建築構造物30の表面から突き出る棒状突起物である。他の種類の建築構造物や構造に対しても以下の計測手法を用いることができる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態にかかる建築構造物30および構造物撮影装置10の一例を示す図である。建築構造物30は、ここでは高架などに用いられるコンクリートの柱であり、その4つの側面のうち1つにアンカーボルト31が打ち込まれている。アンカーボルト31は図示しないナットで図示しない鋼板に締め付けられることにより、鋼板とともに建築構造物30の耐震性を強化する。鋼板へのアンカーボルト31の打ち込み方法については、一面耐震補強工法として公知であるので説明を省略する。
【0019】
また、建築構造物30のアンカーボルト31が打設された側面には、現場の作業者により墨出し線33が引かれている。墨出し線33は、左右端のアンカーボルト31より外側に上下方向に引かれており、また上下端のアンカーボルト31より外側に左右方向にも引かれている。墨出し線33は、他には、上端および下端の墨出し線33の間にも左右方向に延びる墨出し線33が引かれており、左右方向に引かれた墨出し線33の間隔が2m以下となることが望ましい。上下方向に引かれた墨出し線33と、左右方向に引かれた墨出し線33との交点が基準点35として後述の処理に用いられる。なお、墨出し線33の代わりに、柱の側面に目盛やマークが付されたスケールシールが張られていてもよい。この場合、スケールシールに付されたマークが基準点35として用いられる。基準点35は、建築構造物30そのものの一部の箇所であって位置が計測された箇所でもよい。例えば、位置が計測されたアンカーボルト31や、柱の左右端や上端などの建築構造物35の端部であってもよい。
【0020】
構造物撮影装置10は、カメラ11、カメラ台12、2本のガイドロープ14、ガイドロープ14を固定するためのクランプ16、移動用ロープ18を含む。カメラ11はいわゆるデジタルカメラでよく、非圧縮の画像データ形式で撮影画像の画像データを生成するものが望ましい。ガイドロープ14は建築構造物30に沿って上下方向に延びるように配置される。ガイドロープ14の上端は、カメラ台12の上側のクランプ16にしばりつけられ、その上側のクランプ16は建築構造物30のそばに設置された単管パイプ21に固定されている。ガイドロープ14の下端は、カメラ台12の下側のクランプ16にしばりつけられ、その下側のクランプ16は建築構造物30のそばに設置された単管パイプ22に固定されている。また、滑車17は、カメラ台12の上方に位置する単管パイプ21に取り付けられている。
【0021】
図2はカメラ台12の一例を示す正面図であり、図3はそのカメラ台12の背面図である。カメラ台12は円環状のフレーム121と、移動用ロープ18が取り付けられるロープ固定具122と、フレーム121に固定されるリング部材123と、平面視で内側に切欠きを有する回転板126と、回転板126の位置を固定する回転ストッパー127と、カメラ11をカメラ台12に固定するためのカメラ固定具128とを含む。リング部材123はリング状の領域を有し、そのリングの中にはガイドロープ14が通される。カメラ固定部128は回転板126に取り付けられている。回転板126の切欠きをカメラ11のレンズ111が通っている。回転板126の外形は円であり、フレーム121に挟まれている。回転ストッパー127は一種のねじであり、これを緩めることで回転板126が回転し、その回転によりカメラ11の向きを自在に変更することができる。回転の中心軸は、カメラ11のレンズ111の中心軸に沿うよう調整されているが、軸が多少ずれていてもよい。
【0022】
ガイドロープ14は、上下のクランプ16により所定の移動方向(上下方向)に延びるように配置される。ガイドロープ14はその移動方向に沿って移動するようカメラ台12をガイドする。
【0023】
移動用ロープ18は、カメラ台12に取り付けられており、カメラ台12の上方にある滑車17を通って下方に垂れ下がっている。移動用ロープ18の両端のうちカメラ台12に取り付けられていない端は、作業者やウインチにより引っ張られる。カメラ台12は、移動用ロープ18が引っ張られることにより移動方向へ移動する。
【0024】
移動用ロープ18によりカメラ台12を移動させ、ガイドロープ14でそのカメラ台12の移動方向をガイドすることで、人の手の届かない高さでも写真を確実に撮影することが可能になる。また、ガイドとしてガイドロープ14を用いると、レール等をガイドとして用いる場合より現場への輸送が容易になる。またガイドロープ14は、張力をかけることで上下端を固定するだけで現場に容易に設置することができる。なお、単管パイプ21,22は、建築現場で足場などに用いられるものであるため、容易に設置できる。
【0025】
次に、構造物撮影装置10を用いるアンカーボルト31の位置測定手法についてその手順を説明する。図4は、本発明の実施形態にかかるアンカーボルト31の位置測定等の手順を概略的に示すフロー図である。この手順を実行する前に、現場作業員が建築構造物30に墨出し線33等を設け、基準点35が外観上で識別できる状態にあるものとする。
【0026】
はじめに、作業員は、建築構造物30の側面における基準点35の位置を計測する(ステップS101)。次に、作業員は、構造物撮影装置10により、アンカーボルト31が打ち込まれた建築構造物30を撮影する(ステップS102)。この撮影では、すべてのアンカーボルト31がそれぞれいずれかの複数の画像に含まれ、かつすべての基準点35がそれぞれいずれかの複数の画像に含まれるように撮影する。
【0027】
図5は、建築構造物30を撮影する手順の一例を示すフロー図である。本図は、ステップS102をさらに詳細に説明する図である。
【0028】
撮影の際には、まず、構造物撮影装置10を設置する(ステップS201)。特に、ガイドロープ14を設置する。ガイドロープ14は、建築構造物30の計測対象となる側面からの距離が一定になるように設置される。またその距離は、設置場所に応じて決定するが概ね1m程度とし、設置場所を確保出来ない場合は、多少短縮しても構わない。さらに、その距離に合わせてカメラ11で使用するレンズの焦点距離を調整するが、1つのピクセルが建築構造物30の表面で0.2mm角に相当するようにしており、必要とする位置精度の概ね1/10程度の距離を1ピクセル当たりの距離に相当させている。またガイドロープ14を設置する際に、カメラ台12のリング部材123にガイドロープ14を通すようにする。
【0029】
次に、作業員は、カメラ11の撮影に関するパラメータを設定する(ステップS202)。パラメータは、例えば解像度や露出(シャッター速度、絞り)、フォーカスなどである。
【0030】
そして、作業員は、カメラ11の撮影モードを、撮影間隔2~3秒程度のタイムラプスモードに設定する(ステップS203)。タイムラプスモードは、一度シャッターが押されると、カメラ11が指定された撮影間隔で写真を撮り続けるモードである。
【0031】
撮影モードが設定されると、作業員は、カメラ11をカメラ台12に固定する(ステップS204)。より具体的には、カメラ11を、カメラ固定具128のネジにより固定する。なお、この際に、カメラ11の上に水準器を設置し、カメラ11の横方向が水平方向になるようにカメラ台12の回転板126を調整する。
【0032】
そして、撮影を開始する。より具体的には、まずカメラ台12をガイドロープ14の上端または下端付近に移動させ、カメラ11のシャッターボタンを押して、例えば撮影間隔2秒でのタイムラプス撮影を開始させる。そして、撮影間隔に同期させて、移動用ロープ18を引っ張る状態を調整することでカメラ台12を反対側に所定の間隔動かしては止めることを繰り返す(ステップS205)。またガイドロープ14の上端または下端付近から、その反対側付近の端まで繰り返し撮影がされると、作業員はシャッターボタンをもう一度押し、撮影を中断する。
【0033】
繰り返しカメラ台12を動かす際には、カメラ台12を止めるタイミングで撮影がされるようにタイミングを調整している。移動用ロープ18には、所定の間隔でマークがついており、この間隔はカメラ台12を一度に移動させる距離と同じである。したがって、作業者は、あるマークの次のマークが同じ位置に来るように移動用ロープ18を動かしてカメラ台12の位置を調整する。なお、ガイドロープ14に所定の間隔でマークがついていてもよい。この場合は、カメラ台12のいずれかの位置が、ガイドロープ14の次のマークと並ぶようにカメラ台12を移動させる。
【0034】
移動用ロープ18またはガイドロープ14にマークが設けられる所定の間隔は、撮影される画像のオーバーラップ率が80~90%以上になるように設定されている。図6は、オーバーラップを説明する図である。カメラ位置C1にあるカメラ11が撮影する画像に含まれる領域が撮影領域R1であり、同様にカメラ位置C2~C4にあるカメラ11が撮影する画像に含まれる領域が撮影領域R2~R4である。オーバーラップ率は、ある撮影領域(たとえばR1)において、隣の撮影領域のいずれか(たとえばR2)と互いに共通する領域を有する割合である。オーバーラップ率は後続のSfM処理により算出される3次元位置が要求制度を満たすように決められており、カメラ台12を移動させる所定の間隔は、そのオーバーラップ率の条件を満たすように決められている。なお、横方向に並ぶ撮影領域R1と撮影領域R4との間のオーバーラップ率はより低くてもよい。
【0035】
ガイドロープ14の上端または下端付近から、その反対側付近の端まで繰り返し撮影がされ、上端および下端のアンカーボルト31や、その上下にある基準点35が撮影されると、作業員は、カメラ台12の回転板126を回転させ、カメラ11をレンズ111の中心軸に沿って180度回転させる(ステップS206)。そして、作業員はシャッターを押してタイムラプス撮影を開始し、カメラ台12を反対側の端に向けて移動させながら、ステップS205と同様にカメラ台12を所定の間隔動かしては止めることを繰り返す(ステップS207)。そして、シャッターを再び押してタイムラプス撮影を中断する。これにより、同じ水平位置で一往復の撮影が行われることになる。カメラ11を180度回転させて撮影することで、レンズ111の歪みおよび中心のずれに起因する精度低下を防ぐことができる。
【0036】
ステップS207の撮影がされると、作業員は、カメラ台12の横方向の位置をずらす、あるいはカメラ台12の撮影方向を変えるためにガイドロープ14が取り付けられる位置を変更する(ステップS208)。カメラ台12の横方向の位置をずらすのは、建築構造物30の側面の横方向すべてをカバーし、また、後述するアンカーボルト31の形状をより多くの方向から撮影するためである。
【0037】
撮影方向の変更は、例えば、建築構造物30の測定対象の面と正対する方向からの撮影のほかに、斜め方向からの撮影を行うためのものである。図7は、斜め方向からの撮影を説明する図である。図7は、建築構造物30を上から見た図である。カメラ位置C5は、建築構造物30の測定対象の面と正対する撮影方向の例を示し、カメラ位置C6は、建築構造物30の測定対象の面と正対する向きより右方向にずれた撮影方向の例である。それぞれの撮影領域の一部は、オーバーラップしている。斜め方向からの撮影により、オクルージョンの発生を軽減し、アンカーボルト31の位置をより確実に検出することが可能になる。さらに、斜め方向からの撮影だけでなく、カメラ11を上下方向に傾けての撮影を行ってもよい。
【0038】
なお、ステップS205からS207のカメラ台12の移動および撮影を何度か行い、横方向について必要な画像を取得できれば、この撮影を終了する。
【0039】
建築構造物30の撮影が終わると、作業者は、撮影された複数の画像と計測された基準点35の位置とを画像処理サービスへ送る(ステップS103)。より具体的には、インターネット経由で複数の画像や基準点35の位置のデータをアップロードする。なお、アップロードの代わりにファイル転送サービスや電子メールの添付ファイルとして、またはUSBメモリ等に記録し郵送にて画像処理サービスへデータを送ってもよい。
【0040】
図11は、画像処理サービスに関連する機器等を示す図である。画像処理サービスは、データ収集サーバ4と、構造物形状算出サーバ5とを含む。データ収集サーバ4は、インターネット上に配置されるサーバコンピュータであり、作業者が操作する送信端末3から複数の画像や基準点35の位置のデータを受信する。構造物形状算出サーバ5は、例えばサーバコンピュータであり、プロセッサ51、記憶部52、通信部53、入出力部54を含む。構造物形状算出サーバ5は、複数の画像や基準点35の位置のデータを取得し、後述のステップS104,S105の処理を実行し、その結果を出力する。
【0041】
プロセッサ51は、記憶部52に格納されているプログラムに従って動作する。またプロセッサ51は通信部53を制御し、入出力部54に接続されたデバイスを制御する。なお、上記プログラムは、フラッシュメモリやDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよいし、インターネット等を介して提供されるものであってもよい。
【0042】
記憶部52は、RAMやフラッシュメモリ等のメモリ素子やハードディスクドライブによって構成されている。記憶部52は、上記プログラムを格納する。また、記憶部52は、各部から入力される情報や演算結果を格納する。
【0043】
通信部53は、他の装置と通信する機能を実現するものであり、例えば有線LANの集積回路などにより構成されている。通信部53は、プロセッサ51の制御に基づいて、他の装置との間で情報を送受信する。また通信部53は、受信された情報をプロセッサ51や記憶部52に入力する。
【0044】
入出力部54は、表示出力デバイスをコントロールするビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、タッチパネルなどがある。入出力部54は、プロセッサ51の制御に基づいて、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得し、表示出力デバイスに表示データを出力する。表示出力デバイスは例えば外部に接続されるディスプレイ装置、プリンタである。
【0045】
データが画像処理サービスへアップロードされると、構造物形状算出サーバ5は、そのアップロードされた複数の画像のデータや基準点のデータを取得し、複数の画像と計測された基準点35の位置とに基づいて、建築構造物30の3次元点群データを作成することで、撮影された建築構造物30の表面にあるアンカーボルト31の位置を特定する(ステップS104)。また構造物形状算出サーバ5は、特定されたアンカーボルト31の位置に基づいて、一面耐震補強工法に用いる鋼板の穴あけ位置を示す設計図を作成する(ステップS105)。
【0046】
以下では構造物形状算出サーバ5が行う機能や処理についてさらに詳細に説明する。図12は、構造物形状算出サーバ5により実現される機能を示すブロック図である。構造物形状算出サーバ5は、機能的に、画像取得部61、形状算出部62、形状出力部63、位置特定部64、平面図出力部65、警告部66を含む。これらの機能は、プロセッサ51が記憶部52に格納されたプログラムを実行し、必要に応じて通信部23や入出力部24を制御することにより実現される。ここで、構造物形状算出サーバ5が実現する機能や処理は、複数のサーバコンピュータからなるシステムにより実現されてもよい。
【0047】
画像取得部61は、アップロードされた複数の画像のデータや基準点のデータを取得する。形状算出部62は、取得された複数の画像に基づいて多視点画像計測手法による点群計測を行うことにより、建築構造物30の表面にある凹凸の3次元形状および3次元位置を算出する。形状出力部63は、算出された凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報を出力する。
【0048】
位置特定部64は、凹凸の3次元形状や3次元位置に基づいて、建築構造物30の表面における、棒状突起物(たとえばアンカーボルト31)の根元の位置を特定する。棒状突起物は建築構造物30から突き出ており、凹凸の一種である。平面図出力部65は、凹凸の3次元形状および3次元位置を示す情報に基づいて、凹凸の建築構造物30の表面上の位置を示す平面図を出力する。警告部66は、棒状突起物の先端の位置を建築構造物30の表面に投影した位置を特定し、特定された棒状突起物の根本の位置と棒状突起物の先端の位置との距離が所定の値を超える場合に警告を出力する。
【0049】
図8は、複数の画像からアンカーボルト31の位置を特定し設計図を作成する処理の詳細を示すフロー図である。以下では各機能の処理の詳細について、処理フローとともに説明する。
【0050】
画像取得部61がアップロードされた複数の画像のデータを取得すると、形状算出部62は複数の画像から建築構造物30の形状を表現するために必要となる特徴点を複数箇所抽出する(ステップS301)。ここで、形状算出部62は複数の特徴点を抽出するだけでなく、取得した各画像内における各特徴点の位置も取得する。また、形状算出部62は、各画像内における基準点35の位置、および、ステップS101で計測された建築構造物30内における基準点35の位置を取得する。各画像内における基準点35の位置は、オペレータが各画像をみてそれぞれ指定するか、基準点35の位置を特徴的なマークとしておき、画像認識技術を使って自動的に認識してもよい。さらに、形状算出部62は、公知のパターンマッチング手法により複数の画像において同一の特徴点や基準点35のそれぞれの位置を対応付け(ステップS302)、各画像におけるカメラ11の位置および撮影方向を特定する(ステップS303)。
【0051】
形状算出部62は、特定されたカメラ11の位置及び撮影方向と、特徴点の各画像内の位置と基準点35の各画像内の位置とに基づいて、いわゆるステレオ写真測量の手法により、抽出された複数の特徴点の3次元座標を算出する(ステップS304)。これにより、3次元空間上にある複数の特徴点からなる点群データが取得され、建築構造物30の表面の3次元形状やそれぞれの点の3次元位置が取得される。
【0052】
形状出力部63は、取得された建築構造物30の表面の3次元形状(アンカーボルト31の3次元形状や3次元位置を含む)をメモリや外部記憶装置等の記憶部へ出力する(ステップS305)。形状出力部63は、建築構造物30の表面の3次元形状を画像として出力してもよい。
【0053】
建築構造物算出サーバ5は、ステップS301からS304における処理を、SfM(Structure from Motion)手法などの多次元画像計測の手法およびその手法が実装されたプログラムをコンピュータが実行することで実現する。その処理は公知であるので詳細の説明は省略する。
【0054】
ここで、ステップS301からS304の処理において、基準点35を建築構造物30に設けなくてもよく、基準点35が画像中に含まれなくてもよい。この場合、ステップS304で算出された3次元座標は建築構造物30内の相対座標となる。また、例えば建築構造物30の幅等を現場作業員が別途計測し、コンピュータが、その計測された幅を3次元点群データが示す建築構造物30の幅のサイズを対応させることで形状算出部62は建築構造物30のサイズを特定できる。これにより、形状算出部62は、建築構造物30に含まれるアンカーボルト31の位置も正確に特定できる。他には、形状算出部62は、基準点35の代わりに、撮影時のカメラの位置を示す情報を用いてもよい。例えば、撮影された画像毎に、建築構造物30とカメラ11との距離と、カメラ11の移動間隔に基づくカメラの高さの情報を入力することで、形状算出部62は、精度は低下するものの、アンカーボルト31の位置を特定できる。なお、基準点35を用いる場合でも、明示的に基準点35が示されていなくてもよい。形状算出部62は、建築構造物30(柱)の4隅などの特定の箇所を基準点35として扱ってもよい。
【0055】
建築構造物30の表面の3次元形状が算出されると、位置特定部64は、アンカーボルト31の形状からアンカーボルト31を代表する3次元位置を取得する(ステップS306)。アンカーボルト31を代表する3次元位置は、建築構造物30から露出するアンカーボルト31の根元にある外周円の中心Qであり、鋼板に穴をあける中心位置に対応する。
【0056】
ステップS306では、位置特定部64は三次元形状抽出手法を用いてアンカーボルト31の根本の外周点を抽出し、その選択された外周点からアンカーボルト31の根元の中心位置の3次元位置を算出する。なお、オペレータがアンカーボルト31のそれぞれについて、根本の外回りを構成する外周点を点群からいくつか選択し、位置特定部64がその設定された外周点を取得し、その外周点の3次元位置からアンカーボルト31の根本の中心位置を算出してもよい。
【0057】
図9は、アンカーボルト31により特定される位置を説明する図である。位置特定部64は、建築構造物30の表面と、アンカーボルト31との境界となる外周円の上にある外周点P1~P4を選択する。外周点P1~P4が選択されると、コンピュータは、その外周点P1~P4に可能な限り近い位置を通過する円を求め、その円の中心Qをアンカーボルト31の3次元位置として算出する。ここで、外周点の数は、3以上であればよいが、より多くの外周点を指定することで精度良く中心Qを求めることができる。また、互いに正反対に近い位置にある外周点を指定する方が精度よく中心Qを求めることができる。ここで、撮影された1つの画像では、正反対に近い位置にある外周点を取得することができない。そこで、図7に示されるような斜め方向からの撮影により、より確実に正反対に近い位置にある外周点を取得できるようにして、精度を向上させることができる。
【0058】
また、図8には記載されていないが、警告部66は、アンカーボルト31の根本の中心Qの3次元位置の他に、さらにアンカーボルト31の先端の3次元位置を取得する。この場合、警告部66は、アンカーボルト31の先端について3以上の外周点を選択し、その外周点に可能な限り近い位置を通過する円を求め、その円の中心Tを算出する。さらに、警告部66は、アンカーボルト31の根元について算出された中心Qと、先端について算出された中心Tとが建築構造物30の表面に投影された位置の間の距離を算出し、その距離が所定の許容値(例えば0.5mm)を超える場合に、アラートを出力する。これにより、アンカーボルト31が打ち込まれた方向が、工程上許容されるか否かを精密に判定することができる。
【0059】
アンカーボルト31を代表する3次元位置が測定されると、平面図出力部65は、そのアンカーボルト31の3次元位置を建築構造物30の表面に正射投影し、その正射投影された2次元座標に基づいて鋼板の穴をあける位置を示す設計図を生成する(ステップS306)。
【0060】
生成された設計図は、鋼板の加工業者に送信され、加工業者は鋼板に穴をあける(ステップS106)。より具体的には、加工業者は、鋼板の、その設計図が示すアンカーボルト31に相当する位置に穴をあける。設計図は、用紙に印刷されたもの、ないしは、鋼板の削孔機を直接制御できる電子データであってもよい。用紙に印刷されたものであれば、穴をあける前に実際に建築構造物30の表面に合わせて、その位置精度の検証を行うこともできる。
【0061】
穴のあいた鋼板は工事現場へ輸送される。そして作業者は、アンカーボルト31が穴を通過するように、その鋼板を建築構造物30に取り付け、鋼板の穴を通過したアンカーボルト31にナットを締めて鋼板を固定する(ステップS107)。
【0062】
本発明では、いわゆるSfM手法など、写真測量の技術を応用してアンカーボルト31の位置を特定する。この技術では、カメラ11の移動にずれがあったり、画像の明るさなどに変化が生じていたりしても容易に建築構造物の表面にある構造のレイアウトを精密に測定することができる。また精度を向上させるために必要な画像処理は現場にいない人間が行うことができる。これにより、現場の作業員の熟練度がより低くても、高精度にアンカーボルト31のレイアウトを特定することができる。また、本発明では、建築構造物30に沿って構造物撮影装置10を設置することが可能であるため、建築構造物30の前に幅1m程度のスペースがあればアンカーボルト31のレイアウトを測定することができる。一方、トータルステーションではセンサーが測定可能な範囲に制約があるため、建築構造物30の前に広いスペースを必要とし、また機器の設置スペースも必要とする。また一面耐震補強工法は、その工法の特徴より狭隘な箇所の構造物補強に採用される場合が多い。本発明を適用することにより、スペースに制約のある多くの現場でもアンカーボルト31のレイアウトを高精度に測定することが可能になる。
【0063】
ここで、構造物撮影装置10でカメラ台12をガイドする部材は、ガイドロープ14でなくてもよい。図10は、構造物撮影装置10の他の一例を示す図である。本図の例では、ガイドロープ14の代わりに、ガイドレール44を用いている。カメラ台12にはリング部材123の代わりに車輪129が設けられており、車輪129がガイドレール44上を回転することでカメラ台12が移動できる。ガイドレール44の下端には、カメラ台12の激突を防ぐ下部ストッパー49が設けられている。なお、ガイドレール44は、より短い複数の部材に分割され、現場で組み立てられる。ガイドレール44を構成する部材のそれぞれには、クランプ16が取り付けられ、そのクランプ16により単管パイプ23により固定される。
【符号の説明】
【0064】
3 送信端末、4 データ収集サーバ、5 構造物形状算出サーバ、10 構造物撮影装置、11 カメラ、12 カメラ台、14 ガイドロープ、16 クランプ、17 滑車、18 移動用ロープ、21,22,23 単管パイプ、30 建築構造物、31 アンカーボルト、33 墨出し線、35 基準点、44 ガイドレール、49 下部ストッパー、51 プロセッサ、52 記憶部、53 通信部、54 入出力部、111 レンズ、121 フレーム、122 ロープ固定具、123 リング部材、126 回転板、127 回転ストッパー、128 カメラ固定具、129 車輪、C1,C2,C3,C4,C5,C6 カメラ位置、P1,P2,P3,P4 外周点、Q,T 中心、R1,R2,R3,R4 撮影領域。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12